Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

サンガを舐めたらしょっぱいよ….. 04.Dec. 2010 京都サンガ 2-0 FC東京 

2010-12-19 | 夏季五輪
12月4日…. 家族でJ-League をテレビ観戦したのは何年振りだろう…
子供が小さいときには何度か家族でさいたまスタジアムに行ったものだけど…

J-League の最終戦が各地で一斉に行われてたこの日、NHKのBSでは浦和レッズ対ビッセル神戸の戦が中継されていた。これが Bundesliga なら最終戦の全試合がリレー式で中継されるところなんだけどなぁ…
息子がサポートする浦和レッズは最終戦、地元さいたまスタジアムの大観衆の前で苦戦をしていた。31分吉田に先制ゴールを決められ、後半開始早々にはPKを献上して追加点を決められた。この2失点にはスタメンで起用されていたCB濱田が寄与していた。そして濱田はこのPKを機にベンチに下げられてしまった。
“他に選手いなかったのかよぉ…..” 息子の嘆き声が聞こえてくる。
今シーズン4試合目出場の濱田、この試合にめげずに来シーズンは頑張って欲しいなぁ……
神戸はJ2降格がかかっているとは言え、REDS もポンテが J-League 最後の試合だし40,000 人以上の大観衆を集めた地元の最終戦で何とか意地を見せたいとは思っていたはずだ。しかし得点を重ねるのは神戸ばかり。その度にさいたまスタジアムに駆けつけた神戸サポーター達の歓喜の様子が映し出される。 
私は携帯で西京極で行われている愛するサンガの最終戦の進行をチェックしていた。前半34分ドゥトラがヘッドで決めた1点を守り続けていた。
テレビで映し出されるさいたまスタジアム試合は59分に朴康造のゴールで神戸のリードが 3-0 となり、どう考えても浦和の勝利は考えられなくなってきた。神戸が勝点を38に伸ばす事は確実だった。神戸サポーター達は西京極の経過を知っているのだろうか…
そしてロスタイムに入り愛するサンガが追加点を上げた事が知らされた。いつも先制され主導権を握られては終了前にカウンターから失点して黒星を重ね続けていたのはサンガの方だったのだけどこの最終戦は会心の試合運びだった。
そしてさいたまスタジアムでは神戸の小川のゴールが決まり遂に4点差となった。
“神戸残ったなぁ….” “ あぁ・・・東京落ちた。神戸が残るなんてなぁ….”
息子は東京が京都に勝ってJ1残留を果たすと予想していたらしい。
そして家本主審の長いホイッスルが鳴った。一瞬置いてJ1残留を知ったのだろう神戸の選手、そしてサポーター達の喜びが爆発している。
そしてテレビ画面の片隅には失意のFC東京の選手達が映しだされた。

    


そして私は拳を握りしめた。 そして呟いた…

ざまぁ見ろ…. サンガを舐めてただろうが…

誤解の無い様に説明させて貰うがこの “ざまぁ見ろ” は決してFC東京の選手達やサポーター達に向けたものではない。スポーツは対戦相手、競合相手がいて成り立つもの。従い常に共に参加をする選手、チームは常に尊敬の念を払うべきと現役時代に思っていてその哲学は今も忘れていない。

ざまぁ見ろ…. はいつも同様マスコミに向けてのものだ。  
最終戦を前に残留争い対象3チームの対戦試合、仙台 vs 川崎、浦和 vs 神戸、
東京 vs 京都 の中で最も“専門家、解説者”のコメントが少なかったのは京都だった。既に“東京が勝った前提”での星勘定解説をする者やFC東京の戦術ばかり載せる媒体ばかりであった。既にJ2陥落が決まっている京都なんて….と思っていた“ジャーナリスト”ばかりだった。そして京都の事を全く知らない“専門家”にとってはその様な予想で誌面を埋めようとしていたのは見え見えだった。
“ベルディの存続が危ぶまれる中、FC東京はJ1に残るべき。”てな“コラム”も見た。良きにつけ、悪きにつけJ2降格のとっくに決まっていた愛するサンガの試合が初めて注目された最終戦を前に私はこころの底から思った

“よ~~し。やってやろうじゃないのぉぉぉ~。”

出張中、アジア大会男女サッカーの快進撃の結果を知る度に勇気付けられていたが、もたらされるのは良い知らせばかりでは無かった。
11月14日、愛する京都は浦和 REDS に 0-2 で敗れ4度目のJ2降格が決まった事を知った。 第26節清水戦の土壇場で引き分けた時は希望を抱いたものの28節で川崎に激戦の末敗れた時は覚悟を決めていたが、やはり実際に現実を突きつけられると….. その後も糸の切れた凧の様に意地を見せることなく敗戦を重ねたサンガの勝点は最終戦を前にわずかに 19のままであった。

今季4勝目となった最終戦はテレビ観戦すら出来なかった。正直、日本代表に何人も召集さんれたFC東京に大苦戦はすると思っていた。その反面4月17日の第7節の対戦では 1-1 で引き分けている。決して勝てない相手では無いと思った。
勝利の要因は何と言っても今までなかなか挙げられなかった先制ゴールが挙げられた事。ドゥトォラの今シーズン5ゴール目となるナイスヘッドだった。
後半はFC東京がシュート10本を放つなど攻勢に出る時間が長かったと聞いているがロングボールが多用されたらしい。だがいくらサンガが弱いと言われていてもCBの水本は北京五輪のレギュラーで郭泰輝は韓国現役代表レギュラーだ。空中戦は苦手ではなかった。むしろ試合前は大黒や大竹の様な選手がスタメンで使われる事を私は懸念していた。 大竹は試合後
“投入された時はパワープレーみたいになっていて、僕の頭を越える様なボールが多くて….” とコメントしていた。

