Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Samurai Blue のフィナーレは8年前と同じ試合結果。 24th June Japan 1-4 Colombia

2014-07-12 | FIFA World Cup
6月20日の午前2時半少し前。 日本対ギリシアが始まる6時間前だったかな・・・・  Brasilia で行われた Colombia vs Cote D‘Ivoire は Colombia のQuintero が70分にゴールを決めて Colombia が2点差のリードとした。残り約20分。このままか Colombia が追加点を挙げて点差を拡げて試合を終えてくれる事をひたすら祈った。 しかしわずか3分後、Cote D’Ivoire の Gervinho が日本戦に続いてのゴールを決めて1点差と迫る。 そして試合はそのまま終わり Colombia が 2-1 で勝利を納め、 Round 16 への進出を決めてしまった。Cote D‘Ivoire の Lamouhi 監督はこの試合も Drogba をスタメン起用せず60分、 James Rodriguez に先制を許した後に投入した。

2点差でCote D‘Ivoire が負けてくれていたらギリシア戦で日本が勝てば得失点差で上回ることが出来る….. と胸算用したんだけど・・・・・ 
日本はギリシア相手にスコアレスドロー。 これで窮地に立たされてしまった、と一瞬思ったけど、そんなに悲観する星勘定でも無いと思い直した。 Round 16 進出の2枠のうち既にコロンビアがその1枠を占めてしまったけど、まだチャンスは充分にある。もしギリシアが日本に負けておれば最後のCote D‘Ivoire 戦は彼らに取っては意味のない消化しか試合でしかならない。1994年アメリカ大会に初出場したギリシアは初戦 ( 0-4 Argentina ) 第二戦 ( 0-4 Bulgaria ) と連敗し、最後の Nigeria 戦も 0-2 で敗れ3連敗、無得点で大会を後にしたが、 Argentina が Nigeria に 0-2 で敗れた為に得失点差でグループ3位に陥落。当時は24か国のワールドカップに出場枠で、各組上位2位までと成績上位4か国までの3位の国が round 16 に進出できた為にマラドーナを薬物使用疑惑で欠いた Argentina が次のラウンドに進んだ。 しかしそこでハジ、ラドチョイ、ドミトレスクらを擁した史上最強のルーマニアの前に屈した。

もしギリシアが2連敗でCote D‘Ivoire を迎えておればCote D’Ivoire が容易に勝ってしまうだろう。そうすると例え既に勝ち抜けが決まっていたとはいえコロンビアに何点差も付けて勝つのは至難だ。 
2試合を終えての星取りでは日本がコロンビアに勝ってギリシアが1点差ででもCote D‘Ivoire に勝ってくれれば日本が前回に続いて Round 16 に・・・・・と胸算用していた。

Rotar y descansar o mantenuer la titular ? ローテーションで休ませるか?そのまま続けさせるか?
コロンビアのスタメンは・・・・
既に1次リーグ突破を決めているコロンビアの地元でも関心も日本戦のスタメン。しかしそれはGKに Faryd Mondragon を起用するかどうかと言う事だった。 94年アメリカ大会ではメンバー入りしたが出場機会はなく、4年後もフランス大会では1次リーグで敗退したが3試合ともゴールを守った。 それからコロンビアはワールドカップに出場できなかったが今大会は南米予選ではすべて U-20 時代からコロンビアゴールを守り続ける David Ospina が16試合全て出場。 13失点は南米大陸予選出場9か国中最少だった。
しかし Mondragon も控えGKとして南米での激戦に参加していた。今回のコロンビア代表メンバーで唯一のワールドカップ出場歴を持ち、大会期間中に43歳の誕生日を迎える。出場すれば94年大会に元カメルーン代表のロジェ=ミラが作った最年長記録を更新出来る。 コロンビアのメディアはこの絶好の機会に Mondragon を出場させるべしとの論調が溢れていた。
しかし Mondragon 自身、地元紙のこのインタビューには“誕生日( 6月21日 ) に惑わすことを言わないでくれ。”と一笑に付したそうだ。

Pekerman piensa en Balanta, Quintero y Guarin para enfrentar a Japon
ぺケルマン監督 Balanta, Quinteroそして Guarin 達を日本戦で起用か

フィールドプレーヤの方ではギリシア戦でイエローカード を受けたMF Carlos Sanchez は日本戦の出場はなさそう。
そうなれば Alex Meija または Alvarez Balanta が起用されるか・・・・と書かれていた。
また日本の事を Great Team と評価しながらもコロンビア紙では主力を休ませるのではとの予想であった。
あるコロンビア紙ではスタメンを下記の通りに予想していた。



Faryd Mondragon, Santiago Arias, Carlos Valdes, Eder Alvarez Balanta, Pablo Amero, Alex Mejia, Freddy Guarin, Juan Guillermo Cuadrado, Juan Fernando Quintero, Adrian Ramos, Jackson Martine.

スタメン総入れ替えとなっていた。 本当にそうならいいのになぁ・・・・・と心底願った。

Un portuges dirigira el juego entre Colombia y Japon
コロンビア対日本戦にポルトガル人主審

主審を誰が務めるかと言う記事が掲載されるのはさすが南米。日本とは異なるところ。
ポルトガル人の Pedro Proenca 氏が先のカメルーン対クロアチア戦に続いてコロンビア対日本戦の笛を吹く事に。
Proenca 氏は昨年の FIFA Confederations Cup でも主審を務め、ワールドカップ欧州予選のプレーオフ、ルーマニア対ギリシア戦、そして 2012年5月UEFA Champions League の決勝戦 Bayern München vs Chelsea の主審も務めた経歴を持つ。 だから不可解な判定はしないだろう・・・・とこの時は思ったんだけどなぁ・・・・・



スタメンは予想通り   しかしスタンドは    
コロンビアのスタメン発表を見た時。私は思わず Pekerman 監督に感謝した。 
GK こそ Modrgon ではなく第1GK の Ospina であったが、CB Camilo Zuniga 以外は全て前日のコロンビア紙と同じスタメン。 更に2列目右の Cuadorado ( Fiolentina ) を除く8選手が前のCote D‘Ivoire 戦ではスタメンでは無かった選手。
MF J. Rodoriguez, FW Guitierrez らレギュラー陣はベンチスタートとなっていた。
まさに Pekerman 監督が前日コロンビア地元紙で見られた Pekerman les dara minutos a los que no hau jugado ( ぺケルマン監督、出場機会の無かった選手に時間を与える。) の見出しを地で行ってくれた。
このメンバー相手に勝てなければもう日本代表は・・・・とこの時点では強く思った。
8年前の第三戦。2連勝で勝ち抜けが決まっていたセレソン Parreira 監督は Cafu, Robert Carlos, Kaka, Ronaldihno, Robinho をスタメンから外してくれたが不調だった Ronaldo をスタメン起用。 その Ronaldo に2ゴールを決められ一時的な復調のきっかけを献上してしまった。





一方の我が日本代表は大久保がスタメンに入りワントップに。 香川はスタメンで起用され、2列目は左から香川、本田、岡崎とおなじみのメンバーが並び、長谷部と組むボランチには青山が抜擢された。 CBはこの試合も吉田と今野。そしてサイドバックも右に長友、左に内田と3試合連続のスタメンとなった。





しかし競技場の雰囲気には驚かされた。 
“ ブラジル国民は他の南米は応援しません。 コロンビア戦は日本のホームの様にブラジル観衆が日本を応援するでしょう。” 大会開幕数か月にあるテレビ番組でこう話す地元の人のインタビューが紹介されていた。
しかし、観客席はコロンビア代表のイエローカラーで覆い尽くされており、君が代に続いてコロンビ国歌が始まると共に大合唱が始まる。完全にコロンビアのホーム。日本のアウェーであった。





同時キックオフのギリシア対Cote D‘Ivoire は Dorogba がスタメン出場。 早くに先制を奪って逃げ切るという方策だったのだろう・・・・ ギリシアが先制する事を祈った・・・・

コロンビアは強いわぁ・・・・
日本のキックオフで始まった試合。このメンバー相手なら日本が主導権を握って・・・・と言う淡い期待はあっさりと霧散してしまう印象を持った。 人の動きもパス出しも早い。 日本の左サイド、特に長友の上がりを消しにかかっているみたいだった。
特にこれまでの2試合スタメンだった Cuadorado がボールを持つと簡単に奪えない、そういう格の違いを見せつけた。
本田にはボランチの Mejia が厳しいマークに入る。 
メンバーの所属先を見てみれば控え選手とは言え左SB Santiago Arias ( PSV Eindhoven ) 右SB Pablo Arumero ( West Ham United ) CB は Carlos Valdes ( San Lorenzo ) Camilo Zuniga ( SSC Napoli ) ボランチ Alexandre Mejia ( Atholetico Nachional Medellin ) Fredy Guarin ( Inter Milano ) MF Cuadorado ( Fiolentina ) Quintero ( FC Porto ) FW Adrian Ramos ( HBS Berlin ) Jackson Martines ( FC Porto ) GK David Ospina ( Nice ) と所属先は名門チームばかり。
日本代表程度なら簡単に主導権を握れるメンバーだった。
それでも9分には長谷部が Camilo Zuniga を切り替えし Zuniga をかわしてシュートに持ち込み、その際に内田、岡崎が中に切れ込んできていたのを見ると、得意の連動した動きがみられると期待した。12分には長谷部が前線に放り込むと Valdes が何とかコーナーに逃れる。その直後も長谷部、内田が連続してミドルを放つ。15分、青山から香川に縦パスが入るが惜しくもシュートには持ち込めなかった。 徐々に日本がペースを握りつつあると感じた時間だった。
しかし先制を許してしまう。 19分、岡崎がボールを取られ前線に繋がれる。 Quintero から Ramos に絶妙のスルーパスが入り今野がマークに入ると Ramos が倒れる。 Proenca 主審のホイッスルが鳴り何とPKが与えられた上に今野にイエローカードが出される。 今野はしっかりとボールにタックルに入ったけど最後のステップで切り替えされた時に今野の脚が Ramos の脚を引っ掛けていた。 
このPKを Cuadordo にあっさりと決められ、痛恨の先制ゴールを許してしまった。
今大会初めて喫した先制点だったけど最も与えたくない相手だった。















今大会最高の時間帯 そして同点
コロンビアDF陣は先制したことにより裏を取られない様にラインを下げる。これによりやや深く攻め込む事が出来た。
21分。岡崎が Valdes に倒されFKを得る。 本田が狙うけど壁に当たる。 4年前ならもっと良い弾道を蹴っていたけどそれはボールが変わった為か?遠藤がいないのでFKの弾道は相手GKに読まれ易い。CKの時も本田が蹴るので中の攻撃が手薄になる。 ワールドカップ本番で気が付くなんて・・・・
25分54秒、長谷部のFKから大久保を経由して香川に。 香川が放ったシュートはGK Ospina が倒れ込んでナイスセーブでストップ。そしてその後のショートコーナーから岡崎に渡り香川に渡って放たれたショットは惜しくも外れる。そろそろ香川のショットもターゲットを捉えてくれるかな、と期待した。
32分本田が倒されFKを得る。 本田のこの試合3度目の直接狙ったシュートは僅かにポストの右に外れて行った。 
決まったかと思ったけどなぁ~。 
36分にはスローインから長谷部が青山に送り前線の岡崎に。岡崎が落としたところを内田が拾い中に入れる。そして大久保が Valdes と競りながら放ったオーバーヘッドシュートも惜しくも外れた。 

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39分には青山から大久保に、そして香川に送る。香川は Valdes をかわしてシュートに持ち込むが更に相手DFに当たってゴールには至らない。 
連続してコロンビアゴール前に迫る日本代表だけど42分にはカウンター攻撃を受ける。 右SB Arias から一気に前線の Ramos に渡りそして Martinez に送られシュートを撃たれる。 ここは外れてくれたけど、奪ってから手数を掛けずにあっという間にゴール前に運ばれた。 こういう攻撃、日本には出来ないかなぁ~というtも思う。
そしてギリシアが先制をしたとの情報が入って来た。 リードしていればなぁ・・・と思った。
45分を過ぎロスタイムは1分と表示される。前半はリードされたまま終わるのかと思った45分33秒、長谷部が Cuadordo にボールを奪われ逆サイドに走った Martinez に繋がれ、中央の Ramos に入る。しかしここは吉田がカットし内田に送る。そして前線の本田に。本田はマークを受けながらも中に送ると岡崎が Zuniga と競りながら身を投げ出して放ったヘッドが GK Ospina を破りコロンビアゴールネットを揺らし、遂に同点に追い付いた。そしてこのプレーを以て前半終了のホイッスルが鳴った。 
8年前は玉田のゴールで先制しながら終了直前、 Ronald のゴールで追いつかれ、後に3連続失点を喫した。
今回は逆に同じような時間で追いついた。だからこのゴールで後半は大いに期待できると思った。先制を許してから同点に追い付くまでの約25分間に見せた連続攻撃は今大会最高の時間帯であった。 出来ればもっと早く追い付いて欲しかったけど。






現実を見た後半。 これは勝てんわ。

後半に入る前にコロンビアベンチはCuadorado を下げてくれた( Ramirez を投入 ) けど 2試合連続ゴールのRodroguez を Quintero に代わって投入して来た。これで Rodriguez がトップ下に入り、Ramos か Martinez のどちらかが2列目に戻ってワントップにしたのではないかな・・・・
開始早々、青山が Rodriguez に激しく当たる。 しかし Rodriguez が止まったのはこの時だけだった。
49分20秒には Rodriguez にドリブルシュートを許すがここは何とかCKに逃れる。50分14秒には Ramos からの左サイドへのパスがオフサイドに取られたが危ないところだった。その直後にも左SB Arumero を起点にカウンター攻撃を受ける。得点は許さなかったが危ないシーンだった。
53分にはFKを与えて中央に入った Rodriguez, Ramos を越えて Ramirez に渡りシュート態勢に入られるがここは吉田がマークに入る。 
早くリードを奪ってくれと期待を持っての後半開始であったけど Rodriguez  Martinez を中心としたコロンビアの攻撃陣にたじたじになっており失点を防ぐのがやっとの立ち上がりであった。
そして55分、右サイド Arias が上がり中央の Rodriguez にマークに着いた青山がかわされ、吉田と内田がマークに入ろうとしたところを Martinez に送られる。 そして Martinez にゴールを許し再びリードを奪われてしまった。
残り35分で2ゴールが必要になった。今の代表にこの時間でこのゴールは….と思う。





