Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

1年振りのS League 観戦  がんばれ日本人選手達 !!

2009-07-19 | Football Asia

世界ではまだまだ新型インフルエンザの警戒が続いている。今回商用で訪れた ASEAN 諸国でも入国時に今の体調、携帯番号等の連絡先そして宿泊先のホテルの詳細を記入した書類の提出を求められた。ある外国人は宿泊先は外で待っている友人が手配しているので今は判らないと係り員と押し問答をしていた。
この時期 ASEAN 諸国は雨季で気温も低く過ごし易いとたかをくくっていた事が間違いであった事はすぐに分かった。シンガポールでは日中の強烈な日差しに閉口した。やはり赤道付近にある国は違った。

1年振りに S League 観戦の機会に恵まれた。 目当てはここシンガポールで2001年のシーズンから9シーズンプレーする日本人選手、中村彰宏。昨年は Woodland Wellington に所属し今シーズンからは6つ目の所属クラブとなる Tampines Rovers でプレーする。
そしてこの Rovers には全国高校選手権2連覇を果たし18歳で U-20 代表にも名を連ねた金古聖司が今シーズンから加入した。 金古と言えばトルシエ時代はどんな選手になるのかと思ったが怪我の為にワールドカップメンバーには選ばれなかった。でもここで金古が見れるとは、とわくわくした。しかしながら本命の中村彰宏が何と怪我でしばらく試合に出られない事を現地で知ってしまった。
現役時代故障でリタイヤした事は私も経験がありその時は焦り、どれだけ悔しいをしたか….やったものでないと解からない。もっとも私の競技レベルなど彼らに比べる事も出来ないけど……

この日の Rovers の相手は Young Lions。選手の大部分はシンガポールU-23代表候補で構成されており、対外的にはこの世代のナショナルチームとしてシンガポールを代表する事になるが、国内リーグにおいては同国協会の管理下の下、クラブチームとして運営されている。
1992年、J League が開幕する前年のナビスコカップでバルセロナ五輪予選に向けて五輪候補チームが強化の為に当時の日本リーグのチームに混じってリーグ戦を行った事を思い出す。しかし候補選手のなかには学生もおりなかなかメンバーが揃わず当時の横山五輪代表監督もチーム編成にかなり悩まされた事だっただろう。

今シーズンの S League は序盤は新加盟の Brunei DPMM が開幕10戦目を終えて負けなしの6勝4分と好調なスタートを切り話題となった。チームのHassanal Bolkiah Mu'izaddin Waddaulah 会長はブルネイ王国の政府高官も兼任しているらしい。ブルネイと言えば世界でも屈指の裕福国家。その豊富な資金を元にチームは文字通り隣国ブルネイの選手が中心でクロアチア人、韓国人そしてアルジェリア人選手が合わせて3人含まれている。しかし全ての試合が“アウェーゲーム”となるせいか第11戦目の Home United 戦で初黒星を喫すると ( 0-2 ) 以降は3勝4分1敗。ここ2試合連敗中だ。そして前節は Tampines Rovers に 1-2 で敗れた。 そして現在は4位となっている。
首位を走るのは今シーズンシンガポール史上初めて AFC Champions Leagueに進出した SAFFC 。開幕9戦目まで8勝1敗と絶好調。第10戦は Brunei との“直接対決”に 1-2 で敗れたが以降8連勝で首位を走っている。
そして2位に着けているのがこの日観戦した Tampines Rovers 。そして対戦相手の Young Lionsは12チーム中11位と低迷している。そして日本から“参戦”している アルビレックスは7月19日現在9位となっている。今後の奮起に期待したい。

競技場に着いて着席した時はキックオフから2分程度経っていた。後ろに座っていた現地の人に “ Kaneko は?“と訊くと “ Number 18 ” とピッチを指差す。左のCBのポジションにいた。 “ Nakamura ? Injured ? “ と訊くと軽くうなずき今度は後方の座席の方を指した。 チームメイトとスタンド観戦をしていた。 ピッチにいたいだろうなぁ.. 後でサインもらいに行こう…..

試合は Rovers が押す展開。15分、17分に連続して相手PA付近でFKを得る。直接狙うも GK Hyrulnizan Jumaat がナイスセーブで防ぐ。蹴ったのはタイ代表の Sutee Suksomkit。 2004年 Asian Cup の日本戦で先制ゴールを決めた選手だ。一時は欧州進出の噂もタイ国内であった選手だ。 Rovers は Sutee だけではなく、 GK Hasaan Sunny ボランチの Fahrudin Mustatic  FW の Noh Alam Shah がシンガポール代表で昨年のワールドカップ予選にも出場した。 Mustatic はユーゴからの帰化人選手。また金古とCBを組む Shariff Abdul Samat も出場こそなかったがワールドカップ予選メンバー。更に2列目の右サイド、 Ridhuan Muhammed も2007年の北朝鮮戦に出場経験がある。さすがに代表選手が相手だと選抜チームでも苦戦するということか?試合は Lions ゴール付近で展開される時間が長く最後はどうしてもファールで止めざるを得ない。24分には カウンターからAlam Shah からのスルーパスを受けた Sutee がシュートを放つがここも GK Juma’at がブロック。こぼれた所をもう一度 Sutee が詰めるがシュートは外れてしまった。
Lions はワントップの Eugene Luo のドリブルが頼り。攻撃時には左の Irwan Shah と右の Fazli Ayob らが上がって来るが1対1で Rovers DFで押さえられてしまう。27分に右サイドを Luo がドリブルで突破し中に入れると金古がマークに入る直前にボランチの Hariss Harun がシュートを放つがここは GK Sunny がナイスセーブで防ぐ。 その直後今度は Sutee がドルブルで Lions ゴール前に迫る。 PA 内で相手DF3人を引き付け最後は Alam Shah に絶妙のラストパスを送るがまたも GK Juma’at が Alam Shah のシュートをファインセーブでストップ。両GKのナイスセーブ連発は観ていてこちらも引き込まれてしまう。29分に Lions は Harun の中央突破から右に流れた Luo を経由して中に入った Ayob に渡るがシュートは大きく外れてしまった。
この時間からボランチが上がって来て Lions のも攻勢に出て来るかと思った31分、 Lions ベンチは何故か Luo を下げてしまう。周囲にいた人達と目が合いお互いに Why ? と…2トップにするのかと思ったけど投入されたKhalili D’Cruz はそのままワントップに。 188cmの長身を生かそうとするのだろうけどクロスが上がるのかな?

なかなか先制ゴールの決まらない Rovers は33分過ぎから金古が上がって来るようになった。そしてスルーパスも出すなど少し格の違いを見せる。 

   

そして36分 Alam Shah が右サイドを突破し前に上がったフリーの Ridhuan Muhammed にボールが渡る。 Ridhuan は前に出て来た GK Juma’at の動きを冷静に見てシュートを軽く浮かせて Lions ゴールネットを揺らした。 最後の砦を守り続けた Juma’at だが遂にゴールを破られてしまった。 
先制した Rovers は更に攻勢に出てくる。40分にはFKから金古がヘッドを放つが惜しくもクロスバーを越える。180cmの金古はここシンガポールでは頭が一つ抜ける。そして41分 Sutee のスルーパスから Ridhuan がシュートを Lions ゴールに蹴り込み連続ゴールを決める。これでこの試合の大勢が決まったような気がした。その直後 Lions はFKのチャンスから最後は Ayob がシュートを放つがポストの右に外れた。
1対1で劣る分、運動量でカバー…とはこの高温下ではなかなか選手も動けないだろうなぁ…と思ったら前半終了のホイッスルが鳴った。 

ハーフタイム中に中村彰宏選手のところに駆け寄り記念写真を撮影させて貰った。 
早く怪我を治して試合に出られる事を願っていることや、ホームページに掲載されているお子さんのが随分と大きくなりましたね、といった話をしたら丁寧に応じてくれてとても嬉しかった。せっかく来たのに怪我で欠場で少し残念に思う事を伝えると
“その代り金古がいますから”と応えてくれた。
でも本音は昨年に続いてあなたを見たかったんだけど…. とは言いたかったけど言えなかった。そんなこと言って焦らせてもと思ったけど、やっぱり言ったら方がよかったかな…… 話ではもう少ししたら復帰可能との事。現場復帰がする来る事を祈願している事を伝え、挨拶をして座席に戻った。
日本じゃ現役選手とこういう形で試合中に話せるなんて考えられない.....

