Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

EURO2012 残すところ僅か2試合  やはり欧州は面白い

2012-06-29 | EURO Football
ワールドカップ最終予選開始とほぼ同時期に始まったサッカー欧州選手権 EURO2012 もあっという間に準決勝戦と決勝戦をを残すのみとなってしまった。スペインの決勝進出が決まり、世界王者スペインへの挑戦権を得る為に今夜前回の雪辱に燃える?ドイツがイタリアと対戦する。
それにしても EURO は本当に面白い。1次リーグからドイツ対オランダ、ポルトガル対オランダ、スペイン対イタリアといった対戦がある。今やワールドカップでは出場国がかつての2倍に拡大された事から(だから日本も出場出来る様になった?)これだけのレベルの試合がそう多く望めない。ただ日本は当然だけどこの大会は部外者。 大会の“中”に入って行けない寂しさはあるけど。
それだけに傍観者の一人としてただ楽しむ事は出来る。だけど Asian Cup だってもっと全アジア的に盛り上がって欲しんだけどなぁ….
それからポーランドとウクライナが開催国というのも隔世の思いだ。 初めて行った外国がポーランド。(その前日にパリでトランジットスティしたけど。)それは80年代の末。あの時の事を思い出したらここで欧州選手権が…想像出来なかった。
昨日ドイツの地元紙にイタリア戦に望むドイツ代表 Joachim Löw 監督のインタビューが掲載されていた。準々決勝のギリシア戦のFW3選手総入れ替えの事等にも触れられていたなかなか面白かった。




"Die Zeit ist reif, gegen Italien zu gewinnen" イタリアに勝つ為の機は熟した

独占インタビューの中でJoachim Löw監督は Bastian Schweinsteiger が起用出来るかどうか、リスクを覚悟でプレーをすることを続けること等に就いて語った。 Joachim Löwは最初のエスプレッソをブラックでのみ、少なくとも5人のコーチ達は1日1杯はエスプレッソをのむよと語った。チームのホテルには自前のエスプレッソマシンが持ち込まれている。Löwは EURO2012の準決勝戦を前にあたかも地元 Freiburg のカフェに居る様であった。
前夜彼はPK戦に迄縺れ込んだイタリア対イングランドでイタリアがドイツとの準決勝戦に勝ちあがってくるのを見た。
6年前にアズーリと対戦した時、Löwは Jürgen Klinsmann のアシスタントコーチだった。そしてその試合後Löwは監督に昇格した。

‐ Mr.Joachim Löw、率直に最初に準決勝でイタリアとの対戦が決まった時最初に何を思いましたか?2006年の夏、ドイツの夢物語が終わった時の事を思い出しましたか?

Löw:全く思わなかった。2011年2月 1-1 で引き分けたイタリア戦の事を思い出した。そこで相対したて見たのは新いイタリアだった。 それはそれ以前では見られなかったイタリアだった。 Cesare Prandelli 監督のもとイタリアは全く違っていた。今のイタリアは予想されるかつてのイタリアよりもずっと攻撃的だ。

‐ イングランド戦のPK戦で見せた Andrea Pirlo の巧妙なPKに就いてどう思いますか?

Löw:素晴らしいの一言だ。 PK戦で劣勢に立っているチームを立ち直らせる、まさに目を見張るものだった。

‐ ドイツの選手達も同じ事を許しますか?

Löw:ボールがゴールに入る限りは。 普通ボールをゴールの中央に蹴り込む事を試みる事でさえ安全なオプションとなる。Pirlo のは単に強いシグナルだった。“まだまだ我々は挽回出来るんだ。”と云う。 その直後のイングランドの選手はショットをクロスバーにぶつけ、 Ashley Young のPKはセーブされてしまった。それはその前には考えられなかった。




‐ イタリアはドイツの天敵であると思いますか?これまでワールドカップ、欧州選手権では7回対戦してまだ勝った事がありません。そして今(親善試合を含めて)3連敗中です。

Löw : 我々がいつもイタリアに苦戦しているのは事実です。しかし今は違います。イタリアに勝つ為の機は熟しました。

‐ Prandelli 監督は今回は苦戦必至と考えている様です。 ドイツの方が2日間インターバルが多かったとかで。

Löw:これまでイタリアはフィジカルの点では不利であると思った事がありません。彼らはよくプレーしました。イングランドとの準々決勝戦でも彼らは明らかに相手を支配していました。彼らは決して脚がふらついていたり調子が悪かったとは感じませんでした。中3日あれば充分に疲労から回復できます。だから我々が明らかに有利だとは思えません。

‐ ならば Prandeli の戦術的な試合になるのでしょうか?

Löw:それは解りませんし気に掛けていません。 Prandelli はかつてドイツの様な攻撃的で年齢バランスの取れた若い選手を多く使うチームが理想と語っています。 彼はよく成功しています。そして準決勝戦ではどちらが有利かと云う定義は有りません。 イタリアは強固な守備と攻撃とを続けられる非常にバランスの取れたチームです。

‐ 攻撃選手の一人 Mario Baloteli は予測不能な選手です。 アイルランド戦ではゴールを決めた後に他の選手が Balotelo がチームのコーチに侮辱的な言葉を吐くのを防ぐために彼の口を塞ぎました。 もしドイツチームにこの様な事態がおこればどうなりますか?

Löw: 解りません。我の事に就いては新聞で読んだだけです。こう言う問いに答える為には彼の人間性を知らねばなりません。サッカー選手としては彼は大変良い選手です。素早くゴールを上げます。特別な才能を持った素晴らしい選手でしょう。

‐ しかし明らかに難しいキャラクターですが。

Löw: そうですね。明らかに彼はコーチが望まない事を引き起こす選手でしょう。しかし私は Pandelli と Balotelli の関係は常に順調と信じます。



‐ 悲しい事にあなたはまだ彼の様な選手がチームに不在であると思われますが。

Löw:勿論。チームを統一させるのはメンバーを選抜するのに重要な要素となりますが特別な選手が入る余地が無いと言う訳ではありません。

‐ 専門家達は欧州選手権のレベルに就いて悲観的です。 あなたはスペクタクルな試合は今やそれほど重要で無いとお考えですか?

Löw: (しばらく考え) これは私を難しくさせる瞬間だ。 1次リーグではハイレベルのチームが敗退しました。 ロシアの様に私が予想しなかったチームが敗れました。 準々決勝戦に進出したチームでそれほど高いクオリティーを持っていなかったのがギリシアでした。 準々決勝戦では試合のペースは速いと思いました。 トータル的にレベルは良いと思いましたが、スペクタクルとは思いませんでした。

‐ ドイツは1次リーグ全勝でギリシア戦も4-2 で勝ちました。 これには満足ですか?
Löw:全ての試合に批判は受けました。 ギリシア戦では相手のプレッシャーを受けず5,6回のミスパスをしピンチを招きました。2失点を喫する前にも我々はあまり良くはありませんでした。 全体として我々は早くに主導権を握り、対戦相手により多くのプレッシャーを与え続けようとしています。 しかしギリシア戦の攻撃陣に就いて言えば前のデンマーク戦よりはずっと良い動きでした。 だから少しは改善出来たと思います。しかし初戦から4連勝は明らかに嬉しい結果です。

‐ 悪いパスからくる問題は Bastian Schweinsteiger から起こっていた様に見えました。そして彼自身しきりに自己批判を繰り返していました。しかし同様に足首の怪我が彼を悩ませているとも話してました。 彼に就いてはどうですか?

Löw: 彼はいま2日間練習を休みました。足首は今はかなり小さな問題になっています。 基本的に彼のスタミナには納得しています。彼は長い距離を走れます。 最近の試合で Schweinsteiger の欠けているのはスピードとダイナミズムです。それらは次の試合でやって貰わねばならないことです。
‐ 彼は同じ様にもしあなたが決めたならベンチに座るだろうと言っていました。

Löw:いいえ。もし彼の脚が問題がないのであれば、彼をあきらめはしません。もし彼が練習量を減らさねばならないのであれば別の決定をせねばならないでしょう。

‐ギリシア戦では Lukas Podolski とThomas Mueller をスタメンから外すと言うサプライズを見せました。 替えられない選手は何人いますか?

Löw:今あなたにはメンバーリストは見せられない。 遂に何人かの選手をある試合で試す事が出来て嬉しい。 他の試合でh他の選手を使えた。 それは常にその時の事情による。 ギリシア戦では異なった質を持った Marco Reus と Andre Schuerrele の2選手を Podolski と Muller の替りに両サイドで起用した。 

‐ どの様にしてこの様なスペクタクルな起用を決めたのですか?

Löw デンマーク戦後に考えた。“今我々は何をしているのか?” 他の攻撃のハイライトに就いて長い間考慮しており早い段階で計画を立てていた。 そして対戦相手がギリシアと解った時にすぐにギリシア選手達のプレーがより抽象的になった時に。 ギリシャ選手達は専守に終始するだろう。それはゴール前では殆どスペースが生まれないと言う事だ。 我々は限られたスペースでプレーせねばならない。どういうタイプの選手が必要だったか?例えば Marco Reus は俊敏な動きを見せる。 Andre
Schuerrle は1対1に強い。 Miroslav Klose は Mario Gomez よりもコンビネーションプレーを得意とする選手だ。 私は彼ら攻撃的な3選手を前線に置いた。

‐ 4選手も替えるのは普通ではなくあなたはリスクを取りました。もしこれが失敗したらどうなるかと訊ねられませんでしたか?

Löw : それは私にとってリスクではありません。トレーニング中の選手を見て彼らは信頼できると解りました。 例え1人のコーチがその後何が起こるかを案じようともこの時はそれを振り払わねばなりません。 私は常にそれが起きたらどうなるのかと自問します。そしてもし自分が止めた時に何が起こるかと。 もしギリシア戦に敗れたら。とにかく、批判されていたでしょう。

‐ どれだけの間あなたはコーチをやっていられますか?例え解雇されても。

Löw;まず経験を積む事だ。 私は前にリスクを冒す多くのコーチに仕えて来た。 それは私の中で常にそういうコーチであれと促すものだ。 私はリスクを冒す事を好む。何故ならそれはそんなに悪い事ではないからだ。 

‐しかしそれは批判を受ける易い事でもあるとわかっていますよね。

Löw ; 私は常に批判を受けやすい。何をやっても。しかし私はミスをするコーチと共にこの仕事を行わねばならない。しかし今大会中にメンバーを替える事は多くの考えの下に決めた事だ。私は誰をいつどういう状況で起用するかを考え続けている。

‐ Lukas Podolski やThomas Mueller の様な選手にどうやってスタメンから外す事を教えたのでしょうか?

Löw : 両選手とも大変なプロフェッショナルだ。何故なら彼らはまだ自身を伸びる余地があると思っているからだ。  Mario Gomez は恐らく少しはがっかりしただろう。 彼はそれまで3ゴールを上げていた。そしてこの瞬間にも100%スタメンであると信じていただろう。 しかし彼はベンチスタートを受け入れた。

‐ このリスクを楽しむのはどのコーチをベースとしていますか?

Löw: 選手として私は多くのコーチがミスをすることを案じる2部リーグの選手だった。それは常に不機嫌な私をクレージーにさせた。 これは信じがたいセキュリティーな考えだ。 私は常にそれに押し込められていた。 それで私は個人で決定すると言うリスクを持って試合に臨んでいた。選手としてでさえ私はハイリスクと楽しみを持っていた。 つい最近私の意見は確認された。
私は選手達にはもっとリスク覚悟で試合に臨んで攻撃的になって欲しいと思う。我々のCBは常にリスクの高い縦パスを出す。横には出さない。 さもなくば私がそこに入り隣にパスを出すだろう。(笑い)

‐ 準々決勝戦で見せた様なサプライズを準決勝戦でも準備していますか?

Löw: 勿論試合のプランは持っている。 選手達のやり方は替える気はない。 重要なイタリア戦に向けて我々の哲学通りに臨む。問題はどの選手がこれに合っていて、イタリアの弱点は何であるか?そして我々の中で誰が有利を齎してくれるか?
あなたは驚く事だろう。

‐ EURO2012 で優勝すればベルリンでセレモニーを行いますか?

Löw : まだ Oliver Bierhoff とその事に就いて話していません。 後で話ましょう。

イタリア戦のキックオフまであと数時間。 スペインの決勝戦の相手はドイツかイタリアか??


Lクラシコは世界最高峰の試合 あぁ贅沢だぁぁぁ… 日テレべレーザ 0-1 INAC神戸  10th June 2012

2012-06-24 | Women's Football

ロンドン五輪が約1カ月後に始まる。五輪開幕が近付くにつれてなでしこ達に金メダルの期待がかかる。初戦は開会式の2日前だけど。 これまで球技で金メダルを期待するなんて70年代の女子バレーが定番だった。90年代に入り野球が期待されたけど金メダルは獲れなかった。 それから女子のソフトボール。素晴らしい活躍で金メダルを勝ち取ってくれた。 そして欧州勢の圧力により種目から外されてしまった。こういう種目こそ日本から世界に情報を発信して欲しいんだけどなぁ…

昨年のなでしこが女王に戴冠してから一斉に彼女達にスポットが当たり女子サッカーを取り巻く環境が劇的に改善されている。
それでもまだ多くのサッカー少女達が中学に進学後に競技を続ける機会を見つける為に“並大抵以上の努力”を払い続けている。
中学に入ってバスケットやバレーボールを続けるのにそんなに労力必要とするか?むしろ中学から始めるンとちゅうんか?
女子サッカーだけ、いやそういう種目も他にあると思うけど、どうも競技によって待遇にばらつきがあり過ぎると思う。

例えば俺が中学の時は練習試合でも勝った事無い野球部の連中が随分人気あった。俺は水泳部で市の大会でも上位だったぞ…
なのにあまりもてなかった。 ( 全く関係ないか?)

私が高校の時、近くに西山高校と云う女子高があった。今でも稀だけど、70年代の当時サッカー部があってテレビ局が取材に来ていた。何度かそのテレビ番組を見たこともある。 全国大会の常連だったらしい。通学沿線は同じだったけど残念ながらそこのサッカー少女とのロマンスは皆目可能性もなかった。( 当たり前か?)

今年、我が郷土の高槻FCが復帰したなでしこリーグの前半の大一番。日テレべレーザ対 INAC神戸の試合が東京国立競技場で行われた。この試合は今シーズンのスケジュールが発表れた時から楽しみにしていた。 これを楽しみと云わずして何を楽しみとするのだろう?愛する京都サンガとFC高槻の試合以外…
なでしこリーグ関係者の試合後の話では、この試合を“ Lクラシコ”と銘打つ等してはどうしても国立競技場で行いたかったらしい。
それはメキシコ五輪後3万人を集めた三菱対ヤンマーを再現したかったと思う。 欲を言えば公式発表では 16,663 人だった観客数は2万人台に乗せたかったか?それでも世界中で女子の試合でこれだけ集められる試合なんてあるだろうか? これまで何十年に亘っての関係者の努力の積み重ねだ。更なる観客数の向上を願う。

メンバーが超豪華だ。昨年のワールドカップ優勝メンバーが澤穂希をはじめGK海堀、DF近賀、田中、MF大野、川澄(以上 INAC 神戸 ) べレーザの方にもDF岩清水、MF阪口そしてFWマラドーナ岩渕と9人もピッチに出て来る。 ロンドン五輪に向けたメンバー候補35人中13人が両チームにおりスウェーデン招待遠征メンバーにも9人が含まれている。
世界女王(王者)のメンバーがこれだけ揃うクラブレベルでの試合なんて世界中の女子はおろか男子でさえこう言うカードはBarcelona対 Real Madrid 以外あるだろうか?
ここまで首位を行く INAC 神戸は7勝1分、2位を行く日テレべレーザは6勝2分。なでしこが戴冠後はなでしこメンバーを多く擁する INAC 神戸にばかり世間一般の注目が集中するが澤穂希を始め近賀、南山、大野らもべレーザ出身。女子サッカーを支え続けたのはべレーザと云う自負はあるだろう。




                                 GK 1海堀あゆみ170/64

          2 近賀ゆかり    5甲斐潤子  4 田中明日菜    3 高良亮子
             161/53         162/54       164/52           158/51

                                       8 澤穂希 
                                        165/54
                        7池笑元                      11 高瀬愛美
                        161/50                         164/60 
       
          10 大野忍                                           9 川澄奈穂美
             154/50                                                157/49 

                                  21ゴーベルヤネズ 173/64

                        9 永里亜紗乃                13岩渕真奈
                          165/58                          155/52

          11木龍七瀬                                          10伊藤香菜子
             161/51                                                160/51

                         7原菜摘子                  20阪口夢穂
                           155/44                       165/58

            4 須藤安紀子   23土光真代    22岩清水祥子   6 有吉佐織
                165/60          161/49          162/53         159/52

                                 GK 1 松林美久 168/55




べレーザのキックオフで始まった試合。見所は澤を中心としたコンビネーションの神戸にマラドーナ岩渕がどれだけ対抗出来るか?
開始早々に澤の縦パスのアーリークロスを近賀がヘッドで折り返し173cmのコーベルと岩清水が競り合う。さすがにこの試合、先発予想の南山千明に替って起用されたアメリカからの助っ人選手コーベル・ヤネズは前半はその長身で存在感をみせていた。ただ時間が経つにつれ岩清水を中心としたべレーザDF陣もしっかり対応。なでしこリーグのレベルの高さを見た様な気がした。
13分25秒にはチ・ソヨンから大野にパスが入りシュートレンジに持ち込むが土光、岩清水がマークに入りCKに。その後にも近賀から高瀬に繋いでコーベルがシュート体勢に入る。 それまでの繋ぎは見事だった。 




予想のフォーメーションでは大野がワントップで2列目左に高瀬、右に川澄がはいると思われていたがこの日は大野、川澄が両サイドに。高瀬はボランに入った。そのぶんロンドン五輪でなでしこのオプションが増えるか?



立ち上がり劣勢だったべレーザだったが25分を過ぎると徐々にペースを掴む。その中心となったのはマラドーナ岩渕のドリブル。
26分51秒、伊藤からボールを受けた岩渕がフリーでドリブルシュートを放つが甲斐がブロック。29分4秒には原からボールを受けた永里がゴール正面に出したパスに岩渕が再びフリーでドリブルシュートに持ち込むがGK海堀がナイスセーブ。 33分43秒には永里のスルーパスを受けた木龍が近賀のマークを受けながら放ったショットはGK海堀の正面に。



その直後にも左サイドを須藤と木龍で崩し岩渕のシュートを導く。  30分過ぎから木龍、須藤、原の3選手で随分左サイドを突破してくると思ったら木龍は代表候補に上がった選手だった。



7分30秒、岩渕は何と澤に激しく反則気味にタックルを入れる。このプレーには澤は主審にファールをアピール。岩渕は何事も無かった様にボールを追う。このプレーを見た時これで岩渕はロンドン五輪メンバーに近づいたか…と思ったけど。



みどころ多かった前半はスコアレスのまま終わった。しかし岩渕は最後のプレーで脚を痛めてしまったらしく後半からはベンチに下がり田中美南と替ってベンチに下がってしまった。 後でテレビで見たけど本人はかなり悔しかったらしく野田監督に随分慰められていた。 
岩渕、そして京川舞。彼女達に“まだこの次があるよ。”と声を掛けるのは今は酷だろう。誰が云うか解らんけど。

前半終盤に掴んだペースをそのままで後半に臨みたかったべレーザだったけど岩渕が下がってしまったせいか、前線への推進力が弱まった見たいだった。 そして攻守に渡って澤の動きが更に鋭くなって来た。彼女の動きを見ているだけで入場料金の下は取れた様な気がした。しかしS席にすればなでしこの上田監督や釜本邦茂氏のサインを貰えたかもしれないなぁ…..
そして59分先制点が神戸に。大野からボールを受けた川澄がドリブルでべレーザゴールに迫り最後は右SBの有吉が倒してしまい千葉主審はペナルティースポットを指す。 これで得たPKを川澄自ら左側に決めた。 



大野から川澄へのパス。男子で言えばシャビからイニエスタへのパスに匹敵するか?
PKを献上するファールを冒してしまった有吉だがスウェーデン遠征に参加しスウェーデン戦ではスタメン出場を果たした。

先制を許した“ホーム"のべレーザであるがここから反撃にでる。66分には神戸の波状攻撃を凌ぎ一気にカウンター攻撃に出る。
69分にも中盤からバイタルエリアにボールを繋いで最後は伊藤からボールを受けた田中美南がシュートに持ち込むが海堀がストップ。 その直後のCKから坂口がヘッドを放つが惜しくも外れる。
やや押し込まれ始めた神戸は74分に高瀬を下げてアメリカ人選手 Rebecca Ann Moros ことべッキーを投入し前線をコーベルと2トップにし前線からプレスを掛ける。これで澤が少し前に出て来た。



するとべレーザベンチは77分に永里を下げてMF小林弥生を入れて中盤を厚くし田中美南の1トップにすると、神戸ベンチも池笑元を下げて南山千明を入れ、澤とボランチを組む。 こうしてべレーザは中盤でボールがなかなか回らなくなって来た。 逆に78分にはコーベル、べッキーの助っ人コンビのパス交換かでシュートを放たれるがGK松林が右に倒れてキャッチ。 終盤には阪口を前線に上げる等べレーザも攻撃の枚数を増やす等その後は両者チャンスを掴むがゴールを奪えず神戸が1-0 のまま逃げ切った。

試合終了と同時に拍手が沸き上がる。 そして試合後は五輪に期待がかかる澤が神戸サポーターの前に来ると更なる歓声が。 観客動員数は昨年の記録 17,812 人を上回れなかったが五輪で好結果を出して更なる興隆が見られる事を祈る。 そして高槻の残留も…


豪日戦後のオーストラリアの報道から….