58分長友が右サイドを突破し入れたクロスに大久保が Valdes と競り合いながら飛び込むがヘッドは惜しくも外れる。
この試合長友が初めて見せたサイド突破であった。 
62分日本ベンチは青山を下げて Rodriguez 対策だろう、山口を投入する。しかしこれで遠藤投入は無くなったかなぁ~、遠藤もこれで代表から・・・・・と思った。
66分内田が岡崎とのパス交換から抜け出し入れたクロスに大久保がネァーサイドに飛び込むが惜しくも決まらない。
ここは決めて欲しかったなぁ~。 
67分に日本ベンチは岡崎を下げて柿谷を入れてワントップに置く。そして大久保は2列目右に。 岡崎は残して欲しかったんだけどなぁ~と思う。何とか昨年11月のオランダ戦、ベルギー戦で見せてくれた相手ゴール前での連動のある動きを見られないかなぁ、と思う。そうなると大久保よりも他の選手達と慣れた岡崎の方が、と思ってしまう。
ギリシアがまだリードしている。何とか早く同点に追い付いてくれないかなぁ~と願う。
73分、Cote D’Ivoire が同点に追い付いた。いよいよ苦しくなって来た。だけどまず勝たないと、と思う。
日本は攻め込みながらもボールを奪われては一気に繋がれて最後はDFが体を張ってそしてファールを使ってピンチを阻止するの繰り返しだ。 こうして段々最前線と最後尾が拡げられてしまう。 Rodriguez は技術の違いの上に後半から入った為に体力差も見せつける  そして80分、本田に Guatin が激しくチャージに入りボールを奪う。
ホイッスルは鳴らない。そしてあれよあれよと言う間に日本ゴール前に繋がれて致命的な3点目を決められてしまった。



あぁ~この4年間は~。 これからの4年間は、いや予選があるから3年間か、いや2年間かな・・・・・

試合終了後、ギリシアがロスタイムにPKを得てそれを決めてまさに大逆転で Round 16 に進出したと報道された。
初戦を 0-3 で失い第二戦を引き分け、第三戦を1点差で勝つ。 まるで1966年大会の北朝鮮だ、と思った。
ギリシアは3度目の挑戦で1次リーグ突破だ。 しかし1980年の欧州選手権では予選を勝ち抜きまだ8か国しか進めないイタリアで開催された本大会に出場した。 ギリシアだって日本より歴史はあるのだ・・・・と思った。

結局終わってみればスコアーも8年前と同じだった。 
3日後、コロンビアはスアレス抜きのウルグアイと対戦した。スタメンには日本戦で活躍した Martinez も名を連ねていた。
他にも左サイドの Armero がスタメンに抜擢されていた。 日本はこの2選手の育ての親になったかな。
Rodriguez のワールドクラスのパフォーマンスを見ているととても日本が勝てる相手ではないと思わされた。
まぁ早く同点に追い付いて、もしリードしたまま後半を迎えておればもっと状況は変わっていたかもしれない。
こんな結果になる事も予想も覚悟もしていたけど、実際にそれを目の当たりにすると寂しい気がする。
このメンバーでここまでか・・・・・と。

4年後はすぐ来てしまう。 その時、まず日本がアジア地区予選を勝ち抜いていてくれることを願うよ。 そのためにはアジア枠が激減されていないことを切に願う。


1分2敗 2得点。 結果は8年前と同じ・・・・さて4年後は。

2014-06-28 | FIFA World Cup
73分。本田が右サイドに回り、柿谷と大久保の2トップになった。だったらボランチを1枚減らしてトップ下に本田を入れて….
あぁ、岡崎がベンチに下がっているのか。それともボランチを遠藤にして・・・あと2点取らないと、1点では日本のワールドカップは終わってしまう。いつ博打を打つ?今でしょ!!ってなことをテレビに向って言う。
日本はなかなか相手PA付近に迫れない。 80分PA付近、本田にボールが入ったところをボランチ Fredy Guatin が厳しいマークに入り本田は倒れてボールを取られる。しかしホイッスルは鳴らない。今大会、本田に入ったところをよく狙われ素早くマークに入られていた。対戦相手もよく研究しているなぁと思った。カウンター攻撃に移られそうになるが長谷部がここはクリアー。しかしそのクリアーボールを拾われて一気に前に繋がれる。山口が必死に戻るが右サイドに流れた Rodriguez に繋がれ走り込んだ Jackson Martinez に渡る。マークに入った内田がかわされ、戻った吉田がマークに入る前に放たれたショットはGK川島をいとも簡単に破って日本ゴールネットに突き刺さった。


 
これでリードは2点に拡がった。 Fartaleza で行われている Greece 対Cote D‘Ivoire はまだ1対1のままだけど、あと10分足らずで日本が3連続ゴールを奪うなんて考えられない。 この時点で日本の次のラウンド進出の夢は霧散してしまった。

それでも何とか意地を見せてほしいと思う。 83分、左サイドの長友から中央の長谷部に渡り香川にスルーパスが入る。
相手DFと競り合いながら香川はシュートに持ち込むが惜しくもポストの右に外れる。 
香川が悔しさを隠さずに天を仰ぐ。




そして日本ベンチは香川を下げて清武を投入する。清武は今大会初出場だ。 香川は今大会フル出場することは無かった。 そしてコロンビアサポーター達から大歓声が上がる。 コロンビアで唯一ワールドカップを経験する43歳の GK Faryd Mondgran が David Ospina に替わって投入され、ワールドカッププレー最年長記録を更新した。



Jose Pekerman 監督の思い描いた通りのシナリオだ。 2006年大会の1次リーグ最終戦のブラジル戦でも82分にセレソンは Dida に替えて Rogerio Ceni を投入した。 あの時の交替とはまた意味が違うけど・・・・
85分48秒、長谷部がゴール前に抜け出そうとする柿谷に縦パスを送るがカットされる。 
遠藤がいればなぁ~とここでも思う。 88分56秒、左サイドに流れた柿谷がクロスを入れるが誰にも当たらず逆サイドに流れる。そしてそのこぼれ球を拾われ前線に繋げられ Martinez に入る。 ほぼ中央の位置から Martinez は左前方に走り込む Rodriguez に送る。 Rodriguez はまたも素晴らしいドリブルを見せ日本ゴールに迫る。 吉田がマークに戻るが切り替えされて放たれたシュートが日本ゴールに決まりついに 4-1 とされてしまった。



Rodriguez は後半から入ったとはいえ、いとも簡単に日本代表のDFが切り替えされたのがショックだった。
もうスタンドは黄色のコロンビアサポーター達のフィエスタが波打っている。 もしここに Radamel Falcao がいたらどうなっていただろう? いやキックオフからレギュラーメンバーだったら・・・・・
何とかあと1点取って欲しいと思う。コロンビアサポーター達のオーレ!オーレ!の歓声の中、ロスタイム3分が過ぎた93分1秒、柿谷が CB Camilo Zuniga からボールを奪って意地のドリブルシュートに持ち込むが Mondragon がストップ。 




左にこぼれたところを清武が拾って中に入れるが跳ね返される。 そして93分11秒。ポルトガル人の Pedro Proenca 主審のホイッスルが鳴り響き日本の Mundial 2014 は終わった。 
1-4 。試合内容は異なるが8年前のフィナーレ。ブラジル戦も同じスコアーだった。GKも途中で交替して来たし・・・・

期待した分、残念だったなぁ~。 と思うと力が抜けてきた・・・・・・





期待された Greece 戦。

“我々はそこからドラマを創るべきでは無い。何が足らなかったか、何が良かったか、我々の考えと実際に繰り広げられた事とのバランスを分析せねばならない。3-0 と言う結果に就いては“それは悲劇だ。 状況を複雑にする敗戦だ。選手達には、我々は次からの2試合でそれを正す為にミステークを直視するように言った。 3-0の敗戦では良いも悪いも話すことは無い。
”コロンビア戦を 0-3 で失ったギリシアのポルトガル人Fernando Santos 監督は怒りを隠さず地元紙にこう続ける。
こういう試合のあとはまず勝利した対戦相手のコロンビアを祝福せねばならない。なぜなら彼らは素晴らしかったからだ。
最初の5分、10分は試合に集中できなかった。それは驚く事では無かった。そうなることは予想できていた。選手達に我々はどういうチームと対戦するのかを話していた。コロンビアの普段の戦術からするとそれは変わりない事であった。
我々はゴールを決めるチャンスがあった。ピッチ上のパフォーマンスはスコアー程差は無かったはずだ。我々はチャンスも創ったしボールを支配する時間も長かった。“と地元紙に語った。


メンタルの問題に就いては “何人かの選手は、今どんな試合に臨んでいるかを忘れている様だった。全員ではないが何人かは試合に参加していなかった。しかしその中の何人かはそれが途中で解った様だった。 しかし1~2分の間は充分に集中していなかった。 それが事態を悪くし3失点に繋がった。それらは我々が招いたもので我々はその罰を受けたのだった。“
とコメントした。

試合は開始4分半、左サイド コロンビアMF Guilermo Cuadrado がギリシア右SB Holebas をかわして入れたセンタリングを Jamez Rodriguez が上手くスルーし、外から走り込んだ Pablo Armero がシュートに持ち込み GK Costas Manolas を破ってあっさり先制ゴールを決められてしまった。 これでギリシアは出場したワールドカップ3大会連続で先制を許すことに。
94年アメリカ大会は開始1分、Argentina の Batistuta に、前回は7分韓国の李正秀に。 開始10分以内に開幕戦で先制を許している。そしてそれまでまだワールドカップでは無失点に抑えた事が無かった。
先制ゴールに就いては “それは Holebas の問題だ。 Cuadrado は素晴らしい選手だと熟知しているが、それは Holbes の問題で、ミステークは失点に繋がった。この早い時間の失点はギリシアイレブンをパニックに陥れ落ち着くまでには20分は掛かった” と Santos 監督は語っていた。

ギリシアの攻撃の起点は右サイドからの Salpingidis と Samaras のクロスであったが Gekas を狙ったクロスはことごとくコロンビアDFに跳ね返され続けた。 前半終了間際に右SB Torosidis が入れたクロスから Panayitis Kone がシュートを撃つが GK Ospina がファインセーブでストップ。これが前半唯一のチャンスであった。
後半の立ち上がりはギリシアがよくボールを回したが58分右CKからボランチ Aguilar を経て Teofilo Gutierrez に渡り放たれたシュートが決まりリードを広げられる。
63分、 Gekas の決定的なヘッドはクロスバーを直撃したがこのシーンが最も得点に近かったシーンで負傷で調子の出ない
Costas Mitroglou、Yiannis Fetfatzidis, そしてGiorgos Karagounis らが投入されるがゴールは最後まで遠かった。
コロンビアはロスタイムに入り左サイドを破った Cuadrodo が絶妙のヒールパスを James Rodriguez に送りダメ押しの3点目を決めた。 
“我々はこの点差で敗れるほどでは無かった。我々もチャンスを創る事が出来た。そしてゴールポストにも阻まれた。しかしそれが Football だ。” GK Karnezis は勇敢な顔つきでこう語った。

COLOMBIA (Jose Pekerman):
1. Ospina, 7. Armeria (74 4. Aryan), 2. Zapata, 3. Yepes, 18. Zouningka, 8. Aguilar (68' 15. Mejía), 6. Sanchez, 10. Rodriguez, 11. Cuodrado, 14. Ibarbo , 9. Gutierrez (76 21. Martinez)

GREECE (Fernando Santos):
1. Karnezis, 20. Holempas, 4. Manolis, 19. Papastathopoulos, 15. Torosidis, 21. Katsouranis, 8. Kone (78 10. Karagounis) 2. Maniatis, 7. Samaras, 14. Salpingidis (57' 18. Fetfatzidis), 17. Gekas (64 9. Mitroglou)


コロンビア対ギリシア戦を見た時はギリシアには充分に付け入るチャンスはあると想像したんだけどなぁ~。 



香川がスタメン落ち・・・・・

日本時間の6月20日午前7時にキックオされた日本対ギリシア戦。 これまで日本はギリシアに敗れた事が無い。4年前も韓国は初戦でギリシアを破った。ワールドカップ前も韓国はギリシアを破っている。 GK Karnezis 達は出ていなかったけど。
韓国に敗れた相手に勝てない事は無いし、勝って貰わないと。 と思った。

ギリシアはコロンビア戦では途中出場だった予選で5得点を挙げている Konstantinous Mitroglou ( Fullham ) を1トップで起用。2列目は右に Feteatzidis ( Genoa ) 左に Samaras ( Olimpiakos ) を置いた。Mitrogloと Feteazdis はコロンビア戦は途中出場。 Samaras は出場が無かった。 この3人以外はコロンビア戦と同じメンバーだった。
中盤以降はKatsoranis をアンカーに置き、欧州地区予選で2試合しか出場していない Kone ( Bolgna ) をボランチに置き Manatis ( Olimpiakos ) と組ませる。DFラインを強化して失点を防ごうという事か。



一方Cote D‘Ivoire に逆転負けを喫した日本はCBに今野をスタメンに置き、香川をベンチスタートととし2列目左に大久保を起用した。 





日本のキックオフで始まった試合は、開始1分31秒、大久保が右サイドを上がり Samaras, Holebas をかわして切れ込み中に入れ、山口が強烈なミドルを放つがここはギリシアDFに当たる。
6分20秒、山口から受けた本田が大迫にスルーパスを送るがシュートには至らない。 6分37秒、長谷部から岡崎に入るが Holebas がマークに入りシュートは撃てなかった。まだゴールの予感はしなかったがCote D‘Ivoire と比較するとボールも人もよく動いていた様だった。ボールを取られてもすぐに相手の動きを遅らせたり、ボールを奪い返したりとピンチには至らない。10分57秒には Holebas がドリブルシュートに持ち込むが、コロンビア戦同様に右サイドからが起点になる様だった。
11分52秒、長谷部がカウンターに移る Mataris へのチャージがファールに取られる。この判定に長谷部は Aguilar 主審に抗議の姿勢を見せる。 今大会、主審は手を使ったプレーには厳しいジャッジを降していた。開幕戦の西村主審のあの“疑惑”のジャッジもその方針に沿ったものだったらしい。
そしてこのプレーの直後から雨が降って来た。 ギリシアのFK,ちょっと嫌な気がした。 Kone が入れたFKはPapastathopolosに入るが日本DFと競り合った際のプレーがPapastathopolosのファールとされ安心をする。
ギリシアの前線には Samaras がよく上がって来て Mitroglou との2トップになることが目につくが、どうもMitroglou の調子が今一つの様だ。 
17分37秒、内田がその Samaras をかわして右サイドを上がり上げたクロスを大久保がヘッドで落とし大迫がシュートを放つ。大迫は20分36秒にも Manatis からボールを奪いドリブルシュートに持ち込む。いずれもゴールネットには届かなかったが、大迫にはワールドクラスのストライカーとして育ってほしい。4年後のワールドカップでは得点を量産してくれれば・・・・・
その直後、前半はギリシア唯一の攻撃であった Holebas がまたもドリブルで上がり3人に囲まれてもシュートに持ち込む。中央から走り込んだ Mitroglou には合わなかった。もし Mitroglou が本調子だったら失点のピンチになっていただろう。
その Mitroglou は30分に接触プレーで倒れて立ち上がれない。外に運び出されるが結局そのままリタイアーとなりコロンビア戦でスタメンだった Theofanis Gekas ( Konyaspor : Turkey ) が投入される。Santos 監督はもう少し Mitroglou が持ってくれると思っていたのではないか? 



