Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

西川は大丈夫。柿谷、蛍そしてフォルランは…. 浦和レッズ 1-0 セレッソ大阪  17.05.2014

2014-05-25 | 京都サンガ J-League
シーズン開幕前にJ1リーグの日程が発表された時にこの試合を見に行こうと決めた。“ワールドカップ休み”に入る直前のリーグ戦の試合。もうワールドカップメンバーは決まっている。恐らく柿谷は入るだろう。それからフォルランも…..
そして発表されたメンバーには山口蛍も入っていた。
レッズからはGK西川が選出された。彼のポジションは第2GKか第3GKか?
原口は残念だったけど、もっと残念だったのはかつてレッズでプレーした細貝が漏れた事。 
青山が選ばれたけど、北京五輪と反対の結果となった。 だけど細貝が何故選ばれなかったのだろう? 
専門誌によると長谷部の状態が完全で無い為とか、細貝が入ると4目のボランチ選手で攻撃的な選手が遠藤のみになってしまうからとか述べられていたけど。世界の列強相手では守備偏重でも良い様な気もしたけど。
だけど代表の主将長谷部はかつてのレッズの中心選手だ。

レッズ対セレッソ。 その前身はレッズは三菱重工でセレッソはヤンマーディーゼル。 ヤンマー対三菱と何て言うと70年代を知る私らの世代はすぐにゴールデンカードと思いつく。 天皇杯を始め、当時数少ないサッカーのテレビ中継の中でこの試合が放映されるとすごく嬉しかったのを覚えている。
ヤンマーにはあの御大、釜本がいた。そしてネルソン吉村、ジョージ小林、今村、阿部・・・・三菱には杉山が。彼の引退試合となった天皇杯決勝戦はテレビでみた。それから落合、森、大仁。GKは横山。その後に田口…。
今、さいたまスタジアムの様な素晴らしいスタジアムでリーグ戦で50,000人以上の観客が集う様になったけど、それは金も貰えない低迷していた日本リーグ時代にプレーをしてサッカー界を支えて先人の積み重ねのおかげだ、って言っても古い奴だと思われるだけか・・・・



出張帰り後の初週末。朝から体が重かったが5月晴れのスポーツ観戦日和。だけど風がやや強く、さいたまスタジアムに向かう自転車のペダルを漕ぐのに苦労する。 おかげで競技場に着いた時はスタメン発表が終わったキックオフ5分前だった。 そして着席したの Main Upper A席はピッチ上の選手が豆粒程にしか見えないところだった。
この前、愛するサンガを観戦した三ツ沢とは大違い。同じ入場料金なのに。これこそ大スタジアムの泣き所。チケット購入時に座席の場所を確認できないかなぁ~。 いつもそう思うんだなぁ~。

ここでの観戦は今シーズン2回目。レッズのスタメンは前節大宮戦ではスタメンだった平川に替わって中盤右サイドに梅を起用。 レッズは前節から柏木をボランチから前のポジションに上げて原口とトップ下を組み、青木が阿部とボランチを組んでいた。
一方セレッソ大阪は前節5月10日の仙台戦にはその4日前にACLで広州恒大戦で大敗した時に採用した5バックシステムから 4-4-2 に戻して臨んだが 0-1 で敗れ、このレッズ戦には5月13日のACL広州恒大戦と同じ3バックのフォーメーション。ただアウェーの広州恒大戦は柿谷、南野はベンチスタートだったのを始め浦和戦でもスタメンだったのはGKキムジンヒュン、DF藤本、山下の3人だけでフォルランは広州に帯同をしていなかった。

最終ラインを山下、藤本、ゴイコ・カチャルの3バックにフォーメーションを替えて臨んできた。そしてボランチにはワールドカップメンバーの山口蛍と攻撃的なポジションに置かれる長谷川アーリアジャスールが起用され扇原はベンチスタート。 仙台戦ではサイドバックだった酒本(右)、丸橋(左)が中盤に。 前線はフォルランがワントップに入り、柿谷と南野がトップ下に入った。 ポポヴィッチ監督の苦悩がわかる。これが2位にレッズと10位のセレッソとの違いか……
それとも5月6日から12日間で広州遠征を含めた4試合に臨む為のローテーションか・・・・



4日前の広州戦では昨シーズンまで愛するサンガでプレーした安藤淳がスタメンだった。浦和戦はベンチスタートだったけど途中出場を期待した。

レッズのキックオフで始まった試合は立ち上がりから地元の浦和レッズがボールを繋いでセレッソゴールに迫るシーンが続く。
セレッソはこの選手達でこのフォーメーションを試すのは慣れていないせいかボールが繋がらない。 期待のフォルランは那須が厳しくマークする、4分40秒にはフォルランのマークに後方から着いた那須が倒されてホイッスルが鳴る。するとフォルランは倒れている那須をまたいで何やら那須に言葉を“浴びせる。” 
9分13秒には梅から受けた柏木が梅に戻し、梅はシュートに持ち込むがGKキムジンヒュンが左に倒れ込んでキャッチ。11分22秒には阿部の浮き球の縦パスに梅がフリーで抜け出すがシュートは撃てなかった。
13分8秒、ゴールキックをトラップした柿谷から原口がかっさらいそのままドリブルで前に上がる。 昨年東アジア選手権の韓国戦で2ゴールを挙げて一躍代表入りを確実にしたが、決勝ゴールは原口が左サイドを切り裂いて放ったドリブルシュートのこぼれ球を柿谷が蹴り込んだシュート。息子は今でもあの得点の7割は原口のものだと今でも信じている。
その原口は14分にも槙野とのパス交換からシュートを放つがポストの右に外れて行った。 期待はそれほどしていなかったけど原口とて“ロンドン五輪世代”の大迫や柿谷そして斎藤学がワールドカップメンバー入りし、心中燃えないわけがないだろう。7か月後の Asian Cup では豊田陽平と共に代表メンバー入りして欲しい。



15分、丸橋からフォルランにパスが通りドリブルを始めるとレッズサポーターからは一斉にブーイングが。そしてそのドリブルを阿部がストップすると更なるボルテージで大歓声が上がる。 その1分後にはフォルランのポストプレーから柿谷が強烈なミドルを放つが槙野に当たってゴールには至らない。21分今度は南野がドリブルで上がって来るが阿部がストップし逆に阿部が大歓声を背に受けてドリブルで上る。 22分53秒には丸橋から南野にパスが通るがここは森脇がマークに着く。セレッソ期待の攻撃陣、フォルラン、柿谷、南野は立ち上がり厳しいマークに遭い思うようなプレーが出来なかった。
28分27秒、フォルランがまたも那須を倒すがこの時はフォルランは立ち上がった那須の肩に回した。
レッズは27分辺りから槙野が前線に顔を出すようになってきた。29分26秒にはワンタッチパスを繋いで左サイドを上がった槙野に。槙野はクロスを入れるが中央の興梠にも右サイドの梅にも合わなかった。
35分26秒、柿谷がドリブルで上がり右サイドに流れたフォルランに送るがタイミング合わずにボールが流れる。 するとまたレッズサポーターからは大歓声が上がった。 
セレッソは自慢の攻撃陣にそれからその間でのボール繋ぎが良くなかった。それだけレッズ中盤の出足が良かったという事か。
しかし36分を過ぎると長谷川が比較的高い位置を取るようになる。 攻撃力の高い長谷川が前に出て来た事でセレッソが高い位置でボールが回るようになった。




 
しかしレッズサポーターをひやりとさせるシーンは39分に右サイド酒本からのクロスを受けた丸橋がゴール前に迫った時くらいでそのまま両チーム無得点のまま前半が終わった。 レッズサポーターとしてはゴールが見られたはず・・・・と思う前半ではなかっか・・・・・

ハーフタイムに入るや否や、もっと見易い座席を求めて北側の方に向かった。
端の方に数席並びで空席があったのそちらに行きピッチに視線をやる。なかなかいい眺め~、ともったのも束の間席に座ると、目前には手すりがありそれがもろ後半のレッズゴール前の視界に入ることが分かった。それで空いていたのか・・・
まぁ全く見えないわけではなくさっきの最上段の方の見にくい位置よりはずっといいかと思い結局試合終了までそこで観戦する事とした。





後半開始直後は柿谷、南野がドリブルを見せる。52分にはフォルランのポストプレーから南野にボールが入るがマークが厳しくシュートに持ち込めない。
後半に入ってもセレッソはこの3人が頼りか・・・ 



レッズは原口のドリブルが目立つ。57分は柏木のシュートをお膳立てし、63分には興梠にチャンスを創る。どちらも得点にはならなかったがワールドカップ以降は是非代表入りして欲しいと期待する。



60分を過ぎると両チーム先制ゴールを求めて1対1の当たりが少しずつ厳しくなる。 61分には柏木が南野を倒すがノーホイッスル、62分には興梠がボールを受けたところを倒されたがこの興梠のポジションがオフサイドに取られてレッズサポーター達からは大ブーイングが起こる。 63分には原口が左サイドをドリブルで上がり中に入れるが興梠がゴイコ・カチャルと交錯して両者倒れる。しばらく試合が止まっている間に多くの選手が水分補給を。この日は気温が高かったからなぁ~。




65分今度は再び柿谷がドリブルで右サイドを上がる。そして逆サイドの南野に送り南野もドリブルからシュートを放つが惜しくもファーサイドを狙った弾道は右に外れる。
69分再び柿谷と南野でチャンスを創る。レッズのCKのこぼれ球を拾った柿谷が一気にドリブルで上がって来ると逆サイドの南野に振り、と南野も早いドリブルを見せる。そして森脇のマークを上手く外してシュートに持ち込むがそのショットはGK西川がパンチでストップ。 そのこぼれ球を繋いでフォルランに渡るがオフサイドのフラッグが上がった。



劣勢続きだったセレッソであったがこの連続のチャンスにセレッソサポーターは大いに沸き上がった。
この試合アウェー側の自由席は完売だった。セレ女達はたくさん詰めかけたのかな・・・

71分、先にレッズベンチが動く。 梅が下がって関根が投入された。南野がいるセレッソの左サイド対策か。



その1分後、レッズPAのすぐ外でボールを受けた柿谷を槙野が倒してホイッスルが鳴る。 セレッソサポーターからは大歓声だ。フォルランなら直接狙える距離。そのフォルランがボールをセットする間も槙野は主審に抗議をするが勿論判定は変わらない。西川が壁の位置を指示する。レッズサポーターからは “ Allez 西川~!”との声援が上がる。 



FK の弾道が良く見える位置に座っていたのでどんなFKになるかと私もセレッソサポーター同様じっと目を凝らすが、フォルランのFKは壁に当たってしまい、周囲のセレッソサポータたちの落胆の声が漏れて来た・・
フォルランは何やら抗議していたけど・・・・
75分レッズベンチは興梠を下げて李忠誠が投入される。 忠誠はスタメンの位置を勝ち取ったと思われたけど青木がボランチに入り、柏木が2列目に上がった事からまたベンチスタートとなってしまった。ここは結果を出したかったところだっただろう。




その直後右サイドからのスローインから酒本を経由して丸橋に渡るが今度はマークに入った森崎はシュートを撃たせなかった。

そして76分ついにスタジアムに大歓声が上がる。右サイドを関根がドリブルで上がり中に入れる、柏木が受けて再び関根に送ると酒本のマークを振り切った関根のファーサイドを狙ったドリブルシュートがGKキム・ジンヒョンの指先をかすめてセレッソゴールネットに突き刺さった。ユースから上がった若い関根の嬉しい初ゴールだった。
ゴール裏のレッズサポーター達を始め競技場内に大歓声が上がったけど私の周囲はセレッソサポーターが多かったので落胆の声の方がよく聞こえたけど・・・・







先制したレッズは80分に森脇から受けた忠誠が中に戻したところを柏木がシュートに持ち込むがクロスバーに当たって外に外れる。
81分ようやくセレッソベンチが動く。もう少し早くても良かったんじゃないかな?と電光掲示板を見るとなんと酒本に替わって投入されたのは昨年前愛するサンガでプレーをしていた安藤淳ではいか。
“よ~し!安藤!行けよ~!!” セレッソサポーターでもない私がこの日最も大きな声を出した瞬間だった。



今シーズンリーグ戦初登場だった。もっと早い時間に入れろよ、使わないんだったら京都に返せよ!と心の中で叫んだ。
安藤の位置はMFか・・・ポポヴィッチ監督、もう少し適性を見極めろよ。でも大学時代は攻撃的な役割もしていいたかな・・



セレッソベンチは82分には南野を下げて永井、83分には長谷川を下げて扇原を投入するがレッズが連続してチャンスを創る。81分、原口が柏木とのパス交換から山下がマークに入る前に放ったが惜しくもはずれ、83分にはFKから柏木がシュートを撃つ。 私の視線は安藤の動きばかりを追っていた。 さすがに入ったばかりとは言え、当たり負けはしていない。85分には上がって来る宇賀神を止める。宇賀神は倒れるがホイッスルは鳴らなかった。





88分過ぎからセレッソは最後の力を振り絞る様にフォルランと柿谷を中心にレッズゴールに迫る。 観客席で見ていてもフォルランにシュートレンジでボールが入ると何か決まりそうな気になる。
ストライカーは89分寝ていても最後の1分で数十センチのスペースで仕事をすればそれで良いと2002年ワールドカップ時にロナウドを称賛する海外の新聞の記事を思い出した。
連続して何本かのシュートがレッズゴールに飛ぶがそこに西川がたちはだかる。
最後はGK キムジンヒョンがCKのチャンスにゴール前に入って来てヘッドを放つがクロスバーをわずかに越える。 



そしてそのままタイムアップ。レッズは4試合連続で相手の攻撃を完封した。
柿谷はワールドカップ前にゴールを決めたかったんじゃないかな・・・・ 



試合後セレッソの選手達がサポーター席に挨拶に来る。少しのブーイングはあったけど概ね拍手と歓声で出向えられそして送られていった。 ワールドカップに出場する柿谷、蛍そしてフォルランへの期待だろうか・・・





電光掲示板には西川のインタビューが映し出される。俺もワールドカップメンバーだ。柿谷と山口だけじゃないんだ、と言わんばかりの表情だった。 




そして殊勲のゴールの関根が映し出されると更なる歓声が上がった。 



セレッソサポーター席には日の丸が掲げられた。 
ワールドカップメンバーに選出された西川に何かセレモニーは無いのかな・・・・ 16年前、1998年フランスワールドカップ直前のJ-Leagueのレッズの相手は愛する京都だった。 試合は京都の Vゴール負けだった。
そして試合後ワールドカップ合宿に旅立つ小野伸二と岡野が場内を一周した。サンガサポーター達からも期待の大歓声が二人に送られた。 まだ KAZU と北沢が外される前だった。あれから16年が経ったのか・・・・・



J1 League はしばらく休みとなる。 ワールドカップ初出場から16年。今大会はどうなるのだろう・・・
いつも思ってしまう。あのワールドカップもプロリーグも夢でしかなかった時代を。 
この幸せな時代。 いつまでも続いてくれると良いなぁ・・・・・・

どうなる今シーズンのサンガ  そして俺の体調… 湘南 3-0 京都 29.04. 2014

2014-05-05 | 京都サンガ J-League
帰りの電車の中でも咳は止まらない。というよりも更に酷くなってきた。
東海道線でしか頻繁には見られない4人掛けの向かい席には私以外は2人の乗客が座っている。
数十分に亘って咳が止まらない私を見る目が徐々に….私が同じ立場なら・・・・。
電車が川崎を過ぎて都内に入って来た。 これ以上はと思い席を立って扉付近に立ち、大きく伸びをした。少し身体が楽になった。
そして試合の事を振り返る余裕が出来た。 

最低だったなぁ~・・・・・・

昨年12月8日。 あの国立の悪夢。2013年 J1 昇格プレーオフから4ヵ月。
遂に連続4シーズン目のJ2を迎えてしまった。 本当に今シーズンこそJ1に抜け出さないとJ2が定住の地となってしまう。
すぐに降格しても良いから今シーズンこそJ1に昇格してくれないとなぁ~。 そう思うのは私だけでなくサンガサポーターの強い願いだ。
チーム得点王だった原一樹。そして何試合も主将を務めた安藤淳を初め昨年のメンバーから結構主力が抜けた。
チョンウヨンに倉本、中村佑哉、秋本倫孝。それにシーズン途中からは久保裕也。安藤はセレッソに移籍しても未だ出番が無いんだから京都に居てくれよ~とおもってしまう。
そうは言っても残ってくれた主力選手もけっこうタレントぞろいだ。 一番大きかったのはGK呉承訓が残ってくれた事だ。スンフンにとってはワールドカップメンバーの入れるかの大事なシーズンなのに….
バヤリッツァ、酒井隆介、福村貴幸、工藤浩平、そして山瀬、横谷、駒井そして宮吉も残ってくれた。ここに移籍組の有田、石櫃そしてかつての日本代表メンバー大黒がどうチーム力を上げてくれるか。 3シーズン続いた大木武体制から今シーズンは監督もブラジル人の Badu 新体制に変わりどういう戦術で勝ち点を重ねてくれるか…. と胸算用していた。

しかし蓋を開ければ勝ち点を伸ばせないもたつき。 開幕戦の北九州戦こそ昨シーズンまでサンガにいた原一樹のゴールで先制されるも3連続ゴールで幸先よく逆転勝ちを収めたが、以降湘南戦を前にまだ連勝が無く、第7節から3試合連続引き分けで第9節を終わって3勝5分1敗。首位湘南とは13も勝ち点差が付いていた。
その湘南は開幕から負けなしの連勝街道。その連勝をストップしてまだ早いけど首位戦線に留まって欲しいと思った。
自宅から平塚までは電車で2時間半近くかかる。だが休日パスを使ったので交通費は1000円近くは安くなった。
そして東京駅から東海道線までの1時間半近い時間を車中遠足気分でスーパーのとんかつ弁当で縁起を担いだ。
隣のご婦人たちは缶チューハイで盛り上がっていたけど。
窓の外は曇り空。天気が持てばいいんだけどなぁ~と案じた。

競技場に到着した時は小雨模様。 BMW平塚競技場は陸上競技の試合で来た事がある。(大昔だけど。)
サンガの試合を見に来たのはJ1最後のシーズンとなった 2010年以来4年振りだ。
だけどやっぱり見にくいなぁ~。 これで入場券が3000円かぁ~。 実はこの日の天候が心配で前売り券を買うのを見送ってしまった。そして試合当日、大雨になりそうにはないと判断し当日券を購入したのだ…..

サンガのスタメンは前節MFでスタメンだった山瀬に替わって60分から投入された横谷がそのままスタメン入りした以外は同じメンバー。 湘南は前節、3-1で勝利した横浜FC戦のスタメンから2列目左に岡田に替わって武富を、中盤右を亀川に替えて藤田をスタメン起用した。共に前節交代出場した選手がそのままスタメンに名を連ねた。岡田は前節の横浜FC戦ではゴールも決めていたんだけどなぁ~。




昨シーズンはJ1で戦った湘南だけどFWウェリントン、武富、大槻、MF菊池大介ボランチ永木そして3バックの中で遠藤と三竿の二人が昨シーズンJ1の厳しさを経験したメンバー。
第7節から千葉 ( 6-0 ) 大分 ( 4-0 ) そして横浜 ( 3-1 ) と“強豪”を連破。J1で戦う事は違うんだなぁ~と思わされた。
それが京都にどう通じるか…とも考えていたんだけどなぁ~。

雨脚がやや強くなる中、試合はサンガのキックオフで始まったが早々にホームの湘南がこちら側のサンガゴールに攻めこんでくる。4分35秒には武富がドリブルシュートに持ち込むがこれは外れてくれた。 
11分今度はバヤリッツァが相手選手を倒してPAのすぐ外側の左サイドと言う嫌な位置でFKを与える。
サインプレーから最後は藤田が直接狙うがポストの右に僅かに外れていく。 ちょっと危ないシュートだった。
サンガも立ち上がりは両サイド、左の比嘉、右の石櫃が高い位置を保つが前線へのパスがカットされて相手DFを慌てさせるシーンが作れない。 湘南の前への推進力とは差があるなぁ~と思った。
23分駒井の相手選手へのチャージがファールに取られてまた先程と同じ様な危ない位置のFKを与える。
その真後ろで我々サポーターが陣取っているのだけど、今度は丸山が直接狙い、その弾道は壁の左を巻いて左ポストをかすめる様に直接サンガゴールネットに突き刺さり先制点を奪われてしまった。




見事な弾道であったけど、FKを与えたのも湘南の早い前線への推進力をファールで止めざるを得なかったのが原因だった。
前節は引き分けだったけど完封されたのを考えればこの試合では先制点が欲しかったんだけどなぁ~。 
先制を許してもサンガの劣勢は変わらない。 失点直後にはウェリントンのスルーパスから大槻が正面からシュートを放つがここはスンフンが脚でストップ。  29分には工藤のタックルがファールそしてイエローと取られ与えたFKからウェリントンがヘッドを放つがここもスンフンが逆を取られながらも何とかキャッチ。 31分には左SB三竿に突破を許し、クロスを入れられるが戻ったバヤリッツァがカット。
相手PA近くにまで寄れずに劣勢が続くサンガは32分有田、33分横谷が連続してミドルを放つ。何とかこれをきっかけにリズムを掴んでくれと思うも36分には湘南がカウンター攻撃に移り縦パス1本が武富に通りサンガゴールに迫るがシュート態勢に入ったところを必死に戻った比嘉がタックルでストップ。42分にはまたも左サイドを突破し最後は三竿がシュートを放つ。
左SBの三竿は昨シーズン大卒で入団したけどリーグ戦での出場機会は無かったらしい。しかしこの試合では何度も攻め上がって来ていた。
湘南は攻守に亘り常に選手が一人余っている様に見えるほど運動量とポジショニングの良さを見せるのでサンガのDF、MF 陣は後手に回る。
何とかCBのバヤリッツァとGKスンフンで止めていたという感じが続いた。
サンガは大黒の裏への飛び出しだけが頼りだったがそこに寄せる選手が遅かったり、寄せてきた選手にはしっかりマークが付いておりシュートに持ち込めない。 



このまま前半は 1-0 で思った47分、我々に悪夢が襲う。 サイドチェンジから左サイドに渡り三竿が菊池との縦パスの交換からサイドを抜け出し入れたライナーのクロスに武富が走り込み合わせたヘッドがスンフンと左ポストの間の狭い隙間を破り追加点を決められてしまった。 酒井のマークが少し甘かったかなぁ・・・・
痛い時間の追加点だった。 これでサンガサポーター席は静まり返ってしまった。 そして私の咳もこのころから酷くなってきた… そして雨脚が強くなってきた・・・・



約1週間前に軽い風邪を引いてしまった。 熱は無かったけど咳が止まらない。昨年も同様の症状だったけど熱は上がったけど咳はすぐに止まったんだけどなぁ~。 声を出すたびに咳き込んでしまうので後半からは声を出せなかった。
こんな症状もサンガが後半巻き返してくれればそれで治るんだけどなぁ・・・・・と期待したんだけど。

サンガベンチはFW有田を下げて大黒と組む2トップの相方は三平となった。 宮吉はどうしたんだろう・・・・・
湘南のキックオフで始まった後半。 1分もしないうちにサンガゴール前に運ばれCKを献上する。 そのCKからあっさりと3点目を決められた。 ウェリントンが酒井、バヤリッツァのCBの前に入り込みうまく二人を抑えその前に走り込んだ遠藤にフリーでネアーサイドに叩きこまれてしまった。 目の前で見事な遠藤のヘッド見たベルマーレサポーター達からは大歓声が上がる。



あぁ~、J2の日程が発表された時から楽しみにしていたこの試合が・・・・2時間以上かけて見に来た試合が・・・・
雨の中ここまで咳き込みながら見てきた試合が・・・・・
この時点でサンガのこの試合の勝利はまず考えられなくなった。 

この失点で奮起したのかサンガは連続してシュートを放つ。49分40秒には駒井がミドルを放つがポストの右に外れ、その直後も三平からボールを受けた大黒がシュートに持ち込むがこれも外れて行く。
早い時間に1点を還してほしいとおもうのだけど・・・・・
63分湘南ベンチが動く。藤田に替わって宇佐美宏和が投入される。昨シーズンはJ1で9試合出場した経歴がある選手だ。
そしてほぼ同時にサンガもボランチのジャイロを下げて中山博貴が投入された。 これで中盤からの攻勢が厚くなりサンガが攻め込んでくるシーンが増えた。しかし湘南ゴールネットが本当に遠い。 65分11秒カウンターから大黒から受けた三平が放ったシュートはクロスバーを越え、72分50秒、今度は大黒がPA内に侵入して来るがシュートを撃てない。 76分には比嘉が左サイドを上がり中に入れた所を大黒がシュートに持ち込むもポストの右に外れ、78分には再び比嘉が入れたクロスに大黒がヘッドを放つがGK秋元がセーブ。 秋元を慌てさせたのはこのシーンだけだったのではないかな・・・・



一方3点差をつけている湘南ベンチは余裕だ。 72分には武富を下げて梶川諒大を78分にはウェリントンを下げて中村祐也を入れて徐々に守備を固める。中村は昨シーズンアキレス腱の断裂でシーズンを棒に振ったらしい。
向こう正面の湘南サポーター席からの歓声が良く聞こえる。
せめて1ゴールでも・・・・と思う気持ちもむなしくタイムアップのホイッスルが鳴った。
完封したGK秋元のガッツポーズが印象的だった・・・・・・



試合が終わりサンガの選手達が挨拶にやって来た。サポーター達からは怒号が飛び交う。こういう試合結果では・・・・・
Badu 監督には更なる不満の声が。 監督は暫くサポーター席を見つめていたけど球団職員に促されてベンチに戻って行った。こんな時でも前は“京都サンガ!”の歓声が沸いたのだけどこの試合だけは・・・・・・





咳は全く止まる気配無く、足早にバス乗り場に急いだ。そして列車に乗り込んだ。
4人席に最初に座り込み、3人の若者が座って来た。みなベルマーレグッズを持っている。
“あらら、完全アウェーになってしまったね。”と声を掛けるとうち一人はジェフのサポーターだったけど今住んでいるところが遠いのでこの日は平塚に観戦に来たとのことであった。
色々なJリーグの話に花が咲いた。 日本リーグ時代の話をしたら真剣に耳を傾けてくれた。俺も歳なんだなぁ~。
彼らと話しているときは咳はそれほどでなかった。彼らは戸塚でみな降車した。丁寧にあいさつをして。
そしてまた私の咳は止まらなくなった・・・・・・・

今も咳はまだ止まらない。あの医者で貰った咳止めはさっぱり効かない。本当はもっと深刻な病なのだろうか?