2012-06-23 | 夏季五輪
Brisbane での一戦から瞬く間に10日間が過ぎた。 ワールドカップ予選3連戦の途中から始まった EURO2012 も準々決勝を迎えるがあのオーストラリア戦、いつも自分が陥ってしまう“燃え尽き症候群”は今回も“健在”である。
まぁ自分ひとりで勝手に燃え上がって、燃え尽きているんだけど。
アウェー戦1試合を含む3試合で勝点7は上場の滑り出し。
次はイラク戦に向けて….といっても俺がすることは何にも無いんだよなぁ…..


Neill lauds grit and determination

ワールドカップ2006年大会で日本を逆転で破ったあの有名な試合から丁度6年後のこの日、Socceroos の主将である Lucas Neil はその試合で見せた不屈の精神を見せよとチームメイト達を鼓舞しブリスベンで当面のライバルである日本との一戦を 1-1 の引き分けに持ち込んだ。
先週の金曜日マスカットでのオマーン戦を引き分け、ハードな移動を経てホームに戻りオーストラリアはワールドカップ予選のキーとなる日本戦に臨んだ。しかし開始11分で中盤のキープレーヤー Mark Bresciano を軟部組織の挫傷の為に交代を余儀なくされ、替わって投入された Mark Milligan が退場となり更に1点を失いながらもアジアでベストチームから勝点1を掴むと言うことをやってのけた。
Socceroos は2試合を終え勝点2しか挙げられていないが、思われているよりもいい状況にあるはずだ。
日本はそれよりも勝点5上回っているがホームゲームを1試合多く行っている。
ホームのオーストラリアは試合終盤には Sasa Ognenovski のシュートがクロスバーの下に当たるなど勝てるチャンスさえ掴んでいた。しかし Neil はこのスケジュールの下でチームが果たした成果は満足していると述べた。
“試合前に我々はある関心を集めただろう。そしてタフな2週間だった。中東で試合をする事はテレビで見ているよりずっとハードなものだ。我々は今夜ファンタスティックなチームとしてプレーをした。そして勝利を盗み取っただろう。そう我々は勝利を得たであろう。不運な失点を喫したが最後は少しはオージースピリットを見せる事が出来ただろう。"
Socceroos の Holger Osieck 監督は選手達が大変な不運を克服し勝ち点1を死守したその頑張りに誇りを露わにした。
大変な状況下のオマーンでの試合をこなしオーストラリアに移動し、この日選手達が1人少ない中で見せたものは表現が出来ない。 私は最初から後ろに下がりたくはなかった。日本にプレッシャーを与えねばならなかった。 我々は日本がどの様にプレーするか解っていた。 構えていて彼らがプレーを始めてから対応する事は大変なミステークだ。我々が日本にプレッシャーを掛けたかった事は明らかだった。しかし早い時間に Bresciano を失った事は分だった。なぜなら彼は後に我々が失ってしまった創造性の要素を配していた。
しかし Osieck は正当なゴールチャンスを掴んだ Marl Milligan が内田篤人にまったく無害なチャレンジをしたと思われたがその彼にこの日2枚目となるイエローカードを示した主審のジャッジには怒りを残していた。
それは全く疑わしい主審の判断だ。 Milligan は明らかにボールに行っていた。そして内田に触れもしていなかった。内田はボールに飛びこんでいた。私はどの様にして Milligan がカードを受けたのか解らない。それは私の理解を越えたものだ。
Osieck は“多くの思い通りにならない事”が主審のジャッジで起こったと語り、後半、栗原が Alex Brosque を抱え込んで得た反則は“恐らくそれだけが”オーストラリアが受けた有利な判定であった、と語った。
かつての Socceroos のGK であった Mark Bosnich は試合後に Milligan の退場を“国際レベルで見た最悪の判定。”と述べた。
この試合で今年 Socceroos で最高のパフォーマンスを見せた Tim Cahill はワールドカップ予選では Blue Samurai からそんなに多くのチームが勝ち点を奪えない事を考えれば、これは貴重な勝ち点であると語った。
“これは最高の勝点だ。退場者を出して試合が替ってしまった事を考えれば良い結果だ。 我々は素晴らしい選手が揃った素晴らしいチームだった。我々はお互いに信頼し合う事が出来た。

あの”カイザースラウテルンのショック”から6年。本当に早いものだ。 Socceroos のスタメンであの日プレーしたのは Schwarzer, Neil, Wilkshire, Cahill, Bresciano。 Milligan はベンチで出番はなく、スタメン起用の Kewell は出番なし。そして途中出場だった Kennedy も出番なし。 世代交代が上手くいていないのか、あの時の選手達がそれだけ偉大なのか?これだけ悪条件の揃っていたオーストラリアに勝てなかったのは少し残念か?
いつになったら公式試合でオーストラリアから90分で勝利を得られるのだろう?



Take it as red, this is some rivalry

Socceroos は昨夜日本に勝てなかったが名誉ある引分けと云うことであれば、これはベストなチームの対戦であった。
先週金曜日のオマーンとのスコアレスドローに続いて、このチームがどれだけやれるのか、そしてこの old guard がワールドカップ予選をやり通せるだけの充分なエネルギーがあるのかどうかと云う問いが沸き上がった。その証拠として、彼らは使えるだけの燃料を持ってブラジルに上陸するだろう。ここで見せた様なプレーは昨今の Socceroos のパファーマンスを思い出させるだろう。そしてその一方で何人かは技術的な能力や戦術的な能力、決断力では戦えないとも批判されている。
まず最初に対戦相手を見てみよう。 欧州やアジアのクラブのスター選手を擁した日本はオーストラリアを打ち負かしにやって来たと期待された。彼らはそれをやろうとしたがディフェンスを引き裂くパスは激しいタックルと前に突き進む事で止められた。日本がたくらんだ事は、オーストラリアは無効にしそしてより反撃に転じた。 仕舞に試合週ろ湯のホイッスルが鳴り、 40,189人の観衆はついに息を吐く事が出来た。
そのアクションは気も狂わんばかりだった。
もし不利な面があったとしたらそれは日本選手の潜在的なプレーをピッチコンディションが邪魔をするという事であっただろう。 Yevgeny Kafelnikov はかつて Queensland Sport and Athletic Centre のコンディションをDavis Cup 後に“ジャガイモ畑”と表現した。その様な感想は Suncorp Stadium では場違いでは無かった。そこにはかろうじて土よりも芝が多かったがオージーたちには丁度良かった。
Socceroos は試合開始から少しして Mark Bresciano が負傷をするという危機に遭い、 Holgar Osieck 監督を慌てさせた。 Carl Valeri が既にスタメンに名を連ねており、より明白に守備的感覚を齎す Mark Milligan が投入された。そして彼は投入後11分で警告を受けた。
試合が型どおりに落ち着こうと危ぶまれる度に、あるインスピレーションまたは失策の瞬間によってそれが打ち破られる。 日本の忍耐強いビルドアップは時としてオーストラリアのカウンター攻撃を招きその逆もあった。
ホームチームの2トップ、 Tim Cahill と Alex Brosque はオーソドックスでは無く多くを示した。特に Cahill は怒れる義勇軍兵士であった。 彼は全てに挑み自身を嫌な存在に下。彼らは何かを証明したいかの様なプレーを見せ、Josh Kennedy を抑えてスタメンで起用され、恐らく何かを見せただろう。
しかしもし Cahill がこの日の様なプレーを続け昨夜彼が相対した- 特に日本の 今野と栗原のペアー相手に – 見せた様に相手を悩ませ続ければ彼が再びスタメンで起用されないと言う理由はどこにも見当たらない。
しかしながらオーストラリアが勝利を掴もうとすると言ういくらかの希望は、例えその後のリプレーでひどく不運だったと証明されてものの Mark Milligan が2枚目のイエローカードを受けておさらばした。
しかし試合は予想に反して5分後に内田篤人がCKjini Brosque を抱え込んだのを見つかった時にドラマチックに降り出しに戻った。そして主審はイエローカードを発行し、より重要な事に PKを与えた。 Like Wilkshire はミスする事は無かった。
彼らのチャンスが生き返った事がまた感じられた。 Socceroos は勝者に向かいそして Sasa Ognenovski がクロスバーの下を叩くショットを放った瞬間には勝利が感じだれた。最後に栗原が退場となったが既に結果は決まっていた。

Bresciano は3次予選の最終戦、サウジアラビア戦から代表に復帰した。それだけタレント不足なのか? A-League のレベルはなかなか上がらず、欧州でプレーするオーストラリア選手達の中でレギュラーを確保できている選手が年々減っている。
替って J-League, K-League でプレーする選手が増えている。
その一方で欧州でプレーししかもレギュラーポジションをしっかりとキープする日本人選手が増えてきた。 
個々の選手能力を比較しても、そして試合前のコンディションを比較しても、試合内容も....勝てるチャンスだった。それを引き分けに持ち込むのはホームチームの意地だったか?



Socceroos' golden oldies prove the fight is still there with battling draw

2006年ワールドカップドイツ大会の対日本戦で最も征服感の高い勝利を収めた日から丁度6年後のこの日、 Socceroos の黄金世代はその最も激しいライバルに対して偉大な激戦を披露した事からまだ充分な命が宿っている事を明らかにした。
彼らは試合には勝てなかったが Brisbane の Suncorp Stadium で行われたワールドカップアジア地区予選の大一番の日本戦を1-1の引分けに持ち込み精神的な戦いでは勝利を得た。 交替出場選手の Mark Milligan が2枚目のイエローカードを受けて退場となってからの最後の35分を10人で戦う事を強いられ、65分に日本のスーパースター本田圭祐が素晴らしくお膳立てしたチャンスを最後は栗原勇蔵が決めて日本が65分に先制点を奪った時はオーストラリアは危機に立たされた。
しかしオーストラリアに蓄えられた勇気を深く掘り下げ、 Socceroos はそのたった5分後に著名な Socceroo のGKで今はテレビ解説者である Mark Bosnich が“これまで見た中で最悪の判定”と表現された疑わしいPKを Luke Wilkshire が決め
て同点に追い付いた。 オーストラリアの Alex Brosque がCKの際に相手DFに身体を抱えられたという判定だった。
1人少ないにも関わらずオーストラリアはそれで試合を締める事はせず期待されなかった勝者となるべくヴィジターの日本に対してプレッシャーを与え続けるエネルギーを見つけ出した。
残り15分となりオーストラリアは勝機さえ見つけ出し、終了直前には Luke Wilkshire のFKがGK川島英嗣の素晴らしいセーブによって防がれその前の77分には Sasa Ognenovki のショットがクロスバーを直撃した。
それは最初の2試合を連勝で飾り9得点を挙げ失点を許さなかった日本から勝ち点を上げる事は予想出来ないと言う underdog ( 勝ち目の薄い側 ) であると言う予想を払拭させるホームチームの堂々としたパフォーマンスだった。
今週はオーストラリアのベテラン選手達は既に全盛期は過ぎていて若くて技術が高くスピードのある日本選手には対応できないと批判され続けていた。 しかし Tim Cahill, Carl Valeri, Wilkshire, Ognenovski そしてLucas Neill らが導いた様に彼らはまだ終わっていない事を証明した。
Holger Osieck 監督は選手達への称賛の言葉を失っていた。“それは indescribable (表現出来ない ) 素晴らしい。”感情的になった Osieck は云った。“先週金曜日は45度の中でプレーした後に長時間の行程を経てホームに帰ってくる事は信じられない事だ。 しかしこれはオージースピリッツだ。それは我々が長期に渡り知っていた事だ。”
Neill は Osieck のコメントに呼応した。“試合前に我々はある関心を集めただろう。そしてタフな2週間だった。我々はファンタステックなチームとしてプレーをした。そしてレッドカードの出され方に就いて充分に気をつけねばならなかった。
運な失点を喫したが最後は少しはオージースピリットを見せる事が出来ただろう。観衆の後押しを受けて勝利を目指す事が出来た。もし我々が勝ち続けて、日本も勝ち続ければ両国ともワールドカップブラジル大会に出られるだろう。我々はそこまでこれている事が解った。
オマーン戦では起用されずこの試合ではスタメン起用された Cahill は素晴らしいプレーを披露し何故彼がチームにとって重要なのかを示した。 かれは自分のハートを持って走りまわり、ヘッディングでは競り勝ち激しくタックルを浴びせピンチになる度にカバーに回った。 この週は選手キャリアーの岐路であるとほのめかされた悪くない選手であった。
“我々は祖国の為にプレーしたなぜなら我々は愛しているからだ。結果は我々にとって充分だった。我々はチームを作るが出来た。偉大なチームでお互いを信じる事がただ必要なチームを。”
Osieck は先週のオマーン戦から選手を一人だけ替え、 Cahill を Brosuqe と組む前線においた。これは Harry Kewell にはポジションが無いと言う意味であった。
ゲームは2つの事故によって変わった。 最初は開始10分に Mark Bresciano の負傷を負い2つ目は55分に Milligan に出されたレッドカードでそれは Osieck の決定が明らかに間違っていたと言う事であった。
それは日本に彼らのセンスを集約させ素晴らしい技術を持った本田圭祐や Manchester United の香川真司らを通じてオーストラリアにプレッシャーを与え始めた。
そして本田の秀でた技術のプレーにおりゴールが演じられ彼らはあたかも日本がワールドカップで勝利を得た様に祝福しあった。
日本人が何年にも亘って学んで来たように誰もがこの試合を貰った考えた事に疑いは無かった。しかし Socceroos は敗北を知らなかった。

Australia 1 (Luke Wilkshire 70m pen) Japan 1 (Yuzo Kurihara 65m) at Suncorp Stadium. Referee: Khalil Ibrahim Al Ghamdi. Crowd: 40,189.

So much for being too old, too slow and no longer good enough. (年寄りには大変すぎる。遅すぎるもはや値しない )
試合前にはこう言われ続けていた。実際に2010年ワールドカップが終われば選手の総入れ替えがあると思っていた。おそらく2006年大会の様に1次リーグを突破して入ればそうなっていただろう。しかしそうでなかったばかりに....
日本相手にオマーン戦で温存された Kennedy を使うワントップを起用すると思ったんだけど。 そして Emerton がこの試合にも合流しなかった。 しかし Brosque があれだけやるとは.... 日本は彼の育ての親となったかもしれない。





Holger Hails His Heroes

Socceroos のHolger Osieck監督は Suncorp Stadium で行われた日本とのワールドカップ予選の試合を1-1 で引き分けた自分チームの選手達を称えた。
“今夜我々のチームが見せた事は信じられない事だった。彼らが大変な苦労の中いかに戦ったか、いかに色々とこなしたかを表現する事は難しい。 試合前我々はお互いをリスペクトしている事を知っていた。そしてこの選手達で出来る事をその通りに示唆した。
我々は日本だけでなく他のチームにもメッセージを送る事が出来た。
Osieck 監督の試合前の戦術はゲームメーカー Mark Bresiano が13分に負傷でベンチに下がる事を余儀なくされ、その交替選手として投入された Millingan が退場となった時 Osieck は彼と共にオーストラリアの勝利は消えて行くと思った。
“開始早々の選手交替はネガティブな印象を与え、攻撃の機会を限りあるものとさせ、後半は戦術変更を余儀なくさせた。
1人少ない事で日本の中盤はボールをより動かせるようになりそして我々の抵抗が試された。 我々の闘争精神が報われた事が嬉しかった。
Osieck はKhalil Al Ghamdi 主審が脚を高く上げたという判断から Milligan に示した2枚目のイエローカードに就いて批判をしている。 
“あれはけっしてファールでは無い。リプレーで見ても確認した。
“Milligan はボールを蹴ろうとしていた。そして彼は後方から走ってくる内田が見えなかった。あれは断じてファールではない。何故なら彼は全く内田に触れていないからだ。 私は主審がどこから見ていたか知らないが、私の位置からは決して危ないプレーでは無かった。”
そしてTim Cahill と Alex Brosuque が攻撃で見せたコンビネーションに印象づけられた事も語った。
“彼らは前線で大変効果的なペアーだ。特に Alex がチームに齎したものは特別に秀でたものであった。 この2人が共にプレーするのは初めてでみた。 また新たな攻撃の選択を持つ事が出来て嬉しい。”

     


Tim Cahill: Now Stop Bagging Us!

オマーン戦はベンチで過ごしたTim Cahill 日本戦ではスタメンで起用されその強烈なパフォーマンスを見せ代表に必要な選手と思われる様に。
オマーン戦のスタメンでは27歳の Alex Brosque が最年少の選手だった。しかしそれに就いて Cahill は何の関心も示さない。“その質問にはうんざりだ。 そういうたぐいの事を聞くのはもううんざりだ。 我々は国の為にプレーしている。何故なら祖国を愛しているからだ。 我々は批判される為にプレーしているのではない。あなた達は football を支持すべきで我々への批判を止めるべきだ。”
Cahill は得点こそ上げられない事を残念がったが日本と 1-1 で引き分けた事には満足していた。
“私がチャンスを創ってゴールを上げると言う事は今夜は残念ながら出来なかった。しかしチームプレー、それに徹した。
これは良い結果であった。我々はよく戦った。退場により選手が1人少なくなった事は不運であったがホームの寒中の前でプレーする事は偉大な事で我々は素晴らしいパフォーマンスが出来た。
それはタフな試合であったが我々はプロフェッショナルで何人かは世界でも屈指のリーグでずっとプレーしている。私はこの日本戦を楽しんだ。そして他の選手達も楽しんだ。結果を残せなかったのは少し不運ではあったが。“
Cahill は付け加えた。 “私はレッドカードは厳しいと思ったがそれは Football で起こった事だ。 ある判定によって不快になる事があるがそれは受け入れて次に行かねばならない。 結果は大きな事であったがそれに上積みせねばならない。それは良い結果で退場は成り行きを変えた。 我々は素晴らしいチーム、選手を擁した。我々はただお互いを信じれば良いだけで選ばれた事を確実にするだけである。”



Lucas Neill は Cahill の感想に呼応し、Blue Samuri にも賛辞を送った。
我々は引き分けたが、もし我々が勝ち続けて、日本も勝ち続ければ両国ともワールドカップブラジル大会に出られるだろう。
日本はファンタスティックなチームでこれまで対戦した中でベストな日本代表チームだった。もしお互いに切磋琢磨出来れば世界の列強とのギャップを詰める事が出来るだろう。 しかし選手達を信頼しよう。我々は大変優れたチームと戦いそしてスピリッツを見せた。10人になってまらでも全選手がファンタスティックであった。“



天敵 Cahill に Asian Cup に続いてゴールは許さなかった。しかし彼1人で状況をがんがん打開されていた。
来シーズンも Everton でプレーするかはまだ確かではないらしいが....

Neill はこの後どこでプレーするのだろう?出来れば J-League に来ないか?彼の様なCBは今の J-League には少ない。
それだけ若い日本の選手にとりよい対戦となると思うんだけど。

CahillもNeill も試合後は素晴らしいスポーツマンシップを見せた。 Viduka と違って。

私のこの試合の最も後悔したことは現場観戦しなかったことだ。

次に対戦するのは来年6月。これは絶対に外せない。しかしもうこの時は日本はワールドカップ出場を決めている事を願う。
そしてさいたまスタジアムで試合がある事を。 前に見た横浜はみにくくてたまらんかったから。でもその前にイラク戦か?

