Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Historic !! Adelaide United 鹿島を降して準決勝に進出

2008-09-29 | Football Asia
Hindmarsh Stadium は日本サッカーにとっては鬼門なのかもしれない。2000年シドニー五輪のアメリカ戦、2006年の FIFA Women’s World Cup アジア地区予選。そして今回の Asia Champions League……

別に鹿島のサポーターでは無いがやはりここまで来てこの試合を観戦出来なかったのは残念だった。商用で豪州を巡回中だったが生憎9月20日から見本市の準備やら出展参加でこの試合のあった日は Melbourne に滞在中。ちょっと抜け出して…..と言う距離ではなかった………

キックオフは現地時間午後7時半。 Melbourne は+30分なので午後8時だ。ありがたい事にホテルは FOX SPORTS が映ったのでテレビ観戦が出来た。キックオフ前から中継は始まっており Vidmar 監督に続いて鹿島のオリヴェイラ監督のインタビューが。地元局向けなので英語でインタビューに答えている。小笠原の離脱に就いてまっさきに尋ねられたが “昨シーズンも小笠原抜きで試合をしたことがある….” と答えていた。 インタビューが終わってもアナウンサーも解説者も小笠原の離脱の話をしていた。そして注意すべき選手として FW マルキーニョス、DF中田、内田そして本山を挙げていた。中田浩二、本山は The 1st Leg には出場していない。そして二人ともシドニー五輪時にここを訪れている。本山は最後まで出番が無く当時何故トルシエ監督は本山を入れなかったのか….と物議を醸した。でも小笠原がいないのは厳しかっただろうな…. 鹿島のサポーター席には“小笠原の分まで”と大きく書かれたのぼりを持つ人も。遠路はるばる訪れたサポーター達は選手達の力になったに違いない………
鹿島のスタメンは GK 曽我端、CBに岩政と大岩で左サイドに中田浩二が入り右サイドに北京五輪メンバーの内田。大岩は9月20日の柏戦に伊野波に替って途中交代出場しこの試合はそのままCBに入り中田浩二が新井場に替って左サイドに入った。ボランチには青木と本山。 MF は右に中後雅喜が左にはダニーロが起用された。中後は20日の柏戦、負傷した小笠原に替って投入されそのままこの試合のスタメンに。 FWはマルキーニョスと興梠。目下Jリーグ得点王争いを独走するマルキーニョスのマークに就いて Vidmar 監督はどういう指示を出したのだろう?興梠は惜しくも北京五輪には選ばれなかったが7月20日の横浜FM戦から9月13日の川崎F戦までスタメン出場。そして柏戦は78分にマルシーニョに替って途中出場だった。

一方の Adelaide United 4日前の Sydney FC 戦に出場した選手途中出場選手を含めてもGK Galekovic DF Sasa Agostino, MF Cassio Kristiano Sarkies そして FW の Paul Neid の5人のみ。アウェーでの鹿島戦からは MF Pantelis Lukas とBarbiero Fabiano のMF選手を二人下げ Sarkies と Cassio がスタメン起用された。 GK Galekovic, DFは4バックで左サイドが Scot Jamieson , 2005年FIFA U-17 ペルー大会では3試合に出場。右サイドバックは Robert Cornthwaite あの痛恨のオウンゴールを献上した選手だ。A-League デビューイヤァーから Adelaide United に所属する選手、昨年のACL にも出場した。北京五輪予選にも選ばれはしたが最終予選では出場機会が無かった。CBはAgostino と Angelo Constanzo。Constanzo もA-League 発足時から Adelaide の選手。既に32歳で代表経歴もある。ボランチ、と言うよりも CHFには Sarkies と ブラジル人のDiego。今年のACLの浦項スティーラーズ戦では貴重な決勝ゴールを決めた。2列目左サイドには Cassio。Sydney FC 戦では左サイドバックを務めたが本来はここのポジション。右は Travis Dodd 。彼も A-League 発足時から Adelaide の選手。昨シーズンは21試合すべてにスタメン出場。技術の高い要注意選手だ。 FWは Paul Reid と Paul Agostino Agostino は Adelaide 生まれの33歳のベテラン選手。昨年より Adelaide United 入りしたがそれまでは 1860 Munchen に所属。1991年 FIFA U-17 イタリア大会、1993年 FIFA U-20 オーストラリア大会そしてアテネ五輪にも出場し 2001年のワールドカップ予選のウルグアイ戦にも出場した経歴がある。 Adelaide 出身や A-League 発足時代から Adelaide の選手が多く、ACL のタイトルには他の A-League チームに負けないくらい意気込みが高いかもしれない。でもこうやってみると私は鹿島のサポーターでは無いので Adelaide の選手達の方がよく解かるなぁ…….

試合はキックオフ直後から鹿島サポーターの大声援がよく聞こえる。Jリーグデビューイヤー、ジーコ、アルシド、黒崎、本田、大野・・彼らもサポーター達の大声援に何度も勇気づけられたことだろう…….しかしピッチ上ではAdelaide が押し込む展開が続く。1分には早くもAgostino の中央突破で崩され抜け出してフリーになったDodd に渡るがここは中田浩二がカバー。4分、5分と連続して右サイドにスルーパスを入れられピンチを招く。6分にはまたも右サイドを崩され Agostino がゴール前に迫るがここは大岩がマークにはいる。鹿島は8分にようやく中後からのロブに興梠が走り込んでそのままボレーシュートを放つテクニックを見せて鹿島サポーター達を沸かせる。しかし9分には今度は左サイドを突破され Cassio が入れたクロスに Agostino が走り込むがここは中田浩二が体を入れたので Agostino のシュートはファーポストの右に外れて行った。8分56秒にテレビに映し出されたボールポゼッションは Adelaide 62 に対し鹿島 38 。10分を過ぎると“Very Very Impressive until 10 minutes “ とアナウンサーが叫ぶ。それだけAdelaide が押しまくる展開だった。だが11分30秒、鹿島が決定的なチャンスを創る。カウンターから本山がドリブルで中央を上がり右サイドを攻撃参加した内田に。そして内田から中央から走り込んだ興梠に渡りGKと1対1でシュートを放つ。さぁ先制ゴールと思ったが興梠のシュートは Galenkovic にナイスセーブで阻まれた。ゴール裏に陣取るAdelaide サポーター達からは大歓声が……..
その後はまたも Adelaide の攻勢が目立つ。16分55秒、 Diego からのスルーパスが左サイドを上がった Cassiaに渡りドリブルで突破し中にセンタリングを送る。そこには走り込んだDodd がフリーになっていた、マークに戻る中田浩二ははるか後方。しかし Dodd はそのゴロのセンタリングを空振り、逆サイドにボールは流れ折り返されるがヘッドに飛んだ Dodd の位置はオフサイドだった。試合開始から20分程度を過ぎてもスコアレスであったが両チームのゴール前でのシーンが多くまた決定的なチャンスも1度ずつ。それにスタンドのサポーター達も自軍の攻撃シーンで歓声が沸きその大歓声がシンクロナイズドし国際試合の雰囲気を一気に盛り上げる。アナウンサーも Very entertaining game !! と表現。 20分56秒。またも Adelaide が決定的な好機を掴む。Dodd が右サイドを中田浩二、大岩をかわしてドリブル突破。そしてゴール前に走り込みフリーになった Agostino にゴロのセンタリングが送られるがまたも空振り。逆サイドに流れたボールを今度は Sarkies が中に折り返すが青木がクリアーでピンチを逃れた。2度の決定機をミスしてくれたので鹿島に幸運があると思ったがこの試合はスコアレスでは Adelaide が準決勝に進出する事となる。鹿島にとってはまず1点が欲しい試合であった。 Adelaide は右の Cassio 左のDodd 両サイドのMFがよく上がってくるそして最終ラインの押し上げも早くコンパクトに前線と最終ラインを保っているのでこぼれ球を拾いやすく常に数的優位を造れている。そして中田浩二が振り切られるシーンが目立つのが気になる。

  

