Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

FIFA 公式大会は最高の大会 アメリカ女子 U-20 2-1 北朝鮮女子 U-20 31st August

2012-10-01 | Women's Football
仕事で使うB5サイズのスケジュール帳がどんどん埋まって行く。 7月はあんなに暇だったのになぁ~。
お盆休み明けにはすぐにドイツや欧州、1週間で戻り、しばらくは、最低でも2週間は出張は無いはずだったのでけどここで予定を変えざるを得なくなり1週間もせずに出掛けざるを得なくなった。
これにより楽しみにしていたFIFA U-20 Women’s World Cup の決勝戦は観戦できなくなってしまった。 
1979年、日本で開催されたFIFA U-20. 当時はワールドユースカップまたはワールドユーストーナメント大会と呼ばれていた。 関西でも何試合か行われたので観戦できると楽しみにしていたのだけど当時はどこでチケットを買えるかもわからず、部活もあったのでテレビ観戦に留まった。 今から考えれば競技場に行けば当日券はいくらでもあったのだけど….
1993年に開催されたFIFA U-17 は知らない間に始まりそして日本対ガーナ戦だけテレビでちらっと見ただけだった。
2002年、日本列島が熱狂したワールドカップはその前に“周到な準備”を行い日韓合わせて5試合、現場観戦が出来た。
そしてウズベキシタンの開催権利剥奪により10年振りにFIFA 主催の国別対抗の大会が開催されることとなった。
ワールドカップと異なりチケット入手に困難を極めると言う事も無いと思ったのでひそかに楽しみにしていたんだけどなぁ~。

日本代表もさることながら一番観に行きたかったのが8月27日に駒場競技場で開催された試合。 北朝鮮対カナダ、中国対ガーナ、のダブルヘッダーが行われた。 女子サッカーの世界では北朝鮮は列強。 そして中国対ガーナ戦はこの試合で準々決勝進出を掛けた試合となると予想したいたのでこの2試合を一気に見たかったのだった。

前日国立競技場にヤングなでしこの試合観戦に行った翌日、駒場競技場に向かった。 本当はこの日に行われる準々決勝戦2試合を観戦したかったけどこれまた仕事に邪魔されて前日同様に第二試合しか見られなかった。 しかしこの日も第二試合の方が見たかった試合だった。

浦和駅からは有難い事に有料のシャトルバスが運行されていた。そのバスに乗り込むと周囲はほとんど、いや全員が在日の人達だった。それは話しの内容から解った。中には昨年平壌で開催されたワールドカップ予選に行った時も話しをする人もいた。それに結構固有名詞を朝鮮語で話していた。それは自分が100% 日本人と解ったからかもしれないけど…
競技場には多くの在日の人達が駆けつけており“応援席はこちらです。”と案内する人も。 私はS席だったので正面スタンドに回った。すると丁寧に係員の人が席まで連れて行ってくれたけど…..その席は結局間違っていて結局自分ひとりで探し当てた。
私の席の周囲には何故か多くの女性達が、しかも彼女達は同じ服装を。 そして話し声を聴くと複数の国々の人達だった。 
そしてすぐ隣には(正確には自分の席だったけど。)ドイツ人女性が座っていた。 ここは得意の?ドイツ語で色々話しかけるとこの女性集団は審判団だと言う事が解った。 中には日本人もいたので彼女にも確認をしたらやはりそうだった….
これはすごい、こんな集団の隣で試合が見られる何でやはりFIFAの公式大会と思った。

国歌斉唱の時からスタジアムの雰囲気を盛り上げていたのは何を隠そう在日の人達で結成されている北朝鮮の大サポーター達。
日本戦以外は北朝鮮と中国くらいしか観客の入りは悪いのではないかと思った。だから8月27日には観に行きたかったのだけど。
北朝鮮とアメリカの対戦は昨年のワールドカップ、今年のロンドン五輪に次いで何とこの1年間で3度目の対戦。 ロンドン五輪はあの Wanmbach のゴールでアメリカが 1-0 で北朝鮮を破りこの結果北朝鮮は準々決勝に進出出来なかった。 
なでしこが戴冠を受けた昨年のワールドカップでも1次リーグで同組となり初戦で 2-0でアメリカが勝っている。
そして2008年FIFA Women’s U-20 決勝戦でも両国は対戦しアメリカが2-1で勝っているが、あの Alex Morgan がゴールを決めている。日本はこの大会準々決勝戦で北朝鮮に 1-2 で敗れた。熊谷、宇津木、田中明日菜らがメンバーに居た。日本の1点は永里あさの、あの大儀見の実妹が決めたものだった。

北朝鮮としては何度目の正直か、今度こそと思っていた事だろう。そして私はチャンスは大いにありとおもっていた。
それはこの日のと云うよりも今大会の北朝鮮のメンバーにあった。この日のスタメンを分析すると2年前の FIFA U-17 大会はおろか昨年のワールドカップ、そしてロンドン五輪経験者が多かったからだ。
173cm のGK O Chang Ran はロンドン五輪メンバー。 両サイドバックを見ると左SB Yun Sung Mi は2008,2010 年に続いてFIFA U-20 3大会連続の出場の上ロンドン五輪メンバー。 右SB Kim Un Ha はFIFA U-17 2010メンバーでとロンドン五輪のアメリカ戦にも出場経験がある。Ri Nam Sil と組むCN Kim Nam Hui も FIFA U-17 2010 とロンドン五輪メンバー。
ボランチ Jon Myong Hwa はワールドカップ、五輪のメンバーでもあり U-20 では前回に続いて連続出場、そして15歳で FIFA U-17 2008に選ばれている。 もう1人のボランチ O Hui Sun も五輪メンバーでFIFA U-17 2010 にも出場。 左MFのYu Jong Im はU-17 2010メンバー。 これまで5ゴールを挙げているKim Un Hwa と組む2トップのもう1人の FW Yun Hyon HI は16歳の時に FIFA U-17 2008に選出され行こう 2010 FIFA U-20,そしてワールドカップ、ロンドン五輪でもプレーした完全な国家代表選手。 ベンチに控える今大会同様に5ゴールを決めていた Kim Su Gyong もワールドカップ、オリンピックメンバーで U-17 2010 のメンバーでまだ17歳。  
この試合と云うよりもこれからどれだけ北朝鮮女子チームは強くなるのだろうと思う経歴であった。 この世代を集中的に鍛えているのだと思った。
アメリカU-20の方は右SB Crystal Dunn が U-20 2010, U-17 2008 経験者。 CB Mollie Pathman が 前回の U-20 メンバー、トップ下の Morgan Brian が U-17 2008, そして2列目右の Maya Hayes がU-20 2010 の経験者で他のスタメン選手は FIFA 大会初出場。 しかし裏を返せばそれだけアメリカの方が選手層が厚いと言う事か….

キックオフ前に北朝鮮選手達が大応援団に向かってまず挨拶に向かうと大歓声が送られる。 これまで1次リーグ3試合すべてにこの様な応援団が組まれたのだろうか? 
北朝鮮のキックオフで始まった試合は立ち上がり北朝鮮選手達の間でボールが良く回っていた。そこは組織力の北朝鮮、個人力のアメリカの予想通りだった。 Kim Un Hwa がワントップとなって残り、攻撃時には Yun Hyon Hi が上がって来る。
9分を過ぎるとアメリカが徐々に前に出て来る。13分に Hayes がミドルを放ち, 14分には Brian がドルブルシュートを放つ。
しかしすぐに北朝鮮が主導権を握り返す。 



17分には Yun Hyon Hiが抜け出してGKと1対1になるが GK Bryan Heaberlin がストップ。 20分には Kim Un Hwa がスルーパスに抜け出してシュートに持ち込むがここはCKに。そしてそのCKは GK Heaberline がパンチでクリアー。 北朝鮮はパス交換でビルドアップしてくるがアメリカはトップの Kelly Cobb 頼り。彼女にボールが入ったあとのボールキープからの展開以外は攻撃の形が出来なかった。 この Kelly Cobb は身長が175cmもあるが横幅も結構。それでいて走ると早い。 さすがにプログラムには体重は載っていなかった。この試合が今大会2回目の出場だった。 
26分15秒。少し距離は有ったが北朝鮮が正面の位置でFKを得る。 トリックプレーを使って Jon Myung Hwa が放ったシュートはまたも GK Heaberline がファインセーブ。 惜しいチャンスだった。その後も北朝鮮がボールを繋いでボール支配率を高める。
試合開始からはずっと在日応援団からの声援が続く。隣の在日の人と思しき人に声を掛ける。
“すみません。応援団、何て言っているんですか?”
“カラ、カラ、チョウソン、行け、行け朝鮮って言っているんですよ。”
“カラ、カラですか?あの KARA とは違うんでよね?”と云うと、笑いながら違いますよ~と答えてくれた。



以降、この人とも色々話す事に。80年代から自分はサッカーが好きで前に男子の代表が来日した時にユンジョンス監督からサインを貰った話しやいつの日か平壌で試合が見たいと言う事を話した。 それを彼は熱心に聞いてくれた。
これだけ応援団が結成されるんだから選手達と在日の人達との接触はないんですか?と訊ねると
“無いんですよね~。 この試合勝てば交流会くらいしてくれるんと良いんですけど。”と少し残念そうに答えた。
ただ世話掛かりの人はいるみたいでその人も私が“やっぱり総連の上の人達ですか?”と訊くと、“恐らくそうだと思います。”と教えてくれた。

37分、CKのチャンスを掴んだアメリカは北朝鮮ゴール前に送られたボールに米朝数人の選手達が飛び込み、ボールが北朝鮮ゴールに転がりこむ。アメリカ先制と思われたが、主審はセンターサークルを指さなかった。
“どうしましたか?”隣の人が訊ねたので “キーパーチャージじゃないですか?”と云うとその通りGKからの再開となった。



40分を過ぎると俄然アメリカ選手達の動きが多くなる。 
“動きが早くなりましたね~。” “この暑さと湿度はアメリカには厳しいでしょう。省エネじゃないですか?”てな話しを隣の人と。
前半終了間際にCKから Morgan Brian のシュートは僅かに外れそのまま前半がスコアレスのまま終わった。 それにしても何と言う蒸し暑さなんだろう….



