Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

広州が強すぎるのか J リーグが弱すぎるのか 柏レイソル1-4 広州恒大 25th Sep.

2013-10-02 | Football Asia


相手が強すぎるのか、こちらが弱すぎるのか….贔屓チームや自分自身が大敗を喫した時のいつも思う事だ。
だけど大概の場合がその両方だという事はすぐに理解してしまうのだけど….

9月18日。サウジアラビアのリヤドで柏レイソルは難敵 Al Shabab と2-2 で引き分け ACL 準決勝進出を決めた。
J-League としては2009年大会の名古屋グランパス以来の快挙。しかし反対に2007浦和レッズ、2008年ガンバ大阪とJ League 勢が連覇して以来4シーズンで3度韓国勢が優勝 ( 09浦項、10 城南一和、12 蔚山現代 )。 優勝を逃した2011年大会でも全北現代が決勝まで進出している。 アジアの盟主を自負する日本といてはいつまでもK-League 勢の後塵を拝したくないところだ。

しかし今シーズン、期待された浦和レッズを始め3チームが1次リーグの壁を破れなかった。 だから2年連続 ACL 出場を決めそして1次リーグを突破し準決勝に進んでくれた事は本当にありがたく思った。 韓国、中国そしてサウジアラビア勢を相手にしてもアウェーで負けていないという事が他の3チームとは違いなぁと思わせてくれる。 その柏が今シーズンの J-League では10位にいることが信じられないんだけど。

対戦相手は広州恒大。また広州かと思ったと同時に、はっきり言ってアジアの“銀河系軍団”をまた見られるとも思った。
中国超級からはまだACLのタイトルを取ったチームは無い。 東アジア勢では既に日本や韓国の勝ち取っているタイトルを何とか勝ち取りたいだろう。 昨シーズン、ここ柏で対戦した試合観戦後は率直に優勝するかと思ったけど準々決勝でサウジアラビアの Al Ittihad に敗れてしまい、2004年大会上海申花以来の準決勝進出はならなかった。
但し、意外に思ったのはACLでは中国超級勢はJリーグ勢よりも好成績を収めたシーズンが多かった。
2002-03 シーズンでは大連実徳が準決勝に、2004年には上海実徳、2005年には山東魯能泰山がそれぞれ準々決勝に。2005年には山東と深セン紅鑽がベスト4に進出した。 この時期Jリーグ勢は1次リーグを突破できなかった…..

9月25日。 朝から天気予報を気にする。台風20号が近づいているとかいないとかで雨が心配された。
競技場に向かう電車から何度も曇天を見上げた。 そして競技場に到着すると雨が降り出した。 柏スタジアムはピッチと観客席が近くて迫力のあるスタジアムだけど雨が降るとサポーターというよりも観客泣かせだ。 メインスタンドももっと屋根を広げてくれないかな?といつも思う。 ACLの準決勝戦なので奮発してSS席を購入したけど折角なのでと前方席にしたのだけどそこは全く屋根の掛かっていないところだった。 こりゃたまらんとばかりに後方の記者席のすぐ前のSS席に移動した。 そこには誰も人が来ないことを願いながら…..
すぐ近くには日本に在住する中国人達が多く座っていた。やはりここでも高いチケットは中国人が買うのか….と思った。すぐ隣りには日本に居る中国人が座っていた。 彼は英語が出来るので色々とサッカーの話をしていた(なんと東大に留学しているとの事。日本語は勉強中なので英語の方が話せると言っていた。 それも凄いけど。) すると赤いジャージーを着た選手達が4名やって来てすぐ近くに座った。留学生から彼らは控えの選手達で元代表GKの楊君がそのなかにいると教えてくれた。そして馮仁亮も。
楊君は昨年のACL柏戦ではゴールを守ったけど今は現国家代表の曾城がレギュラーだ。 この試合の控えGKは2007年から広州に在籍する31歳のベテラン李帥だった。 楊君は2007年 Asian Cup のウズベキスタン戦に出場したGKだったと後で知った。 本当はここでは無くてピッチに居たかっただろうなぁ~と思った。



また馮仁亮はロンドン五輪予選メンバー入りが確実視されていたけど年齢を約8か月誤魔化していた事がばれてメンバー入りところか2011年の Asian Cup メンバー入りもフイしてしまった。しかし2012年6月のベトナム戦ではメンバー入りを果たし2ゴールを決めた。( 試合は 3-0 で勝利 ) 。
選手達の周囲には次々と中国人観客が近づき一緒に写真を撮ったり、サインを貰ったりしていた。 
ミーハーな私も一緒に写真を撮ったりサインを貰ったりした。 そして色々通訳をしてくれた留学生にも御礼を言った。すると彼は通訳をしたおかげで彼らと話が出来たとも言ってくれた…….そして彼は“この4選手の給料を合わせると柏のこの試合の選手の給料より多いんじゃないですか。”とも言っていた。 やはりアジアでも勝ち抜くのは資金がそこまで必要か….. この試合には昨年 Real Madrid と親善試合をした時に見られたチアーガール達は帯同していなかったのも残念だった.....




準々決勝のLekhwia ( カタール ) 戦、ホームの First Leg では 4-2-3-1 の攻撃的フォーメーションでキックオフを迎えたが前半をスコアレスで折り返すと後半に黄博文、鄭智、榮昊を投入して 2-0 の勝利を納める。続くアウェーの 2nd Leg では郜林、馮瀟霆をベンチに置き榮昊、黄博文をスタメン起用して 4-3-3 の布陣で臨んだ。 前線で Concaを真ん中に置き、Muriqi, Elkesonをサイドにおき2列目に鄭智、趙旭日、黄博文の3選手をおいた。試合はアウェーながら前半に Conca, Elkeson そして Muriqui の連続ゴールで主導権を握り 4-1 の勝利を納めた。
広州スタメン、というよりも名将 Lippi 監督はこの試合どんな布陣で臨むのだろうと楽しみにしていた。

     


前の週の Lekhwia 戦のスタメンからCBの馮瀟霆が趙旭日に替わって起用された以外は同じスタメン。フォーメーションは
GK 曾城の前に 4-2-3-1 の布陣だった。 トップにはMuriqiが入り2列目には左に Elkeson, 真ん中にConca。右には郜林ではなく黄博文。9月13日の上海申花戦、そして Lekhwia 戦に続いてのスタメンだった。 ボランチに榮昊と鄭智。CBにはかつて大宮アルディージャでプレーした金英権と馮瀟霆。左SBに孫祥。右SBには張琳凡が起用された。 黄博文と馮瀟霆以外は7月の東アジア選手権メンバーだった。
4月13日の浦和レッズ戦では 4-3-2-1 のフォーメーションで Elkeson, 黄博文以外はその試合にスタメン出場をしており昨年のACL柏戦には鄭智、馮瀟霆、孫祥、趙旭日、Conca、Muriqiがスタメンだった。



1週間前にサウジアラビアで激戦を終えた柏レイソルは Al Shabab 戦のスタメンで累積警告で出場停止の大谷以外は全て同じスタメン。その大谷の替わりに茨田がスタメンに起用された。
Al Shbab 戦の4日後の22日に他の試合とは1日遅らせて第27節のセレッソ大阪戦をアウェーで行った。この試合に出場して中2日で広州戦にスタメンで臨んだ選手は Gk 菅野CB 鈴木、左SB橋本、ボランチ茨田、そして工藤、田中、ワグネルの7選手。 クレオは78分からの途中出場だった。 準決勝の広州戦に備えて柏もセレッソ戦を21日に行った方がよくは無かったか?
“勝った”あとの方が疲労は少ないからなぁ~(実際は引き分けだけど)と思った。

私が期待したのはなんと言っても Gabriel Cordova ことクレオ。 昨シーズンまで広州恒大に在籍し、ACLの柏戦では強烈な印象を私は持った。 しかし Knock Out Stage に入りパラグアイ代表の Lucass Barrios が加入したことにより ACL では出場機会を失い、外国人枠の問題もあり今シーズンから柏レイソルに期限付きで移籍してきた選手だ。古巣広州との対戦だけに燃えないわけが無いと期待をしていた。 念願のセルビア代表入りを果たしそうだけど残念ながら来年のワールドカップはちょっと…..
1次リーグ浦和レッズ戦ではワントップに起用されたパラグアイ代表の Lucas Barrios は給料未払い問題もあって Spartak Moscow に移籍してしまった。
昨年の柏での広州恒大戦に出場した選手でこの試合も出場したのは6選手。田中、工藤の2トップ。 2列目左にワグネル、栗澤がボランチ。近藤がCB。GK菅野がそれぞれ起用され、 Hanover96 に移籍した酒井弘樹が右SBだった。




広州キックオフで始まった試合の立ち上がり、32秒に鄭智がワグネルに、50秒には Muriqi が茨田にそれぞれ倒されファールを得るが柏の気迫を感じた。 4分には右サイドから中央にドリブルで持ち込んだ工藤が左サイドのワグネルに送り中に折り返すとクレオに当たりゴールラインを割る。 コントロールしてくれよ~と思ったけど線審の旗が上がってオフサイドと判定された。その直後に Mriqi からゴール前の Elkesson にスルーパスが入るがここはCB近藤が身体を張ってクリアー。8分には Elkessonが上がり Muriqi にボールが入るがここはワグネルがストップ。 何度か中盤から Mriqi や Elkesson に中盤からラストパスが送られるが柏 DF 陣が身体を張ってクリアーしていた。 
そして14分。FKを得た柏はワグネルがボールをセットする。 ゴール前に入れられたボールはクレオの頭をかすめるようにしてそのまま広州ゴールに飛び込んだ。 大喜びのクレオを見て “ クレオ!ナイスゴール!もう1ゴールで古巣に倍返しだ! ” と心の中で叫んだ。 



先制を許した広州ベンチはここでフォーメーションを変えてきた。外人3選手、 Mriqi, Conca, Elkessen を3トップに置き2列目に右から黄博文、鄭智、榮昊の3選手を置き 4-3-3 の布陣にし、柏の中盤にプレシャーを与えてきた。 22分には波状攻撃から最後は榮昊のシュート気味に蹴った弾道がミスキックとなりそれが前のフリーの Mriqi に繋がるがこの決定機は Mriqi のシュートはポストの内側を叩いてくれた。 後方に陣取るレイソルサポータータ達からは安堵の嘆息が聞こえた気がした。
これが前半に広州が見せた唯一の決定機であった。 以降は柏イレブンの出足が一歩早く、特に左サイドからの崩しが目に付いた。



21分には左サイドに寄った田中からのクロスを工藤がヘッドで落としたところをクレオが放ったショットは惜しくもゴール枠を外れた。
23分には右サイド工藤からのクロスをクレオがヘッドで狙うがGK曾城がキャッチ。 
37分には広州ベンチが黄博文に変わって郜林が早くも投入する。ずいぶん早くから選手を替えるなぁと思ったら25分頃に Conca の入れたフリーキックに飛び込んだ黄博文が GK菅野と競り合ったときに負傷したらしい。 これで柏の左サイド対策とするのかと思うが以降も柏の攻勢が続いた。 37分、左サイドからワグネルが入れたクロスが馮瀟霆がかぶり田中の前に落ちる。榮昊がマークに入る前に田中が押し込もうとするが GK 曾城の脚に当たりゴールラインは割れなかった。絶好の追加点のチャンスだった。



45分にもまたもワグネルが左サイドから入れたクロスにクレオが孫祥と競りながら放ったヘッドはわずかにクロスバーを越えた。

25分過ぎから柏の攻勢が続いたがその起点になるのはワグネルだった。 ワグネルは攻撃時だけでなく何度かバイタルエリアで相手ボールを奪いピンチを防いでいた。 
それにしてもアウェー側立見席はびっしりと赤いユニフォームで埋まっていた。そして柏の選手がCKを蹴るときは凄いブーイングだった。 




ハーフタイムの間、雨がすっかり上がったので前方の“元の席”に戻ることにした。周囲は結構赤の広州恒大のレプリカを着た中国人サポーターがいた。見事隣は若いカップルが座っていた。赤いレプリカを着ていたのですぐに中国人とわかったけど流暢な日本語を話していた。日本に来て2年。出身は広州だと言っていた。かつて中国には素晴らしい選手が揃っていて日本は勝てなかった事や広東の英雄、謝育新の事なんかを話したら“自分はその頃の事を知らないのでもっと教えてください。”と頼まれてしまった。
そして彼から“今日本は強くなりすぎて、中国は弱くなった。それが2国間の差になっている。”と言ってきた。そして私は“女子も深刻じゃないかな?かつては世界のトップを争っていたのに。”と付け加えた。 
そんな話をしていると先制ゴールの得点者はクレオでなくワグネルに公式記録は変更とのアナウンスが流れた。 よしクレオ、今度こそゴールを決めて倍返しだ。と心の中で思った。 

後半も柏の攻撃で始まった。 47分には栗澤が前線のクレオに送り戻したところを田中が放つがGK正面に。 
51分広州ベンチは早くも二人目の交替選手を送る。 馮瀟霆を下げて趙旭日を投入した。 これで榮昊が右SB張琳凡がCBにそれぞれ入った。投入直後に強烈なミドルを放った趙旭日は黄博文、鄭智らと共に2列目に入った。趙旭日は。長身ながらも縦へのスピードもある選手。彼の投入が広州を勢いづかせこれを境に形勢は一気に広州に傾いた。
そして58分、左サイドを上がった孫祥が中に入れる。戻った近藤が体を投げ出してクリアーするがそのこぼれ球が Mriqi の前に転がりそのまま撃たれたショットが柏ゴールに突き刺ささり同点にされてしまった。 同点にされた事よりもゴールを許したことがショックだった。そして広州サポーター達の大歓声がスタジアムに響いた。



そして同点にされた直後に柏ベンチは茨田を下げて谷口を投入した。 広州は右SB孫祥のオーバーラップも目立って来ていた。
何とか先に2点目が欲しい柏は66分CKを得る。 そのCKに中央から近藤がヘッドで右に送り更に鈴木がヘッドでゴールを狙う。観客席からでもよし!ゴール!と思ったが趙旭日がヘッドでクリアーしてしまった。 本当に惜しいチャンスだった。この直後にボールをつながれカウンターを食らいそうになるがその前に“ファール”でストップ。 だがそのリスタートから綱gれ最後はConcaにミドルシュートを決められ痛恨の逆転ゴールを許した。 Concaは後半はやや低いポジションに下がってボールを受けてボールをキープされていたがここではそのままシュートを撃たしてしまった。
この失点は柏イレブンに与える影響は計り知れないと思った。決定機を防がれた直後に許した失点であったから。



広州サポーター達からは“三比一!(3対1にしろ)”との歓声が上がる。 こちらは何とか追いついてくれないかな…と思うのだけど。
だが68分、ワグネルからボールを奪った郜林が前線に送ると Elkeson が完全にフリーで柏ゴールに迫る。あぁやられた本当に3対1だと思った瞬間、近藤がマークに入る前に放った Elkesonのシュートは大きく外れてくれた。まだ天に見捨てられていないとほっと安心する。 

71分クレオが中央から強烈なミドルを放つとGK曾城は逆に動きながら何とか手に当てて弾道を叩き落とすとそのままボールはゴールポストの左に転がった。 あぁもうこれでだめだ。今日は運がないと天を仰いだ。 趙旭日が投入されてから柏はゴール前のラストパスが繋がらず守勢に回ってもマークがずれて後手に回っていた。 クレオにもボールが出ず中盤に戻ったりするが広州DFのタイトなマークにあい自由に動けなくなっており79分に澤に替わってベンチに下げられてしまった。 そして田中がワントップに入った。

早く同点に追い付いてくれと願うも82分CKからキムチャンスと谷口の間にうまく入ったConcaに押し込まれてしまい試合をというよりも決勝進出を決定づけるゴールを決められてしまった。 



広州サポーター達の歓声ばかりが響いたが、しばらくすると柏サポーター達からも“恐れることなかれ~俺達が付いている~”と合唱が始まる。 せめて1点差で広州に乗り込んでくれ、そうすれば 2-0 で勝てばいいんだ。 2-0 ならそれが可能だと思った。だけど柏イレブンの動きにキレは無くなってきており、相手の突破をファールで止めざるを得ないシーンが目につき始めた。そして1対1でも体力差が表れるようになった。頼みのワグネルも後半は郜林や榮昊の上がりに押し込まれるような形になっていた。あぁこんな時レアンドロ=ドミンゲスが居たらなぁ~と思った。



広州ベンチは3点目が入る前の79分に孫祥を下げて趙鵬を投入し中盤に入れ榮昊を左SBに置き張琳凡を右SBに回し、守備固めに入っていた。その直後に追加点が入ったのだから名将 Lippi 監督の思い描く通りの展開となった。
試合はこのまま終わってくれなかった91分Muriqiにとどめを刺される4点目を決められこの時点で柏の決勝進出は事実上霧散してしまった……



試合終了後隣の中国人カップル2ショット写真を撮ってあげると非常に丁寧にお礼を言われた。彼女の方は恥ずかしかったのか日本語は話さなかった。

この試合の収穫は……雨にたたられなかった事と楊君との写真を撮ったことかな…..

そして帰途に就いた車中で誓った。 もう一度こんどこそ中国語を勉強しなおすぞ……








あぁ Jリーグのレベルはどう思われているのだろう….

2013-05-03 | Football Asia
5月1日。知り合いに教えて貰ったサイトで広州恒大対全北現代、Muangthong United vs 浦和レッズ の中継を並べてみていた。浦和は何とか那須の上げたゴールを守っている。気温と湿度が高いのだろう、選手達の動きもきつそうだ。 そして広州で行われている試合はまだ 0-0 のままだ。そしてロスタイムが示された。 Nonthaburi で行われているレッズの試合は4分、少しして広州での試合はロスタイム2分と示された。 あぁこれが逆ならなぁ…. 広州はコンカ、バリオスがスタメン出場し後半からムリキが投入されている。 ただ郜林はずっとベンチのままだ。 浦和戦後、その敗戦は主審のせいだと怒った中国でのネット書き込みでは“次の全北戦は引き分けて浦和を蹴落とそう…” と言うのが沢山見られた。 それでも終盤は何度か広州が全北ゴールに迫るシーンも。 
ムアントン対浦和戦が先に終わった。浦和の勝利が決まった。しかしサウジアラビア人の Khalil Al Ghamdi 主審のホイッスルが鳴り
Group F からは広州恒大と全北現代が次のトーナメントに進出する事が決まった。 仙台に続いて浦和も駄目だったか….
広州で李東國が喜びの表情を浮かべていたのをみてそう思った。 あぁJリーグのレベルはどう思われるのだろう….

難敵に勝利 しかし遠のく1次リーグ突破   4月24日 浦和レッズ 3-2 広州恒大

心配だった天気 東アジア最強の広州恒大

4月24日。南半球から帰った翌日朝。天気予報は午後から下り坂になり強風を伴う激しい雨が….と予報を出していた。
あぁ楽しみにしていたのになぁ~。どうしようかな?大雨が降ると帰りがなぁ~。と迷っていた。あれほど楽しみにしていいたのに。
別にレッズサポーターではないけどもう少しレッズが勝点を重ねていれば、前節の全北戦でリードを守りきっておれば迷いも無かったかもしれないけど….
しかし結局観戦する事に決めた。昨年も柏スタジアムで観戦したACLで優勝候補と言われている広州恒大をどうしても見ておきたいという思いが競技場観戦を決めさせた。
いつもは東川口から自転車でスタジアムに向かうのだけど雨が心配だから仕事を終えてこの日は一直線に浦和御園駅に向かった。
浦和御園駅を出るとまだ雨は降っていなかったけど歩いて約15分、競技場の入り口をくぐった時はもう小雨が降り始めていた。
そして既にスタメン発表は終えていた。
広州は大連と並んでサッカーが人気のある街だと80年代から知っていた。思い出すのは1987年10月4日、広州天河体育中心競技場で開催されたソウル五輪予選の日本対中国戦。ダイジェストで数分だけ見た試合は徹頭徹尾日本は中国の猛攻を受けながらその決定力の低さに助けられ21分原博美のヘッドが決まりその1点を守り切りソウル五輪出場に大いに期待させた。
その試合で最も沸いたのはベンチにいた地元広東隊に所属していた謝育新がアップを始めた後半開始間もない時間だったらしい。
こんな試合を何かの機会でまた見る事は出来ないかなぁ~と思っている。
アウェー側のサポーター席は結構な人数で埋まっていた。 わざわざ広州から駆け付けた人はいるのだろうか? 多分ほとんどが今日本に住んでいる人ではないかな? 広大な中国では地域によって言葉も文化も料理の味も違う。サッカーでは遼寧省、北京、上海、広東そして大連が勢力をもっており各地域間での対抗意識も強い。だけど日本にいる時は南部の広東出身の人でなくてもここで広州恒大の応援に来ているのだろうと想像した。



広州のスタメンは GK 曾城、右SBに張琳凡、左SBが孫祥 CBに馮瀟霆がロンドン五輪メンバーで今は韓国代表にも入っている金英権と組んだ。金英権はかつて大宮でプレーしておりここさいたまスタジアムでも恐らく何試合かは?と思った。
MFには右から郜林、趙旭日、そして鄭智が並ぶがたまに郜林が右サイドを上がり趙旭日と鄭智がボランを組んだり鄭智が上がると郜林と趙旭日がディフェンシブに下がったりしていた。そして強力な攻撃陣はトップにパラグアイ代表の Barrios こと Lucas Ramon Barrios 。2列目には左に Muriqiこと Conceicao Silva 右に Conca こと Dario Leonard Concaが配置される。 中国人選手はみな現役の中国代表選手だ。ACLでは前節の Muangthong 戦と同じスタメンだけど、中国超級の最近の長春を 6-1 で撃破した試合には Muriqi は起用されずもう一人のブラジル人選手 Elkesson が起用され3ゴールを上げている。Elkesson はACL 出場外国人には登録されていない選手。そして趙旭日と孫祥が起用されていなかった。 
昨年、柏でレイソルと対戦した時はクレオがワントップで2列目に Muriqi, Concaこと そして郜林が並んでいた。そして鄭智が馮瀟霆とCBを組んでいた。左SBは孫祥だったけど右SBは韓国人の趙源煕だった。
広州恒大は2010年2月に八百長が発覚し前年は9位に終わったが2部の甲級に降格になったが翌月中国で手広く不動産業を営む恒大房産がスポンサーに付き2010年甲級で優勝し超級に昇格すると2011年には超級でも優勝を果たす。そして翌シーズンには Dortmund から Barrios を獲得し超級で連覇を果たすとなんと李章洙監督を更迭し元イタリア代表監督のリッピを監督に招く。 積極的に欧州列強との業務提携も行い 2011年にレアルマドリードと 2012には AC ミランと提携結ぶ。 ただこの業務提携がどれだけ役に立っているのか?どれだけ欧州のクラブに相手にされているのかは疑問だけど。
まさに今年こそACLのタイトルを狙っているという野望がひしひしと伝わる。





一方の浦和レッズは4日前の大宮戦で負傷した原口に替わってマルシオ=リシャルデスが起用され出場停止の梅崎に替わって平川が2列目左に入った。 リシャルデスも平川もスタメンは共に4月3日のホームでの全北現代戦以来だった。

          

PK失敗。ミスから先制を許す

レッズのキックオフで始まった試合は一気に雨脚が強まり思わず後方の雨が降り込まない席に移動せざるを得なかった。それだけ空席があったという事か。  
レッズの立場は非常に苦しかった。この時点での勝点は広州が10、全北が6 浦和が4だった。浦和は残り2連勝しても勝点はこの時点での広州と同じ10にしかならない。広州が残りのレッズ戦と全北戦で敗れてくれてもACLのルールで勝点が同じ場合は当該チームの直接対決の結果で次のラインドヘの進出資格が与えられるので初戦で 0-3 で敗れたレッズはこの広州戦は勝つだけでなく 3-0 以上で勝たねばならなかった。もし相手が1ゴールでも上げれば5ゴールが必要だった。もちろん引き分け以下ではその時点では1次リーグ敗退が決まるところであった。全北現代にしても1敗1分けだったので勝点で並ばれたら浦和の方が下位になる。 広州相手に3点差の勝利が….と思うと可能性はかなり薄かったと言わざるを得ないだろう。
立ち上がりのレッズは柏木がよく左サイドを上がりチャンスを創っていた。 広州は敗れても2点差までなら次のラウンドに進出が決まるので浦和ボールになるとムリキまたはバリオスのいずれか1人を残してラインを下げて守備的な布陣を敷いていた。それでも15分にはバリオスからのパスを受けたコンカが強烈なミドルを放つ。 だがその直後にレッズはカウンターから広州陣内深くに入り込み最後は平川がドリブルシュートを撃つがここはGK曾城が左に倒れてセーブ。 その後もCKから何度か広州PA内に入り込むもシュートを撃たせてもらえなかった。中韓国家代表DF陣は結構タイトなマークをしてくる。 
22分30秒、レッズが絶好の先制のチャンスを掴んだ。 やや右で啓太が広州浮き球をPA内に入り込んだリシャルデスに送る。そこに金英権がマークに寄りリ趙旭日と孫祥が囲みに行くとシャルデスが倒れる。イラン人の Torki Mohsen 主審がペナルティースポットを指す。 趙旭日と金英権が主審に詰め寄るが勿論判定は変わらない。 最低3ゴールが必要なレッズにとって願ってもないチャンスだった。 しかし阿部が蹴ったPKの弾道は左ポストの内側に当たってゴール内に入らず反対のポストの前を横切ってしまった。
広州サポーター達の大歓声が響き渡った。 この瞬間にレッズの決勝トーナメント進出は霧散したのかもしれない。



こうなると一気に広州が攻勢に出てくる。27分には郜林からのスルーパスを受けた Muriqiがシュートを放つがここはGK加藤がファインセーブでストップ。 28分には Cocnca からのスルーパスに今後は郜林が抜け出してフリーで撃たれるがポストの左に僅かに外れてくれた。 広州はよほど自信があるのかDFラインをしっかりと上げて鄭智と趙旭日がボランチのポジションで高い位置を取るので中盤で浦和はボールが取れなくなる。ボールを受けてもマークが早く着きに来るので相手ゴールに向いてボールをコントロールできない。また浦和が攻撃に転じようとしても負けても3失点以上しなければ攻撃に重きを置かなくて良いので戻りが早い。また前線の外国人3選手が頻繁にポジションチェンジを繰り返すのでマークも後手に回る。 
そして36分、森脇が中盤でドリブルで上がろうとしたところを Muriqiに奪われそのまま前線にスルーを送られる。阿部が一杯に脚を伸ばすもその先をボールは転がり、フリーのBarrios に繋がる。加藤がエリアを飛び出し止めに掛かるがかわされてしまい無人のゴールに蹴り込まれて広州の先制ゴールが決まった。 
スルーパスへの走り方がサイドに流れて一気に中に入り込む見事な前線の選手の動きを見せ続けていたけどもここは森脇のドリブルを Muriqi に狙い撃たれたのが痛かった。 これでレッズはあと5点奪わねばならなくなった。 

この失点に刺激を受けたかレッズイレブンの動きが早くなった様に見えた。39分宇賀神からのスルーパスを受けた柏木のミドルはポストの左に外れる。40分啓太からリシャルデス、興梠と縦パスが繋がり興梠からリターンを受けたリシャルデスが趙旭日がマークに入る前に放ったミドルは僅かにポストの右に外れる。金英権に当たってコースが替わったのかCKになった。リシャルデスはよほど悔しかったのかその趙旭日を後ろから抱きしめて離さなかった。そのCKからはチャンスは生まれなかったけど今度はGK曾城がレッズの流れを切る様にストッキングの破れを理由になかなかGKを蹴らなかった。



43分には左サイドを槙野が宇賀神とのパス交換からミドルを撃つがここはGK曾城の正面に。44分には張琳凡が右サイドをドリブルで上がり最後はレッズゴール前に入れられ Muriqi に詰められるがその前に加藤がキャッチ。 
47分宇賀神がこぼれ球を拾い左サイドを上がった槙野に渡す。槙野はそのままゴール前に切れ込みドリブルシュートに持ち込みファーサイドにボールは流れるがそこに詰めたリシャルデスは僅かに届かなかった。その後のCKも得点に至らず広州恒大リードで前半が終わった。