ギリシアにとっての災難、日本にとっての幸運は更に続く。 38分、Katsouranis が長谷部の後方からタックルに入りスロヴェニア人の Joel Aguilar 主審はイエローカードを出す。 Katsourianis は27分にも警告を受けておりこれがこの試合2枚目。 退場となってしまった。 



41分、この退場を受けてギリシアベンチは Feteazdis を下げて大ベテラン37歳の Georgios Karagounis ( Fullham ) を投入し Gekas のワントップに中盤を4人に増やし 4-4-1 の布陣に。
このフォーメーションチェンジのおかげでギリシャは自軍中盤で数的優位が起きて日本はスペースが少なくなりボールが回らなくなってしまった。
44分38秒にはFKから Gekas にヘッドを撃たれるがここは川島がキャッチ。 46分にはまたもFKから Gekas がヘッドで狙うがここはオフサイド。しかしリスタートからボールを奪われオフサイドラインの裏を突かれ Papastathopolos ( Borrsia Dortmund ) にミドルを撃たれるがここは外れてくれた。 そしてロスタイム1分が過ぎ、前半をスコアレスで終えた。 ボール支配率では日本が69%もあった。 
37歳の Georgios KaragounisはEURO2004 の優勝メンバーで2005年6が19日、 FIFA Confederations Cup で日本戦にスタメン出場した選手。 歴史を感じた。

後半に入り、日本ベンチは長谷部を下げて遠藤を入れる。 ここまで今大会日本のボランチは何試合もコンビを組んだ長谷部、遠藤のボランチがまだ並んでいない。
ギリシアのキックオフ直後、川島がまだ前に出ていたのを見た Samarasがセンターサークルから日本ゴールに向けて大きく蹴り込んできた。幸い弾道はゴール枠を外れてくれたけど、もし枠内に飛んでいたら確実にゴールインしていただろう。
危ないシーンだった。 
遠藤の投入で前線にいいボールが入るようになった。 49分には岡崎、53分には本田がシュートに持ち込むがいずれも遠藤のパスから。 50分には長友が Kone のファールで倒され FKを得る。遠藤と本田がいることから相手DFも的を絞れない。ここは遠藤が蹴り右サイドに走り込んだ岡崎には合わなかった。54分にはインターセプトから遠藤に繋ぎ本田を経由して長友へ相手DFを引き付け中の大久保を狙うがここは Samaras がファールでストップ。このプレーにイエローカードが出された。
そして日本ベンチは大迫を下げて香川を入れる。 そしてワントップには岡崎が入った。 本田がトップに入って香川がトップ下に入って二人の縦のやりとりを見たかったんだけどなぁ・・・・



しかしこの直後から、ギリシアがチャンスを迎える。CKのチャンスに Gekas, Papastathopolos Torosidis ( AS Roma )  
ら長身選手がエリア内に入る。 Gekas のヘッドは川島がファインセーブで防ぎ、3本目のCKは最後は本田がヘッドでクリアーした。 63分には大久保が Samaras を倒し献上したFKは何とか吉田がクリアーした。
ギリシアの選手は1人少ないこともありだんだん足が止まってくる。そこへ香川のドリブルが入る。 
68分、香川から右サイドの内田に渡り、入れたクロスにファーサイドに走り込んだ大久保がダイレクトで放つが枠を捉えられない。中央から岡崎がフリーで走り込んでいたんだけど・・・・・・
71分には長友から中央の岡崎に渡る。Papastathopolos、Holebes のマークを引き付け右から走り込んだ内田が放つが惜しくも外れる。 まだ交代枠は1つ残っている。柿谷、清武、誰を入れる?ここはドリブル得意の斉藤を入れても面白いと思う。77分には香川から受けた大久保が正面からミドルを放つがGK Karnezia がナイスセーブでストップ。
79分CKのチャンスを掴んだギリシアは Kone を下げて予選9試合4得点の Salpingidis ( PAOK ) を投入する。コロンビア戦では2列目右で起用された。ここは長友対策か? このCKから 193cm の Samaras が放ったヘッドは外れてくれた。 Samaras は Celtic 所属でかつては中村俊輔とプレーしたらしい。
ギリシアは交代枠を使い切った。 日本はまだ1つ残っている。 いつ使うんだろう。前線に人を増やして連動した動きで足の止まった相手を・・・・と思ったのだけど・・・・・。

結局1人少ないギリシアに守りきられてしまった。そしてこの試合、ギリシアが初めてワールドカップで完封をした試合となった。その相手がわが日本代表とはなぁ~。 
初戦で逆転負けを喫して第二戦でスコアレスドロー。 2006年大会といっしょの星取りとなっている。
専門誌は “奇跡を起こせ !! “ と見出しが。その見出しも8年前と同じだ。 しかし8年前はブラジル。今大会はコロンビア。
決して勝てない相手ではないとこの時は思っていたんだけどなぁ~。

1人少ないギリシアがしぶとく勝ち点1を死守したことが後に大きな意味を持った事はこの時知る由も無かった。 

コロンビア戦に続く・・・・



2戦で勝点1、得点1。8年前と同じだ・・・・・

2014-06-23 | FIFA World Cup

86分。吉田が前線に上がって山口蛍が後ろに下がった。Cote D‘Ivoire 戦に続いてパワープレーだ。
ハーフナーか豊田が、特に豊田がいればなぁ~。前の試合に続いてこう思った。 斎藤学を使わなければ豊田を入れておけよ~、と呟く。 その直後左サイドを Jose Holebas が一気に上がって来てシュートに持ち込むが川島がストップ。 今大会まともなのは川島くらいか?
89分、カウンター攻撃に移る日本。岡崎が Vassilis Torosidis に倒され、スロヴァキア人のアキラール主審がイエローカードを出す。ギリシアは途中出場の Theofanis Gekas を残して8人全員がゴール前に集まる。89分良い位置でFKを得る。
ここで決めてくれ。4年前の様に。 遠藤と本田がセットしたボールのそばに寄るが、本田がゴール前に入る。そのサイドを狙った遠藤が蹴った弾道は僅かに外れる。 惜しい弾道だったなぁ~。
ロスタイムが4分と表示される。まだシュートチャンスは2回ほどは作れるはずだ、と期待する。しかし1人少ないギリシアは更にあからさまに引き分け狙いの時間稼ぎを。 主審も線審もここに来てギリシアに有利な笛を吹く。 日本のスローインやろぅぅ~? あれがファールかぁぁぁ~?と声が出てしまう。
だけどそれだけじゃない。 攻撃の起点になるのはもう長友のサイド突破のみになっている。 更に何故かギリシアゴール前にロングボールを放り込む。 そうじゃなくて、相手はもう足が動かないんだ。ボールを早く回して空いたところに・・・・と思うが時計は49分をも過ぎた。そして川島が大きく蹴りだした瞬間にホイッスルが鳴り響いた。

このギリシア相手にゴールが決まらないのかぁ~。そんなに得点力が無かったのかな~。天を仰いだ。

そしてそばに置いてあった鞄を手にして会社に向かった。

東川口駅には青い代表のレプリカを着た人達を多く目にした。 そうか、さいたまスタジアムでパブリックビューイングが催されたのか。彼ら、彼女らの足取りも・・・ だけど俺が20代の時はそんなの無かったし、ワールドカップなんて誰も興味なかったなぁ~。 今を幸せと思うべきなんだと思い直すことにした・・・・・




黒星発進。Drogba と Lamouchi 監督にやられたなぁ~  Japan 1-2 Cote D’Ivoire

ロスタイムは3分が過ぎた。1点のビハインドは追いつきそうにないなぁ~。Cote D‘Ivoire の選手が倒れるがなかなか起き上がらない。仕舞には外に運び出される。 わざとらしい、演技賞ものだなぁ~。こんなこと日本の選手には出来ないなぁ~と思う。
ロスタイム4分を過ぎた。だけどCote D‘Ivoire の選手が倒れてプレーを止める時間があたったのでももう少し・・・と期待、いや希望する。 しかし5分を少し過ぎたところでチリ人の Enrique Osses 主審の笛が鳴り響いた。
あぁ~、黒星発進かぁ~。1998年フランス大会、2006年ドイツ大会と8年ごとに黒星発進だったので今年も危ないかな?っていう悪い予想が当たってしまったなぁ~。 
一気に疲れが押し寄せてきた。そしてそのままに日曜日の昼過ぎの惰眠をむさぼってしまい、目が覚めたのは午後3時を過ぎていた。あの試合が夢だったら、と一緒思ったけどそれは現実だった。( 当たり前か・・・・)

初戦が大事!?
もう何か月にも亘ってこの言葉を聞いた。テレビからラジオからそして活字で・・・・ 
4年前、大会4ヵ月前の東アジア選手権、離日前の壮行試合での惨敗を見てものすごく危機感を感じた。そしてマスコミもそれを煽った。 しかし冷静に考えれば2010年東アジア選手権も2同年5月末の韓国との壮行試合もその試合の為に調整したわけではなく、韓国を含めた対戦相手は日本戦の前に調整試合を入れたりして“刺激”を入れていた。 結果は至極当たり前の事だった。だけど、それが良かった。大会開幕直前に阿部をアンカーに置く守備的なフォーメーションに切り替える事により不安の中で臨んだカメルーン戦を本田のゴールと守備陣の奮闘で1-0 で勝利し、出場4回目で白星発進となった。

今大会もその白星発進を大いに期待した。中には既に試合が終わって勝ったかのような報道まで。
だが対戦相手も初戦は負けたくない。3大会連億出場のCote D‘Ivoire はこれまでの2大会は共に“死の組”と呼ばれる列強が揃う組に入る“不運”だった。それだけに今回、国民は Elephants のlast 16 進出は大いに期待していたに違いない。
ワールドカップの初戦は見ている私も常に緊張をしてしまう。1998年大会以外は。あの時は入場する選手達を見て、あぁついにこういう日が来た。ワールドカップに日本が出るだなんて・・・・・涙が出そうになった。

予想通りのスタメン? Drogba 以外は。
Cote D‘Ivoire の最終メンバーを見た時は、ほぼコアーメンバーは選出されていた。地区予選に出場していない選手は6人入っていた。ただ代表出場歴47試合の Nadri Romaric ( SC Bastia 仏 ) と87試合出場経歴のある Siaka Tiene ( Montperiller HSC ) の二人は入るかと思っていたけど。それから201㎝、長身 Everton でプレーする Lacine Traore もメンバー入りしなかった。予選では3試合出場しガンビア戦とタンザニア戦にそれぞれ得点を決めていた。

Cote D‘Ivoire のスタメンは予想通りのレギュラー選手。ただ英雄 Drogba がベンチスタートでワントップには Wilfied Bony が起用された。 Drogba はベルギーとの親善試合でも途中出場しその存在感を見せた。 36歳と言う高齢を考えれば、むしろ途中から出てこられた方が厄介だと思っていた。 
だから Drogba がベンチスタートと解った時はリードを保ったまま、できれば2点差以上である状況を早く作れればと思った。
日本代表のスタメン。まず長谷部主将がスタメン起用され、山口蛍とボランチを組んだ。遠藤はベンチスタート。ワントップは大迫が起用された。

雨の降る中、Cote D‘Ivoire のキックオフで始まった試合は立ち上がりの2分程は日本がテンポよくボールを回していたが、それ以降、10分まではCote D’Ivoire が主導権を握った。特に AS Roma でプレーする Gervinho が左に出て来てよくボールに絡んでいた。 そしてなかなか本田にボールが入らなかった。
13分、ようやく右サイドを本田、内田、山口と渡り中央の大迫に送られそここかシュートが撃たれた。しかしここはGK Boubacar Barry がキャッチ。このプレーを境に日本が主導権を奪い返した。
16分森重が逆サイドの香川に送り長友に繋ぐ。 Serge Aurier がマークい入りCKに。本田が入れたCKは Bony と競りながら岡崎が 香川に送りArthur Boka と競りながらシュートに持ち込む。 
そして長友がスローインで香川に送り中に入った本田に送る。本田はワンタッチで Yaya Toure のマークを外しそのまま左足を振りぬくとそのままCote D‘Ivoire ゴールネットに突き刺さり先制ゴールが生まれた。
4年前と同じ、最初のゴールが本田。 これで日本の攻撃に加速がつくはずだった。