ハーフタイムの間に今度は隣のドイツ人審判と話しをする。彼女はあの応援団が北朝鮮から来たのかと思っていたらしい。だから皆日本に住んでいる人達だと言うと何故 North Korean が日本にそんなに多いのか?と訊かれたので何とかドイツ語で説明した。しかし難しいところは英語で。 わかってくれたかな~? 
そして隣の在日の人にもそんな質問を隣のドイツ人から受けたと言うと苦笑していた。 極東では殆どの人が知っていることでも欧州の一般の人の認識なんてこんなもんか?と2人で話していた。 通路を挟んで向こう側の席にはちょと雰囲気の違う人が。
“あの人は共和国の人ですか?”と隣の人に訊ねると“えぇそうですよ。”と教えてくれた。 “ その人は恐らくコーチかもしれないが今となっては隣の彼と一緒に話しかければよかったな~と後悔している。

両チーム選手交替無しに後半が始まった。 
“先制点が欲しいですね~。”と隣の人と話した。 しかし先制ゴールはアメリカ。51分クリアーボールを拾ったボランチ Vanessa Di Bernardoの強烈なミドルが北朝鮮ゴールに突き刺さりあっさりとアメリカに先制を許してしまった。 “あぁ~やられましたね~。”と声を掛けた。



先制を許した北朝鮮ベンチは55分 Yu Jong In に替えて Kim Su Gyong を投入する。
“よし、よし出て来た。 Su Gyong 行けよ。 彼女が良いんですよ。”と隣の人が教えてくれた。
ピッチに出た Kim Su Gyong はちょっとオーラが違い気がした。 



61分アメリカベンチは運動量の落ちて来た Cobb を下げて Sammantha Mewis を投入しそのままワントップに置く。 そして Cobb 同様に前線でボールキープを何度も。
試合は一進一退を繰り返す。 Kim Su Gyong にボールが入りドリブルを始めると一斉に大応援団から歓声が上がる。しかしアメリカDFもしっかりとマークに着く。71分先に2人目の交替カードを切ったのはリードしていたアメリカ。 Haynes に替えて黒人選手の Chioma Ubogagu が投入される。 彼女の身体能力で中盤戦に挑むのか?しかし結果的にこの交替が試合を決めるとは….



Kim Un Hwa がドリブルで突破し中央の Kim Su Gyong に。 Kim Su Gyong がワントラップして放ったショットが遂にアメリカゴールネットに突き刺さり北朝鮮が同点に追い付いた。 Su Gyong のファーストタッチも良かったけどよく Kim Un Hwa がドリブルで相手DFを破ったなぁ~と思った。
大歓声が応援団から沸き上がる。そして隣の人や周囲の人達も一斉に立ち上がる。 “やりましたねぇ~。” “はいっ!” 







北朝鮮ベンチは78分 Kim Un Hwa を下げてワールドカップメンバーの Kwon Song Hwa を投入する。 個人的には Kim Un Hwa を下げるのか~と思ったけど….

残り時間は10分弱。 追い付いた北朝鮮がこのまま逆転するかと思った。終了間際に Kwon Song Hwa がヘッドを放つがGK Heaberlin の正面に。 そして試合は延長戦に入った。

隣のドイツ人が“まだ試合が続くのか~”と云ったことを。 まぁそれが本音だろうぁ~と思った。 それからハーフタイムに流れた乃木坂46の曲が流れると他の審判達とこの曲に就いて色々話しだした….

延長戦に入ると体力のある、と云うよりもこの蒸し暑さが北朝鮮に味方すると思った。
“このまま決勝戦が日朝対決になると面白いですね。”と隣の人に声を掛ける。
“いやいや、日本は強いですよ。とてもかないませんよ。”とは言っていたけど….







しかし次のゴールを決めたのはアメリカ。 98分、カウンターから右サイドを上がった Crystal Dunn がファーサイドに入れたクロスに走り込んだ Chiomo Ubogaga が走り込んで放ったヘッドが決まり再びリードを奪った。 Dunn も Ubogaga も黒人選手。彼女達のパワーにやられた感じがした。
“まだ20分以上残っていますよ。チャンスありますよ。”と隣の人に声を掛ける。 隣のドイツ人も“ Elfmeter : PK戦に入る気がする”と呟いた。



しかし北朝鮮はボールは繋ぐけどシュートに持ち込めない。 アメリカは交替選手の Ubogaga がカウンター時には一気に縦に走り込みそこにボールが送られるのでDFラインが押し上げられない。 そして Merwis を中盤に下げてトップ下にいた Morgan Brian を前線に置いた。しかしどちらかと言えば Ubogaga が上がってくる方が多かったしそれが脅威になっていた。
延長前半のロスタイムに北朝鮮ベンチは最後の交替選手 Ri Young Mi を投入するがベンチに下げられたのは78分に投入された Kwon Song Hwa だった。  “17番下げるんですか~” こう言うと隣の人も首をかしげながら頷いた。 そして Ri Young Mi は2列目左に入った。Ri Young Mi もU-17 2010のメンバーだった。



延長後半に入っても北朝鮮はアメリカゴールが遠い。 Ubogaga の前線からの守備も効果的でなかなかPA付近に近付けない。
そしてイタリア人の Silvia Spinelli 主審のホイッスルが鳴りまたも北朝鮮はアメリカの軍門に降った。





ドイツ人審判には今度はドイツに行った時に Die Bundesliga で会いましょうと挨拶をし、隣の男性にも丁寧に御礼とお別れを。
そして後ろの VIP 席には小倉純二日本組織員会委員長が御夫妻でお見えになっており、大仁日本協会会長、田島副会長らのお歴々がおられたのでプログラムにサインをして貰った。 みな私の様な一般人にでも気軽に話しかけてくれた。
そして皆さんに“私は日本リーグ時代から見ています。日本を強くして下さい。”とお願をした。

帰りにシャトルバスを待っていると北朝鮮選手団のバスが前を通った。 多くの人が手を振っていたけど気が付かなかったのか無反応だった。そしてそのバスには大会スポンサーの Hyundai の大きな文字が。 
“ Hyundai のバスに乗ってまずくないですかね?” 後ろの人に声を掛けたら。 “そうですね、まずいですね….” と云った。
バスの中には黒人男性が。話しかけるとナイジェリアの人だった。 日本に何年もいて日本も理解できるらしいが浦和駅まで英語で話した。 

浦和駅に着いたらもう10時半だった。 ホームには何故か韓国代表のレプリカを着た小さな男の子とお母さんの2人連れが。
この試合見に来たのかなぁ~。 

電車に乗った時に思った。 あぁ俺のFIFA Women’s U-20 が終わったなぁ~。 

今度、北朝鮮チームが来日するのはいつだろう…… そしてFIFA の大会は…..

ヤングなでしこ日韓対決制して準決勝へ  日本女子 U-20 3-1 韓国女子 U-20 30th August 2012

2012-09-23 | Women's Football
昨年ワールドカップをなでしこが制して以来長い閉塞感から抜け出せない日本列島における女子サッカーの見られ方はまさに劇的に変わった。 ロンドン五輪では金メダルが期待された。北京五輪で史上初めて準決勝に進出した事を知るマスコミはほぼ皆無に等しかったのに。 その前から2008年ニュージーランドで開催された FIFA 女子 U-17, 2010年ドイツで開催された FIFA 女子 U-20 更に同年トリニダードドバコで開催され決勝に進出した FIFA 女子 U-17。 どの媒体が取り上げた事があるのだろう? 

