拉致なんてやっておいて、それが取引材料になるなんて、普通は考えられないことだけれども、しかしながら事実であるから、現実には、これに対応しなければならない。
長年にわたって、理不尽に誘拐拉致された家族にとって、この長い年月はどういう年月だったろうか。北朝鮮の拉致事件は、金銭の対象となり、さまざまな価値をもたらすカードとなっている。まったく信じられない理不尽なことであるが、それが実態である。
北朝鮮は、伝えられるところ、国民は自由なく支配者側の命令のままに生きるほかなく、反抗すれば直ちに粛清される状況下にあると言われている。それはほとんど正しいと思われる。
それが来月、あのトランプ大統領と金正恩委員長の首脳会談が実行されることとなり、ドラマティックな展開が予想される。北朝鮮には、国際的な包囲網のなかで、いよいよそれしか道がなくなったという、いわば完全に降伏したとしか思えない展開である。
となれば、北と南は統一し、北朝鮮と韓国の統一も夢ではない。同じ民族であり、別れている理由は特にない。そうなれば、統一韓国朝鮮は、日本にどう向かってくるだろうか。かつての戦争のツケが、いよいよはっきりと回ってくることになりそうだ。