Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

カタール戦 準備は万全か ??

2008-11-17 | 夏季五輪

2試合で勝ち点4は悪くないスタート。ホームゲームで確実に勝ちアウェーで引き分ける。それが理想の勝点勘定。日本はアウェーのバーレーン戦で勝ったがホームのウズベキスタン戦は引き分けた。だが勝点4は変わらない。なのに今岡田日本代表監督は更迭の噂にさらされている。ウズベキスタン戦は数々のチャンスを生かし切れずにその数日前に行われたUAE との“練習マッチ”と同じ様な展開を続け引き分け。
忍耐は美徳では無い、先週中村俊輔がついに口を開いた。日本は “ Win ugly : 泥臭い勝ち方 “を学ぶ時が来ている。その時は来ている、さもなくば岡田監督の任期は長くない。
既に昨年3次予選でバーレーンに敗れて以来彼のポジションは確固たるものでは無くなっている。 “我々は岡田監督と共に歩む。彼を解雇はしない。”  犬飼日本サッカー協会会長はこう発言する。しかし岡田監督の反応は決してその発言が彼のポジションを安泰にするものだとは示唆しない。 ”私はそれが協会内部で真剣に考えられたもかはわからない。私はチームの勝利に貢献すべくベストを尽くすだけだ。コーチを挿げ替えるのは会長の決定なので彼に訊いてくれ!!私は自分のすべきことをするだけだ。私を解雇しないと言われるのは、私をリラックスさせるためで。解雇を楯に仕事を厳しきさせる為ではない。“ 
彼は次のカタール戦で結果を出さねばならない。

以上は次の対戦国カタール協会のホームページの英語ヴァージョンに記されていた記事の要約だ。カタールは1勝1敗1分。彼ら理想の星勘定はホームゲーム2勝、アウェーで1分、勝ち点7と言う事になるが実際はホームでは1勝1分( 3-0 Uzbekistan 1-1 Bahren ) アウェーでは1敗 ( Australia 4-0 ) なんと言っても痛いのはオーストラリアに 0-4 と完敗を喫した事だ。これにより Uzbekistan を3点差で破った貯金を吐き出してしまい得失点差で1試合消化試合の少ない日本よりも下回る事になった。

先月のオーストラリア戦は“中東通”の Metsu 監督体制の初戦であったにも関わらず4失点の敗戦。得意の攻撃陣もオーストラリアの屈強なDF陣の前に不発。しかも Defensive MF の Grella , カタール攻略に欠かせないハイクロスを配球する Bresciano そしてエース Harry Kewell が不在であったにも関わらず…….
確かに試合のあった当日の Brisbane は大雨が降った。中東ではお目にかかれないピッチコンディションであった。10日以上前に現地入りして、Socceroos の欧州組が揃うずっと前に Gold Coast 入りして準備にあたっていたのが大雨の天候に全て文字通り流されてしまった……. それだけに次にホームでの日本戦への意気込みと巻き返しが非常に気になってたまらない。

    

そしてカタールサポーター達を喜ばすニュースも入ってきていた。
日本のスターディフェンダー 中澤祐二が“筋肉挫傷”の為に翌週のカタールとのワールトカップ予選には出場できない見込みとなった。
30歳のこのディフェンダーは土曜日の J-League のゲームにおいて右足太ももの内転筋を痛め MRI 検査の結果全治3週間と診断された。中澤は日本の守備の要と言われており19日のドーハでのカタール戦と木曜日のシリア戦は欠場する見込み。替って清水 S-Pulse の高木和道が招集された。

    

また第一GKの楢崎正剛32歳も所属先の名古屋グランパスの発表によるとカタール戦は怪我の為に戦列を離れるだろとの事であった。日本は11月19日のカタール戦に向けて中村俊輔そして ST.Etienne の MF 松井大輔を招集するなど “ strong Squad “ を発表した。 (この後に招集メンバー25人の選手名と所属先がリストアップされている)

中澤の離脱は非常に痛い。そしてカタールにとっては吉報に他ならない。
あれは我が愛する京都サンガが横浜Fマリノスに勝った試合。テレビ中継もなく I MODE で必死に経過を追っていると中澤の交替の情報があった。前半が終わる前だったのでかなり心配をしたのだった........
カタールは3次予選でそして最終予選でオーストラリアと対戦し3連敗。 ( 0-3, 1-3, 0-4 ) 苦戦したその原因はDF陣のハイクロスの弱さにあった。今年2月、メルボルンで行われた3次予選では 194cm 長身の Josh Kennedy の完全に制空権を握られ、先月のブリスベンでの試合でもカタールDF陣は Kennedy を止められず失点を重ねてしまった。大久保、玉田、達也と先発候補が上背が無い為、セットプレーなどで中澤が闘莉王と共に相手DF陣の脅威となるのであったが…… 巻の調子はどうだろう。
どうしても得点が必要な時は巻の投入またはスタメンも考えても良いか? 
ただオーストラリアは Kennedy のヘッドだけで快勝したのではない。 Tim Cahill そして Brett Emerton の2人もゴールを重ねた。特に Emerton は今回のワールドカップ予選ではカタール戦4得点。中澤はいないがハイクロスを生かすべく戦術がうまく取れないものか……

楢崎は本当に離脱するのであろうか?しかし楢崎が守れないなら川口がいる。川口は本当に幸運をものにする選手が。アトランタ五輪ではレギュラーとしてゴールを守ったが、当時所属先の横浜マリノスでは松永成立がいたのでレギュラーポジションでは無かった。そこに松永が監督とのトラブルからチームを去り、レギュラーの座を奪うとそのまま代表のゴールも守る様に。フランスワールドカップでは何度もファインセーブを連発した。トルシエ政権下ではライバルの楢崎がシドニー五輪では Over Age 枠で楢崎が起用されるほど寵愛を受けた。しかしシドニー五輪で負傷した楢崎に替って起用された2000年 Asian Cup レバノン大会ではナイスセーブを連発しチームの優勝に貢献した。2002年ワールドカップ日韓大会では出場の機会が無かったが以降日本のゴールを守る川口と楢崎の存在は誰もが知るところ。 今年3月のバーレーン戦以来レギュラーから外れているが、またスーパーセーブを披露してくれるだろう。(もっともそういうシーンも見たくないけど。)
2006年6月、 Nurnberg で観た川口の神懸かり的なあのセーブを私は一生忘れる事はないだろう……

