Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Del=Piero  Final Series に進めず   Brisbane Roar 3-1 Sydney FC

2013-04-29 | Aussie & Kiwi
今シーズンの A-League は日本でも話題になるのではないかな?そう思ったのは小野伸二が Sydney Wanderers への入団が決まる少し前だった。イタリアのスーパースター Alessandro Del Piero が Sydney FC との契約締結のニュースを見た時だった。
それから数週間。 A-League の話題は Del Piero がほぼけん引していたと言っても過言ではなかった。

そして2012年10月6日、Melbourne ダービーで開幕した A-Leagueはその翌日に Sydney FC は New Zealand の Wellington に乗り込みシーズン初戦に臨んだ。 試合前は Del Piero は調整不足から出場しないのではないかとも言われたがスタメンには名を連ねた。 しかし Sydney FCは Del Piero を擁しても開幕戦を 0-2 で落としてしまう。次の Newcastle Jets 戦も 2-3 で落とした後、第3節の Wanderers との史上最初のSydney ダービーを Del Piero のゴールで1-0 で制しようやくシーズン初白星を挙げ、続く Perth Glory 戦も 2-1 で連勝を飾った。サポーター達はこれで波に乗ると期待すると第5節、強豪 Central Coast Mariners に 2-7 と惨敗を喫しその試合を境に4連敗をしてしまった。 その間 Ian Crook 監督の更迭、Steve Corica 暫定監督を経て Frank Farina 監督が就任するもベテランMF Jason Culina が Farina 監督との確執から退団とドタバタ騒動が続いた。それでも第15節から21節までの7試合を4勝2分1敗で14勝点を稼ぎ順位も最下位から5位にまで押し上げた。
この調子で最低でも上位6チームが進出できる Final Series 圏内は確保したいと事であったが第26節までの5試合が1勝2分2敗と勝ち点をあまり上積みできず最終戦を前に勝点32で6位に留まっていた。その最終戦の相手は同じ勝点32ながら得失点差で一つ順位が上の Brisbane Roar。この時点で5位7位 のPerth Glory 、8位 Newcastle Jets が勝点31で付けていたので何とか最終戦を勝利で飾り Final Series 進出を確実にしたいところであった。

Horrendous mistakes cost Sydney FC

19,010 人が集った Roar のホーム Suncorp Stadium で前年度、前々年度王者の Brisbane Roar は Sydney FC を 3-1 で降して Final Series 進出を決めた。
開始8分 Thomas Broich が前の週、 Melbourne Hearts 戦で決めた直接FKを彷彿させる FKを放つがポストをかすめて外れる。その直後に Sydney FC はCKのクリアーを拾った Ali Abbas が左サイドからファーポストめがけて放った弾道はゴール枠を捉えるが GK Michael Theo がファインセーブで弾き出す。
25分には Roar MF Luke Brattan が25mの位置から放ったシュートは Sydney FC GK Ivan Necevski が目一杯手を伸ばすその先に飛ぶがポストの右に外れて行く。
しかし29分イタリアの国際的選手 Alessandro Del Piero の不用意なバックパスを拾った Thomas Broich が入れたクロスに Besart Berisha が中央で合わせて先制ゴールを上げた。 Benrisha の今シーズン14得点目であった。
先制を許した Sydney FC はその後怒涛の攻撃を仕掛ける。 
Berisha は前のシーズンの Grand Final でもロスタイムに決めた決勝ゴールと先制ゴールを決めた選手だった。
3分後 Sydney FC の19歳ギリシア系オーストラリア人MF Terry Antonis が放ったミドルはわずかにゴール枠を外れ、その直後にも Abbas のクロスに Joel Griffiths が飛び込むがまたも GK Theo がファインセーブでストップ。
Terry Antonis は来シーズンからイタリアの名門 Parma と4年契約を締結したらしい…..
自らのミスを取り返そうと Del Piero が角度の無い位置から逆サイドにループ気味にシュートを放つ。左上隅に飛んだ弾道は GK Theo が届かないがゴールの中には入らない。
後半開始早々またも Griffiths が至近距離からヘッドを放つがまたも Theo がストップ。 33歳、ベテランの Griffiths は2007-08 Grand Final では Newcastle Jets のメンバーとして優勝に貢献した。その後はアビスパ福岡でもプレーし9試合3得点の実績を残した。 他にも北京国安、上海申花でもプレーした経歴を持ち 1999年は Young Socceroos こと U-20 のメンバーでもあった。代表歴は3試合で1得点という実績があるが、もしワールドカップドイツ大会の Golden Age 達と年齢が外れていればもっと代表に選ばれていたのではと思う私好みの選手だ。
そして51分、またもミスから Sydney FC は失点を許す。Sydney FC Sebastian Ryall のクリアーボールが Berisha の前に飛び前線の Lustica に送り Lustica が放ったショットは Sydney ゴールに突き刺さりリードを広げた。
65分痛恨のミスを冒した Ryall はサイドを上がり Del Piero からのクロスに合わせるがそのヘッドはわずかにゴール枠を外れる。
そして71分Ivan Franjic のミドルシュートが GK Necevski が守るSydney ゴールネットを揺らしてこの時点で試合をほぼ決めた。
84分 Roar DF James Donachie がPA内で Sydney MF のGriffiths を引き倒されて PK を与えるとのゴールを Del Piero が決めて何とか一矢を報いたが、その後数度のチャンスを掴んだがゴールには至らずBrisbane Roar が勝点を35に伸ばし5位の座を死守しFinal Series出場権をほぼ確実にしレギュラーシーズンを終えた。
そして試合直後の時点では6位であったが Final Series 進出にはかなりの条件が必要となった Sydney FC 。 29日に Western Sydney Wanderers と対戦する7位の Newcastle Jets がそして30日に Adelaide United と対戦する8位の Perth Glory が揃って敗れたら6位の座を守り Final Series 進出の可能性があったのであったが。

“だれもこの時点で他のチームの結果に頼ることは好きではないが我々には他の選択肢はもう残されていない。この週末に何が起こるかを見届けるだけだ。” このように Sydney FC の Frank Farina 監督は試合後のインタビューにこう口火を切った。
“我々は最初の2ゴールを贈ってしまった。 それらはひどいミステークだった。そして我々は罰を受けた。2回連続に。 それらは Roar のファンタスティックなビルドアップから生まれたものではなく我々の学校の生徒が冒すような失敗から生まれたものだった。このレベルではもうどうしようもない。特にああいう相手にとって良い位置では。我々は自分達の大変ひどいミスから相当な代償を支払った。” 
先制ゴールを許した事によりこの試合の敗因ではないかというDel Piero のミスに就いて Farina 監督はこの様に庇った。
“それはミステークの一つだ。敗因の一つというよりも恐らくミスの一つだ。 あのエリアのでボールの扱いは例え Alessandro であろうとも正しい選択ではなかった。起こってしまった事をみてみたまえ、最も経験のある選手だろうが若い選手だろうが関係ない。 それは我々が償わねばならなかったひどいミスが起こったある夜の出来事であったのだ。”
結局翌日の試合で Newcastle は対戦相手の小野伸二の所属する Western Sydney Wanderers が優勝がかかった試合と言う事もあり 0-3 で敗れたが、もう一つの対象チーム Perth Glory は Adelaide United に 1-1で引き分け勝点32で Sydney FC と並ぶも得失点差で上回り Final Series 進出を決め、 Sydney FC の7位が決まりシーズンを終える事となった。



Brisbane storms into finals
この最終戦を前にして、 Sydney FC の Farina 監督はどういう心境だったのだろう?現役時代はこの Brisbane でプレーをし2009年には飲酒運転で Roar の監督をクビになった。
Sydney FC はBrisbane Suncorp Stadium での戦いを苦手としており過去18回対戦して3回しか勝利をしておらず最後にここで勝ったのは 2007年のシーズンまで遡らねばならない。 Roar はここで Sydney 相手に8勝を収めている。
そしてこの最終戦でも Roar は Sydney を破った。



Mike Mulvey 監督は „選手達を大変誇りに思う。私が就任して以来我々の調子の良い時もあったが今夜は大変な手柄を立てた。彼らはそれを受けるに値していた。そして今は次に向けて我々は準備が出来ている。“この様に語った。
昨シーズンまで Grand Final 2連覇を果たした Brisbane Roar は今シーズン5位に終わった。 
GK Michael Theo, MF Besart Berisha, FW Thomas Broich そして MF Matt Smith ら昨シーズンの優勝メンバーは何人か残ったがこの日の Sydney 戦のスタメン5人が昨シーズンの優勝メンバーではなかった。その中でかつて札幌でプレーし Socceroos にも選出された実績を持つ Jade North らを補強したが今シーズンは下位に低迷する時期が長かった。それでも最後の7試合を4勝2分1敗で勝点を伸ばし5位にまで浮上することが出来た。



