Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Daisuke Matsui の去就は….

2012-01-25 | 日本代表
今年に入り松井の去就から目が離せない。アメリカの松井も欧州の松井も。
ネットニュースで下記の記事を見つけた。

松井、レギア・ワルシャワ移籍の可能性高まる? FWコケの交渉破談
SOCCER KING 1月24日(火)13時14分配信

ポーランドのレギア・ワルシャワの練習に参加したディジョンの日本代表MF松井大輔が、同クラブに移籍する可能性が高まったと、ポーランドメディア『sport.pl』が報じている。

ワルシャワは、松井と同じく練習に参加していたスペイン人FWコケの獲得を検討していたが交渉がまとまらず破談に。同紙によれば、コケとの交渉が不調に終わったことで松井獲得の可能性がさらに高まっているという。ただ、金銭面がネックとなっているため、移籍実現のためにはこの問題を解決する必要があるようだ。

レギア・ワルシャワは国内リーグで8度の優勝経験を誇る強豪で、今シーズンも17試合を終えて2位につけている


今週に入り現地での報道は下記の通りだった。 

1月23日。 Koke は Legia と交渉を始める。
Legia Warszawa は今月末日で Rayo Vallencano との契約を終える28歳のスペイン人ストライカー Sergio Contreras Pardo “ Koke “ と交渉する事を確認した。
2010年ワールドカップに出場を果たした日本代表選手は Legia にやってくるのだろうか?
Koke は契約条件を詰める為にやってくるがもしMarek Jozwiak ディレクターとの交渉で合意に達してメディカルチェックにパスすれば Sergio は Legia のメンバーとなる。

Koke は9月に Liga Espana のRayo Vallecano と契約したいが今秋は5試合しかプレーしてお有らずいずれの試合も途中でベンチにひっこめられている。 PKによる1ゴールを決めている。
それまで彼は多くのクラブでプレーした。 Malaga で選手生活をスタートし20歳の時に Olympique Marseile に移り2006年レンタル移籍で数カ月 Sporting Lisbon でプレーしそのデビュー戦の Gil Vicente 戦で2ゴールを決めたがその後はノーゴールに終わった。 そのシーズンの夏にはギリシアの Aris Thessalonoki に移り昨年の初期までプレーしたがその期間が彼のキャリアーの中で最も良い時期であった。
2011年春迄175試合に出場し38ゴールを決めた。 2011年春にアメリカMLSの Houston Dynamo に移り、9月に Vallecano と契約をした。

Legia は今冬の移籍期間中にこのスペイン人の様な選手を探していた。
もし彼との契約が締結すれば Ayia Napa での合宿に参加していた日本人MF 松井大輔とは恐らく契約しないだろう。 コーチ陣にとっての評価は高かったが財政的に2選手と契約する事は難しい。

このスペイン人選手に興味を持つのは Legia だけでは無い。 Koke は1月に2度ギリシアに赴いて Thessaroniki との契約交渉をしていた。 Koke は古巣でプレーしたいと言う願望を持っている事も隠さない。しかしクラブと彼の間には財政的な問題がありまだ契約は締結されていない。 彼には Cypros の Apoel と Omonia も興味を持っている。


そして下記の通りの報道も見られた。

28歳のスペイン人ストライカー Koke は本日23日メディカルチェックにパスをし、契約締結されるであろう。
日本の松井大輔は Legia でプレーしないだろう。
今冬最優先されるのはFW選手の獲得で、28歳のマラガ出身の Sergio Contreras Pardo Koke はチームの得点力不足を解消してくれるだろう。




しかしながら現地時間24日になると。

交渉決裂 松井入団の可能性は….

Legia Warszawa は WEB SITE でスペイン人FW Koke との契約交渉は締結にまで至らなかった事を発表した。
月曜日にその28歳のストライカーと行った交渉はまとまらなかった。

長時間に渡る交渉にも関わらず資金的な事で契約には至らなかった。
Koke はスペインにもどるであるだろう、と球団の Spots Director であるMark Jozwiak Sportsは語っている。
彼は22日、日曜日の夕方にワルシャワ入りし月曜の午後まで契約交渉の為に留まっていた。

シーズン再開まで3週間を切ったのだが Legia の攻撃陣問題はまだ解決しない事となっている。
チームの次の合宿地トルコにはふくらはぎを痛めているセルビア人ストライ会― Danijel Ljuboja は参加できない。そしてシーズン前半をアキレス腱の故障で殆ど出場できなかったチェコ人の Michal Hubnik が戻ってくる。
Matt Skorza 監督は11月に冬の移籍シーズンが解禁になると新たな攻撃陣の獲得を熱望していた。

Kokeは今 Legia が最も望んだ選手であった。確かに Koke との契約締結に至らなかった事が攻撃の問題を未解決のままにしているが、日本人の攻撃的MF松井に契約のチャンスが出て来た。

Kokeとの交渉決裂はキプロス合宿に参加し、コーチ陣の評価も高かった攻撃的MF松井との契約を近づけるものであったが、まず Legia 首脳陣は今松井の契約が 2013年迄残っている所属先のフランスの Dijon と交渉を始めねばならない。恐らくレンタル移籍の話となるだろうが、Legia は彼に(月給 3万ユーロ、約300万円)高いサラリーを支払わねばならない。確かにそれは松井や他の選手との契約交渉の障壁とはならないが、今最も欲しいのはFW選手だ。



今シーズンほぼ毎試合出場していた Ljuboja はトルコ合宿には参加せず怪我の手術の為にパリに行く。
そしてもし足の状態が良くなれば Antalya で行われているチーム合宿に合流する。

アキレス腱の故障で出遅れているチェコ人の Michal Hubnik の練習が再開されそうだ。 コーチも監督も彼の回復を認めているがもう少し時間が必要であろう。

シーズン開幕前でさえコーチたちはFW選手の増加を願っていた。それは Legia にも予想出来た事だった。
Ljuboja はワントップで起用され両サイドにチャンスを作ってもらっていた。そしてトップ下には Miroslvav Radovici が起用されていた。時折相手PA内に侵入する選手があまり多くない事があった。
Ljuboja は相手陣内深い位置に待ち構えていてボールを受けてから動きだすタイプのFWで早い動きをするカウンター攻撃の出来るFWに欠けていた、

Skorza は数日前には“故障をしている選手はいつ戻ってこられるか解らない。我々は解決策を考えねばならない。” この様に語っていた。
トルコ合宿ではFWのMichael Kucharczykと Kosecki Gyro の攻撃力を試す。彼らのどちらかは2月11日に行われる Poland Cup の試合と UEFA European League で起用されるだろう。 彼らはこの試合ではFWとして起用されるだろうがそれ以降は従来のウィングで起用されるだろう。誰も Sporting Lisbon の様な強いチームと対戦した事は無い。 それに.Feldman Kosecki は今シーズン、これまでベンチスタートが多かった。


1月17日に松井が出場した APOEL FC との練習試合のメンバー等は下記の通りだった。


APOEL FC - Legia Warszawa 1:5 (0:1)

得点者: Georgios Kyprianou 79' - Marcin Komorowski 40', Daniel Łukasik 57', Kamil Kamiński 71', Dominik Furman 81', Jakub Kosecki 83'

APOEL FC: Anastassios Kissas - Andreas Christofidis, Chrístos Gavrilidis, Andreas Themistokleous, Iakobos Theofilou, Evgenios Antoniou, Diogenis Sergidis, Chrístos Konteetis, Markos Charalambous, Pantelis Vassiliou, Kyriakos Vassiliou

Legia Warszawa: 82. Wojciech Skaba (43' 1. Marijan Antolović) - 2. Artur Jędrzejczyk, 17. Marcin Komorowski, 4. Dickson Choto, 11. Tomasz Kiełbowicz - 23. Albert Bruce (43' 35. Daniel Łukasik), 34. Dominik Furman, 20. Jakub Kosecki, 3. Daisuke Matsui (43' 22. Aleksander Jagiełło), 24. Bartosz Żurek - 26. Maciej Górski (43' 9. Kamil Kamiński)

その他のベンチ入りした選手: 1. Marijan Antolović, 22. Aleksander Jagiełło, 35. Daniel Łukasik, 9. Kamil Kamiński

松井はFW、ストライカータイプの選手ではないが攻撃的な能力の持った選手だ。もし金銭面の問題が許すなら損はさせない選手に違いないと思う。今月末迄には松井入団の情報が入ってくる事を祈る。



日本代表選手達の情報が続々と入る。

阿部レスター退団!!浦和VIP合流へ 1月24日(火)

イングランド2部のレスターは23日、日本代表MF阿部勇樹(30)の退団を公式サイトで発表した。阿部は1年半ぶりの浦和復帰が目前で、30日まで行われる浦和の宮崎合宿を免除されることが分かった。
阿部はこの日早朝、ロベルト佃代理人とともに帰国。「浦和とは契約の細部の詰めを残すだけ」と関係者が説明する通り、年俸1億円の3年契約を提示している浦和側と最終交渉に突入した。クラブ側は25日にも大々的な復帰会見を行う手はずを整えた上、VIP合流を認めた。チームはこの日から宮崎県内で1次キャンプを開始したが、リーグ戦真っ最中の英国から帰国したばかりの阿部には約10日間の休暇を与える方針を固めたという。鉄人ボランチは、来月の第2次キャンプから雄姿を見せる。

ヴォルフスブルクが長谷部を放出か 1月24日(火)

ヴォルフスブルクの日本代表主将、MF長谷部誠(28)が、クラブから放出される可能性が浮上した。23日発売のドイツの専門誌キッカーが報じた。
長谷部はリーグ再開となった21日の1FCケルン戦(ホーム)でベンチ外。同誌によれば、長谷部とMFジョズエ(32)、MFポラク(30)が放出要員として検討され、現在はポラクが競争相手を押しのけて残留に一歩近い状態。クラブを去るのはジョズエか長谷部だと伝えた。
長谷部のクラブとの契約期間は2014年6月末まで。08年1月に浦和から加入し、08~09年季にはリーグ初優勝に貢献。今季は本来のボランチ以外にも右サイドバック、右MFなどで起用されリーグ19試合中14試合に出場している。

CSKA本田、ラツィオ移籍秒読み…伊紙が報道 1月25日(水)
 
CSKAモスクワのMF本田圭佑(25)のラツィオ移籍が秒読みとなったと、24日付のコリエレ・デロ・スポルト紙が報じた。18日にモスクワで行われたクラブ間交渉では金銭面で折り合わなかったが、その後に双方が歩み寄り、一両日中にも移籍が成立する可能性が高いという。 最初の交渉で、ラツィオは半年後の完全移籍のオプションが付いた期限付き移籍で、レンタル料と移籍金の総額1200万ユーロ(約12億円)でオファー。CSKA側は1600万ユーロ(約16億円)を要求したためまとまらなかったが、同紙によると、その後に両者が譲歩。最終的に1400万ユーロ(約14億円)で成立する可能性が高いという。

さらに同紙は、かつてローマなどで活躍した元日本代表MF中田英寿氏らと比較して、トップ下からボランチ、FWまでこなせる本田の多才ぶりを絶賛した。「ラツィオ本田」誕生がいよいよ現実味を帯びてきた。




REDSサポーターの息子が何よりも喜ぶのが阿部の復帰だ。これで一気に優勝を狙える…彼はそう思っている。

セルジオ越後氏が最近専門誌にこう述べていた。
Jリーガー達の欧州進出も考えないといけない。欧州に渡る時は移籍金が発生せず日本に帰ってくるときには移籍金が発生する。
槙野がその例。槙野の日本復帰自身は出場機会を得ると言う意味で悪い事では無い。しかしこれではチーム経営が成り立たない。全く以ってその通りだ。 移籍金が発生しないから一応契約する。 そしてまた日本に返せば移籍金が入る…..

完全にJ-League は舐められているのか….. 10年ほど前あるアフリカからJ-Leagueにやって来た選手が言っていた。

“J-League はもう確立されたリーグ。ここでの成功が既にサッカー選手としての成功だ。”

まだ欧州の移籍市場が天文学的数字が並ぶ少し前の時代だったか….

松井よ、もし所属先が見つからなかったらいつでも古巣に帰ってこい。 そう古巣の京都サンガに。

松井大輔 Legia Warszawa 入り…..

