Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

思い出の街  Zurich

2011-04-26 | Half Time

商用で欧州を回っております…

Zurich の地を初めて踏んだのはもう 21年も前だ。
あの時はまだ前の会社にいた時で結婚前だった。 ルーマニアの首都ブカレストに出張を命ぜられそこに単身赴いた。とはいってもその時の会社はBucharest に駐在事務所がありそこには日本人の駐在部長もいた。
既に独裁者チャウセスクが倒されて10カ月が経っていた。 いやまだ10カ月しか経過していなかった。
革命後初めて同国で開催される国際見本市に出展参加をしたのだけど、当時共産圏で開催される見本市は外貨獲得手段として延々と1週間近く行われる。 今とは異なり輸入に最も大事なそして大切な外貨を使える最終決定権を持つ地元輸入公団のエライサンが各出展社ブースを転々と周り最後の“商談”を行うのだけど、既に前倒しでお互い担当者同士で筋書きを作っているのだ。 
私が最後にもう10%まけてくれと云うけど断っても良い、だけど(決定権を持つ)上司があと5%何とかならないかと言うのでそれで手を打ってくれ。 Protocol は全て準備して持参するから…..
要するに最後に最高責任者が出て来て数パーセント引かせた、彼に花を持たせたという筋書きを作っておいて実際にその通りに“商談”を行い、最後はめでたく“締結”をしてそして“儀式”である乾杯を行う…帰る前には準備しいたお土産を手渡しもう一度固い握手を。そして担当者とは“上手くいったね…” とばかりに目を合わせる….
これを1日数回1週間以上行うのだ….
紳士的な Director もいたけど、とんでも無いもの多かった。 特に当時の私の様な“雛っこ”は格好の標的となる。“日本の歌を1曲歌ってくれ。”とはまだ可愛い方。 懐から瓶を取り出し、“おいそこのヤング、一杯あおって見せてくれ。”と火の様に強いウォッカを一気飲みさせられるのだ。 これを断ると本当に注文が延期されることもあるらしいが実際にはどうだったのだろう…
まだ若かりし頃まさにこういう場面に遭遇し最後は立ち上がれずホテルまで駐在所長の肩を借してもらってやっとたどり着いた思い出もある。
そして明らかにお土産目的の輩も多かった。 まぁお土産と言っても西側のウィスキーや煙草が主だった。 
そして女性の Director には日本製のパンストが人気あった。 共産国家は女性の Director も少なくなく彼女達の御機嫌を取るには子供の為のお土産が効果的だった。 ある時は adidas の靴を買う様に命ぜられた事もあった。 
だがもっと驚いたのはいきなり若い女性の写真を見せられて“私の娘です。あってくれませんか?”と言われたことだった。 普段は強烈に値切って来る怖い女 Director も素顔は娘の将来を案ずるお母さん。若い時、俺の容姿は2枚目だ… と勝手に思っていたけど、当時日本人はみな金持ちで日本人と結婚すれば西側社会と自由に往来できる…と思う東側の人達は少なくなかった。 それに対日感情の素晴らしく良いポーランドでは歴代の駐在所長達は美しいポーランド人女性と結婚していた。そして駐在期間が過ぎると皆会社を辞めてポーランドに留まった。当時はまだ独身だったので本当にそういう“お見合い話”が何度も持ち寄られた。でも最後まで誰とも会わなかったしそれで良かったと思っている。
だけど最後の“商談”を待っていたにも関わらず Director が現れなかったり、契約書にサインをしながら帰国後も 支払いの為の信用状が最後まで開設されなかったり色々あった。後に駐在所長から、欧州の奴らにひっくり返された、あいつらはテレビくらい簡単に贈るからなぁ….と憎々しげなテレックスを受け取った事も….
しかしその反対もあった。 完全にあきらめていた商談が突然決まったので至急納期の打ち合わせをされたし..そういうテレックスも受け取った。最後に駐在所長や現地スタッフが骨を折ってくれたのだった…..

見本市のもう一つの“楽しみ”は見本市当局から派遣される“コンパニオン”達。 さすがに選抜された綺麗どころが揃っていたが、すごいのは美貌だけで頭の中身も。英語だけでなく更にドイツ語そしてフランス語等を話せる現役の大学生ばかりだった。その上専攻は機械や化学等の理科系も少なくなかった。 彼女達の日当は全て見本市本部に外貨で前払いしてるのだけれど実際に彼女達の手元にはその何分の1でしかも現地通貨で支給されるだけだった。 しかし皆流暢な英語を話すので仕事以外の“コミュニケーション” もよく取れた。
しかしここで出るのは民族性。 地元の女の子と見本市時間が終わってもよろしくやるのはまずドイツ人。 経験が豊富なのか“良く慣れて”いて隣の出展社ブースの女の子まで誘い出す。 と言っても当時の東側諸国では行くところはホテルのディスコかレストランしかないので数少ないホテルでそのドイツ人達とホテルのレストランで鉢合わせと云う事もよくあった。 それに女の子達にも地理的な事からドイツ等の欧州人の方が人気があった。
よく駐在所長から“お前は独身なんだから日本を代表して声を掛けろ。”と本気で命令されたけど、見本市時間終了後は一緒に参加したメーカーさんの夕飯のアテンドや本社への連絡、大体雑務が多かったけど、等の作業でとても女の子と食事….なんて出来なかったなぁ…

20年前ブカレストで開催された見本市。 当時外国人が宿泊できるホテルは本当に限られており、恐怖政治が終わった反動で外国人を狙った犯罪が絶えなかった。 この見本市期間中も幾つものホテル部屋が荒らされ、一緒に出展していたメーカーの方の部屋も荒らされ、財布とパスポートの入ったブリーフケースが盗まれた。
そして私も….. 長かった見本市もあと残り2日間と気を抜いたのがいけなかった。 貴重品を入れた鞄を隠すのを忘れて机上に置いたままで掛けてしまったのだった…….

ここからパスポートの再発行の手続きから滞在ビザの再発行さらに帰りの航空券の手配等、一つの物語が出来る思いをしてやっとの思いでブカレストを脱出してたどり着いたトランジット先が Zurich だった。
当時ブカレスト~東京間は直行便は無かったので(今でも無いと思う ) スイス航空でチューリッヒ経由で帰国したのでけど、当時は1泊分のトランジットバウチャーを往復のタクシーチケットと共に支給してくれた。




空港から街中に向かう時に車窓からの眺めを見て “なんて進化した街なんだろう。まるで子供の時見た SF 映画の様だ。”と本当に感じた。何の事は無い西側では当たり前に点灯している街灯や街の明かりが本当にそう見えたのだ。当時のブカレストの夜は本当に真っ暗だった。 ホテルに就いて当たり前に出る暖かいシャワーや簡単に手に入るコカコーラが本当に有難く感じた。
テレビでは Europe Champions Cup の結果が報道されていて、Napoli が CSKA Moscow と対戦した試合のダイジェストが映し出された。当時 Napoli に所属していたマラドーナが何度もドリブルで切れ込んでいくシーンがあった。4か月前のワールドカップでは怪我で万全の体調では無かったらしいがこの時の方がドリブルに切れがある様な気がしたけど、更に半年後、あんな形で欧州を後にするとは思わなかったな…..

そしてぐっすり熟睡して翌朝朝食時に飲んだカフェオーレが何とも言えないおいしさだった……
東側の壁が崩れ出して東西の経済差そして一般市民の生活水準の差を身を持って感じた日だった….
翌日搭乗機が成田空港に近づいた時にそれまでのすったもんだの珍道中を思い出し涙が出そうになった事を今でも覚えている…….

それから10年が経って会社も替って再び今度は商用でチューリッヒを訪れる機会に恵まれた。
丁度シドニー五輪の男子サッカーの初戦、日本対南アフリカが行われた日だった。今の様にインターネットがそれほど発達していなかったので何とかネットカフェを見つけて情報を得たいと思っていたらテレビのニュース(CNNだったかな?)でまさに日本戦がダイジェスト付きで報道された。先制点を許したシーンを見た時は身が凍りつき、高原の同点ゴールが映し出された時はものすごい安堵感に包まれそして逆転ゴールを見た時は歓喜の大声を上げた。

そして今、何度も来ているチューリッヒの物価の高さには少し閉口するがスーパーでは手軽に寿司を売っている時代になった。それでもチューリッヒの中央駅は大昔と変わらない、70年代にリリースされたピンクパンサーのあるシーンでクルーゾー警部がチューリッヒ中央駅に降り立つシーンがあるが駅の外観は今と全く同じで感動したものだった。1954年に開催されたワールドカップスイス大会のダイジェストフィルムの中にも中央駅が映し出されるが今とはあまり変わらない。 
そしてパスポートを盗まれてから20年以上も経った俺も中身は変わらない,進歩していないと思う…
周りはどんどん変わっているのに。1990年、ワールドカップはイタリアで開催されたけど当時と今では本当に日本代表を取り巻く環境は変わった、いや進歩した部分が多いんだと思う。

でも俺自身は… やっぱりこれからも進歩していかないか...


