佐藤青南著"ストレンジ・シチュエーション 行動心理
捜査官・楯岡絵麻"を読みました。
受け答えする相手のしぐさを見て心の内を見抜く捜査官の
楯岡絵麻が活躍するシリーズです。
部下は西野です。
"信じる者は足をすくわれる"
江口夫妻が旅行から帰ったばかりのところを包丁で刺され
殺されました。
大学生の息子は別に暮らしています。
小学生の娘は学校行事で家を空けていました。
空き巣が居直っての犯罪と思われました。
近くの派出所の警官の宮出がピストル自殺をしました。
彼が空き巣の一人と見られました。
"ホーム・スイート・ホーム"
マンションから大学生の溝脇千尋が行方不明になったと
妹の麻友から届け出がありました。
玄関先に血の跡があります。
千尋には城田という恋人がいます。
真面目な千尋とは釣り合いが取れないチャラチャラした
男です。
千尋は管理人にもきちんと挨拶する女性でした。
"センターは譲れない"
星野真理恵が殺されました。
彼女はアイドルグループのさくらんぼアーミーの一員でした。
彼女には熱烈なファンで、しつこくつきまとっていたの芳村が
いました。
真理恵にはセンター争いをしていた美季子と舞がいました。
"非家族の肖像"
高校生の笹崎奈穂が誘拐されました。
父親は飲食チェーンの経営者です。
従業員を何人も過労死させています。
新聞に謝罪広告を載せるように要求がありました。
傲慢な父親は女性に対しても威圧的でした。
娘は死体で見つかりました。
最初の事件で自殺した宮出の警察学校の同期の綿貫は
どうして宮出が事件を起こしたのか調べていました。
離婚をし、賭け事におぼれていました。
江口家の娘の芹香とはよく話をしていました。
息子の毅人と娘の芹香はとても仲がいいのですが両親の
ことは二人ともよく思っていません。
彼らの家族には重大な秘密がありました。
辛いものです。
連作になっていますが、最初の事件のことが全体を通して
登場してきています。
子供たちは逃げることはできなかったのでしょうか。
救いを求める場所はなかったのですね。