日本戦に臨むメンバー発表。

韓国との親善試合 を前に19日の日本戦に臨むメンバーが発表された。注目はAl Rayyan 所属先の Adel Lami とエジプトの強豪 El Ahli所属のHussein Yasser 。 Adel Lamiはこの ワールドカップ予選初召集では無いかな…… 
Hussein Yasser はバーレン戦では90分出場するも前のオーストラリア戦ではベンチ入りを果たせなかった。その後所属先の El Ahli でレギュラーポジションを確保できたその実績が再召集となった。そしてDF Abdula Obaid S Koni と FW Tala Ali H Albloushi の2人が累積警告で出場出来ない為の召集と考えられる。特に FW の H Albloushi は9月6日のウズベキスタン戦でゴールを決めている選手。

11月14日ドーハで行われた韓国との試合では1-1 で引き分けた。この試合は試合開始早々の前半6分、左サイドFKからイ・チョンヨンが直接蹴りこんだボールがゴール前でワンバウンドしてカタールゴールに吸い込まれ韓国が先制した。その後はホームのカタールがエースの Sebastine Quintana を中心に韓国ゴールに迫るがゴールは割れず、後半は立ち上がりソ・ドンヒョン、ハ・デソン、キム・チゴン、チェヒョジンをピッチに送り込んだ韓国が攻める展開が続いたが後半10分以降、徐々にカタールが攻撃のリズムをつかみ始める。そして後半29分ブラジルからの帰化人選手 Fabio Cesar Montesin がFKを直接蹴りこんで1-1の同点に追いつきその後の韓国の攻撃をしのいで試合は1-1の引き分けで終了した。この試合のもっ一つの注目は Asian Cup の飲酒事件から1年が経ちその謹慎明けとなった GK 李雲在の復帰でもあった。

   

またこの前の11月10日に行われたドーハでのイランとの親善試合は Gholameza Rezaei のゴールで0-1 で敗れている。この試合でBundesliga Arminia Bielefeld でもプレーしたイランのかつての英雄 Karim Bagheri が7年振りに代表に復帰した。34歳の Bagheri はワールドカップ時には36歳になる。彼の復帰はかつて共に戦った現在はイラン代表監督に就いている Ali Daei のたっての依頼だったのだろうか…….

カタール代表のメンバーは下記の通り。

GK Mohammad Saqre ( Al Sadd ) , Abdulaziz Ali ( Al Gharrfa )

DF Saad Al Shemari ( Al-Rayyan ) ,  Bilal Mohammad ( Al-Gharrafa ) ,
Mustafa abdi ( Al-Gharrafa ) , Meshaal Mubarak ( Qatar S.C ) Markoni Ameral ( Al-Gharafa ) Ibrahim majid ( Al-Sadd ) ,   Messad Al Hamad ( Al-Sadd ),  Younis Ali,Hamid Ismael, (不明 )

MF Talal Al Boloushi ( Al-Sadd ) ,  Khalfan Ibrahim ( Al-Sadd ) , Majid Mohammad ( Al-Sadd ) , Majdi Seddiq ( Al-Khor ) Fabio Ceasar Montesin ( Umm-Salal ) Mohammad Abdulrab Al Yazidi ( Al-Sadd ) Younis Ali Rahamati ( Al-Rayyan ) Mousa Haroun Geder ( Umm-Salal )

FW  Yousif Ahmad Ali ( Al-Sadd ) , Sebastian Sorea Quintana ( Qatar S.C )
   Said Al Bashir ( Al-Arabi )  Hussein Yasser ( EL Ahari : Egypt )
   Adel Lami  ( Al-Rayyan )

Al-Saad 8人, Al-Rayyan 3人 そして Al-Gharafa 4人となっており 攻撃陣では Al-Saad がそして守備では Al-Gharafa の選手が多い。

GK は Mohamed Saqre だろう。オーストラリア戦では累積警告で出場出来なかった。
DF は最終予選3試合連続フル出場でゲームキャプテンを務めた事もある Abdulla Obaid S Koni が累積警告で出場できない。オーストラリア戦はベンチ入り出来なかった Marcone Amaral C Junior、Mustafa Mohamed Abdulla, Ibrahim Majed A ABDULLAMAJED の3人とBilal Mohammad を加えた4バックか?それとも B. Mohammad の替りに Messad Al Hamad が起用されるか?  Al Hamad, Bilal Mohammad そして Ibrahim Majed A Abdullamajed の3人は北京五輪予選で日本と戦ったメンバーだ。

MFは Tala Ali H ALBLOUSHI が累積警告で出場できないはずだ。最終予選のウズベキスタン戦とオーストラリア戦で警告を受けている。今回招集リストにあるのはおかしいなぁ…….. H Albloushi は3次予選からほぼ通して出場して来た選手。攻撃的MF には Khalfan Ibrahim と元ブラジル人のCesar Monsten が。そして Majdi Seddiq と Wesam Rizik ABDULMAJID がややディフェンシブなポジションを取るだろう。 Seddiq は北京五輪予選の日本戦に出場している。そしてドーハの日本戦ではロスタイムに得たPKを決めている。 

  

FWは Sebastian Quintana と Said Al Bashir 。 Sayed Ali Bashir は最終予選は怪我の為にバーレーン、オーストラリア戦は連続してベンチ入りもしていない。怪我の回復が芳しく無ければHussain Yaser M ABDULRAHMAN または オーストラリア戦でスタメンを果たした 元五輪代表で日本とも五輪チーム時代は戦った経験のあるMagid Mohamaed I HASSAN の起用か? それとも今回召集の Adel Lami がスタメンか?Quintana に気を取られていると他のMF,FW の攻撃陣も強力なので要注意だ。 

   

このカタール戦は前半の大きな山場となっている。この試合、引き分けても良しとすべきだがオーストラリアが2連勝を果たしており3ヶ月後には Socceroos をホームに迎えるのでやっぱり勝点3が欲しいなぁ…… そうすれば2月のオーストラリア戦までゆっくりと過ごせるのだけど。

既に現地入りしている岡田ジャパンが我々を安心させてくれることを願う。

だけどカタールはイランや韓国と試合をして準備をしているのに日本はシリア相手で大丈夫なのかな.......