次節も湘南は水戸を相手に 1-0 で勝利を収めて連勝を11に伸ばした。
サンガは最下位の讃岐を 4-1 で破りやっと西京極で今シーズン初勝利を挙げた。終了間際に失点したことは頂けないけど。
次節横浜FC戦は今季初めての連勝を掛けて臨む。だけどそんなことよりも湘南、磐田と対等以上に戦えるチームにならないと・・・これだけは言える。今のサンガはJ1でプレーするに値しない。もし上がれても相手にされずに陥落する。

そして俺の咳も早く何とかしないとなぁ・・・・・


この試合が・・・・ 試合後で知ったよ 浦和 0-1 鳥栖 10.March 2014

2014-03-11 | 京都サンガ J-League
ようやく席に着いた時はキックオフ後だった。
この日は鳥栖サポーターの陣取るアウェー側で観戦した。さすがさいたまスタジアム。
良く見える。天気も良くて快適だ。 
すると左サイド、濱田から森崎への縦パスが弱く、森崎に届く前に安田がかっさらい、金民友に送ると金はヒールで安田に戻す。そのまま安田はサイドを突破し入れたクロスにファーサイドの豊田が高い打点から放ったヘッドがレッズゴールネットに突き刺さった。
ワールドカップメンバー入りを目指す豊田陽平の素晴らしい一発のヘッドだった。 
周囲の鳥栖サポーター達は一斉に立ち上がる。 そして Vamos Vamos ! 陽平!豊田陽平!!のチャントを始めた。








目の前で豪快なヘッドを決められたレッズサポーターにはこのゴール、どう映ったのだろう?
だけどマークに付いた永田が完全に振り切られていた。豊田で無くてもこれだけうまくマークを外してヘッドを放てばプロの選手だったら外す選手は皆無に等しかっただろう。 確かに安田のクロスも素晴らしかったけど。

この試合と言うよりもどうしても豊田陽平を見たかった。 北京五輪であれだけのパフォーマンスを見せながらチームメイトの代表での活躍ぶりを見せ付けられた豊田が最後のどれだけ意地を見せるか?それを見たかった。
昨夏、韓国で行われた東アジア選手権では柿谷に注目を奪われ、そのご大迫が台頭した豊田にとってJ-League で結果を残すことしかチャンスを見いだせないはずだった。しかしそれは正当なチャンスのはずだ。ザッケローニ代表監督がJ-League を平等に評価していれば。
鳥栖に今シーズンから加入した安田理大も北京五輪メンバーだ。先制ゴールは北京五輪メンバーで演出されたという事か。

先制ゴールを許したレッズはこの日、槙野、永田そして濱田の3バック。2列目左は平川でなくて森脇だった。怪我で離脱のリシャルデスがいない事もあり興梠がワントップで原口、梅がトップ下に入り宇賀神が2列目右。ボランチには阿部と柏木で鈴木啓太はベンチスタート。ホーム開幕戦を白星で飾りたいところであったが最も警戒すべき相手にまさに得意な形で失点を許してしまった。

同点ゴールを狙うレッズは森脇が結構起点になっていた。相対する安田が素晴らしい突破を試みるがそれをケアーしながらの起点であったのでこの日のスタメン起用には応えられたと思う。
ただ興梠に入ったあとの2列目の飛び出しやポジショニングがやや遅い気がした。 12分24秒はようやく原口が藤田がマークに入る前にシュートに持ち込むがここはGK林がナイスセーブで防ぐ。14分27秒には槙野が上がってきてミドルを放つ。
やはり槙野が上がらないとだめか? 24分、森脇が上げたクロスに梅がヘッドで合わせるが惜しくもポストの左に外れる。
25分原口がまたもドリブルシュートを放つが枠を外れる。でも見ていて原口の様なドリブルシュートは見ていて気持ちがいい。サッカー未経験者にとってはこういうシュートを見たい。
27分にはまたも森脇が上がり入れたクロスに原口が菊池と競りながら飛び込むがヒットしなかった。
先制ゴールを演出した安田は何度も素晴らしい上がりを見せていたいけど、レッズはその裏を狙っている様に見えた。元韓国代表の金民友ともう少し縦パスの交換に絡めばいいんだけどなぁ・・・・


32分には安田の上がった裏に森脇がロングフィードを出す。梅がそこにフリーで受けるはずがCB呂成海が手ではたき落としイエローカードを受ける。まぁ抜けていればそのままフリーで梅がシュートに持ち込んでいたかもしれないが。
35分には森脇がまたもクロスを入れるがここは菊池が興梠と激突しながらストップ。
攻めあぐむレッズは38分20秒前線に上がった柏木がスルーパスを出すが攻撃参加した槙野に惜しくも届かない。40分33秒には柏木から左サイドを上がった槙野に渡りクロスが入るがGK林が出て来てパンチで弾き出す。
前半終了間際の43分33秒には阿部が柏木に替わって上がるがここでも鳥栖DF陣に守りきられ前半が終わった。
鳥栖は先制後は殆ど守勢に回っていたのではないかな?それにしてもタフに守り切っていた。
だがレッズサポーター達は後半はゴールを大いに期待していたしそれに値するレッズの攻撃時間の長さだった。



鳥栖とレッズはある縁がある。 1997年2月、サガン鳥栖の前身となる鳥栖フューチャーズが破産しその受け皿チームとしてサガン鳥栖が発足。1997年シーズンは特別にJFLとナビスコ杯の参加が認められた。 そのナビスコ杯の初戦で浦和レッズと激突。鳥栖は見事に 0-0 で引き分け、専門誌は“サガン鳥栖。ここにあり!”と見出しを付けた。
佐賀県に発足したプロサッカーチームの存続の為に当時は5万人を越える署名が寄せられた。そしてサガン鳥栖が発足したのだけど、ナビスコ杯の初戦、浦和レッズ戦での健闘がなければ、もし大敗しておれば今の鳥栖はなかったのではないかな?と思っている。

レッズのキックオフで始まった後半。 開始早々早坂がドリブルで上がりCKを引き出す。そのCKから藤田がシュートを放つが惜しくも外れる。 どうも試合開始、再開直後はレッズのマークは甘いなぁ。
48分にはレッズがFKを得るがここはGK林がキャッチ。セットプレー時には阿部が上がって来るが豊田がマークに入る。
セットプレー時では豊田がマークに着いたり、攻撃時には阿部、槙野とマッチアップをしたりと迫力があった。 豊田のハイボールに対する守備意識の高さは東アジア選手権でも証明済だ。このあたりは代表入りへのアドヴァンテージにはならないか?
54分40秒、レッズベンチが動く。CB永田を下げてFW李忠誠を投入する。これで李がワントップになり興梠と原口がトップ下の左右に入り、梅が左MFに入り森脇がDFラインに入った。 そして守勢に入ると梅が右SBに入りレッズのDFが4バックになったように見えた。 



58分21秒、原口がフリーでシュートチャンスを迎えるが外してしまい、天を仰ぐ。 69分レッズベンチは2人目の交替選手、関口を投入し梅を下げる。




そして鳥栖も74分には池田を下げて元韓国学生代表の金敏赫を入れ、もう5バック態勢に入り、77分には金民友を下げて岡本を投入し守備の強化を図る。
現状を打開したいレッズは最後の交替選手、鈴木啓太を濱田に替えて投入する。誰をDFラインに入れるのかな・・・阿部かな・・・・
85分にはレッズは波状攻撃を見せ鳥栖ゴール前に迫るが豊田までがゴールライン付近に戻りゴールラインを割らせない。



87分17秒には早坂を下げて高橋を投入する。交替で下がった池田、早坂は攻守と言うよりも守備への切り替えが早かった。それだけ疲弊も早いのだろう。
89分、鳥栖ゴール前にボールが出て李が迫るがその前にGK林がキャッチ。 レッズサポーターの前に何度もレッズ攻撃陣が迫るがゴールラインを割ることは出来なかった。 



そしてタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。



その日の夜のニュースでの JAPANESE ONLY の件を知った。この試合、レッズサポーター席で観戦した息子に尋ねてみたけど全く気が付かなかったらしい。 そして息子が言うには“李忠誠のことじゃねぇ?”と言っていた。“忠誠は日本人だぞ。 Asian Cup のオーストラリア戦で決勝ゴールを決めただろ?”と言うと、どうもこの時はまだ李忠誠はレッズサポーター達には受け入れられておらず、この試合も途中で李忠誠が投入の為にピッチサイドに現れると周囲のサポーター達から“あぁ~これでこの試合はもう得点入らないや。”との声が漏れていたらしい。それとも今、レッズは外国人助っ人無でやっている、早く助っ人探せってことかな?と言っていた。
この時はそれほど重大な問題になるとは思っていなかった。
ただ民族問題は世界で席圧しており、根が浅かったらこんな横断幕くらいは問題にならなかったんじゃないか・・・と思う・・・・

今年もJ-Leagueが開幕した。ワールドカップイヤァーの今年はどんなドラマが待っているのだろう。

願わくは来シーズン、愛するサンガがここに登場する事を・・・・・



今年も無念の….. 徳島ヴォルティス 2-0 京都サンガ FC 8th December 2013

2013-12-11 | 京都サンガ J-League
目の前では白のユニフォームの選手達が狂喜乱舞している。向こう正面の徳島サポーター達の歓声が耳に障ってくる。
既にグラウンドコートを羽織っているサンガの選手達は遠目から見ても落胆振りは手に取るように解る。そして我々サンガサポーター達も声が出ない。悔しすぎて涙も出ない。 これが現実だ。受け入れなければ、自分に言い聞かせる。

“要するにJ2で優勝するか2位以内に入らなきゃJ1に上がれる資格は無いって事ですかね…..”
後方にいたサンガサポーターにこう語りかけて足早にその場を立ち去った。 “気をつけて京都に帰ってください。”こう付け足して。 こんな結果になるとはなぁ~。 まぁ完全に無いとは思わなかったけど…




4度目のJ2陥落から3シーズンが過ぎた。昨年の昇格プレーオフは悪夢以外の何物でもなかった。新たに制定された昇格プレーオフの制度を呪いに呪った。 今シーズン京都に“替わって昇格した”大分がダントツの最下位でJ2に舞い戻る様を見ると昨シーズンJ2で6位だったという実力通りの結果と思った。 2位の湘南もJ2に逆戻りするけど….

今年は違う、シーズン3位に終わったけどガンバ大阪、ヴィッセル神戸といったJ1常連チームとの直接対決も試合内容は悪くなかった。今年は絶対に昇格できると信じて昇格プレーオフに“臨んだ。” 
そして押されながらも長崎と引き分け決勝進出を決めた。 その試合内容には大いに不安を感じたけど….

来年から東京五輪に向けて改装工事にはいる国立競技場。私もここで公式戦に出場する機会に恵まれた。種目はサッカーではないけど。改装前の国立で最後にJリーグの公式戦で勝利を飾るのは愛するサンガだと期待していた。
サンガは怪我で戦列を離れていた主将の安藤淳が復帰し右SBに入り、長崎戦で久々復帰しそのポジションに入った酒井がバヤリッツァとCBを組んだ。安藤の復帰は嬉しかったけど長崎戦を完封したDFラインはそのままでも良くは無かったか?と思った。しかし染谷が怪我で戦列を離れたことは試合が終わってから知った。
中盤はかわらず。前線は長崎戦では怪我から復帰し途中出場だった駒井が三平に替わって2列目右に入った。

一方の長崎は第40節の岡山戦の勝利 ( 2-0 ) で連敗を3で止め、以降は全く同じスタメンで前の千葉戦まで4試合戦い、その間2勝2分。 京都との決勝戦は千葉戦で負傷したドウグラスに替わって誰を津田と組む2トップに持って来るのかと言うことであったが高崎にお鉢が回ってきた。高崎のスタメンはが第15節の岡山戦以来。
CBの千代反田、橋内は今季サンガ戦は初出場。両者の出場試合を調べると千代反田が13試合橋内が14試合だった。怪我でもしていたのか?それともシーズン最初は3バックを採用していたので出番が無かったのか?
サンガの方では山瀬、バヤリッツァそしてかつて徳島でプレーした倉貫がこの徳島戦初出場だった。



徳島のキックオフで始まった試合は開始直後こそ徳島がサンガゴール前に蹴りこんできたけど、長崎戦ではあれほど後手に回っていたサンガが以降は主導権を握り続ける。中盤でボールが良く回り徳島の選手がボールを取っても早いプレスで前に出させない。 
駒井、山瀬が効果的なドリブルを見せる。徳島はファールでストップをせざるを得ない。そのFKから更にチャンスを広げると言う良い流れが続く。



7分には工藤がミドルを放ち、8分には横谷が藤原に倒され得たFKにバヤリッツァと横谷が飛び込むがここはGK松井がキャッチ。 10分には工藤からボールを受けた駒井が右サイドを突破し中に入れるが走りこんだ横谷にわずかに合わない。13分、またも工藤から受けた駒井がドリブルで上がりCKを得る。そのCKに秋本がヘッドで合わせるがゴール枠は外れた。 14分には工藤からのチップキックパスが横谷に渡るがここはマークに入った千代反田がクリアー。
23分横谷がドリブル突破を見せ濱田、アレックスを交わすが最後にボールを受けた山瀬がシュートを撃つ前にファールを取られた26分、またまた徳島PA付近で得たFKを福村がゴール前に入れる。中には秋本、バヤリッツァ、安藤らが待つ。一旦高崎が跳ね返すがこぼれダマを拾ってつなぎ福村が中に入れる。バヤリッツァが柴崎と競るがボールは2人に当たらずこぼれたところに横谷と千代反田が競り合うがボールは収まらずゴール前にこぼれる。そこにバヤリッツァと千代反田が縺れ込むがFK松井が掬い上げた。 
29分、秋本が濱田に倒されまたもFKを得る。高崎がヘッドでクリアーするもこぼれ球を拾った秋本が倉貫に繋ぎ中に入れるがわずかに飛び込んだバヤリッツァに合わずに松井がキャッチ。 先制点になりそうな攻撃が続いた。



序盤は、まだ日が落ちていない国立のピッチの上で展開され続ける向こう側の徳島ゴール前の様相を楽しんだ。この時点ではまだまだ改装前の国立競技場での思い出を少し楽しむ余裕があった。





32分この試合初めて徳島がこちらのサンガゴール側に迫って来た。 左サイド前方に走り込んだ津田に一発ロングパスが入る。マークに入った安藤のマークをかわして中に切れ込み後ろから走り込んだ大崎に戻す。大崎が放ったショットはGK呉承訓の正面を突いた。 このプレーで早く先制ゴールを挙げないと少し心配になったけどこの直後からも試合は向こう側の徳島サポーターの前の徳島ゴール前で進行した。
33分には分厚い連続攻撃を見せ最後は工藤から受けた横谷がシュートに持ち込むが松井がキャッチ。 36分には工藤が柴崎に倒され得たFKから駒井に繋ぎ大崎、濱田をかわしドリブル突破を試みるが最後は橋内にクリアーされた。

攻め続けるがゴールを割れない展開に最低でも 0-0 のまま前半を終えられればと思うようになった39分、またも縦パス1本でサンガゴール前に徳島攻撃陣が迫りCKを得る。 ここで入れられたらまずいなぁ~。マークきちんとつけよ…と思うとアレックスが上げたCKに下反田がフリーで放ったヘッドがサンガゴールネットに突き刺さってしまった。 呉承訓の手に当たったのになぁ~マークをきちんとって思ったのになぁ~と天を仰いだ。 





リプレーを見ると下反田が津田が開けたスペースにうまく秋本のマークを振り切ってフリーになっていた。 倉貫がゴールカバーに入ったけど呉承訓のセーブの手がボールの角度を変えてヘッドでクリアーできなかった。
徳島サポーター達の歓声がこちらにも聞こえてくる。 失点後相手サポーターの歓声ほど耳障りなものは無いけど、この時点ではまだ取り返せる、同点ではサンガが昇格する。まだ大丈夫と思っていた。それに千葉との準決勝戦では先制後徳島はすぐに同点ゴールを許していた。

しかし悪夢がすぐに襲ってくるとは夢にも思わなかった。 3分後の42分。 右サイド後方、宮崎からのロングフィードが中央から前線に走り込む津田に渡るとそのままフリーで抜け出た津田が中央から慌てて戻った安藤のマークも追いつかずサンガゴールに蹴り込んで追加点を決められてしまった。









この追加点には我々も本当に言葉を失ってしまった。 それだけショックを与えるゴールだった。 宮崎からフィードが出された時に高崎の頭に当たって少しコースが変わりそのまま津田の足元にいい具合に収まった。そしてそのせいでオフサウドラインが一瞬掛け損なってしまい GK 呉承訓も前に出るタイミングを逸してしまった。 津田にはリーグ戦でも2試合とも1ゴールずつ決められている。 押しまくりながら縦パス1本が津田に入って失点を許す…. この試合と同じ様なやられかたで。
この2点目が最後まで重くのしかかった。

せめて1点差でハーフタイムに入ってくれないかなぁ。1985年10月26日の“メキシコの青い空の日韓戦”の様に。
しかしロスタイムに入って山瀬の折り返しに合わせた秋本のヘッドは力なく松井の掌に収まり前半が終わった。
徳島サポーター達からゴールを挙げた千代反田と津田のコールが鳴り響いていた。

両チームとも選手交替ないまま後半が始まった。 



何とか開始15分以内にまず1点を還してくれ、ベンチの原一樹、宮吉はいつ投入されるのかと思った。しかし京都のキックオフで始まった後半は開始早々、高崎がフリーで抜け出す。GK呉承訓と交錯して転倒するがホイッスルは鳴らずにほっと胸をなでおろす。 その後も柴崎がミドルを放つなど前半と異なり徳島が攻勢に出てくる。徳島は選手間がいい具合に距離を持ちミドルパスを効果的に使う。これはサンガのプレス、ショートパス対策か?
そしてアレックスが高い位置に張り出して来た。これは相対する工藤と駒井への対策か? またボランチの柴崎と濱田が高い位置に上がってくるので京都は前半の様に中盤でパスが思うようにつながらなくなっていた。そのせいか京都のパスが足元へ足元へとしか繋げなくなっていた。


 
しかし最初の交代カードを切ったのは徳島だった。58分FW高崎を下げて同じFWのドウグラスが投入された。リードしている方が大事な交代枠をFW選手同士の交代で使ってくれたのでここはラッキーと思った。 そして京都は安藤を2列目に上げて3バックにし中盤を倉貫、秋本、安藤、山瀬と並べ 3-4-3 の布陣にした。しかしその直後徳島はカウンター攻撃からドウグラスから大崎に繋がれ中に入れられたところを一旦は秋本がクリアーするが拾われて柴崎が津田とのパス交換から抜け出しシュートを放たれるがバヤリッツァがクリアーし追加点は阻止した。
なかなか主導権を握れないサンガは61分ようやく工藤のドリブル突破からカウンター攻撃にうつり山瀬のシュートを引き出す。これはGK松井がブロックしCKに逃れ、そのCKから秋本が折り返しバヤリッツァがヘッドで落とした所を倉貫が拾うがシュートは打てずにCKに逃れられた。このあたりからサンガがようやく主導権を奪い返しつつあった。
64分ようやくサンガベンチが動く。 山瀬と倉貫を下げて三平と原一樹の二人を替えた。 これで三平と原が2トップに入り横谷がトップ下に入った。 こうなると今度は徳島ベンチが2枚目の交代カードを切る。 MF宮崎を下げて那須川を入れて右SBに入れる。そしてアレックスがMFの位置に入って来た。これは安藤対策だろう。 更に75分には2点目を決めた津田が下がりかつてサンガで活躍した斉藤大介を投入し中盤を厚くする。こんな形で斉藤と再会するとは…..



その直後ドウグラスがこの試合初めて積極的にボールを持ち右サイドをあがった。酒井をかわして逆サイドに送るとそこに走り込んだのは濱田か、やられると思ったけが安藤が必死のカバーでシュートを撃たせなかった。
78分今度は酒井から徳島PA内にボールが送られるとそれにGK松井が釣り出された格好に。左に走り込んだ三平が松井のいないゴールに放つが藤原がヘッドでクリアー。 那須川もゴールを守っていた。 あぁ~と天を仰ぐ。 ゴール裏でアップを続けている宮吉に早く声が掛からないかと気になる。この試合、負ければ終わりだ。早く交替をと思うがベンチはなかなか動かない。 80分左サイドの三平が秋山から受けて原に送りゴール前に飛び込む秋山に入れるがその前にGK松井がキャッチ。





83分に酒井から駒井にスルーパスが送られるがタイミング合わずシュートに至らない。
85分、宮吉がベンチに呼ばれ安藤に替わってようやくピッチに送り出される。 もっと早い時間でもよくは無かったか?あぁこんな時久保裕也がいてくれれば….と無い物ねだりをしてしまう。
徳島DFはしっかりと高い位置をキープする。これも2点リードしている余裕か? 時間が刻一刻と無くなりその点差が重くのしかかる。 87分ようやく駒井がミドルを放つがGK松井はCKに逃れる。 もっと早い時間からミドルを打ち続ければ徳島DFは前に出て来たのに….と思っても仕方がなかったか…



CKになってもハイボールには長身の千代反田と橋内がしっかりと対応する。 89分47秒酒井からバヤリッツァにスルーが入るがここも焦りからかシュートが撃てない。 そしてロスタイムが3分と表示される。 あぁ2点差でなければなぁ~と心の底から思い、これで終わるのか~と視線を落としてしまった。 91分工藤から受けた原のシュートは勢い無くGK松井がキャッチ92分福村のロブに秋本と宮吉が飛び込むがここもGK松井が難なく掴む。 宮吉のシュートは下反田にクリアーされ、横谷のシュートはGK松井にまたも捕られる。

そしてすべてを終える村上主審のホイッスルが鳴り響いた。

今シーズン勝てなかった徳島にまた敗れた。これで昇格プレーオフ3戦ノーゴールとなってしまった。
あぁ~またJ2か…… 徳島のサポーター達が羨ましく思った....