Man of the Match はサウジアラビア人主審  Australia 1-1 Japan 12th June 2012

2012-06-16 | 夏季五輪

時計はロスタイムの3分を過ぎて93分28秒になっていた。もう笛が鳴るかなぁと思った。遠藤から清武に送られ本田に渡った。ドリブルで Australia PA付近に迫る。すると Cahill が後方からチャージに入り本田は転倒すると Khalil Al Ghamdi 主審のホイッスルが鳴る。いい加減に Cahill にイエローカード出せよ、と思うが絶好の位置でのFKだ。
これがラストプレー。入らなくても勝ち点1。 ワールドクラスの本田のFKをアジアで1,2を争う Schwarzer がどう対応するか。
非常にしびれる場面だった。

“これはチャンス。はいんじゃぇえ?” 一緒にテレビを見ていた息子が言う。
“そうやな。サヨナラFKになるんとちゃうか?”
“これ決めたら本田が一番ハンサムだ。” と意味不明な事を息子が言うと
“何言ってんのよ。 内田でしょ?”と嫁はんが反論する….そして家族でテレビ画面を凝視すると……

試合終了のホイッスルが鳴った。  

時計は94分10秒になっていた。 何とも言えない幕切れ。呆然とする本田のところに Cahill が歩み寄りユニフォーム交換を申し出ている。 ザッケローニ監督は第4審判に猛抗議をしたらしい。 
最後のFKは蹴らせないといけないんじゃないか?息子が訊いてくる。 PKだったら完了しなければならないけどFKはそうじゃない。本田が蹴ってゴールに届く前にホイッスルが吹かれたらそれでも試合終了だ、と説明する。

1978年ワールドカップアルゼンチン大会。1次リーグのスウェーデン対ブラジル戦。 1-1 の同点で迎えたロスタイムにCKのチャンスを迎えそのCKからヘディングシュートが決まった。しかし Clive Thomas主審はCKが空中にある時に試合終了のホイッスルを吹き、そのゴールインを無効にした。 Rivelino を始めセレソンの選手達が主審に詰め寄る。 しかし主審は腕時計を指さし毅然とした態度でタイムアップを主張する。 このヘッドを放った選手があの Zico だった…..

同様の事は8年後のワールドカップでも見られた。1次リーグのパラグアイ対イラク戦。 パラグアイ 1-0 とリードで迎えた前半終了間際イラクがCKのチャンスを迎えそのCKから Amaiesh がヘッドをパラグアイゴールに決めたが、CKが空中にある時に前半終了のホイッスルが吹かれ、試合はそのまま 1-0 でパラグアイが勝利を収めた。 

そういう事に比べたらずっとましだし、日本は勝点1を確保した。これはワールドカップ予選でまだ試合は続く。アウェーで、しかも当面のライバルAustralia 相手の引分けは悪くは無い、そんな事を息子に説明した。

しばらくして息子はこう言った。  

この試合の Man of the Match はレフリーじゃねぇ??

それ良いなぁ。 頂くわぁ…..

嫁はんはやっとサッカーが終わった事を確認し、チャンネルをさっさと替えてしまった…..

久々の家族でのサッカーテレビ観戦であった….

ワールドカップ予選前半戦の山場、アウェーのAustralia 戦。通算対戦成績は6勝6分7敗。  Brisbane Sun Corp Stadium で開催されたこの試合。今まで何度も脚を運んだ事のある球技場なのにこんな試合を現場で見られないなんて….と思いつつ日本がAustralia 大陸で対戦した戦績を思い返した。
確か1956年のメルボルン五輪の1回戦で対戦しておりその時はオーストラリアが 2-0 で勝利を収めた試合がオーストラリア大陸での対戦も含めて対オーストラリア初対戦では無かったか? 以降、1968年。日本がメキシコ五輪前の強化試合の一環として同年3月末にオーストラリアに遠征し、オーストラリア代表と3試合行っており1勝1敗1分だった( 2-2 at Sydney, 1-3 at Melbourne, 3-1 at Adelaide ) この試合の事は尊敬する元 Socceroos の Johnny Warren の著書 Sheilas, wogs & poofters にも書かれていた。 エース釜本が初戦と第3戦に2ゴールずつ決めた。
それから28年後の1996年2月。 加茂監督下の日本代表は2月19日から香港で開催される Carlsberg Cup に出場する為の準備としてオーストラリア合宿を敢行。当地でAustralia 代表と2試合行い1勝(2月10日 4-1 at Wollongong )1敗 ( 0-3 at Melbourne ) だった。 日本代表にはキングカズの他に井原、小村、相馬、山口、そして名波らがいた。Australia は Alex Tobin, 3年前にワールドカップ予選でマラドーナ擁するアルゼンチンと戦ったメンバー Paul Wade, それから Aex Tobin Josip Skoko, 神戸でもプレーしたマシュー=ビングリーらがいた。高木琢也が初戦で2ゴールを決めたが Kazu Goal は生まれなかった。

2年後1998年2月。日本は初めてワールドカップ出場を決めたフランス大会に向けてオーストラリア合宿を行い2月15日 Adelaide でAustralia 代表と対戦。中田英寿のPKと平野孝の2ゴールで 3-0 で勝利を収めた。この時オーストラリアはあのMCGの悲劇の3カ月後。監督もテリー・ベナブルズのままで選手もAustralia 国内組ばかり。それでも後に AC Milan でプレーしたゼリコ・カラッチ、アレックス・トビン、そしてブレッド・エマートンもこの試合に出場していた。
そして記憶に残っている2009年6月17日にワールドカップ予選でMCGで対戦し 1-2 で敗れるのだけど、オーストラリア大陸での通算成績は日本の2勝4敗1分….になると思う。このワールドカップ予選では何とか3勝目をと期待した。
そして競技場は違うけど Brisbane は シドニー五輪の時の1次リーグでブラジルと対戦した地でもある。

日本では3日のオマー戦以降ヨルダンを大破した事もあり連日ワールドカップ予選の報道が続いた。日本代表が現地入りした模様も連日伝えられたが在留邦人の方の話によると9日に Suncorp Stadium で Wallabies がテストマッチを行が行われ ( vs Wales 27-18 )、試合前日と当日にも雨が降りグランドコンディションはサッカーをするには悪かったらしい。

日本は予想通り オーストラリアはワントップのスタメン

怪我で離脱した吉田に替わって栗原が起用された以外は3試合連続同じスタメン。 スタメンイレブンのうち栗原、遠藤、今野、前田以外はすべて欧州でプレーする選手。これだけ海外組が多いメンバーでワールドカップ予選に臨んだことはあっただろうか….
欧州のシーズンオフ中に3連戦できることは幸運なことだろう。
一方の Socceroos は私の予想に反してJosh Kennedy のワントップではなく Cahill と Brosque の2トップ。右SBに札幌でプレーする Jade North が入り、 Luke Wilkshire が2列目右に。 Brett Holman は結局6月のワールドカップ予選2連戦には合流しなかった。 ボランチには Carl Valeri が Mark Bresciano と組んだ。共に攻撃的選手。 スピード不足のBresciano は日本戦には起用されないと思ったんだけどなぁ….
左MFの Matt McKay は現在K-League釜山でプレーするが地元 Brisbane 出身。2005-11 の8シーズンでここをホームとする Brisbane Roar で131試合プレーし18ゴールを決めた。2010-11 には A-League Grand Final にチームを導き見事優勝を果たした。 Asian Cup 2011 から代表でも Brett Emerton からポジションを奪いまさにかつてのホームグランドに凱旋を果たした。

                                             GK 1 Mark Schwarzer ( Fullham )

                    13 Jade North    2 Lucas Neil    6 Sasa Ognenovski    11 David Carney
                        ( 札幌)              ( 城南 )          ( ex-Al Jazira )       ( FC Bunyodkor )

                                 16 Carl Valeri                              23 Mark Bresciano
                                  ( Sassuolo )                                    ( Al-Nasr )

                    8 Luke Wilkshire                                                        17 Matt McKay
                  ( Dynamo Moscow )                                                         ( 釜山 )

                                                                                20 Alex Brosque
                                                                                       ( 清水 )
                                     4 Tim Cahill
                                     ( Everton )

                                                        18 前田遼一 ( 磐田 )

                      10香川真司                    4本田圭祐                               9 岡崎慎二 
               ( Manchester United )       ( CSKA Moscow )                       ( Vfb Stuttgart )

                                    7遠藤保仁                                    17長谷部誠
                                    ( G大阪 )                                    ( Vfl Wolfsburg )

                       5長友祐都       15今野泰幸           16栗原勇蔵              6内田篤人
               ( Internazionale )       ( G大阪 )             ( 横浜FM )             ( Schalke 04 )

                                                         GK 1川島永嗣 ( Lierse )

この日のスタメンだけ見ると Socceroos は欧州でプレーするのが GK Shcwarzer と Valeri, Cahill の3人だけ、 J-League でプレーする選手が2人いてベンチにも Kennedy ( 名古屋 ) Mark Milligan ( JEF 千葉 ) 更に2人いる。 DF4人はすべてアジアのクラブでプレーしている(またはしていた)選手達。 A-League でプレーする Kewell, Archie Thompson ( 共に Melbourne Victory ) はベンチ。日本は欧州組が7人に J-League 組が4人。 隔世の思いがする。



Soccroos が押す前半...

オーストラリアのキックオフで始まった前半。 35秒にはロングボールが Brisque に渡り Cahill を経由して Carney に送られミドルを撃たれる。 ゴール枠を大きく外れたが開始早々にシュートに持ち込むあたりはオマーン、ヨルダンとは段違いに強い相手と再認識させられる。日本も1分57秒に岡崎が裏に抜け香川からボールを受けチャンスを掴むが、立ち上がりはオーストラリアの攻勢が目立つ。4分13秒には Valeri がミドルを放ち、5分29秒には Ognenovski のクリアーボールのこぼれ球を拾った Valeri を拾って Wilkshire に繋ぎ前線のCahill へ。Cahill は栗原を背負いながらシュートに持ち込む。 
立ち上がりからオーストラリアは2列目の McKay と Wilkshire が上下に早く動く。 後方からロングボールを Cahill, Brosque に放り込み、こぼれたセンカンドボールを Valeri の早い押し上げがサポートしバイタルエリア付近まで攻め込む。 Valeri は前日まで別メニューで出場が危ぶまれていたらしい。 
立ち上がりやや押され気味だった日本は6分59秒、香川が遠藤からの縦パスのリターンを受け前線に入り込んだ本田に。本田はPAの外からワンバウンドのミドルを放つと GK Schwarzer はキャッチできずに前にこぼす。このこぼれ球は Carney がコーナーに逃れ、本田のショートCKから長谷部が入れたクロスに岡崎が Wilkshireの前でヘッドを放つがゴールには届かない。 
オーストラリアは高さだけでなく試合序盤は攻守の切り替えの速さも見せた。 20時間の移動の疲労はホームゲームにはそれほど影響なかったか??



11分53秒、オーストラリアにアクシデントが起こる。 Bresiano が負傷し Mark Milligan と交替でベンチに下がってしまった。全盛時は2列目のサイドからガンガンクロスを上げていたんだけど、今年2月のサウジアラビア戦で久々復帰してからはボランチの位置に入っていた。 これでSocceroos は J-League でプレーする選手が3人ピッチに立つ事に。この交替は以降の波乱のきっかけになるとは....

     

Socceroos は Wilkshire が Asian Cup 2011 の時の様に効果的なクロスを入れてくる。前線の Cahill はボールを受ける時の強さと上手さを見せる。時にはDFを抑え込み、時には上手く倒れてファールを貰う。 Brosque はボールの受け方、受けるポジションに入るのが上手い。 また North は右サイドを攻守に渡り上手くケアーする。 Wilkshire と North のサイドが良いので長友が前の2試合と異なり上がって来られるシーンが少なく、香川が中でプレーする時間が続く。 



18分59秒、オーストラリアが決定的なチャンスを作る。 Milligan のロングフィードが PA 内に入ったCahill に渡り、 Cahill がヘッドで落としたところを Neil が走り込み GK をかわしてシュートに持ち込もうとするが撃てない。しかしそのこぼれ球を無人のゴール前で拾った Brosque が栗原を背負いながらシュートに持ち込むが必死に戻った内田がクリアーしCKに。 テレビを見ていてゴールインされたかひやりとしたシーンだった。 



その後のMcKay が蹴ったCKを川島が落としたこぼれ球を拾った Carney がミドルを撃つが前田に当たってゴールには至らない。  Carney の利き脚ではない右脚でのシュートだった。

21分40秒にはカウンターから Cahill がドリブルで持ち込んだところにチャージに入った栗原にイエローが出される。 日本DFラインはロングボールを放り込まれるのでなかなか上げられない。 またミドルパスを効果的にワイドに使われるのでなかなかプレスがかから無い上に日本のポゼッションが上がらない。 日本が攻撃に転じると2列目が早く戻りDFラインの前にもう一つラインを形成する。しかし今の日本はこのラインの間に本田や香川、岡崎がどんどん侵入しパスを受けるのでそこから何とかなりそうな気がする。

24分にはMilligan が本田に後ろからチャージに入りイエローが出された。 そして本田がまたも蹴ったワンバウンドFKは惜しくもポストの右に外れた。 
25分を過ぎると Soceroos の脚が止まりだす。やはり時差と移動距離の疲れか? こうなると香川のドリブルが効いてくる。
32分29秒、長谷部からボールを受けた香川が Wilkshire をかわしてドリブルで上がりPA内に侵入する。 Neil, Wilkshire を抜いて North がマークに入る前に長友に送る。長友はワンタッチで中に折り返すが走り込んだ前田には惜しくも合わなかった。
30分を過ぎると日本MF,DF陣のオーストラリアのロングボールに対する寄せが早くなった、と云うよりも Socceroos の寄りが遅くなって来たか?また遠藤、長谷部にボールが入る様になって来て長友にボールが渡る様になった。 この試合の Socceroos の右サイドは DF がNorth, MF が Wilkshire だった。これが 右SB Wilkshire,  MF Holman だったらこちらのサイドの裏を突くチャンスが大いにあったのだろうけど。 



42分29秒、右サイドからオーバーラップした内田が長谷部からボールを受け本田に送る。そして香川に送りスルーパスを送ると内田が走り込みシュートを放つが Neil が必死にスラィディングシュートコースを切り弾道はポストの右に外れて行った。 
前半終了間際にも香川がPAのすぐ外で右から左に流れてシュートを放つが North に当たってゴールには届かなかった。
そして前半が終了する。立ち上がりから中盤はロングボール、ミドルパスを有効に使った Socceroos の攻勢目立ったが、終盤は日本FW陣のドリブルや早いパスワークが相手DF陣を翻弄するシーンが目立った。 それだけに後半期待が出来た。

テレビカメラが観客席を映す。結構日本人サポーターの姿が目立つ。この日の観客数は 40,189 人だったらしく、空席も結構目に着いた。 6月9日に行われたWallabies の試合は 55,000 人は入ったらしい。 また翌日10日には State of Origin のラグビーの試合が ANZ Stadium 行われ、殆どの地元の Aussie 達の関心とマスコミ報道はその試合と Wallabies の試合との2試合が中心となっていたらしい。 もし対戦相手が日本でなければもっと空席が目立っていたか? しかし4年前にここでワールドカップ予選のイラク戦を観戦したけど満員に近かったなぁ….
それにしてもさいたまスタジアムでもそうだったけど、若い女の子が多い。80年代には観客数そのものが今とは比べ物にならないくらい少なかった。 だから若い女の子なんて… 本当に時代は変わった。そしてオーストラリアとサッカーでこんな激戦をかわすなんて..
サッカーに関して言えばもっと遅く生まれたかったと思った。でもあと少しはやく生まれていればメキシコ五輪の栄光は見られたか?



波乱の後半。 勝ち点1を死守?勝ち点1を失う?

日本がやや攻勢で始まった後半。 51分27秒には良い位置でFKを得る。地元サポーター達のブーイングの中、本田が蹴ったFKは壁に当たって更に大歓声が上がった。52分5秒には香川から岡崎にスルーが入り 、53分6秒には右サイドを上がった長谷部が岡崎からボールを受け、折り返したところに香川が受けてシュートに入るが Ognenovski と Milligan が必死にブロック。相手DFラインと MF の間に香川、岡崎、本田がどんどん飛び込んで行く良いリズムで試合が動いていると思った。

そしてこの試合の波乱が始まる。54分40秒。右サイド Wilkshire から前線中央にアーリークロスが入れるも内田がヘッドでクリアーに入るとそこに Milligan が走り込んで交錯して転倒する。 Al Ghamdi 主審がホイッスルを吹き Milligan に何とイエローカードを出す。これで2枚目のイエローカードであるがなかなかレッドカードを出さない。スタッフに促される様にようやくレッドカードを出した。 
Mark Milligan は私の好きな選手。しかしそれを割り引いてもこのイエローはちょっと厳しいかと思ったがそれは序曲に過ぎなかった。



1人少なくなった Socceroos は Cahill が2列目に入り Brosque をわトップに残した 4-4-1 のフォーメーションとなった。
これで日本は何度も一気果敢に攻勢に出る様になった。 North も Carney も中を絞って来るのでサイドからどんどん仕掛けられる。2度ほど Schwarzer がさすがと思わせられるセーブを見せたがそれが無ければもっと早い時間にゴールが生まれていただろう。
それにしても本田は本当にボールを取られないなぁ…



劣勢の Socceroos は更に追い打ちを掛けられる様に Valeri が脚を痛めてベンチに下がり Nikita Rukavytsya ( Hertha BSC ) が投入された。 Socceroos は怪我人の交替だけで交代枠2人を使ってしまう事に。 
そして65分、長谷部から自らのショートCKからのリターンを受けた本田が右サイドから Carney Rukavytsya をかわしてドリブルで切れ込み中に入れる。中央で前田と Wilkshire が縺れながらなだれ込むのを通り越してファーサイドの栗原に。栗原は落ち着いてボールをオーストラリアゴールに蹴り込み日本が先制ゴールを決めた。 1人少ないオーストラリアを完全に崩してのゴールだった。
またも本田のドリブルからゴールが生まれた。





1人少ない相手に先制ゴールを決めたので次にゴールを決めてリードを広げれば試合は完全に決まる。そういう瞬間も遠くないと思わせるゴールだった。
しかし事態が全く変わってしまう事がまた起きた。68分またも Wilkshire から中央に送られ、失点後前線に再び上がった Cahill が栗原と競り合いながら落としたところを長谷部が Brosque と競りながらボールをクリアー。あわやオウンゴールと思われた。そしてそのCK、 Wilkshire が中に入れると Al Ghamdi 主審のホイッスルが鳴る。最初はオフサイドかオーストラリア側にファールがあったと思ったけど何故かペナルティースポットを指していて胸ポケットをまさぐっている。 何と内田にイエローカードが出てしかもPKが Socceroos に与えられた。 
大歓声が Sun Corp Stadium に沸き上がる。 これで次のイラク戦に出場出来なくなった内田は信じられないという蒼白な顔。 どうやらポジション取り争いをしている時に Brosque を抱え込んだのがファールと取られららしいがこの試合そんなシーンは何度もあったんだけど….. 大歓声の中 Wilkshire がPKを正面に蹴り込み試合を振り出しに戻されてしまった。





これで Soccerood 達は蘇生してしまった。 70分に Carney がドリブルで上がるマークに入った内田がピッチに脚を取られて転倒した際にボールを抑えてしまった。このプレーに対してこの日2枚目のイエローが出て内田が退場にされるかとヒヤリとするがここは御咎めがなくてホッとする。
それを察したか日本ベンチは72分に内田を下げて酒井宏樹を入れる。 酒井次節イラク戦は頼んだぞ。
75分32秒、距離はあるがゴール正面で長谷部が Cahill を倒してFKを与える。そして壁が出来上がる前に Carney に蹴られて今度はCKを取られてしまう。そのCKは一旦今野がクリアーするも再びゴール前に放り込まれ攻撃参加して残っていた Ognenovski がファーサイドのゴールポストに当たるあわやのシュートを撃たれる。 壁を作るのに時間がかかったりここでマークがずれたりと日本選手達は明らかに動揺している。同点にされたがアウェーなのは日本。しかも人数は1人多い。じっくりと慌てずにボールをキープすてくれよよまず思う。
77分32秒岡崎のアーリークロスから香川がヘッドを放ち、79分には長友から香川に入り反転してシュートを放つなど香川の連続シュートで徐々に日本イレブンが落ち着きを取り戻しつつある様に見えた。