久々に見た3連続ゴール。しかし届かず

後半リードをしている広州は郜林が下がって榮昊が投入され2列目右に入る。 長春亜泰戦ではスタメンで左SBに入っていた。
何とか早い時間に同点に追い付きたいレッズは47分リシャルデスが張琳凡からボールを奪い中盤からドリブルで上がり再び張琳凡がマークに入る前に放ったミドルがワンバウンドでGK曾城の胸にあたりゴールラインを割ってCKとなった。 49分には中盤でボールを拾った宇賀神が逆サイドの平川に送り中を上がった森脇に渡しそのままミドルを放つがこれは大きくゴール枠を外れた。
積極的に槙野が上がるがそこへのサポートが遅く次に繋がらない。 
と、思っていたら52分、左サイドを宇賀神と槙野でボールをキープし、槙野が中に入れる。金英権がヘッドで左サイドにクリアーするがそのこぼれ球を拾った平川が折り返し興梠が押し込み試合を振り出しに戻した。 
ちょっとオフサイド気味かと思われたけど主審、副審からは御咎めが無かった。 ようやくさいたまスタジアムに大歓声が沸き上がった。
しかしあと4ゴールが必要だ。 57分左サイド槙野からリシャルデスを経由し逆サイドの平川に渡りゴール前に送り興梠が飛び込むが競り合ったGK曾城がパンチでクリアー。そのこぼれ球を拾いに行ったリシャルデスが金英権と交錯して倒れるが笛はならなかった。
広州ゴール前まではボールが繋がるがエリア付近ではマークがきつくなかなかシュートに持ち込めない。そして横パスを取られる時も。リズムが悪く前に逆転してほしいなぁ~と思うと63分阿部が中央をBarrios のマークを振り切りドリブルで上がる。そして左サイドの槙野に送ると中央に折り返す。そこを走り込んだ阿部が放ったショットが広州ゴールに突き刺さり試合をひっくり返した。
PKを外した阿部の見事なドリブル突破とシュートであった。 そして Barrios のマークに見られるように前線の外国人選手は守備に回るとマークが甘いのでもっとドリブルで中盤から仕掛けて良いと思った。







64分26秒、広州のCKをGK加藤がパンチングで弾き出すとそのこぼれ球をリシャルデスが拾い、那須に繋ぐ。 那須はそのまま長躯ドリブルで上がり左サイドを上がった興梠に。興梠がドリブルで広州PA内に入るとマークに戻った鄭智と交錯し転倒する。すると Mohsen 主審が再びペナルティースポットを指した。そして鄭智にイエローカードを出す。 鄭智と張琳凡が抗議するがあれだけ肘を高く上げていれば鄭智の反則を取られても仕方がないと思った。
“誰が蹴るの?誰が?” 近くに座っていた女子高生2人連れが心配そうに口に出す。 すると金髪のリシャルデスがボールを抱えてペナルティスポットのボールをセットする。さすがに阿部は蹴らないか。と思う中リシャルデスは左にそのPKを蹴り込みリードを2点に広げた。リシャルデスは浦和ベンチ前まで走りペトロビッチ監督と抱擁をする。 久々のスタメンにこの日はしっかりと結果を出していた。 レッズサポーターも目の前で約12分間に3連続得点を演出されそのボルテージは最高潮に達していた。
それでも私は思わず“早く!早く!あと2ゴール入れないと!!”と叫んだ。





このゴールの前には2度ほど広州の外国人選手3人でピンチを創られていやな数分間でもあった。
あと25分で2点。次の1点が早く入れば… と願った。そして71分更にレッズに追い風が吹く。 左サイドでボールがタッチラインを割り広州のスローインと思われたが副審がレッズボールを指した。 そしてスローイン後に広州のリッピ監督がボトルを蹴り上げた。少しの間試合は進んだが約30秒後逆サイドでボールがタッチラインを割った時にオーストラリア人の Christopher Beath 第4審判がMoshen主審に先ほどの事を説明したのだろう。 Marcello Robert Lippi監督は退席を命じられた。 ワールドカップでも UEFA Champions League でも優勝監督に輝いたLippi 氏であるが欧州で名を馳せた監督にありがちな“アジア蔑視”の表れだと思った。



75分中盤でのこぼれ球を拾った柏木が阿部に繋ぎ右サイドを上がったリシャルデスに送るとPAのすぐ外からファーサイドに向かって放ったミドルが僅かにポストの左に外れて行く。そこに興梠が走り込んだのだけど…..
後半に入りレッズはサイドチェンジのロングパスが顕著に見られそれが効果的であった。
しかしここから広州が意地を見せたか徐々に押し返す。 Barrios と Conca が2トップ気味となり2列目右に榮昊が上がり左に Mriqi が右に入ったけどたまにトップ下に出てきたりしていた。 76分鄭智からのスルーに走り込もうとした Mriqi を森脇が手を掴かみFKを献上した上にイエローが出される。 Conca が入れたFKは加藤がキャッチするが、その後加藤がPAを出てボールを投げたとしてPAのすぐ外でのFKとなる。非常に危ない位置から Conca が蹴ったFKは壁に当たって大ピンチを凌いだ。 
この後もレッズは運動量がやや落ちてきたかセカンドボールを拾われ続け守勢に回る時間が続く。 こうなるとまだ起用されていない交替選手がいつ投入されるかとレッズベンチは思う残り5分興梠と宇賀神を下げて阪野と関口を送りだす。 あぁ原口がいればなぁと思う。






85分46秒榮昊が右サイドを抜けようとしたところを槙野がファールで止めてFKを与える。 レッズゴール前に広州の選手6人が入るそのFKを Conca が入れて Barrios がヘッドで後方にすらしたところ走りこんだ Mriqi に押し込まれてしまった。 しかし線審がフラッグを上げている。 あぁ~オフサイドと安堵の息を洩らした。広州の選手達も誰も抗議しなかった。そしてレッズベンチ前では3人目の交替選手山田が準備している。





ところが Mriqi がレッズゴールに一直線に駆け寄り加藤がGKの為にセットしたボールを拾ってセンターマークにボールを置いた。 Moshen主審は Mriqi のゴールを認めたのだった。 今度はレッズの選手そしてペトロビッチ監督をはじめレッズベンチも総出で怒りを露わにする。 あぁ終わったぁ~。とこの時点で私も取っていたメモと筆記用具を仕舞いそうになったがこうなるとせめて勝利だけは確保してほしいと願った。

しかし89分左サイドを上がられ孫祥が入れたクロスに Barrios が槙野と那須と競りながらヘッドを放つがここは加藤が意地のセーブでゴールラインを割らせない。 そしてそのGKをリシャルデスが馮瀟霆と競った時に側頭部に肘を入れられ倒れてしまうがプレーは続けられ関口が外に出してプレーを切る。 このプレーに啓太が抗議をすると Mohsen 主審がイエローカードを出す。これで啓太は次の Muangthong United 戦は出られなくなってしまった。 
ロスタイムが4分と示される。 もう1点取ってくれと思うもむしろ広州の方がどんどん押しこんでくる。レッズはボールを繋げず前に蹴りだすのがやっと。それを広州に拾われ続け同点にされるのではと心配する。 
93分9秒、左サイドでボールを拾った山田が一気にドリブルで上がろうとするとマークに入った張琳凡が完全に山田の腰の辺りのユニフォームを掴んで引っ張るが笛が鳴らない。 たまりかねた山田が張琳凡のユニフォームの背を掴んで両者が転倒しようやくホイッスルが鳴った。すると先にユニフォームを引っ張っていいた張琳凡が怒って山田に体当たりをくらわす。Mohsen 主審はレッドカードを出すが出てきたのはカードだけでなく両チームの控えの選手、役員達もだ。もっと早く笛を吹いておればこうはならなかったのであるが、先に仕掛けた張琳凡が何故怒るのかは理解に苦しんだ。 そして山田にはイエローカードが示された。そして広州のFKで試合再開となった。何故山田のファールを取ったのだろう?





Conca がFKをセットする。スタンドから We are REDS の合唱が始まる。 レッズゴール前に放り込まれたFKが反対方向に大きく跳ね返され試合終了のホイッスルが鳴った。 ずいぶんと主審が目立ったゲームだった。と言うのが最初に思った印象だった。

レッズの勝利に酔う観客、選手達が目に入ったけど実際にはこれでほぼレッズの決勝トーナメント進出は無くなったかな?と思った。そして翌週、実際にそうなってしまった。


 
帰り、雨脚はかなり軽くなっていた。そして自宅近くにまで来たときはもう止んでいた。

今シーズンのACLではレイソルだけが残った。昨年に引き続きACLに臨んでいる事が大きかったのではないかな?
来年、またさいたまスタジアムでACL観戦出来る事を願うよ。 出来れば Western Sydney Wanderers が来てくれないかな。


柏レイソルが J-League を救う…. 柏レイソル 0-0 水原三星 9th April 2013

2013-04-15 | Football Asia
試合が終わり柏駅に向かう途中、I Phone で全北現代vs 浦和レッズの試合結果を検索した。 前半が終わった時は 2-0 で浦和がリードしていた、後半途中は 2-1 にされていたけど…. そして試合は終わり 2-2 と映し出された。 あぁ….2点差を守れなかったか…勿体無いなぁ…と思った。 別にレッズサポーターではないけど勝点の計算をした。広州恒大がタイのムアントンに負けることはまず考えられないし… 次のラウンド進めるのはレイソルだけか…とちょっと残念に思った。 あぁ J-League が….

前の週の ACL 日韓対決は1勝3敗だった。その唯一の勝利を収めたのが柏レイソル。
相手はかつて韓国の銀河系軍団とも呼ばれた水原三星。 アウェーで三星を 6-2 で撃破するのだからその力は半端じゃないと感じた。 しかも不可解にPKを4度も取られていたのに。 今度はレイソルが三星をホーム日立に迎える。

2011シーズン覇者のレイソルは今シーズンはこれまで2勝1分2敗の8位タイ。首位横浜マリノスとは8勝点差を付けられているがACLでは本当に頼もしくこれまで他のJ League 勢の停滞を尻目に3戦3勝。この試合で勝利を収めACL4連勝としベスト16進出を決めて欲しい。そして同組のオーストラリア Central Coast mariners への援護射撃をして欲しいと願った。



この日のレイソルのスタメンは3日前ここで名古屋と対戦した ( 3-3 ) スタメンから3人が替わった。CB 鈴木大輔と組むCBには累積警告で出場停止の近藤直也に替わって渡部博文。 そしてレアンドロドミンゲスは負傷の為ベンチ入りもしておらず2列目右には名古屋戦で後半から田中順也に替わって出場した茨田陽生が、そして2列目左には狩野健太ではなくジョルジ=ワグネルが起用された。 前の三星戦でもMFは右がレアンドロで左が狩野だった。 他の8選手はみな三星戦、名古屋戦から連続スタメン。7日間で3試合、間の1試合が韓国でのアウェーゲームで選手達の疲労が少し気になった。



一方、前節ホームでPKを3度も失敗した上にレイソルに 2-6 と粉砕された水原三星は徐正源監督の怒りが爆発したのか次の K-League Classic の大田戦ではレイソル戦のスタメンから FW 鄭大世、MF昊章銀、CB 崔在洙GK梁棟源以外はすべてメンバーを替えて臨んだ。( 途中から交替出場をした FW Stevica Ristic はスタメン起用された。)そのカンフル剤が効いたのか試合は 3-1 で勝利を収めた。 それとも次のレイソル戦に備えて選手を温存したのか….
前節は大敗したので大幅なメンバーチェンジを予想したけど大田戦に出場した選手でこの日のスタメンに名を連ねたのは6人だけだった。 GKには前節のレイソル戦、大田戦では出場しなかった(怪我でもしていたのかな?それともワールドカップ予選の疲れか?)韓国代表GK鄭成龍がスタメン出場。 CB にはかつてJEF 千葉に在籍し昨年まで清水エスパルスでプレーした Edward Bosnar が前節レイソル戦では出場機会が無かったが大田戦に続いてスタメン起用され、前節のレイソル戦では Dzenan Radoncic に替わって途中から投入された朴宗真が2列目右に、左には大田戦に抜擢された金大がこの試合もスタメン起用された。
両チームともMFを替えてきた。鄭大世と組むもう2トップのもう一人は Radoncic ではなく前節では途中出場だったマケドニア人FW 189cm のStevica Ristic が起用された。 Ristic は2007年に韓国に渡り全北現代でプレーし翌年から2シーズン浦項スティーラーズにローン移籍していた。2010年からはウズベキスタンの Bunyodkor に移籍しさらにロシアリーグの FC Amkar Perm にも移ったが今シーズンから韓国に戻り水原三星でプレーしている。



2004-10 韓国史上最高の選手で韓国の釜本と言われていた車範根が監督を務め韓国では最も近代的なクラブとされ最大数のサポーターを誇る水原三星ブルーウィングスは他クラブの模範とも言われてはいるがまだAFC Champions League のタイトルは勝ち取ったことはない。これまで韓国勢では全北現代 ( 2006 ) 浦項スティーラーズ ( 2009 ) 城南一和 ( 2010 ) そして蔚山現代 ( 2012 ) が優勝を果たしているので三星サポーターとしてはそろそろ優勝してもと焦っているころだろう。(前身のアジアクラブ選手権では2000-01, 2001-02 と2連覇を果たしているけれど。) 現役時代は日本代表をスピードのある動きで結構苦しめた徐正源監督としては勝点3が欲しかった試合ではなかっただろうか….

試合は三星のキックオフで始まった。という事はレイソルがエンドを取る権利があったはずなんだけどこの試合も前の週の浦和同様に前半に自軍サポーターの前のゴールに攻め込むエンドを取っていた。 キックオフ前に韓国代表の鄭成龍がゴールに着くと大ブーイングだった。ここは専用競技場でしかもピッチと観客席の間が狭いので鄭成龍はどう感じただろう?だけど鄭成龍のゴールを破るのは容易じゃないとも思った。



反対側には熱心な三星サポーター達が。 円安だからもっと人が来るかなと思ったんだけど。まぁ Central Coast 戦よりかはずっと多かった。 



開始20秒鄭大世が中央を突破した Ristic からボールを受けてシュートに持ち込むがこれはGK菅野の正面に。立ち上がりは Ristic が右サイドにより朴宗真と洪淳学との連携で右サイドをよく突いていた。12分には Bosnar から逆サイドの朴宗真に振り折り返したところを Ristic を経由して鄭大成に渡り渡部のマークを受けながらもシュートに持ち込む。  レイソルはレアンドロが不在の為かなかなかボールが繋がらず反対に三星のカウンターを食らったりしていた。20分にようやく左サイドを上がりFKを貰うと増嶋の入れたFKに中央で工藤が体を反転させてシュートを放つ。 惜しくもポストのわずか左を通過したが最初にレイソルサポーター達が沸いたシーンであった。 そしてその直後に今度は鈴木が鄭大成を倒してFKを与えると洪が直接ゴールを狙う。その弾道は菅野が脚でクリアー、リバウンドを Ristic に撃たれたがポストの右に外れてくれた。

20分を過ぎるとレイソルは徐々にボールが繋がるようになり度々三星ゴール前に迫るようになった。26分には田中から左サイドの大谷に繋ぎ折り返したところを工藤が走りこんで撃ったが今度はジャストミートしなかった。  

28分、今度は三星が縦への突破を見せる。左SBの洪が一気にドリブルで上がりシュートに持ち込むが菅野がファインセーブでストップ。そのこぼれ球を金大が詰めるがゴールには至らなかった。
レイソルはサイドから、三星は縦から崩そうとする特徴が表れていた。 ただレイソルを含めたJリーグ勢ももっと単純に縦1本の突破を見せてもよいと思う。それはワールドカップ予選も同じなんだけど…



30分を過ぎると鄭大世がちょっと下がり気味のポジションを取るようになってきた。32分にはレイソルのFKを自軍PA内に入ってヘッドでクリアーいていた。3日前の大田戦では初ゴールを決めて涙したらしいけどチームにはうまく溶け込めているのだろうか? サポーター達からは彼がシュートを放つと“ チョン!テッセッ! チョン!テッセッ !”と歓声が上がっていたけど。そして金大と長身のボランチ朴鉉范が上がり気味のポジションを取るようになっていた。



40分に今度は別の歓声があがる。 中盤の位置で三星がFKを得たが Bosnar が直接レイソルゴールを狙った。その弾道はクロスバーを越えていったけど強烈な弾道を見せ観衆からは感嘆の声が上がった。千葉、清水に所属時代はそのキャノン砲に定評があり愛する京都ゴールも一度ぶち抜かれたことがあった。
ロスタイムが1分と表示されたあとジョルジ=ワグネルが左サイドを突破し中央の田中に送る。そこから左サイドを上がった増嶋に送られさぁどんなクロスが…とサポーター達が前のめりになるも増嶋は脚を取られたのか次の一撃をサポーター席に蹴りこんでしまった。そして前半終了のホイッスルが鳴った….. 前半は両チームともこれといった決定機が少なくそれがスコアーに表れているようであった。



両チームメンバー変更なしで後半が始まった。レイソルは前半の半ばからボランチと前線の間が少しあいているように思えた。それが得点に繋がらなかったのか? 50分には洪淳学に粘られてCKを与えそこからちょっとピンチを迎えたが失点は防いだ。
だけど勝たねばならないのは三星の方。 56分鄭大世がベンチに下げられ192cm の長身FW Dzenan Radoncic が投入された。 Randoncic はモンテネグロ国籍の選手で2003-04は Partizan Belgrade でプレーしその後韓国に渡り 仁川 United ( 2004-08 ) 城南一和 ( 2009-11 ) でプレーし今シーズンから水原三星に移籍してきた“韓国通”の選手。2007年には甲府で1シーズンだけローン移籍し9試合だけプレーした経歴を持つ。 ゴールを決められなかった鄭大成の心境はどうだっただろう? 彼を見に来た観客もいたと思おう。
また北朝鮮代表でプレーする機会があるかな…. あってほしいけど。 



続いて58分にも三星ベンチは MF 朴宗真を下げて徐訂普が入る。 徐訂普は2010年広州アジア大会、2009 FIFA U-19 のメンバーだった選手。3日前の大田戦はスタメンフル出場を果たした。 これで三星は2トップが長身の Radoncic と Ristic の助っ人コンビになりちょっと不気味な気がした。



そしてレイソルも61分に茨田が下がり広州から移籍してきた Cleverson Gabriel Cordova ことクレオが投入され田中と2トップを組み茨田の位置に工藤が入った。 “ クレオ柏を熱くしろ~!”とサポーター達からチャントが始まる。まだ状態は完璧ではなさそうだけど何とか得点をと期待する。



66分金大からボールを受けた Radoncic がフリーで抜け出すがシュートはクロスバーを越えた。 金大はこの試合なかなかいい動きをしていた。これからレギュラーに定着していくのではないかな? だけど2トップにもっとハイボールを上げてくるかと思ったけどそれほどでもなかった。 



そしてこれ以降クレオがシュートにどんどん絡んでいく。68分、スローインを工藤がヘッドで流してクレオが放ったショットはクロスバーをわずかに越える。 70分には藤田から工藤に縦パスが入り栗澤を経由してクレオと田中が待つゴール前に送られるがここはマークがきつくて誰もシュートに持ち込めない。 75分にはカウンター攻撃から最後はワグネルからのラストパスを受けたクレオが中央からシュートを放つが僅かにポストの左に外れていく。



時間が過ぎていくと両チームとも勝ち点を考えてくると思われる。 レイソルは引き分けで十分であるが三星は勝たねばならない。 84分にはボランチの昊章銀を下げて趙志を投入して前線に人数をかけてきた。 
しかしレイソルDF陣は勝ち点1を確保すべく冷静に対応。終了間際に何度かレイソルが三星ゴールに迫るがこちらも得点には至らずスコアレスのまま試合が終わった。 

試合後レイソル選手達と握手を終えた三星の選手達はハーフウェーライン上に並びレイソルサポーター達に向かって一礼をするとスタンドから拍手が沸いた。さいたまスタジアムとは大違いだった。 



そしてレイソルの選手は昨年もACLを戦っているので大会への望み方が調整方法も含めてよく解っているみたいだった。ただレアンドロがいないとちょっと攻撃が低下するなぁという印象も。
この試合でRound 16進出は決められなかったが大きく前進したといってもいいと思えた。ただ Central Coast Mariners がアウェーで貴州人和に逆転負けを喫し2位争いが厳しくなって来たのは残念だったけど。 
今シーズンは柏がACLでは J-League の存在を示してくれていると思うのは私だけではないだろう。

柏レイソル:(4-4-2)21-菅野;2-藤田、4-鈴木、5-増嶋、23-渡部;7-大谷、15-ジョルジ=ワグネル、20-茨田 ( 61’ 11-クレオ ) 、28-栗澤;9-工藤、18-田中

水原三星:(4-4-2)1-鄭成龍;15-洪淳学、23- Bosnar、29-郭熙柱、17-洪 、5-朴鉉范、9-吴章银 ( 84’16-趙志 )、18-朴宗真 ( 59’ 13-徐訂普 );36-金大;11-Steve Ristic 4-鄭大世 ( 57’ 10- Dzenan Radoncic )


あぁ~ J-League のレベルは…. 浦和レッズ 1-3 全北現代 3rd Apr. 2013

2013-04-14 | Football Asia
試合が終わり、両チームの選手達が握手を交わす。そして現代の選手達がセンターライン上に並びレッズサポーター達が陣取るゴール裏に向かって一礼をする。私は拍手をしようと思ったがサポター席からはブーイングが。 おいおいここまでしているのにブーイングか?確かに目の前で3連続ゴールを決められ、これ見よがしのガッツポーズも取られはしたけど、ここでブーイングはなぁ…
前の日にはダルビッシュが敵地 Houston で打者26人連続アウトの後に完全試合を逃しベンチに引き揚げるときはホームの Astros ファン達が彼を温かい拍手で迎えられた。 それと比べると….. 別に時分はレッズサポータではないけど。



そう、別にレッズサポータではないけど今年のACLは楽しみにしていた。2007年は何度も当時小学校6年の息子とここでACLの試合を観戦した。 特に Sydney FC との試合は今でも交流がある Sydney FC サポーター達と知り合った試合として思い出に残る試合だ。 あれからもう6年が経つ。小学生だった息子は高校生になり今は友人とたまにさいたまスタジアムに来ているみたいだ。

心配された雨も上がり気温もそんなに下がらなかった。ただ少しきつめの風が吹いている。この前の柏対 Central Coast 戦と言い今年のACL 観戦は天候に恵まれない。 まぁ2009年は大雨の中等々力で観戦したけど。
着席した時はもう両チームスタメン発表が終わった後だった。 観客席は満席ではなかった。そしてこの円安の折、もっと韓国からサポーター達も来るかと思ったけど。2007年の準決勝戦は城南一和を応援するサポーター達でアウェー側の席は埋まったんだけど..



3日前新潟を 2-0 で降したレッズはその試合からメンバーを何人か替えてきた。負傷退場した永田に替って投入された那須がそのままスタメンでCBに。森脇に替わって坪井が今シーズン初めて公式戦出場。ボランチの阿部と鈴木はそのままで、MFは右に梅崎に替わって平川が左に宇賀神に替わり関口がそれぞれ起用された。ワントップは興梠ではなく新潟戦では途中出場で貴重な追加点を決めたマルシオ=リシャルデス。原口と柏木のトップ下は同じだった。新潟戦から選手を5人入れ替えて臨んだ。



一方の全北現代はかなりメンバーを替えていた。 GK はベテラン42歳の崔慇誠ではなく①権純泰。DF陣はCBに⑤鄭仁煥とオーストラリア国籍の長身 187cm の 18 Alex Wilkinson 。 左サイドは⑲朴源載。右サイドは⑮鄭赫。アンカーに⑰ 林遥煥が置かれボランチに⑦徐相民とかつて名古屋でプレーした⑭金正友。 2列目右にはブラジル人の Edinho 。かつて帰化させて韓国代表に入れたらよいとまで議論された選手だった。 水原戦は30 Park Hee Do だったが浦和戦は ⑪李承が2列目左に。そしてワントップはベルギー人の長身FW ⑨Kevin Oris。 2009-11 Antwerp でプレーし、昨シーズンは韓国の大田に移籍。今シーズンから現代でプレーする。そして私の目当ての⑳李東國はベンチスタートだった。



さすがさいたまスタジアム。試合前から国際試合の雰囲気がいっぱいだった。数は多くないが現代サポーター達も熱心に上げる。するとそれをかき消すかの様に浦和サポーター達が大声援を送る。 だけどこの時は声援だけで結果が伴ってくれれば…. と少し心配になった。それが的中するとは….



Jリーグのゲームでは後半に地元サポーター側に攻め込む様にエンドを決めるという不文律があるらしい。開始前から結構風が吹いていてもしその通りにエンドをとっていたのなら疲労が溜まる後半にレッズは風下になる。韓国のチーム相手にそれは厳しいと予想していたのでいつもと反対の方のエンドでキックオフをしてくれないかな?と思っていたらその通りとなった。そして試合はレッズのキックオフで始まった。と、いうことはどちらがコイントスで勝ったかわからないけど現代が前半風上のエンドを取ったということか…..
1分22秒、いきなり原口が地元サポーター達が陣取る前のゴールにドリブルシュートを放つがこれはクロスバーを越えた。しかし大歓声が上がる。そして5分25秒、槙野が中央やや左からドリブルで現代PAに切れ込むと相手DF二人に囲まれながら粘って原口に送りまたも原口がドリブルシュートを放つと今度は現代ゴールネットにその弾道は突き刺さった。 





なかなか今のJリーグの日本人選手でドリブルシュートを撃てる選手は多くない。原口には是非それを武器に代表に。そして出来れば欧州で…と期待している。だけど息子はレッズ以外ではプレーして欲しくないみたいだ。
その後もレッズが攻勢を続ける。 攻撃時には槙野が左SBに入り一気に上がり阿部がCBに入り槙野の後ろを埋めるのがよくわかる。 10分には啓太のスルーパスを受けた原口が鄭仁煥と競りながらシュートに持ち込むが惜しくも外れる。 11分には柏木が絶妙のスルーパスを原口に送るがこれはわずかにオフサイド。13分には平川からパスを受けた原口が今度はスルーパスをリシャルデスに送るがリシャルデスのシュートはポストの左に。リズムよく攻め立てるレッズの攻撃に追加点の期待が高まった。
劣勢続きの現代は16分、徐相民が阿部に倒され得たFKを Eninho が直接狙う。その弾道はクロスバーをかすめるように上にそれていった。さすがブラジル人選手こういう武器もあるのかと思わせられた。そのFKを貰うためか現代の選手は立ち上がりから競り合い時にはよくひっくり返る。球際の強さが韓国選手の特徴と思っていたんだけど…. 19分にも柏木と競り合った朴源載が倒れてFKを貰ったがこれもちょっと…と思わされた。
20分、今度は Wilkinson が原口をPAエリアのすぐ外中央で倒してFKを与える。 このFKリシャルデスが直接狙ったが惜しくもゴールの角を叩いてしまう。後方のレッズサポーター達から一斉に溜息が漏れた。



しかしこのチャンスの後から徐々にレッズはサポーター達の方に向かう時間が少なくなっていった。 現代は左SBの朴源載が上がる時間が多くなってきた。 28分には朴源載の上がりからCKを得て長身の Oris が飛び込むがここは関口と那須が二人ががりでマーク。 32分には啓太が相手を倒して献上したFKから繋がれて左サイドからあげられたクロスにまたも Oris が槙野と競りながらヘッドを放つがこれはわずかにクロスバーを越えた。 現代は 2列目左の李承がトップに上がり Oris と2トップを組んだり2列目右に回り Edinho をトップに上がらせたりして長身の Oris にハイボールを当ててそのこぼれ球をから攻撃に転じようとしてきた。そしてレッズの両サイドを右が李承、左を朴源載がばんばん突いて来た。 38分加藤が蹴ったゴールキックを長身の Oris が体に当てて跳ね返ったボールがあわやゴールインとなりそうになった。リードしているレッズが余裕無い様に見られた。
終了間際に啓太が粘ってシュートに持ち込んだけどゴールには至らず。レッズリードのまま前半が終わった。しかしチャンスがありながら追加点が奪えなかったこと、そして前半の終盤は結構押し込まれたことが気になった。



ハーフタイムを利用して気温が低くなってきたのでアンダーフリース、日本語でズボン下?股引?パッチ?を履きにトイレに行った。そしてトイレから出た後に何人かの人がラーメンを楽しんでいた。こういう時は温かいラーメンはありがたい。海外のスタジアムではお目にかかれない。第一特に欧州人はビール売り場に殺到し並ぶということをしない。




日本のスタジアムの良い所を見た好印象に浸りながら席に戻ると今度は物々しい雰囲気が。 私が座っていたところはアウェーサポーターズシートとの境界線近く。緩衝地帯が設けられているが数人の日本人サポーターが現代サポーター達に何か叫んでいる。そのうちに2人が柵を乗り越えて現代サポーター席に乱入しようとしているのを警備員数人が押し留めていた。 日本人たちは口々に”竹島を返せ!””盗んだ仏像返せ”とか叫んでいる。さらには”韓国女はブスばかりなんだよ!”とも叫んでいた。 10人ほどの現代サポーター達もこちらにやってきて何やら叫んでいる。向こうの方も警備員達が着席するようになだめられていた。 現代サポーターのうち一人がレッズのマフラーに何やらしようとしていたがその行為は試合中からあったらしくどうもそれが発火点になったみたいだった。
日本人達は”俺たちが韓国に行ったときはもっとひどくやられているんだ!”と警備員達につっかかっていた。中にはいきなり煙草を吸いだす輩も。 警備員は大変紳士的にしかし強力に彼らを押し留めいていた。 これがドイツあたりだと体重100㎏は下らない屈強な警備員が出て来て本当につまみ出されていただろう。 こういう光景も日本的なのか?
私も日韓関係に就いては竹島は日本固有の領土と信じているし従軍慰安婦なんて韓国側と日本共産主義のでっち上げと確信している。更に対馬から盗まれた仏像をユネスコ憲章に反して韓国の高等裁判所が日本に返還しないのは(ただこういう返還されないのは対馬の仏像だけでなくもっとたくさんある。) 許せない事だと怒っている。
しかしそれはここでは議論すべきじゃないと思う。ただ現代サポーターの行為もいただけないなぁ。 それだけにこの試合はレッズに勝って欲しかったんだけど….




