Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

エリクソン監督、スウェーデンに頼み事は?

2006-05-31 | FIFA World Cup
5月30日、 England 代表は Old Tradfford でハンガリーと対戦。 3-1 と結果を残した。England でのHungary と言えば1953年自国では当時無敗だった England が マジックマジャールこと、ハンガリー代表に 3-6 と粉砕され、続くハンガリーの首都ブダペストで行なわれた試合では 7-1 と England は返り討ちにあった。そしてその England 代表の右サイドバックを務めたのがアルフ=ラムゼー氏、13年後に England 代表を率いてワールドカップ優勝に導いた監督だ。60年代のある時期まで England では代表選手の選出は協会、FAが行なっていた。ラムゼー氏は自分で代表選手の選出が出来る最初の England 代表監督であった。そしてラムゼー氏は現役時代は Tottenham に所属し、2部だった Supurs を1部に昇格させる一端を担い1950-51のシーズンにはリーグ優勝も果たしている。しかし、彼の功績に対して誰も口出しは出来ず、1973年のワールドカップ予選では Poland の前に屈し、欧州地区予選落ちの憂き目にあった。そして4年後、代表を引き継いだドン=レヴィもどうすることが出来ずに連続大陸予選落ちという暗黒の時代に入っていった。30日のハンガリー戦を前に上記の事を述壊するベテランサポーターもいたと思う。 この試合、26日のベラルーシ戦と異なり、まずAマッチと認定され代表のレギュラークラスがスタメンに名を連ねる。エリクソン監督の収穫はなんと言ってもジェラードであろう。ルーニーの起用の目処が不透明な今、3種類の攻撃布陣が考えられる。

A 案
      クラウチ     オーウェン

J.コール   ジェラード   ランパード  ベッカム


B 案
            オーウェン
    ジェラード
 
J.コール   キャリック   ランパード  ベッカム

C 案
    J コール  オーウェン  クラウチ

ランパード    ジェラード       ベッカム

A案は先般のベラルーシ戦で2トップのみだが試された。 そしてこのハンガリー戦はB案、ジェラードの攻撃力を生かすと言う戦術だ。前半、ジェラードは無視できない選手と言う印象を与える動きを披露、そしてペナルティーエリア内で倒されPKを引き出す。それをランパードが外す。戦後 England はPKを20試合で21回失敗している。2004年の欧州選手権のフランス戦でベッカムが、1992年ブラジルとのAマッチでリネカーが。ランパードもその仲間入りを果たしたと TIMES 紙は報道する。しかし後半開始早々、ベッカムのクロスを受けたジェラードが先制ゴールを挙げるがそれからEngland の動きが見違える。50分には John Terry が代表初ゴールを挙げるが、テリーのゴールは所属先のチェルシーでよく演じられたもの。代表初と言うことが意外だ。この2得点を演じたのが主将のデヴィット=ベッカム。ジェラードには右からのクロスを、テリーにはFKから絶妙の配球を。かつての様なスタミナはまだ見せぬが“ここ数年間の国際試合で最高の出来”と TIMES は賞賛する。今回で3度目のワールドカップとなるが、この好調振りが持続できればとイングランドサポーターは祈るだろう。 83分にはJoe Coleの左サイドからのボールを受けたクラウチが右足ワンタッチでかわして3点目。足技も使えることをアピールしたか? だが保守的な?英国紙の評価は辛口だ。ベッカム、ファーディナント、J.テリー、ジェラード、クラウチらが高評価であったが、それは“ハンガリーのソフトなマークを割り引かねばならない。ワールドカップはブラジルを始め他の31カ国のDFはもっとタフだ。”との論調。ベラルーシ戦に次いで先発出場し65分プレーしたオーウェンについては“怪我で離脱後の5ヶ月間では最も Fit していた。しかし、練習場での fitness と試合場での sharpness では異なる。クロスバーに当たるシュートとGK Kiraly にセーブされたのが1本ずつあったが、孤立する時間が長かった”との評価。完全復活はまだ少し先か? また Gary Neville が前半でふくらはぎを痛めてハーグリーブスと交替した。ブンデスリーガ、Bayern Munchen 所属のハーグリーブスはベラルーシ戦に続く出場だったが、55分にはこの日のハンガリー選手の中では最も出来の良かったPaul Dadai に振り切られ 25mのミドルを放ったれ、ロビンソンを破ったがカバーに入ったキャラハーがクリア。それよりもエリクソン監督はこれ以上の怪我人はご免と思っただろう。ネビルの症状をエリクソン監督は自ら“ Slight 軽い “ と試合後コメント。65分にはウォルコットがオーウェンに替わってベラルーシ戦に続いて登場。Aマッチデビューを果たす。評価はベラルーシ戦よりか高かったが日本のマスコミが持てはやすほど地元メディアは甘くはないなぁ。しかしジェラードはエリクソン監督から”うちのセンターフォワードだ“と言われた様な能力を証明した。 ルーニー抜きでも大丈夫か?  
England は6月10日フランクフルトでパラグアイ、15日にニュールンベルグでトリニダードドバゴそして20日にはケルンでスウェーデンと当たる。20日のスウェーデン戦の前に決勝トーナメント進出を決めたい所であろう。エリクソン監督自身がいつから知っていただろう?まだ England は Sweden から親善試合含めても勝利を挙げたことが無い。印象的だったのは8年前の欧州選手権予選。Group 5 はSweden が独走し2試合を残して早々と予選突破を決め、最後の切符を Poland と England が争った。 England はホームでの最終戦をPoland と引き分け、ストックホルムで戦う Sweden VS  Poland の最終戦を待たねばならなかった。Polandは引き分けても本大会進出が決まったが、既に予選突破の決まった Sweden が Poland を 2-0で降し England がPoland を得失点差で上回りようやく本大会出場を決めた。今大会では前回に引き続いてSwedenと同組になった。まさかまたSweden の加護が必要だろうか?その時は監督自ら頼むのかな?
ハンガリー戦のメンバーは下記の通り

               オーウェン ( 65 ウォルコット )   
          ジェラード ( 65 クラウチ)
 
J.コールニング       ランパード        キャラガー   ベッカム 
 
A. コール          テリー( キャンベル)   ファーディナント    ネビル ( 46 ハーグリーブス)

              ロビンソン

ハンガリー: Kiraly 6 — Feher 5, Egar 5 , Komlosi ( sub V.Vanczk 9, 6 ) ,Halmosi 6 — Molnar 5 ( sub K.Vadocz 83 ) Dardai 7, Gera 6 , Toth 6 (sub: Torghell 62, 6 ) –Huszti 6 , Szabics 5 ( sub A Polonkai 73 )

母国イングランド、40年振りの快挙なるか?

2006-05-31 | FIFA World Cup
サッカーの母国 England 。しかし20世紀に入りワールドカップ、欧州選手権が開催されてからの彼らの栄光は 1966年、地元で開催されたワールドカップの優勝のみ。ドイツ(西ドイツ時代を入れると)はワールドカップ優勝3回、準優勝4回。欧州選手権、優勝3回、準優勝2回。イタリアはワールドカップ優勝3回、準優勝2回、欧州選手権優勝、準優勝1回ずつ。それらの実績と比較すると England の実績は物足らないと感じるだろう。しかし、今大会は開催国ドイツよりも優勝の可能性はイタリアと並んで高いとみていた。4月29日、チェルシー戦でルーニーが負傷するまで。地元マスコミは連日ルーニーの怪我の回復具合といつワールドカップに登場するかの予想記事で持ちきりだ。 そして代表と Manchester United との間でルーニーの召集、起用を巡る攻防も。England の40年ぶりのタイトルはルーニー抜きでは不可能なのだろうか?
5月26日、 England は Belarus と Madejski Stadium で代表 B マッチを行なった。ベラルーシ代表の中には先のワールドカップ予選のメンバーは含まれておらず目ぼしい選手はかつて Stoke City で 2003-04 シーズン途中までプレーした Sergei Shaunik くらいだった。 Shaunik が Stoke City を離れた理由は家族の問題で、今は離婚が成立したので、またこの地に戻りたいらしい。 Stoke City を離れてから Potteries, Shtaniuk でプレーし2年連続リーグMVPに輝き、今はウクライナの Metalurg Zaporizhya でプレーする。Stoke City 時代の 2001-02 には警告13、一発退場2回を記録し、翌シーズンは改善されたとはいえ警告10、レッドカード1枚を貰った。2002年2月にレッドカードを受けたがそれがこの Madejski Stadium であった。エリクソン監督は兎に角この事を知っていたか試合結果よりどうか怪我人がこれ以上でない事を祈っていたはずだ。しかし、後半、 David James に替わって投入されたその6分後、Robert Green が負傷でピッチを去る。Green はこれで不運にもワールドカップは絶望的に。試合は 1-2 で England が敗れたが、エリクソン監督としては有る程度の収穫はあっただろう。 まずオーウェンは話題のウォルコットと交代するまでの60分間プレー。“代表合宿でギャラガーからタックルを受けても問題なかった”と試合前に自ら語ったが負傷前の様に動けるかはまだテストが必要であろう。 ソル=キャンベルは先日の Champions League 決勝戦で復帰お披露を終えているがリオ=ファーディナントを脅かす出来では無かった。ただこの3人に就いてはまずピッチ上で動けるのを見れたのが収穫だろう。そしてルーニーの代役?とも言える Liverpool 所属のクラウチはオーバーヘッドシュートを魅せるなど器用な所を披露。しかしこの試合で存在を見せたのはまず、Tottenham 所属のマイケル=キャリック。攻守に渡る中盤での動きは本番でも起用の余地ありだ。そして同じく Tottenham 所属の若い Aaron Lennon 対峙する A.Yervich を翻弄し、本大会ではジョーカーとなり得る事を証明。しかし、この影にはもう一人のオーウェン, Owen Hargreaves が慣れない右サイドバックで彼を押し上げる動きを続けられた事によるところが大きい。このオーウェン=ハーグリーブスはカナダ出身のドイツ系選手でイングランドには住んだ事はないらしい。もう一人の若手の注目選手 Theo Walcott は30分プレーしたがベラルーシDFの頑丈なマークに転倒する場面も。彼ももう少しテストが必要だろう。それから Jermain Defoe 。 今季のTottenham での活躍を見ればメンバーに入れてもと言う気も。この試合もクラウチに変わって12分プレーをしたが、もう一度見てほしぃなぁ。 今大会のメンバーには Tottenham のMF陣から3人が選ばれている。もう一人もと思うのだが。 ベラルーシ戦のメンバーは以下の通り。 


     オーウェン ( 60 ウォルコット )   クラウチ ( 78 クラウチ)
 
ダウニング( 78 ドーソン)  キャリック  ジーナス( 60 J.コール)  レノン 
 
A. コール        キャンベル     キャラガー    O.ハーグリーブス

       D.ジェームス( 46 グリーン 53 カーソン )

ベラルーシ (4-1-3-2): Y Zhevnov 5 (sub: V Khomoutovsky, 46min 5) — S Omelyanchuk 4, D Lentsevich 4, S Shtanyuk 5, A Yurevich 5 (sub: A Shahoika, 60 5) — A Kulchy 4 — V Korytko 6, T Kalachev 5 (sub: A Pankavets, 79), M Romashchenko 6 (sub: N Kashevsky , 74) — V Bulyga 4 (sub: S Kornilenko, 46 5), V Kutuzov 5 (sub: A Kontsevoy, 63 4).

  ワールドカップ England 代表

Goalkeepers: Paul Robinson (Tottenham), David James (Manchester City), Robert Green (Norwich City)
Defenders: Gary Neville (Manchester Utd), Rio Ferdinand (Manchester Utd), John Terry (Chelsea), Ashley Cole (Arsenal), Sol Campbell (Arsenal), Jamie Carragher (Liverpool), Wayne Bridge (Chelsea)
Midfielders: David Beckham (Real Madrid/ESP), Michael Carrick (Tottenham), Frank Lampard (Chelsea), Steven Gerrard (Liverpool), Owen Hargreaves (Bayern Munich/GER), Jermaine Jenas (Tottenham), Stewart Downing (Middlesbrough), Joe Cole (Chelsea), Aaron Lennon (Tottenham)
Forwards: Michael Owen (Newcastle), Peter Crouch (Liverpool), Wayne Rooney (Manchester Utd), Theo Walcott (Arsenal).

そして England は30日、ハンガリーと対戦した。

韓国は連続ベスト4??

2006-05-29 | FIFA World Cup
「オーストラリアが日本を破るとしたら、それは韓国のための勝利だ」(15日、フース・ヒディンク監督)5月15日の朝鮮日報は報道するがこれは “ヒディンク監督は15日、韓国のテレビ番組に出演し「日本に勝つとすれば、それは韓国のための勝利になる」と語った。日本としてはかなり気分の悪くなる発言だ。 ”と言う話だ。 残念ながらこの報道の裏を取れる報道を探せなかったので真意はわからない。しかし5月12日付けのオーストラリア紙 Sydney Morning Herald 紙には “ Koreans expect Japan World Cup flop “ と言う見出しが。直訳すれば韓国人は日本がワールドカップで flop する事を expect する。” flop” とは“不恰好にドスンと倒れる”と言う意味。 “ expect “ は予想、予期すると言う意味だが“期待する、~に….して欲しいと思う”と言う意味も含まれる。ただそれには expect A to do / expect that A will do と目的語をとる位置や to 不定詞、that 節を従属するとか文法的な制約があるが。  その記事の内容はこうだ。日本サーチセンターとギャラップコリアが実施した世論調査の結果によると韓国では64%がワールドカップで日本の1次リーグ落ちを expect している、と言う行があるが、原文はこうだ

A poll conducted by the Japan Research and Galaaup in South Korea found 64 per cent if South Koreans expected Japan to fall at the first hurdle next month.

