Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

ノルウェーの森…には行かなかったなぁ…..

2011-05-15 | 欧州カップ戦

スイスから北方向に空路を約3時間、ノルウェーの首都オスロに到着し、ホテルのチェックインしたのは午後9時少し過ぎだった。
空港から Special Express で約30分。中央駅に到着し10年ほど前に初めて当地を訪れてから“定宿”にしているホテルにチェックインした時は午後9時を少し回っていた。 
楽しみにしていた UEFA Champions League の Schalke 04 vs Manchester United をテレビ観戦しようとテレビのスイッチを入れるがここで視聴できる“国外”チャンネルはBBC だけだった。 他の地元チャンネルを回してみてもこの試合のテレビ中継は無かった。 UEFA の WEB SITE で Pay per View をしようかと試してみた。 ここのホテルは客室内でもホテルのワイヤレスが無料で使える。しかもかなりレベルの高いランである。 だけど恐らく放映権の兼ね合いがあるのだろう、地元の公式WEB SITE チャンネルを通じてくれ…との事である。 ワンタイムだけど Register が面倒なので、 UEFA のサイトで経過だけを“見る”事にした…..
あぁ、こんなことなら先にドイツに入った方が良かったなぁ….でも客のアポイントの都合が優先だからなぁ…



結果は visitor の Manchester United が 2-0 で快勝。 内田のいる Schalke は今シーズンの UEFA Champions League ではホームで負けておらず。そして visitor の Manchester United もアウェーで無失点の負け知らず。どちらのジンクスが勝るだろうか… Manchester United は確かに欧州で5本の指に入るくらい屈指の列強。だけど Schalke も準々決勝戦では昨シーズン王者の Internazionale Milano を粉砕している。 ここで勝てば…鹿島の小笠原でないか日本で J-League のチームとの対戦の可能性が…と淡い期待を抱いていたのだけど…

この試合最も評価の高かったのは Shcalke GK Manuel Neuer だった。 Die Kicker では Rooney と並んで出場全選手最高点の1.0 の評価。(ここでは点数が低いほど評価が高い。)Manchester United の Valencia そして先制ゴールの Giggs が 1.5 だった。参考までに内田は 4.5 。 MU のどの選手達より点数は低かったが Schalke では Raul をはじめ攻撃陣が軒並み 5.0 で内田より点数が良かったのは CB の Matip の 4.0 のみ。左SBの Hans Sarpel は 6.0 の評価。それだけ内田がましだったというより Manchester United が Herald Tribute 紙によると“レベルの違うリーグのチーム”と云う表現が適切なのだろう。
Neuer の株は英国紙でも高く評価され、さっそく Sir Alex Ferguson と試合後握手を交わしているシーンや MU のGK van der Sar と抱擁している写真を用いて、“ Ferguson が 40歳になる van der Sar の後継者を発見。”という行が Times, Guardian に見られた。 ドイツ紙にも至近距離からのシュートをハンドボールのGK張りの身体を使ったブロックの写真を用いて彼の健闘をたたえていた。実際に Ferguson 監督は“私が監督業を始めてから対戦相手では最高のGK。”とのコメントを残していいた。
そして英国紙には Rooney を称える記事と彼が10月に移籍騒動を起こした事を今は後悔しているとのコメントも大きく取り上げていた。

Die Kicker には “ 世界はこの Torwart ( G.K. ) に驚きを感じたが今彼には1つの問題が。“との見出しが。
それは来シーズンから新規契約が予想されている Bayern München との契約に高額を突きつけ Manchester United が横どりをするのではと云う事だった。 Neuer 自身はシーズンが終わるまではプレーに集中したいとのコメントを発していた。
4日後、Alianz Arena で行われた Die Bundes Liga の第32節ではその Bayern München と対戦。 München のサポーター達は I ♡ Neuer のプラカードを掲げて彼を“歓待”。 Bayern München は GK 問題で揺れており来シーズン、タイトル奪回に向けて、GKの補強は急務だ。 Neuer を他に取られては….との気持ちの表れだろう。
しかし好ゲームが期待されたが結果は1-4 でBayern München の圧勝。内田もなかなかテレビに映らず、唯一アップで映し出されたのが失点後ゴールからボールを拾い上げるシーンだった…



翌日のChampions League 準決勝戦はレアル対バルサ。 この試合もどうしても観たい試合。 
ホテルのレセプションで“ Satellite Channel ”は映らないのか?前はここのホテルでも見られたけど…てなことを訊ねると。バーに行って訊いて下さい…とも回答。
ホテル内のバーに行ってみるとそこにはスクリーンがあったけど訊いてみると“ここのホテルは Satellite の契約をしていません。”との答え。まぁ予想は出来ていたけど…朝と云うのに既にカウンターでビールをあおっている若者が。彼らも同じ目的を持っていたらしく。
“ It’s pity !! “ と私の問い合わせに同意をしてくれていた……
仕方ないか、でも欧州に来ても見られないなんてなぁ….. 最近は日本でも欧州の試合がライブで楽しめる。でも寄る年波には勝てずなかなか起きていられないんだなぁこれが…21年前、1990年イタリアワールドカップの時はNHKがBSで全試合生中継してくれいたの連日夜更かししてぶっ倒れるまで見続けていた。大会期間中ぶっ倒れたのは1日だけ。そして翌日には回復した。
でも今はもう1日徹夜すれば回復に3日は掛かる….