後半レッズは交代選手がなく現代ベンチはCB Wilkinsonを下げて⑳李東國を投入し Oris のやや後方に置いた。そしてアンカーだった鄭仁煥がCBに入った。50分にレッズは平川からのクロスに原口が飛び込むがやや合わずに逆サイドに流れ関口からの折り返しを柏木が放ったがゴール枠は捉えられなかった。そしてこのシーン以外は後半開始から現代が常に前半の終盤の流れのまま押しまくっていた。51分37秒、浦和ゴール前やや右でFKを得た現代はそのFKから李承がノートラップで合わせて放ったショットがそのままレッズゴールに飛び込み同点とされてしまった。 ゴールが決まった時はあまりにも静かだったので現代サポーターたちでさえすぐにわからなかった。





以降も主導権を握るのは全北現代。 李東國が入ったことにより前線の収めどころが増えレッズDF陣は常に後手を踏むようになった。同点にされた直後にも Eninho にドリブルでシュートに持ち込まれるも何とかストップ。55分には3連続CKとされ最後はGK加藤がナイスセーブで防ぐ。 58分には槙野が上がった後方をカウンターで突かれる。 
これは逆転ゴールも時間の問題かと思われた64分、またも自軍ゴール前でFKを現代に与えるとそのFKから中央から李東國が飛び込みそのままゴールを割られてしまった。さすがベテラン現役韓国代表FWと思わされた。



しかし李承のゴールと言いセットプレーのマークが甘いなぁと思った。 逆転を許したレッズベンチは今シーズン初出場の坪井を下げて興梠を入れトップに入れリシャルデスと原口が2列目に。そうなると坪井のところには啓太か平川か誰が入るのか…と思っていると現代の方がサイド攻撃の起点となっていた李承を下げてくれた。 そして投入されたのは2009-11 AEK Athens でプレーしたブラジル人選手⑩ Leonardだった。
69分、かつて名古屋でプレーした元代表の金正友が中に入れると一旦はDFが跳ね返すがこぼれ球を拾われ前線に走り込んだ Oris にスルーパスが通るがここは那須が何とかシュートを撃たせない。 何とか3ゴール目は防いでくれよと思ったその直後、右サイドから浦和ゴールに向かって放り込まれた Eninho の弾道がそのままゴールに吸い込まれてしまった。 GK加藤のポジションをしっかり見ていてのロングシュートだった。 目の前で3連続ゴールを見せられたレッズサポーター達にとってまさに悪夢のとどめのゴールだった。 そしてその度に数では圧倒的に少ない現代サポーター達の歓声がスタジアムに響いた。





71分関口が下がり宇賀神が入ったが以降もなかなかゴール前にパスが入らず現代選手達の球際の強さが目立った。 相手を止めるときは激しくタフに。そして時折ファールを貰う為に倒れたり。
79分権純泰からのゴールキックをトラップし損ねたところを原口が見逃さず拾い上げそのままドリブルシュートを放ったがここはGK権純泰がナイスセーブ。 このシーンが後半唯一レッズサポーターを沸かせたシーンだった。 この直後に原口はベンチに下がり梅崎が投入された。 後半に入りレッズの攻撃は原口のドリブルとリシャルデスのボールキープが頼りだった。 そのリシャルデスも次第にマークが二重、三重に付かれるようになりボールを上手く出せなくなってきた。 そして2点差の余裕からか現代はDFラインをしっかりと上げて全体をコンパクトに保ち常に数的優位を創っていた。それでなくても一歩の出だしが早くレッズイレブンはボールをなかなかコントロール出来なかった。
ロスタイムに入りCKのチャンスを得たレッズは槙野が飛び込むがクロスバーを越えてしまい、スコアーは変わらずタイムアップとなった。



立ち上がりの時間に追加点が決まっていればもっと異なった結果になったかもしれないけど、現在Jリーグで2位を走るレッズが地元での完敗であった。永田の負傷欠場は大きかったかもしれないけどちょっとJリーグのレベルが….と思わせられる試合内容と結果だった。
韓国の選手が試合後“ K-League Classic では観客が2万人も入る試合は稀だ。大観衆の前でプレー出来る事がモチベーションとなる。”と語っていたらしい。 ホームアドヴァンテージを逆にモチベーションにされたなぁ。そういえばオーストラリアの選手もレッズは毎試合4万人の観衆のスタジアムでプレーするのか?と羨ましがっていたのを覚えているけど。



この試合の3日後雨の中のさいたまスタジアム。レッズは磐田を相手に終了直前原口のドルブルシュートで試合を制した。これで生き返るかと思っていたけどその3日後、アウェーでの全北現代戦では終了直前に徐相民に同点ゴールを許し2点リードを守れず
勝点3を奪えなかった。この結果ACLでは非常に苦しい立場になった。 次の広州恒大戦はどうしようか?だけど広州は一見の価値のあるチーム。このチームを見るのを主目的としてさいたまスタジアムに出掛けようか…と思っている。



浦和レッズ:(4-5-1)18-加藤;2-坪井(66’30-興梠)、4-那須、5-槙野、8-柏木;10-リシャルデス、11-関口(70’3-宇賀神)、13-鈴木啓太、14-平川、22-阿部;24-原口(80’7-梅崎)

全北現代 :(4-5-1)1-権純泰;5-鄭仁煥、7-徐相民、18- Wilkinson (46’20-李東國)、19-朴源載;8- Edinho(73’4-金相植)、11-李承(67’10-Leonardo)、14-金正友、15-鄭赫、17-林遥煥;9-Kevin Oris



See You at Grand Final Kashiwa Reysol 3-1 Central Coast Mariners 13th Mar. 2013

2013-03-18 | Football Asia
この日は天気予報通り朝から吹いていた風は次第に強くなり午後には都心でも突風になりだした。 もっと心配したのは雨が降るかどうか。 4年前に Central Cost Mariners がACL で来日し、川崎フロンターレと試合をした日は大雨だった。 等々力競技場は屋根で覆われている観客席が多いけど柏スタジアムはどうだったかな…. 買った前売り券はビジター指定席。屋根に覆われていたかなぁ…. と心配していた。
仕事を終えて柏に向うが雨はまだ振り出さないが午後から遅延や運転を見合わせている鉄道情報ばかりが入ってくる。
しかし幸運にもキックオフ20分前に柏駅に到着し、駅前に設けられた案内所で試合が予定通りに行われることを確認し徒歩で競技場に向かった。 そうして競技場に到着するもビジターゾーンまで更に5分程歩かねばならなかったので席に着いた時はもう試合が始まっていた。そして期待したんだけどオーストラリアからはほとんどサポーター達は来ていなかった。 2007年には多くのサポーターたちがさいたまスタジアムに来ていたのになぁ。あの時はオーストラリアドルは高かった。そして最近もオーストラリアドルは高いんだけどなぁ……

Cluttered draw leaves the Mariners on a knife-edge
Asia or the A-League。 オーストラリアの地元紙にはこういう見出しが。オーストラリアの Hyundai A-League 2013 はシーズン終盤に入っているが Central Coast Mariners は3月2日、小野伸二の Western Sydney Wanderers との首位攻防戦に 0-1 で敗れシーズン序盤から守り続けた首位を明け渡し、続く第24節、3月9日、Del=Piero の Sydney FC にも 0-2 で敗れその翌日日本に向けて旅立った。
 このシーズン終盤の優勝争いのかかった大事な時期にACL に集中するだけのモチベーションがあるのかという懸念がある。
欧州の強豪はUEFA Champions League を戦いながら地元リーグのシーズン優勝争いをこなしているという人もいるがオーストラリアから日本、中国、韓国は10時間程度のフライトを要する。 しかも日本への直行便はすべて夜出発の翌朝に到着という便。
柏戦後は翌日14日深夜のフライトでシドニーに向かい到着は15日の早朝そして中1日置いた17日ホームで Brisbane Roar を迎える。シーズンはBrisbane 戦を入れて残り3試合。Wanderers との激しい優勝争いの中、この柏戦のスタメンが気になった。
この“過密日程”、原因は A-League の作成するリーグ日程にある。 2005年に A-League が創設され、2007年からAFC Champions League に参戦した A-League であるが参戦当初はリーグ開始が8月で2月中に Grand Final を行いシーズンが終了し ACL に臨んでいた。その後チーム数の増加により Final Series への進出チームが上位4チームから6チームとなり Final Series の日程が長引き 2009-10が3月20日、2010-11 が3月13日にそれぞれ Grand Final が行われた。
しかし2011-12シーズンから開幕が10月になりGrand Final の開催が4月22日になってしまった。 今そーズンも開幕は10月5日。 Grand Final は4月21日の予定となっている。 
これは Rugby League, Union のシーズン終盤が Final Series を含めたシーズンクライマックスと当たらない様にする為といわれている。ラグビー国技のオーストラリアでは致し方が無いことであるがそのしわ寄せがもろに ACL 出場チームに来ることとなった。
これは当然結果に直結することとなり自動出場枠を減らされ昨シーズン Grand Final 王者の Brisbane Roar はタイ Buriram United FCと ACL 出場をかけてプレーオフをせねばならなかった。そして2月16日に Buriram で行われたプレーオフは PK 戦で Brisbane Roar は敗れ、今大会オーストラリアからの参戦は昨シーズン A-League 王者の Central Coast Mariners のみとなってしまった。



突風の中のキックオフ
指定席のチケットを持っていたけど、ビジター側のゴール裏で前半は観戦することにした。がらんとした“観客席”であったがオーストラリア国旗を振ったりオーストラリア代表の Gold and Green のレプリカを来て熱心に声援を送る日本人が2名いた。あぁ~、 Gosford から来てくれよ~。円安なのに…. と思った。 
すると目の前の柏ゴールに Mariners の選手が走り込んでくる。その選手には届かず GK 菅野が拾い上げたがさすがサッカー専用の柏スタジアム。迫力がある。  ⑪ Oliver Bozanic から縦パスを受けた⑧ Adriano Pellegrimo が右に流れてゴール前に送ったロングパスに 19 Mitchell Duke が走り込んだのだった。

後で調べたのだけどこの日の Mariners のスタメンの中で9日の Sydney FC 戦でもスタメンだったのは GK Mat Ryan, 右SB⑯Trent Sainsbury, ベテランCB,かつて大分トリニータでもプレーした⑥ Patrick Zwaanswijk マルタ国籍のボランチ⑦ John Hutchinson の4選手だけだった。左SB185cm の⑬ Brent Griffiths はここ5試合ベンチ入りが1度だけ。⑥ Zwaanswijk と組むもう一人のCB ⑤ Zachary Anderson はACL 前節の水原戦ではスタメンフル出場であったが前節 Sydney FC 戦、その前の Wanderers 戦では途中出場。いつもはPedj Bojic がこのポジションにいるが 180cm のBojic に替わって191cmの Anderson が起用された。CBの2人は190cm以上の長身コンビだ。 ⑦ Hutchinson と組むボランチ⑰ Anthony Caceres は A-League を含めても今シーズン初めての出場。3人が並ぶ2列目真中の⑧ Adriano Pellegrimo もここ5試合出場が無く2列目左⑪ Oliver Bozanic はロンドン五輪予選チームのメンバー。前節 Sydney 戦は途中出場。 2列目右 29 Nick Fitzgerald は21歳。Sydney 戦は出番が無かったがその前の Wanderers 戦まで途中出場を果たしており水原戦はスタメンフル出場。 しかし水原戦では2列目左で起用されていた。ワントップの 182cm FW は前節元 Socceroos の Mile Sterjevski に替わって投入され選手。その前の Wanderers 戦そしてその前の Melbourne Victory ではスタメンで起用された。 Sterjevski を始めレギュラー4選手がこの遠征に帯同していないと後で知った。



一方、こちらも前節(FC東京)で敗戦を喫した柏レイソルは鈴木大輔、キムチャンスそしてジョルジ=ワグネルが故障等でベンチから外れたらしい。東京戦でキム=チャンスに替わって後半から投入された30山中亮輔が左SBに入り②藤田優人が右SBに。CBは③近藤直也と⑤増嶋竜也が。そして2列目左の⑭狩野健太と共に横浜マリノスから移籍してきた29 谷口博之が⑦大谷秀和とボランチを組んだ。 私の注目はFW⑩Cleverson Gabriel Cordova こと クレオ。 昨年は広州恒大のメンバーとしてワントップを務めACLでは柏DF陣を苦しめたストライカーだ。
立ち上がりの Mariners は悪くなかった。 3分38秒には⑦ Hutchinson からボールを受けた⑧ Pellegrino が中央からスルーパスを送るが Fitzgerald には届かなかった。 だが4分には②藤田の粘りから柏がCKを得て、そのCKから⑤増嶋がボレーを放つがGK Ryan がファインセーブでストップ。その直後のCKも最後は⑤ Anderson がクリアーした。 この試合のあった日の午前中に Socceroos の Holger Osieck 監督は26日のワールドカップ予選オマー戦に臨む代表23選手を発表。その中には A-League でプレーする選手6人が含まれていたが Mariners GK Mat Ryan がその中に入っていた。そして Adelaide United の Eugene Galekovic も選出され、レギュラーGKは Mark Schwarzer ( Fulham FC ) に違いないだろうが第2、第3 GK が A-League からの選出となった。

7分14秒、 29.Fitzgerald が右サイドから上げたクロスに⑪ Bozavic が飛び込むがここはCKに。そして Duke, Pellegrino, Fitzgerald 更に 185cm Griffiths, 191cm Anderson といった長身のDFもPA内に入ってくるがヘッドを放ったのは後方からゆっくり歩いてエリア内に入った Zwaanswijk 。谷口と競りながら放ったヘッドがGK菅野を破り柏ゴールネットに突き刺さった。
ゴール裏には数人が声を上げて喜ぶ。 私もこぶしを突き上げた。 アンチレイソルではないけれど、試合を考えれば Mariners が先制する方が面白くなると思っていたからだ。 ここは長身選手をそろえた Arnold 監督の作戦が的中した。





その後ホームの柏が Mariners ゴールに迫るが Mariners DF 陣も長身を生かしてよく対応していた。 11分15秒には⑩レアンドロが Griffiths に倒されて得たFKから谷口がオーバーヘッドで狙うがCB Zwaanswijk がしっかり体を寄せて弾道を外させる。14分35秒には藤田がゴール前の工藤にアーリークロスを送るがマークに着いた Anderson が頭一つ出てヘッドでクリアー。 15分9秒にはスローインを受けた工藤が前線に走り込んだ狩野に送りマークに入った Caceres と交錯して倒れるが幸運にもホイッスルはならなかった。 Mariners 前線の4人はめまぐるしくポジションを替えてうまくマークを外していた。 そして⑧ Pellegrino にボールが入ると何か起きそうな予感もした。
しかし21分柏があっさりと同点ゴールを決める。 中盤から大谷が Anderson と Zwaanswijk の間に通したスルーパスにレアンドロが走り込みワンタッチでコースを替えて Mainers ゴールにボールを流し込んだ。 GK Ryan も全く動けなかった。 
大谷のスルーも見事だったけどそこに走り込みワンタッチでゴールを決めたレアンドロもさすがだった。
試合が面白くなる為には Mariners のリードの時間が長い方が….と思っていたのだけど、やはり甘くはないなぁと思った。



27分33秒、藤田がレアンドロからボールを受け、中に入れ再びレアンドロがフリーでシュートを放つがここは外してくれた。
Mariners DF 陣は同点にはされたがレオナルド、クレオの両選手はよくマークをしていた。ただオフザボールの動きでは役者が1枚上手の様に見えたけど。 34分左サイドから Hutchinson の入れたスローインが大きく柏ゴール前に弾むが近藤がヘッドでコーナーに。そのCKからまたも Zwaanswijk がヘッドを放つが今度はGK菅野が体にあて増嶋がゴールラインの前で抑えた。 惜しいチャンスだった。これが入っていれば試合はもっと面白い展開になっただろう。 41分には Pellegrio から右サイドに走り込んだ Fitzgerald に送られ山中、大谷のマークを受けながらも強引にシュートを放つがゴール前を通過していく。 Pellegrino がフリーでゴール前に走り込むがわずかに届かなかった。 レイソルも37分良い位置でFKを得るがレアンドロの入れた弾道は Andersonがヘッドでクリアーするなど Mariners ゴールを脅かすシーンは作れなかった。 そして1分なったロスタイムも過ぎて前半が終わった。
レギュラー選手4人で臨んだ Mariners にとってはまずまず、及第点の内容だったと思った。

ハーフタイムに座席を本来のビジター指定席に移った。 そこには1人しかいなかった。そして横のメインスタンドには10人くらいのオージーらしき人たちがいた。後で聞いたけど彼らは Gosford から来た人たちだった。 メインスタンドのチケットを買えばよかったかなぁと思った。 霧雨も降り出したし….雨はすぐに止んだけどバックスタンドからメインスタンドにピッチを横切る様に吹いていた風は更に強くなってきた。

地力の差が出た後半
Mariners は後半立ち上がりはスペースが出来たのがボールをよく回していた。 クレオへのマークも厳しくなっていた。ただクレオは昨年見た時の方が体は絞れているように見えたけど。 51分には Cacceres がドリブルシュートに持ち込み52分にはCacceres が今度はゴール前にスルーパスを送るが GK 菅野がキャッチ。57分には先に Mariners ベンチが動く。 Pellegrino を下げて All Whites の⑭Michael McGlinchy を投入した。 Pellegrino をどうして外したのだろうと思ったけど。 これで Duke と2トップにするのかな…と思った。そして目の前ではリザーブ選手達のアップのペースが上がって来たみたいだった。



しかしここから柏が完全に主導権を握ることに。 61分には右サイドを崩してレアンドロがシュートに持ち込むがここはDFがブロック。 62分には工藤の放った強烈なショットがサイドネットを直撃し65分には中央から崩されそうになるが最後は Zwaanswijk がクリアー。 柏の選手の動きにマークがずれてきだした。 ここはDFの選手を増やして勝点1を死守した方が…と思った。そして67分クレオが右サイドを上がったレアンドロに送りレアンドロはそのまま中に入れると走り込んでいたクレオではなくその左から走り込んだ狩野が Mariners ゴールに押し込みリードを奪った。 狩野はそのままリザーブ選手がアップしているところまで一直線に走り寄って来た。
試合後の狩野のインタビューではFC東京戦ではスタメン起用されるも結果を出せずに63分にベンチに下げられたのでこの試合でのスタメンは無いと覚悟していたらしい。それなのにスタメン起用のチャンスをものに出来たことに安堵と歓喜の表情を浮かべていたのが印象的だった。





ただ観客席からみているとクレオがオフサイドの位置に出ていたように思えた。 私の目線が丁度そのライン上にあったので…. Anderson が抗議するが勿論判定は変わらない。 遂に柏にリードを許してしまった。 
2失点目を喫した Mariners ベンチは70分 Fitzgerald を下げてレギュラー FW の⑨ Ibrini Isei を投入する。これで Ibrini Isei がトップに入り Duke と2トップを組み2列目右に McGlinchy が下がった。74分には Caceres を下げてレギュラーの⑱ Nick Montgomery を投入するがたまに Ibrini Isei が右サイドを突破するくらいでなかなかボールがつながらず柏ゴール前に迫れない。 
柏のクレオは70分を過ぎるとどちらかといえばレアンドロにボールを出す役割をするようになった。 86分に Sainsbury がドリブルで突破しミドルを放つが弾道は大きくクロスバーを越えた。
87分クレオからまたもレアンドロにボールが送られレアンドロはヒールで流すとそれを拾った藤田が中に入れる。中央に走り込んだレアンドロがCB2人の間からジャンピングボレーで Mariners ゴールにたたき込み試合を決定づけた。 さすがにレアンドロというヒールパスそしてゴール前への動きとシュートだと思った。
“宇宙戦艦ヤマト”のメロディーに乗ってレイソルサポーター達がマフラーを振り回す。 この光景は A-League の選手には堪えたのではないかな…..



しかしドラマはまだ続いた。88分 Montgomery から柏ゴール前に絶妙のスルーパスが Duke に通りシュートを放つ前に転倒する。故意ではないが後方からマークに入った山中の脚がかかったらしくそれをUAE 人のAli Hamad Albadwawi 主審が反則をとりPKを与えた。 山中が必死に抗議をする。後方のレイソルサポーター達からは大ブーイングが起こる。 ここで1点差にすれば Mariners は敗れても残り4試合の星勘定、得失点計算が楽になるのは間違いない。しかしすぐ横のメインスタンドの Mariners サポーター達と一緒に“これまで何度も外しているからわからんぞ。”という会話を交わした。 前節水原戦も終了直前のPKを失敗し2勝点を損している。 そして今回、レイソルサポーター達のブーイングの中 McGlinchey が蹴った瞬間にレイソルサポーター達から歓喜の大歓声が上がりまたもPKが失敗したことがわかった。 McGlinchey は中央やや左に蹴り、菅野は反対に倒れたけど脚でストップをしたのだった。  Mariners のサポーター達は苦笑いをしながた私に五本の指をすべて立てて見せた。これで5回連続PKを失敗したことになる。あぁ、これじゃ勝てんわ~。と何故か私が天を仰いだ。また雨が降っていそうだなぁ~。



そして一気に柏が Mariners ゴールに襲いかかる。91分には右からのクロスにクレオが、92分にはクレオからパスを受けたレアンドロが中に入れ工藤が狙うがここはDF陣が何とかストップ。そして93分に試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。



柏はこれでJ-League 勢4チームで唯一ACL2連勝。2シーズン連続で出場しているその経験は生かされていると思う。次節はアウェーで水原と対戦する。  Mariners はホームで貴州戦に臨むが Final Series の真っただ中なんだよなぁ~。
“相手の10番 レアンドロだけが違っていた。 彼は完璧な選手だ。 彼の最初のゴールは素晴らしいシュートだった。我々は2つのゴールをたやすく許してしまった。国際試合ではポゼッションを与えてしまうと償いをせねばならない。しかし3点目は本当にワールドクラスのゴールだった。”試合後地元紙に Arnold 監督はこう語った。スタメンに就いては
“5人の21歳の選手達をスタメンで起用したが彼らのパフォーマンスと闘志は私の期待を上回った。ヤングボーイ達には良い経験になった。そしてそれは彼らを上達させるのみだ。最後は6、7人の若い選手を並べた。確かに敗戦は良いものではないが、トップチームに対して我々は困惑しなかった。 次はホームゲームだ。まだ柏と貴州戦はホームゲームを残している。まだまだやれると思う。”と続けた。 




それぞれの次節、柏レイソルはベンガルタ仙台に敗れ、スタメン5人を入れ替えて Brisbane Roar 戦に臨んだ Mariners は Ibini Isei のゴールで勝利を上げて優勝に望みをつないだ。
See You at Grand Final
帰りはすぐ近くのバス停からバスで柏の駅に向かうことにした。するとオージーのサポーター達が乗車してきたので声を掛けた。話をしているうちに4年前に等々力競技場に観戦に来られていた方達で“あの時 Johnny Warren のシャツを着ていた….” と私の事を思い出してくれた。 駅に着くまで試合の事を話した。柏はプレーもサポーターも素晴らしいと話していた。  Arnold 監督も試合後” J-League はアジアの Premiership だ。“と表現していた。しかしサポーター達も柏の逆転ゴールはオフサイド気味じゃなかったか?と訊いてきた。そしてサラリーキャップ制度があるので好成績を上げても良い選手をすぐに手放ねばならない、なかなか強さが持続できないと話したので Mariners はここ3年ずっと好成績を上げているじゃないかと言った。
首位を走る Wanderers の Shinji Ono の素晴らしさにも触れていた。 その Wanderers に敗れて首位を明け渡したゲームの事も話していた。 そして柏駅で降りて彼らと別れた。 この夜は駅の近くのホテルに宿泊し週末は大阪に行ってガンバ大阪対横浜FCの試合を観戦するのだと教えてくれた。それは KAZU を見たいからだと話していた。 さすがキングと思った。
みんなと固い握手をかわしこう言って駅に向かった。 

See You at Grand Final

そして一人が答えた。  Of course, definitely…….


ACL日中対決 これが中国超級の実力なのか…. 柏 0-0 広州恒大   4th April 2012

2012-04-15 | Football Asia
先週発表された週間天気予報ではこの日も寒くなるとの事であった。 こりゃあ、キックオフ時間が変更となったキリンチャレンジカップ、アメリカ女子代表対ブラジル女子代表戦に続いて現場観戦中止かなぁ…と思った。
しかし前日吹き荒れた“春の嵐”から一転この日は“春の陽気”だった。

柏駅前には“広州恒大”サポーターがスタジアムまでの道程が解る様に臨時の案内所があった。 そこに貼られている地図を見て競技場までの道を調べているとボランティアだろうか中国人の若い女性に声を掛けられた。
“没有問題。我是日本人。”と大学時代に習ってまだ頭の中に残っている数少ない中国語で答え二度三度と頭を下げて競技場に向かった。 



前に来た時も歩いて行ったなぁ…あれは2009年衆議院選挙で民主党が政権を獲った日だった。 愛する京都が柏レイソルとのJ1リーグ戦を観戦して以来だった。あの時のレイソルはJ1残留に必至だった。試合は京都が押していた。試合結果は 0-0 だった。そのシーズン、柏はJ2に陥落してしまいサンガは何とか残留した。
そして約2年半後、京都はJ2に逆戻りそして今シーズンもJ2でのスタート。柏はすぐにJ1昇格を果たしそしてそのままJ1制覇。ACL 出場権も手に入れた。それにしてもいつになったら愛する京都のACL観戦が実現する比が来るのだろう…..