 


首位を行くオーストラリア バーレーン戦メンバー発表

2008-11-13 | 夏季五輪

STEP 4 Home Game をより有効に

組み分けドローが発表された時我々オーストラリアは二つのグループの中で明らかに容易な方に入った。イラン、サウジアラビア、南北朝鮮とは別組となり比較的に名の通っていないバーレーン、カタールそしてウズベキスタンと同組となった。
これらの3カ国がオーストラリアのホームゲームで脅威となるとは考えにくい。カタールとは3次予選ではホーム、アウェー共にオーストラリアの快勝に終わり、バーレーンは Asian Cup 予選では同組となったがオーストラリアが優った ( アウェー 3-1 ホーム 2-0 ) 。ウズベキスタンとのアウェーゲームは心配ではあるが、彼らがオーストラリアのホームで勝つと予想するのは高い賭けとなる。しかしこれら3カ国は我々を脅かす潜在能力は持っている。ウズベキスタンは3次予選では開幕から5連勝を飾りサウジアラビアを 3-0 で破っている。バーレーンは日本を 1-0 で破っておりカタールは3次予選ではオーストラリアと共に最も難しいグループを中国、イラクの強豪を抑えて突破して来た。そしてこれらの国々には1人で試合を決めれる選手がいる。ウルグアイ生まれのパワフルなFW Sebastian Quintana は Asian Cup 3試合で3ゴールを決め、かつての Asian Player of the Year の Khalfan Ibrahim は3次予選のオーストラリア戦でゴールを決めた。 バーレーンの Aala Hubail は22歳の時に出場した 2004年 Asian Cup 中国大会では得点王となり3次予選の日本戦、オマーン戦で決勝ゴールを決めている。ウズベキスタンも Banana Skin (つまづきの元 ) となり得る可能性を秘めている。 GK と DF 陣はほとんどが Pakhtakor Tashkent でプレーし戦術に必要なコミュニケーションが充分に取れている。3次予選では6試合中4試合を完封した。そして Dynamo Kiev の英雄 Maksim Shatskikh は3次予選で2ゴールを挙げている。もし彼らがオーストラリアにやってきて驚きの勝利を挙げる事が出来ればメンバーがなかなか固定できないオーストラリアのDFラインから得点を奪う事は不可能なことでは無い。 このグループで上に行かれる可能性も出てくる。 
4試合全てのホームゲームでミスをなくし集中を保てば3度目のワールドカップ出場が見えて来る。精神的な規律がキーとなるであろう。それは 2006年組ベテラン選手達が主導になって作るものであり、ただ作り出すだけでなく若い未経験な Socceroos 達にもそれを準備してやらねばならない。

イラン、サウジアラビア、韓国と別組になった事は大いに歓迎される事。更に得体のしれない北朝鮮とも別になった。はっきり言ってこれだけの幸運に乗じられない様では ワールドカップ ベスト16と言うのもおこがましい。
しかし相手もワールドカップに出たいのだ。Quintana には日本は Asian Cup で得点を許しており、 Aala Hubail にも3次予選でやられている。そしてこの前のウズベキスタン戦は Shatskikh に決められた。 日本は誰が1人で状況を打破できるのであろうか……..? 
オーストラリアもホームゲームは無類の強さを誇る。3次予選の最終戦で中国に敗れたがそれは消化試合だった。そしてAFC に加盟する前はアルゼンチン、ウルグアイ、スコットランドら強豪相手でも引き分けている。ただし1997年のイラン戦の MCG の悲劇もあるが…….

    

そして3次予選の Brisbane でのイラク戦は勝はしたものの、試合内容はイラクが押しており、雨の天候とGK Schwarzer のファインセーブ連発がなければ結果は別のものとなっていただろう…….しかしそれでも勝ち星をのこしたのだ…….
日本のホームゲームはどうだっただろう….. 3次予選のバーレーン戦は共に消化ゲームであったが主力が抜けた相手に終了直前のラッキーゴールで何とか勝利を得て、最終予選のウズベキスタン戦では………..

STEP 5 日本の脅威への対応

たとえオーストラリアが南アフリカ行きの為に日本を破る必要が無くても日本サイドはオーストラリアを最も高いハードルと考えている。全てが Blue Samurai 達にはバラ色では無いと言う事を聞くと我々も安心する。 昨年末に Ivica Osim 前監督が脳卒中で倒れて以来岡田武史氏が新監督の指揮を執っているが岡田氏は90年代末に監督経験があり、史上初めてワールドカップで指揮を執った監督だ。そしてワールドカップでは3連敗を記録した。
3次予選でのトラブルの末、前回の成績と自らのスタイルに批判が続き岡田人気は高くはない。

“岡田氏が第一候補ではないと言う事を忘れてはならない。 Osim がやってきて Asian Cup は World Cup 予選の準備であると言う言葉が響き渡った。岡田氏は適任か? おそらく No である。もし最初の2試合で結果が出なければオーストラらいが日本に来る前に海外からBig Name が監督になっても驚きでは無い。ピッチ上での日本を打ち負かす事は不可能では無い。大きな欠点は FW 陣だ。 KAZU 以来トップクラスのストライカーは見られない。 J- League は若い日本人のGK, DF 選手を生み出す素晴らしいリーグだ、しかし J-League で外国人ストライカーが目立つ事は若いストライカー誕生の妨げになっている。だが日本のMFの Quality は高い。例え Socceroos の中盤がワールドクラスと自負していようとも。 中村俊輔は最もよく知られる日本人選手だ。しかし中村を日本のベッカムと評させているのはフラッグを打ち振る女性ファンである。その代りに松井大輔、鈴木啓太らがチームの最も重要な選手であると思われる。松井はフランスで4シーズンプレーをしており今シーズンから Saint Etienne でプレーする。鈴木啓太は何年も浦和レッズでレギュラーとして活躍している。しかし鈴木啓太のチームメイトである田中マルクス闘莉王が日本の切り札となり得る。田中は ( 8月末日頃現在で ) 日本人選手で唯一 J-League の得点ランキングトップ10に入っている日本人のトップスコアラーである。そして典型的な CB 選手で DF の中心人物である。今だにアジアの選手達は守備的で特に日本人は小さくてフィジカルが弱いと言う先入観があるが今や闘莉王と中澤がいる。彼らは完全 beast ( 獣 ) でありオーストラリア選手達よりも強い。”