上記の通り expect の後に Japan と言う目的語と to 不定詞が伴われているのでこの expect は期待すると訳される。 また日本人の 12% が韓国決勝ラウンドに進出できないと believe ( 信じる ) と述べられ、韓国人の 42% が全大会同様ベスト4に進出すると were optimistic about ( 楽観している )と、また日本人の27%が日本代表は前大会同様ベスト16で終わると予想し、20%が1次リーグで敗退すると予想していると報道されている。早い話が韓国国民では前大会の成績から今大会も1次リーグ突破は言うまでも無く、世界の列強として連続ベスト4も可能とかなりの自信を持ち、隣国日本は1次リーグで敗退して当然、まだワールドカップで上位に進出できるほどではないと希望している。一方日本国民は謙虚に決勝ラウンドに進出できれば成功と考えている。相変わらず日本には全てにおいて上回られると自尊心をいたく傷つけられ、仕舞いには歴史問題まで結び付けてしまう国民性は健在だが、更に特筆すべき出来事は同日5月12日付けの朝日新聞のスポーツ欄に。 Sydney Morning Herald 紙同様の報道がなされている。この世論調査は4月に実施され、日本では15歳から79歳、韓国では15歳から70歳までの男女が対象で有効回答は日本が 1188 韓国は 858。ただし朝日新聞には韓国ではベスト4でなくベスト8が42%と報道されている。そして韓国の世論の64%が日本の1次リーグ落ちを expect している事は報道されていない。 韓国マスコミのWBC 前のありもしないイチロー発言の捏造とは対象的な朝日新聞らしい報道と言えよう。 
韓国サッカー代表チームのアドフォカート監督は5月11日午後3時30分、弘恩洞のグランドヒルトンホテルで記者会見を開き、2006ドイツワールドカップに出場する23人の最終エントリーを下記の通りに発表した。

 GK:李雲在(イ・ウンジェ/水原)、金龍大(キム・ヨンデ/釜山)、金永光(キム・ヨングァン/全南)

 DF:李栄杓(イ・ヨンピョ/トッテナム)、金東進(キム・ドンジン/ソウル)、崔真 チェ・ジンチョル(全北)、
金永徹 (キム・ヨンチョル/城南)、金珍圭(キム・ジンギュ/ジュビロ磐田)、金相植(キム・サンシク/城南)、趙源熙 ( チョ・ウォンヒ/ 水原)、宋鍾国(ソン・ジョングク/水原)

 MF:朴智星(パク・チソン/マンチェスター・ユナイテッド)、李乙容(イ・ウルヨン/トラブゾンスポル)、金南一(キム・ナムイル/水原)、李浩 (イ・ホ / 蔚山)、金斗 ( キム・ドゥヒョン/ 城南)、白智勲(ペク・ジフン/ソウル)

 FW:朴主永(パク・ジュヨン/ソウル)、薛鉉 ( ソル・ギヒョン/ ウルバーハンプトン)、鄭暻鍋(チョン・ギョンホ/ 光州)、安貞桓(アン・ジョンファン/デュイスブルク)、宰湊( チョ・ジェジン/ 清水エスパルス)、李天秀(イ・チョンス/蔚山)

 予備エントリー:キム・ピョンジ、ユ・キョンリョル、チャン・ハクヨン、キム・ジョンウ、チャ・ドゥリ

 FW李東國は残念ながら怪我でエントリーされず、車ドゥリも正メンバーから漏れた。ユース時代は将来を担うのではと思われた崔成国も選ばれなかった。Jリーガーからは清水の宰湊、磐田の金珍圭が選ばれた。名古屋の金正友人(キムジョンウ)は予備エントリーに留まった。フランス大会の正GK、キムピョンジュも予備エントリーに留まった。今大会は前回のエントリーメンバーから10名が連続エントリーを果たした。前大会は 3-4-3 のシステム。その後コエリョ、ボンフーレ前監督は同じシステムを継承したが昨年10月からチームを率いるアドフォカート現監督はワールドカップ予選出場のなかった李浩、趙源熙 を見出し代表に入れ、システムも 4-3-3 に変更に変更した。朴智星、李乙容といったプレミアで活躍する選手が中心の布陣。若手もFW朴主永、李浩 DF金珍圭らが台頭してきた。そして2002年の英雄、宋鍾国、李天秀 は大会後欧州に移籍していったが失意の帰国。しかし国内Kリーグで輝きを取り戻している。FWは攻撃の軸李東國が負傷で無念の代表落ち。しかし薛鉉、安貞桓の海外組は健在、個々の能力は前大会を上回ると言われている。問題はDFラインだ。一度引退した崔真を呼び戻すなどタレント不足は否めない。李乙容にかなり負担が掛かるか?そうなると攻撃力も手薄になる事も。そして洪明甫の様な精神的支柱となる選手がいないのが不安材料の一つだ。
しかし世論調査はともかく今大会のグループ分けを見ると韓国の方が1次リーグ突破の可能性が高い。トーゴ(6月13日フランクフルト)、フランス(6月18日ライプツィヒ)スイス(6月23日ハノーバー)の日程だが、これも悪くない日程だ。韓国がトーゴに勝てる確率は日本がオーストラリアに勝てる確率よりかは高く、初戦に勝てばフランスに敗れても五分の勝負が見込めるスイスとの最終戦が残っている。日本はともすれば1次リーグ3連敗も考えられるが韓国は考えにくい。もし韓国が決勝トーナメントに進出すると1回戦はスペイン、ウクライナ、サウジアラビア、チュニジアいずれかのがいるH組から勝ち上がった国との対戦だ。そこでスペインとあたると文字通り前大会の因縁試合の雪辱戦となる。今回は韓国も苦しいだろう。しかし、ウクライナ、またはサウジアラビア、チュニジアが相手になるとベスト8も夢でなくなる。23日は仮想“トーゴ”セネガルと対戦。74分金斗のゴールで先制するもその6分後にMoussa N'Diayeのゴールで追いつかれ、引き分け、 5月27日にはボスニア=ヘルツェゴビナを薛鉉、宰湊のゴールで 2-0 と勝利し翌日スコットランド合宿に旅立った。6月1日にはノルウェー、4日にはガーナとの試合が予定されている。 まぁここは日韓いがみ合うではなく、兎に角アジアのチームには1カ国でも多く決勝トーナメントに上がってもらいたい。8年前は全滅で、勝利もイランがアメリカから挙げたのみであった。成績によってはアジアからの出場枠を減らされてしまう。出場国が結果を残す事が同じ(アジア)連盟の一員としての責任であろう。 ファィティング !! ( この意味わかる人??)

サッカールー ホーム最終戦

2006-05-28 | FIFA World Cup
日本時間の27日午前1時に我が日本代表はフランクフルト空港に到着。いよいよ現地入りをした。ワールドカップの開幕がまた近づいたと感じさせられる報道が続く。 そして5月26日はオーストラリア代表が次の合宿先オランダに向けて出発した。Socceroo がドイツに向けて出発した前日、 Melbourne Cricket Ground でギリシア代表を向え 95,103人の大観衆の前で 1-0 と勝利を収めた。この大観衆は競技場の有料入場者数の収容新記録との事。オーストラリアにはここより収容能力の高い競技場は無いのでオーストラリア記録となる。この試合には地元オーストラリア代表サポーターのみならずギリシア代表のサポーターも数多く詰め掛けたらしい。彼らの殆どはギリシアからの移民で、代表の来豪に自らのアイデンティティも再確認出来たと思う。両国のサッカーでの力関係からこの試合は26年振りの対戦で、その時はアテネで行われ 3-3 で引分けている。恐らくイタリアで行われた欧州選手権に向けてのギリシアの強化試合であったのではないか?尊敬する元 Socceroo Johnny Warren 氏の著書によると 1969年はホームで1970年はアウェーでギリシアと対戦しておりそれぞれ 1-0, 3-1 で勝利を収めている。特に1970年のアテネでの勝利はギリシアが過去5年間で初めてホームゲームで破れた試合であった。 当時の日本は万国博覧会で沸いた1年であった。試合前日、ギリシア戦についてのコメントを求められると“日本戦までに3試合の強化試合の1つ”としながらも“欧州王者と戦えるのは価値がある。彼らは全て偉大な選手だ。ギリシアは欧州大陸予選を突破出来なかったが欧州王者のプライドを世界に示すためにも欧州選手権時よりも攻撃的に仕掛けてくるだろう” “結果については杞憂する必要は無い。目的はメンタル、フィジカル、戦術、戦略をフィットさせること”と語りながらも“明日の試合には”サプライズ“は多くは無い。交代枠6人まで認められるが全てを使い切るかは解らない。”“これは”さぁファンを楽しませようぜ“と言う様な試合でも多くを変えるものでもない。”と言いながらも“最も大切なのは観客、国民が試合を楽しむ事で、それが我々にプレッシャーとはならない”と結んだ。 それから36年。オーストラリア戦に臨むギリシア代表のスタメンは2年前の欧州選手権そしてワールドカップ予選でも中心だったハリステアスを含め8人の選手を含んでいた。そして話題の21歳のサマラスもスタメンに名を連ね2トップの布陣。一方のオーストラリア、GKにはプレーオフの立役者シュヴァルツゥアーでは無く AC ミランの第二GK カラッツが起用された。GKの起用に就いては“シュヴァルツァー、カラッツかは五分五分”とコメント。カラッツは2001年のウルグアイとのプレーオフの初戦で起用された。しかし彼は代表でも五輪、 U-20, U-17 でも第二GKに甘んじている。ドイツで長年の苦労が報われるのはレーマンだけではないか?フィールドプレーヤーはエマートン、ムーア、ネイル、チッパーフィールドの4バックにスココ、ゲレラのボランチ(気味?)ヴィドゥーカのワントップの下にはブレッシアーノ、クリナ、ステリョフスキーの3人。 GK以外は予想通り 4-2-3-1 のスタメン。ヒディング監督はいよいよキューウェル抜きの日本戦を本格的に考察せねばならなくなったか? 試合は開始からオーストラリアのペース。開始10分に3度のCKのチャンスを得たがゴールには結びつかず、16分に4度目の左からのCKをブレッシアーノがファーサイドに入れネイル、ステリョフスキーがそれぞれヘッドでペナルティーエリア外のスココに戻し、そのままスココが豪快にゴール右上隅に決めて先制。ギリシアGKニコポリディスはシュートの軌道を見送るしかなかった。24分にはブレッシアーノが20mの直接FKがゴールを襲うなど優位に試合を進める。43分にはヴィドゥーカが抜け出してゴール前でフリーになる直前にジャージーを掴まれて倒され、PKをアピールするがイングランド人マイク=リレー主審はノーホィッスル。スココ、クリナの2人が右の空いたスペースへ侵入を繰り返しチャンスを広げた。特にスココの出来は良かった。キューウェル、ケーヒルの欠場で“代役”ストライカーを務めたステリョフスキーは幾度のチャンスを創りその攻撃力は“新発見”と評価された。負傷の為にウルグアイとのプレーオフに出場出来なかったムーアは体格を生かしたCBとしての存在感をアピールした。しかしGKカラッツは不安定な立ち上がりでペナルティーエリア外から入れられたハイクロスを捕れなかったり、ゴールの片方に寄り過ぎてもう片方を大きく空けたりと不安定であった。幸運な事に危険地域にあまりボールは入れられなかった。

ギリシアのオットー=レーハーゲル監督は前半のふがいなさに業を煮やしたか後半は3名の選手を入れ替えて臨んだ。それが功を奏したか立ち上がり5分の間に2本のシュートを放った。しかし、後半のオーストラリアは疲れのせいか精細を欠き追加点を奪えなかった。二人のA-League所属選手を除けば全員が欧州で10ヶ月のシーズンを終えたばかりだったが22日にメルボルン合宿を初めて以来3日間毎日2回、2時間ずつのトレーニングを行ったのが原因だったとかで、コンディショニングを不安視する声も上がったが“我々の目標は初戦の日本戦にベストの状態で臨む事でギリシア戦では無い”と一蹴する。そして“選手達は疲労が溜まっている事は判っているが大観衆の声援がそれを克服させると信じており、さほど危惧もしない、と。
 システムに就いて試合後質問を受けると“それはオランダ合宿で更に考察するが、相手の出方、ストライカーを1人または2人、3人とフォーメーションが替わる事でこちらのフォーメーションを決めたい”これまで 3-5-2 か 4-4-2 のいずれかを用いたが、この日は 4-2-3-1 のシステムを初適用。地元 Melbourne Victory に所属していたトンプソンは60分にヴィドゥーカと替わりワントップに就いたが得点は挙げられなかった。 また6月4日のオランダ戦には負傷で離脱中のアロイージが起用できる目処が立った。 迎え撃つ日本代表、スカウティングは充分に出来たかな?ここで気になるのが飛行時間だ。彼らはどの飛行経路でドイツに向ったのだろう?メルボルンからシドニーが1時間程度。そこからシンガポール経由ではシドニー~シンガポールが7時間50分。シンガポール~アムステルダムが12時間40分だ。チャーター機が代表のメインスポンサーのカンタス航空から手配されるだろうが、オーストラリアからオランダまでの無寄航では距離的に飛べないだろうからシンガポール、または香港経由になるであろうから20時間以上のフライトは必要だ。参考までに東京からフランクフルトは約12時間だ。長時間のフライトは結構堪えるのだけれど。 