ロンドン五輪と入れ替る様に FIFA Women’s U-20 大会が開幕した。 もともとこの大会はウズベキスタンで開催される予定だったが FIFA の基準を満たしておらず開催地が日本に変更された。 選手の、特に20歳以下の女子の大会と云う事を考えれば2年前(ドイツ)や今年の様に先進国で開催された方が圧倒的に良いと思う。

対韓国戦と言えばロンドン五輪の男子サッカー3位決定戦では敗れ、女子バレーボールでは雪辱を果たし、そして三度の対戦となった。李明博大統領の竹島上陸、更に天皇陛下の戦争責任を示唆する非難発言を受けて今日韓関係はかなり悪くなっている。
個人的にはそれを修復する必要はないと思っているし日本が困る事は何も無く早く竹島を実行している韓国軍を追っ払って欲しいと思うところだ。 そしてその感情はもちろんスポーツの世界に持ち込むべきではないと思っている。 多くの人がそう考える様に。

両国は2年前の FIFA U-17 の決勝戦でも対戦しておりその時は韓国がPK戦で日本を降している。 その大会の経験者が日韓共に多くを含んでいるが、ヤングなでしこ達の思い出は準優勝に終わったにもかかわらずみな異口同音に“悔しい思い出しかない”との事らしい。

韓国のスタメンを見ると今大会ずっとゴールを守っていいたGKは FIFA U-17 2010 でも控えGKであった Shim Dambi でなく全ハヌル。FIFA U-17 2010 でレギュラーだった決勝戦ではPK戦で殊勲のセーブを見せた Kim Minah はメンバー入りしていなかった。
CB の金池恵、申譚詠共に 170cm 。申譚詠はU-17 メンバーで張セルギ(左)徐賢淑ら両SBもU-17 メンバー。ボランチは 共にU-17 メンバーであった李定垠と李永周。⑦の李永周はFIFA U-20 2010のメンバーでもあった。 ワントップの金銀河も同じく 前回のFIFA U-20, U-17 に選ばれたメンバーであった。 2列目には左に U-17 メンバー李金玖と右に崔ユリ。そしてトップ下に1次リーグのナイジェリア戦で負傷して以来出場していなかったエースストライカーの余智が3試合振りにスタメンに起用された。余智はU-17 2010 では8ゴールを挙げた選手。 今大会、もしナイジェリア戦での負傷がなければ韓国もグループ首位で抜けていたかもしれない。
ヤングなでしこ達も経験者揃い。 この試合は2列目左で起用された、今大会の“アイドル”となった田中陽子は左SBの愛する高槻でプレーする浜田遥と共に2008, 2010 年のFIFA U-17 メンバー。他にも2年前韓国との決勝戦でプレーした選手が GK 池田咲紀子、右SB高木ひかり、ボランチ猶本、MF田中美南ら4人が含まれており、この試合もベンチスタートとなった仲田歩夢もそのメンバーだった。 他にはボランチの藤田のぞみとCB木下栞がU-20 2010 のメンバーだった。



日本のキックオフで始まった試合は開始そうそう柴田から西川にスルーパスが送られるがシュートには至らない。 立ち上がりから韓国は FW 全銀河のボールキープが目立った。 
5分には花火が打ち上げられ観客はそちらに注意をひかれる。 何の花火だったのだろう??



その花火の効果があったのか8分に日本が先制ゴールを決めた。 全銀河から李永周へ送られたパスをカットし田中陽子に送られ、中央の西川に。そして走り込んだ柴田にスルーパスが通りボールは申譚詠が触れられず柴田にGK全ハヌルが前に出て来るがその前に放ったシュートが韓国ゴールに決まった。 日本の最初のチャンスが先制ゴールに繋がった。


 
その後も日本のパスがリズムよく回りチャンスが続いた。 9分52秒には田中陽子から美南にサイドチェンジのボールが渡り折り返したところを西川が走り込みシュートを放つがGK全ハヌルが何とかストップ。 12分には西川明花からパスを受けた美南が張セルギをかわしてシュートに持ち込むが惜しくも外れる。 
これで追加点は時間の問題と思った15分、李永周からミドルパスを受けた李金玖が左サイドを上がる。 高木ひかりがマークにはいるが李金玖は態勢を崩しながらも藤田のぞみがマークに入る前にしぶとくクロスを上げると走り込んだ金銀河がフリーでヘッドを放ち日本ゴールネットを揺らされてしまった。 猶本のマークがわずかに及ばなかったがここは李金玖の粘りが全てだった。
2年前にPK戦で敗れている事を思い出す。 



しかしすぐに日本は追加点を上げる。 19分猶本から右サイドの美南にミドルパスが繋がり中に折り返し中央の柴田が放ったミドルが韓国ゴールに左ポストの内側に当たって突き刺さった。柴田の見事な連続ゴールだった。これでヤングなでしこ達は落ち着きを取り戻したと思った。
その後もヤングなでしこのワンタッチパスが回り出す。 21分には好位置でFKを貰う。観客が田中陽子の直接FKに期待を送るがここは壁に直接あたった。 
30分には韓国が右サイドを使う。 徐賢淑がサイドをオーバーラップしてくるが浜田遥がスライディングでCKに逃れる。そのCKを李周永が全銀河とのパス交換でシュートを放つがGK池田がパンチでクリアーするとそのこぼれ球を李金玖がシュートを撃つがクロスバーを越えた。 ここで決められていたらちょっと試合展開はどうなっていただろう? そして浜田が脚を引きずっている。気になるところだった。 



33分韓国ベンチは早くも李定垠を下げて文美羅を投入する。文美羅は前のブラジル戦ではスタメンだった。 
だが次にゴールを決めたのもヤングなでしこだった。 高木ひかりがオーバーラップし美南の縦パスを受ける。ドリブルで中に切れ込み文美羅のマークを受けながらも中に折り返すと田中陽子が蹴り込み追加点を決めた。
“た!な!っか!ようこ~!ららら~ららららら~”とスタンドからは大歓声が沸き上がる。 田中陽子のシュートも見事だったが中央で上手く徐賢淑のマークを引き付け田中陽子をフリーにした西川の動きも見事だった。


 
2点のビハインドとなった韓国は前線に余智を上げて全銀河との2トップ。 しかし余智、今一つ調子が上がらないみたいだった。 そして日本ベンチは前半終了間際の44分に高木ひかりを下げて中村ゆしかを投入した。 中村は前のスイス戦ではスタメンでフル出場をしていた。 そして前半が終了した。 
この日も相当な蒸し暑さ、気温というよりも湿度が高いのが辛くかっただろうなぁ~。 と選手達が水分補給をするのを見て思った。



後半に入っても日本のパスワークは韓国を圧倒。更に1対1でも韓国選手に勝ち目はなかった。 おそらく70年代のある時期の日韓の男子代表の差はこれぐらいあったのかもしれない。
韓国はボランチの李永周のパス、ドリブルと前線の全銀河のボールキープ、シュートだけが頼りだった。
52分には李永周がミドルを放ったがポストの右に外れて行った。
この日は24,097人の観客が詰めかけたが以外にも韓国側のサポーターが少なかった。 劣勢を予想される試合では応援に来ないのかなぁ~と思った。 2010年 U-17では決勝戦で日本と激闘を交えた韓国であったがその時の選手が中心となった両チームが激突したこの試合はそんな片鱗は見られなかった。 それは恐らく韓国女子サッカー界の体制に有ると思う。
選手の所属先は高校か大学。 文美羅、FW 崔ユジン、DF徐賢淑らがクラブチームに所属しているようであった。一方のヤングなでしこは FW道上彩花(常盤木学園 )、中村ゆしか( 関東学園大 ) そして高木ゆかり(早稲田大)以外はなでしこリーグのクラブチームに所属する選手達。 女子サッカーが韓国でどの様な位置付けになっているかわわからないが日本よりは環境が良いとは言えないかもしれない。 7番を付けていた李永周はなかなか私好みの顔であるので漢陽大学を卒業したらなでしこリーグにはいってくれぃ~。 



69分には李金玖を下げて U-17 2010メンバーの李ソンダムが投入されるが状況はあまり変わらなかった。

日本ベンチは60分浜田遥を下げた。やはり脚の具合が。そして投入されたのがFWの横山久美。彼女もU-17 2010組だ。
これで前線を西川と柴田の2トップにし左サイドに横山を入れて田中陽子を左SBに置いた。 
日本はサポーターが陣取側の韓国ゴールに何度も攻め込むが後半はなかなかゴールが割れ無い。 75分の西川のミドルはポストも左に外れ、80分はゴールインと思われたがその前のプレーでボールがゴールラインを割っていたとの事でノーゴール。



85分、西川が大歓声に迎えられベンチにさがり道上彩花が投入され柴田が2列目に戻り再びワントップに。 
終了間際、ロスタイムに入り韓国ベンチはCB申譚詠を下げて崔笑美を投入した。崔笑美は前のブラジル戦でも残り4分で投入されたけどこの試合の投入はどういう意味だったのだろう?
そして3分あったロスタイムも過ぎタイムアップのホイッスルが鳴り日本の準決勝進出が決まった。 
もうすこし韓国が頑張るかとおもったけど……
地元開催とはいえ前回は1次リーグで敗退したヤングなでしこは今回は準決勝に進出した。そしてあと2試合出来る事となった。

競技場を1周する選手達と観客を観てこれからも女子サッカーが発展していく事を願った。 



マスコミは次なるヒロインを見つけられてほっとしているだろう….



そして帰宅後私は次の出張準備にかからねばならなかった。

出張先でヤングなでしこは準決勝のドイツ戦に敗れてその後ナイジェリアを破って3位になった事を知った。

Lクラシコは世界最高峰の試合 あぁ贅沢だぁぁぁ… 日テレべレーザ 0-1 INAC神戸  10th June 2012

2012-06-24 | Women's Football

ロンドン五輪が約1カ月後に始まる。五輪開幕が近付くにつれてなでしこ達に金メダルの期待がかかる。初戦は開会式の2日前だけど。 これまで球技で金メダルを期待するなんて70年代の女子バレーが定番だった。90年代に入り野球が期待されたけど金メダルは獲れなかった。 それから女子のソフトボール。素晴らしい活躍で金メダルを勝ち取ってくれた。 そして欧州勢の圧力により種目から外されてしまった。こういう種目こそ日本から世界に情報を発信して欲しいんだけどなぁ…

昨年のなでしこが女王に戴冠してから一斉に彼女達にスポットが当たり女子サッカーを取り巻く環境が劇的に改善されている。
それでもまだ多くのサッカー少女達が中学に進学後に競技を続ける機会を見つける為に“並大抵以上の努力”を払い続けている。
中学に入ってバスケットやバレーボールを続けるのにそんなに労力必要とするか?むしろ中学から始めるンとちゅうんか?
女子サッカーだけ、いやそういう種目も他にあると思うけど、どうも競技によって待遇にばらつきがあり過ぎると思う。

例えば俺が中学の時は練習試合でも勝った事無い野球部の連中が随分人気あった。俺は水泳部で市の大会でも上位だったぞ…
なのにあまりもてなかった。 ( 全く関係ないか?)

