Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

中国女子は凋落か世代交代か…

2010-11-24 | Football Asia
日中両者は今年5月30日、来年ドイツで開催されるワールドカップ出場権を懸けて中国 Chengdu スポーツセンターで行われた Asian Cup の3位決定戦で対戦しており日本が安藤梢と澤のゴールで中国を破り来年ドイツで開催されるワールドカップ出場を決めた。中国女子は北京五輪の準々決勝でも敗れているのでこのアジア大会準決勝は是非とも勝たかったに違いない。さもなくば日本戦、公式戦しかも地元で3連敗となるからだ。

両チームのスタメンとベンチ入りの選手は下記の通りだった。

中国:GK 13-張越 DF 3-周高萍 4-李丹陽 5-袁帆 6-翁新芝, MF12-王一航 18-屈珊珊 9-馬君
10-李琳 11-古雅莎  FW 17-庬豊月

控え:1-張艶茹 2-劉華娜 7-孫凌 14-孫莉莎 15-于雅慧 8-徐媛 16-張娜

日本:GK 1-山郷望 DF :3-矢野喬子 2-岩清水梓 4-近賀由香里 13-熊谷佐己 MF :18-高瀬愛美
6-阪口夢穗 10-澤穗希 8-宮間綾 7-上尾野辺恵 FW :11-大野忍

控え:5-鮫島彩 9-北本綾子 12-海掘鮎上 14-山口真美 15-長船買奈 16-川澄奈穂美

于雅慧が韓国戦怪我でベンチに下がったせいか周高萍が左SBに入る。袁帆と組むCB は170cm の李丹陥。韓国戦スタメン右SBだった162cm の劉華娜に替って韓国戦CBだった 168cm の翁新芝が右SBスタメン。 FW韓国戦MFだった庬豊月の1トップ。韓国戦MFは総入れ替え、韓国戦FWスタメンの2トップの1人王一航はMFに下がり徐媛はベンチスタート。
孫凌、孫莉莎の韓国戦スタメン組みはベンチスタートで交替出場だった屈珊珊と古雅莎そして170cmの馬君がスタメン。高身長を並べたか?だけど孫凌は 175cm 。張越は 186cm の長身GK。 日本は北朝鮮戦とスタメンを並べた。

中国女子代表は Asian Cup までエースストライカーだった美人選手でアジア大会の前怪我の為に代表入りがならないことが表明されていた韓端他、5人の選手が入れ替わっていた。そしてその試合でスタメンでこのアジア大会もメンバー入りしていた4人の選手、GK張越、DF劉華娜、MF 孫凌、FW徐媛らがベンチスタートとなった。 FW孫凌は Asian Cup 日本戦では30分に怪我でピッチを後にしていただけにこの試合、スタメン出場したくなかったのかな?
今大会のなでしこは Asian Cup の中国戦でもスタメン起用された Budesliga でプレーするFW安藤、MF 永里らは召集されず、山口がベンチスタート。FWに大野、MF 高瀬、上野辺ら控えだった選手がスタメン起用された。北京五輪での中日戦のメンバーと比較してみるとDF 翁新芝がこの試合スタメンの中では唯一スタメン出場した選手で、MF 古雅莎が途中出場、この試合ベンチスタートのGK張越、劉華娜、そして徐媛が五輪では日本戦にスタメンに名を連ねていた。
なでしこのスタメンでは岩清水、矢野、近賀、阪口、宮間、大野そして澤穂希が五輪の中国戦でスタメン出場だった選手達。中国代表の方がそれだけ世代交代中ということだったか?

試合は地元の大観衆の声援に後押しをされた中国女子が優勢に試合を進めたらしい。
最終的なボール支配率日本が45%, 中国 55% 。シュート数中国12 に対し日本が10。今年に入り東アジア選手権、Asian Cup での対戦に比較すると最も厳しい戦いだったともう。 
前半終了終盤には中国の21歳のFW庬豊月にゴールを割られたがオフサイドの判定に救われ、59分には徐媛が王一航に替り投入されトップに入る。延長前半1分には馬君のヘッドがポストを叩いた。
延長前半7分には今大会サイドバックとして良い働きをしていた翁華娜が投入されるが先制したのはなでしこ。延長後半3分に近賀が放ったシュートはGK張越に弾かれたがこぼれ球に詰めた大野忍が中国ゴールに蹴り込み見事に先制ゴールを挙げた。
そして中国ベンチはもう1人左サイドバックの干雅彗を投入して同点を狙うもなでしこは虎の子の1点を守りきり、三度連続、中国の地で中国女子を破った。 

ネットの試合経過を見ていて、先制してからは本当に1分が長く、時間が経つほど更に長く感じられた。しかし勝利が解った時は何とも言えない安堵感に包まれた….. なでしこにまたも敗れた中国女子だったけど、ここ4試合の敗戦では“最も健闘出来た。”との報道が目立った。
 

   

中国女子サッカーは自信を失っていた。次は勝利を求める。 馬君

アジア最強の日本相手に 0-1 と云う敗戦はある程度予想されていたが、この試合で自信をもってプレーした若い中国女子選手達を見ると将来への希望が感じられた。試合終了後佐々木日本女子代表監督は“タフな試合だった。中国はかなり変わった。”とのコメントを残した。
中国女子代表はこの2年間、日本と北朝鮮に勝った事は無く、凋落の一途をたどり選手達は自信を完全に失っていた。若い選手達は自信回復がまず必要とされた。そしてゴールは認められなかったものの21歳の庬豊月は “我々はよく戦う事が出来た。翌年から始まる五輪予選で日本と当たるだろうが自信を持って戦う事が出来るだろう。”と語った。

李霄鹏監督に攻撃的MFにコンバートされ日本戦では惜しくもポストを叩いてしまったヘッドを放った馬君は “これで今年日本戦は3敗となったが、この試合は他の試合よりは内容が良かった。我々はまだ発展途上段階。次回は勝利を収めたい。”と試合後に話した。
3試合連続でスタメン出場を果たした186cmのGK張越は日本の連続攻撃を何度も凌いだ。 彼女は“ この試合は最後まで 200% の力を出し切れた。越秀山に集った数万人のサポーター達に感謝したい。彼らにパワーを貰った。”
中国女子チームの李霄鹏監督はこの準決勝戦のメンバーが今後の中心選手となるだろうと語った。スタメン選手6人が1989年以降生まれの選手だ。 “私が20歳の時は彼女達ほど上手くプレー出来なかった。ここには希望がある。”

       

袁帆:アジア大会があの主審の最後の試合とすべきだ

アジア大会準決勝の日本戦の敗戦を選手達は受け止める事が出来たが韓国人の洪恩娥主審の判定は受け入れがたいものだと語られている。 
中国女子チームは2回連続で同じ主審の疑惑の判定に泣かされた、試合後中国DFの袁帆は“次はベストな主審を。彼女を見るのはこれが最後にしたい。”
中国チームの先制ゴールが認められなかった事に就いて袁帆は怒りを抑えられない。そのシュートシーンを彼女はエリア外から見ていた、洪主審はもっと近くの良く解る位置で見ていたはずだった。 “ボールの位置は明らかにオフサイドではなかった。我々選手は主審の決定には逆らわないが彼女はルールをよく解っていないことも考えられる。” この日主審を務めたのは韓国人の洪恩主審。中国選手達の反則は細かく取ったが袁帆は中国女子はこれまでこの様な仕打ちを受けたのは最初ではないと語った。
“今年の Asian Cup 準決勝戦で中国は日本に敗れたが、日本ゴール前で明らかに手でクリアーされたシーンがあったが彼女は反則を取らずにその結果今の日本がある。この試合でも日本のハンドを見逃す等日本を勝たせようとする意図があった様に思われても仕方が無いジャッジだった。この試合を最後に彼女が起用されない事を望む。”

例えこの試合に敗れ決勝進出はならなかったが袁帆も敗戦の中に自信は得る事が出来たと述べていた。 “この日、我々は良くやれたと思う。自信を持つことが出来ただろう。 勝てはしなかったが翌年の五輪予選は自信を持ってプレーできると思う。”
5月の Asian Cup の日本対中国戦でも洪恩娥氏が主審を務め日本選手の“疑惑のハンド”を見逃されたのが原因で中国はワールドカップ出場を逃したとも言われた。そして再びこのアジア大会でも主審を務めたのが洪恩娥主審。 外交の世界では日本叩きの為には喜んで手を組む韓中両国だけど、それとも歴史問題ではけっこうバトルを繰り広げる両国だしなぁ…. 今年の女子サッカーでは結果的に日本に味方しているのか?いやいやこれは絶対に実力だ。