それでもセカンドボール、こぼれ球が1人少ないオーストラリア選手の足元に行く様に思えてならない。 残り10分を切るとこのまま勝ち点1を死守するのか、勝点3を取りに行くのか、ワールドカップ予選ならではの難しいところとなる。
82分カウンター攻撃に転じられ Cahill がドリブルで上がると事をものすごい勢いで本田が激走しマークに入り Cahill を倒してイエローカードを受ける。  Cahillも上手くファールを誘う。84分オーストラリアゴール前でボールを回し左サイドから岡崎が上げてクロスは Schwarzer がワールドクラスのキャッチを披露。



85分50秒、日本ベンチは岡崎を下げて清武を投入する。1人少ない相手に勝点3を狙うと言うベンチからのサインだろう。
87分長谷部が前田とのワンツーで抜け出したところを Ognenovski が倒して絶好の位置でFKを得る。 しかしブーイングの中遠藤が蹴ったFKは大きく外れる。それだけ壁が高いのか? 残り時間はロスタイムを入れても5分とないはず。両チームどの様に試合をおわらすのだろうか? そう思っていると次のドラマが起こる。
Valeri が前線にフィードし Brosque と栗原が競るとAl Ghamdi 主審のホイッスルが鳴り何と栗原にイエローカードが出される。栗原もこの試合2枚目のイエローカードとなり退場となってしまう。Brosque の位置はオフサイドとも取れる位置であったが線審がフラッグを上げる前に Al Ghamdi 主審が笛を吹いた。長谷部を始め日本人選手が主審にその前のオフサイドをアピールするが、それを制したのが Cahill だった。それはスポーツマンシップからかそれとも点数稼ぎか?サラリーマンなら出世するタイプだ。 



ゴール正面からの Wilkshire が蹴ったFKは川島が右に倒れファインセーブでストップ。ゴール裏の Socceroos サポーター達が一斉に頭を抱え込む。 この試合本田や遠藤よりも良いFKだった。
その後のネアーサイドに入れられたCKを跳ね返し、香川、清武と繋いで一気にカウンターに転じる。そして最後はこぼれ球を清武が拾ってシュートを放ったがポストの左に外れる。 ロスタイムは3分と表示される。 ロスタイムの過ごし方はどうするのだろう。
91分16秒、香川に替えて伊野波が投入されCBに入る。 するとオーストラリアベンチは Wilkshire を下げて McKay 同様に Sun Corp Stadium をホームとする Brisbane Roar で昨シーズンまでプレーしていた Robbie Kruse を投入し Brosque と2トップを組ませる。 日本ベンチの交替を先に見てから動いたのか….
時計は93分を過ぎた。もう終了のホイッスルが鳴ってもおかしくは無い。そして93分28秒、本田が後ろから Cahill に倒されFKを得る。 さっきの Wilkshire のFKを見せられた本田は絶対に決めてやると思っているだろう…本田がボールをセットし前線の選手達に指示を出す。そして……

この試合の主役となった Khalil Al Ghamdi 主審はワールドカップでは2006年 2010年大会でも主審を務めており、 Asian Cup 2007 そして北京五輪でも笛を吹いた。2010年には地元サウジアラビア紙 Al-Nadi Saudi Arabian Newspaper 紙が選ぶ Best Referee in the Year に選ばれている
ワールドカップ南アフリカ大会では主審を務めた2試合、メキシコ対フランス戦では6枚( フランス2, メキシコ 4 ) スイス対チリ戦では9枚 ( スイス3 チリ 6 ) 更にスイスの Valon Behremi に1発レッドを出す等イエローカードを出しながら試合をコントロールする主審らしい。この試合のジャッジをAFC, FIFA はどう判断するのだろう? またワールドカップ予選で主審を務めるだろうがその時が楽しみだ。



対戦相手のコンディションはアウェーの日本よりも悪い、今回は勝つチャンスが十二分にあると思っていたけど試合が始まればそんな願いは霧散してしまうくらいの Socceroos の立ち上がりだった。 改めて彼らのレベルの高さを思い知った。試合内容もあわやのシュートが多かったのは Socceroos だった。 それでもこれは国際大会の決勝戦では無くワールドカップ予選の試合の1つ。アウェーで引分けは悪くない。 9月のイラク戦で勝点3を確実に上げて貰いたい。出場停止選手は多くいるけど。
ただワールドカップではこのオーストラリアより強い相手ばかりが出て来るのだ。

そして一番後悔した事は…..この試合を観に行けなかった事…やなぁ???  


6.12 対日本戦 Socceroos のスタメンはこれだ !!!!!! ?

2012-06-12 | 夏季五輪

いよいよワールドカップ予選の前半戦の山場、アウェーのオーストラリア戦を本日迎える。
現地からの報道によると前日の6月7日は雨が降っていた。そしてピッチ状態は3日前にラグビーの試合があったらしくやや乱れ気味。
試合前にもまとまった雨が降ったりするとピッチコンディションはホームのオーストラリアに味方する様になるだろう。 そして更に追い討ちを掛けるようにCB今野が発熱で前日練習を休んだと報道された。 
それでもオーストラリア側も20時間近く掛けてオマーンから移動し日本よりも後に“オーストラリア入り”した Socceroos は Lukas Neil 主将をして
“英国のブックメーカーではオーストラリア有利としているが我々は Underdog ( 負けそうな闘犬) である。”と弱気な発言が新聞紙上で見られた。

 Travel-weary Socceroos the Underdogs
試合の行われる Suncorp Stadium には40,000人以上の観客動員がよそうされるが、その熱気をしても週末の長距離移動を終えた Socceroos の調子を上げられるのは厳しいと心配されている。
日本は土曜日の夜にオーストラリア代表よりも早くしかも短いフライト時間で東京からブリスベン入りしておりここで2度の全体練習を行っているがオーストラリアは1度だけだ。 
Neil は日本の準備体制が更に日本を強くしていると信じている。
“このゲームは重要だ。なぜなら我々のホームゲームであり我々が臨む試合全て最大の勝点が必要である。 しかし現実を考えればこの試合は日本有利だ。
彼らはホームゲーム2試合をこなしておりそれが良い準備となっている。 我々より早く日本はここに現地入りしている。そして彼らは自信に満ちている。 そして大変組織的なチームである。
しかし悪いことばかり見るのは意味がない。 我々は Underdog のタグが好きだ。 我々は大変タフな試合に臨むことは解っているが、試合はファンタスティックなものにり我々が勝てる試合でもあると信じている。 日本はここで勝点を9に伸ばすことを信じているが勝点7でも受け入れるだろう。” 

その一方で Neil は試合の日程について言及する。 “ 日本がFIFA Confederations Cupへの出場権を得たことが試合日程に好影響を及ぼしている。そのしわ寄せがこちらにも来ている。 ” 
とも地元紙に述べている。

      
 
Holger Osieck 監督は“ 日本は大変強い。2連勝をしたことは大変な自信になる。そしてそれに乗じることが出来る。 今やスケジュールは日本に有利に働いている。しかし我々はここにプレゼントを与える為にいるのではない。 例え日本がトップチームであっても我々も同じようにいいチームであることを示しそして自分たちの結果を目指す。”

Osieck 監督はオマーン戦とあまりメンバーを変えないと思われるが、 名古屋グランパスのストライカー Josh Kennedy のと組む FWには Harry Kewell よりも清水エスパルスでプレーする Alex Brosque の起用が予想される。 Tim Cahill はもし Kennedy が起用されればベンチスタートとなるだろうが、 Osieck 監督は “ Tim は絶対的に常にスタメン候補である。”と地元紙に語っている。

Socceroos coach not ruling out Cahill
日本戦に向けて地元では“日本キラー”の Tim Cahill に期待が掛っているが、オマーン戦はベンチスタートで最後まで出番が無かった。2006年6月12日灼熱のカイザースラウテルンでの2ゴール。
2009 年6月17日 M.C.G でのワールドカップ予選最終戦。Cahill は連続ゴールを奪い日本から逆転勝利をもぎ取っている。 オマーン戦では90分間ベンチに座らざるを得なかったが
“オーストラリアは Group B のトップを行くホームゲームで2連勝し9得点も挙げた Japanese juggernaut ( 日本の巨大な破壊力 ) をとめるには something special が必要である。 そして Osieck 監督は Cahill を“常にスタメンのオプションである。”と話している。
“チームを見渡すとリストにある誰もがピッチに出られる可能性を持つ。 まだ Tim を起用するかどうかは決めていないが彼は常にスタメンのオプションだ。”
スタメンではないにしてもワールドカップドイツ大会の時の様に試合の途中から出てくるかもしれない。 



Now payback time for Socceroos
Socceroos が延長戦の末敗北を喫したAsian Cup 2011決勝戦 から18ヶ月が経った。しかし Sasa Ognenovski は決勝戦の夜の痛みが自分たちのチームにこのワールドカップ予選においてリベンジの意思を引き出すことが出来るほど奮起させると信じている。 Ognenovski は Asian Cup を機に代表入りが定着したが、カタールの地を離れるときに多くの他の Socceroos 達が今でも少しばかり日本と同じ様に自分たちも勝者に値していたと信じている。 あの決勝戦をプレーした選手としてそれは大きなモチベーションとなる。あの試合、我々は恐らく勝利すべきだったと感じているし、12日の日本戦では結果を残せることを望んでいる。 我々はそういう試合を臨むにあたり必要なモチベーションを手に入れた。我々は全力でプレーし正しいと思うことをやるまでである。 日本は更にスケールアップしている Alberto Zaccheroni に導かれたチームは Shinji Kagawa, Keisuke Honda, Yuto Nagatomo, Atsuto Uchida そして主将のMakoto Hasebe らドイツやイタリア、イングランドでも有数のクラブで中心選手となっているメンバーが含まれるゴールデンチームとなっている。

しかし Socceroos 日本の独裁を喫するわけにはいかない。 

“どういう試合展開になるかによるが、日本はカウンター狙いとなるだろうが、それはよくわからない。立ち上がりの10分か15分で彼らのゲームプランがわかりそれが我々のゲームプランとなるだろう。”
日本が最初の2試合をホームで戦ったがオーストラリアは最初の4試合の中でホームゲームはこの日本戦だけである。 従って日本戦にかてればワールドカップ予選突破に向けて大きく前進することが出来る。 
“明らかに、ホームゲームで大観衆の前でプレーするのは大きな違いである。特にそれがタフな相手であれば。 彼らは自分たちのスピリットを上げてそれがチーム状態を押し上げる。すばらしい競技場の大観衆の前でプレーすることは違う。 もし全てのホームゲームで勝利を納め、アウェーゲームで引き分けられれば予選突破に大きく近づく”  Ognenovski はこのように結んでいる。 ポジション別に予想するスタメンは下記の通り。

GK Shcwarzer は“鉄板”
Fullham でプレーする Mark Schwarzer 以外にありえない。 オマーンの Al Habsi そして Schwarzer がアジア No.1 GKの座を争っているといえる。
日本は幸運にも早い時間に オマーンから先制ゴールを奪い終始主導権を握りながら戦い続けられたが、今日のオーストラリア戦も早い時間に先制ゴールを奪うのが理想だ。 しかしSchwarzer からもゴールを奪うのは容易ではない。 ただここ数年 Schwarzer の神通力も歳と共に下降気味。南アフリカ大のアジア地区最終予選では最終戦で闘莉王にヘッドを決められるまで7試合連続無失点を記録していたが3次予選では既に5失点を喫している。(最後の2失点は最終予選進出が決まったあとのサウジアラビア戦)  GKの失点数は決してGKだけの責任ではない。それだけDF陣が前回ほど強固ではないのかもしれない。
このワールドカップ予選にはいつも第二GKとしてベンチ入りしている Adam Federici が怪我で離脱したのでかつての香川の同僚、 Borssia Dortmund のGK Mitch Langerak が第3GKとして選出された。

   

DF スピードには対応出来る様になったが…
2年前のワールドカップ初戦のドイツ戦。アジア No.1 のオーストラリアがどれだけドイツとやるか楽しみにしていた。
しかしその期待は10分も持たなかった。開始8分に Podolski に先制ゴールを決められ26分には Klose に追加点をあっさり許し…アジア諸国が打ち破れなかった屈強なDF陣が紙の様に引き裂かれ、GK Schwarzer が最終的には4ゴールも許すなんて….. ショックでたまらなかった。 
Öezil, Müllar といった早い中盤に Neil をはじめDF、MF陣は完全に後手を踏んでいた。そして同時に日本もこうやれば予選でオーストラリアいに苦戦しなかったのではと思った。
3次予選ではのべ11人のDFがベンチ入りをした。その中でも中心となるのが今でも Lukas Neil 。34歳になった Neil は3回目のワールドカップ出場を狙うが。
所属先の UAE Pro-League の Al Jazira との契約を延長できなかった。 ACLの Roud 16 で敗れたことと昨シーズンチームが4位に終わったことのスケープゴードとされている模様。 隣国のサウジアラビアか A-League への帰還。はたまた中国超級、 K-League 入りも噂されている。 ここは愛するサンガがとってくれないかなぁ?と思うけどサンガも若いCBはいるからなぁ…..

Neil と組むCBは個人的な希望は浦和 REDS でプレーする Matthew Spiranovic の起用を期待したいところだけど、恐らく Sasa Ognenovski だと思う。
ただ3次予選での出場暦は Spiranovic が5試合。Ognenovski が2試合。 本来ならサウジアラビア戦の様にSpiranovic とOgnenovski がCB に並ぶのが“世代交代”がうまく言っていると言う証明であろう。 右サイドバックは Luke Wilkshire 。ワールドカップドイツ大会そして2009年のメルボルンで行われた南ア大会の日本戦にも出場している。2001年FIFA U-20 アルゼンチン大会の日本戦でも69分から出場しており試合は Young Socceroos が 2-0 で日本U-20を破っている。 Asian Cup 2011 決勝戦でも出場しているがワールドカップ絡みでは今のところ対日本戦負け知らずだ。 



左SB にはウズベキスタン FC Bunyodkor でプレーする David Carney. 何度も言うが Carney は本来攻撃的な選手。 彼はむしろ中盤から前で起用されたときのほうが怖い。
3次予選では当時の所属先 Blackpool, AD Alcorcon ( スペイン ) で出番が無く最後のサウジアラビア戦で8分間プレーしたのみであったが、 来シーズンから Aston Villa でプレーする Chris Herd の怪我による離脱、新天地 FC Buyodkor での活躍が評価されてオマーン戦ではスタメンフル出場を果たした。Osieck 監督になって試合途中から左SB からMFにあげられることもあった。 
そうなったときの方が危険だ。 

  

DF陣はかつて Neil と Craig Moore が鉄壁のCBコンビでもあったがワールドカップではスピード不足が露呈された。 両SB は攻撃力があるが肝心の守備にやや難がある。彼らがあいた裏のスペースを突けば Socceroos の攻撃は減退するだろう。 南アフリカ大会予選での日本はがっちり固められた守備網の中割って入るような動きは少なかった。しかし今は本田、香川らがドリブルでその中に入ってくるのが大きく変わったところ。それに対応できるか??

世代交代の中盤は…
かつて定番だったボランチ、攻撃的MF Jason Culina と守備的MF Vince Grella は Asian Cup 2011 以降召集されていない。
替わって Carl Valeri ( Sassuolo ) , コンサドーレ札幌でプレーするJade North,  Michael Jedinak ( Crystal Palace ) そして Mark Milligan (JEF 千葉 ) らが起用される様になったが、12日の日本戦はまず Carl Valeri は当確だろう。 もう一人は Mile Jedinak か?サイドバックが上がったときにその後方を Jedinak は埋めるのがうまい。  守備的なスタメンというならば Jade North か?

2列目はワントップか2トップかでかなり替わってくる。 ワントップだと左に Asian Cup 2011 でブレークした Matt McKay ( 釜山 アイコンズ ) トップしたには Alex Brosque ( 清水エスパルス ) そして右には御夫人の第二子出産でオマーン戦に合流できなかった Brett Holman ( Aston Villa ) が配置されると思う。  オマーン戦ではサウジアラビア戦で代表に復帰した Mark Bresciano ( Al-Nasr ) 起用されたが32歳と言う年齢からくるスピード不足で日本戦はスタメンは厳しいだろう。 

  

確かに Bresciano はすばらしいクロスをあげてくるが。 要注意は清水エスパルスで活躍する Alex Brosque 。その才能は高く評価され続けるも前政権の Verbeek 時代はまったく召集されず、
J-League の清水移籍後その才能が大爆発。 J-League を良く知る Holger Osieck が代表監督に就任したことも幸運だったがこれまでの不運を一気に取り返す活躍。こういう選手は一番怖い。

       

ワントップか2トップか
最も物議を醸しているポジション。 Verbeek 時代はワントップが主流でそのために Scott McDonald が最後にワールドカップメンバーからはずされた。
Osieck 政権になり、ワントップも2トップも起用されている。 もし Josh Kennedy の体調がよければ Kennedy のワントップで決まりだろう。 
そしてコンビを組む2列目は Brosqu だと思われるが、2トップなら Brosque と Cahill または Harry Kewell 。とにかく Brosque が主軸だろう。 日本のCB、吉田が離脱。今野が出場微妙となれば Kennedy のワントップになるだろう。 ただ前半は Kennedy を温存し2009年2月、横浜での日本戦の様にCahill のワントップ となるか?
2009年6月17日MCG での豪日戦は中澤が試合前に風邪で離脱。阿部が急造CBとして闘莉王と組んだが Cahill に連続ゴールを許した。 “CBに中澤がいなかったのが大きかった。”試合後  Cahill はこのように語った。 あの時は Kennedy のワントップに Cahill がトップ下だった。



私が独断で予想する Socceroos のフォーメーションは下記の通りか?

                              Josh Kennedy
                                ( 名古屋 )

           Matt Mckay            Alex Brosqe        Brett Holman
            ( 釜山 )                ( 清水 )           ( Aston Villa )

                Jade North                        Carl Valeri
                 ( 札幌 )                         ( Sassuolo )

      David Carney       Sasa Ognenovski    Lucas Neil     Luke Wilkshire
      ( FC Bunyodkor )         ( 城南 )                ( Dynamo Moscow )

                             GK Mark Schwarzer ( Fullham )

何人あたるだろうか? 