        
シーズンいっぱいでサンガを去る柳沢のゴールは生まれずついに73分にピッチを去ったがロスタイムに入りGK守田からの“パス”を繋ぎあっと云う間に東京ゴール前に迫ったドゥトラがGK権田に倒され得たPKをディエゴが決めた。 サンガ会心の試合運びだった。やっと最終戦で、見せてくれた。降格がとっくに決まった後だったけど対戦相手は勝つ必要があった。その相手から勝利を収めたのだった……

   

今シーズン見せた最高の試合だった。
試合翌日、マスコミの主役は神戸と東京だった。そしてFC東京の降格を憂うコメントが躍っていた。 “このまままでは東京都の子供達がサッカー離れをおこしてしまう。”と云う行もあった。
もっとも疑問に感じたのは元川崎フロンターレでプレーした解説者が翌日の出演番組内で言い放った一言。

“FC東京のサポーターは本当に熱いんです。そして今本当に悲しんでいるんです。だから是非1年でJ1に戻って来て欲しいですね…..”

   あのなぁ….

降格するのはFC東京だけじゃないの。湘南も京都も降格するの。ベルマーレやサンガのサポーター達は冷めているっていうのかい? そして降格を悲しんでいないっていうのかぃ? 解説者として話したり書いたりしたことで稼いでいる人がそんなこと言って良いんかいな????

その後愛するサンガは大木新監督そして祖母井ディレクターの登用を決め新体制で来シーズンに臨むことが発表され、FC東京は主力が殆どチームに残ってJ1復帰を目指すとの報道があった。
降格したチームが容易にすぐに昇格出来るほどJ2は甘いとは決して思わない。しかし私はサンガの1年でのJ1復帰を願う。例えマスコミに取り上げられなくても……

  

日韓対決 ようやく勝利 関東大学選抜 4-0 韓国大学選抜

2010-12-12 | 五輪 U-20, U-17
今年のスポーツシーンはずいぶん韓国に打ち負かされてきた印象がある。
自分が観戦したサッカーの日韓戦は2連敗、バンクーバー五輪で真央ちゃんはユナちゃんに敗れ、スピードスケートも。世界選手権の女子バスケに AFC U-20 。日本ツァーの賞金王は男女ともに韓国人ゴルファー。
一矢報いたのは準決勝戦で歴史的な勝利を挙げた女子ハンドボール。
それから世界選手権の女子バレー、アジア大会での男子バレーボールも。
師走に入りサッカーでようやく韓国から白星をあげるシーンを見る事が出来た。

かつて学生選抜は代表以上に韓国には歯が立たなかった。1972年に始まった日韓定期戦ではその“前座試合”として学生選抜同士の試合も組まれていた。だがその“定期戦”では勝った事は無かったんじゃないかな…
1984年ソウルで行われた日韓定期戦は代表戦では日本代表がソウルで初勝利を収めたけど学生選抜戦では“ユニバーシアード代表候補”チームで臨んだ日本が負けたと言う記憶がある…
だが90年代後半に入り日本学生選抜はユニバーシアードで優勝を続け“急速の進歩”を見せており、韓国学生選抜チームとの対戦でもかなり優位な戦績を収めている。忘れられないのが1995年福岡で行われたユニバーシアード決勝戦。かつて日本を苦しめた李栄武が監督として率いる韓国を日本は破り優勝をした試合だ。学生アスリートにとってユニバーシアードで優勝するのは一つの夢だ…と私の時代は思われていたから本当に素晴らしい勝利だと思った…

晴天そして暖かな12月初旬に行われた日本・韓国大学選抜サッカーフェスティバルの第一戦。関東大学選抜チームが韓国大学選抜チームと対戦した。
学生選手と云えば、永井(福岡大)比嘉(流通経大) らが大活躍し優勝したアジア大会のメンバーには7人の学生選手が含まれていた。
中国のメディアでは“中国の超級(プロ選手)達は日本の学生選手達に完敗した。”と報道していた。

そして来年のユニバーシアードに向けて(だと思う)12月には台湾で全日本大学選抜チャイニーズタイペイキャンプが組まれ18名の学生選抜選手が台湾に向かう前に日韓戦に臨むのだけど台湾と公式に表さずに“ チャイニーズタイペイ ”と表記する事がここでも中国を気にする世相が…この中に含まれる関西学連の選手は DF の寺岡君(関西大)1人だけ。関西勢の更なる前進を祈る…

この日韓国学生選抜と対戦した関東学生選抜チームは秋のリーグ戦で優勝した明治から4人そして中央大から5人国士舘、筑波から3人ずつ選ばれていた。
一方の韓国学生選抜は10月にAFC U-19 での日韓戦に出場していいた GK 盧東建 ( 高麗大 )  MF キムギョンジュン(高麗大)イギジェ(東国大)CBチャンヒョンス(延世大 )そしてボランチの崔成根 ( 高麗大 ) らは含まれていなかった。
ベストメンバーでは無いんだろうなぁ…と思いながら体格はさすがに日本選手よりも一回り大きな選手が多いと言う第一印象であった。