私が高校の時、近くに西山高校と云う女子高があった。今でも稀だけど、70年代の当時サッカー部があってテレビ局が取材に来ていた。何度かそのテレビ番組を見たこともある。 全国大会の常連だったらしい。通学沿線は同じだったけど残念ながらそこのサッカー少女とのロマンスは皆目可能性もなかった。( 当たり前か?)

今年、我が郷土の高槻FCが復帰したなでしこリーグの前半の大一番。日テレべレーザ対 INAC神戸の試合が東京国立競技場で行われた。この試合は今シーズンのスケジュールが発表れた時から楽しみにしていた。 これを楽しみと云わずして何を楽しみとするのだろう?愛する京都サンガとFC高槻の試合以外…
なでしこリーグ関係者の試合後の話では、この試合を“ Lクラシコ”と銘打つ等してはどうしても国立競技場で行いたかったらしい。
それはメキシコ五輪後3万人を集めた三菱対ヤンマーを再現したかったと思う。 欲を言えば公式発表では 16,663 人だった観客数は2万人台に乗せたかったか?それでも世界中で女子の試合でこれだけ集められる試合なんてあるだろうか? これまで何十年に亘っての関係者の努力の積み重ねだ。更なる観客数の向上を願う。

メンバーが超豪華だ。昨年のワールドカップ優勝メンバーが澤穂希をはじめGK海堀、DF近賀、田中、MF大野、川澄(以上 INAC 神戸 ) べレーザの方にもDF岩清水、MF阪口そしてFWマラドーナ岩渕と9人もピッチに出て来る。 ロンドン五輪に向けたメンバー候補35人中13人が両チームにおりスウェーデン招待遠征メンバーにも9人が含まれている。
世界女王(王者)のメンバーがこれだけ揃うクラブレベルでの試合なんて世界中の女子はおろか男子でさえこう言うカードはBarcelona対 Real Madrid 以外あるだろうか?
ここまで首位を行く INAC 神戸は7勝1分、2位を行く日テレべレーザは6勝2分。なでしこが戴冠後はなでしこメンバーを多く擁する INAC 神戸にばかり世間一般の注目が集中するが澤穂希を始め近賀、南山、大野らもべレーザ出身。女子サッカーを支え続けたのはべレーザと云う自負はあるだろう。




                                 GK 1海堀あゆみ170/64

          2 近賀ゆかり    5甲斐潤子  4 田中明日菜    3 高良亮子
             161/53         162/54       164/52           158/51

                                       8 澤穂希 
                                        165/54
                        7池笑元                      11 高瀬愛美
                        161/50                         164/60 
       
          10 大野忍                                           9 川澄奈穂美
             154/50                                                157/49 

                                  21ゴーベルヤネズ 173/64

                        9 永里亜紗乃                13岩渕真奈
                          165/58                          155/52

          11木龍七瀬                                          10伊藤香菜子
             161/51                                                160/51

                         7原菜摘子                  20阪口夢穂
                           155/44                       165/58

            4 須藤安紀子   23土光真代    22岩清水祥子   6 有吉佐織
                165/60          161/49          162/53         159/52

                                 GK 1 松林美久 168/55




べレーザのキックオフで始まった試合。見所は澤を中心としたコンビネーションの神戸にマラドーナ岩渕がどれだけ対抗出来るか?
開始早々に澤の縦パスのアーリークロスを近賀がヘッドで折り返し173cmのコーベルと岩清水が競り合う。さすがにこの試合、先発予想の南山千明に替って起用されたアメリカからの助っ人選手コーベル・ヤネズは前半はその長身で存在感をみせていた。ただ時間が経つにつれ岩清水を中心としたべレーザDF陣もしっかり対応。なでしこリーグのレベルの高さを見た様な気がした。
13分25秒にはチ・ソヨンから大野にパスが入りシュートレンジに持ち込むが土光、岩清水がマークに入りCKに。その後にも近賀から高瀬に繋いでコーベルがシュート体勢に入る。 それまでの繋ぎは見事だった。 




予想のフォーメーションでは大野がワントップで2列目左に高瀬、右に川澄がはいると思われていたがこの日は大野、川澄が両サイドに。高瀬はボランに入った。そのぶんロンドン五輪でなでしこのオプションが増えるか?



立ち上がり劣勢だったべレーザだったが25分を過ぎると徐々にペースを掴む。その中心となったのはマラドーナ岩渕のドリブル。
26分51秒、伊藤からボールを受けた岩渕がフリーでドリブルシュートを放つが甲斐がブロック。29分4秒には原からボールを受けた永里がゴール正面に出したパスに岩渕が再びフリーでドリブルシュートに持ち込むがGK海堀がナイスセーブ。 33分43秒には永里のスルーパスを受けた木龍が近賀のマークを受けながら放ったショットはGK海堀の正面に。



その直後にも左サイドを須藤と木龍で崩し岩渕のシュートを導く。  30分過ぎから木龍、須藤、原の3選手で随分左サイドを突破してくると思ったら木龍は代表候補に上がった選手だった。



7分30秒、岩渕は何と澤に激しく反則気味にタックルを入れる。このプレーには澤は主審にファールをアピール。岩渕は何事も無かった様にボールを追う。このプレーを見た時これで岩渕はロンドン五輪メンバーに近づいたか…と思ったけど。



みどころ多かった前半はスコアレスのまま終わった。しかし岩渕は最後のプレーで脚を痛めてしまったらしく後半からはベンチに下がり田中美南と替ってベンチに下がってしまった。 後でテレビで見たけど本人はかなり悔しかったらしく野田監督に随分慰められていた。 
岩渕、そして京川舞。彼女達に“まだこの次があるよ。”と声を掛けるのは今は酷だろう。誰が云うか解らんけど。

前半終盤に掴んだペースをそのままで後半に臨みたかったべレーザだったけど岩渕が下がってしまったせいか、前線への推進力が弱まった見たいだった。 そして攻守に渡って澤の動きが更に鋭くなって来た。彼女の動きを見ているだけで入場料金の下は取れた様な気がした。しかしS席にすればなでしこの上田監督や釜本邦茂氏のサインを貰えたかもしれないなぁ…..
そして59分先制点が神戸に。大野からボールを受けた川澄がドリブルでべレーザゴールに迫り最後は右SBの有吉が倒してしまい千葉主審はペナルティースポットを指す。 これで得たPKを川澄自ら左側に決めた。 



大野から川澄へのパス。男子で言えばシャビからイニエスタへのパスに匹敵するか?
PKを献上するファールを冒してしまった有吉だがスウェーデン遠征に参加しスウェーデン戦ではスタメン出場を果たした。

先制を許した“ホーム"のべレーザであるがここから反撃にでる。66分には神戸の波状攻撃を凌ぎ一気にカウンター攻撃に出る。
69分にも中盤からバイタルエリアにボールを繋いで最後は伊藤からボールを受けた田中美南がシュートに持ち込むが海堀がストップ。 その直後のCKから坂口がヘッドを放つが惜しくも外れる。
やや押し込まれ始めた神戸は74分に高瀬を下げてアメリカ人選手 Rebecca Ann Moros ことべッキーを投入し前線をコーベルと2トップにし前線からプレスを掛ける。これで澤が少し前に出て来た。



するとべレーザベンチは77分に永里を下げてMF小林弥生を入れて中盤を厚くし田中美南の1トップにすると、神戸ベンチも池笑元を下げて南山千明を入れ、澤とボランチを組む。 こうしてべレーザは中盤でボールがなかなか回らなくなって来た。 逆に78分にはコーベル、べッキーの助っ人コンビのパス交換かでシュートを放たれるがGK松林が右に倒れてキャッチ。 終盤には阪口を前線に上げる等べレーザも攻撃の枚数を増やす等その後は両者チャンスを掴むがゴールを奪えず神戸が1-0 のまま逃げ切った。

試合終了と同時に拍手が沸き上がる。 そして試合後は五輪に期待がかかる澤が神戸サポーターの前に来ると更なる歓声が。 観客動員数は昨年の記録 17,812 人を上回れなかったが五輪で好結果を出して更なる興隆が見られる事を祈る。 そして高槻の残留も…


大阪高槻 ! 大阪高槻 !! 浦和レッズレディース 5-0 高槻FC  20th May 2012

2012-05-26 | Women's Football
久々に土日共に好天に恵まれた週末。土曜日はさいたまスタジアムに,日曜日のこの日は鴻巣競技場にまで脚を運んだ。
待ちに待ったこの日。しかしうっかり忘れるところであった。息子と Go Go Reds を見なかったらこの試合を見過ごすところであった…..
我が故郷、大阪府高槻市をホームにするフットボールクラブ、スペランツァ高槻FCが浦和レッズレディースと対戦する日をどれだけ心待ちにしていた事だろう。 昨年 FIFA Women’s World Cup でなでしこジャパンが優勝し、女子サッカーを取り巻く環境は劇的に向上した。テレビに雑誌に代表選手を見ない日は無いくらい。そしてなでしこリーグの観客動員数はどれだけ増えたのだろう。 そして我が故郷の高槻FCは昨シーズン、なでしこリーグの一つ下にあたるチャレンジリーグ WEST で2位に入り、プレナスなでしこリーグへの昇格を決めた。 