Osieck 監督が就任しようやく世代交代が進んだか?
Craig Moore, Michael Beachamp, Scott Chipperfield, Mile Sterjovsky, Jason Culina, Vince Grella といったレギュラーは召集されなくなり、Ruben Zadkovich, Ricard Garcia そして Scott McDonald まで呼ばれなくなってしまった。それだけに Bresciano の召集は少し驚いたけど。


この試合残念ながら現場観戦できい。試合後“あ~ぁ、あの試合見に行ったらよかったなぁ~”という試合結果をもたらしてくれる事を願う。 


Qantas Socceroos beaten by Denmark Denmark 2-0 Australia 2nd June 2012

2012-06-12 | 夏季五輪
日本がオマーンを 3-0 で降した前日。 Copenhagen に遠征した Australia 代表は Denmark 代表に 0-2 で敗れた。
オーストラリアは予選の日程が日本と異なり初戦は6月8日のアウェーでのオマーン戦だった。 
その“準備試合”として Denmark 代表と対戦する事となった。 
Denmark の方も6月9日に欧州選手権 EURO2012 の開幕戦オランダ戦を控えての最終調整試合であった。
Denmarkと言えば今でも多くの人が忘れられないだろう、ワールドカップの1次リーグ最終戦で日本が 3-1 で破った相手。今でもデンマーク人の顧客にはかならずこの試合の話をする事にしている。
あれから2年。 FIFA ランクも10位にまで上がった Denmark のこの日のスタメンはワールドカップの日本戦に出場した CB Daniel Agger, 左SB Simon Poulsen, 右SB Lars Jacobsen, MF Chrstian Eriksen, Daniel Rommendahl そして ArsenalでプレーするFW Nicklas Bendtner ら6選手がスタメン出場。



1週間前にブラジルに 3-1 で敗れた時のスタメンから4人を入れ替えて臨んだ。本田、遠藤のFKを浴びた GK Thomas Sorensen はブラジル戦の前半25分に負傷を負い Stephan Andersen と交替でベンチに下がり EURO2012 のメンバーからも離脱をせざるを得なくなった。 



オーストラリアは2月のサウジアラビア戦のスタメンから Mark Milligan, Sasa Ognenovski を下げて Luke Wilkshire, Mile Jedinak を DF ラインに投入し、Brett Emerton, James Troisi に替って MF Matthew McKay そして Hyundai A-League 、 Melbourne Victory のFW Archie Thompson がスタメンで起用された。
Josh Kennedy, David Carney は ACL の試合で合流できず、 来シーズンから Aston Villa でプレーするBrett Holman は2人目の子供の出産に立ち会う為にデンマーク遠征には参加しなかった。
スタメンの平均年齢は30歳を越え、6年以上に亘り代表でプレーし続けているMark Schwarzer, Lucas Neill, Luke Wilkshire, Mark Bresciano and Harry Kewell  らを、そしてつい最近代表入りした Matt McKay, Mile Jedinak, Matt Spiranovic, Alex Brosque そしてArchie Thompson, Jade North といった中堅の選手で構成された。



試合は地力に勝る Denmark が前半32分、デンマークの Daniel Agger 主将がPKを決め、後半68分に Andreas Bjelland が追加点となるゴールを上げて2-0 でオーストラリを退けた。
開始早々からホームのデンマークが主導権を握り、 Rommedahl , Bendtner が相次いでオーストラリアゴールにシュートを放つ。 特にオーストラリアの左サイドをどんどん突いて来る。
オーストラリアも Luke Wilkshire が Simon Poulsen と競り合いながらHarry Kewell にボールを送り Alex Brosque に Thompson, Jedinal を経由して送られ Brosque はシュートに持ち込むが弾道はポストの横に外れて行く。

6分には Agger のワンタッチパスから、7分には Eriksen からのパスから共に Bendtner がシュートを放つ。
32分、 Agger がオーストラリアPA内に侵入し Eriksen からのヒールパスを受けてシュート体勢に入ろうとしたところをとマークに入った浦和レッズ所属の Matthew Spiranovic に倒されPKを得ると自らPKを蹴り込みデンマークが先制をする。



リードを許したオーストラリアは3次予選のサウジアラビア戦から代表に再召集された Mark Bresciano が2度ミドルレンジからシュートを放つがゴールネットは揺らせない。
後半に入り Kewell が相手のバックパスのミスを拾って放ったシュートはゴールの枠を逸れて行く。その直後 Kewell がヘッドで落としたところを Brosque がショートに持ち込むがGK Andersen の正面に。 Brosque のシュートは利き脚で無い右脚で放ったシュートであった。
さらに左サイドを上がった Thompson から中央の Jedinak に渡り前線の Brosque へ縦パスが通るが Brosque のショットはわずかに外れた。この一連の動きはこの試合一番目を見張るものだったらしい。

68分には Matthew Spiranovic のバックパスを拾った Bendtner が Schwarzer の守るゴールを破り追加点を上げた。



この試合で2失点に絡んでしまった Spiranovic はオマーン戦のスタメンから外れてしまった。



オーストラリアは追加点を決められる前の65分に Mile Jedinak を下げて Mark Milligan を, Archie Thompson を下げて David Carney を投入する。69分には Harry Kewell, Luke Wilkshire を下げて Tim Cahill, Robbie Kruse を投入する。 この試合も Kewellと Cahill が同じピッチでプレーする時間は無かった。
75分には Mark Bresciano に替って Neil Kilkeny が投入されるが最後までゴールは奪えなかった。




Result flattered Denmark, says Archie

2010年 Holger Osieck が最初に Socceroos の指揮を執って以来4敗目を喫した Socceroos であるが Archie Thompson はこの敗戦をあまり深刻には受け取っていないようだ。

“2-0 と云う結果はデンマークをそれ以上に喜ばせるものだと思う。彼らは前半は特に素晴らしいプレーを披露した。しかし後半は我々もチャンスを作りそのうちいくつかは決められるべきチャンスだっただろう。 この試合はどちらかと言えばオマーン戦への準備試合。肯定的なものはよくとらえ、否定的なものは修正しオマーン戦がどうなるか見てみたい。”

この試合の Thompson は左サイドから Alex Brosque と共にチャンスを何度も演出していた。

“今日の終わりには、決めなければチャンスであったと思うだろうし、私が出来た事はチャンスを決めるポジションにいたと思われる事だ。ただこれは親善試合だ。また別の試合では恐らくもう少し後悔していただろう。私はこの試合で他の選手達と共にゴールを決められるチャンスを作った事に良い感じを掴めた事に満足している。 もしそう言ったチャンスを決められなけれは、オマーン戦でも日本戦でも厄介な事になるだろう。”  Brosque はこう語った。



この試合の1週間後、EURO2012 の初戦に臨んだデンマークは見事に 1-0 でオランダを降し2年前のワールドカップの雪辱を果たした。 日本はここまだワールドカップ、予選、Asian Cup では90分間でオーストラリアを降した事は無い。

それが明日6月12日に実現する事を願う。    続く

前半最大の山場 対 Socceroos に向けて Oman 0-0 Australia 8th June 2012

2012-06-11 | 夏季五輪
日本がヨルダンに大勝した翌朝。窓の外は雨が降っている。この雨は1日中降り続いた。 私はMuscat で行われた Oman vs Australia の結果を調べるべく早速AFC のサイトにアクセスした。 

Oman 0-0 Australian という文字が目に飛び込んで来た。

3次予選でも両国は対戦しており、その時は Oman がホームでは 1-0 で勝利を納めていた。それだけに少し期待していたのだが…

初戦、日本に 0-3 で敗れたオマーンはスタメンを3人替えた。DF Al Owaisiに替って3次予選全てスタメンフル出場していた Mohamamed Albalushi が起用され、日本戦ではスタメンだったMF Ali Farah に替って Ashoor Al Ajma が起用される。日本戦ではスタメンが Ali Farah 、66分に Ali Farah に替って Ashoor Al Ajma が3次予選のオーストラリア戦 (キャンベラ) 以来のスタメン起用。 またもう1人の MF Ahmed Hadid に替って3次予選ではキャンベラで行われたオーストラリア戦のみ起用された Al Mukhaini がスタメンに。 
日本戦では起用しなかった本来はレギュラーDFのAl Balaushiを、そしてアウェーのオーストラリア戦で起用された選手をスタメンに起用するあたりLe Guen 監督がホーム初戦に掛けているのが良く解った。





一方の Socceroos は6月2日に行われたデンマーク戦からスタメンを4人替えたスタメン。
GK はいつもの Mark Schwarzer。4バックのDFラインは Lucas Neil と組んだCBは浦和REDS でプレーする Matthew Spiranovic ではなく K-League 城南一和でプレーする Sasa Ognenovski 。左SBにはACLの試合の為にデンマーク戦に出場出来なかったウズベキスタンのブニョドコールでプレーする David Carney 。右SBには札幌でプレーする Jade North 。
Luke Wilkshire。ボランチにはが守備的MF. デンマーク戦は所属先のイタリア Sassulo の Seire B のプレーオフの日程と重なった為出場出来なかったCarl Valery が起用とデンマーク戦に続いてMatthew Makay。 2列目には左サイドにMark Bresciano 。右には Luke Wilkshireがそれぞれデンマーク戦に続いて起用された。前線は Harry Kewell, エスパルスでプレーするAlex Brosque と云うデンマーク戦と同じ2トップ。
ACL の為にデンマーク戦を欠場した名古屋グランパスエイトのFW Josh Kennedy 、中東行きの噂のある Everton 所属の“日本キラー” Tim Cahill,  Asian Cup でブレークした Robbie Thomas Kruse , デンマーク戦では途中出場だった Neil Kilkenny らはベンチスタート。 来シーズンから Aston Villa は御夫人の出産の為にデンマーク戦に続いてワールドカップ予選最終予選初欠場となった。



日本戦と異なりさすがにホームでのオマーンは積極的に前に出て来たらしい。 それにオーストラリアには7か月前に勝利を納めている。その時にプレーしたメンバー7人がこの試合のスタメンに。 
Socceroos は GK Schwarzer, Neil, Wilkshire, Valely , McKay , Kewell の6選手のみ。 DF Rhys Williams の怪我が痛い??

開催国側はまだ気温が40度程である午後5時のキックオフ時間を主張した。
Socceroosのゲームプランは明確だった。消耗を避けポゼッションを上げて試合のテンポを遅らせる。そして試合開始時はオマーンに主導権を握らせる。

試合前の記者会見では Neil 主将は天候とオーストラリアは決して対戦相手を甘く見ていないと言う内容で答えを出している。
“天候はどちらにとっても同じ要素だ。 どちらかと言えばオマーンの方が暑さ対策をよく準備しているに違いない。 しかし我々も気候に慣れる為にここに来るのが比較的早かった。 そして暑さを試合結果の要因にするつもりはない。 
6月2日に引け分けたデンマーク戦よりも次のオマーン戦に向けての方が選手達は自分達のエネルギーを試合に集約させようとしている様だ。
“我々は自分達のパフォーマンスを上げる事に集中している。 デンマーク戦のビデオから自分で分析しながらもデンマーク戦の出来にはあまりとらわれすぎずに過去のオマーン戦のものから分析をする。
例え天候が仕合のペースを遅くするであろうが、 Neil と Socceroos は例えどんな結果になろうとも準備は怠らない。
“誰も試合がどうなるかなんて解らない。なぜなら相手がどんなペースで来るか解らないからだ。 我々は出来るだけ経済的に効率よく試合を進めたいが、ゲームの状況は我々が望んだものと違った展開にもなるだろう。 しかし、常に100%その通りに試みても天候だけはどうなるか予想するのは不可能だ。 もし試合が我々の望む様に歩く様なペースで進めば素晴らしい事だが現実の状態を踏まえてプレーをし、どんな事が起ころうとも発汗量をコントロールせねばならない。” 


開始6分に Sasa Ognenovski がイエローカードを受け10分には中央から Al Hosni がヘッドを放つが Schwarzer の正面に。
そして徐々に主導権を握りだした Socceroos は David Carney, Carl Valeri がロングシュートを放つが GK Al Habsi がナイスセーブでクリアー。 Valeri が35分に放った 12m のショットは Harry Kewell からのパスを受けたもの。
気温も下がり始めた後半、オマーンが徐々に試合を押す展開に。
Al Hosni の56分に放ったヘッドは Schwarzer がファインセーブで左側に弾き出してストップ。 Al Hosni は地面を叩いて悔しがった。昨年11月に Muscat で行われたオーストラリア戦では中央から決勝ゴールを決めている。 
59分には Harry Kewell が下がり同じ Melbourne Victory でプレーする Archie Thompson が投入されるが次に決定機を演じたのも Al Hosni 。アクロバティックなボレーを放つが弾道はサイドに外れて行った。
75分に Alex Brosque が Thompson からボールを受けシュートに持ち込むが Al Habsi がブロック。
82分には Brosque, Thompson がゴール前に迫るが得点には至らなかった。 
83分、 Luke Wilkshire に替って Robbie Kruse が投入され Thompson に絶妙のラストパスを送るがまたも Al Habsi が Thompson のシュートをストップ。ロスタイムにも Thompson はヘッドを放つがサイドに外れてしまった。

Schwarzer ( Fullham ) , Al Habsi ( Wigan Athletics ) 共に English Premiership でプレーするGK。
アジアで1,2を競うGKが連発するファインセーブがお互いに失点を許さず 0-0 のドローとなったと言えるだろう。



試合後Luca Neil 主将は試合結果に満足しているとのコメントを残す。
“我々は勝点1を得られて満足している。 エアコンの効いた部屋でテレビで試合観戦をする分には我々がどんなコンディションの中で試合をしていたかわからないだろうが、選手達を誇りに思う。  ( 来週の火曜日 ) は大変重要な試合になる。ブリスベンの大観衆の声援がやや疲労した身体を後押しするのに役立つだろう。”  

他の選手達も暑い気候に就いてコメントを残した。
Carl Valeri は “試合前は 1.5kg はオーバーウェイトであったが試合後はそれも解消された。 78kg あったであろう体重が仕合後74.5kg nになった。 かなりの汗をかきそれは私を疲れさせるものであったがメディカルスタッフはファンタスティックであった。彼らはよく面倒をみてくれた。

Harry Kewell はこのコンディションを他に同じ組に入った国々に警告を発した。
“アジア地域にはいったと云う事は、こう言う事も克服せねばならないと言う事だ。対戦相手のみでなく天候も同じ事だ。我々だけがここで午後5時からのキックオフ時間を迎えるわけではない。 他の対戦相手も難しい試合になるだろう。” 

またも好セーブ連発でチームの窮地を救った GK Schwarzer は少なくともキックオフ時間をあと1時間遅らせればもっと違ったレベルのプレーが出来たと強調。 
この時期に午後5時からプレーするなんて馬鹿げている。 あと1時間試合を遅らせれば違った事になっていただろう。しかしオマーン側は少しでも自分達に有利になる様にこの時間のプレーを望んだ。
Holger Osieck監督はこの状況下での試合が選手達にとって大変難しいものになった事を認め、彼らの勝点1を納めた努力を “ superhuman “ と称賛した。



“この状況下と気温の下で引き分けられた事に満足している。 選手達は素晴らしく、相手チームに若い良く走る選手がいるにもかかわらず引き分けられるぐらい上手く試合をコントロールした。まず第一に勝点1を得た。 第二にこの環境を化が得ねばならない。試合に先駆け私には懸念があったがこの日の選手達がやった事は superhuman で、この競技場に来た人でなければその意味は解らないだろう。 オマーン戦はもう終わった。 我々の集中は我々が長い移動距離を掛けてホームに帰還する一方で、それより短い移動距離で我々よりコンディションの少し良い日本との試合に向けねばならない。”


日本も2008年にオマーンで試合をした時は 2-2 の引分けだった。

Kennedy を温存し、 Holman が日本戦にはおそらく合流できるであろう Socceroos はオマーン戦よりはパワーアップしたチームとなるだろう。 Cahill も起用されると思う。

今度こそ日本がワールドカップ予選でオーストラリアから勝利を上げてくれる事を願う………続く


ゴールラッシュで連勝。さあ豪州征伐だ !! 日本 6-0 ヨルダン 8th June 2012

2012-06-10 | 夏季五輪
あと何ゴール決まるのだろう。得点は多ければ多いほど良いのはわかっているけどこれはワールドカップ予選。目の前で起こっている事が少し信じられなくなって来た。 まぁこう言う事なら良いのだけど。周囲の席は何故か女性ばかり。私よりも年配と思われる方も多かった。 試合終了まであと2,3分かなぁ.. バックスタンドのサポーター達が手を振って連呼するリズムに乗って彼女達も手を左右に振ったり握りこぶしを突き上げたり。 本当に幸せな時代だ。僅か?20年前なら全く考えられない。大体女性と云う生物は何故スポーツをする男性の事を馬鹿にするのだろう? 自分達もマハラジャやジュリアナでは結構な運動量を披露しているのになぁ~と思っていた時代はまだ社会の教科書に紹介される程古い事象の事ではないのだけれど。
90分が過ぎ、韓国人の金東慎主審のタイムアップのホイッスルが鳴った。5日前にも勝るとも劣らない大歓声が沸き上がった。
それにしてもヨルダン、こんなに弱かったかなぁ? オマーンよりも強いと思っていたんだけど….

オマーン戦の快勝から5日後のヨルダン戦。この日は金曜日。会社はあるがこういう大切な日はいつもは普段の売上実績をたてに誰が何と言おうと午前11時には会社を後にするのだけどこの日はあいにく出張者や見本市のアテンド者が相次ぎ少なくとも社則に定められた終業時刻まではいなければならなかった。
定時を数秒過ぎて会社を後にし直接さいたまスタジアムに向かうがいつも通勤で使う埼玉高速鉄道は大変な混雑に加えその影響で遅れる始末。 朝の通勤時でもこれだけ混む事はなく、ましてや混雑で遅れる事等皆無に近かったのだけど。
スタジアムに入る直前に両チームのスタメン発表が始まり着席した時はキックオフの5分前あった。
オマーン戦の座席はカテゴリー2.このヨルダン戦はカテゴリー1であったが、後方だったので2階席に遮られてバックスタンドの後方に設置されているスクリーンは見られなかった。 全体の見晴らしもカテゴリー1クラスとはとても言えず、オマーン戦で観戦したカテゴリー2の方がずっとよくピッチを見られた。 それに後方には香取慎吾ちゃんや石橋貴明らも来ていたし….
もうこれからカテゴリー1のバックアローは買わない。 カテゴリーのホームアローが無ければカテゴリー2を選ぼうとこの時誓った。

日本のスタメンはオマーン戦と同じメンバー。ヨルダンは前節のイラク戦から4選手を入れ替えた。
4バックのDFライン、⑲Anas Bani Yassen と組む CB は⑧ Bashr Bani Yaseen ではなく② Mohammad Munir。Asian Cup 2011 では日本戦を覗く3試合にスタメンフル出場したが3次予選は最終戦の中国戦以外はベンチにいて出番が無かった選手。右SBにはベテラン31歳の ⑮Shadi Abu Hashhashに替って本来MFの⑬ Khalil Baniateyah が回ってきた。④ Baha’a Abdulrahman と組むボランチは常にベンチ入りは果たすのだがAsian Cup 2011では出番が無く, 3次予選では初戦のイラク戦、最後の中国戦の2試合合わせて17分しか出場時間が無く、イラク戦でも最後までベンチで過ごした⑥ Saeed Al Mur が起用され、攻撃陣は2トップ⑩ Anmed Hayel Ibrahim とルーマニアの Gaz Matan Medias でプレーする ⑱ Ther Al Bawab が初めて起用された。イラク戦スタメンだった ⑳ Hamza Al Daradreh はベンチスタート。 2列目右サイドはイラク戦に続いて⑨ Odai Al Saify 。左サイドにはイラク戦では ⑮ Al Daradeh に替って後半から投入された⑭ Abdallah Deeb Salim が起用された。 
Asian Cup 2011 の日本戦のスタメン出場経験者は GK Amer Shafi, ④ Baha’a Abdularahman ⑨ Odai Al Saify ⑭ Abdallah Deebの4選手のみ。⑧ Bashr Bani Yaseen ⑮Shadi Abu Hashhash の様なレギュラー選手が何故起用されなかったんだろう?3次予選では2得点を挙げた⑦ Amer Deeb の怪我による離脱も痛かったか。





日本のキックオフで始まった試合はこの試合も大歓声に後押しされ日本がヨルダンゴールに迫る。47秒にはショートパスでビルドアップしヨルダンPA付近でワンタッチパスを繋ぎ最後は長谷部がミドルを放つが相手MFがブロックしカウンター攻撃に移られるが高い位置で前田がマークに入り遅らせるとすぐに攻撃に転じる。 本田の中央から前線へのパスがCB ② Monir に当たりゴール前に上がったところに岡崎がGK Shafi と競り合いながら飛び込むがここは GK Shafi がキャッチ。 Shafi はキーパーチャージを金東慎主審にアピールしそれが認められる。
3分14秒には左サイド本田からのパスを受けた香川が浮球のパスを長友に送り再び長友からボールを受けシュート体勢に入るが② Monir, ④Abdulrahman が香川の足元にスライディングを入れてシュートを撃たせない。
4分32秒には早くも決定的なチャンスを迎える。右サイドの浅い位置から斜め前方に繋ぎ香川から左サイドの長友に送られ⑬ Baniateyah のマークをかわして遠藤に戻すと遠藤はヨルダンゴール前にロブを送る。 フリーで抜け出た岡崎が胸でトラップし後ろ向きの態勢でシュートに持ち込むが GK Shafi がストップ。 惜しいチャンスだった。そして遠藤のすばらしいパスだった。
8分58秒には香川からの縦パスに走り込んだ長友が左サイドを突破 ⑬ Baniateyah を振り切り逆サイドの本田に上げるがヨルダンもマークに2人付きシュートを撃たせない。
オマーンはどちらかと言えば中を絞ってと云う守備で両サイドに面白い様に侵入で来たが立ち上がりからヨルダンはオマーンと異なり両サイドバックまたは2列目の選手が日本の両サイドを埋めてサイド攻撃に対応していた。そして何よりも身体の強さを見せていた。それでも日本は遠い位置から相手DFラインの背後を狙う様なロビングを上げて来る。
10分21秒、長谷部から縦パスを受けた岡崎がヨルダンゴール左ポスト際に浮球を送るとそこに香川と前田が雪崩込むが ⑬ Baniateyah がヘッドでCKに逃れる。そのCKを遠藤が直接ヨルダンゴールに向かって曲がるが GK Shafi がパンチでコーナーに。
12分16秒に長谷部が内田からボールを受けそのままドリブルシュートを放つが ② Monir がクリアーでCKに。
そのCKを本田が入れるが GK Shafi で今度は前にクリアー。 ゴール前の空中戦ではGK Shafi が良く出て来てクリアーをする。
16分12秒、香川から中央の本田に送られそのままダイレクトで放たれたショットはGK Shafi が好セーブでストップ。オマーン戦と異なり結構シュートまで持ち込めていた。ただオマーン戦で最初にシュートが撃たれたのは11分。そしてそれが先制ゴールであったが。 
しかし18分に日本に先制ゴールが生まれる。 この日5本目のCKを香川のリターンを受けた遠藤がファーサイドに送り今野が
相手DFと競り合いながら飛び込むがCKに。その6本目のCKに前田が⑥ Al Murjan と競りながら“肩”でヨルダンゴールに
押し込み対ヨルダン戦初めて先制ゴールが決まった。 前の試合同様早い時間にリードを奪う事が出来た。



