雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

静寂の叫び

2017-05-31 13:22:50 | 

ジェフリー・ディーヴァー著"静寂の叫び"を読みました。
リンカーン・ライムのシリーズのディーヴァーさんですが
この本は初期のものだそうでライムは登場しません。
主人公はアーサー・ポター、FBIの人質事件の交渉を
担当する人です。
刑務所からルー・ハンディ、シェパード・ウィルコックス、
レイ・ボナーの三人が脱獄しました。
途中で夫婦を殺し、行き合った聾学校の生徒8人と先生2人を
人質にして食肉加工の廃工場へ逃げ込みました。
3人のリーダー格はルーです。
ポターはカンザス州へ呼ばれて交渉の指揮をとることに
なります。
彼らはどうして手にしたかたくさんの武器を持っています。
ルーは人を殺すことにまったく心が動かされることなく
平気で行なえる人物です。
最初の交渉で年長の生徒が理由もなく殺されてしまいます。
人質の一人に教育実習生のメラニーがいます。
自信がなさそうな人物に見られます。
農場経営者の父親との間には確執があります。

対話を繰り返し少しづつ信頼関係を築く努力を続けます。
メラニーの機転で子供たちは数人づつ外へ逃れます。
ポターは無断で行動を起こす州警察や、法務次官補の
横槍や、情報を筒抜けにするマスコミの報道などを
処理しながら人質犯との交渉は続きます。

警察に取り巻かれ逃げ場などないようにみえるのにルーは
焦りをみせることなく平然としています。
過去にルーと交渉したことがある女性警官が現れたことで
事件はルーが降参したことで解決をみます。

これで終わったかに見えた事件はポターが家に着く前に
様相を変えてしまい、ポターはまた事件現場へ引き戻されて
しまいます。
驚くべき事実がわかってきます。

ポターにしろメラニーにしろ今後の人生が狂ってしまうだろうと
思う出来事です。
大勢の人が殺されています。
ポターといっしょに事件に取り組んだ州警察のバットも
亡くなりました。
ルーという性格の異常な人間のためなんと多くの人が
振り回されたことでしょう。
メラニーには最後の選択はして欲しくはなかったです。