道中競技場に向かう多くの中国人達を見掛け国際試合の雰囲気がぐっと上がってくる気がする。
年々日本に渡ってくる中国人が増えているが広大な地域によって言葉も文化も料理も言語も異なる中国では地域間の、南北間の対抗意識も強いと聞いた事がある。 広東省の省都である広州は世界史の授業でアヘン戦争の発端となった都市。今では香港の奥座敷と言われているらしい。 この試合観戦に来た“広州サポーター達”の中には東北部や上海、北京から来た人達もいたのだろうか….
その広州恒大も柏レイソル同様2010年中国甲級リーグで優勝を納め中国超級に昇格したシーズンに優勝を果たしAFC Champions League 初出場を決めた。柏、広州、いずれかがACLで優勝すれば 1978-79 の Europe Champions Cup で優勝した Nottingham Forest と同じだ…と言っても例えが古いか…



最も注目される選手はアルゼンチン人MF Dario Leonard =Conca 。2008年にはかつての浦和レッズの中心選手、ワシントンと共にフルミネンセでプレーし。 リベリタドーレス杯準優勝の立役者に。 2009,2010年と連続してCBF MVP を受賞。
そして2011年に移籍金 €1000万 ( 約1億1574万円 ) 年棒US$1040万 ( 約8億3,740万円 ) という記録的破格な金額で広州恒大に移籍して来たMF. アルゼンチン代表に入ってもおかしくない逸材らしい。 更に 2011年中国超級 MVP のブラジル人MF ムリキ。 ワントップには Cleverson Gabriel Cordova ことセルビア人 FW のクレオ。 ブラジル国籍も持っているが2013年からセルビア代表でプレーできる資格があるらしい。 Liverpool も食指を出したらしい。
MF 29.郜林、ボランチの⑯趙旭日は AFC Asian Cup そしてワールドカップ予選メンバー。CB コンビは北京五輪メンバーだった⑥馮瀟霆と 2004年AFC Asian Cup のベストイレブン⑩鄭智。右 SB 孫祥はかつての上海申花の中心選手で2007年 AFC Asian Cup, ワールドカップ南アフリカ大会予選のメンバー。当初予想スタメンだった李健華に替って起用された 右 SB は韓国人の⑯趙源熙。水原、光州、蔚山でプレーし Wigan Athletics にも所属した。
タレント揃いのイレブンだった。 3月30日に行われた中国超級のアウェーでの上海申花戦 ( 1-0 で広州の勝利 ) は主力を休ませたのかこの試合に続いて柏戦に出場した選手は5選手だけ。 郜林、鄭智そしてクレオは途中出場だった。
柏は右SB に今シーズン北九州から移籍して来た福井諒司が負傷の橋本に替って今季初スタメンに抜擢された。 



試合は広州のキックオフで始まりそのままアウェーの広州が押す展開。 いきなり⑯趙源煕がドリブルできれこみ、その後も⑨クレオが⑮コンカとのパス交換で抜け出しシュートに持ち込み柏DFに当たりこぼれたところを29.郜林が拾って放ったシュートは⑤増嶋に当たりもう一度こぼれたところを⑪ムリキがシュートを撃つが④酒井が身体を入れて弾道をゴール枠からそらす。 広州は⑥馮瀟霆 ⑧秦升、29郜林らの長身が目立つ。そして⑪ムリキを起点とする左サイドサイドからの崩しが目立った。 
5分にはクレオからボールを受けたコンカがオーバーラップして来た右SBの孫祥に送り再びコンカに縦パスを送る。コンカが中に入れようとすると増嶋が身体を張ってクリアー。6分17秒、④酒井の⑪ムリキへのチャージがファールに取られる。広州の韓国人イジャンス監督はイエローカードをUAE人のアリハマド主審に促す。コンカが蹴ったFKからクレオがシュートを撃つが大谷に当たってゴール枠には至らない。12分49秒には福井が郜林へのチャージにイエローカードが出される。 
14分には波状攻撃を受け最後はクレオのシュートを③近藤が身体を入れて弾道をそらせる。17分51秒、ムリキが左サイドを上がったSB孫祥に送り絶妙のクロスを入れられるが増嶋がヘッドでクリアーしコーナーに逃れる。



広州は自軍GKの際はDFラインがセンターライン付近まで上がり、ボランチから前が攻撃時は高い位置をキープし柏ボールになると中盤以降が素早く守備陣形を敷き常に数的優位を保つ。劣勢の柏は⑩レアンドロのボールキープだけが頼り。そのボールキープも次第に持つ時間が長くなり還って他の選手にボールが出なくなって来た。
私が座っていた位置は前半、広州ゴール側付近だったので試合は視界から遠方で展開されていた。



しかし20分を過ぎると徐々に目の前で試合が展開されてくる。 酒井、レアンドロが相対するムリキ、秦升らに競り勝つようになり右サイドをどんどん切り裂いて来た。 24分には酒井が孫祥を外して中へ入れると工藤がヘッドで落としワグネルが放った強烈なショットはポストの右へ外れて行った。これが柏の最初のチャンスらしいチャンスだった。
“サ~カイッ !!サ~カイッ!!やってやれ!!”と言う柏サポーター達からの声援回数が徐々に増えて来る。
目の前でも何度も酒井が相手選手を外すシーンが演じられる。さすが球技専用競技場。迫力ある。



そしてワグネルを中心に左サイドからの突破も目立って来た。しかし工藤、田中と言ったFWになかなかボールが渡らないのでシュートシーンは演じられない。広州は劣勢時でもDFラインを下げて来ない。しかしGK楊君との間にスペースがある様に見えるのでそこに放り込んで走り込めば…と見ている方には簡単に思えるのだけどそうはいかんのだろうなぁ….
40分を過ぎるとレアンドロが2列目の中に入り酒井、ボランチの栗澤が2列目右に上がって来る様になりまた広州選手の脚が止まって来たせいか柏の攻勢が続いた。42分には田中が左サイドから福井、ワグネルの崩しからシュートに持ち込んだがGK楊君の正面に。 その後も何度か柏は広州ゴールに迫るもロスタイムが無かった前半は両軍ゴールを挙げられないまま終わった。

今シーズンのACL Group H は他に昨シーズンACL準優勝の全北現代(韓国)そして Buriam United ( タイ ) が同組。4カ国全て昨シーズンの国内リーグ覇者。 こうやって見てみればもっとなぜこういう組み合せになったのか不思議だ。 
そうしてこれまでこの Group の台風の目になっているのが Buriam United 。柏、広州を連破しこの組の首位に立っていた。
これまでタイと言うよりも東南アジアのチームがここまでやるのは記憶が無い。 一度このチームのゲームを観戦したいんだけど….

両軍交替選手無しに始まった後半、前半終盤に続いて柏の攻勢を期待するが再び広州が試合を試合する。
クレオのワントップだった前半とは異なりムリキが上がり2トップに。そしてダリオが右に郜林が左にそれぞれ両サイドに置かれた。
そしてボランチ秦升、趙旭日は相変わらず前後に精力的に動いていた。 
48分21秒にはムリキがこぼれ球を拾って柏ゴールに迫るが近藤がクリアー。49分29秒には郜林がこぼれ球を拾い放ったショットはGK菅野の正面に。58分ワグネルのクリアーボールをクレオが拾い繋いで右に送り趙源煕が入れたクロスをクリオがヘッドで後ろに落とすと郜林が切り返して上手く酒井のマークを外しシュートを放つが増嶋が飛び込んでブロック。 60分15秒には郜林からのクロスを受けたムリキがシュート体勢に入るが酒井、増嶋が身体を張ってストップ。 その直後にはムリキのドリブルシュートを近藤が何とかブロック。 広州の連続攻撃に柏DF陣がかわるがわる身体を張って失点を防ぐ。



劣勢のホーム柏レイソルは66分 FW 田中を下げて茨田を入れて工藤のワントップにし2列目を3人に増やす。茨田は昨シーズンのJリーグ優勝を決めた最終戦の浦和戦ではボランチのポジションだった。
70分頃には広州ベンチは長身の郜林がトップに上がりムリキが左サイドに入る。 これで前線にはクレオ、郜林の長身選手が並んだ。


 
73分柏ベンチは工藤を下げてリカルドロボを投入する。 サポーター達からは“進めリカルドロボ、立てリカルドロボ”と私が幼少の頃大好きだったジャイアントロボのメロディーに乗せた声援を送る。 あぁもっとこのメロディーを聞きたいなぁ~と思った。



77分そのリカルドに酒井からクロスが入るが馮瀟霆と競り合いながら放ったヘッドは惜しくも外れる。 
80分大谷が福井に送ると郜林の競りながらもワグネルに送る。この時郜林の手にボールが当たったようだけどアドヴァンテージをとったのか?そしてワグネルが中に入れるとそこに走り込んだ福井の放ったシュートは惜しくもポストの右に外れて行った。 ちょっと福井へのボールが足元に入り過ぎていた。 
残り10分を切り、終了時間が近づくとアウェーの広州は勝点1を守るかのごとく中盤が前に出て来なくなった。それでもムリキ、コンカのドリブルは脅威。柏の方ものそれを恐れてかなかなか攻撃に人数を掛けられない。そして何度か広州ゴール前に迄迫るシーンもあったがゴールは決まらずタイムアップとなった。





広州としても次節はホームで柏を迎え撃つ。このアウェー戦で勝点を計算出来ると思われたのではないか…..
それにしても広州恒大は強かった。 アウェーでありながら終始優勢に試合を進めていた。東アジア地区ナンバーワンの下馬評は正しい様だった。

翌週、柏は札幌を2-0 で破った。そして茨田がロンドン五輪候補合宿に愛する京都サンガの宮吉らと共に召集された。
ベガルタとの練習試合では宮吉のゴールで五輪候補チームが 1-0で勝利を収めた。
Jリーグ王者の柏は日本を代表して次節はアウェーで広州相手に勝点を稼いで欲しいんだけど…
広州はホームで Buriram United に 1-2で敗れている。 柏にもチャンスは充分にあるだろう。

そして春の陽気がようやく続く様になった….

柏レイソル:21-菅野孝憲;4-酒井宏樹、5-嶋竜也、3-近藤直也、26-福井諒司;10-レアンドロ・ドミンゲス、7-大谷秀和、15-ジョルジ・ワグネル、28-栗澤僚一;18-田中順也 ( 65分 20-茨田陽生)、19-工藤壮人 (72分 25-リカルドロボ )
  
広州恒大:1-楊君;32-孫祥、10-鄭智、6-馮瀟霆、16-趙源熙;8-秦升、37-趙旭日;11-ムリキ、15-ダリオ=コンカ、29-郜林;9-クレオ

柏駅にまで行く途中子供の時大好きでよく見た“ジャイアントロボ”の主題歌を何度も口ずさんだ。 






日本がアジアの壁に阻まれていた時代、マレーシアは

2012-03-10 | Football Asia
確か後半もう42分頃だったと思う。スコアーは 1-1だった。中盤右サイドでFKを得た韓国はマレーシアゴール前に放り込むがマレーシアDFがヘッドでクリアーそしてそのこぼれ球を拾った Hassan Sani が中央を素早いドリブルで一気に上がって行く。1人、2人と韓国選手が置き去りにされ遂に韓国PA内に侵入して来た。そしてそこに3人目の韓国選手がマークに入ると彼の左にはフォローに入っていたジェームス=ウォンがフリーで待っていた。 Sani はJ. ウォンにパスを送ると J. ウォンはそのままシュートを韓国ゴールに蹴り込み再びリードをマレーシアに齎した。

http://www.youtube.com/watch?v=S4aKMUYdWBY&feature=related

これでマレーシアのモスクワ五輪出場がほぼ決まった。
この予選、韓国が絶対本命視されていたのに勝ったのはマレーシアだった。
J. ウォンは予選リーグの日本戦でも後半に貴重な同点ゴールを決めていたストライカーだった。
何度でも言おう。 今から32年前、1980年3月にマレーシアのクアラルンプール、 Merdeka Stadium で開催されたモスクワ五輪アジア地区第3組予選は今でも忘れられない。 
当時はマレーシアで集中開催されたサッカーの五輪予選なんてテレビ中継してくれなかった。だから私は韓国のラジオ局が中継する試合の模様を必死で聴いていた。 韓国語はさっぱりわからないけどサッカー用語は同じだった。 スローイン、フリーキック、ペナルティーキック。そして得点が決まった時、アナウンサーはゴールイーン!!と叫びその後に選手の名前を言う。 
韓国戦( 1-3 で敗れた)の 0-3 からの木村のゴール。そしてマレーシア戦 ( 1-1 で引分け)の碓井の先制ゴールはそのアナウンスで解った。 韓国はマレーシア対日本戦までラジオ中継をしていたのだった。 
もちろんマレーシア対韓国の試合も中継され聴いていた。 予選リーグで韓国はPKを失敗する等 0-3 でマレーシアに完敗。
そして1位、2位が直接対決で予選突破チームを決める云わば決勝戦でもマレーシアが先制し韓国が追い付く展開だった。
韓国には李栄武、趙広来、許丁茂らを擁していた。そしてこの予選会は絶対の自信を持っていた。
しかし最後のジェームス=ウォンのゴールに沈んでしまった。 J.ウォンが決勝ゴールを決めてから試合終了までの数分間、韓国ラジオ局のアナウンサーはすっかり声を失い、地元大観衆の大歓声が良く聞こえた。

予選会終了後の韓国の関係者達の落胆ぶりは大変なものだったらしい。 絶対の自信があったから。
勝ったのは地元のマレーシアだった。8年前ソウルで開催されたミュンヘン五輪予選で韓国、日本を降したマレーシアが2大会ぶりに五輪出場を決めたのだった。
しかし…..マレーシアはモスクワ五輪に出場しなかった。
ソ連軍のアフガニスタン侵攻に抗議する為にアメリカ、西ドイツ、日本と言った西側陣営に同調し選手団を送り込まなかったからだ。 このボイコットはマレーシアサッカー界にとって大変なマイナスとなってしまった…..

まだまだ我々は追い付く為にはやらねばならない事がたくさんある

昨日(2月22日) National Stadium で行われたロンドン五輪予選で 日本に4-0 で敗れたマレーシアはアジアのベストチームに追い付くにはまだまだ長い道のりが残っていると言う厳しい現実を突きつけられた
この五輪予選9試合目で最も点差の付いた敗戦を喫し 最終予選Group C の戦いでも5連敗中のマレーシア U-23 チームはイマジネーションに欠け、1対1の球際も強さを見せられなかった。
Ong Kim Swee 監督は日本の様なチームと互角にやる為にはもっと多くの事をやらねばならないと言う事を認めた。
“私は誰もが私達は多くの事をやらねばならないと言う事を見る事が出来たと思う。我々は最初の日本戦(昨年の鳥栖での試合)よりも良いチームに敗れた。 多くの人は我々を 2-0 で破った時の日本と比較できると思う。
“この試合で我々は多くの攻撃オプションを試したがそれがいけなかった。我々は90分間コンスタントに闘う必要がある。我々には日本の様な能力が無かった。そして我々は罰を与えられた。
我々はこのレベルに到達する為には何が必要かを学ぶには良いレッスンだった。 それは我々と良くて、更に熟成されたチームとを隔てるものであった。“ 試合後 Kim Swee 監督はこう語った。
これで1999年以来マレーシアは日本五輪チームには7戦7連敗となった。
そしてこの試合のターニングポイントとして前半終了間際に決まったスコアーを 2-0とする大迫のゴールを上げた。
“あのゴールが我々を終わらせた。 2点差を追いつくのは至難だ。あれがターニングポイントだった。選手達は何とかしようとしたが我々は良いプレーをさせて貰えなかった事を認めねばならなかった。”



2007年4カ国共同開催で行われた Asian Cup 。開催国の中でマレーシアだけが勝点0に終わった。
そして4年後のAsian Cup には本大会に進めなかった。(それは他の3カ国も同じ) 
何故マレーシアはこんなに弱体してしまったのだろう。 

原因の一つにこの国にある“民族問題”があげられる。 1970 年代には人口の大多数を占めるマレー系のみでは無くインド系、華僑系、サバ系そしてサワラク系らが融合したチームだったらしい。それが今ではほぼマレー系のみとなっているらしく、この事は2007年 Asian Cup 終了後、代表選手選考を巡り地元のマスコミに報道されていた。
その他にも賭博に絡んだ八百長問題は後を絶たず最近は衛星放送やペイパーヴューの発達で England の Premiership が
多くの人が容易に楽しめる様になった為に誰も“マレーシアサッカー”に興味を持たなくなってしまったらしい…
それでも国内リーグには多くの観客がスタジアムに詰めかけ、優勝の掛かった試合はスタンドが満員になる。そういうシーンを何度も商用でマレーシアに訪れた時にテレビで見た。(テレビ中継もされる。)
J-League 発足前には日本協会の役員がマレーシアに視察団を送ったらしい。それほどマレーシアはアジアでも屈指の“国内サッカー熱狂国”でもあるらしい。
それにしても代表はいつになったら昔の栄光を取り戻すのだろう。

Mokhtar Dahari, R Arumugam , Soh Chin Aun....
1970年代には親善試合で Arsenal をMokhtar Dahari の2ゴールで 2-0 で破っているらしい。Shukor Salleh, Santokh Singh, Wong Choon Wah, Hassan Sani, Chow Chee Keong, Reduan Abadullah, Isa Bakar, Bakri Ibni, Lim Teong Kim, James Wong , そして Abdula Ari ….
彼らの様な選手が揃う事はも無いのだろうか…



AFC U-22 開幕

今年からアジアで新しい大会が始まる。それがAFC U-22 だ。2年毎に開催され、2015年大会はリオデジャネイロ五輪予選も兼ねるらしい。 
今年6月下旬から2013年決勝大会の予選が始まる。 この予選は東西アジアを2つのグループに分け西アジア23カ国を4つのグループに。日本、オーストラリアを含めた18カ国を3つのグループに分け上位2カ国と一番成績の良かった1カ国そして大会ホスト国の16カ国が決勝大会に進出する。
だけどホスト国はどうやって決めるのだろうか??
日本はオーストラリアと同じ Group E 。予選が6月下旬と言う J-League がシーズン中に行われるのでどういう人選で臨むのだろうか? マレーシアはこの前の日本戦から既にこの大会をにらんでの選手選考であったらしい…..

はやくこの大会の概要が完全に決まらないかな….Group E の予選が日本で行われる事を祈るけど…

原発問題がここでどう影響するか….なんだわなぁ…

アジアの女子サッカーは世界最高のレベル… Matildas にアジアの壁… ②

2011-10-24 | Football Asia
3試合を終えて Matildas は1勝2敗の4位。3連勝で首位を走るなでしことは6勝点、2位の北朝鮮とは5勝点の差がついている。更に中国が1勝2分で2勝点 Matildas を上回っていた。残りは2試合。次の中国との対戦はお互いに生き残りをかけたサバイバルマッチとなってしまった。
“五輪予選突破の為には残りの2試合はまさに勝利が必要とされる試合。選手達にとっては北朝鮮戦や日本戦と同じくらい難しいものとなる。物事がスムースに進んでいれば前向きにそして自信を持ってプレーできる。 いかに我々が困難な時に物事に対処するかと言う事がチームやスタッフにとって真のテストとなる。 次の2試合のキーは我々がいかに自分自身をコントロールするかである。通常、我々は大変立ち直りが早い選手団である。そしてこの信頼を完璧にする事が最後の2試合において我々のマニフェストとなるであろう。“Sermanni 監督は中国戦を前にこの様に語った。
サバイバルマッチのキックオフの約1時間半前に終わる日本対北朝鮮の試合では Matildas, 中国の両チーム関係者はひたすらなでしこの勝利を願っただろう。北朝鮮が勝点7のまま4試合を消化すれば中国はオーストラリア戦に勝てばその時点で中国が北朝鮮を上回る事が出来た。 オーストラリアが勝っても北朝鮮と勝点1差で3位に浮上する。
しかしながら北朝鮮の最終戦は格が落ちるタイ。タイには負ける事はまず考えられなかったので3試合を終えた時点で既に中国、オーストラリアに残されたチャンスは殆どなかったのかもしれない……

The Westfield Matildas defeated host team China   Australia 1-0 China 8th Sep.
サバイバルマッチに臨む両チーム。 Matildas は Garriok, Kellondo Knight GK Williams こそ名を連ねたが前のなでしこ戦からスタメンメンを7人も替え、 DF Polkinghorne Slayter , FW De Vanna, Walsh らはベンチスタートとなった。
一方ホスト国の名に掛けても最終戦まで“生き残りたい”中国は前の試合で 2-0 で大会初勝利を収めたタイ戦のスタメンからメンバーを3人替えた。タイ戦ではスタメンで起用された注目の美人選手韓端はベンチスタート。そしてタイ戦はベンチスタートで交代出場後ゴールを決めたエースストライカー徐媛はスタメン起用された。
これでの両国の直接対戦成績は中国の18勝8分5敗。試合は開始から地元中国が10,167人の観衆の後押しを受けて これまでの対戦戦績を示すかの様にMatildas ゴールに迫る。 6分馬君のクロスに徐媛が合わせるがショートはGK Williams の正面に。その直後には中盤からロングボールが左サイドを疾走する徐媛に送られそのままドルブルシュートに持ち込むがWilliams が再びブロック。 12分には古雅莎からのパスを受けた徐媛がまたも Matildas ゴールに迫るがここも Williams がブロック。 試合序盤は中国の攻撃を GK Williams そして DF Laura Alleway とKim Carroll が必死に跳ね返すシーンが続いた。
劣勢のMatildas は22分に左からのクロスを Simon がボレーで合わせるが僅かにボールを外れる。
その1分後またもロングボールが前線に送られフリーで徐媛が受けるが線審はオフサイドの判定。後でビデをみたらオフサイドではなかったらしい… 27分今度は左サイドを崩した Matildas が中に送るが Heymann がボレーシュートを外しチャンスを逃した。
その後も中国が攻勢にでるがゴールを割る事が出来ず前半は 0-0 で終えた。



後半3分中国ベンチは古雅莎に替えて美人選手韓端を投入する。 



しかし後半開始から徐々にペースを握ったのは Matildas 。 1対1での体格差が徐々に表れ始め、また試合開始当時から続いた中国MF陣ビルドアップが構築できないと言う現象は解消せず、前線の徐媛、尤佳の2人の個人突破頼みは変わらなかった。53分には右サイドから Simon にパスが通るが角度の無いところからの Kyath Simon のシュートは GK張挹茹の正面に。
そして61分右CKを得た Matildas は波状攻撃を見せ MF Laura Allway が2度立て続けにシュートを放つが相手DFにあたり跳ね返されるも最後はそのリバウンドを Van Egmond が直接蹴り返したシュートが中国ゴールネットに突き刺さり後半優勢に試合を進めていた Matildas が先制ゴールを決めた。



中国ベンチは66分尤佳を下げて馬暁旭、74分には周菲菲を下げて屈珊珊を投入し攻撃の枚数を増やすそして韓端と馬暁旭をトップに張らせ4トップ状態で同点ゴールを狙う。 Matildas も先制後の64分 Simon に替って De Vanna を入れて前線の運動量を増やし、屈珊珊が投入されると FW Heymann を下げて DF Polkinghorn を投入する。
中国はロングボールを多用し前線にボールを集めるが攻撃のバリエーションが乏しく Matildas は最後まで自軍ゴールネットを揺らさせなかった。 
ボール支配率では中国が 53.1% と上回ったが相手ゴール前 30m 内に侵入した回数が中国の22回に対してオーストラリアは27回と上回っている。シュート数を見るともっと違いが顕著に表れ Matildas 15 に対して中国が 6。枠内シュートは Matildas が7本もあったのに中国は僅かに1本。ボールはキープしても相手陣内深い地域には侵入できずなかなかシュートに持ち込めなかったという事だろう。



“私はこうやってチームが立ちなおった事が大変嬉しい。 重要ないくつかの試合に敗れ大会をあとは帰国を待つのみとなった状況ではたやすく負けてしまう事は解っている。しかしこの試合で選手達がいかに集中していたかと言う事がわかり本当に嬉しい。15分を過ぎて我々の方が勝っており勝てるチームである事が解った。試合の立ち上がりの中国チームは大変危険であった。一旦我々が落ち着くと彼女達のオプションを削除する事が出来た。我々は大変タフなトーナメントになる事は解っていた。我々は惜敗を2試合喫した。もし我々が勝点9を挙げて3位で終えられればそれは良いトーナメントで有ったと言えるだろう。 まだレース上に残っている事がこのチームにとってハイライトになるであろう。“ Sermina 監督はこの様に述べた。

この試合の前に行われた日本対北朝鮮戦は 1-1 で引き分けた。 オウンゴールで先制したなでしこはそのままリードを保ち五輪予選突破決定目前で交替出場の金朝蘭のゴールで同点に追いつかれロンドン五輪出場決定はお預けとなってしまったが、この金朝蘭の同点ゴールは中国、オーストラリアの選手達により大きなショックを与えただろう。
その中で行われた試合。地元中国を相手に勝利を収めた Matildas が一縷の望みを残せる結果となった。
そしてなでしこの五輪出場が決まった。3日前にはなでしこの勝利を在留邦人女性達に言いふらし回った私だがこの日は目の前を歩く Aussie Girls や Ladies に御礼を言わねば…と思った。( 勿論何も言わなかったけど… )
それにしても中国サッカーはどうなってしまったのだろう…男子はとっくに弱体していつけど女子も……
この試合は NHK BS で中継されたそうだ。なんで最初に言ってくれなかったのだろう。タイマー録画をしたのに…。韓端を見たかったなぁ…..

Australia 1 (Emily VAN EGMOND 62’) China 0
Westfield Matildas : Lydia WILLIAMS (gk), Servet UZUNLAR, Laura ALLEWAY, Kim CARROLL, Elise KELLOND-KNIGHT, Aivi LUIK, Emily VAN EGMOND, Teigen ALLEN, Heather GARRIOCK (c), Michelle HEYMAN (4. Clare POLKINGHORNE 75’), Kyah SIMON (11. Lisa DE VANNA 65’)

中国隊: GK ①張挹茹; DF③周高萍、⑤翁新芝、⑥袁帆④-李丹陽;MF ⑪古雅莎 (⑩韓端 ’48 ) ⑧馬君、⑯張娜
⑲周菲菲 ( ⑱屈珊珊 73’); FW ⑦尤佳 ( 馬暁旭) ⑨徐媛

Westfield Matildas ready for Korea
11日間の五輪最終予選も最終日を迎えた。既になでしこは予選突破を決めており。この時点で3位のオーストラリアまで可能性が残されていたとは言え2位の北朝鮮も最終戦はまず負ける事が考えられないタイ戦。 Matildas がロンドン五輪に出場する為には韓国戦の勝利だけでなく北朝鮮の選手達がまた大量にドーピングで引っかかってくれる事くらいしか可能性が残されていなかった。
“勝利は我々に3位の座を齎す。 この目標以外に我々は何も考えられない。この試合は北朝鮮戦や中国戦同様難しいものとなるだろう。 我々は中国戦に臨む前同様に前向きな姿勢を以ってこの任務に集中する事が大変重要である。”
Sermanni 監督は故障を抱える多くの選手が何とか最終戦でプレーできる事も望んだ。
“この大会では前のトーナメント(ワールドカップ)よりも選手達の故障に悩まされた。 Kyah Simon と Caitlin Foord は韓国戦はベンチ入り出来ないだろう。選手達は100%フィットしていないが Sarah Walsh, Sally Shipard らは起用出来る目処が立つだろう。 “
中国戦で途中交代した Kyah Simon はくるぶしを負傷しており韓国戦はベンチから外れるとの事であった。 
こうした状況下Matildas は韓国戦に臨む事となった。

Westfield Matildas come from behind to beat Korea Republic Australia 2-1 Korea Republic

初戦“格上”と思われた地元と 0-0 の引分けを演じた韓国であったが続く日本戦は一旦は追い付くも1-2で敗れ、第3戦の北朝鮮戦も5分に李賢英のゴールで先制するも3連続ゴールを喫し 2-3 で敗れ、第4戦の格下タイ戦では主力を休ませたがようやく 3-0 で勝利を収めた。既に予選突破の可能性は無くなっていたが最終戦のオーストラリア戦に勝てば3位が見えて来る。若い選手が多いので今後の為にも格上のオーストラリア相手に結果を出したいところだっただろう。
最終戦ではスタメン8人を入れ替え日本戦で起用されたスタメン7人を入れてレギュラーメンバーでスタメンを組んで来た。
一方の Matildas は怪我で離脱した Kyah Simon 以外全て中国戦でスタメン起用された選手達が連続して名を連ねた。
これまでの対戦成績は韓国の5勝5分2敗。これは意外な戦績だと思った…



韓国は INAC 神戸レオネッサでプレーする池笑燃のみならず2ゴールを挙げている李賢英も要注意選手。しかし先制ゴールは 27分MF権荷娜が決めた。 権は日本戦でも途中出場した選手。 Matildas は今大会先制ゴールを許した試合は敗れており
公式戦の逆転勝となるとワールドカップでの1次リーグ最終戦ノルウェー戦までさかのぼらねばならなかった。
しかもその試合は両チーム1次リーグ突破が掛かった試合であった。
しかし後半、 Sarah Walsh, Lisa De Vanna が投入されると一気に攻勢に転じる。 63分には FK を得ると Heather Garriock が Servet Uzunlar に流しそのまま Uzunlar が放った強烈なショットが GK Jun Min Kyung を襲う。 Jun Min Kyung は何とかその弾道を弾き出すがこぼれ球に詰めた De Vannna が押しこんで Matildas が同点とする。
勝利を狙う Matildas は69分に FW Tameka Butt をMF Teigen Allen に替って投入するとその7分後 Garriock のクロスを受けた Butt が逆転ゴールを決める。



逆転されてから韓国は同点ゴールを目指し 84分日本戦にスタメン出場し、INAC神戸でプレーする⑮ Kwon Eun Som, 88分に⑫ Lee Sea Eun を投入し Matildas ゴールを脅かすシーンも演じたが GK Williams , DF Kim Carroll を中心とした守りで最後まで失点を許さず2試合連続完封を達成。 3位以上の座を確保した。
同時にキックオフとなった北朝鮮 vs タイ戦は 5-0 で予想通り北朝鮮が圧勝。 なでしこに続いて北朝鮮が五輪切符を手に入れた…..
 