そしてオマーン戦と違い、この試合はすぐに追加点を奪えた。遠藤から入れられた浮球のパスに本田が走り込み ⑥ Al Murja,
⑲ Bani Yassen のマークをすり抜けそのままヨルダンゴールにシュートを叩きこんだ。遠藤からのパスが出る前に内田がパスをカットされたがその後内田も直ぐにボールを追い、ミスパスを誘いそれを遠藤が拾って前に送った。



25分45秒劣勢のヨルダンに追いうちを掛ける出来事が。 中盤で長谷部と空中で競り合った時に長谷部の額に ⑭Abdallah
Deeb の肘が入りこのプレーにイエローカードが出され、⑭Abdallah Deeb は24分24秒にも前田へのチャージに警告を受けていたので2枚目のイエローカードと云う事で退場となってしまった。長谷部はこのあと頭部にバンテージを巻いてプレーする事に。



これでヨルダンはFW ⑱ Thaer Bawab を2列目左に下げて⑩ Hayel Ibrahim のワントップにした。
ヨルダンはShafi がGKを蹴る時でもDFラインはあまり上がらず 浅い位置から2トップめがけてボールを放り込んでいた。そして
2列目が早い押し上げで最前線をサポートしようとしていた。ただ日本の攻撃を警戒してDFラインはあまり高い位置を取らなかった。
相手より1人多くなった日本は31分岡崎がヨルダンPA内右サイドで遠藤からのロブを受け放ったシュートが⑯ Basem Fathi
に当たり本田の前に転がったところを本田が押し込んでこの試合2ゴール目。日本がリードを3点に拡げた。⑯ Fathi に当たらなければ岡崎のショットはそのままヨルダンゴールに吸い込まれていたか? 本田は何か持っているのかもしれないなぁ。
遠藤の2点目に続いた浮球のゴール前のナイスパスも見逃せなかった。



こうなるとこの試合はあと香川がゴールを上げられるかに興味が大きく移って来た。



しかしそれは早く実現する。 35分本田のワンタッチパスが右サイドに走り込んだ長谷部に送られ⑯Fathi と競りながら中央に入った前田にクロスに岡崎が飛び込むとボールはゴール中央に。一旦は前田と競ったGK Shafi が弾き出すがこぼれ球を拾った内田が左にいた香川に送ると香川は⑲ Bani Yassem がマークに入る前に狙いすましたようにミドルを放つとそのままヨルダンゴールネットにシュートが突き刺さった。 これでリードはあっという間に4点差に広がった。こんな展開誰が予想しただろう…..





しかし良い事ばかりは続かない。 37分中盤で吉田が④ Baha’a Abdullahman と競り合った際に脚を滑らせ膝を痛めて倒れて起き上れなくなってしまった。 プレーが続いていたが ⑬ Baniateyah がボールを外に出してプレーを切って担架が入る。
吉田もスタッフもOKのサインを出してプレーに戻ったが私はここは無理せずベンチに下がってくれれば…と思った。 
そして44分に吉田は再びピッチに座り込み、日本ベンチは栗原を投入する事になった。 翌日の朝刊に膝の内側の靱帯を痛めたと言う事でオーストラリア戦は欠場となった。 上背のある Socceroos を相手に吉田の離脱は痛いなぁ…と思った。





同時にヨルダンベンチは⑤ Mohamed Abdulsamee を⑯ Fathiに替えて投入する。
日本の4ゴール目が入っても岡崎、長谷部が惜しいシュートを放つなど更に得点が入りそうな雰囲気のままロスタイム3分も過ぎ
前半が終わった。日本のシュート数は13.ヨルダンは1本もシュートを撃てなかった。 


後半に入り立ち上がりはヨルダンが攻勢に試合に入って来た。 トップの ⑩ Hayel Ibrahim の両脇に2列目の ⑱Thaer Bawab ⑨ Odai Al Saify が近い位置からサポートをしボールを前線に運んだ。 
47分18秒には長友が ⑬ Baniateyah を倒してFKを与えると ⑬ Baniateyah が入れたFKに中央で 前田のマークの前に入った⑥ AL Murjan がヘッドで合わせ日本ゴールを襲う。弾道はゴールポストの左に外れてくれたが危ないシーンだった。
47分29秒には ⑱ Taher Bawab のドリブル突破を許し右サイドにパスが送られると ⑨ Odai Al Saify の強烈なショットが日本ゴールに飛ぶがポストの左に外れて行った。 ⑱ Thaer Bawab のドリブルの時周囲に数人選手がいたが誰もマークに入らなかった。49分54秒、香川のミストラップを拾った ⑱ Thaer Bawab がドリブルで上がり右側に上がった⑩ Hayel Ibrahim がミドルを放つが川島の正面に。


 
立ち上がりちょっといやな展開はあっさりと払拭される。左サイドでボールを受けた前田が巧みなステップで ⑬ Baniateyah を抜きにかかると ⑬Baniateyah の脚が前田に掛かり転倒。金主審はすかさずペナルティースポットを指し、⑬ Baniateyah にはイエローカードが出される。誰がPKを蹴るんだろう、とPA内に目を移すと本田がボールを抱えている。 そして本田がそのPKを決めリードをまたまた拡げた。これで本田はハットトリック。代表Aマッチでのハットトリックは Asian Cup 2011サウジアラビア戦の岡崎以来。ワールドカップ予選ではあの King Kazu 以来と云う事だった。



5点差となり私はもうノートを閉まってメモを取るのを止めた。 
日本ベンチは57分、殊勲の本田を下げて中村憲剛が投入される。私のお気に入りの憲剛の登場にこちらも興奮するが周囲の女性サポーター達からも喜びの歓声が。 本田にはしっかりと休んでオーストラリア戦でまたゴールを決めて欲しいと願った。



憲剛は59分19秒に中央から素晴らしいミドルを放った。



5点差を付けられたヨルダンはその直後にMF⑱ Thaer Bawad を下げて23. Anas Jamal Mohammad Hijah を投入する。
そして72分に今野が下がりビッセル神戸の伊野波が投入される。 このワールドカップ予選では今野に替ってのスタメンも…と思ったのだけど。  74分50秒には遠藤のCKから栗原がヘッドを放ちゴール枠を捉えるが④ Abdulrahman がクリアー。そのこぼれ球を伊野波が撃つがここも Abdulrahman が身体に当てて跳ね返す惜しいシーンだった。
76分28秒大量リードされているヨルダンベンチは FW ⑩ Hayel Ibrahim を下げて⑮ Shadi Abu-Hashhash を投入する。イラク戦にはスタメンフル出場し、3次予選も6試合フル出場。 Asian Cup 2011は1次リーグ3試合全てフル出場し最後のシリア戦で警告を受け準々決勝のウズベキスタン戦には出場出来なかった選手なのに何故彼の実績をこの試合で生かさなかったのだろう? その直後に伊野波が相手DFを倒して献上したいやな位置からの、正面からのFKは⑲ Anas Bani-Yaseen が直接狙うがクロスバーを大きく越えてくれた。 
残り時間は約15分。日本はもう失点しない事と無駄なイエローカードを貰わない事と怪我をしない事を願った。
しかし失点もイエローカードもこれ以上の怪我人も無く、89分の終了間際、日本に6点目が入る。遠藤のショートコーナーから憲剛を経て長友がフリーで逆サイドに送るとドンピシャのタイミングで栗原が競った ⑤Mohamed Abdulsamee のはるか上から叩きつけたヘッドがヨルダンゴールに突き刺さり遂に 6-0 となった。



いったいあとは何点はいるのだろう… そんな事を思い始めた。

ヨルダンはもっともっとやると思った。試合の前々日にようやく日本入りする事が出来ると言う厳しいコンディションの中実力の半分も出せなかっただろう。 アウェーのヨルダン戦はこうはいかないだろう。 
Adnan Haman 監督が試合後に話した “ 今日の出来ならブラジルと対戦しても勝てる。”が現実になれば良いが。



ホーム2戦2勝で終えて次のアウェーのオーストラリア戦は引き分ける事が出来る…まぁ専門分野のオーストラリアの分析はこれからじっくりとしよう….そんな事を考えながらピッチを眺め、駐輪場に向かった。 さいたまスタジアムを振り返り私は少しの寂しさを感じた。 これでワールドカップ予選のホームゲーム2試合が終わった。 恐らく次の9月のイラク戦は仕事が入るだろうしなぁ~、そうなると来年6月のオーストラリア戦か~。 あと1年待たねば次のワールドカップ予選を観戦できないのか…

“帰ったら今夜は EURO を見ようよ。” “対戦相手はポーランドとどこだったっけ?”とはなす女性サポーター達の声が聞こえた。
あぁ幸せな時代になった。 欧州選手権、 Europermeisterchaft なんて知っている女性なんて1990年代にはどれだけいたかなぁ?1980年代は皆無に近かった。 それにワールドカップも…..

それにしても、 Brisbane に行きたかったなぁ~…




快勝のスタート ヨルダン戦も是非…. 日本 3-0 オマーン 3rd June 2012

2012-06-08 | 夏季五輪
後半42分を少し過ぎた時場内アナウンスでこの日の公式入場者数が 63,551 人だった事が発表された。
3点のリードを奪い、興奮の坩堝と化した競技場から更に大きな歓声が上がった。後で知ったけどさいたまスタジアムでは過去最高の入場者数だったらしい。 あぁあのワールドカップのベルギー戦よりも入ったのか…あの時は空席がいっぱい見られたしなぁ….あの試合のチケット買い損ねたんだよなぁ…. と10年前の事を思い出していた。 



その直後、細貝からの縦パスを受けた清武がゴール前に入れるとそこには本田が走り込む。しかし DF ③Jabe; A; Owaisi が必死のクリアーでCKに。 その左からのCKにファーサイドで待ち構えていた吉田が ⑮ Ismail Sulaiman Ashoor Al-Ajmi と Al Owaisi の2人のマークの上からヘッドで折り返すと ⑫Ahmed Mubakrak がそれをヘッドでクリアーがそのクリアーを香川が相手DFと競り合いながら放ったヘッドはクロスバーを越える。 
89分、右サイドを突破した酒井からボールを受けた香川が浮球のパスを右サイドに送るとそこにはボールを出した酒井が走り込み中に折り返す。 本田がAhmed Mubarak のマークを振り切り放ったショットは GK Al Habsi がブロック。そしてそのこぼれ球を清武が撃つがまたも Al Habsi がストップ。 観衆から溜息が洩れる。 さすがアジア No.1 のGKやなぁ…と感心してしまう。
そしてロスタイムも過ぎて主審のホイッスルが鳴り響いた。 ワールドカップ予選の初戦でこれだけバシッとした勝試合はあったかなぁ…と思いつつ、安堵の嘆息を漏らした。ただ好アシストを演じた香川にゴールも決めさせたかったなぁとも思った。
後方には満面の笑みの香取慎吾ちゃんが皆に手を振っている。 試合中何度か彼を振り返ったが真剣な表情で微動だにせずピッチ上を凝視するその姿を見ていっぺんに彼が好きになってしまった……

いよいよ始まったワールドカップブラジル大会アジア地区最終予選。 ワールドカップ、オリンピックを追い掛けていればあっという間に年月を重ねてしまう。 テレビ等では連日ワールドカップ予選3連戦の事を取り上げていた。 こういう日程を組むFIFAの真意を知りたいものであるが、日程は当然変わらない。(当たり前か?)この3連戦を好成績で乗り切る為には初戦のオマーン戦で確実に勝点3を稼ぐ事が大事、とは誰もが願う事。 70年代から五輪、ワールドカップ予選で日本が敗退するのを何度も見て来た私はこの試合でまさかの事態にならないだろうか…と1人で勝手に心配をする時間も少なくなかった。

試合当日の昼前に週末のジョギングを兼ねて競技場周囲のランニングコースまで走りに出た。 12時前だと言うのに多くの青色のレプリカを着た人達が既に競技場の周囲に集っており、カテゴリー5の自由席のチケットを持つであろう人々が列を成して開門時間を待っていた。 
自分はカテゴリー2の入場券を確保する事が出来た。その幸運に感謝しつつ自宅に戻り、再び競技場にやって来て着席したのはキックオフ半時間前であった。 そしてカテゴリー5のゾーンは既に満席になっていた。



着席した時に日本の選手が大歓声を浴びてピッチに出て来た。そして大観衆に一礼をすると更なる完成が上がりスタメン組とベンチスタート組に分かれてアップを始めた。 スクリーンに映し出される日本選手を見ながら日本のスタメンを確認する。
所属先のガンバ大阪が不振なので CB は今野ではなく伊野波が、3月に故障から回復したばかりの岡崎に替り清武が、不調の長谷部に替って昨シーズン Augsburg でシーズン通して好調だった細貝が、内田でなく右サイドバックには酒井宏樹が、と思ったけど結局今野、岡崎、長谷部、内田らのメンバーはGK川島、 左SB 長友、 CB 吉田、ボランチ遠藤、2列目左に香川、トップ下本田、ワントップ前田らと共にいわゆる“鉄板”のイレブンとなった。



一方のオマーンは “鉄板”のGK Al Habsi こそスタメンであったが他のポジションはかなり予想を外れた。
DFラインは4バックであったが左SBには3次予選初戦で2分間だけ起用された五輪チームメンバーの ②Mohamed Al-Musalami 。右SBには左SBだと予想した⑪ Saad Suhail 。 ⑬ Abudul Sallam と組むCBは3次予選で出番の無かった Jabel Al Owaisi 。 ⑫Ahmed Mubarak Obaid が2列目でなくアンカーの位置に入り、21. Ahmed Hadid と組むボランチは 攻撃的MFと思われた⑩ Fawzi Bashir Doorbeen 。2列目右の ⑥ Read Ibrahim Saler は五輪予代表選手であったが最終予選の召集は一度も無く、2列目左にはボランチと思った⑦ Al Hadhri Hussain が起用され、ワントップ ⑳ Amad Ali Al Hosni は予想通りのスタメン。 3次予選6試合フル出場の DF Mohammed Al Balushiはベンチスタート。3次予選5試合スタメン出場に31歳ベテラン DF Al Gheilan Yousef Madhafer はベンチにも入っていなかった。 次のオーストラリア戦への保存か…..



そしていよいよ選手入場と云う時に前方の方から歓声が上がった。彼らの目線を追い振り返るとなんと SMPA の香取慎吾さんの姿が。お付きの人が写真を取らないで欲しい旨を書いた紙をこちらに見せて写真撮影を止めようとするも皆一斉に携帯カメラやデジカメを彼に向ける。しかし香取慎吾ちゃんは嫌な顔一つせずこちら皆に手を振ったりポーズを取る。 
ドイツ大会予選から“日本代表応援団長”という“肩書”で予選の度にテレビ出演をするのを見る度に “何で彼が団長なんや?”と思っていたけど、この瞬間に彼がいっぺんに好きになってしまった。 そして試合中の真剣なまなざしでピッチに目を向ける姿を見て
彼も純粋なサッカーファンなんだと思った。 それにさすが芸能人、何とも言えないオーラを発していた……

日本のキックオフで始まった試合は開始から地力に勝る日本が一気果敢に攻め立てる。 35秒、スローインを受けた岡崎が右サイドを上がり、3分には前田からのパスを受けた内田がゴール前に入れる。それぞれオマーンDFがCKに逃れるがその後はゴールに迄は至らない。 8分には遠藤からの縦パスを受けた内田が香川に送るがその前にオマーンDFがクリアー。 
吉田が積極的に前に上がってくるがその際には遠藤が後方に入る等動きが良いだけでなくバックアップも良い。 そしてやはり存在感を示すのは本田圭祐。 左右に動いてボールの受けてとなりそこからの突破やパス回しも良い.。
7分46秒岡崎からボールを受けた内田がドリブルで前線に上がろうとするが後方から Jabel Al Owaisi がタックルに入って止めるがここは御咎めが無い。 イエローが出てもおかしくないプレーだったけど。この日のウズベキスタン人のイルマトフ主審はこの程度のチャージでは最後までファールは取らなかった。
しかし9分に Bashir Doorbeen のプレーが反則に取られそれに着いて文句を着けた際にはしっかりとイエローカードを提示した。



日本が優勢なうちに早く先制ゴールが欲しいと思う11分57秒、それまで内田、岡崎のいる右サイドからの攻撃ばかりであったが初めて左サイドの長友がボールを受けそして上げたクロスに中央で走り込んだ本田がダイレクトで蹴り込んだシュートがオマーンゴールネットに突き刺さり、非常に良い時間で素晴らしい先制ゴールが決まった。 本田圭祐、ワールドカップブラジル大会初ゴール、というよりもこの試合が初出場であった。 
本田のシュートも素晴らしかったが、長友のクロスが上がる前、今野が相手のクリアーボールを拾い、左サイドに流れた前田を経由し香川に送られ更に左サイドを駆け上がった長友に送られたその一連のボールの繋がりが全てワンタッチで展開されると言う素晴らしい連動性も見られた。そして兎にも角にも早い時間に先制ゴールを上げられた幸先良いスタートに試合前の不安が一掃された気になった。



そしてオマーンDF陣が落ち着かない立ち上がりに追加点をと思う先制直後の13分45秒、今度は右サイドを岡崎が内田とのパス交換で抜け出しゴール前に入れられたところに香川が飛び込んだがぎりぎりオフサイドの旗が上がった。 それでもゴール前に飛び込んだ香川が浮球をGK Al Habsi と競りながらゴールにボールを押し込んだプレーは高度なテクニックとの印象だった。 Al Habsi はこの香川のプレーをホイッスル後のプレーなのでカードを出せとばかりにイルマトフ主審に迫ったが…
このプレーの直後にも長谷部からボールを受けた本田が前線の香川に送りシュートに持ち込むがここは DF Abdul Sallam が何とかクリアーし追加点を阻まれた。
劣勢のオマーンは19分25秒左サイドタッチライン付近から Bashir Doorbeen が逆サイドの Saad Suhail に振りそのままアーリークロスを入れるそこに Ahmed Hadid が走り込むがここは吉田がマークに着きシュートを撃たせなかった。これがこの試合オマーンが初めて日本ゴールに迫ったシーンだった。 このプレーからオマーンは落ち着き始めたのかワントップの Al Hosni を前線に残し中盤とDFラインの間をコンパクトに保ち日本のパスワークに対応するとともに本田のマークに近くの選手が交替で着く様になった。 
本田とは言え次々にマークに着かれると思う様にボールをキープしにくくなった。
そうなると日本は相手DFラインの裏にボールを放り込みDFラインを下げさせたりするなど対策を講ずる。そして35分を過ぎると香川にボールが集まりだす。 だが追加点を奪えぬまま前半は終わった。