2012-01-23 | 日本代表

全国高校サッカー選手権大会が終わって非常に興味を持つニュースが飛び込んで来た。 松井大輔ポーランドの強豪クラブ入りか…
フランスの League 1 Djion に所属していた愛する京都サンガの卒業生、松井大輔が何とこの移籍市場が締まる前に出場機会を求めてポーランドの強豪チーム Legia Warszawa に移籍をする為に練習に参加をする事となったのだ。

Legia Warszawa と言えばポーランドでも屈指の強豪クラブ。1990-91 UEFA Cup では準決勝戦まですすみ Manchester United に敗れた。 1995-96 シーズンは Champions League に出場し1次リーグを勝ち抜き準々決勝に進んだ。
1970年代ポーランドサッカーが全盛期の頃は代表チームの主将を務めていた Kazimierz Deyna がLegia に所属していた。そして DF Gadocha も Legia の選手だった。しかしサッカーはどちらかと言えば LKS Lodz や Widzew Lodz のあったLodz の方が良い選手が多かった様に思う。
GK Tomaszawski ( LKS ) , Bulzacki ( LKS ) そして英雄 Boniek ( Widzew ) 。私が海外で初めてサッカー観戦をしたのがあの Legia Stadium 。競技場前にその数年間に自動車事故で亡くなった Deyna の現役時代の写真が掲示されているのが印象的だった。そして駐在していた1995年に何度も Legia の試合に脚を運んだ。
München 五輪で金メダル、モントリオール五輪で銀メダル。ワールドカップ西ドイツ大会、アルゼンチン大会、イタリア大会で上位に入る等強豪だった頃、そして駐在をしていた頃、更に最近のポーランド代表チーム。今年の EURO2012 のホスト国。
色々な思いが混ざり、Legia Warszawa にしかも愛する京都サンガの卒業生が入団するなんて本当に時代の変化を感じる。今すぐワルシャワに飛んで行きたいなぁ…


1月16日 松井大輔 キプロスに到着 
1月16日 20:30 松井大輔を乗せた航空機が Lamaca の空港に到着し、その1時間後キャンプ地の Ayia Napa 入りした。松井はここで2試合を含んだ練習に参加しチームにとってチームにとって有用な選手か見極められると Marek Jozwiak スポーツディレクターは語った。  松井大輔は 2011-12 のシーズンはフランスの Dijon に所属し、2004年に Le Mans 入団以降欧州でプレーを続けており4年後には Saint Etienne に移り2009年には Grenoble に移り Tomu Tomsk にローン移籍した。松井は日本代表にも召集されており2010年のワールドカップでは“日出ずる国”の選手の一人として4試合プレーし決勝トーナメント進出に貢献した1人である。

Season 2011/12
3 matches in Ligue 1

Season 2010/11
16 matches in Ligue 2, 1 Goal, 1 Assist, 3 yellow cards
4 matches in the representation of Japan

2009-10 29 matches in Ligue 1, 4 goals, 5 assists, 5 yellow cards
2 matches for the Cup of France, 1 goal
A League Cup match
7 matches in the Premier League
10 matches in the representation of Japan Season

2008/09 22 matches in Ligue 1, 1 goal, 2 assists, 3 yellow cards
2 matches of the UEFA Cup, 1 yellow card
2 matches for the Cup of France
A League Cup match

Season 2007/08
34 matches in Ligue 1, 5 goals, 6 assists, 3 yellow cards
4 matches in the representation

Season 2006/07
27 matches in Ligue 1, 4 goals, 5 assists, 6 yellow cards S

eason 2005/06
33 matches in Ligue 1, 3 goals, 8 assists, 7 yellow cards
1 game in the representation

Season 2004/05 25 matches in Ligue 2, 3 goals, 1 yellow card

1月16日 チームのホームページインタビューから 環境を変えたかった。Dijon でのレギュラーゲームでは問題があったので何か新しい事にトライする事を決めた。 Legia の一員に慣れる様に全てを尽くしたい。Danijel Ljuboja がいるのでクラブの事は知っていた。
なぜなら彼とは Grenoble 時代一緒にプレーしたからだ。最近彼と話した。そしてこのポーランドのクラブを絶賛していた。彼の推薦で充分だ。それで私はここに来る事を決めた。 Legia から招待を受け取った時にすぐにクラブの事を調べた。
そして現在チームは2位で Europe League にも参戦中と言う事が解った。それが私を非常に肯定的にさせた。



1月17日:Danijel Ljuboja 松井を紹介
16日に Larnaca 国際空港に到着した松井はチームに就いて多くを Raphael Janasコーチに聞いた。翌日17日には彼と話す時間はあまりなかった。朝食後我々はすぐに午前練習に向かわねばならなかったからだ。
彼は本当に良い選手だ。私達は Grenoble で一緒にプレーをした事がある。そして彼は何が出来るか話す事が出来る…
その様にセルビア人ストライカーはレポーター達にミステリアスに話した。

大輔はワームアップ中は Daniel と組んでウォームアップを行ったせいかピッチ上の練習ではお互いに理解をしあっていた。
大輔はゲーム形式の練習でも良い動きをしており Ljuboja とのコンビだけでなくMiroslav Radoviciowi とRaphael Wolski らと共にPA前に進出していた。そして何度もPA前に顔を出していた。最初のシュートはポストをやや外し、次のショットは正確にゴールを捉えクロアチア人 GK Marijan Antolović は止める事が出来なかった。Maciej Skorza 監督は手放しで喜んだ。その次のシュートもゴールネットを揺らしたがオフサイドの判定であった。

Serbia 人MFの Danijel Ljuboja は Ligue 1 のNice でもプレーしたセルビア代表歴もある。かつての同僚である彼がチームに居る事が松井にとっても心強いであろう。



1月17日:30歳のフランス Dijon 所属のMF松井大輔がクラブのテストを受ける
数日前キプロスのトレーニングキャンプで Skorza Ljuboja と Matt は長時間話し合った。
技術的にもMFとしてもウィングとしても良い選手だ。そのセルビア人選手はコーチに話した。
Grenoble 時代に僚友だったMF松井は Ligue 1 13位の Dijon でプレーするが今はポジションがない。
そして Mark Jozwiak スポーツディレクターにコンタクトをして来た。 1月17日: 松井はチームを改良しうるか?

16日 Ayia Napa でトレーニング中の Legia Warszawa に2010年ワールドカップメンバーであった日本の松井大輔が練習に合流した。これまで何人かの日本人選手がポーランドにやって来た。
2004年、Gornik Zabrze の練習にKimitoshi Nogawa が参加した。そしてそのままチームと契約をし 2003-04 シーズンの残りをこのチームでプレーし3試合出場した。翌シーズンから彼はルーマニアの FC Municipal と契約し更にカメルーンの Canon Yaound でもプレーをした。

もう1人の日本人選手は Nakaokaも Gornik Zabrze の練習に参加したが最終的には契約はせず後にイタリア、フランスそしてカナダでプレーをした。
その後 2009-09 のシーズンに Wolbrom でプレーし、何ヶ月かしてからそのDFはラトビアの Blazma SK でプレーした。

Kimitoshi Nogawa ( 直川公俊)はかつて U-17 代表にも収集された実績を持ち2009 年のシーズンから今はポーランドリーグ2部のZKSスタル・スタロワ・ウォラでプレーするらしいが今はどうしているのだろう? 
Nakaoka に就いては解らなかった。 Blazma SK のホームページは見つけたけど。上述された2人の日本人選手に就いてもっと調べて見なければ。

1981年1月下旬に来日した“ポーランド代表”チームに日本代表は 0-2, 2-4, 1-4, 0-3 と4連敗してしまう。
その“代表メンバー”には当時の中心選手、 Boniek らは全く含まれておらず若手中心の“選抜メンバー”と見られ日本協会はAマッチとは数えていないらしいがポーランドではAマッチに勘定している。
駐在時にワルシャワの本屋で見つけた記録集にもこの試合の事が記されて、 “当時はフルメンバーでなくても楽勝できたが1996年にポーランド代表は香港で日本代表に 0-5 で敗れた!! “ と結ばれていた。 
その事は当時多くの取引先の人達から言われた。更に2002年にはワールドカップ前に Lodz で行われた親善試合ではベストメンバーのポーランド代表を 2-0 で破っている。
1973年にEngland を初めて欧州地区予選で敗退させたのがポーランド。 今、ワールドカップで日本がポーランドと当たっても勝星が充分に計算できる相手だ。本当に隔世の思いがする…. 今年開催される EURO2012 に向けてどの様な強化をしているのだろう?

2010年10月 Mohamed Elsamni と言う選手が Legia のテストを受けた日本人とされている。その選手は少ししてからオランダの Deen Haag に移り結局飲酒が原因でオランダ人コーチに帰国を命ぜられたと記されている。誰のことだろう??


1月17日。 Apoel 戦に出場。
Matthias コーチは試合後下記の様に話した。キプロス国内リーグ2位の Apoel に対して我々は攻撃面で実践的な練習が出来た。
殆どの時間相手のコートでプレーする事が出来た。Cuba Kosecki の良い素質が確認出来た。そしてBart Olek , Zurek Jagiello らが良い動きを見せた。彼らに並んで日本の松井大輔らが素晴らしかった。松井は何度も非常に興味を引くプレーを見せた。
松井大輔にとってこの日の試合は練習でチームに馴染んで貰う為の機会だ。松井は明日の Aris 戦でもプレーして貰いチームに必要な選手かどうかを査定させて貰う。

1月18日:Legia Warszawa Aris Limassol を 3-1で降す。
キプロス合宿中の Legia Warszawa は Łazienkowska Jacob と Michael Wawrzyniak Gyro の2ゴールでAris Limassol を 3-1 で降した。 Aris の1点は Luke Sosin のPKによるものであった。
Maciej Skorza 監督はベストメンバーをピッチに送り出し、負傷を負ったIvica Vrdoljakaと Janusz Gol は途中でベンチに下げた。
そしてこの試合は松井大輔の最初のテストの場でもあった。 20分に“疑惑の”PKを得た Aris はLuke Sosin が決めて先制する。
その直後、Aris が主導権を握り掛ける。前半終了5分前には Aris が決定機を掴むが Legia のスロヴァキア人正GK Dusan Kuciak がナイスセーブで防ぎ前半は Aris 1-0 リードで終わった。
後半開始数分後に Michael Gyro がチャンスを掴んだがシュートはクロスバーを越えた。しかし59分に Maciej Rybus のクロスに合わせて Jakub Wawrzyniak がシュートを N’Djemie Gilbert が守る Arisゴールに蹴り込み Legia が同点に追い付いた。
74分には 後半から松井に替って投入された Rafal Wolski のアシストを受けた Michael Gyro が逆転ゴールを決め、84分には 後半から投入された Michal Feldman がPA内で倒されPKを得るとそれを Gyro が決めて 3-1 でLegia が勝利を収める事となった。

Aris Limassol - Legia Warsaw 1:3 (1:0) Goals: Lukasz Sosin 23 '- Jakub Wawrzyniak 59', Michael Gyro 74 ', 84'

Aris Limassol (first half): 29 Zoltan Kovacs - 2 Marko Barun, 3 Andrei Stepanov, 55 Maros Kimpl, 5 Dragan Radosavljevic - 30 Costas Markou, 20 Christos Charalampous, 13 Dusan Kerkez, 19 Giorgos Vasiliou - 10 Silvio Gonzalez Pulpo, 7 Lukasz Sosin

Aris Limassol (second half): 51 Gilbert N'Djema - 25 Panayiotis Ioannous, 5 Dragan Radosavljevic, 69 Carl Lomb, 77 Menelaous Aristeidou, 18 Elias Elia, 23 Andreas Theofanous, 4 Comboio, 22 Pedrag Lazic, 16 Gelson, 8 Vladan Grujić Reserve: Alberto Louzeiro

Legia Warszawa: 12 Dusan Kuciak - 25 James Rzeźniczak, 15 Inaki Astiz, 6 Michael Żewłakow, 14 Jakub Wawrzyniak - 5 Janusz Gol (81 '23rd Albert Bruce), 16 Ariel Borysiuk (81 'Daniel Lukasik 34th), 31 Maciej Rybus (81 '26th Maciej Gorski), 3 Daisuke Matsui (46 '27th Rafal Wolski (88' ninth Kamil Kaminski)), 32 Miroslav Radovic (46 '18th Michal Feldman) - 28 Danijel Ljuboja (38 '33rd Michael Gyro)

Subs: 82 Wojciech Skab, 9 Kamil Kaminski, 23 Bruce Albert, 33 Michael Gyro, 34 Daniel Lukasik, 27 Rafal Wolski, 18 Michal Feldman, 26 Maciej Gorski

1月18日Skorża監督: 戦術的な成就がなされなかった 私は大変不服だ。なぜなら120kmも移動してこんなピッチでプレーさせられたからだ。この試合で出来た事と言えばただ足元を地に付けることだけであった。当初ゲームはメインスタディアムで行われるとの事であったが何故かサブトラックで行われた。
Raphael Wolski ( 松井と交替で後半から出場 )の怪我は心配でどれだけ深刻なのかわからない。 Danijel Ljiboja も怪我が深刻にならぬように途中で下げた。私は 基本的にこの Aris との試合は満足していない。松井大輔の将来に就いて決めねばならない。

その議論に就いては頭が痛い。大輔の練習は非常に良かった。しかしその能力を実戦で見てみたい。Lokomotive Moscow Youth Team まで待っていられない。今その実戦で試して貰う機会がないが金曜日の試合で何か見つけられるかもしれない。私はもう1人ストライカーが欲しかったらもう時間がない。

UEFA European League の Sporting Lisbon 戦に向けて普遍的に強化する事を忘れてはならない。

Maciej監督は1月15日に Ajax Amsterdam U-21 チームに 3-0 で勝利を収め1月18日に Apoelu Nicosia のリザーブチームを 5-1 で破った後に日本の松井大輔をテストする場を欲していた。その攻撃的MFの45分間のテストは非常に肯定的なものであった。