こうなるとマルキーニョス、興梠の2トップのテクニック頼りか?? 35分にはダニーロが左サイドを突破しクロスを上げると Adelaide DF にそのクロスが当たりマルキーニョスの足もとに。Cornthwaite をかわして放ったシュートは大きくクロスバーを越え、42分40秒には本山のドリブル突破、 Constanzo, Ognenovski の間を走り抜けた興梠にボールが渡るがシュートを放つ前に Cornthwaite が戻ってマーク。前半はスコアレスのまま終わった。

  
  

Stats が映し出されたがボールポゼッションは Adelaide が46 に対し鹿島が54 となっており10分以降支配率は鹿島がかなり挽回した事になるが決定機の多かった Adelaide の方が優勢だった様な印象の残る前半であった。

エンドが変わった後半、最初に交代カードを切ったのは Adelaide ベンチ。 Agostino に替って4日前にSydney戦で1トップを務めた Cristiano が投入される。彼のキープ力を生かす方策か? その Cristiano は63分に鹿島PA付近でドリブル突破、岩政をかわして放ったシュートは鹿島ゴールネットを揺らしたが岩政をかわす前に大岩を押してファールのホイッスルが既に吹かれておりこの Cristiano のプレーに対してイエローカードが提示された。鹿島ベンチも62分10秒に本山に替えて野沢拓也を投入。テレビのアナウンサーに Zico Academy 出身と紹介されるがよく調べているなぁ…. と思った。 野沢は柏戦ではスタメン出場を果たしたが18節の横浜FM戦からスタメンを外れて途中出場でプレーする程度だった。丁度興梠と入れ替わる様に……野沢の投入でフォーメーションが特に中後の位置がどうなるのかと思っていると65分17秒 Diego からボールを受けた Cassio が左サイドを突破、内田をかわしてGK曽我端の位置をよく見て中に走り込む Paul Reid にセンタリングを送る。曽我端は完全につり出された形、Reid の前には無人のゴールが広がっていたがここでも何と Reid が空振り。 Adelaide 攻撃陣はゴール前の絶好機にボールも触れない…… 66分45秒、Sarkies に替えて Jason Spaguolo が投入さえる。 Spaguoloも攻撃的な選手。 Vidmar 監督は1点を取りに行くのか……. そしてついに均衡が破れる。71分58秒、Diego のミドルシュートを曽我端がナイスセーブで弾き出すがそのこぼれ球を Cristiano に拾われ Cassio に繋がれる。 Cassio が今度はクロスをゴール前に飛ばすと岩政と大岩の間に走り込んだ Cornthwaite が頭で合わせるとそのシュートは曽我端の右脇を通り抜けゴールラインを割った。大歓声が Hindmarsh Stadium を包む。前の週に痛恨のオウンゴールを献上してしまった Cornthwaite が殊勲の先制ゴールを決めた。アナウンサーも “ Dream Comes True “ と叫ぶ。

  

  

しかしまだ残り時間は18分はあった。鹿島にとっては 0-1 も1-1も同じなのだからここは切り替えてゴールを目指すと思った。74分56秒には中後が下がって増田が、79分21秒には中田浩二が下がって田代が投入される。 81分42秒スルーパスが左サイドの増田に渡りクロスが入り田代に渡るがシュートが撃てない。84分16秒には内田が右から入れたクロスが Constanzo にヘッドでクリアーされるがそのこぼれ球が直接マルキーニョスの足もとに飛ぶがマルキーニョスはトラップミス。85分2秒 Cassio が下がり DF の Daniel Mullen が投入され守備固めに入る。鹿島は攻撃時に岩政、大岩を前線に上げて来る。87分50秒にはCKから大岩が飛び込むがGK Galekovich がキャッチ。89分1秒、カウンターから鹿島側のゴールライン上で Cristiano が粘ってCKを取る。こう言うときにボールキープが出来る選手は有用だ。CKを取った Cristiano はすぐ後ろの観客席に両手を挙げて声援を煽ると大歓声が。しかしロスタイムが4分と表示される。鹿島には充分な時間だ。しかしゴールが遠い。91分40秒内田が右サイドから上げたクロスに大岩がヘッドで合わせるが力なくGKに。93分18秒には左サイドから入ったクロスに興梠が体をかがめてヘッドで合わすがこれもGlaekovich の正面。 Adelaide サポーター達はほとんど立ち上がっている。それは鹿島サポーター達も同じだった。93分40秒、リスタートからカウンターで一気に鹿島ゴール前に迫った Adelaide が最後は Cristiano が中央からフリーでドリブル突破。曽我端がエリア外に出て手を使ってボールを止める。完全なファールでレッドカードが出てもおかしくないシーンだった。交替枠は使い切っている。しかしクウェート人のSaad Kameel Al Fadhli 主審はイエローを提示したのみ。 Definitely Red Card と解説者は不満を露わに。 
だがもう時間がなくなって来た。 Cristiano はゆっくりとボールをセットしその直接FKを大きく外に蹴り出すと主審の試合終了のホイッスルが鳴り響いた。アナウンサーは何度も Historic と叫ぶ。 ピッチ上は大騒ぎだ。そしてスタンドも。

この試合の立役者は何と言っても Adelaide の Vidmar 監督だ。前週の鹿島戦そして4日前の Sydney 戦。この試合に向けての選手起用が功を奏した。Sydney 戦では主力を休ませ、使った選手でも Cassio をサイドバックで使うなど無理をさせなかった。 

 

一方の鹿島のオリヴェイラ監督は小笠原の離脱で選手起用に少し誤算が生じたかもしれない。敗れた鹿島は過密スケジュールの中よく戦ったが鹿島にとっては遠い遠いゴールだった。ここでFW力の差が出たのかもしれない…….しかし過密スケジュールは Adelaide も同じだった。 4日前にSydney で試合観戦後空港で偶然 Adelaide の選手一行と遭遇した。 Vidmar 監督にサインをもらい前日の Sydney 戦を観戦した事と次の鹿島戦には “ Please do’t give us hard time “ と言うと“カシマのサポーターですか?そちらこそお手柔らかに….” ってな紳士的なあいさつを返され握手をしてくれた………. あの時の私のお願いが届かなかったなぁ…..途中交代出場のDaniel Mullen にもお願いしたのだけど……..

 

試合の二日後に発売された準決勝戦の Bunyodokor 戦のホームゲームのチケット(10月8日)はあっという間に10,000 枚売れたそうだ。そして9月27日ホームで行われた A-League のNewcastle Jets 戦は 2-0 で快勝した。チームは A-League にACL の準決勝戦の為に日程変更を申し入れたらしい。

敗れた鹿島。サポーター達はガンバと浦和が準決勝戦に残ったので少し肩身が狭いか?それでもACLに出られるのは羨ましい。9月28日の清水戦は 2-0 で快勝だった。既に次のアジア制覇の機会を視野に入れているか……

  

次の準決勝戦は2試合とも非常に楽しみだなぁ……..

 

お疲れ Adelaide United Sydney に完敗…… 鹿島戦を前に

2008-09-26 | Aussie & Kiwi

お疲れ Adelaide United Sydney に完敗……
Hyndai A-League 2008-09 Round 5, 4年目を迎えた Hyndai A-League 。 Expansion は来シーズンまでお預け。今シーズンも8チームで覇が競われる。今回の出張はうまくスケジュールを組まめなかったので A-League の試合はSydney Aussie Stadium で行われた Sydney FC vs Adelide United の試合だけだった……….

南半球はまだ春の始め。Sydney 入りする前日まで滞在した Perth では冷たい雨が降ったりで長袖のジャケット無しでは過ごせなかった。それが Sydney入りするや(と言ってもフライトが3時間遅れたけど)夜になっても半袖で充分に過せるほど。現地の顧客に訊くと“2~3日前までは天気も悪くこんなに暑くはなかったですよ…..” と言われた。いつも”お前が来るまではいい天気だったのに…..” と言われる事が多かったのだけど……. そんな“小春日和”の Sydney キックオフの午後五時は本当に絶好の観戦日和となっていた………..

