Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

エリクソン監督、スウェーデンに頼み事は?

2006-05-31 | FIFA World Cup
5月30日、 England 代表は Old Tradfford でハンガリーと対戦。 3-1 と結果を残した。England でのHungary と言えば1953年自国では当時無敗だった England が マジックマジャールこと、ハンガリー代表に 3-6 と粉砕され、続くハンガリーの首都ブダペストで行なわれた試合では 7-1 と England は返り討ちにあった。そしてその England 代表の右サイドバックを務めたのがアルフ=ラムゼー氏、13年後に England 代表を率いてワールドカップ優勝に導いた監督だ。60年代のある時期まで England では代表選手の選出は協会、FAが行なっていた。ラムゼー氏は自分で代表選手の選出が出来る最初の England 代表監督であった。そしてラムゼー氏は現役時代は Tottenham に所属し、2部だった Supurs を1部に昇格させる一端を担い1950-51のシーズンにはリーグ優勝も果たしている。しかし、彼の功績に対して誰も口出しは出来ず、1973年のワールドカップ予選では Poland の前に屈し、欧州地区予選落ちの憂き目にあった。そして4年後、代表を引き継いだドン=レヴィもどうすることが出来ずに連続大陸予選落ちという暗黒の時代に入っていった。30日のハンガリー戦を前に上記の事を述壊するベテランサポーターもいたと思う。 この試合、26日のベラルーシ戦と異なり、まずAマッチと認定され代表のレギュラークラスがスタメンに名を連ねる。エリクソン監督の収穫はなんと言ってもジェラードであろう。ルーニーの起用の目処が不透明な今、3種類の攻撃布陣が考えられる。

A 案
      クラウチ     オーウェン

J.コール   ジェラード   ランパード  ベッカム


B 案
            オーウェン
    ジェラード
 
J.コール   キャリック   ランパード  ベッカム

C 案
    J コール  オーウェン  クラウチ

ランパード    ジェラード       ベッカム

A案は先般のベラルーシ戦で2トップのみだが試された。 そしてこのハンガリー戦はB案、ジェラードの攻撃力を生かすと言う戦術だ。前半、ジェラードは無視できない選手と言う印象を与える動きを披露、そしてペナルティーエリア内で倒されPKを引き出す。それをランパードが外す。戦後 England はPKを20試合で21回失敗している。2004年の欧州選手権のフランス戦でベッカムが、1992年ブラジルとのAマッチでリネカーが。ランパードもその仲間入りを果たしたと TIMES 紙は報道する。しかし後半開始早々、ベッカムのクロスを受けたジェラードが先制ゴールを挙げるがそれからEngland の動きが見違える。50分には John Terry が代表初ゴールを挙げるが、テリーのゴールは所属先のチェルシーでよく演じられたもの。代表初と言うことが意外だ。この2得点を演じたのが主将のデヴィット=ベッカム。ジェラードには右からのクロスを、テリーにはFKから絶妙の配球を。かつての様なスタミナはまだ見せぬが“ここ数年間の国際試合で最高の出来”と TIMES は賞賛する。今回で3度目のワールドカップとなるが、この好調振りが持続できればとイングランドサポーターは祈るだろう。 83分にはJoe Coleの左サイドからのボールを受けたクラウチが右足ワンタッチでかわして3点目。足技も使えることをアピールしたか? だが保守的な?英国紙の評価は辛口だ。ベッカム、ファーディナント、J.テリー、ジェラード、クラウチらが高評価であったが、それは“ハンガリーのソフトなマークを割り引かねばならない。ワールドカップはブラジルを始め他の31カ国のDFはもっとタフだ。”との論調。ベラルーシ戦に次いで先発出場し65分プレーしたオーウェンについては“怪我で離脱後の5ヶ月間では最も Fit していた。しかし、練習場での fitness と試合場での sharpness では異なる。クロスバーに当たるシュートとGK Kiraly にセーブされたのが1本ずつあったが、孤立する時間が長かった”との評価。完全復活はまだ少し先か? また Gary Neville が前半でふくらはぎを痛めてハーグリーブスと交替した。ブンデスリーガ、Bayern Munchen 所属のハーグリーブスはベラルーシ戦に続く出場だったが、55分にはこの日のハンガリー選手の中では最も出来の良かったPaul Dadai に振り切られ 25mのミドルを放ったれ、ロビンソンを破ったがカバーに入ったキャラハーがクリア。それよりもエリクソン監督はこれ以上の怪我人はご免と思っただろう。ネビルの症状をエリクソン監督は自ら“ Slight 軽い “ と試合後コメント。65分にはウォルコットがオーウェンに替わってベラルーシ戦に続いて登場。Aマッチデビューを果たす。評価はベラルーシ戦よりか高かったが日本のマスコミが持てはやすほど地元メディアは甘くはないなぁ。しかしジェラードはエリクソン監督から”うちのセンターフォワードだ“と言われた様な能力を証明した。 ルーニー抜きでも大丈夫か?  
England は6月10日フランクフルトでパラグアイ、15日にニュールンベルグでトリニダードドバゴそして20日にはケルンでスウェーデンと当たる。20日のスウェーデン戦の前に決勝トーナメント進出を決めたい所であろう。エリクソン監督自身がいつから知っていただろう?まだ England は Sweden から親善試合含めても勝利を挙げたことが無い。印象的だったのは8年前の欧州選手権予選。Group 5 はSweden が独走し2試合を残して早々と予選突破を決め、最後の切符を Poland と England が争った。 England はホームでの最終戦をPoland と引き分け、ストックホルムで戦う Sweden VS  Poland の最終戦を待たねばならなかった。Polandは引き分けても本大会進出が決まったが、既に予選突破の決まった Sweden が Poland を 2-0で降し England がPoland を得失点差で上回りようやく本大会出場を決めた。今大会では前回に引き続いてSwedenと同組になった。まさかまたSweden の加護が必要だろうか?その時は監督自ら頼むのかな?
ハンガリー戦のメンバーは下記の通り