韓端:私はこのチームが気に入った。将来がある。心の底から李霄鹏監督に拍手を
怪我の為チームに合流できなかった韓端は試合のあった越秀山競技場から数千マイル離れた大連でこの試合をテレビ観戦し、試合後地元スポーツ紙に“選手達は本当に将来性がある。このチュームが好きだ。彼女達は自分の特徴を生かし李霄鹏監督のスタイルでプレーをした。私は本当に李霄鹏監督に拍手を送りたい。”と語った。
120分間の激闘のテレビ観戦を終えた韓端は“今回は本当に辛かった。よく知っている競技場にチームメイト達、本当にとんで行って一緒にプレーをしたかった。”
この試合を終えて最初に出たコメントだった。
”ここ数年の日本との対戦では最も良い内容だった。いつも日本におされているのだがこの日は日本を支配する時間が長かった。主審の誤審が無ければ90分以内で勝負が付いたかもしれなかったのに本当に残念な結果になった。”

韓端はこの試合でチームが3つの点で大きく改善された事を指摘した。
まずポジショニングが良くなった。以前はボールに対して1人、2人と重なっていたがこの試合はみな集散が早く位置取りが早くなっていた。日本を恐れずに選手達はみなプレーしていた。
次に試合中のフォーメーション構築が良かった事を指摘していた。前線から3ラインが敷かれていたが各ラインとの間の距離が適度に保たれていた。特に2列目と3列目の受け渡しが良く、日本の侵入を容易に許さなかった。韓端は屈珊珊、庬豊月ら多くの若い選手達を賞賛した。“彼女達はパニックに陥ることなく若さ独特のエネルギーを見せた。人々は彼女達の将来性を見られただろう。 GK 張越も特に称賛した。彼女のロングキックは攻撃に転じるには必要な武器だ。そして大変落ち着いていた。代表での No.1 GKとなり得るだろう。”

韓端は第3点目としてチームスタイルの確立を指摘した。
この試合で我々は明らかな李霄鵬スタイルを見出すことが出来た。これまで我々は足を地に着け対峙する相手とファイトして来た、そしてその為のトレーニングを続けて来たが我々は充分に強さが無い。この日のチームはまさに規律ある戦術の施行が栄誉ある敗戦の中に見られた。我々は李霄鵬監督のこのスタイルを指示し、全ての試合でこれが続けられれば本当にすぐに進歩するだろう。

   

私も気に入っている中国美人ストライカーの韓端は Asian Cup 終了後、代表から引退するかもと噂されていたし本人もロンドン五輪まで続けるか白紙だと言っていた。今大会の新チームを見てと云うよりも李霄鵬新監督の方策に感銘を受けたようだ。彼女が居ると良無いとはやはり違うのかもしれない。そうなれば私も中国戦が楽しみになるんだけど… しかし3位決定戦では韓国に 0-2 で敗れてしまう。 アジア大会で女子サッカーがメダル無しに終わるのは初めてだ。最近の韓国女子は U-20, U-17 も台頭が目覚ましい。そして1次リーグでは0-0 で引き分けている。だけど世間はまさか韓国に負けると言うよりもメダル無しで終わるとは思わなかっただろう。 今大会、金メダルを量産し続けている中国代表だけどサッカーはそうはいかなかった…… そして一気に李霄鵬新監督の進退問題にまで発展してしまった。だけど日本も来年のワールドカップ、そして2年後のロンドン五輪が終わった後の世代交代はどうなるだろう。 U-17, U-20 を見ているとまだ当分の間安心していられるか…

 

なでしこ達の快進撃に忙しい出張中にかなりの力を授かった。でももっともっと、パワーを貰う事になった……


  

Hamburg に届いた吉報 撫子アウェーで中国を3連破 !!

2010-11-22 | 夏季五輪

11月21日、商用で訪れたドイツの港町ハンブルグ。
いつもお世話になってばかりのGさん宅にまたまたお邪魔する。
商売の話や今の経済、政治、外交の話や当地の邦人事情など話は尽きない。
そしていつも厚かましい私はこの日もおいしい日本式の家庭料理を頂いた。
海外出張で一番有難いのはここで頂く様な家庭料理だ。私は辛口料理以外は比較的何でも食べられる方なので外食やファーストフードが続いても全く苦になら無いが、2週間以上も出張が続くと本当に暖かいごはんや御味噌汁そして卵焼きを出して頂くと涙の出るほど有難く感じる。
10年以上もお付き合いさせて頂いているGさんとは外交の観点も一致している。(と、いうか自分はこれが正しいと思っている。) 

昨年夏からいつも話題に上るのは与党となった民主党政権の外交。
“日本は一気に共産主義国家、いや中国の属国にならねばならない様な気がして来ていて逆に一般市民は国体保持に何が大事かが分かり始めているみたいですよ…しかし今の官房長官は何か中国に弱みを握られているんじゃないですか??女とか金とか…”
“そうかもしれないけど、元々彼奴は ”共産主義推進者“だ。日韓条約の正当性を疑う発言をしたりそうかと思えば村山談話を崇拝したり。早く官房長官を降りて貰わないと。”

てな、話をするのだけど、それがGさんの様に海外在留の邦人の方々は本当に心配でたまらない様だ。ある時オーストラリアのお客さんと電話で商談をしていた時は最後に
“私が帰国するまで日本は残っていますか?北方4島も竹島もそして尖閣諸島も上げて良いって今の政府は思っているんでしょう?...心配ですよ、何で民主党に投票したんですか?”
“いやいや私は昔から民主党の支持などしていないですよ。大丈夫です、領土は我々一般市民が守ります。私が守ります。だから安心して機械を新たに購入してそちらで商売続けてください。….”

でもまだ注文は来ないなぁ…??

中国広州で開催されているアジア大会。Gさんも日本人選手団への不可解な判定やいわれなきブーイングを懸念されている。
選手同士はお互いにスポーツマンシップに乗っ取りフェアーにやっていると思うけど、やや日本不利な判定が行われたことも御存知らしい。金メダル数で韓国に差をつけるのも気になるけど....
 
そんな中サッカーは男女揃って地元観客を静まりかえらせる快挙を成し遂げた吉報が入って来た。女子サッカーの準決勝戦、中国スポーツ紙のサイトで試合の経過を追っていると延長戦に入った 107分日本先制を知った。そしてそのままタイムアップ。激務の続く出張の道中に入った吉報に思わず拳を握った…

何度でも言わせてもらう。2007年中国で行われた 女子のFIFAワールドカップ。
日本選手がボールを持つ度に浴びせられるブーイングに彼女達は耐えながらも1次リーグを突破出来ずに大会を後にした。最後に“観客に向けて”選手達は“ARIGATO謝謝。CHINA “ の横断幕を掲げて一礼したがピッチをさる彼女達に観衆は嘲笑と後ろ指を指し続けた….. そういう報道を日本のマスコミはしない。 

     

だが我々日本人は他国の国旗を燃やさない。そして撫子達は次のステップに向けてただ全力を尽くすだけだった。
北京五輪準々決勝、ワールドカップ予選を懸けたアジア選手権そしてこのアジア大会、いずれも中国で行われた試合で中国女子代表と云うよりも “ブーイングを楽しむ” 下等な中国人観客たちを見事に黙らせて捻じ伏せたのだ。

こういうのを“胸のすくような思い”と云わずして何と言うのだろう !!!!

