空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

上品であった。

2008年03月25日 09時02分05秒 | 思考試行
 黒澤作品を三本借りてきた。まず、「悪い奴ほど良く眠る」をみた。印象はまことに純情だということである。みんな、精神的に若い。台詞の一つひとつが、今では出てこない言葉である。悪く言えば、子供みたいな感じがする。よく言えば、上品で、純粋で、まさしく「純情」なのである。

 我々世代には、たしかに有った世界である。悪党の底のしれなさが、現代につながっている。登場する悪党が、これは、今どこにでもいるような、普通の人に思えてくるから、恐ろしい。現在のわれわれは、人間が相当悪くなっているようだ。

 そういえば、森鴎外の小説を読んでいたら、人さらいとの会話の場面で、あまりの上品さに、驚いたことがあった。小泉八雲が帰化するぐらいの、日本のよさがあったのである。今、アメリカ流の競争原理を押し付けられ、ヘンになりつつあるように見えるけれども、根本的なよさは、世界に誇ることができる普遍的なものがあるように思う。