               オーウェン ( 65 ウォルコット )   
          ジェラード ( 65 クラウチ)
 
J.コールニング       ランパード        キャラガー   ベッカム 
 
A. コール          テリー( キャンベル)   ファーディナント    ネビル ( 46 ハーグリーブス)

              ロビンソン

ハンガリー: Kiraly 6 — Feher 5, Egar 5 , Komlosi ( sub V.Vanczk 9, 6 ) ,Halmosi 6 — Molnar 5 ( sub K.Vadocz 83 ) Dardai 7, Gera 6 , Toth 6 (sub: Torghell 62, 6 ) –Huszti 6 , Szabics 5 ( sub A Polonkai 73 )

母国イングランド、40年振りの快挙なるか?

2006-05-31 | FIFA World Cup
サッカーの母国 England 。しかし20世紀に入りワールドカップ、欧州選手権が開催されてからの彼らの栄光は 1966年、地元で開催されたワールドカップの優勝のみ。ドイツ(西ドイツ時代を入れると)はワールドカップ優勝3回、準優勝4回。欧州選手権、優勝3回、準優勝2回。イタリアはワールドカップ優勝3回、準優勝2回、欧州選手権優勝、準優勝1回ずつ。それらの実績と比較すると England の実績は物足らないと感じるだろう。しかし、今大会は開催国ドイツよりも優勝の可能性はイタリアと並んで高いとみていた。4月29日、チェルシー戦でルーニーが負傷するまで。地元マスコミは連日ルーニーの怪我の回復具合といつワールドカップに登場するかの予想記事で持ちきりだ。 そして代表と Manchester United との間でルーニーの召集、起用を巡る攻防も。England の40年ぶりのタイトルはルーニー抜きでは不可能なのだろうか?
5月26日、 England は Belarus と Madejski Stadium で代表 B マッチを行なった。ベラルーシ代表の中には先のワールドカップ予選のメンバーは含まれておらず目ぼしい選手はかつて Stoke City で 2003-04 シーズン途中までプレーした Sergei Shaunik くらいだった。 Shaunik が Stoke City を離れた理由は家族の問題で、今は離婚が成立したので、またこの地に戻りたいらしい。 Stoke City を離れてから Potteries, Shtaniuk でプレーし2年連続リーグMVPに輝き、今はウクライナの Metalurg Zaporizhya でプレーする。Stoke City 時代の 2001-02 には警告13、一発退場2回を記録し、翌シーズンは改善されたとはいえ警告10、レッドカード1枚を貰った。2002年2月にレッドカードを受けたがそれがこの Madejski Stadium であった。エリクソン監督は兎に角この事を知っていたか試合結果よりどうか怪我人がこれ以上でない事を祈っていたはずだ。しかし、後半、 David James に替わって投入されたその6分後、Robert Green が負傷でピッチを去る。Green はこれで不運にもワールドカップは絶望的に。試合は 1-2 で England が敗れたが、エリクソン監督としては有る程度の収穫はあっただろう。 まずオーウェンは話題のウォルコットと交代するまでの60分間プレー。“代表合宿でギャラガーからタックルを受けても問題なかった”と試合前に自ら語ったが負傷前の様に動けるかはまだテストが必要であろう。 ソル=キャンベルは先日の Champions League 決勝戦で復帰お披露を終えているがリオ=ファーディナントを脅かす出来では無かった。ただこの3人に就いてはまずピッチ上で動けるのを見れたのが収穫だろう。そしてルーニーの代役?とも言える Liverpool 所属のクラウチはオーバーヘッドシュートを魅せるなど器用な所を披露。