11月18日 中日戦が決まった……

グループA2位となった中国女子代表は準決勝戦で日本と対戦する事となった。
試合は28分に中国の庬豊月が危険地域から放ったボレーシュートがポストをかすめ、86分には劉華娜のシュートがサイドネットを直撃するなどチャンスはあったが得点に至らず韓国女子代表とのグループリーグ最終戦は0-0 のまま90分間で勝負が付かず、両チームは得失点差、総得点で並び直接対決でも引分けに終わったのでグループ順位を決める為に大会規定により行われた PK 戦は3人目に登場した庬豊月と9人目に蹴った屈珊珊の2人が失敗した中国女子が 7-8 で敗れ、準決勝の対戦相手は日本に決まった。
中国、韓国共にベトナムとヨルダンを降し得点11、失点1で臨んだグループリーグ最終戦は準決勝の対戦相手が日本か北朝鮮かを決める試合となった。中国女子はフォーメーションをいくつか替え、翁新芝と組むCBは袁帆、于雅慧が左サイドバックに、中盤は孫莉莎と張娜が中盤に入り徐媛と組む2トップには王一航が起用された。
試合は開始直後の2分中国が韓国ゴールに迫り右サイドでボールを掴もうとした韓国GK金民烔がファンブルをするがここはキーパーチャージの判定。 6分には韓国の田佳芝が右サイドを上がりロングボールを受け、マークに入った袁帆に倒されるがノーホイッスル。 9分には中国FW徐媛が右サイドを上がり弾道の低いシュートを放つがゴールには至らない。開始15分はお互いに速い動きで相手ゴール前に迫るシーンが続いたが韓国女子の方が危険地帯で人数を掛けて攻め込んでいた。18分から韓国女子はロングボールを多用する様になりボール支配率も60%にもなった。
しかし中国DF陣も組織的に守備を形成し対応した。だが26分に危険地帯で王一航がヘッドをミスし、シュートを許した。その1分後には韓国MF陣に中盤でボールを奪われシュートに持ち込まれたがGK 張越がストップ。28分、今度はスローインから繋いだ中国が最後は攻撃参加した劉華娜がシュートを放つが韓国DFに当たってCKにその左からのCKから劉華娜がエリア外正面から放ったショットはブロックされ、庬豊月がこぼれ球を拾いシュートを撃つが大きく外れた。
韓国チームは時折FKを得るがそこから中国チームに脅威を与える事は無かった。34分には李銀美がロングボールに走り込むが対峙する中国DF陣が対応、40分に中央突破を見せた韓国は朴希英がエリア外の正面からシュートを放つがGK張越がキャッチ。 44分、朴希英が振り上げた足が翁新芝の胸に入り中国がFKを得るがそのFKからの袁帆のヘッドは大きく外れた。 その1分後今度は韓国が攻撃に転じ池笑然が抜け出すがシュートはGK張越の正面に。前半ロスタイムに入り庬豊月からのロングパスを受けた王一航がミドルシュートを放つが韓国 GK 金民炯がキャッチ。前半は両者無得点のまま終わった。 

    

50分韓国は袁帆のトラップミスを池笑然が拾ったが朴希英へのパスが遅くシュートが撃たせられなかった。そして更に外に回して左からのクロスに朴希英がヘッドで狙ったが高く外れた。 56分には中盤でボールを奪った韓国が中国ゴールに迫るが翁新芝がクリアー、更に韓国は攻撃を続け最後に朴希英が放ったシュートはサイドネットを直撃した。
劣勢続きの中国は52分に孫莉莎を下げて屈珊珊を投入したのに続いて59分に劉華娜を下げて古雅莎を投入した。 後半に入り中盤でフォーメーションを形成出来なかった中国であったが徐々にボール支配率も対等になりつつあったが決定的ななかなかチャンスは作れなかった。 69分には張娜が右サイドを突破し中央の徐媛にボールを送るが韓国DF陣の堅いマークにシュートが撃てず、77分には于雅彗が倒されて起き上れずそのまま周高萍に替ってベンチに下がった。
韓国の右サイド攻撃には于雅彗が対応していた。試合が終盤に差し掛り両チーム先制ゴールを求め続けたがどちらかと言えば守備的な戦いになって来ていた。
82分には左からのクロスに攻撃参加した韓国CB 金度研がヘッドで狙うがクリアー。86分には速攻を見せた中国FW王一航が庬豊月にボールを送るが韓国DF陣の戻りも遅くなくシュートを撃てない、こぼれ球を拾った劉華娜が右から中央に向けてシュートを放つが惜しくもポストをかすめた。 88分には屈珊珊が左サイドを上がり周高萍がコーナー付近からクロスを入れるも韓国DF陣がクリアー、ロスタイムが4分と表示され92分には交替出場の金达莱が中央からシュートに持ち込むが屈珊珊がブロック。さらに終了直前右サイドから柳志恩が切れ込むが一瞬シュートをためらった為に張娜にブロックされた。
試合は90分ではスコアレスのまま決着が付かず大会規定によりグループ内順位を決める為のPK戦が行われた。中国の1人目はGK張越。ベテラン張越が決めた後には翁新芝、徐媛が連続して決め、韓国も最初の3人は全て決めた。
しかし中国4人目の庬豊月と韓国4人目の柳志恩のショットは高く浮いてしまった。以降中国は劉華娜、袁帆、王一航、周高萍らが4人続けて決め、韓国も同様に外すことなく9人目のキッカーを迎えたが中国、屈珊珊のPKはGK金民炯に弾き出され、韓国は9人目の柳英雅が決めて中国がA組2位となり準決勝のカードは中国対日本、北朝鮮対韓国と決まった。 

    

中国:13-張越;15-于雅慧(77分,3-周高萍)、5-袁帆、6-翁新芝、2-劉華娜;7-孫凌(59分,11-古雅莎)、4-孫莉莎(52分,18-屈珊珊)、16-張娜、17-庬豊月;8-徐媛、12-王一航

韓国:1-金民炯;6-柳志恩、4-金度研、5-洪庆淑,3-柳銀美;14-田佳芝,
10-池笑然、8-朴仁正(72分、16-金达菜 ), 7-権丙娜;19-崔妍喜(46分11-金守韻) 9-朴希英 (80分,17-柳英雅)

中国男子五輪チームが韓国チームに 0-3 で敗れ約30,000人の観衆から“解散”コールが起こったがこの日PK戦で敗れた中国女子チームには次戦に向けての“加油”が沸き上がった。
試合前中国女子選手達は韓国戦に向けて自信を覗かせていたが、男子五輪チームの事もありこの試合は少し難しい雰囲気にもなっていた。 前半選手達の動きは切れが無く韓国チームのプレシャーに後手を踏んでいたが後半李霄鵬監督の2人の選手交替が功を奏して次第にペースを掴み韓国ゴールに迫るシーンが見られる様になったがミスもありゴールは割れなかった。
90分が0対0で終わった時、観客は拍手を送りながら帰途に着き出したが“グループ内順位を決める為に PK 戦を行います。”と云う場内アナウンスを聞いて慌てて席に戻る観客が多かった 試合前にもし両チームが引分けたならPK戦を行うと言う事は解っていたが誰も予想をしていなかった様だった。
PKを蹴った17人の選手の中で、庬豊月がPKを失敗した時、主審がGKが早く動いたと蹴りなおしを認め、観客から大歓声が沸き上がり固唾を飲んが観客の見守る中再び庬豊月はPKに臨んだがまたも失敗をしてしまった。しかしその直後の韓国側のキッカーも失敗しPK戦は9人目までもつれ込んだ。
そして中国9人目屈珊珊が外し勝負が決まった後でも李霄鵬監督は、“どんな結果であれ騒ぎはしない、サッカーは楽しいスポーツだ大勢の観客の前で行うPK戦は良いメンタルトレーニングだ。このPK戦は選手達のプレッシャー対策の手助けとなるだろう。” この様に結び次の試合に備えた。 
      

アジアの球技の中では女子サッカーは比較的世界レベルに肩を並べられる種目と思う。従って来年のワールドカップに向けてこのアジア大会で結果を残す事は重要だとも思う。韓国、中国はアジア地区予選を突破出来なかったけど、本大会に進出していればベスト8を争う実力はあるのではないかな??
特に最近は韓国女子の台頭が目覚ましい。今年 FIFA U-20 で3位,そして U-17 では日本をPK戦の末に破って優勝を果たした。一時、女性がスポーツ等を…と言われた時期もあったらしいが1986年ソウルアジア大会からそれまでバレーボールしか目立たなかった女子のレベルが上がって来た。そしてついにサッカーまでも…

一方まだ世界ランクでは上位に位置しているが中国女子サッカーの凋落は深刻だと思う。
一時は世界のトップクラスだったのだけど、今年はワールドカップ予選を兼ねたアジア選手権で日本に敗れ来年のワールドカップ出場権を失ってしまった。
今中国ではその凋落ぶりが様々な角度から議論されているらしいが私はその原因は一人っ子政策にあるとおもう。 政策により女の子が少なくなっていてしかも結婚市場は“売り手市場” スポーツなどしなくても欲しいのもは手を伸ばせば何でも周囲の男が準備してくれる世の中であると思う。 

私が学生時代はまさにそうだった。普通の女の子だったらそれだけで2~3人男が参加して争奪戦が始まり、平均以上の綺麗さや可愛さを持った女の子を巡ってはまさに自家用車の車種が決め手となる “ハイレベルな大激戦”がはじまり、更には傷害事件、殺人事件まで発展したという報道も少なくなかった。 それだけ男もまさに肉食系のがつがつした奴等が多く飢えていたんだろう…

あぁまた同じことを愚痴ってしまった….   中国戦に続く……..