仕事を終えてお客と食事を楽しみにホテルに帰ったのは9時を少し過ぎたところだった。
するとバーの方が少し騒がしい。 部屋に帰らず直行すると何とこの大一番がテレビ中継されているではないか。
試合は前半30分近くになっていた。朝、カウンターにいた若者達を含めて10人程がスクリーンの前に。
彼らと目が合うと親指を立てて見せた。
この試合は地元テレビ局が中継してくれていた。 周囲の人達と話しながらスクリーンを凝視する。 
今日は Özel がスタメンか、Kaka はベンチスタートか.... AC Milan に戻った方がええんとちゃうか.... てな話をする。
Clasico 4連戦の3試合目となるともう手の内どころか相手の仕草までわかるんじゃないかな...
Real は本当にどん引きだのカウンター狙いだけど、Özil にボールが入っても簡単にとられてしまう。バルサDF、MF陣はÖzil にボールが入るところを狙っている様に見えた。 対照的に Messi がボールを持つと一斉に声があがる。 かつての Maradona を本当に彷彿させる。あの時はがんがん後方からもタックルが入っていたなぁ....
前半を何とか 0-0 で終えると私は部屋に戻りシャワーを浴びベッドにひっくり返ってテレビを点けた。 
Özil は案の定ベンチに下げられた。 そして Adebayor が投入された。Real はとにかく無失点に抑えれば良い。そうすれば次の Nou Camp で得点をすればそれが“2倍”の効果になる。あと45分、更に守備的に無失点を目指すだろう.... と思った。
61分 Real のCB Pepe が右 SB Dani Alves にチャージに入る。 ホイッスルが鳴る。あぁイエローカードが出されるかな... と見ているとドイツ人の Wolfgang Stark 主審はレッドカードを出した。 これには Real イレブンは怒りが収まらない。更に収まらないのは Real の Mourinho 監督。 このレッドカードにタッチラインから抗議をするとStark 主審は何と退席処分に。皮肉の拍手を送りながらベンチ裏に去る Mourihno の姿が映し出される。 後で知ったけどハーフタイムに入った直後に選手同士で小競り合いがあったらしく Real の控えGK Pinto が退場になっていたらしい。
それにしても今シーズンの Clasico では何人の Real の選手が退場になったのだろう.... Mourinho 監督がいやみっちく “バルサとは10人で試合をする設定も考えねばならないが最後まで11人で試合をしたい。” と試合前に語っていたのを思い出した。
実際に試合は見ていないから解らないがReal 側が審判団に注文をつけたがるのも理解できる。 これで Kaka の投入は無くなったと思った。
テレビ画面は最前列で試合を“観戦”する Mourinho 監督がメモを書いてコーチに渡しているシーンを何度も映し出していた。
10人になった Real は必死に Barcelona の攻撃に耐えるが 76分遂に均衡が破れた。そしてゴールを決めたのは Messi の左足だった。そして左から Messi にボールを送ったのは5分前に Pedro に替って投入された Afelly だった。  Messi も凄いが、 5分前に投入した選手に先制ゴールを導かせると言うベンチワークも凄いと思った。 
約10分後の 87分。今度は Messi が個人技を見せる Busquests とのパス交換で対峙した Diarra をかわすと再び追いすがる Diarra, Albiol, Marcelo, そして Sergio Ramos をドリブルで次々に交わし最後は右足を振り抜きファーサイドの左ゴール隅にボールを蹴り込みこの試合と云うよりも決勝進出をほぼ確実にしてしまうゴールを決めた。
戦術もへったくれもない。 1人で何か出来る選手を持つ事が勝利への一番の近道と世界に示すプレーだった。 
このゴールは今シーズン Messi 自身公式戦52得点目。Champions League は 11得点目。あと1ゴールで 2002-03 に当時 Manchester United でプレーしていた Ruud van Nistelooy のシーズン12得点にならぶ。 ( 予選ラウンドは含まない。)
そして伝説となっている Jose Altafini が1962-63 AC Milan 在籍時に記録した の Champions Cup 記録14ゴールに迫る勢いだ。