1月19日:キプロスで Aris Limassol 相手に3-1で勝利しかしピッチコンディションはスキャンダラス。
Aris のカメルーン人GK BayihaN'Djema Gilbertはベンチに座り Legia Warszawa のウォームアップを凝視していた。
その視線の先には松井大輔がいた。 2人は一緒にピッチに立った事は無かったが共にフランスの Grenoble に所属していいた時期があった。松井は18日の Aris との練習試合で Legia Warszawa 行きのチケットをほぼ手中にした。彼はライバルや Maciej Skorża 監督に充分なパフォーマンスを披露した。しかし試合後は殆ど彼に就いて話す人はいなかった。

1月20日:橙緑戦(紅白戦)に参加
キプロス合宿最後の練習となった橙緑戦(紅白戦)に緑組みのメンバーとして出場した松井は背番号3番をつけフル出場を果たした。
試合は 3-1 で緑組が勝った。前半15分に橙組 Michael Gryo がPKを決めて先制するもその2分後に今度は緑組がPKを得て Marcin Komorowski が決めて同点とする。そして主導権を握った緑組は後半15分には Marcin Komorowski  が逆転ゴールを決め、その後も Maciej Gorski がゴールを決め緑組の勝利に貢献した。
この試合は松井大輔のテストとしての場としても使われた。 松井は勝利を収めた緑組のメンバーとして起用されゴールに絡む活躍をし、ボールポゼッションを高める動きを披露し、自身もロングシュートを放った。

Orange - Green 1:3 (1:1) Goals: Michael Gyro 15 '- Marcin Komorowski, 19', 55 ', Maciej Gorski 58'

"Orange": 82 Wojciech Skab - 2 Jędrzejczyk Arthur, 15 Inaki Astiz, 23 Bruce Albert, 14 Jakub Wawrzyniak - 32 Maciej Rybus, 20 James Kosecki, 34 Dominik Furman, 18 Michal Feldman, 24 Bartosz Zurek - 33 Michael Gyro

"Greens": 29 James Szumski - 25 James Rzeźniczak, 4 Dickson Choto, 17 Marcin Komorowski, 11 Thomas Kiełbowicz - 5 Janusz Gol, 16 Ariel Borysiuk - 3 Daisuke Matsui, 27 Rafal Wolski, 22 Alexander Jagiello - 9 Kamil Kaminski (31 '26th Maciej Gorski).

Legia Warszawa には代表に召集されている選手も少なくない。何と言っても中心は35歳のベテラン DF Michael Rzeniczeak 。
ワールドカップも2002、2006年大会に代表メンバーとして出場している。
更に DF Kommorowski, Wawrzyniak, MF Gol, Maciej Rybus, Zewlakowa, Borysiuk, FW Kucharczyk らが代表に召集されている。この中から何人EURO2012メンバーに選ばれるか… 194cm 長身正GK Dusan Kuciak はスロヴァキア代表GKでもあり2010年ワールドカップメンバーだったがこの時は第3GKだった。こうして見ると結構面白いチームだと思う…

 



1月20日:松井大輔将来を決める。
紅白戦(オレンジ、緑戦?)は良い出来であった。出場した選手達はみなベストを示した。
Antalya 行きのフライトはまだ空席がある。ワルシャワに残る選手手、トルコに行く選手は今日20日にわかる。
週末はフリーで月曜日にŁazienkowskaに集合しグループ分けを行う。その際に Machowski 医師のメディカルチェックにパスをした日本の松井大輔と将来に就いて話し合う予定だ。
松井とはコーチ達ともあって貰って最終的な決定を決めるであろう。大輔はフランスで数シーズンを過ごした事があり日本代表でも何試合もプレーした事のある大変興味のある選手だ。

1月20日: 松井に就いては何も無い
Matt Skorza コーチは松井大輔の Legia Warszawa での将来はまだわからない、と語った。
彼は経験を積んだ選手で興味がある。今はそれ以上のことはその日本人選手に就いては何も言えない。
キプロスキャンプで2試合の練習試合と紅白戦を終えても松井はまだチームに帯同している。

1月22日 Dijion は Coupe de France ベスト16進出を伝える報道があった。松井は“ベンチ外”と云う“扱い”らしい。 Legia Warszawa のホームページを連日覗くがまだ松井と正式契約したという発表はなされていない。サポーターからの書き込みにはチームは一体何をしているんだ…との批判が相次ぐ。
中には“ Matsui のTシャツを早く発注したいのに”という業者らしきサポーターからの書き込みも。

そして地元紙も松井獲得の可能性には決して青信号を示していない。

私はこの議論には頭が痛い。彼はトレーニングでは大変良かった。しかしもっと手応えのある相手で彼の能力を見たかった。水曜日の Aris 戦の後で Maciej Skorza 監督はこう語った。 今やもう彼はそこにいない、そして Legia には戻って来ない可能性もある。なぜならもうテストの場もそれから獲得の資金も無いからだ。
Skorza監督は皮肉を持って “選手達が脚を折らなかった事に満足している。泥のひどいピッチコンディションで Aris とプレーしたが戦術に関しては問題にもならなかった。 Legia はこれまで Ajax のユースチーム(これには松井はプレーしなかった) APOEL との誌試合では松井は45分プレーした。しかしこんなピッチコンディションでプレーした Aris 戦はものの数にも入らない。 27日金曜日には Lokomotive Moscow のユースチームとの対戦か実現せねば紅白戦を行う予定である。 次のトレーンングキャンプはトルコで行われる予定であるがそこでトゥルクメニスタン代表と Steaua Bucharest との親善試合が組まれているがもう松井はそこにはいない。 
2年前に董方卓はその様にテストが出来たのだけど。
その上 Dijon で払われていたであろう€25,000から€35,000 ( 250万円~350万円)と言われている月給を捻出出来るだろうか?
確かに Legia はManu, Kostiantyn Machnowskiego そして Moshe Ohayon らを放出し資金は浮いているだろうが。

Skorza 監督はセルビア人ストライカー Danijel Ljuboja のパートナーを探しているが松井はゴールを量産するというストライカータイプというより技術をピッチ上に披露するタイプの選手だ。

元中国代表の董方卓は2010年に少しの間だけ Legia Warszawa に所属した。
1月31日に Legia はルーマニアのかつての欧州王者 Steaua Bucuresiti との親善試合が組まれているらしい。
Steaua と云えば私が欧州のクラブチームで最も好きなチームだ。
Legia vs Steaua 。こんなに私を興奮させる組み合わせがあるだろうか。
そこに松井がプレーをする事は出来ないのだろうか….

そして2月から再開する UEFA European League に松井が出場する事を願ってやまないのだが松井大輔は果たしてLegia の一員となるのだろうか…


強豪対決制して市立船橋9大会ぶり5度目の優勝  市立船橋 2-1 四日市中央工

2012-01-20 | 五輪 U-20, U-17
あと4分で試合は終わるはずだった。今度こそ,あと少し市立船橋の猛攻を凌いで四日市中央工の単独優勝…と感じ始めた人もいたのではないか…
86分から市船左SBの鈴木君がトップに残る時間が長くなる。87分、四中工の生川君がベンチに下がり川島君が投入される。出場停止の主将、国吉君に替って起用された生川君はベンチ前で泣いている。3年生の生川君、この試合を最後にスパイクを脱ぐらしい。最後の公式試合でスタメン出場出来て良かったなぁと思った。
88分11秒、右サイドに回った市船杉山君が入れたクロスの米塚君を越えてファーサイドに走り込んだ188cm長身の岩渕君がヘッドを撃つが1年生GK中村君が弾き出す。88分50秒には市船、途中出場の池辺君が左SB藤山君と縺れながら粘ってCKを得る。
そのCKはクリアーされるがこぼれ球を繋いだ市船はもう全員が四中工ゴール前に雪崩込む。そして2年生の渡辺君がドリブル突破を見せるが四中工DFで唯一3年生の西脇君が何とかCKに逃れる。
CKの度に市船応援団から沸き上がる“ゴール、ゴール、ゴ~ル、ゴール、ゴール、ゴ~ル、ゴール、ゴール、ゴ~ル、ゴォ~~ル !!”
のボルテージがもう悲鳴に近い。男女共学高校なので女子生徒の声が目立つ。 男子校出身の私はその度に、
“とめよ。GKとめろよ。決めさすなよ。”と呟く。



四中工ゴール前には市船の選手が8人、9人の四中工のフィールド選手とGKが犇めく。恐らく最後のプレーか、もうワンプレーあるかなぁ、と思った。
そして入れられたCKがゴール前に落ちる、その混戦の中から一瞬早くボールに触れたであろう和泉君の脚でそのボールを四中工ゴールに蹴り込みまさに起死回生の同点ゴールが生まれた。



狂喜乱舞する市船の選手達そしてベンチ。スタンドでは抱き合って泣いている部員も。3年生かなぁ….
そして四中工ベンチ付近で待機していた主将の国吉君の呆然とした表情が映し出された。あと少しだったのになぁ…



“大丈夫。まだある。あだあるぞ。まだあるから….” 画面の四中工選手達にこうつぶやいた。
そして再開されたキックオフ後、またも市船がCKのチャンスを掴む。91分58秒になっていた。ロスタイムは2分だったけどゴールシーンがあったのでもうワンプレーあるかな..と思った。 池辺君からのCKが和泉君に渡る。しかしここは西脇君がクリアー。
そして四中工ベンチはFW田村翔太君を下げる。あぁ大会6ゴールの彼を下げるのか…と思うと投入されたのは3年生の金平君。同点に追い付かれたのは残念だったけどそのおかげでベンチの3年生に出場機会が回って来たことに“3年生、良かったなぁ。”と呟いた。
92分58秒、渡辺君と杉山君のパス交換で市船は四中工ゴールに迫るがここは藤山君がコーナーに逃れる。“ゴール、ゴール…” の声援を受けて入れられたCKはクリアーされて48分25秒、木村主審の長い笛が鳴り響き勝敗は延長戦以降の委ねられることに。
四中工DF陣、必死に頑張ったなぁ~。でもあと少しやったのになぁ~…



6年前に滋賀県の野洲高校が優勝を果たしてから以降優勝校は全て初出場。しかし今大会は共に優勝経験のある高校の決勝戦となった。
四日市中央工を初めて見たのは38年前の昭和48年大会だった。 1回戦で当時強豪だった神戸高校と対戦して 1-2 とリードされていた。試合終了時間が近づきアナウンサーは神戸高校相手に四日市中央工はよく戦ったと彼らの“健闘”を称え出した。そして当時から指揮を執っていた城監督の“オフサイドも知らない選手を集めてチーム創りを始めた”という苦労話も話していた。小学生だった私もオフサイドの意味は知らなかった。
しかし試合終了直前に四日市中央工は同点に追い付き、“勝敗はPK戦に。”とアナウンサーは言った。
前年度まで同点で終わった時は“抽選”によって次のラウンドへの進出校を決めていた。だからPK戦とは何だろう?と思った。
そのPK戦で四日市中央工は神戸高校を降し、続く本郷高校(東京)もPK戦で制し準々決勝に進出。 秋田商を今度は 3-0 で降し準決勝に駒を進めた。そこでは準優勝した藤枝東高校に 0-2 で敗れたがこの躍進で高校サッカー界に名を知らしめることに。
翌年も選手権出場を決めたがここでは初戦で優勝した帝京高校にPK戦で敗れた。
次に選手権出場を果たしたのは3年後の昭和52年度大会。前年度の準決勝戦で激突した、帝京と浦和南が準決勝に残り決勝戦はその再現かと見る人が多かった。帝京は北陽を降し決勝進出を決めたが前年度の覇者で後に日産自動車、日本代表で中心選手となる水沼を擁する浦和南の前に立ちはだかったのが今の四中工監督の樋口士郎そして今年から横浜Fマリノスの指揮を執る樋口靖洋兄弟を擁する四日市中央工。2-1で勝利を収め戦後初めての大会3連覇の期待がかかった浦和南を抑えて決勝進出を果たした。
決勝戦では前年度でも中心選手だった早稲田、2年後のワールドユース代表メンバーとなる金子、名取、宮内らを擁する帝京に 0-5 で敗れたがこの時は準決勝で浦和南を破った事が印象的だった。
以降ベスト8が3回 ( 1978, 1986, 1988 年度 ) ベスト4が2回 ( 1983、1987年度 )を含め1985年度大会では後に古河電工、ジェフ、名古屋でプレーした阪倉を擁して決勝に進出するもGK真田を擁する清水商業に 0-2 で敗れまたも優勝を逃した。南宇和( 1988 ) 国見 ( 1986, 1987 ) 清水東 ( 1983 ) と強豪校との対戦に屈すると言う印象も持った。
しかし遂に1991年度には小倉隆史、中田一三そして中西永輔を擁し進出した決勝戦では終了直前に小倉の伝説のダイビングヘッドで同点に追い付き帝京高校と優勝を分け合った。



