雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

首無しの如き祟るもの

2017-06-03 10:02:10 | 

三津田信三著"首無しの如き祟るもの"を読みました。
時代は戦中、戦後です。
場所は奥多摩の山村です。
雰囲気はどこか横溝正史風です。
媛神村には淡首様や首無の伝説が残っていて祟りを
恐れています。
旧家の秘守一族が君臨しています。
秘守家は一守、二守、三守家に別れていて一守家が
束ねています。
この本は駐在所の高屋敷巡査の妻の妙子が作家となり
過去の出来事を書いたという形式になっています。
一守家に5歳で引き取られ使用人として育てられた
斧高の目線と高屋敷巡査の目線で書かれています。
一守家には長寿郎と妃女子という双子がいました。
斧高は長寿郎の世話についていました。
子供は13歳、23歳、・・と3のつく年齢の時に
夜に媛神堂へ行く風習がありました。
13夜参りの時に妃女子が堂の前にある井戸に落ちて
死にました。
首がありませんでした。
6歳の斧高が内緒で長寿郎を見守っていました。
山は密室状態にありました。

十数年経って長寿郎の三人の娘との見合いがやはり媛神堂で
行なわれることになりました。
二守家の娘、三守家の娘に親類の娘の毬子の三人です。
やはり斧高と高屋敷が見守っていました。
媛神堂の中で鞠子が首を切られて亡くなりました。。
長寿郎の姿が消えています。
数日後に長寿郎も死体で見つかります。

何十年後かに妙子が連載でこの出来事を連載しました。
書かれたことでまた動きがあります。

斧高は冷たく扱われていますが長寿郎だけがやさしくして
くれました。
彼は長寿郎のことがとても好きで大切にしてきました。

事件の真相は作家の刀城言耶が解き明かします。
そういうことかと納得すると、いやそうではないとひっくり
返して別の解釈が述べられます。
これが何回も繰り返されます。
あとの二つぐらいはうんざりしてせっかくの話しがしらけました。
やりすぎだと感じます。

祟りに振り回されていいことなしです。
長く続いた家には滓みたいなものが澱んでくるものなのでしょうか。