12月10日 秋本、原、倉貫、中村裕哉、サヌの契約満了5選手とは契約更新しない旨の発表があった。
監督人事も含めて来シーズンのサンガはどんなチームになるのだろう。 またさいたまスタジアムでサンガの試合を観戦できる日が近いうちに来ることを願うよ。



こんなシーンをもう一度見たいな~…….



第一関門突破。 今年こそ... 京都サンガ 0-0 V・ファーレン長崎 1st December 2013

2013-12-07 | 京都サンガ J-League
時計は92分を回っていた。ロスタイムは2分強程度しか残っていなかった。後半に入っても長崎の猛攻は止まず、サンガは得意のショートパスを繋ぐどころではなかった。 長崎が今度は左サイドから攻め上がり下田が中に入れるがここはサンガDFがクリアー。それが横谷に入り長崎DFともつれて倒れるとそのこぼれ球を76分から出場の駒井が拾い脱兎のごとく中央からドリブルで長崎ゴールに向う。前にはボランチの岩間しかいない。センターラインを駆け抜ける。“行け!行け!シュートだ!シュートに持ち込め!”私はテレビ画面に向かって叫んだ。 すると左に三平がフリーで上がってきた。
“よし出せ!右に出せ!” しかし駒井は岩間を抜きにかかり、抜け出そうとしたところで転倒してしまった。明らかに抜かれた岩間が駒井に当たりに行っていた。 

“おい!何をするんや!レッドやろ!”と叫ぶ。佐藤主審がすかさずレッドカードを岩間に出す。 時間が惜しい岩間はそのまま一直線に自軍ベンチに走り去る。 高木監督をはじめ長崎の選手が岩間を握手で迎える。 そのまま駒井が抜け出してシュートに持ち込んでおれば試合を決めるゴールが決まっていたはずだ。 このファールは長崎サポーターなら誰もが受け入れるところだろう。
“あ~、何でフリーの三平にださへんかったんや~。” そうしたら試合は完全に終わっていたはずだった。

横谷がFKをセットするがもうバヤリッツァをはじめDF陣は上がってこない。 このまま終わってくれればサンガが翌週の国立決戦にコマを進めるのだ。 そのFKから長崎ゴール前の三平にボールが入るが三平はシュート打たずに右コーナーにボールを運んで時間を稼ぐ。そしてそこで三平が倒され京都がFKを得る。長崎としてはファールなしで止めたいところだろうが。そのFKからまたも三平がドリブルで時間を稼ぐ。 もう94分になろうかと言うところで下田がボールを奪い前線の古部に送るがその前に福村が落ち着いて跳ね返す。 そして94分3秒,佐藤主審のホイッスルが鳴り響き愛するサンガが昇格に向けての国立決戦進出を決めた。 フィールドに倒れこむ長崎の選手達。 この試合というよりも今シーズンのJ2の台風の目になっていたのは長崎だった。サンガはなかなか長崎より上の順位に上がれなかった。
だけどそんな事はどうでも良かった。 残ったのはサンガ。昇格への挑戦権をまだ渡さなかった。 まだこれで5試合勝試合にお目にかかれていないのは気になるけど……



昨年の悪夢のプレーオフ大分戦から1年が経った。第39節神戸戦 ( 0-0 ) 第40節ガンバ戦 ( 0-2 ) と“模擬テスト”を不本意な結果で終えた時点で3位が確定してしまった。そのせいか続く水戸 ( 1-2 ) そして最終節の栃木 ( 1-2 ) と連敗でプレーオフを迎える事となった。
自分の予想では準決勝戦はどこと言うよりもおそらく決勝は千葉との対戦と思っていた。だけどまさか千葉が最終戦の最下位鳥取戦であんなに苦戦するとは思わなかったし最終節で長崎との“直接対決”を制した徳島が4位に上がって来るとは40節を終えた時点では予想しなかった。
準決勝の相手は徳島や6位には入れなかったけど札幌、松本と言った順位を上げてきたチームよりも、6位に順位を落としたチームと対戦したいと願った。そして最後の2試合を連敗した長崎との対戦となった。
長崎なら…リーグ戦の直接対決は1勝1分だったからとと少し楽観したけどその試合内容はかなり拮抗していたらしく昨年は同じ九州の大分に惨敗を喫したことからちょっといやな予感も否めなかった……

準決勝戦は民放やNHK BS でも中継が無くこのワールドカップにも匹敵するくらい重要な試合をどうやって見ればいいかと思案していたら毎月最初の日曜はCSが無料放送をする日らしくスカチャンで見る事が出来た。本当にラッキー今日はついているぞ!と思ったけど同じことは長崎サポーターにも言えたのだった。
学生時代汗を流した思い出の西京極競技場(関係ないか?)は久々満員の12,387人の観衆が集まった。



サンガはリーグ戦終盤になって安藤淳を始め酒井、横谷、駒井ら主力選手が相次いで次々に怪我で離脱。
一体どうなるのかとまっ青になったけど長崎戦には横谷が復帰しワントップに入り、駒井もベンチに入った。そして酒井が久々35節の長崎戦以来の復帰となり下畠に替わって右SBに入った。これは嬉しいびっくりだった。
これでこの日のサンガDFラインは福村、バヤリッツァ、染谷、酒井と並ぶ昨年の悔しさを知るプレーオフメンバーとなった。そしてアンカーの秋本は昨年のプレーオフは負傷で出られなかった。それだけに心中期するものがあっただろう。


 
一方今シーズンJ2台風の目だった長崎は、第40節で千葉をアウェーで降した ( 2-0 ) 後は松本 ( 0-1 ) 、徳島 ( 0-1 ) と昇格プレーオフを争うチームに連敗し5位で全日程を終えて京都戦に臨むことになったが、そのスタメンを見ると徳島戦で退場になった岡本に替わって藤井が第24節群馬戦以来のスタメン抜擢。ワントップには幸野ではなく小笠原が第27節水戸戦以来のスタメン起用。そして2列目右には古部に替わって今季の京都戦に2回ともスタメン起用された実績からか?金久保が起用された。 
小笠原の起用は京都産業大学出身で西京極に慣れていると言う事か?



サンガはGK呉承訓をはじめ全員が今季1度は長崎戦にはスタメン出場した経験があるイレブンで長崎も藤井以外のスタメン全員が京都戦はスタメン出場を果たした選手達だった。
京都のキックオフで始まった試合。開始早々金久保が右サイドを突破してCKを取るなど長崎の早い一歩の出だしが目立つ。先制ゴールは長崎の方がより欲するところであろう。横谷、三平らが倒されファールは貰えたがマークの厳しさを感じさせる。その早いプレスにサンガはなかなか得意のパスワークが見せられない。 そしてボールを奪われるとカウンター攻撃が早い。その際には金久保、神埼ら両サイドが積極的に上がってくる。サンガとしてはカウンターを食らわないようにシュートで終わりたいところだけど22分25秒にようやく右サイドでボールが繋がり倉貫からのパスを受けた三平が粘ってCKを貰いそのCKから秋本が放ったヘッドが前半サンガが放ったシュートは3本のうちの最初のシュートだった。



27分、今度は長崎がチャンスを掴む。 右サイド工藤からボールを奪った井上が奥埜に送りそのまま中央に切れ込んでミドルシュートに持ち込む。弾道はわずかにゴールポストの右に外れてくれたがちょっとひやっとした場面だった。そしてこれが長崎にとっても最初のシュートだった。 両軍相手ゴール前に迫るもDF陣がしっかりとシュートを撃たさなかったと言う事か?長崎の前半のシュートもこれを含めて2本だけであった。
前半は長崎の中盤でのはやいチェックが目に付いた。そのせいかサンガの縦パスには殆ど繋がらなかった。そして前線の横谷、三平には激しいマークで動き制限されていた。
しかし前半を無失点で終え、サンガも無得点ではあったが引き分けでも決勝進出が可能なので前半 0-0 で終わったことは長崎サポーターが感じるよりはフラストレーションは少ないと思った。



両チーム選手交代無く始まった後半開始早々の 45分53秒,秋本からの絶妙の浮き球が長崎ゴール前の三平に入り高杉をかわしてシュートに持ち込む。 よし!先制!と腰を上げるもGK金山の正面に。先制はならなかったけど
テレビ観戦した第33節千葉戦の様に後半は一気に攻勢に出てくれると予想した。
しかし以降試合の主導権を握ったのは長崎でサンガが次に相手ゴール前に迫るのは40分以上も後の事だった。
48分17秒、金久保のFKから奥埜がシュートに持ち込み得たCKから金久保が放ったシュートはバヤリッツァがクリアー。 51分にはCKから高杉がバヤリッツァと競りながら放ったヘッドはゴールを捉えられなかったが長崎のCKとなり、そのCKからネァーに走りこんだ小笠原が放ったショットはまたもCKに。 そのCKに今度は藤井がどんぴしゃのタイミングでヘッドを合わされたけどクロスバーを越えてくれた。
53分50秒、久々前線の横谷にボールが入りカウンター攻撃に移ろうとする。そこに山口がマークに入り2人とももつれて転倒すると山口だけが起き上がれない。本人が×マークを出してベンチに下がることになってしまった。 
そして投入されたのが38節熊本戦以来の出場となる下田。下田は左サイドに入りCBには藤井が入った。長崎はこの遠征にはDF選手は少人数しか帯同しておらず山口の離脱は不謹慎ではあるがサンガには好都合と思われた。しかし、以降も試合は長崎ペースで進む。61分にはサンガのスローインを井上が奪い奥埜に送る。そして前線の小笠原にスルーパスが入る。危ないっと声を出してしまったがシュートはクロスバーを越えてくれた。
そしてシュートの際に小笠原が脚を傷めたのかベンチに下がり古部が投入され佐藤と共にシャドーの位置に入り奥埜がワントップの位置に。古部も立命館大学OBだ。(関係ないか?)
長崎は前線からのプレスが早くそのうえキチンとブロックを構成するのでサンガが攻め込むという前に1本目の次の2本目更に次の3本目のパスがさっぱり繋がらずに跳ね返されてしまう、それをすぐにサンガゴール付近にまで繋がれるという繰り返しだった。 そのせいか65分からはサンガはロングボールを使い出した。
73分には長崎7本目のCKから藤井がヘッドを放つがここは呉承訓がナイスセーブでストップ。 
劣勢続きのサンガは76分倉貫を下げて駒井を投入する。 よくぞこのプレーオフに間に合ってくれたぞ駒井。ここは彼のドリブルに期待した。 その直後に今度は長崎が最後の交替選手を投入するがそれはFW幸野ではなく鄭薫聖がであった。幸野の得点力よりも鄭薫聖のドリブルを選んだか。
時間は経つが攻勢を続けるのはセカンドボールを拾いまくる長崎。 82分24秒、右サイドで古部からのヘッドのパスを受けた鄭薫聖に染谷がマークに入るがその前に金久保に送る。そして逆サイドに振ったところ走り込んだ神崎がシュートを放つ。あっと思うがここも呉承訓が右に倒れ込みナイスセーブでストップ。ほっと胸をなでおろすがここまで決定機を続けられるとどちらが順位が上、どちらがJリーグ在籍が長いのかと思わせられる。それにしてもCKの度に長崎サポーター達の声援がよく聞こえたなぁ....



85分サンガベンチは山瀬を下げて昨年のプレーオフで主将を務めた中山博貴を投入する。 
89分を過ぎると長崎は高杉を前線に上げて1点を取りに来た。
のこり時間、サンガはどこで引き分けを狙いに行くのか…もし万が一失点を喫したら短い時間で取り返す為にFW原一樹、宮吉を投入する為に交代枠を温存すべきか…と思った。

昨年と異なり今年は決勝進出を決めた。よかった~と一瞬喜んだけど試合内容を振り返ると決勝戦が心配になって来た。 対戦相手は徳島に決まった。一昨年は最後に鳥栖、岡山に連敗して4位に終わりJ1昇格を逃したチームだ。このシーズンのサンガは7位に沈んだんだけど。 翌年は3位のサンガが悪夢の準決勝敗退だった。
世間ははやばやと史上初の四国からのJ1チームと徳島よりの論調だけど。その徳島時代に苦汁を舐めた呉承訓そして倉貫がサンガのメンバーで昇格を狙う。 この試合MVPの活躍だった呉承訓は次の試合でも相手シュートをストップしてもらい、そのまま昇格そして韓国代表を狙ってほしい。かつて朴智星が辿った様に。



長崎戦が終わって私はすぐに自転車を飛ばして昇格決定戦のチケットを買いに行った。
そして翌週が自分にとって本当に幸せな日となることを願った。

ガンバ!ガンバ!もっと行ったれ~  浦和レッズ 0-5 ガンバ大阪  22nd Sep. 2012

2012-09-30 | 京都サンガ J-League
あぁ~しまったぁ~……

さいたまスタジアムの当日券のチケット売り場の前の列を見て思わず天を仰いだ。
2008年にサポーター同士の衝突が有って以来楽しみにしていたさいたまスタジアムでの浦和vs G大阪戦。 
自宅を出る前に調べたら確かに SA 席はまだ残っている事になっていた。そしてコンビニに寄ったら SA 席は完売した事になっていた。 おそらく競技場に行けば当日券はあるだろうなぁ~と思いそのままスタジアムに向かった。
しかしチケット売り場の前は長蛇の列。 更に SA 席には×印が付いている。 あとは自由席と….Main Upper 席が開いていた。 MU 席だったらコンビニで買えたなぁ~。 105円の手数料をけちらねば良かったかなぁ~。 と後悔した。

窓口は自由席と指定席に分かれていた。そして自由席の方の列はどんどん短くなっていた。 
今なら一人だけだからゴール裏の良い席が取れるかな?サポーターが陣取るのと反対の方が良いんだけど。 それともアウェー側が開いているかな… と思うもこちらの指定席側の列はなかなか短くならない。 
そしてスタジアムからはこの日のスタメンが発表されるアナウンスが始まった。 ガンバの遠藤、今野そして家長の名前が呼ばれると大変なブーイングだった….. スタメン発表の時には着席していたかったなぁ~

だけど一向に列は短くならない。 原因はよく解っている。 家族連れや数人で来ている人達は並びで席を取りたい。2人連れならともかく3人以上連れならもうかなり難しそうだ。 窓口でそういうやり取りらしき声が聞こえて来る。
“キックオフは午後4時4分です。”と云うアナウンスが漏れ聞こえて来た。 
“あと10分ですか。キックオフ間に合いますかね~。” 後ろの人に声を掛けた。 彼も1人だけで観戦に来ているらしい。

するとある係員が自由席と指定席の列の仕切りを移動しはじめた。 一向に短くならない指定席の窓口を1つ増やしてくれたのだ。 私と後ろに並んだ人達でその仕切りの移動を手伝う。 係員がお礼を言う。
“かまへん、かまへん。 はよ並ぼう….” と思わず標準語( 関西弁とも言う ) を話してしまった。
“あぁ、大阪弁話してしまいましたね。 関西出身がばれたなぁ~。“と後ろの人に言うと。”大丈夫ですよ。“と言ってくれた。

しかし、指定席窓口側の先頭の人が開いた窓口に並ばないので隣の自由席を求める人がどんどん替えられた窓口に入って来る。
“おいおい、ここ指定席とちゃうんかい…” 思わず声を出す。後ろの人と数人が係員にその事を訴える。 
“並ぼう、並ぼう。 こっちの窓口に列作って実効支配せんと…” 私がこの様に声を挙げてようやくそちらに列が出来た。 そして全体的に列が短くなり飛躍的にスムースにその列が短くなっていった。
そうして席に着いた時はもうキックオフから数分が経っていた。 随分と高い位置だったけど…. フォーメーションの動きはよく見えるところだった。



アウェーのガンバはワールドカップ2006メンバーだった加地が5試合振りにスタメン復帰し右SBに入り阿部が8試合振りそして今シーズン4回目のスタメン起用され2列目左に。 レアンドロと2トップを組むもう1人は前節新潟戦でスタメン起用された佐藤晃大に替って家長昭博が初めてスタメン起用された。 
一方久々好調、優勝争いをする浦和レッズは前節横浜FM戦と同じスタメン。 個人的な注目選手は何と言ってもトップの原口元気。五輪メンバーから最後に外れたその悔しさをJリーグの試合にぶつけ見事にイラク戦ではベンチ入りを。ただイラク戦はともかく、その前の“準備試合”として行われた UAE 戦では起用して欲しかった。 更に10月の欧州遠征にはちょっと声が掛かりそうにないらしい….. しかしまだJリーグは代表の欧州遠征まで数試合ある。しっかりとアピールして欲しいところだ。
しかし息子は原口にあんまり活躍されると欧州のクラブチームにさらわれるのでは…と懸念している。 こう言うのを嬉しい心配というのだ…ろうか?

キックオフ直後のレッズは悪くはなかった。特に右サイドの平川が対峙する阿部、藤春の上がりを止めてそこから攻撃に転じるシーンが続いた。レッズは2008年12月以来、さいたまスタジアムではガンバに勝っていないらしい。 この試合は今シーズンこれまでレッズが3位であったのに対しガンバは16位と信じられない低迷中。 レッズ優位と誰もが予想していいたと思う。
10分23秒には槙野が左サイドを上がり攻撃参加。そして逆サイドの平川にサイドチェンジをし、平川が中に折り返すがここはCKに。このCKのチャンスは最後はキーパーチャージを取られたが、先制ゴールが決まりそうな気になった。 先制すればこの試合の前迄総失点24でリーグでは鳥栖に次いで2番目の少なさのDF陣が後方に控えている…と思った。

しかし13分に家長がミドルを放つとその時間帯からガンバが主導権を握りだし、レッズPA付近で試合が展開されるようになった。
そして19分、右サイドの加地からボールを受けた阿部が放ったミドルがレッズサポーターが陣取る目の前のゴールに突き刺さりガンバが先制ゴールを決めた。 ちょっとマークが甘くなかったかなぁ~。



しかし先制したのは16位のガンバ。3位のレッズとしてはこのくらいのハンディはとこの時点ではそう思った。
だけどその後も主導権を握り続けるのはガンバ。 27分には二川、34分にはレアンドロがシュートを放つ。 レッズは中盤でボールを回され続け、ようやくボールを奪っても柏木や原口にボールが入ってもすぐに複数のマークが付き攻撃に転じる事が出来ない。 槙野が上がる事が出来た時だけガンバゴールに近づく事が出来ていた。
36分にはガンバがこの試合を総括する様な展開で追加点を決める。 原口にボールが入ったところを2人でマークに入りボールを奪い前線に繋ぐ。 ここはレッズDFの前にPA内に侵入できないと見ると遠藤が後方の今野に戻すと左サイドの藤春にフィード。そして前線にアーリークロスを入れるとフリーで走り込んだレアンドロがヘッドで合わせてレッズゴールネットを揺らした。
原口へのマークは早く、そして藤春、レアンドロをレッズはフリーにしていた。

 



“ガンバ、ガンバ、もっといったれ~!” 

ガンバサポーター達のボルテージが上がる。 
2点のビハインドとなったレッズは40分41秒、槙野からのクロスにマルシオがヘッドを放つが態勢もかなり悪かったので大きくゴールを外れて行った。 



後半に入ってもう少し真ん中で空席が並んでいるところがあったのでそこに移動した。  SA席にも空席はいくつかあったけど..
両チームとも選手交替無く始まった後半。早い時間にレッズが1点を還せば面白くなると思うと48分柏木がミドルを放つがクロスバーを大きく越えた。 レッズは相変わらずボールを回されて後手後手に回っている。 51分には遠藤からボールを受けた藤春が阿部と競りながら中に入れると逆サイドのレアンドロが強烈なショットを放つがここはゴール枠をわずかに外す。
こりゃぁ3点目も時間の問題かなぁ~と思い始めた60分、阿部勇樹のマークを受けながら二川が藤原にボールを送り左サイドを突破し最後はレアンドロが押し込んでリードを広げた。 この一連の流れは見事だったけどレッズDF、MF陣は完全にマークを外していた。





3点のビハインドを負わねばならなくなったレッズは63分、平川、坪井を下げて宇賀神とポポの2人を投入する。そしてボランチの阿部勇樹を3バックの右サイドに下げた。 前線をポポと原口の2人に増やしたのだと思うけどそこまでどうしてもボールが入らない。 70分には原口を下げてDF野田を入れたのだけどこれは阿部勇樹を再びボランチに上げる為だったのだろうか?
その直後にポポの強烈なミドルが飛んだけど惜しくもゴール枠を捉えられない。 このシーンが最もレッズサポーターの沸いたシーンだった。 ガンバは中盤のでパスワークが冴えたかと思えば縦パス1本をレアンドロに入れてチャンスを作る。
レッズは中盤ので勝負には全く勝ち目が無くなり、残り10分近くになると両サイドにロングボールを入れてばかりに。 
すぐ後ろの席は複数女性のガンバサポーターとレッズサポーターの家族連れが並んでいた。 
“どうしてガンバばっかりシュートなの?”と男の子が女性サポーター達に訊ねるが回答に困っていた…..
75分、レアンドロがガンバDFと交錯して倒れて起き上れない。 レッズサポーター達からは大ブーイングが。がんばサポーター達からはレアンドロに声援が送られる。 結局レアンドロはそのままベンチに下がりパウリーニョが投入された。
この交替がレッズに更なる悲劇を齎した。 
87分、二川のパスに抜け出したフリーのレアンドロがレッズゴールに流し込みとどめの4ゴール目。
お祭り騒ぎのガンバサポーター席からは “ガンバ、ガンバ、もっと行ったれ~”を連呼する。 もうレッズポーター席からは声も出ない。 



しかしこれで終わりではなかった。 ロスタイムにはいった92分、またも59分に家長に替って投入さえれた大森の縦パスがレッズDFラインの間を抜けてそこに走り込んだパウリーニョがレッズゴールに蹴り込みついに 5-0 としてしまった。



ガンバサポーター達のフィエスタが更にボルテージは上がる中、後ろの男の子が“僕、もうレッズ応援しない。 ガンバ応援する。”と叫んだ。 
こんな小さい子にそんな思いをさせるとはちょっと頂けないな~と思った。 
こういった子供達の為にせめて一矢をとずっと思っていたけど見せつけられるのが相手チームのゴールばかりではなぁ~。

しかしタイムアップのホイッスルが鳴って男の子は丁寧にガンバ女性サポーター達に“バイバイ”云い、彼の母親も丁寧に挨拶をして席を立った。 J-League ならではの素晴らしいシーンだった。

試合後の両チームサポーターの反応は予想通り正反対。 ガンバサポーター達が最高の声援を送ればレッズサポーター達はものすごいブーイング。さすがに物を投げる輩はいなかったけど。 これだけやられればガンバサポーターを攻撃する事も出来ないだろう…と思った。 
私ももう少しいい勝負をすると思ったんだけどなぁ~ と思った……



翌週の柏戦、啓太を累積警告で出場停止のレッズは柏木をボランチに下げ、2列目右に梅崎を入れ、 中盤左に宇賀神、右に平川を置いたスタメンを敷いた。 柏に先制を許すも30分で原口を下げてポポを入れる。原口は怒りの表情を露わにした。しかし前半に同点に追い付いたレッズはこのまま引分けかと思われたロスタイムに GK 加藤のフィードを交替出場の野田がヘッドで落とし最後は粘ったポポが相手DFとGKの間に入り込んで撃ったシュートがレイソルゴールに決まり貴重な勝ち点3をものにした。試合内容は柏の方が勝っていたのだけど……
もしACLに進出してもこの調子ではグループリーグを突破出来るかな?と少し心配になった。

心配というと原口が次節以降使って貰えるかだけど。

残りは7試合。対戦相手には仙台、広島が含まれているけどまだ4位以下のチームにも優勝、ACL出場権争いに絡んでくるチームが出て来ると思う。 ただそろそろさいたまスタジアムでまたACL観戦がしたいなぁ~とおもっている。




サンガ首位戦線に。そして隔世の思い。  東京ヴェルディ 0-1 京都サンガ 12th August 2012

2012-08-13 | 京都サンガ J-League

蒸し暑かったこの日。吉田寿光主審の試合終了を告げるホイッスルが味の素スタジアムに鳴り響いた。

よ~~っし。ナイスゲェェェ~ッッッッム 。私はロンドン五輪男子サッカーで銅メダルを逃したというよりも韓国に敗れた悔しさを少し晴らす事が出来た。と思った。 しかし2位のベルディを破ってのこの勝利はサンガにとって大きな勝利。 これで第29節を終わって首位を行く甲府から勝ち点4差、勝ち点52で順位を6位から4位に上げた。同じ勝ち点52には他にベルディとベルマーレがいる。

昨シーズンは天皇杯決勝に進出するもJ 2League では7位に終わり2シーズン連続でJ2でプレーする事となってしまったのだ。
今シーズンは出だし好調で開幕戦から湘南、千葉と云った昇格候補チームを連覇する等一時は首位に立つも第12節の富山戦から19節の千葉戦迄7試合で3分4敗と急ブレーキがかかった。そして以降4連勝を続けているが対戦相手は熊本、愛媛、町田、鳥取と中位のチームが相手。自動昇格、首位戦線に残る為には上位を走る東京ベルディには絶対に勝ちたいところであった。

そして東京ベルディであるが…ベルディサポーターには失礼だけど、本当にどうしてしまったのだろう?と心配してしまう。
日本リーグ時代、1978年に1部リーグに昇格しいきなり4位に入り以降は日本リーグを牽引して来た。 80年代の後半、日本リーグでの読売クラブ対日産自動車戦はゴールデンカードで当時でも他の試合の2倍以上は観客が入っていた。(と言っても2,000人から多くても3,000人くらいだったかなぁ。) 
J League が発足する前年、日本リーグの最後シーズンの最後の試合、読売クラブ対日産自動車の試合は2万人近くの観客が国立競技場に集まったんじゃ無かったかな?今でも当時の読売対日産に試合を生観戦出来た事を幸福に思う。

1993年5月15日に待ちに待ったプロサッカーリーグ J-League が遂に始まった。開幕戦はベルディ対横浜マリノス。 この試合も現場観戦できると言う幸運に恵まれた。 その開幕戦こそ敗れたもののラモス、KAZU , 武田、北澤、柱谷哲二、ビスマルク、菊池新吉らのいたベルディは強かった。 他のチーム、そしてサポーター達からは常に標的になる程強かった。 

しかし栄光は長く続かなかった。 1997年にビスマルクが退団すると急速に弱くなった印象がある。そして推定3億5千万円の破格の移籍金で入団して来た前園は機能せず、シーズン末にはチームの呼称問題から渡辺恒雄御大と川渕チェアマンとの代理戦争の様な形で読売新聞社と読売ランドが経営から撤退しチームの財政事情が一転。チームの主力選手であった柱谷哲二やKAZUと云った高給取りを次々に手放さねばならなくなり優勝争いに絡めないチームとなってしまった。

2004年に天皇杯で優勝を飾ったが2005年には遂にJ2に陥落。 ラモスを監督に据えるなどしたがすぐにJ1昇格は2008年のシーズンまで待たねばならなかった。しかし3シーズンぶりに復帰した2008年のJ1は甘くなく、川崎にレンタルしていたフッキを復帰させたがわずか3カ月でFC Porto に移籍されてしまうなど戦力が整わず1シーズンでJ2に戻ってしまった。

そして再び陥落したJ2でも3シーズン連続で昇格争いに絡めなかった。 かつてはJリーグブームに乗って1試合平均 25,000 人以上の観客動員を誇った人気チームも今昨シーズンは 5,710 人/試合。 まぁJ1に復帰すれば1試合平均14,000 人程度は集められるチームなのだから早くJ1に復帰したいと言うところなのだろうか?