AUSTRALIA : Kalac, Emerton, Moore, Neil, Chipperfield, ( 49 : Popovich ) Skoko ( 60 : Wilkshire ) Grella, Cullina, Bresciano, Sterjovski, Viduka ( 60 Thompson )

GREECE : Nikopplidis, Seitaridis, Dellas, Fyssas, Kyriagos, Katsuolius, Giannakopouls, Basinas, Karagounis, Charisteas, Samaras

移民国家オーストラリア ギリシア戦を前に

2006-05-25 | FIFA World Cup
本日Melbourne Cricket Garden にギリシア代表を迎えて行なわれる Socceroo の壮行試合、様々な人間模様がある様だ。 

1)オーストラリアに凱旋試合
Gerogios Samaras 21歳の Manchester City 所属のストライカー。ワールドカップ予選には召集されなかったが、2年後の欧州選手権連覇を狙うギリシア代表オットー=レーハーゲル監督から豪州遠征召集の声がかかった。ここ2試合に起用され2ゴールを上げておりその成果が認められての召集だ。 Samaras の祖父ギリシアからここオーストラリアの南メルボルンに移民し、当時のギリシア人コミュニティーのリーダー的存在だったらしい。そして Gerogious の父親 Giannis =Samaras 氏はメルボルンで生まれ12歳の時にギリシアに戻り Panathinaikos, OFI Crete 等で活躍するギリシア代表選手になった。代表出場数は25にものぼる。親子2代に渡る代表入りに父親の生まれたオーストラリアでの遠征で感慨も深いだろう。そして“オーストラリアでプレーする可能性もあった。どちらでプレーをするかを考えたときもあった。しかし、誰もコンタクトして来なかった。そしてギリシアを選んだ”とコメントをしているが、彼に声を掛けなかったオーストラリア協会は後悔しているのでは無いか? ギリシア代表がメルボルン入りした時は地元のギリシア人コミュニティーから大変な歓迎を受けて驚いた選手もいたらしい。私も商用でオーストラリアを訪れたときに何人かのギリシア系の移民に会ったことがある。 今日の試合はおそらくいつもの 5-4-1 のシステムで臨み、ワントップには EURO2004 の英雄ハリステアスが起用されると思われる。21歳のサマラスに登場の機会があるかは判らないが、彼がピッチに出れば少なからず MCG からは歓声があがるのでは無いか?? 移民国家オーストラリアならではの話題だ。尚両国は 1978年に対戦しているらしい。

2) New System のテスト??
この試合の焦点は初めて試みる4バックシステムの 4-2-3-1 フォーメーション。キューウェル、ケーヒルの回復が最悪の時の事を考慮してのテストだろう。ギリシア戦ではムーアがポポビッチに替わって起用濃厚だ。そしてスココが昨日の練習では MF のクリーナとの攻守の連携に時間をさいていた事が報道されている。スココはフランク=ファリーナ前監督時代はレギュラーで昨年のコンフェデレーションズ杯にも出場している。ヒディング監督になり起用機会が減っているがこのシステムの採用で状況は変わってきそうだ。またステリョフスキー、チッパーフィールドのFC Barsel 所属の2名にも出場機会は保証されそうだ。この二人は所属の FC Barsel が最終戦でリーグ優勝を逃した精神的ダメージが大きかったらしい。中田浩二はどうだったのかな?しかし、最近はチームによくフィットしてきており特にステリョフスキーは久々の代表定着に意欲満々だ。 ただベテランDFラザリディスの出番は無くなるか?1997年11月にここ MCG でイラン相手にまさかの連続失点を喫しフランスワールドカップ行きの切符を失ったが、ラザリディスはその時のメンバー。MCGでの試合出場にただならぬ思いもあっただろうが。 

3)怪我の回復具合
ヒディング監督への朗報としてケーヒル、アロイージの怪我の回復進行が良好であるとメディカルスタッフから報告された。あとはキューウェルだが、ひょっとして故障と言うのは三味線を弾いているのかな? ただ ”サプライズ人事” の一人ケネディがアキレス腱の痛みで離脱。ギリシア戦は欠場が濃厚。明後日の結婚式は大丈夫かな? 

4)予想スタメン  4バックでギリシア戦に臨む Socceroo の予想スタメンは下記の通り

       ビドゥーカ

ブッレッシアーノ  クリーナ  ステリョフスキー

ゲレラ      スココ

チッパーフィールド  ムーア ニール エマートン

     シュヴァルツァー ( カラッツ )  

システムのテストも大事だが、本音はこれ以上故障者を出さない事であろう。 
それとヒディング監督のもう一つの祈りはは冬に近づく南半球の変わり易いメルボルンの天候で氷雨や雪が降らない事だろう。

オーストリア vs クロアチア スカウティングは充分か?

2006-05-25 | FIFA World Cup
次期欧州選手権開催国に快勝

5月23日、クロアチア代表がウィーンにてオーストリア代表チームと“テストマッチ”を行い、アウェーながら 4-1 と快勝した。  オーストリアと言えば戦前は “ Wunder Team “ と欧州各国から恐れられたサッカー列強であった。しかし1938年フランス大会、事実上ヒットラーによりドイツ連邦に組み入れられたオーストリアは再三 FIFA をはじめ世界の機構に抗議したにもかかわらず FIFA は“オーストリアは既に存在せず”と予選エントリーを認めなかった。実際にオーストリアの優秀な選手達はドイツ代表に入れられた。しかしオーストリアの英雄 Matthias Sindelar はドイツ入りを拒否。最後は自殺をしたと後に報道された。彼はユダヤ人でもあった。オーストリアと言えば今でも鮮明に覚えているのは 1978年アルゼンチン大会だ。欧州予選では東ドイツを勝点1差で退け本大会に出場。本大会でも下馬評は低かったがスペイン、スウェーデンを連破し早々と2次リーグ進出を決めた。さすがに2次リーグではオランダ ( 1-5 ) イタリア ( 0-1 ) と連敗を喫したが最後の西ドイツ戦では終了直前エース、ヨハン=クランクルのゴールで38年ぶりに西ドイツに勝利を収め、西ドイツの大会2連覇の夢を砕いた。続くスペイン大会も欧州予選を突破。1次リーグではチリ、アルジェリアに連勝し前回同様1試合を残して2次リーグ進出を決めたが第三戦の西ドイツ戦は“ワールドカップ史上最悪の試合”と呼ばれる片棒を担ぐことに。西ドイツ、オーストリア両国が2次リーグに進出するには西ドイツが 1-0 で勝たねばならなかった。そして試合はその通りに進む。しかも両方とも公用語はドイツ語。前日チリを 3-2 で破り2勝1敗で1次リーグの日程を先に終了したアフリカ代表のアルジェリアを帰国させることに成功をしたのだった。西ドイツはその後決勝まで進むが大会初戦のアルジェリアには 1-2 で敗れていた。そして2次リーグでのオーストリアはフランス ( 0-1 ) 北アイルランド ( 2-2 ) と勝ち星無く大会を後にした。以降1990年イタリア大会、1998年フランス大会と8年ごとに地区予選を突破し、今大会は出場する順番であったが、今回のワールドカップ予選は第6組に入れられ3位に終わり本大会出場を逃した。3位といえば聞こえはいいかもしれないが、この組はポーランドとイングランドの完全なマッチレースで、1位ポーランド勝点25 2位イングランド勝点24に対しオーストリアは9勝点も開けられ4勝3分3敗の勝点15に終わっている。ウェールズにはホーム、アウェー共に勝利を収めたが、残りの2勝はホームのアゼルバイジャンと北アイルランド戦で上位2カ国との直接対決では最終戦ホームでのイングランド戦を 2-2 と引き分けた以外は全て黒星。予選終了後、ハンス=クランクル監督は退き、ジョセフ=ヒッケルスベルガー新監督の下。2年後の欧州選手権、スイスと共同開催のホスト国として強化を進めている。

ヒッケルスベルガー監督の指揮はこれで2試合目。3月1日にウィーンでカナダと対戦したが 0-2 で敗れている。クロアチアとは過去2回対戦して2連敗だ。 2年後の欧州選手権での好成績を目指すオーストリアはワールドカップ予選に臨んだ選手に3人の代表デビュー ( Prager, Leitgeb, Janko ) を加えての布陣。一方ワールドカップに備えるクロアチア、GKは再びレギュラーポジション奪還を狙うプレディゴサが先発。他は本大会で予想される先発メンバーがそのままスタメン。 オーストリアの首都ウィーンはクロアチアの首都ザグレブからは 300km 程度。クロアチア代表のクラニチャール監督はかつては Rapid Wien のスター選手だった。かつてウィーンは東欧の玄関口と言われていただけあって何かと縁が深いだろう。22,000人集まった Happel Stadion, 試合は開始からオーストリアが優勢に進める。この立ち上がりを地元メディアは“カナダ戦からは進歩が観られる”と一応の評価はあった。そして先制点は13分、イヴァンシュッツが決定的なボレーを放つがノーゴール。しかし、11分にはプルショの左からのクロスを受けたクラスニッチが至近距離からショット。これにはオーストリアGKペイヤーもなす術が無かった。そしてクラスニッチにはオーストリアDFイヴェルツベルガーのマークがルーズになっていたらしいがクロアチアは最初のチャンスを得点に結びつけた。 それでもオーストリアは3分後同点に。イヴァンシュッツがCKを直接クロアチアゴールに捻じ込んだ。 これは日本のスカウティングも要チェックだ。俊輔、CKでもどんどん直接ゴールを狙え!!
その後もオーストリアは攻守によく動き、25分にはニコ=コヴァチのヘッドをイベルツベルガーがクリアー、26分にはプルショのシュートをGKペイヤーがセーブ。攻撃陣も33分にはアウフハウザーが惜しいシュートを放つ。しかし35分にはオーストリアCBシャウナー、ストランツルを振り切ったクラスニッチが勝ち越しのゴールを挙げた。 

後半、クラニチャール監督は“地元” Austria Wien でプレーする第三GKディブリッツァを投入。開始直後にアウフハウザーのロングシュートは難なくキャッチ。彼も日本戦での出場を夢見ているか?55分には試合を決定付ける3点目が入る。ボランチ、ボビッチ18mからのシュートがGKペイヤーを破る。 そして以降はテクニックに勝るクラニチャールを中心としたクロアチア攻撃陣の独断場。70分には交替出場のバラバンの20mの直接FKが決まり4点目。そして後半から2得点を挙げたクラスニッチに替わって投入されたオリッチが5点目のチャンスを逸するが、怪我からの回復が不安視されていたオリッチが45分プレー出来たのはこの試合最大の収穫だ。クロアチアの次の試合は6月3日、ドイツのヴォルフクブルグで行なわれるポーランド戦だ。 

オーストリア  Standfest, Scharner, Stranzl, Ibertsberger - Lexa (83. Fuchs), Aufhauser (66. Feldhofer), Prager, Leitgeb (73. Mörz) - Ivanschitz - Janko (64. Linz)

クロアチア  Pletikosa (46. Didulica) - Simic, Tomas, R. Kovac (61. Tokic) - Srna (70. J. Leko), Tudor, Kranjcar, N. Kovac (57. Modric), Babic - Klasnic (46. Olic), Prso (57. Balaban)

得点者 0:1 (11.) Klasnic 1:1 (14.) Ivanschitz 1:2 (35.) Klasnic 1:3 (55.) Babic 1:4 (70.) Balaban (Freistoß)