No regrets for Paston    Wellington Phoenix 2-3 Melbourne Victory
2012-13 のレギュラーシーズン最終戦は Cake Tin こと Wellington Westpac Stadium で行われホームの Wellington Phoenix は Melbourne Victory に 2-3 で敗れ全日程を終了した。
そしてこの試合を最後に GK Mark Paston が退団をする事となった。 36歳の Paston は Phoenix で6シーズンをプレーした。 そしてその前の2シーズンは解散した New Zealand Knights に所属した。

“この瞬間が遂にやって来た。 いつ退団しようかとずっと考えていたけど今はその決定は正しかったと思う。
2010年12月11日の Gold Coast United 戦で右足脛骨を骨折するなど昨シーズンは14試合、そして今シーズンの出場は8試合に留まっていた。
“昨年の12月には体が行き詰まっていた。 トレーニング中のウォーミングアップで殆ど一人では走ることの出来ない姿を見て笑う奴もいた。 毎年体はきつくなって来ていた。本練習よりもウォーミングアップ時間の方が長くなりだした時に楽しむという事が出来なくなっていた。” この様に愛想よく語っていたらしい。
妻の Amy と子供達 Jack, Benji そして Charlie ともっと過ごしたいという望みも大きな原因であった。
しかし All Whites のキャリアーはまだドアを開けておくと語った。
“この期に及んでそれを委ねることは出来ないが諦めたくもない。 何人かの人たちと話し合う必要がある。 もし代表でプレーするのなら正しい理由によってそれを確実にしたい。 Phoenix と All Whites を分ける事が重要だ。 プロ選手として年間10~11カ月、週に5~6日過ごし、長旅を重ねる。それは心身共にかなりの負荷がかかる。 今はそれから離れる時期である。それが All Whites から引退する事かどうか、今は解らない。今は充電をしてどうするかを見守りたい。”
シーズン途中からチームを指揮した Chris Greenacre 監督は Paston を称えた。
“この選手を称える言葉が見つからない。 彼は偉大なニュージーランドのゲームでの特使であった。若い選手にってとても良い手本であったに違いない。彼は家族的な雰囲気を持っていて練習中や練習後を見ていた、そして日曜日の試合に臨んで来た。 彼は本当に全てを持っている。彼と共にプレー出来て誇りに思う。 我々は彼の新しいキャリアーに幸運を祈る。新天地でも素晴らしい成功を得られると確信している。” 

今シーズンの Wellington Phoenix は開幕戦の Sydney FC 相手に白星スタートを切ったが第10節から21節まで2勝2分8敗と勝ち点を積み重ねられず Ricki Herbert 監督が更迭されるなど良い所なく最下位に沈んだ。
Mark Paston と言えば2009年11月 Wellington で開催された Bahrain とのワールドカップ大陸間プレーオフで絶体絶命のPKを見事にストップし28年ぶりワールドカップ出場をニュージーランドに齎した立役者の一人となった。それまで All Whites の正GKは Glen Moss であったがオセアニア地区予選でレッドカードを受け4試合出場停止となり Paston がゴールを守った。 ワールドカップでも Paston の攻守は冴えわたり、特にイタリア戦はファインセーブを連発。見事に勝点1をものにし前回王者を1次リーグで敗退させるきっかけを創った。日本では話題にならなかったがニュージーランド代表 All Whites は他の2試合でも引き分け ( 1-1 Slovakia, 0-0 Paraguay ) 無敗で大会をあとにした。
Paston が11月に行われる大陸間ワールドカップ予選で起用されるかは解らないがまた一人日本では話題にならない偉大な選手が A-League を退団したと寂しく思った。



                                                           続く 

3回目の Grand Final Central Coast Mariners 2-0 Western Sydney Wanderers 

2013-04-27 | Aussie & Kiwi
あぁ~~下手こいたぁ~ と思わず時代遅れのギャグフレーズを口に出してしまい、私は髪の毛をかきむしった。
4月19日、オーストラリア大陸の西の街パースから留学生の街アデレードを経てシドニーに移動して仕事を終えた夕刻、 A-League の Web Site を通じて Ticket 販売のサイト開いたときだった。 そこには SOLD OUT という文字が。
4月12日 Western Sydney Wanderers が Brisbane Roar を 2-0 で破り、2日後 Central Coast Mariners が Melbourne Victory を 1-0 で破り Grand Final の組み合わせが決まり、チケット販売を調べたときはそれぞれのチームのファンクラブ会員への先行販売に続いて一般販売は19日と記されていた。 
しかし地元の邦人向けに発刊されている日本語情報誌には17日からチケット販売と書かれていた。もう一度 WEB SITE を見てみると Football Family 登録をすれば14日の先行販売で購入できたのだった。登録料金や年会費は調べなかったけど…. ここに来て Grand Final が…. と天井を見上げた。 しかし今までこういうことは経験してきた。 ワールドカップドイツ大会の日本対クロアチア戦、EURO2008 の決勝戦。 現場でチケットは入手し現場観戦を可能にした。 とにかくスタジアムに行けば何とかなるだろう、ワールドカップでも EURO でも見られたのだ。 A-League の Grand Final でも恐らく…. と自分に言い聞かせた。 
そして私を置いて他にこの試合を見る資格のある一般日本人は殆どいないはずだ。自分自身こそこのゲームを見なければ誰が見るのだ…と勝手な理由づけもしていた….

シドニーのホテル事情には閉口する。特に金曜、土曜は空き部屋が激減する。1泊 AS$200 以上の部屋なら取れなくもないけど今や世界的な円安更に豪州ドル高の影響で4月から1豪ドルは 105円を越えてしまっている。そんなホテルに泊まったら出張規定をはるかに越えてしまう。
シドニーでは3泊しながら1泊ずつ安いホテルを求めて転々とするジプシー生活だった。
Grand Final の行われた21日はシティーの中心街のホテルが取れたけど前日は空港付近のホテルしか取れなかった。
朝、電車で街中に移動する。 Central Station に到着するとまだ午前11時前なのに赤と黒の縞模様のユニフォームを着た多くの Wanderers サポーター達姿を目撃する。  We are Champion! We are Champion !! と叫ぶ少女達の一団も。
オーストラリアのサッカーの見方を替えたと言われている wanderers のサポーターの熱さを感じる。
Mariners カラーの黄色のユニフォームを着たサポーター達もちらほらいたけどすれ違いざまには特に一色触発という雰囲気はなく何やら友好的な空気が。 あぁぁ今日チケット手に入るかなぁ~。 とも思った。 
Central Station で乗り換えをしようとするもいつも使う Air Port Line がこの日は点検の為に運行止め。空港に向かうわけではないのでそこからホテルまで15分足らずの道程を歩いて行くことにした。不運はここで落としていきたいと願いながら…..

チェックインを済ませ、商用を終え競技場に向かったのは午後2時少し前。試合の行われる Allianz Stadium 迄はバスで10分くらいだ。 2時半前に着いてチケットをどうにかして….と思った。 シドニーのバスは運賃前払いが多い。そして最近は小銭ではなくプリペイドの Bus Card を購入する必要がある。もし Bus Card 専用バスに乗り込もうとして Bus Card を持っていなければそのバスには乗せてくれない。 前日に買っておいた Bus Card を指し込もうとすると運転手が
“ Stadium に行くのか?” と訊いてきたので “ Yes “ と答えた。すると“チケットは持っているのか?だったら運賃は不要だ。”と言われたのでそのまま “ Thanks “ と言ってバスに乗り込んだ。 もし見せろと言われたら”仲間が持っていてスタジアムで待ち合わせている。“と言おうと咄嗟に思うもおとがめは無かった……

バスの後部の方には日本人の家族連れが。小さな男の子は Wanderers のユニフォームを着ている。
“シドニーご在住の方ですか?私は日本から来たのです….” ってな言葉を掛け、2,3会話をかわした。
Grand Final を観戦するのは3回目。ここ Sydney Allianz Stadium での観戦は4年ぶり2回目。 競技場途中で日本人家族と会うのは初めてだった。 その理由はいうまでもなく小野伸二。 日本のスーパースターはここでもファンタジスタぶりをいかんなく発揮し新チームをリーグ優勝に導いた。シドニーには多くの邦人が在住されている。遠くに離れてこそ愛国心は芽生えるもの。日本が誇るアスリートを晴れの舞台で観戦したいとは誰でも願う事。 あの SOLD OUT も“小野効果”が十二分に寄与していると感じた。 そしてチケット入手に不安感が募りだした。 やっぱりバス料金払ったらよかったかなぁ~とも思った。