中途半端な理由は不要である。このグループを勝ち抜くためのリスクを最小にするには最終戦までに充分な勝ち点を積んでおくべきで、さもなくば最終戦で勝利が必要となってきてしまう。日本は1994年アメリカ大会予選で韓国に得失点差で出場権を譲って以来、ワールドカップ、五輪そして Asian Cup の主要な大会で全て本大会に進出している。日本の堅実さは比類のない強さである。1つか2つの取りこぼしまでがワールドカップに繋がる。3位になればそこには韓国、サウジアラビアまたはイランが待っている。しかし AFC 加盟の利点はこれまでの様に all or nothing の最終 Play Off を戦わなくてよい事だ。

   

上記の岡田監督そして主力選手の分析はオーストラリアでも著名なジャーナリストの意見でよく分析されていると思う。彼とは2007 年の ACL 浦和戦で会って以来2度偶然に会っておりお互い顔を知る中だ。(しょっちゅう連絡はとっていないけど。) 
2月のオーストラリア戦の時にどこかで会えないか楽しみだ。でもその試合はどこでやるのだろう…….. 彼が唯一 Ivica Osim の健康状態を気遣うコメントを Osim 氏が倒れる前に出していた。日本人の“ジャーナリスト”は誰も気づかなのに…….
今のところ岡田監督はまだ指揮を執っているが次にカタール戦次第では……..そうなるとこの予選の星勘定が一大事だ。ここでは“俊輔衰え節” が述べられているがまだまだ俊輔の調子が試合を大きく左右する。幸い11月12日の Kilmarnok 戦にはフル出場をしたのでカタール戦は出場の兆しが見えてきた。しかし中澤が……
松井は今度は合流すると思われるが、さみしいのはFW陣。一人で状況を打破できる選手がいないとワールドカップ予選を勝ち抜くのは容易では無い…….
高原、巻...... なんとかしてくれないかなぁ......

オーストラリアは日本を相当脅威と見ている様だ。だが最終戦を前に日本こそ,その試合が消化試合となるべく充分な勝ち点となっていることを祈るよ……

先日発表のあった次の相手バーレーン戦のオーストラリア代表選手は下記の通り。

Mark Bresciano,  Jacob Burns,  Tim Cahill,  David Carney,  Chris Coyne,  Jason Culina, Bruce Djite,  Brett Emerton,  Adam Federici,  Richard Garcia,  Vince Grella,  Brett Holman  Josh Kennedy, Harry Kewell,  Scott McDonald,  Craig Moore,  Lucas Neill,  Michael Petkovic,  Mark Schwarzer,  Matthew Spiranovic,  Shane Stefanutto,  Mile Sterjovski,  Carl Valeri,  Luke Wilkshire.

Harry Kewell が怪我から復帰した。 Vince Grella, Carl Valeri らの名前があるが Grella はふくらはぎを故障中だ。サプライズは北京五輪代表のGK であった Adam Federic がノミネートされていること。所属先の England Southend での活躍が認められた。 A-League から選ばれたのは Queesnland Roar の Craig Moore ただ一人。前のカタール戦に続いての選出だけど彼とてワールドカップドイツ大会組。A-League には選ばれる選手はいないのか….

  

FFA は何とか Mark Bresciano を試合の2日前の11月17日にマナマ入り出来るように奔走中らしい。所属先のパレルモは15日夜に Inter Milano との試合がる。

  

前節カタール戦では左サイドバックに Scott Chipperfield, 左のMFに David Carney が起用さえたが Chipperfield は故障。かわって Bresciano が起用されそうだ。そして Grella が11月9日の Chelsea 戦の前半でベンチに下がったがこれはふくらはぎの故障の為で 19日のバーレーン戦は微妙になって来た。しかし Kewell, Bresciano , Grella 抜きでカタールを 4-0 で粉砕した戦力、バックアップメンバーがいるのが今のオーストラリア。本当に羨ましい限りだ。

  


首位を行くオーストラリアつけいる隙はあるのか……

2008-11-12 | 夏季五輪

日本代表選手の故障による相次離脱を尻目に最大のライバルとなるオーストラリアは開幕2連勝で首位に立っている。2年前のワールドカップでは歴史的な決勝トーナメント進出を遂げ大会後はAFCに加盟した。 Asian Cup ではベスト8止まりだったがかつてはアジア諸国とワールドカップ出場を争った事がある。それでもアジアの中で戦い抜く事に少なくとも地元のマスコミは非常に神経質になっているようだ。最終予選の始まる前にオーストラリアの専門誌に“ ワールドカップ予選突破への5つのステップ” と言う特集記事が組まれていた。その記事は以下の通りであった。

STEP 1 Uzbekistan とのアウェーゲーム

2007年11月、 オーストラリア五輪代表チーム Olyroo 達が北朝鮮から北京五輪予選突破に必要な勝点1を持ち帰った時 FFA のコーチ陣が“アジアで最悪の環境を見た”と言う見解を示した。  Olyroo 達は粗末な施設、人々は1950年代の軍服をまといキックオフの1分前には人工芝のピッチの上にまだ雪が残っている….. 厳しく統制された北朝鮮に遠征した事になったのだ。 2006年にAFCに加盟後 Olyroos, Socceroos 達は中東の砂漠を行き来し、東南アジアの蒸し暑さに汗を流しそして北朝鮮のテストにパスをした。しかしこの最終予選のドローでは更なるサプライズが。アジア最北端の辺境地ウズベキスタンと言う New South Wales 州の半分にも満たない国土に3,000万人の人口を抱える国家と同組となったのだ。 
この国の Football は欧州と国境を接する旧ソ連邦5カ国の中では最も成功を見せている。前回の予選では極端に不当な処置が彼らのワールドカップ進出を妨げた。ホームでの 1-0 の勝利は日本人主審の誤審によって無慈悲にもやり直しを余儀なくされそこ結果予選突破を阻まれてしまった。
豊富な地下資源、天然ガス、金そして綿花を産出するウズベキスタンはアジアの “ Little Russia “ と成る恐れがある。 EURO 2008 で見られた様に今やロシアは欧州の列強の仲間入りを果たしている。 Australia は Uzbekistan がアジアの中で同様の動向を見せるのか用心をする必要がある。ウズベキスタンは 2001 年以来ホームでは敗れていない。しかしながら Australia はウズベキスタンとのアウェーゲームには2つの利点があるのも事実だ。1つはアジアの中では最も欧州に近く欧州組の長旅によるコンディション調整の苦労が少なくなる。2つ目はウズベキスタンとのアウェーゲームは最終予選の開幕戦となるので例え敗れても挽回のチャンスは残り7試合の間に充分期待が出来る。このゲームに引き分けられれば最高のスタートと言えるだろう……..