オマーンのキックオフで始まった後半開始早々の 46分48秒にはCKから前田が Ahmed Mubarak の後方から惜しいヘッドを放つ。 オマーンは後半から Bashir Doorbeenが左サイドに入り Al-Hadori が中に入りボランチの位置に入った。そしてその Doorbeen が48分24秒にカウンターからドルブルで日本ゴールに迫ろうとするがシュートは撃てない。
今度も早い時間にゴールシーンをと願うと51分、本田が遠藤との縦パスの交換から前線に上がり左サイドの香川にボールを渡す。香川はそのままドリブルで中央に寄りゴール前にボールを入れるとオフサイドぎりぎり(それともオフサイドだったか?)でボールを受けた前田が上手くトラップして Al Habsi を破ってオマーンゴールに押し込み追加点を挙げた。 
香川のドリブルからのラストパスも素晴らしかったが、香川にボールを出した本田が中央に走り込み相手DFを引き付けたオフ・ザ・ボールの動きも良かった。それにしても香川のドリブルはボールがあたかもゴルフボールがグリーン上のパットの時の様に滑らかに動いていた。 
これで2点差。オマーンの攻撃力からしてこのあと3点取る事は考えられないのでこの時点で勝点1は確実に上げられたと思った。



追加点から3分後今度は勝点3を確実にするゴールが決まる。 長友が左サイドから遠藤を経由して香川にボールが送られ、香川が再びドリブルから右サイドに流れた前田に送る。Al Musalani のマークを受けながらも前田が放ったシュートは Al Owaisi に当たり岡崎の前に転がり Abdul Sallam を振り切り岡崎が放ったシュートがオマーンゴールに突き刺さりリードを3点差に拡げた。
あとはリードを広げる事というよりも無失点で試合を終える事を願った。もっともリードが広がればもっとよかったのだけど。
1997年ワールドカップフランス大会最終予選の初戦。ウズベキスタン相手に3ゴールを先制した後に2失点を喫し最終的に 6-3 で勝利を収めたけど6ゴール上げて勝った事よりも3失点した事の方が気になりその後苦戦続き出あった事を思い出した。



57分リードしている日本ベンチが先に選手交替を行う。 右SB内田に替って酒井宏樹が投入される。この時は五輪を控える酒井に怪我だけはしないでくれよと思った。 
59分。日本がFKを得る。本田がボールをセットする。本田にとっては射程内だ。彼のFKを期待すべく歓声が上がるが本田はすぐにショートパスを送った…..
劣勢続きのオマーンは64分にようやく選手交替を行う。 Al Hadid に替って3次予選で第5節のサウジアラビア戦だけに出場した Ali Hilal Saud を投入する。 そしてその前に負傷をして外に運び出された FW Al Hosni がそのままアウトとなり Pan Arabic Games 優勝メンバーだった Al-Maqbali がピッチに送られる。 Al-Maqbali は3次予選では第3節のアウェーでのオーストラリア戦以降スタメン起用され最後のタイ戦ではゴールも決めている。 日本戦は当然スタメンと思ったけどスタメン起用されなかったのは既に1枚警告を受けていたからか?そうなるとオーストラリア戦にスタメンか? 
更にオマーンベンチは MF Al Hadri を下げて Ashoor Al-Ajmi が送られる。  Al-Ajmi は3次予選全てに出場するがスタメンは2試合。第4節からは全て交替出場だった選手。 これで前線は Al Hosni のワントップから Al-Maqbali と Al-Ajmi の2トップになった。 
だけど攻勢を続けるのは日本。 こうなると香川のゴールを見たくなる。68分には遠藤のCKを前田が落として香川がシュートに持ち込むが惜しくも外れる。 Dortmund ではゴールを決めるだけでなくゴールアシストもよく演じていたがこれからのこの試合はゴールを狙っても良いと思った。
73分日本ベンチは岡崎を下げて清武を投入する。 岡崎は4月にドイツで見た時よりも身体は絞れている様だった。故障も完治したのか? 清武も活躍よりの怪我はして欲しくないなぁ~との思いが強かった。 しかし清武も80分にはサイド突破から本田の惜しいシュートチャンスを演出する等サイドをどんどん突破し存在を見せつける。 
残り時間10分を切るとオマーンも右サイドを Ibrahim Saler , Saad Suhail の2人が結構突破してくるシーンが。そして結構深い位置でもフリーにしていた。シュートにまでは持ち込ませなかったけど….
周囲の観客席からは“次は宮市が見たい。”と云う声が多く上がっていたけど、親善試合ならともかく、まだ宮市をライバル国に見せる必要は無いと思った。 そして86分に遠藤に替って細貝萌が投入された。 さいたまスタジアムをホームにする浦和レッズからは槙野がベンチ入りから外れたのでこの試合には誰も出場していない。 “卒業生”の細貝の投入、そして長谷部の活躍には特別な思いをしたレッズサポーターもいただろう…。そして私は無失点で試合を終える事を再び願った……。

70年代からずっとサッカーを見続けた私も“ King of Asia “ をどこの国でも堂々と云う事が出来る現状を再確認し、幸福な気持ちで家路に着く事が出来た。

翌日以降に発売されたスポーツ紙、専門紙そして専門雑誌には“完璧な第一歩。(ダイジェスト)” “威風堂々。(マガジン)”
“会心ニッポン。(エルゴラッソ)”の見出しが本田の写真と共に躍った。 90分本田がプレー出来た事に次の試合以降も期待がかかる。 テレビ報道も快勝に最大の賛辞を送る。 



オマーンの Paul Le Guen 監督は日本は格が違うと言う様なコメントを試合後残したが、次のホームでのオーストラリア戦では“ベストメンバー”を組んでくるだろう。 11月のアウェーでのオマーン戦ではこの試合の様にイージーには行かないはずだ。
ただ MF Doorbeen は次のオーストラリア戦は累積警告で出場停止。これは Le Guen 監督も頭が痛いだろう。

4点目が奪えなかった、終盤は高い位置で相手選手をフリーにした等快勝の陰に隠れた改善点もあると思う。 それはしっかりと修正して次のヨルダン戦に臨んでくれるだろう。 その前にまず選手は疲れを取って….と勝手に選手を気遣った….

第二戦のヨルダン戦は5日後に再びさいたまスタジアム。 本当に今住んでいるところに家を建ててよかったわ….
6月8日も雨は降らんといてくれよ。いや中東チーム相手だと降った方が良いのか…..??


難敵ヨルダン戦 初勝利を目指して

2012-06-07 | 夏季五輪

2004年7月31日、重慶オリンピックセンターで行われた Asian Cup 準々決勝戦。試合は延長戦でも決着がつかずPK戦に。 
日本は一人目の中村俊輔、二人目の三都主が大きくはずしてしまう一方、ヨルダンの Abdullah Abu Zama はしっかりと決める。
公式発表 52,000人の観衆うち9割はヨルダンの応援だ。あっという間に劣勢に絶たされた日本の状況を大喜びしている。 
テレビを見ていた私はこのままヨルダンに敗れるというよりも観衆の嘲笑が続くことを考えると気が狂いそうになった。

ここで宮本がマレーシア人の Subkhiddin Mohd Salleh 主審になにやらアピールをする。 
最初は高圧的というよりも主審にとって必要範囲内の威厳的な態度だったSalleh 主審は宮本の話に耳を傾けそして恐らく Match Commissioner のところに駆け寄りしばらくして副審達のところに戻りそして選手団の方を向いてホイッスルを鳴らし反対側のゴールを指差した。ぬかるんだペナルティースポット周辺がぬかるんでいるこちらのゴールはPK戦に適さない。反対側のゴールを使いましょと言う日本側の要求が受け入れられた。
大歓声の中選手、審判団そして報道陣は反対側のゴールに移動する。そして三都主がPKを蹴ろうとボールをセットするが Salleh 主審は彼に近づき“もう君の番は終わったんだよ。”と説明をしている様に見えた。そして彼の口の動きから “ I am referee “ と言っている様に見えた。 
公平を規す為にも三都主から蹴りなおすのが筋だと思われたが、次のキッカーはヨルダンの Rateb Al Awadat だった。
そして Al Awadat はPKを決めヨルダンが圧倒的優位に立った。PKを失敗した俊輔と三都主は左利き。残りの日本代表選手を考えればゴールを変える必要は無かったかなぁ、ヨルダン選手は何人左利きがいるかなぁ、と思った。

後がない日本は3人目の福西が決め、ヨルダンは3人目の Hatem Agel も決める。もうヨルダンは勝ちを意識し始めたポーズをとる、それに呼応する競技場の地元重慶の観客達。 
日本4人目の中田浩二が決めたがヨルダン4人目の Haitham Al Shboul が決めたら日本の Asian Cup は終わってしまう。 しかし川口が左手一本、必死のセーブで何とか持ちこたえる。
日本5人目の鈴木が決めるがヨルダン5人目の Faisal Ibrahim が決めれば日本の負けが決まってしまう。 しかし Faisal Ibrahim のショットはポストの右に外れてこれで両チーム5人ずつ終わって二人ずつの失敗となり、サドンデスに突入する。 生き返ったはずの日本であったが6人目中澤のショットは GK Amer Shafia がストップ。再び活気ずくスタジアムの中国人観衆。 

あぁせっかく追いついたのに….私は絶句してしまった。 

だけどここでまたもや川口が日本を救う。 Anas Al- Zboun のショットを左に飛んで弾き出す。
この川口のスーパーセーブ連発に私は大声を張り上げた。 日本6人目の宮本が冷静に左下隅に決め、初めて日本がこのPK戦でリードをする。 そしてそのプレッシャーに負けたのがヨルダン6人目 Bashar Bani Yaseen が左脚で蹴った弾道は左ポストを直撃し激戦に終止符が打たれた。 
日本代表が勝ったというよりも観客席の中国人達の口を塞いだという事が嬉しかった。あの大観衆に勝ったのだ。
喜ばせておいて最後は失望させるという最高の勝利、結末だった。

ざまぁみろ !!!!

何度もテレビのブラウン管に向かって叫んだ。そして嫁ハンに怒られた…

時折映し出されるヨルダン代表チームのレプリカを着て現地で観戦する Abdullah 国王の姿が印象的だった。 
後に知ったけど年齢が私と変わらないことにもショックを受けてしまった…

  

ヨルダンとは7年後の Asian Cup でも対戦し大苦戦の末に終了直前吉田のヘッドで何とか引き分けた。
この Asian Cup もヨルダンは日本と引き分けた後サウジアラビアを 1-0 で、シリアを 2-1でそれぞれ中東のライバル国を連破し準々決勝に進出。 ウズベキスタンに 1-2 で破れた。 DFの中心選手 Basem Fathi Omar Othman が累積警告で出場できなかったのが痛かった。 
2004年大会のヨルダンは日本と対戦する前の1次リーグでは初戦の韓国戦で 0-0 と引き分け続くクウェートを 2-0 で破り最後は UAE と0-0で引き分け準々決勝進出を決めた。日本が苦戦したのも今更ながらに理解できた。



今回のワールドカップ予選。ヨルダンは3次予選でイラク、シンガポール、中国と同組となった。
この組み合わせは幸運だったと思う。4カ国とも前回のワールドカップ予選は最終予選まで残れなかった。
3次予選で日本が入ったグループは前回のワールドカップ出場国であった北朝鮮、アジア地区最終予選まで進出したウズベキスタンという列強が入った。

ヨルダンは初戦でイラクとのアウェー戦で 2-0 の勝利を収めそこで勢いが付き中国をホームに向かえ 2-1 で破り、第3節はアウェーとはいえ格下のシンガポール戦であった。ここでシンガポールを 3-0 で一蹴するがこの試合で警告を受けた DF Basem Fathi Omar Othman, FW Odai Yousef Ismail Alsaify が次の試合で出場停止となったが対戦相手がシンガポールでしかもホームゲーム。 Ahmer Deeb Omhammad Khalil, Ahmad Hayel Ibrahim Ibrahin のゴールで 2-0の快勝を収め4戦4連勝で残り2試合を残して最終予選進出を決めた。 

3次予選の中心メンバーは昨年1月の Asian Cup メンバーが中心。というよりもほぼ固定メンバー。
Asian Cup 2011で日本戦以外の3試合にスタメンフル出場を果たした Moh’d Monir、4試合すべてスタメンフル出場だった DF Sulim Al Salman にかわって Anas Bani Yaseen 、 MF Khalil Baniateyah が起用される様になった。
更に最も警戒すべき Ahmad Hayel Ibrahim も Asian Cup ではメンバー入りしていなかったがワールドカップ予選後にレギュラーとなったストライカー。 3次予選ではシンガポール戦の連戦で共にゴールを決めており、最終予選前には所属先の Al Faisaly で4試合連続ゴールを決めたばかりか前のイラク戦でも同点ゴールを決めている。 
ただしこれは Baha’a Abdulrahman のロングシュートを イラクGK Mohammad Gassid が弾いたのを押し込んだものだった。 

Asian Cup 2011 で1次リーグ3試合スタメンだった Odai Al Saify は1次リーグ最後のシリア戦で負傷したのか終了直前にベンチに下がり次のウズベキスタン戦には出場しなかった。 そして3次予選でもスタメン出場は第3節のシンガポール戦だけだった。 
しかし、6月3日のイラク戦ではスタメン出場だった。その Al Saify に替って3次予選でレギュラー出場する機会が得たのが Ahmad Hayel Ibrahim だった。 
日本戦ではイラク戦の様に両者が出場するだろう。 23歳のDF Anas Bani Yassen は昨年末の Pan Arab Games 準優勝メンバー。 そして Khalil Baniateyah も21歳で Pan Arab Games のメンバー。 

GK Amer Shafi’ DF Bashar Bani Yaseen , MF Amer Deeb らは 2004年大会重慶で対戦した時のメンバー。 
Asian Cup 2011, 3次予選では控えに回ることが多いが DF Hatem Aqel も重慶での日本戦に出場した選手だ。
日本戦のスタメンはイラク戦と同じメンバー、下記のフォーメーションだと思う。

                                   Ahmad Hayel Ibrahim
                                                   ( Al Faisaly ) 

     Hawza Al Daradreh                     Odai Al Saify                         Amer Deeb
                                              ( Al Salmiyah UAE )                    ( Al Faisaly )

       Baha's Abdelrahman                  Khalil Baniateyah
          ( Al Faisaly )                       ( Al Faisaly )

   Basem Fathi   Bashar Bani Yassem   Anas Bani Yaseen    Shadi Abu Hashhash
   ( Al Wihdat )      ( Al Wihdat )        ( Najam KSA )       ( Al Fateh )

                           GK Amer Shafi
                            ( Al Wihdat )

2列目左にはイラク戦後半から Hawza Al Daradreh に替って起用されたAbdllah Khaled Deeb Salim が日本戦のスタメンに起用されるかもしれない。  Asian Cup 2011 で日本戦では得点を決めた Hassan Abdel-Fattah Hassan Mahmoud は3次予選でもスタメンで起用され続けたが最終節の中国戦とイラク戦ではベンチ入りしていない。 怪我でもしたのかな?

Deeb Salim はFIFA U-20 2007 のザンビア戦、スペイン戦でゴールを決めた経歴を持つ選手。 
後にベルギーの KV Mechelen でプレーしヨルダン史上初めて UEFA Cup でプレーした選手。
今は地元ヨルダンの Al Faisaly でプレーする。
どこの国にもサッカーはある。サッカーの歴史がると思わされた。色々調べると勉強になる。

それからイラク人監督のAdnan Hamad Majid Al-Abbassi 監督。アテネ五輪でイラクチームを Semi Finalist に導いた名将。私の好きな監督だ。 
何故かイラク代表監督時代は西アジア選手権でチームを3位に導きながらAsian Cup 2000 の直前に監督を降板させられたり、ワールドカップ2002大会予選時にはバーレーン、サウジアラビアに連敗するとまた解任させられたり。ワールドカップ終了後にシリアで開催された西アジア選手権では延長に入りヨルダン戦で“ドラマチックな勝利”を納めた。 その試合が縁で今はヨルダンの指揮をしているのか?

歴史は学んでこそ生きる。 中近東の歴史書にも目を通さねばならないか??
ヨルダンが産油国ではない事はとっくに知っていたけど。

頑張れニッポン!!


日本戦に臨むオマーンのスタメンは……

2012-06-02 | 夏季五輪
1995年 FIFA U-17 で準決勝にまで進出したオマーンはその後アジアの壁を破ることは出来なかった。
日本との直接対決でもFIFA ランクほど( 日本30位 オマーン90位 )得点差、試合内容に差を感じなかった。
むしろ FIFA ランク100位を割ってきたのか、という印象。それだけ彼らが“進歩”をしていると思われる。
今年のロンドン五輪予選では各グループ2位の3カ国がベトナムのハノイに集って“アジア4位”を決めるプレーオフを勝ち抜いた。
残念ながらコベントリーで行われた最後の五輪切符を掛けて行われたセネガルとの大陸間プレーオフには 0-2 で敗れた。
それでも近年は2009年の Gulf Cup of Nations で2004年、2007年大会での準優勝に続いて遂に優勝を果たし、2011年12月にドーハで開催された Pan Arabic Games でも U-23 メンバーで臨み優勝を果たす等中東諸国サッカー界で徐々にその存在感を示し始めている。

史上初めてワールドカップ最終予選に進出を果たしたオマーン、自国の存在感をアジアサッカー界に知らしめるためにどういうメンバーで初戦の日本戦に臨んでくるのだろうか…

アジアナンバー1 GK Ali Abdullah Harib Ali Habsi
Wigan Athletics でプレーする194cm 長身の Ali Al Habsi がオマーンゴールを守る。  2002年から代表歴がありこれまでA代表72試合に出場する実績を持つ。対日本戦も2004年のワールドカップドイツ大会予選、2004年 Asian Cup, 2008年ワールドカップ南アフリカ大会予選、5試合対戦歴がある。対戦成績は日本の4勝1分であるが ワールドカップドイツ大会予選のホーム&アウェー、Asian Cup の3試合が1-0 。 ワールドカップ南アフリカ大会では ホーム 3-0 アウェー 1-1 だった。
2003年に Norway の Lyn Oslo に移籍し 2004年シーズンには Norwegian Goal Keeper of the Year を受賞すると 2006年には English Premier の Bolton Wanderers に移籍。中田英寿とは恐らく入れ替りではなかったか?(関係無いか?)
Bolton 時代は正GKだった Jussi Jaaskelaina が怪我から復帰する等出場機会に恵まれなかったが 2010年に Wigan Athletics にローン移籍し出場機会を得ると 2010-11 シーズンには34試合そして完全移籍となった 2011-12 シーズンは37試合 English Premier League に出場を果たす。
Socceroos の Mark Schwarzer に替って今やアジアナンバーワンの GK ではないかと思われる。
今回のワールドカップ3次予選でも6試合すべてにフル出場。第4節のオーストラリア戦から3試合連続無失点と鉄壁の守備を見せている。 日本の攻撃陣は出来れば早い時間に Ali Al Habi のゴールを破りたいが…..それは容易な mission でけっしてない。



メンバーを入れ替えて守備力アップ。そして最終予選進出。
相手を完封するのはGK Ali Al Habsi 1人では出来ない。強固なDFラインがあってのことだ。
3次予選、前半の3戦を1分2敗 ( Hサウジ 0-0 ,Aタイ 0-2, A オーストラリア 0-3 ) 無得点5失点で折り返した。
第4節ホームでのオーストラリア戦では それまでフル出場だった Al Farsi Rashid Juma Mubarak に替ってサウジアラビ Al Read でプレーするAl Mukhaini Abdul Sallam を起用し183cm の Al Balaushi Mubarak ( Mohammed Al Balushi : Al Wahda UAE )とCBを組むようになり劇的に守備力がアップ。第4節でオーストラリアを 1-0 で完封すると以降サウジアラビア 0-0, タイ 2-0 と無失点2勝1分で乗り切り見事グループ2位に入り最終予選進出を決めた。 
右サイドバックの Al Gheilan Hassan Yousef ( Hassan Yousef Mudhafar ) は31歳サウジアラビアのAl Ittifaq でプレーする。
3次予選では 0-3 で敗れたアウェーのオーストラリア戦以外全てスタメン出場。 
左サイドバックは3次予選6試合フル出場24歳の Al Mukhaini Saad Suhail Juma ( Saad Suhail ) 。 オマーンの Al Swaiq に所属する。しかし今オマーンの国内リーグはまだ開幕していないのでコンディションがどうなのだろう?  Yousef, Suhail ともに AFC の資料ではFW登録。それだけ攻撃力があるのだろうか?