21分右サイドを内田がドリブルでCote D‘Ivoire DFを二人かわしてフリーで放ったシュートはポストの右に僅かに外れる。
22分本田のミドルは何とかGK Barry がコーナーに逃れ、そのCKにネァーサイドに岡崎が飛び込むが僅かに合わなかった。
この連続攻撃の間に追加点が決まっていれば試合は決まっていたのだった・・・・
23分Cote D‘Ivoire はカウンター攻撃に入りボランチの Serey Die がドリブル突破をしてくると事を吉田がファールでストップ。このプレーにイエローカードが出された。このプレーを境にまたCote D’Ivoire が攻め込む時間が続く様になってしまった。
ここで与えたFKを背番号19番の Yaya Toure がセットする。直接狙える距離だけに緊張をするがここは外してくれた。
今シーズン Liverpool を逆転でかわして English Premier League 連覇の Manchester City の中心選手である Yaya Toure であるがこの試合の立ち上がりはやや精彩を欠いていた。 5月13日の誕生日にチームの首脳陣から何の祝辞が無かったことを始め、チームに愛着を失っていて来シーズンは移籍を示唆しているとの報道が大会直前に英国紙で見られた。
代表ではポジションはトップ下。  Manchester City ではボランチのポジション。そこらへんも不調の原因か?
それでも29分には Yaya Toure から Gervinho に渡りマークに入った岡崎のチャージがファールとされ FK を与える。今度は Boka が狙うがここは右上隅にわずかに外れ、胸を撫で下ろす。
34分には縦パスから Gervinho にまたもドリブル突破をはかられ吉田がマークに入りCKに逃れる。そのCKからのクリアーをPAの外で Bokaに拾われミドルを放たれるが川島が右に倒れ込んでクリアー。そのこぼれ球を Bony に拾われて撃たれるがここはオフサイド。 
セカンドボールを拾われ、素早いミドルパスで前線に繋がれピンチを招く。最後は体を張って、ファールで止めているという状態になっていた。Yaya Toureがまともな状態だったら、そしてYaya Toureがボールを持った時に他の選手が Manchester City の様に動き出しておればとっくに失点を喫していたに違いない。
36分本田がドリブルでDF二人をかわしてシュートに持ち込むが CB Souleymane Bamba に当たってゴールには至らない。
このシーンが久々我々日本人が沸いたシーンだった。
その後もCote D‘Ivoire の攻撃に晒される時間が続く。 39分には波状攻撃を受け左サイドから Serey Die が入れたクロスに Bony が合わせるが外れつ。42分には右サイド Aurier からのクロスが山口を越えて逆サイドの Solomon Kalou に渡りヘッドで狙われるが外れる。44分には Gervinho にシュートを放たれるがここも外れてくれ、その直後には Gervinho が二人のマークを受けながらも左サイドを上がった Boka に渡し Boka はシュートを撃つがここは川島の正面を突いた。
こうして先制後は何度もピンチを招いたが何とかゴールは死守しリードを保ったまま前半を終えた。
ボール支配率はCote D‘Ivoire 59に対して日本は 41 であった。

まだ両チームベンチの動きが無いまま後半が始まった。 Cote D‘Ivoire はいつDrogbaを入れるのか?日本はいつ遠藤を。
後半開始早々、本田のスルーパスが香川に入るが Serey Die がマークに入りシュートは撃てない。 その直後にはCote D‘Ivoire がカウンター攻撃に移り Bony がヘッドを放つがここも外れてくれた。
日本ベンチ横では大久保と柿谷がアップを始めた。 49分44秒、長谷部が相手のミスパスを拾ってドリブルシュートに持ち込むがここはゴール枠を外れてしまった。 決めてほしいシーンだった・・・・
50分には香川がドリブルで持ち込み CB Didier Zokora を外して中央に走り込んだ山口に送るが山口のシュートは大きく外れた。 立ち上がり日本がやや優勢の中、日本ベンチが動く。53分長谷部を下げて遠藤を投入した。 長谷部がキャプテンマークを遠藤に渡す。 長谷部が動ける時間はここまでという事か。しかし遠藤が入ったことでCKは少なくとも遠藤が蹴るだろう。そうなると本田が中に入れるとも思った。
57分Yaya Toureのドリブルを吉田がノーファールでストップ。この判定に Kalou が主審に詰め寄るが反対にイエローカードが出された。 追加点をまだ挙げられないが日本のペースだ、とこの時は思えた。

Drogba 投入。一気に・・・
62分 Lamouchi 監督がついにDrogbaを投入する。スタンドのCote D‘Ivoire サポータ達から大歓声が上がる。
彼の存在は自国民にとっては我々の想像をはるかに上回るものであると確信した。また、Drogbaの表情を見ていると、何で俺を今まで使わなかった、と言いたげだった。 Drogba は恐らく2列目真ん中か Bony と2トップを組むポジションに入り、Yaya Toureが退いた Serey Die のボランチのポジションの位置に入った。 ここはYaya Toureが Manchester City でプレーするポジションだ。Drogba の投入もそうだけどYaya Toureのポジション変更も大きかったと思う。



そして64分右サイド Serge Aurier のアーリークロスを Wilfried Boy が森重のマークを受ける前に頭で合わられて試合を振り出しにされ、その2分後、またも Aurier が同じような位置から放り込んだクロスに走り込んだ Gervinho が吉田がマークに入る前にヘッドで決められあっという間に逆転されてしまった。 Drogba が入って僅か4分の出来事だった。









選手交替も・・・・・
それでも残り時間はまだ24分もある。日本は同点に追い付くチャンスはある、ベンチの選手はまだ残っていると思っていた。
67分、大迫を下げて大久保を投入し2列目左に置き、本田をワントップに。 これは4年前と同じ位置付けだ。
77分Cote D‘Ivoire ベンチは Bony を下げてDrogba のワントップにし酒井宏樹のチームメイト Hanover 96 所属の Didier Ya Kanon を入れる。これは日本のサイド攻撃対策か?
なかなかシュートに持ち込めない日本は85分に香川を下げて柿谷を入れてワントップに置き、本田をトップ下に戻す。
高温多湿のせいか日本選手の動きの方がCote D‘Ivoire 選手よりも少なくなってきた様に見える。パスも足元ばかりで、ミドルパスはカットされる。受け手が止まっているからか? 
そして遂に吉田を挙げてパワープレーに入る。だけどこんなプレーはしない、だから豊田やハーフナーをメンバーに入れなかったんじゃないかな・・・・・

逆転負けのスタートかぁ・・・・・8年前のオーストラリア戦を思い出した。 でもあの時の方がショックだったかな?
楽観視はしていなかったけど勝てるチャンスは十分あると思った。しかしそれと同じだけ引き分けや負ける確率があるとも思っていた。だからこの試合最低でも勝ち点1を・・・とおもったのだけどなぁ。

試合後 Lamouchi 監督は “Drogba投入後は全てが変わった。もちろん彼はスタメンでないことにフラストレーションを感じているのは解っていたが。”と語った。Drogba自身も“ワールドカップで誰がベンチスタートを望むと思う?”と話しながらも“今日はするべきことが出来た”とコメント。そしてフランスの放送局 Radio France International に“この日の日本はそれほど脅威を感じなかった。”とコメントされてしまった。
Yaya Toureも R.FI. に試合に就いて満足しているか?との問いに、“もちろん満足している。”と答え、“次のコロンビア戦を考えれば日本戦は負けたくなかった。“とも話していた。
殊勲の連続クロスを入れた右SBの Serge Aurier は "我々は前半多くの得点チャンスを作ったけど生かせなかった。 失点は防げたはずだった。しかし取り返すことが出来た。最も重要な事は我々のスタイルを続ける事だ。 もしゴール出来ればそれが我々の有利になる。それは日本よりもフィジカルにアドヴァンテージがあるからだ。 我々は先制してそのまま試合を終えたかったが、ワールドカップはそうは行かない。 “と語った。

逆転ゴールを決めた Gervinho は”御手本となる良いチームがあった。我々はそれに学んだと思う。 経験と共にプレーする事が出来た。我々はチームとしてプレーしようとした。 我々は過去の失敗を集めてこの試合に臨んだ。そして先制されても逆転する事が出来た。 おそらくそういう経験が無ければパニックになり敗れていただろう。“ この様に語った。

次はギリシア戦・・・・ まぁギリシアもコロンビアも勝てない相手ではないけど初戦はやはり勝ちたかったなぁ~と強く思った。

ギリシア戦に続く。

6.4. 日豪戦観戦記その2 

2013-07-20 | FIFA World Cup

5月下旬。我が家にある簡易書留が届いた。そして我が家の住所は英文で書かれていた。

“よ~し。作戦成功。”思わず拳を握りしめた。封筒の中は6月4日のさいたまスタジアムで開催されるワールドカップ予選、オーストラリア戦の入場チケット。これで1年間楽しみにしていた試合を観戦する事が出来る。そう思ってのガッツポーズだった。

あとは試合当日までどんな邪魔が入るかわからない。その妨害をいかに排除するかを考えるだけだった。

平成24年6月にスタートしたワールドカップアジア地区最終予選。幸先よくホームでの2連戦、オマーン、ヨルダン戦はチケットが手に入った。 しかし9月のイラク戦からはワールドカップ予選のチケットは抽選制となり入手が困難になった。“幸い”9月のイラク戦は商用で日本を離れなければならなかったのでこの試合は海外でウェブサイトを通じて生中継で見た。そういう時代になった事にも感謝をしなければならない。

昨年6月 Brisbane で行われたワールドカップ予選のオーストラリア戦は豪州遠征を計画していた。何十回も訪れる豪州大陸で顧客や親しい人たちと日本戦を観戦する事を楽しみにしていた。しかしながら直前になり家内の承認が貰えず計画は頓挫してしまった。 

それから1年が経ち日本代表は今年3月のヨルダン戦に引き分ければワールドカップ出場が決まるところまで勝ち点を伸ばしたが本音を言えばそのヨルダン戦でワールドカップ出場を決めてほしかった。そうすれば6月4日のオーストラリア戦はチケット入手が少しは容易になり、予選を1試合残してもワールドカップ出場の掛かったオーストラリア相手となる。だけど本気のオーストラリア相手とはこれほど素晴らしい対戦相手は無い、まずザッケローニ監督もベストメンバーで臨むはずだ。それにたとえ負けても失うものは無い。これは素晴らしい状況と思ったからだ。 
しかしながらヨルダン戦は勝ち点を上げられずワールドカップ出場決定はお預けとなってしまった。遠藤のPKがヨルダンGKに止められた時は“これはまずいことになったなぁ~。”と心の底で思った。

このオーストラリア戦は引き分け以上でワールドカップ出場が決まる試合となった。それは史上初めての事でその史実が余計に抽選の倍率を煽っていた。 日本サッカー協会を含めたいくつかのチケット抽選にエントリーをすると共に、兼ねてから“期待”をしていたオーストラリア協会のウェブサイトを通じての販売にも期待した。 4月に発表されたチケット販売要綱を見るとアウェー側での観戦チケットがこのサイトから4月末頃から販売されることとなり、発送は世界中にいる“Socceroos サポーター達”に向けて行われる事となっていた。 さっそく購入の手続きを行い、発送先を日本の自宅住所にした。 オーストラリアにいる親しい顧客に依頼しても良かったけど、購入者と発送先、そして支払決済をするクレジットカードの名前が一致しないとまずいのではと思い、日本の住所を入れた。

問題はそのチケットが本当に試合開始日前までに手元に郵送されるか、だった。何しろオーストラリア大陸を仕事で担当して16年になるけど仕事に対する責任感というのは日本とは比較にならないほど、いや比較すること自体が失礼なほど欠如している。 決済だけはきちんと差し引かれ、試合が終わってチケットが手元に届くなんて事は十二分に予想できる。 そうなったときの事を考えると……..

5月中頃、“案の定” エントリーしていた“日本側”の購入先の抽選にはすべて外れた。後に判明したけど50万人の人達がこの試合の観戦チケットにエントリーしたらしい。 でも反対に言えば10倍程度で俺が外されたのか、これほど長き間にオーストラリアサッカーをフォローしていた俺が…もう40年近く、日本代表を見続けていた俺が・・・・とがっかりした。

それだけにオーストラリア協会を通じて購入したチケットが手元に届くことを心底願った。 私こそ“ジャーナリスト”を含めてもこの試合を観戦する“権利”がある数少ない日本人の1人である、と勝手に決めつけて祈り続けていた。

チケットが試合日の約1週間前に手元に届いた時は心から安堵の嘆息を漏らした。そして本当に嬉しかった。

試合当日、天気は非常によく気温も高くなっていた。 オーストラリア代表は1週間以上も前から来日し大宮や駒場競技場で調整を行っていた。仕事さえ忙しくなかったら追っ掛けようかと思っていたけど、10日前に出張から帰ったばかりだったのでかなり多忙な毎日を過ごさねばならず残念ながら“観戦”のみだった。

ベテラン社員の特権、仕事は午前中で切り上げ一旦帰宅しさいたまスタジアムに向かった。 自宅がさいたまスタジアムから自転車で行ける範囲にある幸運に感謝しながら。しかし、先のこの地域に居を構えたのはこちらで、後にワールドカップが誘致されスタジアム建設に至ったのだった。

キックオフ時間まであと6時間以上もあるのにさいたまこう高速鉄道には多くの青色のレプリカを来た人達が乗り込んでいた。

ワールドカップの日本対ベルギー戦の時もそうだった。あの時は赤いユニフォームのベルギー人達の姿も見かけた。その試合はチケットが入手できずちょっと悔しい思いでその光景を見ていたのを思い出した。だけど今回はチケットが入手できたのだ。

観戦する座席はアウェー側なので日本代表のレプリカを着て入れない。 何を着ていこうか?持っていこうか?と考え、結局昨日洗濯をした赤いTシャツを着て行き、日本代表とオーストラリア代表の尊敬する Johnny Warren のレプリカを持参することにした。 それが思わぬ“好結果”を招く事となるとはこの時思わなかった。
自転車で浦和美園の駅前まで行きそこから競技場までの通路を自転車を押して歩く事にした。

さすがワールドカップ予選。 多くの模擬店や代表グッズを販売する屋台ばかりでなく代表選手達の写真の前にも多くの人達が集っていた。そして選手の前では女性や子供達そして男性も、一緒に“記念撮影”を行っていた。 一番列が長かったのは予想通り内田だった。そこには多くの女性達が列をなしていた。

そこから数十メートル歩くと黄色のレプリカを着たオージー達のグループが。中の一人が私のTシャツを指さして声を掛けてきた。 私が着ていたのは4月にシドニーで購入した Western Sydney Wanderers の シーズン優勝記念のTシャツだった。それはこの時に気が付いた。 この集団は家族、親戚で試合観戦の為に来日したらしいが滞在期間は“48時間”の弾丸ツァーらしい。声を掛けてきた男性は Wanderer のファンで隣のオージーの集団にも私のTシャツを指さしながら声を掛け、何人かはこちらにやって来た。 4月の Grand Final を観戦したことや Wanderers の中心選手 Shinji Ono はこれから試合が行われるさいたまスタジアムを本拠地とする浦和レッズで長年プレーし、 Socceroos の Osieck 監督もレッズの指揮を執っていた事等を話したらみな熱心に聞いてくれた。 この試合の展望に就いて尋ねると、“申し訳ないけどオーストラリアに勝たせて貰う。オーストラリアは勝利が必要だ。それに私達はここに時間を掛けてやって来た….と答えた。おそらく最後の行が本音だろう。
私は “ 1-1 で終わろう。そうすればみんなハッピーだ。“というと、皆”オーストラリアは勝利が必要だ。日本は次に勝ってくれ。“と言った。そして少し話をしてお互いに Good Luck と声を掛けあい握手をしてその場を離れた。 まさか試合結果が私の”望んでいた通り“になるとは….