しかし今度はバスが一向に動かない。もう歩けば10分くらいのところなのに5分、10分経ってもバスは少ししか動かない。 
公共交通機関が発達していないオーストラリアは完全な車社会。 サイトでも車での来場は遠慮願います、という案内をしてもバス代金が無料になっても地元の人達はやはり車を利用する。 Mariners のホームタウン Gosford は Sydney から車で1時間半程度のところだ。バスの周りは殆ど競技場に向かう人だろう、両チームのフラッグやユニフォーム姿が車中に見られた。 結局ここからは歩いた方が早いとばかりに前方の乗車扉が開いて乗客は一斉にバスを降りて歩道を行く人の流れに合流することとなった。 

競技場公園内に入るとキックオフまでまだ1時間以上もあるのに遠目にもかなりの人が入り口付近にいるのが判った。
そしてこちら側に “ WANTED TICKET “ と書いた段ボールの切れ端を持った男性が何やら叫びながら向かってきた。
入口ゲートまでまだ200m 近くある。ここまでチケットを求めて歩いて来るなんて、そんなにチケットは入手しにくいのか?と不安になった更にその様子を見たオージーが “ AS$1,000 なら売ってもいいよ。“と仲間と話していた……
ゲートの前で私もカバンから “ Please sell me A Ticket !! “ と書いた紙を取り出した。そしてすぐ近くにチケットを数枚持った東南アジア系の数人がいたので紙を見せて“ Ticket は余分にありますか?"と尋ねると、その中の女の子が ”この Old Man が Ticket を持っている。“と教えてくれたのですぐにアプローチした。 
“何枚?” “1枚、いくら?” “ AS$100 “ “ よし買った。“やり取りは30秒も無かった。 先にチケットを手にして見せて貰い50ドル札を2枚渡した。 その老人は” Enjoy ! “ と言って私の肩を叩いた。そしてさっきの東南アジア系数人に御礼を言ってゲートに向かった。 数日間懸念していたことが1分も掛からず解決した。と安堵の息を洩らしながら天を見た。 あぁ良い天気だ…きのうは大雨だった、今日はえらい違いだな~と

Souvenir Shop に向かった。 もう Wanderers のユニフォームは売り切れだった。 Mariners のはまだあったけど….
Wanderers Tシャツを買って席に向かう。 ゲートをくぐったところでプログラムを売っていたのですぐに買った。 2011年の時は競技場に入った時はもう売り切れだった。そして過去2回の Grand Final 観戦は当日券で入ったことも思い出した。
やっと競技場内に入ったけどあまりのも人が多すぎてそこから入場門に辿り着けない。今度はキックオフまでに着席できるか?と心配になる。周りは Wanderers のサポーター達で溢れている。 しかしC Gate を過ぎると一気に人波は引いてしまった。後でわかったけど C Gate は ゴール裏のWanderers サポーター席側のすぐ近くの入場門だった。 そこには小野の大きな顔写真を掲げるサポーター達もいた。日本人の私を見つけて親指を立ててくれた…







入場門に到着しチケットのバーコードの部分をスキャナーにかざすと無事にグリーンランプが点灯した。 オーストラリアにはTICKETEK というTicket 販売会社が販売を請け負っていることが多いがこのネット時代オンラインで Credit Card を用いて購入でき、チケットそのものは e-mail で PDF ファイルで添付されて送られてきてダウンロードをして自分で印刷をしたものをチケットして持参するのだけど同じものを何枚も印刷が出来てしまう。 だから同じチケットを複数人数に“転売”することが出来る。しかしそれは入場門でスキャンするまでは解らない。実際に入場できるまで“掴まされた”かどうかはわからないのだ….

しかし兎に角無事に Grand Final が観戦できる事となった。すると急に空腹感が襲ってきて喉も渇いてきた。 
すぐに売店に向かうと寿司が売っていた。初めて見たぞ。これも小野効果か?




着席したのはキックオフの約40分前だった。 ピッチ上には両チーム選手が大歓声を浴びて登場しアップに入る。 早速 Wanderers のサポーター達からも熱い声援が飛ぶ。 私は必死に小野の動向を追った。まさか A-League で小野を見られるなんて…私は創設時の 2005年の事を思い出した。



そしてピッチ上ではセレモニーが始まった。 J League と異なりこれが決勝戦。シーズン最後の試合。 Grand Final に進出出来なかったA-League 8チームを含む全10チームのフラッグがピッチ上に敷かれそして読み上げられる。 Sydney FC の名前が読み上げられると一斉にブーイングが Wanderers サポーター達から沸き上がった。 そしてここ Allianz Stadium は Sydney FC のホームグランド。 2007-08 の Grand Final でも Sydney FC は進出できなかったが観客動員を考えてここが会場となった。



そして注目のスタメンイレブンが発表される。 
Mariners は英国人MF Nick Montgomery が前の試合、 Melbourne Victory 戦で警告を受けた為に累積警告で出場出来ない。その穴埋めとして John Hutchinson と組むボランチにはかつて England の Reading でもプレーした Oliver Boznic が起用された、それ以外は全て Victory 戦と同じメンバー。 GK には Matthew Ryan , Socceroos にも召集された。CBは 178cm のTrent Salisbury とかつて大分でもプレーした 190cm の長身オランダ人選手Patrick Zwaansnik 。
左SB には 31歳ベテランKiwi のJoshua Rose。右SB は29歳の Pedrag Bojic 。2列目左にはAll Whites のMichael McGlinchy 。2009/10 にはScottish Premier の Motherwell に所属したが出場試合は5試合で60分間。左には 20歳ナイジェリア生まれの 182cm MF Bernie Ibni Isei 。今シーズンは7 ゴールを決めている。 
2トップは Daniel McBreen 今シーズンは18ゴールを決めておりリーグの得点王に。そしてもう一人はワールドカップ2006での日本戦にも出場した Mile Sterovski 。France Ligue 1 の Lille, Suisse Super League の Basel ( 仲田浩二と共にプレー ) English Premier の Derby County 等でプレーした実績を持つ、2009年から A-League の Perth Glory に移籍してきたが2012年は中国超級の大連阿尓濱に移籍し今シーズンから Central Coast Mariners でプレーしている。 McBreen が36歳、 Sterovski が33歳と2トップは共にベテランだ。
今回で Mariners は4度目の Grand Final 進出であるが過去3回は共に敗れている。ボランチの Hutchinson は 2008 2011 に続いて3回目の Grand Final 。他にも DF Bojic, Zwaanswijk, Rose, MF McGlinchy FW Mc Breen らが2011年の Grand Final に出場実績がある。Graham Arnold 監督も2011年の Grand Final では指揮を執っていた。それだけにこの試合に掛ける執念はよく理解できた。

一方の Wanderers は GK Ante Covic はかつてワールドカップドイツ大会のメンバー。残念ながらいつも Mark Schwarzer がいたので代表では控え GK に甘んじ続けた。2007-08 Grand Final では優勝した Newcastle Jets のレギュラーGK. その試合で対戦した相手が Central Coast Mariners と言う巡りあわせ。
CBはかつて Sydney FC でプレーし浦和レッズと対戦した経験のある189cmの Nikolai Topor Stanley とワールドカップ2006,2010 メンバーだった Michael Beachamp 。2006~2008迄 Bundesliga Nurnberg でプレーした。Stanleyが189cm, Beachamp が191cmとアジアレベルでは考えられない長身CBだ。左サイドの Shanon Cole は昨シーズンまで Sydney FC でプレーし代表招集経験もある。右 SB はドイツ人の Jerome Polenz 2008-09 には Bundesliga 2部の Alemannia Achen に所属しスタメン17合を含む23試合に出場したが以降は出場機会が減り今シーズン渡豪して来た。
クロアチア人MF Mateo Poljack と組むもう一人のボランチは22歳の Aaron Mooy 昨シーズンまでの2シーズンは Scottish Premier の St. Mirren に所属したが2シーズンでの出場は21試合スタメン起用は10試合で880分だった。今シーズンはほぼレギュラーで起用されていたが前の2試合はが19歳の Yianni Perkatis 起用され Mooy の起用は第25節の Melbourne Hearts 戦以来4試合ぶりだった。
ワントップにはクロアチア人FWの Dino Kreisinger 。2列目左には北京五輪メンバーの Mark Bridge。2009年には天津でもプレーしたが Sydney FC でのプレーが長く A-League の顔的存在だ。 左には前の Brisbane Roar 戦で退場処分を受け出場停止のエチオピア人MF Youssouf Hersi に替わってガーナ生まれでニュージーランド育ちの20歳の Kwabena Appiah-Kubi が起用された。スタメンはこの試合で4試合目。 Hersi の欠場が非常に心配されていた。
そして小野伸二の名前がアナウンスされると会場からひときわ大きな歓声が沸き上がった。 



