先日、週末の夜に
長野で暮らす息子から1本の電話が入った。
この時期の週末の夜に
彼から電話があることは、
グーが逆立ちすることよりも珍しいことだ。
というのも、
彼は今ボードに夢中なのだ。
週末ともなると友達と一緒に
ゲレンデに出かけては、
ボードに興じている。
まったく、気に入ったら
夢中になるというdoironのDNAを
きっちりと受け継いでいるというほかない。
ではなぜ、
彼から電話があったかというと、
「カネオクレ」
の連絡ではない。
実はその1週間ほど前にボードで転倒し、
ろっ骨を骨折したために出かけることができず、
家で暇な時間を費やしているのである。
では、その用件はというと、
怪我で家に引きこもらざるを得ないために、
彼は今、家でせっせと読書にいそしんでいるそうで、
ついては親父のおすすめの本を
教えてちゃぶ台、という内容のものであった。
思えば、doironもマラソンに興じていた頃、
それはそれはいろんな故障をした。
シンスプリントなどは序の口で、
肉離れ、足底筋膜炎、
腰椎分離、すべり症による腰痛、
50肩、WPW症候群による
不整脈の多発、貧血、
挙句には心肺停止にいたるまで、
小さな体でよくぞ耐えたなというほど
多くの故障を経験した。
その都度、がんばって
それなりに復活もしてきたが
やはり罹患したときは、落ち込んだ。
しかし、落ち込んだからといって
じっとしているdoironではなく、
そんなときは本をむさぼるように
読んだ記憶もある。
そのあたりも、
まったくDNAの絆はつながっているわけだ。
息子には
「まあ、東野圭吾あたりを読んどけば
いいんじゃないか」
とアドバイスしてあげた。
最近では「麒麟の翼」も話題になったしね。
聞けば、そんな本を
買うつもりみたいなので、
図書館を活用すればいいんじゃないか
ということもアドバイスするとともに
doironが読み終わった本も
いくつかあるから送ってやる
と言ってやった。
そんなやり取りがあったことを
一番喜んだのは、やはりミセスdoironで、
「いつか彼からそんな呼びかけがあると思っていた」
とうれしそうに語っていた。
それは自分が司書であり、
読書好きでもあるからなんだろうが、
こうみえてdoironも
車を運転しながらとか
ジムでバイクを漕ぎながら
というちょっと変則ながらも
本好きでもあることには変わりなく、
こちらもひそかに
そんな息子の電話に、
トイレで飛び上がるほど喜んでいるのだよ。
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