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雑談・韓国旅行(2019年2~3月) [その2]弘大(ホンデ)の和食店、トゥムルモリ等々のこと

2019-08-18 16:46:14 | 韓国旅行の記録
 → 雑談・韓国旅行(2019年2~3月) [その1]「パイノパイノパイ」のことなど

 翌日2日はF氏と弘大(ホンデ)前で待ち合わせて昼飯を食べに行きましたよ。弘大一帯は若者の街で、観光客も多い所で・・・。
 F氏が「あれ、わかります?」と指さす方を見るとあるビルの前のウサギのオブジェ、じゃなくて、その後ろのビルの壁面に描かれた動物(?)の絵。あの防弾少年団のメンバー個々のキャラなんですと。わかるわけないよね。この近くで経営に携わってた会社の社員に教わったんですと。「まあ知らなくたっていいんですけど」とF氏、そりゃそうかもしれん、ウチらオジサンには苦手なジャンル。

 この弘大近辺どは近頃ずいぶん日式(イルシク)チプつまり日本料理店が目につくようになってるんですよ。韓国でラーメンといえばふつうインスタントラーメンのことなんだけど、日本風の本格的なラーメン店も何軒かできて行列ができる店もあるし、丸亀製麺のような日本のチェーン店も進出してるし・・・。
 そしてボクら2人が行ったのは博田中という定食がメインの店で、前から知ってて気にはなってたんだけど、入るのは初めて。これで「はかたなか」と読ませるのはちょっとムリっぽい感じだけど、店長さんが福岡の定食店の中田中(なかたなか)のオーナーの田中さんに日本料理を学んだり、博田中のオープンの際もいろいろ協力してもらったから、というイキサツがあったからなんだって。
 開店時刻は11時30分で、ウチらが入ったのは35分。そしたら、席がもうほとんど埋まってるでないの! あと数分遅かったら行列に並ぶとこだったね。0
 で、メニューの写真を見ると、安い方からスタミナ定食(生卵と野菜サラダね)1万800ウォン、チキン南蛮定食と唐揚げ定食が1万2000ウォン、味噌ナス定食1万3500ウォン・・・と続いて、一番高いのがMr.田中定食(サバ焼・唐揚げ・豚汁等)で1万6800ウォン。けっこう「いいお値段」でしょ? ウーム・・・と熟考して決めたのが味噌ナス定食ね。あ、日本円で約1,350円ですよ。
   
【味噌ナス定食。[左] 見渡せば日本人はウチら2人だけ![右] 】
 ちょっと経って運ばれてきた料理を見たら、思ってた通り分量は多めで・・・。韓国人が大食というより、日本人の胃袋が世界標準より小さいんだと思うよ。
 ところで、店内には30人くらい客がいたかな。食べ始めて、周りをざーっと見渡して、すぐ気がついたんですよ。
 「ねー、日本人はウチら2人だけだよ!」
 さあ、ここで質問です。
 なんで「日本人は自分たちだけだ!」と気がついたのでしょう?

 え、スッカラ(スプーン)を使ってるから? ブー。でも当たらずと言えども遠からず。箸とスプーンは最初から付いてます。木製というところが和食の店らしいところかもね。たしかに韓国人はスプーンをよく使うけど箸も使うんで、「一目でわかる」とはいかないでしょ。スプーンについては「昔日本人には箸しか教えてやらなかった」という俗説?があったり、また以前見た韓国人のブログだと、日本旅行の時、味噌汁を見て「スプーン下さい」と当然のように頼んだら、店員さんも一緒に行った日本人も戸惑って、結局出されたのは小さなティースプーンで、「大きな食堂なのになぜろくなスプーン1つないのよ!」とアタマに来たという記事も憶えてますよ。これだけとっても文化的ギャップの大きさがうかがわれる・・・、って、そうそう、正解ね。
 それは「お茶碗を置いたままご飯を食べる」ということ。手に持って食べてるのはウチら2人だけ。これはほぼ一目でわかりますよね。で、他の客は今言ったように基本的にスプーンを使って、お箸は味噌汁の具とか小皿の漬物なんかをたまにつまむ時くらい。
 こういった食事作法の違いは、3年くらい前に読んだ「絵本 世界の食事」という子供向きのシリーズにいろいろ書いてありましたよ。
 それによると箸を日常的に使っているのは中国・台湾・朝鮮半島・日本・ベトナム。つまり漢字文化圏=東アジア世界。そういえば、学生時代にベトナムは他の東南味と違って東アジア世界なのだと教わったなー。そしてこの中で箸だけを使って食べるのは、ベトナムと日本だけなんですと。またベトナムでは、日本と同じように汁物も器を持ち上げて直接口をつけて飲むんですと。
 またまた話がそれるけど、旧正月も韓国の場合は中国と同じだけど、日本とベトナムは自国の地理上の位置に合った暦に基づいててるので、年によっては中国とは1日ずれることがあるそうですよ。韓国は李氏朝鮮時代も中国の元号をそのまま使ってたし、やっぱり中国の政治的文化的影響というか束縛はちょっとやそっとで抜け出せないよねー・・・。