1週間前アウェーの Newcastle United 戦と対戦したSydney FC . 最近はインターネットと言う利器があるので日本にいてもこの試合は観戦出来た。昨年度A-League王者相手に枠内シュートがたった1本。それでも何とか0-0 で引き分け、前節を終わって2勝2分。首位でライバルの Melbourne Victory に勝点差2で2位に付けていた。開幕4試合まだ負け無し。開幕第5戦目でようやく初白星を挙げられた昨シーズンとは対照的な開幕ダッシュを見せているだけに地元サポーター達の期待も試合ごとに高くなる。
この日のスタメンは GK Clint Bolton , 昨年のACL浦和レッズ戦では痛恨のキャッチミスを犯したがその後もこのチームの守護神だ。左サイドバックは Robert Middleby 33 歳のベテランディフェンダー。右サイドバックは今シーズンから加入の Shanon Cole. 本来は左のMFの選手らしい。 CB は Iain Fyfe と Tony Popovich 。Fyfe は1999年 N.Z. で開催された FIFA U-17 に出場 Popovich はかつてサンフレッチェ広島そして Crystal Palace でもプレーし代表歴58試合のキャリアーを誇る。ワールドカップではブラジル戦に先発出場した。Middleby も代表歴がある。デフィエンシブ MFは北京五輪3試合フル出場の Stuart Musialik と A-League デビューシーズンから Sydney FC でレギュラーを張る Terry McFlynn。 Offensive Midlfielder は右に Steve Corica. かつてサンフレッチェでもプレーしたベテラン。五輪2回(バルセロナ、アテネ) U-17, U-20, 2001年のFIFA Confederations Cup の豪雨の中の日本戦でもプレーした経験があり、ワールドカップ出場経験だけが無いが文字通り Sydney FC の重鎮。 右のMFは昨年 Grand Final で決勝ゴールを決め Newcastle Jets を優勝に導いた Mark Bridge 北京五輪では交替出場も含めて3試合すべてに出場。 FW は Alex Brosque と Jhon Aloisi 。 Brosque 2003 年の FIFA U-20, 翌年のアテネ五輪のメンバー。そして Aloisi はご存知の方も多い、ワールドカップとアジアカップの日本戦でゴールを決めた選手だ。前節の Jets 戦と同じメンバーだった。

一方三日前に鹿島アントラーズと対戦したAdelaide United 。前節は Melbourne Victory に 0-1 で敗れ開幕初黒星を喫したがこの Sydney 戦に勝てば2位以上に浮上するチャンスだった。しかしメンバーを見て Adelaide サポーター達は少しがっかりしたのではないか?と言うよりもこの日のアウェー側のスタンドには数人程度の赤いユニフォームを着た人達しかいなかったけど…….
スタメンを見ると GK Ergene Galekovich, CB Sasa Ognenovski そして MF の象牙海岸人選手Jonas Salley の3人だけが鹿島戦のスタメン出場をした選手でMF Kristian Sarkies と FW Cristiano は途中出場をした選手。あとは鹿島戦に出場しなかった選手でレギュラーを4日後の Adelide での鹿島戦の 2nd Leg に温存したと思われる。 GK Galenkovic はアテネ五輪4試合にフル出場した選手だったが昨シーズンまで所属した Melbourne Victory では Michael Theoklitos の影に隠れて出場機会に恵まれなかった。新天地 Adelaide では開幕からゴールを守っている。 CB の Ognenovski は昨シーズンまで3シーズン所属した Queensland Roar から移籍してきた選手。Roar ではレギュラー選手だった。もう一人の CB Michael Valkanis はA-League のデビューシーズンから Adelaide United でプレーするが1年目24試合、2年目23試合とレギュラーであったが昨シーズンは3試合しか出場機会が無かった。怪我でもしたのか?そして今シーズンはこの Sydney FC 戦が初スタメン。左サイドバックはブラジル人選手の Cassio 昨シーズンは17試合に出場したが今季はこの試合が初スタメン。右サイドバックは19歳の Daniel Mullen 彼もこの試合が初スタメンだった。 MF は左から Jason Spagnuolo, 真中にJonas Salley 右にブラジル人の Alemon 。 Spagnuolo は 2006-07 の Adelaide United の Players of the yearを受賞するも翌年は怪我のせいか?スタメン出場8試合を含む12試合の出場に終わった。今季は3回目のスタメン出場だ。 Salley はかつて New Zealand Knights の所属し、今季から Adelaide に入団の象牙海岸人選手。 今季からAdelaide に加入のAlemon はクルゼイロ時代 Copa Libertadores にも出場した経歴がある。開幕からスタメンで起用されたが第3節の Wellington Phoenix では後半にベンチに下がり次の Melbourne Victory 戦はベンチ入り出来なかった。本来は右サイドバックの選手だが。 1トップの Cristiano は Eredivisie の NAC, Roda JC Willem Ⅱ そしてスイスのFC Basel でもプレー。中田浩二とは被ったのかな?その後ろにKristian Sarkies と Paul Reid の二人の攻撃的MFが配置された。Reide は2000年 NSLの Grand Final Champion Wollongong Wolves でプレーした事もある。その時は Chipperfield もいた。その後 England に渡り今季から Adelide United に入団。 Sarkies は2005年FIFA U-20 大会のメンバー。日本戦にも出場した。北京五輪ではセルビア戦、アルゼンチン戦では途中出場だったが最後の象牙海岸戦はスタメンでフル出場を果たした。

キックオフ直後、この日の線審の一人は女性と気が付いた。ならばラインズウーマンと言うべきか….と思っていた1分45秒、ゴール前で McFlynn にボールが渡りそのまま放たれたミドルシュートが Galenkovich の守るゴールネットに突き刺さりあっさりと Sydney FC が先制点を挙げた。 McFlynn のシュートは見事だったがシュートレンジに入られたのにマークがちょっと甘かったなぁ…  
  
  

その後も地元の大歓声を受けて Sydney の選手達が Adelaide ゴールに迫る。特に右サイドバックの Cole の上がりが良く、 Steve Corica が効果的にボールを配給するので対峙する Spagnuolo  Reid が上がれない。そして1トップの Cristiano と2列目の Reid, Sarkies の間が分断されてしまい前のボールが繋がらない。12分には McFlynn のスルーパスが Aloisi に通るがシュートは GK Galenkovich が足で何とかクリアー。16分にはスルーパスが攻撃参加した左サイドバックの Middleby に渡りクロスが上がるが走り込んだ Corica にわずかに合わなかった。20分を過ぎたあたりから Adelaide は Spagnuoloをトップにあげ Cristiano と2トップに。そして2列目に左からReide、Sarkies Alemao を並べた。これで少しは前線でボールが回る様になった。23分にはカウンターから Cristiano がドリブルで持ち込み右サイドを上がった Alemon に送り、中に走り込んだ Reid にクロスが送られるがその前に Fyfe にクリアーされてしまった。 Adelaide は Cristiano のボールキープが頼りだがすぐにかこまれてしまう。

  
34分には Middleby のロングフィードがBrosuque に渡ると Casino と Ognenovski をかわして最後は GK の Galenkovich もかわして放ったシュートが Adelide ゴールに突き刺さり追加点が生まれた。 Brosque のボールさばきもうまかったが Ognerovski まで簡単にかわされるとは…….