Sydney 残った 上海申花 2-3 Sydney FC 19 APR 2011

2011-04-23 | Football Asia

ロスタイムは3分と表示され既に2分が過ぎようとしていた。 このままだと両チームとも痛み分けとなってしまう。Sydney で行われた上海申花戦で圧倒的に押しまくりながら引分けに終わった試合は本当に勝点2を失った試合…となるところと思われた。
しかしボールが Mark Bridge の前に飛んだ。そして北京五輪代表選手だった FW が放ったボレーはそのまま上海ゴールネットに突き刺さった。 あぁ、Sydney FC が残った。何とか5月10日の鹿島戦が消化試合とならない目処が…と思った瞬間だった…



あの大震災そして津波から1カ月以上が経った。しかしまだまだ東日本は余震が続く。大震災が案じられ続けていた東海地区ではどうなのだろう…
今関東地方というよりも日本が国内でも対外的にも深刻な問題を抱えている。福島原発の現状。今の惨状は津波によるものだけが原因なのだろうか……

4月19日。 J-League 再開の4日前、まだ修復の終わらない鹿島スタジアムではなく国立競技場で鹿島アントラーズは強豪水原三星を迎え ACL の第4節に臨み 1-1 で引き分けた。 電力事情があり午後2時キックオフのこの試合。出来れば鹿島の勝利を期待した。そうすれば Sydney FC の2位以内の可能性が…と思っていた。
その夜、行われた Group H のもう1試合。 上海に乗り込んだSydney FCは終了直前 Mark Bridge の逆転ゴールで勝利を収めた吉報が入って来た。 この勝利で Sydney は決勝トーナメントに向けてそして5月10日の鹿島戦が消化試合にならない事に大きく一歩前進したと思った。ただそれだけに鹿島に勝ってほしかったなぁ…とも思った。

More bland than bling, Sky Blues return to China in serious mood

我々はここに明日好パファーマンスを披露する為にやって来た。我々は勝利とグループリーグ突破に向けて全力を尽くすだろう。 上海申花が好チームだとは知っている。2週間前にシドニーで我々は対戦した。そして試合は五分五分の引分けであった。
鹿島戦で怪我の為に出場出来なかった Nicky Carle, Sebastian Ryall に就いては
“Nicky Carle, Sebastian Ryall, らの入ったチームは少しの心配はある。彼らは先週の試合そして2,3日前まで負傷で動けなかった。しかしここに彼らは帯同している。彼らが明日プレーできる事を祈る。“

前日記者会見で Sydney FC のVitezslav Lavicka 監督はこの様に語った。
Carle, Ryall 更に McFlynn 抜きで鹿島と対戦し、途中押し込む時間帯も短くは無かったが最終的に3ゴール差をつけられて破れてしまった。東北東日本地震、津波の影響で3月19日に予定されていた鹿島戦が延期となり開幕3試合がホーム3連戦となった Sydney は当初、この3試合で勝点を稼ぎ残りのアウェー3連戦で何とか勝点を拾って逃げ切りを考えていた。しかし結局勝点2しか上げられなかった。
この結果は鹿島にとって良い結果となるはずだ。水原、上海がシドニーで勝点1しか上げられなかったのが鹿島は勝点3得たのだから。

“前の試合(4月6日)後両チームともお互いを知る事となった。勝つか負けるかは戦術次第だ。そしてどちらがミスするかだ。我々はこの試合が決勝戦の様なものと思っているそして選手達は充分に準備が出来ている。
鹿島 vs 水原戦が引分けに終わった為勝たねばならなくなったのは上海申花の奚志康 ( Xi Zhikang ) 監督も同じ立場。
この試合にかっても共に勝点5で鹿島、水原には1勝点及ばないが生き残る為には勝利が必要だった。

試合をただ観ているだけは辛かった。自分の出場停止と日本の震災によって長い間プレー出来なかった私はチーム全てに自分してしまった事を謝罪した。しかし我々はやらねばならなかった。明らかに前の鹿島戦は残念だった。しかし今我々が心に留める事は残り3試合のアウェーゲームを全て勝つ事だ。

2007年3月7日。初代 A-League 王者となった Sydney FC が初めて臨んだ AFC Champion League のデビュー戦はアウェーに乗込んでの 上海申花戦だった。この試合は Sydney FC が元オーストラリア代表の Steve Corica そして Ufak Talay のゴールで2-1 で勝利を収めた。その試合の出場経験者はいない。唯一Terence McFlynn がその当時のメンバーだったが怪我の為に出場出来なかった。
McFlynn は今大会初戦の水原三星戦で開始33分にレッドカードを受け2試合出場停止処分となってしまった。 McFlynn 不在中はその穴が埋まらず苦戦を強いられた。それだけに昨シーズン、一昨シーズン共にA-League で27試合にスタメン出場した彼の復帰には Sydney サポーター達の期待が大いにかかっていた。

“体調は万全だ。私が特に日本での悲劇的な状況の為に長い間試合から遠ざかっていた事は我々は解っている。正直に言って私は明日の試合の為にリフレッシュする事が出来た。我々は上海の素早いカウンター攻撃を知る事が出来た。彼らの動きは大変早くまたよく動く。”
McFlynn, Carle の復帰は試合前に予想だれたが FW David Williams そしてCB Stephan Keller が離脱しそうな事も対策を講じる必要があった。

Bridge heroics give Sydney victory

これまでの3試合 4-2-3-1 のフォーメーションでACLの戦いに臨んでいた Sydney FC は第4戦の上海戦から 4-4-2 のシステムに変更して負けられない試合に臨んだ。スタメンには前節鹿島戦を怪我で出場出来なかった Nicky Carle, そして出場停止明けの Terence McFlynn が復帰し、鹿島戦で負傷の為前半でベンチに下がった Stephan Keller に替って James Durante がスタメンに入った。ホームの上海申花も13日前の Sydney 戦からメンバーを3人替えてホームゲームに臨んだ。

試合は開始からホームの上海が主導権を握った。6分、コロンビア人FW Duvier Riascos がマークに着いた DF Andrew Durante を振り切りフリーでシュートを放つが大きく外してしまい、更にその直後また Riascos がシュートを撃つがこれもクロスバーを越えてしまった。
立ち上がりの連続チャンスを逸した上海であったが8分に先制ゴールが生まれる。Sydney MF Stuart Musialik のファールでFKを得ると DF姜嘉俊 が直接 GK Liam Reddy の守るゴールに蹴り込んでしまった。




失点後、目が醒めたのか Sydney FC が攻勢にでる。連続CKのチャンスを掴むが最後は森安のシュートがブロックされた。
30分には Scott Jamieson が至近距離からシュートを放つが GK 邱盛炯がストップ。その直後にも 190cm の長身DF Matt Jurman が Shannon Cole のFKからヘッドを放つがクロスバーを越えてしまった。

試合はそのまま進み上海リードのまま前半が終わろうとしていたがロスタイムに入った46分、 Nick Carleのパスを受けた FW Cazarine こと Bruno Constantiono が左足で放ったシュートは上海 GK邱盛炯 を破り試合を振り出しに戻した。
この試合もシドニーでのホームゲーム同様失点後 Sydney FC が何度もチャンスを掴んだがなかなかゴールに結び付けられなかった。そして鹿島戦で何度もシュートを外した FW Cazarine がようやく決めた貴重な同点ゴールだった。

  

しかし次に得点が入ったのはホームの上海申花。 52分サイドからのクロスボールをクリアーしようとした MF Scott Jamieson のクリアーが何と自軍ゴールに入ってしまった。 今大会 Sydney FC サポーター達にとって最悪の瞬間だった。

だがその7分後 Sydney は同点に追い付く。 Mark Bridge のヘディングの浮球パスを胸でワントラップした Cazarine がそのまま上海ゴールに再び蹴り込み再び同点とした。
最初の同点ゴールは前半終了直前。そして2回目は自殺点でリードを許した直後の同点ゴール。 単なる連続同点ゴールではなく効果的な時間の試合の流れを失わない貴重な Cazerine の連続ゴールだった。

この日の公式入場者数 10,215 人のうち殆どが地元サポーターと考えられる観衆の後押しを受けて勝点3を狙う上海申花は DF戴琳 が強烈なショットを放つがゴールポストを大きく外れる。 
そしてロスタイムに入る直前にも Riascos が3度連続でPA内に攻め込むが昨シーズン中国超級得点王が放ったシュートは全てゴールに結びつかなかった。

そして92分、PAのすぐ外から放った Mark Bridge の素晴らしいボレーシュートが上海ゴールに突き刺さりこの試合というよりもこのACLで初めてリードを奪い、ホーム3連戦で上げられなかった勝利をアウェーの地で上げた。
2007年、2009年に次いでの ACL 出場だった上海申花だが、今回もグループリーグ突破は難しくなった。

Match Detail:
Shanghai Shenhua FC: 2 (JIAJUN 18', JAMIESON 52' OG)
Sydney FC: 3 (CAZARINE 45+2', 60', BRIDGE 90+3')
Shanghai Shenhua FC line-up: 22. QIU Shengjiong (gk), 2. XIONG Fei, 3. XIN Feng, 5. DAI Lin (c), 8. RIASCOS Barahona Duvier Orlando, 9. Luis SALMERON (28. QI Feng 80'), 10. JIANG Kun, 16. WEN Huyi, 18. Jiang JIAJUN (4. Lin WANG 63'), 20. WU Xi (28. Yundung CAO 80'), 21. Perez CASTRO.
Substitutes Not Used: 1. Dalei WANG (gk), 24. Yang WANG, 29. QIU Tianyi, 36. ZHENG Wei.

上海申花:22-邱盛炯;2-熊飞、3-忻峰、5-戴琳、16-文虎一;20-吴曦(28-曹赟定 79分钟)、10-姜坤、21-卡斯特罗、18-姜嘉俊(4-王林 62分钟);8-里亚斯科斯、9-萨梅隆(7-冯仁亮 79分钟)
Yellow Cards: 16. WEN Huyi 10', 9. Luis SALMERON 38'.
Red Cards: Nil.
Goals: 18. Jiang JIAJUN 8', 21. Scott JAMIESON 52' OG.



Sydney FC line-up: 1. Liam REDDY (gk), 5. Andrew DURANTE, 6. Hirofumi MORIYASU (23. Rhyan GRANT 61'), 8. Stuart MUSIALIK, 9. Bruno CAZARINE, 10. Nick CARLE (24. Dimitri PETRATOS 75'), 12. Shannon COLE (11. Kofi DANNING 89'), 15. Terry MCFLYNN (c), 17. Matthew JURMAN, 19. Mark BRIDGE, 21. Scott JAMIESON.
Substitutes Not Used: 2. Sebastian RYALL, 7. Brendan GAN, 20. Ivan NECEVSKI (gk), 26. Joel CHIANESE.
Yellow Cards: 5. Andrew DURANTE 18', 10. Nick CARLE 26' , 15. Terry MCFLYNN 77'.
Red Cards: Nil.
Goals: 9. Bruno CAZARINE 45+1', 59', 19. Mark BRIDGE 90+3'.
Referee: SUBKHIDDIN MOHD SALLEH (MALAYSIA)
Crowd: 10 215 at Hongkou Stadium, Shanghai, China.