“今日は大変伯仲した難しい試合だった。私はこの試合の後半に逆転をした選手達の見せた気骨と奮闘を誇りに思う。最初の3試合で2試合も負けた事を考えてみれば容易に大会を投げ出してしまうことは単純に考えられる。この試合をひっくり返した事が選手達の気骨を示唆している。“
同時に Sermanni 監督はチームが怪我に悩まされながら力強く大会を終えられた事を誇りに思った。
“もし今大会の全てを見ていたのであれば我々が逆転勝を出来るとは考えられなかったはずだ。ワールドカップの最後の試合で我々はフィットして来た。2人の故障を抱えた、本来ならチームに合流できない選手達と共に大会に臨まねばならなかった。そして3人程の選手だけが故障を抱えていなかった。 我々の戦力は限られていた。私はいかにして選手達が奮い立ったかを誇りに思う。彼女達はピッチ上に何も残さなかった…



Australia 2 (Lisa De Vanna 63', Tameka Butt 76') Korea Republic 1 (Kwon Hah Nul 27')
Westfield Matildas : GK ⑱Lydia WILLIAMS ⑩Servet UZUNLAR ⑤Laura ALLEWAY ③Kim CARROLL ⑧Elise KELLOND-KNIGHT ⑥Aivi LUIK ⑫Emily VAN EGMOND ②Teigen ALLEN ( ⑲Tameka BUTT 68’) ⑦Heather GARRIOCK (c) ⑳Michelle HEYMAN ( ⑪Lisa DE VANNA 46’) ④Clare POLKINGHORNE ( ⑨Sarah WALSH 46’)

韓国:GK ①全 ; DF ③李垠美 ④沈篼姸 ⑤ 金度妍 ⑥柳志恩 MF ⑦田佳儿 ( ⑫ 李世恩 )  ⑧権荷娜 ( ⑮ 権恩松 ) ⑬李賢英 (⑲車妍喜71’) ⑭趙昭賢 FW ⑩池笑燃 ⑰柳英雅

4年前同様ワールドカップでは準々決勝に進出しながら五輪予選は突破出来なかった Matildas 。まだ AFC に加盟してから五輪予選の壁は破れていない。 
それだけアジアのレベルが高いと言う事だけど、五輪は全体の出場枠が12カ国なのでアジアからは2カ国しか進出出来ない。
ワールドカップの結果からもう1カ国増やしてほしいところだけど…. そうなると男子が減らされるか?
他国の事を心配している場合ではないが次のワールドカップ予選までの3年間、彼女達に選手強化の為に潤沢な予算は廻って来るのだろうか….
なでしこも来年のロンドン五輪後大きな世代交代を余儀なくされるかもしれない。その時に後任のなでしこ達が育っている事を祈る。今かつてない追い風、順風が吹き荒れているこの時期に…….

10月6日~16日またも11日間で5試合日程が組まれたとベトナム、ホーチミンで開催された AFC U-19 Women’s Championship で日本 U-19 は見事優勝を果たし来年ウズベキスタンで開催される FIFA U-20 Women’s World Cup 進出を決めた。そして2位となった北朝鮮。3位に入った中国もFIFA U-20 の出場権を勝ち取った。
オーストラリアは6カ国中5位に終わった。  
なでしこ予備軍も順調に育っているみたいだ。 男子は今度こそ U-20 通過してくれよ…



アジアの女子サッカーは世界最高のレベル… Matildas にアジアの壁… ①

2011-10-24 | Football Asia
世界タイトルを勝ち取りその1ヶ月半後厳しい日程を乗り越えて来年の五輪出場を勝ち取ったなでしこ達の姿を今やテレビでは見ない日は無い。本当に正当な評価だと思う。今世界一のタイトルを保持している競技、団体はプロ野球と女子サッカーだけだからだ。しかし女子サッカーは“世界一”になる前となった後での格差は激し過ぎるとも思った。
今のなでしこ達の素晴らしいところは先人達の残した事そしてこれまでの積み重ねに敬意を払い続けている事だ。それはその時代を良く知る代表に長く身を置く澤穂希がいるからだ。彼女の存在が先人達の功績を後世に伝承していく事だろう。 これは男子サッカーではあまり見られない事ではないかな…しかし代表が強くなった今、サッカーという商品価値が一気に上がった幸せな時代なのだ….

9月5日、その日は商用でシドニーの見本市に参加していた日だった。閉幕時間である午後5時が近づいて来た時、携帯電話で中国で行われていたロンドン五輪の女子サッカーアジア地区最終予選の結果を検索する為にヤフーサイトにアクセスした。そしてなでしこがオーストラリア代表 Matildas を 1-0 で破った事が解った。
おもわず拳を握りしめた。 タイ、韓国を連破したあとのこの Matildas 戦が1つの山場と思っていた。昨年の AFC Women’s Cup で優勝を果たしワールドカップでベスト8に残った Matildas と同じくワールドカップに出場した北朝鮮との直接対決で勝点を幾つ稼げるかがこの11日間で5戦を行う過酷な日程を勝ち抜くひとつのポイントと思っていた。
だから Matildas 戦の勝利で大きく予選突破に近づいたと思ってほっとした。
見本市後に現地日本人の方が経営する日本食レストランに行った。そこで働く日本人女性達に試合結果を教えてあげた。
“日本勝ちました。これでロンドン五輪に大きく前進です。”
彼女達は本当に喜んでくれた。そして私は付け加えた。“日本女性は素晴らしい。世界一です。”
だけど気になった事も。現地の人達の間ではあまりこの五輪予選が話題になっていなかったらしく、いつ予選が始まってどこで詳しい試合経過が解るのかなかなか解らなかったらしい。 オーストラリア女子サッカー代表チームは現アジア王者、いや女王なのになぁ……

West Field Matildas defeated by world champions Japan Australia 0-1 Japan 5th Sep.

何年にも亘って特に近い関係を持っている日本は強くて友好的なライバルである。 彼女達との戦いは常に特別なものとなるであろうと言う事は解っている。日本は我々の限界をテストしようとするだろう。我々は日本のプレースタイルに大変な敬意を払っているがそういった敬意はお互いに持っている事だろう。 日本が世界タイトルを勝ち取った後にこの予選にどの様に焦点を定めているか見るのが非常に楽しみである。 世界一に酔ったままか、変わらずプレーするか。 大きな大会での過去の対戦成績は対等である。トップチームとの対戦は引分けか1点差の勝敗だ。明日の日本戦ではこれまでの歴史通りになる事を希望する。そして次の日本戦で結果が出ればこの五輪予選突破に大きく前進できる。

試合前日 Matildas の Tom Sermanni 監督はこう語っていた。 ワールドカップでは若い選手を起用。1次リーグではそれが功を奏したが準々決勝戦ではミスから失点を喫しスウェーデンに敗れ準決勝進出はならなかった。だから最も警戒する相手と思っていた。この Matildas 戦に勝てれば北朝鮮戦は引き分けても、最悪負けても予選突破の2位以内が充分に射程内に収まると思っていた。 しかし Matildas は初戦で北朝鮮に敗れている。この日本戦に対する意気込みはなでしこ達以上ではないかと危惧もした。

この試合のなでしこは全員がワールドカップのレギュラーメンバー。一方の Matildasは前のタイ戦からスタメンを8人も替えて来た。しかし初戦の北朝鮮戦でスタメン起用された選手が8人。このなでしこ戦のスタメンがレギュラーメンバーであった。ワールドカップレギュラー選手を7人なでしこ戦に先発させた。ただGK はタイ戦で起用されワールドカップでレギュラーだった Anne Barbieri が起用されるかと思ったが北朝鮮戦同様に23歳 Lynda Williams が起用された。 Williams は175cm Barbieri は 166cm その違いだったのだろうか…. そして Sara Walsh も日本戦で今大会初スタメン起用された。
さすがにDFラインは③ Kim Carroll 175cm, ④ Polkinghorne 171cm ⑬ Slatyer 174cmと長身選手が揃う。更にベンチには⑫ Van Egmond 175cm , ⑮ Sally Shipard 176cm そして緊急召集された 180cm のDF ⑤ Gloria AllwayそしてFW ⑳ Michelle Heymann 180cm らが控える。
Denmark Fortuna Hjorring でプレーするVan Egmond はワールドカップではレギュラーだった選手。ワールドカップではDFで起用された ⑩Caitlin Foord は本来の攻撃的ポジションで起用された。本来 FW 選手である Uzunlar もワールドカップでは Foord 同様守備的ポジションで起用され、この2人の連係ミスからピンチや失点を招くシーンもあったがこの予選大会では Uzunlar もFWで起用されていた。

開始早々日本ゴールに迫るのはアメリカ Magic Jack でプレーする 156cm の⑪ Lisa De Vanne。右に左に動いて日本DFを撹乱しようとした。 De Vannna は2007年 ワールドカップ中国大会で4得点を挙げたストライカーだ。2006年アデレードで行われた Asian Cup ではこの Walsh と De Vannan にかなりやられた。 
しかし10分も過ぎるとなでしこ達のボール回しが上回る様になり永里らが決定的なシュートを放つが惜しくもクロスバーの左に外れる。 その後もなでしこのチャンスが続くが GK Williams がファインセーブを見せ得点には至らなかった。
後半に入りなでしこは⑩澤が比較的高い位置を取るようになり更に攻勢が続く。また美人選手⑮鮫島のサイド攻撃も顕著になって来た。そして62分、素晴らしいビルドアップから最後は⑨川澄が決めてなでしこが先制をした。前半の半ばからDF4人の前に MF 陣4人を並べ効果的なブロックを敷いていたがこのシーンはなでしこ達のボール回しが完全に上回った。
先制を許した Matildas ベンチは72分に DF Slatyer , ⑭ MF McCllum を下げて FW の⑩ Yesim Uzunlar ⑰ Kyah Simon を投入する。 Uzunlar はワールドカップではレギュラーでこの五輪予選も北朝鮮戦、タイ戦とスタメン起用されていたのだがなでしこ戦はベンチスタートだった。 Simon がピッチに入って来た時永里に抱きついて健闘を誓っていたけどこの2人は過去にどういう接点があったのかな…
Matildas は同点ゴールを狙って前線にロングボールを多く起用する様になるがなかなかシュートに持ち込めない。なでしこは71分に川澄に替って⑪安藤梢そして82分には⑪大野忍に替って⑱丸山香里奈といった前線の選手達が投入されたので Matildas の両サイドバックはなかなか上がれなくなった。丸山は五輪予選初登場。彼女のゴールが見たかったけど….
85分には 160cm の FW ⑨ Sarah Walsh に替って180cm の Heymann が投入され、最前線が4トップの形になるがなでしこDF陣もしっかりと対応し最後まで失点を許さなかった。

試合後 の記者会見でSemanni 監督はまず勝利を収めたなでしこに祝辞を送りこの様に述べた。
“我々は本当に日本に打ち負かされた。 日本はいかなる瞬時でも大変な自信と落ち着きを持ってプレーしていた。 我々はこの試合は予選の中でももっともタフな試合になると解っていた。そしてワールドカップ終了からどれだけ戻って来ているか常に考えながら大会に臨んでいた。 我々はよく準備と休息が出来て大会に臨んでいると感じていた。 それが分岐点になると思っていた。しかし今それが正しくない事が解った。今のキーポイントはまだ我々には2試合残されていると我々が思える事が出来るかどうかだ。 まだ五輪予選突破の可能性は残されている。可能性が残されている限り我々は前を向いて臨まねばならない。”

前に直接対決を見たのは2006年アデレードで開催された AFC Women’s Cup だった。この時なでしこは Matildas に 0-1 で敗れたのだけど今回は 1-0 の勝利。しかも試合内容を圧倒していた。ワールドカップを優勝した事でプレーに自信が植え付けられたと言う印象をテレビで見て感じた。
日本同様ワールドカップ終了後から短いインターバルで五輪予選に臨んだ Matildas の最も懸念されたのが選手達のコンディションだった。なでしこ戦をテレビで見る限りその心配が的中したと言えただろう。運動量で圧倒的な差があった。まだ肌寒さの残る南半球からの遠征ではこの日の気温28度は厳しかったかもしれない。
Semanni 監督が“格下”のタイ戦ではメンバーを大幅に替える等“ターンオーバー制”を敷いたのも選手達のコンディションを考えてなのかもしれない。
試合日程も Matildas にとっては少し不運だった。初戦で北朝鮮、第三戦で日本と当面のライバルと調子の出にくい序盤であたり連敗した事で五輪予選突破に大きくブレーキが掛かってしまった。 
しかし取りこぼしのきかない短期集中開催でしっかりと勝点を重ねるなでしこは本当に凄い、さすがだと思った。
集中開催…1993年のドーハの悲劇。そして1996年マレーシアで行われたアトランタ五輪予選の歓喜を思い出した……



Australia 0  Japan 1 ( Kawasumi 62' )

Westfield Matildas : GK ⑱Lydia WILLIAMS ②Teigan ALLEN ⑬Thea SLATYER ( ⑩ Servet UZUNLAR 71’) ③Kim CARROLL ④Elise KELLOND-KNIGHT ⑯Caitlin FOORD ⑭Collette MCCALLUM (c) ( ⑰ Kyah SIMON 71’)
④Clare POLKINGHORNE ⑦Heather GARRIOCK ⑪Lisa DE VANNA ⑨Sarah WALSH ( ⑳ Michelle HEYMAN 83’)

日本 : GK ①.海堀あゆみ DF ② 近賀喬子、③岩清水梓、④熊谷紗希、⑮鮫島彩 MF ⑥阪口夢穂 , ⑧ 宮間あや ,
⑨ 川澄奈穂美 ( 71’⑦安藤梢 ) ⑩ 澤穂希、FW ⑪大野忍 ( 82’⑱丸山佳里奈 ) ⑰ 永里優季 



Westfield Matildas squad announced 18th August
なでしこ達が戴冠を受けた FIFA Womes’s World Cup から1カ月。約2週間後に迫ったロンドン五輪女子サッカーアジア地区予選のメンバー20人が発表された。
ワールドカップには怪我でメンバー入り出来なかった Sarah Walsh, Thea Slayter ( 共に Sydney FC ) の2選手が代表に復帰。そしてワールドカップメンバーに最後に漏れた Aviv Luik ( Brisbane Roar ) も五輪予選メンバーに入った。
ワールドカップメンバーの中では赤道ギニア戦に先発出場した Lauren Colthorpe が膝の怪我で、そしてスウェーデン戦でスタメン起用された Ellyse Perry , 赤道ギニア戦でスタメンだった Leena Khamis や Casey Dumount らが外れた。
“最終メンバーを決めるのは再び難しい決断であった。” Semanni 監督は胸中をまず吐露した。
“我々は多くの才能に満ちた選手達を抱えている。11日間で5試合を行う五輪予選にたった20名しか選出できないのでは選考過程で大変バランスを考慮する必要があった。柔軟性を持ってプレーするグループである事が大変短い期間で行う試合数のキーとなる。 Thea と Sarah の2人は共に特別な質をチームにもたらす。そして今チームはアジアの大きな大会に臨む彼女達の膨大な経験と知識が加えられた。 

Sara Walsh はこれまで代表出場歴64試合。 Thea Slayter は46試合。 共に27歳のベテラン選手。Walsh は代表通算29ゴールを上げており、7月のワールドカップに出場出来なかった事が非常に悔まれた。
平均年齢 21.9歳のワールドカップメンバーにWalsh, Slayter といった2006年Asian Cup の日本戦で好パフォーマンスを見せた彼女達が戻って来た事でなでしこも相当苦戦すると危惧をした…しかしその後 Matildas に災難が降りかかってきた。

Teigen Allen - Sydney FC - 17 - 9 (0), Laura Alleway - Brisbane Roar - 21 - 4 (0),
Melissa Barbieri - Melbourne Victory - 31 - 80 (0), Tameka Butt - Brisbane Roar - 19 - 23 (1),
Kim Carroll - Brisbane Roar - 23 - 44 (2), Lisa De Vanna - Brisbane Roar/magicJack - 26 - 71 (25),
Caitlin Foord - Sydney FC - 16 - 5 (1), Heather Garriock - Sydney FC/LdB Malmo - 28 - 125 (20),
Elise Kellond-Knight - Brisbane Roar - 20 - 25 (0), Samantha Kerr - Perth Glory - 17 - 18 (3),
Aivi Luik - Brisbane Roar - 25 - 12 (0), Collette McCallum - Perth Glory - 25 - 68 (11),
Clare Polkinghorne - Brisbane Roar - 22 - 49 (2), Sally Shipard - Canberra United - 25 - 5(4),
Kyah Simon - Sydney FC - 19 - 29 (7), Thea Slatyer - Uncontracted - 27 - 46 (2),
Servet Uzunlar - Sydney FC - 21 - 26 (1), Emily van Egmond - Canberra United - 17 - 8(1),
Sarah Walsh - Sydney FC - 27 - 62 (29), Lydia Williams - Canberra United - 23 - 26 (0)

Head Coach: Tom Sermanni, Assistant coach: Spencer Prior, GK coach: Paul Jones, Doctor: James Ilic
Physiotherapist: Kate Beerworth, Assistant physio: Lauren Cramer
Sam Kerr ruled out of 2012 London Olympic 29th August

初戦の北朝鮮戦を3日後に控えた28日。練習中に FW Samantha Kerry が膝を負傷し離脱を余儀なくされた。
Kerry は17歳ながらこれまで代表試合出場が18試合もあり3ゴールを決めており今年のワールドカップでもブラジル戦、ノルウェー戦そしてスウェーデン戦にスタメン出場したレギュラー選手だった。
“ Sam の怪我はごく普通の練習中に起きてしまった。残念だけどこういう事はスポーツでは起こりうることだった。 重要な事に Sam はこういう状況でも予想できる通り good spirits であった。 Sam は生き生きとしておりチーム内でも人気があった。そして彼女の存在がただ無くなっただけだという共鳴を創造できる選手だった。 我々全ての考えはこの瞬間も彼女と共にあることで、彼女がすぐに復帰する事を確信している。” 

Samantha Kerry の離脱により翌日 Michella Heyman が緊急招集された。
Canberra United の FW 選手 Heyman は昨年中国で開催された AFC Women’s Cup のバックアップメンバーであった。
“今大会で我々が求める柔軟性という点を考えれば Heyman は理想の選手だ。彼女がウィングや前線のポジションで見せるプレーはチームに何か異なったものを与えてくれる。 Michelle は今大会に必要となる素晴らしいペース、柔軟性そして器量を兼ね備えており、 Sam Kerr と同じ様な事をもたらしてくれるだろう。 我々は本日(8月29日)休息の必要な選手達と共に練習を休み、Heyman が合流する翌日の練習を見て初戦のメンバーを選考する。” 
この様に Semanni 監督は語った。 Heyman は昨年3月に行われた北朝鮮との試合で代表デビューを飾っている。

Matildas Ready for opener
“大変難しいトーナメントになるだろう。多くのタフなチームがありタフな試合があり最後に残る事も出来る。選手達が最善を尽くし有用性を得たチームが五輪に残る事が出来るだろう。 北朝鮮はアジアではアジアの戦いの中では決勝に進出するか予選を突破するかのどちらかを達成すると言う突出した歴史を残している。彼女達は五輪の為にここに来ている。 明らかに彼女達の準備は何人かの選手達が出場停止処分を受けた事で頓挫もしただろうが、彼女達は立ち直りが早く、また立ち直りも早い国を木曜日(9月1日)の初戦で相手にする事は非常に難しい事だ。 昨年Asian Cup で、そして今年の国際試合で見た Matildas がここでも見られる事を願っている。 それは選手達あポジティブなサッカーをするチームで、本当に集中をしたチームで、勝つ試合をフィールド上で演じるチームで五輪の本当に行きたいと言う野心をもったチームだ。 “ Semanni 監督はこの様に語った。
そして GK Melissa Barbieri 主将は “ 技術的に Asian Cup で準決勝、決勝戦に進出した時と同じ試合数で出来ない任務では無い。 ” と予選に臨むにあたってこの様に語った。

Westfield Matildas suffer narrow defeat to DPR Korea Australia 0-1 DPR Korea 1st Sep.
9月1日。これまでこれほど注目された事がなかった女子サッカーの五輪予選が開幕した。 
日本の初戦、タイ戦のキックオフの笛が吹かれたのとほぼ同時に斉南五輪スポーツセンターで Matildas は強豪北朝鮮との一戦に臨んだ。 この予選会の日程も開催国である中国が組んだのだろうか? 候補である北朝鮮とオーストラリアを初戦で直接対決となった。思い出すのは1980年3月マレーシアで開催されたモスクワ五輪アジア地区予選。たった一つしかない出場権を競い本命が韓国、対抗に地元マレーシアと日本が予想されていた。しかし当時の力からして韓国が最有力だった。( モスクワ五輪サッカーもアジアから出場枠が3カ国あったが予選は地域に分けて行われた。) 
大会日程は地元であるマレーシアが組み、初戦で日韓が対戦する事に。当時この予選を中継するテレビ局はさっぱりなく深夜に韓国のラジオ局から流れて来る中継を必死に聴いていた。 日本は善戦するもPKで先制され更に2失点を喫し終了直前に木村和司のアシストから高原が決めて一矢を報いたものの 1-3 で敗れた。 そして地元マレーシアはその後何と韓国を 3-0 で粉砕し予選終盤に行われた日本対マレーシア戦では碓井のゴールで日本が先制し期待させられたが後半ジェームス=ウォンに同点ゴールを決められ上位2チームが残る決勝戦に日本は進めず、決勝戦ではまたもマレーシアが終了直前にジェームス=ウォンのゴールで韓国を破りモスクワ五輪出場権を獲得した。
しかしモスクワ五輪はマレーシアもアメリカ、西ドイツ、日本に同調しソ連軍のアフガン侵攻に抗議しボイコットをした…..
今では考えられない事ばかりだった…..

おそらく地元中国は北朝鮮とオーストラリアを直接対決させて星を潰しあって貰って何とか上位2位以内に滑り込み五輪出場権を獲得したかったのではないだろうか…そういう意味ではなでしこの初戦はタイ戦で良かったと思った。もし初戦でタイか中国以外が相手だったらどうなっていただろう……

注目の初戦。北朝鮮のスタメンはDF 遊正煕 MF 李芝京、趙潤美、金淑京、FW 羅恩心 金明花ら6人のワールドカップメンバーをふくんでいた。ワールドカップ大会中にドーピングで陽性反応のあった Song Joung Sun, Sim Pok Jong らを含め13人のメンバーが入れ替わった。ベンチにはワールドカップで3試合出場した金恩珠はベンチスタートだった。 2010年AFC Women’s Cup の決勝戦のオーストラリア戦に出場した選手4人がスタメンに起用された。
一方の Matildas のスタメンは代表に復帰した Slatayer そしてワールドカップメンバーが8人が入っていた。 GK はワールドカップではレギュラーだった Barbieri ではなく Lynda Williams 。スタメンに起用されたワールドカップ経験者の中では怪我で交替出場が多かった Sally Shipardがいた。 レギュラークラスではVan Egmond そして代表復帰した Sarah Walsh がベンチスタートだった。そして Asian Cup の決勝戦に出場した選手7人がスタメン出場していた。
試合は開始早々 Ellis Kellond Knoght のシュートが僅かにクロスバーを越える等 Matildas が主導権を握るかに見えたが10分ワールドカップメンバーだった金淑京のゴールで北朝鮮が先制する。 
後半に入って 67分に Sarah Walsh , 74分に Kyah Simon そして78分に Michelle Heyman ら FW 選手が投入され、 Walsh がGK趙潤美と1対1になり出鼻をチップキックで浮かせてゴールを狙うが僅かにポストの右に外れ、 その後Simon が放った強烈なショットもGKの正面を突く等最後までゴールネットを揺らせず黒星スタートとなった。

   

“勝ち試合にはキーとなるチャンスがあるのだがこの試合の私達はそれを勝ち取れなかった。それが恐らく両チームとの差であっただろう。我々はタフで厳しい試合の続くこのトーナメントにやって来たのであるが、少しばかりがっかりさせられたパフォーマンスもあった。しかし考え方によっては我々は勝利に繋がるチャンスを多く造ったとも言える。それはまだ大会はこれからも試合は続くのだと示している。我々は次からの4試合に集中する代わりにこの試合の敗北に必要以上に失望したり集中を乱したりしてはならない。 ”
試合後 Semmani 監督はこの様に語った。 そして久々に Matildas に戻った Walsh, Slatayer そして緊急招集された Heyman らが強豪北朝鮮相手にある程度のパファーマンスを見せた事も Semmani 監督を喜ばせた。

Australia 0  DPR Korea 1 (Kim Su Gyong 10')

Westfield Matildas : GK ①Lydia WILLIAMS, ⑩Servet UZUNLAR ⑬Thea SLATYER ③Kim CARROLL ④ Elise KELLOND-KNIGHT ⑮Sally SHIPARD ⑭Collette MCCALLUM (C) ⑦Heather GARRIOCK
⑲Tameka BUTT ( ⑰Kyah SIMON 75') ④Clare POLKINGHORNE ( ⑳Michelle Heyman 79') ⑪Lisa DE VANNA ( ⑨Sarah WALSH 65')

北朝鮮: GK ① 趙潤美 DF③金南煕、⑤風善花、⑥尹松美、⑮遊正煕 MF ⑦李芝京、⑧趙潤美 ( 89’⑭黄圣美 )
⑨金淑京、FW ⑩金英愛 ( 59’⑲金恩花 ) 、⑪羅恩心、⑰金明花 

Westfield Matildas put five past Thailand Australia 5-1 Thailand 3rd Sep.
中1日おいてのタイ戦。 北朝鮮戦のスタメン8人を入れ替え途中出場だった Michelle Heyman, Kyah Simon をスタメンに起用。そしてGK には Melissa Barbieri , MF Van Egmond らワールドカップレギュラーメンバーがこの試合にはスタメンに起用された。
タイのスタメンは日本戦で怪我の為に20分でベンチに退いた DF Sritala Duangnapa そして FW Nisa Romen の2人を除く9選手が連続スタメン起用された。初戦の日本に敗れはしたがある程度はやれると自信を持ったのではないか? 
しかしながらこの試合は立ち上がりからフィジカルで圧倒的に勝る Matildas の猛攻で幕を開けた。
12分、 Heather Garriock が直接ねらったFKは僅かにクロスバーを越えたが13分に波状攻撃から Kyah Simon が先制ゴールを上げるとその2分後には Michelle Heyman がゴールを決める。
Heyman はこのゴールを以前チームメイトで本来ならこの日が誕生日であった7月20日にトレーニングの帰りに交通事故で亡くなった元Illawarra Stingrays のAshleigh Connorに捧げたとの事であった。
それはSimon とのパス交換でDF陣を置き去りにし最後はヘッドで押し込んだゴールであった。
更に34分、Garriock と Polkinghome が相手DFを引き付けフリーの Heyman がタイゴールに蹴りみリードを広げた。 そして前半終了間際には Simon が相手PA付近で粘ってボールをキープし Heyman に送ると今度は後方から走り込んだ Tameka Butt に戻し、Butt が放ったショットがタイゴールに突き刺さり 4-0 で前半を終えた。
後半に入り Matildas ベンチは Garriock に替えて Polkinghorne , Kellond Knight に替えて Sally Shipard と言ったワールドカップメンバーを投入した。
58分 van Egmond が30mのFKを直接叩きこみ 5-0 とした。その直後にDFの連係ミスから Dangda Taneekarn にゴールを奪われ 1点を還される。
タイベンチは61分に5失点の GK Sudtavee Kanyawee に替えて Pannipa Kamolrat を投入した。
その成果があったのかその後は両チームとも得点は生まれず 5-1 で Matildas が勝利を挙げた。



試合後のインタビューで Sermanni 監督はまず Heymann のパフォーマンスを称えた。
“Michelle はこの2年間で自信を得た。 彼女が2ゴールを挙げた事は素晴らしい事だ。質の高いストライカーのゴールだ。我々が5ゴールも決められた事が嬉しい。” 
61分にはワールドカップで Young Player of the Tournament を受賞した17歳の Catlin Foord も今大会初めて投入された。
そして日本戦に向けたコメントも。
“ゴール数を増やす事はこのトーナメントでは重要な事だ。今やアジアのチーム相手のゴールを決める事は容易ではない。またこの試合を前半で決められた事が良かったと思う。後半は何人かの選手を替えて次の日本戦に向けて休ます事も出来た。
しかしながら後半のパフォーマンスは多くの要望を残した。 タイは後半我々にプレッシャーを掛けて来たので我々はリズムを失った。 失点は基本的な守備のミスからだ。もし我々がトップチームを目指すならこの様な失点は避けねばならない。 次の試合は改めて90分間の試合に臨むスイッチを入れ直す必要のある大変重要な試合である。

オーストラリア戦を前になでしこは2連勝しており勝点で上回っていたが日本が3点差をつけたタイ相手に4点差をつけた Matildas 。この次の日豪戦は負けると得失点差で差をつけられる。最低でも引分けを…とこの時点で願っていた。



Australia 5 (Kyah SIMON 14', Michelle HEYMAN 16', 34', Tameka BUTT 45', Emily VAN EGMOND 58')
Thailand 1 ( Dangda Taneekarn 59’ )
Westfield Matildas : GK ①Melissa BARBIERI (c), ②Teigan ALLEN ⑩Servet UZUNLAR ⑥Laura ALLEWAY
⑧Elise KELLOND-KNIGHT ( ④Clare POLKINGHORNE 45') ⑲Tameka BUTT ⑫Emily VAN EGMOND
⑥Aivi LUIK ⑦Heather GARRIOCK ( ⑮Sally SHIPARD 45') ⑳Michelle HEYMAN ⑰Kyah SIMON
( ⑯ Caitlin FOORD 61')

Thailand : GK ①Sudtavee Kanyawee ( ⑱ Pannipa Kamolart 61’ ) DF ② Darut Changplook ③ Suphaon Kaeobaen ⑫ Kwanruethai Kunupatham ⑯ Saengchan Khwanrudi ( ⑤Kanjana Sung Ngoen 46’ )
MF ⑧ Junpen Seesraum ⑨ Warunee Phetwiset ⑩ Sunisa Srangthaisong ⑰ Anootsara Maijarern
⑳ Wilaiporn Boothduang FW ⑲ Dangda Taneekarn ( ⑪Nisa Romyen 64’ )

史上最強の代表チーム…と断言したくなるなぁ… 日本代表 3-0 韓国代表 10 AUG. 2011

2011-08-16 | Football Asia
8月10日の日韓戦をテレビ観戦して…初めて日韓戦をテレビ観戦した時を思い出した。
1972年9月14日東京国立競技場で開催された第1回日韓定期戦だった。
この年からサッカーというよりも日本代表の試合に興味を持ち出した。それは同年5月26日にサントスが来日。あの神様ペレが出場したその試合を見てからだった。ペレが2ゴールを決めたのを憶えている。
そしてそれから数試合日本代表の試合のテレビ中継を見た。
資料によるとサントスとの親善試合の後日韓定期戦までの3ヶ月半の間に日本代表はムルデカ大会で7試合そしてその直後にシンガポールで開催されたペスタスカン大会で行われた2試合を含め15試合もこなしていた。国内で行われた試合が6試合あるので何度かテレビ中継もあったわけで試合終了直前にPK戦で敗れた試合 ( 後で解ったがそれは Coventry City との試合だった) 等記憶にあるがどれも負け試合だった。
そして9月14日に韓国を迎えてのゲームを前に、“韓国には勝つだろうなぁ…” とNHK が生中継するこの試合を楽しみに見ていたが試合前に前年に韓国で行われたミュンヘン五輪予選の韓日戦( それも後で知った。)の映像が流れ
”この試合の前に両国は既に出場権を失っていました…“と紹介し、過去の対韓国戦をボードで映し出された時に
”この様に過去日本が3度勝っただけで他は全て韓国の勝利か引分けです….” と言っていたのも憶えている。
その3度はメルボルン五輪、ローマ五輪の両予選と1967年B代表が Asian Cup 予選で韓国A代表に勝った試合だった。
この日韓定期戦はミュンヘン五輪予選で共にマレーシアに敗れた為に日韓の強化の為に始まったと後で知った。
そしてこの第一回定期戦は釜本の先制ゴールで始まり韓国が連続ゴールで日本を逆転、“あぁ日本はブラジルや欧州のチームばかりでなく韓国にも勝てないのかぁ….”と思っていた終了間際に釜本がシュートを韓国ゴールに蹴り込み引き分けた。その釜本のシュートは今でも覚えている。稲妻の様に早くあっという間にゴールネットに突き刺さった記憶がある….