              1. Ryan

    4.Bojin   16 Sainsbury   6 Zwaanswijk   3 Rose

       7 Hutchinson        11 Boznic

     9 Ibini-Isei             14 McGlinchy

        2 McBreen       21 Sterovski


              9 Kreisinger

     19 Bridge      21 Ono     14 Appiah-Kubi

        8 Poljak       10 Mooy

    2 Cole   4 Topor-Stanley 5 Beachamp    6 Polenz

              1 Covic

いよいよキックオフの時間が迫る。 
小野と Kreisinger がセンターサークルに入りキックオフの準備に入るがなかなか笛が吹かれない。
Wanderers サポータ席で発煙筒がたかれていたからだ。 






あぁオーストラリアでもこういうシーンが見られるようになったのか….と思っているとようやく Peter Green のホイッスルの音が鳴り響いた。



                                                                 続く

柏レイソルが J-League を救う…. 柏レイソル 0-0 水原三星 9th April 2013

2013-04-15 | Football Asia
試合が終わり柏駅に向かう途中、I Phone で全北現代vs 浦和レッズの試合結果を検索した。 前半が終わった時は 2-0 で浦和がリードしていた、後半途中は 2-1 にされていたけど…. そして試合は終わり 2-2 と映し出された。 あぁ….2点差を守れなかったか…勿体無いなぁ…と思った。 別にレッズサポーターではないけど勝点の計算をした。広州恒大がタイのムアントンに負けることはまず考えられないし… 次のラウンド進めるのはレイソルだけか…とちょっと残念に思った。 あぁ J-League が….

前の週の ACL 日韓対決は1勝3敗だった。その唯一の勝利を収めたのが柏レイソル。
相手はかつて韓国の銀河系軍団とも呼ばれた水原三星。 アウェーで三星を 6-2 で撃破するのだからその力は半端じゃないと感じた。 しかも不可解にPKを4度も取られていたのに。 今度はレイソルが三星をホーム日立に迎える。

2011シーズン覇者のレイソルは今シーズンはこれまで2勝1分2敗の8位タイ。首位横浜マリノスとは8勝点差を付けられているがACLでは本当に頼もしくこれまで他のJ League 勢の停滞を尻目に3戦3勝。この試合で勝利を収めACL4連勝としベスト16進出を決めて欲しい。そして同組のオーストラリア Central Coast mariners への援護射撃をして欲しいと願った。



この日のレイソルのスタメンは3日前ここで名古屋と対戦した ( 3-3 ) スタメンから3人が替わった。CB 鈴木大輔と組むCBには累積警告で出場停止の近藤直也に替わって渡部博文。 そしてレアンドロドミンゲスは負傷の為ベンチ入りもしておらず2列目右には名古屋戦で後半から田中順也に替わって出場した茨田陽生が、そして2列目左には狩野健太ではなくジョルジ=ワグネルが起用された。 前の三星戦でもMFは右がレアンドロで左が狩野だった。 他の8選手はみな三星戦、名古屋戦から連続スタメン。7日間で3試合、間の1試合が韓国でのアウェーゲームで選手達の疲労が少し気になった。



一方、前節ホームでPKを3度も失敗した上にレイソルに 2-6 と粉砕された水原三星は徐正源監督の怒りが爆発したのか次の K-League Classic の大田戦ではレイソル戦のスタメンから FW 鄭大世、MF昊章銀、CB 崔在洙GK梁棟源以外はすべてメンバーを替えて臨んだ。( 途中から交替出場をした FW Stevica Ristic はスタメン起用された。)そのカンフル剤が効いたのか試合は 3-1 で勝利を収めた。 それとも次のレイソル戦に備えて選手を温存したのか….
前節は大敗したので大幅なメンバーチェンジを予想したけど大田戦に出場した選手でこの日のスタメンに名を連ねたのは6人だけだった。 GKには前節のレイソル戦、大田戦では出場しなかった(怪我でもしていたのかな?それともワールドカップ予選の疲れか?)韓国代表GK鄭成龍がスタメン出場。 CB にはかつてJEF 千葉に在籍し昨年まで清水エスパルスでプレーした Edward Bosnar が前節レイソル戦では出場機会が無かったが大田戦に続いてスタメン起用され、前節のレイソル戦では Dzenan Radoncic に替わって途中から投入された朴宗真が2列目右に、左には大田戦に抜擢された金大がこの試合もスタメン起用された。
両チームともMFを替えてきた。鄭大世と組むもう2トップのもう一人は Radoncic ではなく前節では途中出場だったマケドニア人FW 189cm のStevica Ristic が起用された。 Ristic は2007年に韓国に渡り全北現代でプレーし翌年から2シーズン浦項スティーラーズにローン移籍していた。2010年からはウズベキスタンの Bunyodkor に移籍しさらにロシアリーグの FC Amkar Perm にも移ったが今シーズンから韓国に戻り水原三星でプレーしている。



2004-10 韓国史上最高の選手で韓国の釜本と言われていた車範根が監督を務め韓国では最も近代的なクラブとされ最大数のサポーターを誇る水原三星ブルーウィングスは他クラブの模範とも言われてはいるがまだAFC Champions League のタイトルは勝ち取ったことはない。これまで韓国勢では全北現代 ( 2006 ) 浦項スティーラーズ ( 2009 ) 城南一和 ( 2010 ) そして蔚山現代 ( 2012 ) が優勝を果たしているので三星サポーターとしてはそろそろ優勝してもと焦っているころだろう。(前身のアジアクラブ選手権では2000-01, 2001-02 と2連覇を果たしているけれど。) 現役時代は日本代表をスピードのある動きで結構苦しめた徐正源監督としては勝点3が欲しかった試合ではなかっただろうか….

試合は三星のキックオフで始まった。という事はレイソルがエンドを取る権利があったはずなんだけどこの試合も前の週の浦和同様に前半に自軍サポーターの前のゴールに攻め込むエンドを取っていた。 キックオフ前に韓国代表の鄭成龍がゴールに着くと大ブーイングだった。ここは専用競技場でしかもピッチと観客席の間が狭いので鄭成龍はどう感じただろう?だけど鄭成龍のゴールを破るのは容易じゃないとも思った。



反対側には熱心な三星サポーター達が。 円安だからもっと人が来るかなと思ったんだけど。まぁ Central Coast 戦よりかはずっと多かった。 



開始20秒鄭大世が中央を突破した Ristic からボールを受けてシュートに持ち込むがこれはGK菅野の正面に。立ち上がりは Ristic が右サイドにより朴宗真と洪淳学との連携で右サイドをよく突いていた。12分には Bosnar から逆サイドの朴宗真に振り折り返したところを Ristic を経由して鄭大成に渡り渡部のマークを受けながらもシュートに持ち込む。  レイソルはレアンドロが不在の為かなかなかボールが繋がらず反対に三星のカウンターを食らったりしていた。20分にようやく左サイドを上がりFKを貰うと増嶋の入れたFKに中央で工藤が体を反転させてシュートを放つ。 惜しくもポストのわずか左を通過したが最初にレイソルサポーター達が沸いたシーンであった。 そしてその直後に今度は鈴木が鄭大成を倒してFKを与えると洪が直接ゴールを狙う。その弾道は菅野が脚でクリアー、リバウンドを Ristic に撃たれたがポストの右に外れてくれた。

20分を過ぎるとレイソルは徐々にボールが繋がるようになり度々三星ゴール前に迫るようになった。26分には田中から左サイドの大谷に繋ぎ折り返したところを工藤が走りこんで撃ったが今度はジャストミートしなかった。  

28分、今度は三星が縦への突破を見せる。左SBの洪が一気にドリブルで上がりシュートに持ち込むが菅野がファインセーブでストップ。そのこぼれ球を金大が詰めるがゴールには至らなかった。
レイソルはサイドから、三星は縦から崩そうとする特徴が表れていた。 ただレイソルを含めたJリーグ勢ももっと単純に縦1本の突破を見せてもよいと思う。それはワールドカップ予選も同じなんだけど…