関東選抜キックオフで始まり50秒には左SB ソ・デウォン(韓国国際)がクロスを入れるがそれ以降は以降は関東選抜(全関東)が主導権を握り優位に試合を進める。
3分、FW林(中央)がボランチ中里(流通経)とのパス交換で抜け出すがオフサイド。
4分には 2列目左の三田(明治)が右SBファンソコ(大邱)を振り切りクロスを入れるが惜しくも 184cm 長身のFW瀬沼(筑波)に合わない。
その直後には右SB不老(筑波)がソデウォンを振り切り入れたクロスに三田が飛び込むがここの惜しくも合わない。16分林が中央からドリブル突破しシュートを放つがGKチョンンハンソプ( 青州 )の正面。20分二列目右の田中(明治)が入れたクロスに高い打点から瀬沼がヘッドを放つがこれもGK正面。
全関東は選手がボールを持つと2人目3人目 の選手が連動して動き出してパスコースを作るので良くボールが繋がる。韓国選手は身体がでかくいけど全関東の選手はそれをテクニックで上手くかわしてしまう。特にMF田中は高い技術を見せ、韓国選手は対応できなかった。そして全関東に受け手を塞がれパスが全く繋がらなかった。かつてなら1対1では必ず韓国の選手が競り勝つので日本選手は複数でマークに着かねばず、マークの空いた選手が出て来てそこに繋がれては更にピンチを招くというシーンの繰り返しであったがこの試合では1対1で韓国選手に勝ち目がある様には思わせられなかった。
22分、 SBのファン・ソコがベンチに下がってしまった。開始早々に三田と交錯した時に左足首を痛めた様でベンチに戻って氷で患部を冷やしていいた。これで韓国はボランチのパク・ヒソン(韓国国際)が右SBに入り中盤右だったチョ・ヨンヒュン ( 東亜 ) がキム・ウチョル( 東亜 ) とボランチを組みチョ・ヨンヒュンのいたポジションに替って投入されたキムソンミンが入った。
28分久々に日本ゴール前に攻め上がった韓国は FW ホンジュビン ( 東儀 ) が倒されFKを得てキムウチョルが入れたFKを長身FWイムドンミン( 麟蹄 ) がヘッドで合わせるがGK上福元(順天堂)の正面に。良いと言う訳ではないのだけどこの試合は全関東の当たりの方がきつく倒される韓国選手が多かった。かつては全く逆であったのだけど。

    

キムソンミンが入ってから全関東は2列目の田中と三田の位置が変わったが32分頃からまた元のポジションに戻った。
34分ホンビュヨンミンがチョ・ヨンヒュンからの縦パスを上手く抜け出し受け一瞬GKと1対1になったが戻ってきたCB松岡 ( 明治 ) がカバーに間に合いシュートが撃てない。38分にはチョ・ヨンヒュンが全関東の横パスをインターセプトし前線に繋いでイムドンミンが中央からフリーでシュートを放つがゴール枠を外してくれた。完全な1点ものでこれが入っていれば試合はもっと面白くなっていただろう。
35分過ぎから交替選手のキム・ソンミンが前線に出て来て前での起点が出来た事から韓国が攻勢に出てくる時間が続いた。39分にホンジュビンがシュートを放つがCB 谷口 ( 筑波 ) がブロック。41分にはキム・ソンミンのパスを受けたホン・ジュビンがDF2人を背負ってシュートに持ち込むがポストのわずか右に外れる。
全関東の神川監督(明治)からは中盤が間延びしているのでコンパクトに…との指示が飛んでいた。

    

その後全関東はポジションを修正したのか試合終了間際には2度ほどチャンスを作りロスタイム2分を過ぎて両者スコアレスのまま前半が終わった。

      

前々日に日本に到着したばかりの韓国学生選抜は35分過ぎから攻勢に出て来たが、1985年ワールドカップメキシコ大会予選の韓国の様に30分まで日本に攻めさせて日本が疲れはじめた時間に攻め込んで前半に2点を奪い勝利を収めたがこの韓国学生選抜もそれを考えていたのか…でも前半に得点出来なかったからな…

後半全関東は FW瀬沼に替って吉野( 国士舘 ) を入れる。立ち上がりから韓国が攻勢に出るだろうか..と思っていた48分やや左、中里からの浮球パスを受けた三田が放ったシュートを GK チョンハンソプが弾きこぼれたところを詰めていた林が押し込んで全関東が先制点を挙げた。
韓国ゴール裏には近所の養護学校の生徒さん達が陣取って応援しており大きな拍手が送られた。そしてしばらく熱心な応援が続いた。本当に今日は良い天気で寒くなくて良かった…とこの時ほのぼのと思った…

    

先制を許した韓国は失点直後左サイドから上がったクロスをイムドンミンがヘッドで落としてホンジュビンがシュートを放つがポストの右に僅かに外れて行った。
このナイスクロスを上げたのがイ・ギソン ( 又石 ) 後半開始からキムソンミンに替って投入されていた。ここから韓国は反撃に転じてくるかと思ったが全関東の更なる攻勢が続く。53分には林が中盤からドリブルで突破し最後は強引にシュートに持ち込み外れてしまったが右に田中がフリーで上がっていた。
劣勢の韓国ベンチは55分に DF パクヒソン ( 圓光 ) MF チョ・ヨンヒュンが下がり MF チョ・ミヌ ( 草堂 ) FW チャ・ジョンヒュッ ( 全州 ) を入れる。そしてフォーメーションも替えて来た。 2列目右だったション・ドンジン ( 朝鮮 ) を右サイドバックに下げ、後半から投入されたイ・ギソンは2列目左に入り右にはチョ・ミヌ、投入されたばかりのチャ・ジョンヒョッがキムウチョルと組むもう1人のボランチとなった。
しかし次に得点を決めたのも全関東。58分に中央からボランチ佐々木( 神奈川 )から左の三田に繋がれ入ったクロスを受けた林がそのままドリブルシュートを決めた。韓国はボランチの2人とDFラインが下がり過ぎの様に見えた。DFが下がってしまうのは全関東の個人テクニックに前で対応出来ない為か…

   

61分全関東はボランチ佐々木を下げて MF磯部 ( 中央 ) を入れて2列目左に入り三田がボランチに入った。
62分には林から右サイドを上がった三田が入れたクロスに磯部が放ったショットはゴールポストの当たってGKチョン・ハンソプの手中に収まる。
韓国はMFからのサポートが乏しくFWの2人が完全に孤立してしまっていた。
72分には後半途中から MFに下がっていた FWイム・ドンミンがベンチに下がり ソ・ホンミンが入る。しかし得点の匂いは感じられず。次第にフラストレーションが溜まって来たか中盤のボールの奪い合いでファールが増えて来た。
77分に CB アンヨンギュ ( 蔚山 ) がイエローカードを受け79分にはイ・ハンセムと吉野が小競り合いを始めた。
ベンチの神川監督からは“良いプレーなのに勿体ないぞ..” との声がとぶ。
韓国ベンチからも指示が送られているが何て言っているのだろう…

