「おらおらでひとりいぐも」を読んだ。主人公の女性の年齢が、ほぼ同年輩で、親近感を覚えると思いきや、当方は、明らかにもう少し若いという認識である。ただ、作家が60代の人であるから、そのように見えるのかという感慨がある。
主人公は、子供もいるし、孫もいる。しかし、寂しいという。こちとらは、子供はいないから、もっと寂しいわけで、老後の展望はそれこそなんにもなしだ。甥や姪を頼りにできないのはもちろんのこと、兄弟だって、他人の始まりだ。
一人暮らしではないから、今はまだいい。ひとりとなった時にどうなるのか、周囲をみれば、子なしの人もいるから、これからの生き様というのは、おたがい観察の対象である。
小説の主人公は、夫を亡くしたことが、たいへんなショックとなっている。だが、そこからの展望を見出している。配偶者の存在というのは、かなり大きいことが書かれている。有名人だって、奥さんに先立たれて、自殺している人もいる。さあて、どのように生きていこうか。