既に4度の優勝を果たしている市立船橋高校の初出場は1985年度。 
その数か月前の夏のインターハイ5000mで優勝し12月の全国高校駅伝1区で区間賞を取ったのが当時市立船橋高校2年生の仲村明。この頃大学生だった私は陸上競技選手でこちらの方で先に市船の存在を知り年末に行われた全国高校サッカーに出て来た市立船橋を見た時は“あぁここはサッカーも強いのか。”と言うのが印象。
初出場の時は2回戦で五戸(青森)に敗れたが以降連続出場を重ね1987年度には準決勝に進出し昭和の最後の大会となった1988年度は遂に決勝進出を果たした。決勝戦は清水商に 0-1 で敗れたがこの決勝戦はかなりハイレベルであり(そういう人は当時多かった。)五輪もワールドカップも遠かった日本代表にこの世代が入ってくると世界への挑戦権を得られるのではないか?と期待させられた。
参考までに上述した仲村明は後に順天堂大で箱根駅伝で優勝し、実業団に進んでからはバルセロナ五輪の3000mSCに出場した陸上選手としてだけでなく指導者となっても母校の順天堂大を箱根駅伝で優勝させる等誰もが羨む戦績を残している。
更に現早稲田大学競走部の渡辺監督も市立船橋出身。
市立船橋高校はサッカー部が平成に入り4度の選手権制覇を収めているが他のスポーツでも陸上をはじめ多くが全国クラス。だからせめてサッカーは四日市中央工に勝たせたいと思った。それに男子校に通っていた私はどうしても彼らに肩入れしてしまうのだった。
選手権では出場する度に上位に進出するのだが1993年度は我が郷土からやってきた高槻南が2回戦でPK勝ちを収めてくれた。
この時は本当に嬉しかった。 参考までに?愛する京都サンガでプレーする中村太亮、昨シーズンまでプレーていた加藤弘堅、そして柏に移籍した増嶋竜也は市船のOBだ。他にも多くのJリーガー達が四中工、市船の卒業生だ。

前日までの寒風は収まり快晴となった3連休最終日の1月9日。気温は8.8% 湿度35% の絶好のコンディション。公式観客数は43,884人だった。80年代には6万人入る事もあったが相変わらずすごい人気だ。
20年ぶりの優勝を狙う四日市中央工の不安は小倉隆史以降エースナンバーとなる17番を背負うボランチ国吉主将が累積警告で出場停止であること。準決勝の尚志高校戦でも攻守に渡って勝利に貢献していた。攻守のキーマンの穴はなかなか埋め難いと思った…..
スタメン注目の田村翔太君と浅野君を含めた11人中8人が1,2年生。DFラインはCB西脇君以外が1,2年。GK中村君は1年生。
一方の市立船橋は準決勝戦からスタメンを2人替えて来た。 池辺君に替えて杉山君が中盤の左に入り、菅野君が磐瀬君に替って2列目右に起用された。 フォーメーションは 4-3-2-1 。2007-08 のシーズンで UEFA Champions League で優勝したAC Milan を思い出す。試合中にどういうポジション取りをしてくるのだろう…と思うと現場で見て見たかったなぁとも思う。しかし寒いしなぁ…

両校校歌演奏に続いて市船のキックオフで始まった決勝戦はその直後に右SB川本君のロングフィードが寺本君に渡るり、粘った寺本君がCKを得る。 高木大樹君が入れたCKに西脇君が鈴木君と競りながら落としたところを田村翔太君がシュートを放つ。これはGK積田君がセーブするがこぼれ球に詰めた浅野君が市船ゴールに押し込み四中工に先制ゴールを齎した。これで浅野君は今大会7得点目で単独トップに。まだキックオフから1分も経過しない時間帯であった。



先制した四中工は出だし良くまたリズムよくボールを回す。 13分には川本君からパスを受けた寺尾君が市船DF2人をかわして中央の浅野君にボールを送るが2年生CB種岡君が何とかクリアー。立ち上がりは先制ゴールの様に右サイドをSBの川本君と2列目の寺本君で突破をはかるシーンが何度かあった。 そして相手DFの裏に2トップの田村翔太、浅野の両君が走り込み、また川本君(右)藤山君(左)の両SBも押し上げが早く、その度に2列目の寺尾君(右)と田村大樹君(左)が中を絞るのでこぼれ球もよく拾えていた。何といっても2トップのドリブルは非常に驚異また脅威であった。
先制ゴールを喫した市船は鈴木君(左)米塚君(右)の両SBが徐々に上がってくる様になりリズムを掴みかける。25分を過ぎると中盤でもボールが回るようになり四中工はなかなかシュートに持ち込めなくなるが市船エースの和泉君にはしっかりと生川君がマークに着く。国吉君が出場停止で出場機会が生川君に巡ってきたがこの試合が県大会から通じて初のスタメン出場だったらしい。
準決勝戦まで9得点中6得点がセットプレーからという市船はCK時に選手がかたまりCKが上がった瞬間に選手がポジションにさっと散る方策を取るがこれが見ていて面白い。しかしワントップ長身188cmの岩渕君にクロスが入っても1年生GK中村君が果敢に飛び出しゴールを許さない。30分を過ぎるとこの日スタメン起用された杉山君の立ち上がりはむしろ彼のポジションを狙われていた様に見えたがドリブルが目立ち始める。堅守速攻が持ち味の市船であるが四中工3年生の西脇君、生川君に統率されたDFライン、ボランチは失点を許さず樋口監督が“100点満点の出来”と称賛した前半が終わった。 

両チーム選手交代ないまま四中工のキックオフで始まった後半の最初のシュートは49分28秒市船米塚君のクロスを受けた菅野君のシュートだった。このシュートはクロスバーを越えたが前半30分頃から主導権を握り続ける市船の攻勢で後半も始まった。
2列目の和泉君と菅野君が左右にワイドに開きそのスペースに杉山君、松丸君そして渡辺君の3人が押し上げて来て数的優位を造り続ける。時折和泉君が下がって来てボールをキープしそこを起点に次の攻撃に転じる。
それでも四中工DFラインは西脇君を中心にしっかりと守り失点を防ぐ。
四中工は先制をしたが30分過ぎから2トップの田村翔太君と浅野君のドリブルだけが頼りになってくる。しかし市船の3列目の3人は戻りも早前線にボールがなかなか入らない。2年生CBの小出君も次第に浅野君のスピードに慣れて来たかタイトなマークで容易にボールを持たせない。



それでも61分13秒には川本君が中央やや左からゴール前に入れた所に田村翔太君が小出君と競りながら飛び込むがGK積田君がクリアー。その後も四中工は右サイドから攻勢に出て主導権を奪い返すかと思われた。 だが69分に市船ベンチは菅野君を下げて準決勝の大分戦でスタメン起用された池辺君を投入する。 72分には右からのクロスに岩渕君がヘッドで狙うがGK正面に。 その直後にも杉山君が中央をドリブル突破。生川君と西脇君を引きつけ右に流れた岩渕君に送ると藤山君がマークに入る前に放たれたショットはポストの左に僅かに外れた。70分を過ぎた頃から四中工はもう防戦一方となって来る。76分、岩渕君が西脇君と競り合いながら四中工に迫るがここはこの日5つ目の市船CKに。CKの度に市船応援団から“ゴール、ゴール…” の大声援が後押しをする。
78分米塚君のクロスが四中工DFに当たりCKに。そのCK から松村君がヘッドを撃つがポストの左に僅かに外れる。CKになると長身の岩渕君にマークが気を取られるがキッカーの杉山君も良いボールを入れて来る。四中工DF、1年生GK中村君は必死に市船の攻撃を跳ね返すがこぼれ球をその度に拾われてまた守勢にまわる。
84分21秒、市船の攻撃を防ぎ一転田村大樹君がドリブルでどんどん突破して最後は中央やや左からドリブルシュートを放つが弾道はGK積田君にまっすぐ収まる。 右サイドで田村翔太君が完全にフリーだった。こちらに出しておれば試合は終わっていたかもしれない…しかしあの場面ではピッチの声は聞こえないか….
その直後にまたも杉山君がドリブルシュートを放つがこれは1年生CB坂君がクリアー。 試合時間はあと5分を切った。何とか四中工逃げ切れないかなぁ~と思い始めた….

延長戦に入っても市船の勢いは止まらなかった。残っているスタミナを考えると長身の岩渕君のいる市船が有利だ。ロングボールを彼に放り込んで来る。開始早々ロングフィードが岩渕君に入り落としたところを池辺君が放ったショットはGK中村君がストップ。91分28秒には今度は岩渕君はドリブル突破を見せ杉山君のシュートを引き出すがここは西脇君がマークに入りコーナーに。そのCKから岩渕君が放ったシュートはDFがクリアーする。


 
延長戦に入っても劣勢続きの四中工だったが延長後半に浅野君が相手DFが一瞬重なりボールがこぼれた所を見逃さずこぼれ球をかっさらいドリブルシュートをやや右から放つがGK積田君が後ろに下がって弾きだす。 攻撃参加していたCB西脇君が大声を出して選手達を鼓舞する。さすが3年生だ。
猛攻がゴールに繋がらない市船ベンチは102分39秒に杉山君を下げて2年生の宇都宮君を投入した。杉山君のドリブルは冴えていたんだけど…この交替で恐らく渡辺君が左に回って来て宇都宮君が右に入ったのではないかな…
その直後に今度は四中工、金平君が浅野君にナイススルーを送るが小出君がクリアー。 3年生の金平君から2年生の浅野君にメッセージが込められたスルーパスか。そしてこの試合何度もマッチアップした小出君も2年生。これから何度か直接対決だあるだろう….てな事を考えていたら渡辺君が左サイドでクリアーボールを受け前線の中央やや左の宇都宮君へ。そこに川本君がマークに入るが右後方から左前に走り込んだ和泉君にスルーパスを通す。踵を返して川本君がマークに入るが追い付かず必死に戻った坂君がマークに付く前に放った和泉君のショットが四中工ゴールに突き刺さり遂に市立船橋がリードを奪った。
必死に守っていた四中工だったのだが…それにしてもここで決めるとはさすがエースだ、とも思った。



“まだある、あと5分。まだあるぞ….” テレビに向かって四中工イレブンに呟いた。
しかしリードを奪った市船はドリブルを使ってボールをキープする。 四中工は前線にロングボールを入れるしかない。109分29秒ロングフィードを金平君が受けるが市船DF陣に囲まれシュートが撃てない。 そして111分9秒、木村主審の試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。



今年の大会も様々なドラマがあったと思う。テレビでは何度も市船のメンバー入り出来なかったスタンドで応援を続けた3年生とメンバー入りした3年生との“絆”をクローズアップする。しかし全ての出場校にベンチ入り出来ない3年生がいる。 彼らを見る度に彼らこそもっとサッカーを続けて欲しいと願うのである。 多くの高校3年生がもう夏前に引退を決める。 レギュラーでない3年生なら尚更そうだ。それは何も悪い事でも非難される事でもない。 だがそういう3年生が応援に来ることもチームの総合力の表れだろう。
選手権に出られなかった高校生達の多くがこれからも競技を続けるだろうが彼らは選手権に出られなかった事がまたバネになるだろう。
今大会のポスターに採用された SC Schalke04 の内田(元清水東)は静岡県大会を勝ち抜けなかった。
私は息子に“インターハイなんかには出られなかったけど大学時代はここ(国立競技場)で全国大会に2度出たんだぞ。”と云ったら
“何度も聞いたよ。”と云われてしまった。そうだった。彼はもう高校生だ。小学生の時から云い続けていたんだよなぁ….