今シーズンのプレナスなでしこリーグは昨シーズン原発問題で頭部マリーゼが休部となった為9チームで行われたが、今シーズンは10チームでのホーム&アウェーの総当たりを行い総勝点数で優勝、順位を決める。

前になでしこリーグの試合を観戦したのは2006年9月24日に駒場競技場で行われた浦和レディース対高槻FC。
この試合は 1-0 で浦和Lが高槻FCを破った。このシーズンは8チーム中7位に終わり、 Division 2 2位の大原学園 JaSRA 女子に入れ替え戦で敗れて Division 2に陥落。2008年には Division2 で8チーム中2位になり Division 1 最下位の伊賀 FC を入れ替え戦で破り Division 1 に復帰したものの Division 1 の壁は厚く最下位に終わり1年で降格。2010年は チャレンジリーグ WEST で1位となったが今度は Division 1 10位の伊賀FCくの一に入れ替え戦で敗れ昇格を果たせず、昨シーズンはチャンレンジリーグ WEST で2位になったがこの時入れ替え戦出場規定条件を満たすチームが高槻FCしかなく、更に原発問題で東電マリーゼが休部となった為になでしこリーグに自動昇格となった。

今シーズン、開幕戦はテレビ中継もされた女王 INAC 神戸戦。多くの観客、視聴者の前で 0-7 で大敗してしまった。中継では澤をはじめ INAC の選手の事ばかりアナウンサーは連呼していた。我が高槻 FCは丸山桂里奈以外の選手の事は殆ど話題に上がらなかった。しかし6年前に購入したなでしこリーグのプログラムを紐解くと奥田亜希子、松田望そして伊丹絵美の3選手の顔写真があった。彼女達は6年も経った今も高槻でプレーしていると言う事に感激を憶えた。 
そして以降、浦和L戦の前迄5戦して2分3敗。前節、ホーム高槻萩谷で行われた ASエルフェン狭山FC戦では終了2分前に松田望のゴールで引分けた。なでしこリーグ残留を目標とするならばホームで開催される福岡、狭山戦は勝利を納めて貰いたいところであったのだけど、4月28日のホームでの福岡戦もロスタイムに柳田詩織に同点ゴールを決められ引き分けてしまった。

観客席には多くのレッズサポーターがこの日も。なでしこジャパンがワールドカップで優勝する前からレッズのサポーターは多く試合に駆けつけている。そのあたりはさすがと言うほかない。
高槻の方は…青いシャツを着た人が3人いるだけだった。6年前には旗を打ち振る人達もいたんだけど….しかしこの人達を見て俄然、自分がここに来て良かったと思った。そしてこの日自分が来ていたのは赤いシャツだったので青色のガンバのレプリカを持っていた人がいたので試合終了まで借りて着た。 
これまで高槻FCは対浦和L戦8戦7敗1分得点4失点23。しかもスタメンを見ると…浦和LはGK 山郷のぞみとCB矢野喬子がワールドカップ優勝メンバー。現役なでしこジャパン。更に右SB土橋優貴、ボランチ柳田美幸そしてFW 新川恵理子らが代表歴がある。柳田、新川は北京五輪メンバーだった。



前節狭山戦と同じスタメンの高槻FCは丸山以外、代表歴のある選手はいない。MF浜田遥が2008年ニュージーランドで開催されたFIFA U-17に日テレに所属するマラドーナ岩渕と共に出場した。ここは何とか粘り強く守って最後は丸山に….と淡い期待を抱いた。



浦和Lのキックオフで始まった試合。 まずは高槻が浦和Lゴールに迫り我々を喜ばせる。
開始早々は左サイドから縦パスが丸山に通りそうになるがわずかにタイミング合わずGK山郷に。4分にはボランチ豊田奈夕葉から再び丸山にナイスパスが通るがここはオフサイド。 その直後にも左SBの虎尾直美からチャンスを作るがシュートには誰も持ち込めない。しかしこの時PA内で浦和L選手のDFの手にボールが当たった気がした。我々からいっせいに
“ハンドだ!ハンド!!”と叫ぶ。 開始からピッチに向かって“大阪高槻 !!”と声援を送るけど選手たちはそれに答えてくれているみたいだった。
10分には左サイド虎尾からMF伊丹絵美に縦パスが通りそこから入れられたクロスに173cmの浜田遥が飛び込むがわずかに合わない。 私たちも思わず天を仰ぐ。
“まだアウェーでゴールが決まっていないんですよねぇ~。”とサポーターの一人が教えてくれたけど、この時点では何だが得点の期待を感じた。
だけど我々の期待も一気にしぼんでしまう。12分に右SB和田奈央子からクロスが新川に渡りシュート体勢に入られる。ここはCB奥田がマークに入りクリアーするが14分中盤から浮きダマの縦パスが見事にフリーの吉良知夏に入りそのままシュートを高槻ゴールに蹴り込まれ先制ゴールを許してしまった。 吉良にパスを出したのは誰だろう?恐らく柳田美幸ではないだろうか?さすが元日本代表….と感心してしまった。



その後も浦和Lの攻勢は続き18分には右MFの新発田華絵がドリブルシュートを放つ。ここはゴール枠を外れてくれて安堵の嘆息を漏らす。
だがここから高槻DF陣、特にCBの奥田と平野聡子が必死に守りリズムを作ると次第に中盤で浦和Lのパスをカットし攻撃に繋げられる様に。2度中盤でボールを持った浜田からボランチ壷井綾子にボールが渡り惜しいシーンが演出された。
何とかここに丸山が絡めばなぁ…と思う。しかし浦和L攻撃を警戒しなかなかラインを高く上げられない。
36分にはまたも和田から新川にボールが通り新川がフリーでシュートを放つ。やられた!!と思ったけどここはポストの右に外れてくれた。 そしてまた浦和Lが攻勢に出てくる。ボランチが前の方に出てきて中盤で数的優位を作られ始めた。
42分には中盤で繋がれ、またも吉良にフリーで打たれたがポストの左に外れてくれた。
これで前半は 0-1 で終わるなぁと思ったロスタイムに吉良とワンツーで抜け出した新川にあっさり左サイドから押し込まれリードを広げられてしまった。 そしてそのまま前半が終わった。

なんだか目の前でパス交換の練習を見ているみたいなシュートだった。我々高槻サポーターは一気に消沈してしまった。 



あぁぁぁ、痛い時間ですね….. 本当に痛い2点目ですね…. 口々にこんなことを話した。

ハーフタイム中にプログラムを見ながら選手を確認していると、ある人が“庭田亜樹子っているでしょ。もうそろそろ高槻に帰ってきなさいって言わなあかんなぁっておもてるんです。”と教えてくれた。 6年前は高槻FCでプレーしていた。当時jは高槻の主将じゃなかったかな? その翌年、2007年に浦和レディスに移籍した。
“それどこで言うんですか?試合後のサイン会ですか?”
“へぇ?サイン会あるんですか?そりゃ楽しみやなぁ…. “ まぁ実際は無かったんだけど。
庭田ばかりではない、ワールドカップのヒロインの1人GK海堀あゆみもかつては高槻でプレーしていた。

“事務所はグリーンプラザにあるんですか?まだグリーンプラザあるんですね。” と私が訊くと
“グリーンプラザありますよ。”とまたローカルな話題に花が咲いた。 私の他の3人のうち高槻からわざわざ見に来られた方が二人おられた。 私は故郷を後にして何年経ったのだろう….
“高槻歩いていたら丸山とすれ違いますか?”ってな不謹慎な質問もした。そして“選手の顔写真は何度も撮り直して一番良いのを採用しているんじゃないですか?” と言うと一同それには納得していた…まぁそういう目だけで彼女達を見ているのではないが。

後半に入り、リードしている浦和Lの方が選手を替えて来た。室園彩乃に替えて岸川奈津希が投入された。共に20歳、166cm(プログラムによると)の選手。岸川はCBに入って来たけど前半は向こう側に浦和Lゴールがあったので土橋は前半も右SBにいたのかは解らなかった。
何とか2失点目の事は切り替えて…と願うも49分30秒にあっさりと3点目を決められてしまった。奥田の新川へのチャージがファールに取られFKを与えると早いリスタートから吉良にスルーパスを通されそのままゴールを割られてしまった。
あぁやはり2失点目が….と溜息が出てしまった。
高槻ベンチは53分CB平野を下げてMF亀岡夏美を投入する。プログラムには彼女の名前が無かった。帰って調べると東京電力マリーゼに所属し、2010年ルネサンス熊本に移籍し、今シーズンから高槻に入って来た選手。彼女も2008年 FIFA U-17 ニュージーランド大会のメンバー。マリーゼ時代は恐らく丸山や浜田らと一緒にプレーしたのかなぁ….