後半開始直後の45分56秒に Faireoe Hassan からボールを受けた D’Cruz がドリブルでRovers ゴールに迫ったが以降は Rovers が主導権を握る。54分47秒、Ridhuan のドリブル突破で中に切れ込み中の Aliff Shafaein がシュートを放つがジュストミートしなかった。 Rovers は2トップ、左の Shafaein、右の Alam Shah が上がると Sutee が左サイド、2得点の Shafaein が右サイドラインからフォローに入りボランチの Skukor Zallan, Mustatic の押し上げも早く数的優位が常に形成される。ボランチの2人は上背もあるなぁと思ったが後で調べたら180cm程。欧州では決して大きい部類では無いがそこは ASEAN 諸国….でも改めて体格の大きさは football では大きな武器になる事が良く解かってしまったなぁ….
何とか1点を還したい Lions は61分、ボランチの Izzdin Shafiq を下げて 19歳の Gabrie Qual Jun Yi を投入する。フォーメーションをどう変えて来るのかと目を凝らして見るのだが Rovers の攻勢が続きなかなかわからなかったが、どうやら D’Cruz と Jun Yi が2トップとなりMFの Shah が左サイドバックに入り Abdul Rahman が右サイドから左サイドバックに回った。そしてCBの Safuwan Baharudin がボランチに入り右サイドだった Madhu Mohana がナイジェリア人選手の Aikhena とCBを組む様になった。これで少し一方的な展開から脱するだろうかを思ったが両チーム前線へスルーパスを狙い過ぎているみたいで今度はシュートシーンが減ってしまった。

72分 Rovers は最初の交替選手、中国からの帰化人選手 Qiu Li を2得点の Ridhuan に替えて投入する。ベンチに下がった Ridhuan が他の控え選手と次々にハイタッチをしていた。Ridhuan は上背はないがドリブルの速さは魅力的。日本でいえば田中達也タイプか....

      


 Qiu は 2005年に中国からシンガポールに渡って来て2006年には Young Lions と契約。25試合に出場し19ゴールを決め、2008年5月28日のバーレーン戦ではシンガポール代表デビューを果たす。 そして代表では4試合プレーするもシンガポールに移住して5年経っていないという事からワールドカップ予選には出場できなかった。
来年から FIFA の公式戦にも出場できるがまず代表と Qiu が目指すは Asian Cup の出場か? Lions のナイジェリア人選手 Aikhena もそのうち帰化するんだろうなぁ..  これからシンガポールも帰化人選手が増えるだろうなぁ…,そんな事を考えていると約10分後の 83分、 Sutee からのスルーパスを受けた Qiu が相手DF二人をかわして Lions ゴールにシュートをねじ込み試合を決定づけた。 

    

残り時間の約10分間、Rovers はお役目御免と Sutee , そしてGK までもが交代でベンチに下がった。 Lions は選手交代もなく時間が過ぎそのまま Rovers が 3-0 の勝利を収めた。

この敗戦にも Lions の Pathmanathan 監督は肯定的なコメントを残す。

“ 得点に結び付かなかったが選手達はチャンスを創ろうと試みた事が嬉しかった。選手達は簡単にボールを失ってしまっていた。そして Rovers の様にテクニックがありインテリジェンスに富んだチーム相手にこの様な事をすればどういう目に合うかも分かっただろう。”
そして監督は Lions は発展途上の段階にありまたシンガポールサッカー界の発展を担っている事も示唆。
“我々は基礎作りの段階にあり、これからも出来るだけ多くの選手にそれぞれ出来るだけ多くのチャンスを与えるつもりだ。私は基本はそこにあり選手達は発展を見せてくれており結果はすぐに出て来るだろうと信じている。”
翌週、 Lions は先発選手3人を入れ替え、 Sengkang を 3-2 で破り3試合ぶりの勝利を収めた。年末には South Eastern Asian Games がラオスで開催され Lions を中心としたシンガポール U-23 が出場する。今年はこの大会が彼らの最終目標だ。

来シーズン、AFC Champions League に今年 SFACC が出場権を勝ち取った様にまた S League の チームが出場権を勝ち取る事を祈る。そしてそこに日本人選手が居てJリーグのチームと試合が行われる…今年福澤や新井がアントラーズ戦に出場した様に… Rovers も今は2位だがこれから中村が戻って来て戦力が揃うとまだまだ優勝のチャンス、そして AFC Champions League への路も残っている。

来年もし中村、金古といった選手が J のチームと一戦を交えられたら....そういう日が来る事を今から楽しみだ…

ガンバレ !! シンガポールの日本人選手達。 

           


All Whites の挑戦 FIFA Confederations Cup 2009 その2

2009-07-12 | 夏季五輪
New Zealand 0-5 Spain 14. June Rustenburg

All Whites の初戦は欧州王者のスペインが相手であった。All Whites の Herbert 監督が現役時代に出場したワールドカップはスペイン大会。何かの因縁を感じたか?日本では“無敵艦隊”と比喩されているスペイン代表。高校の歴史の授業で1588年当時“無敵艦隊”と言われていたスペインの艦隊が英国の艦隊に打ち破られこれがスペインの凋落、英国の台頭の始まりのそれぞれ象徴と言われていると習った。
当時、サッカー人気は低くこの歴史的事象とスペイン代表チームとを結びつける人はいなかった。それでも私はスペイン代表を思い浮かべ数年後のワールドカップでは地元スペインが優勝できないやろなぁ... と考えていた。
後に“受験勉強”で世界史を勉強している時に無敵艦隊は別に無敵で無いという事が解った。そして無敵艦隊と言う単語自体が存在するのは日本だけだという事も受験勉強の過程で解かった。

「無敵艦隊」はスペイン語Armada Invencibleの訳。ただしこの名称は、この艦隊を壊滅させたイングランド人が、皮肉をこめて考案した通称でスペインにおいては、「最高の祝福を受けた大いなる艦隊(Grande y Felicísima Armada)」と呼ばれていた。中立な視点からは、英語の文脈ではSpanish Armada、the Armadaなどと呼ぶ、

とは Wikipedia からの引用。

高校の時に歴史の先生がスペイン艦隊は穏やかな地中海での海戦が主な戦場で荒波での海戦の経験もある英国艦隊がプリスマ沖やグレイブライン海戦で勝利を収めるのは当然と話していた。従って日本でしか存在しない“無敵艦隊”と言う単語をスペイン代表と結びつけることが何と“日本らしい”と言う事だろうか?
だが今のスペイン代表はまさに“無敵艦隊”。この強豪を相手に選手を含めた関係者達は4日前 Pretoria で世界王者のイタリアに“調整試合”とはいえ“善戦”を果たした事実を糧に、イタリア戦と同じスタメンでこの試合に臨んだ。
しかし、イタリア戦が調整試合に過ぎなかった事をすぐに思い知らされる立ち上がり。開始6分左サイドから Fernand Torres にボールが渡ると DF Andrew Boyens はあっさりとかわされて先制ゴールを許す。そして14分 左サイドをSergio Ramos から David Villa にスルーパスが渡り中の Torres に渡ると CB の Tim Brown と Tony Lochhead の間から撃たれたショットがゴールネットに突き刺さる。更に3分後またも右サイド(スペイン側からは左サイド)で RamosからJoan Capdevilla にボールが渡り中の Torresにクロスがあがるとマークに入る Lochhead に競り勝ち3ゴール目となるヘッドが決まる。立ち上がり17分で立て続けに同じ右サイドを崩され3失点の All Whites 。GK の Moss もなす術なしと言う表情。更に24分にまたまた右サイドを Ramos に Villa へスルーパスを通され今度は Cesc Fabregas にボールが渡り4失点目を喫す。ここは完全に Fabregas をフリーにしてしまっていた。 All Whites ベンチはたまらず27分に Jeremy Brockie を下げて Jeremy Christie を投入し散々破られた右サイドを再構築にかかる。立ち上がりの連続失点に選手達は完全に浮足立っており、バイタルエリアでのマークが全くルーズになっている。確かにスペインの選手達はシーズンを終えたばかり。 A-League 勢が中心の All Whites 達は3か月も前にシーズンを終え新シーズンを1ヵ月半後に控えた完全にオフシーズンの状態。こう言う時こそ経験豊富な Nelsen が居れば…と誰もが思うところだろう。
ようやく43分にスペインゴール前に迫り FK を貰うと David Mulligan がFKを直接狙い惜しくも GK Iker Casillas に阻まれた。27年前のワールドカップ初戦の Scotland 戦でも立ち上がり3失点後すぐに連続ゴールで2点を返した実績がある。何とか早い時間に1点を返せば….と思うも後半開始早々の48分、スローインを受けた Toress が左サイドをドリブルで突破し入れたセンタリングをクリアーしようとした Boyens が何と空振りしそのまま右サイドのVilla の前に転がり、 簡単に決められ遂に5点差がついた。残り40分以上、あと何点取られるか?と心配になる最悪の展開。57分には Torres がフリーで放ったシュートはゴール枠を外れ、58分には Albert Riera のヘッドもポストの左に外れて行く。70分 All Whites の Simon Elliott が意地のミドルを放つがGK正面。76分には Fabregas が放ったシュートはポストの上に。 All Whites ベンチは76分に Chris James, 83分に Kris Bright と言ったFWの選手を入れるがスペインゴールをこじ開ける事は出来ず、これ以上の失点は防いだが完封を喫し、初戦を“ようやく “ を終えた。この試合の結果スペイン代表の連勝は13となり連続無敗試合記録は33となった。昨年の欧州選手権を含めて33試合中30勝と言う圧倒的な強さが再確認された。
ニュージーランドの地元紙も “ All Whites get Spanish lesson : All Whites 達はスペイン(語)の授業を受ける”と言う見出しで、監督の Ricky Herbert の挑戦は今やもう一度選手の見直しをすることだ、何故ならまだ大会は終わっていない、そしてなすべき事は早くこの結果を忘れる事だ、しかしこの試合を見た者の多くは簡単には忘れられないだろうが…….と言うとても楽観的な事など書けないと言った内容か……