そしてこの日の京都戦も観客数は 4,824 人だった。 お盆休みで帰省する人も多かったと思うけどJ2とは言え昇格争いをするチーム同士の対戦なのでもっと入ると思ったんだけどなぁ~。

4連勝でベルディ戦に臨むサンガはFW 久保裕也が SBSカップ国際ユースサッカーの U-18 代表に召集されている為にこの遠征には帯同出来ず宮吉のワントップ。 ただ裕也はまだ今シーズン1ゴールしか決めていない。
ベンチにはスーパーサブ原一樹が控えるけどもっとスタメンで使って欲しんだけど。これまでスタメン起用は3度。ここ3試合は起用されていない。 大木監督はしばらくワントップを敷いているからなぁ…

CBには染谷とバャリッツァが。安藤淳は右SBだった。

前節富山を 1-0 で降したベルディはDFラインと中後、柴崎のボランチは同じメンバーだったけど前線をトップ下の和田以外の3人を替えて来た。これまで14得点で得点ランク2位の阿部拓馬が出場停止明けで帰って来た。ベルディ首脳陣としては前節富山戦から怪我で離脱した西紀寛が還ってくるまで何とか上位に踏みとどまりたいところだろう….
ホームのベルディが写真付きで紹介されるが右SBの森勇介が紹介されるとサンガサポーターからはブーイングが飛び左SBの中谷勇介が映し出されると拍手が沸き上がった。 

 




                                  GK 1 土肥 

       19 森勇介       21刀根        4 高橋       6 中谷  

                  8 中後              7 柴崎

       14 小池      22 和田       15飯尾  

                    9 阿部

                   13 宮吉 

        22 駒井     23 充孝        10 工藤  

          15 中山               4 秋本  

     16 福村   20 バヤリッツァ  3 染谷    8 安藤  

                   GK1 水谷

 

京都のキックオフで始まったゲームは開始早々はベルディが押してくる。 阿部のボールキープはなかなか取れない。 3分にはCKを与え最後はGK水谷がエリアの外に出てようやくクリアーする。 7分には阿部にボールが入りバヤリッツァがファールで止めてFKを与えるがそのFKは水谷がパンチで弾き出す。 立ち上がりのベルディは阿部が左右に動いてボールを受けると2列目の3人がどんどん押し上げて来きてはサンガDF陣が身体を張って何とか止めていた。 

ようやく13分、京都は宮吉がドリブルシュートを見せる。惜しくもポストの左に外れて行ったがその前にDFに当たったのかCKとなった。
しかしそのCKからカウンター攻撃に結び付けられ和田からの縦パスを受けた阿部がシュートに持ち込むがここは水谷がファインセーブでストップ。 何とか阿部は止められないものか….と不安になる。

サンガは連敗中(と言ってもテレビで2試合ほど見ただけであるが)はボール繋ぎに固執するあまり片方のサイドに選手が集まり相手チームはボールを奪うと逆サイドに振りそこからカウンター攻撃を仕掛け得点チャンスを見出していた。 
この試合もそれが心配だったんだけど…..しかしヴェルディの阿部の動きの方がこちらには心配を増長させていた。
14分にはカウンター攻撃を受け最後は工藤が阿部をファールで止める。そしてイエローが出された。 23分にはバヤリッツァが相手の攻撃をファールで止めて嫌な位置でFKを与える。そのFKから繋がれ最後はGK水谷までかわされたがサンガDF陣は必死のカバーでゴールを割らせない。 そしてこの時間帯から阿部がサンガの右サイドをどんどん突いて来る様になった。そこにCBのバヤリッツァが釣り出され2列目真ん中の和田が前線にせり出して来る。 
29分には左サイドに流れた阿部が上げたクロスに和田が飛び込むが中山と福村が必死に身体を寄せ良い態勢でヘッドを撃たせなかった。 その後もなかなかシュートに持ち込めないサンガとは違いヴェルディがこちら側に、サンガゴール側に押し寄せて来るシーンが続く。
41分には中谷が左サイドを上がり入れたクロスに和田が飛び込むが福村が競ってなんとかCKに。 そのCKに再び和田にヘッドであわされたがここはシュートが外れてくれて胸をなでおろした。 そして前半終わりころになるとヴェルディはロングボールを多用してサンガの左サイド、福村の後ろにボールを入れて来た。 しかしここは福村、そしてバヤリッツァが身体を張って攻撃を凌いだ。3分あったロスタイムも過ぎ前半は両者無得点で終わった。 



高温多湿の中でも試合、選手の疲労度は、そしてどれだけスタミナが残っているのか…..それにしても荒れたピッチだなぁ~と思った。 ほぼ全日程を終了したロンドン五輪。 2020年東京五輪を再び誘致しているが実現すればここでサッカーは行われるのだろうか?と荒れたピッチを見ながら思った。 そうなったらサッカーの試合をどんどんハシゴしたいなぁと思ったけど日本人は世界でも屈指の五輪好きな民族なのでどんな試合でもチケット入手は厳しいだろうなぁ~、2002年のワールドカップの時の様にと思った。

後半何とか打開策は、と思うも48分カウンター攻撃から阿部にフリーで抜け出される。あぁやられた!!と思ったら福村が後方からタックルで阿部を倒してストップ。 あぁ、このプレーは….と思った通りに吉田主審は一発レッドを福村に出した。 あぁ~福村退場かぁ~。 彼がいてもあれだけピンチを招いていたのに、いなくなると….と気分が重くなった。しかもFKは非常にいやな位置。このFKはヴェルディがトリックプレーを使ったけどシュートは大きく外れてくれた。 

このプレーが終わるや否や、サンガベンチは宮吉を下げて酒井隆介を投入し左SBに入れる。そして中村充孝をややワントップ儀見に上げるが実質ゼロトップと言えた。 そして楽しみにしていた原一樹を見られる可能性はこれで激減したと思った。
1人少なくなったサンガ相手にベルディは小池と飯尾がワイドに開きボランチの柴崎と中後がどんどん上がって来る様になった。中盤に人数を掛けられサンガはボールが繋がらなくなってくる。 51分には和田から阿部に縦パスが入りシュート体勢に入られるがバヤリッツァが必死のクリアーでなんとかCKに逃れた。 
62分には中盤で工藤が接触プレーで倒れて起き上れない。ここで工藤がピッチから消えたらちょっとこの試合は….と思ったけど何とか戻って来てくれた。 しかしこの直後に我々が狂喜乱舞する。 中央で起き上ったばかりの工藤からボールを受けた充孝が狙いすまして放ったミドルが低い弾道でヴェルディゴールに向かって飛びGK土肥が右に倒れ込むもその下を掻い潜ってヴェルディゴールネットに突き刺さりサンガの先制ゴールとなった。 ゴール裏に陣取る我々の方に向かって飛んできた弾道は見事一言。 劣勢の中での素晴らしい先制ゴールであった。 

ビハインドを負うベルディベンチは 68分 中後に替って元日本代表、184cmの巻誠一郎が投入され阿部と2トップに。そして和田がボランチの位置に下がった。 74分には中谷が下がり梶川が。おそらく3バックにして中盤に入ったと思われた。 

しかしここから駒井のドリブルが冴え出し、対峙する小池を振り切るシーンが。77分には充孝が駒井とのパス交換から抜け出しシュートの持ち込むが梶川に倒される。しかしホイッスルは鳴らなかった。 PKだと思ったんだけどなぁ….

ピッチの上では選手達が給水するシーンがだんだんと増える。 相当な暑さだろうなぁ。やっぱしサッカーは冬にしないとなぁ….
こうなると運動量というよりもロングボール主体のゲームにどうしてもなるだろうぁと思った。

 

78分にはベルディMF小池が下がり19歳のFW南秀仁が入る。これで前線は3トップか?サンガベンチは79分に中山博貴が下がり内藤、83分に工藤が下がり倉貫が入るが共にMF陣をフレッシュにする交替。 これで中盤の運動量が相手より勝る様になり更に駒井のドリブルが冴える様になってきた。87分には相手DFを2人かわして素晴らしいドリブルシュートを放つも3人目のDFに当たってCKに。 終了直前にも駒井が粘って内藤のシュートを引き出すもGK土肥がストップ。   
ベルディは巻の長身を生かすべくロングボールをもっと多用するかと思われたけどそれほどでもなかった。

そして5分あったロスタイムも過ぎ、吉田主審のホイッスルが鳴り響いた。
立ち上がりから押されっぱなしで、しかも退場で一人失うも先制ゴールを決め後はしっかりと守り追加点のチャンスも作った…
会心のゲームとは言いにくいけど2位のヴェルディ相手に貴重な勝ち点3を上げる事が出来た試合だった。



ヴェルディのホームでの連勝記録は7でストップした。

 

そしてサンガは翌週の横浜FC戦でも 2-1の勝利を納め2位に浮上して来た。 この試合あの King Kazu がスタメンだった。

まだ今シーズンは10試合以上残っている。 しっかりと勝ち点を積み重ねJ1に復帰して欲しい。

それが切なるサポーターの願いだ……  しかしオリンピック終わって気が抜けてもうたわ…..

 


REDS 強さは本物….    19th May 浦和 1-0 清水

2012-05-28 | 京都サンガ J-League
後半44分になろうとしていた。FC東京ゴール前の右サイド宇賀神がスローインを入れるとマルシオ=リシャルデスがDFを背負い身体を張ってボールを前に落とすと走り込んだ柏木が拾って椋原, 谷澤 をかわして中に入れると原口が徳永と競りながらワンタッチで戻しマルシオがダイレクトで放ったショットが東京ゴールに突き刺さる。 これでこの試合もレッズが手堅く 1-0 で勝利….と思った。
しかしロスタイムに入った直後FC東京はCKのチャンスを得る。そして石川の上げたCKに森重が槙野と競りながら放ったヘッドが浦和ゴールネットを揺らしホームの FC 東京が同点に追いつく。 
しかしロスタイムは5分ある。まだまだ勝敗がつけられるだけの時間が残っている。 そして95分、東京ゴール前でボールを回した浦和は右サイドの宇賀神にボールを送りそこから上げられたクロスに原口のヘッドが炸裂する。 しかしボールはポストを叩き…そしてタイムアップのホイッスルが鳴った。 この勝点1。両チームにどういう意味を齎したのだろう? J League はこれからワールドカップ予選の為に約2週間ブレークとなる。 FC東京はACLで優勝候補、広州恒大と対戦する。この試合が良いイメージなればいいなぁと思った…..

5月19日、埼玉県地方の早朝は快晴だった。さいたまスタジアム2002で開催される浦和対清水戦。どうしようかなぁ~。観に行こうかなぁ~。テレビ中継もあるしなぁ….翌日はなでしこリーグの高槻FC戦があるしなぁ…..
息子は既に友人とこの試合を観戦に行く事になっていた。結局….好天気と相手がエスパルスと云う事でさいたまスタジアムに行く事にした。見たかった選手は何と言っても今や Socceroos には欠かせない選手となったアレックスこと Alex Brosque。
あとは….土日連ちゃんでサッカー観戦に出掛ける事を何て嫁ハンに説明すればよいか・・・・

競技場に向かう途中のコンビニでこの日のチケットを購入した。@\2,000 プラス手数料。しかし競技場では当日券も¥2,000円で販売されていた。だったらここで買うべきだったなぁ~と後悔する。 普通“前売り券”は“当日券”よりも額面は安いんだけど。
JSL時代は1000円でどの試合でも見られる共通券が販売されていた。

天気の良いのでこの日はゴール裏のエスパルスサポーターのすぐ近くに座った。 エスパルスの応援は統率もよくとれており見ているだけで楽しい。この試合を観戦しに来たのもそれが理由の一つだった。 2002年安貞桓のJリーグデビュー戦、そして翌年に続いて3度目のエスパルス戦観戦だったけどアウェーのサポーターゾーンとの間に設けられた緩衝地帯が広げられたみたいだったので柵越しに聞こえる彼らの声援は前に来た時よりも少し迫力が…



この日のエスパルスは3日前のナビスコカップ神戸戦から右SB吉田、CBヨン・ア・ピン、アンカーの村松以外メンバーを8人替えて臨んで来た。出場停止のCB岩下敬輔に替って平岡と組むCBはヨン・ア・ピン。だからナビスコカップ戦で起用されたのか?お目当てのアレックス、そして久々五輪代表候補に選出されたアンカーの村松、そして吉田。更に専門紙では伊藤のワントップと予想されていたがかつて浦和でもプレーした高原がスタメンに。彼の名前がスタメン紹介されるとレッズサポーターからは一斉にブーイングが。あと小野伸二の負傷欠場が残念でならなかった。



一方のレッズはトップにポポが入り柏木とマルシオが2列目と云った予想通りのスタメン。3日前のナビスコカップ川崎F戦で2得点を挙げた宇賀神のスタメン入りを予想したけど、息子によれば“宇賀神は今はスーパーサブ的選手。”、スピラノビッチは“3バックだからベンチにも入らないと思う。”と息子の予想の方が当たった。
第8節で名古屋を2-1 で破り続く横浜FM戦に 1-2 で敗れ磐田( A 2-2 ) 新潟( H 1-1) と引き分けたが息子によれば試合内容は“安定して来た。”との事であった。
従って第11節を終えて勝点4差で2位を行く清水を破り、そして続くFC東京戦に連勝すれば2008年以来下降線をたどる浦和が久々優勝戦線に長期に亘り参戦出来ると言うきっかけになる、とは息子の分析であった。お前も大きくなったなぁ~。

エスパルスサポーター達の声援とレッズサポーターの声援がシンクロナイズドする雰囲気を楽しみながら清水のキックオフで始まった試合、開始早々35秒浦和がCKを得る。柏木が入れたCKに槙野がCB平岡と競りながら飛び込むがここは槙野のファールを取られた。 槙野は開始から積極的に上がって来ていた。そして槙野が上がると阿部が後方に下がり守備に備える。
7分34秒リシャルデスが相手パスをインターセプトすると前線のポポにスルーパスを通す。ポポは村松、ヨン・ア・ピンがマークを受けながらもシュートに持ち込むがクロスバーを越える。15分には阿部が起点となりポポにボールが渡り今度はポポが柏木が阿部にスルーパスを送るが右SB吉田がマークに入る。 結構中盤でもボールが回っている気がした。
18分19秒には後方からのロビングをリシャルデスが上手く身体を入れ替えて左サイドに流れてボールを持ち込み入れたクロスに柏木がヨ・アン・ピンのマークを振り切り放りヘッドの態勢に入る。周囲の人達が一斉に立ち上がるが柏木のヘッドは惜しくも外れる。
前半はレッズがこちらのゴール側に攻めて来る。その迫力はさすが球技専用競技場さいたまスタジアムと思わされる。
清水は前評判通り両サイド、これまで5得点の右の大前、4得点の左の高木のドリブル突破を含めたサイド攻撃が何度も試みられる。左SB李記帝も比較的高い位置を取っていたがこれは平川対策か?本当はここに宇賀神かと思っていたんだけど。
両サイドが上がるとサポーター達から選手名が連呼される。しかしなかなか前線の高原にボールが入らない。“日本で”タカハラを見るのは久し振りだ、というか初めてか? Die Bundesliga でプレーする時の高原は 181cm FW , 体格よりも瞬時の早さで相手DF陣の間に割って入るプレーが目立ち、ドイツ人達から Schnell !! (早い)と何度も賞賛の声が漏れていた。 30歳になった事もあるがJリーグではスピードよりもゴール前で体格を生かすプレーが。それが日独間の違いだろう。
高原だけではなく、これまで4得点のアレックスもなかなか良い位置でボールを持てない。23分には鈴木啓太を倒してFKを与えてしまいポポにあわやの直接FKを撃たれる。アレックスは20分にもイエローカードを受けるファールを。



浦和はボランチの啓太と阿部が攻守の切り替え早く前後に動き平川、梅崎の両サイドが相手のサイド攻撃をしっかりとケアーし中にボールをいれささない。 ボールが入らねば高原でもアレックスでもシュートを撃てない。
そして41分、平川から前線にフィードされリシャルデスが上手くトラップしてシュートを放つがGK林がブロックしてCKに。そのCKはリシャルデスとヨン・ア・ピンと競り合う上を越えて阿部がフリーで飛び込みヘッドを試みるがボールはジャストミートせず右に流れ身体に当たり清水ゴールに飛ばずに阿倍の足元に。だがその“落ちた位置”が良くそのまま清水ゴールに蹴り込み浦和が先制ゴールを挙げた。ヨンア・ビンは阿部のハンドをアピールしていたけど。帰ってビデオを見てみると手に当たった様にも。



43分中央から柏木のダイレクトパスを右サイドに回ったリシャルデスが受け前線のポポに送るが今度はヨン・ア・ピンの激しいマークでシュートを撃てず。柏木は山本主審のバックチャージをアピールするがここはノーホイッスル。先ほどの“ハンド”が効いていたのか?そしてロスタイム1分も過ぎ浦和リードで前半を終えた。



浦和キックオフで始まった後半46分30秒柏木が中央から左前方に大きく前に出すとポポが走り込む。GK林が釣りだされポポが上手く中へ折り返すが無人のゴールにシュートをする為に走り込んだ柏木に僅かに合わない。
49分村松からミドルパスを左サイドで受けたアレックスが高木に縦パスを通し中に折り返すがここは槙野がコーナーに逃れる。51分には李記帝が素晴らしいミドルを放つがクロスバーの上。しかしそれまでの繋ぎが良く、そろそろ清水にリズムが出るかと思われた。
そしてこの時間帯、少し試合が荒れ出す。52分に村松からのパスを受けた高木が前線にロビングを送るとそこにアレックスが坪井と競りないながら走り込み最後はPA内で転倒するがホイッスルは鳴らない。アレックスは両手を広げて主審にPKをアピールするが帰宅後録画を見てみると坪井は触れてはいなかった。 その直後柏木が右サイドから大きく逆サイドの梅崎に振ると吉田を振り切り入れたクロスに平川が走り込んでダイレクトで合わせ清水ゴールネットを揺らすがオフサイドの判定でノーゴール。
そしてその直後のリスタートから左サイドで高木がドリブルで突破、柏木をかわすが坪井、平川がマークに囲む。そして後ろに戻したところアレックスとリシャルデスが競り合いリシャルデスが交錯して倒れるとホイッスルが鳴り山本主審はすぐにこの日2枚目のイエローを出しレッドカードを示す。 このプレーでイエローは厳しいと思ったがこの前にもアレックスは阿部を倒し、その時山本主審はアドヴァンテージを取った。アレックス今シーズン2度目の退場となってしまった。そして私のこの試合の興味もかなり薄れてしまった。



1人少なくなった清水相手に浦和は59分阿倍が大前のミドルパスをカットし左サイドの柏木に送りそこから前線にロングフィードを。そこにヨン・ア・ピンの背後に上手く回ったリシャルデスがシュートを放つがクロスバーを越えた。 

攻勢を続ける浦和は60分、ポポを下げて原口を入れトップに置く。そして61分30秒、坪井のインターセプトと右サイド突破をきっかけに浦和が波状攻撃を見せ、最後は右サイド高木がファールで梅崎を止めイエローが出された。
劣勢の清水ベンチは63分、高原を下げ187cmの長身ジミー・フランサ。更に李記帝を下げて小林大悟を入れる。これでフランサの1トップとなり小林がトップ下に入り河井が李記帝のいた左SBに入った。
昨シーズンは浦和相手にさいたまスタジアムでゴールを決めた高原だったがこの日は2列目からボールが来ない上にセットプレー時には坪井のタイトなマークを受け見せ場が無かった。 



だが替って投入されたフランサが全く機能しなかった。 FKのチャンスを掴んでも阿部や槙野にマークを着かれることを嫌ってかずっとサイドにサイドにと動きっぱなしでターゲットにならない。しまいには浦和ゴール付近でスローインを得ると自ら投げるべくボールを拾い上げる始末。 
反対に冴えたのが原口。 77分には相手DF3人に囲まれてもシュートに持ち込み、80分にはドリブルで中に切れ込み存在を見せつける。 原口は何故か五輪候補チームのトゥーロン国際大会に選出されず日本代表に選ばれながらアゼルバイジャン戦には起用されず、ワールドカップ予選メンバーにも入れなかった。 彼の立場を考えれば気の毒な1週間であったが五輪代表にはなくてはならない存在だと思う。 浦和ベンチは75分に宇賀神が梅崎に替って、79分にデスポトビッチがリシャルデスに替ってそれぞれ投入されるがこうして見ると選手層が厚くなった気がする。と云うよりも選手の質が上がり層が厚くなったのか?
それでもエスパルスは退場者を出した試合は全部勝っている、そして前節セレッソ大阪戦ではロスタイムに同点に追い付いた。この試合も何かあるか?と思う。 86分には吉田豊が下がってFW伊藤翔が投入される。
しかしこの日のDF陣を含めた守備は安定しており4月14日の神戸戦以来の完封勝ちを収めた。 

浦和の勝利を観戦するのは久し振りだなぁ~、と思った。そして何だか強さが安定してきた様に思った。

5月24日、ワールドカップ予選に臨む代表選手25人が発表された。浦和からは槙野だけが選出され阿部、原口そして柏木の名前は無かった。 柏木は入ると思ったんだけど。 しかし息子に言わせると“レッズの為に頑張ってくれればそれでいい。”と。

あぁ~お前も大きくなったなぁ、身長も考え方も。 



さいたまスタジアムから帰途に着く途中、私は家内に何か買ってくる物はないか?とメールを送った。

そしてすぐに返事が来た。 ビールとおつまみ。 帰りはイオン経由にしたのだった。


天候は寒かった。試合は熱かった。 浦和 1-1 川崎 31st March 2012

2012-04-04 | 京都サンガ J-League
天気予報を当たらない事を願った。朝から突風が吹き荒れていたけど家を出た時はまだ雨は降っていなかった。
競技場に着くまではもつだろう。そして試合が終わった頃には雨が止むだろう….
スタジアムに到着すると本格的に降り出した雨はチケットを購入しさぁこれから場内に…と思った瞬間にあっという間の豪雨となり折からの強風と重なり嵐になった。 早く場内に“避難”しないと…必死に競技場に向かって走る。チケットをしっかり握りしめて。
場内の廊下には観客席から“避難”して来た人達が多く犇めいており鮨詰め状態。 濡れ鼠の私はまず着替える為にトイレを探した。そして雨具代わりに持参して来たジャージーに着替えた。これを持ってきて良かった…しかしあと10分早く家を出た方がもっとよかった….