それから競技場に向かう途中、チケットを売って欲しい旨を書いたプラカードを持つ人達を数人見た。 中には“子供の分と2枚売ってください”と書いている人も。 2002年のワールドカップの時も浦和美園の駅で多くの子供達が“チケットを売ってくださぁ~い。”と販売を乞うていた。 あの時のチケット騒動の原因は明快でサーバーのキャパシティーが少なすぎたのでチケットサイトに一斉にアクセスが集まりなかなかつながらなかったのが原因だった。 私もチケットを入手するのにほぼ半日PCの前に座りっぱなしだった。

自転車置き場から入場門に向かったけどものすごい長蛇の列になっていた。開門は午後五時。自由席の人達は少しでも良い席と席数を確保しようと開門のずっと前から並んでいた。 “運動公園”の周囲はタータンが敷かれており小さな起伏もあり走るには絶好の場所になっている。2日前の日曜日にこの競技場周辺までジョギングをしに来た時には既に順番を取る札が地面に貼られていた。 そしてこの日、サブ競技場で練習に来ていた日本代表を一目見ようと子供を含めた数十人の人達が来ていた。 練習場はブルーのシートで保護され更にジョギングコースの一部を“通行止め”にして、練習を見られないようにしていた。 私はどちらかと言えば Socceroos の練習を見たかったんだけどなぁ~

この席取の様子は後に英国紙のコラムにも紹介されていた。日本人は早くから準備をする。何日か前からテープやプラスティックバッグを使って順番を取り、キックオフの4時間前に都心からBlue Shirts を来てKEIHIN TOHOKU LINE で北上し、3時間前から列に並び2時間前には競技場入りをして1時間半前にはほぼ半分の席が埋まった….と書かれていた。

 

私の座席が入り口となる南門に到着した時は既に開門時間が過ぎたばかりであった事もあるが人の流れは非常にスムースだった。これが日本人の良い所だろう。 海外ではこうはいかない。 朝の通勤ラッシュ時に綺麗に列をなして乗車をまっている人々の風景をみたドイツ人が“欧州では有り得ない。”と非常に驚いていた。

Category 5 のアウェー側一帯はすぐ隣の“ホーム側”とは全く異なり空席というよりもキックオフ2時間も前にやってくる人など皆無に等しかった。 中段からやや上のフィールド全体が見渡せる席にどっかりと余裕をもって腰掛けた。 時間が経つにつれて空席はどんどん埋まってきた。そして周囲のオージー達とサッカー談義に花を咲かせた。 なかには仕事でカタールに駐在しているが観戦の為に来日したという女性も。 カタールでの生活は暑いけど苦にならない。日本も暑いと話していた。 そして私の T シャツを指し Wanderers の話や小野の話をした。 更にこれが私の宝物だと Johnny Warren のレプリカを見せると驚いて写真を撮らせて欲しいと依頼され、レプリカを前にポーズを取った。おそらく私の顔は写さなかっただろう?

赤い Wanderers と黄色い Warren のシャツをネタに何十人ものオージー達と話が出来た。あぁ、横に息子がいればなぁ~。と思った。 彼らの話を総合すると、とにかく日本は強すぎる。勝点1が手に入れば万々歳だ、との事であった。
みなでスタメン予想をしたけど、 Kennedy のスタメンは間違いないと殆どが言っていた。 私もそう思ったけど。

キックオフの1時間半程度前になった時に Sccceroos 達がピッチに現れた。ま移動着のままだったけど。ピッチのコンディションを確かめている様であった。周囲のまだ多くは居なかったけど周囲のオージー達から歓声があがり数人の選手達がこちらに手を振った。 遠目から長身の Kennedy がよく解った。 この時点でもまだ彼のスタメンを疑わなかったのは私だけではなかっただろう….



するとスクリーンに日本代表選手を乗せたバスが到着したところが映し出された。そして選手達が下りて来る度に大歓声があがり、予想通りに最後に本田が降りて来た時には更に大きな歓声が上がった。 後ろにいたオージーたちに4日前のブルガリア戦で日本は本田抜きで完敗したので我々は彼の登場を待っていたと説明した。彼らもよく解っていて香川や長友の話をしてきた。

キックオフの1時間程度前になり更に大歓声が上がり両チームの選手がアップの為にピッチに出て来た。 先の出て来たのは Socceroos だった。 練習のグループ分けからその日のスタメンがわかるのだけど、悲しいかな私はなかなか遠くが見えにくくなっていて選手の区別がつかなくなっていた。 だけどオーストラリアの方は全員が同じアップをしているみたいだった。それはスタメン予想をかく乱する為だったのだろうか?

時間が経つにつれて隣の Category 5 のホーム側の人達のが増えて来てもう押すな押すなの大混雑。 席数が足らないはずなんだけどなぁ。 警備員は空席の“緩衝地帯”を狭めたり、中にはこちらの“アウェー側”の空席を指してそこに座らせろという観客も。 だけどこちらもキックオフ時間が近づくに連れて席が埋まってきて、スタメン発表前にはほぼ黄色のレプリカを着たオージー達で満席となってきた。

そして注目のスタメン。GK Schwarzer から順にメンバーが発表される。 最初の驚きは Mark Milligan がスタメン発表された時だった。 JEF でプレーした“実績”がかわれたのだろうか? そして故障続きだった Mark Bresciano のスタメンも予想外だった。 そいて2列目に Tommy Oar, Robbie Kruse がスタメンに起用され Cahill がワントップに。 スタメンを予想した Kennedy そして Mile Jedinak , Brett Holman はベンチスタートだった。 

 

GK Schwarzer , DF Neil, Milligan, MF Cahill, Wilkshire, Bresciano, FW Kennnedy が2006年ワールドカップのメンバー。

日本は当時出場機会の無かった遠藤のみ。その遠藤がその後2回のワールドカップで主力となるところが私が彼を最も好きなところだ。

日本のメンバーは本田がスタメンの誰もが予想できるメンバーだった。 でも一般の人でも予想することが出来ていいのかな?と思った。

 

両国国歌演奏に続いてオーストラリアのキックオフで試合が始まった。 前半はこちらの方に日本が攻めてくるエンドになっていたので開始早々香川がPA内に入って来たのを皮切りに試合は何度もこちら側で展開された。 特に目立ったのはやはり本田圭祐。 彼にボールが渡ると見ていてこちらもボールが取られないというオーラが感じ取れた。 Milligan をスタメンに起用したのはこういう展開を予想してか? 18分には決定的なチャンスを掴むも最後の香川のショットは Schwarzer に弾き出されてしまった。 そしてオージー達から歓声が上がる。 23分頃からオーストラリアの2列目、 Kruse, Oar がワイドに開き出したので日本のボール支配率が減少したせいか、試合も落ちつきつつある様に見えた。 それでも主導権を握るのは日本。 前節は累積警告により出場停止だった Lukas Neil が最終ラインでよく効いていた。

33分、オージー達が一気に湧き上がる。 Holman から縦パスが中央を突破した Kruse に渡り中央でGK川島と1対1になるのがこちらからもよく解った。 しかしここは川島が前に出て来てストップ。さらにそのリバウンドをダイレクトで蹴りこんだ Cahill のミドルはクロスバーを越えてくれた。 私と隣のブロックの日本人サポーター達から安堵の溜息が漏れた。 

後ろの4人組のオージー達はみな両手で頭を抱えていた。彼らとは試合中日本のサポーター達が歌い続けるチャントの意味を何度も訊かれた。 特に多かったのは香川真司だった。 カ~ガワシンジィィ~、ラララララァァ~というチャントは今でも頭の中に残っている。

 

その後日本も両サイドからの攻撃を中心にこちら側に攻め上がってくるがオーストラリアゴールネットを揺らすことは出来ず、スコアレスのまま前半終了のホイッスルが鳴った。

やっぱりタフに守ってくるなぁというのが印象。だけどホームでこの日のオーストラリア相手でゴールを挙げられないのでは実際にワールドカップになると…と少し不安なるのは自分一人ではないだろう。



 

ハーフタイムに入ると周囲のオージー達は一斉に消えてしまった。どこに行ったかはすぐに解った。ビールを買いに行ったのだ。

オージーに限らず欧州のサポーター達もこの試合の様な高温多湿のビール日和でなくてても、どんなに寒くてもビール売り場の前は長蛇の列だ。 体の構造が違うのかな? 周囲のオージー達にビールはおいしいか?と聞くとみな親指を立てていた。

XXXX ( エックスフォー ) は? Victoria は? Crown は?と聞くけどみな親指を今度は下に下げる。

“日本ではサッカーの試合で売られているビールはたいてい KIRIN ビールだ。 36年前にまだ日本でサッカーが人気の無い時から KIRIN はずっと日本代表のスポンサーだ。 だから競技場で飲めるのは KIRIN だ。”と話すとみな頷いていた。

そしてみな日本は food も drink も安くておいしいと言っていた。だからそれは今の交換レートによるものだと話した。 今でこそ AS$ は90円以上するけど、5~6年前は60円台で、オーストラリアに機械を売り込むのに苦労した、と話したけどそれだけでなくここ数年のオーストラリアの物価上昇はやはり彼らにとっても大変らしい。 サッカーの話よりもこういった話の方が興味を持ったようだった。

 

後半は両チームとも選手交代ないしで始まった。 今度は日本が向こう正面に攻めてオーストラリアがこちらに攻めてくる。

なるべくこちらで試合が進んでほしくないなぁと思った。 

オーストラリアは Kruse , Oar がサイドを上がってくる回数が増えた。こうなると長友、内田からのサイド攻撃がなかなか出来ない。しかし怖い Cahill は今野と吉田がしっかりとマークしている。 日本は長友が上がってこられない分香川がサイド攻撃の起点になっていた。 

なかなか見せ場が訪れないオーストラリアに業を煮やしたか何人かのアルコールを充填したオージー達が今度は日本のサポーター席に向かって何か叫びだす。 だけど何を言っているかさっぱり聞こえないので誰も反応しない。そうすると今度は緩衝地帯に入ってきて何かを叫ぶ。 ここは警備員が飛んでくる。 日本人は誰も相手にしていないから何も起こるはずもなくオージー達も酔っているせいか?へらへら笑っている。 

63分、67分、FKを得て本田が狙うがゴール枠をとらえられない。まぁGKが Schwarzer だからかなり隅を狙わないと難しいだろうなぁ~と隣のオージーと話した。 反対に64分には Kruse からボールを受けた Cahill がしぶとくシュートに持ち込むがここはゴールには至らない。やはり Cahill にはボールを入れたくないなぁとも話した。

71分。最初の交代選手が告げられる。それはオーストラリアで投入されたのは Kennedy でなく Vidsich だった。

79分、今度は日本ベンチが動く。 前田を下げて栗原を投入した。 これはどういう意図なんだろう?と思い最終ラインはどうかわるのかな?と思っていると左サイドから Tommy Oar がドリブルで上がって来た。 おいおい早くだれかマークに行けよと思うと Oar はそのまま前線にボールを上げゆっくりと弧を描いてなんと日本ゴールに吸い込まれてしまったのだ。選手交替でポジションチェンジが落ち着かないその虚を突かれた気がした。周囲のオージー達は狂喜乱舞する。 ビール入りのコップがいくつも宙を舞う。 中には上半身裸になって抱き合うオージー達や感涙を流す女性のオージーも。そのなかで私が頭を抱える。 

あと10分かぁ。 まだまだ勝ち点は日本が断然有利でこの試合を負けたくらいではワールドカップが遠のくわけではないが….
あと10分で Schwarzer の守るゴールネットを揺らせるかなぁ….. という思いが一番強かった。
そして“それ見た事か!!”と何人かのオージー達が日本サポーター席に迫り警備員達が飛んでくる。別に摘み出される訳では無かったけど。

85分にはまたも Oar にシュートに持ち込まれるが今度はGK川島の正面に。 そしてオージー達から歓声があがる。

日本ベンチは内田を下げてハーフナーを入れワントップに入れ今野を右SBに入れCBを吉田と栗原が組む。 87分には岡崎が下がり清武が入る。 スピード不足のオーストラリアDFを切り裂くためにドリブル得意の乾でも良いと思ったんだけどなぁ。

時計が刻一刻と過ぎる。ボールが外に出るたびにオージー達から歓声が上がる。 89分、本田のFKから繋いでシュートに持ち込みCKを得る。 ハーフナーを狙うかそれともオーストラリアの嫌がるショートコーナーか…と思うと本田はショートコーナーを選び遠藤にいったん預け再び中に入れると遠目から見ても明らかにボールが不規則にバウンドするのが分かった。 ゴール裏から大歓声が上がりオーストラリア選手が主審を取り囲む。主審の手の位置から見てPKを与えられたことが分かった。

それまで狂喜していたオージー達は一斉に静まり返り何が起こったかわからないという表情。 中には日本サポーター席に何やら叫びだしたり、更に怒りを露わにし、中指を突き立てる輩も。 こういう行為は欧州だと警備員にすぐにつまみ出される行為らしいが、その“重大さ”をあまり解らない私はやんわりと彼に人差し指を左右に振り、自分の肘に反対の手を当ててハンドがあったことを説明する。 スクリーンには本田のクロスが McKay の手に当たるのが映し出される。 もし微妙な判定でなければ映し出されなかったかな?