この日3ゴールのTorres の年棒はNZ$5,000万 ( 約27億5,000万円 ) All Whites の大会エントリーメンバー23人全ての年棒を加算しても及ばないのではないか?
それでも選手達からは強気のコメントが紙上に。主将の Tim Brown は
“私はまだまだ我々はこの大会で何かできると考えている。南アフリカとイラク相手にサプライズを起こす機会があると思っている。この試合に就いては忘れる事はしない。まず我々は失敗から学ぶことが出来る。そして後半の出来に就いては肯定的に考えている。それはそこに何かがあると思うからだ。" とのことらしい。
Herbert 監督も同様に Confederations Cup で最初の勝点または勝利を挙げられると考えている。 ”選手達は敗戦をじっと耐えるだろう。我々はスペインのパフォーマンスには驚かなかった。ある意味こう言うチームを相手にする事はファンタスティックな機会であった。しかしその反面我々には常に厳しくなりそうだ。しかし我々はまだ偉大な試合を迎える。南アフリカがイラクと引き分けた事のよりこのグループはわからなくなって来た。何人かの選手のパファーマンスには失望したが明日は新たな日だそして元に戻れるであろう。我々は次のホスト国との対戦に向けてこの失望から早く立ち直らねばならない。“

  

New Zealand 0-2 South Africa 17. June Rustenburg

時差の関係でこの試合の前にワールドカップ予選のプレーオフの相手がサウジアラビアかバーレーンに絞られた。 All Whites の次の相手はホスト国の南アフリカ。
ニュージーランド対南アフリカはラグビーなら屈指の好カード。そして1995年地元開催のラグビーのワールドカップ決勝戦がこのカードであった。試合は延長戦の末に Springboks こと南アフリカが All Blacks を破った。

初戦の(この大会前の)世界ランク1位のスペインに惨敗したAll Whites であったが南アフリカは世界ランク72位。イラクは77位。82位のニュージーランドにとって充分射程距離内の2カ国であった。そして初戦、地元の大歓声を受けながらイラクと引き分けた南アフリカには更なる重圧がかかると予想され、その試合内容に期待がかかった。試合前のニュージーランドの地元紙の予想スタメンでは中盤の右サイドに Jeremy Christie が Brockie の替って、CBに Ben Sigmund が Andrew Boyens に替りそれぞれ起用されそしてスペイン戦ではワントップであったが南アフリカ戦では Shane Smeltz をトップに上げて Chris Killen と2トップを組むと予想された。
しかし、怪我からの回復に心配のある Sigmund はベンチスタートであった。

試合は大歓声を背に南アフリカが主導権を握る展開。10分にThembinkosi Fanteni のシュートがゴールネットを揺らすがこれはオフサイドの判定。しかし21分に Tsepo Masilela が左サイドを David Mulligan をかわして中に入れるとフリーの Bernard Parker に渡りそのままゴールを破られる。 またも右サイドを崩されての失点。そしてペナルティーエリア内でのマークが全く甘い。先制をした南アフリカは重圧から解放されたのか以降何度もニュージーランドゴールを襲撃する。前半は何とか1失点でしのいだが 52分に Masiela が Mulliganを突破して中に入れるとボールを受けた Parker がニュージーランドゴールに蹴り込んんで追加点を決められる。 Parker にボールが入った時に周りにいた Elliot, Vicelich のマークが遅いし甘い。そして先制ゴールと同様右サイドを崩されての失点。先制ゴールと言うよりもスペイン戦を含めて何度右サイドを破られた事だろう…… 
2点目を失ってから Duncan OUGHTON、Chirs Wood, Simon Elliot と言った攻撃陣を次々に投入するもシュートまで持ち込むがゴール枠を捉えられない。ついに連続完封を許し2連敗となり準決勝進出の望みを断たれた。
試合後 Herbert 監督は“大変失望している。多くの選手がバックアップ出来ていない。”とのコメントを発した。守勢に回った時にあっさりと突破を許しゴール前まで一気に持ってこられる展開が目立った。それでも“まだ得ていない勝点を目指す。それが土曜日のイラク戦の照準だ。”と最終戦への意気込みも語っていた。

All Whites の FIFA Confederations Cup の戦績では2003年大会の1次リーグ最終戦でフランスに 0-5 で敗れて以降まだ得点がない。そのゴールを決める事が出来るだろうか…….. 結局イラク戦は 0-0 で引分け4試合連続のノーゴールとなったが悲願の勝点を挙げる事が出来た。しかも消化試合ではなくイラクは勝たねばならない試合であった。大会期間中、私はオーストラリア、ニュージーランドに商用で滞在していたために FIFA Confederations Cup は結構テレビ観戦が出来た。日本ではCSと契約していない限り無理であっただろう。そして All Whites の戦いぶりを見させてもらった。
案の定、日本の専門誌を含めたマスコミはどこも  All Whites の事を触れていない。と言うよりも何の知識もない上に“準備”をしていなかったに違いない。 
一部にはアジアの第五位となるサウジアラビアかバーレーンのどちらかがほぼワールドカップ出場を決めるという観測もある。しかしそう思うのは…

でも思わせとけばいいだろう。どこも真剣に報道などしないし、出来ないのだから。 しかしニュージーランドの地元報道も積極的にこの大会の報道をしていたとは言い難い。それは6月13日にフランス、20日にイタリアと All Blacks がテストマッチを行ったからだ。 All Blacks の試合ともなれば1週間も前から連日報道がなされるのだけど All Whites は…??
ただ大会後にニュージーランドがオーストラリアの様にアジア連盟に加入すれば….というコラムが掲載されていた。単純比較だが最新FIFAランキングだと 16位のオーストラリアを筆頭に40位日本、48位韓国、58位イランと続き96位のシリアまで12カ国が100位のニュージーランドを上回る、そして中国が108位だ。
既に我が日本代表は予選突破を決めているので他国の予選状況をこんなに見ていられるのだろうと思う。 プレーオフ、NHKの衛星でやってくれないかなぁ…

6月末にニュージーランドは世界ランク7位のアルゼンチンから対戦のオファーを受けたが断ったらしい。そして中国との対戦を計画しているとのことだがそれはこの時期に対戦するにはアルゼンチンはまだ早すぎる...と言う事らしい。
もし対戦が実現すれば歴代ワールドカップ優勝国全てと対戦したことになったらしい。
しかし彼らの目標は10月10日と11月14日に行われるプレーオフだ。当然の選択と思う。そして中東対策として9月5日にイラク、8日にヨルダンとそれぞれアウェーで試合を行うとのことであった。

        

FIFA Confederations Cup 2009 の All Whites 戦の選手起用は下記の通り。

Sunday 14 June
Royal Bafokeng Stadium, Rustenburg 
New Zealand 0 Spain 5 (Fernando TORRES 6, 14, 17; Cesc FABREGAS 24, David VILLA 48)

New Zealand: 12-Glen MOSS (GK), 3-Tony LOCHHEAD, 6-Ivan VICELICH, 7-Simon ELLIOTT, 8-Tim BROWN (Captain), 9-Shane SMELTZ (16-Chris JAMES 76), 10-Chris KILLEN (21-Kris BRIGHT 83), 11-Leo BERTOS, 15-Jeremy BROCKIE (14-Jeremy CHRISTIE 27), 17-David MULLIGAN, 18-Andrew BOYENS,

Substitutes not used: 1-Mark PASTON (RGK), 2-Aaron SCOTT, 4-Duncan OUGHTON, 5-Ben SIGMUND, 13-Andy BARRON, 19-Steven OLD, 20-Chris WOOD, 22-Jarrod SMITH, 23-James BANNATYNE (RGK).      Coach: Ricki HERBERT

Spain: 1-Iker CASILLAS (GK/Captain), 2-Raul ALBIOL, 5-Carlos PUYOL, 7-David VILLA, 8-XAVI (20-Santi CAZORLA 54), 9-Fernando TORRES (21-DAVID SILVA 70), 22, 10-Cesc FABREGAS,
11-Juan CAPDEVILA, 14-XABI ALONSO, 15-SERGIO RAMOS (19-Alvaro ARBELOA, 18-Albert RIERA.