あれから39年間、日本が韓国に優位に立った時があった記憶は無い。確かに1974年の第3回日韓定期戦で韓国を 4-1 で破ったがこの試合の事はずっと後で知ったし、モントリオール五輪予選 ( 1-3, 2-2 ) ワールドカップアルゼンチン大会予選 ( 0-0, 0-1 ) 1978年アジア大会 ( 1-3 ) モスクワ五輪予選 ( 1-3 ) 。
その後1982年アジア大会 ( 2-1 ) 1984年日韓定期戦 ( 2-1 ) での勝利を収める事が出来たがワールドカップメキシコ大会予選 ( 1-2, 0-1 )で敗れ以降90年代初旬には韓国に相手にされなくなっているのではないか…と思うくらいの差をつけられた気がしてならなかった。
しかし遂に1992年のダイナスティカップで好勝負を演じると ( 0-0, 2-2 PK勝) 1993年ドーハで行われたワールドカップアメリカ大会予選では遂に King Kazu のゴールで1-0 で勝利を収める。しかしそれ以降も韓国に対日苦手意識を植え付ける事は出来ていない…
それだけに今回の勝利は本当に対韓国戦に向けて非常に良い結果をもたらすのではないか…との期待を感じさせてくれた…

車杜里先発…

注目の両国のスタメン。まず韓国は右SB に車杜里がスタメンに。怪我で離脱していると思っていたのに…だけどこれでこちらのサイドから攻撃が出来ると思った。そしてフォーメーションだが 4-2-3-1 ではなく 4-1-4-1 。DF陣は左SBに大宮所属の金英権。愛する京都でプレーした李正秀と組む CBは残念ながらもう1人の愛する京都の卒業生郭泰輝では無く蔚山所属の李宰誠。
朴周昊、曹永哲といった J-League でプレーする、またはかつてプレーした選手達はベンチスタートだった。
でも李宰誠と金英権。身長だけをみるとポジションが反対に見えたけどなぁ…
1ボランチには Celtic でプレーする奇誠庸。(また猿の真似でもするのか見ものだったけどそんな彼のゴールシーンは皆目見られなかった。)朴主永のワントップの後方に並ぶMF4人は右サイドにトップ下と予想した今シーズンから長谷部の同僚となる具滋哲、左サイドにはG大阪でプレーする李根鍋。真ん中には金正友と李容来。水原所属の李容来は奇誠庸とボランチを組むと思ったんだけどなぁ… 。スタメンの中で欧州組みは4人、 J-League 組みは2人。そして他にも J-League 経験者は李正秀と金正友 ( 名古屋。現在光州尚武 ) がいた。
代表から引退した朴智星そして李栄杓、そして怪我で離脱した李青龍 ( Bolton ) の抜けた穴は最後まで埋まらなかった様だった。

北京五輪メンバーが中心。だから豪華メンバー…

欧州組み6人 ( 岡崎、本田、香川、長谷部、吉田、内田 ) そしてワントップには李忠成が起用された。2列目には右から香川( Dortmund ) 本田 ( CSKA Moscow ) 岡崎 ( Stuttgart ) が並ぶ非常に豪華なメンバー。 
ボランチには遠藤 ( G 大阪 ) と長谷部 ( Wolfsburg ) DFラインは肩の手術で不在だった長友に替って駒野( 磐田 ) がスタメン。右SBには11月の韓国戦以来の駒野、CB はVVV Venlo の吉田とFC東京の今野。伊野波、栗原は起用されなかった。
闘莉王はどうなるのだろう…
それにしてもマスコミをはじめ谷底の世代なんてボロクソに言っていた1次リーグ3連敗に終わった北京五輪。そのメンバーから5人 ( 李、香川、本田、岡崎、内田 、吉田 )がこの試合のスタメン。そして今や代表の中心選手。他にも家長、柏木、細貝そして長友…。あれからたった3年しか経っていない。確かに我が国には言論の自由は認められている….

                 
GK 1 鄭成龍(水原) 184/85 DF 22車杜里( Celtic)181/79, 14 李正秀(Al-Saad)185/76, 3 李宰誠(蔚山)180/75,
4 金英権(大宮)187/74, MF 16 奇誠庸(Celtic)186/75, 13 具滋哲(Wolfsburg)182/73, 8 金正友(光州尚武) 182/71,
6 李容来(水原) 175/71, 11 李根鍋(G大阪)177/75, FW 10 朴主永 ( AS Monaco ) 183/72


         

GK 1 川島 (Lierse) 186/80 DF 3 駒野 (磐田) 172/76, 15 今野(FC東京) 178/73,20 吉田 (VVV)189/80,
6 内田 (Schalke) 176/67, MF 7 遠藤 (G大阪) 178/75, 17 長谷部 (Wolfsburg) 177/65, 10 香川 (Dortmund) 172/63,
18 本田 (CSKA Moscow) 182/76, 9 岡崎 (Stuttgart) 174/75, FW19 李忠成 ( 広島 ) 182/73



松田直樹を偲んで…そして日本の猛攻…
試合前国歌斉唱(このシーンはテレビ中継されず)に続いて6日前に亡くなった松田直樹選手の為に黙とうがささげられた。
地元開催の夢のワールドカップ。あの時の事を思い出すととても幸せな気分になる。それからもう9年が経った。まだまだこれから人生が続く選手だったのに残念だ。それとともに自身の健康も..と思わせられた。
この日のピッチ上のメンバーで2002年大会の経験者は車杜里と松田だけになってしまっていた……

韓国のキックオフで始まった試合は開始から日本がシュートシーンを見せる。1分15秒長谷部のパスを受けた本田がDF3人に囲まれながら岡崎にパスを出しシュートを導き、3分24秒にはワンタッチパスを繋いで本田が今度はシュートを放ち
CKを得ると遠藤が入れたCKに逆サイドから走り込んだ長谷部が折り返し攻撃参加した吉田に送るが惜しくも合わない。
その後は車杜里が攻撃に絡み韓国のシュートシーンが演出される。6分37秒、奇誠庸から具滋哲に送られ右サイドを上がった車杜里を経て金正友に渡り上げられたクロスに李根鍋がヘッドを放ちクロスバーを越え、7分29秒には車杜里が2002大会を彷彿させるドリブルシュートを放つがこれはGK川島正面。この時間帯車杜里のマークが少し甘い様に見えた。
これがワールドカップ予選を含めた何かの大会であれば両チームとも相手の立ち上がりの様子をもっと見たかもしれない
その後は本田、香川を中心として前線でボールが廻る様になる。本田にボールが入るとマークが次々に寄って来るが上手くかわし囲まれても振り切るシーンが最後まで目立った。17分15秒にはついに奇誠庸が止めたチャージにイエローカードが出された。
それでも今度は朴主永、李根鍋が攻撃に絡み韓国がシュートシーンを見せる。18分15秒には朴主永からボールを受けた李根鍋が左サイドから挙げたクロスに金正友がフリーでヘッドを放つが駒野が身体を入れてゴール枠を外させ、20分47秒にも右サイドから李根鍋が起点となり李容来に渡り逆サイドに走り込んだ朴主永が駒野がマークに入る前にシュートを放つがサイドネットを直撃した。 
22分を過ぎると日本のワンタッチパスがどんどんつながり日本が主導権を握る。 23分には本田が内田とワンツーで抜けるところを李根鍋が倒した。当然イエローが出されると思ったがウズベキスタン人のイルマトフ主審はカードを出さなかった。
24分韓国は金英権が怪我でベンチに下がり朴源載(全北)が投入される。金英権は3日後の清水戦も欠場してしまった。この交替も韓国に苦戦を招いた一因となっただろう。
24分41秒から日本は3連続CKのチャンスを得たがゴールは奪えなかったが韓国を完全に自軍ゴール前に釘付けにしていた。31分54秒にはカウンターから香川がドルブルで突破し李忠成に送り朴源載をかわしてシュートを放つが惜しくも決まらない。先制ゴールが生まれそうな雰囲気が続く中34分、韓国はカウンターに転じたが李根鍋からボールを奪った遠藤が(2人ともガンバだけど。)相手DFを引きつけ右サイドから中に入れると李忠成がワンタッチで角度を変えると走り込んで受けた香川が朴主永と李正秀をかわして撃ったシュートが韓国ゴールに突き刺さった。




10分42秒と21分37秒(この時は鄭成龍がナイスセーブ)に惜しいシュートを放っていた香川が3度目の正直で決めてくれた。
昔の代表は優勢に試合を進めているうちに何とか得点をと思っていても反対に失点を喫する事が多かったが最近はゴールを決めてくれる時の方が多いと思わせられる。
先制ゴール直後に岡崎がベンチに下がりC大阪の清武が投入された。 岡崎は18分に足を痛めていた…帰国後のMenchengladbach戦は欠場した。
すると今度は12分前に投入された朴源載がベンチに下がってしまった。遠藤の放ったシュートを顔面に受けたその後遺症らしい。次に投入された右SBはかつて中田浩二が所属したスイス Basel でプレーする朴周昊。磐田、鹿島でもプレーした選手。スタメンかなぁ…とも思っていたのだけど。この日対峙したかつての僚友内田の印象はどうだったのだろう。
40分長谷部からボールを受けた清武が李宰誠がマークに入る前に李忠成に送り中央の本田に折り返すが本田のシュートは惜しくも決まらない。 本田の表情から得点を決めたいと言う気持ちが溢れ出る。
その1分後今度は中央やや右の朴主永が中央から朴周昊のパスを受けてシュートに持ち込むがゴールポストの右に外れて行く。
このシーン、後方から入れられたボールに一旦駒野が追い付いたが後方から追った李根鍋にかかとを踏まれて転倒。こぼれ球は吉田がヘッドでCKに逃れようとするが李根鍋の駒野へのプレーがファールに取られたと思った吉田がボールを拾いに行った李根鍋を追うのを止めたがイルマトフ主審は笛を吹かずプレーは続けられ李根鍋が朴周昊に折り返し繋がれシュートに持ち込まれた。
ワールドカップ予選でアジアの主審はこういうときでも笛を吹かない時があるので最後まで…と解説者も言っていた。 
そして前半は日本リードで終えた。日本リードで前半を終えたのは…あの1998年の Dynasty Cup 以来かな….
でも久々と言うよりも初めて日本が韓国をほぼ45分間圧倒し続けたのを見た。

 

2追加ゴールそして完封勝ち!

1失点後韓国は朴主永と李根鍋のポジションが入れ替り李根鍋がワントップに入った。朴主永は後半見せ場を創れず58分にはベンチに下がった。これまで各年代代表の試合を含めて何度か彼に苦しめられたがこの試合はまだ来シーズンの所属先が決まっていない中個人練習は続けていたのだろうが調整不足も否めなかっただろう。



日本は先制ゴール後ワントップの李忠成を残してブロックを創って引いていたが後半開始からは再び総攻撃を仕掛けた。
早々に李忠成が倒されて得たFKを本田が直接狙うが壁に当たってCK。遠藤が入れたCKは吉田がヘッドを放つが惜しくも決まらない。その直後には右サイドでスローインを受けた清武が中に入れると李忠成がスルーをし香川のショットを導くが車杜里に当たり決まらない。48分22秒には内田のスローインを李忠成がヘッドで落とし清武が拾って本田に渡すがシュートにやや力が無くGK鄭成龍の正面に。49分6秒には吉田からボールを受けた李忠成を李宰誠が倒してイエローが出される。
劣勢の韓国は52分に李容来、李根鍋を下げ金信旭を1トップに入れて2列目にC大阪の金甫を投入し打開を測るが、その直後に日本に追加点が生まれる。遠藤からボールを受けた香川が左サイドを上がった駒野に送り朴主永をかわしてシュートを放つ。鄭成龍が何とか弾き出すもこぼれ球を拾った清武が中央の本田に送ると本田が数歩バックしながらも放ったシュートは韓国ゴールに突き刺さった。
本田の喜びようを見ると本当にゴールに飢えていたと思った。それは対韓国戦へのゴールだろうか…




その3分後遠藤が奇誠庸からボールを奪うと李忠成、本田を経由して香川に送られ更に右サイドを上がった清武に繋ぐ。清武はそのままドリブルで上がり入れたクロスに香川が走り込んで合わせてリードを3点差に広げるゴールが決まった。
そして長谷部に促されて選手達が天を指さした。 松田にも届いたと思う。



自分は韓国相手に3点目を奪うのを見たのは初めてだった。
それにしても韓国DF陣、李正秀、李宰誠そして金正友は完全にマークが遅れていた。 

3点差をつけられた韓国は58分朴主永に替って尹比家林が入る。196cm長身の金信旭が1トップ。2列目には右から具滋哲、トップ下に金正友、左に金甫が入りボランチに奇誠庸と尹比家林が入った。奇誠庸は比較的前に出て来る様になった。
こうなると日本に是非4点目を、出来れば李忠成に決めて欲しいと思ったが57分内田のクロスにそして65分10分前に駒野に替って左SBに入った槙野のクロスに合わせたヘッドは惜しくも決まらなかった。

  

70分には相手からボールを奪った内田が李忠成とパス交換で抜け出しほぼ中央をドリブルで突破。マークに入った李宰誠、奇誠庸を振り切り放ったドリブルシュートはGK鄭成龍も破ったが右ポストを直撃する惜しいシュートに終わった。これが決まって入れば歴史的な4点差になっていたのに…..
韓国も対日本戦で何とかリードを縮め様とワントップの金信旭にボールを集めゴールを狙う。59分16秒には金正友からのロビングに金信旭が飛び込むが吉田が身体を入れて思う様にヘッドを撃たせない。71分30秒には65分に遠藤に替ってボランチに入っていた阿部のファールで得たFKを奇誠庸がゴール前に放り込み具滋哲がフリーでヘッドを放つがゴールポストの左に外れる。73分20秒には車杜里のクロスに金信旭がシュートを放とうとするもここも吉田が身体を張りシュートコースを外させる。3点差がついていたと言う事もあるが、韓国の決定力不足、そしてこの試合の結果を物語るシーンであった。



後半は車杜里が一人気を吐くシーンが何度かあった。昨年は2大会ぶりにワールドカップ出場を果たした。父親車範根には何度も日本はやられてばかりで本人も“もっとも印象に残っている日韓戦は1972年のアジアユース準決勝戦。代表との試合で接戦だった記憶が無い。”と言われてしまったが、子息はそうは思わなくなっただろう。
結局スコアーは動かず日本が6年振り、そしてホームでは13年振りの勝利を収めた。



2010年2月の東アジア選手権、5月のキリンチャンレンジカップでの連敗、試合内容と比較するマスコミも多いがその試合は共に韓国の方が日本戦の前に試合を入れておりコンディションに差があった。コンディションさえ同じなら昨年10月のソウルでの韓日戦も Asian Cup でも試合内容は互角以上。

韓国はやはり李栄杓の抜けたSBの人材不足そして朴智星の存在が埋まらない事が改めて浮き彫りにされた。
それにしても韓国の選手達、一体どうしたのだろう?いつもの様にがつがつと当たって来る印象が薄かった。それは日本の各選手達のテクニックが完全に韓国の選手達の当たりを凌駕していたと言う事もあるが、コンディションが整わなかったのか?
今回は日本が3点差の勝利だったが、李青龍、池東元がいたら、そしてもう少し他の選手達のコンディションが上がっていればもう少し違った結果になっていたかもしれない。



試合後長谷部が “これで韓国に対日本戦へ苦手意識が植え付けられれば。”と語っていたがそれはこの次の試合結果に委ねられると思う。日本はまだ韓国戦に“連勝”した事が2度しかない。
1974年9月28日に 東京国立競技場で4-1 で勝利を収めた次の韓国戦は翌年8月9日マレーシアで行われたムルデカ大会。車範根、金在漢、李栄武、朴成華、趙栄増、朴商寅そして復帰した金鎮国らを加える等大敗した日韓戦から選手10人を入れ替えた韓国は車範根の3ゴールで 1-3 で完敗し更に約1カ月後韓国ソウルで行われた韓日定期戦でも 3-0 で日本を破り半年後国立競技場で行われたモントリオール五輪予選でも 2-0 で日本を破り ( 翌週ソウルで行われた同予選では釜本の2ゴールで 2-2 の引分け )完敗を完全に払拭されてしまった。

次にいつ韓国と対戦するか解らないがもう一度完勝を収め今度こそこれまでの立ち位置を逆転させてほしい。

いやその前に9月2日に朝鮮民主主義人民共和国を破って対南北朝鮮に連勝を収めてほしい。



72回目の日韓対決…韓国のスタメンは….

2011-08-10 | Football Asia
8月1日新藤義孝、稲田朋美、佐藤正久の日本の国会議員3議員は午前11時10分ごろ、金浦空港に到着。入国審査場で手続きを行おうとしたが、出入国管理事務所の関係者達に「入国禁止」の方針について説明され12時40分発の全日空(ANA)便で日本に帰るよう勧告された。国会議員3名は帰国勧告を拒否するも結局当地に足を入れる事は出来ずに日本に帰国する事となった。その件に就き韓国側のマスコミの反応はどうだったのだろう…..

独島:韓国政府、自民党議員3人に入国禁止を通知

【郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者/キム・ソンモ記者】 「竹島(独島)は日本の領土だ」と主張し、韓国入りした自民党所属の議員3人に対し、韓国政府は「入国禁止」を通知し、日本に戻るよう勧告した。しかし、議員らは空港で自らの主張を繰り返し、日本行きの航空機への搭乗を拒否した。
 鬱陵島を訪問するとしていた新藤義孝、稲田朋美、佐藤正久の3議員は1日午前11時10分ごろ、金浦空港に到着。入国審査場で手続きを行おうとしたが、法務部(省に相当)出入国管理事務所の関係者たちは議員らを「送還待機室」に案内し「入国禁止」の方針について説明した。そして、12時40分発の全日空(ANA)便で日本に帰るよう勧告した。
 しかし、議員らは登場を拒否。日本大使館を通じ、今回の事態に対する韓国政府の立場を尋ねた。 いつ日本に戻るかは不透明な状況だ。
  
【社説】日本では良識ある政治家の代が途絶えたのか
 
日本の自民党は、所属議員4人が来月1日に鬱陵島を訪問し、韓国の領土内で独島(日本名:竹島)が日本領だということを調査、広報する計画を予定通り実行すると発表した。党指導部は訪問を延期するよう説得したが、4人は受け入れず、個人の資格で韓国を訪問する意向を表明している。これは、止めるふりをして行けと背中を押す二重プレーだ。日本政府はすでに、韓国警察庁と外交通商部(省に相当)に4人の身辺保護を要請した。わが民族が数百年にわたり見てきた手法を、日本政府と与野党が、独島を舞台に合同で演出しているようなものだ。
 自民党国家戦略本部は、今月19日に発表した「日本再興」と題する中長期戦略報告書で、外交安全保障政策の中核として領土主権保護と防衛力強化を掲げ、独島が日本の領土だということを国際社会に知らせ、適切に管理していくことが日本の長期的国益だと主張した。自民党が党内に領土特別委員会を設置し、その特別委員会に所属する議員らを鬱陵島に派遣するのは、このような策略の実行であって、数人の突出した議員による逸脱した行動ではない。
 今まで韓国政府は、日本が騒いでいるからと言って、独島を韓国が統治している現実は変わらないという観点から、独島を紛争化しようとする日本の意図に巻き込まれるのは賢明ではないとの判断の下、慎重に対応してきた。しかし、日本の言動は次第に露骨になり、手法も荒くなってきた。議会ではそれでも、日本の友邦国である韓国が実際に統治している韓国の領土「独島」をめぐり、外部勢力が独島をミサイル攻撃した場合はどうするつもりなのか、など隣国の主権を侵害するような質問をためらわないほどになった。こうした日本の言動を踏まえ、われわれは独島に日本の右翼行動隊が上陸する、といった最悪の挑発行為に備えるべきだ。
 韓国政府は日本の議員が実際に韓国を訪れた場合、空港の入国審査場で入国を拒否するとの姿勢を示しており、このような行動が両国の関係を大きく悪化させることを警告した。韓日両国は、内部的に自由貿易協定(FTA)の推進を論議中で、中国の軍事的、経済的な浮上がますます明確になる中で、北東アジアの平和の秩序を定着させるために協力しなければならない関係にある。
 日本は中世から現代まで、国内で高まった不満や圧力を隣国に対する挑発をもって解消してきた国家体質により、自国民と隣国民を幾度となく不幸に陥れてきた。日本の行動が韓国国民にこうした日本の過去を連想させるほど、両国の前に横たわるあらゆる未来志向的課題は後退せざるを得ない。日本の良識ある政治家は、今こそ彼らの代が途絶えたわけではないということを示すべきだ。




上記の記事は共に朝鮮日報日本語版電子版に掲載されていたもの。 自分がハングルを理解すればもっともっと読む事も出来たのだろうけど….
竹島問題の諸悪の根源は何と言っても日本政府のこれまでの弱腰の対応。 学生時代フォークランド紛争が起こり英国政府がその領有権を見事に守った時、イギリス人の教授が私達にこう言った。 “他国の領土は簡単に奪えないと言う事ですよ。”
だけど韓国のマスコミよ、もっと正しく自国民に伝えるが良い。 北東アジアの平和秩序を定着させるのにどの様な日韓の協力が必要なんだ? まさか南北朝鮮が分断されたのは日韓併合が原因と本当に思っているのか?日本人は誰も金日成に急襲を示唆した事はないし、そうかと思えば南北問題は南北間で解決すると言ったり…..
国内で高まった不満や圧力を隣国に対する挑発をもって解消してきた国家体質により….とあるけど、自国の経済状態が芳しくなくなって来たり、政権の支持率が低下する度に竹島問題をあおるのはそちら。 日本政府にもその半分でも煽って欲しいものだ….
1980年全斗換政権がスタートした時、光州事件が起こった時、日本に突然5年間に亘る総額60億ドルの借款を依頼して来てそれを断ると当時政府の強い影響を受けざるを得なかった韓国テレビ局は一斉に反日ドラマを放映続けた。

今フジテレビが韓流ドラマを放映し続ける以上に。 でもこの韓流ドラマは面白いんだよなぁ…… 韓国の女優は可愛いなぁ….でも歳のせいかなかなか名前が覚えられない……



明日札幌で行われる日韓戦。一時は何年も対戦が無い時があったがここ数年は東アジア選手権対戦が続いている。 
しかし日本の勝利は2005年の大田で行われた東アジア選手権以来御無沙汰だ。どうも日本は対韓国戦となると…..
かつては1959年のローマ五輪予選から1974年の日韓定期戦まで15年間勝星無いと言う期間があった。
あの世界の釜本を擁しても韓国戦の勝利はこの 4-1 で勝利した日韓定期戦だけだった。
これまでの対戦成績は日本の11勝38敗22分。( PK 戦は公式記録は引分け )ただB代表で1967年8月1日に台湾で行われた Asian Cup 地区予選で韓国相手に 2-1 で勝利を収めた試合がある。

韓国に対日本戦に“苦手意識”を植え付けさせる為にもこれから連勝を重ねて欲しいものだ……

7月27日 対日本戦24名を発表。

趙広来韓国代表監督は日韓戦(韓日戦)のメンバーを発表した。 Glasgow Celtic でプレーする車ドゥリをはじめ Asian Cup では召集出来なかった朴主永をはじめ海外組が9人含まれていた。そしてJ-League でプレーする選手は昨年ワールドカップメンバーから外れた李根鍋ら5人が選ばれた。かつて愛するサンガでプレーした郭泰輝、李正秀の2人も召集された。
趙広来監督は日本戦に臨むにあたり「スピードとの戦いに勝たなくてはいけない」と記者会見で強調したらしい。
HSV Hamburg でプレーする孫興民に就いては将来の代表を担う選手にと期待しているらしく朴周昊、金英権の選出は
「惜しくもホン・ジョンホを招集できなかった。そういった部分をカバーするために、朴周昊 ( パク・チュホ) を左のサイドバックに置いて金英権(キム・ヨングォン)をセンターバックで起用する考えだ。」
新潟でプレーする曹永哲の選出は
「キム・ジェソンと悩んだ末に、チョ・ヨンチョルを選抜した。日本でも試合経験が豊富で、チャ・ドゥリの代わりができる。攻撃的な面を評価し選出した」
とそれぞれ記者会見で答えた。
そして昨年の AFC U-19 で日本を粉砕し Sunderland への移籍も決まった池東元はこの時点では日本戦の起用は所属先の Sunderland で開幕戦で起用されるならそちらを優先させると。まだ移籍が完了していない朴主永を招集した理由は
「朴主永はまだチームが決まっていない。本人と昨日電話で会話をした。一人で個人練習をしているが、コンディション管理に関して不安を覚えている。早く韓国に帰ってきてコーチングスタッフと一緒に練習することを要請した。パク・ジュヨンは先に韓国に帰ってきて練習を行なうようだ」 と述べた。
ベテラン李東國に就いては
「李東國は一生懸命な選手だ。しかし、最近の試合ではコンディションが少し落ちている。前線に若くいい選手が多く、韓日戦は除外した。孫興民が前線でいい活躍を見せてくれているし、ワールドカップ予選前に備えて若い選手を起用するのが妥当だと考えた」
しかし朴智星、李栄杓ら2002年組が代表から引退し 1998年大会経験者の李東國に次のワールドカップのチャンスは多くあるだろうか….
金信ウクは最近のK-League で良いパフォーマンスを見せていた事が召集のきっかけで日本戦の起用も示唆していたらしい。

日本は女子がワールドカップで優勝し、男子サッカーもその勢いに乗ろうとしている。最大限に準備をする
趙広来監督はこの様にも話したらしい。

当初の召集メンバーは下記の通りだった。


GK
チョンソンリョン/鄭成龍(水原) キムジンヒョン/金鎭鉉(C大阪) キムヨングァン/金永光(蔚山)

DF
パクチュホ/朴周昊( Basel ), カクテヒ/郭泰輝(蔚山), イジェソン/李宰誠(蔚山), キムヨングォン/金英權(大宮)
パクウォンジェ/朴源載(全北), イジョンス/李正秀(アルサド), チョヨンチョル/曹永哲(新潟), チャドゥリ/車杜里(セルティック)

MF
イヨンレ/李容来(水原), キムボギョン/金甫ギョン(C大阪), キムジョンウ/金正友(尚州) チドンウォン/池東元( Sunderland ) クジャチョル/具滋哲( Wolfsburg ) キソンヨン/奇誠庸( Glasgow Celtic )イチョンヨン/李青龍( Bolton ) ユンビッカラム/尹比家林(慶南), ナムテヒ/南泰煕(バレンシエン)

FW
パクチュヨン/朴主永(モナコ), イグンホ/李根鎬(G大阪), ソンフンミン/孫興民(ハンブルク) キムシンウク/金信ウク(蔚山)


相次ぐ欧州組の離脱…..


