ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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[韓国のわらべ歌] 「おさるのケツは赤い」は「さよなら三角」みたいなしりとり歌

2013-04-12 23:52:34 | 韓国の音楽
 1つ前の記事で韓国の絵本のことを書いた関係で、昨日横浜市立図書館1Fの外国の児童書コーナーを見てみました。

 その時にたまたま目にとまり、興味を持って一読したのが下の画像の本です。

          
   【キム・ウォンソク「わが国 伝来童謡 童詩」(2000年発行)の表紙。】

 内容は、自然や動植物、生活等々についての詩、カンガンスルレ等の遊び、子守唄や田植え唄等の伝承歌等々いろいろ。
 詩や歌詞だけでなく、1ページ分の説明もついています。

 その中で、私ヌルボがとくに注目したのが「言葉遊び(말놀이)」の部分。
 8つ紹介されている中で、2つ紹介します。

   부산 가서 붓 사고   釜山に行って筆買って  
  부산 가서 붓 사고   釜山に行って 筆(プッ)買って
  초량 가서 초 사고   草梁(チョリャン)に行って ローソク(チョ)買って
  섬에 가서 섬 사고   島(ソム)に行って 俵(ソム)買って
  통영 가서 통 사고   統営(トンヨン)に行って 樽(トン)買って
  마포 가서 말 사고   馬浦(マポ)に行って 馬(マル)買って
  밀양 가서 밀 사고   密陽(ミリャン)に行って麦(ミル)買って

   ※마포はソウル市の麻浦ではなく馬山の古称馬浦のこと。
   ※3行目は元来は「俵(ソム)買って」だと思うのですが、挿絵を見ると「島」を縄でくくって引っぱっている・・・。

 私ヌルボも2月23日の記事<大邱の人はタラのスープが好きかな?>で韓国の地名に因んだダジャレをまとめてみましたが、地名から何か連想するというのはよくある発想ですね。説明を読むと、釜山あたりの地名ばかりで、つまりはその地方に伝承されてきた言葉遊びとのことです。ハングルで検索してもヒット数は多くないので、そんなにポピュラーなものでもなさそうです。
 日本の「山があっても山梨県、お金を拾って徳島県・・・」という言葉遊びの方がたぶんよく知られているのでは?

 2つ目は、2010年9月28日の記事<[韓国のわらべ歌] アチムパラム チャンパラメ・・・・>を書いた時、少し韓国のわらべ歌を調べてみた時に知ったしりとり歌です。

     
        【絵入りで楽しく読めます。右ページはその説明。】

 しりとり歌といっても「こぶた、たぬき、きつね、ねこ・・・」と続くものではなくて、また「一番楽しいお正月、学校集まる四方拝、はいはいもしもし電話口・・・」と2文字とって続ける名作(!)(→コチラ参照)
でもありません。

   원숭이 똥구멍은 빨개   おさるのケツは赤い  
  원숭이 똥꾸멍은 빨개    おさるのケツは赤い
  빨가면 사과          赤いはリンゴ
  사과는 맛 좋아        リンゴはおいしい
  맛 좋으면 대추         おいしいはナツメ
  대추는 달어           ナツメはあまい
  달으면 바나나         あまいはバナナ
  바나나는 길어         バナナは長い
  길으면 기차           長いは汽車
  기차는 빨러           汽車ははやい
  빠르면 비행기         はやいは飛行機
  비행기는 높아         飛行機は高い
  높으면 백두산         高いは白頭山


 先に書きませんでしたが、皆さんたぶんご存知の「さよなら三角」のようなものですね。
 「さよなら三角また来て四角/四角は豆腐/豆腐は白い/白いはうさぎ/うさぎは跳ねる/跳ねるはカエル/カエルは青い/青いは葉っぱ/葉っぱはゆれる/ゆれるは幽霊/幽霊は消える/消えるは電気/電気は光る/光は親父のはげ頭」
 ・・・このあたりが一応標準的のようですが、いろんなバリエーションがあります。→コチラのブログ記事では、派生パターン表まで作ってくださってます。また、地方によっては「いろはにこんぺいとう」とか「デブデブ百貫デブ」で始まるものもあります。

 この「원숭이 똥구멍은 빨개」は、説明文によると「唐津(タンジン)地方(忠清南道)で歌われたもの」だが、「飛行機やバナナが出てくるところをみるとそんなに古いものではない」、だが「(児童文学者の)魚孝善(オヒョソン)先生が70年前にこれを歌って育ったというから、それでも古い」等と書かれています。

 しかし、ふつうに考えて、これはやはり日本の統治時代に「さよなら三角」が伝わって変化したものではないでしょうか?

 「원숭이 똥구멍은 빨개」には「さよなら三角」ほどの多くのバリエーションはないようですが、地方によって若干の違いがあったり、「빨가면 사과」が「빨간 것은 사과」という形式になっていたり、・・・という程度です。あ、タイトル&冒頭が「원숭이 똥꾸멍」でなく「원숭이 엉덩이」になっている例はたくさんあります。
 私ヌルボは「똥꾸멍」を多少上品に「ケツ」と訳しましたが、正確には「糞穴」つまり肛門のことです。この下品さが引っかかる人は「엉덩이」つまり「お尻」の方を選んでいるということでしょう。

 YouTubeで検索したところ、先の「アチムパラム」と同じく子煩悩の親がリードして幼児に唱えさせている動画がいくつもありました。
 1つだけ紹介します。→コチラ
 「パナナヌン キーロ」というのを、一瞬「バナナはきいろ」と聞いてしまいました。(もちろん、「長い」です。)

 オマケ。この「원숭이 엉덩이」を、ガールズグループViViDが歌っている動画もあったので、載せておきます。

  

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