20年目のJ-League 。あの国立競技場で開催されたマリノス対ヴェルディの試合を観戦以来何試合J-League の試合を観たかなぁ….今シーズンの第4節となる浦和対川崎の試合は日程が発表された時から楽しみにしていた。
今シーズンの浦和は昨シーズンとは異なり久し振りの“まずまず”のスタート。開幕戦の広島戦こそ落としたが次の前年度リーグ王者の柏を破り続く札幌も降して2連勝。 息子に言わせれば槙野の加入と阿倍の復帰で守備ラインが安定しその分柏木がトップ下の役割に従事出来ているのが昨シーズンとの違いらしい。  一方、昨シーズンは9連敗を喫した川崎。 前節はセレッソに敗れたが開幕から新潟、鹿島相手に連勝。 今シーズンは違う、という印象をそれぞれのサポーター達に与えたのではないかな?
しかし2007年は共にACLに出場し上位に進出を果たしたチーム。 昨シーズンの低迷が本当に信じられないのだった。



浦和は原口がベンチスタートで矢島がスタメン。ワントップにはデスポトヴィッチではなくポポ。ちょっと怪我をしたらしい。
私が注目する長身193cmのCBスピラノビッチはベンチには入ってなかったなぁ…3バックを敷いているのでちょっと出番は…とは息子の分析。 もう教わるばかりだなぁ…



川崎は右SBにはアジア大会、五輪予選に出場した實藤ではなく田中祐介。このスタメン起用が的中した様に試合後思った。
2列目右にはかつて浦和ででも活躍した山瀬が。サポーター達から拍手が起こるかブーイング飛ぶかな…
稲本そして井川はベンチスタートだった。  フロンターレと言えば愛するサンガが散々やられたジュニーニョ、レナチーニョの印象が強い。それは相対するレッズのペトロヴィッチ監督も同じではなかったか.. ペトリビッチ氏はサンフレッチェ広島監督は9度対戦して3分6敗。 しかし昨シーズン浦和は降格に危機のずっとさらされながら対川崎戦は2連勝。そしてここ5試合負け無しらしい。この試合どちらの“持っているジンクス”が生きるのだろうかと思った。 
そして何よりも私がここに来た目的“中村憲剛”がどんなゲームメークをするか。それが楽しみでここまでやって来たのだった。



川崎のキックオフで始まった試合は開始早々梅崎が左サイドを上がって浦和がチャンスを掴み掛けるが川崎の方が連動した動きを見せ得点の可能性を見せていた。 レナトの中盤からのボールキープも効いていた。 阿部がいなかったらとっくに失点していたのでは無かったか? 2分35秒にはレナトが倒されて得たFKに小松が走り込むがここは阿部がコーナーに逃れる。
浦和は6分15秒に柏木がシュートを放つまでパスが足元にしか行かない気がした。それでも先制したのはホームのレッズ。
10分に中央でボールを受けた柏木がワンタッチで左サイドを上がった梅崎に送り中に入れたところをポポが上手く頭で合わせて川崎ゴールネットを揺らした。





大歓声が沸き上がる。最初のチャンスを得点に結びつけるところ昨シーズンとは違うのかもしれない。 
相手ゴール前近くになるとワンタッチパスが増えるのか…と思った。
しかしその後、主導権を握ったのは川崎だった。特に左SB小宮山の攻撃参加は顕著で浦和ゴール前までボールを持ってくることも何度か。その度に坪井と平川が2人がかりでマークに入る。失点直後のキックオフからもドリブルで上がりファーサイドに送るとそこに小松が槙野と競りながら飛び込む。 
そして憲剛が時折繰り出すミドル、ロングパスがサイドチェンジに繋がる。24分には素晴らしい波状攻撃を見せるが攻撃時には白いユニフォームの川崎の選手達が人数をかけて一気に上がってくるので浦和は守勢に回らざるを得ない。 そしてここまでセカンドボールを拾われると…
浦和も30分、32分にチャンスは掴んだがゴールは生まれない。30分にはポポのスルーパスが柏木に通りフリーになったがトラップが僅かに大きくシュートが撃てなかった。32分には啓太のスローインを左サイドでいち早く受けた柏木が中に送ると逆サイドに流れそこに走り込んだ平川が中に折り返し矢島が放つが柴崎に当たってコーナーに。ここは平川が撃っても良かったか….
いずれも相手のスペースに走り込む動きから生まれたチャンス。 前線でこう言う動きが、特に相手の両サイドの裏に入る事が出来る展開になれば…と思った。
このチャンス以外は川崎が主導権を握る時間が続く。そして天候も計算に入れてか田坂、柴崎がミドルを放つ。だがGK加藤順大のキャッチは安定していた。
35分からはちょっとファールの多い展開となったがカードは出なかった。 小松が阿部を倒し、梅崎を連続して倒した時はカードが出るだろうと思ったけど…そして浦和リードのまま前半は終わった。



後半に入り川崎ベンチは元浦和所属の山瀬がベンチに下がり矢島卓郎が投入されトップに入り小松が山瀬のいた左サイドに回った。この選手交替がぴたりと当たった。45分30秒には小松が左サイドから中に入れ矢島卓郎のヘッドを引き出すがここは加藤順大がパンチで防ぐ。 後半立ち上がりは憲剛が右サイドによりそこから攻撃の芽を創る。またレナトのドリブルも勢いを増す。 ジュニーニョ、レナチーニョと川崎はドリブル突破の出来る外国人選手を探すのが上手いのか?
51分15秒には森下のロングフィードが小松に渡るがここは槙野がマーク。54分、レナトからボールを受けた小松が中の矢島卓郎に送るが梅崎がクリアー。 55分38秒には憲剛から右サイドを上がった田坂にパスが通りセンタリング気味のシュートを放つが加藤順大が弾き出す。 劣勢に続きの浦和を見て同点にされるのも時間の問題と感じる。



すると梅崎が左サイドをドリブルで突破しファーサイドにクロスを送るとそこに矢島慎二が飛び込んだが合わなかった。そしてこれが後半浦和の唯一のチャンスであった。
56分、浦和ベンチはMF矢島慎二を下げてマルシオ=リシャルデスを投入する。中盤でボールをキープする為か。



しかし遂に川崎が同点ゴールを挙げる。 58分、左サイドから小宮山が中に入れる、一旦は坪井がクリアーするも柴崎が拾って右側に攻撃参加した森下に送る。森下は前線に入れ小松がヘッドで折り返したところ中央からフリーで矢島卓郎がヘッドで浦和ゴールに捻じ込んだ。 浦和DF陣も揃っていたんだけど完全に振り切られ小松、矢島には着けていなかった。



同点に追い付かれた浦和はなかなか相手PA付近と言うよりも相手コートに入れない。 60分40秒には柏木からのパスをインターセプトしたジェシがそのままサイドを突破しようとしたところを槙野がファールで止めてイエローカードが出る。 浦和のDFラインは3バックなのでその両サイドの端を突かれているのか、後半は特にタッチライン付近を何度も破られていた。
そのリスタートからジェシがヘッドを放つがクロスバーを越える。  劣勢続きの浦和は62分啓太を下げて山田暢一を入れる。 今度は中盤と言うよりもタッチライン際の守備を安定させる狙いか。 
山田暢一が投入されてもなかなかプレーが始まらない。誰か倒れたのかと思ったらジェシのシュートの時にゴールカバーに入った阿部が勢い余ってゴールネットを外してしまった。 この間ストレッチをする選手らがいたが浦和にとってはありがたいインターバルだっただろう。 71分、浦和ベンチ前で原口がペドロビッチ監督に呼ばれている。だれと替るのだろうとピッチを見ていると、槙野ミスパスが小松に拾われドリブルで上がると阿部が後ろからチャージに入る。ボールがこぼれて今度はレナトが拾ってドリブルシュートに持ち込む。ここは加藤順大がナイスセーブで防ぐが、家本主審が阿部に走り寄る。あぁイエローが出されるかな…と思うと家本主審は胸ポケットからイエローカードを出した。3分前にも阿部はイエローを受けており、これで退場になってしまった。
阿部もイエロー覚悟のバックチャージだったのだろう。憲剛が駆け寄りすぐに腕からキャプテンマークを外して柏木に渡した。



浦和ベンチはこの退場を受けて原口ではなく濱田を投入しポポを下げた。





濱田と槙野のどちらを最終ラインに入れるのだろう…とその6分後今度は槙野が2枚目のイエローカードを受ける。 正面からドリブルで突破され様としたレナトを手で引き倒してしまった。ただレナトもファールを貰う様なドリブル突破だった。 このイエローは槙野をはじめレッズの選手達も納得いかないと言った表情。
当然判定は変わらずこれで浦和は残り十数分間を9人で凌がねばならなくなった。 



2人少なくなったレッズをサポーター達は川崎の選手がボールを持つと大ブーイングを飛ばしレッズイレブン(いやナインか?)を鼓舞する。 85分、川崎ベンチは小松を下げて小林を投入する。 前線で上背のある小松、矢島に手を焼いていた浦和DF陣だったのに、しかも長身の阿部、槙野が退場してしまったのになぜ小松を下げたのだろうとこの時思った。中盤またはDF選手を下げての小林投入でも良くはなかったか? その直後に川崎は波状攻撃を見せるが梅崎、坪井が必死のクリアー。 平川、梅崎はもうDFラインに入っているみたいだった。 





もし中盤でボールキープして時間を稼げるリシャルデスがいなければ敗戦を喫しただろう。
ロスタイムに入るとサポーター達から“ We are REDS !! “ のコールが繰り返される。 この大歓声が相馬監督の指示の声をかき消してしまったらしい。 ロスタイムは5分と表示される。 浦和にとっては長すぎると感じられただろう。 
91分平川が一気にドリブルで右サイドを上がり最後は柏木が粘ってCKを取る。シュートコーナーを送り時間を稼ぐ。このプレーで2分間時間を稼げたことは大きかった。



94分55秒、柴崎からボールを受けたジェシが右の田中に送り更に前の田坂に繋ぐ。そして田坂がクロスを上げようとした時の家本主審の試合終了を告げるホイッスルが鳴った。 今度はプレーが終わる前に笛を鳴らされた川崎の選手達が主審に抗議をする。
勝点1を分け合った両チームだけど2人すくないチームを相手に川崎は絶対に勝点3を挙げるべき試合であっただろう。 そして浦和にとっては勝点を死守した試合結果だった。

そして審判団が退場する間レッズサポーター達からは大ブーイングが浴びせられた。 



退場者を出す前から浦和は劣勢続きだった。 あのまま11人で戦っていても勝点1以上稼げたか解らない。次節鹿島を相手にどういう布陣で臨むのだろう。
川崎は本当に惜しい試合を勝てなかった。次は好調のFC東京だ。今度はスタメンから矢島、小松を並べるのだろうか….

帰りはすっかり雨が上がっていた。 日本にJ-League がある喜びを感じながら帰途に着いた。 

しかし4月がすぐそこに来ているのになんちゅう寒さや….と言う事の方が強く思った….. 



無念の…まずJ1昇格を 京都サンガ 2-4 FC 東京 1st Jan. 2012

2012-01-03 | 京都サンガ J-League
子供の時天皇杯の準決勝戦、決勝戦をテレビで見る事が年末から元旦にかけての1つの行事みたいだった。
それは父親がヤンマーディーゼルに勤めていたからだ。70年代初め日本を代表するチームだったヤンマーは天皇杯決勝戦の“常連”だった。同じ職場の“社員”達の活躍を楽しみにしていた様だった。そして決勝戦が終わったらよく仕事仲間と思われる人から電話が掛かって来ていた。 あの世界の“カマモト”も職場にいて何度も仕事上で話をしたとよく父は言っていた。
子供の時テレビで見た国立競技場にいつかサッカーを観に行きたいなぁ…と子供の時に思ったものだった。
J-League 発足前は天皇杯決勝戦が世間一般では最もサッカーに触れられる試合だった。

それから40年近くが経った。サッカーはプロリーグが発足しワールドカップ連続出場を果たし一般人の関心も取り巻く環境も劇的に好転している。それでも天皇杯決勝戦は私の中でサッカーの関心事としては高い試合だ。
そして人生で初めて決勝戦を現場観戦する機会に恵まれた。それもこれも愛する京都サンガFCのおかげだ。

2012年、平成24年の元旦の朝はやや雲の多い空だった。雨の心配はなさそうだったけど気温は低くなりそうだった。
幸運にも手に入れた決勝戦のチケット。 着て行く服は準々決勝戦の湘南戦そして続くマリノス戦と同じ服装にした。勝ち運が逃げない様に…しかし気温が下がりそうなのでアンダーパンツ、要するに股引は履いて行った。それが裏目に出なければ良いがと最後まで迷ったがよく考えれば自分の服装で試合結果が左右されるはずもないことであった….

千駄ヶ谷駅を降りた時はよく晴れた天気になっていた。しかしこの駅で降車した乗客の殆どはFC東京のマフラーやレプリカを纏っていた。やはり“地元”は違うなぁ…と思ったけどわたしは昔からどちらかと言えばアウェーゲームの観戦が好きだった。
競技場入りしたのは試合開始の約40分前。心配だったのは席が空いているかなぁ…と言う事だった。 家を出る前に見た女子日本選手権の決勝戦では両ゴール裏は結構人が入っていた。
京都サポーター席の方は東京側程ではないがもう満席に近かった。天皇杯決勝戦はやはり違う。でも関東にも多くサンガサポーターがいる事が改めて解りそれを嬉しく思った。
結構前の方の席で並びで5席ほど空いているところを見つけた。しかし座席には白色と紫色の紙のボードが置いていた。周囲の人に“ここ空いていますか?”と訊ねると“どうぞ”と言ってくれたので誰かが確保していたのならまたどけばいいやと思いそこに座る事とした。そしてそこは誰にも確保されていなかった。 人文字用のボードがあらかじめ置かれていたので多くの人がそこは空席ではないと思われていた様だった。



向こう正面にはFC東京のサポーター達が陣取る。マリノス戦では“アウェー席”がサンガサポーター席だったけど決勝戦では“地元”であるFC東京が“アウェー側”で京都が“ホーム側”の席が充てられた。
そして東京側からは“J1なんてララ~ラララララ~ラ♪”との合唱が始まった。今年からJ1なのになぁと思っていると、続いて“俺達J1 !! “ とのコールが始まった。おいおい昇格を自慢しているんかいな?と思っていると”お前らJ2 !! “ とのコールが始まった。サンガサポーター達からはブーイングが飛ぶがはっきり言って返せる言葉が無かった。



昨シーズンはJ2で2度対戦し 1-4, 1-6 の連敗と言うよりも惨敗。 しかしその後は工藤が復活する等システムを変更し最後の9試合を8勝1敗で乗り切っている。だから東京相手にどこまでやれるのか楽しみでもあった。
東京のスタメンは準決勝のセレッソ戦と同じスタメン。 9月10日J2リーグで対戦した時とほぼ同じスタメン。しかしあの時はGK は権田でなく塩田。そして石川直宏はベンチスタートで田邉が起用されていた。その時は開始11分に宮吉が先制ゴールを決めたが以降6連続失点を喫しFWルーカス には3ゴールも決められた。石川と並んでもっとも警戒すべき選手であった。
愛するサンガのスタメンは前の試合で警告を受けて出場停止のCB秋本に替って安藤淳がそのポジションに入り加藤弘堅が右SBに。そして中村充孝と組むボランチにチョンウンリョンが出場停止から還って来た。 安藤はCBでの起用は178cmという長身が買われたのかもしれないけど本来MFの選手。大丈夫か?と思ったけどこの試合がサンガでの最終試合となる弘堅のスタメン起用は本当にうれしかった。
そして選手達が入ってくる。天皇杯と書かれたところに並ぶのはどちらのチームだろう…と思った。そしてFC東京サポーター席の人文字に感心したけど、帰宅後テレビで見たらこちら側の人文字も鮮やかだった。



観客席から見ていると東京の選手の上背の高さが目に付く。
後で調べると羽生と左SBの椋原以外は 全て175cm 以上の選手だった。



東京のキックオフで始まった試合は開始早々の45秒、スローインを受けたルーカスが福村のマークを受けながらも素晴らしいミドルを放ち、2分50秒には高橋が森下のマークを振り切り縦パスを石川に通しドリブルシュートを撃つ。共に水谷がナイスセーブで止める。5分34秒には右SB徳永のクロスに石川がヘッドを放つがCB森下がCKに逃れる。開始から右サイドからの速攻に脅威を感じさせられる。そうかと思えば8分27秒には右サイドから谷澤が中に入れ高橋を経由して石川に送られクロスを放り込まれるがここは安藤がクリアー。マリノス、ベルマーレが見せなかった力強い“推進力”を見せつけられている様だった。



しかし先制ゴールはサンガに生まれた。 13分中盤からドゥトラがドリブルで上がると今野と梶山が挟み込むようにマークに入り、梶山に当たって前にこぼれるとそこには中山が。博貴がそのままドリブルで持ち込み東京ゴールにシュートを蹴り込んだ。
一斉に周囲が立ち上がる。よしナイスシュートだ。なるべくリードの時間を長く……と言う期待は長く持たなかった…..

東京は左CKを得ると石川がショートコーナーを送りそのリターンをファーサイドに送るとそこには今野がいた。今野がファーサイドをヘッドで狙う、ボールの先に飛んだウリョンはクリアーしきれずゴールインとなりあっという間に東京に追い付かれてしまった。
出来るだけリードをする時間を長く取りたいと思っていたんだけどなぁ~、と一気に落胆してしまった。 
試合後今野が“先制されてちょっとパニックになった。”と語っていた様にこのゴールは東京イレブンに落ち着きを取り戻したと思う。そして同点ゴール後石川が再び2列目右に戻った。



19分26秒にはFKからルーカスに安藤と弘堅のマークを受けながらもシュートに持ち込まれ水谷が右に倒れて何とか止める。 
サンガの攻撃は前線の宮吉とドゥトラのドリブル頼みであるがドゥトラにボールが入ると中盤がフォローに入る前に2人、3人と囲みに来るのでボールがキープできずすぐに東京に攻撃が移ってしまう。東京の前からのプレスも厳しく、ボランチの高橋、梶山が高い位置に張り続けられクリアーボールも拾われたり跳ね返されてしまう。 やはり圧倒的な強さでJ2を制するチームは違うなぁ…と思っていると何やら椅子が揺れ出した。その揺れは大きくなり小さくなってもけっこう長く続いた。周囲でおびえる人達も少なくなかった。
電光掲示板上のポールを見ると結構揺れていた。 今年も地震の恐怖に悩まされるのだろうか…..
しかしピッチ上では何事も無かった様に試合は続いていた… こんな時の試合判断はどうするのだろう…と思っていると電光掲示板に地震の事が伝えられた。 試合終了後帰途に着くときに交通機関が問題なく動いていればいいんだけど…と思った。
25分過ぎからまた石川が左サイドに回って来て、27分26秒には羽生からパスを受け中央に送りルーカスのシュートを引き出す。これはGK水谷の正面に飛んだ。 石川のマークを何とかしないとなぁ….と思うと30分頃にまた右サイドに戻って来た。 
そして35分12秒、サンガPAすぐ外でFKを与える。 サンガDF陣は上背が…誰かに合わすのかな….と思っていたらCB森重が蹴ったFKは直接目の前のサンガゴールネットに吸い込まれる逆転ゴールとなってしまった。


 
あぁひっくり返された…と狂喜するピッチ上の東京の選手達を見て9月10日の試合結果を思い出しながら呆然とそう思った。
逆転した東京は右の徳永、左の椋原と言った両SBまでどんどん上がって来ていた。そしてワンタッチパスがどんどん回りサンガDF,中盤のマークをずらして更に攻勢に出て来る。36分47秒には羽生からのパスを受けた石川がルーカスに送り、リターンを貰って放った強烈なミドルはクロスバーを僅かに越える。39分左サイドに回った石川が逆サイドに送り徳永が放ったシュートは水谷がセーブ。 
何とかこのまま持ちこたえてくれよと願うが42分9秒、GKを高橋が森下と競りながら前に跳ね返すとそこにはフリーのルーカスが。そしてルーカスには安藤が必死に戻ってマークに入ろうとするもそのままドリブルシュートを決められリードを広げられてしまった。



安藤の位置がちょっと前過ぎた。しかし安藤は本来MFの選手。CBのポジションは…と言う不安を露呈させてしまった。
終了直前、石川が中央のルーカスからボールを受け左サイドから放ったミドルはゴール枠の角を叩いてくれて前半はそれ以上の失点を防げた。 あぁ、やっぱりこれが両チームの力の差か…と重い気持ちでハーフタイムを迎えた…



サンガのキックオフで始まった後半も開始37秒には東京がサンガゴールに攻め込む。最後はルーカスはシュートを撃てなかったが、サンガはどうやって状況を打開するのだろう。久保はいつ投入されるのか…と思った。 
京都はショートパスを繋いで東京PA付近に迄来るのだがそこから奪われた時にロングパス1本で一気にサンガゴールを脅かされそうになってしまう。なんだか不経済だなぁ~と思っていると53分58秒、遂に久保裕也が投入された。下げられたのはドゥトラ。この試合はタイトなマークに苦しめられ見せ場は作れなかった。だけどここは思い切って3トップに….は無理だったか…



しかし57分44秒、宮吉のドリブルが止められルーカスが左サイドをドリブルで上がり入れられたハイクロスをウリョンがヘッドでクリアーするが羽生に拾われ石川に送られる。石川は上がって来た今野に送り今野はヒールで石川に戻しそこから放たれたシュートがポストの左をかすめまたもひやりとする。 2点リードもあってか東京は次から次に前線に選手が上がって来て分厚い攻撃を続ける。
58分サンガベンチは充孝を下げて19歳の駒井を入れ、博貴を中に入れ駒井は2列目の左に入れた。
中に入った博貴が64分44秒、左サイドを突破して来た福村のクロスをオーバーヘッドで狙う。シュートは大きく外れたが博貴が中に入った事によりボールキープが出来てパスが前線まで繋がる様になった。しかし最終ラインをなかなか突破出来ない。
そして65分49秒、カウンターから羽生、そして左サイドの椋原と繋がれそこから前線に走り込んだフリーのルーカスにまたも渡り福村がマークに入る前にファーサイドにシュートを入れられてしまった。
これで3点差がついてしまった。 この時点でサンガの勝利は…と思うのはなぁ~と力なく思いながらピッチでの展開を目で追った。
70分41秒、東京ゴール前に迫った福村が梶山に倒されて良い位置でFKを得る。 左サイドの方だけど距離はそうはなれていない。ウリョンがセットをし直接狙ったショットはGK権田が素晴らしい横っ跳びのファインセーブで弾き出してしまった。 あぁあと少しだったのになぁ…よし解った権田。その調子で五輪予選も相手シュートを止めてくれぃ…・ 五輪予選で言えば韓国代表のチョンウリョンのFKを日本代表の権田がストップしたと言う事か…



その直後のウリョンが入れたCKに久保が飛び込みヘッドを捻じ込み1点を還した。



FK を止められ落胆した後のゴールだったので喜びも2倍以上だった。 それにしても久保は何と素晴らしい選手なのだろう。このヘッドも高橋に後方からマークを付かれながらのヘッドだった。 残り時間は20分ある。次にサンガがゴールを決めて1点差とすれば面白くなる…ととたんに希望を持つ様になった。