趙広来韓国代表監督は8月6日、 Budesliga の開幕戦 Borsia Dorutmund 戦を高熱の為に欠場した孫興民を招集しないことを決定した。
「孫興民が韓日戦に出場できるコンディションではない以上、選手保護ということから招集を見送るのが正しい判断だと思う。コーチングスタッフと相談した後に、韓日戦に無理させてまで招集するよりかは、コンディションを優先的に考慮して招集しないことを決定した。孫興民がワールドカップアジア3次予選で活躍することを期待している。今は自分のコンディションを気遣うことに集中してほしい」と付け加えた。そして替りに水原でプレーするパク・ヒョンボム(水原)が招集された。
パク・ヒョンボムは194cmの長身ミッドフィルダーで、昨季は済州ユナイテッドのKリーグ準優勝に大きく貢献した選手だ。空中戦に強く守備的ミッドフィルダーとして強い存在感を見せ、時には攻撃参加で得点を決める能力も兼ね備えている。今シーズンKリーグでは6得点2アシストを記録している。日本のCBは対応出来るだろうか…..
孫興民の他にも車杜里、李青竜の2人が怪我で離脱。李青龍は7月31日の所属先の Boltonでの親善試合で脛骨を骨折すると言う重傷を負い日本戦どころか今シーズン一杯プレーが出来るか危ぶまれ9月から始まるワールドカップアジア地区3次予選もプレー出来るかわからないらしい。 親善試合で重傷を負わせられるとはちょっと対戦相手も悪質過ぎないか???
また池東元も所属先の Sunderland 首脳陣が開幕戦で起用すると決めた事から来日を見送る事に。 池東元は今行われている FIFA U-20 も出場していなかったのか…..
相次ぐ欧州組みの離脱に趙広来監督は「これらの選手がいなくても、韓国サッカーは弱くはならない」と述べた。



日本戦の予想スタメンは下記の通り….ではないかと思う…..

Asian Cup の時は池東元のワントップに朴智星, 具滋哲, 李青龍の3人が2列目に入ったが具滋哲以外はもうメンバーにいない。
明日の日本戦にはAsian Cup には合流しなかったFW 朴主永のワントップに2列目は左にG大阪で好調の李根鍋、真ん中にかつて名古屋でプレーした金正友。そして右には具滋哲が入ると予想する。 Asian Cup では具滋哲が真ん中だった。ボランチには奇誠庸そしてもう1人は尹比家林か Asian Cup に続いて李容来か? セレッソで活躍する金甫ギュンか?趙広来監督は車杜里をこのポジションで使いたかったのではないか?? 
CBには個人的には李正秀と郭泰輝の元愛するサンガでプレーした2人を起用して欲しい。 Asian Cup では李正秀が累積警告で出場出来ず郭泰輝は1次リーグで退場を食らう等大会を通して調子が今一だった。Asian Cup では黄載元と趙容亨がCBだった。李正秀は守備から攻撃に転ずる時の起点になるCB。趙広来監督の記者会見でのコメントから金英権がもう1人のCBか。
サイドバックは右サイドバックには曹永哲、左サイドには朴周昊。心配なのはDFラインがこの4人で構成された事が無い事だ。


朴主永

李根鍋  金正友  具滋哲

寄誠庸 李容来

朴周昊 李正秀 金英権 曹永哲

GK 鄭成龍

昨年ワールドカップでチームをベスト16に導いた許丁茂前監督から任務を引き継いだ趙広来監督70年代から前任の許丁茂氏らと共に10年以上も韓国代表としてプレー。1986年メキシコ大会メンバーでもあった。1978年、1986年アジア大会優勝のメンバーでもある。思い出すのは、何度も云うが1980年3月マレーシア、クアラルンプールで開催されたモスクワ五輪予選。初戦で韓国と当たった日本は 1-3 で敗れたのだけどその時に2点決めたのが趙広来。(後1点は許丁茂)1978年のムルデカ大会の日本戦でもゴールを決めている。(試合は韓国が 4-0 で勝利。)
しかし監督に就任してからは日本代表とは2戦2分(1PK負) でまだ勝ち星は無い。しかし我が日本代表も1998年ダイナスティカップで勝利を収めて以来日本開催の“日韓戦”は2分3敗と未勝利。反対にアウェーでの“韓日戦”ではどういう訳かここ5試合で2勝2敗1分けと5分の戦績を残している。お互いアウェーが得意なのかもしれないがザッケローニジャパンは宿敵を相手に結果を出してほしい。 

だけど試合は北海道….前に地方で行った時…1991年熊本で行われた日韓戦も 0-1 で敗れたなぁ…あの時は地元以外はテレビ中継すらなかった。 松永、井原、北澤、反町、武田、ラモス、カズ役者は揃っていた。 Kirin Cup でリネカー擁する Tottenham Hot Supers を 4-0 で破り初優勝を収め期待をしていたのに、韓国も崔淳鍋らが出場しない事がわかり、日本もチャンスだと思っていたのにそんな悪条件の中でもしっかりと勝つのが韓国だった。 

今回は香川、本田、岡崎、森本…. 彼らが韓国陣内で躍動する事を祈る。 


シーズン最終戦 勝利で飾れず 鹿島 2-1 Sydney FC 10.May

2011-05-16 | Football Asia
5月10日。午後5時少し前、サウジアラビア人のKhallil Alghamdi 主審の試合終了を告げるホイッスルが鳴った。向こう正面の鹿島サポーター達から一層の歓声が上がる。 でも本音はもっと点差を点けたてほしかっただろう…. 選手達と審判団が互いに握手を行い、鹿島の選手達がサポーター席に向かう。 Sydney の選手達はそのままベンチ裏に向かっていた。 私がマフラーを頭上で目一杯回す。すると1人の選手がこちらに気が付き、また Vitezslav Lavicka 監督も選手達にこちらの方を指さす。 そして選手達が拍手をしながらこちらに向かって来てくれた。嬉しかった。 水色のマフラーを頭上に掲げて選手達の労をねぎらった。
昨シーズン Grand Finalのタイトルを勝ち取り、今シーズンは多くが期待されながら開幕戦の Melbourne Victory を何とか引分け以降10試合4分6敗の後にようやく白星を上げシーズン9位に終わり、来シーズンに向けて ACL に臨んだ Sydney FC が7,800km 離れた東京で鹿島アントラーズ相手に逆転負けを喫したゲームでシーズンを終えた、とオーストラリア紙に述べられていた。 
日本のマスコミ、ジャーナリスト達に今年も A-League のチームが存在感を見せられなかった事が残念でならなかった……

ACL の組み合わせが発表となった時、4年振りに出場権を得た Sydney FC が鹿島と同じ組になり3月に鹿島スタジアムで試合がある事を知りものすごく喜んだ。 日本であの顔なじみの Sydney サポーター達にまた会える。4年前もオーストラリアドルが強くて日本のコカコーラの“安さ”に感激していたなぁ。今年もオーストラリアドルはまた強くなっている。何日滞在するのだろう。ACL 後にまた J-League の試合を見たいと言ってくれるかなぁ…どこに宿泊するのだろう?鹿島は遠いから都内に泊ったら試合後はどうやって帰るのだろう…車で送って上げようか?でも何人来るのかなぁ… 色々思いを巡らせいていた。

しかし3月11日に起こった東北太平洋震災、そして津波でそれらの思いも“流されて”しまった。 
一時は ACL どころかサッカーどころでは無かった…
被災を免れた東京、埼玉、神奈川地方でさえ計画停電やガソリン不足の小さなパニックが起こった。でもそんなの地震、津波に直接被災した地域の人達からすれば物の数にも入らない。
そして ACL の日程が組み直され Sydney 鹿島との“アウェー戦”は最終節の5月10日に変更となった。
Sydney FC 最後までもつかなぁ… 消化試合にならなければ良いなぁ….4年前の浦和戦もさいたまスタジアムで最終節だった。その時の様にエキサイトな試合になれば良いなぁ…と願った。

5月3日。商用先で Sydney FC が ACL 第5戦水原 Blue Wings に3-1 で破れ Round 16 進出の望みが断たれた事を知った。 開幕戦はホームで何とか引き分けられたがアウェーではやはり厳しかった様だ。
前節上海申花戦で勝利を上げた時は期待したんだけど…..

5月10日。試合当日、天気予報は大雨の予想。しかしまだ曇天のままだ。 試合が消化試合になり原発事故の“風評”もあって誰も地元 Sydney から来ていないだろうなぁ…. ならば俺がサポートするしかないと自己満足的な使命感から国立競技場に向かった。 
アウェーサポーター席に着くと Sydney FC のフラッグが手すりにくくりつけられているのが私の目に飛び込んで来た。 そして Sydney FC のユニフォームを着る男性が。 この方は名古屋在住の方で1月に渡豪されて Sydney FC vs Gold Coast Mariners 戦を観戦されたそうだ。 う~ん、こういう人がおられるとは。本当に心強く思った。 そしてこちら側は“予想通り” 観客はパラパラ。 対面の鹿島サポーター達の歓声が本当によく響いた。しかし彼らがいなければ試合は盛り上がらなかったと思う…..

Sydney FC のスタメンは GK 6試合全てスタメン出場のLiam Reddy 。昨シーズンは後半からポジションを獲得し18試合にスタメン出場。CB は 2009年 FIFA U-20 メンバーのJurrman Matthew と スイス代表3試合出場経験があり昨シーズンは “ A-League 屈指の CB “ と言われたStephan Keller 。共に190cm の長身選手達。 左 SB Scott Jamieson は2008年 Adelaide United のメンバーとして FIFA Club World Cup の出場経験がある。 右SB James Durante は 2007-8 Grand Final で優勝した New Castle Jets のメンバーで2008年シーズンから Wellington Phoenix に移籍し ACL の為に Sydney FC に Loan 移籍した選手。彼も186cmと長身。 中盤はダイヤモンド形の布陣を敷き “1ボランチ”のポジションに 北京五輪メンバーだった Stuart Musialik 。2005年 FIFA U-20 オランダ大会の1次リーグで日本戦にも出場している。
2列目右にはチームの重鎮北アイルランド人の Terence McFlynn 。チーム創設時からのメンバーで今は主将を任されている。左の Rhyan Grant は 2009年FIFA U-20 のメンバー。 そしてトップ下には Socceroos の Nick Carl 。2005年から2シーズン New Castle Jets に所属し以降 Genclerbirligi ( Turkey ) , Bristol City ( England ) と渡り歩くが出場機会に恵まれなかった。ようやく2009年にポジションを獲得し2009年6月 Melbourne で行われたワールドカップ予選の日本戦には久々に Socceroos に復帰した。2007年 Asian Cup の日本戦にも途中出場した経歴を持つがワールドカップは大会直前になってメンバーから漏れた。
2001年FIFA U-20 アルゼンチン大会のメンバーでもあり1次リーグの日本戦では82分から途中出場した経歴を持つ。(試合はオーストラリアが2-0 で勝利 ) 何かと日本戦に縁のある選手だが最も鹿島が警戒すべき選手だった。  FW は昨シーズン20試合出場で9ゴールの Bruno Constantino こと Cazarine 。ACL ではこれまで3ゴールを決めている。 そしてもう1人の FW David Williams は昨シーズン破綻した North Queensland Fury でプレーし ACL の為に Sydney FC に Loan 移籍して来た。 2005年FIFA U-20 のメンバーだったが日本戦での出場機会は無かった。 同年の FIFA U-17 ペルー大会のメンバーにも選ばれたが日程の影響で大会には出場しなかった。参考までに左SBの Scott Jamieson もこの大会に選出されていた。



           


4月13日シドニーでの試合で怪我の為に出場出来なかった Nick Carl James Durante らが前節の水原戦に続いて出場しそして前の鹿島戦では出場停止中だった McFlynn が戻ってきた。
前節スタメンだった注目の日本人選手森安洋文はベンチスタート。そして上海申花戦で殊勲の決勝ゴールを上げた Mark Bridge は臀部の負傷の為に日本遠征に帯同出来なかった。北京五輪メンバーでもあった Mark Bridge の離脱は本当に痛かったなぁ…..



一方の鹿島は興梠が出場停止。 FW は大迫勇也とカルロンのスタメンが予想されていたらしいが大迫の1トップに小谷野がスタメンに起用され1.5列目に入った。 福岡戦ではスタメンでは無かった中田浩二と新井場がスタメンに入った。個人的には柴崎が投入されるか…と少し楽しみにしていた。

鹿島のキックオフで始まった試合。そして本当にキックオフとほぼ同時に遂に雨が降って来た。
しかし雨が降った方が Sydney に有利になるとも思った。
立ち上がりは Sydney が押す展開。50秒には Carl から Williams に渡り、1分41秒にも Carl から Cazarine に渡りシュートに持ち込む。 Cazarine のシュートは曽ケ端が脚でストップされたが惜しいチャンスだった。全体的に“得意の”ハイボールを競った後のこぼれ球を Sydney の選手はよく拾っていた。5分にはまたも Carl からフリーの Stuart にボールが渡ったがコントロール出来ずにシュートを撃てなかった。
しかし立ち上がりの攻勢もここまでで7分過ぎから鹿島にボールが廻り出す。 7分11秒には遠藤からボールを受けた小谷野が大迫にスルーパスを送りシュートを撃つが Sydney DF に当たりこぼれ球を拾った小笠原が遠藤とのパス交換から左サイドを抜け出し中に入れたところ再び大迫がシュートを撃つがGK Reddy の正面を突いた。ボールが廻しでは鹿島はアジアでも屈指のチームだ。9分21秒には青木からボールを受けた大迫が Jurman をかわして遠藤に繋いでシュートに持ち込むが外れる。14分13秒には小笠原のCKから西がヘッドを撃つが GK の正面に。15分11秒にも小谷野がDurante, Keller, Jurman をかわしてドリブル突破最後はスルーパスを送るが僅かに Jamieson がマークに付いた野沢には合わなかった。
15分53秒には良い位置でFKを得るがここは野沢の蹴った弾道はGK Reddy の正面に。17分23秒にも青木がミドルを放つがこれはポストの右に外れて行った。
ワンタッチでボールを回し、空いたスペースに選手が連動して入り込むところはさすが鹿島というよりも J-League だ。 20分頃には鹿島は大迫と野沢の2トップ気味となり2列目の小谷野、遠藤がどんどん上がって来る。青木、小笠原の押し上げも早い。 
22分23秒にはミスパスを拾った大迫が Jurman をかわしてゴール前にドリブルで上がり最後は小谷野に送るが小谷野のシュートもGK Reddy の正面に。 鹿島攻撃陣のシュートがGKの正面を突いてくれるので先制ゴールは喫さずに済んだが、日本の将来を担う大迫にはここで決めて欲しいシーン、というのもあった。
22分23秒、今度は大迫が Musialik に激しいチャージを受けてボールを失うがホイッスルは鳴らない。 こぼれ球を拾った Grant がドリブルであがり Williams にスルーパスを入れシュートに持ち込むが青木がブロックしてCKに。 CKには190cm のCB Jurman, Keller が上がって来る。 そのCK に Jurman が岩政、大迫と競りながら飛び込みヘッドで捉えると見事に鹿島ゴールネットに突き刺さった。 



鹿島サポーターの歓声がぴたりとやみ静寂が競技場を包んだ。そんな中私は “ナイスシューッッッッッッ !!! ” と叫ぶ。 そしてさっきの男性とハイタッチをかわす。
“これで面白くなりますね。”
“先制されたら終わってますから…”

劣勢の中よく決めてくれた先制ゴールだった。
それにしても岩政はアウェーの Sydney 戦でもよく Cazarine に競り負けていた。
代表のCBなのになぁ…と少し心配になった。そしてこのプレーで中田浩二が肩を負傷し替って伊野波が投入された。
あぁこれで高さで押しまくる事が少し難しくなるか…と思った。
鹿島は失点後左 SB の新井場の上がりが顕著になった。 Sydney は攻撃時には Carle が真ん中のトップに上がって来て Cazarine, Williams が左右に開く。シドニーでのゲームでは Cazarine の1トップだったが次の上海申花戦から Cazarine と Mark Bridge の2トップにして結果を出していた。
そして左 SB の Jamieson, ボランチの Musialk が中盤でボールを拾えるようになってきた。
前半の残り時間約20分、数度鹿島がチャンスを掴んだが何とか無失点に抑え前半は Sydney リードのまま何とか終える事が出来た……



Sydney のキックオフで始まった後半。雨脚は天気予報程強くはなっていなかった。観戦にはその方が良いけど
Sydney にはそうじゃない方が良かったか….前半から Sydney の控えの選手達がアップしていたが注目の森安はいつ出てくるのだろう…と思っていた。それから柴崎は…..
後半は両軍選手交替無いまま始まったが試合は鹿島が押す展開。 頼みの Carl にボールが入っても小笠原がさすがのタイミングでマークに入る。 
そして64分、左サイド新井場から伊野波に渡り上げられたクロスが逆サイドに渡りフェリペ=ガブリエルが Keller と競り合いながらも折り返すとそこに大迫がいてそのまま Sydney ゴールに押し込み同点とした。
ようやく大迫が決めたシーンだったがその前にフェリペ=ガブリエルが競りながらも折り返した時点で同点ゴールが決まった様なものだった。そしてフェリペは4分前に小谷野に替って投入されたばかりだった。
同点に追い付かれた Sydneyはその直後のキックオフ後のボールを繋いで鹿島ゴール前に迫り得たFK を Jamieson が中に入れ Jurman がヘッドで落とす。そこに Cazarine が走り込みオーバーヘッドで狙うがファールを取られた。


 
Sydney ベンチは同点ゴールを許した5分後森安がピッチサイドに現れる。誰と交替で投入されるのかと見ていると Nick Carl がベンチに下がって行った。森安の投入は嬉しかったが Carl が下がったのはちょっと残念に思った。やはり故障が完治していないのか…. Bridge がいればなぁ…と思った。



“森安 !! 頑張れよ !! “ 国立競技場で存在感を見せて欲しいと願い声を張り上げた。
74分34秒右サイド McFlynn からのクロスに Cazarine が走り込むが惜しくもオフサイド。 何とかトップの Cazarine 、Williams に良いボールが入らないか…と思いながらピッチを見つめた。
77分大迫がベンチに下がりカルロンが投入される。 この日の大迫は1ゴールを決めたが鹿島サポーターから見れば2ゴール以上は決めて欲しかったのではないかな…そしてこの時点で柴崎の投入が無くなった…
カルロン、フェリペの動きそして小笠原のパスがますます生きて来て Sydney はシュートにすら持ち込めなくなってきた。 そして相手の動きをファール以外では止められなくなってきた。
81分遠藤がPA付近で粘って最後は Musialik に倒されFKを与える。 ゴール正面のいやな位置だった。
小笠原と野沢がボールの後ろに立つ。そして野沢の蹴った低い弾道のシュートがGK Reddy の一杯に伸ばした手を掻い潜ってゴールネットに突き刺さり鹿島が遂にリードを奪った。
試合開始からずっと立ちっ放しで声援を送り続けていたがこの失点で私は座り込んでしまった。
鹿島サポーター達からは安堵の歓声が沸き上がる。 

Sydney は何とか同点ゴールをとボールを繋ぐがPA近くになると鹿島DFの網に簡単に引っ掛る。森安がボールを持つと2人3人と囲みこむ。 FW Cazarine, Williams もちょっとスタミナが切れて来たか….



87分 McFlynn が下がり FW Danning が投入される。 しかし相手ゴールに迫るのは鹿島の方ばかり。88分には Musialik からボールを奪った遠藤がドリブルで上がりファールで止められると FK から攻撃参加した CB岩政 に渡るが何とか Durante がクリアー。 ロスタイムが2分と表示される。 90分35秒、カウンターから Danning から Cazarine に繋がるがここは小笠原が“上手く”ファールで止める。 必死にボールを繋ぐがシュートに持ち込めない。

そして92分15秒、ホイッスルが鳴り響いた…….

まぁ予想通りの結果でしたね…前の試合よりは健闘したみたいですけど…名古屋から来られた彼と握手を交わす。 

気をつけて帰って下さい。 

雨は上がっていた。試合中も“豪雨”にはならなかった。

翌日既にACL 1次リーグ敗退が決まっている Melbourne Victory が 済州ユナイテッドと引き分けた。Kevin Muscat の現役最後の試合となった。また一人日本では知られないが世界では名前が通っている選手が去って行った。
来年のACLに出場が早くも決まっている Brisbane Roar, Central Coast Mariners どんなメンバーになっているだろうか? 

この日の観客数3,164人。でもこういう試合に足を運べる人こそサッカーが好きな人だ…とも思った。

帰りに買った半額になったカツサンド。ほんまにおいしかったなぁ……

Sydney 残った 上海申花 2-3 Sydney FC 19 APR 2011

2011-04-23 | Football Asia

ロスタイムは3分と表示され既に2分が過ぎようとしていた。 このままだと両チームとも痛み分けとなってしまう。Sydney で行われた上海申花戦で圧倒的に押しまくりながら引分けに終わった試合は本当に勝点2を失った試合…となるところと思われた。
しかしボールが Mark Bridge の前に飛んだ。そして北京五輪代表選手だった FW が放ったボレーはそのまま上海ゴールネットに突き刺さった。 あぁ、Sydney FC が残った。何とか5月10日の鹿島戦が消化試合とならない目処が…と思った瞬間だった…



あの大震災そして津波から1カ月以上が経った。しかしまだまだ東日本は余震が続く。大震災が案じられ続けていた東海地区ではどうなのだろう…
今関東地方というよりも日本が国内でも対外的にも深刻な問題を抱えている。福島原発の現状。今の惨状は津波によるものだけが原因なのだろうか……

4月19日。 J-League 再開の4日前、まだ修復の終わらない鹿島スタジアムではなく国立競技場で鹿島アントラーズは強豪水原三星を迎え ACL の第4節に臨み 1-1 で引き分けた。 電力事情があり午後2時キックオフのこの試合。出来れば鹿島の勝利を期待した。そうすれば Sydney FC の2位以内の可能性が…と思っていた。
その夜、行われた Group H のもう1試合。 上海に乗り込んだSydney FCは終了直前 Mark Bridge の逆転ゴールで勝利を収めた吉報が入って来た。 この勝利で Sydney は決勝トーナメントに向けてそして5月10日の鹿島戦が消化試合にならない事に大きく一歩前進したと思った。ただそれだけに鹿島に勝ってほしかったなぁ…とも思った。

More bland than bling, Sky Blues return to China in serious mood

我々はここに明日好パファーマンスを披露する為にやって来た。我々は勝利とグループリーグ突破に向けて全力を尽くすだろう。 上海申花が好チームだとは知っている。2週間前にシドニーで我々は対戦した。そして試合は五分五分の引分けであった。
鹿島戦で怪我の為に出場出来なかった Nicky Carle, Sebastian Ryall に就いては
“Nicky Carle, Sebastian Ryall, らの入ったチームは少しの心配はある。彼らは先週の試合そして2,3日前まで負傷で動けなかった。しかしここに彼らは帯同している。彼らが明日プレーできる事を祈る。“

前日記者会見で Sydney FC のVitezslav Lavicka 監督はこの様に語った。
Carle, Ryall 更に McFlynn 抜きで鹿島と対戦し、途中押し込む時間帯も短くは無かったが最終的に3ゴール差をつけられて破れてしまった。東北東日本地震、津波の影響で3月19日に予定されていた鹿島戦が延期となり開幕3試合がホーム3連戦となった Sydney は当初、この3試合で勝点を稼ぎ残りのアウェー3連戦で何とか勝点を拾って逃げ切りを考えていた。しかし結局勝点2しか上げられなかった。
この結果は鹿島にとって良い結果となるはずだ。水原、上海がシドニーで勝点1しか上げられなかったのが鹿島は勝点3得たのだから。

“前の試合(4月6日)後両チームともお互いを知る事となった。勝つか負けるかは戦術次第だ。そしてどちらがミスするかだ。我々はこの試合が決勝戦の様なものと思っているそして選手達は充分に準備が出来ている。
鹿島 vs 水原戦が引分けに終わった為勝たねばならなくなったのは上海申花の奚志康 ( Xi Zhikang ) 監督も同じ立場。
この試合にかっても共に勝点5で鹿島、水原には1勝点及ばないが生き残る為には勝利が必要だった。

試合をただ観ているだけは辛かった。自分の出場停止と日本の震災によって長い間プレー出来なかった私はチーム全てに自分してしまった事を謝罪した。しかし我々はやらねばならなかった。明らかに前の鹿島戦は残念だった。しかし今我々が心に留める事は残り3試合のアウェーゲームを全て勝つ事だ。

2007年3月7日。初代 A-League 王者となった Sydney FC が初めて臨んだ AFC Champion League のデビュー戦はアウェーに乗込んでの 上海申花戦だった。この試合は Sydney FC が元オーストラリア代表の Steve Corica そして Ufak Talay のゴールで2-1 で勝利を収めた。その試合の出場経験者はいない。唯一Terence McFlynn がその当時のメンバーだったが怪我の為に出場出来なかった。
McFlynn は今大会初戦の水原三星戦で開始33分にレッドカードを受け2試合出場停止処分となってしまった。 McFlynn 不在中はその穴が埋まらず苦戦を強いられた。それだけに昨シーズン、一昨シーズン共にA-League で27試合にスタメン出場した彼の復帰には Sydney サポーター達の期待が大いにかかっていた。

“体調は万全だ。私が特に日本での悲劇的な状況の為に長い間試合から遠ざかっていた事は我々は解っている。正直に言って私は明日の試合の為にリフレッシュする事が出来た。我々は上海の素早いカウンター攻撃を知る事が出来た。彼らの動きは大変早くまたよく動く。”
McFlynn, Carle の復帰は試合前に予想だれたが FW David Williams そしてCB Stephan Keller が離脱しそうな事も対策を講じる必要があった。

Bridge heroics give Sydney victory

これまでの3試合 4-2-3-1 のフォーメーションでACLの戦いに臨んでいた Sydney FC は第4戦の上海戦から 4-4-2 のシステムに変更して負けられない試合に臨んだ。スタメンには前節鹿島戦を怪我で出場出来なかった Nicky Carle, そして出場停止明けの Terence McFlynn が復帰し、鹿島戦で負傷の為前半でベンチに下がった Stephan Keller に替って James Durante がスタメンに入った。ホームの上海申花も13日前の Sydney 戦からメンバーを3人替えてホームゲームに臨んだ。

試合は開始からホームの上海が主導権を握った。6分、コロンビア人FW Duvier Riascos がマークに着いた DF Andrew Durante を振り切りフリーでシュートを放つが大きく外してしまい、更にその直後また Riascos がシュートを撃つがこれもクロスバーを越えてしまった。
立ち上がりの連続チャンスを逸した上海であったが8分に先制ゴールが生まれる。Sydney MF Stuart Musialik のファールでFKを得ると DF姜嘉俊 が直接 GK Liam Reddy の守るゴールに蹴り込んでしまった。




失点後、目が醒めたのか Sydney FC が攻勢にでる。連続CKのチャンスを掴むが最後は森安のシュートがブロックされた。
30分には Scott Jamieson が至近距離からシュートを放つが GK 邱盛炯がストップ。その直後にも 190cm の長身DF Matt Jurman が Shannon Cole のFKからヘッドを放つがクロスバーを越えてしまった。

試合はそのまま進み上海リードのまま前半が終わろうとしていたがロスタイムに入った46分、 Nick Carleのパスを受けた FW Cazarine こと Bruno Constantiono が左足で放ったシュートは上海 GK邱盛炯 を破り試合を振り出しに戻した。
この試合もシドニーでのホームゲーム同様失点後 Sydney FC が何度もチャンスを掴んだがなかなかゴールに結び付けられなかった。そして鹿島戦で何度もシュートを外した FW Cazarine がようやく決めた貴重な同点ゴールだった。

  

しかし次に得点が入ったのはホームの上海申花。 52分サイドからのクロスボールをクリアーしようとした MF Scott Jamieson のクリアーが何と自軍ゴールに入ってしまった。 今大会 Sydney FC サポーター達にとって最悪の瞬間だった。

だがその7分後 Sydney は同点に追い付く。 Mark Bridge のヘディングの浮球パスを胸でワントラップした Cazarine がそのまま上海ゴールに再び蹴り込み再び同点とした。
最初の同点ゴールは前半終了直前。そして2回目は自殺点でリードを許した直後の同点ゴール。 単なる連続同点ゴールではなく効果的な時間の試合の流れを失わない貴重な Cazerine の連続ゴールだった。

この日の公式入場者数 10,215 人のうち殆どが地元サポーターと考えられる観衆の後押しを受けて勝点3を狙う上海申花は DF戴琳 が強烈なショットを放つがゴールポストを大きく外れる。 
そしてロスタイムに入る直前にも Riascos が3度連続でPA内に攻め込むが昨シーズン中国超級得点王が放ったシュートは全てゴールに結びつかなかった。

そして92分、PAのすぐ外から放った Mark Bridge の素晴らしいボレーシュートが上海ゴールに突き刺さりこの試合というよりもこのACLで初めてリードを奪い、ホーム3連戦で上げられなかった勝利をアウェーの地で上げた。
2007年、2009年に次いでの ACL 出場だった上海申花だが、今回もグループリーグ突破は難しくなった。

Match Detail:
Shanghai Shenhua FC: 2 (JIAJUN 18', JAMIESON 52' OG)
Sydney FC: 3 (CAZARINE 45+2', 60', BRIDGE 90+3')
Shanghai Shenhua FC line-up: 22. QIU Shengjiong (gk), 2. XIONG Fei, 3. XIN Feng, 5. DAI Lin (c), 8. RIASCOS Barahona Duvier Orlando, 9. Luis SALMERON (28. QI Feng 80'), 10. JIANG Kun, 16. WEN Huyi, 18. Jiang JIAJUN (4. Lin WANG 63'), 20. WU Xi (28. Yundung CAO 80'), 21. Perez CASTRO.
Substitutes Not Used: 1. Dalei WANG (gk), 24. Yang WANG, 29. QIU Tianyi, 36. ZHENG Wei.