J-League が発足しクラブチームが充実し今や全国高校サッカー選手権大会はこの年代の最高の大会ではなくなったらしいがそれでも
“高校生”の大会は色々な事を思い出させてくれる。
3月に行われるゼロックスサッカーの前座試合で高体連選抜チームとJ-League U-18 選抜チームとの Exhibition Match がある。
今年は見に行こうかな…3月なら暖かくなっているし。だけど花粉が舞っていない事を祈るよ。

うつむくなよ、振り向くなよ、高校生よ  第90回全国高校サッカー選手権大会

2012-01-16 | 五輪 U-20, U-17
何度でも言った事があるしこれからもこう言うだろう…… うつむくなよ~ふりむくなよ~君は美しい、戦いに敗れても~….
あのテーマ曲が流れだすと正月が始まり、聞こえなくなると冬休みが終わる。そして3学期が始まる。中学の時はまた級友達と再会できると思い、高校の時はまたあの制服を着て通学せねばならない、暗黒の学校生活が始まる。
大学生の時は…そんな事を思っていた当時の事は今は良い思い出だ。

その全国高校サッカーが今週の初めに幕を閉じた。 今年も様々なドラマがあっただろう。そしてそれは年月を重ねたらどれだけの人達にどの様の記憶に思い出に残るのだろう……

関西勢はベスト8止まりしかし…
昨年は滝川第二と久御山が決勝に残り、一昨年は関大一高が準決勝に残った。しかし今大会は関西勢は準決勝に残れなかった。しかしながら唯一準々決勝に進出した兵庫県代表の市立西宮高校の躍進は素晴らしいものだった。
サッカー漬けの高校生活を送らせ、学校の名前を宣伝する“拡材”に仕立て3年後に“高校卒業証明書”と言う名の“領収書”を発行し世に大量の“スポーツ馬鹿”を排出する数多くの私立高校の現状を見てはうんざりしさせられてきた。
“プロ化”が進む高校サッカー界では希少価値の“普通の”公立高校。 しかも多くの部員は大会終了直後に施行されるセンター試験を受ける“受験生”。更に志望校は京都大学とか大阪大学といった名門国立大学。 
私は学歴化社会が好きではないが不要とも思わない。うちの会社を見ているとむしろ必要だと思う事も。
サッカーをする全ての高校生がプロや日本代表を目指す“義務”などない。こういう舞台の出場権を勝ち取り、一流大学に進学し、立派な社会人になる。 子供を持つ親からすればそれが一番の理想だ。
市立西宮の初戦は一昨年の覇者で優勝候補の山梨学院大付属。誰もが山梨学院大付属の勝利と言うよりも清水エスパルスに入団の決まっている白崎君が何ゴール挙げるかに興味を持った人も多かったのではないか?18分に山梨学院MFの萱沼君が先制ゴールを決めた時はその思いを強くした人が多かっただろう。ロスタイムでPKを得て市立西宮が追い付き、後半10分に後藤君が逆転ゴールを挙げてもまだ山梨学院の巻き返しを信じていた人もいただろう。しかし77分に追加点となる後藤君のゴールが決まり白崎君が爆発する事なく堂々の3回戦進出を決めた。 
市立西宮は兵庫県大会準決勝戦では滝川第二を破っており、選手権では昨年、一昨年の優勝校を連破した事になった。
殊勲の2ゴールを挙げた後藤君はJリーグからの注目される逸材らしいが、他の“サッカー名門高校”の指導者達は一体何をやっているんだろう??といつも疑問に思うのである。



3回戦では市立西宮 vs 近大付属と言う関西勢同士という勿体ない組み合せだったがPK戦を勝ち抜いた市立西宮が準々決勝進出を決めた。それにしても関西勢同士が消し合うとは勿体ないなぁ…と思った。
続く大分高校との準々決勝戦では2ゴールを先取した時は4強入りを期待したが3連続ゴールを許し進撃もストップ。しかし彼らの躍進は本当にさわやかだった。 14日から始まるセンター試験の受験者数を大会参加校と照らし合わせれば面白いと思う。



大分一矢報いるも市立船橋に追い付かず…..  準決勝第一試合 市立船橋 2-1 大分
大分は10年前に準々決勝に進出した事がある。今大会は1回戦で北陸高校を 10-0 で粉砕した。2回戦浦和東を 3-1 で降し、3回戦ではここ最近の“上位常連高校”となっている青森山田高校を 1-0 で破り俄然注目を浴び出した。(もっと早く注目されていたか?)それにしても青森山田は“柴崎”を擁しても優勝できない。そろそろ全国制覇しても良い頃なんだけどなぁ…..
大分の持ち味は韓国人の朴英雄監督が指揮する大分の掲げるサッカーは“フリーマンサッカー”。相手がボールを持つと複数で囲い込み奪い取ると素早く全選手がピッチに広がるその集散の早さ。 テクニックに勝る市立船橋相手にどこまでやれるか楽しみにしていた。
7年振り準決勝進出を果たした市立船橋は80年代終わりから全国高校サッカーの上位常連校だった。サッカーだけでなく陸上競技も強く野球でも1993年の全国大会では準々決勝で我が母校京都西高校を破った。 
サッカーではここ数年流通経済大柏の台頭等で連続して全国大会出場を果たすのは容易では無くなっている。
今大会では3回戦で清水商との対戦が実現。第67回大会の決勝戦の再現となったが 3-0 と快勝を収め、優勝の可能性が高くなったと思った。 それにしてもなぜこういうゴールデンカードがテレビ中継されないのだろう???



試合は開始から一進一退。個人技で勝る市立船橋がやや優位となる展開か?と思われた。
22分ゴール前正面で市船橋エースの和泉君にボールが入ったところを主将のCB若林君がマークに入り倒したところで笛が鳴る。
市船橋にとっては絶好の位置でのFKこれを渡辺君が直接右上隅に決めて先制ゴールを挙げた。渡辺君はまだ2年生のDF。初戦、長崎日大戦では2列目右のポジションに入った。



29分今度は大分が距離は少しあるが正面の良い位置でFKを得る。小松君が直接狙った FK は壁に当たり再び小松君がこぼれ球を狙うが GK 積田君がファインセーブで防ぐ。 以降大分が何度か船橋ゴール前に迫るが船橋は選手を集めて守勢にまわりボールを奪うと一気に前に出て来る。大分の集散の早さのお株を奪う展開だ。
前半を 0-1 で終えた後半。先のゴールを奪って同点に追い付きたい大分であるが56分クリアーボールに追いついた池辺君が左サイドをドリブルで猛然と突破してあっという間に大分PA内に侵入すると相手DF4人に囲まれながら中央の岩渕君に送り更に右から走り込んだ和泉君に送り、ボールを受けた和泉君が放ったドリブルシュートは大分ゴールネットに突き刺さる。池辺君がボールを持って和泉君のシュートがネットに突き刺さる迄わずか17秒だった。
これで船橋が試合の主導権を完全に掴み以降大分ゴールに何度も迫る。ワントップに入った岩渕君が2度惜しいシュートを放つなど3点目は時間の問題と思われた。
しかし75分過ぎから大分は前線に上がる選手を増やしプレスを掛けて来る80分には小松君が正面からフリーで放つがGK積田君がここもナイスセーブ。その直後コーナー付近で得たFKから長身CB清家君が高い打点からのヘッドを決めて1点差とした。



準決勝戦から45分ハーフとなった事が走力の高い大分に味方するかと思った。しかし船橋は岩渕君以外は全て自陣に戻って守備を固めシュートを撃たせない。長身CB清家君を上げる等大分の怒涛の攻撃と思われたがそれは船橋がラインを下げていたからで決定的な仕事はさせてもらえなかった。そして試合終了のホイッスルが鳴り市立船橋が7年振りの決勝戦進出を決めた。
2点目を決めた和泉君ら攻撃陣がクローズアップされるがファインセーブを見せたGK積田君を中心としたDF陣が失点1に抑え主導権を渡さなかった事も勝利に繋がったと思う。 
それにしても市立船橋、やっぱり強いなぁ。強いチームは試合を重ねる度に調子を上げて来るなぁ~と思った。
しかし私はかつて4年連続で別府大分毎日マラソンを走ったこともあるので大分県の代表校を応援してしまうのだった。
(あんまり関係ないか??)



これからもがんばれ福島県勢 !! 準決勝第二試合 四日市中央工 6-1 尚志
後半37分。左サイド中盤から金田君が前線にロングボールが入る。それを四中工藤山君が福永君と競りながらヘッドでクリアーするがこぼれ球を拾った山岸君が正面から放ったミドルが四日市ゴールに突き刺さる。全校応援の大応援団からそして尚志高校を応援する人達から更にニュートラルにこの試合を観戦する人達からこの試合最も大きな歓声が上がった。 これで1点返して 1-4。 3点差となった。
ベンチの仲村監督から“あと10分!!”という指示が叫ばれる。1点返す前からDF大貫君を前線に上げて攻撃の枚数を増やしていた。木村君が放ったドリブルシュートは四中工DFに当たってコーナーに。次に早い時間に尚志がもう1点取れば面白くなるかなぁ…と思った。しかし44分に四中工浅野君がクリアーボールを中盤で拾ってそのままこの日2ゴール目となるドリブルシュートを決め、更にオウンゴールを献上してしまいリードを広げられてしまった。 そして47分11秒。試合終了を告げるホイッスルが鳴り四日市中工高校の20年振り決勝進出が決まり、史上初めて準決勝に進出した尚志高校の進撃が終わった。
テレビでは何度も“被災地からやって来た。”とか“被災地を勇気付けた。”とかばかり言っているが被災地でないところからやって来た高校も被災を受けていない選手も負けたくない気持ちは一緒では無いのだろうか……

準決勝第二試合は3年連続出場となる尚志高校と4年連続出場の四日市中央工業。準々決勝戦迄浅野君、田村翔太君合わせて9ゴールの四中工がやや有利かなぁと思ったが8分にワンタッチパスを繋いで金森君からパスを受けた山森君がシュートに持ち込むが惜しくもゴールポストの左に外れる。11分には今度は山岸君がパスを送り受けた高君がシュートを撃つがGK中村君の正面に。
四中工も16分に浅野君が中盤からドリブルで上がり尚志DFを引き付け右から上がった田村翔太君にボールを送り田村君のシュートを引き出すがここはGK秋山君が右に倒れて掴む。
20分には尚志が攻撃に転じ左サイドから金田君が中に入れ正面から高君が再び撃ったショットはGK中村君の正面に。
やや優勢に試合を進める尚志。先制ゴールが決まると試合展開は面白くなると思いだしていた33分58秒、左サイドで藤山君からのパスを受けた松尾君から絶妙のスルーパスが送られ田村翔太君に通る。田村君はそのままシュートを放つがGK秋山君が見事にストップ。完全に四中工の先制ゴール物だった。しかしそのからのCKを浅野君が戻し走り込んだ国吉君がそのまま尚志ゴールに叩きこみ遂に均衡が敗れた。 セットプレーからのサインプレーによるゴールだったらしいが国吉君が良い位置に走り込みそこにDFを引きつけた浅野君が上手く戻した。
攻勢だった尚志にとっては痛い失点だった。そして更に41分。右サイドから寺尾君がゴール前に放り込んだところを走り込んだ田村翔太君が蹴り込み追加点を決めた。 GK秋山君とDF峰島君の間に上手く落として寺尾君のロビングだった。
あっと言う間に2点差を付けられた尚志はその直後にFW後藤君が中央から右に流れて放ったシュートはポストの左に惜しくも外れる。すると今度は田村翔太君が抜け出してフリーでスルーパスを受けシュートに持ち込む。しかしここはGK秋山君がキャッチ。
そして前半はこのまま 2-0 四中工リードで終えた。 



後半に入って先にゴールを上げたい尚志だったが先に四中工が追加点を上げる。65分に浅野君のシュートを一旦クリアーされたがこぼれ球を拾った松尾君が放ったミドルがまたも尚志ゴールに突き刺さる。 試合序盤からボランチの松尾君と国吉君は攻守に渡って良い位置に顔を出し続けていた。それがこの試合結果の要因だったと思う。
3点差を付けられた尚志ベンチは遂に負傷が完治しないエースの福永君を皿良君に替えて投入する。 盛岡商の藤村君といい選手権本番を怪我で充分にプレー出来ない選手を見ると本当に胸が痛くなる。そんな選手こそどんな形で良いから将来本当に幸せになって欲しいと思う。
ここから尚志はサイドを上手く使って四中工ゴールを目指す。すると四中工ベンチはボランチの松尾君を下げて生川君を投入してサイドを固める。 そして左サイドの川本君からボールを受けた浅野君がドリブルで中央に切れ込み大貫君のマークを振り切り放ったショットが決まり4点差となってしまった。 
さすが四中工。組織力ありそして個人能力ありを見せつける。 
4点差をつけられても尚志だがそのキックオフからボールを繋いで金田君が送ったヒールパスを受けた山岸君が放ったシュートはクロスバーを強烈に叩く。残り時間は20分程度。4点差をつけられても次のゴールを狙う姿は高校スポーツのいい所だと想う…
だから次のゴールは尚志が…と思った。

尚志高校が福島県勢としては史上初めて準決勝に進出した事と被災地であったことを結びつけたがるマスコミだけど例えそれが復興の全てに繋がる事ではないが。彼らの躍進に力を貰った被災者は少なくないだろう。 
そして試合終了後尚志高校の選手が四日市中央工のロッカールームを訪れ自分達のベンチに飾っていた“志”の文字の千羽鶴等を手渡し決勝戦での健闘を願ったシーンがテレビで紹介された。涙が出そうなシーン。高校スポーツの素晴らしい一面だった。