アジア大会 8強が出揃う  中国はもうアジアでも第二線級か….

2010-11-18 | Football Asia

日本がインドを破って準々決勝進出を決めた前日、初戦で日本に完敗後はキルギスタン、マレーシアを連破し1次リーグを突破した地元中国は決勝トーナメント1回戦で韓国に完敗。タイ、ウズベキスタン、イラン、北朝鮮韓国そして日本らが残る準々決勝に残れなかった。

アジア大会サッカー:韓国、中国に3-0で快勝 ( 朝鮮日報紙より )

金正友、朴主永らゴール 準々決勝はウズベキスタンと対戦広州アジア大会の男子サッカーは15日、決勝トーナメント1回戦が行われ、韓国は中国を3-0で破り、準々決勝に進出した。韓国は19日午後8時から、カタールを1-0で破ったウズベキスタンと対戦する。
中国の人口は13億人を超えるといわれる。1億人当たり一人ずつ選手を選んでも、レギュラーの11人を上回る。そんな中国のサッカーがアジアの二流から脱することができないのは、現代スポーツのミステリーの一つだ。
洪明甫(ホン・ミョンボ)監督率いるアジア大会韓国代表は、今大会で1986年以来の優勝を狙っている。U23(23歳以下)代表の韓国と中国の通算対戦成績は、韓国の8勝1分け。この日も中国サッカーは依然として旧式だった。守備でも攻撃でも、積極性が見られなかった。
組織力に欠ける中国を相手に、韓国は前半19分、先制ゴールを奪った。中盤の左から上がったクロスを、ペナルティーエリア右にいたチョ・ヨンチョルが受けて中に素早くパス。走り込んできた金正友(キム・ジョンウ)がゴールネットを揺らした。
5万5000人の観衆は、中国にとってプラスにもマイナスにも作用した。大歓声で応援しながらも、劣勢の場面やパスミスの場面では、自国チームに容赦ないブーイングを浴びせた。
韓国は後半4分、朴主永(パク・チュヨン)がフリーキックを決めて2点目を挙げ、同13分にはチョ・ヨンチョルがダメ押しの3点目を決めた。落胆した中国ファンは、席を立ち始めた。洪監督は、「前半に1点入れれば、試合運びがうまくいくと思った。予想通りになった。次の試合(ウズベキスタン戦)が今大会で初のヤマ場になるだろう」と語った。だが、韓国にも反省すべき点はあった。1-0でリードしていた前半、守備の乱れが何度か見られた。エースのFW朴主永は、オフサイドの笛が鳴ってからボールに触れるという無用の動作で、警告を受けた。

韓国、開催国・中国を下してベスト8進出!! (大韓サッカー協会 ホームページより )
アジア大会韓国代表が中国を下し、大会ベスト8進出に成功した。 アジア大会韓国代表は11月15日、中国・広州で行なわれたアジア大会・16強戦で、キム・ジョンウ(光州)、パク・ジュヨン(モナコ)、チョ・ヨンチョル(新潟)のゴールで3-0の勝利を飾った。 韓国は4-2-3-1のフォーメーションで中国戦に挑んだ。
最前線にはパク・ジュヨンを配置し、その下にチ・ドンウォン(全南)を投入。左右ウイグにはキム・ボギョン(大分)とチョ・ヨンチョル(新潟)が起用され、MF中央ではキャプテンのク・ジャチョル(済州)とキム・ジョンウが呼吸を合わせた。4バックには、CBにホン・ジョンホ(済州)とキム・ヨングン(FC東京)、左右サイドバックにはユン・ソクヨン(全南)とシン・グァンフン(浦項)が先発で起用され、GKはキム・スンギュ(蔚山)が務めた。
試合全般的に、ゲーム運びで中国を圧倒した完璧な勝利だった。前半20分にキム・ジョンウが先制ゴールを決め、後半5分にはパク・ジュヨン、後半13分にはチョ・ヨンチョルと立て続けにゴールが。アジア大会韓国代表は11月19日、カタールを下したウズベキスタンとベスト4進出をかけて準々決勝を戦う。

またも韓国に敗れた中国チーム。地元ではどう報道されたのだろうか…

11月15日中国五輪チームは朴主永ら over age 選手を含む韓国チームに敗れた。南アフリカワールドカップにも出場した朴主永、そして曹永哲、金正友らのゴールで0-3 で敗れ中国五輪チームは今大会 last 16 に終わった。
グループリーグで日本に敗れた後、キルギスタン、マレーシアに連勝したもののそれ以上の結果は残せず今後広きに亘りマスコミの批判にさらされるだろう。
韓国チームにはスター選手の朴主永をはじめ具滋哲、金正友、曹永哲そして尹比家林(尹ピッカラム)らのA代表経験者が含まれており彼ら韓国チームが言っていた自らの実績に基づく勝利のメンタリティーの前に成す術が無かった。

中国チームの立ち上がりは悪くなく最初にCKのチャンスを掴んだが得点に結びつけることは出来なかった。そして徐々に韓国チームが支配率を高めカウンターに転じても素早くロングボールを入れ最低でもCKを取るようになった。張琳芃を筆頭とした中国DF陣は開始からスクランブル状態に追い込まれた。
8分にはノーマークの尹銀栄が左サイドから低い弾道を放つがGK張世昌が弾き出す。10分には金甫がコーナー付近で呂鵬を振り切りドリブルシュートを放つがここも GK 張世昌が反応。 
中盤での組織化がなかなか構築できない中国MF陣にピッチサイドから監督の“もっとボールを奪いに行け”との指示が飛ぶ。しかし韓国の前線からのプレスに中盤でも容易にボールが繋がらない。 20分には金正友の左クロスを受けた曹永哲が胸でトラップし角度の無いところから素早く振り抜いたシュートを張世昌が止められず先制ゴールを喫した。
25分には朴主永がドリブル突破をはかりシュートに持ち込むが何とかGK張世昌が弾きそのリンバウンドが朴主永に当たるがゴールは割らなかった。 29分に中国が攻撃に転じる。吴曦が左から上げたクロスを受けた王选宏がシュートを放つがGK金正奎がブロック。その直後にも張健がヘッドを放つがゴールネットを揺らせなかった。韓国両サイドバックは積極的に上がっており対峙する中国MF 陣は後手を踏んだ。そして強固な韓国DF陣の前に中国攻撃陣は脅威を与え続ける事は出来なかった。 34分に朴主永はオフサイドの笛が鳴ってもプレーを続けた為警告を受けた。
39分には朴主永から絶妙のスルーパスが抜け出した池東沅に入るがトラップミスの為にシュートは撃てなかった。終了間際にも朴主永が中央から左サイドを狙ったシュートを放ったがGK張世昌のセーブで何とか前半を1失点でしのいだ。
しかし後半開始早々の48分、危険地域で李建斌がファールを犯しFKを献上。そのFKを朴主永が直接決めてリードを 2-0と広げた。 

         

尚も追加点を狙う韓国は54分朴主永が起点となり、左サイドを突破。最後は金甫が中国ゴールに迫るが張琳芃 吴曦らが必死に戻る。その後も交替出場の洪が強烈なショットを放つ。そして58分金甫が左サイドから送った低いクロスに走り込んだ曹永哲が合わせてゴールを決めリードを 3-0 と広げた。      