引き分ければ最高のスタートとみられていたアウェーのウズベキスタン戦。その“難しい”アウェーゲームを劣勢ながら 1-0 で勝ち点3を上げたことで“超最高のスタート”が切れたという言う事か…… しかも試合会場に出発する直前に Jason Culina と Jade Northの2人が腹痛を訴え直前離脱すると言うアクシデントまでありながらだ。試合内容もウズベキスタンのシュート数が15に対してオーストラリアは7。ウズベキスタン戦の勝利スタートは Socceroos 達が自らを勇気付ける事となっただろう。 

上述されている前回疑惑のワールドカップ予選の事だがそれは 2005年9月にウズベキスタンのタシュケントで行われたバーレーン戦の事だ。まず11分に カシモフ のゴールでホームのウズベキスタンが先制した。そして問題のシーン39分に シャツキフ のシュートがバーレーン DF モハメッド=ユマの手に当りPKがウズベキスタンに与えられた。そしてキッカーの ジェパロフ がこれを決めたのだが、ウズベクの選手達が ジェパロフ がPKを蹴り出す前に ペナルティーエリア 内に入っていた。通常ならここで蹴り直しが命ぜられるが、主審を務めた日本人の吉田主審はバーレーンに間接フリーキックを与えて試合を続行させた。試合後吉田主審も“誤審”と認めたが、この判定はPKが失敗した時に下される判定で、確かにジェパロフはそのPKをバーレーンゴールに捻じ込んだのでPKは成功しており、先述したとおりもう一度ウズベキスタン側にPKが与えられるべきであった。試合はそのまま続けられ、1-0 でホームのウズベクが先勝を納めたが、収まらなかったの当時のウズベキスタン代表監督のHoughton 監督。この判定に試合後ウズベキスタンサッカー協会 ( U.F.F. )を通じて FIFA に提訴。 FIFA も この判定を “ Technical Error “ と認め、Lennart Johannson World Cup Organising Committee 会長を始め再試合の決定を下した。U.F.F. 側の 3-0 でウズベキスタンの勝利という要求は棄却されたが、バーレーン側が何かをしでかしたわけでもないのでこれは当然。 勝利を収めたウズベク側が提訴したのも、1-0 と 2-0 では大きな違いがあるからだ。再試合は10月8日と12日に組まれ、10月8日のタシュケントでの試合はバーレーンが17分にTalal MOHAMED のゴールで先制し、2分後の19分に Maksim SHATSKIKH のゴールでウズベキスタンが追い付くもスコアーはそのまま 1-1 で変わらず12日のマナマでの試合はスコアレストローに終わりバーレーンがトリニダードドバゴとの大陸間予選に進出したのであった。

日本は御周知の通り最初のホームゲームでウズベキスタンと引き分けてしまっている………


Step 2 スロースタートを避けろ

ワールドカップ予選の日程が発表された時、それは “ back-loaded : 契約年限の最終年度に主要な利得が約束される労働契約 “ と言われた。
それは他のチームの運命は我々オーストラリアの手に委ねられていると言う事だ。来年4月初旬の時点でオーストラリアは4試合を残す事となるが他のチームは残り試合が3試合。そしてオーストアラリアは残り4試合のうち3試合がホームゲームだ。
最後のホームゲームの日本戦にドローのみが必要とされる状況になれば最高の星勘定となる。しかし Verbeek が与えたものはまだ充分に証明されてはいない。
もし幸運にも Uzbekistan と引き分けられてもカタール ( ホーム ) バーレーン ( アウェー ) に足元を掬われると2月の日本とのアウェーゲームは3位か4位で迎えねばならない。日本とのアウェー戦で引き分ける事は我々を思い悩ます事から救ってくれる事だ。6月の中国とのホームゲーム3次予選最終戦で Verbeek が軽率な実験用のスタメンを発表した事に就いての非難の嵐を思い出してみれば良い。もし重要な2月の日本戦を勝ち点5以下で迎えねばならなくなると Verbeek の批難度は10にも達する。その様なプレッシャーの中で Verbeek と選手達は我々を南アフリカに連れて行くと言う偉業に挑まねばならない。彼らは最後の4試合の優位さをうまく利用できるだろうか?
2月の日本戦の前に少なくとも6勝点(7勝点なら更に良い) は積んでおきたい。

一番案じられたウズベキスタンとのアウェーゲームを勝利で飾り、続くカタール戦も足を掬われるどころか 4-0 の圧勝。2連勝で単独首位。来年2月の日本とのアウェー戦が最も厳しい戦いと予想しているが、既に勝点は6挙げておりバーレーン戦の結果次第ではさらに上積みされる。ここで心配なのは我が日本代表。19日のカタール戦の結果次第では勝点5以下で迎えねばならないのは日本の方で、しかも2月はJリーグは“オフシーズンの真っただ中” レギュラー陣がほぼ全員欧州のクラブに所属しているオーストラリアはまさに “シーズン真っただ中 ” 。いよいよ日本はカタール戦が大事になって来た。しかしけが人続出で大丈夫なのか………

Step 3 Pim Verbeek の未経験の克服

Pim Verbeek の何を知っている?彼はオランダ人。彼は Guus Hiddink と仕事をした。彼は Asian Cup で韓国を3位に導き、ベスト8で敗れた Graham Arnold ( 当時のオーストラリアの代表監督 ) よりも好成績を収めた。我々が知るべきことは彼は良いコーチであると言う事が実証されただけで、今や彼はまだ足を踏み込んだ事の無い場所にいると言う事だ。 2007年の Asian Cup で韓国代表監督に就任するまでは Assistant Coach の肩書が主であった。そして2002年大会で Guus Hiddink と共に成し遂げた偉業が最高のキャリアーであった。しかし監督として指揮を執った Asian Cup では勝利は予選リーグのインドネシア戦 ( 1-0 ) にみでバーレーンには 0-1 で敗れ、決勝トーナメントは3試合とも得点を挙げられなかった。 0-0 イラン ( PK 勝 ) 0-0 イラク ( PK 負け ), 0-0 日本 ( PK 勝 ) . 規律重視を常にマスコミに語って来たのだが FW 李東国、 GK 李雲在 らがバーレーン戦の前夜に抜け出して KARAOKE に行った事を知ったあとでも彼らを使い続けた。 Verbeek が予選期間中に起こり得るトラブルにどの様に対処するかが興味がある。これまで Verbeek は求められた事にはよく対応しており3次予選も1ゲームを残して次のステージへの進出を決めた。しかし次のハードルはもっと高く Verbeek はチームをワールドカップに導きながら学んでいくだろう。