30分を過ぎると鄭大世がちょっと下がり気味のポジションを取るようになってきた。32分にはレイソルのFKを自軍PA内に入ってヘッドでクリアーいていた。3日前の大田戦では初ゴールを決めて涙したらしいけどチームにはうまく溶け込めているのだろうか? サポーター達からは彼がシュートを放つと“ チョン!テッセッ! チョン!テッセッ !”と歓声が上がっていたけど。そして金大と長身のボランチ朴鉉范が上がり気味のポジションを取るようになっていた。



40分に今度は別の歓声があがる。 中盤の位置で三星がFKを得たが Bosnar が直接レイソルゴールを狙った。その弾道はクロスバーを越えていったけど強烈な弾道を見せ観衆からは感嘆の声が上がった。千葉、清水に所属時代はそのキャノン砲に定評があり愛する京都ゴールも一度ぶち抜かれたことがあった。
ロスタイムが1分と表示されたあとジョルジ=ワグネルが左サイドを突破し中央の田中に送る。そこから左サイドを上がった増嶋に送られさぁどんなクロスが…とサポーター達が前のめりになるも増嶋は脚を取られたのか次の一撃をサポーター席に蹴りこんでしまった。そして前半終了のホイッスルが鳴った….. 前半は両チームともこれといった決定機が少なくそれがスコアーに表れているようであった。



両チームメンバー変更なしで後半が始まった。レイソルは前半の半ばからボランチと前線の間が少しあいているように思えた。それが得点に繋がらなかったのか? 50分には洪淳学に粘られてCKを与えそこからちょっとピンチを迎えたが失点は防いだ。
だけど勝たねばならないのは三星の方。 56分鄭大世がベンチに下げられ192cm の長身FW Dzenan Radoncic が投入された。 Randoncic はモンテネグロ国籍の選手で2003-04は Partizan Belgrade でプレーしその後韓国に渡り 仁川 United ( 2004-08 ) 城南一和 ( 2009-11 ) でプレーし今シーズンから水原三星に移籍してきた“韓国通”の選手。2007年には甲府で1シーズンだけローン移籍し9試合だけプレーした経歴を持つ。 ゴールを決められなかった鄭大成の心境はどうだっただろう? 彼を見に来た観客もいたと思おう。
また北朝鮮代表でプレーする機会があるかな…. あってほしいけど。 



続いて58分にも三星ベンチは MF 朴宗真を下げて徐訂普が入る。 徐訂普は2010年広州アジア大会、2009 FIFA U-19 のメンバーだった選手。3日前の大田戦はスタメンフル出場を果たした。 これで三星は2トップが長身の Radoncic と Ristic の助っ人コンビになりちょっと不気味な気がした。



そしてレイソルも61分に茨田が下がり広州から移籍してきた Cleverson Gabriel Cordova ことクレオが投入され田中と2トップを組み茨田の位置に工藤が入った。 “ クレオ柏を熱くしろ~!”とサポーター達からチャントが始まる。まだ状態は完璧ではなさそうだけど何とか得点をと期待する。



66分金大からボールを受けた Radoncic がフリーで抜け出すがシュートはクロスバーを越えた。 金大はこの試合なかなかいい動きをしていた。これからレギュラーに定着していくのではないかな? だけど2トップにもっとハイボールを上げてくるかと思ったけどそれほどでもなかった。 



そしてこれ以降クレオがシュートにどんどん絡んでいく。68分、スローインを工藤がヘッドで流してクレオが放ったショットはクロスバーをわずかに越える。 70分には藤田から工藤に縦パスが入り栗澤を経由してクレオと田中が待つゴール前に送られるがここはマークがきつくて誰もシュートに持ち込めない。 75分にはカウンター攻撃から最後はワグネルからのラストパスを受けたクレオが中央からシュートを放つが僅かにポストの左に外れていく。



時間が過ぎていくと両チームとも勝ち点を考えてくると思われる。 レイソルは引き分けで十分であるが三星は勝たねばならない。 84分にはボランチの昊章銀を下げて趙志を投入して前線に人数をかけてきた。 
しかしレイソルDF陣は勝ち点1を確保すべく冷静に対応。終了間際に何度かレイソルが三星ゴールに迫るがこちらも得点には至らずスコアレスのまま試合が終わった。 

試合後レイソル選手達と握手を終えた三星の選手達はハーフウェーライン上に並びレイソルサポーター達に向かって一礼をするとスタンドから拍手が沸いた。さいたまスタジアムとは大違いだった。 



そしてレイソルの選手は昨年もACLを戦っているので大会への望み方が調整方法も含めてよく解っているみたいだった。ただレアンドロがいないとちょっと攻撃が低下するなぁという印象も。
この試合でRound 16進出は決められなかったが大きく前進したといってもいいと思えた。ただ Central Coast Mariners がアウェーで貴州人和に逆転負けを喫し2位争いが厳しくなって来たのは残念だったけど。 
今シーズンは柏がACLでは J-League の存在を示してくれていると思うのは私だけではないだろう。

柏レイソル:(4-4-2)21-菅野;2-藤田、4-鈴木、5-増嶋、23-渡部;7-大谷、15-ジョルジ=ワグネル、20-茨田 ( 61’ 11-クレオ ) 、28-栗澤;9-工藤、18-田中

水原三星:(4-4-2)1-鄭成龍;15-洪淳学、23- Bosnar、29-郭熙柱、17-洪 、5-朴鉉范、9-吴章银 ( 84’16-趙志 )、18-朴宗真 ( 59’ 13-徐訂普 );36-金大;11-Steve Ristic 4-鄭大世 ( 57’ 10- Dzenan Radoncic )


あぁ~ J-League のレベルは…. 浦和レッズ 1-3 全北現代 3rd Apr. 2013

2013-04-14 | Football Asia
試合が終わり、両チームの選手達が握手を交わす。そして現代の選手達がセンターライン上に並びレッズサポーター達が陣取るゴール裏に向かって一礼をする。私は拍手をしようと思ったがサポター席からはブーイングが。 おいおいここまでしているのにブーイングか?確かに目の前で3連続ゴールを決められ、これ見よがしのガッツポーズも取られはしたけど、ここでブーイングはなぁ…
前の日にはダルビッシュが敵地 Houston で打者26人連続アウトの後に完全試合を逃しベンチに引き揚げるときはホームの Astros ファン達が彼を温かい拍手で迎えられた。 それと比べると….. 別に時分はレッズサポータではないけど。



そう、別にレッズサポータではないけど今年のACLは楽しみにしていた。2007年は何度も当時小学校6年の息子とここでACLの試合を観戦した。 特に Sydney FC との試合は今でも交流がある Sydney FC サポーター達と知り合った試合として思い出に残る試合だ。 あれからもう6年が経つ。小学生だった息子は高校生になり今は友人とたまにさいたまスタジアムに来ているみたいだ。

心配された雨も上がり気温もそんなに下がらなかった。ただ少しきつめの風が吹いている。この前の柏対 Central Coast 戦と言い今年のACL 観戦は天候に恵まれない。 まぁ2009年は大雨の中等々力で観戦したけど。
着席した時はもう両チームスタメン発表が終わった後だった。 観客席は満席ではなかった。そしてこの円安の折、もっと韓国からサポーター達も来るかと思ったけど。2007年の準決勝戦は城南一和を応援するサポーター達でアウェー側の席は埋まったんだけど..



3日前新潟を 2-0 で降したレッズはその試合からメンバーを何人か替えてきた。負傷退場した永田に替って投入された那須がそのままスタメンでCBに。森脇に替わって坪井が今シーズン初めて公式戦出場。ボランチの阿部と鈴木はそのままで、MFは右に梅崎に替わって平川が左に宇賀神に替わり関口がそれぞれ起用された。ワントップは興梠ではなく新潟戦では途中出場で貴重な追加点を決めたマルシオ=リシャルデス。原口と柏木のトップ下は同じだった。新潟戦から選手を5人入れ替えて臨んだ。



一方の全北現代はかなりメンバーを替えていた。 GK はベテラン42歳の崔慇誠ではなく①権純泰。DF陣はCBに⑤鄭仁煥とオーストラリア国籍の長身 187cm の 18 Alex Wilkinson 。 左サイドは⑲朴源載。右サイドは⑮鄭赫。アンカーに⑰ 林遥煥が置かれボランチに⑦徐相民とかつて名古屋でプレーした⑭金正友。 2列目右にはブラジル人の Edinho 。かつて帰化させて韓国代表に入れたらよいとまで議論された選手だった。 水原戦は30 Park Hee Do だったが浦和戦は ⑪李承が2列目左に。そしてワントップはベルギー人の長身FW ⑨Kevin Oris。 2009-11 Antwerp でプレーし、昨シーズンは韓国の大田に移籍。今シーズンから現代でプレーする。そして私の目当ての⑳李東國はベンチスタートだった。



さすがさいたまスタジアム。試合前から国際試合の雰囲気がいっぱいだった。数は多くないが現代サポーター達も熱心に上げる。するとそれをかき消すかの様に浦和サポーター達が大声援を送る。 だけどこの時は声援だけで結果が伴ってくれれば…. と少し心配になった。それが的中するとは….