しかし次にゴールを決めたのも浦和L. 。亀岡が投入されて2分も市内うちにまたも吉良に決められてしまった。これで吉良はこの試合3点目。ハットトリックを達成されてしまった….そして58分には御役目御免とばかりに後藤三和と交替でベンチに下がった。
こうなると試合の希望は高槻がアウェー初ゴールを挙げてくれる事に絞られる。4点差がついてから前に出て来るシーンが増えた気がした。 55分には右サイドで松田が相手DFに囲まれでも粘り、58分には浜田が中央からドリブルで突破してくる。最後にシュートタイミングが合わずGK山郷の手中に。 浜田は60分にもドリブルで切れ込み矢野をかわしてクロスを上げ、中に亀岡、伊丹、丸山が雪崩れ込むがGK山郷がキャッチ。 



62分、虎尾から縦パスを受けた浜田が入れたクロスはわずかに丸山が被ってしまう。 後半は高槻がこちら側に攻めて来るので目の前に選手達が迫ってくる度に思わず声が上がる。
しかし流石に浦和LのDF陣も堅い。丸山がボールを持つと矢野、土橋ら代表経験組がタイトにマークに着いてくる。
そして63分新川からボールを受けた柴田のシュートが決まり 5-0 とされてしまった。



5点差とされてもアウェー初ゴールを目指し高槻は攻撃を試みる。 特に左サイドから突破を試みるシーンが何度か。丸山もサイドによりドリブル突破を見せる。また両SBも上がってくる。84分には伊丹のパスを受けた浜田が惜しいシュートを放つ…



そして85分丸山が島村裕子と替ってベンチに下がる。 昨年五輪予選で負傷してからロンドン五輪出場を目指して必死のリハビリ、プレーを続けるがメンバー入り出来るだろうか….ワールドカップメンバーよりも狭き門なんだよなぁ。



そして同時に伊丹も下がりMF浅野美希が入った。これで前線は浜田、島村の2トップとなった。2列目は右が松田、左には浅野が入った。それより後ろはちょっと遠くて確認出来なかった。 メインスタンドで見れば解っただろうに…
残り5分、高槻は何度も浦和Lゴールに迫る。 87分には浜田のFKに島村が岸川と競りながらシュートを撃つがGK山郷が掴む。 90分には浅野から浜田に縦パスが入るがオフサイドフラッグが上がる。 そしてロスタイムも過ぎ主審のホイッスルが鳴った。 前半高槻のシュート数は1本だったけど後半は浦和L5本に対して4本のシュートを撃ったんだけどなぁ…



試合が終わり選手達はそのまま控室に向かおうとした。
“あぁ、こっち来てくれないんかなぁ~。”と言うというとこちらに向かい出してくれた。そしてベンチの選手達や井上監督、チームスタッフもこちらに向かって来た。そして我々の掛け声と共に一礼をしてベンチに…と思ったらGK鈴木理沙をはじめ数人の選手がこちらの観客席で観戦していた人達のところに、きっと身内の人達だろうなぁ…



“それじゃぁエールの交換しますか?“
“アウェーの方からせなあかんねやろ?”…. と話すがヒーローならぬヒロインインタビューが始まり、
“インタビュー終わってからしよか?” と話すもなかなかインタビューが終わらない。 だから先に横断幕を片づける事にした。
そして借りていたユニフォームを返し何度も御礼を言った。今度は青色のシャツを着て来ます…ってな事を言いながら。
しかしインタビューはなかなか終わらない。新川、吉良は2度もインタビューされ、2度とも“ここに来て頂いたサポーターの方達に一言お願いします。”と言われていた。2人とも困っていたンとちゃうか?
すっかりタイミングを失してしまった私達は“さっきもおんなじこと訊いていたやないか?”って横断幕を片付けながらぶつぶつと…



そしてレッズサポーター達から選手達のコールが始まり、最後に “高槻FC!高槻FC!!”とコールが始まった。
“ほら、コール始まりましたよ。私達もエールかえしましょう!”と私は声を掛け、3人だけであるが精一杯に“うらぁ~わレッズ !! うらぁ~わレッズ!!“ とありったけの声を張り上げた。
すると浦和Lサポーター達から拍手が返って来て“ありがとうございまぁ~す!”と言う声援も聞こえた。

あぁ良かった。無事にエール交換が出来ましたねぇ~、と皆で話した。 
また今シーズン中に再会しましょう。何とか残留を果たして欲しいですね、萩谷にも見に来ぃやぁ~、っと挨拶をかわし、高槻まで気を付けて…と頭を下げて帰途に着いた。

そしてレッズサポーターの方に向かい、自分は高槻のサポーターと自己紹介し、インタビューがなかなか終わらずこちらからせねばならないエールをなかなか送れませんでした。と説明をした。 
“そうですね、本当に延々とやっていましたね。”と答えてくれ、試合の事や活動等色々話をしてくれた。女子サッカーを盛り上げたいという気がひしひしと伝わる。
“昨日はさいたまスタジアムに行ったんですよ。”と話し、 “連勝ですね。羨ましい。”と云い、丁寧に挨拶をして歩いて鴻巣駅まで向かった。来年も浦和レッズレディスと試合が出来るように高槻が残留する事を願いながら。
そして週末2日間ともサッカー観戦に出掛けた私を嫁はんはどうおもってるかなぁ~と思いながら….

そしてあと今年何回高槻FC戦を観戦出来るかなぁ..と思いながら。 それにしても良い天気の週末だった。.


私女子サッカーのファンです なでしこ達よ次は勝て!!

2006-09-02 | Women's Football
選手層が厚いのか?それとも日本戦だと発奮するのか?
その北朝鮮。3選手の不在を感じさせない立ち上がり。ロングパス主体のオーストラリアと異なりショートパスを多用し、1対1では、準決勝のオーストラリア戦では優位だったなでしこ達も北朝鮮DFのしつこさに手間取っているのがよく判る。
日本は16分にはオーストラリア戦では途中出場だったこの日スタメン出場の酒井がミドルを放つが正面に。しかし序盤に相手GKに飛んだボールはこれくらい。北朝鮮は運動量も豊富でなでしこ達の動く先に行くのでスペースに出すパスが出せず、足元へのパスばかり。悪い流れの中23分に先制を許してしまう。ヨ・ユン・ミンがスローインをFWリ・クム・スクに送る所を下子鶴が詰めるとヨ・スン・ミンは絶妙のタイミングで後ろにスルー。そこには矢野のマークを外れたリ・ウン・スクがフリーでおり、難なくゴールを割られた。ゴール前のこのコンビネーションは流石だった。準決勝のマチルダスでは披露できない攻撃でやられてしまった。観客席から歓声が上がる。同胞がオーストラリアにいる訳無いのにと思うとそれは韓国人が応援していた。そうか。韓国も同胞か。ここオーストラリアに在住する韓国系移民は在留邦人の2倍いや3倍以上だ。そういえば準決勝の中国戦を終えて朝鮮日報を初め韓国のマスコミは試合終了間際の判定に退場になった北朝鮮の選手達を擁護するコメントのオンパレードだった。スタンドからも“オ~ピルスン(必勝)コレア!!” の合唱が始まる。どうせなら”チョ~ソンミンシュシュィ!!” とも言ってやれよ。それとも“イギョラ!! チョ~ソンッ”とかそれとも“シュグンッ マンセェー”とか。それが出来なきゃ”テーハミングック“でも言ってやれよ。と思っていたら追加点を入れられてしまった。33分クリアーボールを拾われ、MFキム=タンシル, イ・クム・スクと繋がれ最後はMFイ・ウン・ギョンのシュートにゴールネットを揺らされた。先制点のスローインと言い、北朝鮮のチーム主将イ・クム・スクがボールに絡むとどうもピンチを招いてしまう。北朝鮮はワンタッチ、ツータッチでボールを回すので日本のプレスが掛からない。そしてエース沢になかなかボールが廻らず、ようやく沢にボールが渡っても2人、3人ですぐ囲まれてしまう。また北朝鮮DF陣もハイボールの競り合いには平気で肘を出してくる。39分にはクリアーボールを拾われて逆襲からシュートに持ち込まれる。一旦はGK福本が弾くがこぼれ球をイ・ウン・ギョンに拾われてそのままこの試合2点目のゴールを決められ、あっという間に3点差を付けられてしまった。中継していた放送席まで静まり返ってしまう。しかし、ここからなでしこ達が奮起したのか北朝鮮がペースダウンしたのか、日本の攻勢がはじまる。41分には宮間、大野と繋ぎ永里がヤン・オク・キョンとリ・スン・ボクの間に割って入りシュートを放つ。この北朝鮮DF2人は準決勝の中国戦には起用されていなかった。43分にはCKから一旦はクリアされたがそのクリアボールを酒井が拾い磯崎に繋ぐ。磯崎はゴールマウスにロブを入れそれを沢が安藤に落とす。安藤はリ・スン・ボク、ヨ・ユン・ミンの2人に挟まれながら粘って北朝鮮ゴールに流し込み1点を返した。3点差を付けられてもいや付けられたからDF安藤が攻撃参加をしたのか。う~ん。女子の方が積極的だ。前半終了間際に1点を返し、まだ2点差があるとは言え後半に向けて期待を抱かせるゴールであった。