大会後朝鮮日報に下記の記事が掲載されているのを見つけた。

サッカー:日本の高校選手権決勝に4万人超
地区予選には4174校、15万人の高校生選手が夢見る「冬の国立」

「ベストを尽くす姿に感動」

韓国はわずか137チーム
 韓国代表と日本代表によるサッカー韓日戦がしばしば開催される東京・国立競技場には9日、4万3884人の観客が集まった。定員5万5000人の観客席がほぼ埋まったこの日の試合は、日本代表の試合でもなければプロチームの試合でもない。第90回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦だ。
 韓国より暖かいとはいえ真冬に開催される高校チームの試合を、入場料3000円を払って見に来た観客たちは、高校生が死力を尽くしてプレーするたびに一斉に息をのみ、歓声を上げた。高校サッカーだけにミスもたびたび見られたが、日本人たちは全く異なる目でこの試合を見ているようだった。特に、終了直前の劇的な同点ゴールに続き、延長戦で逆転ゴールが飛び出すというドラマチックな幕切れを迎えると、スタンドのあちこちから「やはり高校サッカーは予測がつかなくて面白い」「90回という歴史にふさわしい名勝負だった」という声とともに、拍手喝采が沸き起こった。
 この日の試合は、千葉県の市立船橋高校が延長戦の末に三重県の四日市中央工業高校を2-1で破った。会場で会った韓国高校サッカー連盟のチョン・ウンシク理事は「驚いたという以外に言葉が出ない」と語った。韓国からやって来た高校サッカーの関係者約20人も、韓国の高校サッカーとの大きな違いに「信じられない」という表情を見せた。韓国の高校サッカーは、選手の親や出場校の生徒以外、ほとんど注目する人がいないからだ。ある指導者は「昨年8月に韓国代表が日本に0-3で敗れたときよりも、きょうの方が衝撃的だ」と語った。
■日本全国の4174校が地区予選に参加
 1917年に初回大会が開催され、今年で90回目を迎えた日本の高校サッカー選手権は、毎年12月30日に開会式が行われ、全国各地の代表校48校がトーナメント方式で優勝を目指す。大会は、最高の権威を持つ「選手権大会」の形で行われる。日本の行政区域である47都道府県から、代表校が1校ずつ(東京は2校)地区予選を経て選ばれる。今年の大会には日本全国から4174校が参加した。参加校のサッカー部員を全て合わせると15万人に達する。つまり、1月に国立競技場で行われる高校選手権の決勝でプレーすることを、日本全国の15万人の高校生選手たちが夢見て、日々練習に励んでいるのだ。
高校サッカー選手権が「冬の国立」と呼ばれるのもこのためだ。高校サッカーの熱気と人気は、感激の涙が流れる「夏の甲子園」こと全国高校野球選手権にも全くひけを取らない。高校サッカー選手権の決勝戦は平均観客数が4万人以上、決勝以外の試合でも平均2万人ほどが試合を見に訪れる。これは、日本のプロサッカーにも劣らない数字だ。全国大会は全試合がテレビで生中継される。この日の決勝戦は日本テレビで放映され、視聴率は6%だった。公式スポンサーにはトヨタ、コカ・コーラ、プーマなどの大企業6社がついている。
 毎日新聞スポーツ専門記者の斉藤雅春氏は「日本人は、実力が不完全でも、高校生がベストを尽くして奮闘する姿を見るのが好きだ」と語った。これには、就職などのために故郷を離れた首都圏在住の地方出身者たちが、後輩たちを応援しながら故郷に思いをはせるという情緒も大きく作用しているという。韓国も1980年代半ばにプロサッカーとプロ野球が発足するまでは、同じような光景が見られたが、日本は依然としてこうした伝統を大切にしており、今や世界的にも珍しいケースとなった。
■韓国と日本のスポーツの「真の違い」
 この日会った韓日両国のサッカー関係者たちは、互いに驚いた様子だった。韓国には高校チームが137チームしかないと話すと、日本サッカー協会の関係者は「本当なのか? そんな状況でなぜ韓国代表は実力が高いのか」と驚いた。一方、韓国の関係者は「高校チームだけで4000チームを超えると聞いて、とても信じられなかった」と語った。
 韓日の高校サッカーの違いは、まずサッカー部の構成の差にある。今大会に参加した48校のサッカー部の平均部員数は80人ほどで、中には140人という高校もある。韓国が30人前後の少数精鋭で「プロチーム」のように運営されているのに対し、日本では趣味のサークルのように活動しているチームも少なくない。高校時代にサッカー部で活動し、大学受験を経て名門大に進学する生徒も多い。日本の高校選手権が冬に開催されるのも、生徒たちの学習する権利を保障するために、授業のない冬休み期間を利用するからだ。こうした日本のやり方は、競技力の向上という点では効率性に欠けるが、サッカーや野球などのスポーツの底辺を拡大するという意味では効果がある。日本では、このように厚い底辺を基盤としてプロスポーツが発展する。韓国も最近、サッカーや野球などを中心に小・中・高校別のリーグ制を導入するなど、変革を試みているが、依然として練習だけに集中し、選手に全く勉強をさせないチームが少なくないのが実情だ。

今でも韓国には“4強制度”が残っているのだろうか??
指導者から見ても大分高校の朴英雄監督の様に日本の高校生を指導する方が結果のみを求められ、高校生の行く末を心配する母国よりもやりがいがあるのではないか?
前に日本の高校に“野球留学”に来る韓国人高校生のドキュメンタリーを見た。そして彼らが言っていた。
“韓国で高校野球を続けていたら野球選手になるしかない。日本だと色々な職業を選択できる。日本語を勉強して将来に生かしたい。”
この記事、ドキュメンタリーを見て自分は日本に生まれてよかったと思った。

これから日本のサッカーを背負うであろう1人中京高校1年生の宮市剛君が最後の号泣していた
“先輩ごめんなさい。もっと一緒にやりたかったです。”こう云うシーンは日本以外では見られるのだろうか?



決勝戦に続く….( 誰も見ないか?)


無念の…まずJ1昇格を 京都サンガ 2-4 FC 東京 1st Jan. 2012

2012-01-03 | 京都サンガ J-League
子供の時天皇杯の準決勝戦、決勝戦をテレビで見る事が年末から元旦にかけての1つの行事みたいだった。
それは父親がヤンマーディーゼルに勤めていたからだ。70年代初め日本を代表するチームだったヤンマーは天皇杯決勝戦の“常連”だった。同じ職場の“社員”達の活躍を楽しみにしていた様だった。そして決勝戦が終わったらよく仕事仲間と思われる人から電話が掛かって来ていた。 あの世界の“カマモト”も職場にいて何度も仕事上で話をしたとよく父は言っていた。
子供の時テレビで見た国立競技場にいつかサッカーを観に行きたいなぁ…と子供の時に思ったものだった。
J-League 発足前は天皇杯決勝戦が世間一般では最もサッカーに触れられる試合だった。

それから40年近くが経った。サッカーはプロリーグが発足しワールドカップ連続出場を果たし一般人の関心も取り巻く環境も劇的に好転している。それでも天皇杯決勝戦は私の中でサッカーの関心事としては高い試合だ。
そして人生で初めて決勝戦を現場観戦する機会に恵まれた。それもこれも愛する京都サンガFCのおかげだ。

2012年、平成24年の元旦の朝はやや雲の多い空だった。雨の心配はなさそうだったけど気温は低くなりそうだった。
幸運にも手に入れた決勝戦のチケット。 着て行く服は準々決勝戦の湘南戦そして続くマリノス戦と同じ服装にした。勝ち運が逃げない様に…しかし気温が下がりそうなのでアンダーパンツ、要するに股引は履いて行った。それが裏目に出なければ良いがと最後まで迷ったがよく考えれば自分の服装で試合結果が左右されるはずもないことであった….

千駄ヶ谷駅を降りた時はよく晴れた天気になっていた。しかしこの駅で降車した乗客の殆どはFC東京のマフラーやレプリカを纏っていた。やはり“地元”は違うなぁ…と思ったけどわたしは昔からどちらかと言えばアウェーゲームの観戦が好きだった。
競技場入りしたのは試合開始の約40分前。心配だったのは席が空いているかなぁ…と言う事だった。 家を出る前に見た女子日本選手権の決勝戦では両ゴール裏は結構人が入っていた。
京都サポーター席の方は東京側程ではないがもう満席に近かった。天皇杯決勝戦はやはり違う。でも関東にも多くサンガサポーターがいる事が改めて解りそれを嬉しく思った。
結構前の方の席で並びで5席ほど空いているところを見つけた。しかし座席には白色と紫色の紙のボードが置いていた。周囲の人に“ここ空いていますか?”と訊ねると“どうぞ”と言ってくれたので誰かが確保していたのならまたどけばいいやと思いそこに座る事とした。そしてそこは誰にも確保されていなかった。 人文字用のボードがあらかじめ置かれていたので多くの人がそこは空席ではないと思われていた様だった。



向こう正面にはFC東京のサポーター達が陣取る。マリノス戦では“アウェー席”がサンガサポーター席だったけど決勝戦では“地元”であるFC東京が“アウェー側”で京都が“ホーム側”の席が充てられた。
そして東京側からは“J1なんてララ~ラララララ~ラ♪”との合唱が始まった。今年からJ1なのになぁと思っていると、続いて“俺達J1 !! “ とのコールが始まった。おいおい昇格を自慢しているんかいな?と思っていると”お前らJ2 !! “ とのコールが始まった。サンガサポーター達からはブーイングが飛ぶがはっきり言って返せる言葉が無かった。



昨シーズンはJ2で2度対戦し 1-4, 1-6 の連敗と言うよりも惨敗。 しかしその後は工藤が復活する等システムを変更し最後の9試合を8勝1敗で乗り切っている。だから東京相手にどこまでやれるのか楽しみでもあった。
東京のスタメンは準決勝のセレッソ戦と同じスタメン。 9月10日J2リーグで対戦した時とほぼ同じスタメン。しかしあの時はGK は権田でなく塩田。そして石川直宏はベンチスタートで田邉が起用されていた。その時は開始11分に宮吉が先制ゴールを決めたが以降6連続失点を喫しFWルーカス には3ゴールも決められた。石川と並んでもっとも警戒すべき選手であった。
愛するサンガのスタメンは前の試合で警告を受けて出場停止のCB秋本に替って安藤淳がそのポジションに入り加藤弘堅が右SBに。そして中村充孝と組むボランチにチョンウンリョンが出場停止から還って来た。 安藤はCBでの起用は178cmという長身が買われたのかもしれないけど本来MFの選手。大丈夫か?と思ったけどこの試合がサンガでの最終試合となる弘堅のスタメン起用は本当にうれしかった。
そして選手達が入ってくる。天皇杯と書かれたところに並ぶのはどちらのチームだろう…と思った。そしてFC東京サポーター席の人文字に感心したけど、帰宅後テレビで見たらこちら側の人文字も鮮やかだった。



観客席から見ていると東京の選手の上背の高さが目に付く。
後で調べると羽生と左SBの椋原以外は 全て175cm 以上の選手だった。



東京のキックオフで始まった試合は開始早々の45秒、スローインを受けたルーカスが福村のマークを受けながらも素晴らしいミドルを放ち、2分50秒には高橋が森下のマークを振り切り縦パスを石川に通しドリブルシュートを撃つ。共に水谷がナイスセーブで止める。5分34秒には右SB徳永のクロスに石川がヘッドを放つがCB森下がCKに逃れる。開始から右サイドからの速攻に脅威を感じさせられる。そうかと思えば8分27秒には右サイドから谷澤が中に入れ高橋を経由して石川に送られクロスを放り込まれるがここは安藤がクリアー。マリノス、ベルマーレが見せなかった力強い“推進力”を見せつけられている様だった。



しかし先制ゴールはサンガに生まれた。 13分中盤からドゥトラがドリブルで上がると今野と梶山が挟み込むようにマークに入り、梶山に当たって前にこぼれるとそこには中山が。博貴がそのままドリブルで持ち込み東京ゴールにシュートを蹴り込んだ。
一斉に周囲が立ち上がる。よしナイスシュートだ。なるべくリードの時間を長く……と言う期待は長く持たなかった…..

東京は左CKを得ると石川がショートコーナーを送りそのリターンをファーサイドに送るとそこには今野がいた。今野がファーサイドをヘッドで狙う、ボールの先に飛んだウリョンはクリアーしきれずゴールインとなりあっという間に東京に追い付かれてしまった。
出来るだけリードをする時間を長く取りたいと思っていたんだけどなぁ~、と一気に落胆してしまった。 
試合後今野が“先制されてちょっとパニックになった。”と語っていた様にこのゴールは東京イレブンに落ち着きを取り戻したと思う。そして同点ゴール後石川が再び2列目右に戻った。



19分26秒にはFKからルーカスに安藤と弘堅のマークを受けながらもシュートに持ち込まれ水谷が右に倒れて何とか止める。 
サンガの攻撃は前線の宮吉とドゥトラのドリブル頼みであるがドゥトラにボールが入ると中盤がフォローに入る前に2人、3人と囲みに来るのでボールがキープできずすぐに東京に攻撃が移ってしまう。東京の前からのプレスも厳しく、ボランチの高橋、梶山が高い位置に張り続けられクリアーボールも拾われたり跳ね返されてしまう。 やはり圧倒的な強さでJ2を制するチームは違うなぁ…と思っていると何やら椅子が揺れ出した。その揺れは大きくなり小さくなってもけっこう長く続いた。周囲でおびえる人達も少なくなかった。
電光掲示板上のポールを見ると結構揺れていた。 今年も地震の恐怖に悩まされるのだろうか…..
しかしピッチ上では何事も無かった様に試合は続いていた… こんな時の試合判断はどうするのだろう…と思っていると電光掲示板に地震の事が伝えられた。 試合終了後帰途に着くときに交通機関が問題なく動いていればいいんだけど…と思った。
25分過ぎからまた石川が左サイドに回って来て、27分26秒には羽生からパスを受け中央に送りルーカスのシュートを引き出す。これはGK水谷の正面に飛んだ。 石川のマークを何とかしないとなぁ….と思うと30分頃にまた右サイドに戻って来た。 
そして35分12秒、サンガPAすぐ外でFKを与える。 サンガDF陣は上背が…誰かに合わすのかな….と思っていたらCB森重が蹴ったFKは直接目の前のサンガゴールネットに吸い込まれる逆転ゴールとなってしまった。