  


これでこの試合の興味は半減してしまった。なんとか前半のうちに1点でも返してくれればなぁ…. と思っていると Cristiano がドリブルで中央突破をそして Popovich をかわして GK Bolton と1対1になり Bolton の出鼻に放ったショットは完全にゴールの中に吸い込まれるはずであったが………ポストに当たってしまいゴールインならなかった。ポストに当てる方が難しいと思うのだけど……その直後もCristiano から Sarkies に渡り攻撃参加した Cassio に送られシュートに持ち込んだがここは Popovich がブロックしコーナーに逃れた。このどちらかが、特に Cristiano のシュートが決まっていれば後半はもっと興味を持って観戦出来たと思ったのだが……

試合はちょっと Adelaide が挽回出来そうにない展開となって来たので COVEと呼ばれる Sydney FC のサポーター達が陣取るゴール裏に観戦場所を変えた。そしてそこには2007年のAFC の浦和戦以来親しくなった地元の人たちと再会を果たす事に。 今シーズンの開幕ダッシュ、そしてこの試合の展開に満足な様子。今年こそ Grand Final に再進出をと言っていた。 開始から COVE 側に攻め込む Sydney FC の攻勢が続きその度に大歓声が上がる。Sydney の応援と言うよりも最近の A-League の応援もヴァリエーションが増えて来た。Twist and Shout や That’s the Way のメロディーに乗ったものやらオリジナルのものまで、試合がリードしていることもあり退屈はしない。これが Adelaide 相手だからこの程度だけどもし Melbourne Victory との対戦ならものすごいブーイングの嵐だ、それにサポーターソングも“ Victory 用 “ がある。 “我々がお前たちを嫌いなのはただお前たちが Victoria から来たからだ….” という内容のものは上品な方で一緒に観戦したサポーターの人が言うには”とても教えられる気になれない。“と言う内容のものまであるらしい。 
Adelaide ベンチは54分に Spagnuolo を下げて左サイドバックの Scott Jamieson を入れて Cassio を中盤に上げた。 Cassio は本来ここのポジションの選手。 Jamieson は 2005 年のFIFA U-17 大会に出場した経歴がある。59分には CHF の Janas Salley を下げて FW のRobert Younis を入れた。 Younis は今季から Adelide United 入りした選手。今季は全試合に出場しているがスタメンは1回だけ。スーパーサブ的存在か?この交替で攻撃的な布陣にし、時折カウンターやロングボールを入れてゴール前に迫るが Sydney ディフェンス陣の前にシュートが撃てない、そして Steve Corica が守備でも絶妙のタイミングでカバーに入る。 “ Corica は良いなぁ攻撃でも守備でも….” と隣のサポーターに言うと正にその通りと言った表情で親指を立てる。 Sydney ベンチも70分に Mark Bridge を下げて FW の Brendan Santalab を投入し、77分には Aloisi を下げて Dez Giraldi を入れた。これらの交替は追加点狙いだろう。 Giraldi は 2006-07 シーズンは Adelaide に所属していた選手だった。

  

そして79分、その Santalab が中盤の位置から狙い澄ました様にロングシュートを放つと GK Galenkovich のセーブもはるかに及ばずゴールネットに突き刺さり試合を決定づける3点目が決まった。そのシュートはこちらに向かって飛んで来たまさにロケットの様な弾道であった。Santalab の見事なロングシュートだったが、ヴァイタルエリアからのシュートでは無かったとは言え完全に をフリーにしていた。 
大喜びのサポーター達。すると雨が降って来た…… と思ったら後方からサポーター達がビールがいっぱいに入ったプラスティックコップを後方からバンバン投げていたのだった。これは試合再開のキックオフになっても続いた。 83分に Adelaide ベンチは Ognenovski を下げて Robert Cornthwaite を投入したがこれはDF選手同士の入れ替え。 Ognenovski は 62分にイエローカードを受けており次の試合以降を考えての交替だろう。 Comthwaite は三日前の鹿島戦で痛恨のオウンゴールを決めてしまったCBだ。 
89分 COVE から更に大きな拍手が送られるシーンが Steve Corica がお役目御免と Matthew Jurman に替ってベンチに下がった。会場中からこのベテラン選手に拍手が送られる。彼もあと何シーズン A-League でプレーするのだろう? 
この週に発行された初めてのサッカー週刊誌 Weekly Soccer 創刊号の栄えある表紙は Steve Corica だった。  その後も2度ほど Sydney は決定的なチャンスを掴んだが追加点はならず、しかし試合終了のホイッスルが鳴った時は大歓声が沸き上がった。 ピッチの中央でインタビューを受けるのは Steve Corica 。この試合が NSL 時代を含めてオーストラリア国内のリーグ戦出場400試合目だったらしい。 数日前までこの事を本人は知らなかったとの事。欧州でプレーする選手の様に派手さは無いがいつまでも現役でいて欲しい選手の一人だ。

  


敗れた Adelaide の Vidmar 監督、試合前は何人かのメンバーを休ませるがそれでも充分に Sydney FC とは渡り合える自信があるとコメントしていたが…… この時点では Adelaide サポーター達は4日後の ACL 鹿島戦に就いてどんな予想をしえていたのだろう………..

そして試合後はいつもの通り地元のサポーター達と競技場近くのパブに行き FOX TV でこの後に行われた A-League の試合 Central Coast Marners vs Melbourne Victory の試合を見ながら、ビールを飲みながら多くを語った.......

    


最終予選に臨む Socceroos ウズベキスタン戦に向けて....

2008-09-22 | 夏季五輪

9月10日ウズベキスタンの首都タシュケントに遠征しワールドカップ最終予選に臨んだオーストラリア代表 Socceroos はアウェーで難敵のウズベキスタンを何とか 1-0 で降し白星発進を収めた。ワールドカップ予選もいよいよ最終予選、アジアでの最後の厳しい戦いを迎えるにあたりかなり不安もあったと思うがそれはどこの国も同じ。
8月初旬からの地元紙の報道をこの最終予選のデビュー戦まで追ってみた。

8月8日 Scot Chipperfield 召集
8月19日 QPR のホームグラウンド Loftus Road Stadium での南アフリカ戦に向けて Pim Verbeek 監督が招集した18人の中には Harry Kewell, Lukas Neil らと並んで FC Basel でプレーする Scott Chipperfield の名前が入っていた。Tim Cahill, Mark Viduka らは怪我の回復振りから召集が見送られたが既に代表引退を決めている Viduka ははたして召集に応じただろうか?? その18名は下記の通り。

Michael Beauchamp (Aalborg BK, Denmark),
Mark Bresciano (US Citta di Palermo, Italy)
Nick Carle (Crystal Palace FC, England)
Scott Chipperfield (FC Basel, Switzerland)
Chris Coyne (Colchester United FC, England)
Jason Culina (PSV Eindhoven, Netherlands)
Brett Emerton (Blackburn Rovers, England)
Vincenzo Grella (Torino FC Spa, Italy)
Brett Holman (AZ Alkaamar, Netherlands)
Josh Kennedy (Karlsruhe SC, Germany)
Harry Kewell (Galatasaray SK, Turkey)
Scott McDonald (Celtic FC, Scotland)
Lucas Neill (West Ham United FC, England)
Michael Petkovic (Sivasspor, Turkey)
Mark Schwarzer (Fulham FC, England)
Mile Sterjovski (Derby County FC, England)
Carl Valeri (US Grosseto FC, Italy)
Luke Wilkshire (FC Twente, Holland).

Celtic で中村と同僚の McDonald そして長身の Josh Kennedy らが呼ばれたがドイツワールドカップ組が13名入っていた。そのワールドカップイヤーだった2006年の Socceroos のBest Player はViduka でも Kewell でも Cahill でもなく左サイドバックを担った Chipperfiled との評価だ。その後しばらく怪我などで代表でのプレーが見られなかったが8月19日の南アフリカ戦は2007年11月の Nigeria 戦以来14カ月振りのスタメンが期待された。8月6日のUEFA Champions League の 1FK Goteborg 戦はスタメン出場を果たし70分にゴールを決めチームの3回戦進出に貢献するなどかつてのパフォーマンスを取り戻しつつあった。
また Nicky Carle, Mile Sterjovski も招集された。Carle は2006-07 まで A-League の Newcastle Jets でプレーし2007年の Asian Cup の日本戦に途中出場をしたので私的には親しみのある選手。今回のワールドカップ予選では6月のイラク戦とカタール戦にベンチ入りを果たしたがまだ出場には至っていない。Carl の起用に目処が立てば Verbeek 監督は4-2-3-1 のシステム起用の選択肢が増える。 Sterjovski も未だワールドカップ予選には招集されていないが怪我からの回復が今回の召集に繋がった。
今は England の Derby County でプレーするがかつては Chipperfield と共に Basel でプレーそして中田浩二も一緒だった。

  