なでしこ主導権を奪うが…..
後半、なでしこ大橋監督は得点者ではあったがDF安藤とMF大野を下げて荒川と大谷のFWを投入する。兎に角前線の数を増やして相手DFにプレッシャーを掛ける作戦か? 48分には永里が粘ってファールを貰いそのFKは沢が直接狙うがGK正面に。GKプ・ウン・フイはやはり安定感に欠けるか?51分には柳田の絶妙のクロスが荒川にわたるが惜しくも得点にならない。52分は沢がボレーを放つ等立ち上りから日本が攻勢を続ける。しかし、北朝鮮も特にエース沢には厳しいチャージで止めにかかる。60分にはキム・サン・シルのファールで沢が倒され立ち上がれず外に出されるがそれ以上はお咎めなし。だがその前に磯崎がリ・クム・スクへのタックルに対してイエローが出されるがスロービデオを見ると磯崎の足はしっかりとボールに入っていたのに。この日の主審はオーストラリア人だけど、線審は中国と韓国。日本にとって政治的には不利な組み合わせだが… 67分には沢の縦への突破から新川、宮間と繋ぎそこから大谷にクロスが送られるが僅かに合わない。その直後にはベンチから“大谷開け”と指示が飛ぶ。 北朝鮮は前半飛ばしすぎたか動きががっくりと落ちている。ここで1点差にすれば試合に勝つチャンスは断然大きくなる。しかし、ここでなでしこ達の前に立ちはだかるのが170cmのゲーム主将、キム・クム・スク。体格だけでなく、テクニックも高くスピードもあり、ここぞと言う場面ではピンチでもチャンスでも出て来る。そしてなでしこ達も77分あたりから動きが落ちてきて北朝鮮にボールを回される。ここで日本ベンチはFW大谷に替えてMF坂口を入れるが、大谷は後半から入った選手。中盤のもっと疲弊している選手を替えてやったほうが良かったのではと疑問に思う。北朝鮮は前線に2、3人残し、残りの7,8人でゴールマウスの周りを固める。新川、沢がペナルティーエリアに近づいても2がかりでマークをしかける。それでも89分、柳田からのクロスに永里がドンピシャのタイミングであわせてゴールを割る。これで1点差だ。ロスタイムは….3分と表示される。まだチャンスはある。北朝鮮も長身のFWヨン・ポク・シムを入れるがこれは攻撃と言うより日本のハイクロス封じだろう。新川のロブに永里とヤン・オク・キョンが競るがそこにGKが出て来てキャッチ。そして同点ゴールが生まれることなくタイムアップ。世界ランク7位の北朝鮮がアジア地区からワールドカップ行き3枚目の切符をものにした。 日本はまたもや日本以外で北朝鮮に勝つことが出来なかった。

8月27日。10年ぶりに女子リーグのオールスターが行われ、All West が勝った事が新聞の片隅に掲載された。
女子サッカーの取り巻く厳しい環境の表れか?いや商業主義のジャーナリズムの無い日本スポーツ界の現状だろう。
それだけにワールドカップへの最後の切符を賭けたプレーオフには頑張って欲しい。 私、女子サッカーのファンです。 なぜなら彼女達のほうが先にワールドカップへ我々を導いてくれたから。 それにしても俺は話題がずれてるなぁ。どうも時間と体力が続かず睡魔にも襲われUp Date な話題を掲載できていないなぁ。でも誰も期待していないか??? ブログ思いのままなり..

私女子サッカーのファンです 女子サッカーへの思い

2006-09-02 | Women's Football
私の生まれ育った、大阪府の北部にある京都に近い街高槻市。子供の時、1970年代からサッカーの盛んな街だ。私が通っていた中学校はサッカー部が大変強く、1級上の先輩と同級生達は何と2年連続で全国大会に出場してた。そして2級上には1979年日本で開催されたワールドユース大会の日本代表候補に選ばれ、後に日本リーグでもプレーした先輩がいた。後輩の中にはJリーグ入りした選手もいるらしい。残念ながら私はサッカー部員ではなく水泳部員だった。水泳部も弱くはなく、私が3年生の時には高槻市大会で団体2位に入った。もちろん私も出場し、準優勝に貢献した(つもりだ)。市で2位になるなんて当時はサッカー部以外には柔道部くらいだったのに、サッカー部の快進撃の前に水泳部の戦績もかすんでしまい、女の子の人気度は練習試合を入れて私が3年生の時は一度も勝った事が無い野球部の部員にもかなわなかった。だから私はサッカー部の快進撃に大変な嫉妬心を擁いており、“サッカーなんかなんじゃい”と公言してはばからなかった。そんな私が後にワールドカップ観戦に精を出しているのを当時の同級生が知って唖然とするのは当たり前だろう。
高槻には当時から高槻FCと言うクラブチームが存在している。特に有名だったのは女子部で、1988年の全国女子選手権では読売FCを準決勝で破って決勝に進出。国立競技場で行われた決勝戦は惜しくも鈴与清水に敗れたが準優勝を収めた。そして翌年、西が丘競技場での決勝で清水を破って優勝を収めている。この決勝戦を私は2年連続競技場観戦した。当時婚約中の家内は“女の子がサッカーなんてするの?何でそんなの観に行くの?”といぶかしげに訊くので、“地元の高槻が出ているんだ。”と言うと“前に付き合っていた女性でもそこにいるのか?” としばらく疑っていた。残念ながらサッカー少女と恋に落ちた事は無かったが、高校の時同じ通学沿線上に西山女子高校というのがあって、当時女子のサッカー部があったので有名でテレビ取材もされた事があった。今でこそ男子サッカーは五輪、ワールドカップにも連続出場をし、連日日本代表を初めサッカーの話題を聞かない日は無いくらいだ。だがサッカーで、最初に世界への扉を開いたのは女子だ。1991年中国で行われた第一回女子ワールドカップにアジア地区予選を勝ち抜いて出場している。その前年、同じ北京で開催されたアジア大会の男子サッカーの準々決勝の日本対イラン戦。NHKの中継から“ニッポン!! ニッポン!!” との声援が漏れ聞こえてきた。解説をしていた松本育夫氏が”女子のサッカー代表選手が応援をしてくれていますよ。無様な試合はできませんねぇ“てな事を言ったのを憶えている。1996年3月、日本はマレーシアでサウジアラビアを 2-1 で破り28年ぶりの五輪出場を決めたが女子も前にアトランタ行きを決めていた。アテネ五輪で女子日本代表を”なでしこジャパン“と名付けられ、女子の国内リーグ戦も”なでしこリーグ“と命名されたがここに今の女子サッカーのおかれている現状が映し出される。長引く不況による企業スポンサーの撤退から存続出来るクラブが減りリーグそのものの存在が危ういらしい。だがこれは他国も同じで女子サッカーでは列強であるアメリカも同じ現状だ。確かに筋骨隆々の女性がボールを必死の形相で追いかけるよりも、わずか数センチの布きれのみを付けてダイナマイトボディをくねらせる女性に世間一般の人は魅力を感じるのだろう。
もう1ヶ月以上前に終わってしまったがオーストラリアの南部の大都市アデレードで開催された女子ワールドカップアジア地区予選で日本は出場権を手に入れられず、北中米地区からの代表とのプレーオフに望みを掛ける事となった。

北朝鮮にまたも勝てず
準決勝で地元オーストラリア・マチルダスに破れた日本は3位決定戦の北朝鮮戦に臨んだ。この北朝鮮は同じく準決勝では中国に 0-1 と惜敗したが試合終了直前、北朝鮮のチャンスに中国ゴール前で中国DFにハンドがあったとか無かったとかの微妙な判定の激怒したハン・ヘヨンが主審に蹴りを入れる等審判団に襲い掛かる。 尚も野次を飛ばす中国人サポーターにペットボトルなどを投げたと言う事で DF スン・キョン・スン, ソン・ヨン・スンが出場停止となった。思い出すのは1982年アジア大会の準決勝戦。延長戦でクウェートに破れた北朝鮮のコーチ達が判定に不服として審判団に襲い掛かり、最後は警官隊が事態を収拾するはめに。これで北朝鮮代表は続く3決定戦はおろか、全てのカテゴリー(当時は U-20 くらいだったか?)で2年間の国際試合禁止を言い渡された。今回も同じ様な裁定が下されるか?そうなればなでしこが自動的に来年北京で開催される女子ワールドカップに自動的に出場となるが、今大会は3選手の出場停止以上はお咎めが無かった。昨年のワールドカップ予選での処置が無ければどうなっていただろう? 試合の模様に続く