中国チームは相手ボールとなると陣容を整えてプレスに入る前に韓国の速いカウンター攻撃に後手を踏み続けた。60分には朴主永が危険地域でボールを持つと李建斌が倒してFKを得るが韓国チームのポジショニングを見ると丸で子供と高校生の試合の様だった。
60分に張遠、62分に呂分君らを投入し前線を替えるが王选宏を含めた攻撃陣は韓国に脅威を与えられない。 67分には MF 実堤江からボールを受けた呂文君が韓国DFを振り切り放ったシュートは力なくGK金成奎が掴む。
69分には攻撃参加した韓国DF申光韻がシュートをミスし74分には朴主永のファールで得たFKを張琳芃が直接狙うが大きく外れた。前線の枚数を増やした中国チームであったが中盤での構成力を欠きチャンスを作れない。
81分には韓国サイドバックの洪成昊のクロスから朴主永がシュートに持ち込むがGK張世昌が朴主永の足元に飛び込んでブロック。 4万人の観衆の前で繰り広げられた試合、試合終了のホイッスルを待たずに席を立つ観衆も多く目に着いた…

11月15日, 0-3 で敗れた韓国戦。広州 Tianhe 競技場に集った観衆は終了前に席を立つ人達や中国五輪チーム解散を合唱する人々で溢れていた。
強い韓国戦を前に苦戦は免れまいと思われていたが両者の差は個人能力でも戦術でも比べ物にならなかった。韓国チームは最後まで試合開始から見せた様な戦術で強さを示し続けた。最後の15分は中国チームもロングボールを使い出してゴールに迫ったが韓国選手達は余裕の笑みさえ浮かべていた。
観客席のサポーター達を見れば充分だろう。中国サポーター達は広東語で“五輪チーム解散”を連呼し、失望した多くの観客は試合終了を前に席を立ち出した。
試合終了後、失望と悲しみの表情に溢れた中国チームの選手達は足早にインタビューゾーンを離れる一方、韓国チームはレッドデボルズへのサポートに応えていた。
韓国戦に敗れアジア大会での戦いを終えた中国五輪チームの孫衛監督は試合後の記者会見に臨み下記の様に語った。

“まずファン、メディアそして4試合をベストを尽くして戦った選手達に御礼を述べます。この試合に向けて最高の準備を施したが対戦相手は中盤での攻撃時そして守備時に置いての経験に格段の違いがありました。単純なミスが多かった事は監督としては真摯に受け止めます。これは五輪予選に向けて重要な経験で次のステップに向けてそれらが生かされることを期待しております。”

0-3 と云う結果に着いて次への準備の為に反映されるものがあったかという問いに就いては。 “確かに対戦相手とはギャップがあったが、この日の得点差程では無かったと思う。もちろんもっとやれたとは思うがしかし両チームに差があったかと言えばあったと言える。” と答え、

監督職の続投に就いては“代表監督は今の私の仕事だ。続けられるかどうかは協会の回答待ちである。”と答え、試合前に選手達の間には楽観的な雰囲気や希望を持てないのではと云う考えのどちらが支配していたのかと云う問いに就いては 
“試合前には我々は充分な準備を行った。韓国戦への重要なポイントは選手間のコミュニケーションだった。選手達は韓国を相手にどこまでやれるかを楽しみにしていた。”と答えた。

最後に試合終了時に観客席のファン達から五輪チームの解散を要求するコールが起こった事に就いては“五輪チームが立ち上げられてからこの仕事は難しい事は解っていた。今日からファン達の解散要求の声はすぐに大きくなるだろうが、五輪チームの監督を継続するかは言えない。” と答えた。
    

かねてから孫衛監督は五輪チームの指揮に就いて時間が限られている事を繰り返し言っていたらしい。それは年齢制限のあるチームである事に寄与するが地元のマスコミは東アジア選手権からA代表の指揮を始めた高洪波監督も時間が無いのに日本と引分け史上初めて韓国を破り結果を残したと両者を比較している。

そして攻撃陣のアイデアの無さと云うか連携の欠如を大いに指摘するマスコミが多いらしい。例えば韓国戦では張遠がドリブルで韓国DFを2人かわし3人目で潰されたシーンがあり、潰される前には王选宏がフリーでいたらしいが個人突破力に乏しいのに個人突破に頼る選手達にも批判が集まった。それは選手個人の問題かチームの問題かは解らないが。
また 3-0 が本当の実力差ではないと記者会見で孫衛監督が応えた事に就いては“確かに実力差は最終スコアー通りの 3-0 ではなく 6-0 か 8-0 であるべきだった。”と皮肉る専門家も。
今やブラジルやスペインで無く先に日本や韓国に習わねばならない、と述べるコラムもあれば、例えワールドカップや五輪に出た事が無いチームでも若い選手達がここでやりたいと思う環境を作らねばならない。 このアジア大会で高い入場料を支払って観戦に来た子供の1人に“もし親と国家の援助があれば外国でプレーして上手くなって国家代表に加わりたい。”と言わせてしまっている、と云った報道もあった。

更にこれまで広州地区は古くは謝育新をはじめ優秀なサッカー選手が輩出されて来た地域であったが今回のチームには広州出身の選手はいなかったらしい。それも観客怒り爆発の遠因となっているかも…
そして恐韓症はまたもぶり返してきたとの危惧も。1992年マレーシアでのバルセロナ五輪予選では最後の韓国戦に 0-3 で敗れ得失点差で五輪出場権を逃し1996年のアトランタ五輪最終予選ではグループリーグ最終戦で 2-3 で敗れ準決勝に進めずここでも出場権を逃した。2000年アジアカップではグループリーグで 2-2 で引分け、今年の東アジア選手権では 3-0 で史上初めての勝利を収めたのにまた 0-3 で敗れてしまった。もうあと30年韓国へは苦手意識を払しょくするには更にあと30年はかかるのだろうか…と云う悲観的なコメントも出て来ている。

試合は見ていないけどボール支配率が韓国 54.1% に対して中国 45.9% はまずまずとしてもシュート数が韓国12 中国6 そして枠内シュートが韓国6に対して中国が0 これではこういう得点差が付いても仕方が無いだろう。

中国の足球迷達は私達が70年代から80年代に感じていた様に対韓国戦を捉えているのではないか…

日本が決勝に進んだ時はこの強い韓国か同等レベルの北朝鮮との戦いとなると思う。日本は純 U-21 韓国も U-21 に朴主永に金正友そして U-23 の選手が2人。 北朝鮮は U-23 に over age 選手でワールドカップメンバーが10人。大苦戦は免れないだろうけど、やっぱり負けて欲しくないなぁ…
でもその前に後2試合、次のタイ戦そして準決勝の恐らくイラン戦に勝たないとなぁ…でもタイもイランも中国よりは弱くは無いぞ…頑張れアジア大会代表チーム !!

中国:12-張世昌;17-趙宏略、5-李建斌、13-张琳芃、8-吴曦;16-実提江、
6-吕鵬、10-朴成、11-王选宏、18-張健(60分,15-張遠);9-李凱(62分,19-吕文君)

 

韓国:1-金成奎;6-洪正昊、3-申光員、5-金英権、17-尹銀栄;11-曹永哲(75分,16-徐订晋)、14-金正友、19-金甫、7-具滋哲(80分,8-尹比家林)、
18-池東沅(62分,2-洪);10-朴主永

       


アジア大会 男子サッカー 勝つのは・・・

2010-11-13 | Football Asia

幸先良く2連勝スタートの日本男子サッカー。
この時期J-League の優勝争いが佳境を迎えている事もありどうしてもベストメンバーを組めない。と云うよりも大会への位置づけ自体が80年代とは異なる故のメンバー構成となっているのかも知れない。
しかしそこは勝負事。選ばれた選手達は負けても良いなんてさっぱり思っていない事はスポーツ経験者なら解る事。初戦はあの中国相手に 3-0 の快勝。一つでも先のラウンドに進んでくれることを祈っています。  さて他国の事情はどうだろう…