8月13日 Olyroos グループリーグで敗退
今回の五輪はアジアで開催されたにも関わらずアジア勢はグループリーグで全滅であった。アジア地区を勝ち抜いたオーストラリア五輪チーム、 Olyroos は1分1敗で迎えた最終戦、勝利をすれば準々決勝進出となるコートジボアールとの試合に臨んだが81分 Salomm Kalou の1発に沈んだ。前のアルゼンチン戦で Over Age のMelbourne Victory のストライカー Archie Thompson が怪我の為 Central Coast Mariners でプレーするバックアップ選手の Matt Simon をベンチに入れた(そんな事出来たんかいな??) 19分には David Carney のシュートが GK Vincent Angban を破るがカバーに入った DF のViera Diarrassouba がクリアー。53分にはAdelaide United の Kristian Sarkies が放ったFKはGK Angban に弾かれた。何とか勝利をと 73分には Matt Simon が Trent McClenahan に替って投入されるが先制したのはコートジボアール。81分,  Gervinho のセンタリングに走り込んだ Chelsea でプレーする Salmon Kaluo のシュートが右上隅に決まった。アーノルド監督は86分に Nikolai Topor Stanley ( Perth Glory ) James Troisi ( Newcastle United – Genclerbirligi ) を投入するもスコアーは変わらず前回に続いてのベスト8進出はならなかった。
指揮を執った Arnold 監督は Asian Cup に続いて結果を残せず、Bruce Djite をメンバーから外す等物議を醸し出した選手選考など、今後非難が集中することは避けられない........。それにしても本当にアジア勢には厳しい五輪となった……..

  

8月16日 Premiership には14人の Aussie Player が…..
開幕間近の Premiership , Viduka ( Newcastle ) Cahill ( Everton ) はベンチ、またはベンチ外。 Schwarzer ( Fulham ) Lukas Neil ( West Ham United ) Bretto Emerton ( Blackburn Rovers ) はスタメン出場となりそう,との行がオーストラリア紙に。
Tim Cahill は足の中指の怪我が思わしくない。プレシーズンのアメリカ遠征のメンバーには入っていたがゲームには出場せず、それでも“昨シーズンは28試合に出場し10ゴールを決め他。今シーズンも同じく程度の試合に出場できる都思う。全てを Positive にとらえている。”とのコメントを残した。

 
Newcastle の Kevin Keegan 監督は昨シーズン21試合出場を果たした Mark Viduka の開幕戦出場は見送らざるを得ないと…… その前に自分のクビが……70年代はマイティマウスの名の下不振にあえぐ England 代表を引っ張った英雄なのだけどなぁ…….
その一方で Socceroos の守護神 Mark Schwarzer は 11シーズンを過ごした Middleborough から移った新天地Fulham でも元気だ。また West Ham の Lukas Neil はシーズン前 Manchester City, Galatasaray Istanbul への移籍の噂があったが “ I’m West Ham Player “ と宣言しサポーター達を喜ばせた。 Fulham は Socceroos の Vince Grella ( Torino ) , Mark Bresciano ( Palermo ) の獲得に動いたが特に Grella獲得 にはAS$800万 ( 約8億円 ) を準備したらしい。そして Blackburn Rovers は Bresciano にも触手を伸ばしていた。 
ワールドカップ最終予選を控えて代表の主力が多くいる Premiership の様相が Aussie サッカーファンには気になるところだろう。 ただ Kewell が Premiership から去った事は寂しいらしい。

Australian players at Premier League clubs
ASTON VILLA  :Chris Herd (midfield), Shane Lowry (defender)
BOLTON : Aaron Mooy (midfield)
BLACKBURN ROVERS : Brett Emerton (midfield), Rostyn Griffiths (midfield) EVERTON : Tim Cahill (midfield)
FULHAM : Mark Schwarzer (goalkeeper), Adrian Leijer (defender)
HULL CITY : Richard Garcia (striker)
LIVERPOOL : Dean Bouzanis (goalkeeper)
MIDDLESBROUGH : Brad Jones (goalkeeper), Rhys Williams (defender) NEWCASTLE UNITED : Mark Viduka (striker)
WEST HAM UNITED : Lucas Neill (defender)

言葉の問題もあり今 Premiership そして Championship は豪州の青田買いが進んでいるとか。ここに日本人選手は........中高生諸君、英語をもっと勉強しよう…..

8月18日 南アフリカ戦を前に…..
Pim Verbeek 監督は Kewell の起用を見送り、8月17日スイスリーグの FC Zurich 戦でゴールを決めてチームの勝利 ( 4-1 ) に貢献した Chipperfield ( まだ Verbeek 体制に入って起用されていない ) の先発出場を示唆した。そして Beachamp, Emreton の温存も。 Emerton は所属先の Blackburn Rovers での出場出来ず Beachamp は新天地の Aalborg ( デンマーク )での Odensen 戦の18分にレッドカードを受け、Kewell はトルコカップの初戦 Kayserspor 戦に途中出場ながらもデビューゴールを飾っていた。3人の”常連選手”が外される替りに5人の“新戦力”を追加招集。 五輪を終えたばかりの David Carney ( Shefield United ) Mark Milligan ( Sydney FC – FC Port ?? ) Matthew Spiranovic ( 1.FC Nurunberg ) そして五輪メンバーから何故か外されたBruce Djite ( Adelaide United – Genclerbirligi ) そして Perth 生まれの Richard Garcia ( Hull City ) 達だ。Djite は新所属先の Genclerbirligi ではプレシーズンマッチでゴールを量産し、 Garcia は Hull City の Premiership 昇格の立役者だ。それぞれの所属先での活躍が抜擢の理由だ。 “ Kewell の起用見送りに就いては所属先の Galatasalay でもっとfit して貰う為で同様の事は Beachamp, Emerton にも言える。北京五輪の結果は残念だったが Carney, Milligan そしてSpirnovic のパフォーマンスはよかったので招集した。特に Milligan, Spiranovich のDF能力は高かった。 Spiranovich には早く所属先の Nurnberg でレギュラーを取ってほしい”とコメントした。そして“今回は A-League の選手達は招集しなかった。A-League は開幕を控えているのでまず League 戦に集中してもらいたいので…..” しかしこれだけのメンバーが揃えば例え Kewell 達がいなくても A-League 勢は何人が必要とされるだろう……..

  

8月19日 オーストラリア2-2 南アフリカ at Loftus Road Stadium
これがラグビーなら世界屈指の Golden Card だ。 この試合はどうだったのだろうか…… この日のオーストラリアはGK が Mark Schwarzer, DF ラインが左から Chipperfield, CBが Likas Neil と Chris Coyne, 右サイドバックが Luke Wilkshier。ボランチというよりもDifensive Half がJason Culina と Vincenzo Grella, 中盤の右に Mile Sterjovski 左に Mark Bresciano。2トップは長身の Josh Kennedy と Celtic で中村と同僚のScott McDonald 。2006年ワールドカップ組が9人もいる。右から Wilksher, 左から Breschiano がKennedy をめがけて上げたクロスの後のこぼれた所を McDonald, Sterjovski がうまく詰める攻撃パターンか??しかし先制したのは南アフリカ。21分に Benni McCarthey のヒールパスを受けた Siyabonga Nkosi が Schwarzer の守るゴールにたたき込んだ。 McCarthey はシドニー五輪では日本と対戦した選手の一人。

  

しかし Socceroos は4分後 Vince Grella のロビングに走り込んだ Sterjovski がボレーで合わせて同点。38分には Breschiano のFKを Kennedy が高い打点からヘッドで叩き込み逆転。この連続得点を見ると Verbeek 監督の起用が当たっている感じがする。

  

後半に入り、 Neil, Chipperfield そして McDonald を下げて Mark Milligan, David Carney そしてBretto Holman を投入。Milligan は CB, David Carney は左サイドバック、そして Holman はFWに入った。しかし58分に Teko Modise に Schwarzer のネアーサイドを破られて同点ゴールを喫する。

  