“この試合の勝利とパファーマンスに我々はみなハッピーだ。2度もリードを許しながら同点に追いつくと言う素晴らしい展開だった。 こういうパフォーマンスを見せられたチームを誇りに思う。上海は大変素晴らしいチームだった。我々は彼らが2度もリードを奪うのを見せられたが、我々もハードに戦った。後半に見せたパフォーマンスこそ私達のパフォーマンスだ。上海のDFを3度も破った。我々はみな全てハッピーだ。我々はまだ行き残っている。” Lavicka 監督は試合後興奮気味に語った。

この試合の勝利の要因は何と言っても決定力。前節の鹿島戦、その前の上海戦では決定力不足から2試合1得点1勝点に終わったがこの試合では散々シュートを外し続けた Cazarie が連続ゴールを決めた。
また Carle, McFlynn らが復帰したのも大きい。 更に DF Stephan Keller, FW David Williams が戻ってくれば次の水原戦でも勝点が見えてくる。 

これで5月10日が楽しみになって来た。しかしその前に水原戦で勝点を上げないとなぁ….しかし早く国立で森安が観たいなぁ…

カンタス航空は直行便をいつ再開するのだろう?
4年前の ACL でさいたまスタジアムで知り合った Sydney FC サポーターの旧友達が全てにおいて5月10日来日できる環境が整っている事を祈る….

Sydney FC 4年振りの J との対戦は.... Sydney FC 0-3 鹿島 13.04.2011

2011-04-17 | Football Asia
Antlers will be sharper, warns Carle

Sydney FC のMarquee Player Nicky Carle はチームメイトに次に対戦する鹿島アントラーズはこれまで ACL で対戦したどの相手よりも上を云っていると警告した。これまで韓国の水原、中国の上海申花と対戦し勝点2を上げている Sydney FC は次の対戦は J-League で7度も王者に輝いた鹿島アントラーズだ。
水曜日(4月6日)に対戦した試合よりもずっと難しいものになるだろう ‐ 勿論上海を見降している訳ではないが – 鹿島は違ったレベルのチームと信じている。彼らを良いチームと表現する事は控えめな表現だ。我々は結果を残す為には最高のプレーをせねばならない。今我々が必要な勝点3を得る為に本当に全てを掛けねばならない。
しかし云った通り韓国のクラブチーム(水原)との試合で見せた様に我々はアジアの列強とも渡り合えると思う。彼らは早くて強かった。鹿島も同じだと思う。恐らく少し上を行っているかもしれない。我々は彼らを尊敬するだろうが、我々が成し得た事により自信も得ている。 
ACL の2試合を見るととても我々は不名誉な戦いをしたとは言えないがその一方でボール支配率が 67% にも達したのに、得点に結びつける能力の低さが勝点1しか自分達とファンにもたらせなかった。
私達は本当にがっかりしている。もし2試合を消化して勝点4を上げられていれば大変良いスタートだったと言えよう。そして私は少なくともそれくらいはやっておくべきだったと思った。
Carle は実戦練習の欠如を感じていた。日本での震災の後試合日程が変更され1か月も試合があいたので最後の30分は脚が止まってしまったのだ。

“初戦の水原戦では我々はスバライしパファーマンスを披露し結果を捻り出す事が出来た。しかし第二戦の上海戦は我々は90分間戦い抜いたとは思わない。後半は少し苦戦を強いられた。しかし言わせてもらえれば我々は4週間も試合から遠ざかっていたので実戦練習が出来ていなかった事を露呈してしまった。 翌週の鹿島戦はホームでしっかりと準備せねばならない。それはただ重要な試合だ。必ず勝点3を得なければならない。しかし同時に韓国や中国チームを相手に得た結果から大きな自信も持っている。”

4年振りにようやくACLに登場した Sydney FC 。当時浦和REDSとの激闘からオーストラリアのサッカーファン達に J-League とACL の存在を植え付けた。
昨シーズンは上位6位以内にも入れず Final Series に進出出来なかった。A-League が8月下旬から9月に開幕し3月初旬から中旬に終わるのでどうしても“最強”のチームが ACL に出場出来ない。今年で言えば Grand Final で優勝した Brisbane Roar そして Finalist だった Central Coast Mariners が ACL に出場出来るのは1年以上も経ってからだ。
例えば昨年の Grand Final でプレーした Sydney FC の選手の中で4月6日の ACL 上海申花戦に出場及びベンチ入りした選手は DF Ryall Sebastian, Stephan Keller , MF Stuart Musialik , Mark Bridge, Shanon Cole だけで水原戦で退場、出場停止となった Terry McFlynn を入れても6人だけだ。
そんな中昨シーズン、2006-07 シーズン MVP にあたる Johnny Warren Medal を受賞した Nicholas Carle の加入は大いに期待された。しかし故障もあり出場試合は17に限られ上げたゴールも3得点に終わった。 
前回のワールドカップ予選では2009年6月の日本戦で久々に代表に復帰し、ワールドカップ最終メンバー入りも期待されていたがワントップをこなせないという理由で当時のVerbeek 監督の構想から外れ最後の最後で Scott McDonald と共にメンバー落ちした。それだけにワールドカップ後に Sydney FC に加入し臨んだ昨シーズンの A-League は期するものがあっただろう。
今年の ACL では前節上海申花戦では貴重な同点ゴールを決めた。 
しかし次の鹿島戦はふくらはぎを痛めてしまい出場出来なくなってしまった。その上 MF Terence McFlynn が出場停止。ベストメンバーで120%の力を出してようやく鹿島となんとか…と思わわたので本当に苦戦は免れない事は試合前に解っていた…



Draw rocks Sydney's Asian hopes

Sydney FC 1 上海申花 1

SYDNEY FC の Viteszlav Lavicka 監督は上海申花戦を引き分けた後正念場を迎える事を認めた。ホームゲームの2連戦を終えて勝ち点2を上げた Sky Blues こと Sydney FC の Lavicka 監督は最低でも1勝。あわよくば2連勝で鹿島戦に臨みたかった。
勝点2は鹿島アントラーズと並んで2位だか首位を行く水原とは勝点3差をつけられている。
勇敢な上海のメンバーに対して圧倒的に優勢に試合を進めながら Sydney はこの試合最も必要だった方法を見つけられず Lavicka のいらいらだけが残った。
“我々はチャンスを創ったが勝点1以上をこの試合で期待した。 立ち上がりはよくなかった相手は最初のシュートを得点に結びつけたそして幸運にもはやばやと同点に追い付いた。我々はゲームの殆どを支配したが攻撃に充分な能力がなかった。
ホームゲーム2試合で勝点2は現時点では不充分だ。しかしまだ試合は続いている。全ての試合で我々は勝点を稼げるチャンスがある。 今まさに素早く気を取り直して次の試合に集中せねばならない。 

Lavicka 監督は後半得点出来なかった事にがっかりさせられたしかし上海のフォーメーションとカウンターも認めいていた。上海は常に虚を突かれる事を案じていた。
上海の Xi Zhikang 監督は Sydney は試合が進むにつれて同点で終わる事を感じた事から前半の方が良かったと感じた。
“試合前半の彼らは大変良かったが後半は恐らくフィジカル戦となった事からミスが多かった。多分かれらは大変良いチュームであると思うが我々も次の試合が楽しみである。”
圧倒的に押しながら1-1 の引分けにい終わった上海戦。 試合前に最も“地元” Sydney FC が懸念したのはピッチコンディション。南半球のオーストラリアはこの時期 Rugby Union, Rugby League がシーズン真っ最中。 ピッチに窪みが出来ている上に上海戦の前には芝が短く刈り取られた。

Sydney と上海の両監督は共に試合前日の4月5日に短く刈り取られたピッチコンディションが試合に影響しないとの表明に腐心していたが Sydney の Vitezslav Lavicka 監督は自分の好むプレースタイルである早くて創造的なサッカーに影響するの必至との発言が。
“我々は前にピッチを見てそしてピッチはよくなったと言う事には同意するが我々はみなこの時期はラグビーのシーズンであり簡単には従事できない事は知っている。しかしピッチコンディションを含めた全てが両チームには同じ条件である。” と語った。

上海申花の Xi Zhikang 監督は “ Sydney FC はパスサッカーを好む。恐らくこのピッチでは彼らのプレーを難しくするだろうがピッチコンディションは両チームに同じ条件だ。 我々はこの条件に類似した Macquarie University のグランドを借りて試合に備えた。 だから問題は無い。 ピッチは上海のそれよりも良いとは言えないがそれが試合を左右するとは思えない。なぜなら両チームとも同じピッチで試合をするからだ。“

“ちょっと異常な状況だ。なぜなら我々は5週間も公式戦を行っていない。しかし試合間は効果的に過ごす事が出来た。全ての主力選手達はコンディション調整に苦心しているが次の試合に備えて何試合かの練習試合も行った。”
実際にピッチコンディションよりもLavicka 監督が懸念するのは地震によって強いられた変則日程の事だろう…..
ピッチコンディションの事は恐らく混乱の関東地方を避けて水原から直接シドニー入りした鹿島にとっては充分に調整時間もあり問題は無かったと思う。 

4月13日。 Sydney Football Stadium に鹿島を迎えて行われたACLの第三節。Sydney FC のスタメンは1週間前の上海申花戦から脚を痛めたエースの Nick Carle を含め4人の選手を入れ替えた。私の注目は日本人MF森安洋文。昨シーズンは28試合に出場しこのACLでも 3試合連続スタメン出場となった。
Sydney FC のキックオフで始まった試合は立ち上がりからホームの Sydney が押す展開。5分には 2008年のFIFA Club World Cup で Adelaide United の一員として来日実績もあるJamieson Scott の FK にブラジル人 FW Cazarine こと Bruno Constantino が岩政に競り合いながらヘッドを放つが惜しくもゴールを外す。外側には Jurman Matthew が走り込んで来ていた。Cazarine はその直後にもヘッドを放った。 7分には Dimitrios からボールを受けた森安がゴール前に迫る。 開始からやや押され気味の鹿島は16分に真ん中から小笠原がドリブルシュートを放つ。前日の地元紙には小笠原の身内が被災家族であったと言う特集記事があった。