翌日の英国、ドイツそして イタリア紙では Messi 称賛見出しのオンパレード。
„ IMMER WIDER MESSI !! „ (Bild Letzte Seite ) „ Messi rises above the anarchy in battle of Bernabeu „ ( TIMES ) „ MESSI MATADOR „ ( La Gazetta dello Sport) „ Messi Schießt Barca Richtung Wembley „( Die Kicker ) 。
欧州の主力紙の見出しが MESSI の名前が用いられている事を紹介する記事もあった。
5月1日付けの TIMES 紙は Messi の2ゴール目の“軌跡”をイラスト入りで掲載した。 
そして同紙は4月29日付けの記事で“ ダイブやこすからいファール、ピッチを転げ回る事そして主審を取り囲みカードを要求する事も Pep Guardiola のチームのもう一面。” と表しながらも Xavi が100回もパスのやり取りをしたのに対し Real の選手の中ではMarcelo が22回のパスを出したのが最高でこの回数は9人のバルサの選手達が上回り前半で退いたÖzil に就いてはパスの成功は2度だけ。ボール支配率72% もさることながらボール回しの数字がこれでは....と試合内容を分析していた。

Messi に並んで見出しの主役になっていたのは Jose Mourinho だった。 退席処分になり試合中にはメモを渡して指示を続けたが、試合後またも Clasicos で退場者を出した Real Madrid 。更に試合後 “ Barcelona と Unicef, UEFA との”関係“が Clasicos の結果の背後に潜んでいる。”事をほのめかす発言をしており物議を醸す事に。 その後の処分に就いて既に主審の判定に異論を公言してはばからず処分を受けている ( ただしFAから) Sir Alex Ferguson と同等の処分を受けるのではとの記事が。
しかし4月29日付けの TIMES では彼に同情的な記事も。 Don’t abuse Mourinho, this time he is the victim not a villain
との見出しで過去いかに主審が Barcelona 寄りの判定を降していたかを当時の試合の写真付きで振り返っていた。
それは Pepe の退場のみでなく、2008-09 UEFA Champions League の Semi-Final ではノルウェー人の Tom Henning Ovrebo 主審が Pique と Eto’o のハンドを見逃し Abidal が Drogba のシャツを掴んで引き倒しても PK を与えなかった事。
今シーズンの UEFA Champions League 準々決勝では Arsenal の Van Persie が30分を残して2枚目のイエローカードを受け退場となった事。 昨シーズンの準決勝戦で Inter Milan の Motta の手が Busquets の顔に当たり1発退場になった事。(ただし決勝に進出したのは Inter Milan ) 2005年の Round 16 で Barcelona と対戦した Chelsea は Nou Camp でDrogba が2枚のイエローを受けて退場となったが試合後当時の監督がった Mourinho は “ この判定には驚かなかった。なぜならハーフタイムに Rijkaard 監督と Anders Friske 主審が meeting をしていたからだ “てな発言をして UEFA から2試合出場停止処分となった事。( Friske 主審は昨年のワールドカップで Harry Kewell に疑惑の1発レッドを出した主審。) をそれぞれ振り返っていた…
これはこの時点でほぼ決定的となった Manchester United の Champions League 決勝進出を前にした“牽制”ともとれたなぁ…



ノルウェーはワールドカップは 1994年アメリカ大会、1998年フランス大会に連続出場し EURO2000 では予選を突破し、スペインを破った。ワールドカップアメリカ大会は England を抑えて予選を突破した。
最近は大きな舞台には出て来ていない。 
2002年5月14日。ワールドカップ開幕を約3週間後に控え日本代表はオスロに遠征しノルウェー代表と“調整試合”を行い 0-3 で敗れた。日本代表は1週間前の7日にはマドリードで Real Madrid とクラブ創立100周年記念試合を氷雨の豪雨の中行った為かあまり動きに切れが無かった。そしてノルウェー戦の3日後ワールドカップメンバー23人の発表があった。ノルウェー戦のスタメンの中で久保だけがメンバーから外れた。 ノルウェーの長身選手との競り合いが最終決定に悪影響を与えたかな…と当時思った。
数年後オスロにある有名な日本レストランで当時の試合に出場した選手達のサイン色紙の寄せ書きがあった。その横にはノルディックの日本選手団のサインの寄せ書きが。だけど今そのレストランは売りに出されて経営者が替ったらしい…
ドイツ大会はプレーオフでチェコに破れた。 その試合前日にオスロを商用で立ち寄った。 応援に来ていいた多くのチェコ人達が同じホテルに泊まっていた。そして2004年に日本がチェコと対戦した時の話や同年の EURO2004 での活躍なんかを話した。
プレーオフの為にネドベドが代表に復帰した事をずいぶんみな喜んでいた。 そしてチェコ人が自由に海外に旅行できる事に時代の流れを感じた…….

4月のオスロは思っていたよりも寒くなかった。 スイスやドイツよりかは少し気温が低かったけど。
北欧のオスロからの移動中にじっくりと欧州紙を読み Champions League を堪能しながら次の訪問地に向かった。

それにしても“ノルウェーの森”はどこの森の事なのだろう。そしてこの作品のノルウェー語版はあるのかな……