Substitutes: 3-Gerard PIQUE, 4-Carlos MARCHENA, 6-Pablo HERNANDEZ, 12-Sergi BUSQUETS, 13-Diego LOPEZ (GK), 16-Fernando LLORENTE, 17-Daniel GUIZA, Juan Manuel MATA, 23-Pepe REINA (GK).    Coach: Vicente DEL BOSQUE

Wednesday 17 June
Royal Bafokeng Stadium 
New Zealand 0 South Africa 2 (Bernard PARKER 21, 52)

New Zealand: 12-Glen MOSS (GK), 3-Tony LOCHHEAD, 6-Ivan VICELICH, 7-Simon ELLIOTT, 8-Tim BROWN (Captain/4-Duncan OUGHTON 54)), 9-Shane SMELTZ, 10-Chris KILLEN (20-Chris WOOD 75), 11-Leo BERTOS (16-Chris JAMES 66), 14-Jeremy CHRISTIE, 17-David MULLIGAN, 18-Andrew BOYENS.

Substitutes not used: 1-Mark PASTON (RGK), 2-Aaron SCOTT, , 5-Ben SIGMUND, 13-Andy BARRON, 15-Jeremy BROCKIE, 19-Steven OLD21-Kris BRIGHT, 22-Jarrod SMITH, 23-James BANNATYNE (RGK).    Coach: Ricki HERBERT
Cautions: Jeremy CHRISTIE 53, Andy BOYENS 72, Shane SMELTZ 85, Ivan VICELICH 90+3

South Africa: 16-Itumeleng KHUNE (GK), 2-Siboniso GAXA, 3-Tsepo MASILELA, 4-Aaron MOKOENA (Captain), 6-MacBeth SIBAYA, 10-Steven PIENAAR, 12-Teko MODISE, 13-Kagisho DIKGACOI, 14-Matthew BOOTH, 17-Bernard PARKER (8-Siphiwe TSHABALALA 81), 18-Thembinkosi FANTENI (21-Katlego MASHEGO 62).

Substitutes not used: 1-Rowen FERNANDEZ (RGK), 5-Benson MHLONGO, 7-Lance DAVIDS, 9-Katlego MPHELA, 11-Elrio VAN HEERDEN, 15-Innocent MDLEDLE, 19-Bryce MOON, 20-Bongani KHUMALO, 22-Brian BALOYI (RGK), 23-Morgan   GOULD. Coach: Joel SANTANA


Saturday 20 June
Ellis Park, Johannesburg 
New Zealand 0 Iraq 0

New Zealand: 12-Glen MOSS (GK), 2-Aaron SCOTT (17-David MULLIGAN 83), 3-Tony LOCHHEAD, 5-Ben SIGMUND (18-Andrew BOYENS 72), 6-Ivan VICELICH, 7-Simon ELLIOTT, 8-Tim BROWN (Captain), 9-Shane SMELTZ, 10-Chris KILLEN, 11-Leo BERTOS, 15-Jeremy BROCKIE (14-Jeremy CHRISTIE 68).

Substitutes not used: 1-Mark PASTON (RGK), 4-Duncan OUGHTON, 13-Andy BARRON, 16-Chris JAMES, 19-Steven OLD, 20-Chris WOOD, 21-Kris BRIGHT, 22-Jarrod SMITH, 23-James BANNATYNE (RGK).     Coach: Ricki HERBERT
Cautions Tim Brown 36, Jeremy BROCKIE 61

Iraq: 12-MOHAMMED KASSID (GK), 2-MOHAMMED ALI KAREEM, 3-BASEM ABBAS, 5-NASHAT AKRAM, 7-EMAD MOHAMMED (17-ALAA ABDUL ZAHRA 56), 10-YOUNIS MAHMOUD, 11-HAWAR MULLA MOHAMMED (4-FAREED MAJEED 46), 13-KARRAR JASIM, 14-SALAM SHAKER, 15-ALI HUSSEIN REHEMA, 18-MAHDI KAREEM (6-SALIH SADIR 67)

Substitutes not used; 1-NOOR SABRI (RGK), 8-LUAY SALAH, 9-ABDUL WAHHAB ABU AL HAIL, 16-DARA MOHAMMED, 19-ISAM YASEEN, 20-SAMER SAEED, 21-ODAY TALIB (RGK), 22 MUAYAD KHALID, 23 HALKARD MULLA MOHAMMED.   Coach: Bora MILUTINOVIC

All Whites の挑戦 FIFA Confederations Cup 2009 その1

2009-07-10 | 夏季五輪
New Zealand 0-0 Iraq 20. June Johannesburg

イングランド人の Howard Webb 主審のホイッスルが鳴り響くや否や New Zealand ベンチの Rickie Herbert 監督は誰かれなく抱きつき喜びを爆発させた。そしてGK Glen Moss が両手を突き上げゴール裏の観客に大きく手を振った。 
Kiwi 達が大挙してここに駆け付けていた訳では無かった。この試合もしイラクが勝つと地元南アフリカは準決勝に進めなくなくなる可能性があった。従って 23,295 人の観衆のうち8割以上が New Zealand All Whites に声援を送っていた。その彼らの声援に向けて感謝の辞を述べたかったのかもしれない。 大会2連敗で既に1次リーグ敗退が決まっている New Zealand の最終戦の相手はこの試合に勝てば準決勝進出への視界が大きく開けて来るアジア王者のイラク。 
試合前の New Zealand での観点は何人かの選手の入れ替えで特にGK Glen Moss をこのイラク戦でも起用するのかどうか? Melbourne Victory のGK Moss はオセアニア地区予選の Fiji 戦で退場になり今年10月、11月に行われるアジア地区第5位(サウジアラビア or バーレーン ) とのプレーオフはおろかワールドカップ出場が決まっても最初の2試合は出場できないという4試合出場停止を受けている為、地元のマスコミの中にはプレーオフに向けて第二GKである Wellington Phoenix の Mark Paston を起用すべきとの声も上がっていた。 Herbert 監督はこの大会での勝点を目指すのか?プレーオフを見据えるのか…
スタメンは3日前の南アフリカ戦から3人のスタメンを入れ替えたが GK に起用されたのは Moss だった。 Herbert 監督はまずこの大会での“実績”を選んだのかもしれない。
対する前節スペインに0-1 で惜敗したイラクはこの試合には Emad Mohammed, Younnis Mahmoud そして Mahdi Kareem と言ったワールドカップ3次予選でオーストラリアDF陣を苦しめた攻撃的な選手をスタメンで起用。最終戦は攻撃的な布陣で勝利と準決勝進出を目指す名匠 Bora Milutinovic 監督の方策だ。

11分 Emad Mohammed からボールを受けた Younnis Mohamoud が放ったショットをGK Moss がナイスセーブで防ぐと しばらく All Whites が攻勢に出る。 15分、 Chris Killen がHussein Rehema をかわしてシュートを放つが惜しくも外れる。17分には 左から Leo Bertos が入れたクロスにフリーの Shane Smeltz がフリーで放つが外してしまう。3試合目ともなると国際大会の雰囲気に慣れたか1対1でもフィジカルの強さを全面に出し対等にボールを奪い合う。 同じ南半球で行われているので気温13度と言う気象条件も味方をしたか?