試合を支配したと言っては大げさだがホームの Sydney の方が鹿島よりもシュートシーンを多く演じた様に思われた。 トップの Cazarine をめがけてボールを放り込むというシンプルな方策が効果的だった。35分にも Cazarine はCKからヘッドを放つなど何度もマークに着いていた岩政に競り勝っていた。岩政は日本代表CBなんだけど….
Cazarine だけでなく、Jamieson そしてこの試合では Socceroos 経験もある Shannon Cole の動きも悪くなかった。 
しかし先制ゴールは鹿島だった。ロスタイムに入りカウンター攻撃に転じ中央の野沢から左サイドに回った興梠に送られると興梠は中にドリブルで切れ込み中に入れると走り込んだフェリペ・ガブリエルが至近距離からシュートを放つと一旦は GK Rhys Reddy がブロックするがこぼれ球を最初にパスを出した野沢が走り込んで押し込み先制ゴールを上げた。 
Sydney FC としてはあと少し守り切って前半を終えた方だろう…



鹿島のキックオフで始まった後半。 Sydney が何とか早い時間に同点を…と思うも開始早々の51分に鹿島が追加点を上げる。興梠が右サイドを上がった新井場に送り入れられたクロスにフェリペが頭で合わせて Sydney ゴールネットを揺らした。 この時興梠が中に切れ込み相手DFを引きつける動きをしていた。 GK Reddy も自軍のDF陣に何故フェリペをフリーにしたと指摘していた….. こういう動きが出来るのが J-League のレベルだ….
2点差をつけられたが Sydney FCは何とか1点を返そうと必死の攻勢に出る。鹿島が2点差をつけてやや守備的になった事もあるだろうが…
54分58秒、Jamieson のクロスに Rhyan Bert Grant がヘッドを放つが惜しくも外れる。49分20秒には Cole のクロスにまたも Cazarine が岩政に競り勝ちヘッドを放つがこれも僅かにゴール枠を捉えられない。 68分には今度はカウンター攻撃から最後は Grant から56分に投入されたガーナにルーツを持つ ( 国籍はオーストラリア ) Duke Kofi Appiah Daning がシュートに持ち込むが最後は小笠原が戻ってカバー。 74分、左サイドでミスパスを拾った Jamieson が上げたクロスにまたまた Cazarine がヘッドで合わせるがクロスバーを越える。77分にはスイス人 DF Jurman Matthew がドリブルシュートを放つ。 次第に Cazarine のヘッド1本からボールを繋いだり、中盤をドリブルで上がったりのシーンが目立つ様になって来た。  
スタジアムには COVE から地元サポーター達の聞き慣れた応援歌がこだまする。何とか1点を返せば…最低でも勝点1を上げれば…と思われただろう。
80分森安がベンチに下がり Joel Joseph Chianese が投入される。森安は攻守になかなか良い動き、プレーを見せていた様に思う。70分には小笠原のマークを掻い潜り岩政にコーナーに逃れられたが素晴らしいクロスを上げるシーンも見せた。かつて清水ユースに所属した唯一 A-League でプレーする森安。5月10日も是非凱旋帰国を果たし国立競技場のピッチに立って貰いたい。
鹿島は70分に FW カルロンを下げて日本代表、五輪代表メンバーだった本山を投入する。シドニー五輪メンバーだった本山はあと1試合、 Adelaide でアメリカに勝てばシドニーに辿り着けるところだった。それを思い出したか…. これで鹿島は興梠の1トップになり2列目に野沢、本山、フェリペが並んだ。 それでも J-League 屈指のMF陣に対して鹿島の若いMF 達は引けを取らなかった。



しかし終了間際、鹿島がまさにダメ押しの3点目を挙げる。 右サイド、何度も効果的な上がりを見せていた新井場が中央に出た野沢に送り絶妙のスルーパスを送るとフリーで抜け出た興梠が Sydney ゴールに押し込んだ。
主導権は握られても失点は許さず一瞬のチャンスから得点に結びつける、まさに鹿島の強さを見せつけた試合だった。

“我々にとってはいい経験だった。 A-League にはいくつも好チームがあるが国際試合レベルになると違ったレベルとなる。 我々は今夜それを見た。 試合後 Lavicka 監督はこう語った。またゲーム主将を務めた Stuart Musialik は ”鹿島は我々にかけるプレスが鋭かった。それは他の対戦チームには出来なかった事だった。彼らは大変良く動き危険地域では大変良かった。我々はそれに対応出来なかった。“ 試合後こう漏らした。
しかしまだ白旗を上げたわけでは無かった。
我々はホーム3連戦で勝点2しか上げられなかった。しかしまだあきらめる状況ではないだろう。 我々はアウェーでも勝点を上げようと努力する。特に次の中国(上海戦)で。“

4月19日の上海申花戦からアウェー3連戦に臨む Sydney FC であるが鹿島戦は主力選手が4人抜けていた。次節は Carle , McFlynn らが合流する見通し。鹿島戦でも主力に抜きで主導権を握る時間帯が短くは無かった。次の上海申花とのアウェー戦に勝てばまだまだチャンスは出てくると思う。

3試合を終えて鹿島は勝点5とし水原に次いで2位に着けている。そしてこれから”ホーム3連戦“に臨む。
水原、上海を連破して欲しい。そうすれば Sydney にチャンスが生まれる。 そして最終節、5月10日の国立競技場での Sydney FC との試合が”消化試合“でなくなる。

それにしても Sydney Football Stadium の試合は観衆が 7,320 人とはちょっと淋しかったなぁ……




歴史的勝利 …… Deutscheland 1-2 Socceroos 29.03.2011

2011-04-11 | 夏季五輪
日本が KAZU のゴールで沸いた3月29日。日本時間ではその翌日となったがドイツに乗り込んだオーストラリア代表 Socceroosはドイツ代表を 2-1 で破り歴史的な勝利を収めた。ドイツでオーストラリア代表がドイツ代表と試合を行ったのは1974年のワールドカップ以来37年振り。この時はハンブルグでグループリーグの試合があり西ドイツがオベラーツ、クルマンそしてゲルト=ミュラーのゴールで3-0 で快勝した。この試合前、地元のマスコミは遂にギュンター=ネッツァーがベンチ入りを果たす事。そしてピッチに現れるのではとの報道で賑わっていた。 しかしゴールこそなかったが同じポジションのオベラーツの活躍でネッツァーの出番は無かった。
そして私の尊敬する Johnny=Waren も前の東ドイツ戦で負った怪我が悪化し西ドイツ戦そして続くチリ戦の欠場を余儀なくされた。昨年のワールドカップで両者は36年振りに同組になりグループリーグ初戦で激突した。 
個人的には “アジアNo.1” のオーストラリアが欧州の列強にどれだけ対抗出来るか楽しみであったが Özil, Müller, Klose そして Podolski にがんがん中盤からサイドから切り裂かれ日本がなかなか突破出来なかった Schwarzer の守るゴールを開始26分で2得点上げあっさりと試合を決めてしまった。  Socceroos は Cahill が Schweinsteiger へのタックルに1発レッドが出されいい所なく、36年前よりも点差のついた 0-4 で惨敗してしまった…….

地震の影響で本棚からこぼれおちた多くの雑誌や本そしてビデオを整理していると2006年のワールドカップ直前に Socceroos がオランダで行った“調整試合”そして Round of 16 のイタリア戦のビデオが出て来たので DVD にダビングしながらこの試合をじっくりと観た。 共に Viduka のワントップ。 共に Kewell は出場していなかったが2列目には Bresciano, Cahill, Sterjovski が並び Viduka の楔のプレーを中心に攻撃に力強さを見せておりDF ラインはNeil がしっかりと統率し DFハーフの Grella がタフに欧州でも列強であるオランダ、イタリアの攻撃に対応していた。 そして Schwarzer は素晴らしいセーブを連発していた。
オランダ戦では解説の井原氏が “このチームからはなかなか2点は取れないでしょうねぇ…” と云っていたがその通りになった。
日本は試合終盤に痛恨の連続3失点を喫し痛い星を落としたのだけど、オランダ戦、イタリア戦を今観た限り、よく 1-3 で終わったなぁ…と思った。 
それから Socceroos のチーム力は上がったとは言い難い。GK がSchwarzer でなければどうなっていただろう…

Wilkshire scores winner as Socceroos stun Germany

Socceroos の Lucas Neil 主将はドイツ戦の初勝利は前年ワールトカップで 0-4 と惨敗を喫した試合の代償となると語った。
そしてこの勝利は同時に Asian Cup 決勝戦での日本戦の敗戦から立ち直らせるものとも語った。

“本当に驚くべき結果だ。  
“この勝利は我々が常に期待している素晴らしい結果だった。我々は失敗から学び同じ事を繰り返さないと言う事を確認した。 Asian Cup 決勝戦での敗戦も同様に素晴らしい教育からの償還だった。 この無様なパフォーマンスを背にし素晴らしい勝利でカムバック出来た。 これは我が国の将来にとって偉大な勝利だ。 列強を倒し、good performance で我々自信を驚かせ続け若い選手達に驚くべき基盤を築く礎となっただろう。 この結果は我々を強くするだろう。 これは我々に弾みとなるであろうしこういう結果を持続させる事が重要だ。 我々はワールドカップでの結果を振り返った。しかし我々はそこから学びより良いチームとする事が我が国にとって重要な事だ。” 
しかしながら Neil は前半の悪いパフォーマンにも驚かされた様子だった。
“私は前半も少し驚かされた。前半はチームとして戦えていなかった。あたかも1つのチームとして我々の能力を信じてない様なスタートだった。常に我々が見せる格上を相手にした時に示すハングリーさが見せられなかった。または勝利を欲していない様だった。ハーフタイムにそれを少し修正し、彼らはそれを清算した。 前半の我々はボールを奪われ過ぎた。それを調整し二つのチャンスを創った。 そしてチャンスを掴み私達がただ得る事が出来ると信じた事を行った。我々は失点後堅い守りを保持し対戦相手のドイツにゴールチャンスを与えなかった。“ 一度苦杯を舐めさせられた相手にハードに対戦した。 これは大きな勝利で歴史的な驚愕する勝利だ。”

Joachim Löw ドイツ代表監督は試合後
“これは少し不運であった。 前半は若い選手達は素晴らしい動きを見せた。しかし後半はゲームを投げてしまった。あれはファールでもPKでもないと思う。 このパフォーマンスからいくつかの結論を引き出せるだろう。若い選手達には良い経験となるだろう。”こう語った。

