現実論を振りかざして、現在の困難を是認するヤカラがいる。現実論は声高に言う事ではない。恥ずかしかったり、うしろめたかったりするものだと思う。沖縄の基地問題で、戦争反対、基地反対、平和を訴えている人がいる。座り込み運動までやっている。
そこを訪れた辛坊某氏は、通りすがりの人に議論をもちかけ、基地問題について、普天間から辺野古への移転を現実論として展開した。平和をいう人を理想論であるとし、自分の意見について、自信をみせていた。だが、それは、ご立派に胸を張って、主張するようなものではない。
体制派の傲慢と決して弾圧を受けることのない、権力に阿る発言である。そこには、人類の行く末や、あるべき姿など、まるで眼中にない。沖縄について、心を痛めているという風でもない。当面の利益のみ関心があるのだろう。
だが、理想は持っていなくてはならないだろう。それを胸に秘めながら、現実の社会に立ち向かっていくようでなければ、情けない人生ではないか。