しかしこの試合で存在を見せたのはまず、Tottenham 所属のマイケル=キャリック。攻守に渡る中盤での動きは本番でも起用の余地ありだ。そして同じく Tottenham 所属の若い Aaron Lennon 対峙する A.Yervich を翻弄し、本大会ではジョーカーとなり得る事を証明。しかし、この影にはもう一人のオーウェン, Owen Hargreaves が慣れない右サイドバックで彼を押し上げる動きを続けられた事によるところが大きい。このオーウェン=ハーグリーブスはカナダ出身のドイツ系選手でイングランドには住んだ事はないらしい。もう一人の若手の注目選手 Theo Walcott は30分プレーしたがベラルーシDFの頑丈なマークに転倒する場面も。彼ももう少しテストが必要だろう。それから Jermain Defoe 。 今季のTottenham での活躍を見ればメンバーに入れてもと言う気も。この試合もクラウチに変わって12分プレーをしたが、もう一度見てほしぃなぁ。 今大会のメンバーには Tottenham のMF陣から3人が選ばれている。もう一人もと思うのだが。 ベラルーシ戦のメンバーは以下の通り。 


     オーウェン ( 60 ウォルコット )   クラウチ ( 78 クラウチ)
 
ダウニング( 78 ドーソン)  キャリック  ジーナス( 60 J.コール)  レノン 
 
A. コール        キャンベル     キャラガー    O.ハーグリーブス

       D.ジェームス( 46 グリーン 53 カーソン )

ベラルーシ (4-1-3-2): Y Zhevnov 5 (sub: V Khomoutovsky, 46min 5) — S Omelyanchuk 4, D Lentsevich 4, S Shtanyuk 5, A Yurevich 5 (sub: A Shahoika, 60 5) — A Kulchy 4 — V Korytko 6, T Kalachev 5 (sub: A Pankavets, 79), M Romashchenko 6 (sub: N Kashevsky , 74) — V Bulyga 4 (sub: S Kornilenko, 46 5), V Kutuzov 5 (sub: A Kontsevoy, 63 4).

  ワールドカップ England 代表

Goalkeepers: Paul Robinson (Tottenham), David James (Manchester City), Robert Green (Norwich City)
Defenders: Gary Neville (Manchester Utd), Rio Ferdinand (Manchester Utd), John Terry (Chelsea), Ashley Cole (Arsenal), Sol Campbell (Arsenal), Jamie Carragher (Liverpool), Wayne Bridge (Chelsea)
Midfielders: David Beckham (Real Madrid/ESP), Michael Carrick (Tottenham), Frank Lampard (Chelsea), Steven Gerrard (Liverpool), Owen Hargreaves (Bayern Munich/GER), Jermaine Jenas (Tottenham), Stewart Downing (Middlesbrough), Joe Cole (Chelsea), Aaron Lennon (Tottenham)
Forwards: Michael Owen (Newcastle), Peter Crouch (Liverpool), Wayne Rooney (Manchester Utd), Theo Walcott (Arsenal).

そして England は30日、ハンガリーと対戦した。