サッカールーは MCG から

2006-05-24 | FIFA World Cup
ワールドカップ開幕まであと16日。参加国は最終調整に余念がない。オーストラリア戦まであと19日。日本代表も連日福島県の Jヴィレッジでの練習の様子が報道される。ただ観客付きの練習で選手達はトレーニングに集中出来るのだろうか心配なところだ。メルボルンで合宿を張るオーストラリア代表は5月25日Melbourne Cricket Ground でギリシア代表との“壮行試合”を行い、翌日結婚式を挙げる Josh-Kennedy 以外の全選手がオランダ合宿に向う。 オーストラリア代表は怪我人続きでヒディング監督もさぞ苦悩がと思うが、さほどでもなさそうだ。 Everton 所属のケーヒル、痛めている膝の靭帯治療の為に欧州に残ると思われたがオーストラリアに戻りメルボルンの病院にて療養を。チームとの一体感を促進させるのが狙いか?不整脈でワールドカップメンバーを辞退したトニー=ヴィドマー、イングランドに残って療養中のエース、キューエルそしてウルグアイとのプレーオフ第二戦のPK戦で最後のショットを決めたアロイージまでがかかとに痛みを訴えて25日のギリシア戦には欠場をする事になった。これでウルグアイ戦のメンバーから4名が欠ける事になったが、この期にヒディング監督は 4-2-3-1 のシステムを試すと見られている。 
まずGKだが Middlesborug 所属の正GK候補シュヴァルツァーと第二GKの AC Milan 所属のカラッツが45分ずつ起用される見込み。特にカラッツはオセアニア地区予選では6試合ゴールを守った実績もあり、プレーオフのウルグアイ戦は2試合ともシュヴァルツァーに譲ったがドイツでもゴール前に立ちはだかるのは自分だ、とメルボルン合宿でも意気込みを見せている。 DF陣、サンフレッチェ広島でもプレーしたポポヴィッチよりも昨シーズンは怪我で代表の出番は無かった Newcastle United のクレイグ=ムーアが起用される可能性が高い。ヴィドマーの代役には昨年のFIFAコンフェデレーションズ杯でも得点を挙げたスココがグレッラと共に中盤の底を形成する為に起用される見通し。MFケーヒルの代役には地元 Melbourne Victory でプレーしたトンプソンが。ウルグアイとのプレーオフが終わるとヒディング監督はトンプソンを自ら指揮する PSV アイントホーフェンへ連れて帰ったがオランダでの出場機会は無くワールドカップ後はメルボルンに戻る事が濃厚と見られている。それはまだVictory との契約が3年残っているからとの見られ方があるが、このオランダでの経験は貴重であったはずだ。2月のアジアカップ予選、レバノン戦にも出場を果たした。皮肉な事にウルグアイとのプレーオフ、モンテビデオでの初戦はトンプソンがスタメンで、そしてシドニーでの第二戦にはケーヒルが起用された。前線はヴィドゥーカのワントップにディフェンシブMFクリーナがキューウェル不在を受けて前に出て来ると見られる。以上の事からスタメン予想は以下の通り

         ヴィドゥーカ

ブレッシャーノ  クリーナ   トンプソン

      スココ   グレッラ

ラザリディス  ムーア  ニール  エマートン

    シュヴァルツァー(カラッツ)

MCGは1997年、日本でも衛星中継されたが、イランとのプレーオフで後半まさかの連続失点でフランスワールドカップ行きを逃した苦いスタジアムである。ここはシドニー五輪のオーストラリア対イタリア戦等にも使われたが本来オージーフットボールの Grand Final に使われる競技場として名高い。競技の無い日は有料で見学ツァーもあり、私もそのツァーに参加した事がある。そしてピッチにも入れてくれる。25日のギリシャ戦には 93,000枚のチケットが発売され、立ち見席が数千枚残るのみとなっている。当日はサッカーでの観客動員数の記録となる事は必至だ。しかしこの時期のメルボルンは気温が低く、一日のうちに天気が何度も変わり突然雨や雪そして突風が吹く。 ヒディング監督の本音としてはそのまま欧州のどこかで合宿を張りたかったのではないか?しかし、それも合宿初日の22日 Federation 広場での代表お披露目式に寒い中集った地元観客の激励を受けたので後悔はしていないであろう。何しろ32年ぶりのワールドカップなのだから。

ブラジルに死角はあるのか?

2006-05-23 | FIFA World Cup
これまで開催された18回のワールドカップ全てに出場。これはブラジルだけだ。優勝5回 準優勝2回、セミファイナリスト3回、誰もが知る世界最高の水準を誇るブラジルだがブラジル国民の関心はただひとつ“セレソン”が優勝するかどうかだ。こんな大国と日本は6月22日に対戦せねばならない。世界中のどの国がこのブラジルを破ることが出来るのだろう?

ブラジル代表の23人は以下の通り。

GK : Dida (AC Milan / Italy ), Julio Cesar (Inter Milan / Italy ), Rogerio Ceni (Sao Paulo)
DF : Cafu (AC Milan / Italy ), Cicinho (Real Madrid / Spain ), Lucio (Bayern Munich / Germany ), Juan (Bayer Leverkusen / Germany ), Roberto Carlos (Real Madrid / Spain ), Gilberto (Hertha Berlin / Germany ), Cris (Olympique Lyon / France ), Luisao (Benfica / Porutugal )
MF : Edmilson (Barcelona / Spain ), Juninho Pernambucano (Olympique Lyon / France ), Emerson (Juventus / Italy ), Ze Roberto (Bayern Munich / Germany ), Gilberto Silva (Arsenal / England ) , Kaka (AC Milan / Italy ), Ricardinho (Corinthians)
FW : Ronaldo (Real Madrid / Spain ), Robinho (Real Madrid / Spain ), Ronaldinho (Barcelona / Spain ), Adriano (Inter Milan / Italy ), Fred (Olympique Lyon France ).

私の愛読する Four Four Two Magazine に中々興味深い記事があった。下記の五つの理由からブラジルが何故優勝すると楽観視されているかを疑問視している。

①歴史は繰り返す
これまで5大会の優勝でブラジルが大会前から優勝候補とされていたのは1962年のチリ大会のみ。この時は前回のスウェーデン大会で彗星のごとく現れたペレを中心にワールドカップ連覇が予想されていた。しかし、そのペレは初戦のメキシコ戦でこそゴールを上げ 2-0 の勝利に貢献するも次のチェコスロヴァキア戦で怪我、次のスペイン戦以降ポジションをアマリルドに譲ることになりピッチに立つ事が出来なかった。だが代役アマリルドがスペイン戦の2得点と決勝のチェコスロヴァキア戦での同点ゴールと大会3得点を挙げる。他にもガリンシャとババが4得点ずつ挙げるなどペレ以外の総合力で他国を圧倒していた。以降1970, 1994, 2002 と優勝を重ねるが、前回大会は南米大陸予選から苦戦続きで監督が替わる等大会の結果が不安視される中での優勝であった。だが1970年大会は大会前から欧州勢はメキシコの高地と高温対策に悩ませており、1994年アメリカ大会もスポンサーの関係から欧州時間に合わせて試合時間が決められた為、炎天下の試合が続き逆に欧州勢の切れは悪くなっていった大会であった。優勝した全ての大会がブラジルに期待されていない大会では無かった。 Four Four Two のこの記事には” 1974年大会は連覇が期待されていたが…” と述べられているが、かつて鹿島アントラーズでプレーしたレオナルドはこの行に“当時はペレ世代の終焉で新旧交代の時期であった。”と指摘。私も当時は地元西ドイツの成就、新生クライフのオランダ、そしてイングランドを欧州予選で破った五輪チャンピオンポーランドの台頭と欧州勢の下馬評が高かった大会と記憶する。 1982年スペイン大会は黄金のカルテットを擁しながら2次リーグでロッシのハットトリックの前に屈した。かつて中盤の一人ソクラテスは“決勝トーナメントでイタリアと当たる可能性があるので要注意”と述べているが、このイタリアをブラジルとは結構互角に戦っている。ワールドカップではブラジルの3勝(1PK勝)2敗だ。だが 1982年のセレソンの敗戦の原因は中8日で臨んだイタリアと中2日しかなかったブラジルとのコンディションの差も大きかったと思うのだが。それからマスコミがよく指摘する“ワールドカップが大西洋を渡ったのは1回だけ”というジンクスは今回はわからない。セレソンのメンバーを見ると第3GKの Rogerio Ceni ( サンパウロ ) MF リカリジーニョ (コリンチャンズ) 以外は全て欧州のクラブに所属する選手達だ。おまけにブンデスリーガ所属の選手が4人もいる。ドイツ以外にこれだけブンデスリーガ所属の選手を抱えている参加国はあるだろうか?コンディション調整を含め今や欧州は彼らの“ホームグラウンド”と言えるのではないか?

② FIFA の思惑 
前回大会と8年前のアメリカ大会でのブラジルの優勝は主審の手助けもあったと述べている。アメリカ大会の準々決勝戦、オフサイドポジションにいたロマーリオにボールが出たがロマーリオはわざとボールに触れずそのままボールはべべトに渡り貴重なゴールが生まれたが、このロマーリオのプレーは本当にボールに無関心を“装っていた”と判断できるか微妙だったと言う専門家もいるらしい。そして記憶に新しい前回の決勝トーナメント1回戦のベルギー戦、ビルモッツの完璧な先制ゴールを主審は何故か認めなかった。これは主審が問題だった。オランダ戦の主審はコスタリカ、ビルモッツのゴールを認めなかったのはジャマイカとサッカー界では小国の主審。彼らは大試合での経験に乏しく、ブラジルを負けさせてはいけないと言う意識が働くらしい。94年のオランダ戦後ブラジル協会の Ricard Teixeria 氏は“ワールドカップの勝負はピッチ内ばかりでない”と述べたらしい。 しかし、今回は風向きが異なる。もし今大会欧州勢が優勝を逃せば、次回の南アフリカ大会そして次々回の開催地として有力なブラジルと欧州勢には不利な開催地が続く。従ってUEFA オルセン会長を始め、欧州勢が今大会優勝する必要があると思っている?それにブラジルが連覇すれば先述の Teixeria 氏の権力が強くなりFIFAブラッター会長ブの地位が脅かされるとの危惧がある。

③ ブラジルサッカー協会 CBF の問題
フランス大会の決勝戦。体調が万全でなかったロナウドを強行出場させたのはスポンサーである NIKE の責任であった、とされている。しかし、現在多くの専門家は NIKE はただスケープゴードにされただけで、真の責任者はサッカー協会の CBF にあった。と見られている。 スポンサー料を吊り上げるために協会がザガロ監督以下ブラジルベンチに圧力を掛けたと言われている。 ただこの手の話は多くある。1978年アルゼンチン大会、初戦のスウェーデンとは 1-1 、続くスペイン戦を0-0 と連続して引き分け1次リーグ落ちが不安視された。第三戦は既に2次リーグ進出の決まっていたオーストリア。エジーニョ、ジーコ、レイナウドが外れロドリゲス=ネト、メンドンサ、ロベルトが起用され、そのロベルトのゴールで勝利を収めたが、“メンバーを決めているのは協会でコウンチーニョ監督はただ座っているだけ”と言う噂が飛び交った。確かに唯一得点を決めたレイナウドが外されたのは以外だったが、ジーコは調子が全く上がらず、エジーニョはタフな守備で定評のある選手。ロベルトは続くポーランド戦でも2ゴール。1980年にはバルセロナに移籍するほどのストライカーの資質を備えていた。 しかしもっと気になるのは先述の Teixeria 会長だ。3月にマイナス20度の極寒の中、ロシア代表と親善試合を行なったがその目的はブラジル製ビールのロシア市場での拡販とされているがAmBev社側は否定してる。だがあの時期に氷点下20度の中で試合を行なうこと自身が不可解だ。 Teixeria 会長はセレソンが遠征する際のホテルの手配等を一切仕切っているが、 NIKE Brazil のトーレス会長でさえ“ Teixeria は協会とのこういった係わりを一切話さない”と述べている。 セレソンは今や世界1のドル箱。テストマッチがセレソンの強化以外の目的で組まれる事は明らかだ。

④ 選手に潜む問題
地元ジャーナリストは選手自信の自己満足に危惧を隠さない。確かに彼らは自信を持ってピッチに立ち、いくらかは負けるのではないかとの不安感も持つ選手もいる。しかし、セレソンというブランドが選手達に慢心を抱かせないか?1994年コーチであった、アルベルト=パレイラ、1970年ベテランFWジャイルジーニョは“とにかく慢心、自己満足を取り除く事に腐心した。”と語っている。今の代表選手にそれを自己認識しているかが心配らしい。それから欧州DFはラフに削ってくる。ロナウジーニョがその標的になるのではないか?1966年イングランド大会ではペレがブルガリア、ポルトガルのDF陣に削られまくったが審判はだれもファウルを取らない。この様にして文字通りペレは大会から蹴り出されてブラジルは1次リーグで消えた。ただこの時のブラジルは世代交代の時期に差し掛かっておりそれが上手く進んでいなかったときでもあった。 

⑤ 誇大評価を信じるな?
果たして今のセレソンは一人一人を見るとそんなに突出した選手なのか?ブラジルのマスコミはカフー、ロベルト=カルロス、GKジダの間の空間を“バミューダ三角海域”と呼んでいる。その空間は何がおこるかわからないと言う事だ。ACミランの GK ジダとレアルマドリードのロベルト=カルロスことロベカルは今季それぞれ所属先のクラブでさしたる活躍は無かったとブラジルでは思われている。カフーは怪我で離脱していた期間が長かった。ACミランのジダは歴代のブラジルGKの中では最も有名なクラブチームでレギュラーを得たとされている。 Champions League での好守連発を思い出せば私は決して今季は不調だったとは思えない。歴代のGK、レオン、タファレルと並ぶ選手と思うが黒人GKとなると1950年、ウルグアイに敗れたワールドカップ以来のGKとなるらしい。(1982年のペレスは違ったかな?間違っていたらごめんなさい。)今でも有色人選手は白人選手の中に混じると気後れしてしまうらしい。これは単一国家の日本人には理解し難い事だ。ロベカルは今年33歳。カフーに至っては開幕2日前に36歳になる。もしどちらかに替わってチチーニョが起用されたら“彼は攻撃参加をしたらそこに留まる” とかつての英雄トスタンは杞憂する。 ”スポーツチャンネル” として世界的に有名なESPN ブラジルのTrajano 氏は “センターバックはいつも我々をいらいらさせる“ とコメント。前回のイングランド戦で自らのミスからオーウェンに失点を許したルチアーノをパレイラ監督が未だに好んで起用する事が不可解らしい。 エメルソン、ゼ・ロベルトの二人もブラジル人から見れば“並みの選手”との評価で、アドリアーノ、ロナウドは“輝きを失っている”との事。今大会の南米地区予選ではブラジルは1位で通過したがそれはアルゼンチンと同勝点で並び得失点差で上位に来ただけで、それもホームでチリを 5-0 で破った試合があったからと厳しい評価。今大会予選ではベネズエラ以外全ての国がブラジルから勝ち点を挙げたがこれはブラジルのレベルが下がったと言うよりも南米のレベルは上がったと言うべきだろう。 しかし先述の Trajeno 氏は“優勝候補と言われる事が心配だ”と述べ、ペレと共にワールドカップを勝ち取ったリベリーノも“多くの代表選手は自分の道を踏み外していると思われる。その選手達がワールドカップで従来の力が発揮できるかに掛かっている。”と“非常に心配している”とコメントしている。 ブラジル国民はそうなるように祈っており、他の31カ国はそうならないことを願っている。 

クロアチア戦 勝機はあるのか?

