雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

噺まみれ 三楽亭仙朝

2014-06-06 21:00:00 | 

和田はつ子著"噺まみれ 三楽亭仙朝"を読みました。
噺家が主人公ですから人情話かと思っていたら捕物
めいています。
三話からなる連作短編集のような長編のような話でした。

仙朝は美男で人気の噺家です。
弟子は小仙治です。
噺好きの南町同心の津川亀之助がよく姿を現します。
師匠は優仙です。
師匠には冷たくされましたが病気で他の弟子たちが
誰も面倒を見ようとしなかったのを仙朝は面倒を
みました。
その後も病気で伏しているおかみさんのおりんへの
手当てを欠かしません。
娘のお園が母親の面倒をみています。

優仙の幽霊が出るという噂が広がります。
優仙の家のまわりの家は立ち退いてしまいます。
優仙の家にある蔵を借りて何かしている人がいます。

優仙の一番の弟子だった遊太は優仙が病気になったころに
姿を消しました。
商家のお嬢さんだったお小夜は遊太と駆け落ちしました。
しかし遊太はお小夜を売り飛ばし、両親によって見受け
されれば再度売り飛ばしていました。
仙朝はお小夜を助けようとします。
遊太さえ助けようとします。
仙朝は遊太のために贔屓のところへ行って骨董品を
見せられしたたか酔いました。
骨董品が袖に入っていて仙朝はわなにはめられます。

優仙の妻のおりんに娘のお園との縁談を打診されます。
お園はおりんの言うがままに生きてきました。
彼女には幼馴染の人がいて、好きだという気持ちに
気づかずにいます。
仙朝はおりんが好きです。
病気で先は長くない人ですが彼女に打ち明けます。

ここまでに何人かの人が殺されています。
鬼百合というグループがありその仲間が殺されていきます。
意外な人が関わっています。

読みやすい話です。
仙朝がかっこいいです。
弟子の小仙治とは師匠と弟子というより友人とはいかなく
ても親しい感じです。
おりんは病床にありながら男の人たちをひきつける
魅力を持っている人です。

この人が鬼百合の仲間で次々に殺人を犯していると
いうのはちょっと反則ではないかと思います。