優勝候補の北朝鮮。兵役免除のかかる韓国…

南北朝鮮が同居した Group C。韓国の方は選手選考から色々紆余曲折があったみたいだ。

朴主永、一転出場へ大会前に (朝鮮日報から)

over age 枠でメンバー入りしながらも所属先の AS Monaco のの反対により出場できないとされていた朴主永が、11月7日の韓国紙の報道によると一転して出場できる見込みとなった。
11月5日に「チームが降格の危機にあるため、朴主永を派遣できない」との公式文書を大韓サッカー協会に送っていたASモナコが、当初の方針を変更し、朴主永のアジア大会出場を容認することにした。 
朴主永の強い意志が、ASモナコの態度を変えた。兵役(免除)の恩恵が懸かる朴主永側は、クラブ側との交渉で、「チームの順位が18位まで降下したのは監督の責任であり、このことで選手の未来が犠牲になってはならない」と主張した。 朴主永側は、アジア大会で金メダルを獲得すれば選手としての価値が上昇する点を説明し、「切実な願い」から「脅迫」に近い主張まで展開してクラブ側に迫ったという。
話し合いでは、大声でやり合う場面もあったとのことだ。 
当初は朴主永の意思を確認せず、自分たちの立場だけを伝えてきたクラブと監督は、結局は朴主永の強い意志によって決定を覆すこととなった。
朴主永の参加が決まるや、代表チームもほっとしたムードに包まれた。朴主永は8日午後6時に中国・広州に到着するため、同日5時から行われる北朝鮮との試合には出場できないが、コーチ陣は代役探しの悩みから解放され、後輩選手らは精神的な安心感を得た。
洪明甫(ホン・ミョンボ)監督も、「朴主永の努力に拍手を送る」と喜びを語った。

一方、北朝鮮代表も週末に激しいトレーニングをこなし、韓国戦に備えた。
6日にはパス練習や9対9の練習試合など2時間にわたり練習を行い、試合前日の7日にも体をほぐしながら勝利への意欲を高めた。
北朝鮮のGKチュ・グァンミンは、「簡単にはやられない」と意欲を見せた。だが、北朝鮮は練習場を訪れた韓国の記者を締め出すなど、デリケートな反応を示す場面もあった。北朝鮮は、ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場したメンバーが10人を占める上、2003年からユース代表監督を務めているチョ・ドンソプ監督がチームを率いているため、戦力は最強との分析も聞かれる

韓国は基本 U-21 、2年後のロンドン五輪候補選手に over age がプラスされている。
そして先月行われた AFC U-19 のメンバーからは日本を苦しめた長身の池東ウォンが選ばれている。 指揮するのは2002年大会の英雄、洪明甫。優勝へのモチベーションは何と言っても兵役免除。
韓国サッカーとてアジアレベルでもなかなか王者戴冠とはいかないのでサッカー選手は他の競技種目選手達と比較すると少し“気の毒”な気もしないではないが…
ただこういう国家代表選手はまだこういうチャンスがあるけど、“代表一歩手前”の選手が一番かわいそうな気がする….

“優勝の為“か”兵役免除の為“か解らないが今大会は当初、朴主水、金正友らが over age 枠として選出され金周栄、申光勲、の2人もロンドン五輪出場の年齢資格ではないがU-23 と云う事で選出されていたが21歳で今やA代表にも欠かせない選手となりつつある奇誠庸が所属先の Glasgow Celtic での出場機会が増えたので合流が不可能となってしまった。そして朴主水も大会合流が”危ぶまれていた。しかし心境著しく日本戦を含んだワールドカップ後の国際試合に国家代表として出場した尹ビッカラムは1990年5月7日生まれなので“堂々”メンバー入りをしている。

一方の北朝鮮は現時点の U-23 メンバーにワールドカップにも出場した over age 選手3人を加えていた豪華メンバー。ワールドカップメンバーは over age の3人だけでなく合計10人。その
内訳は DF 李俊一( Ri Jun Il ) , 李光川 ( Ri Kwang Chon ) , 李光栄 ( Ri Kwang Hyok ) , 朴男哲 ( Pak Nam Chol ) MF 李哲民 ( Ri Chol Myong ) , 金琴一 ( Kim Kum Il ) , 金永峻 ( Kim Yong Jun ) , 朴男哲 ( Pak Nam Chol ) , FW ; 崔金哲 ( Choe Kun Chol ) , 安哲赫 ( An Cho Hyok ) .
DF 李俊一, 李光川 はワールドカップでは3試合フル出場。 ワールドカップでは鄭大世と共に中心選手だった MF 朴男哲 も3試合にスタメン出場している。もし Bochum で鄭大世がガンガンプレーしていなかったら彼も over age で召集されたか??
その上金永峻の120試合を筆頭に登録選手全員がA代表でプレーした経験を持つ。

気になるのは"
16歳" でメンバー入りしている Ri Kwang Il 先の AFC U-16 でも同名の選手がいたけどその選手は FW 登録でレギュラーではなかった。
そして今大会に選出されたRi Kwang Il はGK 登録で1994年4月13日生まれと登録されていたがこれは1988年4月13日生まれの転記ミスだろう。一瞬先般の AFC U-16 に出場した Ri Kwang Il かと思ったけどこちらは FW 登録だから…

   


注目の南北対決  ( 朝鮮日報から )

過去のサッカー南北対決では、1点差のゲームがとりわけ多かった。
韓国と北朝鮮は国際Aマッチで14回対戦したが、そのうち13回が1点差以内のゲーム(引き分けを含む)だった。それだけ南北対決ではゴールが生まれないということで、先制点を奪ったチームが勝利する可能性が高い。
このような傾向は、中国・広州で開催されるアジア大会韓国代表のU23(23歳以下)でも繰り返された。

アジア大会は8日、開会式(12日)に先立ってサッカー1次リーグ6試合が行われ、
C組の韓国は北朝鮮と対戦し、0-1で敗れた。
韓国は前半序盤、中盤で相手を圧倒し試合をリードした。前半のボール支配率は7対3で韓国が上回り、パスも比較的正確だった。個人プレーでは韓国が勝っていた。しかし、北朝鮮の堅固な守備を崩すことができなかった。試合の主導権を握りつつも、拙攻を繰り返した。一方の北朝鮮は守備を重視しつつ、ミドルシュートを放つなどして食い下がった。
まるで、ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の北朝鮮-ブラジル戦を彷彿(ほうふつ)させるような試合だった。当時、北朝鮮は1-2で敗れたが、徹底した守備でブラジルを焦らせた。今回もW杯代表メンバーが10人含まれており、高い守備力を見せた。 
結局、先制したのは北朝鮮だった。北朝鮮は前半36分、アン・チョルヒョクがヘディングで落としたボールを、リ・グァンチョンがダイビングヘッドで合わせ先制ゴールを決めた。
アジア大会韓国代表を率いる洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は後半、ソ・ジョンジン、チ・ドンウォン、ユン・ピッカラムを投入し、総攻撃を仕掛けた。
さらに後半21分には、北朝鮮のパク・ナムチョルがイエローカード2枚を受けて退場処分となり、数的優位を得た。
しかし北朝鮮は、全員がハーフライン後方に下がって韓国の攻撃を封じ込めた。
試合を見守っていた韓国代表の趙広来(チョ・グァンレ)監督は、「北朝鮮のサッカーは精巧でシステムがよい」と評価した。
アジア大会韓国代表はU23の選手ではなく、昨年のU20(20歳以下)W杯で8強入りしたメンバーで構成されている。試合が思い通りに進まなくなるとパスミスを犯し、ゴール前で慌てるなど、経験不足を露呈した。 だが、あきらめるのはまだ早い。アジア大会ではグループリーグで上位2位、3位に入った4チームが決勝トーナメントに出場可能なため、韓国の決勝トーナメント進出は十分にある。韓国は10日にヨルダン、13日にはパレスチナと対戦する予定だ。 一方、A組の日本は中国を3-0で破った。

洪明甫監督の試合後のコメント 
「残念だ。相手の徹底した守備を崩すことができず、チャンスを作れなかった。失点は、GKキム・スンギュが9月以降試合に出ておらず、実戦感覚が戻っていないことだ。韓国がアジア大会で優勝できないのは、きょうの試合のように相手の守備を崩すことができないためだ。このような経験をトーナメントではなく、初戦で経験したのは幸いだった」

チョ・ドンソプ北朝鮮監督の試合後のコメント 
「一人の選手が退場処分を受け、数的不利の状況でも、選手らが敬愛する将軍様の高い指導力の下、最後まで集中力を切らさなかった。韓国が長身の選手を前線に置き、サイドからクロスを上げる戦術を展開するだろうと予想し、ゴール周辺の守備を強化したのが奏功した。ボール支配率が下回ったことや、初戦ということもあり、選手らのプレーに余裕がなかったのが残念だ」