Jリーグのゲームでは後半に地元サポーター側に攻め込む様にエンドを決めるという不文律があるらしい。開始前から結構風が吹いていてもしその通りにエンドをとっていたのなら疲労が溜まる後半にレッズは風下になる。韓国のチーム相手にそれは厳しいと予想していたのでいつもと反対の方のエンドでキックオフをしてくれないかな?と思っていたらその通りとなった。そして試合はレッズのキックオフで始まった。と、いうことはどちらがコイントスで勝ったかわからないけど現代が前半風上のエンドを取ったということか…..
1分22秒、いきなり原口が地元サポーター達が陣取る前のゴールにドリブルシュートを放つがこれはクロスバーを越えた。しかし大歓声が上がる。そして5分25秒、槙野が中央やや左からドリブルで現代PAに切れ込むと相手DF二人に囲まれながら粘って原口に送りまたも原口がドリブルシュートを放つと今度は現代ゴールネットにその弾道は突き刺さった。 





なかなか今のJリーグの日本人選手でドリブルシュートを撃てる選手は多くない。原口には是非それを武器に代表に。そして出来れば欧州で…と期待している。だけど息子はレッズ以外ではプレーして欲しくないみたいだ。
その後もレッズが攻勢を続ける。 攻撃時には槙野が左SBに入り一気に上がり阿部がCBに入り槙野の後ろを埋めるのがよくわかる。 10分には啓太のスルーパスを受けた原口が鄭仁煥と競りながらシュートに持ち込むが惜しくも外れる。 11分には柏木が絶妙のスルーパスを原口に送るがこれはわずかにオフサイド。13分には平川からパスを受けた原口が今度はスルーパスをリシャルデスに送るがリシャルデスのシュートはポストの左に。リズムよく攻め立てるレッズの攻撃に追加点の期待が高まった。
劣勢続きの現代は16分、徐相民が阿部に倒され得たFKを Eninho が直接狙う。その弾道はクロスバーをかすめるように上にそれていった。さすがブラジル人選手こういう武器もあるのかと思わせられた。そのFKを貰うためか現代の選手は立ち上がりから競り合い時にはよくひっくり返る。球際の強さが韓国選手の特徴と思っていたんだけど…. 19分にも柏木と競り合った朴源載が倒れてFKを貰ったがこれもちょっと…と思わされた。
20分、今度は Wilkinson が原口をPAエリアのすぐ外中央で倒してFKを与える。 このFKリシャルデスが直接狙ったが惜しくもゴールの角を叩いてしまう。後方のレッズサポーター達から一斉に溜息が漏れた。



しかしこのチャンスの後から徐々にレッズはサポーター達の方に向かう時間が少なくなっていった。 現代は左SBの朴源載が上がる時間が多くなってきた。 28分には朴源載の上がりからCKを得て長身の Oris が飛び込むがここは関口と那須が二人ががりでマーク。 32分には啓太が相手を倒して献上したFKから繋がれて左サイドからあげられたクロスにまたも Oris が槙野と競りながらヘッドを放つがこれはわずかにクロスバーを越えた。 現代は 2列目左の李承がトップに上がり Oris と2トップを組んだり2列目右に回り Edinho をトップに上がらせたりして長身の Oris にハイボールを当ててそのこぼれ球をから攻撃に転じようとしてきた。そしてレッズの両サイドを右が李承、左を朴源載がばんばん突いて来た。 38分加藤が蹴ったゴールキックを長身の Oris が体に当てて跳ね返ったボールがあわやゴールインとなりそうになった。リードしているレッズが余裕無い様に見られた。
終了間際に啓太が粘ってシュートに持ち込んだけどゴールには至らず。レッズリードのまま前半が終わった。しかしチャンスがありながら追加点が奪えなかったこと、そして前半の終盤は結構押し込まれたことが気になった。



ハーフタイムを利用して気温が低くなってきたのでアンダーフリース、日本語でズボン下?股引?パッチ?を履きにトイレに行った。そしてトイレから出た後に何人かの人がラーメンを楽しんでいた。こういう時は温かいラーメンはありがたい。海外のスタジアムではお目にかかれない。第一特に欧州人はビール売り場に殺到し並ぶということをしない。




日本のスタジアムの良い所を見た好印象に浸りながら席に戻ると今度は物々しい雰囲気が。 私が座っていたところはアウェーサポーターズシートとの境界線近く。緩衝地帯が設けられているが数人の日本人サポーターが現代サポーター達に何か叫んでいる。そのうちに2人が柵を乗り越えて現代サポーター席に乱入しようとしているのを警備員数人が押し留めていた。 日本人たちは口々に”竹島を返せ!””盗んだ仏像返せ”とか叫んでいる。さらには”韓国女はブスばかりなんだよ!”とも叫んでいた。 10人ほどの現代サポーター達もこちらにやってきて何やら叫んでいる。向こうの方も警備員達が着席するようになだめられていた。 現代サポーターのうち一人がレッズのマフラーに何やらしようとしていたがその行為は試合中からあったらしくどうもそれが発火点になったみたいだった。
日本人達は”俺たちが韓国に行ったときはもっとひどくやられているんだ!”と警備員達につっかかっていた。中にはいきなり煙草を吸いだす輩も。 警備員は大変紳士的にしかし強力に彼らを押し留めいていた。 これがドイツあたりだと体重100㎏は下らない屈強な警備員が出て来て本当につまみ出されていただろう。 こういう光景も日本的なのか?
私も日韓関係に就いては竹島は日本固有の領土と信じているし従軍慰安婦なんて韓国側と日本共産主義のでっち上げと確信している。更に対馬から盗まれた仏像をユネスコ憲章に反して韓国の高等裁判所が日本に返還しないのは(ただこういう返還されないのは対馬の仏像だけでなくもっとたくさんある。) 許せない事だと怒っている。
しかしそれはここでは議論すべきじゃないと思う。ただ現代サポーターの行為もいただけないなぁ。 それだけにこの試合はレッズに勝って欲しかったんだけど….




後半レッズは交代選手がなく現代ベンチはCB Wilkinsonを下げて⑳李東國を投入し Oris のやや後方に置いた。そしてアンカーだった鄭仁煥がCBに入った。50分にレッズは平川からのクロスに原口が飛び込むがやや合わずに逆サイドに流れ関口からの折り返しを柏木が放ったがゴール枠は捉えられなかった。そしてこのシーン以外は後半開始から現代が常に前半の終盤の流れのまま押しまくっていた。51分37秒、浦和ゴール前やや右でFKを得た現代はそのFKから李承がノートラップで合わせて放ったショットがそのままレッズゴールに飛び込み同点とされてしまった。 ゴールが決まった時はあまりにも静かだったので現代サポーターたちでさえすぐにわからなかった。





以降も主導権を握るのは全北現代。 李東國が入ったことにより前線の収めどころが増えレッズDF陣は常に後手を踏むようになった。同点にされた直後にも Eninho にドリブルでシュートに持ち込まれるも何とかストップ。55分には3連続CKとされ最後はGK加藤がナイスセーブで防ぐ。 58分には槙野が上がった後方をカウンターで突かれる。 
これは逆転ゴールも時間の問題かと思われた64分、またも自軍ゴール前でFKを現代に与えるとそのFKから中央から李東國が飛び込みそのままゴールを割られてしまった。さすがベテラン現役韓国代表FWと思わされた。



しかし李承のゴールと言いセットプレーのマークが甘いなぁと思った。 逆転を許したレッズベンチは今シーズン初出場の坪井を下げて興梠を入れトップに入れリシャルデスと原口が2列目に。そうなると坪井のところには啓太か平川か誰が入るのか…と思っていると現代の方がサイド攻撃の起点となっていた李承を下げてくれた。 そして投入されたのは2009-11 AEK Athens でプレーしたブラジル人選手⑩ Leonardだった。
69分、かつて名古屋でプレーした元代表の金正友が中に入れると一旦はDFが跳ね返すがこぼれ球を拾われ前線に走り込んだ Oris にスルーパスが通るがここは那須が何とかシュートを撃たせない。 何とか3ゴール目は防いでくれよと思ったその直後、右サイドから浦和ゴールに向かって放り込まれた Eninho の弾道がそのままゴールに吸い込まれてしまった。 GK加藤のポジションをしっかり見ていてのロングシュートだった。 目の前で3連続ゴールを見せられたレッズサポーター達にとってまさに悪夢のとどめのゴールだった。 そしてその度に数では圧倒的に少ない現代サポーター達の歓声がスタジアムに響いた。