81分には交替で入ったばかりの安柄峻 ( 中央 ) が吉野からのボールを受けドリブルシュートを決め3点差となった。韓国はトップに入ったソ・ソンミン ( 耽羅 ) のドリブルキープしか攻撃の武器がなくなり全関東は91分にも三田の右からのクロスに安が再びヘッドで合わせて遂に4点目を奪った。

  

韓国相手に4点を奪うなんて 1974年の日韓定期戦と 1999年の五輪候補チーム同士の親善試合くらいしか記憶にないなぁ….. 4分のロスタイムの間にも全関東は得点チャンスがあり振り返れば 5-0, 6-0 となってもおかしくない試合内容だった……

   

2日後同じ競技場で日韓学生選抜戦が行われた。韓国学生選抜は関東大学選抜戦のスタメンから2人選手を替えて臨んだ。韓国学生選抜は22分に FWホン・ジュビンのゴールで先制したが日本学生選抜が34分に富山 ( 早稲田 ) 68分に山本 ( 駒沢 ) そしてロスタイムに石津 ( 福岡 ) のゴールで韓国学生選抜に 3-1 で勝利を収めた。
全日本学生選抜には GK 増田 DF 比嘉 MF 山村 ( ともに流通経 ) そしてFW富田らアジア大会メンバーが含まれていた。
勝ったから云う訳ではないけど、今回の全韓国大学選抜チーム…ベストメンバーだと何人残るのだろう..
韓国学生選抜では定番の延世大、高麗大の選手が含まれていなかった…

競技場からの帰途、赤羽スポーツの森公園競技場内にある屋根付の陸上競技用のトラックを見て自分の現役時代は遠い昔になってしまったんだなぁ…と思った。
そして自分はこういうところで走る機会は無かった、お呼びでなかったのか…と苦笑いをしてしまった。

でも一生懸命やっていたんだぞ…と自分1人で心の中でいきがってしまった…

    

日本男女戴冠 アジア大会を制す 

2010-12-09 | 夏季五輪

11月23日商用で欧州を訪れていた私は最後の訪問地ポーランドの首都ワルシャワからようやく帰途に着いた。
久々に訪れたワルシャワの街の激変に驚きながら、雨の中タクシーで Warszawa Chopin 空港に向かう車中ではラジオがかかっていた。すると運転手が私に “ Korea, war start, both Korea battle each other “ と教えてくれた。また南北間で軍事衝突らしきものがあったか北朝鮮がまた韓国軍に向けて発砲をしたんだろうなぁ…くらいに思っていた。“ Dziekuje, I’m Japanese. “ こう答えると、運転手氏は私に、”Oh you no problem “ と笑いながら云った。
だが翌日に黄海上の北方限界線付近に位置する韓国側の延坪島に朝鮮人民軍が実弾を発砲し韓国民間人にまで被害が及んだことを知った時は本当に驚いた。
そして思った。“アジア大会期間中なのになぁ…”

Warszawa Chopin 空港もすっかり新しくなっていた。初めて来た時はまだヴィザが必要だったけどとっくにそんなの無くても入国出来るようになっている…
搭乗する前に携帯電話でキックオフされたばかりのアジア大会の男子サッカー準決勝戦、日本対イラン戦の経過をチェックする。こういう事が出来る事自体が隔世の思いだ。 しかし6分にイランのアフシンに先制ゴールを奪われていた。今大会日本男子、初の失点だった。さすがに決勝トーナメントにはいると対戦相手は違う。タイは何とか無失点に抑えたが、やはりイランは…と思った。
今大のイランは1次リーグ 4-1 トゥルクメニスタン、 1-0バーレーン、1-0 ベトナム 決勝トーナメントに入って1回戦 3-1 マレーシア、1-0オマーン、5連勝で準決勝に進んで来た。メンバーも U-23 に GK Rahmati, MF Hosseini ら前のワールドカップ予選メンバーを含む over age 選手3人(もう1人は FW Rezaei ) がいる。
他にも FW Ansari Forad Karim の様なA 代表 21caps 24 goal と云う選手も含んでいる。アジア大会も1974、1998, 2002 大会で優勝をしている。釜山大会の決勝戦で日本が敗れた相手がイランだった。苦戦は必至だった。ひょっとしてここまでかもしれないかなぁ..と少し思った。そして搭乗時間になったので機内に乗り込んだ。こういう事も航空機内で知ることが出来る日もそのうち来るだろうなぁ…と思いながら。 

トランジット空港のヘルシンキ空港に到着したのは1時間半後。試合は丁度終わったばかりの頃だった。飛行機を降りて早速携帯を取り出す。すると“日本男子サッカー逆転で決勝進出。”という見出しが目に飛び込んだ。またも思わず握りこぶしを握った。そして呟いた。 “日本勝ちました。決勝進出です。勝ちました。”
我に帰ると周りに日本人が10数人いたのに気が付きの急に恥ずかしくなってすぐ近くの Duty Free Shop に駆け込んだ…… 

 


決勝戦はこれで日韓戦だなぁ…でも今度こそ苦戦するなぁ…朴主永のガッツポーズが浮かんだ、逆転勝利の嬉しさと決勝戦で苦戦する事が入れ混ざり複雑な気持ちになった…でも勝利の余韻の方が強かったかなぁ…