チョ・ドンソプ北朝鮮チーム監督のコメントは定番と言うか…
スタメンは over age でワールドカップメンバーの  李光川、朴男哲、を並べ更に DF 李光栄, 朴男哲, MF 李哲民, FW 安哲赫ら合計6人のワールドカップメンバーを擁した北朝鮮に対して韓国は朴主水は初戦に間に合わず申光勲はベンチスタートで over age は金正友のみのスタメン。 更に尹ピッカラムもベンチスタートだった。 

各選手のコンディションは解らないが南北対決と云う事で4年前のアジア大会準々決勝では完敗している北側の方が負けられないと思ったのかもしれない。洪明甫監督は前半は Jリーガー4人( DF 金英権: FC 東京 , MF 曹永哲 :新潟、キムミンウ : 鳥栖、金甫 : 大分 ) をスタメン起用した。 金英権と曹永哲の2人は10月の韓日戦で召集されたメンバー。金甫はワールドカップ前の日韓戦で途中出場を果たした選手。 
そして74分に曹永哲に替って投入された池東ウォンは前述した U-19 のメンバー。どうもこの世代、日本は南北朝鮮に比べてちょっと出遅れているかな……

                     

かつての強豪マレーシア…

13日、中国戦に臨むマレーシア U-23 チーム。この試合は今後のマレーシアサッカーの将来を左右する試合となるかもしれない…
初戦、キルギスタンを 2-1 で破り続く日本戦は敗れたものの現時点では得失点差は日本に3点差で敗れた中国を抑えて Group A の2位につけている。
続く中国戦を引き分けると堂々2位で決勝トーナメント進出となる。

Malaysia hold edge against China ( New Straights Times より )

中国が次のラウンドに進出する為に13日のマレーシア戦に勝たねばならないとは誰が予想したであろう。今の星取表では得失点差で中国を上回っており、もし中国戦を引き分けられれば日本に次いで2位で1次リーグを通過できる。
そして中国も勝点4を確保出来れば次のラウンドに進出する為の1次リーグ3位の中での上位4チームに入る可能性が高くなる。 そしてもしマレーシアが仮に敗れても Rajagobal 監督率いるマレーシアチームはF組のモルディブ対パキスタン戦が引分けに終わったので C 組の最終戦ヨルダン対パレスチナ戦も引分けに終われば次に進めるチャンスがある。しかしその胸算用ももしキルギスタンが万が一日本を破ってしまえば霧散してしまう。
中心選手の Safiq Rahim は1978年大会以来マレーシアが1次リーグを突破出来るものと信じている。
“まだ1次リーグ突破のチャンスはあると考えている。我々はその可能性を確実にする為に中国戦に全力を尽くす。しかし日本戦で犯した様なミスは避けねばならない。さもなくば我々のチャンスは潰えてしまう。 ”
こう語った Satiq Rahim は日本戦では負傷で出場出来なかった Norhafiz Zamani Misbah に替って主将を務めた。

Rajagbol 監督は大会前に怪我を抱えていた選手達に就いてもまた前向な見解を抱いている。 “我々は中国戦を前に中3日空いたことが選手達のコンディションの回復の手伝いになると信じている”とのコメントも残した。
そして中国戦に就いては守備的な陣容になる事もほのめかしていた。

China keeper forced into humbling apology

多くのアジアのアスリート達が続々とアジア大会の雰囲気を楽しもうとする中、男子中国チームのGK王雷大は自身のブログに地元中国の観客の事を“ 低能”とか“犬の群れ”と表現した事が物議を醸した。
この21歳の将来有望な欧州王者の Inter Milan や Manchester City 入りの可能性をも秘めた GK は初戦の日本戦の2失点目を止められなかったことを指摘されこの様な言葉をブログに綴った。
事が明るみに出て続くキルギスタン戦はメンバーから外された王雷大は謝罪の意を表した。 “私はメディアとサポーターに対してこの様な言葉を用いて中国サッカー代表、中国スポーツのイメージを傷つけた事に対して深く謝罪します。これは私の失敗で、名誉を回復する機会が与えられることを祈っており、今後このような事は二度と引き起こさしません。”と述べた、と報道された。

                


ミュンヘン五輪、モスクワ五輪予選では韓国、日本を抑えて見事に出場権を勝ち取ったマレーシアだが以降は低下線をたどる一方。
アジア大会でも1974年テヘラン大会は3位決定戦で北朝鮮を破って3位となった実績を持つが今はそのかけらも感じさせられない。
2007年 Asian Cup ではホストカントリーながら3連敗で良いところなく大会を後にした。

マレーシアサッカーが浮上するきっかけがようやく…と思われる。
メンバーは U-23 に3人の over age 選手を加えた構成になっている。その中心となるのは over age のFW Talaha と 23歳の MF Rahim と Zambri 。Talaha はキルギスタン戦でゴールを決めている。
13日、もし中国が敗れる様な事になると、一体どうなるのだろう…
それにしても中国は今年2月の東アジア選手権で優勝して以来一体どうしたのだろう? AFC U-19, U-16 では共に1次リーグで敗退。そしてアジア大会では初戦に日本に 0-3 で完敗…. これも一人っ子政策の影響か ??

あぁアジア大会が見たいなぁ…


出張先に届いた吉報  官房長官ごめんなさいね…

2010-11-11 | Football Asia

10月後半はとにかく忙しかった…
丁度12日の韓日戦を境に強烈に仕事量が増えてしまいそのまま11月初旬からの出張に雪崩込んでしまった。そして商用で訪れているここ北欧のヘルシンキは氷点下の寒さ。疲れに寒さのダブルパンチ。しかも北欧独特の日の入りの早さで夕方は早くに暗くなり、日中は南中高度が低いので日差しがもろに目に入る..

そんな中、広州で始まったAsian Games 初戦、日本が中国を 3-0 で破ったという吉報が届いた…. 尖閣諸島問題(といっても中国が勝手に喧嘩を売っているだけと思うんだけど) もあり “完全アウェー” の日本U-21チームが中国を撃破し多くの日本人の溜飲を下げてくれたのではないかな…

この中国との問題で常に“中国様の御機嫌”を気遣っておられる官房長官の心中は…、まぁ御気の毒に…と言っておきましょう…

日本サッカー界と云うよりもアジアサッカー界においてアジア大会は結構重要な大会とされていた。そう、過去形だ。 1998年バンコック大会から日本はフル代表で無く2年後に向けた五輪候補チームを派遣するようになった。1980年代、五輪予選と並んでアジア大会は日本でも重要な大会であった…はずだ。
私は当時、アジア大会は数少ない国際大会として非常に楽しみにしていた。
特に1982年インド、ニューデリー大会。1次リーグではイラン、韓国の強豪を破り3連勝で準々決勝に進出。そして当時アジアナンバー1だったイラクと激戦の末延長戦で敗れて準決勝進出はならなかったが韓国を日本以外の地で初めて破ったNHKのダイジェストで見た5分ほどの試合模様は本当に良い思い出だ….

恐らくワールドカップフランス大会からアジア地域の出場枠も増え、ワールドカップと同年に行われるアジア大会のサッカーにアジアの列強もその位置づけが替って来たと思う….それに欧州ベースの選手も増えて次第にベストメンバーが組めなくなってきた事実もあったと思う。
1994年広島大会で当時 Genoa に所属していた我らが King KAZU がこの大会の為に帰国した時は嬉しかった。 

11月7日 アジア大会の開会式前に開幕を迎えた種目、男子サッカー。
10月20日から合宿を張り本大会に臨んだ地元中国五輪候補チームは Tianhe Sports Centre で日本U-21チームを迎えた。ここに集った約30,000人の観衆は誰もが地元中国が日本を粉砕する事を期待していたのではないかな…. そして初戦が地元中国戦と解った時、ちょっといやな気になった日本サポーター達もいたのではないかな…. しかし結果は 3-0 で日本の快勝。 
地元中国紙はこの結果を下記の通りに伝えていた。