71分関口が下がり宇賀神が入ったが以降もなかなかゴール前にパスが入らず現代選手達の球際の強さが目立った。 相手を止めるときは激しくタフに。そして時折ファールを貰う為に倒れたり。
79分権純泰からのゴールキックをトラップし損ねたところを原口が見逃さず拾い上げそのままドリブルシュートを放ったがここはGK権純泰がナイスセーブ。 このシーンが後半唯一レッズサポーターを沸かせたシーンだった。 この直後に原口はベンチに下がり梅崎が投入された。 後半に入りレッズの攻撃は原口のドリブルとリシャルデスのボールキープが頼りだった。 そのリシャルデスも次第にマークが二重、三重に付かれるようになりボールを上手く出せなくなってきた。 そして2点差の余裕からか現代はDFラインをしっかりと上げて全体をコンパクトに保ち常に数的優位を創っていた。それでなくても一歩の出だしが早くレッズイレブンはボールをなかなかコントロール出来なかった。
ロスタイムに入りCKのチャンスを得たレッズは槙野が飛び込むがクロスバーを越えてしまい、スコアーは変わらずタイムアップとなった。



立ち上がりの時間に追加点が決まっていればもっと異なった結果になったかもしれないけど、現在Jリーグで2位を走るレッズが地元での完敗であった。永田の負傷欠場は大きかったかもしれないけどちょっとJリーグのレベルが….と思わせられる試合内容と結果だった。
韓国の選手が試合後“ K-League Classic では観客が2万人も入る試合は稀だ。大観衆の前でプレー出来る事がモチベーションとなる。”と語っていたらしい。 ホームアドヴァンテージを逆にモチベーションにされたなぁ。そういえばオーストラリアの選手もレッズは毎試合4万人の観衆のスタジアムでプレーするのか?と羨ましがっていたのを覚えているけど。



この試合の3日後雨の中のさいたまスタジアム。レッズは磐田を相手に終了直前原口のドルブルシュートで試合を制した。これで生き返るかと思っていたけどその3日後、アウェーでの全北現代戦では終了直前に徐相民に同点ゴールを許し2点リードを守れず
勝点3を奪えなかった。この結果ACLでは非常に苦しい立場になった。 次の広州恒大戦はどうしようか?だけど広州は一見の価値のあるチーム。このチームを見るのを主目的としてさいたまスタジアムに出掛けようか…と思っている。



浦和レッズ:(4-5-1)18-加藤;2-坪井(66’30-興梠)、4-那須、5-槙野、8-柏木;10-リシャルデス、11-関口(70’3-宇賀神)、13-鈴木啓太、14-平川、22-阿部;24-原口(80’7-梅崎)

全北現代 :(4-5-1)1-権純泰;5-鄭仁煥、7-徐相民、18- Wilkinson (46’20-李東國)、19-朴源載;8- Edinho(73’4-金相植)、11-李承(67’10-Leonardo)、14-金正友、15-鄭赫、17-林遥煥;9-Kevin Oris



ワールドカップ出場決定はお預け。心配はしていないけれど….. Jordan 2-1 Japan 26th March 2013

2013-04-07 | FIFA World Cup
ヨルダン戦キックオフの数時間前。シドニーで行われたオーストラリア対オマーン戦は何とかオーストラリアが引き分けた。
この試合を見ていて思ったのは最近は便利な WEB SITE があるなぁと言う事と日本のマスコミは既にワールドカップ出場が決まったみたいな雰囲気に溢れていたけど。ヨルダンイレブンが俄然元気になったんじゃないかなという危惧だった。 
この時はまだその不安が的中するとは思えなかったが…….

ヨルダンは弱くない。さいたまスタジアムで 6-0 で勝ったからと言ってそれが額面通りの実力差ではない。アンマンでは Socceroos は敗れているんだ….. 知人友人には言い続けていた。それにアブドゥッラー国王というサッカー好きの国王もいる….( あまり関係ないか )

日本のスタメンは怪我で招集できなかった本田と長友以外は全員昨年6月さいたまスタジアムのスタメンと同じメンバー。長友の替わり左SBには酒井高徳が。そして香川がトップ下に入り清武が2列目左に。そして岡崎が右に配置された。



一方のヨルダンはそして日本でもなじみのGK Amer Shafi をはじめ8選手が6月の日本戦と同じであったが替わったメンバーのうち2人は日本戦の6失点が効いたのか DF 。CB ⑧ Mustafa Hassan Ali , 右SB 23. Oday Zahran 。そしてボランチの ⑮Shadi Abu Hashhash が6月の試合には出てこなかった。 
この日のスタメンは直前のベラルーシとの練習試合と同じスタメン。更に2月に行われた Asian Cup 予選のシンガポール戦
のスタメン10人が日本戦でもスタメン起用されたがCB ⑲ Anas Bani Yaseen, ⑯ Basem Fathi を含めたDF陣は4人ともシンガポール戦、ベラルーシ戦ではスタメン起用された。 日本の真剣勝負は昨年11月のワールドカップ予選のオマーン戦以来で、その間ヨルダンは12月に西アジア選手権2試合 ( 0-1 Iraq, 1-2 Syria ) 、Asian Cup 予選1試合 ( 4-0 Singapore ) と“刺激”が入っており、今から考えればその差も試合結果に少なからず影響したと思う。



コイントスで勝ったヨルダンが陣地をとったので日本のキックオフで始まった試合は日本がヨルダンゴールに迫る。45秒、1分38秒には香川が縦へのドリブルでヨルダンPA内に迫る。 3分には前田と香川で左サイドを崩し中に入れるがここは⑥ Saeed Murjan がクリアー。この試合の日本は⑱前田、⑦遠藤そして⑮今野が開幕したばかりのJリーグ所属。試合勘が気になると思った。しかし前田は左右に流れて攻撃の起点となっていた。 
3分40秒には香川と清武のパス交換で左サイドを突破。最後はPA内に切れ込んだ清武が香川に戻し香川がシュートを放つもGK Amer Shafi の正面に。 ここは清武がそのまま撃ってもよかったか….
5分44秒には岡崎と内田で右サイドを崩しゴール前に上げると清武を通り越したその先に香川が飛び込むがまたも Amer Shafi にパンチでクリアーされた。 立ち上がりの日本はセカンドボールをよく拾っていたのでヨルダンは後方に選手を集めざるを得なくなり前線の選手が孤立気味だった。
10分41秒ようやく左サイドを上がった⑨ Odi Al Saify が中に入れ⑦ Ameed Deeb が⑰長谷部と競りながらシュートを放つが大きく外れた。だがさすがホームのヨルダン。この時は大歓声があがった。 6月の日本戦では⑩ Ahmed Hayell Ibrahim が1トップでたまにトップ下に置かれたThaer Bawab が上がって2トップを組んでいたが後半に Anas Hijah と替わって下げられた。 6月の日本戦では2列目左だった⑦ Ameed Deeb がこの試合ではトップ下に入り2列目左だった Odi Al Saify が右に入り2列目左には日本戦ではSBだった⑬ Khalil Zaid Banuateyah が入っていた。 
14分3秒。日本は決定的なチャンスを逸する。 遠藤からボールを受けた逆サイドの清武がクロスを上げると前田がフリーでヘッドを放つが GK Amer Shafi がナイスセーブでストップしてしまった。 ここは決めてほしいと思ったけど、 Amer Shafi は以降の流れを暗示するかのようにこの試合当たっていると思わされた。