昨年8月からオーストラリア代表を率いた Holger Osieck 監督にとって Asian Cup を経て母国代表を倒したこの試合は非常に大きなものとなった。 試合後の祝杯はと尋ねると“恐らくビール1杯か2杯でそれ以上は無い。” と応え。
我々の後半のフォーメーション構築は大変良かった。ハーフタイムに Lucas Neil にはパスの繋ぎを明確にする事ともっと集中してボールを受けた時は自信を持つようにとシンプルにアドヴァイスした。ボール占有率をたやすく失いたくなかった。選手達にはもっと攻撃的に、もしそうであればよい結果が得られると解っていた。ドイツは立ち上がりから我々を威嚇して来たが我々は恐れる必要は無かった。 試合前ドイツに勝つと信じる事はおこがましい事であった。それに私はドイツ代表選手達のレベルを熟知している。この試合がオーストラリアの選手達にとってただ良い経験になればと思っていた。前半の我々はいくつかの弱点がありボールを早く失いすぎた。しかし後半は時間が経つにつれてパフォーマンスが良くなってきた。” 
“選手達を誇りに思う。彼らは素晴らしい仕事を行いただ試合後選手にする事はただ心の底から Thank you very much と云う事だけだ。 彼ら(ドイツ側)が何と言おうが構わない。選手達のパフォーマンス。特に後半は大変満足している。 選手達は非常に良くやったそれは素晴らしいパフォーマンスでそれが誇りに思う理由だ。”



Socceroos のスタメンは Asian Cup の決勝戦のスタメンとほぼ同じ。 Asian Cup では Kewell と Cahill の2トップだったがこの試合は Cahill が怪我で出場出来ず Kewell のワントップ。 Brett Emerton がスタメン出場となり2列目の左に配置され、Brisbane Roar の Matt McKay もスタメン起用でトップ下に。そして2列目右には Bretto Holman が Asian Cup 同様に配置された。
オーストラリアは立ち上がりから反則が目立ち FK を与え続ける展開。そして26分 Andre Schurrle からのパスに走り込んだGomez がゴール上左隅に蹴り込み地元ドイツが先制ゴールを上げた。
しかし Socceroos は劣勢の中でも追加点は許さず。よく反撃に転じ特に Wilkshire の右からのクロスはドイツDFラインには効果的であった。そして29分には Emerton のクロスからボランチの Jedinak がヘッドを放つが GK Weise の正面に。
後半も序盤まではドイツがゲームを支配していた。



しかし61分 David Carney からボールを受けた Matt McKay がスルーパスをゴール前に走り込んだ Carney に送り、 ボールを受けたCarney がドイツゴールに蹴り込み同点とした。これはオーストラリア代表が史上初のドイツ代表から奪った得点であった。



更に1分後、Harry Kewell がゴール前に持ち込んだところを Christian Trasch に引き倒されるとフランス人の Stephane Lannoy 主審はすかさずペナルティースポットを指し、 Luke Wilkshire がそのPKを落ち着いて決めリードを奪った。



リードを許したドイツは69分に Schurrle がオーストラリアゴールに迫りシュートに持ち込むが GK Schwarzer がストップ。
78分には Sasa Ognenovski のクリアーミスを拾った交替出場の Miroslav Klose がフリーでシュートを放つがゴール枠を捉えられず、終了直前の89分にもKlose がオーストラリアゴールに迫るが最後は Neil が必死のスラィディング。 Klose は PK をアピールするが逆に Lannoy 主審は Klose のシュミレーションを取り Socceroos が2003年 England を Upton Park でそして2008年に Eindhoven でオランダを破ったのに続いての“金星”を勝ち取る事となった。



Germany: Wiese (Werder Bremen/29 years / 4 caps) - Träsch (VfB Stuttgart/23/6), Hummels (Borussia Dortmund/22/4), Friedrich (Hertha Wolfsburg/31/80), Schmelzer (Borussia Dortmund/23 / 2) - Bender (Borussia Dortmund/21/1), Schweinsteiger (Bayern München/26/87 - 65 Kroos / Bayern München/21/15) - Schürrle (FSV Mainz 05/20/2), Müller (Bayern Munich / 21 / 15 - 65 Idol / Borussia Dortmund/18/4), Podolski (1.FC Köln/25/86) - Gomez (Bayern München/25/43 - 73 Klose, Bavaria München/32/108)

Australia: Schwarzer (FC Fulham/38/89) - Wilkshire (Dynamo Moskau/29/57), Neill (Galatasaray Istanbul/33/71) Ognenovski (Seongnam Ilha Chunma/31/9), Carney (FC Blackpool/27 / 39) - Emerton (Blackburn Rovers/32/84), Valeri Sassuolo (Calcio/26/36) Jedinak (Genclerbirligi Ankara/26/25), McKay (Brisbane Roar/28/14) - Holman (AZ Alkmaar/27 / 46 - 90 McGrath / Brøndby Kopenhagen/19/1) - Kewell (Galatasaray Istanbul/32/54 - 80th Kruse / Melbourne Victory/22/5)

Referee: Lannoy (France)

Spectators: 30 152

Goals: 1-0 Gomez (26), 1:1 Carney (61), 1:2 Wilkshire (64./Foulelfmeter)

Yellow Cards: Klose, Träsch / Jedinak, McKay

Best Players: Podolski, Schürrle / Carney, Holman


Socceroos no longer overawed by reputations

“ドイツをドイツの地で破った事が本当に最高のゲームと云えないのでしょうか?

Socceroos はpoor では無かった。
後半の奮闘は前半のパフォーマンスを改善させた。 そしてSasa Ognenovski, Brett Holman そして Carl Valeri らが素晴らしいい貢献を見せた。
しかし Holger Osieck 監督は解っている。この試合はチームを率いて以来 Best Performance では無かったことも。
しかし2014年ワールドカップ予選に向けてチームは正しい方向に向かっている事が証明された。
明らかに Pim Verbeek の質のあるオーストラリア選手に対して信頼を欠いた基本的概念が奪い去った地震は Osieck の抜け目ないマネージメントにより大きく回復された。
Asian Cup 決勝戦の敗戦は残念だったが選手達の自信は奪わなかった。 ドイツは恐らく対戦相手を見くびっていただろう。恐らく理解できる事だが昨年 Durnan で彼らが我々を粉砕した事が頭にあったのだろうがそれが失敗であった。
Mönchengladbach での勝利で明らかな事は Socceroos はゆっくりだが着実に列強に威圧されない術を学んでいると言う事だ。 世界の国々はオーストラリアはサッカー列強とは思わないだろうがそれがどうしたのだろう?
重要な事は、最高の可能な方法は、我々は自分達を評価し始めている。



Time to win on the big occasions: Kewell
Socceroos のストライカー Harry Kewell はMönchengladbachでの勝利に続いて今や Socceroos はビッグトーナメントでベストフォームを創り始める時だと語った。
“世界3位を、しかも相手のホームで破った時は彼らは自分自身をののしるだろうと思う。我々はそこに乗込み、やるべき事をやった。たまに何故それがワールドカップで出来なかったのかと恥じる事になるだろう。私は選手達を誇りに思い、また自分達の出来る事を出来たと思う。 彼ら(ドイツ側)が云いたい事もある事は解る。これは Friendly Match に過ぎないがそれはそれ、これはこれだ。 しかし真実は全ての選手達が勝とうとした事だ。”

またワールドカップでは4度ゴールを破られた GK Mark Schwarzer は
“Big Stage での勝利だ。もちろんワールドカップでも勝ちたい。もちろん出来る。しかし全く異なったシナリオだ。出来る事は全ての試合で勝利を掴もうとする事だ。 誰がわかる?恐らくまたワールドカップでドイツと対戦するかもしれない。そしてその時は我々がこの夜行った事をトライするまでだ。 この日見せた後半のパフォーマンスはチームが進化して我々が強くなっている証拠だ。我々には多くの若い選手がやって来た。”
この様に応えた。80分には Melbourne Victory 所属の Robbie Kruse が Asian Cup 同様 Kewell に替って投入され、そして デンマークベースの10代のBrent McGrath がこの試合代表デビューを果たした。



Mönchengladbachでの“大勝利”を報道するオーストラリアの地元紙であるがドイツ側の反応は少し異なったものだった。

Unnötige Heimniederlage der Nationalelf Osiecks Socceroos entzaubern Löws zweite Garde

不要なホームでの敗戦。 Oseick は Socceroos を魔法にかけLöw の2軍チームを破る。2番目のスーツはフィットしなかった。
この試合の前日 Bayern München の Uli Höness 会長は欧州選手権予選の3日後に組まれた Socceroos との試合に難色を示し、 Socceroos のレベルを“ Bayern の A チームと B チームの試合の方が緊張感がある。”と見降したコメントを発していた。
ドイツに乗り込んだオーストラリア代表は怪我で欠場した Cahill を除けばベストメンバーであったのに対しドイツは3日前にKaiserslautern で行われた欧州選手権予選のカザフスタン戦 ( 4-0 で勝利 ) に出場したMesut Ozil, Sami Khedira そして Philip Lahmらの主力選手を起用せず、この試合で出場した中では Schweinsteiger, Müller そして Podolskiの3選手のみであった。そして73分に得点者の Mario Gomez に替って Klöse が投入された。 
Tim Wiese と Manuel Neuer は代表戦で初めて共にDFラインに入り、また香川のチームメイト Borssia Dortmund 所属選手が3人、Hummels, Schmelzer , Bender が含まれていたが21歳の Sven Bender は代表デビュー戦であった。
そして65分からはIdol も投入された。 
他の選手も Friedrich, Schweinsteiger, Müller, Gomez, Podolski を除けば代表出場数は10にも満たない選手ばかりであった。Löw監督はコンビネーションを按じていいたが前半はよくやれたとの評判であった。



73分に Gomez に替って投入された Klöse はこれで代表108試合目の出場となり Jürgen Klinsmann と並んだ。彼らを上回るのは150試合出場の Lothar Matthäus のみであるがゴール数は Gerd Müller を上回っている。
Klöse は最後のシーンは絶対に相手が自分の体に触れていたと、相手もそれは解っていたと不満を隠さなかった。
ドイツの敗戦はワールドカップでスペインに敗れて以来の敗戦であった。

しかしこれだけは言える。もし日本代表がドイツに乗込んで結果を残せるのだろうか…勿論その時は香川は起用出来る様になってからだけど….