Verbeek 監督がワールドカップ予選に臨むのは初めて。対する岡田監督はフランス大会予選中に監督に“ 昇格 ”をし予選落ちの危機にあったチームを見事に蘇らせた。今度はどうだろう??? 岡田降ろしの声が小さくなかった時期もあったが監督の経験としては岡田監督の方が一枚上手ではないかと思う。
ただ選手層の厚さをみるとオーストラリアの方が “ レギュラー候補 ”が揃っているのではないか?? この国も韓国同様前任者のGuus Hiddink 氏を懐かしく思いにふけっているのかもしれない……  
                                  Step 4 からは次回に続く

    


14年振りの Camp Nou Champions League  第4節 後半

2008-11-11 | EURO Football

後半に入っても序盤から主導権を握るのはバルサ。51分には Hleb がボレーシュートを撃つが GK Costanzo がストップ。55分にはIenista からボールを受けた Henry がドリブル突破を図る。しかし Basel DF, 特に CB の Marque, Ferati そして Huggel の守備は堅くシュートは撃てない。55分にはPique がドリブルで中央を突破そして左サイドに寄った Henry にクロスを上げるがHenry がこの日放った2回目のフリーのヘッドはまたもゴール枠を外れてしまった。 
こうなるとバルササポーター達はピッチサイドでアップを続けてきた Messi と Xavi に期待がかかる。スタンドからも2人に声援が飛ぶ。おそらく早く出て来いってな内容だろうか…. 

  

しかし先にメンバーを替えたのは Basel 。 MF Perovic を下げて FW Eduard を投入した。これで前線を2枚に増やし先制点を狙うのか…と思うと大歓声が沸き起こる。 Messi と Xavi がピッチサイドにユニフォーム姿で現れたのだった。アップをしていた2人が呼ばれてベンチに戻った時から歓声が上がっていたがその何倍もの大歓声だった。60分に Krkic, Sanchez が下がって大歓声を背にEURO 2008で観た Xavi そして昨年オーストラリアで観た高速ドリブルの Messi がピッチに入った。 

  

2人のポジションは… と思う間もなく Camp Nou に大歓声が沸き上がる事に。 中盤でボールを得たMessi が高速ドリブルで前線に出て来て前にボールを送るとそこに走り込んだ Henry が体を反転させてワンタッチでボールを後ろに戻すとそのまま走り込んできた Messi が更に加速してドリブルで真ん中から左に切れ込み相手DFを簡単に振り切って放ったシュートは GK Costanzo を破って Basel ゴールネットを揺らした。後でスクリーンに映し出されたリプレーを見ると Messi が Henry にボールを出してから戻してもらったボールを受けてシュートを放つまでわずか2秒だった。そして彼が投入されてから2分も経っていなかった。これがワールドクラスの技術なのだろう….. Henry のワンタッチプレーもそうなのだろう…….そして私もバルササポーター達もこれから何点入るのだろうか?と胸算用を始めたと思う。

  

それにしてもこのレベルで1人で何とか出来る選手と言うのは本当にすごいレベルなんだろうなぁ…と思った。
67分、中盤で倒れたバルサの選手が立ち上がれない。どうやら Iniesta の様だ。担架が運び込まれたが結局 Iniesta は立ち上がって歩いてベンチに向かった。

  


そして替って Samuel Eto’o が投入された。
   
   

ここでも大歓声が沸く。観客は更なるゴールシーンを期待していたに違いない。何しろ前節は同じ Basel をアウェーで 5-0 と粉砕しているからだ。
しかしこの時間帯から Basel がバルサゴール前に迫るシーンが見られる様になる。68分には Carlitos が 右サイドをドリブルで上がりSylvinho と Pique の間に割って入ってクロスをあげると中には Stocker が飛び込むがシュートはゴールポストの右に外れて行った。 70分には Streller に替って EURO2008 スイス代表のEren Derdiyok が投入され Eduardo と2トップを組む事に。そして時折 Stocker が前線に出て来て効果的にプレスをかける事に。バルサは攻撃時に Messi がドリブルで持ってもDF4人に囲まれる。ポジションも Eto’o がトップで Henry がトップ下に入り右に Messi, 左に Hleb が入ったり Messi がトップに上がり Henry が左に開いたりするのだが….
それでも69分には Xavi のFKに Pique がフリーでヘッドを放つがポストを直撃してしまった。

そして72分、Carlitos が右サイドをドリブルで上がり入れたクロスを Derdiyok が放った叩きつける様なボレーシュートが大きく弾んでバルサゴールネットに突き刺さりあれほど劣勢だった Basel が同点に追いついた。最上層部席に陣取る Basel の大サポーター達は大喜び。そして1階席にも Basel サポーター達がいた…. 

 Barcelona は失点直後の74分に Henry がゴール前でボールをキープ。DFを引き付けて左にいたフリーの Eto’o にボールを送るが Eto‘o はボールを持ち過ぎて Basel DF にすぐ囲まれてシュートが撃てず、サポーター達から落胆の声が…..バルサは引き分けても次のステージに進めるが3連敗の Basel は勝たねばならない。その差が出たのか残り10分を過ぎると Basel の攻撃が目立つ。83分には Stocker が下がってアルゼンチン人の Marcos Gelabert が投入される。 Messi に一泡吹かせられるか? それとも Maradona にアピール出来るか ???
長身の CB Marque も上がって来る。Basel とて勝つチャンスは残っているのだ。 

  

しかし44分には GK Constanzo が遅延行為で警告を受けてしまう。引き分け狙いなのか…… ロスタイムは4分。その表示に歓声が沸いたのはバルササポーター達だった。しかしスコアーは動かないままタイムアップ。そして歓声は Basel サポーター達から沸き上がった。ピッチ上でも喜びを表しているのは Basel イレブン達。 観客に向かって何度も手を挙げ、そしてサポーター達の音戸の乗って万歳をする。 淡々と引き揚げるバルサイレブンとは対照的。 Henry はインタビューを断ってロッカールームに消えて行った。Messi も見せ場はあの得点シーンのみだった。

   

対照的なのは Basel GK のConstanzo 。5失点した前節と異なりこの試合は失点を1に抑え、満面の笑みでインタビューに応え、最後は Basel サポーター席に向かって何度も手を振っていた。でもこの引き分けで Barcelona は次のステージ進出が決まり、 Basel の敗退が決まったのだけど…….. 