しかし後半に入って最高のパフォーマンスを見せたのはGK の Moss。このままスコアレスドローかと思われた87分に Younnis Mohamoud からボールを受けた Karrar Jasim が Dave Milligan をかわして中央から決定的なシュートをファインセーブで防ぐ。ロスタイムに入った92分には交替出場の Salih Sadir のミドルシュートを弾き出す。どうしても Moss の牙城を崩せないイラクは93分 Salam Shakar のシュートが Moss をついに破るがカバーに入った DF Tony Lochhead がゴールライン手前で蹴り出す。そして更に2分あったロスタイムにも両チーム得点は生まれずタイムアップの笛が鳴った。
“今夜は我が国にとって milestone となるだろう。 数人の懐疑者が間違いであった事を証明でした。 チームにとっては偉大な夜だ。 我々はこれまでFIFA 主催の大会で挙げられなかった勝点を挙げる事が出来、握ることの出来なかった主導権を握る事が出来た。ハーフタイムまでに2,3度あったチャンスを生かせなかった事は残念であった。ワールドカッププレーオフにむけて希望を持たせられるまずまずのパフォーマンスであった。 この日の様なある程度の相手に0-0 で引き分けて大会を後にすることは重要なメッセージを送った事となる。” これまで New Zealand は FIFA 開催のフル代表レベルの大会には1982年ワールドカップスペイン大会を筆頭に FIFA Confederations Cup は1999年と2003年、合わせて3度出場していた。しかし共に3連敗で大会を去っており大会の連敗を11でストップするとともに初勝点をもたらした。

“私が指揮した期間では最高のパフォーマンスであった。”と Herbert 監督は喜びを隠さない。
大会が選ぶ Man of the Match には Gold Coast United 所属のFW Shane Smeltz が選ばれたが、私から見た感想は GK のGlen Moss も勝るとも劣らない活躍だった。 大会終了後の FIFA ランクでは New Zealand は100位。イラクは94位。プレーオフで対戦する可能性のあるサウジアラビアは61位。そしてバーレーンは66位。 しかしアジア王者のイラクを相手にここまで戦ったのをみた両国は脅威を感じ始めたかもしれない。それが Herbert 監督の最大の狙いだったか?
地元では丁度フランス、イタリアのラグビー代表チームが All Blacks とのテストマッチの為に相次いで訪れておりあまり話題にはならなかった。しかし11月14日、ウェリントンで何かが起こるかもしれない………

   

5月7日 Confederations Cup に臨む All Whites 23名発表 6月14日から開幕する FIFA Confederations Cup に臨む New Zealand All Whites のメンバー23名が下記の通りに発表された。 (Club – caps/goals)
Goalkeepers:
James BANNATYNE (Petone/Team Wellington – 5/0) Glen MOSS (Melbourne Victory – 10/0) Mark PASTON (Wellington Phoenix – 19/0)

Defenders:
Andrew BOYENS (New York Red Bulls – 8/0) Tony LOCHHEAD (Wellington Phoenix – 20/0) David MULLIGAN (Wellington Phoenix – 23/3) Ryan NELSEN (Captain / Blackburn Rovers – 38/10) Steven OLD (Kilmarnock – 19/1) Aaron SCOTT (Melville United/Waitakere United – 2/0) Ben SIGMUND (Wellington Phoenix – 8/1)

Midfielders:
Andy BARRON (Petone/Team Wellington – 8/1) Leo BERTOS (Wellington Phoenix – 22/0) Tim BROWN (Vice-captain / Wellington Phoenix – 19/0) Jeremy CHRISTIE (Wellington Phoenix – 17/1) Simon ELLIOTT (San Jose Earthquakes – 58/8) Chris JAMES (Tampere United – 12/1) Duncan OUGHTON (Columbus Crew – 25/2)

Forwards:
Kris BRIGHT (Panserraikas FC – 2/1) Jeremy BROCKIE (North Queensland Fury – 11/0) Chris KILLEN (Celtic FC – 28/15) Shane SMELTZ (Gold Coast United – 23/13) Jarrod SMITH (Seattle Sounders FC – 14/0) Chris WOOD (West Bromwich Albion – 0/0)

Hyndai A-League をはじめアメリカMLS でプレーする選手が中心。Rikiy Hebert 代表監督が兼任する A-Leauge の Wellington Phoenix 所属の選手が7人も含まれている。選手として出場して以来28年振りのワールドカップ出場に情熱を燃やし続ける Herbert 監督の熱意が伝わる。 解散した A-League の New Zealand Knights の最後を引き継ぎそのまま新たに誕生した Wellington Phoenix の監督に就任して以来 All Whites の監督にも就任。このワールドカップ予選に並々ならぬ思いが込められているだろう。
欧州でプレーする選手もいるが FW の Chris Killen は所属先の Glasgow Celtic ではScot McDonald, Jan Vennegoor of Hesselink とのレギュラーポジション争いに勝てずにベンチスタートの日々が続き3シーズンで21試合1ゴールの実績しか残せず昨シーズンは途中なから Championship の Norwich にローン契約となっていた。そんな中でチームの絶対的重鎮であったのが Blackburn Rovers 所属の Ryan Nelsen 。過去2度の FIFA Confederations Cup に出場した現役 No.1 の実績を持つ選手。しかし Nelsen は5月16日 Chelsea 戦で脚を痛め5月21日、出場辞退を余儀なくされる。
“私は本当にこの大会を楽しみにしていた。 Confederations Cup はプレーオフに向けての重大な準備となる。本当に今残念でならない。それは大変なフラストレーションだ。今シーズンは国際試合を含めて50試合程度こなしてきた。体調は非常に良かった。しかしそれがオーバーワークであったのかもしれない。休養が必要だという神の思し召しかもしれない。” 
失意なのは Nelsen だけではない。 “自信、経験そして競争力。それらは Nelsen が選手としてもつ学識だ。我々がこれからやろうとしている事は今や失った事だ。彼の離脱は重大な損失だ。今はこれが10月(プレーオフの初戦)に起こらない事を祈るばかりだ。”

  

そして Nelsen の替りには過去2度の Confederations Cup に出場した Auckland City FC のベテランMF  Ivan Vicelich が招集される事となった。 Nelsen, Vicelich, Duncan Oughton, Chris Killen の4人は2003年大会の日本戦に出場した選手で GK Mark Paston そして Dave Mulligan, Shane Smeltz ら3選手はベンチ入りするも出場はしなかった。

   

New Zealand 3-4 Italy 10th June Pretoria
5月27日 Auckland を出発した選手団一行は6月3日にタンザニア ( 1-2 ) 6月6日にボツワナ ( 0-0 ) とアウェーで2連戦を行った後に南アフリカ入りし世界王者のイタリアとの“調整試合”に臨んだ。
雨で重く濡れたピッチで行われた試合は開始10分に Leo Bertos のFKにShane Smeltz が飛び込んでヘッドで決めた All Whites が先制する波乱の幕開け。  33分に Rossi, Quagliarella と繋いで最後はGilardino のヘッドで同点としたアズーリだが、42分にはまたも Bertos のCK から Chris Killen がヘッドを叩き込み All Whites がリード。 48分には Dossena のクロスから再び Gilardino のヘッドでイタリアが追い付いた8分後に Killen がゴール前に入り込むと GK Marco Amelia が Killen を倒してPKを献上。 Killenは自らそのPKを決め三度 All Whites が突き離す展開。
しかしここから Lippi 監督は Pirlo, Camoranesi, Iaquinta そして Toni と言った攻撃陣を次々と投入。自力に勝るアズーリが68分、72分と Iaquinta の連続ゴールで逆転勝を収めた。この試合結果にもっとも安堵しているのは試合後“今夜は調整試合だ。”とコメントしたMarcello LIPPI 監督であっただろう。今思えばイタリアの大会での不調の前触れだったのかもしれない。

敗れた All Whites の Herbert 監督は金星を逃した事を悔やむ一方で、 “これまで見てきた中で Best Performance。我々は今日3ゴールを挙げる為だけににここに来たわけではなく、世界王者相手に良いパファーマンスを見せに来た。ファンタスティックなパファオーマンスでもっとやれたとも思う。” と試合後感想を述べていた。

4日後、昨年EURO王者の戴冠を受けたスペインを相手に少しばかりの自信を持って大会初戦に臨めるはずであったのだけど………  続く  

  

イタリア、ボツワナそしてタンザニア戦の出場メンバーは下記の通り。

New Zealand 3 (Shane Smeltz 10, Chris Killen 42, 56-pen) Italy 4 (Alberto Gilardino 33, 48, Vicenza Iaquinta 68, 72) New Zealand: 12-Glen MOSS (GK), 17-David MULLIGAN, 18-Andrew BOYENS, 6-Ivan VICELICH, 3-Tony LOCHHEAD, 15-Jeremy BROCKIE (13-Andy BARRON 75), 7-Simon ELLIOTT, 8-Tim BROWN (Captain), 11-Leo BERTOS, 9-Shane SMELTZ, 10-Chris KILLEN (20-Chris WOOD 80).