雪のヘルシンキからの搭乗機が成田空港に到着してさっそく売店に立ち寄り決勝ゴールを決めた永井が一面を飾っているスポニチを購入した。そして決勝戦の相手がUAEとなった事を知った。韓国負けたのか…



それにしても UAE は何て粘り強いんだろう。準々決勝ではワールドカップメンバー10人を含む北朝鮮にPK 勝ち。準決勝でも延長戦の末に韓国を降している。北朝鮮、韓国を完封する守備力に対し日本の攻撃陣が得点を挙げられるだろうか、と思った。しかし決勝戦の相手が韓国で無かったので優勝の可能性は大きくなったと思った。

帰国した翌日に行われたアジア大会男子サッカーの決勝戦。
90年代に入り日本はアジアで最列強国となりワールドカップに出場出来たり Asian Cup で優勝を収めたりしたがアジア大会でのタイトルはまだなかった。
今は U-23 の大会となり、かつての様にアジアサッカー界では重要な大会で無くなったかもしれないがここまで来たら優勝して欲しかった。日本が優勝すれば初優勝だけど東アジア勢でも1986年ソウル大会で優勝した韓国以来となる。これまで5大会連続で西アジア勢とウズベキスタンにアジア大会のタイトルを独占され続けていたのだった。
UAE サッカーの印象は一言 “ 粘り強い守備 ” 。1990年ワールドカップイタリア大会では韓国とともにアジア地区予選を突破し本大会出場を決めたが、1次予選を勝ち抜いた6カ国が集ったシンガポールで開催された(一部試合はマレーシアで開催された)最終予選は韓国が頭一つ抜け出ておりあとの5カ国はほぼ横一線。
日本は最終予選には進出できなかったがNHK BS で中継されたこの予選、どこが勝ち抜くか楽しみだった。そして本命韓国と並んで勝ち抜いたのが UAE。1勝4分勝点6でカタール、中国を抑えて2位に入った。その1勝が中国戦。韓国とは最終戦で当たり、韓国はその前の試合で既に予選突破を決めていたと言う幸運も手伝い引き分ける事が出来たのが大きかったと思った。

以降はワールドカップ予選では2度日本の軍門に降り目立った戦績は1996年地元開催の Asian Cup での準優勝くらいであった。
今大会のUAE はU-21 が15人でU-23 の選手が5人のメンバー構成。決勝戦は韓国戦、北朝鮮でスタメンだった FW Al Kathiri と MF Alfalasi がベンチスタートとなり FW Aljenaaiby と北朝鮮戦は出場停止だった MF Al Musabi がスタメン起用された。 
日本は同じスタメン。疲れが心配されたが、UAE は2試合連続で120分試合をしていたのでまだ疲労は日本の方が少ないかと思った。
UAEは今大会、引分けた初戦の香港戦 ( 1-1 ) でゴールを許したが、以降は無失点。試合前日本は先制を許すと逃げ切られて勝てないと思った。そして最も警戒すべきはこれまで2得点のサイドバック Bloushi Abdula と3得点の FW Aljenaibyだと思った。

試合はUAEが立ち上がり攻勢に出て来た。特にMF Al Amoudi の前線へのロングパス、ミドルパスが効果的。3分 DF Bloushi のスローインを受けた Al Amoudi が入れたロブに FW Al Musabi が園田と競りながらゴール正面から走り込むが僅かに届かなかったが危ないシーンだった。
更に5分にもFKから Al Amoudi がゴール前にいれるが僅かにフリーの Al Musabi に届かない。その1分後園田が右サイドでAl Musabi を倒して与えたFKを AL Amoudi が中に入れるが走り込んだ MF Al Hammadi が空振り。9分には FW Al Jenaby とのパス交換で右サイドから抜け出したAl Moudi が逆サイドに振りFW Al Alabry がオーバーヘッドシュートを放つがGK安藤の正面に。
UAEは中盤でもパスを繋いで来て時折ロングボールも入れるがそれを日本DF陣が跳ね返してもそのクリアーボールを拾われてしまいまたUAEの攻撃にさらされる。
前線は永井と中盤が寸断されてしまいシュートに持ち込めない。そしてUAE DF陣はマークに着くのが早い。さすがに永井は簡単に捕まらないが、山崎がボールを持つと2人、3人とすぐに囲んでしまう。恐らくUAEは日本は北朝鮮、韓国ほど攻撃力が無いと見て、何とか先制ゴールを奪って後は強固なDFで逃げきろうと思ったのではないか?
それでも17分にカウンターから山崎がドルブル突破で上がって来て DF Albalooshi にファールで止められ、19分には左サイドを永井が水沼とのパス交換で抜け出しシュートを放つと日本もリズムを掴みだした。
と、思うも23分には Alabry が實藤をかわしたところを永井が戻ってチャージに入ったプレーがファールにとられ与えたFKを Al Hammadi が放り込むと Almusabi が走り込みヘッドで合わすが GK 安藤がナイスセーブで防ぐ。34分には Al Amoudi が日本ゴール前に縦パスを入れ、一旦は左サイドに出され、再び入ったクロスを Alabry が後ろに戻し走り込んだ Al amoudi が正面から放ったショットはクロスバーを越えた。前半途中から Al Amoudi が左から中に入って起点になりボランチの Al Hammadi が攻撃に絡むようになってきた。日本も35分に山口のドリブル突破がAl Hammadi のファールで止めれれ得たFKを水沼が直接狙ったがポストの左に外れ、43分には中盤から UAE ゴール前にいれられたボールに永井が走り込みダイレクトで惜しいシュートを放つなど押し返したが全般的にUAEが優勢に試合を進めた前半であった。
シュート数は UAE が4に対して日本は 2。枠内シュートは UAE が 2 に対して日本は 1 であった。 

    

準決勝では韓国に一方的に押されていたらしいが、決勝戦のUAE は攻撃する時間も長く DF も押し上げて来れるので、その裏をとる反撃が出ればと思った。
そして地元中国の観客のブーイングもよく目立っていた。