なでしこ達の戦い その2 対マチルダス 後半

2006-08-01 | Women's Football
後半攻め見せるが….
後半のなでしこは中岡、宮間に替えて酒井、坂口を投入、ただ宮間は使って欲しかったけど。風上に立って攻勢に出たいところだ。52分、沢穂希がショートコーナーからヘッドを放つがGKがキャッチ。身長164cmの沢だが乱立する長身のマチルダスの間をくぐってヘッドを放った。15歳の時から代表入りを果たしている沢はアトランタ五輪のメンバーでもあった、文字通り今の女子サッカー界の牽引者だ。この大会のなでしこ20人のうちプロ契約選手は5名のみ。しかし女子プロサッカーの存続危機は悲しいかなグローバルサイズで起こっておりアメリカではプロリーグ解体の危機に瀕している。したがって中国や北朝鮮の様な“ステート・アマ”がまだまだ優位なのか?
マチルダスの事情も日本とそう変わらないと思う。主将の Salisbary はかつて日本の宝塚でプレーをした事も。
58分マチルダスが決定機を逸する。逆襲から右サイドを破られ、上げられたクロスに Shipard が合わすがボールは左にこぼれる。そしてそれを拾われ入れられたクロスを再び Shipard がフリーでショットを放つがゴール枠を外れた。ほっと胸を撫で下ろすと共にまだ幸運は残っていると感じる。マチルダスは2点差を着けたのでラインを下げてゴール前を固める。なでしこは沢、大野のドリブル突破に活路を見出すが大型のマチルダスDF,MFはファウルすれすれの当たりで防戦。先制ゴールを決めた Munoz もハーフウェィライン付近まで引くが彼女も長身でその体格を生かして日本の攻撃を抑えに来る。61分にマチルダスは北朝鮮戦で先発起用された Mcshea を Slatyer に替えて投入。守備固めに入ったか?日本の大橋監督は75分にDF安藤を下げてFW大谷を入れてFWの数を増やす。こういう交替、ZICOはしなかったなぁ?そしてマチルダスSermanni 監督は3得点の De Vanna を投入してきた。彼女のスピードにカウンター攻撃の効果を上げるつもりだろう。それにしても Palmqvist 主審はなかなかファールを取らない。特に何度かマチルダスDFが仕掛ける後方タックルにはノーホイッスルで下小鶴がしかけた DeVanna へのチャージはあっさりとホイッスルが吹かれた。これが世界レベルの戦いなのか?それともワールドカップで中村が何度もサッカールーDFのチャージに倒れるのを “ RESPECT が無いプレー“とオーストラリア新聞紙上に酷評されたのが影響しているのか?線審達からクレームがつかないのは言葉の問題か?それとも日本を勝たせたくないのか?と見ていて審判に矛先が向いてしまう。その怒りは83分、ゴール前に出されたボールが弾んでペナルティーエリア内のマチルダスのDFの手に当たってもお咎めが無かった時に爆発した。この判定に沢が激しく抗議、すると主審は沢にイエローを示す。次の試合もあるのでここは気を取り直して、と思う。86分には大野のシュートが右に外れる。この時間帯になると日豪間の体格の違いから放たれるシュートの威力の差が目立つ。91分にはFKを沢がヘッドで捉えるがGKの正面。 そしてタイムアップ。日本のワールドカップ出場決定は先送りとなった。1対1では日本がむしろ優位だったが、マチルダスの攻守に渡るフィジィカルを生かした戦術の前には及ばなかった。 マチルダスはやはり強かった。ホームゲームと言うアドヴァンテージを割り引いても強かった。 30日に行なわれた決勝戦では6月の上海遠征で連敗を喫した( 1-2, 0-2 ) 中国代表にPK戦で敗れたものの前半に2点を先取した。 なでしこはワールドカップ進出を掛けて30日に北朝鮮戦に臨むことになった……..

なでしこ達の戦い その1 対マチルダス 前半

2006-08-01 | Women's Football
なでしこ、マチルダスを破れず
オーストラリア南部。 South Australia 州最大の都市アデレードは著名な大学が多くあるらしく、留学生で賑わっている。またこの地方は葡萄の産地で良質のワインが土産物で有名だ。ここで売っている赤ワインの SHIRAZ はたまらない。またオーストラリア南北縦断鉄道がここを通って開通する(もう開通したのかな?)ので物流も含めて街が発展するきっかけになると期待されている。仕事上でも最近ではここからの引き合いが増えてきた。 このアデレード。憶えている方もおられるだろうが、2000年のシドニー五輪、サッカーの準々決勝で日本がアメリカにPK戦で敗れた地だ。そして今日7月30日は来年北京で開催される女子のワールドカップの出場権を賭けて北朝鮮と対戦する。 北朝鮮はGKを含む主力3選手が出場停止。その展望はまた詳しく述べるとして7月28日に行われた準決勝のオーストラリア代表との1戦を振り返ってみましょう。

AFCがオーストラリアの加盟を承認後、最初のAFC公認の大会が来年北京で開催される女子ワールドカップ予選を兼ねたアジア選手権。中国を除く上位2カ国が自動的に出場権を獲得し3番目の国は北中米地区の代表国とプレーオフで代表権を争う。準決勝のオーストラリア女子代表、通称マチルダスを破れば5大会連続でワールドカップ出場が決める事が出来た。マチルダスとは“オーストラリア国民の歌”といわれている、“ワルチング・マチルダ”にちなんだものである。数年前、当地を訪問した時に Wallabies が All Blacks とテストマッチをシドニーで行い、ハーフタイム中に観客が合唱しているのをテレビで見た事がある。シドニー五輪前、当時サッカーはこの国では人気が無く、選手達が文字通り一肌脱いでヌードカレンダーを作って強化資金を集める程に。彼女達はのちに日本でカゴメトマトジュース(だったとおもう)のCFに採用された。だがその時はヌードでなくビキニ止まりだった。残念?!  一方の我、なでしこジャパン。男子の仇は女子がと言う訳では無いがこの試合に勝ってワールドカップ行きを決めたかっただろうに。サッカーは取り巻く環境が劇的に好転し日本サッカー協会は他のスポーツ競技協会と異なり資金には不自由しなくなくなったが、これは男子のワールドカップ等の経済効果によるもの。残念ながら女子は国内景気の低迷から女子サッカーリーグのLリーグから撤退する企業が出て来て人気もジリ貧。ベスト8入りを果たしたアテネ五輪以降“なでしこリーグ”と名称を変更し、巻き返しを図る。その為にもこのアジア選手権は重要だ。ただし、世界への進出は男子よりも女子の方がずっと先立った事も我々は留意すべきだ。

強敵 Matildas
オーストラリア代表ははっきりいて“アジアレベル”を抜きん出ている。まず体格が違う。(またヌードにならないかな?) この大会に備えて18ヶ月間で22試合の国際試合を消化した。その中には世界女王ドイツ戦との勝利、それから黒星続きだった対アメリカ戦と初引分がある。この好調の要因は12ヶ月前からチームを指揮する Tommy Sermanni 監督の手腕に因るところが大きい。 この大会の1次リーグでも準決勝進出の争点となると言われた韓国を 4-0 であっさりと一蹴している。優勝候補の北朝鮮とも 0-0 で引分けた。 攻撃の鍵を握るのは大会3得点の Lisa De Vanna。ミャンマー戦では貴重な2点目を上げた後に81分にベンチに下がり以降北朝鮮戦、タイ戦は途中出場。そしてタイ戦ではゴールを上げている。日本戦もベンチスタートだ。GKは26歳の Melissa Barbie 一旦は代表から離れたがこの1年半ポジションを不動のものにしている。Thea Slatya を入れて5人のDF選手を入れて 北朝鮮戦先発のFW Kathlyn Gil をベンチの置き Caitlin Muzou と 2得点のSarah Walsh の2トップに。中盤を厚くして日本のテクニックのある中盤を抑える先方だ。 しかし Sally Shipard は攻撃力のあるMF。本当にオーストラリア女性はでかいなぁ。

立ち上がり押し込まれて先制を喫す。
風下のなでしこイレブン。しかし開始早々宮間のミドルが飛び、8分には大野が裏に走りこみ左に張り出た柳田に回し永里に繋ぐがそこからはマチルダスの高い壁に阻まれる。その高さから10分に先制点を挙げる。左サイドを抉られいれられ Peters にクロスが入るのを二人がかりでクリアー。しかしそのクリアーを拾われ再び中に入れられ一旦は矢野がヘッドでクリアをするが、そのこぼれダマをまたペナルティーエリアの少し外で拾われてそのままシュート。そのシュートを Munoz がコースをかえるように引っ掛けてゴールを割られてしまった。その直後も左からのハイクロスをGK福元がよく弾いたがそのこぼれダマを Shipard にそのまま撃たれるなどマチルダスは身長差を突いて来る。それは攻撃だけではない。13分宮間が持ち込んだところを Slatyer に倒されて得たFKを宮間自身がゴールを狙うがまたも”高い壁” に阻まれる。この日のテレビ解説をしていたアトランタ五輪の代表選手大竹奈美(字はあっていたかな?)は“これだけ高い壁は(宮間は)国内では経験出来ないのでは?”と的を得た解説。しかしこのチャンスを境に日本が攻勢に出る。14分CKから下小鶴、大野と渡りシュートに繋がるがGK Barbier にあたりCK。それをショートコーナーから安藤が惜しいミドルを放つ。放送席の松木安太郎のボルテージは上がりっぱなしだ。日本は1対1のボール裁きは役者が1枚上手だ。当たってこられてもうまく体を入れ換えるなどしてかわして行く。20分に Walsh に逆襲を許すが最後は矢野がシュートコースを切って事なきを。マチルダスはリードしているせいかやや引き気味のポジショニングで時折 Walsh, Shipard が前線に出てくる。28分には Walsh のカウンターからペナルティーエリア内でボールを繋がれピンチを招いた。しかし日本も好調の宮間がミドルを放ったり、沢、永里がボールキープからチャンスを作る。彼女達がボールを持つと何か起きそうな予感を与えてくれる。しかしマチルダスもサイドはファウルに近い当たりでタイトなマークだ。従って中にいる選手のボールキープとセットプレーが頼りなのか?42分は沢のFKに矢野が飛び込むが惜しくもゴールにならない。しかし44分、痛い時間に更に痛い追加点を許す。右からのCKを一旦はGK福元が掴んだに見えたがSalisbary と交錯し落球。そこを Peters が押し込んだ。 福元は 164cm, Salisbary は179cm長身DFそしてマチルダスの主将だ。スウェーデン人 Jenny Palmqvist 主審、キーパーチャージを取らなかったのはワールドカップでの中村のゴールを憶えていたのかな?南北朝鮮の両副審、金線審(韓国)洪線審(北朝鮮)からも旗は揚がらなかった。 後半に続く