2006-05-21 | FIFA World Cup
ワールドカップで同組になるひとつの国、クロアチア。昨日、隣国スロヴェニアにて代表チームは始動合宿を始めた。クラニチャール監督は“ジーコ監督の事を尊敬している。ジーコ監督の素晴らしさが無ければ今の日本代表は無い”と言うジーコ監督の賞賛に始まり、日本のテレビ番組向けには“クロアチアには勝たないでオーストラリア、ブラジルに勝って下さい。一緒に決勝トーナメントに行きましょう。”と余裕のコメントを。 だがはっきり言ってクロアチアの世論、そして一般市民は誰もクロアチア代表が日本代表に負けるとは想像もしていない。1991年に端を発した旧ユーゴスラビアの崩壊に始まり、1996年の欧州選手権決勝大会への進出を皮切りに、ワールドカップフランス大会の3位、続く日韓大会への連続出場、2004年ポルトガルでの欧州選手権進出。これだけの戦績を列挙しただけでも彼らがアジアからやって来た、行った事も無い国に負けるなど考えられないと言う事も理解できる。 8年前のフランス大会では 0-1 と惜敗ではあったが、日本の決定機はあの中田から出たロングパスを受けた中山のシュートが GK ラディッチの自身の歴史書に残るであろう反応によって防がれたあの1回のみ。不安視された負傷で出られなかったボバンの穴も問題せず勝利という結果を引き出した。 6月18日に当たるクロアチアに敗れるようでは日本のベスト16は有り得ない。では日本はクロアチアに勝てるのであろうか?

クロアチア代表の23人
Keepers: Tomislav Butina ( 32 : FC Bruges/BELGIUM ), Stipe Pletikosa ( 27 : Hajduk Split ), Joseph Didulica ( 28 : Austria Vienna/AUSTRIA )
Defenders: Robert Kovac ( 32 : Juventus Turin/ITALY ), Stjepan Tomas ( 30 : Galatasaray/TURKEY ), Dario Simic ( 31 : AC Milan/ITALY ), Mario Tokic ( 31 : Austria Vienna/AUSTRIA ), Josip Simunic ( 28 : Hertha Berlin/GERMANY ), Igor Tudor ( 28 : Sienna/ITALY ).
Midfielders: Jerko Leko ( 26 : Dynamo Kiev/UKRAINE ), Jurica Vranjes ( 26 : Werder Bremen/GERMANY ), Antony Seric ( 27 : Panathinaikos/GREECE ), Niko Kovac ( 34 : Hertha Berlin/GERMANY ), Marko Babic ( 25 : Bayer Leverkusen/GERMANY ), Darijo Srna ( 24 : Shakhtar Donetsk/UKRINE ), Ivan Leko ( 28 : FC Bruges/BELGIUM ), Luka Modric ( 23 : Dynamo Zagreb), Niko Kranjcar ( 22 : Hajduk Split).
Strikers: Ivan Klasnic ( 26 : Werder Bremen/GERANY ), Ivan Bosnjak ( 26 : Dynamo Zagreb), Bosko Balaban ( 27 : FC Bruges/BELGIUM ), Ivica Olic ( 26 : CSKA Moscow/RUSSIA ), Dado Prso ( 21 : Rangers/SCOTLAND ).

クロアチア伝統のシステムは 3-4-1-2 。しかし、前回のワールドカップではボクシッチのワントップ気味のどちらかと言えば4バックを採用した 4-3-2-1 。1次リーグで敗退したせいか?2年後の欧州選手権では 3-4-1-2 に戻している。しかし、当時のバリニッチ監督は、今大会で話題になっている司令塔クルニチャ-ルをメンバーから外し、クラスニッチ、バビッチと言ったブンデスリーガで活躍する選手を起用せず守備的な布陣で臨み1次リーグで敗退。イングランド、フランスと同組では(もう1つはスイス)そうせざるを得なかったか?後任のズラトコ=クラニチャール監督は伝統のシステムはそのままにしながらも特に実息になるニコ=クルニチャールを直ぐに代表に呼び戻すなど攻撃的な布陣を敷く方策を慣行。それには特にディナモ=ザグレブのサポーターを中心に批判が集ったもののソフィアでのブルガリア戦でゴールを挙げるなどその実力を証明するなど完全にチームの中心的存在となる。 しかし、今般の代表選出に当り、2005年のクラアチアリーグ最優秀選手でもある注目の帰化人選手ディナモ=ザグレブ所属のエドゥアルド=ダシルバを外しマルコビッチ協会会長までこの選出に言及し“クラニチャール監督を話し合う”とコメントする等物議を醸し出している。 兼ねてからクラニチャール監督は“予選の重圧を乗り越えた選手を選ぶ”と公言していた。 確かにダシルバはワールドカップ予選に選出されたがプレーはしていない。だがディナモサポーターはFWオリッチは怪我の回復が不安視されている、ダシルバを選ぶべきと、これはディナモ叩きだ、と不満を隠さず息子ニコのユニフォームを豚に着せるパフォーマンスまで。だが、先のアルゼンチン戦の好パフォーマンスを評価され、ワールドカップ予選に召集されなかったただ1人の選手、モドリッチはディナモの選手だ。予選では合計38名の選手が召集され6名が国内クラブチーム所属の選手だった。その中から今回選出された23人の選手の中で国内組はディナモ、ハイデゥク=スプリトから2人ずつの4人だ。

GK 日韓大会ではプレティコサがレギュラーであったが、以降ブティナが正GKとして2004年欧州選手権もゴールを守る。ワールドカップ予選も10試合中2試合をプレディコサに譲るも予選突破のかかったスウェーデン、ハンガリーとの最後の2連戦はプティナが起用された。第三GKのティドリッツァも含めGK全員が190cm以上の長身。中村のFKに手が届きやすいか? 

DF : 左からシムニッチ、コヴァチ、トマス(またはシミッチ)の3バックだが、スタンメン候補はシミッチを含む4人全員が前回のワールドカップ、2年前の欧州選手権の経験者。DF登録6名の平均年齢は30歳丁度。こちらはトキッチ以外180cm以上。欧州では高いDFとはいえないだろうが、今大会の予選も高さでは定評のあるスウェーデンを2試合とも完封している。 空中戦では日本は不利だろう。思い出すのは8年前。クロアチアDF 陣は終盤の日本は何度もコーナーキックを得るが、それはクロアチアが制空権を完全に支配したとみるや、日本の連続攻撃に余裕を持ってコーナーに逃れた為。 中澤の攻撃参加に期待するか?それとも空中戦以外の戦術に専念するか?だが平均年齢30歳、ブラジルとの初戦を終えた後ではスタミナの消耗も激しいであろう。DF陣の層の薄さがクロアチアのネックだ。シムニッチ、トマスの両サイドバックのバックアップ(洒落ではありません。)に人材がいない。日本戦はそれが吉と出てくれれば良いのだが。 日本のFWは高原、玉田。または高原、柳沢の様に動きの早さに特徴のある選手が効果的か?そして終盤のスタミナ切れを狙って巻を投入するか?

MF トップ下に配されるハイデゥク=スプリト所属の司令塔のクラニチァール、攻撃的MF左のバビッチ、右のスルナは脅威だ。両サイドから質の高いクロスが配球され、特に右のスルナ=ダリオはブルガリア戦で2得点最終戦のスウェーデン戦での1ゴールを含む予選4得点クロスも挙げてゴールも決めると言うメキシゴ輪の宮本、杉山を髣髴させる(古いか?) 先のアルゼンチン戦で見せたクラニチャールのパフォーマンスは欧州のどこのビッグクラブでも欲しがるのでは無いか? またダブルボランチのニコ=コバチ、トドゥールこそスウェーデン、ハンガリーに失点を許さなかった立役者。おそらく先制点を取れば、後はニコ=コバチの実弟ロベルトを入れて守備を厚くしてくる。ユーベントスでプレーするロベルトは、かつてはバイエルン・ミュンヘンでもプレーしている。ブラジル戦ではワントップにしてこの3人が守備的MFに配置され、失点を抑えあわよくば引分に持ち込み、日本戦には2ボランチで臨んでくると思われる。ニコ=コバチは欧州選手権のフランス戦でゴールを決めており、トドゥールはフランス、イングランド相手に1点ずつ決めており国際舞台での得点力も有る。そしてあまり注目されていないが SRNA Darijo は要注意だ。ホームとアウェーでのスウェーデン戦で各1点ずつ、ブルガリア戦で2得点と重要な試合で得点を挙げている。日本戦では彼がどこかで起用される展開になるかもしれない。だがコバチ兄弟は年齢30歳以上。大会期間中もコンディショニングが不安視されている。

FW 予選5得点のプルショはグラスゴーレンジャーズのストライカーで身長190cmの長身で予選最終戦のハンガリー戦では2ゴールを決めている。そしてブンデスリーガ、ブレーメンの186cm FWクラスニッチは優勝した 03-04 では13得点を挙げて、ドイツFWクローゼと並ぶ得点源。昨シーズンもクローゼに次ぐ10ゴールを挙げた。 プルショは2004年の欧州選手権のフランス戦でも1ゴールを決めているが、クラスニッチは先述した通り出場機会を与えられなかった。もう1人の予選で2得点を挙げたFWバラバも187cmの長身で欧州でも屈指の力強いFW陣だ。もう1人の欧州選手権経験者CSKAモスクワ所属のオリッチは怪我の回復が不安視されている。

クラニチャール監督は日本DF陣の弱点を横からの揺さぶりと公言している。これは同時に高さの事も表しているだろう。MFバビッチ、スルナのクロスはハイレベルだ。失点を防ぐのはサイドへのスペースを消す事だ。それと最終ラインが勇気をもって高い位置を維持する事だ。いくら上背がある選手でもその脅威はゴール前のみ。ペナルティエリアの外ではさほど脅威にならない。日本の中盤構成は小野、稲本といった攻撃的MFよりも福西、中田浩二といった守備能力に優れた選手が適役か?ただジーコ監督の指摘する“かつてほど足元がしっかりしていない”と言う様に1対1なら日本も負けないのではないか?クロアチア首脳陣にとってはMFを含めて攻撃的選手にワールドカップ経験者がいないので期間中のコンディショニングが課題だ。クロアチアは好守に渡り中盤がカギを握っている。この中盤を制する事が出来れば日本の勝利も見えてくる。月並みだが相手が攻撃に転じればDFとMFが連携をし、日本が攻めるときはMFの早い押し上げ、前線へのサポートを続け常に数的優位を保つ事が必要だ。

参考までに、GK Joey Didulica, DF Joship Simunic そしてMF  Antony Seric の3人はオーストラリア生まれのクロアチア人で境遇はオーストラリアのFW Mark=Viduka と同じだ。 Viduka も一時クロアチア=ザグレブでプレーをしていたが、他の3名はそのままクロアチアに留まることを決意した。
クロアチアは当然日本から勝点3を挙げられると計算しているだろう。欧州人のほとんどがその様に想像するのは当然だ。アジアの代表国はかつて欧州の地では2回しか勝利を収めていない。そのうちの1つは8年前のフランス大会でイランがアメリカを1-0 で破った試合だが、欧州勢が相手だと、あの伝説の1966年大会イタリアを朝鮮民主主義人民共和国が破った試合しかない。6月17日にイランがポルトガルと対戦するが、日本がクロアチアを破ればAFCにとっては歴史的な日になる。(同日韓国がフランスと対戦する) 日本のマスコミが楽観的に分析する様な容易な試合には決してならないが、可能性はフランス大会よりは高いのではないかと思っている。 

それを”朗報”と言うのか??