後ろの方にいた数人の日本人達にもPKだったことを説明する。彼ら(彼女達)も表情を崩してその判定を受け入れる。  
しかしまだ同点となったわけではない。 GKはワールドクラスの Schwarzer だ。 PKとはいえ容易には決まらないかもしれない。キッカーは誰だろう?遠藤じゃないだろうな。と思うと本田がボールを抱えてスポットにセットする。
本田なら大丈夫だろうと自分に言い聞かせるも何故か脳裏には本田の蹴ったボールがゴールネットに届かないシーンが浮かんでは必死に消し去った。しかし本田は堂々としかも真ん中にそのボールを蹴り込み試合を振り出しに戻した。

73分に発表があった 62,127人の公式入場者から約6万1千人分の大歓声があがる。 私は歓声というよりも天に向かって安堵の溜息を大きく一つついた。そして散々酔っぱらったオージー達に煽られていた日本人サポーター席の数十人が今度はそれ見た事かとこちらに向かって歓喜の雄たけびをぶつけてきた。

試合はロスタイムに入る。 あきらかに Socceroos もオージーサポーター達も明らかに意気消沈している。 これはチャンスだ。このまま一気に逆転だ…と思うとオーストラリアベンチは Kruse を下げて Archie Thompson を投入する。 周囲のオージー達は Sydney FC や Wanderers のファンばかり。彼らと思わず顔を見合わせる。私から Archie Thompson ティッッ ティッティッ ティ ティッッ ~~!というと受けたけど、あまり今では言わないみたいだ。

しかし1分もしないうちに主審の試合終了のホイッスルが吹かれた。 その瞬間、体中の力が一気に抜けた気がした…

 
試合終了後、3大会連続でワールドカップ予選突破1番乗りを決めたそのフィエスタがピッチ上で始まった。

オージー達はこちらに来た Socceroos 達に声援を送る。 この試合結果 1-1 というスコアーが最も平和的な結果だったんだなぁ~と痛感した。 2007年ここで行われたあの ACL での浦和レッズ対シドニーFC戦の様に…..

そして周りにいたオージー達と握手と抱擁を交わす。 残りの2試合も Good Luck そしてオーストラリアまで Have a nice trip と言葉を掛けがら…そして中指を立てたオージーにも。 彼とはひしと抱き合った。 あの“行為”を誤りたかったみたいだった。 日本は強かった、いやオーストラリアは残り2試合ホームだ。それにこの日の Socceroos はこれまでと違う…



この試合のMan of the Match に先制ゴールを決めた Tommy Oar が選ばれたことがスクリーンで紹介されたけど、私から言わせれば Schwarzer こそ Man of the Matchだと思う。それは周囲にいたオージー達も賛同していた。
そして Schwarzer は予選終了後なんと Chelsea と契約を交わした。



場内インタビューで同点のPKを決めた本田の表情が。決して満足していないのが手に取る様にわかる。 ホームで満身創痍のオーストラリア相手にやっとPKで引き分けたのだからそれも当然だろう。



その後オーストラリアは Jordan, Iraq と同じスタメンで臨み連勝を飾りワールドカップ出場を決めた。 イラク戦はちょっと危なくて最後は遂に登場した Kennedy の一発で決まったけど…..

オーストラリアとはこれから熱戦が続くだろう。だけどこの日のさいたまスタジアムでの試合は忘れ得ぬ試合となるだろう…





そして今考えている。次は東アジア杯に行きたい。


日豪戦観戦記 1 引き分けは最高の結果だったか?  Japan 1-1 Australia 4th June 2013

2013-06-09 | FIFA World Cup

 時計は79分になっていた。 ここで日本ベンチが動く。栗原がピッチに投入される。そして前田がベンチに下がった。この試合、あまり前線でボールを受けられなかったなぁ~と思うと同時に残り時間はあと10分少々。どういうフォーメーションで押すのだろう? 3バックにはしないだろうしとピッチ上に目を凝らす。吉田、栗原がCBに入り今野が左サイドに入り、右サイドには内田が。まだ4バックだろう。だけど内田の位置は、そして前線は、と思っているとオーストラリア側の左サイド、 Bresiano からボールを受けた Tommy Oar がサイドを突破して来る。岡崎のタックルは届かず、内田が慌ててマークに入るがその前に Oar は日本ゴールをめがけてボールを上げてくる。そこに途中出場の Vidosic と今野がもつれこむように突進して来るが Oar の蹴った弾道は目いっぱい伸ばしたGK川島の指先の上を越えてなんとそのまま日本ゴールの内側のサイドネットに吸い込まれてしまった。 目の前でオージー達が狂喜乱舞している。上半身裸になってレプリカを振り回すオージー、そして泣き出している女性のオージー達も。ここはアウェー席のまん真ん中とはいえ現実を突きつけられているみたいでちょっと言葉が出なかった。選手交代でフォーメーションの事等が落ち着かない間を突かれた失点だと思った。 後半に入って Oar , Kruse の2列目の両サイドがよかったけど、失点を許すとはなぁ~。  Oar の代表初ゴールが日本戦かぁ~と思った。








ピッチ上では Green and Gold の Soceroos 達が歓喜の輪を作っている。あと10分程度、同点に追いつけるというよりも Schwarzer の守るゴールを破れるかなぁ~と不安が募った。そしてこの試合を落としてもワールドカップ予選で敗退するわけではないし、まだ勝ち点では断然他の4か国よりも有利だし悲観することはと自分に言い聞かせた。 だけど、ここでオーストラリアに負けるのはなぁ~と思ったのが本音だった。

試合が再開される、85分に再び Oar がエリア外からグラウンダーのミドルを放つがここは川島の正面に。 まだメンバー交代によるマークの受け渡しに混乱があるのか? 
85分には内田が下がってハーフナーが投入される。そして長友が左SBに戻り、今野が右SBに入った。そして最前線にハーフなーが入り本田がトップ下に入った。 ちょっとこの交替ドタバタ感が否めないなぁ~と思う。
その直後に中盤から前線にスルーパスが入るがハーフナーと長友がお見合いをする感じでボールはそのままGK Schwarzer に。 87分、岡崎に替わって清武が入る。前日にドイツから戻ったばかりの岡崎はよくここまでプレーしたと思う。だけど清武の投入はもう少し早くても、先制を許す前でも、と思った。
そして本田が Bresciano に倒されてFKを得る。 Bresciano にはイエローが出る。 この位置は直接狙うには少し遠い。逆サイドに誰か走りこんで…と思うとファーポストに香川が飛び込むがここは弾道は高すぎて合わない。  Schwarzer の範囲外になるとゴールが遠くなる。 

88分46秒、本田が強引にミドルを放つのオーストラリアDFの足に当たり日本がCKを得る。 昨年のBrisbane でのゲームではショートコーナーを何度も使ったがこの日は1度も使わなかったのではないか?しかしここは遠藤が本田にショートコーナーを出す。そして本田がゴール前にライナーで送るとその弾道は不規則なバウンドをしたのが遠目からもよく解った。するとすぐに Socceroos 達がバーレーン人の Nafa shukralla 主審を取り囲むシーンが私の目に飛び込んできた。 主審は手を水平に上げてペナルティースポットを指している…..そしてイエローカードを出した。 ハンドを犯した Mckay に出されたものだった。ゴール裏のサポーター席から大歓声が沸きあがっている事からPKを宣誓しているのが確認できた….そして本田がボールを抱えてペナルティースポットへ歩みを進めているのを見てPKを得たことをやっと確信できた。

隣のゾーンの日本サポーター席からも大歓声が、そしてアウェーゾーンにいる私の周囲の10人程度の日本人達からも歓声が上がった。 しかし GK Schwarzer からは例えPKでも容易には…と悲観的な近未来が瞼の裏をよぎる。願う気持ちで遠くオーストラリアゴール前を凝視する。本田が助走を取って蹴りこんだボールは見事にオーストラリアゴールネットに突き刺さった。







まさに起死回生。あと数分凌げば日本の5大会連続のワールドカップ出場が決まる。 ロスタイムが3分と表示されていた。そして時計は91分になっていた。 このまま行くのか、勝ち点3を目指すのか…オーストラリアベンチは Kruse を下げて Melbourne Victory のFW Archie Thompson が投入される。 彼にドリブルをされると厄介だなぁ~と思うがそれから30秒足らずで主審の試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。 

やったぁ~、よかったぁ~   天を仰ぎながら叫んだ。 だけどよかったぁ~の方が本音だった。 

幸運にも、というよりも作戦通り手に入れたチケット。 そこはアウェー側だけど私はこの試合を見られればそれで良いと思っていた。 そしてこの私こそ日本人のなかでこの試合をみる資格のある人間の数少ない一人と勝手に信じて疑わなかった。
だけど実際にここのスタジアムに着席した時はこの幸運に感謝をした。

今度こそ勝ってくれよと期待しつつも、試合展開によっては勝ち点1を死守してもいいだろうとも試合の始まる何日も前からそう思い続けていた。 しかし今回は試合の1週間以上も前から日本というよりもさいたま市に入って調整をする選手も多かった。これまで、昨年の Brisbane の試合でも、その前までの欧州組が中心の時でも日本選手よりもコンディションが整わない中でもしぶとく引き分けたり、4年前のMCGでのワールドカップ予選最終試合の様に日本から逆転勝利を収めたりとその強さを見せ続けていただけに調整期間の十分にあったこの試合は、岡崎、酒井高徳そして本田が試合前日に合流することを考えれば日本もそんなにイージーにいかないと思った。

思えばワールドカップドイツ大会で惨敗してからこの試合の前まで Asian Cup 2007 ( 1-1 ) ワールドカップ南ア大会予選 ( 0-0, 1-2 ) Asian Cup 2011 ( 1-0 ) そして昨年のワールドカップ予選 ( 1-1 ) と5試合戦い、日本の1勝1敗3分。PK 勝ちは公式記録は引き分け。 日本は90分でオーストラリアに勝ったのは2001年あの豪雨の横浜で中田英寿が豪快に決めたFKで勝利を収めて以来ないのである。この時のGKは今でも Socceroos の守護神 Mark Schwarzer 。そして Archie Thompson も後半途中からプレーをしている。



それと毎度、オーストラリア戦の前には自分と専門家、ジャーナリスト諸氏とのスタメン予想の違いが楽しみであった。 これまで、ワールドカップドイツ大会以降のスタメン予想では常に私の圧勝であった。この試合はどうなるか….

その Socceroos のスタメン発表。 最初の驚きは Mark Bresciano, Mark Milligan のスタメンが発表されたとき。後で知ったけど ボランチの有力候補Mile Jediniak は故障が完治しなかったらしい。 Bresciano は反対に故障が試合が出来る程度に治ったからだったらしい。 3月のオマーン戦で先発出場したJames Holland に替わって、昨年の日本戦に続いてのMliigan の起用は日本でプレーした経験を買ったのかそれとも守備力を優先させたのか? 
Tm Cahill ワントップ の後ろには左から Tommy Oar , Brett Holman, Robbie Kruse が並んだ。 名古屋グランパスのJoshua Kennedy はベンチスタート。コンディションを考えても Kennedy は使ってくると思ったけどなぁ~。21歳の Tommy Oar の起用が後で“大抜擢”となることはこの時想像にも出来なかった。 ワールドカップ南ア大会は最後にメンバーから漏れ、翌年の Asian Cup では負傷した Richard Garcia に替わってメンバー入り。その年の FIFA U-20 大会ではエクアドル戦で50m のロングFKを決めた将来有望選手だ。
GKは大ベテランの Mark Schwarzer 。 DFは Lukas Neil とSasa Ognenovski のCBに右SBがLuke Wilkshire, 左SBに Matthew McKay が起用された。オマーン戦からはCBとボランチの2人ずつ、MFは怪我の Alex Broque に替わって Oar が。合計5人が入れ替わった。 昨年の日本戦とは4選手が入れ替わった。

一方の Samurai Blue は昨年のオーストラリア戦では怪我でスタメンを外れた吉田麻也が栗原に替わってスタメンに。 3月のヨルダン戦では香川がトップ下で岡崎が二列目右、左に清武であったがこの試合では懸念された本田がトップ下に香川が2列目左、右に前日ドイツから帰国したばかりの岡崎が起用された。ブルガリア戦は後半から投入された長友もスタメンに名を連ねた。

                                           1 川島
                                 ( Standard de Liege )

      6 内田                 22 吉田           15 今野                5 長友
( Schalke 04 )  ( Southampton ) ( ガンバ大阪 ) ( Internazionale  Milano )

                 17 長谷部                                    7 遠藤
              ( Wolfsburg )                             ( ガンバ大阪 )

           9 岡崎                    4 本田                       10 香川
      ( Stuttgart )         ( CSKA Moscow )      ( Manchester united )

                                         18 前田
                                         ( 磐田 )

 

                                            4 Cahill
                                ( New York Red Bull )

        11 Tommy Oar          14 Brett Holman      10 Robbie Kruse
          ( Utrecht FC )             ( Aston Villa )    ( Fortuna Dusseldorf )

                    23 Bresciano                              5 Milligan
                    ( Al Galafa )                        ( Melbourne Victory )

    17 Matthew McKay  6 Sasa Ognenovski    2 Lukas Neil   8 Luke Wilkshire
          ( 長春亜泰 )                ( 全南 )                                   ( Dynamo Moscow )

                                             1 Schwarzer
                                             ( Fullham )



オーストラリアのキックオフで始まった大一番は、キックオフ直後のパスを受けた Neil が大きくまっすぐにゴール正面に放り込むと Cahill がヘッドで落とし、 Oar が拾うがここは今野が落ち着いてクリアー。 53秒にも Milligan がゴール前にロングボールを入れ今度は Cahill が拾うがここも吉田がクリアー。立ち上がりから連続してロングボール攻撃を見せれば、日本も特徴のある攻撃を続ける。1分52秒、香川が二列目から飛び出しボールを受けるがここはオーストラリアDFがシュートを撃たせななかった。4分32秒には本田からボールを受けた岡崎を Ognenovski が倒して絶好の位置でFKを得る。本田がゴール前に入り遠藤が直接狙うが惜しくもポストのわずか左に外れる。6分33秒には本田から受けた香川が左サイドを上がった長友に送るがここはマークに入った Kruse をファールで倒してしまう。 相手DF,MFのあいたスペースに日本選手が入り込んだり、本田のゴールキープからスペースが出来たりと日本が良いリズムで攻めている様に思えた。そして改めて本田の存在感を認識した。
12分19秒には香川から本田に送られ一端は後方の長谷部にもどされるが再び前線の岡崎に。そして本田とのパス交換から抜け出し更に右サイドに走りこんだ内田に送られそこから中に入れられたがここは Neil がなんとかCKに逃れる。このシーン、オーストラリアのDF,MF 陣は完全にこのパス交換を“鑑賞”するだけだった。
13分19秒、CKから吉田がフリーでヘッドを放つが当たりが弱くてファーサイドに飛ぶだけであったがこのCKも内田がサイドを突破して得たチャンスから。 16分12秒には遠藤がスライディングに入った Bresciano をうまく外してミドルを放つがクロスバーを僅かに越える。 ここも本田と香川のパス交換から遠藤にシュートを撃つスペースが生まれたのがチャンスにつながったもの。やはり本田がいると違う。ピッチ上のすべてを好転させると感じた。