後半に入って開始早々の48分、 Al Musabi が中盤から右サイドをドリブルで突破、山崎、比嘉をかわして入れたクロスを Alabry が放ったシュートはポストに当たりその跳ね返りがGK安藤にあたり再びポストに当たりまたも安藤に戻って来て奇跡的に失点を防いだ。前半から何度もゴールを割られてもおかしくないシーンが続いていた。 50分には Albalooshi が山崎からボールを奪いミドルを放つがポストの右に外れて行き、62分には Alhammadi がCK から Al Amoudi とのパス交換で上手く抜け出しシュートを放たれるがここもGK安藤がストップ。64分には Bloushi が真ん中から抜け出し放ったシュートはまたもGK安藤がセーブ。 この試合の殊勲者は間違いなく安藤だった。
観客席からは UAE が攻撃時は歓声が上がり、日本が攻撃に転じるとブーイングが起こる。 それでもスタンドには日本人サポーターの姿も見られ、時折テレビからも“ニッポン、ニッポン” の歓声が聞こえて来た。これはテレビを見ている私でさえ勇気付けられた。
そして72分左CKを得た日本は水沼がまず東に渡し再びPA付近でボールを受けた水沼が逆サイドにクロスを送ったところを實藤がフリーで受け放ったショットが逆サイドゴールネットに突き刺さり、北朝鮮、韓国が奪えなかったゴールを日本が奪った。 實藤のポジショニング、トラップ、シュートの一連の動きも素晴らしかったが水沼のクロスも素晴らしかった。 彼の父親が現役時代、何度か日本代表の為にゴールを挙げた事を思い出した。


先制を許した UAE は失点から2分後に Al Musabi, Al Jenary を下げて Al Kathir と Al Shehhi を入れる。 Al Shehhi は長身選手。真ん中に入り左に Al Arby 右に Al Jenary が入り最前線は3トップに。 82分にはクリアーボールを拾った Al Balooshi がすぐに前に送り Al Shehhi がヘッドを放つがポストの左に外れる。だが、Al Shehhi の高さを生かす攻撃はこのシーンくらいであとは中央からスルーパスを狙うシーンが続く。
だからかえって日本がピンチを招くシーンが減り、日本の攻勢が見られる様になった。 特にFW永井は最後まで UAE DF 陣に走り負けする事なく終了間際に2度UAEゴールに迫るシーンがあった。 4分あったロスタイムも守り切りウズベキスタン人の Kovalenko 主審の試合終了のホイッスルが鳴り響き、日本サッカーが今大会男女揃っての金メダルを勝ち取った。 

 

男子サッカーは対戦相手に恵まれた、とも言われているが初戦で中国を 3-0と撃破する事など誰も予想出来なかっただろう。タイもイランも U-23をベースにした構成。 UAE は U-21 をベースにして選手達で主力はイエメンで行われていた Gulf Cup of Nations に出場していたが GK Housani Ali Khasei は over age でワールドカップ予選の第一代表GK。 AFC の大会と異なり世界大会への予選を兼ねた高いでは無く各国の力の入れようも揃わなかったが、日本チームは大会への準備期間も皆無に等しく、マスコミからの注目もあまり高くなかった中でも快挙は高く評価されるべきだ。
そしてこのアジア大会では中国、韓国に大きくメダル数で水を開けられたがサッカーは男女揃って金メダルを勝ち取った事で“一矢を報いた”といえるだろう。 

 

“あの時(アジア大会)はよかったな~、と後で思わない様にこれから頑張りたい。” 大会得点王の永井がこう語っていた。大学生7人を含んだこのチームのメンバーが更に飛躍し五輪、ワールドカップメンバーにどんどん入っていく事を願う。

それにしてもよく決勝戦に残ってくれた。私がテレビで観戦出来た唯一の試合が男子の決勝だったから….

大会後地元中国紙より

日本で造り上げた事が自信を与える

11月25日アジア大会男子サッカーの決勝で日本が UAE を 2-1 で降し金メダルを勝ち取り。銀メダルは UAEそして韓国が銅メダルを獲得した。香港が全体の12位に入り、中国は10位に終わった。

實藤のゴールで勝利を収めた後の記者会見で節か監督はこう語った。
まず最初に対戦相手の UAE を彼らは大変タフであったと称え、この日の日本の出来は普通であった事とサポートしてくれた人達を大変感謝していると述べた。大会に就いては毎試合終了ごとにその試合を分析し次の試合に備えた。我々は常に同じ目標を持っている事を確認しあってその目標に向かって努力を惜しまなかった。
それが日本のやり方で、大会に参加した選手達は皆精一杯プレーしてくれてその事に大変感謝している。

決勝戦に就いて尋ねられると、試合前に選手達に中盤でのチェックを厳しくするように。特に10番Al Musabi と27番Al Amoudi の2人は要注意だったがDF陣は良く対応してくれて耐えてくれた。と答えた

決勝ゴールを決めた實藤は“決勝戦でゴールを決められて大変嬉しい。なぜなら準決勝のイラン戦では少なからずミスを犯してしまったからだ。だから決勝戦ではそれを取り返したかった。ゴールを挙げられて本当に嬉しかった。我々のチームはコミュニケーションが非常に良く取れているこれが勝利のカギとなった。五輪に出場する為に日本代表にならねばならない。この様に語った。

日本がアジア大会のサッカーで金メダルを勝ち取ったのは初めてである。この大会での経験を関塚監督はどうやって生かすのだろう? “私にとってアジア大会での優勝は大変嬉しい結果だが、最終目的では無い。将来は更に上を目指していくように努力していきたい。” この様に結んだ。