東京ベンチは71分に羽生を下げて鈴木を入れ75分には谷澤を下げて FW ロベルト・セザーを投入する。 鈴木は羽生のいたトップ下にそのまま入ったがセザーは1トップに入りルーカスが2列目左の谷澤のいた位置に入る。 
サンガベンチも76分に弘堅を下げて下畠を入れた。下畠も若い選手だ。サポーター達からはピッチを後にする弘堅にコールを送る…



そしてサンガがボールをキープする時間は更に長くなる。しかしDF陣はラストパスを通させない。 86分40秒工藤がルーカスに倒されて得たFKはクロスバーを越える。 87分20秒、久保が森重からボールを奪い工藤、宮吉と繋ぎ再び久保にボールが入るが東京DF陣は3人がかりでストップ。90分迄に1点を返せばロスタイムで…と胸算用すると今度は東京がカウンターからサンガゴールに迫る。 セザーが右サイドから切れ込み中に入れると鈴木と下畠が縺れながらゴールに雪崩込みそこに水谷が身体を投げ出す。ボールはこぼれて戻った安藤がクリアーを。 



ロスタイムは3分と表示される。 3分で2点は…



91分13秒スルーパスを受けた駒井がクロスを送るが森重がクリアー。 ドゥトラが退いたサンガは高さがない…
91分53秒 久保が下畠からパスを受けたところを今野がファールで止めてFKに。ウリョンがボールをセットする。さっきと距離は同じそして今度は右サイドから。もう時間的に同点は不可能だ。でも最後に決めて俺達を喜ばせてくれ….と思うがファーサイドを直接狙ったウリョンのショットはバーに当たりピッチに跳ね返る。



こぼれ球を拾った宮吉が工藤に送りミドルを放つがルーカスがヘッドでクリアー。そのこぼれたところを拾った森下が東京ゴール前に放り込むがここもルーカスがヘッドで跳ね返す。
そして試合終了を告げる西村祐一主審のホイッスルが鳴った。

あぁやっぱり甘くは無かったなぁ~。 これが正直な感想だった。


 
昨シーズン、最後は連勝したけど結局J2リーグの7位に終わっているのだ。そんな結果で ACL に出場すること自体甘い考えだったのかもしれない。 確かに鹿島、マリノスを連破したけどこの東京戦を見るともし仮に来シーズンJ1に入っても直ぐに降格してしまう可能性は低く無い。 じっくりと鍛えて力を付けてまずはJ1に昇格をして欲しいと強く願った。
幸い若い選手が多くまだまだ発展途上段階、もっと強くなれると手応えを感じるサポーターも多いだろう。

表彰式を終えた両チームの選手達がそれぞれ場内を回る。サンガの選手達が東京サポーター席の前で挨拶をし拍手を浴びてこちらにやってくる。 鹿島戦は貴重な決勝ゴールを決めたが以降は3試合無得点に終わった宮吉は悔し涙を流している。 
弘堅、金成勇ら今シーズンを最後にサンガを去る選手達に声援を送る。



次に東京の選手達がやって来た。 こちらから拍手と“東京!東京!”と声援を送る。
“ACL 頑張れよ !! 1次リーグなんかで負けるなよ !!”と 私は叫んだ…



後片付けを手伝い、何人かのサポーター達に挨拶をして帰途に着いた。 国立競技場前から地下鉄に乗車すると中は全て東京サポーター達。あらら完全アウェーだわ…と思っていると1人のサポーターと目があった。
“そちらは強すぎたですね。こちらは弱すぎましたね。”私が言うと
“いえいえ、是非昇格して下さい。今度はJ1でやりましょう。”といってくれたので
“ACL頑張って下さい。観に行きますから。”と答えたら、結構受けた….

確か Brisbane Roar と同じ組になるはずなので楽しみなのは変わらない。また Warren のユニフォームを着て行こう。
息子もACLなら観に行くだろうか…



今年何回サンガの試合を見られるかな….. 帰って録画した試合を見ていたら前半の途中で寝てしまった…..

みなさん本当にお疲れさまでした  そして俺も。



謹賀新年… 今年は昇格を…

2012-01-02 | 京都サンガ J-League
サンガ新年。と言いたかったのですが期待した天皇杯決勝戦は残念ながら 2-4 で敗れました。
勝てなかったのは悔しくて無念ですが、私達の願いはまずJ1昇格。 
今年は若い選手が多いので期待も出来ると思います。
京都から国立競技場へ参戦された方々本当にご苦労様でした。 それからこの日競技場に来られた方も、来る事が出来なかった方も。
今年始まるJ2に期待持てそうな気がします。 
詳しい報告はまたアップ致します。(誰も待っていないか??)

120分の死闘制して元旦に !! 京都サンガFC 4-2 横浜マリノス 29th Dec. 2011

2012-01-01 | 京都サンガ J-League
仕事納めの翌日。冬晴れの29日。東京千駄ヶ谷の国立競技場に脚を運ぶ幸福を存分に味わいながらその目的地に向かった。サッカーだけでは無い、数々のスポーツドラマが演じられた国立競技場は私が学生の時も自身のあこがれの地であった。そこのトラックで公式大会に出場出来た事は私の人生の大きな財産となっている。
天皇杯の準決勝戦を観戦するのは4度目だ。残念ながらまだ長居競技場での観戦は無い。 
最初に見たのは1990年12月末に行われた日産自動車対古河電工戦であった。誰が決勝ゴールを決めたが忘れてしまったが 1-0 で日産自動車が勝利を収めた。
その2年後Jリーグ開幕を5カ月後に控えた1992年12月末に行われた川崎ヴェルディ対浦和レッズの試合は激戦の末PK戦にまでもつれ込みヴェルディが勝利を収めた。同点ゴールを決めた KAZU のカズダンスを見る事が出来た。 
そして何よりもたった2年しか違わないのに観客数、試合の迫力がこんなに違うものかと感じた。プロリーグの開幕が本当に楽しみに思えた。
そして2002年。ワールドカップが開催された年の末、自宅近くのさいたまスタジアムで開催された準決勝戦、愛する京都がサンガがフレッチェ広島を 2-1 で破った試合を観戦した。随分と観客が少なく、ワールドカップとはえらい違いだなぁ..と思った。
そしてサンガは天皇杯のタイトルを勝ち取り、あれからもう9年が経ったのだ……
9年振り決勝進出を掛けて準決勝戦の対戦相手は横浜Fマリノス。今シーズンはJ1で5位に終わった。マリノスの天皇杯決勝進出は何と第72回大会、19年前までさかのぼらねばならない、と言うよりもJ-League が開幕してからまだ1度も決勝に残った事が無いのだ。
日本リーグ時代、私のお気に入りは日産自動車だった。木村和司、金田、水沼、長谷川健太、松永、レナト、ロペス… 魅力的な選手達が溢れていた。そして71,72回大会の決勝戦では連続して読売クラブと対戦したが日産対読売こそ当時非常に稀であった日本で見られる金を出しても見たい試合であった。
恐らく多くのマリノスサポーター達は19年振りの天皇杯決勝戦進出を信じて疑わなかっただろう。私も半ば“今度は厳しいかなぁ….”と思っていた。



競技場に着くとキックオフ半時間前だと言うのに既に入口付近のゴール裏席に陣取るマリノスサポーター達の歓声が聞こえて来た。あぁ、約2時間後、俺はどういう心境でいるのだろう…とだんだん不安になって来ていた…



サンガ側のサポーター席に着くと準々決勝戦よりは多く紫のレプリカを纏った人達が着ていた。しかし向こう正面には更に多くのマリノスサポーター達が…関東地区で行われる試合だから仕方ないか…



サンガは累積警告で出場停止のボランチ、チョンウリョンに替って加藤弘堅が同じ位置に起用された。マリノスは森谷が名古屋戦で警告を受けこの京都戦は出場停止。しかし兵藤が出場停止から明けたので2列目左に入る。 警戒すべきはFW小野裕二と渡邉千真の2トップ。小野はスピードがあり渡邊は身長もある。渡邉千真はかつてサンガでプレーした渡邊大剛の弟だ。前にマリノス戦を見た時は兄弟対決だったなぁ…試合結果は弟に軍配が上がったけど…
そして何といっても2列目右に入る中村俊輔。欧州でプレーする時は彼の活躍が伝えられると嬉しく思い、代表では頼れるMFだったけど、ここはあまり活躍して欲しくないなぁ…が本音だった。



京都のキックオフで始まった試合は開始早々は京都がマリノス陣深くに侵入し工藤がクロスを上げる。これはボランチの小椋がクリアーする。2分53秒にはドゥトラがドリブルで切れ込む。ドゥトラは2010年のシーズンでマリノスからゴールを決めている。立ち上がりの攻勢にやや勇気付けられる。しかしすぐに主導権をマリノスに握られる。小野が下がってボールを受けると兵藤が上がり千真と共にサンガゴールに迫る。6分38秒には谷口からパスを受けた千真が弘堅がマークに入る前に放ったシュートがサンガゴールネットを揺するがこれはオフサイドだった。このチャンスは元々俊輔の素晴らしいワンタッチパスが谷口に入って生まれたものだった。9分には充孝が小野を倒してゴール前嫌な位置でFKを与える。栗原、中澤の長身CBが上がって来てファーサイドに立つ。このFKから栗原がヘッドを放つがここは決まらなかった。しかし秋本との競り合いでも頭一つ抜け出た高さに残り80分以上の事を考えると気が重くなった。その上中澤もいるし…。
サンガの中盤は俊輔を中心としたマリノス攻撃陣のマークに後手を踏み最終ラインで何とか身体を張って止めている。FW宮吉までセットプレー時には守備に腐心する。それもファールで止めざるを得ない時もあり与えてはいけないFKを俊輔に“与えてしまう”。



18分16秒には安藤が俊輔をファールで止めFKを与える。これも嫌な位置。そしてCB栗原、中澤がまたもファーサイドに入りまたも栗原が今度は森下と競りながらヘッドを放ちサイドネットに直撃する。
前半はマリノスがこちらに攻めて来るので俊輔がボールをセットするだけで得点になりそうな気がする。
29分52秒、ドゥトラが右サイドをドリブル突破を図り入れたクロスに中山博貴が飛び込む。僅かに合わなかったが個のプレーを境に京都が徐々にペースを握りだす。守勢に回っても中盤が、特に博貴がタフに守りPA付近に近寄らせない。
攻撃に転じても30分10秒に充孝の中央からミドルを放ち栗原に当たり跳ね返ったこぼれ球に詰めた宮吉がシュートを撃つがGK飯倉がストップ。31分30秒にはドゥトラのシュートが中澤にクリアーされたがこのシュートは中盤からショートパスを繋ぎ相手DF陣を崩してシュートに持ち込んだもの。
そして39分20秒、我々サンガサポーターが大きな歓声と溜息を洩らすシーンが。
小椋からのパスをカットした安藤が入れたクロスは中澤にヘッドでクリアーされるがこぼれ球を拾った充孝がそのまま放ったミドルは強烈にクロスバーを叩く。更にそのこぼれ球を弘堅が撃つが今度は左ポストを直撃する。
“ポストの当てる方が難しいンとちゃうんかいな~~…” と私は天を仰ぐ。
その直後、安藤の右からのクロスにドンピシャのタイミングで飛び込んだドゥトラのヘッドが炸裂するがGK飯倉が信じられない反射神経を見せて防がれてしまった。
我らがサンガやるではないか…と喜ぶ半面、これでも得点にならないとは嫌な予感もした。




そしてその予感が当たってしまった。 41分18秒、水谷のゴールキックを栗原がヘッドで戻したところを受けた俊輔が福村のマークを振り切り前線にスルーパスを送るとフリーの千真に渡りそのまま抜け出される。そしてゴール正面でGK水谷を落ち着いて外して追いすがる秋本がマークに入る前に落ち着いてサンガゴールにシュートを流し込みマリノスの先制ゴールが生まれた。
あぁ~やっぱり甘くは無かったなぁ~…。向こう正面から聞こえてくるマリノスサポーター達の歓声を聞きながら落胆した。
それにしても局面を変える一発のパスを出す俊輔はさすがだなぁ…と感心してしまった。



そして準々決勝の前半終盤と全くの反対の試合展開で1点をリードされて前半が終わった。
後半は何とか前半見せた様な猛攻をもう一度見せて今度はゴールを決めてくれよ…と期待も抱いた。

ハーフタイム中にこの日行われた U-15大会 の決勝戦で我が京都サンガFC U-15 が優勝した事が伝えられた。こちらのサポーター席から歓声が上がる。するとマリノスサポーター達からも拍手が沸き上がった。試合開始前のスタメン発表時にはいきなりブーイングを浴びせてくれた彼らだったけどここのみな有難く思った…

マリノスキックオフで始まった後半。 攻勢に出るのはマリノス。最初の一歩が早くサンガの選手はなかなか前を向いてボールをコントロール出来ない。49分にはドゥトラが主審に何か言ったせいかイエローが出される。ドゥトラへのマークも次第にきつくなる、それよりボールが出る頻度が減っているのか…



こりゃ、ちょっとすぐには同点には追いつけないかなぁ…と思っていると中盤でドリブルで上がった工藤がそのままミドルを放つとその弾道はGK飯倉を破ってマリノスゴールに突き刺さった。 谷口から小椋に送られた縦パスを工藤がカットしそのままドリブルで前線に上がるとその前を宮吉が左から右にクロスしながら上がりマリノスDFの注意を引いた隙に放ったミドルが決まり同点ゴールが生まれた。 工藤は今シーズンジェフユナイテッドから移籍して来た選手だったがシーズン前に膝の十字靱帯を損傷しシーズン中盤迄棒に振った選手。しかし彼が復帰してから京都の連勝街道が始まった。 そしてこの試合の同点ゴールは後半開始5分内のこの時間に同点に追い付いた事で試合の流れを大きく替える貴重なゴールだった。





これでサンガの選手に前半終盤の動きが戻って来た。 ショートパス一辺倒からミドルパスを加える様になりサイドチェンジが見られるようになってきた。1対1でも対等以上にやれていた。
マリノスも俊輔を中心に攻撃に転じる。しかし俊輔にボールが入っても2人、3人と寄って来て囲い込む。時折ファールで止める事もあるがシュートシーンは殆どセットプレーからとなって来た。それでも俊輔は落ち着いてボールをさばいていた。
70分工藤が谷口にファールで止められ早いリスタートから前線に送ると今度は小椋がドゥトラをファールで止め、マリノスゴール前の良い位置でFKを得る。倒されたドゥトラは蹴る気満々だ。



そのドゥトラが左脚を振り抜くと壁の右側から曲がり落ちた弾道は再びマリノスゴールネットに突き刺さり遂に京都がリードを奪った。 後方から見ていいて惚れ惚れする弾道だった。
思わずピッチに向かって、“俊輔。FKはこうやって蹴らなきゃ入らへんどぉぉ~ !! “ とヤジを飛ばした。だけど本当に入る様に蹴られた方が困るんだけど…



リードを許した直後にマリノスベンチはFW小野を下げてMF松本を投入し兵藤をFWに上げて千真と2トップを組ませる。
そして松本は2列目左に入った。小野は後半に入って目立ったシーンは作れていなかった。そして松本が結構スピードを生かしてサイドを抉るシーンが見られた。 そして80分には右SBの金井が下がり青山が入り、81分には谷口が下がってFW大黒が入った。84分には松本が快足を生かしてサイドを突破し大黒にクロスを入れるがヘッドを撃てない。
そして85分を過ぎると栗原が前線に上がり3トップを形成しフォーメーションを 4-3-3 とした。サンガも88分に秋本を下げて内野を入れる。 秋本はイエローカードを貰っており決勝戦には出場出来なくなっていた。 
気になったのはピッチの暗さだ。照明が不十分でハイボールを入れられたらGKはミスをするのではないか?と懸念した。



サンガは攻められながらもゴール前をきっちりケアーしているのでこのまま押し切ってくれるかと期待した。ロスタイムが4分と表示される。そんなにあったのかよ…と思うがGK水谷、DF陣はマリノスの攻撃を跳ね返す。



92分21秒。 内野がバックパスGK水谷に戻した時にマリノスサポーター達から大ブーイングが起こる。バックパスくらいで…と思うと何人かのマリノスの選手が主審に詰め寄る。後で知ったのだけど内野が胸でトラップした後にボールが右腕に当たっていたのだった。
 そして93分になった。内野のクリアーボールを左サイドで拾った俊輔が逆サイドに大きくボールを降ると栗原が森下と競りながら折り返す。そこに走り込んだ中澤が正面から渾身のシュートを放つ。そのシュートは跳ね返される。出せ出せ、外に蹴り出せ、と叫ぶがその直後にマリノスサポーター達の大歓声が沸き上がり同点ゴールが決まった事が解った。
中澤の内野、森下、安藤の間を抜けてゴール前に飛んだ弾道は一旦はGK水谷がブロックするがこぼれたところに充孝のマークに入る前に飛び込んだ大黒と中澤が一緒に撃ったシュートがサンガゴールに入ってしまった。 
中澤が最初にシュートを撃った時が丁度94分だった。 ゴールインの前に何かホイッスルは無かったか…と向こう側のサンガゴールを目を凝らして見るがゴールインの判定は当然変わらず同点にされてしまい、そのまま後半が終わった。

あぁあ10秒だったのになぁ…
私はすぐにトイレに向かった。結構長蛇の列だった。 隣の女子トイレを並ぶ御婦人達の会話が聞こえる。
でもお姉さんPK戦に入るとやばい。J1は強いわよ。
いや、水本が止めてくれます。いや水谷でした。
私は後ろで待つ男性に“そうですね。水本はもう他のチームの選手ですから。”と言った。 水本怪我は大丈夫かな…
追い付かれたけどマリノスベンチは交替カードを全て使いきっている。それにDFの選手を下げている。だからサンガの得点機がまた有るはずだ。と自分に言い聞かせた。




サンガのキックオフで始まった延長前半。開始から攻勢に出るのはマリノス。 大黒と千真の2トップはそのままだが2列目に右から小椋、兵藤、俊輔と並べ、更に右サイドに小林、左サイドに松本をディフェンシブハーフバックに入れ、最終ラインは栗原、中澤、青山の3バックにした。その為に中盤の選手が増え、サンガの選手はボールを持てなくなり、持てても直ぐに取り囲まれて前に繋げなくなった。
94分21秒には俊輔のワンタッチパスから兵藤がシュートを放つが水谷がファインセーブで防ぐ。大黒の動きでDFが釣られてスペースを開けてしまった。俊輔が右サイドに回られた時の方が左サイドは松本が上がるのでちょっと嫌だった。
両者無得点に終わった延長前半が終わりマリノスのキックオフで延長後半が始まると今度はマリノスはしきりにハイクロスを入れて来る。高さだとマリノスが優位に立つ。
108分、110分と連続して松本がクロスを入れて来る。そして110分48秒には俊輔が博貴のマークを受けながら千真が出したパスをゴール右で受け弘堅のマークをかわしてシュートを放つ。そのショットはポストの右に外れて行ったがさすがのテクニックだった。 更に113分には駒井からボールを奪った俊輔が左サイドからクロスを入れると大黒がフリーでヘッドを放つ。あぁやられた、と一瞬思ったけどシュートはクロスバーを叩いてくれた。 中澤がファーサイドに逃げてマークを引っ張り大黒のスペースを作っていた。 
延長戦に入りシュートらしいシュートを撃てなくて劣勢続きだったサンガであったが115 分、中盤をドリブルで上がった工藤がそのまま前方にスルーパスを送ると栗原と青山の間を抜けて103分にドゥトラと替って投入された17歳の久保裕二に渡る。久保はそのまま我々の方にドリブルで中央から上がって来て松本がマークに入る前に放ったシュートがマリノスゴールに決まり再びサンガがリードを奪う。 狂喜乱舞する我々だけど、私は必死に“まだ早いです。まだあと5分あります。”と叫んだ。



そして119分、俊輔のネアーサイドを狙ったCKはクリアーされこぼれ球を拾った松本が再びクロスを入れるが栗原のヘッドは大きくクリアーされ左サイドの久保に渡る。久保は小林のマークを受けながらも前線にドリブルで上がる。
“キープだ!キープ!!。ボールを離すな。!!”私は必死で叫んだ。あと1分キープしてくれ…と。
しかし小林のマークを受けながらもゴールラインまでボールを運んだ久保は最後はマイナスのパスを出しそこには何と駒井がフリーで走り込んで来ておりそのままマリノスゴールに流し込み試合を決定付ける4点目が決まった。
スクリーンに大きく天を仰ぐ木村監督の姿が映し出された。



もう大丈夫だ。これで元旦だ。我々は心おきなく歓喜に沸いた。キックオフ後マリノスはサンガゴール前に迫ったがシュートは決まらず最後は水谷がGKを蹴った瞬間に試合終了のホイッスルが鳴り響き激闘にそして劇戦に終止符が打たれた。
我々の歓喜はいつまでもいつまでも続いた。まだ天皇杯は終わらない。我々の天皇杯は終わらない……
弘堅、もう1試合まだサンガのユニフォームを着られるぞ…..

試合後,横断幕を片づけるのを手伝った。そして皆口々に決勝戦のチケットの入手方法を話していた。
公式にはもう売り切れらしい。 マリノスサポーター席の後方で彼らから買い取れる…てな話をしていたので千駄ヶ谷門側に行こうとしたらそちらの方にはもう回れなかった。
だから外から回って正門の方に行くとサンガサポーターとマリノスサポーター達が混じって話をしていた。チケットの話だった。
あと数枚買い手を探していたらしいので自分の分を売って貰った。  そしてマリノスサポーター達数人が“お疲れさまでした。決勝戦、ガンバってください。”と言って去って行った。あぁこういう交流は最高だなぁ….

翌日。木村監督の解任のニュースが流れた。 我々の世代は彼は神様の様な選手だったけど、監督としてのマリノスサポーターの評価はどうだったのだろう…京都戦に負ければ解任すると告げられていたらしいけど…..

さぁ本当に決勝戦に進出したのだ。相手はFC東京。今シーズンは2連敗しているけど…

その前に元日に贔屓チームを応援できると言う幸福感を味わおう…


いざ!国立へ!! 京都サンガFC 1-0 湘南ベルマーレ 24th Dec. 2011

2011-12-26 | 京都サンガ J-League
腕時計のデジタルは48分を過ぎようとしていた。そしてボールがタッチラインを割った。
ロスタイムは過ぎただろう。レフリー、時計だ、時計だ。私は観客席から叫んだ。 ベルマーレのスローインで試合が再開される。
サンガゴール前やや左に位置する田原豊にロングボールが入る。しかし安藤淳が身体を張ってそのロビングを跳ね返す。
ヨシッと思った瞬間そのこぼれ球は松尾の前に転がる。 当たりに行け、だれか当たれよ、当たれ!!私が叫ぶが松尾はそのままPAの外からミドルを放つ。よし高い!! 心の中で叫んだ。 ゴール裏の二階席で見ていた私はその弾道は高く浮いてゴールには入らないと一瞬安心した。しかしその瞬間、バーンと言うボールがゴールの角に当たった音が聞こえた。 そしてそのままボールはゴールラインを割って外れて行った。 GK水谷が両手を挙げてこちらのサポーターズシートに走り寄って来た。
東城主審が試合終了のホイッスルを吹いてサンガが準決勝進出を決めた瞬間だとその時は解らなかった。
瞬時に事情を理解した私と周囲の人達は躍り上がって喜びを爆発させた。 そして思った。

良かった。勝った。勝ったんだ~。

後で冷静に考えればゴールフレームに当たってピッチに跳ね返らなかったので入らないシュートだったとも思った。しかしあの入らないと思ったシュートがゴール枠を叩いた事を思い出しぞっとした。 だけど、勝った事には間違いない。まだ天皇杯を“楽しめる”と言う幸福感がじわじわと沸き上がってくる。 昨年のワールドカップでカメルーン戦後に味わった様な…..