全てにおいて日本が勝っていた…

試合後会見に臨んだ中国チームの 孫衛監督と張琳芃主将は下記の様に試合を総括したらしい。

試合には敗れたが我々は粘り強いモラルをフィールド上で示す事が出来た。
この日は対戦相手が強すぎたがまだ2試合残っている。残り試合に就いてはまだまだやれると思う。この日の中国チームのパフォーマンスに就いては本当によくプレーできており少しの改善さえあれば失点を防げた。
しかし3失点に就いては張琳芃主将をはじめとしたDF陣は初戦と云う事ですこし神経質になりすぎておりいくらかの責任はある。そして全体的に相手ボールになった時、マークが甘くそれが失点を招いた。
だがこれでグループリーグ敗退が決まった分けではないので残り2試合最後まで全力を尽くす。
( 負傷でスタメン出場が不可能視されていた ) GK王大雷の起用に就いては、怪我の回復も著しくチームドクターと相談し、何よりも本人がプレーを望んでいたのでスタメンに起用した。

36年振りの黒星スタート中国にとってこの日本戦の敗戦はアジア大会では1974年のテヘラン大会の初戦で北朝鮮に 0-2 で敗れて以来の初戦黒星スタートらしい。
その時のアジア大会は中国が何十年ぶりかほぼ初めて国際大会に出場した大会と記憶している。名前は忘れたけど幻の走り高跳びの世界記録保持者が中国の選手だったとも報道されていたなぁ…
そして3点差負けはアジア大会史上中国が最も得点差をつけられた敗戦との事。
確かに日本はアジアでも最列強国。年齢制限はあるとはいえ、この日本チームは J-League ではレギュラー選手でないメンバーと学生で構成されたチーム。
一方の中国はGK 王大雷、FW 栄博軒、DF 趙宏略 、楊博宇 そして張琳芃主将ら所属する中国超級でもレギュラーを張る選手達が揃っていた。
それだけにこの試合結果に中国マスコミは失望を隠せない様だ。

   

中国男子サッカーのアジア大会の最高記録は1994年広島大会での銀メダル。

今回は地元開催なので最低でもメダル。そして決勝進出を地元では期待されているらしい。しかしその初戦、1974年大会で北朝鮮に 0-2 で敗れて以来の黒星スタートとなってしまった。 前回のドーハ大会では初戦、イラクを激戦の末に 1-0 で破った。
そしてそのイラクは決勝まで進出した。
アジア大会での中国の入ったグループはそんなに厳しくは無い。
しかしスケジュールは厳しい。初戦が強豪である日本戦であったが中国超級との兼ね合いから大会直前に合流した選手も少なくない。日本戦の直前にランニングと軽い練習をこなして臨まざるを得なかった選手が多かった。
しかしこの日の日本のスタメンは最強のチームではなく永井、山村、實藤ら学生選手3人を含んでいた。

学生が含まれているチームに完敗したことがそんなに屈辱的かいな??
       

過去のアジア大会での中国チームの初戦の戦績は下記の通りだった。

2006 China 1-0 Iraq
2002 Chinese 4 - 0Turkmenistan
1998 China 4-1 Lebanon
19
94 China 4-0 Yemen
19
90 China 5-1 Singapore
19
86 China 2-1 India
1982 China 1-0 Malaysia
19
78 China 1-0 Saudi Arabia
1974 China 0-2 North Korea
0-2

1990年北京アジア大会では上位進出が期待されたが準々決勝でタイに 0-1 で足元をすくわれてしまった。タイは結構アジア大会に強いんだなぁ。

学生相手にあまりにも幼稚な試合展開…

中国五輪候補チームは大学生がリードする日本五輪候補チームに対してあまりにも幼稚な試合展開を繰り広げ初戦を 0-3 で落とした…
何人かの人達は五輪候補チームのトレーニングは不充分すぎると言っているがこれは今回に限った事では無い。確かに全員が揃った合宿期間は短かったかもしれない。しかし選手達は中国超級でプレーする選手が主体で日本はアマチュアの大学生ですらメンバー入りしたチーム。こう言ったチームにしかもホームで36年振りのアジア大会初戦敗戦を喫してしまうなんて…

過去36年間で最悪のスタート。 

今回のアジア大会に中国代表で最初に登場した中国五輪候補チームは日本相手に 0-3 の敗戦を喫した。 アジア大会で 3点差負けを喫したのもワースト記録。ワースト2の2点差負けは1994年アジア大会決勝戦のウズベキスタン戦の 2-4。
それでも2ゴールを上げる事が出来た。
10月18日にアジア大会メンバーが発表されて以来、20人全員が揃うのはこれが初めてであった。確かに大会に向けての合宿期間は長く取られたが多くの選手が合流できなかった。
日本戦は前線の2人は呼吸が合わない様に見えた。そして特に左サイドバック位置でのセカンドボールはことごとく相手に支配されていた。これらは練習不足が招いたものであった。このメンバーの中でA代表の経験があるのは GK 王大雷と DF の張琳芃の2人だけであったことから攻撃力不足を露呈したとも言えるだろう。
今年6月 Liu Chunming 前監督時代とは多くの選手が入れ替えられた。そして11月2日に UAE 五輪候補チームと対戦し 1-1 で引き分けた。
今年に入りアジア大会に向けて行われた五輪候補チームの強化試合は23試合で
9勝5分9敗の戦績となったが総得点は22得点で1試合平均1点以下である。
  

悲劇!日本の大学生が600 万元のDF陣を翻弄…

ここ数年間で見られなかった対日本戦での3点差負けに終わったアジア大会の初戦であった。中国チームは中国超級でプレーする選手達で構成され、日本は J-League のみでなく6人の学生選手を含み Jリーガーでも常時ベンチ入りする選手ばかりでは無かった。しかしそういった選手達に次々とゴールを決められた。日中の差は広がるばかりだ…
日本の得点シーンを見てみると 中国超級では外国人選手だけが見せる様な非常に高いテクニックが披露された。 
永井はフィジカルアタックを難なくかわして山崎にボールを送り、山崎のボレーは身体を一捻りしただけのプレーで、永井の2得点目は巧みにヘッドで落としてからのショットだった。 中国DF陣は日本の攻撃陣を掴む事が出来なかった。 そして日本の3得点目のDF鈴木大輔のヘッドに対しては誰も対応出来ていなかった。
今、日本の J-League は終盤を迎え優勝争いのクライマックスを迎えつつあるのでこの国際大会にレギュラー選手を送る事が出来ない。しかも有資格者である香川は現在 Dortmund でプレー中だ。なのにどうやってこんなに強いチームをこの国際 A Class の揃わない大会に送れるのだろう?? 
永井の将来は素晴らしいものだろう。恐らく神戸か福岡に入団するだろうが今の所属は大学生だ。それは中国チームには見られない事だ。 
他の選手達はどうだろう? 山崎亮平は磐田に所属しているが長期間骨折とハイパーシンドローム( と報道されていたが正確には甲状腺機能亢進症 )の為に戦列を離れていた。 
鈴木大輔は新潟で背番号4を付けているが今季Jリーグでは出場機会が少ない
5試合115分 )選手だ。

              

中国のDF陣はそんなに経験が無かったのか? 
この試合で動きの鈍かった楊博宇は大連実徳で急成長を見せていた。
かつて Manchester United にも所属した張琳芃は600万元の移籍金で広州に移籍し吴曦は上海申花で成功をしている選手。そして趙宏略も大連実徳では台頭して来ている選手だ。
ただ張遠( 成都) 、栄博軒 ( 上海申花) の2人のスピードは効果的なサイド攻撃を見せたがこの日の悪天候がそれを妨げた不運もあった。

日本は中盤に素晴らしい選手が揃っておりこの試合ではその差が如実に表れた。中盤は完全に日本に支配されていた。 

張琳芃は今年2月の東アジア選手権では中国代表選手として日本戦そして韓国戦にも出場した選手。

日本は続くマレーシア戦でも2-0 と完封勝ちし次のラウンドへの進出を決めた。 中国もキルギスタンを2-1 で破った。
このアジア大会、もっとも気になるのは北朝鮮。初戦で韓国を破った。北朝鮮は前回のドーハ大会では準々決勝で韓国に 0-3 で敗れている。
北朝鮮は今年の AFC U-19, U-16 で優勝しておりこの大会でも勝てば年齢別大会3冠王となる。 でもアジアでの列強であるサウジアラビアがエントリーしていないんだなぁ...
サウジアラビアは1994年大会に U-23 チームを派遣以来アジア大会には選手団を送っていない。
1982年のニューデリー大会も選手団を送らなかった。なぜなんだろう?宗教的な問題があるのか?

私の好きなアジア大会。本当はもっとゆっくりとテレビ観戦出来ればなぁ……