18分には本田が起点になり香川から岡崎に縦パスが入り本田に繋いでダイレクトでシュートに持ち込むがSchwarzer が素晴らしい反応でストップ。こぼれ球に香川が詰めたが一瞬早く Wilkshre がクリアーした。 惜しいチャンスだったけどさすが Schwarzer と思わせられた。

オーストラリアも劣勢の中、何度か日本ゴールに迫る。ロングボールをもっと多用して来るかとおもったけど開始早々に Neil から Cahill に送られたくらいで16分12秒には右サイド Kruse がボールを受けると香川、長谷部、長友、内田に囲まれながら Cahill に送り更に中の Holman に渡ると吉田がマークに入る前に放ったショットはファーポストの左に外れて行ったが、ロングボールだけでなく前線でボールキープからこういう攻撃が出来るのか?と思った。
22分今度は左サイド Oar にボールが入ると一気にタッチライン沿いを駆け上がられそうになるがここは長谷部がファールでストップ。このプレーにイエローカードが出され、次の試合に出られなくなったが、長谷部はこの試合の事しか考えていなかっただろう。

しかしこのプレーを境に劣勢続きだったオーストラリアが徐々に挽回を始める。Kruse と Oar がワイドに開きボールが左右に散る様になった。 日本のボール回しにも“慣れて”来たのか、ラストパスが通らなくなる。 CB の二人と Milligan でマークの受け渡しもうまく回る様になってきた。30分25秒には Oar から Kruse にスルーパスが入るがここは長友がマーク。
33分には中盤の Holman から正面に走りこんだ Kruse にスルーパスが入る。Kruse はマークに入った遠藤を振り切りフリーでシュートに持ち込むがそこは川島がブロック。そのリバウンドを Cahill が無人のゴールに放つがここはクロスバーを上回ってくれた。 Kruse のシュートよりも Cahill のシュートの方が危ないと思った瞬間だった。 






こうして前半は日豪ともに1回ずつ決定機を迎えスコアレスで終わった。そして最も印象に残ったのは Schwarzer と本田の存在だった。
前半のシュート数は日本8、オーストラリア6。枠内シュートは日本が4、オーストラリア2だった。 以外にオーストラリアもシュートに持ち込んでいたんだなぁという印象をもった。
そして最も危険な選手、 Tim Cahill は吉田と今野がしっかりとマークをしていると想った。

 

両チームとも選手交代なしで後半が始まった。 開始直後こそ長谷部から受けた香川が Ognenovski, Milligan のマークを受けながらシュートに持ち込むが前半とは異なり日本が圧倒的に攻め込むという展開ではならなかった。そして2列目の両サイド Oar と Kruse の動きがよくなってきて相対する、特に右サイドの岡崎があまり上がれなくなって来た。それだけ Oar がよかったという事だろう。





55分、こちらから見えるオーストラリアベンチの横で行われるアップのテンポが早くなって来る。 先にどちらが交代カードを切るのだろう?そしてオーストラリアベンチはいつ Kennedy を投入するのだろう、と思った。
63分、67分とPAのすぐ外の右サイドでFKを得る。共に大歓声を受けて本田が直接狙うがゴールネットは揺らせない。
香川が何度も左サイドを崩しにかかるけど、もっと中央でボールを受けてシュートに持ち込んでほしいと願う。
オーストラリアも70分過ぎから Bresciano が前の方に出て来て効果的なボールを送る。 Bresciano がこれだけ動けるとは思わなかった。



75分47秒には Bresciano から受けた Wilkshire が3人に囲まれながら Cahill に送る。そこからのロングシュートは大きく外れたけど、日本DF,MFに囲まれても粘り強くキープ出来る様になって来た。 
その前の71分最初に動いたのはオーストラリアベンチ。  Holman が下がって投入されたのは A-League Adelaide United でプレーするDario Vidosich だった。 185cm の Vidosich がトップに入り、 Cahill がやや下がり目の位置に入った。
日本も78分には長谷部がミドルを放ち、79分には長友がドリブルシュートを見せるが得点には至らない。

残り時間が減ってきてそろそろ勝ち点1を守るのか、勝ち点3を奪いに行くのかを考えねばならない時間になって来た。そういう意味では日本に余裕があったはずだった。 
そして左サイドで Bresciano から受けた Oar がサイドを突破する。早く止めろよ、と思うとシュートを撃たれる。その弾道がこちらに飛んできて日本ゴールに吸い込まれるのが見えた………..

試合後はワールドカップ出場を決めたその報道が、本田のPKのシーンが何度も繰り返し映し出された。
しかし試合直後のさいたまスタジアムに映し出された本田の表情を見ると決して満足できる試合内容ではなかったはずだ。
オーストラリアは守備的な選手、布陣を敷いてきた。しかし先制ゴールを決めたのはオーストラリアだった。



最後は明らかに McKay の手にボールが当たっていたがもしそれをNafa shukralla 主審が見逃していたら…..

オーストラリア紙でさえ劣勢を予想していた試合でここまで苦戦したのだ。 ワールドカップではオーストラリアよりも強い国ばかりが相手だ。 このままのレベルでは….これは全選手が思っている事だろう。
翌日以降のオーストラリア地元紙を見ると終了間際のPKで勝点2を失ったと書いている一方で日本相手にアウェーの地でここまでよく戦えた、特に Oar, Kruse の台頭を評価していた。
そして他の4カ国の中では最後の2連戦がホームのオーストラリアが予選通過の一番の射程距離内と想うんだけどなぁ~



私は試合後何人ものオージー達と握手を交わし、そしてお互いにこう云い合った。

“ See You in Brasil !! “






6月4日 Socceroos 戦に向けて  予想スタメンはこれだ !! これか??

2013-06-04 | FIFA World Cup

 いよいよ明日、楽しみにしていたオーストラリア戦が行われる。 思い返せば昨年の今頃、ホームでオマーン、ヨルダンの連戦を終えた時に次のさいたまスタジアムでのイラク戦はその時にはもう予定が決まっていて観戦できないことは解っていたので次にワールドカップ予選が見られるのは翌年の6月、約1年後か~、と思った瞬間を思い出す。そしてあっという間に1年が経ったのか~と今思う。
専門誌に専門紙、色々オーストラリア代表のスタメンを予想している。 最近は欧州以外のサッカーシーンもよく研究されてる“専門家”や“ジャーナリスト氏”がいるけど、メンバーに入っていない Carl Valeri をボランチのスタメンに予想するピンク色の専門紙を見るとまだまだだなぁと少し安心してしまう。 
私の予想スタメンは下記の通りだ。

GK
Mark SCHWARZER , Fulham FC, ENGLAND - 105 (0)  Eugene GALEKOVIC, Adelaide United FC, AUSTRALIA - 6 (0)  Mitchell LANGERAK  B.V. Borussia 09 Dortmund, GERMANY, 

Mark Schwarzer は鉄板中の鉄板だ。(今時こういう表現するかは解らないけど。) 
一時はアジアレベルでは Schwarzer の鉄壁を破るのは不可能に近いと思われた。 前回のワールドカップ予選は最終予選7試合連続無失点で Melbourne で日本との最終戦を迎えた。前半終了間際にCKから闘莉王のヘッド1発が決まらなければワールドカップ予選の無失点記録を樹立されるところであった。  
昨年6月の Brisbane の試合でも栗原がゴールを破った。しかしさすが Schwarzer と唸らされたファインセーブもあった。しかし
今回のワールドカップ予選は3次予選から通算11試合で完封したのが3試合のみ( 3-0 Oman, 1-0 Thailand , 0-0 Oman ) 2試合完封をした Oman 相手に前回は2失点を喫した。失点はGK1人の責任ではないが4年前よりかは得点は挙げ易くなっていると考える。それは日本の攻撃力が上がったのか、Soccerooos の守備が緩んできたのか。私は両方だと思う。

 

DF
Robert CORNTHWAITE, 全南 韓国- 7 (3),  Ivan FRANJIC, Brisbane Roar FC, AUSTRALIA - 3 (0)  Ryan McGOWAN,
山東魯能 中国- 3 (0)  Mark MILLIGAN, Melbourne Victory FC, AUSTRALIA - 19 (2)  Lucas NEILL, uncontracted - 89 (0)  Jade NORTH, Brisbane Roar FC, AUSTRALIA - 39 (0)  Sasa OGNENOVSKI, Umm Salal SC, QATAR - 18 (1)
Michael THWAITE, Perth Glory FC, AUSTRALIA - 11 (0)  Luke WILKSHIRE, FK Dinamo Moscow, RUSSIA - 75 (8)

Lucas Neil が出場停止だったオマーン戦は Ognenovski も故障で 193cm Cornthwaite と 190cm Thwaite のCBだった。Neil, Ognenovski のセット以外のCBは最終予選ではこの試合が始めてであった。そして2点を先に献上した。
日本戦では 185cm Neil と 195cm Ognenovski がCBを組むのは必至だ。 この二人が相手ではアジアレベルでは空中戦は厳しい。早いボール回しでスペースを早く突くことだ。それにしてもさすがオーストラリア、190㎝クラスの選手がGKを含めて6人もいる。
他にも召集されなかった元浦和レッズの Spiranovich も…
右SBは Luke Wilkshire だろう。ワールドカップ南ア大会以降彼が最も安定した“攻撃力”を見せている。昨年の日本戦では Wilkshire は2列目に入り右SBには Jade North が入ったがこれは相対する長友を抑える為と Wilkshire の攻撃力を生かす為であったが、4日の日本戦は攻撃よりも勝ち点1をキープすることも必要。 Wilkshire は右SBだろう。
懸案なのが左SB。これまで David Carney がこのポジションを担ってきたが所属先の Bunyodkor ( ウズベキスタン ) では出場機会を確保できない等の理由から今回も前回のオマーン戦に続いて招集されていない。
今回のメンバーでは Michael Zullo, Matthew McKay がその候補とされているが、SBには Michael Zullo だと思う。
まだ所属先の Utrecht ではレギュラーではないが3シーズン目の経験を買われると思う。 ただ、確実に勝点1をと言う事なら(その可能性の方が高いか?) McKay が左SBに下がるだろう。

MF
Mark BRESCIANO, Al Gharafa, QATAR - 66 (12)  James HOLLAND, FK Austria Vienna, AUSTRIA - 10 (0)  Mile JEDINAK, Crystal Palace FC, ENGLAND - 38 (3)  Robbie KRUSE, Fortuna Dusseldorf, GERMANY - 23 (2)  Matthew McKAY, 長春亜泰 中国- 35 (1)    Tom ROGIC, Celtic FC, SCOTLAND - 4 (0)  Michael ZULLO, FC Utrecht, NETHERLANDS - 10 (0)  Brett HOLMAN, Aston Villa FC, ENGLAND - 59 (9)

ボランチは長年 Jason Culina と Vince Grella の非常に調和のとれたコンビネーションが見られたがこのポジションも Socceroos の課題の一つだ。 今回は Carl Valeri が招集されていない。 所属先の Sassuolo が Serie B で優勝を飾りクラブ史上初の Serie A 入りを果たした。 シーズンが遅くまでずれ込んだのだろうか?次の Jordan 戦では招集されるかもしれない。
まず Mile Jedinak は決定だろう。所属先の Cristal Palace が Championships で優勝をしPremiership昇格を果たし、自身も今シーズンはカップ戦を含めて44試合に出場した。 その相方は Austria Wien でプレーする James Holland ではないか?
人生初めて?レギュラーポジションを勝ち取りチームのリーグ優勝に貢献した。 ボランチは所属先がリーグ優勝をしたチームのメンバーで組まれるか?ただ守備を重視するなら Mark Milligan が良いと思うのだけど。
2列目左は昨年の Asian Cup で Emertonに替わってポジションを勝ち取った長春亜泰でプレーする Matthew McKay が第一候補だ。Asian Cup で彼が何度も上げたクロスの印象が今でも残っている。最後は Emerton が交代で出て来たけど。
右サイドは Aston Villa でプレーする Brett Holman だろう。今シーズンから AZ から Aston Villa に移籍27試合に出場した。 Premiership でここまで試合に出場できるのは Schwarzer と Holman の二人だけだ。それも少し寂しい気がするけど。
試合展開によっては Robie Kruse の投入もあると思う。それとも右サイドで Holman に替わって起用されるか?ただ Mckay が左SBに下がった時は2列目左に Kruse または Bresciano が起用されるかも。特に Kennedy を生かすには Bresciano が有効だけど、彼こそ90分間はそして日本の早いMF, DF陣には対応できるだろうか....