2006-05-18 | FIFA World Cup
世界各国がワールドカップ代表選手が続々と発表されるここ数日。日本のスポーツ新聞に“日本に朗報”と言う見出しが躍っていた。 よく見ると6月12日に対戦するオーストラリアの主力選手の故障回復が遅れているということらしい。少なからず本格的にスポーツの真髄を極めようとしていた私にとってこの見出しは気分の良いものでは無かった。まぁ原稿を作る人々の中にはスポーツ経験が限りなくゼロに近い人間がいると言うことを聞いた事があるので、こういう無神経な見出しが紙面に躍るのだろう。 
オーストラリアと言うよりも欧州でも屈指の Strummer ,ハリィー=キューウェルは FA Cup の決勝戦で古傷の股関節と足の付け根の筋肉を傷めて途中でピッチを後にしたばかりか、故国オーストラリアに帰国しての代表キャンプに合流できず5月25日、メルボルンで行なわれるギリシアとの“壮行試合”にも欠場、その試合の翌日欧州に入りする代表チームと現地で合流することになった。ただオーストラリア代表のチームドクター?( Physiotherapist と表現されていた。)は完治するまで3週間と明らかにしていたらしい。しかし、ヒディング監督はバックアップメンバー帯同させない意向とのことらしいが。 また4月22日の Birmingham City 戦で Damien Johonson と交錯して左膝靭帯を痛めているケーヒルは未だ回復の見込みが立たないらしく、欧州に留まりキューウェルと共に現地合流の予定だ。しかし、怪我をした当時は“この種の怪我は一般人にはあまり起こらないので回復見込みについてはなんとも言い難い。もし完全に靭帯が断裂していた場合は複雑な手術が必要だ。部分的な断裂に就いては大体6週間の回復期間は見込まねばならない。この2週間の精密検査次第だ”とのことであったが、どうなったかな?一方スペインの Alaves 所属のアロイージは5月13日最終節の残留のかかったラ・コルーニャ戦を欠場。何故この大切な最終戦に出場しなかったのかはオーストラリアメディアの間でも謎だそうだ。多分ワールドカップに備えてだろう?Alaves は 1-0 で Deportivo La Cournua を降したが、勝ち点1足らずに降格が決まってしまった。尚 Liga de Espanola はまだシーズン全日程が終了しておらず、欧州王者のバルセロナがアスレティッキ=ビルバオとの試合が残っている。 また第二GKと言われている(ただ正GK候補のシュヴァルツァーに取って変わるかもしれないが)AC Milan 所属のカラツがある賭け屋に入店するところの写真が La Gazzetta dello Sport に掲載された。しかし、この一連を彼は“私はただ、競馬をしに出かけただけ。おそらく誰かが金目当てに写真を売ったんだろう。もし私がAC Milan の選手でなければ新聞も取り上げなかったはずだ。もし私がこれまで通り Perugia でプレーしていたら何も言われなかっただろうに。”と一笑に伏した。 今イタリアは Juventus の審判操作疑惑が持ち上がっているので AC Milan の選手の写真は何かとネタになるのであろうに。 だがこんなニュースばかりでない。ヒディング監督は代表の練習キャンプに五輪選手をスパーリングパートナーに選んでいる。これは欧州に行っても当地でプレーする五輪候補選手も当地で合流して Socceroo の練習パートナーを務めるらしい。 翌年、北京五輪のアジア予選に臨むオーストラリア五輪代表こと Olyroo にとってはこの上ない動機付け、経験になるに違いない。オーストラリアと対戦せねばならない新生“反町五輪チーム”。相手は手強いぞ。  
オーストラリアは多くの選手が8年前のフランス大会予選からの経験者。Stan Lazaridis の様なようやく世界の舞台に立てた選手もおればTony Vidomar の様に健康上の理由で(不整脈がみられている。)直前になって晴れのワールドカップ行きを断念した選手も。これはオーストラリアに限ったことがないが、例え対戦相手とはいえ、 Vidomar の様な選手の心中を考えると私はとても”朗報“とは思えない。

UEFA Champions League 波乱の決戦前

2006-05-18 | EURO Football
あと2時間ほどで今年の欧州サッカーシーンの総決算とも言われる UEFA Champions League の決勝戦、FC Barcelona 対 Arsenal の一戦がサン・ドニのスタット・ド・フランスで始まる。 この大一番は試合開始前から早くも波乱の幕開けだ。 当初この名誉ある試合の線審を努めるはずであったノルウェー人のOle Hermann Borgan 氏がバルセロナのレプリカシャツを着ている姿を地元紙に掲載されたとのことで、帰国を余儀なくされ、代わりに同じノルウェー人の Arlid Sundet 氏が急遽フランスに飛ぶ事となった。 地元スポーツ紙 Drammens Tidende にバルサとアーセナルの両方のユニフォームを着た姿を掲載すると言う企画に協力を要請され、彼は協力したわけだが、後でアーセナルのユニフォームが無いのに新聞社は気がついたらしい。しかも新聞社に“バルサとアーセナルのユニフォームを両方持っているか”との問に“私はバルセロナのユニフォームから持っていない”と答えたという会話も掲載されてしまったらしい。当の本人は“まさかこんな大事になるとは”と言いながらも“私は無神経で愚かだった”とこの行動を反省しているらしい。 今回当初、予定されていた審判団は主審が Terje Hauge 氏そして線審が Steinar Holvik 氏と当の Borgan 氏であった。このノリウェー人の3審判団は2004年のポルトガルでの欧州選手権でも審判努めた。そしてアーセナルサポーターには気になる事を。主審の Hauge 氏は今シーズンの Champions League 、 Stamford Bridge でホームのChelsea がBarcelona に 1-2 と敗れるのだが、 Chealsea のアンシェル=デルホルノを退場にしたのがこの Hauge 主審で線審の1人が Borgan 氏であった。もし準決勝のシェフチェンコのプッシングによるゴール取り消しやベンゲル監督の言う“クリシーがマリア=ロメロを倒したと言う判定で試合終了直前でPK を取られたりすると、それがバルサに優位な判定であると、英国紙は Stamford Bridge での一件をクローズアップするだろう。
巷ではやや有利とされているバルセロナ。ライカールト監督は“私は常に選手達にサッカーは serious: 厳粛な game だ、しかし Game とは同様に enjoy :楽しむ と言う意味も含まれていると。と言っている。” その enjoy の部分がプレッシャーから削減されればされるほど、Arsenalに勝機有りと見ている。両チームともここ12試合負けていない。 Arsenal は Champions Cup, Champions League と決勝戦は初めてだ。今は無くなったが Cup Winner’s Cup の決勝戦でスペイン勢には Valencia ( 1980年 アルゼンチンの英雄ケンペスがいた) Real Zaragoza ( 1995年 この試合はテレビで見た ) に敗れている。だが今シーズンの Champions League では Real Madrid , Villarreal を破っている。 一方のバルセロナは1992年以来のタイトルを狙う。1961 ( Benfica ) ,1986 ( Steaua Bucuresiti ) ,1994 ( AC Milan ) は決勝で敗れている。 カップ戦での決勝戦ではイングランドのクラブチーム相手に3連敗中だ。 1980( Nottingham Forest ) 1983 ( Aston Villa ) はSuper Cup で 1991年には Manchester United にCup Winner’s Cup で敗れている。今シーズンの Champions League, UEFA Cup でイングランド勢はスペインクラブと18回対決しているが、最近では Seville がUEFA Cup の決勝でMiddlesbrough を 4-0 で破っている。 Arsenal のアンリは今季 Champions League で5ゴールを挙げているが、あと1ゴールで通算50ゴールとなる。個人のゴール数では攻撃的なバルサはロナウジーニョが7点、エトーが5点挙げている。そしてバルササポーターが最も気にするのは1981年同じフランスのパルク・デ・プランスで England の Liverpool が Liga de Espanola の Real Madrid を 1-0 で破っている。 まぁバルササポーターの事だから“我々はマドリードの様な愚かな事は起こさない。”と一笑に伏されてしまいそうだが。 ライカールト監督が最も注意する選手をデニス=ベルカンプとしたのは同じオランダ人の能力を恐れてか?まぁパリまでなら飛行機に乗らずに移動できるしなぁ。 一方ベンゲル監督は“ Result comes first, style second “ と結果重視のコメントを残す。なにやら自チームが劣るのを認める様な内容ともとれそうだが、私の予想ではここ10試合無失点試合を続けている、そしてレーマンがゴールを守るアーセナルが Liverpool ( 5回 ) Manchester United , Nottingham Forest ( 共に2回 ) そして Aston Villa に続いてイングランド勢では5チーム目の欧州タイトルホルダーとなるような気がする。 あぁそろそろ眠たくなってきた。 もう年かなぁ? いつの日かこの栄えある試合に日本選手が出てこないかな?でもその時も起きて見てられるかなぁ….?

サッカールーも 23人決定

2006-05-16 | FIFA World Cup
5月15日、日本列島を話題に包んだワールドカップに選ばれた日本代表23人の発表があった。“サプライズ”はほぼ当選確実と言われていた久保が外れて巻が選出された事。だが故障で体調が万全では無い久保が外れて、ここしばらくの代表の試合で結果を残していた巻が選ばれたのは至極当たり前であろう。また個人的には今はフランスでプレーするがかつては我が愛する京都パープルサンガでプレーしていた松井大輔が選出されなかったのは残念であった。松井はまだ若いので4年後を積極的に狙って欲しい。
その日本代表メンバーの発表の前に、6月12日に初戦で対戦するオーストラリア代表の最終メンバーが5月10日発表された。 ここでの”サプライズ”は“地元” A-League でプレーする選手2名、191cm のDF Michael Beauchamp ( Central Coast Marines ) と DF のMark Milligan ( Sydney FC ) が選ばれた事と、ドイツブンデスリーガでプレーする 191cm の長身FW Josh Kennedy が選出された事だ。
Beauchamp は昨年ヒディング監督就任直後のオランダキャンプにも呼ばれており、 Milligan は2003, 2005 年のワールドユースのメンバーで昨年、オランダでのワールドユースでは日本とも戦った。 Kennedy は代表初選出がこのワールドカップの舞台となる。 18歳からドイツに渡り、 Wolfsburg, Stuttgart そして 1FC Koln を経て現在は 2部のディナモ=ドレスデンでプレーをする Kennedy はニースケンスコーチが推薦したらしい。この長身のFWには“ England の クラウチ “ をイメージしての選出だ。 Kennedy は来シーズンは F.C.Nuremberg でプレーする。 現在彼の最大の問題は5月26日にバスケットのオーストラリア代表選手 Jacinate Hamilton 嬢との結婚式を控えており、それは Melbourne Cricket Garden で行われるギリシアとの壮行試合の翌日で、この日に代表は欧州に出発するのではあるが、Kennedy は結婚式の為に特例をもって一日遅れての出発が認められた。Milligan はおそらく大ベテランの DF Tony Vidmar の健康上の理由からの代表辞退によるものと見られている。現在 A-League はシーズンオフで、New South Weales 州の1部 ( Premier League ) の Sutherland Sharks でプレーしているが、ここでの観客数は400人程度。 それがこれから8万人の前でプレーするのだ。 Milligan は今年3月 Sydney FC との Grand Final には累積警告で出場出来なかった。これまで1回だけ Socceroo に選ばれた事があるが、それが2月にバーレーンで行われたアジアカップ予選であった。国内リーグで頑張ってきたその積み重ねたものが認められた選出と言えるだろう。また注目のGK枠争い、Middlesbrough のオーストラリア人第二キーパー Bradley Jones は残念ながら選ばれなかった。
ヒディング監督の今の焦点は DF Vidmar の穴をどう埋めるかだろう。それに190cm以上の長身の選手を入れてきたのは日本対策ではないかな? GK シュヴァルツァー、 FW キューウェル、ヴィドゥーカ、MFケーヒルと負傷で仕上がりが今一の選手達、しかもそれが主力の選手である Socceroo だが、このチームは組織力よりも個人の能力で状況を打破するチーム。その主力選手の調子が勝敗を左右する。 あと約1ヶ月、彼らは日本相手にどのような方策を練ってくるのだろう? 