オーストラリアベンチは62分にGrella , Sterovski を下げて Carl Valeri, Richard Garcia を投入。73分には Kennedy に替えて Bruce Djite を投入するが追加点は奪えずドローで試合を終えた。 Garcia は史上519人目の Socceroos であった。 Verrbeek 監督は選手達の仕上がり具合に満足をしていたらしい。それにしても久々に召集された Sterjovski, Chipperfield が結果を出すあたりはさすがだ。

しかしやっぱり頼るのは 2006年ワールドカップ組なのかなぁ………          続く

 


白星発進 まずは勝点3 バーレーン 2-3 日本

2008-09-12 | 夏季五輪
時計の針は後半の40分を過ぎていた。中村憲剛のゴールで3点差がついていた。マチャラ監督が何かピッチに向かって口を動かしている。独り言かもしれないけど彼自身これだけ日本に点差をつけられたのは初めてだろう。どんな気持ちなのかな、成田空港で出会って一緒に写真を撮らしてもらった時は随分と優しかったなぁ… このまま終われば彼も解雇されるのだろうか…それとも辞任するのかな……. そんな余裕を持ちながらテレビ画面を眺めていた。するとSayed Mohamed Adnan が中盤の右サイドから前方の逆サイドにロングフィードを入れるとゴール前でフリーの Salman Isa に渡り、そのまま日本ゴールに蹴り込まれ1点を返された。41分23秒だった。
内田、中澤がほぼ真ん中で立っており S. Isa は完全にフリーだった。そしてフィードを出した M. Adnanもノーマークであった。6月、成田空港でバーレーン代表一行と出会った時、M. Adnan もやさしかったなぁ....  
ゴールを決めた Isa も淡々とした様子。むしろ3点目となった憲剛のゴールのショックを引きずっている様にも見えた。岡田監督の悔しさを隠さない様子が映し出されたが、まぁ3点差で勝つのはムシが良すぎる、相手も最終予選に出てくる代表しかもホームゲームなので1失点くらいは…….. と深く気に留めていなかった。
しかしリスタートの直後、またも M. Adnan がセンターラインの後方からロングボールを日本ゴール前に上げると何と闘莉王がヘッドでGKに返すはずが楢崎とのタイミングが合わず自軍ゴールに入れてしまう。バーレーンは労せずして3点差から一気に1点差に迫る。42分57秒だった。1分34秒の間に2失点も喫した事に。 
これで場内の雰囲気は一変。試合開始から熱心に拡声器を使って応援していたリーダーのヴォルテージもテンポも一気に上がり、観衆の声援も….. こうなるとピッチのバーレーン選手達が俄然生き返ってくる。日本選手は一気に疲労が出たか後手、後手を踏み、完全に受け身に回ってしまう。交代選手枠は使い切っている。寝転がっていた私は思わず起きあがってブラウン管の前に…… それにしても本当にスポーツは精神力だなぁ….. 44分23秒 Jaycee Okuwunwanne が阿部と競りながらドリブルシュート。これは楢崎の正面に。44分40秒、Mohamed Abdulrahaman がミドルシュートを放つがこれは大きくゴールを外れる。 2人とも後半途中から交替出場の選手達。45分29秒には Okuwunwanne が中澤を背負いながらPAのすぐ外から振り向きざまにシュートを放つがこれもクロスバーの上に外れて行く。 Okuwunwanne はこのシュートに自信があったのかシュートの弾道を見て結構悔しがっていた。ロスタイムは3分、同点にされる可能性は充分に残っている。久しぶりに相手コートにボールが出るがオフサイドを取られる。そして Jamal Rahman がこれを日本ゴール前に放り込む、DF の Abdulla Marzooq が飛ぶが楢崎がパンチで弾き出す。そのこぼれ球に追いついた田中達也の後方から Abdulrahaman がチャージに入りファールを取られる。計時は47分20秒。このFKを大きく前線のにフィードしタッチラインを割る。そこからもバーレーンはボールを繋ぎ日本ゴールに迫ろうとするが48分8秒、シンガポール人の Bashir 主審がタイムアップのホイッスルを吹き何とか逃げ切る事が出来た………. あぁやれやれ、そういえば前回のワールドカップ最終予選の初戦、北朝鮮戦も最後まで冷や冷やしたなぁ……….

   

  
いよいよ始まったワールドカップ最終予選。ホームでは確実に勝ちアウェーでは勝ち点を失わないと言うのが鉄則。初戦のバーレーン戦はアウェーゲームだが勝つには越したことはない……….
バーレーンのスタメン、GK は不動の Sayed Jaffer, DF ラインは6月の日本戦の様な4バックでは無く3月のマナマでの試合同様3バック。左サイドバックには Mohamed Hussain CB は長身のSayeed Mohamed Adnan で右サイドバックに Abdulla Marzooq ボランチには Mohamed Salmeed と Sayed Jalal, , 2列目の右には Abdulla Omar。左にはFouzi Aaish。3月の日本戦ではこのポジションは Salman Isa が務めた。前線にはSalman Isa , Ismaeel Latif と Aala Hubail が並ぶが Ismaeel は最前線に張ったり左に流れたりするが、最も留意すべきは過去日本戦で通算3ゴールを挙げている Aala Hubail のポジション。そして3月の試合のスタメンからはトップ下にいた Abdulla Fatadi に替ってスタメン起用されたFouzi Aaish 。 Aaishi は3月のマナマでの日本戦で途中交代出場後以降は全ての試合にフル出場をはたいしており、この試合でもスタメンに。2列目の左サイドに張るが Fatadi の様にトップ下にもポジションを移すのだろうか…… 
日本はGKが楢崎。 Aaishi の様にマナマでの試合の次からずっとスタメンでフル出場を果たしている。DFライン、こちらは4バック。CBに中澤、闘莉王、右サイドは五輪メンバーだった内田。左サイドには流通経大戦でも起用された阿部。ボランチに遠藤と長谷部。MFは右サイドが中村俊輔、左サイドに松井、中盤には3人の欧州組が起用された。FWは玉田がワントップでその下に田中達也が抜擢された。欧州組でも稲本はベンチからも外れ、他に駒野、水本、大黒そしてGK西川がメンバーから外れた。マナマでの試合のスタメンに起用された選手は阿部(この時は右のDF。)中澤の2人だけ。途中出場選手(遠藤、玉田)を入れても4人だけであった。

試合は開始から日本が速い出だしでバーレーンを押し込む形に。4分には松井が7分には阿倍がミドルを放つ。10分には遠藤からボールを受けた阿倍が逆サイドにクロスを上げるがこれは大きくゴールを外れる。その約30秒後に内田が右サイドをドリブルで上がり中に入れるとボールを受けた達也が振り向きざまにシュートを放つがこれはGK正面。阿部、内田の両サイドが積極的に上がりバーレーンの前線を抑え、自軍のチャンスを作る。バーレーンは日本のサイドバックの後ろにロングボールを特に阿部があがった後に入れて来る。しかし正確なロングフィードを入れられるDFは CBのMohamed Adnan なので日本の前線は彼にボールが入るとロングフィードを読めたのではないか? 16分には俊輔から達也にボールが渡り Marzooq が後ろからチャージに入りファールを貰いFKを得る。ゴール正面やや右側であったが距離は直接狙える範囲だ。闘莉王が壁の横に入る時など小競り合いが続く、長谷部、Sayed Jalal, Aala Hubail がBashir 主審に呼ばれて注意を受ける。そしてファールのホイッスルが鳴ってから3分近く過ぎようやく遠藤と俊輔がセットしたボールの脇に就く。遠藤が一旦ボールを跨ぎ戻ろうと踵を返した瞬間に俊輔が左足を振りぬくと闘莉王の右脇を通ったボールはそのままバーレーンゴールネットを揺らし先制点が生まれた。 GK Jaffer は1歩も動けず。さすが俊輔と言うFKだったが遠藤の動き、闘莉王の立ち位置も見事だった。 3次予選では前半に得点を挙げられなかったが大事な最終予選では早い時間にゴールを挙げることが出来た。

    

