雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

春はそこまで 風待ち小路の人々

2013-01-25 20:26:08 | 

志川節子著"春はそこまで 風待ち小路の人々"を読みました。
最初は連作短編集かと思いましたが長編です。
絵草紙屋の粂屋の店主笠兵衛で、息子は瞬次郎です。
瞬次郎は奉公先から戻して店の手伝いをさせ始めた
ばかりで笠兵衛はまだ力を認めていません。
半襟屋のおちせは店が焼けて叔父夫婦と亭主を亡くしました。
再建して自分で絵を書き刺繍をした半襟を売ろうと
しています。
笠兵衛の妾のお孝は魚屋と逃げてしまいました。

生薬屋の円満堂の亭主は亀之助で女房はおたよです。
亭主は女道楽が激しくて遊び歩いています。
おたよは店の力になりたくて現代でいう通信販売を
始めます。
詐欺に会うこともありましたが起動に乗り始めました。
亀之助に強くいうことができなかったおたよでしたが
妊娠したことではっきり意見するようになります。

祐太の父母は洗濯屋でした。
母は酒びたりです。
父は家を出て行ってしまいました。
母は生まれたばかりの子を亡くしています。
父が博打に凝り病気になった赤ん坊の薬代を博打に
使ってしまい死なせてしまいます。
母はそれが許せなくますます酒におぼれていきます。

日の出横丁という商店街が出来て風待ち小路は人出が
少なくなっていきます。
新しい商店街は活気があります。
瞬次郎は仕事で知り合った半襟屋のおちせが好きになり
芝居にさそいます。
風待ち小路の若手の男たちが集まって日の出横丁に
対抗するためにお芝居をやろうと話がまとまります。
瞬次郎はおちせに櫛を贈ろうと思いつき知り合いの
女性に品選びを頼みました。
二人で歩いている時におちせが武士と歩いているのを
目にします。

五十嵐半之丞は池田伝内に斬られました。
池内は逃げ出しました。
その時半之丞の息子の銀之進は六歳でした。
半之丞の弟の又次郎と妹のおちせが銀之進の後見して
池内を追いました。
それから7年が経っています。
半襟屋のおちせがそうです。
銀之進は息子として暮らしています。
岩井半四郎の芝居小屋で見た黒子が仇の池田では
ないかと思います。
瞬次郎が見かけた侍はおちせの義兄です。

風待ち小路の若手たちが助六を演じようとしている時に
年配者たちも同じく助六を演じようと稽古をしています。
それがわかって午前、午後で演じ分けることになります。
前日に宴会をして演じ手が食中りをしてしまいます。
見にきた半四郎が揚巻をやり後は年配者、若手の中で
出られる者で上演することになります。
池田伝内は半四郎についてきています。
銀之助は芝居を手伝うことにしてすきがあったら池田を
討つことになりました。

おちせは瞬次郎と結婚することになります。

始めのうちは町の人々の出来事をつづったものかと
思っていましたが敵討ちの話になっていきました。
だんだんとおもしろくなっていきました。