   

あぁ14年前に聴いたバルサのあの歌が今回は一度も聴けなかったなぁ………

この日の Basel の戦いは格上のチームを相手にした時の手本になるかもしれない……. 帰りはマクドナルドに寄って地下鉄でホテルに戻った。地下鉄では Basel サポーター達と遭遇した。彼らも満足げな表情。ドイツ語は何とか出来るので色々話をした。“ NAKATA はどうしている?日本でプレーをしているのか?“と彼を気遣う言葉が、それとも日本人の私を気遣ったのか? ” NAKATA は前にいた KASHIMA Antlers に戻って良くやっている。もうすぐ代表に復帰するかもしれない。ワールドカップ予選があるから。Scot Chipperfiled も私は気になる。オーストラリアは日本と同じグループだから…..”

彼らが降車した後は地元の人が私のマフラーを見て結果を訊いてきた。両手の人差し指を立てて 1-1 と示すと少しがっかりした様子。

14年前に来たときはホテルの近くで地元の御夫人に結果を聞かれてスペイン語を話す家内が 5-0 でレアルを破った事を教えた時はすごく喜んでいたなぁ……… そしてカタルーニャ広場では Fiesta が始まってしまっていたけど今夜の街は静まり返っている……..

   


翌朝、 Barcelona 空港で搭乗した機内から小型機を見つけた、そして尾翼には Basel のマークが。球団機?なのか?Jリーグのチームも球団機でACL を転戦….と言う日は来るのだろうか…….. 

  

帰ったらスペイン語かイタリア語を勉強しようかな……いやいやもっと英語とドイツ語を….. でも何もしなやろなぁ…….あぁ疲れたぁぁぁ………



14年振りの Camp Nou Champions League  第4節 前半

2008-11-11 | EURO Football
前にスペインに来たのは14年前。その2年前に家内が突然スペイン語の勉強を始めたのにかこつけて計画したのがCamp Nou でバルサ対レアルの試合観戦を含んだスペイン旅行。インターネットの無い時代、チケットは当日の昼間でも入手できたが残っていたのは一番高かった9,500 スペインリラの席。ATMもほとんどない時代、慌てて金を取りにホテルに戻ったのを覚えている。 
試合は当時全盛期だったロマーリオのハットトリックそしてクーマンの強烈なFKが決まるなど 5-0 でバルサが歴史的な勝利だったがそこで観戦した試合はまるで映画を観ている様な感じで本場欧州のサッカー観戦を満喫できた思い出のスペイン旅行であった…….

再び訪れたカタルーニャの地、そこは14年ぶりと言う事もあり初めて訪れた様な感覚であった。前日までいたのはドイツ北部の港町ハンブルグ、その前は降雪の北欧ノルウェーの首都オスロ。従って最高気温が18度にもなるバルセロナは本当に温かく感じた。しかし現地の人から言わせれば“先週はもっと気温が高かった。数日前に雨が降って本当に寒くなった….” との事らしい。

  

仕事を片付け Camp Nou に地下鉄で向かう。昔と異なり Web Site でチケットが購入できる。ただ購入の優先件はバルサを支えているソシオ達にあり彼らに先行販売され余ったのが一般販売となるらしい。12月14日にここで開催される Real Madrid とのクラシコのチケット情報を見ると価格は Champions League よりも高くなっており、特に Grand Stand は一般向けが€110 に対してクラシコは€170となっていた。そして全てのチケットは既に売り切れていた。

窓口でクレジットカードとパスポートを見せてチケットを受け取り競技場内の MEGA STORE に向かった。前に来たときはこんなのあったかなぁ…… 店内にはありとあらゆるバルサのオフィシャルグッズが販売されている。先週のレプリカもその場で名前と背番号を入れてくれる。でも 14 Cryff や 13 Neeskens そして 10 Maradona ってのは入れてくれるのかな???目移りをして何を買って良いのかわからなくなってくる。同僚に後輩に子供に….そして自分に…時間はあっという間に過ぎて競技場入り口に向かったのはキックオフの5分前、そしてマンモススタジアムの泣き所の一つそこから入口までが長い、そして入場して席を探すにも時間がかかり着席した時は既に試合が始まって5分程度経っていた。14年前に聴いたあの試合開始前の“バルサ!バルサ!バ~ルサッッ!!”の歌が聴けなかったのが残念でならなかった…….

この日の対戦相手はスイスの FC Basel 1893。2週間前はバーゼルで同カードが行われアウェーの Barcelona が5-0 で圧勝した。そして両チームには深い関係があるらしい。109年前の 1899 年スイス北部の Winterthur 生まれの後にカタルーニャ姓の Joan Gamper と名を変えた元 FC Basel の主将だった Hans-Max Gamper 氏がバルセロナに渡り地元スポーツ新聞に選手募集の広告を出したのが FC Barcelona の始まりと言われている。両チームともユニフォームのデザインが青と赤の縦じまで2週間前の Basel の試合では FC Basel がこの模様のユニフォームを着て、このバルセロナでの試合は FC Barcelona がそのデザインのユニフォームを着る事となった。この両者が欧州の公式戦で対戦するのはこれがこの Champions League が初めてだったらしい。
この日は両チームとも多くの選手を入れ替えて来たがその理由は大きく異なるだろう。5失点で惨敗を喫した 5人の選手を替えて来た Basel の布陣は GK Franco Constanzo かつては River Plate, Real Alaves でもプレーし 1999年FIFA U-20 に出場、ワールドカップドイツ大会の南米地区予選のウルグアイ戦で代表のゴールを守った事もある。 DF は4バックで 右サイドバックが Reto Zanni 彼がまだスイス代表入りしないのが不思議らしい。 CB は 186cm のBeg Farati と 187cm の Francois Marque, 左サイドバックがスウェ-デン代表の Behrang Safari。DF ラインは二人入れ替えて Zanni, Ferati が起用された。EURO2008スイス代表のBenjamin Huggel が1ボランチに起用され、2列目は左からセルビアの Marko Perovic, 真中二人は スイス代表歴1試合のValentin Stocker と かつて A-League 発足前のPerth Glory でプレーしたセルビア代表歴9試合そしてワールドカップドイツ大会にも出場したIvan Ergic 右がポルトガルの Carlitos . Ergic以外は全て入れ替えられた。ワントップは EURO2008 そしてワールドカップドイツ大会代表の 195cm 長身選手のMarco Streller 。2005年11月のトルコとのワールドカップ予選プレーオフでは最後トルコの息の根を止めるゴールを決めた選手だ。私が注目しいていたオーストラリア代表の Scott Chipperfield はベンチからも外れていた。後で聞いたが膝の故障で入院らしい。2000年オーストラリアのNSLの Grand Final でプレーした Chipperfield ( Wollongong Wolves ) と Ergic ( Perth Glory ) が同じチームにいるのだ。う~ん感慨が深い……