 
あぁひっくり返された…と狂喜するピッチ上の東京の選手達を見て9月10日の試合結果を思い出しながら呆然とそう思った。
逆転した東京は右の徳永、左の椋原と言った両SBまでどんどん上がって来ていた。そしてワンタッチパスがどんどん回りサンガDF,中盤のマークをずらして更に攻勢に出て来る。36分47秒には羽生からのパスを受けた石川がルーカスに送り、リターンを貰って放った強烈なミドルはクロスバーを僅かに越える。39分左サイドに回った石川が逆サイドに送り徳永が放ったシュートは水谷がセーブ。 
何とかこのまま持ちこたえてくれよと願うが42分9秒、GKを高橋が森下と競りながら前に跳ね返すとそこにはフリーのルーカスが。そしてルーカスには安藤が必死に戻ってマークに入ろうとするもそのままドリブルシュートを決められリードを広げられてしまった。



安藤の位置がちょっと前過ぎた。しかし安藤は本来MFの選手。CBのポジションは…と言う不安を露呈させてしまった。
終了直前、石川が中央のルーカスからボールを受け左サイドから放ったミドルはゴール枠の角を叩いてくれて前半はそれ以上の失点を防げた。 あぁ、やっぱりこれが両チームの力の差か…と重い気持ちでハーフタイムを迎えた…



サンガのキックオフで始まった後半も開始37秒には東京がサンガゴールに攻め込む。最後はルーカスはシュートを撃てなかったが、サンガはどうやって状況を打開するのだろう。久保はいつ投入されるのか…と思った。 
京都はショートパスを繋いで東京PA付近に迄来るのだがそこから奪われた時にロングパス1本で一気にサンガゴールを脅かされそうになってしまう。なんだか不経済だなぁ~と思っていると53分58秒、遂に久保裕也が投入された。下げられたのはドゥトラ。この試合はタイトなマークに苦しめられ見せ場は作れなかった。だけどここは思い切って3トップに….は無理だったか…



しかし57分44秒、宮吉のドリブルが止められルーカスが左サイドをドリブルで上がり入れられたハイクロスをウリョンがヘッドでクリアーするが羽生に拾われ石川に送られる。石川は上がって来た今野に送り今野はヒールで石川に戻しそこから放たれたシュートがポストの左をかすめまたもひやりとする。 2点リードもあってか東京は次から次に前線に選手が上がって来て分厚い攻撃を続ける。
58分サンガベンチは充孝を下げて19歳の駒井を入れ、博貴を中に入れ駒井は2列目の左に入れた。
中に入った博貴が64分44秒、左サイドを突破して来た福村のクロスをオーバーヘッドで狙う。シュートは大きく外れたが博貴が中に入った事によりボールキープが出来てパスが前線まで繋がる様になった。しかし最終ラインをなかなか突破出来ない。
そして65分49秒、カウンターから羽生、そして左サイドの椋原と繋がれそこから前線に走り込んだフリーのルーカスにまたも渡り福村がマークに入る前にファーサイドにシュートを入れられてしまった。
これで3点差がついてしまった。 この時点でサンガの勝利は…と思うのはなぁ~と力なく思いながらピッチでの展開を目で追った。
70分41秒、東京ゴール前に迫った福村が梶山に倒されて良い位置でFKを得る。 左サイドの方だけど距離はそうはなれていない。ウリョンがセットをし直接狙ったショットはGK権田が素晴らしい横っ跳びのファインセーブで弾き出してしまった。 あぁあと少しだったのになぁ…よし解った権田。その調子で五輪予選も相手シュートを止めてくれぃ…・ 五輪予選で言えば韓国代表のチョンウリョンのFKを日本代表の権田がストップしたと言う事か…



その直後のウリョンが入れたCKに久保が飛び込みヘッドを捻じ込み1点を還した。



FK を止められ落胆した後のゴールだったので喜びも2倍以上だった。 それにしても久保は何と素晴らしい選手なのだろう。このヘッドも高橋に後方からマークを付かれながらのヘッドだった。 残り時間は20分ある。次にサンガがゴールを決めて1点差とすれば面白くなる…ととたんに希望を持つ様になった。



東京ベンチは71分に羽生を下げて鈴木を入れ75分には谷澤を下げて FW ロベルト・セザーを投入する。 鈴木は羽生のいたトップ下にそのまま入ったがセザーは1トップに入りルーカスが2列目左の谷澤のいた位置に入る。 
サンガベンチも76分に弘堅を下げて下畠を入れた。下畠も若い選手だ。サポーター達からはピッチを後にする弘堅にコールを送る…



そしてサンガがボールをキープする時間は更に長くなる。しかしDF陣はラストパスを通させない。 86分40秒工藤がルーカスに倒されて得たFKはクロスバーを越える。 87分20秒、久保が森重からボールを奪い工藤、宮吉と繋ぎ再び久保にボールが入るが東京DF陣は3人がかりでストップ。90分迄に1点を返せばロスタイムで…と胸算用すると今度は東京がカウンターからサンガゴールに迫る。 セザーが右サイドから切れ込み中に入れると鈴木と下畠が縺れながらゴールに雪崩込みそこに水谷が身体を投げ出す。ボールはこぼれて戻った安藤がクリアーを。 



ロスタイムは3分と表示される。 3分で2点は…



91分13秒スルーパスを受けた駒井がクロスを送るが森重がクリアー。 ドゥトラが退いたサンガは高さがない…
91分53秒 久保が下畠からパスを受けたところを今野がファールで止めてFKに。ウリョンがボールをセットする。さっきと距離は同じそして今度は右サイドから。もう時間的に同点は不可能だ。でも最後に決めて俺達を喜ばせてくれ….と思うがファーサイドを直接狙ったウリョンのショットはバーに当たりピッチに跳ね返る。



こぼれ球を拾った宮吉が工藤に送りミドルを放つがルーカスがヘッドでクリアー。そのこぼれたところを拾った森下が東京ゴール前に放り込むがここもルーカスがヘッドで跳ね返す。
そして試合終了を告げる西村祐一主審のホイッスルが鳴った。

あぁやっぱり甘くは無かったなぁ~。 これが正直な感想だった。


 
昨シーズン、最後は連勝したけど結局J2リーグの7位に終わっているのだ。そんな結果で ACL に出場すること自体甘い考えだったのかもしれない。 確かに鹿島、マリノスを連破したけどこの東京戦を見るともし仮に来シーズンJ1に入っても直ぐに降格してしまう可能性は低く無い。 じっくりと鍛えて力を付けてまずはJ1に昇格をして欲しいと強く願った。
幸い若い選手が多くまだまだ発展途上段階、もっと強くなれると手応えを感じるサポーターも多いだろう。

表彰式を終えた両チームの選手達がそれぞれ場内を回る。サンガの選手達が東京サポーター席の前で挨拶をし拍手を浴びてこちらにやってくる。 鹿島戦は貴重な決勝ゴールを決めたが以降は3試合無得点に終わった宮吉は悔し涙を流している。 
弘堅、金成勇ら今シーズンを最後にサンガを去る選手達に声援を送る。



次に東京の選手達がやって来た。 こちらから拍手と“東京!東京!”と声援を送る。
“ACL 頑張れよ !! 1次リーグなんかで負けるなよ !!”と 私は叫んだ…



後片付けを手伝い、何人かのサポーター達に挨拶をして帰途に着いた。 国立競技場前から地下鉄に乗車すると中は全て東京サポーター達。あらら完全アウェーだわ…と思っていると1人のサポーターと目があった。
“そちらは強すぎたですね。こちらは弱すぎましたね。”私が言うと
“いえいえ、是非昇格して下さい。今度はJ1でやりましょう。”といってくれたので
“ACL頑張って下さい。観に行きますから。”と答えたら、結構受けた….

確か Brisbane Roar と同じ組になるはずなので楽しみなのは変わらない。また Warren のユニフォームを着て行こう。
息子もACLなら観に行くだろうか…



今年何回サンガの試合を見られるかな….. 帰って録画した試合を見ていたら前半の途中で寝てしまった…..

みなさん本当にお疲れさまでした  そして俺も。



謹賀新年… 今年は昇格を…

2012-01-02 | 京都サンガ J-League
サンガ新年。と言いたかったのですが期待した天皇杯決勝戦は残念ながら 2-4 で敗れました。
勝てなかったのは悔しくて無念ですが、私達の願いはまずJ1昇格。 
今年は若い選手が多いので期待も出来ると思います。
京都から国立競技場へ参戦された方々本当にご苦労様でした。 それからこの日競技場に来られた方も、来る事が出来なかった方も。
今年始まるJ2に期待持てそうな気がします。 
詳しい報告はまたアップ致します。(誰も待っていないか??)

120分の死闘制して元旦に !! 京都サンガFC 4-2 横浜マリノス 29th Dec. 2011

2012-01-01 | 京都サンガ J-League
仕事納めの翌日。冬晴れの29日。東京千駄ヶ谷の国立競技場に脚を運ぶ幸福を存分に味わいながらその目的地に向かった。サッカーだけでは無い、数々のスポーツドラマが演じられた国立競技場は私が学生の時も自身のあこがれの地であった。そこのトラックで公式大会に出場出来た事は私の人生の大きな財産となっている。
天皇杯の準決勝戦を観戦するのは4度目だ。残念ながらまだ長居競技場での観戦は無い。 
最初に見たのは1990年12月末に行われた日産自動車対古河電工戦であった。誰が決勝ゴールを決めたが忘れてしまったが 1-0 で日産自動車が勝利を収めた。
その2年後Jリーグ開幕を5カ月後に控えた1992年12月末に行われた川崎ヴェルディ対浦和レッズの試合は激戦の末PK戦にまでもつれ込みヴェルディが勝利を収めた。同点ゴールを決めた KAZU のカズダンスを見る事が出来た。 
そして何よりもたった2年しか違わないのに観客数、試合の迫力がこんなに違うものかと感じた。プロリーグの開幕が本当に楽しみに思えた。
そして2002年。ワールドカップが開催された年の末、自宅近くのさいたまスタジアムで開催された準決勝戦、愛する京都がサンガがフレッチェ広島を 2-1 で破った試合を観戦した。随分と観客が少なく、ワールドカップとはえらい違いだなぁ..と思った。
そしてサンガは天皇杯のタイトルを勝ち取り、あれからもう9年が経ったのだ……
9年振り決勝進出を掛けて準決勝戦の対戦相手は横浜Fマリノス。今シーズンはJ1で5位に終わった。マリノスの天皇杯決勝進出は何と第72回大会、19年前までさかのぼらねばならない、と言うよりもJ-League が開幕してからまだ1度も決勝に残った事が無いのだ。
日本リーグ時代、私のお気に入りは日産自動車だった。木村和司、金田、水沼、長谷川健太、松永、レナト、ロペス… 魅力的な選手達が溢れていた。そして71,72回大会の決勝戦では連続して読売クラブと対戦したが日産対読売こそ当時非常に稀であった日本で見られる金を出しても見たい試合であった。
恐らく多くのマリノスサポーター達は19年振りの天皇杯決勝戦進出を信じて疑わなかっただろう。私も半ば“今度は厳しいかなぁ….”と思っていた。



競技場に着くとキックオフ半時間前だと言うのに既に入口付近のゴール裏席に陣取るマリノスサポーター達の歓声が聞こえて来た。あぁ、約2時間後、俺はどういう心境でいるのだろう…とだんだん不安になって来ていた…



サンガ側のサポーター席に着くと準々決勝戦よりは多く紫のレプリカを纏った人達が着ていた。しかし向こう正面には更に多くのマリノスサポーター達が…関東地区で行われる試合だから仕方ないか…



サンガは累積警告で出場停止のボランチ、チョンウリョンに替って加藤弘堅が同じ位置に起用された。マリノスは森谷が名古屋戦で警告を受けこの京都戦は出場停止。しかし兵藤が出場停止から明けたので2列目左に入る。 警戒すべきはFW小野裕二と渡邉千真の2トップ。小野はスピードがあり渡邊は身長もある。渡邉千真はかつてサンガでプレーした渡邊大剛の弟だ。前にマリノス戦を見た時は兄弟対決だったなぁ…試合結果は弟に軍配が上がったけど…
そして何といっても2列目右に入る中村俊輔。欧州でプレーする時は彼の活躍が伝えられると嬉しく思い、代表では頼れるMFだったけど、ここはあまり活躍して欲しくないなぁ…が本音だった。



京都のキックオフで始まった試合は開始早々は京都がマリノス陣深くに侵入し工藤がクロスを上げる。これはボランチの小椋がクリアーする。2分53秒にはドゥトラがドリブルで切れ込む。ドゥトラは2010年のシーズンでマリノスからゴールを決めている。立ち上がりの攻勢にやや勇気付けられる。しかしすぐに主導権をマリノスに握られる。小野が下がってボールを受けると兵藤が上がり千真と共にサンガゴールに迫る。6分38秒には谷口からパスを受けた千真が弘堅がマークに入る前に放ったシュートがサンガゴールネットを揺するがこれはオフサイドだった。このチャンスは元々俊輔の素晴らしいワンタッチパスが谷口に入って生まれたものだった。9分には充孝が小野を倒してゴール前嫌な位置でFKを与える。栗原、中澤の長身CBが上がって来てファーサイドに立つ。このFKから栗原がヘッドを放つがここは決まらなかった。しかし秋本との競り合いでも頭一つ抜け出た高さに残り80分以上の事を考えると気が重くなった。その上中澤もいるし…。
サンガの中盤は俊輔を中心としたマリノス攻撃陣のマークに後手を踏み最終ラインで何とか身体を張って止めている。FW宮吉までセットプレー時には守備に腐心する。それもファールで止めざるを得ない時もあり与えてはいけないFKを俊輔に“与えてしまう”。