4回戦で鹿島アントラーズを降し準々決勝

12月17日に鹿島を破り準々決勝進出を決めた愛するサンガの対戦相手は川崎フロンターレを破った湘南ベルマーレだった。
川崎だったら散々えらい目にあわされて来た。しかも次の試合会場はフロンターレのホーム等々力競技場。ここで何度大負けしたのか…まぁ天敵ジュニーニョがもういないから何とかなるかも…と思っていた。
湘南は今シーズンのJリーグでは震災の影響で日程変更された為中3日で2連戦して2連勝だった。J1の川崎よりも湘南の方がやや組みし易しで有る事は間違いないが2010年のシーズンは1敗1分。
“過去の対戦”よりもJ1川崎を倒したもっとも直近の“実力”を見つめるべき、慢心は絶対に禁物と勝手に自分自身に言い聞かせていた。

準々決勝戦の行われた12月24日は前日と打って変わっての好天で温和な絶好の冬季サッカー観戦日和であった。
武蔵小杉駅に着くと等々力競技場方面に行くバス停に長蛇の列が出来ていた。 てっきりこの日も競技場までの臨時バスが出ると思っていたけど、この試合は“フロンターレのホームゲーム”では無いので通常のバスのみの運行であった。 フロンターレが勝残っていたら臨時のシャトルバスは出されていただろうか…
久々にキックオフ時間に“遅刻”せず競技場入りで来た私は1階席か2階席で観戦するか迷った挙句1階の立ち見席で観戦する事とした。後方から入り込む寒風が背中を直撃するのが閉口した…

まず愛するサンガからスタメンが発表された。予想通りに4回戦と同じメンバーだった。 湘南も川崎戦と同じスタメン。Jリーグ大戦時のスタメンからGKを含めて3人が入れ替わっていたがシステムそのものが4バックから“天皇杯仕様の 3-4-3 “ に替っているのは周知で Jリーグでの連勝が参考にならないと試合前から思っていた。そしてサンガは Jリーグの2連戦からDFが2人替っていたが( 酒井、内野に替って安藤淳、森下がスタメン起用)システムは 4-4-2 のままだった。だから気を引き締めて掛からないと…と思った。(あまり関係ないけど。)
選手紹介で湘南の田原がアナウンスされるとサンガサポーターからも拍手が沸き起こった。








サンガのキックオフで始まった試合、立ち上がりはサンガの時折ワンタッチパスを織り交ぜたショートパスが繋がり、また選手達の集散が早く相手ボールとなってもすぐに2人、3人と取り囲み次の展開の芽を素早く摘む。 3分36秒には充孝から宮吉にスルーが入り4分16秒にはドゥトラが右サイドでオーバーヘッドでボールを中に折り返す等チャンスを作る。特にファーストプレーが良いとその日はけっこう乗ってくれるドゥトラのオーバーヘッドはこの試合のパフォーマンスを期待させると思った。7分45秒には中盤から中央をドリブルで突破しバイタルエリアに侵入するもシュートは撃てなかった。そしてこぼれ球を遠藤に拾われ一気に前に出されそうになるとところは中山博貴がファールで上手く止めてくれた。そしてカードも出なかった。
9分には右サイド中盤から工藤のロングフィードが山口の頭を越えて宮吉に渡り、永木と縺れながらシュートに入るがここで出て来たGK野澤と交錯し倒れてしばらく立ち上がれない。昨年ここに観戦に来た時も開始早々GK水谷が相手FWと交錯してその時は交替を余儀なくされた。サポーター達は必死に宮吉に声援を送る。私は思わず“久保、早くアップしろ…” と言葉を漏らしたけど宮吉は立ち上がって一旦は外に出されたがチョンウリョンのCKの後は無事にピッチに戻って来た。 



宮吉が復帰してからもサンガのボール支配は続いた。だけどなかなかシュートが撃てなかった。
劣勢の湘南は18分9秒、左サイドで坂本からのパスを受けた高山が入れたクロスに田原が飛び込み後方のベルマーレサポーター達を沸かせる。そしてこの時間からサンガの集散の早さに対抗する為に4回戦で鹿島が見せた様なミドルパスを使ってサイドチェンジや行う。前線は187cmと長身で器用さも兼ね備える田原が(だから私は田原が好きなんだけど。)がターゲットになる。




そしてサンガはボールを持つ相手へのマークが後手になりだし反則で止めるシーンが目に付きだし、献上するFKから湘南にゴール前まで迫られるシーンが続く。



20分09秒にはFKをゴール前に入れられCKとなり、そこから山口からの折り返しに田原が飛び込む。27分8秒には③秋本がPAのすぐ外で⑮チハングギョルを倒して危ない位置でFKを与える。坂本が直接ゴールを狙うがこれはクロスバーを大きく越えた。
28分にもFKを献上し遠藤が高山へミドルパスを送りPA内に走り込んだ坂本に縦パスを通す。そして入れたクロスに田原が飛び込むが今度は秋本が何とかマークに着いてヘッドを決めさせない。遠藤が高山にパスを送る時クロスを上げた坂本が上手くスルーをする動きを見せサンガDF陣の動きを惑わした。31分臼井が粘って右サイドの菊池に入れたクロスにまたも田原がヘッドを狙うが今度は森下がクリアー。32分33分には連続してCKを許す。35分には森下がハングギョルを倒して献上したFKから坂本にシュートに持ち込まれるがこのシュートは外れてくれた。37分には中盤でチョンウリョンの田原へのチャージがファールにとられイエローカードが出される。チョンウリョンは30分にも坂本への激しいチャージがファールにとられ注意で済んだが今度はイエローが出てしまい次の試合は出場停止となってしまった。 その前の森下のファールにもイエローが出されていいた。 ちょっと、反則とカードが気になって来た。 
湘南は川崎戦からのシステム変更が効果的だったようだ。3バックに加えて両サイドの臼井(右)高山(左)がDFラインに入りサンガの攻撃を食い止める。序盤の攻勢後はドゥトラと宮吉のドリブル頼みだった。また高山が結構サイドを突いて来ては前線や逆サイドにミドル、ロングパスを出していた。
そして後でテレビ中継を見直した時に解ったのとだけど、キックオフ前のコイントスで勝ったのは湘南でエンドを取ったと事。それはサンガゴール側には西日が差しこみハイボールを入れたらGKがまぶしくて取りづらくなる事が解っていたからとの事でもあった。



39分26秒、宮吉が左サイドをドリブルで上がり後方から上がった工藤に送り上がったクロスは④山口にクリアーされるがCKを得る。サンガ久々のチャンスに身を乗り出す。 秋本、安藤らがPA内に入ってくるとウリョンが上げたCKに秋本がヘッドを放つ。ゴールネットには至らないがゴール前中央で待ち構えるドゥトラがアクロバティックな動きで浮球を捉えそのまま湘南ゴールに押し込んだ。GK野澤がCKの弾道に釣られて前に出て来てゴール前は空いていた。
一斉に周囲の人達と立ち上がりハイタッチをかわす。 セットプレーで押し込まれる時間が続いていたのだが逆にセットプレーで先制ゴールを挙げた。



先制ゴールを喫した湘南は42分にカウンター1本右からのクロスに田原が豪快にオーバーヘッドで狙うがここも安藤が身体を寄せてミートさせなかった。 
前半終了直前に山口がボールを失ったところをドゥトラがかっさらいドリブルで突破しそのまま遠藤がマークに入る前にシュートを撃つがここは決まらなかった。 右に宮吉がフリーでいたけど…
そしてサンガリードで前半が終わった。 控室に戻る選手達に向かって “京都サンガ !! “ のコールに続いて、 ”ドゥ~!! ト~ラ !! オレオレオレ !! “ の声援を送ることも忘れなかった….




30分過ぎから観戦を1階の立ち見席から2階席に移していた。この方がフォーメーションや選手の動きが良く解った。それに後半はサンガが向こう側に攻めに行くのでここで見続けようと思った。それに周囲の人達はみなサンガサポーター。階下から聞こえてくる声援にリズムをとりながら観戦を楽しめた…

後半に入る前に、湘南はリードされた事で前に出て来るだろう。そうすればその裏をドゥトラ、宮吉のドリブルでを取れる。相手はセットプレーさえ警戒すればいい。この日は秋本、森下のCBがしっかりとマークしているし安藤もよくマークに付いていると思った。後半立ち上がりからサンガのワンタッチパスが回るなど前半の入り同様サンガが主導権を握るかに見えた。
54分湘南ベンチは主将の坂本を下げて⑦石神を入れ高山を2列目シャドーに置き石神を高山が入っていた左SHFに入れた。
それでも次にチャンスを掴んだのはサンガ。65分に右サイドからボールを受けたドゥトラが強烈なミドルを放つがGK野澤がファインセーブで防ぐ。そのこぼれたところを詰めた宮吉がフリーで放つがクロスバーを大きく越えてしまった。ここで決めておけば…とばかりに宮吉が悔しがる…

67分今度は湘南がサンガゴール前に迫る。左サイド、ハングギョンがチョンウリョンのマークをかして田原に送り秋本がマークのマークを振り切りフリーの石神に送るそこに安藤がマークに入り石神が倒れる。一瞬PKかと思ったが東城主審はFKの判定で胸を撫で下ろす。しかしこの位置も湘南にとっては好位置。サンガサポーター達からは水谷コールが起こる。しかし遠藤が直接狙ったFKは大きく外れてくれた。そして水谷は大きくガッツポーズを取った。 



湘南は前線を田原の1トップから菊池との2トップにし、2列目右に高山、左には永木が上がって来て前線を厚くしていいた。それ
が攻勢に繋がっていたのかもしれない。71分にはハングギョンンからのスルーパスが高山に入りフリーでサンガゴールに迫るが水谷が前に出てきてストップ。
75分には更なるピンチを招く。湘南が左からのCKを得てゴール前に入れ一旦跳ね返されるがこぼれ球を拾った菊池が再び中に入れると高山が至近距離からヘッドを放つ。この時は“やられた!”と思ったけどGK水谷が素晴らしい反応で弾き出すとポストに当たってゴール正面にこぼれたところを今度はハングギョンがヘッドで押し込むがゴールライン直前でまたまた水谷が掻き出す。 ベルマーレの選手達はゴールインをアピールするが東城主審はノーゴールの判定。 水谷にサンガの選手が駆け寄る。こちらからも水谷に大声援を送る。だけど押し込まれ過ぎだなぁ…



80分湘南ベンチは最後の交替選手岩尾を投入しCB山口を下げる。 そして鎌田、遠藤がCBに入り4バックにしフォーメーショ
ンを 4-3-3にした。両SB、臼井と松尾もどんどん上がってくる。85分にサンガベンチは充孝を下げて守備能力の高い加藤弘堅を
入れる。田原も中盤に左右に動いてロングボールを受ける。 88分にはカウンターから菊池が松尾のパスを受けてサンガゴールに迫
るところを秋本がマークに入り阻止する。菊池が転倒して東城主審がGKの判定を降すが一瞬ペナルティースポットを指した様に見
えて一瞬驚く。ロスタイムは3分と表示される。 おいおいそんなにあったか…と思う。
そしてサンガベンチはCB森下を下げて内野を入れる。 何とか前線のドゥトラに繋いでボールをキープして欲しいと思う。

91分左サイドに流れた田原から岩尾に渡りミドルを撃たれるがGK水谷の正面に。 92分には永木からボールを受けた石神が左サイドから入れたクロスに岩尾に渡るも博貴がマーク。 博貴は後半、中盤の位置でよく相手の攻撃の芽を摘み取ってくれていた。
そして93分になった。ボールがサイドラインを割った。これで終わりやろう。 もう終わりやろう…と叫んだ…..

試合終了と同時に何人もの湘南の選手が倒れ込んでしまった。 反町監督をはじめこの日出場した選手の中では臼井、松尾そして田原豊が来シーズン以降契約を延長しないこととなっているらしくこの天皇杯準々決勝戦が最後の試合となってしまった。

後半はかなり押し込まれて危なかったけど、サンガの勝試合を現場で見られたのは何年振りだろう…

試合終了後、こちらに選手達が挨拶に来て、中山博貴が代表してショートスピーチをした。そしてインタビューから戻って来たこの日の殊勲選手、ドゥトラと水谷も遅れてやって来た。2人とも次も頼むぞ….



次は国立で準決勝戦。対戦相手は横浜マリノスだ。
“マリノスサポーターはもう決勝進出決まったと思っているんじゃないですか?”
隣席の方が声を掛けて来た。

確かにJ1 5位のマリノスは J1 6位の鹿島よりも強いかもしれない。今日みたいにPAのすぐ外でFKを与えたら俊輔の餌食になってしまう。 CBの中澤と栗原の牙城を崩す事は容易ではない。小野祐二を止めるのは並大抵の….チョンウリョンは出場停止だし..考えれば考えるほど重い気持ちになってしまう。
だけど考えようによってはマリノスサポーターにはどんどん楽観視してもらいその雰囲気をピッチ上の選手達に伝染させてほしい。そうすればサンガが勝てるチャンスも出て来る。 そうすれば元旦には….



いやいやそれを考えるのは止めておこう。まずは準決勝進出の余韻に浸ろう。 そして29日の事を考えよう…

帰途に着く途中、多くのコンビニ店の前でチキンとケーキが売られていた。私もケーキとチキンを食べに早く帰ろう…と思った。



KAZUゴールもサンガのゴールも見ていないけど…. 横浜 FC 1-2 京都サンガ 27th Nov. 2011

2011-12-24 | 京都サンガ J-League
11月27日、午後6時20分を少し過ぎた頃携帯が鳴ってSMSが入って来た。
“京都が90分にゴールしました。” 送り主は50分ほど前にニッパツ三ッ沢競技場で一緒だった横浜FCサポーターの S さんだった。 私はスマホで Yahoo サイトで試合の経過をチェックした。するとそこには 横浜FC 1-2 京都サンガと表示されているではないか… 私はそれが掲示ミスではないか…と思った。 するとまたSさんからSMSが入って来た。
京都が勝ました。この勝ち運を U-22 に持って行って下さい。 と書かれていた….



この日は愛する京都サンガがニッパツ三ッ沢競技場で横浜FCとのJ2戦があった。そして国立競技場では日本U-22 がシリア U-22とのロンドン五輪アジア地区予選の試合があった。 五輪予選の試合チケットを入手してから同日に愛するサンガの試合が横浜で行われる事を思い出した。しかもキックオフ時間は午後4時半。 この試合を見てからではちょっと7時半キックオフの五輪予選はキックオフから見られないなぁ…と思い、どうしようかなぁ..と思案した結果に出した結論は。

よし、はしごをしよう、両方観戦しよう、可能な限り…..

まず三ッ沢に向かった。そして途中で知り合いの横浜FCサポーターのSさんに席を取ってもらう様に頼んだ。
日本リーグ時代はよくここに日産自動車の試合観戦に来たなぁ….
この試合を絶対にはずしたくなかった理由は他にもあった。あのキングカズこと三浦知良が横浜FCシーズンホーム最終戦となるこの試合にスタメン起用されるとSさんからの情報があったからだ。
Sさんとは何回か一緒した事がある。その度にカズの雄姿を拝んだ。年齢を重ね出場機会も限られたがカズこそ、パフォーマンスにはお金を払っても見たいと思わせる選手だ。サンガサポーターでありながらカズ目的で競技場に脚を運ぶとは…とお叱りを受けそうだけど。そういえば6年前もSさんとここで横浜FC vs 京都サンガの試合を観戦したなぁ…あの時は夏だったなぁ。
ビールを飲みながらとポテトチップをかじりながら観戦した。試合は 1-1 で引き分けたけどスタメン出場だったカズゴールもカズダンスも見られた思い出の試合だった。

Sさん親子が確保していてくれた席に着いた時はキックオフ直後だった。地下鉄の中でSさんから ”カズさん、スタメンです。“と言う確認のメールを受け取っていた。そのキングが目の前にいた。
11月末だけどあまり寒さは感じなかった。横浜は前節、熊本戦からスタメンを2人替えた。その1人がカイオに替って起用されているカズだった。 今シーズン18試合目のスタメン出場だ。今シーズンはJリーグではまだゴールは無い。
それでも昨シーズンの出場試合数は前年度の3分の1の10試合。今年44歳の選手がこの年になって更に出場試合数を増やすのだから“さすが”としか言い様がない。カズにボールが入る度にスタンドの観客の視線が集中している様に思えた。
試合は横浜が主導権を握り攻勢に出る時間がやや長く、サンガはカウンターから前線のドゥトラ、宮吉に繋ぐ展開が続いた。
サンガは前節岡山戦に敗れてリーグでの連勝が6でストップした。開幕時は3バックであったがシーズン終盤から4バックにし遅きに失した気がするが連勝する様になった。 
11分には加藤弘堅からスルーパスを受けた中村充孝がシュートを放つ。 19分にもドゥトラが抜け出してシュートに持ち込む。横浜は攻めるがシュートを撃てず、逆にカウンターからシュートに持ち込むシーンが続いた。しかし横浜FCのDF陣は逆サイドを結構空けていたのでそちらに振ればなぁ…と見ていて思った。
すると24分、ゴール前中央に待ち構えるカズにボールが入った。カズは落ち着き払って左に送るとそこから上げられたクロスに難波が飛び込みゴールネットを揺すった。 Sさん親子を含めたサポーター達は一斉に立ち上がる。



京都DF陣はカズにボールが入った時にそのままターンしてシュートを放つと思ったのだろうか、そこを左サイドに流すプレーはさすがカズと言うよりもベテランだと思った。もしカズが代表時代だったら撃っていたかなぁ…



カズはその後ポジションをトップ下に下げ前線には藤田と佐藤が2トップ気味に。そして左サイドから野崎ががんがん上がってくる。 一方のサンガは前線にボールが入っても焦りからかシュートが撃てなくなって来た。工藤がちょっと上がれなくなって来た。
でもここはカズゴールが見たかった。 中盤からカズがドリブル突破で上がって来た。そして…と思ったら左サイドを上がった野崎にボールを出した。 Sさんから思わず “カズさん、撃っていいんですよ…” との声が漏れた。 恐らく私を含めて、サンガサポーターでさえそう思ったと思う…..

そうして前半はそのまま終了のホイッスルが鳴った….
国立のキックオフ時間が気になったが後半開始直前までいる事にした。そしてSさんと色々と横浜FCの話を聞いた。
2011年シーズンはサンガより低迷しており、2008年シーズンにJ2に陥落以来最悪の結局18位に終わった。 
2010年のシーズンはその前年、前々年の10位から6位に躍進していたのでもう少し上位を期待していたらしい。
そしてこの日スタメンの柳沢将之は2日前に2011年シーズン以降は契約を更新しないと2日前に発表された事も教えてもらった。そして岸野靖之監督は来期も指揮を執り続ける事も、カズも来シーズンプレーする事も教えてもらった。
でもカズがいなくなったらスポンサーがなぁ…と言うと、Sさんもそれは言えるんですよねぇ~と言っていた。
シーズン最終戦にしては観客数 5,305 人と言う数字も気になった。なぁサンガも観客数に就いては人には言えないけど。
そうして後半が始まった。 残念ながらカズはベンチに下がって荒堀謙次が投入された。荒堀はMFに入り、そのまま藤田祥史と佐藤謙介がトップに残った。




そして…..来年また一緒に観戦しましょう… Sさんに挨拶して私は国立に向かう為に競技場を後にする事とした。
そう….来シーズンは横浜も京都もJ2だから… でもカズゴールを見られる可能性もまだまだあるぞ…





国立に向かう途中でサンガの逆転勝利を知った。嬉しかったけどやっぱり俺が見ない方がいいのかなぁ..とも思った。
そして国立の試合結果も 2-1 で日本の勝利だった。 

2010年シーズン。僅か4勝でJ2陥落が決まり(もう慣れてしまったけど) 1シーズンでJ1昇格を夢見て臨んだ2011年シーズンは監督をワールドカップではコーチを務めた大木武氏を迎え、イビチャ=オシム氏の信頼厚い祖母井秀隆氏をGMに迎え長期に渡り強いチーム作りを目指す体制が出来た。J1昇格なんて当たり前2012年はACL出場を決めて…と勝手な胸算用をしていた。
しかし3月5日開幕戦、アウェーの水戸戦では 1-2 で敗れた。それでも次のホームの岡山戦から…と思っているとあの大震災が襲って来て京都は被災を免れたもののJリーグ再開は全く見当がつかなくなる事態となった。幸い、約1カ月後からリーグは再開されサンガは岡山戦で 2-1 の勝利を収めたが以降栃木 ( A 0-1 ) , 鳥栖 ( H 0-0 ) , 徳島 ( A 1-2 ) , 富山 ( H 0-0 ) とJ1を経験したことないチーム相手になかなか勝星を挙げられない状態が続いた。
そして続くアウェーの北九州戦では94分にレオナルドに決勝ゴールを決められ敗れてしまう。 この負け方は非常にショックであり続く前年の最終戦での雪辱に燃えるFC東京には 西京極で1-4 と粉砕されてしまう。更に翌週の鳥取戦でも前半終了間際と試合終盤に失点を喫し終了直前に宮吉のゴールを還すも追い付く事は出来ずに遂に引分けを挟んで5連敗を喫してしまった。
次節の大分戦は中村充孝を前線から中盤に入れる等中盤を大幅に入れ替えシーズン初完封勝利を収めようやく両目が空き、続く草津戦では4ゴールを挙げ連勝を収めるも以降は勝っては負け、連勝しては連敗するの繰り返しで第29節を終了して9勝7分13敗。J1昇格なんて早々と諦めねばならなくなっていた。
J2を甘く見ていたわけではないがJ1経験チーム7チームに対してはFC東京には H: 1-4, A: 1-6 で連敗したが他の6チームには大分、千葉、湘南に連勝する等9勝3敗2分けだった。確かにシーズン序盤は北九州、栃木が上位に顔を出しシーズンを盛り上げていたがJ1未経験チーム12チーム相手に24試合で8勝しかできなかった。

確かに中心選手の多くがチームを去っていた。角田、渡邊大剛、水本、片岡、柳沢そしてシーズン直前に郭泰輝が。 そして新戦力は秋本(甲府)と工藤(千葉)くらい..J2は決して甘くは無かった…と痛感させられた。

シーズン開幕当初は郭泰輝が抜けた為か3バックで森下、染谷、内野、福村、アライールらを併用しての3バックのDFラインだったが、むしろ中盤が攻守に機能しなかったのかもしれない上に森下以外は昨シーズンではレギュラーではなく守備陣の不安はシーズン終盤まで解消されなかった。第30節以降工藤が中盤のポジションにきっちり入り福村、内野そして酒井が固定され4バックが確立し最後の9試合は失点を6に抑える事が出来た。

更に攻撃の方ではシーズン後半から宮吉とドゥトラの2トップが確立された。これで18歳の久保裕也がスーパーサブ的に使えるようになった。それにしても久保は今シーズン24試合もスタメン出場を果たした。それだけすごいのか、それとも人材が不足していたのか。 リーグ開幕時は久保のワントップにドゥトラ、中山、充孝、ディエゴらが2列目を構成していたがあまり効果的では無かったのかもしれない。2010年シーズンでも得点力不足は深刻だった….
それが先制された試合では2勝10敗2分。逆転勝利が2試合しかなかった。そして逆転負けが4回もあった。その逆転勝利も8勝1敗であった最後の9試合中に演じられたものだった。

優勝したFC東京は逆転勝が1試合、逆転負けが2試合であったが相手を完封した試合が20試合もありそのうち16試合が完封勝であった。本当に圧倒的な強さだったのだ。

鹿島倒して 天皇杯準々決勝進出!! 京都サンガ 1-0 鹿島アントラーズ 17th Dec., 2011

丸亀で行われた天皇杯の4回戦で愛するサンガは見事に鹿島を破って準々決勝進出を決めた。サンガのベスト8なんて優勝した時以来じゃないかなぁ….