All Whites 中国と引き分ける China 2 New Zealand 2 25.March 武漢

2011-04-10 | Aussie & Kiwi
外務省は4日、2月22日発生した地震によりクライストチャーチ市内の語学学校で被災した日本人のうち、最後まで安否が分からなかった方の死亡が確認され、日本人犠牲者はこれで28人となったと発表した。
この方は関西から来られた元看護士の女性の方で当地には留学に来られていたとの事であった….
そして御両親の話によると阪神大震災の時には大変献身的に看護士に従事されていたとの報道も….

連日日本は東北太平洋地震及び津波で被害に遭われた方そして福島原発の様子を報道している。
世界の報道も被害状況を伝える事から原発の放射能漏れの方報道が中心となっている。
今世界の新聞の“国際面”の見出しはリビア情勢とこの“原発情勢”で賑わっている。

4月6日、インドが地震後世界で最初に日本食材、食品の輸入禁止を発表した。
震災後日本以外の“日本レストラン”には逆風が引き続いていいたがこれがついに強風になり更に突風そして台風にならない事を祈るばかりだ…

クライストチャーチ在住の日本人の方から近況を伺うメールを久し振りに頂いた。
被害の大きかった街の中心部の復興は進まず未だに入れない地域もあるとの事。その地域内には取り壊す事が決まった建物も少なくないらしい。そこにはオフィスやレストラン、カフェが入っていた。オフィスは移転すればすむかもしれないがテナント入りしていたオフィスやカフェ、ファーストフードはどうなるのだろう…
ここでも自分の無力さに何とも言えないやりきれなさを感じた…



日本遠征を中止せざるを得なかった New Zealand All Whites 一行は3月25日、予定通りに武漢で中国代表と親善試合を行った。

All Whites draw with China

中国との親善試合はMichael McGlinchey の代表初ゴールでAll Whites は 1-1 で引分けに終わった。 Nelsen, Bertos , Sigmund ら主力を怪我で欠くFIFA ランク56位のAll Whites はそれでもスタメン全てワールドカップメンバーで攻勢。一方のFIFAランク75位の中国は Asian Cup のレギュラーに黄博文、崔鵬、閻相闖 かつてはポルトガルの名門 Benfica にも所属した干大宝、干漢超らを加えたスタメン。
試合は地元中国代表の攻勢で始まった。チームの重鎮である Blackburn 所属の Ryan Nelsen を怪我で欠き守備に不安を抱える All Whites は2分に早々と失点してしまう。閻相闖が右サイドを突破しCKを得ると卓翔のCKに杜威がヘッドで捉える。GK Glenn Mossがパンチングしたのが All Whites DF Andrew Boyens の身体に当たりその跳ね返りが All Whites ゴールに飛び込んでしまった。
34歳のベテラン Ivan Vicelich はその後も守備陣を落ち着かせるのに腐心せねばならかった。
10分にも再び閻相闖が右サイドを破りシュートに持ち込むが Moss がストップ。 12分には卓翔のインターセプトからカウンターに転じ最後は干大宝がCBのマークを受ける前にシュートを放つが強烈にポストを叩く。
19分に All Whites は 19歳 191cm の長身FW Chris Wood がこの試合初めてのシュートを放ったが GK 曾城が難なくストップ。し



しかしそれから約10分後の31分、Christ Killen のクロスに再びゴール前に迫った Wood と交錯した曾城は救急車で病院に運び出される怪我を負った。そしてGKには程月磊が入った。 
その後も中国はボール回し良く試合を試合するものの44分に栄昊が左サイドを突破し干漢超を経由してボールを受けた干大宝のシュートが Moss に阻まれる等決定力に欠け追加点は奪えなかった。
後半に入ると前半のボール支配率が 45% に過ぎなかったAll Whites が前半とは全く違い主導権を握る。 開始早々にJeremy Brockie の放ったヘッドは GK程月磊の正面。52分には Kosta Barbarouses がヘッドで狙うが僅かにクロスバーを越えた。
しかし1分後の53分、 Killen の出したパスに走り込んだ24歳の McGlinchey が撃ったシュートは中国ゴールネットに突き刺さり試合を振り出しに戻した。 



その後も All Whites は Shane Smeltz , David Mulligan らがシュートに持ち込むがゴールには至らず 65分には Smeltz のラストパスから Killen がフリーでシュートを放つ絶好のチャンスを迎えたがここは GK程月磊 がストップ。 中国も黄博文、蒿俊閔らが All Whites ゴールに迫るが Moss のファインセーブ等で追加点を阻み 1-1 の引分けに終わった。
この試合 All Whites の Ricki Herbert 監督は Michael Boxall, Marco Rojas そしてアルビレックス新潟所属の Michael Fitzgerald を交替出場で起用しそれぞれ代表デビューを飾った。

中国代表: GK 22-曾城 (33分,1-程月磊 ); DF 13-劉建並、14-李玮锋、5-杜威 20-荣昊; MF
21-黄博文、7-崔鵬11-閻相闖(65分,8-蒿俊閔、10-卓翔、16-于漢超; FW 27于大宝

New Zealand (3-4-3): GK 1- Glen Moss ; DF 4-Ivan Vicelich (C), 5-Tommy Smith, 13- Andrew Boyens ( 2- Michael Boxall ) ; MF 3- Tony Lochead, 7-Michael McGlinchey (90 分20-Aaron Clapham ), 11-Jeremy Brockie (78分 21-Marco Rojas ) , 15-David Mulligan; FW 8- Chris Wood (46分16-Kosta Barbarouses ) 9-Shane Smeltz, 10-Chris Killen ( 78分 22- Michael Fitzgerald )

中国対ニュージーランド。思い出すのは1981年に行われたワールドカップスペイン大会のアジア・オセアニア地区予選。最終予選は勝点、得失点差で両国は中国に次いで2位タイになりシンガポールでプレーオフが行われニュージーランドが 2-1 で中国を降しワールドカップ出場を決めた試合...まだ日本がアジア地区の最終予選にも進めなかった時代だった......

Herbert names solid starting line-up

All Whites の Ricki Herbert 監督がスタメン起用したのは全てワールドカップメンバー。イレブンの代表キャップ数を合わせると280になった。それでもベストメンバーとは言い難いスタメン。
ニュージーランドで現役最高選手と言われている Premiership Blackburn 所属のRyan Nelsen , ワールドカップでは1トップを務めた Rory Fallon さらに右サイドで効果的なドリブル突破を見せたWellington Phoenix の Leo Bertos さらにWinston Reid, Simon Elliott, ワールドカップではファインセーブを連発した GK Mark Paston らワールドカップではスタメンを飾った選手達が7人も。更に予選まではレギュラーだったが大会直前に肩を骨折しワールドカップにはメンバー入りしたものの出場機会の無かった、右サイドバックとしては欠かせない Ben Sigmund も含めるとレギュラー選手8人が欠けたチームとなった。

“ずっと試合をしていなかった我々が召集出来たメンバーの中には多くの期待した選手達が含まれていない。私はベンチでひやひやさせられるだろうが出来る限りの手は尽くすつもりだ。”
Herbert 監督はベテラン Iva Vicelich をチームキャプテンに任命し Ryan Nelsen の抜けたDFラインは Andy Boyens と Tommy Smith とともに3バックを構成。 Vicelich はこの試合で代表キャップ数72を記録したがこれはニュージーランド代表選手では最高の記録となった。GK にはGold Coast United の Glen Moss が17回目の代表出場。

“母国の主将を務めるのは大変名誉な事。  All Whites を率いるのは偉大な事だが大切なのは良い結果を残して過去2年間の成功を持続させる事だ。”こういうコメントを試合前に残した。



中盤は Jeremy Brockie が2列目右に Central Coast Mariners の Michael McGlinchey と共に配置され Tony Lochhead と David Mulligan が左サイドに置かれた。最前線には代表15試合目となる 191cm の長身 Chris Wood 右に Shane Smeltz 左に Chris Killen が置かれた。
そしてベンチには代表初選出のMarco Rojas, Michael Boxall そしてMichael Fitzgeraldが入り、更に代表経験のあるJacob Spoonley, Kosta Barbarouses そして Aaron Clapham がベンチ入りを果たしたが彼ら3人合わせても代表試合出場数は4試合であった。

Herbert pleased with young All Whites

武漢で中国代表と引き分けた All Whites の Ricki Herbert 監督はフルメンバーでないにも関わらずアウェーで中国と引き分けられた事に満足を覚えていた。
“我々は良いスタートを切れなかった。 前半は失望させられたが私は常にポジティブだ。後半にはタフな45分間をプレーし競合出来るパファーマンスを演じられる事を証明した。
“選手達は後半調子を出したと思う。そして我々にとって重要な事は我々がこの試合で出来なかったワールドカップよくやれた戦術が正しかったと言う事が解った事だ。 結果は我々やここのピッチに立った選手達にとってはボーナスの様なものだ。”

Herbert 監督は後半 A-League Grand Final 王者 Brisbane Roar のFW Kosta Barbarouses, MLS Vancouver Whitecaps の DF Michael Boxall, メルボルン生まれの Marco Rojas そして日本でプレーする Michael Fizegerald ら若い選手達を次々に投入した。 代表初ゴールを決めた Michael McGlinchey は A-League の Grand Finalist Central Coast Mariners の MF 。 “Killy ( Chris Killen )はボールを前に運ぶ力を持っている事を知っているので彼がボールを持った時はすぐにPA内に侵入した。初ゴールは驚きを感じた。 初ゴールを決めた事は何か励みになる事だ。この試合は代表8試合目だったがあと2,3ゴールは決めたい。”
こう語った McGlinchey は2009年のワールドカップ大陸間予選のバーレーン戦にはスタメンだったがワールドカップでは出場機会が無かった。まだ24歳なので次のワールドカップでは本戦出場を狙える。
スコットランド訛の強い McGlinchey は昨年のワールドカップ後 Scottish Premier League の Motherwell から
Central Coast Mariners に移籍。チームの Grand Final 進出に大いに貢献した。ワールドカップ最終戦となったパラグアイ戦では彼のテクニックを起用しても良かったではとの論評もあったらしい。