張路:日本の様になるには20年はかかる。


中国では著名はサッカー解説者である張路氏は今大会を振り返ってこの様に語った。アジア大会はエキサイトな大会だった。そして今大会は今のアジアの様相を反映していた。大会には多くの有望な選手が見受けられ、準決勝、決勝戦では3,4人の今後のアジアサッカー界を担う様な選手達が見られた。
日本が男女ともに金メダルを勝ち取る事は予想できなかった。女子は比較的レベルが高いと思われていたが日本男子はあくあまでもベストなチームでは無かった。それでも対戦相手に勝ち続けられたのは日本のサッカーのレベルが高いからである。長年を掛けて人気を得て若い選手育成に成功しここ何年間で日本の進歩は着実に効果を出している。見ての通りに日本サッカーは多くの支持を受けそれが進歩の要因となっている。そして各年代で多くの優秀な選手達が生まれており、その見通しの良い将来性のある選手達と我々は対戦せねばならない。

また決勝戦で敗れはしたが UAE は決して日本よりも劣ったレベルでは無かった。
彼らは日本ゴールに何度も押しかかりむしろ日本より優位に試合を進めていたが幸運に恵まれなかった。彼らもまた大きなライバルとなるだろう。

アジア大会を通じて中国サッカー協会の指導者達は中国サッカーのステータスを理解してほしいと思う。今のアジアでの位置づけを良く理解し、これからどうやってその地位を上げて行くかを考察せねばならないだろう。

良い試合をしたが勝てなかった UAE 監督

決勝戦後UAEの Redha Mahdi Ali 監督と MF のAl Musabi が記者会見に臨んだ。 Redha 監督はまず最初に優勝した日本チームを称え祝辞を送った。そして潜在能力を見せたUAE の選手達にも賛辞を贈った。

この日の試合に就いては、と云う記者からの質問に対し
“準決勝戦よりは良いパファーマンスであった、しかし日本のゴールを破れなかったと語った。 選手達は決勝戦を楽しんだと思う。そして観衆を満足させられたとも。我々の攻撃陣はゴール前まで何度も迫ったがあと一歩及ばなかった。 彼らは良くやってくれたが結果が出なかった。それがfootball だとおもう。

アジア大会での UAE のパフォーマンスはあまり多くの人が予想していなかったのではないかとの問いには Al Musabi は
”対戦相手はどこも大変強かった。韓国戦などは我々の攻撃機会が無いくらい攻め込まれた。しかし我々はゴールを上げる事が出来た。それはアジア大会でメダルを勝ち取った事で証明出来た。 我々は五輪予選を突破出来る事を願っている。この大会の結果によって一度失った自信を取り戻せる事を期待している。

アテネ五輪予選では UAE と同組だった。また同組になっても日本が勝ち抜いてくれることを信じよう.....


ワルシャワで聞いた吉報 なでしこアジア大会制覇 !!

2010-12-04 | Football Asia

11月22日、9年ぶりに訪れたワルシャワの早朝は曇っていた。
そして昼前から雨が降り出して来た。日中でも気温は10度まで上がらなかった。
氷雨のワルシャワの中心街を歩きながら携帯でアジア大会女子サッカー決勝戦の結果をチェックする。

    なでしこ北朝鮮を破り金メダル   

と云う見出しが映し出された。

よしっ !! よぉぉぉ~っっし !! ナデシコ !! ナデシコ !! 拳を握りこう叫びはしなかったけど、声には出した。
ついにアジアの公式大会で優勝を飾った。AFC主催でないのでオーストラリアは出ていないけど…

前回はPK 戦で北朝鮮に敗れていただけに、今回は優勝というよりも北朝鮮に勝てたことが嬉しかった。海外に商用で訪れている時ほどこういう日本代表の快挙に力づけられる事は無い。それはサッカーに限らず。ドイツ訪問時に
“来年はなでしこが来ますからね。今から楽しみなんですよ。” 
こう話す現地の邦人の方がおられた。彼もこのニュースを聞いてさぞ喜ばれた事と思う…… そして早く帰ってこの試合を見たいなぁ…と思った。

   

会社の同僚に録画をお願いしたアジア大会女子サッカーの決勝戦、普通結果の解っているスポーツの録画試合ほど面白くは無いものだが、こういう録画試合はいつでも歓迎だ。
なでしこも北朝鮮も3日前の準決勝戦は120分を戦っている。北朝鮮は準決勝の韓国戦ではスタメンだった李芸に替って17歳の全明花がMFでスタメン起用された他は同じメンバーだがなでしこは準決勝の中国戦と同じスタメン。1次リーグの北朝鮮では終了1分前に投入された矢野が右サイドバックでスタメン起用された。
北朝鮮は先述した全明花とこれまで3得点の羅恩心が1次リーグではベンチスタートだったがこの試合はスタメン起用された。特に羅恩心は準決勝の韓国戦では延長戦に入って2連続ゴールを挙げたストライカーで金英愛と2トップを組んだ選手。
 5月に中国で行われたワールドカップ予選を兼ねたアジアカップの1次リーグでも両者は対戦しているがその時は既に1次リーグ勝ちぬけを決めた後の試合でなでしこは欧州組みの宇津木、永里、安藤は起用されたが澤が起用されなかった。
そしてこの試合のスタメンの中では交替出場選手も含めて矢野、近賀、上尾野辺、宮間、熊谷ら5人が起用され、北朝鮮は MF 許恩別以外はすべて5月のアジアカップで日本戦を経験していた。