Socceroo Squad
GK : Ante Covic ( 30 / Hammarby :Sweden) Zeljko Kalac ( 34 / AC Milan : Italy )
Mark Schwarzer ( 34 / Middlesbrough : England )

DF : Michael Beauchamp (25 / Central Coast Marines ) Mark Milliga ( 21 / Sydney FC )Stan Lazaridis ( 34 / Birmingham City ) Graig Moore ( 31/ Newcastle United : England) Lucas Neil ( 28 / Blackburn Rovers : England) Tony Popovic ( 33 / Crystal Palace :England)

MF Marco Bresciano ( 26 / Parma : Italy) Tim Cahill ( 27 / Everton : England) Scott Chipperfield ( 31 / FC Basel : Switzerland) Jason Culina ( 26 / PSV Eindhoven : Holland ) Bretto Emerton ( 27/ Blackburn Rovers : England) Vince Grella ( 27/ Parma : Italy) Harry Kewell ( 27 / Liverpool : England) Josip Skoko ( 31 / Wigan Athletic England ) Mile Sterjovski ( 27 / FC Basel : Switzerland) Luke Wilkshire ( 25 / Bristol City : England)

FW John Aloisi ( 30 / CD Alaves : Spain) Archie Thompson ( 27 / PSV Eindhoven Holland ) Joshua Kennedy ( 23 / Dynamo Dresden : Germany) Mark Viduka ( 30 / Middlesbrough : England )

もう1つのカップ戦 ラレベデーレ ブカレスト

2006-05-15 | EURO Football
5月10日、商用先のバンコックから帰途に着く途中のドン・アン空港のパスポートコントロール。私の後ろに並んでいた老夫婦から聞き慣れた単語が二つ、三つ、四つ。声を掛ければやはり、彼らはルーマニアからの旅行者であった。憶えているルーマニア語の単語と僅かに話せる奥方の英語とを合わせて、12年前にブカレストに住んでいたこと、そして昔から名門FC Steaua Bucuresti が好きで合った事を私のアタッシュケースに貼られているステアウアのラベルを指しながら話をして盛り上がった。その老夫婦の方からもう1つの欧州カップ戦, UEFA Cupの準決勝でステアウアが England Premier の Middlesbrough に敗れた事を言ってきた。本当に惜しい試合であった。勝っていれば新時代の快挙だったのに。と語っていた。1985-86 Europe Champions Cup で優勝した時はチャウセスク独裁時代の終盤。彼らの中ではチャウセスク前、チャウセスク後と言う時代の分け方をしているのであろう。 私が始めて当地を訪れたのは1990年の5月。革命から半年も経っていない時であった。独裁政権というものはこれほど国を崩壊させてしまうものなのかと驚いたものだ。建物は未だ弾痕が残っており、焼け焦げた後も。だが人々はこれから民主化の時代と深夜になっても集会の声が鳴り響いていた。しかし、その深夜になると更に独裁時代の爪あとが浮き彫りとなる。街灯が消えたままなので真っ暗なのだ。それでも人々の顔は希望に溢れていた様に思える。翌月に控えたワールドカップイタリア大会にルーマニアが20年ぶりに出場をするからだ。前年の地区予選では最終戦、首都ブカレストで行われたこの組の最有力候補デンマークを 3-0 で破り本大会出場を決めた。革命勃発のわずか1ヶ月前だった。その時代、英雄ハジ、ラカトシュ(94年大会は選ばれず)ベロデディッチ ( 90年大会は国籍問題で選ばれず) ラドチョイ、ドミトレスク、ペトレスク、ポペスクら才能に溢れる選手が輩出され日本でもルーマニアと言えば女子体操のナディア=コマネチしか馴染みが無かったが、欧州にルーマニア有り、とサッカーファンの知るところとなる。私も当地に滞在中に何度かステアウアの Champions League のゲームを観戦したことがある。ベテラン、ラカトシュやアドリアン=イリェ、TOYOTA CUPにも来日したGKスティンガチョ、そしてパンドゥール、パナイらがいた。試合前のスタンドではよく1986年12月東京で行われたリ-ベル・プレートとの TOYOTA Cup 戦でのベロデディッチのオフサイドゴールをよく突っ込まれた。 それから20年も経った。2000年の欧州選手権以来、ワールドカップ、欧州選手権では本大会に進めない。2年後の欧州選手権に向けて、UEFA Cup にルーマニアからこのステアウアとラピッド・ブカレストがベスト8以上に進んだ快進撃は非常に明るい材料と言われている。私も Champions League 以上にステアウアの結果が気になっていたのだが。 

立ち上がりの猛攻撃
アウェィの Liverside 競技場に乗り込んだステアウア。オラローユ監督は累積警告で出場停止のニコリータの代役にフローリン=ロビン、それからパラシフに替えてヤコブを入れて来た。一方のミドルスブラ、マックラーレン監督は負傷のGKシュヴァルツァーに替えて同じくオーストラリア人GKブラッドリー=ジョーンズを。 Socceroo の重鎮 Dukeマーク=ヴィドゥーカそしてベテランサウスゲートの2人をそれぞれ故障を押しての起用。またDFクリス=リゴット、FWアンドリュー=テイラーをこの試合には起用した。 ゲームは立ち上がり3分にはコーナーからのチャンスにディカが放つがゴールの枠の外に。しかし、その後はミドルスブラが攻撃に転じる。ステアウアGKフェルナンデスが何度も映し出される。しかし先制点はステアウアに。16分ピーター=マリンのロングシュートをGKジョーンズが弾くとそのこぼれ球がニコラエ=ディカの正面にそれを難なくディカが蹴り込みステアウアにとっては願っても無い立ち上がり。その直前にマリンのシュートをジョーンズに好セーブされていただけに値千金の先制点となった。ディカはブカレストでの初戦に続いて連続得点。さらに8分後にはゴイアンが追加点を挙げる。コーナーキックのチャンスからゴイアンがヘッド。一度はGKジョーンズが掴むがファンブル。そのこぼれ球を再びゴイアンが押し込み開始24分でステアウアが2点のリードという誰もが予想しない展開に。 これでミドルスブラは少なくとも残り66分であと4点取らねばならなくなった。 

マッシモ=マッカローネ投入 そして流れはホームチームに
26分、マックラーレン監督はたまらず、足首に不安のあるベテラン、サウスゲートに替えてイタリア人FWマッシモ=マッカローネを投入。この当時はまだFAはブラジル人でポルトガル代表監督のスコーラリ氏に次期イングランド代表監督のオファーを出したとか報道されており、マックラーレン氏が次の代表監督になるとはまだだれも確信が無かったが、代表の試合でもこういう状況は今後出て来るかもしれないか? このマッカローネ投入が吉と出る。33分。ヴィドゥーカからのパスを受けたマッカローネがペナルティーエリアの右端からファーポスト側のゴール上隅に蹴り込んで1点を返す。 すると試合再開後はさらにミドルスブラの猛攻が続き、ヴィドゥーカ、オランダ人MFボーテングそしてティラーが次々とシュートを放つ。 
前半は何とか1点で凌いだステアウアDF陣であるが、こうも波状攻撃を受けると後半のスタミナが心配だ。ここで昨シーズンの Champions League の決勝戦の Liverpool の3連続得点を、いやミドルスブラ自身が準々決勝の F.C. Basel 戦で演じた大逆転を再現するとはまだこの時点では誰も予想だにしなかっただろう。55分、ティラーに替えてナイジェリア人FWアイェグェニ=ヤクブが入り、更にパワーが増す。 64分、ダウニングからのセンタリングにヴィドゥーカが合わせてゴールを割り 2-2 の同点に。いや、まだ実質ステアウアの2点リードだ。猛攻を受けるGK フェルナンデスも表情がやや不安げだ。まだ2点あると考えればよかったのだが。そしてステアウア、オラローユ監督はFWヤコブに替えてバランを入れて守備を厚くするが、パーナビィー、ヴィドゥーカそしてバルセロナから移籍してきたブラジル人MFロッケンバックらにシュートを撃たれる。そして73分、ステアウアDFの不十分なクリアーを拾ったダウニングが低いショットを放つ。ポルトガル人GKフェルナンデスが一旦は弾いたのだがそのこぼれ球を詰めていたリゴットがゴールに蹴り込み、ついに3点目を挙げた。マッカローネが投入されて18分で2得点が入り、Liverside はもう大騒ぎ。アナウンサーも Amazing を連発。しかし、まだ1点のビハインドだ。

連続して奇跡は起こった ステアウアのフィナーレ
ポルトガル人のステアウアGKフェルナンデスは何を思っていたのだろう?ポルトガルはワールドカップ予選で2人のGK、リカルド=ペレイラ、キムと2人のGKしか登用されていなかった。もしステアウアがUEFA CUPの決勝に進出出来れば第三GKとしてスコーラリ監督の目に留まったかもしれない。だがルーマニアに外国人選手が、それも格上のポルトガルから来る事も私にとっては隔世の思いだ。 20年ぶりの欧州カップ戦での決勝進出まであと17分。オプリタに替えてバカウが、ボスティナに替えてネスを入れて逃げ切りを図る。88分、ハッセルバイクのシュートが枠を外れた。これで少しステアウアに幸運が宿ったと思った直後の89分。ダウニングのクロスに飛び込んだマッカローネが頭で合わせてそのままボールはステアウアゴールに飛び込み、ついにミドルスブラがリードを奪った。マッカローネは準々決勝の Basel 戦でも逆転ゴールを決めている。大騒ぎの Liverside 。今度はアナウンサーは “ Incredible” を連発。しかし、ロスタイムは4分と出た。まだまだステアウアにもチャンスはある。ミドルスブラはハッセルバイクが下がりDFエヒオグが投入される。 ステアウアはもう交代枠は無い。ディカのシュートはブロックされた。その直後のギオネーアのCKもシュートに結びつかない。最後のラドィのFKは壁に阻まれる。 Liverside は歓声が途切れない。そしてその歓声が更に高くなる。スロヴァキア人、ミヒャエル主審のホイッスルが鳴り響いた。 ベンチから全選手が飛び出してきて大喜びのミドルスブラ選手達と対照的に肩を落として控え室に向うブカレストの選手達。 試合後オラローユ監督は“初戦でチャンスを何度か決められなかった事がここに来て響いた。こういうことが起き得ると言う事は選手達には今後の為には良い経験となるだろう。”とコメント。昨シーズンの CSKA=モスクワに続いて旧共産国からの優勝はならなかった。一方のミドルスブラ、マックラーレン監督は“(準々決勝)と同じ試合展開になり、同じ結果に出来る自信は無かったが選手達はよく成し遂げてくれた。決勝戦は勝利あるのみだ”とコメント。スティーブ=ギブソン会長は “ このさいアーセナルにも Champions League で勝ってもらって、イングランドのチームで2冠達成と行きたい!! “ と声高らかに応えた。歓喜に沸く控え室ではハッセルバイクが“俺は死ぬまでマッカローネを愛する!! “ と大騒ぎだったらしい。 しかし、10日の決勝戦ではスペインのセビージャに 0-4 で完敗し、イングランド勢での2冠達成はならなかった。反対にバルセロナが勝てばスペイン勢でタイトル独占となる。 準決勝後のブカレストの街はどうだっただろう?ルーマニアのEU加盟は未だ課題が多過ぎると言われている。 しかし、新生の若いルーマニア代表が2年後の欧州選手権に勝ち上がって来る予感は感じさせてくれた。 次回、私がルーマニアに行けるのはいつの事だろう? 

カタルーニャ広場にフェスタは行われたか?

2006-05-14 | EURO Football
随分前の話になってしまった。出張と帰国後の残務処理でなかなか原稿が進まず(誰も見ていないか?)話題の焦点がどんどんずれてしまう。 今から12年前、スペイン語の勉強を始めた家内に“そろそろ成果を試しにスペインに行ってみないか?”と誘い出し連れ出した先はカタルーニャ地方の大都市バルセロナ。私の目的はバルサ対レアルであった。バルセロナ入りしたのは土曜日。試合は日曜日の予定だったのだけど、空港から市街地に向うバスの中でそこに放置していた地元紙にあったこの試合の展望が書かれていている記事を見て、試合は到着日の土曜日に開催される事を教えてくれた。今でも家内は“私がいなければあなたはこの試合を見逃した。”と話題に引き出す。試合は当時全盛期であったロマーリオの3ゴールそしてクーマンのFK等で 5-0 と歴史的なスコアでバルサがレアルを圧倒。試合後カタルーニャ広場等至る所でお祭り騒ぎが始まりそれは一晩中続いた。そのシーズンは最終節で一時独走をしていたデポルティボ・ラ・コルーニャを逆転して優勝。しかし Champions League の決勝戦ではACミランになす術無く0-4 と完敗した。先の4月27日の試合後、12年前に見た様なお祭り騒ぎがカタルーニャ広場で繰り広げられたかは知らないが、ここ数年、ライバルのレアルマドリードに完全に欧州の盟主の座を奪われていたバルサにとって、ここは14年ぶりに欧州のタイトルを奪還したいところだろう。

スリリングな試合の立ち上がり
第一戦、ホームのサンシーロで敗れたミランはFWジラルディーニョに替えて初戦を発熱で出場できなかったインザーギをスタメンに。累積警告で出場停止のCBネスタに替えてベテランのコスタクルタをそして右サイドバックにはフランス人DFスタムを入れてロナウジーニョのマークに付けた。 試合は開始30秒でミランのブラジル人FWカカが右サイドから切れ込んでシュートを放つが惜しくも左ゴールポストをかすめる。するとその2分後に今度はバルサのカメルーン人FWエトーが正面から放ったショットをセレソン代表候補のミランGKジ-ダが好セーブ。この試合は両チーム合わせてバルサの主将プヨール、CBマルケスら6名の選手が既に警告を受けており、決勝戦に向けてプレーが及び腰になるかと思われたが、試合内容はスピーディーなものであった。しかしアウェーとは言え勝たねばならないミランは開始直後のカカのシュート以降は沈黙。エトー、ロナウジーニョのバルサの攻撃が目立つ。ようやく20分になるとインザーギがゴール前に迫るチャンスを掴むがゴールには届かない。逆にその1分後イニエスタがコスタクルタとガットゥーゾを振り切っりゴール前のロナウジーニョにラストパスを送る。それを受けた、アンチェロッティ監督が試合前に “ 彼を止めるのは難しかったが今日は充分なプランがある“と言わしめたロナウジーニョのシュートは僅かにクロスバーを越えた。23分にはそれまで成りを潜めていたウクライナの英雄シェフチェンコがガットゥーゾのチップキックを受け放ったシュートはサイドネットに刺さった。だがこの時間帯からシェフチェンコ、インザーギの動きが活発化し始めそこにセードルフも絡んでてくる。一方のバルサも初戦を累積警告で出場出来なかったデコが攻撃に顔を出し始める。40分にデコが放ったシュートはクロスバーを越えてしまったが、17日の決勝戦でアーセナルを破ると異なった2チームで欧州タイトルを取った選手となる。これはベロデディッチ(ステアウアブカレスト、レッドスターベオグラード)クーマン ( PSV アイントホーフェン, バルセロナ ) 今のバルサ監督のライカールト( AC ミラン、アヤックス ) 等に並ぶ快挙だ。(他の選手を知っていたら教えてください。) 前半ロスタイムに入りバルサが直接FKのチャンスを掴む。しかしロナウジーニョの危険なショットはジーダがセーブを。 