15分を過ぎるとヨルダンの⑨Al Saify がドリブルで左サイドを上がってくるようになってきた。15分49秒には内田をかわしてシュートに持ち込むれGK川島が何とかストップ。 その後のCKから⑦ Ameed Deeb ⑩ Ahmed Hayell につながれるが最後は吉田がクリアー。 24分にはまたも ⑨ Al Saify が中央からドリブルシュートを放ち川島が右に倒れてストップ。 6月の日本戦ではあまり目立った動きはなかったけどこの試合は左サイドに回ったせいかサイドをどんどんドリブルで突いてきていた。
しかしゴール前への運びは日本が1枚上手と思わせられる。 19分41秒、遠藤からボールを受けた岡崎が前田を越えて清武に送る。Oday Zahran と競りながら清武が放ったショットはGK Amed Shafi の正面に。 22分38秒には岡崎からオーバーラップした内田に渡り中の長谷部にもどし前線に浮き球を上げるとオフサイドラインをうまく突破した前田が完全にフリーでヘッドを放つがポストを叩いてしまう。 あぁこれが決まっていれば~と今でも思わされる練習でも来ないような素晴らしいロビングだった。 
23分頃になると長谷部が前に出るようになってきた。 そして香川のドリブルが目立ちだす。 35分香川はドリブルで相手PA内に切れ込み⑲ Bani Yaseen をかわし次はシュートと思った瞬間に Oday Zahran に倒されこぼれ球を拾った長谷部がそのままシュートを放つがクロスバーを大きく越えた。PKを取ってくれてもよかったと思ったんだけど…
劣勢のヨルダンベンチは右SB Oday Zahrem を早々と下げて⑤ Adanan Adous Suleiman を投入する。 Adous Suleiman はシンガポール戦、ベラルーシ戦では後半から途中出場で起用された選手。この試合では前半からの出場となった。
38分岡崎が ⑨ Al Saify を倒してFKを与える。テレビに映し出された川島に緑色のレーザー光線が当たっているのがわかる。未だにまだこんなことをするのか、と思う。こういう行為にFIFAは罰則を与えないのかな?



46分これで前半ラストプレーというところでヨルダンがCKを得る。なんだか嫌な予感がするなか⑦ Ameed Deeb が入れたクロスに遠藤と岡崎の間に割って入った⑬ Zaid Baniateyah が放ったヘッドが川島を破って日本ゴールネットに突き刺さってしまった。 





最後のワンプレー。痛い時間の失点であったが後ろから入ってくる Baniateyah には誰もマークが付いていなかった。日本は最終予選で初めて先制ゴールを許した。 しかしこの時はまだそれほど…と思っていた。良いハンディになると思った。

後半、まず日本はどの時間で同点ゴールが決まるか…と思いながら見ていた。56分には内田から香川に渡りその後のこぼれ球を岡崎が放つがGK Amer Shafi がまたもストップ。 57分には内田が⑧ Hasam Ali と競り合いながらクロスを入れるがここも Amer Shafi がキャッチ。 ヨルダンDFは前田にボールが入った時の寄りが早くなっているように思えた。
そして60分、清武から酒井高徳に渡ったところを⑦ Ameed Deeb が当たりに行きボールを奪取。そして粘って⑩ Ahmed Hayell に渡ると Ahmed Hayell は力強いドリブルで右サイドを突破。マークに入った吉田も振り切り必死に戻る高徳がマークに入る前に放ったショットが日本ゴールに決められ追加点を奪われてしまった。





高徳がボールを奪われたのは仕方ないにしてもAhmed Hayell にマークに入るよりも吉田が振り切られた時のカバーを予想して中を埋めに行ってほしかった。
それにしても試合開始から時折見せる Ahmed Hayell, Odai Al Saify の両選手の力強いドリブルは驚異だったけどついに得点に結び付けられてしまった。ワールドカップ予選で2点差を付けられたのは1993年、ドーハでのワールドカップ予選のイラン戦以来だった。 
2点を追う日本ベンチは長身のハーフナーをアップさせる。 前田とツィンタワーを組むのかな?と思ったけど64分に前田を下げてワントップを替えただけだった。 ヨルダンはボランチの2人そしてトップ下の Ameed Deeb も下がり気味になり、攻撃時には2列目の両サイドが一気にフォローにはいるという守備的な位置取りとなる。それでなくても前半からヨルダン選手の球際の強さが目立っていたけど…ただ67分何故ヨルダンベンチは⑨ Al Saify を下げて⑭ Abdallah Deeb Salim を入れたのだろう…
67分には清武と岡崎のポジションを入れ替えた。それが功を奏したか69分、中央を上がった長谷部が右サイドの清武に送りワンタッチで清武は中に浮かし玉を送ると香川がうまくトラップしてBani Yaseen のマークをかわして放ったショットが決まり1点差となった。 この一連の動きは見事。そして香川はトップ下よりもボールを受ける側の方がいいと思った。



そして早い時間に1点差になったので少なくとも勝点1は手に入ったなと思った。
そしてその直後に清武からスルーパスを受けた内田が一気にドリブルでPA内に突破してきたところを振り切られた Abdallah Deeb が後ろから入ったチャージで倒されるとイラン人の Faghani Alireza 主審はすかさずペナルティースポットを指した。
よしこれで同点、そして逆転と胸算用した。 ボールを拾った遠藤に Bani Yaseen が寄ってタッチをする何を話したんだろう?そして遠藤の顔に緑色のレーザーポイントが当たるのが分かる。



GK Amer Shafi はアジアでも屈指のGKで日本のマスコミは2004年の Asian Cup のPK戦で立ちはだかったというけどあの時は俊輔も三都主もぬかるんだピッチに脚を取られただけで Amer Shafi のセーブで止められたわけではなかった。 この試合では素晴らしいセーブを連発していたけど。
しかし遠藤の蹴ったPKを左に飛んで弾き出してしまった。これは1年に1度出来るかどうかのファインセーブだったと思った。大歓声がわき上がる。







そしてCKはハーフナーが落とし今野が放ったショットが左にこぼれフリーの吉田が倒れ込んでボレーを放ったがゴール枠を外れてしまう。吉田はトラップしてもよくはなかったか…..
死の淵から蘇ったヨルダンイレブンはこれで一気に元気になった。 74分にはFKから Ahmed Hayell が吉田と競りながらシュート放ち川島が弾き出しそのこぼれ球を Abdallah Deeb が拾いに走るが先に高徳が蹴りだす。76分50秒には内田と競り合った⑯ Basem Fathi がCKを勝ち取り、観客をあおる。しかしそのCKにPA内に入ったヨルダンの選手は2,3人だった。
78分日本ベンチは高徳を下げて駒野を入れる。 2点目の原因を創ってしまった高徳であったが前半の中盤からは積極的に上がるシーンも見られた。しかしその裏を突かれることもあった。 所属先の Stuttgart ではサイドをこんなにスピーディーに上がったり下がったりしないだろうなぁとも思った。
駒野はよくサイドを突破し効果的なクロスを送っていたけど標的になるハーフナーは落とすばかりでなくゴールを狙ってもよくはなかったか?



85分30秒、3人目の交替選手、乾が清武に替わってピッチに入る。 ドリブルでPA内に切り込んでくれと願うけど、カナダ戦の様に憲剛を入れても…と思った。 
日本はハーフナーに当ててそのこぼれ球を狙ったり、乾、香川がドリブルで突破したりして何度もヨルダンゴールに迫る。89分には波状攻撃を見せるが最後は乾が厳しいマークにシュートが打てない。その直後の岡崎のシュートは長谷部に当たってしまう。91分54秒、駒野のクロスはわずかに香川に合わず、その直後の遠藤の入れたCKに吉田、ハーフナーが飛び込むがシュートに持ち込めない。 そして4分あったロスタイムが終わっても得点は生まれずタイムアップのホイッスルが鳴り日本のワールドカップ出場決定は先送りとなった……

選手達は油断はなかったと思うけどホームでオーストラリアを破る実力は半端じゃなかったということか?もし11月のアウェー戦がオマーン戦でなくヨルダン戦だったら….と思うとぞっとした。

この勝利でワールドカップ出場が現実的となって来たヨルダン選手達は大喜びだった。 何故国王は来ていないのだろう?おそらくここは国王の安全を保障できるVIPルームはないではないかな…. だから警備上の理由で来ていないのか?それとも一般人に変装して紛れ込んでいるのかも。 小泉首相(当時)を自らの運転で出迎えたり市民の生の声を訊くのに一般人に変装してタクシーに乗り込む国王だから…..



試合後ずいぶんザッケローニ監督が興奮していた。後でわかったことだけど香川と無理やりユニフォーム交換をした Odi Al Saify がそのユニフォームを勝利の獲物とばかりに観客に掲げて首切りのポーズまでしたらしい。 この選手良いプレーしていたのになぁ~……



この試合結果、もっともがっかりしたのはオーストラリアだろう。 6月4日さいたまスタジアムでの日本戦は絶対に負けられなくなってきた。 残り2試合で勝点1が必要な日本の断然有利は変わらないけど、もしオーストラリア戦で….と思うと高みの見物….という余裕もないと思う。 次は本田か長友のどちらかは復帰してほしいと思った。

そして6月4日。何とかしてチケット手に入らないかな…