そして地元の Barcelona 、メンバーとポジションの確認をしようと目を凝らしてピッチ上を眺めるのだけど選手達のポジションチェンジが速くてなかなかそれが掴めない。やはり現場とテレビ観戦との違いか……
立ち上がりから Carle Puyol と Aleksandr Hleb の2人が右サイドを抉のだが Puyol が上がった時はそれに連動して Hleb が引いてくる。

  

トップの Thierry Henry と Bojan Krkic の2人も目まぐるしく位置を変えて来る。それで Basel は2列目がさっぱり上がれずトップの Streller が孤立してしまっている。

  

あぁこれが世界のトップレベルのサッカーか…スタンドでこれだけ選手の動きが追えないのならピッチ上の対峙する選手達にはどう映るのだろう…..と感心していると後ろのレポーターと思しき男性がこの日のメンバーリストをくれた。それも UEFA CHAMPIONS LEAGUE の公式の用紙に印刷されたものだった。これは有難い。
丁寧にお礼を言うと、スペイン語で何か話しかけてくる、残念ながらスペイン語は“専門外”なのでさっぱり答えられないでいると隣の女性レポーターが英語で“ You はどこから来た?どこのジャーナリストか?” と通訳してくれたので “日本から来た、先週はずっとドイツにいた、明日は Celtic が Manchester United  との試合があるのでそれも楽しみにしている。” と答えると “何故 Celtic の試合を楽しみにするのか?”と訊かれたので“ NAKAMURA がいるからだ。”と言うと大きく頷いてくれた。
私はサラリーマンで別にジャーナリストでもなく翌日は日本に帰るのだけどそれ以上は言わなかった……… 彼女は時折 “ Liverpool 対 Athletico は Athletico が先制した….” とか途中経過も親切に教えてくれた。
メンバー表を見ながらピッチ上のフォーメーションを見ると GK Victor Valdez, DF は左サイドバックが Daniel Alvesではなく同じブラジル人の Sylvinho, CB が 192cm のGeravd Pique とメキシコ代表の Rafel Marquez, 左サイドバックが Carles Puyol, ボランチというか中盤の底と言うかDFラインの前に Sergi Basquets 、中盤は左に Andrea Iniesta, 右に Victor Sanchez, 前線がメンバー表では Bojam Krikic が真中ですこし下がって左に Henry , 右に Hleb 。しかしこの3人はポジションを頻繁に替え、私が観た時はしばらく Henry がトップで左にKrkic, 右に Hleb がいた。おそらく日本のバルサファンならスタメンさえわかればポジションくらいはすぐに分かったかもしれないなぁ……..
前節の試合から4人のスタメン選手が入れ替わり、3日前のアウェーでの Malaga CF 戦( 4-1で勝利 )のスタメンだった選手が前述の3人を含めて5人入れ替わった。
Samuel Eto’o と Lionel Messe そして Xavi Hernandez はベンチの“温存”されている。 この辺りグアルディオラ監督のローテンション制による選手起用だろうが Iniesta の前節の怪我による長期離脱は痛いだろう.......

序盤から攻勢を続ける Barcelona はHenry が各の違いを見せる。20分には Hleb にナイスパスを出しシュートを演出するがボールはGK Costanzo の正面に。21分には左サイドからのクロスに走り込んで放ったショットは Ergic が何とかブロック、 Henry にボールが渡ると何かが起こりそうだった。 それでもBasel は 中盤のアンカー役の Huggel がバルサ攻撃陣の侵入を防ぐ防波堤になりDF陣の負担を少しでも減らそうとしている。時折 MF の Stockner が上がってそこにボールが出るがバルサDF陣の前に最前線の Streller へのラストパスは遮断され続けた。27分にはHuggel が Puyol を振り切り前の Stockner に、Stockner は左サイドを上がり Busquets を振り切ってクロスを上げるが GK Valdes がキャッチ。このシーンが前半、 Basel から遠征して来たサポーター達が唯一沸いたシーンで以降はバルサの攻撃が続いた。27分には Henry がアクロバティックなシュートを放ちゴール裏のバルササポーター達の歓声が沸き上がる 。30分には Krkic が Huggel をかわしてミドルを放つがGK正面に。34分には Sylvinho の直接FKがゴールポストをかすめ、36分には Hleb が倒されて得たFKを再び Sylvinho が Basel ゴール前に蹴り込み Henry がフリーでヘッドを放つが惜しくもゴール枠から外れる。あぁ Sylvinho を起用した理由はここにあったのか….と感心させられるFKであった。 
しかし前半は両チームとも得点は入らずスコアーレスで終えた。ボール支配率は Basle 34に対して Barcelona は66 と圧倒していたが……

ハーフタイム中に後ろのレポーターの女性とすこし話をした。昔ここでクラシコ esposa と観戦したことや EURO 2008の決勝戦を観たこと(彼女も観戦したらしい)等など、そして昨シーズンの Champions League で中村俊輔のいる Celtic との試合もこの Camp Nou で彼女達は観戦したとのこと.......でもあまり日本の事は知らないと言っていたなぁ….一度行ってみたいと言っていたけど…寿司は好きらしい… あぁ俺もスペイン語を話せればメンバーリストをくれた男性と色々話せるのになぁ…..                    後半に続く