18分16秒には安藤が俊輔をファールで止めFKを与える。これも嫌な位置。そしてCB栗原、中澤がまたもファーサイドに入りまたも栗原が今度は森下と競りながらヘッドを放ちサイドネットに直撃する。
前半はマリノスがこちらに攻めて来るので俊輔がボールをセットするだけで得点になりそうな気がする。
29分52秒、ドゥトラが右サイドをドリブル突破を図り入れたクロスに中山博貴が飛び込む。僅かに合わなかったが個のプレーを境に京都が徐々にペースを握りだす。守勢に回っても中盤が、特に博貴がタフに守りPA付近に近寄らせない。
攻撃に転じても30分10秒に充孝の中央からミドルを放ち栗原に当たり跳ね返ったこぼれ球に詰めた宮吉がシュートを撃つがGK飯倉がストップ。31分30秒にはドゥトラのシュートが中澤にクリアーされたがこのシュートは中盤からショートパスを繋ぎ相手DF陣を崩してシュートに持ち込んだもの。
そして39分20秒、我々サンガサポーターが大きな歓声と溜息を洩らすシーンが。
小椋からのパスをカットした安藤が入れたクロスは中澤にヘッドでクリアーされるがこぼれ球を拾った充孝がそのまま放ったミドルは強烈にクロスバーを叩く。更にそのこぼれ球を弘堅が撃つが今度は左ポストを直撃する。
“ポストの当てる方が難しいンとちゃうんかいな~~…” と私は天を仰ぐ。
その直後、安藤の右からのクロスにドンピシャのタイミングで飛び込んだドゥトラのヘッドが炸裂するがGK飯倉が信じられない反射神経を見せて防がれてしまった。
我らがサンガやるではないか…と喜ぶ半面、これでも得点にならないとは嫌な予感もした。




そしてその予感が当たってしまった。 41分18秒、水谷のゴールキックを栗原がヘッドで戻したところを受けた俊輔が福村のマークを振り切り前線にスルーパスを送るとフリーの千真に渡りそのまま抜け出される。そしてゴール正面でGK水谷を落ち着いて外して追いすがる秋本がマークに入る前に落ち着いてサンガゴールにシュートを流し込みマリノスの先制ゴールが生まれた。
あぁ~やっぱり甘くは無かったなぁ~…。向こう正面から聞こえてくるマリノスサポーター達の歓声を聞きながら落胆した。
それにしても局面を変える一発のパスを出す俊輔はさすがだなぁ…と感心してしまった。



そして準々決勝の前半終盤と全くの反対の試合展開で1点をリードされて前半が終わった。
後半は何とか前半見せた様な猛攻をもう一度見せて今度はゴールを決めてくれよ…と期待も抱いた。

ハーフタイム中にこの日行われた U-15大会 の決勝戦で我が京都サンガFC U-15 が優勝した事が伝えられた。こちらのサポーター席から歓声が上がる。するとマリノスサポーター達からも拍手が沸き上がった。試合開始前のスタメン発表時にはいきなりブーイングを浴びせてくれた彼らだったけどここのみな有難く思った…

マリノスキックオフで始まった後半。 攻勢に出るのはマリノス。最初の一歩が早くサンガの選手はなかなか前を向いてボールをコントロール出来ない。49分にはドゥトラが主審に何か言ったせいかイエローが出される。ドゥトラへのマークも次第にきつくなる、それよりボールが出る頻度が減っているのか…



こりゃ、ちょっとすぐには同点には追いつけないかなぁ…と思っていると中盤でドリブルで上がった工藤がそのままミドルを放つとその弾道はGK飯倉を破ってマリノスゴールに突き刺さった。 谷口から小椋に送られた縦パスを工藤がカットしそのままドリブルで前線に上がるとその前を宮吉が左から右にクロスしながら上がりマリノスDFの注意を引いた隙に放ったミドルが決まり同点ゴールが生まれた。 工藤は今シーズンジェフユナイテッドから移籍して来た選手だったがシーズン前に膝の十字靱帯を損傷しシーズン中盤迄棒に振った選手。しかし彼が復帰してから京都の連勝街道が始まった。 そしてこの試合の同点ゴールは後半開始5分内のこの時間に同点に追い付いた事で試合の流れを大きく替える貴重なゴールだった。





これでサンガの選手に前半終盤の動きが戻って来た。 ショートパス一辺倒からミドルパスを加える様になりサイドチェンジが見られるようになってきた。1対1でも対等以上にやれていた。
マリノスも俊輔を中心に攻撃に転じる。しかし俊輔にボールが入っても2人、3人と寄って来て囲い込む。時折ファールで止める事もあるがシュートシーンは殆どセットプレーからとなって来た。それでも俊輔は落ち着いてボールをさばいていた。
70分工藤が谷口にファールで止められ早いリスタートから前線に送ると今度は小椋がドゥトラをファールで止め、マリノスゴール前の良い位置でFKを得る。倒されたドゥトラは蹴る気満々だ。



そのドゥトラが左脚を振り抜くと壁の右側から曲がり落ちた弾道は再びマリノスゴールネットに突き刺さり遂に京都がリードを奪った。 後方から見ていいて惚れ惚れする弾道だった。
思わずピッチに向かって、“俊輔。FKはこうやって蹴らなきゃ入らへんどぉぉ~ !! “ とヤジを飛ばした。だけど本当に入る様に蹴られた方が困るんだけど…



リードを許した直後にマリノスベンチはFW小野を下げてMF松本を投入し兵藤をFWに上げて千真と2トップを組ませる。
そして松本は2列目左に入った。小野は後半に入って目立ったシーンは作れていなかった。そして松本が結構スピードを生かしてサイドを抉るシーンが見られた。 そして80分には右SBの金井が下がり青山が入り、81分には谷口が下がってFW大黒が入った。84分には松本が快足を生かしてサイドを突破し大黒にクロスを入れるがヘッドを撃てない。
そして85分を過ぎると栗原が前線に上がり3トップを形成しフォーメーションを 4-3-3 とした。サンガも88分に秋本を下げて内野を入れる。 秋本はイエローカードを貰っており決勝戦には出場出来なくなっていた。 
気になったのはピッチの暗さだ。照明が不十分でハイボールを入れられたらGKはミスをするのではないか?と懸念した。



サンガは攻められながらもゴール前をきっちりケアーしているのでこのまま押し切ってくれるかと期待した。ロスタイムが4分と表示される。そんなにあったのかよ…と思うがGK水谷、DF陣はマリノスの攻撃を跳ね返す。



92分21秒。 内野がバックパスGK水谷に戻した時にマリノスサポーター達から大ブーイングが起こる。バックパスくらいで…と思うと何人かのマリノスの選手が主審に詰め寄る。後で知ったのだけど内野が胸でトラップした後にボールが右腕に当たっていたのだった。
 そして93分になった。内野のクリアーボールを左サイドで拾った俊輔が逆サイドに大きくボールを降ると栗原が森下と競りながら折り返す。そこに走り込んだ中澤が正面から渾身のシュートを放つ。そのシュートは跳ね返される。出せ出せ、外に蹴り出せ、と叫ぶがその直後にマリノスサポーター達の大歓声が沸き上がり同点ゴールが決まった事が解った。
中澤の内野、森下、安藤の間を抜けてゴール前に飛んだ弾道は一旦はGK水谷がブロックするがこぼれたところに充孝のマークに入る前に飛び込んだ大黒と中澤が一緒に撃ったシュートがサンガゴールに入ってしまった。 
中澤が最初にシュートを撃った時が丁度94分だった。 ゴールインの前に何かホイッスルは無かったか…と向こう側のサンガゴールを目を凝らして見るがゴールインの判定は当然変わらず同点にされてしまい、そのまま後半が終わった。

あぁあ10秒だったのになぁ…
私はすぐにトイレに向かった。結構長蛇の列だった。 隣の女子トイレを並ぶ御婦人達の会話が聞こえる。
でもお姉さんPK戦に入るとやばい。J1は強いわよ。
いや、水本が止めてくれます。いや水谷でした。
私は後ろで待つ男性に“そうですね。水本はもう他のチームの選手ですから。”と言った。 水本怪我は大丈夫かな…
追い付かれたけどマリノスベンチは交替カードを全て使いきっている。それにDFの選手を下げている。だからサンガの得点機がまた有るはずだ。と自分に言い聞かせた。




サンガのキックオフで始まった延長前半。開始から攻勢に出るのはマリノス。 大黒と千真の2トップはそのままだが2列目に右から小椋、兵藤、俊輔と並べ、更に右サイドに小林、左サイドに松本をディフェンシブハーフバックに入れ、最終ラインは栗原、中澤、青山の3バックにした。その為に中盤の選手が増え、サンガの選手はボールを持てなくなり、持てても直ぐに取り囲まれて前に繋げなくなった。
94分21秒には俊輔のワンタッチパスから兵藤がシュートを放つが水谷がファインセーブで防ぐ。大黒の動きでDFが釣られてスペースを開けてしまった。俊輔が右サイドに回られた時の方が左サイドは松本が上がるのでちょっと嫌だった。
両者無得点に終わった延長前半が終わりマリノスのキックオフで延長後半が始まると今度はマリノスはしきりにハイクロスを入れて来る。高さだとマリノスが優位に立つ。
108分、110分と連続して松本がクロスを入れて来る。そして110分48秒には俊輔が博貴のマークを受けながら千真が出したパスをゴール右で受け弘堅のマークをかわしてシュートを放つ。そのショットはポストの右に外れて行ったがさすがのテクニックだった。 更に113分には駒井からボールを奪った俊輔が左サイドからクロスを入れると大黒がフリーでヘッドを放つ。あぁやられた、と一瞬思ったけどシュートはクロスバーを叩いてくれた。 中澤がファーサイドに逃げてマークを引っ張り大黒のスペースを作っていた。 
延長戦に入りシュートらしいシュートを撃てなくて劣勢続きだったサンガであったが115 分、中盤をドリブルで上がった工藤がそのまま前方にスルーパスを送ると栗原と青山の間を抜けて103分にドゥトラと替って投入された17歳の久保裕二に渡る。久保はそのまま我々の方にドリブルで中央から上がって来て松本がマークに入る前に放ったシュートがマリノスゴールに決まり再びサンガがリードを奪う。 狂喜乱舞する我々だけど、私は必死に“まだ早いです。まだあと5分あります。”と叫んだ。



そして119分、俊輔のネアーサイドを狙ったCKはクリアーされこぼれ球を拾った松本が再びクロスを入れるが栗原のヘッドは大きくクリアーされ左サイドの久保に渡る。久保は小林のマークを受けながらも前線にドリブルで上がる。
“キープだ!キープ!!。ボールを離すな。!!”私は必死で叫んだ。あと1分キープしてくれ…と。
しかし小林のマークを受けながらもゴールラインまでボールを運んだ久保は最後はマイナスのパスを出しそこには何と駒井がフリーで走り込んで来ておりそのままマリノスゴールに流し込み試合を決定付ける4点目が決まった。
スクリーンに大きく天を仰ぐ木村監督の姿が映し出された。



もう大丈夫だ。これで元旦だ。我々は心おきなく歓喜に沸いた。キックオフ後マリノスはサンガゴール前に迫ったがシュートは決まらず最後は水谷がGKを蹴った瞬間に試合終了のホイッスルが鳴り響き激闘にそして劇戦に終止符が打たれた。
我々の歓喜はいつまでもいつまでも続いた。まだ天皇杯は終わらない。我々の天皇杯は終わらない……
弘堅、もう1試合まだサンガのユニフォームを着られるぞ…..

試合後,横断幕を片づけるのを手伝った。そして皆口々に決勝戦のチケットの入手方法を話していた。
公式にはもう売り切れらしい。 マリノスサポーター席の後方で彼らから買い取れる…てな話をしていたので千駄ヶ谷門側に行こうとしたらそちらの方にはもう回れなかった。
だから外から回って正門の方に行くとサンガサポーターとマリノスサポーター達が混じって話をしていた。チケットの話だった。
あと数枚買い手を探していたらしいので自分の分を売って貰った。  そしてマリノスサポーター達数人が“お疲れさまでした。決勝戦、ガンバってください。”と言って去って行った。あぁこういう交流は最高だなぁ….

翌日。木村監督の解任のニュースが流れた。 我々の世代は彼は神様の様な選手だったけど、監督としてのマリノスサポーターの評価はどうだったのだろう…京都戦に負ければ解任すると告げられていたらしいけど…..

さぁ本当に決勝戦に進出したのだ。相手はFC東京。今シーズンは2連敗しているけど…

その前に元日に贔屓チームを応援できると言う幸福感を味わおう…