雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

猫の帰還

2007-09-04 20:53:01 | 
ロバート・ウェストール作「猫の帰還」と
いう本を図書館から借りてきて読みました。
子供用の本の書棚にありました。
でもこれは子供を対象に書かれたものでは
ないと思います。

ロード・ゴートと名づけられた黒猫が
主人公です。
猫は家から引き離されても前の家に帰る
どころか、ぜんぜん知らない土地に引越した
主人を見つけ出す能力があるのだそうです。
そんな事例が何件もあるそうです。

第二次世界対戦のイギリスが物語りの場所です。
奥さんと子供といっしょに疎開した土地に
なじめないロード・ゴートは戦争に行った
主人を追って家を出ます。

旅の途中で焼け出された馬車屋さんといっしょに
暮らしたり、ご主人を失って悲しみにひたって
現実の生活が出来なくなった女性の元で
暮らしたりします。
みんな猫といっしょにいることで元気が出たり
悲しみから抜け出しリします。

最後に捜し求めたご主人の所へ戻るのですが
もっと感動的な場面が用意されていると
思っていたのですがいたくあっさりしています。
主人はこの猫はロード・ゴートに似ているが
違う猫だと思っています。
猫の方も狂喜乱舞するでなし淡々としています。
肩透かしくらった感じです。

イギリスで戦争時の普通の人々がどう暮らし
何を考えていたかについて書かれたものを
読んだことはなかったように思います。
ちょっとだけ触れられました。

主題は戦争なのか猫なのか、6対4といった
ところでしょうか。
いい本でした。