サンガのスタメンはJ-League最終戦、岐阜戦と同じスタメン。鹿島は負傷で離脱していた岩政が戻って来てCBに入った以外はJ-League最終戦の横浜マリノス戦と同じスタメンであった。今シーズンは震災の影響もあり3位ガンバ大阪から20勝点も離されてシーズン5位に終わった鹿島であるが、4位に終わった2010年シーズンも天皇杯では優勝を果たしACL進出を決めた。今年もACL進出を目指して天皇杯にはかなりのモチベーションで臨んでいるはずであった。そして今シーズンで退任するオズワルド=オリヴェイラ監督への花道もあっただろう…



立ち上がりはサンガのプレスが目立った。特に前線からのフォアチェックが早く、ラインを高く、全体をコンパクトに保ち続けた。
しかしさすが実力者の鹿島は7分も過ぎるとサンガDFラインの裏を突く様になる。
11分にはカウンターから⑬興梠がシュートに持ち込むが③CB森下がしっかりマークをしてゴール枠と捉えさせない。13分には⑨大迫が⑧安藤淳のマークを外して中へ入れるが誰にも合わなかった。 
鹿島は攻守の切り替えが早く、ミドルパスを効果的に使い早い展開をみせるが京都はショートパスが多かった。そこが19分を過ぎてのシュートが鹿島3に対して京都は0であった事に表れたのだろう。21分にようやく⑯LSB 福村がサイドを上がり入れたクロスに23.中村充孝が走り込んで合わせたが初シュートを放ったがポストの左に外れて行った。
26分32秒には⑬宮吉が左サイドを上がり充孝が落としたところを⑨ドゥトラが放ったがGK曽ケ端にパンチで防がれてしまった。前線でドゥトラがボールを持つとチャンスが出来る。この日の最初のプレーでドゥトラは好調と見てとれた。
だが27分を過ぎると今度はボランチ⑳柴崎が上がって来て鹿島が攻勢に転じる。ヴァイタルエリアに飛びだしたかと思えば31分には決定的なスルーパスを興梠に送る。今シーズンに加入したばかりの柴崎のその片鱗を充分に見せつけてくれる。


後半、開始早々にはドゥトラが増田を外してシュートを放つがGK曽ケ端がファインセーブで防ぐ。立ち上がりは京都のフォアチェックが目立った。53分にはボランチ⑦チョンウリョンがミドルを放つ。56分には充孝が相手ボールを奪い中盤からドリブル突破をはかり最後は左サイドを上がった⑯福村がシュートを撃つがこれも曽ケ端がストップ。何とか攻勢を続ける間に先制ゴールが欲しいなぁ….と思うもこの直後に今度は鹿島の⑩CHF 本山がスルーパスを通してくる。56分に興梠に送ったスルーを出した時はオフサイドを取られたが58分に再び興梠にスルーを出し右サイドを上がった⑦新井場が強烈なショットを放たれるが今度はGK水谷がセーブ。 さすがに鹿島は役者が揃っていると思った。そしてますます先制ゴールが欲しくなった。
そして59分中盤でボールを持った⑦チョンウリョンが新井場、青木の間にスルーパスを通すとそこには宮吉が。宮吉は中央からやや右に流れてGK曽ケ端の動きと位置を見てゴール逆サイドになる左上隅に蹴り込み待望の先制ゴールを奪った。
宮吉の見事なドリブルシュートであったがスルーパスを出したチョンウリョンも見事であった。 



先制された鹿島は62分に本山を下げて小笠原を投入した。小笠原がベンチスタートか…とチームの層の厚さを感じさせられた。これで鹿島の最前線は興梠の1トップから大迫が加わり2トップになり2列目には左から野田、増田、柴崎と並び小笠原がDFラインの前のアンカーの位置に入った。
それでも京都はフォアチェックが良くボール支配率は下がらない。68分にはカウンターからドゥトラがアレックスを振り切りシュートを放つなど守勢一辺倒ではなかった。むしろ鹿島の攻撃が減退した様に見えた。
71分鹿島ベンチはタルタを入れて柴崎を下げた。タルタは2列目左に入り右には野田が入り、増田が小笠原とボランチを組む事に。柴崎が前半の様にゴール前に飛びだされる事を警戒していいたのでこの交替は有難かった。
この交替の直後に⑳工藤が右サイドをドリブルで突破して上がり中に入れると曽ケ端が⑮中山の直前で触ってコースを変えてシュートを撃たせなかった。 曽ケ端の手に触れねば完全に中山が押し込んでいたとことであった。
そしてここから鹿島が攻勢をかける。71分、右サイドでサンガのクリアーミスを拾った興梠が中に入れ野田を経由して大迫に渡るが何とか福村がマークに入りシュートを撃たせない。73分には興梠が秋本に倒されFKを得ると、そのFK に大迫がシュートを放つがGK水谷がナイスセーブで防ぎこぼれ球を興梠に撃たれたがサイドネットを直撃。 75分には大迫が右サイドからクロスを放り込むが逆サイドに抜けて行く。 77分には興梠がチョンウリョンに倒されて得たFKに CB青木がヘッドで狙うがGK水谷がキャッチ。79分、カウンターに転じた鹿島は左サイドで興梠が秋本をかわして戻したところをタルタが工藤がマークに入る前にシュートを撃つがここも水谷がファインセーブでストップ。
やや京都の劣勢に見えるが京都DF陣は戻りが早く落ち着いて鹿島の攻撃に対応している様に見えた。
京都ベンチは80分に駒井を入れて宮吉を下げる。90分には充孝を下げて加藤弘堅を投入する。弘堅は今シーズンを最後にサンガを去るらしい……
ロスタイムに入り鹿島は焦りからかファールが増えて来る、そして大迫もマークが厳しくなり次第に動けなくなってくる。
サンガにとってはいいことだけど次の五輪予選のシリア戦を考えればこれくらいで動けなくなるとは….とおもってしまう。
そしてドゥトラはボールを持つとキープを続け時間を潰していく。そして3分あったロスタイムも過ぎ廣瀬主審の試合終了を伝えるホイッスルが鳴り響いた。

サンガ会心の勝利…を見るのは何年振りだろう。
前に鹿島に勝ったのはいつなんだろう….


試合後、この試合がサヨナラゲームとなったオリヴェイラ監督の惜別の涙が印象的だった……

この試合後準々決勝戦の対戦相手は川崎フロンターレでは無く湘南ベルマーレで有る事が解った。
フロンターレは苦手中の苦手でしかも次の試合会場はフロンターレのホーム等々力競技場だ。まぁジュニーニョは抜けたけど…確かにJ2で2011年シーズンリーグ戦では2連勝している湘南の方が組みし易しと思ってしまうけど、ここは慢心は禁物。
なんて俺が思っても仕方ないか…
でも何故シーズン最初からこういう試合が出来なかったのだろう….と今言っても仕方ないので次の試合での勝利を願う。


2011年 J-League 柏戴冠 浦和 1-3 柏 3rd Dec. 2011

2011-12-11 | 京都サンガ J-League
11月26日夕方、私は得意のスマホ?で福岡レベルファイブスタジアムで行われている福岡対浦和の試合経過を追っていた。福岡が先制するも前半ロスタイムに柏木のゴールで追い付き、61分にはマルシオ=リシャルデスのPKで浦和が逆転した。それでもまだ時間は30分はあったので福岡が同点、そして逆転するチャンスもあった。
既にこの日に行われて試合が終わった上位3チームの星勘定を見るとこの試合は浦和が勝たない方が最終節は面白くなる。さいたまスタジアムで行われるシーズン最終戦は優勝と残留がかかった大一番になれば本当に面白くなる。
チケットは既に入手済みだ。5万人以上の大観衆の前でどんな試合になるのだろう…と期待していた。
しかし結局浦和は逃げ切り勝点を36に伸ばし15位に留まった。この時点で翌日に第35節の試合のある甲府とは6勝点差を付けた。翌日甲府が勝てば勝点差が3になるが得失点差で大きく浦和がリードしおりまず順位が入れ替わることは考えられ無くなった。浦和レッズの残留が事実上決まった。来季もJ2でプレーする事が決まっている愛する京都はもう何度こういう目に私を遭わせているので チーム関係者そしてサポーター達にとっては嬉しい瞬間だっただろうに、と想像がつく……
これで柏レイソルが優勝に大きく一歩前進したと思った… しかし浦和サポの息子は“今年こそシーズン最終戦に勝利を収める年”と信じておりむしろ柏の優勝を疑問視していた….

12月3日。朝から吹き荒れた暴風雨は午後1時ごろにはぴたりと止んだ。そして自宅からさいたまスタジアムの方向を眺めると青空がちらほら顔を出していた。これでスタジアムまでは自転車でいける…と安心した。

道中は当り前だけど赤いレプリカやマフラーを巻いた浦和サポーター達が多く目に付く。そして中には黄色のマフラーを巻いたレイソルサポーター達も。例年なら立場が逆なのになぁ…
それにしても今シーズンは昇格したばかりのレイソルの躍進を誰が想像しただろう。そしてシーズン序盤は被災にもめげず、いやそれを逆に糧にしたベガルタ仙台の快進撃もリーグを大いに盛り上げた。そして終盤は名古屋、ガンバ大阪の常連が地力を発揮し出し最終節を前に下記の通りに3チームに優勝の可能性があると言う混戦になった。

柏   22勝3分8敗  勝点69 +21
名古屋  20勝8分5敗  勝点68 +30
大阪   20勝8分6敗  勝点67 +25

前節セレッソ相手に何とか引き分けた柏は33節を終わって名古屋、ガンバに勝星数2つリードしているものの負け数が8で名古屋、大阪だけでなく4位の仙台と同じ負け数。これが最終戦まで優勝争いにもつれ込んだ原因の一つだろう。
この日の観客数は後の公式発表では 54,441 人。久々にJ-League でこれだけの観衆の1人となった。



柏サポーター席はきれいな一文字が出来ている。



そして浦和も試合前から上半身裸で声援を送るサポーター達も少なくなかった。



柏のスタメン発表はブーイングが沸き起こり、浦和のスタメン発表にはいつも以上に声援が湧き上がる。
優勝に王手をかけている柏であったが名古屋、大阪との勝点差、得失点差をみれば最終戦は勝たねば優勝を逃しかねない状況。対戦相手の浦和も勝たねばならないという状況であればどういう雰囲気になっていただろう….

ホーム浦和はFWエスクデロが前節福岡戦の試合中に負傷退場し更にエスクデロに替って投入された田中達也も怪我との事で誰がトップに入るかと思われた。原一樹が予想されたが山田直輝のワントップというよりもゼロトップの前線。その他は坪井がCBで起用される等前節と同じスタメン。坪井は堀監督に替ってからようやく起用され始め0-0 で引分けた第32節の仙台戦 では坪井こそ Man of the Match と現場観戦した息子が話していた。 
それに反してワールドカップ予選では5試合中4試合スタメン出場している Socceroos の Spiranovich が第28節のG大阪戦を最後にベンチウォーマーになってしまった。この柏戦もベンチ入りはしていたのだが。



一方のレイソルは右SBに酒井が五輪予選から“還って来た。” ボランチには大田ともう一人は栗澤ではなく前節は栗澤に替って投入された茨田。FWも工藤と田中順也がスタメン起用されたが。田中順也もセレッソ戦はベテラン北嶋に替って投入された選手。 ベテラン北嶋は優勝の掛かった一戦はベンチスタート。心情からすれば優勝の瞬間にはピッチに居させてやりたいと思ったけど彼が途中で投入されるのはむしろ得点の欲しい同点かリードされている時だろう、そのシーンはレイソルサポーターは望まないんじゃないかな…とスタメン発表後思った。



キックオフ前からのレッズサポーター達の We are Reds !! の大声援は 浦和レッズのキックオフで試合が始まると Allez Allez Allez !! Urawa !! に変わる。しかしキックオフ直後こそレッズがレイソルゴール付近に迫ったがその後は攻勢に出るのはレイソル。最も警戒すべきレアンドロ、ワグネルの両外国人選手が両サイドからガンガン切り裂いてくる。そして茨田と大谷のボランチ2人がラインを高く上げて浦和が反撃に転じてもなかなか相手PA近くに近寄れない。4分25秒にはレアンドロのシュートが浦和DFに当たりCKとなる。すぐ後ろに陣取るレッズサポーターからは大ブーイングだ。6分にはレアンドロとワグネルの縦パスの交換から工藤がシュートを放つが僅かにクロスバーを越えて行く。8分には右サイドから上がったクロスを一旦は浦和DFが跳ね返すがこぼれ球を拾った大谷が強烈なミドルを放つと啓太に当たってCKに。
レッズサポーター達からは柏がCKをセットする度にブーイングを飛ばすがピッチ上のレッズイレブンはなかなかリズムが出ない。
12分59秒にようやく原口がドリブル突破で柏ゴールに迫るがシュートには持ち込めなかった。
レッズは2列目の両サイド、梅崎か原口の個人突破が頼り。他では柏木にボールが入った時は一瞬何か期待できそうに感じるがレイソルの両サイドバック、酒井、橋本がレッズの両翼をしっかりとケアーし、ボールを奪うとすぐにレアンドロ、ワグネルにボールが転送されるので攻撃に転じるのが早い。だから平川、野田がさっぱり上がれなくなっていた。
25分頃他球場の経過をチェックするとガンバが清水に先制を許していた。 名古屋は0-0 のままだった。
ガンバも名古屋も共に敗れると言う事は考えにくいなぁ…と思っていると柏に先制ゴールが決まった。
29分CKを得るとレッズサポーターの大ブーイングの中ワグネルが入れた左CKに近藤がダイビングヘッドで合わせるがこれは梅崎にあたりこぼれるとこぼれ球を拾ったレアンドロがそのまま放ったショットはクロスバーを叩く。そのこぼれ球を撃ったワグネルのシュートがGK加藤の足に当たってレッズゴールネットが揺れた。




 
逆のサポーター席に陣取るレイソルサポーター達から大歓声が上がりそちらに目をやると文字通り“黄色い波”が揺れていた。
この先制ゴールで完全にレイソルが主導権を握ってしまった。レアンドロとワグネルと云った最も警戒せねばならない選手達はポジション取りが良いせいか自由にボールを持っていた、と云うよりも浦和のDF,MF陣があまりにも彼らをフリーにし過ぎていた。
そして38分またもCKから左SBの橋本が中央でDF3人に囲まれながらオーバーヘッドシュートをレッズゴールに突き刺しあっさりと追加点を上げた。優勝を目の前にしたチームと残留をようやく決めかけたチームとの差はこうなのか…と思わせる様なゴールだった。橋本のシュートも見事だったけどこの試合は立ち上がりからバイタルエリアでもレッズDF陣のマークはちょっと甘いかなぁ…と思っていた。



その後もレイソルは攻撃の手を休めない。39分42秒にはレアンドロが放ったミドルをGK加藤がナイスセーブで防ぐとこぼれ球を拾った田中が強烈に撃ったシュートはわずかにクロスバーを越える。42分にはPAの外でこぼれ球を拾ったワグネルが放ったショットがレッズゴールを襲う。45分には茨田がドリブルシュートを放つなどいつ3点目が入ってもおかしくない時間帯が続いた。
レッズはこの試合山田直輝がワントップに起用されるがポジションが少し下がり目で逆にターゲットが埋もれてしまっている感じであった。山田に入ってもDF陣の寄せが早くそこからなかなか繋げない。しかしこれだけ押し込まれていては直輝にボールが入る雰囲気も感じさせられない。30分を過ぎたあたりからようやく原口が最前線に立つようになったが原口がボールを受けるシーンは数度に限られた。 
前半のレッズは結局シュート0で終わった。 地元大サポーター達の前でレッズイレブンは後半見せ場を作れるのだろうか…と思った。

ハーフタイム中に他球場の途中経過が発表される。 名古屋は 0-0 のままだったけどガンバは 逆転しており2-1 とリードしていた。こうなればリードはしている柏もどうしても負けられない後半も先にゴールを上げて点差を広げたいところであっただろう。
後半は直輝がベンチに下がり前半終了間際からレッズサポーター達の“カズキコール”に押されてか原一樹が投入された。
これで原がワントップに入り、2列目はトップ下に柏木、左に原口、右に梅崎が配置された。原にボールが収まる事により2列目の4人が前に上がる時間が出来た為ボールが前線に回る様になった。こぼれ球も拾えるようになった。
55秒には中央から右の原口に出たボールが中央に戻される、僅かに柏木には合わなかったが早速攻撃の形を見せた。
49分3秒にはカウンター攻撃に転じたレイソルが最後はワグネルからパスを受けたレアンドロが右サイドからシュートを放ち僅かにポストの右に外れて行くシーンがあったがその後も前半とは打って変わって見違える様なレッズの攻勢が展開される。52分22秒には中央から右サイドの梅崎にボールが出され入ったクロスから柏木がシュートに持ち込む。 
そして53分右サイド中盤から平川がアーリークロスウを入れるとゴール正面フリーで走り込んだ柏木がヘッドで1点差とするゴールが決まった。周りの観客が一斉に立ち上がりこの日最大の完成がさいたまスタジアムに渦巻く。 
いつも思うのだけどゴールが決まる時はいともシンプルに決まるものだ。前半はシュートすら打てる気配が無かったレッズだったけど。それにしても浦和ベンチは何故最初から原をトップに置かなかったのだろう…とこの時思った。



更に試合はレイソルコートで展開され原口がドリブルでレイソルゴールに迫るなどすぐにでも同点に追い付く様な期待感を持たせた。これで試合はがぜん面白くなる。もしレッズが追い付けばレイソルイレブンは浮足立つのではないか…そうなったときベンチはどう動くのだろうと思った。
しかしさすがに優勝をするチームはこういう時間を凌ぐ。ここを乗り切れたのが優勝に繋がったと思う。次第にボール支配率を挙げシュートシーンを再演出する。57分野田のミスパスをカットした工藤がそのままドリブルシュートに持ち込むがここは永田がCKに逃れる。そのCKから近藤がフリーで放ったヘッドは僅かにポストの右に外れて行く。その直後にもCKを得ると一旦は跳ね返されるがこぼれ球を繋いでレアンドロの入れたクロスに田中が飛び込むが寸前でGK加藤がキャッチ。60分には酒井が左サイドを上がり入れた素晴らしいクロスをフリーのレアンドロが放つが僅かにポストの右に外れて行く。完全に1点もののチャンスだった。
そのGKからこから今度はレッズが繋いで啓太がドリブルでレイソルゴール前に迫るが惜しくもラストパスは僅かに原口に合わなかった…これがレッズの最後の見せ場だった…
65分レイソルベンチが先に動く。FW工藤を下げて澤を入れる。これで工藤のワントップになり澤が2列目と工藤の間に入り中盤を厚くする。すると今度はレッズベンチが動き68分に梅崎が下がりマゾーラが入る。 息子に言わせれば“マゾーラはスタミナが無いから途中からしか使えない。3往復もすれば走れなくなる。”と言っていた。 
レッズは何とか同点ゴールを目指して自軍サポーターの陣取るレイソルゴールに迫るがシュートは撃たせて貰えない。
74分には中盤からロングパスをうけた澤が坪井と競りながらシュートに持ち込むがGK加藤がファインセーブで防ぐ。
スマホで他球場の経過をチェックすると名古屋が既に先制ゴールを挙げてリードしていた。これでますますレイソルは負けられなくなった。1点差では次に失点をして同点にされれば残り時間から一気に窮地に追い込まれる…と思った。
しかし次にゴールを決めたのはレイソルだった。そのCKをレアンドロが入れると一旦はレッズDFがクリアーするもそのこぼれ球に走りこんだ茨田がそのまま放ったミドルがワンバウンドし一旦はGK加藤がファンブルするとそのままレッズゴールに吸い込まれた。
後方に陣取るレイソルサポーター達は狂喜乱舞する。加藤は呆然とする。バウンドがイレギュラーする不運があった。



このゴールでほぼレイソルの勝利、優勝が決まったと思った。そして私の興味は北嶋が投入されるかと言う事であったがまず次は林が田中に替って投入された。その直後にレッズは啓太が下がって五輪代表の濱田が投入された。濱田は高さを生かして前線でターゲットにするのだろうか。それならスピラノビッチの方がいいのではないか…と思った。まだ10分程度あるので再び1点差になれば解らないと思ったのだけど….
レッズは2点差になり余裕の出たレイソル守備陣を再び破れなくなった。82分には原口が酒井に倒された。ホイッスルが鳴り良い位置でレッズのFKと思われたが吉田主審は原口のファールを取る。血相を変えた原口が吉田主審に詰め寄る。思わず私は“危ない、危ない!”と叫ぶ。原口は吉田主審に体当たりをしそうな勢いだった。開始早々から原口と酒井は激しくマッチアップし続けやや酒井に軍配が上がって来た。そのうっ憤が爆発したか?もし原口が吉田主審に触れてしまえば退場どころか大事な五輪予選を控えて選手資格の停止処分も受けかねない。バルセロナ五輪予選中に当時近畿大学でプレーしていた山口が受けた様に…
そして2008年の A-League Grand Final のCentral Coast Mariners の Bukovich の様に….
そのままレッズは見せ場を作れず3分あったロスタイムも過ぎ柏レイソルの優勝を告げるホイッスルが鳴り響いた。
あぁ、北嶋の出番は無かったかぁ…

柏レイソルの優勝は史上初のJ2, J1 と連続優勝だ。1978-79 の Europe Champions Cup で England の Nottingham Forest が優勝したがこの優勝は二部、一部連続優勝の後の欧州制覇だった。もし来年ACLで柏が優勝するとそれに並ぶなぁ…と思った。試合後帰宅して観戦ノートを取り出し2009年8月30日に柏スタジアムで行われたレイソル対サンガのスタメンを見てみた。 GK菅野、 DF 近藤、林、FW田中の4選手が優勝を決めたこのレッズ戦にも出場した。更にCB増嶋はあの時はサンガの選手として右SBでスタメン出場をしていた。あの時のレイソルは降格の危機に直面しており試合内容も0-0だったがサンガが押していけた。
その試合の少し前から指揮を取り始めたのがネルシーニョ監督だった。就任直後は起用を巡って李忠成が広島に移籍するという事もあった。あの時京都フロントは何故忠成を取らなかったのだろう…そうしたら今の様には…

ネルシーニョに率いられた柏レイソルはそこからJ2陥落はあったものの見事にJ1昇格そして優勝を成し遂げた。
ネルシーニョと言えば思い出すのが1995年末の代表監督人事。サウジアラビアとの親善マッチを2連勝で終えた直後の記者会見の加茂周(当時)代表監督の表情は冴えなかった。加藤久強化部長からの報告でワールドカップ予選は他の監督で臨むべしとの報告が上げられており当時ベルディ川崎で指揮をとっていたネルシーニョ氏がほぼ内定していたらしい。しかし最後は長沼会長の一言で加茂氏の続投が決まった。ネルシーニョの年棒が問題だったとか報道されたがその件も含めてネルシーニョは激怒し“腐ったみかん”発言にまで及んだとされている。実際にネルシーニョとは年棒でほぼ合意されていたが通訳やブラジル人を含めた外国人で多く構成されるであろう“ネルシーニョ内閣”の経費が案じられたとも報道された。しかし私は加茂監督続投で良かったと思っている。苦戦して加茂監督自身も更迭されたが結局日本はフランスワールドカップに出場出来たのだから…

だが今回の快挙を齎したのを見ると代表監督にふさわしい潜在能力を持っていたと感じさせられる。それだけにACLが楽しみになって来た。
表彰式が始まり私は反対側の席に移動した。指定席だけど黄色いレプリカが目立つ。サポーター達の中には “ありがとう” を連呼する人達も少なくなかった。 私が愛する京都にこういう思いが出来るのはいつの事だろう…





一方柏レイソルの優勝表彰式を最後まで静かに見守り最後は拍手を送った浦和レッズサポーター達は橋本光夫球団社長の挨拶が始まるや否や怒りを爆発させブーイングの嵐を浴びせた。



最終順位15位は初めて同じ埼玉県をホームとする大宮アルディージャを下回った。J-League 発足時の弱い浦和レッズも見て来ているが今年もここ数年同様に優勝が期待されるシーズン。残留降格争いをするとは誰が想像できただろうか?
2007年にACLのタイトルを取った時は良い選手が揃っていた。FWワシントン、MFポンテ、小野、長谷部、細貝、阿部DF闘莉王…今から考えれば最後は個の力で局面を打開して得点を挙げピンチを凌ぎ勝利、勝点を重ねていたのではないか。
そういう選手がチームを去り、絶対的な個の力が薄れた今、それに対応出来ていない気もした。
しかしピンチは逆にチャンスでもある。ナビスコ杯の決勝に残るだけの戦力はあるのだしにまだ天皇杯も残っている。
天皇杯で優勝しACL進出となるとそれをきっかけにチーム力が上昇するかもしれない。最高のカンフル剤は何と言っても勝つ事だ。レッズのACL進出はアジア中が待っているのだから…



前の週と併せて2週間に亘ってJ2、J1そして五輪予選観戦をはしごした。欧州も良いけど日本には J-League がある、と言う事を再認識した。
そして…愛するサンガがJ1で優勝争いをするのはいつだろうか…と思った。でもまだ天皇杯には残っているぞ…