年齢的には脂の乗り切った中盤
ボランチは Al Hadhri Hussain Ali Farh ( Al Hadhri ) と Al Mukhaini Thuwaini ( Ahmed Hadid ) 。 Al Hadhri は22歳 オマーンの Dhufar に所属する。優勝した Pan African Games のメンバーでロンドン五輪予選にも出場、ハノイでのプレーオフではPKも蹴っていた。3次予選では最初の3試合迄スタメン出場では起用されなかったが(サウジ戦、タイ戦は後半から起用された。)第4節のオーストラリア戦から3試合連続してスタメン出場。最終戦タイ戦では先制ゴールを決めている。
恐らく攻撃時は Al Hadhri 絡んでくるのではないか?
27歳のAhmed Hadid はカタールの El Jaish でプレーし ている。2010-11シーズンまではサウジアラビアの名門 Al Ittihad でプレーし2009年のACL準優勝メンバー。 しかし Le Guen 監督は累積警告で出場停止である Al Maashari Juma Darwish ( Al Oruba オマーン ) を起用したかったか? 
2列目左には クウェート Ali Nassar でプレーする 27歳の Al Mahajir Ahmed Mubarak Obaid ( Ahmed Kano ) 。累積警告で出場出来なかった第5節のサウジアラビア戦以外はスタメンフル出場。 クウェート Premier Leagueでは今年に入り出場機会が少なかったが直近2試合では出場している。 
右サイドには Fawzi Bashir Rajab Bait Doorbeen ( Fawzi Bashir ) 28歳 175cm のMF。 UAE のBani Yas でプレーし今年のACLにも出場したがチームは1次リーグで敗退した。3次リーグではオーストラリア戦以外はスタメン出場を果たしたがホームのオーストラリア戦は60分から途中出場をすると多くのチャンスを演出したらしい。
また21歳、五輪予選にも出場していたAL Oruba ( オマーン ) でプレーする Eid Mohammed Eid AL Farsi ( Eid Mohammed ) も試合途中から起用されるかもしれない。 EId Mohammed はホームでのオーストラリア戦、サウジアラビア戦にスタメンフル出場を果たし、他にもアウェーのオーストラリア戦、最後のタイ戦にも途中出場で起用された。



3次予選6試合3得点の攻撃陣….
6試合中3得点のオマーン。そのうち2得点は最後のタイ戦。そして1点がホームでのオーストラリア戦。しかしアウェー3試合では無得点だった。これまでオマーンは日本とのアウェー戦は3戦して1得点( ’97 : 1-1, 04 : 1-0, 08 : 3-0 ) 得点力は高い様ではないみたいだ。
日本戦は Amad Ali Sulaiman Al Hosni ( Amad Al Hosni ) と Abdul Aziz Humaid Mubarak Al Maqbali ( Adbul Al Muqbali )の2トップとなるだろう。
27歳のAmad Al Hosni はかつてベルギーの Sporting Charleroi でプレーし今はサウジアラビアの名門 AL Ahli でプレーする。 2011-12 シーズンは22試合15得点を挙げた。今シーズンの Al Ahli はACLでも UAE のAl Jazira をPK戦で降してベスト8進出を決めた。 182cmの長身を生かして高さを生かすプレーをするだろう。 ホームのオーストラリア戦では決勝ゴールを決めている。
Adbul Al Muqbali は23歳。 Pan Arab Games 優勝メンバー。最終予選は第3節のオーストラリア戦以降スタメン出場を続けタイ戦ではロスタイムにダメ押しのゴールを決め最終予選進出を確実にした。


最悪の試合パターンは早い時間に失点し攻めまくっても GK Ali Al Habsi を中心とした守備陣に守りきられる事。 1997年6月28日国立競技場で行われたワールドカップフランス大会予選では開始4分に中田英寿が先制ゴールを決めたがその後日本は攻めあぐみ63分にマジディー・ジャーパン・サミールに同点ゴールを喫するとそのまま試合は引分けに終わり最終予選へ不安を残した。

兎に角大事な初戦。 ここできちっと先制ゴールを早い時間に決めて、着実に追加点を決めて勝ち点3を確保して頂きたい。

明日は天気大丈夫かな……

ワールドカップ最終予選  大事な初戦の対戦相手はオマーン

2012-06-01 | 夏季五輪
いよいよ始まるFIFA World Cup 最終予選。ワールドカップやオリンピックを追いかけていると本当に月日の経つのが早い。それだけ歳をとっているわけか?
五輪イヤァーを向かえ、昔ほど出場枠を獲得できなくなった日本スポーツ界であるがサッカーだけは別。
厳しいアジアの戦いを勝ち抜いて男女共に出場権を勝ち取った。女子はメダル候補でもある。
ワールドカップ出場権獲得の可能性を高める為にも五輪開幕前の日本スポーツ界に勢いをつける意味でも、6月のワールドカップ予選3連戦ではしっかりと勝ち点を稼いで頂きたい。
それには初戦のオマーン戦が非常に大切である。

初戦のオマーン戦
このフレーズを聞くのは今回が初めてではない。 1997年3月23日、 Sultan Qaboos Sports Complex で行われたワールドカップフランス大会アジア地区1次予選、2004年2月18日さいたまスタジアムでのワールドカップドイツ大会アジア地区予選2次予選。 2004年7月20日 重慶オリンピックスポーツセンターで行われた AFC Asian Cup 中国大会と初戦で対戦しておりいずれも 1-0 の勝利を収めている。私の印象はいずれも “スコアーの 1-0 以上に競った試合内容”と記憶している。 特に2004年2月の試合は中村俊輔がPKを失敗するなど終始攻勢でありながら中々オマーンゴールを破ることが出来ずロスタイムに久保竜二が決めた決勝ゴールでようやく勝利に辿り着いた。
この時のGKが今でもオマーンゴールを守る English Premiership Wigan Athletics でプレーする Ali Abdullah こと Ali Abdullah Harib Al-Habsi 。
オマーンとは上記の他にも南アフリカ大会3次予選でも対戦しており 3-0 ( 横浜 ) 1-1 ( Damascus ) の戦跡となっており通算7回対戦して5勝2分、得点9、失点2となっている。




1分2敗から3次予選を勝ち抜く
オマーンが所属した3次予選 D組はオーストラリア、サウジアラビア、タイが同じ組にいた比較的“激戦区”であった。
当初はオーストラリアとサウジアラビアが有力視されていた。 オーストラリアは開幕から3連勝を飾りその強さを見せ付けた。
2位争いは第3節を終わって第2節でオマーンを破ったタイが勝点4で2番手のつけておりオマーンは勝点1でサウジアラビア(この時点で勝点2)にも遅れをとり最下位だった。
そして2011年11月11日、オマーンはホームMuscat にオーストラリアを迎えることとなっていた。この試合でオーストラリアが勝てばオーストラリアの3次予選突破が決まりオマーンの3次予選突破がかなり厳しくなるとことろであった。

Preview: Oman v Qantas Socceroos

それまで4度あった両者(オーストラリア、オマーン)の直接対決はオーストラリアの3勝1分であった。
1ヶ月前の10月11日、Sydney ANZ Stadium で行われた試合はオーストラリアが 3-0 で勝利を収めていた。

"If it ain't broke, don't fix it" ( 壊れてないものを直すな。うまくいってることに対しては干渉しない方がいい。 )
これは1999年オーストラリアの国民投票前に君主主義者の間で言われたキャッチコピーだった。 

これは同時にオマーン戦を控えた Socceroos のHolger Osieck 監督にも当てはまる難問でもあった。
オマーン戦のスタメンを決めることについては1999年の国民投票の時ほど政治色は無いが、Brett Emerton をHyundai A-League のシーズン開幕戦のSydney FCでのデビュー戦出場を容認し、
10月11日に Sydney で行われたオマーン戦の準備試合の為にキャンベラで開催されたマレーシアとの準備試合に召集しないという外交手腕は発揮された。
Osieck 監督は同じ好意を Harry Kewell にも見せて彼をオマーン戦 ( 11月11日 ) とタイ戦 ( 11月17日 )の遠征メンバーに加えた。

しかし Kewell と Emerton という経験あるベテラン2選手の遠征招集は歓迎される選択であるはずだった。
そして Ange Postecoglou 監督の指揮下、目覚しい成長を遂げた Brisbane Roar のMF Mitch Nichols が2009年以来の代表召集となった。前に召集されたのは Pim Verbeek 監督時代の Asian Cup 予選のクウェート戦でこの試合には62分に交代出場を果たしたものの試合は 0-1 で敗れた。

例え今回のオマーン、タイ遠征メンバーの中では Kewell と Emerton 以外はNichols だけが A-League 所属の選手ではあるが彼の召集と Hyundai A-League の選手が国際レベルでプレーすることにより自信を育むことは同等のものである。しかしNicholas の召集は他の候補選手であった、Aston Villa の Youngster である Chris Herd が怪我で召集を辞退したためにお鉢が回ってきたと言う事も書き落としてはならない。
Heard は土曜日(2011年11月5日 ) の Norwich City 戦では90分プレーしたが遠征に耐えられない程の負傷を足首に負った。 

10月にオマーンを 3-0 で破り直近8試合で5連勝を飾った試合の布陣を変えるのかどうか、また変えるとしたらどの様に変えるのか?
Kewell をスタメンに入れるのであればここ4試合で6ゴールを決めている Josh Kennedy のスタメンは難しくなる。
Emerton を起用するなら Luke Wilkshire を守備に回し Rhys Williams を起用することになるだろう。10月のオマーン戦では背筋痛で出場できなかった正GK Mark Schwarzer は今回 Adam Federici に替わって起用されそうだ。

Australia v Oman - An unlikely rivalry

ワールドカップドイツ大会を終えてAFC に加盟したオーストラリアが最初に臨んだ公式大会が2007年東南アジア4カ国で開催された AFC Asian Cup 。
その初戦で対戦した相手がオマーンだった。
バンコクのRajamangala National Stadium には約5,000 人の Green and Gold Army ( Socceroos サポーター ) が駆けつけたが彼らの前で繰り広げられた Socceroos のパフォーマンスは前年のワールドカップメンバー10人を含んだスタメンイレブンであったがドイツで見せたものとは程遠いものであった。
当時 FIFA ランク74位だったオマーンは 32分にルーズなマークを縫って Bader Al Maimani が先制ゴールを決めると後は守備を固める。
東南アジア独特の高温多湿のコンディションにあえぐ Socceroos 達は同点に追いつくチャンスを作れず時間が過ぎていくばかりであった。そしてロスタイムに入りようやく Mark Bresciano のシュートの跳ね返りを Tim Cahill が押し込んで何とか勝点1を確保した。
当時の Graham Arnold 監督は試合後オーストラリアはある選手は試合後体重が 5kg も減るなど気候に順応できなかったことを認め “牢屋を出たばかり。”と語った。
しかしそれは今大会、準々決勝戦で日本に敗れた大会の悪夢のスタートに過ぎなかった。
次の対戦は Asian Cup 予選であった。 2009年3月5日、キャンベラで行われた試合は0-0 のまま試合が進みまたも Tim Cahill が74分にゴールを上げ均衡を破りオーストラリアが辛勝を収めた。
当時のClaude Le Roy オマーン代表監督は試合後の記者会見でオーストラリア代表の役員達に侮辱されたと訴えた。

オーストラリア人たちは最初から我々が時間稼ぎをするものだと考えていた。しかし私はけっしてそんなことは指示しなかった。選手たちには前に、前にと指示した。オーストラリアは技術のある選手をたくさん含んだ大変すばらしいチームだワールドカップ2010年大会では彼らを支持する。しかし彼らが次に Muscat に来る前に我々はしっかりと準備を整えるであろう。

そのフランス人監督の“しっかりと準備する”という警告は Muscat でのリターンマッチで充分に知らしめられた。

15分にPKを得たオマーンはその時に Le Roy と彼の選手達がなにやら約束を果たした様なRhys Williams も退場で失うという立ち上がりであった。そして観客席から花火が David Carney の近くに放り込まれるなど緊張は高まるばかりであった。
Socceroos 達は Luke Willkshire が前半43分に同点ゴールを決めると観客席からの敵対心を振り払い 82分に Brett Emerton の逆転ゴールで勝利を収めた。
そしてオマーンの Asian Cup へのチャレンジは最終戦ホームでのクウェート戦を引き分け本戦出場は叶わず Le Roy は解任されることとなった。
この Asian Cup 予選でオマーンを連破しオーストラリアは 2007年大会のオマーンの亡霊を振り払うことが出来た。 
そして2014年ワールドカップブラジル大会アジア地区3次予選で再び両国は同じ組となり Paul Le Guen 監督下、再び彼らの挑戦を受けることとなったが2011年10月11日シドニーで行われた第3節の試合では8分に Brett Holman が先制ゴールを決めると前半は試合を試合する。そして65分に Kennedy がゴールを決めリードを広げると最後は Jedinak がダメ押しのゴールを決めて 3-0 で Socceroos が勝利を収めた。

Osieck demands perfection from Socceroos
Muscat でのオマーン戦を前に Holger Osieck 監督は勝利以上のものを求めている。それは全勝で予選を終えアジアでの確固たる地位を築くという事だ。 Sultan Qaboos Stadium でオマーンを降せば2試合を残して最終予選進出が決まる。
しかし Osieck 監督はそれでは不十分であると思い、選手たちには残るタイ戦と2月のサウジアラビア戦でも手綱を緩めることなく全勝で日程を3次予選を終了することを望んでいる。
それは他のアジア諸国に Socceoos の脅威を当たることを意味するのだろうか?
“ 脅威とは多分大げさだろう。精神的に優位に立ちたい。 我々がチームとして進化し続けている間、我々がやろうとしている football を披露しそれを良く続けている間は、対戦相手は注意を払うっているということは認められるだろう。 
オマーン戦での勝利はレギュラー選手たちが次のタイ戦、サウジアラビア戦ではモチベーションを低下させる可能性があるとおもわれがちだが Osieck 監督は決してチーム力は低下しないと繰り返す。

“ 他の選手はアピールの場を得られるだろうが彼らはまだ挑戦を続け出場した試合を勝つという義務がある。 選手を Socceroosに召集した選手は常に勝利のメンタルを兼ね備えて貰いたいと思う。我々は決して1896年の五輪の時の様に参加することに意義があるというスタンスではない。”
Osieck の全勝の考えは勝利の文化を確立するばかりでなく FIFA ランクの上位を維持し最終予選で日本とならんでシードされることも視野に入れている。

“私は危ない橋を渡りたくはない。 誰もこのシステムはわからない。 だからシードされるということはシードされるチームであるということだ。恐らく最高の一流ということではない。 日本は大変危険だ。しかし違った質を持っている。だから FIFA ランクは維持したい。”
試合を前に Osieck はMark Schwarzer をGKに起用すること意外、スタメンの言明を避けた。Brett Emerton と Sasa Ognenovski の起用についても最後の瞬間に決定を下したいと語った。
オマーンはまだオーストラリアを破ったことは無いがこの試合はタフなものになると予想している。シドニーとの試合ではメンバー入りしなかった Fawzi Bashir が Paul Le Guen に召集される事となった。

“試合はタフなものとなるだろう。オマーンはこの試合に敗れれば予選が終わってしまうというところにいる。だから彼らは大変攻撃的に来るだろう。そしてやるかやられるかの勢いで臨んで来て我々を打ち負かそうとするだろう。彼らは恐らくシドニーでの試合よりもいいプレーをするだろう。それは確かだ。”




Disjointed Socceroos shocked by Oman
前半18分 Amad Ali Hosin のゴールが決勝点となり予選突破に望みを繋いだ。そしてオーストラリアは連動とゴール前の突破に欠けた。
Socceroos は高いボール支配率を維持し多くのチャンスを掴んだが相手GKを恐れさす程ではなかった。
この試合のオマーンは守備面でかなりの改善を見せそれが対オーストラリア戦初勝利に繋がった。
先制ゴールを許した Socceroos は27分 Brett Holman がゴールを割ったがオフサイドで認められず、後半 Luke Wilkshire がPA 内で倒されたがホイッスルは鳴らなかった。
前半、オマーンGK Al Habsi は Holman のシュートを難なく防ぎ、セットプレーからの Spiranovic, Jedinak のヘッドはそれぞれゴール枠を捉えられなかった。
Kewell の 2度のシュートそして Luke Wilkshire のショットはゴールを外した。
試合を決めたシュートはオマーン陣内深くからMohammed Al Makhaini から1本のロングパスが Al- Hosni Amad に送られ、 Rhys Williams の鼻先で受けた Al-Hosni のドリブルシュートが GK Mark Schwarzer の守るゴールを破り , 2011年7月24日ワールドカップ2次予選のミャンマー戦で Ismail Al Ajmi がゴールを決めて以来400分間続いた得点空白期間に終止符を打つことなった。
Al Mukhaini Hadid Thuwaini はその後あわや追加点と思われた直接FKを2度放った。
オーストラリア74分に Rhys Williams を下げてベテランMF Brett Emerton を投入し同点ゴールを狙ったが最後まで得点を挙げることが出来ず、このワールドカップ予選4試合目で初完封負けを喫した。この敗戦は Osieck 監督下20試合目にして3敗目であった。



Bausher Sports Complex で行われたオーストラリア戦。  Paul Marie Jospeh Le Guen 監督は10月11日のアウェーでのオーストラリア戦からメンバーを5人入れ替えてホームのオーストラリア戦に臨んだ。
オーストラリアの Holgar Osieck 監督は GK に負傷の癒えた Mark Schwarzer を第2GK Adam Federici に替わって起用し、前節起用された Michael Zullo に替わって Harry Kewell が起用し、 Josh Kennedy と2トップを組んだ。 しかし Kewell は55分に Robbie Kruse と替わってベンチに下がった 。Mitch Nichols はベンチ入りしたものの出場機会は最後まで無かった。

前節のホームでのオマーン戦の前にキャンベラで行われた“準備試合”で2ゴールをあげた清水エスパルスでプレーするアレックスこと Alex Brosque はこの試合も出番が無かった。しかしLukas Neil と組むCBとして 戦前ではSasa Ognenovski の起用が予想されたが浦和レッズ所属の Matthew Spiranovich がスタメン起用され90分間プレーした。



Australia (4-4-2): GK : Mark Schwarzer; DF : Rhys Williams ( 74’ Brett Holman ) , Lucas Neill (c), Matthew Spiranovic, MF ; Luke Wilkshire, Carl Valeri, Michael Jedinak, Matthew McKay, FW ; Harry Kewell ( 54’ Robbie Kruse ) , Josh Kennedy.

Oman (4-3-3): GK ; Al -Habsi , DF ; Abdullah Mubarak Al Balaushi, Al Amur Juma, Al Mukhaini Juma, Al Yousuf Madhafar ( 80’ Said Sanjoor ) , MF ; Al-Farsi, Al Hadhri Farah ( 70’ Ismail Al Ajmi ) , Hadhri, Al Mubarak Obaid, Al Mukhaini Thuwaini FW; Abdul Al-Maqbali , Amad Al Hosin ( 60’ Bashir Rajab ) ,

Not in use
Australia ; GK Nathan Coe, Adam Fedrici ; DF Sasa Ognenovski, Michael Zullo, MF ; Adam Sarota, Neil Kilkenny, FW James Troisi, Alex Brosque, Nicholas Mitchell,

Oman ;
GK ; Faiyz Al Rusheidi, Al Hawaidi Sulaiman, MF ; Nasser Al Ali, Mohamed Mukhaini FW ; Badar Bamasila, Abdullah Mukhaini, Al-Housni Suwaidan, Hamood Al Sadi

試合後 Osieck 監督は”我々はけっして勝利に値しないチームではなかった。”とコメントを残したが、試合内容はシドニーでの試合とは格段の差があったらしい。 GK が Schwarzer でなければ2点以上失っていたかもしれない。
そして Kewell はこの試合次の対戦相手国タイには行かずオーストラリアに帰国することとなった。



オマーンはこのオーストラリア戦の勝利をきっかけに生き返り最終的にはサウジアラビア、タイを抑えて最終予選進出を決めた。


 それにしても中東の選手は名前が長くて覚え切れない。かつてAFCが決めたとおり1選手1背番号制度を復活させてくれないかな?選手が一度つけた背番号を変えられないという規則。だから背番号が50番台の選手もいた。これは二重登録や登録詐称を避ける為だけれどこれはむしろ中東諸国の不正を防ぐため。この規則が廃止されたのは後に会長になった Mohammed Bin Hammam の影響か?     続く