雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ジョーカー・ゲーム

2011-01-25 21:27:03 | 
柳 広司
角川グループパブリッシング
発売日:2008-08-29

柳広司著"ジョーカー・ゲーム"を読みました。
スパイ物です。これはおもしろいです。
昔はテレビでスパイ物はよくやっていました。
スパイ大作戦とか、ナポレオン・ソロだとかありましたね。
古すぎて知っている人はあまりいませんね。

時代は戦時中です。
結城中佐によってスパイ養成学校が設立されます。
D機関と呼ばれます。設立には猛反発を受けます。
訓練生はみんな特殊能力の持ち主です。
ちらりと見た図を覚えたり階段の数がいくつだったか
とか平気でこなせる人たちです。
訓練校でいろんな学問や語学、思想、スポーツ、
金庫破り、暗号など厳しく教育されます。
結城中佐の考えるスパイというものは死んではならない、
殺してはならない、捕らわれるな、捕らわれたら脱出せよ
というものです。
訓練生がクールなんです。気負ってスパイをするぞって
感じではないのです。冷めているのです。
当時の軍人のように捕まらない、死ぬことが美学だとは
思っていません。

連作短編集になっています。

"ジョーカー・ゲーム"
親日家となり三年前より日本に住んでいるアメリカ人に
スパイの疑いがかかります。
家宅捜索してその証拠を見つけるよう命令されます。

"幽霊 ゴースト"
イギリス総領事にテロを計画しているグループの首謀者
だとの疑いがかかります。テーラの店員に化けたD機関員が
総領事と接触して真偽を確かめます。

"ロビンソン"
イギリスへ派遣されたスパイが捕まってしまいます。
捕まったときに取るべき行動も充分訓練されています。
自白剤を注射された場合でも重要なことはじゃべらない
よう訓練されています。
スリーパーといって普段は何も活動はしていなくて
特別な時だけスパイとして手助けする人物が配置
されています。
任務へ赴く時に手渡された本はロビンソン・クルーソー
です。この本に何の意味があるのでしょう。

"魔都"
上海での出来事です。
爆発で大尉の家が吹き飛んで数人の人が巻き添えで
死にます。
この事件の真相は?

"X X ダブルクロス"
ドイツ人記者が劇団員の恋人の部屋で毒薬で殺されます。
この記者には二重スパイの疑いがかかっていました。

あっというまに読んでしまいました。
おもしろかったです。