テレビ中継が始まった時は前半20分あたりだった。
大野が後方からのパスを上手く受けバウンドを利用してマークに入った鄭福深の前で強烈なシュートを放ちネットを揺らすが残念ながら弾道が直撃したのはサイドネットの外側だった。
そしてここから北朝鮮が攻勢に出てくる。ロングパスは早くて正確。そして中盤から後ろの押し上げも早い。日本がクリアーしたボールも直ぐに拾うのは北朝鮮の選手達。日本選手にボールを入っても寄せが早い。そして北朝鮮のDF、MF 陣は戻りも早い。17歳の許恩別、全明花は積極的に攻撃に絡んでくる。なでしこのエース澤は守備に腐心して前に出て来れない。
37分、金英愛が左サイドから上げたクロスから李芝が正面からヘッドを放つがGK山郷が左に飛んでナイスセーブ。その弾いたこぼれ球に全明花が走り込むが左サイドバックの上尾野辺がフォローに入りクリアー。 

42分にも金英愛が右から入れたクロスが熊谷の足に当たり金貞心の足元にこぼれるそしてそこから放たれたミドルはクロスバーを直撃する。 

観客席の一角には恐らく他の競技の北朝鮮選手団が陣取り声援を送る。
そして北朝鮮が攻撃に転じると地元観衆から大歓声が沸き上がる。“加油 !! “ の掛け声も当然北朝鮮選手団に向けてのものだ。ここにも反日教育の成果が表れているが、最後に彼奴等を黙らせてくれたのか、と嬉しく思っていると前半はスコアレスで終えた。シュート数は日本が4本に対して北朝鮮は3本だったけど試合内容は北朝鮮が優位に進めていた。

 

後半に入っても北朝鮮が試合をやや優勢に進める。しかし先に動いたのは北朝鮮ベンチ。MF金貞心を下げてベテランの李芸を入れる。
56分、大野が全明花に倒されイエローカードが出される。そしてそこで得たFKのこぼれ球を拾った高瀬がシュートを撃つが惜しくも外れる。
前半の大野のシュート以来初めて見た日本の攻撃らしい攻撃だったがそれよりも印象的なのはFKの時に聞こえた“ニッポン!ニッポン!”の声援。現地邦人の方達だろうか….試合終了後には彼らの勝利の歓声が鳴り響いた。

60分から再び北朝鮮の攻勢が展開される。李芝が阪口のマークに入る前に上げたクロスにCB熊谷、岩清水の間に割って入り羅恩心がヘッドを放つがクロスバーを越えた。61分には左からのクロスを受けた金英愛が後ろに戻し走り込んだ李芝が放ったミドルはポストの右に外れ、62分には右からのクロスをキャッチしようとした山郷に金愛英が体を寄せボールをファンブルして倒れるそのこぼれ球を拾った羅恩心のシュートは日本DFに当たってゴールラインを割ったが、これはキーパーチャージではと思わされたプレーだった。63分には上尾野辺が羅恩心を倒してFKを与える。李芸が入れたFKは中央に走り込んだ趙燕美と李英愛が交錯して倒れ誰にもボールは触れられなかった。 

劣勢続きのなでしこは64分上尾野辺に替って鮫島を投入するがこの選手起用が試合を左右した。これで北朝鮮の右からの攻撃をシャットアウトし北朝鮮の攻撃を大きく低下させた。そして北朝鮮の運動量が落ちて来た事により中盤でスペースが出来始めた。
そして73分、高瀬が栄貞仙に倒されて得たFKを宮間が中に入れるとGK洪明姫がパンチングでCKに逃れると再び宮間が入れたCKにCB岩清水がヘッドで合わせ見事に北朝鮮ゴールを割り決勝点を挙げた。崔英心と栄貞仙がゴール前に上がっていた澤の動きに惑わされマークが中途半端になったところを上手く岩清水が入り込み決めた見事なヘッドだった。 

  

     

先制を許した直後、北朝鮮ベンチは全明花を下げて金卿花を、83分には金英愛を下げて175cmの尹賢姫を入れるが金卿花も尹者姫も1次リーグの日本戦でスタメン起用された選手達。尹賢姫がトップに入り高さを生かして落としたところを羅恩心らが拾ってと云う戦術なのだろうが李英愛を下げてくれたのは助かったのではないか?

  

北朝鮮女子の金光民代表監督が映し出される。あのドーハでのワールドカップ予選では右サイドバックの選手だったが相対した勝矢に完封された事を思い出した。

なでしこの佐々木監督も82分に近賀を下げて川澄、89分にはFW大野を下げて北本を入れる。そしてロスタイムが4分と表示される。そんなに時間が止まっていただろうか??これも反日の影響かもしれない。
91分、CKから173cmのCB崔英心がヘッドを放つが僅かにポストの左に外れ、93分には左サイドから逆サイドのフリーの李芝に送られる。そこに熊谷、鮫島の2人が必死に戻りシュートを撃たせないが、あの距離からでも李芸がミドルを放っていたら解らなかった。
そして49分13秒、タイ人の Kamnueng 主審のホイッスルが鳴り響きなでしこのアジア大会初優勝が告げられた。

オーストラリアはいなかったが、北朝鮮、中国を降してのタイトル獲得は大きいと思う。しかも安藤、宇津木、永里といった欧州でプレーする選手抜きで戦った大会だった。だが何と言っても中国で開催された大会で中国を倒して決勝に進出し“アウェー”の中で勝ったことは嬉しかったし、その精神力には来年のワールドカップに向けて期待させられた。

女子サッカーの世界ではアジアの大会は結構ハイレベルだと思うけど今大会を見ると優勝した日本が決して頭一つ抜け出しているという訳ではなく、最近は韓国女子も急速に力を付けて来ている。今後の勢力図はどうなるだろう…..

アジア大会が終えて来年の女子ワールドカップの組み分けが決まり世界ランク5位の日本は23位ニュージーランド ( 6月27日 ) 、22位メキシコ ( 7月1日 )、10位イングランド ( 7月5日 ) と同組になった。何とかベスト8以上の期待が高まる。 

来年は5年ぶりにドイツでワールドカップ観戦を楽しもうか….

だけど家族にどういって説得しようか….これからゆっくり考えるとしよう。