これで目が醒めたかリスタート後はバーレーンが押し込む時間が続いた。2列目の A.Omar とS.Isa が両サイドいっぱいに張りボランチの M.Salmeen , S.Jalal が前に出て来て日本のPA付近でボールを繋ぐようになった。この時間でもF. Aaish が日本の左サイド側に張るがこれも阿部の裏側を取る為か……
20分には I.Latif がヘッドで落としたところを走り込んだ S.Isa が拾ってドリブルシュートを放つがこれは楢崎がパンチングで跳ね返した。しかしこの劣勢の時間帯も失点につながらずそして長くは続かなかった。24分を過ぎると松井が少し下がって相手のボールを積極的に取りに行き、達也、玉田も左サイドにより守備のフォローに入り2人のボールキープ力をここでも生かす。28分には松井からボールを受けた達也が左サイドでドルブルシュートを撃つがこれは Marzooq に当たってCK. この時は中澤、闘莉王が上がって来た。遠藤が蹴ったCKは俊輔に繋がり右側逆サイドに上がった中澤に送られ、中に折り返す。そこには玉田がおりシュートを放つが M. Adnan に当たり跳ね返りをダイレクトで阿倍が撃つもGK Jaffer がパンチで撃ち返す。そのこぼれ球を俊輔が拾い左サイドの松井に。松井は逆サイドにいた闘莉王に送るがこれはオフサイドを取られたがこの動きは3月の試合では見られなかった。
32分、松井のインターセプトから攻撃に転ずると達也を経由して左サイドに寄った玉田に繋がる。PAのすぐ外でM. Salmeen がファールで玉田をストップ。またも好位置でFKを得た。FKを蹴る遠藤に闘莉王が声をかける。遠藤はゴール前には入れずにエリア外から走り込んだ俊輔にシュート練習の様なグラウンダーを送る。俊輔の左足が再びバーレーンゴール目がけて一閃するが今度はその弾道はゴールネットに届かず F. Aaish の手に当たりPKを貰う。後日専門誌で読んだがこの動きは闘莉王の発案だったらしいがバーレーンDFも相手FKのピンチでこれだけエリア内にスペースを空けているとは……。 PKは誰が蹴るのだろう?俊輔に挽回のチャンスが与えられるか…… と思ったがベンチから“ヤット!! “ と言う指示が飛び遠藤がGKの動きをよく見てにボールを転がし追加点を挙げた。遠藤は観客性からレーザービームで妨害されたとの事であったがよく落ち着いたもの。GK の Jaffer は6月のオマーン対日本のビデオを見なかったのかな???

  


日本にとっては前半で2点のリードを奪うと言う最高の試合展開となった。その得点は共にセットプレーからであったがそれらは達也と玉田のドリブルに対してのファールで得たFKから。彼らが創ったチャンスとも言えた。

  

後半に入ると“シーズンが開幕したばかりの”バーレーン選手が慣れて来たのか出だしが速くなりボール支配率が上がって来た様に見えたが、前半同様日本選手達はボールを取られても個々の攻守の切り替えが早く、バーレーンも最後の決定的なパスが全く出せなかった。そして1対1でも日本選手の方が優位に立っており長谷部がボールを持つ相手に早く寄せてチャンスの芽を摘む等バーレーン選手達の焦りを増幅させ、逆に玉田や達也にボールが渡るとファールで止める様になるので余計に日本が優位に。 62分には A. Hubail, I. Latif が下がりJaycee Okuwunwanne とMohamed Abdulrahaman が投入される。最も警戒すべき A. Hubail はこの日は良いボールが貰えず仕事にならなかったのではないか? 局面打開に Okuwuwanne の様な突破力のある選手を入れたのだろうが、マチャラ監督としてはせめて1点差で入れたかっただろう。 
66分カウンターから達也が右サイドをドリブル突破を図りマークに入った M. Husain を振り切った瞬間に倒される。Bashir 主審はHusain にイエローカードを提示する。Husain はこの試合2枚目の警告で退場となるが納得のいかなず Bashir 主審に詰め寄る。主審のからだを触れさせまいと Marzooq, S.Jalal そしてM. Adnan の3人がかりで Husainと主審の間に入る。このジャッジは少し Husain に厳しくはないか?と思うがリプレーを見ると Husainは抜かれた瞬間に達也の踵を蹴っていたのでこれは妥当なジャッジと言えただろう。この時点でバーレーンの勝利はかなり難しくなったと思った。日本ベンチはここで松井に替えて中村憲剛を入れる。松井は35分にイエローを受けていたので次のウズベキスタン戦には出場できない。 
75分に憲剛からのスルーパスが達也に渡ると達也は Marzooq を振り切って中に送るがわずかに走り込んだ玉田に合わず逆サイドにボールが流れる。そのボールを拾った Aaish がドリブルで上がろうとするのを長谷部が奪いフリーで放ったシュートはポストを直撃、そのこぼれ球を拾った達也が狙うが今度はクロスバーを直撃する。 2点差でリードしているとはいえ、ここは相手にとどめを刺すために決めたかったシーンだった。でもあそこでドリブルをする Aaish も??だ。 M. Husain が本来はこのポジション。退場を受けて Aaish が左サイドバックに入っていた。
そのいやなムードは85分憲剛のミドルシュートが M. Adnan にあたってコースがかわってバーレーンゴールネットに突き刺さった瞬間に一掃された(様に思った)。憲剛はシュート前に阿部からボールを受けたのだが阿部も憲剛も全くフリーだった。交代選手が追加点を決めたので残り時間からこの試合は完全に日本のものだと思った………
       
    
終わってみれば3点差が1点差。しかし勝点3は変わらない。最後に得失点差の争いにならない事を祈るが….
両チームの選手コンディションを比較すると3月の時と反対であっただろう。そしてこの日の Bashir 主審は公正、いや日本に有利に笛を吹いてくれたか……..
俊輔をはじめ欧州勢はその存在感を示した。それだけ彼らがもし怪我などで予選期間中に離脱などしてしまうと少し心もとない。 次は10月15日さいたまスタジアム2002 に2戦2敗ウズベキスタンを迎える。それだけに厳しくなりそうだ。チケット手に入るかなぁ……….

最後にFIFAのホームページにマナマで現地在留邦人の方達が代表選手達と記念撮影をするところが紹介されていた。在留邦人にとってこう言う機会は非常に貴重でありがたい機会。それだけに勝てて良かったと思った。彼らの為にもアウェーでも好結果を残してくれることを期待する。

   

  

いよいよ始まるワールドカップ最終予選 バーレーン戦に向けて

2008-09-04 | 夏季五輪
8月30日、アラブ首長国連邦の Abu Dhabi で開催されたUAE とバーレーンの試合は3対2でアウェーのバーレーンが勝利を収めた。UAEのパフォーマンスは低調で特にディフェンス面ではミスも多く、9月6日の北朝鮮、10日のサウジアラビア戦に心配を残す試合内容と UAE の地元紙は論評していた。この試合内容はバーレーン代表チームの自信を深めるものとなったのだろうか?