Substitutes not used:1-Mark PASTON (RGK), 2-Aaron SCOTT, 4-Duncan OUGHTON, 5-Ben SIGMUND, 14-Jeremy CHRISTIE, 16-Chris JAMES, 19-Steven OLD, 21-Kris BRIGHT, 22-Jarrod SMITH, 23-James BANNATYNE (RGK).
Coach: Ricki HERBERT

Italy: 14-Marco AMELIA (GK), 2-Davide SANTON, 13-Alessandro GAMBERINI, 6-Nicola LEGROTTAGLIE, 22-Andrea DOSSENA, 8-Gennaro GATTUSO (Captain/20-Riccardo MONTOLIVO 58), 18-Angelo PALOMBO, 7-Simone PEPE (16-Mauro CAMORANESI 58), 17-Giuseppe ROSSI ( 21-Andrea PIRLO 56), 23-Fabio QUAGLIARELLA (15-Vincenzo IAQUINTA 58), 11-Alberto GILARDINO (9-Luca TONI 58),

Substitutes not used: 1-Gianluigi BUFFON (RGK), 3-Fabio GROSSO, 4-Giorgio CHIELLINI, 5-Fabio CANNAVARO, 10-Daniele DE ROSSI, 12-Morgan DE SANCTIS (GK), 19-Gianluca ZAMBROTTA, , Coach; Marcello LIPPI


New Zealand 1 (Shane Smeltz 10-pen) Tanzania 2
Wednesday 3 June

New Zealand: 1-Mark PASTON (GK), 3-Tony LOCHHEAD, 6-Ivan VICELICH, 8-Tim BROWN (Captain), 9-Shane SMELTZ (16-Chris JAMES 75), 11-Leo BERTOS, 14-Jeremy CHRISTIE (7-Simon ELLIOTT 55), 15-Jeremy BROCKIE (13-Andy BARRON 75), 17-David MULLIGAN, 19-Steven OLD, 20-Chris WOOD (10-Chris KILLEN 55). Substitutes not used: 2-Aaron SCOTT, 4-Duncan OUGHTON, 5-Ben SIGMUND, 12-Glen MOSS (RGK), 18-Andrew BOYENS, 21-Kris BRIGHT, 22-Jarrod SMITH, 23-James BANNATYNE (RGK).

New Zealand 0 Botswana 0
University of Botswana Football Stadium Gaborone, Botswana
Saturday 6 June (June 7 NZT)

New Zealand: 12-Glen MOSS (GK), 2-Aaron SCOTT (3-Tony LOCHHEAD 79), 4-Duncan OUGHTON, 6-Ivan VICELICH, 7-Simon ELLIOTT (Captain), 10-Chris KILLEN (21-Kris BRIGHT 82), 13-Andy BARRON, 16-Chris JAMES, 17-David MULLIGAN, 18-Andrew BOYENS, 22-Jarrod SMITH (15-Jeremy BROCKIE 55). Substitutes not used: 1-Mark PASTON (RGK), 5-Ben SIGMUND, 8-Tim BROWN, 9-Shane SMELTZ, 11-Leo BERTOS, 14-Jeremy CHRISTIE, 19-Steven OLD, 20-Chris WOOD, 23-James BANNATYNE (RGK)


6.17 豪日戦後の地元での報道  2週間以上経ちましたけど…

2009-07-05 | 夏季五輪

地元専門誌の豪日戦の Socceroo 達の評価は下記の通りだった。

MARK SCHWARZER: RATING: 7
最終予選での初失点 - それは40分に日本のDF Tulio Tanaka に喫したもの – には当然ひどく落ち込んだのだがそれは彼のミスでは無い。その後はゴール前では信頼されるべくプレーを続け88分にはファインセーブでチームのリードを守った。

RHYS WILLIAMS: RATING: 6
その20歳の若者は右サイドバックで代表デビューを果たしたが緊張は隠せず時折ボールを失った。しかし充分に自信を持てるほどのオーバーラップとボール支配を何度か見せた。これからワールドカップメンバーに入る為の厳しいバトルが待っているが彼には将来があるとほのめかすには充分なデビューであった。

LUCAS NEILL: RATING: 8
Socceroos の Captain はこの試合のもう一人の立役者。例えコーナーキックからの日本のゴールへのマークに就いて質問を受けるであろうが、Tim Cahill の同点ゴールをほぼお膳立てした。Neil は成功を確実にする選手で後半は何度も効果的なタックルで日本の攻撃を遮断した。

JADE NORTH: RATING: 7
North は Craig Moore と Chirs Coyne と翌年のワールドカップでの Lukas Neil のCB のパートナー役を競っている。しかし Neil 同様甘いマークで日本にゴールを許した責任を問われるだろうが水曜日の確実なパフォーマンスは彼の希望を妨げるものでは無かった。

SHANE STEFANUTTO: RATING: 6
29歳の2年振りの代表出場2試合目となった左サイドの選手は特に見るべきところないプレーに終始した。

NICKY CARLE: RATING: 7 
Harry Kewell の欠場の為まれなスタメンが回って来。前半は失望させられたが後半は彼の技術の一端を見せ、 Cahill の逆転ゴールを生んだCK を自らのシュートで導き出した。そして Cahill の2ゴール目は彼のCKからであった。

JASON CULINA: RATING: 6 
Culina はいつもの控え目にそしていつもやっている様にオーストラリアの4バックを防御した。しかしあまり攻撃参加はしなかった。

VINCE GRELLA: RATING: 8
オーストラリアのMFは常に走り続け劣勢だった前半のチームを鼓舞し続けた。
そして Cahill の同点のヘッドを素晴らしいFKからお膳立てした。 Socceroos の最も重要な選手の一人と記憶に留められることに。

MILE STERJOVSKI: RATING: 7 
Cahill がゴールを決めるまで彼だけがオーストラリアの選手の中で得点の可能性を見せていた。そして何度かゴールチャンスを掴んでいたが決定力に欠けていた。 しかし翌年のワールドカップメンバーを約束されたであろう選手のなかで最も過小評価されている選手と思われている。

TIM CAHILL: RATING: 9 
かつてこんなすごい選手が Socceroos にいただろうか? 再び Blue Samurai に対して2ゴールを決め2006年のワールドカップの日本戦での英雄的な活躍を再現し宿敵に対して逆転勝をオーストラリアにもたらした。代表出場歴34試合で16得点。彼はオーストラリアで最も偉大な選手の1人で南アフリカでの我々の運命を担うキープレーヤーである。ただ試合後自分のパフォーマンスに就いてを尋ねられそれを応えるのを拒否した時に自分自身の意気が消沈した。

 

JOSH KENNEDY: RATING: 6
ハードにプレーをしたが前半はゴールを狙う機会に渇望した。後半は Cahill の黒子役となった。 今も Pim Verbeek のゲームプランのキープレーヤーである。

JACOB BURNS: RATING: 3 – 78分に投入され自分の仕事をこなす。
DARIO VIDOSIC: RATING: 3 - 交替出場でデビューを飾るも才能を示すほどの時間が無かった。

Man of the Match の Cahill の評価は言うまでもないがボランチの Grella, Culina の二人が揃って出場できて他の Socceroos 達との ” 格の違い”を見せられたことも勝因の一つだろう。また CB の Jade North が高評価を受けているが、日本のFW陣が中からあまり切れ込まなかった事も彼の”評価を上げた”手助けとなっただろう。
Kennedy の評価は空中戦でほぼ完璧に闘莉王に抑えられていたことだ原因だろう。この試合 Verbeek 監督が最も案じたのが両サイドバック。そこをうまく突けなかったか.....   