上海申花:22-邱盛炯;2-熊飞、3-忻峰、5-戴琳、16-文虎一;20-吴曦(28-曹赟定 79分钟)、10-姜坤、21-卡斯特罗、18-姜嘉俊(4-王林 62分钟);8-里亚斯科斯、9-萨梅隆(7-冯仁亮 79分钟)
Yellow Cards: 16. WEN Huyi 10', 9. Luis SALMERON 38'.
Red Cards: Nil.
Goals: 18. Jiang JIAJUN 8', 21. Scott JAMIESON 52' OG.



Sydney FC line-up: 1. Liam REDDY (gk), 5. Andrew DURANTE, 6. Hirofumi MORIYASU (23. Rhyan GRANT 61'), 8. Stuart MUSIALIK, 9. Bruno CAZARINE, 10. Nick CARLE (24. Dimitri PETRATOS 75'), 12. Shannon COLE (11. Kofi DANNING 89'), 15. Terry MCFLYNN (c), 17. Matthew JURMAN, 19. Mark BRIDGE, 21. Scott JAMIESON.
Substitutes Not Used: 2. Sebastian RYALL, 7. Brendan GAN, 20. Ivan NECEVSKI (gk), 26. Joel CHIANESE.
Yellow Cards: 5. Andrew DURANTE 18', 10. Nick CARLE 26' , 15. Terry MCFLYNN 77'.
Red Cards: Nil.
Goals: 9. Bruno CAZARINE 45+1', 59', 19. Mark BRIDGE 90+3'.
Referee: SUBKHIDDIN MOHD SALLEH (MALAYSIA)
Crowd: 10 215 at Hongkou Stadium, Shanghai, China.

“この試合の勝利とパファーマンスに我々はみなハッピーだ。2度もリードを許しながら同点に追いつくと言う素晴らしい展開だった。 こういうパフォーマンスを見せられたチームを誇りに思う。上海は大変素晴らしいチームだった。我々は彼らが2度もリードを奪うのを見せられたが、我々もハードに戦った。後半に見せたパフォーマンスこそ私達のパフォーマンスだ。上海のDFを3度も破った。我々はみな全てハッピーだ。我々はまだ行き残っている。” Lavicka 監督は試合後興奮気味に語った。

この試合の勝利の要因は何と言っても決定力。前節の鹿島戦、その前の上海戦では決定力不足から2試合1得点1勝点に終わったがこの試合では散々シュートを外し続けた Cazarie が連続ゴールを決めた。
また Carle, McFlynn らが復帰したのも大きい。 更に DF Stephan Keller, FW David Williams が戻ってくれば次の水原戦でも勝点が見えてくる。 

これで5月10日が楽しみになって来た。しかしその前に水原戦で勝点を上げないとなぁ….しかし早く国立で森安が観たいなぁ…

カンタス航空は直行便をいつ再開するのだろう?
4年前の ACL でさいたまスタジアムで知り合った Sydney FC サポーターの旧友達が全てにおいて5月10日来日できる環境が整っている事を祈る….

Sydney FC 4年振りの J との対戦は.... Sydney FC 0-3 鹿島 13.04.2011

2011-04-17 | Football Asia
Antlers will be sharper, warns Carle

Sydney FC のMarquee Player Nicky Carle はチームメイトに次に対戦する鹿島アントラーズはこれまで ACL で対戦したどの相手よりも上を云っていると警告した。これまで韓国の水原、中国の上海申花と対戦し勝点2を上げている Sydney FC は次の対戦は J-League で7度も王者に輝いた鹿島アントラーズだ。
水曜日(4月6日)に対戦した試合よりもずっと難しいものになるだろう ‐ 勿論上海を見降している訳ではないが – 鹿島は違ったレベルのチームと信じている。彼らを良いチームと表現する事は控えめな表現だ。我々は結果を残す為には最高のプレーをせねばならない。今我々が必要な勝点3を得る為に本当に全てを掛けねばならない。
しかし云った通り韓国のクラブチーム(水原)との試合で見せた様に我々はアジアの列強とも渡り合えると思う。彼らは早くて強かった。鹿島も同じだと思う。恐らく少し上を行っているかもしれない。我々は彼らを尊敬するだろうが、我々が成し得た事により自信も得ている。 
ACL の2試合を見るととても我々は不名誉な戦いをしたとは言えないがその一方でボール支配率が 67% にも達したのに、得点に結びつける能力の低さが勝点1しか自分達とファンにもたらせなかった。
私達は本当にがっかりしている。もし2試合を消化して勝点4を上げられていれば大変良いスタートだったと言えよう。そして私は少なくともそれくらいはやっておくべきだったと思った。
Carle は実戦練習の欠如を感じていた。日本での震災の後試合日程が変更され1か月も試合があいたので最後の30分は脚が止まってしまったのだ。

“初戦の水原戦では我々はスバライしパファーマンスを披露し結果を捻り出す事が出来た。しかし第二戦の上海戦は我々は90分間戦い抜いたとは思わない。後半は少し苦戦を強いられた。しかし言わせてもらえれば我々は4週間も試合から遠ざかっていたので実戦練習が出来ていなかった事を露呈してしまった。 翌週の鹿島戦はホームでしっかりと準備せねばならない。それはただ重要な試合だ。必ず勝点3を得なければならない。しかし同時に韓国や中国チームを相手に得た結果から大きな自信も持っている。”

4年振りにようやくACLに登場した Sydney FC 。当時浦和REDSとの激闘からオーストラリアのサッカーファン達に J-League とACL の存在を植え付けた。
昨シーズンは上位6位以内にも入れず Final Series に進出出来なかった。A-League が8月下旬から9月に開幕し3月初旬から中旬に終わるのでどうしても“最強”のチームが ACL に出場出来ない。今年で言えば Grand Final で優勝した Brisbane Roar そして Finalist だった Central Coast Mariners が ACL に出場出来るのは1年以上も経ってからだ。
例えば昨年の Grand Final でプレーした Sydney FC の選手の中で4月6日の ACL 上海申花戦に出場及びベンチ入りした選手は DF Ryall Sebastian, Stephan Keller , MF Stuart Musialik , Mark Bridge, Shanon Cole だけで水原戦で退場、出場停止となった Terry McFlynn を入れても6人だけだ。
そんな中昨シーズン、2006-07 シーズン MVP にあたる Johnny Warren Medal を受賞した Nicholas Carle の加入は大いに期待された。しかし故障もあり出場試合は17に限られ上げたゴールも3得点に終わった。 
前回のワールドカップ予選では2009年6月の日本戦で久々に代表に復帰し、ワールドカップ最終メンバー入りも期待されていたがワントップをこなせないという理由で当時のVerbeek 監督の構想から外れ最後の最後で Scott McDonald と共にメンバー落ちした。それだけにワールドカップ後に Sydney FC に加入し臨んだ昨シーズンの A-League は期するものがあっただろう。
今年の ACL では前節上海申花戦では貴重な同点ゴールを決めた。 
しかし次の鹿島戦はふくらはぎを痛めてしまい出場出来なくなってしまった。その上 MF Terence McFlynn が出場停止。ベストメンバーで120%の力を出してようやく鹿島となんとか…と思わわたので本当に苦戦は免れない事は試合前に解っていた…



Draw rocks Sydney's Asian hopes

Sydney FC 1 上海申花 1

SYDNEY FC の Viteszlav Lavicka 監督は上海申花戦を引き分けた後正念場を迎える事を認めた。ホームゲームの2連戦を終えて勝ち点2を上げた Sky Blues こと Sydney FC の Lavicka 監督は最低でも1勝。あわよくば2連勝で鹿島戦に臨みたかった。
勝点2は鹿島アントラーズと並んで2位だか首位を行く水原とは勝点3差をつけられている。
勇敢な上海のメンバーに対して圧倒的に優勢に試合を進めながら Sydney はこの試合最も必要だった方法を見つけられず Lavicka のいらいらだけが残った。
“我々はチャンスを創ったが勝点1以上をこの試合で期待した。 立ち上がりはよくなかった相手は最初のシュートを得点に結びつけたそして幸運にもはやばやと同点に追い付いた。我々はゲームの殆どを支配したが攻撃に充分な能力がなかった。
ホームゲーム2試合で勝点2は現時点では不充分だ。しかしまだ試合は続いている。全ての試合で我々は勝点を稼げるチャンスがある。 今まさに素早く気を取り直して次の試合に集中せねばならない。 

Lavicka 監督は後半得点出来なかった事にがっかりさせられたしかし上海のフォーメーションとカウンターも認めいていた。上海は常に虚を突かれる事を案じていた。
上海の Xi Zhikang 監督は Sydney は試合が進むにつれて同点で終わる事を感じた事から前半の方が良かったと感じた。
“試合前半の彼らは大変良かったが後半は恐らくフィジカル戦となった事からミスが多かった。多分かれらは大変良いチュームであると思うが我々も次の試合が楽しみである。”
圧倒的に押しながら1-1 の引分けにい終わった上海戦。 試合前に最も“地元” Sydney FC が懸念したのはピッチコンディション。南半球のオーストラリアはこの時期 Rugby Union, Rugby League がシーズン真っ最中。 ピッチに窪みが出来ている上に上海戦の前には芝が短く刈り取られた。

Sydney と上海の両監督は共に試合前日の4月5日に短く刈り取られたピッチコンディションが試合に影響しないとの表明に腐心していたが Sydney の Vitezslav Lavicka 監督は自分の好むプレースタイルである早くて創造的なサッカーに影響するの必至との発言が。
“我々は前にピッチを見てそしてピッチはよくなったと言う事には同意するが我々はみなこの時期はラグビーのシーズンであり簡単には従事できない事は知っている。しかしピッチコンディションを含めた全てが両チームには同じ条件である。” と語った。

上海申花の Xi Zhikang 監督は “ Sydney FC はパスサッカーを好む。恐らくこのピッチでは彼らのプレーを難しくするだろうがピッチコンディションは両チームに同じ条件だ。 我々はこの条件に類似した Macquarie University のグランドを借りて試合に備えた。 だから問題は無い。 ピッチは上海のそれよりも良いとは言えないがそれが試合を左右するとは思えない。なぜなら両チームとも同じピッチで試合をするからだ。“

“ちょっと異常な状況だ。なぜなら我々は5週間も公式戦を行っていない。しかし試合間は効果的に過ごす事が出来た。全ての主力選手達はコンディション調整に苦心しているが次の試合に備えて何試合かの練習試合も行った。”
実際にピッチコンディションよりもLavicka 監督が懸念するのは地震によって強いられた変則日程の事だろう…..
ピッチコンディションの事は恐らく混乱の関東地方を避けて水原から直接シドニー入りした鹿島にとっては充分に調整時間もあり問題は無かったと思う。 

4月13日。 Sydney Football Stadium に鹿島を迎えて行われたACLの第三節。Sydney FC のスタメンは1週間前の上海申花戦から脚を痛めたエースの Nick Carle を含め4人の選手を入れ替えた。私の注目は日本人MF森安洋文。昨シーズンは28試合に出場しこのACLでも 3試合連続スタメン出場となった。
Sydney FC のキックオフで始まった試合は立ち上がりからホームの Sydney が押す展開。5分には 2008年のFIFA Club World Cup で Adelaide United の一員として来日実績もあるJamieson Scott の FK にブラジル人 FW Cazarine こと Bruno Constantino が岩政に競り合いながらヘッドを放つが惜しくもゴールを外す。外側には Jurman Matthew が走り込んで来ていた。Cazarine はその直後にもヘッドを放った。 7分には Dimitrios からボールを受けた森安がゴール前に迫る。 開始からやや押され気味の鹿島は16分に真ん中から小笠原がドリブルシュートを放つ。前日の地元紙には小笠原の身内が被災家族であったと言う特集記事があった。



試合を支配したと言っては大げさだがホームの Sydney の方が鹿島よりもシュートシーンを多く演じた様に思われた。 トップの Cazarine をめがけてボールを放り込むというシンプルな方策が効果的だった。35分にも Cazarine はCKからヘッドを放つなど何度もマークに着いていた岩政に競り勝っていた。岩政は日本代表CBなんだけど….
Cazarine だけでなく、Jamieson そしてこの試合では Socceroos 経験もある Shannon Cole の動きも悪くなかった。 
しかし先制ゴールは鹿島だった。ロスタイムに入りカウンター攻撃に転じ中央の野沢から左サイドに回った興梠に送られると興梠は中にドリブルで切れ込み中に入れると走り込んだフェリペ・ガブリエルが至近距離からシュートを放つと一旦は GK Rhys Reddy がブロックするがこぼれ球を最初にパスを出した野沢が走り込んで押し込み先制ゴールを上げた。 
Sydney FC としてはあと少し守り切って前半を終えた方だろう…



鹿島のキックオフで始まった後半。 Sydney が何とか早い時間に同点を…と思うも開始早々の51分に鹿島が追加点を上げる。興梠が右サイドを上がった新井場に送り入れられたクロスにフェリペが頭で合わせて Sydney ゴールネットを揺らした。 この時興梠が中に切れ込み相手DFを引きつける動きをしていた。 GK Reddy も自軍のDF陣に何故フェリペをフリーにしたと指摘していた….. こういう動きが出来るのが J-League のレベルだ….
2点差をつけられたが Sydney FCは何とか1点を返そうと必死の攻勢に出る。鹿島が2点差をつけてやや守備的になった事もあるだろうが…
54分58秒、Jamieson のクロスに Rhyan Bert Grant がヘッドを放つが惜しくも外れる。49分20秒には Cole のクロスにまたも Cazarine が岩政に競り勝ちヘッドを放つがこれも僅かにゴール枠を捉えられない。 68分には今度はカウンター攻撃から最後は Grant から56分に投入されたガーナにルーツを持つ ( 国籍はオーストラリア ) Duke Kofi Appiah Daning がシュートに持ち込むが最後は小笠原が戻ってカバー。 74分、左サイドでミスパスを拾った Jamieson が上げたクロスにまたまた Cazarine がヘッドで合わせるがクロスバーを越える。77分にはスイス人 DF Jurman Matthew がドリブルシュートを放つ。 次第に Cazarine のヘッド1本からボールを繋いだり、中盤をドリブルで上がったりのシーンが目立つ様になって来た。  
スタジアムには COVE から地元サポーター達の聞き慣れた応援歌がこだまする。何とか1点を返せば…最低でも勝点1を上げれば…と思われただろう。
80分森安がベンチに下がり Joel Joseph Chianese が投入される。森安は攻守になかなか良い動き、プレーを見せていた様に思う。70分には小笠原のマークを掻い潜り岩政にコーナーに逃れられたが素晴らしいクロスを上げるシーンも見せた。かつて清水ユースに所属した唯一 A-League でプレーする森安。5月10日も是非凱旋帰国を果たし国立競技場のピッチに立って貰いたい。
鹿島は70分に FW カルロンを下げて日本代表、五輪代表メンバーだった本山を投入する。シドニー五輪メンバーだった本山はあと1試合、 Adelaide でアメリカに勝てばシドニーに辿り着けるところだった。それを思い出したか…. これで鹿島は興梠の1トップになり2列目に野沢、本山、フェリペが並んだ。 それでも J-League 屈指のMF陣に対して鹿島の若いMF 達は引けを取らなかった。



しかし終了間際、鹿島がまさにダメ押しの3点目を挙げる。 右サイド、何度も効果的な上がりを見せていた新井場が中央に出た野沢に送り絶妙のスルーパスを送るとフリーで抜け出た興梠が Sydney ゴールに押し込んだ。
主導権は握られても失点は許さず一瞬のチャンスから得点に結びつける、まさに鹿島の強さを見せつけた試合だった。

“我々にとってはいい経験だった。 A-League にはいくつも好チームがあるが国際試合レベルになると違ったレベルとなる。 我々は今夜それを見た。 試合後 Lavicka 監督はこう語った。またゲーム主将を務めた Stuart Musialik は ”鹿島は我々にかけるプレスが鋭かった。それは他の対戦チームには出来なかった事だった。彼らは大変良く動き危険地域では大変良かった。我々はそれに対応出来なかった。“ 試合後こう漏らした。
しかしまだ白旗を上げたわけでは無かった。
我々はホーム3連戦で勝点2しか上げられなかった。しかしまだあきらめる状況ではないだろう。 我々はアウェーでも勝点を上げようと努力する。特に次の中国(上海戦)で。“

4月19日の上海申花戦からアウェー3連戦に臨む Sydney FC であるが鹿島戦は主力選手が4人抜けていた。次節は Carle , McFlynn らが合流する見通し。鹿島戦でも主力に抜きで主導権を握る時間帯が短くは無かった。次の上海申花とのアウェー戦に勝てばまだまだチャンスは出てくると思う。

3試合を終えて鹿島は勝点5とし水原に次いで2位に着けている。そしてこれから”ホーム3連戦“に臨む。
水原、上海を連破して欲しい。そうすれば Sydney にチャンスが生まれる。 そして最終節、5月10日の国立競技場での Sydney FC との試合が”消化試合“でなくなる。

それにしても Sydney Football Stadium の試合は観衆が 7,320 人とはちょっと淋しかったなぁ……




Asian Cup それから Socceroos の世代交代は 2

2011-02-13 | Football Asia
Australia now caught between a green generation and a golden generation as they start preparing for future 

それは恐らくLucas Neil が希望的に宣言していた様にオーストラリアにとって大きな大会で優勝する最高のチャンスだっただろう。おそらく今年3月で33歳になる Neilそして恐らく他の10年以上に渡って予選突破を目指しそして昨日の朝ついに最高のレベルの栄誉を勝た取った30歳代のヴェテランオーストラリア代表選手達にとってカタールの砂漠の中に時間が消えて行く事は容易に結論付けられただろう。
勿論代表チームの総入れ替えは無いだろう。確かに2カ月内に行われるドイツとの親善試合を前に主力選手達、Neill, Harry Kewell (32歳), Tim Cahill (31歳), Mark Schwarzer (38歳), Brett Emerton ( 2月で32歳), Jason Culina (30歳)らは2014年のワールドカップに出場する事を宣言している。もしオーストラリアが出来るのであれば。

Sasa Ognenovski は代表入りを果たしたばかりだが彼も既に31歳だ。長年 CB としてプレーしているが残された年月は長くはない。彼らはこれまで Socceroos に大きく貢献して来た質の高い選手だ。しかし倫理的に、常識的にそして経験から何人かは路傍に追いやられ何人かは怪我や願望やパフォーマンスの低下を通じて代表を離れて行く。オーストラリアの将来はどうなのだろう、何人の若手選手が本当に期待が持てるのだろうか。

確かに Melbourne Victory のRobbie Kruse は名も無いところからやって来たそしてまさに充分に貢献できる事を充分にほのめかす事が出来る事を見せた。6-0 で勝利したウズベキスタン戦では1ゴールを決めもう一つの準備されたチャンスをミスした。しかしそれは彼の能力を反映した真実では無かった。しかし日本戦の延長戦の名場面。Harry Kewell と交替で投入された22歳の彼はほぼ試合を決定づけようとするヘッドを放ったがEiji Kawashima の指先で弾き出したファインセーブに防がれた。多くが彼の次のステップに注目するだろう。

Carl Valeri と Mile Jedinak は26歳になり誕生日も数日しか違わない。彼らは 1-1で引き分けた韓国戦の後半から膝の怪我で帰国を余儀なくされた Culina の離脱によってボランチのコンビを組むようになった。そして Jedinak は同様にここで国際試合レベルでも得点を上げられる能力を疑いなく示す事が出来た。この2人は中盤で強固なコンビネーションを築いていた。

例え Holger Osiek 監督が Han Berger テクニカルコーチが “ matchwinner “ と呼ぶ有能な選手を欲しているが、そこには Olyroos や U-20 の中にも期待される選手が現れるだろう。 25歳の Neil Kilkenny は安定したMFだがそれ以上を語るのは難しい。今大会も途中出場が目立ったがそれは試合の終盤になってからでポジションを探しえたとは言い難い。しかし彼が90分間プレーするまでそれはジャッジ出来ない。 もし万が一彼の所属する Leeds United が Premier League に昇格すればもっと印象付けられる機会が増えるだろう。

AEK Athens 所属のNathan Burns はこのレベルでやっていけるかどうかを決められるほどの出場時間は無かった。 彼もまた今年後半から始まるワールドカップ予選に向け見てみる価値がある選手だ。 Matt Spiranovic は一般的にいえば恐らくNeil の後継者として長い間CBのポジションを担える最も才能のある選手だが怪我が多く肝心な時にアピールできなかった。
今回はコンディションも整ったが Neil と Ognenovski のCBが非常に良くプレーする時間が与えられなかった。

19歳の FC Utrecht 所属のウィング選手 Tommy Oar は大会直前 Hull City の Richard Garcia の離脱によって召集された。今大会は出場時間が無かったが Ben Katarovski, Matther Leckie と並んでまさに若手選手の中での筆頭である。




The boys for Brazil 
3年後 Brazil 2014 まで残る選手と難しい選手は下記の通りと予想される。

MARK SCHWARZER: 38歳の Fulham の第1GKは僅か2失点を許しただけだった。召集されたらいつでもやれることを確信させられた。しかし次のワールドカップ時には41歳になっている彼が今と同じフォームでプレーできると言う保証はない。

BRAD JONES: 長年 Schwarzer のバックアップメンバーに甘んじて来た。彼も28歳であるが実戦でプレーする時間が必要だ。

NATHAN COE: 人々に名前を覚えて貰い機会を得た。 26歳の彼はまだ充分に時間がある。 LUKE WILKSHIRE: 例え韓国戦で負った鼠蹊部の怪我がハンディとなったが彼の信頼は大会を通じて安定していた。まだあと2~3年チームの礎となるだろう。

LUCAS NEILL: 彼にとってフィールドの上でも外でも素晴らしい大会だっただろう3月で33歳になる。ブラジル大会の前に時間が無くなるであろう。

SASA OGNENOVSKI: 遅咲きではあったがとうとう Asian Cup に選ばれ素晴らしい大会となった。しかし4月で32歳になり時間も無くなっている様だ。

DAVID CARNEY: 決勝戦の延長戦終了11分前までは素晴らしい大会だった。彼はこのレベルでも左サイドバックのポジションを無難にもなしていた。視界の良い将来が控えているだろう。 

JON McKAIN: 出場時間無。将来を占うほど充分なプレー時間が無い。
JADE NORTH: 投入されれば良いプレーをする。メンバー入りがせいぜいか。




JASON CULINA: 韓国戦で負傷。そして帰国。まだ任務はあるが Jedinak と Valeri の台頭により今や先発出場は保証されなくなった。
MILE JEDINAK: 素晴らしい大会だった。重要なゴールを決め国際選手としての地位を固めた。
BRETT EMERTON: 出場停止によりポジションを失いそのままだった。まだプレーする任務はあるがもうすぐ32歳になる。
TOMMY OAR: まだ19歳。将来を担う1人。決してベンチから外れない様に。
NEIL KILKENNY: 25歳の Leeds United の MF はベンチから何度も出て来た時にはなかなか良く見えた。次のワールドカップ予選には選ばれるだろう。
MATT McKAY: 今大会オーストラリアでブレークした選手。 Emertonをスタメンから追い出し続けた。 Brisbane のMF は劇的に自分のステータスを高めた。A-Leaguenに残るのか?
CARL VALERI: ポジションを奪い返しそして守り続けた。Jedinak とのコンビも良かった。
HARRY KEWELL: 何年にも渡る不振をふるい落とし今大会を通じて決勝戦でいくつかのチャンスをミスしたがオーストラリアのベストプレーヤーに近づいた
BRETT HOLMAN: Football もっとハードな選手がいるのか? 精力的に動き回り大会中ずっと大きくチームに貢献した。多機能な選手だった。
TIM CAHILL: 怪我と戦い続け前線に張り Kewell と素晴らしいコンビネーションを組んだ。
SCOTT McDONALD: 試合では多くを見なかった。ゴールを上げずインパクトを与えられなかった。 NATHAN BURNS:  多くを見られなかった選手の1人。しかし将来が嘱望される。
ROBBIE KRUSE: 大会で限られた出場時間で大きな存在を示した選手の1人。欧州に動くだろう。将来は明るい。

 

Osieck to peruse the young Roos

Osieck監督は3月22日から25日ドイツに若手主体のチームをで遠征し Budesliga のリザーブチームとの試合を予定していると発表した。 このメンバーには名の通った選手も選ばれるが U-23, U-20 世代が中心に組まれると Han Berger コーチは語った。 勿論まだメンバーは発表されていないがかつてBrisbane Roar でプレーし今はルーマニアでプレーするSpase Dilevski, トルコKayserispor に所属するJames Troisi、AZ Alkmaar のJames Holland Bundesliga でプレーする Nikita Rukavytsya ,Dario Vidosic, Aston Villa のChris Herd, Shane Lowry, Scottish Premier の St.Mirren 所属の Aaron Mooy そしてMiddlesbrough の Rhys Williams らにチャンスが巡って来そうだ。

”我々はベテラン選手と若手選手をバランスよく選出する事が出来た。そして若い選手達には本当に驚かされた。 確かに選手は出場出来なければ失望するがだれもが非常に献身的にサポート役に回った。みな一緒になって闘った。選手達は本当にハードに役目をこなしお互いを励まし続けた。これは大変に重要な事だ。
選手を選ぶメリットがあるが、将来をみすえ土台づくりをする必要もあるが、どれだけの間将来を見据え土台づくりを続けねばならないのか? 各試合毎に決めて行かねばならない。もし若い選手を連れて来てべテラン選手達とともにプレーする機会を与えれば同世代の選手達とプレーするよりもずっと効果は上がる。
ベテラン選手達だけで試合に臨んでも効果は上がらない。”

103分、疲れの見えたエース Harry Kewell がベンチに下がり Melbourne Victory の若いFW Robbie Kruse が投入された。その直後 Kruse がヘッドを放つがGK川島が弾き出した…この選手交替は世代交代の縮図….と見るのは時期諫早か…
1990年代中頃かつて Liverpool でスター選手だったテレビ解説者 Alan Hanse はDavid Beckham, Paul Scholes, Ryan Giggs, Nicky Butt and the Neville ら若い選手で構成された Manchester United が開幕戦で Aston Villa に敗れるのを見て “子供だけでは勝てない。”と解説した。
しかしその後の Manchester United の躍進を改めて記述必要はないだろう。多くのオーストラリアの解説者達はワールドカップでの敗退を見て次のワールドカップに向けて早急に Socceroos の若返りを急がせ Asian Cup も若手の経験の場とすべしとの声が高かったが Osieck 監督とオーストラリア協会は正しい判断を降した。
Asian Cup を重要な大会と位置付けベストメンバーを構成した。  30歳代の中心メンバーに加えてNeil Kilkenny, Nathan Burns, Robbie Kruse, Tommy Oar and Matthew Spiranovic ら若手選手も加えた。

  


前任の Pim Verbeek 氏と異なり Osieck 監督にはまだ少し時間の余裕がある。
次のワールドカップ予選ではどういうメンバー構成になるのだろうか…

Osieck 監督にとっては前任者から先送りされた(棚上げされた??)世代交代の課題があるが新戦力を発掘できた大会でもあった。だが前任の Verbeek は時間が無かった。 Osieck 監督は時間がある分若手選手も見極めて行くだろう。
だが日本も手放しでは喜べない。DFライン、特にCBのバックアップメンバーを探すのは急務。そして両サイドバックも。 それからボランチ。
阿部を招集しないのか?? オーストラリア A-League の若い選手達よ J-League も視野に入れろよ。日本とは時差がほとんどないから代表に召集されても良いパフォーマンスは披露できるぞ…..