 あっ、話がどんどん授業みたいになってきちゃったか。ミアネヨ~。
 この日は「仕事があるんで」というF氏と別れて、前にも行ったことがある想像(サンサン)マダンというミニシアターに行って「カペナウム」という映画を観たりして。今「存在のない子供たち」という邦題で上映されてるよね。レバノン映画で言葉はアラビア語。韓国語字幕に集中するしかなくて、ほとんど語学の試験。ははは(^^;) 疲れちゃってそのまま安ホテルに帰りましたよ。

 3日は朝からF氏と目的その2のトゥムルモリをめざします! 中央線に乗って両水(ヤンス)まで、清涼里からだと1時間くらいかな?

 歩いた時間も距離も長いし、話しても長いけど、一言で言えば、なるほど風光明媚なところでした。はい。
 そこにナルト(나루터)の碑という石碑があったんだけど、船着場という意味なんだね。もしかしたら、鳴門と関係ありそうじゃない?
   
【トウムルモリの景観[左]とナルトの碑[右] 】


 このトゥムルモリは日本のガイドブックにはほとんど載ってないけど、韓国ではフツーに知られた行楽地ね。しかーし。最初に言った夢陽(モンヤン)紀念館はあまり知られてなさそう。この前たまたま会った韓国の高校生と話したら知らなかったね。夢陽呂運亨(ヨ・ウニョン)のことは知ってたけど。
 両水駅の1つ先(東)の新院(シヌォン)駅から15分くらい(?)上り坂を歩いた所にあるんですよ。
 中にはいると夢陽先生がいらっしゃったので、ちょっと教えを乞うたりしてきましたがな。
 ここは観光ポイントといったところじゃないから人はマバラ。まじめそうな学生さんが資料を熱心に見てましたね。
 暗殺された時の血のついた着衣とか、デスマスクなんてちょっとおぞましいものも展示されたりしてて・・・。
   

 紀念館の屋上には生家があって、夢陽先生がヒゲを剃っていらっしゃいました・・・。
   
 それから、Y氏が「庭に拷問道具(!)が・・・」などと言うので確認しに行ったら、なあんだ臼じゃないの。足で踏むやつ。唐臼(からうす)とか踏み臼っていうんですよ。
 なんでトゥムルモリとか夢陽紀念館とか日本じゃそんなに知られていないところを知ってるかっていうと、モトはジュニア向けの本なんですよ。1つ目は「茶山(タサン)の父に」といって、実学派の丁若鏞(チョン・ヤギョン)が正祖の死後全羅南道の康津(カンジン)に流されちゃうんだけど、彼の次男がそこを訪ねる話。2つ目は「夢陽呂運亨物語」という本で、現代の少年が公園で遊んでて、偶然タイムスリップした先が呂運亨の少年時代の村で、彼の家に寄宿してその成長をたどるという構成なんだけど、一番知りたい光復前後から殺されちゃうまでのことは全然書いてなくて期待外れ。これから佳境に入る前に現代に戻っちゃうなんてねー・・・。でも彼の出身地とかその他にも初めて知ったことも多くて、読んでよかったけどね。
     

 アラ、あと2日分あるのか・・・。
 いろいろおしゃべりしてるうちにずいぶん時間が経っちゃったねー。残りは東大門デザインプラザでキース・ヘリング展を見たとか、CGVピカデリー1958で「抗拒 柳寛順物語」を観たとか、チョコチョコとあるけど、それは全部はしょっちゃいましょ。
 ところで、韓国から帰ったらちょっとノドの具合が悪くなって、考えてみたら例のミセモンジですよ、きっと。帰ってきた日の5日朝はTVで「ミセモンジ非常措置発令5日目です」なんてニュース流してたんで、ホテルの窓から外を見たらたしかに!

 いやー、韓国の話、ホントにネタが尽きないよねー。年内にまた2回は行ってきたいな。「こんな時期」だからとくに、ね。

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