Pim が南アフリカの前にすべき5つの事

1. Mark Viduka のカムバックを説得し Tim Cahill を助けるゴールゲッターを見出せ。

Viduka はもう2年間国際試合から遠ざかっている。そしてまだ彼がカムバックする事に興味があるかは不明だ。その No.9 のシャツを着た大男の登場を喜ぶチームメイトからのサポートは少なくない。 しかし彼はフィットしコンディションを整え南アフリカに来る事を望ねばならない。 もし33歳になるその選手が Josh Kennedy や Scott McDonalnd がこれまで見せたパファオーマンスよりも良いものを見せられるだろうか? Cahill は日本戦のゴールで再び彼が Verbeek のチーム構成に無くてはならない選手で Team Sheet の筆頭に書かれる選手だという事を証明した。
しかし彼は全てを出来る訳では無くMark Bresciano, Harry Kewell, Brett Holman, Nick Carle, Mile Sterjovski  (そして恐らく Nikita Rukavytsya, Nathan Burns or Bruce Djite) 達にCahill と同じ様にゴールを求めるのは荷が重い。 

    

2. Luca Neil のパートナーとなる Central Defensive 選手を見つけ、第二、第三のバックアップを見つけよ

Neil は水曜日の試合で落ち着いた威光を見せ Australia のDFラインでは重要な選手である事を証明した。彼が必要とするのは彼と共にプレーする同様の選手を見つけそして前回のワールドカップで見せた様な Craig Moore と共に育んだようなパートナー関係を促進することだ。 Moore はその最有力候補であろうが、例えその二人の選手が Australia のDFラインの重鎮となるだろうが ( 大会期間中にNeill が32歳, Moore が34歳になる事を考えれば)  その動きとスピードにはクエッションマークが残る。
Matthew Spiranovic は長年に渡りその後継者になりうるとみられてきたがその20歳の選手は翌シーズン Bundesliga の Nürnberg でレギュラーポジションを勝ち取らねばならない。Michael Beauchamp, ユーティリティーな Jade North そして元気を取り戻した Mark Milligan らが他のオプションとなる。日本戦でデビューを果たしたRhys Williams は右サイドバックのバックアッププレーヤーとして名乗りを上げたが水曜の夜の様な神経質なスタートは改善せねばならない。

3. タフな相手との親善試合を多く組め

言うまでもなくたまに合うチームよりも頻繁に集まるチームの方がお互いをより良く理解できる。これからワールドカップ本番までオーストラリアは Verbeek が彼のブレンドを精練し自分の戦術を修正しそして戦力を進める為にほぼ毎月のベースでハイレベルの対戦相手を見つけるべきである。

4.選手達を試して結果そして批判家の言う事を心配するな

来年にかけて新たな若い戦力が出て来る事は生命線である。そして恐らくは数人の A-League のベテラン選手達 - 水曜の夜、 Rhys Williams はまだ信頼させられなかった。しかし彼も候補選手の一人だ。他に Shane Stefanutto. Ditto Djite, Rukavytsya, Carle, James Holland, James Troisi, Adam Federici, Brad Jones そして他の海外組。 またDaniel Mullen Ben Kantarovski と言った A-League で期待される若手、更に経験のあるBilly Celeski そしてStuart Musialik 。もし彼らが良いシーズンを過ごせれば。ワールドカップの全てのメンバーにダークホースはいる。

5. Moore, Sterjovski そして中心選手 Jason Culina らのシーズンを Loan 契約で終わらせろ

Verbeek は明らかにしている。 Culinan の帰国は嬉しくないと。それはワールドカップ開幕のずっと前にシーズンが終わるからだ。例え Gold Coast が Grand Final に進出しても Culina のシーズンは3月末頃に終わる。もし彼が南アフリカで Socceroos にとって必要な選手であるならば4月か5月までプレーを続ける必要がある。同じことが Craig Moore ( Brisbane Roar ) そして Sterjovski (恐らくそして Jacob Burns) Perth Glory にも言える。中国、韓国、日本にシーズン終了後に移籍するかまたは欧州に戻ることがいい事かもしれない。

Viduka は7月初旬にワールドカップでプレーすることを示唆するコメントを発した。
しかしこのワールドカップ予選に彼は1度もプレーしていない。確かに Cahill は Viduka の存在を熱望しており”例えメンバーに入らなくても、大会には帯同させてチームの精神的支柱とすべき。”というコメントまで出している。
ただ Viduka 抜きで予選を戦った事を考えれば彼にそこまでこだわる必要はどうだろう?

CB の再整備は急務かもしれない。横浜での日本戦は Moore が Neil とコンビを組んだので非常に安定したDFラインとなった。
ただ同じことは日本にも言える。闘莉王、中澤が揃わなくて Cahill に連続失点を喫した。ワールドカップではオーストラリア以上の国が相手となる。山口、寺田、はやくバックアップ選手を見つけないと.....
若手の台頭は日本以上にオーストラリアは課題だ。 Schwarzer, Moore, Neil, Emerton, Bresciano, Kewell, Sterjovski らは 2002年大会予選、ウルグアイ戦のプレーオフからメンバー ( Neil, Sterjovski, Bresiano は出場機会はなかった。) で Moore, Kewell は 1997年の Melbourne の悲劇からのメンバーそしていま復帰が乞われている Viduka もそうだ。それだけ彼らが偉大だったという事だろうが、次のワールドカップが終わればかなり大幅な世代交代が必要だろう。

”強化試合”の Match Make であるが9月にソウルで韓国代表との試合をはじめにワールドカップ直前には MCG でブラジルと”壮行試合”が行われることが”内定”しているらしい。日本代表の Match Make はどうなるのだろう?

今シーズンから Culina をはじめ  Sterjovski のA-League 入りが決まりまだ Coyne が Perth Glory と交渉中らしい。 A-League は今シーズンからチームが10チームに増えたがそれでも Grand Final が3月20日。 シーズン終了後は日本や韓国、中国に短期間ローン契約を結ぶかもしれない。出来れば J-League に来てほしいなぁ..... 昨年は Grand Final 終了後 Joel Griffiths がアビスパ福岡で次のシーズンまでプレーをした。

最新の FIFA Rank だとオーストラリアが16位にまで上がった。日本は40位、韓国は48位にそれぞれ順位を落としている。 オーストラリアは2018年か2022年のワールドカップ開催を目指しているがどちらかと言えば 2022 年に照準を定めている。2010年南アフリカ、 2014年ブラジルと2大会連続で南半球で開催されるので...というのが理由らしいけど。


その時自分はどうなっているかなぁ......

 


6.17 豪日戦後の地元での報道

2009-07-01 | 夏季五輪

試合が終わっても痛恨の逆転負けの悔しさが消えかけるどころか日々増して来たのはしばらく南半球に居残っていたせいかもしれない……
メルボルンから隣国ニュージーランド、そして再びオーストラリア大陸に戻りブリスベンを経由して西の果て Perth に移動し帰国をしたのは試合から10日後であった……
これからゆっくりと留守録画をしていた試合を見て、日本の専門誌を読み返して…
悔しさが増してくるだろうなぁ…

試合後の地元紙には Socceroos の記事が掲載されている。
どの紙面も2ゴールを挙げた Tim Cahill の文字と写真が大きく踊っている。 

TWO-UP TIM : Cahill 2ゴール
Cahill が2ゴールを挙げアジア王者として Socceroos がワールドカップに向かう。

それはいつか必ず起こる事であった。ほぼ7試合半、7時間に半時間も及ばない間持続していたが、オーストラリアはついにワールドカップの最終予選の長期の冒険旅行において失点を喫した。それはこの予選で最も難しい相手に許したゴールであった。しかし彼が試合終了間際に連続ゴールを挙げて素晴らしいワールドカップでの勝利をもたらした3年前の Kaiserslautern のあの暑い日の様に日本人のハートは再び自身をオーストラリアの救世主であると証明した Tim Cahill によって打ちのめされた。 Everton のその男は40分に Marcus Tulio Tanaka の40分の先制ゴールを59分に彼のトレードマークであるヘディングでオーストラリアを同点に追い付かせた。 そして彼17分後の76分に再び Nicky Carl のコーナーキックのファーサードに Yuki Abe の前に飛び込んで Narazaki Seigo の守るゴールを破り後半の Socceroos は沈黙の前半よりずっと素晴らしいかったことを証明した。Cahill は素晴らしいプレーを見せ、 Socceroos の Pim Verbeek 監督はその MF に惜しみない称賛を送った。

“彼は偉大な選手だ。もしあなたは彼が守備的な働きをしたり、ストライカーをサポートし、ペナルティーエリア内での危険な存在となる働きを見たか? なんと素晴らしい先制ゴールだっただろう? 彼の様な選手がチームにいる事は何とファンタスティックな事だろう。私は Timmy がこのチームにいる事が嬉しくてならない。“

   

オーストラリアは7試合連続無失点を誇っておりこの試合に臨んだが、ハーフタイム直前に TANAKA の強烈なヘッドが DF Shane Stefanuto の膝にあたりゴールネットに突き刺さったの見て Schwarzer が信じられないと言ったフラストレーションを感じ、尻もちを着いたのは驚きに値しない。その長身のセンターバックをノーマークでペナルティーエリア以内への侵入を許し Kengo Nakamura のコーナーからのヘッドでMCGの大観衆の前で無失点記録をさらに90分伸ばそうとした Shcwarzer の望みをかすめ取った。その後その GKは同僚の同点、逆転ゴールを称賛する事に。