主導権を握るミラン
後半は開始早々からバルサがペースを、と言うよりもスタムがロナウジーニョを捕まえきれない。だが開始5分、シェフチェンコが決定的なダイビングヘッドを放つ。しかしそれをバルデスが完璧なセーブ。 頭を抱えるシェフチェンコ。しかしこの時間からミランが主導権を握る。58分、59分と連続してインザーギがシュートを放つがゴールネットは揺れない。特に59分のヘッドは本当に同点機であった。一方のバルサはゴール前で貰うロナウジーニョからの直接FK頼み。しかしジーダがことごとくセーブ。この2人はセレソン候補なのでワールドカップでの直接対決は無いが、こういう2人をだが相手に我が日本代表は戦わねばならないのかと思うと気が思い。クロアチア、オーストラリアに連勝してもらって、日本戦はリザーブの選手で臨んでくれないかなぁ?てな事を考えているとミランベンチは動き始める。64分にコスタクルタに替えてこれまたセレソン候補のカフーを入れて、ロナウジーニョのマークにつける。そしてスタムはCBにまわる。カフーは攻撃にも参加。セルジーニョの完璧なクロスからのヘッドは惜しくもバルデスにはじき出される。68分にはガットゥーゾに替えてポルトガル人のベテラン、ルイコスタを投入し攻撃的な布陣にシフトを。するとライカールト監督もすぐさま足の負傷が癒えたラーションを初戦で殊勲のゴールを挙げたフランス人FWジュリーに替えて投入する。だがその直後、この試合の最大の山場を迎える。ついにシェフチェンコのヘッドがゴールを割るがこの Champions League 通算53得点目はドイツ人のマーカス=マーク主審の“その前にプヨールへのプッシングがあった”と無効に。試合後ACミランの Vice President のガリアーニ氏は“せっかくの好カード、好ゲームが主審のせいで台無しだ”と怒りを隠さない。その6分後、ロングクロスに合わせた交代出場のラーションのヘッドはまたもジーダの“先天的な”反応でセーブ。ジーダは歴代のセレソンGKの中ではレオン ( 1974-78 ) タファレル ( 1990-2002 ) にならぶGk列伝に入るのではないか?アーセナルのレーマンのみならずジーダも1998,2002とセレソンに選ばれながら出場機会はなかったGKだ。今や完全に全大会の正GKマルコスからポジションを奪ったと植えるかもしれない。でも日本戦には出ないでほしいなぁ。 そういえば前日行われたもう1つの準決勝戦の後半開始早々、アルゼンチンのレプリカシャツを着た一般観客がピッチに飛び降り、アーセナルのエース、アンリに走り寄りバルセロナのレプリカを掛けた。確かにアンリには選択権が多くある。アーセナルに残る、バルサまたはレアルといった金満クラブに移る。 でも後者に居場所はあるのか?でも同じフランス人のヴィエラの路を追うのか?このミランも選択肢はあるかもしれない。 その影に怯えたか77分、バルサDFベレッティに競り勝ったインザーギのヘッドはゴールを捉えられない。カメラが映し出したバルサベンチではライカールト監督の安堵の表情がアップに。ACミランのアンチェロッティ監督はその2分後にインザーギに替わってジラルディーニョを投入する、まだ Champions League に登場した9試合で得点は無いが、そろそろその無得点記録も止まるのではと言う“確率”に賭けたのか?だがジラルディーニョどころかシェフチェンコもカカもシュートを撃つ展開が造れない。89分、エトーに替わって昨シーズン同じ準決勝で朴智星らと共にミランと戦ったマルク=ファン・ボンメルが投入され、最後の守備固めに。最後はロナウジーニョのシュートでホイッスルが鳴り、バルサの12年ぶりの決勝進出が決った。バルセロナがここノウカンプで無得点であったのは今大会初めて。そして Champions League になってから AC ミランが準決勝で敗れたのも初めて。5月17日のパリでの決勝戦が楽しみであるが、スカパーの契約をしていないのでどうやってこの試合を見ようか考えねばならない。 そしてこの試合でハイレベルなパフォーマンスを見せたブラジル人選手を相手にせねばならないのか......と思うと,,,

レーマンは Torwart

2006-05-08 | EURO Football
シンガポール、オーストラリア、マレーシアそしてタイと行程は進むがこれらの国はサッカーファンにはありがたい国々だ。オーストラリアは言うまでも無いが、シンガポール、マレーシアは英語が公用語だ。サッカー雑誌も最近は増えており British Football Week それに Four Four Two 等英国で出版されているものが ASIA 版としてほぼ同じ内容のものが発行されており、しかも価格が現地の貨幣価値に合わされているので安く買える。 Australia 版はワールドカップ予選を突破した事もあり Scooeroo の特集も豊富だ。欲を言えばシンガポールやマレーシアのサッカー事情も特集してくれれば有り難いが。東南アジアのホテルでは有線でStar Sports やESPN 等が見れるところが増えており、日本にいるよりも欧州サッカーは身近に楽しめる。5月初旬にバンコック入りしたがここでもホテルの部屋でそれらの番組が楽しめる。Champions League UEFA Cup そして Premier の試合が何試合見られたことか。おまけに今日は ESPN で New York Yankees の生中継があり、松井の4打席凡退まで見られた。 シンガポール、クアラルンプールそしてバンコックと街はワールドカップモードで色々なイベントが準備されている。4年前もこの時期に来て色々な商戦企画を見たが、今回はそれ以上だ。それだけ景気が上向き、ワールドカップを大型テレビやDVDレコーダーの拡販の機と捉え、また大型ビジョンを設置しストランやフードコートに人を集めようという寸法だ。もしタイがアジア代表でワールドカップに出場したら街はどうなるのだろう。有り得ないとは言い切れない。

Gunners 悲願の決勝進出 
Highburyでの初戦を 1-0 と辛勝した Arsenal 。しかし満足感のあったのは次戦をホームで迎える Villareal であっただろう。しかし結果は違うものに。私は兼ねてから日本のマスコミが言う様な“勝ってもつまらないサッカー。負けてもスペクタクルな内容”と言う言葉が嫌いで仕方が無い。おそらくスポーツをした事が無い人間が吐いた言葉に過ぎないのだろう。スポーツは結果が全てだ。その結果の為に汗を流し、応援する者は寝食を忘れて祈るのだ。この試合の内容は最初から Villarreal のペースだった。攻撃はほぼアンリのワントップの布陣。しかもサポートもおそく Villarreal のアルゼンチン人GK バルボ-ザは殆ど仕事が無かった。その状態は開始8分にフランス人左DFの フラミニが負傷退場をした為で、Arsenalブラジル代表 MF ジルベルト=シルバは完全にVillarreal メキシコ人FW のフランコのケアーに腐心するに執心することに。しかも Arsenal DFキャンベルの出場はスイス人DFセンデロスの負傷で廻ってきたもので、フラミニに替わって入った21歳のフランス人DFガリエル=クリシーは11月に負傷して以来の試合出場。DF4人中2人がここ数ヶ月での出場権件が乏しくその連携不安が一気に噴出した。しかもこの大切な試合で。それを突く様に Villarreal の攻撃陣、フォルラン、フランコそしてリケルメがどんどん前線に上がってくる。しかしそれに立ちはだかったのがドイツ代表正GKとなったイエンス=レーマン。常に彼はオリバー=カーンの後塵を拝しているとプレミアのゲームでは相手チームのサポーターから野次られたり歌われたりしていたが、もうその歌声も聴かれないだろう。開始4分でこれまでオランダ人GKエドウィン=ファン・デル・サールの持つ Champions League 連続時間無得点記録 658 分を破る事に。以降アルゼンチン代表のファン=パブロ・ソリンのショットを。そしてフランコが囮となりArsenal DF陣をひきつけ、フリーとなったハビエル・ベンタの至近距離からのショットをファインセーブ。また前半終了間際のリケルメの30mフリーキックもゴールネットには届かない。後半開始早々のクロスもロブも難なく掴む。48分、交代出場DFクリシーを散々煩わせていたベンタがゴール中央のノーマークのフランコに絶好のパスがチップキックで上がる。フランコのショットにはさすがのレーマンも反応できず見送るだけだったが、そのボールは欧州並みに言えば数インチポストをそれた。その5分後さらに大きなチャンスがフランコに訪れる。ブラジル人MFマルコス=セナからの絶好のクロスがドンピシャのタイミングで合うがこのヘッドはクロスバーを越えてしまう。65分にヴァイタルエリアでの Villarreal 攻撃陣のボール回しでレーマンがつり出され、番人のいないゴールに放たれたフォルランのシュートはまたもネットを揺らせなかった。70分を過ぎると更に Villarrealは総攻撃を掛ける。そしてついにフランコがゴールを割った。これで今季の Champions Leaue 連続試合無失点記録が途絶えたと思われたがラインズマンはオフサイド判定。何度もリプレーが映し出され世界の視聴者に確認を仰ぐ。このオフサイドの判定で、もう Villarreal の運は尽きたと思われた。しかし、まだドラマは残っていた。ロスタイム入り直前、スペイン代表の ホセ・マリア・ロメロがペナルティーエリア内でクリシーがプッシングの反則を取られる。この判定を試合後ヴェンゲル監督は” generous : 気前の良いペナルティーの判定 “ と語るほど微妙であったか。El Madrigal 競技場の約23,000人のサポーターは大喜び。アルゼンチン代表で南米でも屈指のストライカー リケルメがボールをスポットにセットする。リケルメは緊張の面持ちだが、競技場からは声にならない期待が醸しだされる。しかし、そこに立ちはだかったのは文字通りの Torwart レーマンであった。試合の数日前にリケルメのPKをイメージしたと後に語った通りに左に倒れ込むとそこにリケルメから放たれたボールが飛び込んできて、ゴールラインを割らせなかった。今度は数百人の Arsenal サポーターが歓喜乱舞する番だ。レーマンは昨季何度か試合から外された事も。試合後のヴェンゲル監督は冗談交じりに“恐らくそれは good decision”とコメント。昨年の FA Cup でもそして Schalke時代の 1997-98 UEFA CupでもPK戦の立役者となったレーマンはこの日は10点満点中9点の採点が。一方なんとも言えない嘆息の漏れる El Madrigal 。目の前で起こった事が信じられないのか?リケルメの表情は茫然自失が正に適切。それでも4分あったロスタイムになんとかすべきと Villarreal の選手達はボールを追う。だがリケルメは足が動かない。すると今度は抜け出たアンリがGKと1対1になる。これが Arsenal 唯一の決定機であった。これを今度はバルボザがブロック。まだ時間は残っている。前線に長いフィードが入る。しかしリケルメはオフサイドのポジションに。それでもまだ次のチャンスに気を取り直したかリケルメがペナルティーエリア内でパスを受けてショットを放つがDF陣にブロックされる。 そしてタイムアップ。足早に控え室に駆け込むリケルメ。 El Madrigal には数百人の Gunners サポーターの雄叫びがこだまする。しかし、地元サポーターは取り乱す者は皆無に近く、目の前の敗れた英雄達に暖かい拍手を送る。フォルラン、フランコを初め、こらえていたものが一気に爆発し悔し泣きにくれる選手が次々と。それはこの試合結果よりも、敗れた自分達に拍手を送ってくれるサポーター達に歓喜をプレゼント出来なかったその悔しさだろう。Yellow Submarine の Magical Mystery Tour が終わった。と UEFA の公式ホームページは結んだ。 Beatles マニアから言わせて頂ければ(もちろん興味を持った時は解散して6年程が経過していた。) Yellow Submarine はアニメが製作されなかったら世界的に知られる事は無かったと言われ、 Magical Mystery Tour は Beatles でも間違いは犯すと言うことが証明されたと評論家から言われた、駄作の映画だ。ここは彼らの快進撃に敬意を評して他の Beatles Numberで映画化された Let it be ( なすがままに ) というべきだろうに。昔ベッケンバウアァーが語った。強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ。同じドイツ人のレーマンのこの日のパフォーマンスは後に Arsenal の歴史の1頁に必ず記されるだろう。長年の、数多くの挑戦を重ねて初めて Champions League の決勝戦に辿り着いた Arsenal はCeltic, Manchester United, Liverpool, Nottingham Forest, Aston Villa に続いて英国のクラブチームでChampions League ( または Cup ) タイトルホルダーの仲間入りまであと1試合と迫った。