試合は開始10分、Esmail Abdul Latif のクロスを UAE の Hayder Allo Ali がヘッドでクリアーをするもボールは走り込んだ バーレーン DF Sayed Mohammad Adnan の前に落ち、それを拾った Adnan が放った強烈なショットは、GK Esamil Rabie を破りバーレーンが先制した。
しかし33分、オマーン人の Abdulla Al Hilali 主審はバーレーンMF Fouzi Aaish が UAE の MF Mattar をPA内で引き倒したとの事でPKを与え、 Mattar が自らそのPKを決め UAE が同点に追い付く。しかしこのPKはスローインの最中にボールプレーと関係のないところでおこった事に対して与えられたものであり後に物議を醸す事に。Al Hilali 主審はその6分後に UAE のAl Shehhi がPA内で引き倒された時はPKを与えなかった。 UAEは50分に Subait のFKを Al Shehhi が頭で合わせて逆転するも
74分にまたもバーレーンのDF Adnan が Mahmoud Abdul Rahman のクロスを頭で合わせて同点に追い付く。そしてその4分後 Rashid Jamal のゴールでバーレーンが勝ち越しそのままタイムアップ。アウェーのバーレーンが勝利を収めた。Rashid Jamal のゴールはバーレーンの MF Abdulla Omar のショットを GK Esamil Rabie がファンブルしたのを押し込んだもの。バーレーンのゴールは全てGK を含めたUAE DF陣のミスから。試合後フランス人の Metsu UAE 監督は “ too many mistake “ と嘆いたが本番の北朝鮮戦の前にミスが連発されてよかったとも語ったらしい………

日本代表は9月2日に現地に向けて飛び立ったらしいが、その前日流通経済大学との練習試合では 0-1 で敗れたとの事、試合は4日後の9月6日。大丈夫かなぁ……
3月26日、マナマで行われたワールドカップ3次予選、日本はバーレーンの前に 0-1 で敗れた。しかしこの試合、中村俊輔は怪我で招集されず遠藤はコンディション不良なのか?ベンチスタート。選手達は全体的にJリーグが開幕したばかりで調子が上がらなかった様だった。一方のバーレーンは恐らく万全のコンディションで日本戦に臨み勝利したと思う。6日の日本戦にもおそらく3月の日本戦とほぼ同じ布陣だと思われている……..

GK : Sayeed Mohamed Jaffal は2004年11月17日のタジキスタン戦で代表デビューを飾ったがアジアカップ迄は Ali Hasan Al Thani, Abdulrahman Abdulkarim そしてかつての No.1 GK Ali Saeed の影に隠れて代表での出番に恵まれなかったがアジアカップ以降はポジションを確保しこのワールドカップ予選は1次予選のマレーシア戦から8試合フルでバーレーンゴールを守っている。6月、雨の中のさいたますタジアムでは中村俊輔のPKを見事な反応でストップした。彼からゴールを奪うのは容易ではないだろう……

DF陣、3バックが予想されているが6月のさいたまスタジアムでの試合の様に4バックではないかと想像する。それは3月の日本戦で80分に途中出場でピッチに送り出されて以降、次のタイ戦から残りの4試合全てにモロッコからの帰化人選手 Fouzi Aaish がフル出場をしているからだ。6月のさいたまスタジアムでのゲームでは右サイドバックでも使われていた。Aaish は2004年の Gulf Cup で代表デビュー、2007年に行われた北京五輪予選にも出場をしている。 右サイドバックには Hussain Mohamed, 1997 年FIFA U-17 ブラジル大会に出場、現在28歳ながらワールドカップ予選は フランス大会から出場、27試合(ワールドカップ予選)を経験している。日本とは 2005年3月さいたまスタジアムでの試合にも出場。今回も3月と6月の2試合ともしフル出場を果たしている。 CB には最も警戒すべき選手189cm の長身 Sayed Adnan Mohamed 。このワールドカップ予選は3次予選フル出場。3月の日本戦では巻や中澤の攻撃参加も完全封じた。先週の UAE 戦でも2ゴール。一番厄介な選手ではないか? その Adnan とCBを組むのが Abdulla Marzooq 。まだ28歳だがワールドカップ予選は日韓大会予選から出場しておりドイツ大会予選では日本戦にホーム、アウェー共に出場している。 アジアカップでは 2007年大会で3試合フル出場。今回の予選ではマナマでの試合にはフル出場を果たしたが6月のさいたまスタジアムには来なかった。マナマでの試合では3バックであったが積極的に攻撃参加し日本のラインを下げさせていた。4バックでCBで起用された場合にはどういう動きをするのだろう? サイドバックで使われるかもしれない。 

  

MF 陣 MFの底には Sayeed Jalan と Mohamed Salmeen , 共に 日韓大会予選からワールドカップ予選を経験している。 Sayeed Jalal は 1997年FIFA U-17 に出場、日本戦には2005年6月のホームでのワールドカップ予選と今回のホーム、アウェーでの試合に出場。マナマでの試合では中盤をよく動いていた。ゲームキャプテンを任されている。 Salmeen はお馴染みの人も多いと思う。2005年さいたまスタジアムでの試合でオウンゴールを“決めた”選手だ。しかしテクニックに優れた選手、2004年中国でのアジアカップの日本戦でも先発出場。今度の日本戦にはかなりの意気込みで臨んでくるだろう。 2列目の左サイドにはべテラン31歳の Salam Isa ワールドカップ予選は前回に続いて2回目。対日本戦は 2005年マナマでの試合、そして今回のホーム、アウェー、そして2004年アジアカップの準決勝に出場している。右サイドにはチャドからの帰化人選手 Abdulla Omar 今回のワールドカップ予選では1次予選のマレーシア戦から含めて8試合すべてフル出場。そして2006年リオデジャネイロで開催された FIFA Beach Football World Cup にバーレーン代表として出場しその足もとの高い技術を見込まれて代表入りに。2007年アジアカップのインドネシア戦にも出場している。 MF陣はどちらかと言えば攻撃力にたけている様に思える。 

 

FW陣  Aala Hubail とIsmail Latif の2トップとなるだろう。特に要注意はマナマで決勝点を決めた Alal Hubail。前回のワールドカップ予選では怪我の為に日本戦での出場はなかったが2004年アジアカップ準決勝では日本戦で2ゴール。昨年のアジアカップでも3試合にフル出場。もし前回のワールドカップ予選で怪我がなければ日本はあんなに容易に予選を突破できただろうか……..まさに脂の乗った26歳。( Ismail Latif は22歳 ) また3月の日本戦ではトップ下で起用されたナイジェリアからの帰化人選手 Abdulla Fatadi そしてベルギーでプレーする Joycee John Okwunwanne が控えている。もしDFラインが3バックであれば Fatadi がトップ下に入るかもしれないが Fatadi はこのワールドカップ予選では3月の日本戦以降は次のタイ戦にフル出場を果たすも以降は出場時間は無く、Okwunwanne はこのワールドカップ予選ではアウェーのタイ戦に残り10分間だけしかプレーしなかった。それだけ秘密兵器となるのか?それともまだチームにフィットしていないのか……… そして危惧するのはかつての英雄 Talal Yousef。 2005年11月トリニダードドバコとの大陸間プレーオフで敗れて以来代表からの引退を決めていたが2006年アジアカップ予選のクウェート戦で代表に復帰しゴールを決めて勝利に(2-1)に貢献した。ただその後代表復帰の話は聞かないが……
2004年アジアカップ中国大会では日本戦を含む全試合に出場し2ゴールを決めている。もし彼が今度の日本戦には出てこなくても今回の予選に復帰してくればバーレーンの攻撃力はアップしてくるのは間違い無い。

バーレーンの魅力はその強靭な攻撃力であるが、弱点はボールを回された時。前回のワールドカップ予選では勝ったとはいえ平壌での北朝鮮では北朝鮮お得意のショートパスを回されるとDF陣は棒立ち状態であった。今回のワールドカップ予選タイ戦でも同じ様なシーンが続いた。 おそらくこう言うスタイルは湾岸諸国では馴染みがないからではかいか…….. それを克服するために堅守とカウンター攻撃一辺倒からの脱却を図り4バックにしボール支配率を上げる戦術を模索しているのではないか……. 名匠マチャラ監督の方策はいかに…….. 

 

メンバーを見れば前回のワールドカップ予選やアジアカップの経験者が多く、それでいて選手のほとんどが20代。Hussain Mohamed の様にフランスワールドカップ予選を経験した選手でもまだ28歳。Sayed Jalal, Mohamed Salmee も28歳、 Aala Hubail が26歳 Sayed Adnan Mohamed が25歳、レギュラークラスでは Salam Isa が最年長だがまだ31歳。 人口が少なく競技人口が限られた中で経験を積んだ選手達の集大成となりそうなこのワールドカップ予選だ。そこにアフリカからの帰化人選手達が加わった。 前回は大陸間プレーオフで涙をのんだバーレーンだが今回国民はかなり期待をしているのではないか?我々が15年前ドーハでのワールドカップ最終予選が始まる前に抱いたように…….. そして我が日本代表はどういう戦いをするのだろう……….