All Whitesの攻撃陣は Rory Fallon や Chirs Wood, Shane Smeltz 等長身選手が多く攻撃戦術も高さを生かしたものが多い。
ワールドカップではそれが功を奏したが、 Leo Bertos の様なドリブルやテクニックを持った選手が少ない代表の中で McGlinchey や Barbarous の様な選手の台頭は攻撃のバリエーションを増やす意味で高収穫だった。 



Kosta Barbarouses と Michael Boxall は後半開始時に投入され代表デビューを飾った。
昨シーズンはBrisbane Roar の中心選手として12ゴールを上げ活躍し、その前迄は2シーズン Wellington Phoenix に所属した171cmのMF. 彼もドリブルと足元の技術には定評があり、All Whites の新たな攻撃選出として期待される。
Michael Boxall は北京五輪にも出場した選手。そして私の注目はMichael Fitzgerald 。現在はアルビレックスから JFL のツエーゲン金沢に期限付き移籍中だが 185cm の長身を生かしたパフォーマンスは次も召集される見通しが立ちAll Whites のDFラインのポジション争いは Boxall, Fitgeraldが参戦し Reid, Tommy Smith Boxall  そしてNelsen, Sigmund , Ivan Vicelich.と一気に選手層が厚くなった。
Herbert 監督は 3-4-3 またはワールドカップ時の様な 5-4-1 のシステムには固執しておらず
他のシステムも試せるようになった。それだけに日本戦の中止は残念でならなかった様だ。
またワールドカップオセアニア地区予選も2012年6月まで延期されてしまい、今後の Match Make が注目される。6月にはホームでテストマッチを組もうとされているが…



Debut could cost new All White his club job



Michael Fitzgerald がAll Whites でのプレーを明確にした事で日本の所属クラブ先には“難色”を示しているとの報道を地元紙に見つけた。
現在アルビレックス新潟から昨年来期限付き移籍でツエーゲン金沢でプレーしているFitzgerald は日本ではマイケルジェームスと云う登録名らしい。彼の事を案じているのはかつての All Whites の英雄 Wynton Ruferだ。
日本の成立学園を卒業しアルビレックス新潟に入団し4年が経つがまだ J-League デビューを果たしていない。これまで JAPAN サッカーカレッジや金沢でプレーをしている。
この原因を Rufer は“外国人枠”も大きな原因の一つとしている。今シーズンのアルビレックはブラジル人選手のミシェウ、ブルーノロペスそして韓国人FWの曹永哲の3選手が外国人枠を占めている。 Kiwi のFitzgerald はアジア人枠が適用されないが曹永哲にアジア人枠を適用し空いた枠に Fitzgerald を入れてくれればと思うのだけど…
“彼ら(アルビレックス首脳陣)は Michael が All Whites でプレーする事を望まなかった。大変悲しい事に召集の案内が来た時、チームの首脳陣達は嬉しくなかった。Michael に召集を断って貰いたかったのだ。彼らは Michael を外国人選手として数えたく無かった。もし日本人なら US$150,000 ( 約 \1,200万円 ) で契約出来たが外国人だと US$500,00 ( 約4,000 万円 ) で契約せねばならない。そして彼は外国人として契約できないだろう。なぜならブラジル人がいるからだ。そしてもし日本に5年住めば日本に帰化できる。”
自らが手がける Rufer's Wynrs programme で育てられた Fitzgerald が日本人に帰化すれば球団は安く契約出来る上にトップチームに登録できると述べている。
“しかし私は彼には”目的を果たしたんだ。“とAll Whites でプレーする事を奨励した。彼はニュージーランド人で Mt. Roskill の出身だ。彼の母親はサモア人だ。それを拒否する事は出来ない。 Ricki は彼を見て喜ぶだろう。かれは質の高い選手だ。” 試合前に Rufer が語った。
Rufer の推薦により Herbert 監督は彼の召集を決めたらしい。それはまだ Herbert 監督が若い選手達を完全に網羅していないからだ。16歳の時にニュージーランドを旅立ち、日本の高校(成立学園)に進学し卒業後はアルビレックスと契約した。22歳の彼の代表召集は驚いた事に年代別では一度も無かった事だった。
震災により今シーズンの J-League そして JFL の進行が不明な事も Rufer の心配らしい。
“彼は欧州のパスポートも持っている。最悪のケースは彼がすぐに欧州に行ってしまう事だ。不運は彼も望んでいない。しかし代表チームでのプレーのオファーは毎日有るわけではない。” 
186cm 70kg の Fitzgerald を Rufer は典型的な日本人の様にテクニックのあるDFだけでなく中盤もこなせる選手。と評価する。
“それはサプライズだった。しかし good surprise だった。日本に来て初めてNew Zealand Football からコンタクトがあった。 私は試合で何かできると信じていた。ニュージーランドの為にプレーする事は大変なプレッシャーだったがベストを尽くせると思った。” Fitzgerald はこう語った。
Rufer's Wynrs programmeはこれまで多くの代表クラスの選手を育てて来ている。この中国戦では Fitzgeraldだけでなく, Chris Wood, Marco Rojas がここの卒業生。そして女子代表ことFootball Ferns の現役選手が3名, カタール遠征中の男子under-17 に5名、前回( 2009年大会 ) の U-17 に8名そして翌月のFIFA U-20 予選に臨むチームにも多くの選手を輩出している。
Fitzgerald と Rufer にアドヴァイスをしよう。ならば我が愛する京都サンガに入団してくれ。
今シーズンはJ2に陥落し水本と郭泰輝が去り君のポジションはしっかりと空いている。
それにサンガは任天堂と京セラがバックに着いているからサラリーの心配も無い。 ( US$500,000 も出せるかわからないが US$150,000 よりは高く出せるだろう。) 
是非御一考を願いたい。 サンガに All Whites がいると考えただけで私は嬉しくてたまらない。( まだ実現していないか….. )

復興の願いが届きますように… 日本代表 2-1 J-League 選抜 29.03. 2011

2011-04-04 | 日本代表
82分川口からのGK を闘莉王が岩政に空中戦で競り勝ち前に落とす、あぁまた闘莉王が上がって来たんだなぁ…と思うとボールの転がった先に走り込んだのはカズだった。そのボールを拾ったカズはそのままドリブルでゴール前に迫りGK東口が出て来たところを森脇がマークに入る前に右足を振り抜くと弾道はそのまま日本代表ゴールに突き刺さった。 この試合 40,613 人集まった観衆から最大級の歓声が沸き上がる。主役のカズはそのままゴール裏に走り抜け“お約束”のカズダンスを披露する。 日本代表のユニフォームでもベルディのユニフォームでもそして横浜FCのユニフォーム姿でも“生カズダンス”を見られる機会に恵まれた私は思わず
“もっと手を大きく回せよ…そうやっていたじゃないか…”こう口から出た…だが同時に思った。 

さすがカズ。 KING KAZU ここにあり…

この試合の前日、ようやく懇意にしている仙台営業所の方と連絡がとれた。数日前にガスが開通しこれでライフラインが揃ったと安心しておられた。 電気は地震から4日後に、水道が10日後に使える様になったとのこと。御自慢の自家用車はすっかりダメになってしまったらしいがすぐ近くでは一瞬にして全てを失った方もおられ未だ途方に暮れている様子が痛いほど解るとの事、もう震災というよりも心災ですよ… こんな話を聞くと計画停電やガソリン不足なんて物の数にも入らないと言う事が改めて解った。 “でも私は何にもしてあげられないですねぇ…。家を建てて上げたり、店を造ってあげたりとか…” こういう私に
“でもガスの配管修理を知れくれた方は中部ガスから派遣された方達で、そんな人達から頑張って下さいって云われるだけでもすごく勇気が沸くんです。” 反対に私が感動させられてしまった……



本来は New Zealand All Whites との親善試合が行われる日だった。 日本人の中で最も All Whites をサポートする資格のあるのはこの私…と変な理屈をつけて2月に震災にあった国からのチームを私は思いっきり応援しようと楽しみにしていた。
しかし3月11日、あの地震と津波で事態は一転。今度は日本が勇気付けられる立場になっていた。 そしてサッカーどころでは無くなっていた。楽しみにしていたけど被災された日本、ニュージーランドの方達と比較になんてならない、それは被害状況が明らかになる度に感じる事だった。
All Whites の来日がキャンセルされ、替って J-League 選抜とのチャリティーマッチとなった。そして J-League 選抜のメンバーを見て就業時間にも関わらず、うおおっっっとぉぉぉぉぉ~~ と声が上がった。 GK 楢崎、川口、DF闘莉王、中澤、 駒野MF 俊輔、憲剛、小野、小笠原、FW 大久保、原口元気そして KING KAZU おいおいこっちが代表と言ってもおかしくないぞ… 久々にキックオフが待ち遠しいワクワクする期待感が沸き上がった。 惜しむらくは現場観戦したかったけど…

注目のスタメン。日本代表は Asian Cup メンバー。あぁ香川がいればなぁ… そしてシステムはザッケローニ政権下では初めてのお披露目となる 3-4-3 。内田、長友の“両サイドバック”が中盤に上がりDFラインは伊野波、今野、吉田で構成されていた。  J-League 選抜は俊輔、カズ(まあ後半からと思っていたけど)はベンチスタート。CBは中澤、闘莉王そして右SBに駒野とワールドカップを彷彿させるDFライン。 そして中盤の底には小笠原、中盤は左に憲剛、右に小野。前線には佐藤寿人と大久保がならぶ豪華メンバーだった。