“明らかに真のキャラクターだった。 誰もが失点を喫した事にハーフタイム中うなだれていた。そしてその失点の仕方にも。我々はセットプレーへの守備には very very very 自信があった。失点を喫した事はそれだけの失望だったが、避けられない事であった。いつか起こりうることだった。全て終わったという安堵感だった。後半の挽回は格別だった。この試合を勝つつもりでぎらぎらとやって来た日本の様な相手にまたもベストな football をやらなかった。私は今日は良く出来たと思う。“
   

   
Tim Cahill 2ゴールをファンに捧げる

Cahill は翌年のワールドカップ南アフリカ大会への進出を決めた事を祝った前の週の木曜日 ( 6月12日) に King’s Cross のナイトクラブで飲み過ぎてつまみだされたと糾弾されている。また Cahill はシドニーの実兄宅がまさに実兄の Chris Cahill がFA Cup の決勝戦をテレビ観戦している時に強盗に押し入られたことを知っていた。 Cahill は水曜の夜メルボルンで日本戦を自身の2ゴールで逆転で破り、ワールドカップ予選をグループ1位で終えられた事が運が変わる良い機会だと言った。

“それはハードワークだった。 同点ゴールをした後にハートを指したシーンを見てくれ。それは私をサポートしてくれたファンに感謝の気持ちを表したものだ。時に Football ではこれらの事と共に生きて行かねばならなくて人々はそこに無いものを追いかける。しかし私がしていることは自分の Football をする事だ。”

FFA の Ben Buckley Chief Executiveは Cahill がシドニーのナイトクラブで酔って摘まみだされたというレポートは事実で無いと言った。 試合を決めたその Midfielder はそのスポットライトがけっして Socceroos にそれ以上強く当たらなくなりその重荷が選手達に行儀を良くせる事になるという事を認めた。

“我々は世界中でプレーするプロフェッショナルだ。我々はプロフェッショナルでなければならないそうだ、我々は自分の時間には自制出来る範囲で楽しむべきである。もし人々が事実で無い事を追及することはがっかりさせられる事で悲しませられる事である。しかし私が良く感じる事は自国に仕え自分達のゲームにベストの状態で臨む事だ。そして昨夜の試合で私が常にトップコンディションで臨み自国の為に頑張ろうとしたことが証明できた事を期待している。メルボルンの大観衆が見せてくれた事は異例の事だ。我々にとってそれはパフォーマンスを後押ししてくれることでオーストラリアのハートを残してくれた。しかしそれは少し特別なものでドイツでの思い出を思い起こさせてくれ、そして今や南アフリカに向かおうとしている。我々はまた同じ体験が出来る事を望んでいる。”
ドイツでの殊勲の2得点を挙げた日本戦後 Cahill は “この素晴らしい瞬間をファンと分かち合えるなんて驚きだ。”と語っていた。

   

また Cahill はオーストラリアの予選突破を守備偏重と言われた Pim Verbeek への批判を黙らせたと期待している。 
“2大会連続でワールドカップ予選を突破した事は我々が何か特別な事を成し遂げたという事だ。多くの子供達に良い思い出を作る事が出来た。選手として我々のやろうとする事はよき思い出を作りそれを何度も蘇らせる事だ。この試合の運動量が勝利をもたらした。 最終予選で初めて失点を許した事は少し残念であったが、最終的に2位に勝点5の差を付けてグループ首位最終予選の日程を終え、私は多くの偉大な選手達と共にプレーをする事が出来た。我々はここにいる事をありがたく思い、我々がこの試合で観たのはまさに鼻っ柱を折られた事でもある。”

Japan Coach Takeshi Okada under fire after defeat by Australia
岡田日本代表監督オーストラリア戦の敗戦後に更迭にさらされる

日本の岡田監督は予選最終戦で Blue Samurai がオーストラリアに 2-1 で敗れた後戦術不足を指摘され更迭の危機に。
“今すぐ彼をすげかえろ !” “ 日本は戦術不足そして敗れた。” 
そして“岡田ジャパンには失望している。” メルボルンでのアウェー戦で敗れた翌朝の日本の新聞はこの様な見出しが叫んでいる。
“日本代表が取り換えなばならないものが一つある。それは監督の首だ。彼は Cahill をマークできる選手を起用すべきであった。それが出来ないコーチは司令官として失格だ。日刊ゲンダイのスズキリュウイチ記者はこの様に批判している。
“岡田監督は本気で世界のベスト4を目指しているのか?もしそうなら彼はあまりにも現実を知らなさすぎる。” 同紙のヒラノチカシ記者はこの様に批判している。

影響力のある朝日新聞は日本のトレードマークであるパスサッカーは前節のカタール戦を 1-1 で引き分けたその試合で同様に無効であった事を思い起こさせている。
“日本は逆境下での再構築の戦術に欠けそして戦力が揃わない時でも勝利をものにする技術にも欠けている。ワールドカップ予選突破を決めてからはぎこちないプレーが続いていた。”
元アジア王者の日本もおーすとらりあも多くの中心選手を欠いていた。 
岡田監督は Celtic のスターMF Shunsuke Nakamura を休ませ、2人の欧州ベースの選手に並んでガンバ大阪の Yasuhito Endo を怪我で欠き、 VfL Wolfsburg の Makoto Hasebe は出場停止中であった。

“この試合の敗戦によって大幅な変更の必要は見られなかった。 今夜のパフォーマンスに悲観的になる必要はない。” 試合後の記者会見で岡田監督はこう語った。しかし何人かの選手達はチームの方向性に懸念を示す。

  

新鋭ストライカーの Shinji Okada はこう語る “オーストラリアはアジアでは列強だが、世界レベルではそうではない。”そして付け加える。“我々はこう言うチームに負けていてはこれ以上はいけない。” 

40分に先制ヘッドを決めたブラジル生まれのCB Marcus Tulio Tanaka は涙を溜めて“私の悔しさは留まらない。我々の試合のレベルを上げるのにやるべきことがある。”こう語った。

  

Nikkei こと日本経済新聞は “ワールドカップのトップ4はここからはるかかなたのところにある。” 日刊スポーツは “ ワールドクラスレベルの戦いでどうやってより上背のあるより強いより技術の優れた選手と戦わねばならないのだろう? 南アフリカに渡る前にやらねばならない事が数多くある。“ と記している。

オーストラリアがワールドカップ予選突破を決め地元に凱旋帰国を果たし、シドニーでバーレーンを破った日の翌日、ワールドカップ出場を記念したイベントが開催されそしてその後 Tim Cahill が何人かの選手とシドニーの歓楽街の一つ Kings Cross のあるバーに出向いて飲みすぎて警備員と乱闘、警察が呼ばれたとの記事が地元タブロイド紙に載ったのは日本戦の前のことだった。
Sydney Morning Herald , The Australian といった一般紙そしてFFAさらに地元ジャーナリストはこの件をタブロイド紙のでっち上げとしているがタブロイド紙はこの件について真っ向から勝負を挑んでおり未だに地元紙にはこの件が話題になっている。
これはオーストラリアにおいてサッカーが市民権を得ている事。 FFA をはじめいまや英雄である Socceroos の機嫌を損ねると新聞ネタにさせてくれないという懸念が一般紙にはあるという見方が強いらしい。

アジア地区予選は最終節を待たずに日本、オーストラリアそして韓国が本大会出場を決めたがその後のゲームで黒星を喫したのは日本だけであった。
それだけ勝負強さに差があるという事か?

しかしオーストラリア戦の日本代表は上記のとおり俊輔、遠藤、長谷部そして中澤までが不在。せめて本田圭祐くらい帯同させておけばと思わなかったか.....
しかし中澤が現地でダウンとは.....ここで物議を醸すのはなぜ CB に阿部を入れたのか?これは Pim Veerbek 監督にとっても謎に思ったと思う。
ボランチの選手もいない中、阿部の心境は”ボランチで使ってくれよ”といったところか?それともカタール戦のパフォーマンスが影響しているのか?

確かに Socceroos も中心選手が不在だったけどその影響は日本の方が厳しかったとおもう。でも帯同選手を選んだのも岡田監督だしなぁ...

Socceroos はワールドカップ出発直前に MCG でブラジルとの試合が決まりそうとのこと。これからの強化を含めた Match Make 、日本はどうなるのか.....