日本代表のキックオフで始まった試合。J-League 選抜が先制すれば面白くなるなぁ...と云う期待に応えたのか?立ち上がりは リーグ選抜が攻め上がる。特に左SBの新井場の上がりが良い。対峙するかつての同僚、内田に対抗意識を燃やしているのか...4分17秒には新井場の粘りからCKを得て小野が上げたCKに闘莉王、中澤が飛び込む。 6分50秒には佐藤が森脇がマークに入る前にミドルを放つがGK川島が左手一本でナイスセーブ。 このシュートが入っていればなぁ...と思った。
しかし立ち上がりのリーグ選抜の攻勢もここまで9分から 内田、長友の両サイドの上がりが目立つようになり代表の攻撃が続く。9分には長友が梁をかわしてクロスを上げるが中澤がヘッドでクリアー、10分には遠藤からスルーが岡崎に通るが中澤がマーク。内田からPA内に入った長谷部に渡るがここは小笠原がクリアー。その直後には再び長友が小野のマークを振り切りクロスを入れるがここも再び中澤がクリアー。だがその直後には長友が上がった裏に小野が入り込むが小野の突破はファールで止められた。
長友、内田がMFに配置されて高い位置からがんがん上がって来るので中盤で対峙する憲剛と小野が前に出られなくなり相手攻撃を跳ね返してもクリアーボールからすぐに攻撃に転じられるのでリーグ選抜は相手ゴール前にボールを運べなかった。



そして15分中澤のミスパスを拾った本田がドリブルで上がったところを憲剛のチャージがファールにとられ代表は絶好の位置でFKを得る。本田か遠藤か..とみていると遠藤が直接狙った弾道は壁の右端を巻いてゴール左端に飛び込み代表が先制した。 
ゴールを決めた遠藤がベンチ前に走り腕の喪章を外して天に掲げると他の代表の選手もそれに追随する。この試合の意味を再認識させられた。



そしてこの先制ゴールで“試合”としての興味は半減気味だった。 
それに“追い打ち”を掛ける様に18分23秒、本田スルーパスがCB闘莉王と中澤の間に走り込んだ岡崎に通りすのままフリーで抜け出した岡崎がリーグ選抜ゴールに蹴り込みリードを広げた。



代表は先制ゴールを上げてから前線の前田、本田、岡崎がポジションチェンジを繰り返し早いボール回しが目立ち出す。
そして次第に個々のスピードの差そしてパスのレンジの差が出てくる。 リーグ選抜のミドル、ロングパスもしばしば“これも取られるのか?”と云った距離から相手DFのマークが入ったり読まれたり。 19分23秒に長友が中澤を振り切りファーサードにミドルを放った時はシーズン開始直後のJリーグとシーズン真っ最中の欧州でプレーする選手とのコンディションの違いもあるのだろうけど個々の差を感じた。
その直後にリーグ選抜は左サイドを突破、新井場から憲剛そして梁に繋ぎ逆サイドの小笠原に振りゴール前に放り込まれたがクリアーに入った今野とGK川島が交錯しCKになった。この支配初めてリーグ選抜が相手ゴール前でボールを繋いだシーンだった。 24分になるとリーグ選抜は小野と憲剛がポジションを替えた。それでもリーグ選抜が得点チャンスを掴めそうなのはCBの闘莉王、中澤が上がって来るCKやFK等のセットプレー。 今野、吉田らと競る空中戦は見応えがあった。セットプレーから何とか1点を...と思うも28分15秒、前田からスルーパスに走り込んだ本田が中澤のマークを振り切りシュートを放つ。何とか楢崎が意地でストップをしたがまたすぐに得点が入る気がしてならなかった。
30分代表ベンチは最初の選手交替を告げた。GK川島を下げて西川(広島)を投入した。代表は3人GKを入れているので30分ずつ3人を使いきるのかな...と思っているとその通りに61分には東口(新潟)が投入された。
ピッチ上では相変わらず代表の攻勢が続く。31分24秒には内田が佐藤のバックパスをインターセプトしそのまま中央からドルブルシュートを放つがポストの左に外れる。リーグ選抜は小野と憲剛がポジションチェンジをするが両者にボールが入らない。
33分には遠藤に闘莉王がタックルに入るがテクニックを見せて交わし更に本田との浮球のワンツーを見せ大観衆を沸かせる。



35分小笠原のパスをカットした岡崎が攻撃参加しPAのすぐ外の中央に上がった今野に送りゴール前に走り込むがその前に闘莉王が今野の後方からタックルに入り笛が鳴る。 絶好の位置で代表はFKを得るとすぐに本田がボールをセットする。大観衆は本田のFKを期待する。さっきは遠藤が蹴ったので今度は本田だろうとおもうと本田の蹴った弾道は大きく浮き上がってしまい溜息が洩れた。 
37分左サイドを上がった新井場に入った内田のチャージがファールとなりリーグ選抜はFKを得る。今度は梁がゴ―ル前に蹴り込むと闘莉王が飛び込みバックヘッドで狙うが今野の足に当たってCK。憲剛が蹴ったCKに大久保が飛び込むが吉田にクリアーされた。 リーグ選抜の得点チャンスはセットプレーからのみ......代表がワールドカップ以降の日本代表。そしてリーグ選抜はワールドカップ直前迄の日本代表をそれぞれ見ている様であった。
こうしてロスタイムが無かった前半は代表が“差”を見せつける内容、得点差で終わった。

後半、代表はシステムは 3-4-3 のままGK西川とCB今野以外8人の選手が替った。 
3バックの右SBには栗原 ( 横浜FM ) 。 ボランチに柏木 ( 浦和 ) 阿部 ( レスタ- ) MF は右に松井 ( グルノーブル ) 左に槙野 ( 1FC Köln ) 前線にはワントップに Asian Cup 殊勲のボレーを決めた李忠成 ( 広島 ) 左に地元でプレーする乾 ( C大阪 ) 右に藤本 ( 名古屋 ) が配置された。 
一方のリーグ選抜はGKに川口 ( 磐田 ) が楢崎に替って投入され、CB中澤に替って茂庭 ( C大阪 ) , FW大久保に替って浦和レッズのFW原口元気が投入された。 原口よ U-22 の遠征に行かなくて云いんかいな....
前半には見られなかった地元C大阪の選手と浦和の選手が2人ずつピッチに登場した。 そして中村俊輔も小笠原に替って投入された。しかし怪我が完治していないのか小笠原と同じ中盤の底のポジションだった。

リーグ選抜のキックオフで始まった後半は開始15秒俊輔のミドルシュートの皮切りにリーグ選抜の攻勢が続いた。
俊輔が低い位置でボールを拾っても正確なロング、ミドルパスを小野、憲剛に送る。 代表は一気に常日頃コンビを組んでいない同士の控え組がピッチに入ったのでミスパスが目立つようになった。49分には槙野のクリアーがあわやオウンゴールになりそうであったが最後は栗原がCKに逃れた。 小野、憲剛がボールを触る回数が激増し両者から素晴らしい縦パスが入りまたサイドバックの上がりも前半は左から新井場だけであったが右の駒野も上がれる様になった。
53分には憲剛と佐藤で左サイドを崩し原口に繋ぎ原口から後方に落としたところを梁がミドルを放つが今野がブロック。56分21秒には梁を囮にして小野が前線の佐藤に技ありのロングパスを入れる。58分には再び佐藤に俊輔からロングボールが入るが今野が必死のマーク。 59分俊輔が相手DFのクリアーボールを拾い右サイドから入れたクロスに逆サイドに走り込んだ闘莉王が飛び込むが僅かに合わない。60分28秒には俊輔から憲剛に縦パスが入り更に前線の原口に渡る。原口が右サイドに振るとボールを受けた駒野がアーリークロス気味に放ったシュートは僅かにクロスバーを越えた。
相次ぐリーグ選抜の攻撃に沸くスタンドが更に沸いたのが62分5人の選手が一気に投入された時だった。
DF 小宮山 ( 横浜 FM ) MF 関口 ( 仙台 ) FW 平井 ( G大阪 ) FW ハーフナー ( 甲府 ) に並んで御大 King KAZU がついに登場した。 カズの交替出場がアナウンスされた時は大歓声が当然の様に沸き上がった。 そしてカズとピッチを共にする全ての選手が彼に尊敬の念を払っている様に見えた。
これで役者が揃った感じがしたけど代表のレギュラー陣が揃った時のカズも観たい気がしないでもなかった。
この交替の前に代表はGK東口に並んで岩政が今野に替って投入されDFラインが槙野 ‐ 栗原 – 岩政 – 伊野波の4バックになった。 その岩政に投入されたばかりのハーフナーが当たって倒しイエローカードが出された。
70分44秒、 Asian Cup の殊勲者李忠成が新井場のバックパスを拾ってダイレクトでシュートを放つが川口がストップ。
川口は72分50秒にも小宮山からボールを奪ってループ気味に放った松井のドリブルシュートも弾き出し見せ場を作った。
72分代表はスペインに渡った家永 ( マジョルカ ) を乾に替って投入する。
しかしピッチ上ではリーグ選抜の攻勢が続いた。 73分29秒には平井からボールを受けた原口が右に走った関口に出し吉田のマークを振り切りファーサイドに向けて放ったシュートは惜しくもポストの左に外れて行った。 78分代表は伊野波を下げて森脇 ( 広島 ) を投入する。森脇の代表デビューだった。
そして81分13秒、俊輔がハーフウェーラインの前から川口に戻し、川口が大きく前線にフィードすると闘莉王が岩政とそのハイボールを競り合った......

1点を返したリーグ選抜は更に大歓声の後押しを受けてカズを中心に攻勢を続ける。86分には李忠成に闘莉王が肘を入れ両者が何かを云い合い、俊輔と関口が止めに入り闘莉王にイエローが出される。 
試合終盤になり両チーム試合結果に執着する様になったか..観ている方は面白い。
劣勢の代表は88分ようやく松井が左からドリブル突破をし家永に送るがここはオフサイド。その直後パスミスを拾った李忠成がシュートに持ち込むが川口の正面。
観衆は更なるカズゴールを求めて声援を送る。カズにボールが入るだけで大歓声が上がった.........

試合中も何度か地震情報のテロップが流された。その度に現実に引き戻される気がした。 
この試合で感動を与えたからと言って地震、津波で家族や財産を一瞬にして失った人達や不便な避難所生活を強いられてる、そして元の生活に戻れる見通しが全く立たない人達にどれだけ役に立ったかわならない。まして自分がそういう立場になったら....
だが後日ある番組で避難所生活をしていた子供たちが“おぉぉ~すげぇ~カズダンスじゃん。見られて良かったぁ~”と云ったシーンを見て私は少し安心する事が出来た。 さすがの King KAZU..... だった。