FW
Tim CAHILL, New York Red Bulls, USA - 61 (27)  Josh KENNEDY, 名古屋グランパス 日本- 30 (15)  Archie THOMPSON, Melbourne Victory FC, AUSTRALIA - 47 (28)  Dario VIDOSIC, Adelaide United FC, AUSTRALIA - 14 (1)  Tommy OAR, FC Utrecht, NETHERLANDS - 7 (0)  Alex BROSQUE, Al-Ain Club, UAE - 21 (5)  

Tim Cahill のパートナーには Alex Brosque と思っていた。そして後半に Kennedy 投入と考えていたが Brosque はどうやら日本戦には怪我の回復具合からベンチスタートの模様。こうなると Kennedy のスタメンが浮上して来るが、果たして彼が90分間コンスタントにプレーできるだろうか? ワールドカップドイツ大会の時の様に後半の勝負どころでの投入ではないか? 
Utrecht で好調の Tommy Oar の起用も考えられるが日本でプレーする Kennedy が起用される可能性が高いか。

私の予想するフォーメーションは下記の通り。

                                Joshua Kennedy
 
                           Tim Cahill

Matthew McKay                                        Brett Holman

           James Hollman                   Mile Jedinak

Michael Zullo     Sasa Ognenovski     Lukas Neil      Luke Wilkshire

                           GK Mark Schwarzer

 

                    または

                                Joshua Kennedy
 
                           Tim Cahill

Robbie Kruse                                             Brett Holman

           James Hollman                   Mile Jedinak

Matthew McKay     Sasa Ognenovski     Lukas Neil      Luke Wilkshire

                           GK Mark Schwarzer


さてさて何人当たるだろう? 有料媒体では無いから責任ないから楽な予想かもしれない。


6月4日Socceroos 戦に向けて 選手たちのコメントから

2013-06-03 | FIFA World Cup
今回は早くに日本入りして調整を行っているオーストラリア代表。これまでのワールドカップ予選での対戦ではいつもオーストラリア側の調整不足があった。それでも日本は勝てなかった。引き分けるのが精一杯だった。 それだけに楽な試合にはならないのは必至だ。

Cahill keeping Roos relaxed

代表出場試合数61。得点数は歴代3位の27ゴール。 そのうち4ゴールが対日本戦だ。 33歳になった今でも対戦相手からは Socceroos で最も危険な選手である事は間違いない。 3大会連続ワールドカップ出場に向けて最後の3連戦に臨む。
“昨夜は多くの若い選手と話した。 Tom Rogic ( Celtic ) と Ivan Franjic ( Brisbane ) らと世間話をした。楽しんだり、抱擁を交わしたり。 自分自身にプレッシャーを掛けることが出来る。それが我々の愛する Football に関することであれば。我々は良い選手達の良いスタッフの揃った大きなグループの一員だ。そしてトレーニングや環境を楽しめるものに出来る。 我々は何も否定的な事に焦点は当てたりはしない。”

さいたまスタジアムの60,000人の観衆の雰囲気に就いて、決して敵対した雰囲気にはならないだろう。それはかつて66,000人集まった横浜スタジアムのワールドカップ予選を経験したからだこそと言及した。その時はCahill の他に Mark Bresciano, , Brett Holman, Josh Kennedy, Lucas Neill, Mark Schwarzer そして Luke Wilkshire がプレーしていた。
“敵対した雰囲気になるかはわからない。なぜなら前に何万人の前でプレーした、そしてそれはファンタスティックなものであった。 私は本当に素晴らしい昔話を経験した。 

また日本代表で最も警戒すべき選手は Manchester United の攻撃手、 Shinji Kagawa であるとも語られている。
“おそらく Shinji Kagawa が日本のナンバーワン選手だろう。彼は特別な選手で、今シーズンは Manchester United に入団したという特別なシーズンを過ごした。そこで彼はいかに特別であったかという事を証明した。 彼は絶対的に最も警戒すべき選手だ。そしてブルガリア戦で数人の Big Name 達のプレーを見れたことは我々にとっては良いことであった。” こう語ったのはかつて清水エスパルスでプレーした Alex Brosque だった。   

また試合で香川と相対する可能性のある James Holland ( Ostrreich Wien ) はユース時代に香川と対戦している。
“香川は明らかに本当に素晴らしい選手だ。 彼がドイツにいた時や彼がユース時代に対戦した時に彼をよく見たけど彼は大変いい選手。 Very very good player だ。”  
この様に語った。

2011年 Asian Cup 決勝。 昨年のワールドカップ予選では Cahill に得点を許していない。 ザッケローニ政権になってからまだ失点を喫していないが、もう同じ相手には…と願うのだけど。
2004年から8シーズンに亘り Premiership の名門 Everton でプレー。その間出場試合数は223試合54ゴール( FAカップ等を含む ) の実績を残したが 2012年のシーズンから移籍金€130万でMLS New York Red Bulls に移籍。 2シーズンで28試合5得点を決めている。 



Kruse and Wilkshire to provide Japan insight

日本で最も警戒すべき選手が本田圭祐であれば Socceroos の最近の中心選手は Luke Wilkshire 。 二人とも Russian Premiership のクラブチーム CSKA Moscow ( 本田 ) と Dynamo Moscow ( Wilkshire ) でプレーする。
全ソビエトリーグ時代からの名門チームに日本と豪州の中心選手が所属するなんて本当に大きく時代が変わったと思わされる。

本田に就いて Wilkshire は“彼は才能のある選手だ。 今年は良いシーズンを過ごしたはずだ。所属チームはリーグ優勝を果たし多くの質の高いプレーを持っている。彼はラストパスを出すことが出来てそれをゴールに結びつけさせられる。 彼は本当に危険な選手だ。 しかし日本には他にも高度な選手が何人もいる。”こう話した。



本田の他には多くの日本人選手がドイツの Die Bundesliga でレギュラー選手としてプレーしている。 オーストラリア代表ではかつて Brisbane Roar に所属した Robbie Kruse が昨シーズン Fortuna Düsseldorf でプレーをした。そして来シーズンは Bayer Leverkusen への移籍が噂されている。 その Kruse はシーズン中は何人もの日本人選手と対戦をした。
Stuttgart のストライカー Shinji Okazaki, 代表の主将である Makoto Hasebe は Wolfsburg そして Schalke のウィングバックAtsuto Uchida . そして6月4日には Stuttgart のウィングバック Gotoku Sakai と相対するかもしれない。

“日本は多くの選手が Bundesliga でプレーしている。そして彼ら若い選手達全ては毎週チームのレギュラー選手として出場している。 日本は素晴らしい選手が次から次に表れてそれが我々を苦境に立たせている。 しかし我々は自分自身を信じているそそいてゲームプラン通りにやれれば結果が付いてくると信じている。” 25歳の Robbie Kruse はこう語った。
Kruse といえば2011年 Asian Cup では準決勝、決勝戦で Kewell に替わって投入されたのが印象的だった。準決勝のウズベキスタン戦では既に 5-0 となった後ではあったがゴールを決めた。
その2か月後の A-League Grand Final では他の選手とは頭が一つも二つも出たパフォーマンスを披露し、奇跡の同点劇を演じ PK 戦を経てチームを Grand Final 王者に導いた。 
昨年6月のワールドカップ予選では後半ロスタイムに投入され故郷に錦を飾る…..とまでは行かなかった。
4日の日本戦には出場機会はあるだろうか? そしてその時は高徳と対戦するのだろうか?




Bresciano believes in Socceroos quality

Schwarzer と並んで ワールドカップ2002予選の生き残りである Mark Bresciano は南アフリカ大会を終えて代表から引退するものと思われていた。 2011年Asian Cup ではメンバー入りしていなかったが、苦戦続きのワールドカップ予選で遂に再招集をされることに。 
“次からの3試合はワールドカップ出場のかかった重要な試合だ。 主要な要素はただ Positive に過ごすことだ。 我々はこれまで決してベストな結果では無かったが、選手達はまだ自信を持っていると思う。 我々はただ前向きに考え試合当日はそれに集中することだ” とこの様に語っているが Bresciano はワールドカップ予選ではここしばらく90分間プレーできていない。
昨年6月の日本戦、9月のヨルダン戦では試合途中に怪我でベンチに下がっている。
そして3月のオマーン戦でも53分に James Holland に替わって投入された24分後にまたも負傷でベンチに下がった。この負傷交替はその後しばらく Socceroos を窮地に陥れた。 
“フィジカルの状態は最高だ。最後にプレーしたのは約1か月前だ。そして3~4試合90分間プレーした。怪我はもうない。この次からの3連戦で良いインパクトを与えられる事を願っている。代表チームは誰もが知る様にいつも良い雰囲気である。そして何人もの良い選手がいる。みなよき仲間であり、常にお互いを良く見つめあっていられる。我々は予選を突破するだけのクオリティーがある。 過去には結果が出なかった試合があった。そして今や大切な試合を迎えている。私は自分のチームがこういう状況でもステップアップ出来るものと思っている。”



Langerak predicts bright future
今でも Socceroos の不動の正GKは Fulhamでプレーする Mark Schwarzer であるが、その後継者も育ちつつある。
かつての香川の同僚で Borussia Dortmund の第2GK Mitchell Langerak だ。 残念ながら UEFA Champions League では出場機会は無かったがおそらく Schwarzer の後継者の筆頭であろう。
“Socceroos の new generation 世代がやって来ている。多くの選手達が欧州のトップクラブでレギュラーとしてプレーしている。それはまさに今、求められている事である。 そしてそれら
の選手が活躍することにより所属リーグ優勝のトロフィー等を掲げている。 Langerak はこう語った。

Langerak は Melbourne Victory 時代に ACL で川崎フロンターレと対戦している。憲剛はそのことを憶えているか?いや Langerak が憲剛を忘れていないだろう。試合後は川島と握手したんだろうなぁ~。



Langerak 同様、Tom Rogic は Central Coast Mariners を1月に離れ入団した Celtic で好印象を得ている。 Tommy Oar と Michael Zullo は Utrecht を UEFA Europa League 出場に導いた。そして James Holland は今シーズン Austria Vienna のリーグ優勝のメンバーに。


Zullo も Langerak の意見に呼応する。
“この3年間の自分自身を振り返れば、人間的にも選手的にも、自分はかなり変わった。 この3年間で本当に成長できた。欧州でプレーすることはタフな事だ。 どれだけ難しいか理解できないだろう。 今シーズンは自分にとって最もチャレンジしたシーズンだった。 今年はほぼ怪我なく過ごせた。そしてハードにトレーニングした。それでも出場試合数は自分が納得できるものではなかった。それはフラストレーションが溜まった。今シーズンは大変成功したチームのメンバーとなれた。 それがレギュラー争いを厳しくした。” Zullo はこの様に語った。そして懸案になっている左サイドバックに就いては。

“そのポジションは空いている。 誰が本当に左サイドバックのレギュラーかは決まっていない。2,3人の候補選手がいるが誰がやっても同等のレベルでこなせるがただレギュラーが決まっていないだけだ。 どの選手がどのゲームで最も適切かは監督が決めることだ。私は自分が貢献できることと希望している。ただその機会を待っている。”
この様に語った。

Michael Zullo は2010年に Brisbane Roar から欧州に渡った。 そして Utrecht FC に移籍が決まった。最初のシーズンは約5か月の在籍ながら6試合の出場を果たしたが翌シーズンは15試合、そして昨シーズンの出場数は13試合に留まった。
一方の21歳の Tommy Oar は Zullo と同様に2010年に入団したが昨シーズンは31試合に出場しレギュラーポジションを獲得した。 Utrecht にはもう一人、24歳のオーストラリア人MF
Adam Sarota という選手がいる。今シーズンは18試合に出場をした。今回の代表メンバーには選ばれていない。



Scottish Premier の Celtic に入団した20歳のTom Rogic は出場試合8試合。先発は3試合のみであった。
Mitchell Langerak はDortmund 3シーズン目であるがこれまで6試合 Bundesliga の試合に出場した。 Roman Weidenfeller からすぐにポジションを奪えるとは思えないが、更なる奮起を期待したい。
James Hollandは昨シーズン34試合に出場。 欧州に渡って5年目と言うよりも Newcastle Jets 時代でも掴めなかったレギュラーの座を初めて掴んだシーズンであった。
こうしてみると欧州の所属先でもレギュラーを張る選手で代表を組めた ワールドカップドイツ大会組にはまだまだ及ばないと比べてしまう。 




6月4日 Socceroos 戦に向けて…. Kewell out Kennedy & Ognenovski come back

2013-06-02 | FIFA World Cup
ブルガリアに敗戦を喫した Samurai Blue 。ワールドカップ予選ホーム最終戦を前に不安を煽るマスコミあるけど、ここは結果よりも選手の調整と最終確認が大事。そして手の内を何もわざわざ対戦を控えた相手に見せる必要もない。
6月4日、さいたまスタジアムでの試合は日本よりもオーストラリアの方が大事な試合。それを考えれば….と思う。


Kewell released by Qatari club 16th May

Harry Kewell が所属していたカタール Al Gharafa から契約を延長しないと通告された。これにより Kewell の日本戦の出場は完全に潰えたこととなった。 今さら Kewell が?と思われる方も多いだろうがそれは3月のワールドカップ予選のオマーン戦で Mark Bresciano が負傷をし、彼の“代役”として Al Gharafa が Kewell と6週間の短期契約を結んだのだった。
在籍中 Kewell は3試合でQatar SC 相手に1ゴールを決めるなど、次のワールドカップ予選の事も考え契約延長を望んでいたのだが Bresciano が回復したので契約延長には至らなかったらしい
Kewell は2012年3月に当時の所属先であった Melbourne Victory を退団して以来1年以上に亘り所属先の決まらない“浪人”状態が続いてる。 
既に34歳になった Kewell は England に戻るとか言われているが来シーズンの A-League 入りも噂されている。
Holger Osieck オーストラリア代表監督は翌週の日本戦からのワールドカップ予選3連戦に向けてのメンバー発表を前に Kewell の所属先決定とそこでのレギュラー出場を望んでいたがこれで彼のメンバー入りは無くなったと思われている。

“ Holgaer Osieck 監督には是非代表でプレーしたい、まだ代表に貢献することが出来ると話していた。しかしそれは彼が決めることでいかなる彼の決定を私は祖恩寵する。 私は悪い気はしていないプレーをする機会を実際に与えれてくれた Al Gharafa には大変感謝している。 代表チームに選ばれる最低条件は所属先のクラブが決まっていることだ。それは充分に理解している。”
この様に語った。

Jets exit race for Kewell 29th May
Newcastle Jets は来シーズンの Kewell 争奪戦から降りたことを表明した。
来シーズン A-League 入りが噂されており Kewell 争奪が関心を呼んでおり目下のところ Melbourne Hearts がその候補と見られているらしい。
Harryは友好的に語ってくれたそして我々は明らかに彼の入団の可能性に就いて話し合いに大変興味があった。交渉はオファー提示にまで進んだが残念ながら彼と自分の家族の為には合わないとみなしたのだろう。我々は彼を A-League で見られることを希望している。なぜなら、彼の様な選手が同じリーグにいることは利益をもたらすからだ。 “ Jets の Robbie Middleby CEOはこの様に語った。 

それにしても Socceroos はまだBresciano どころか Kewell にまで頼らねばならないのだろうか?
所属先が決まっていないのであれば Neil も同じなんだけど。




Kennedy, Ognenovski return for Socceroos
Socceroos のHolger Osieck 監督はワールドカップ予選の最終3連戦に向けて26人のメンバーを発表した。
そこには3月のオマーン戦を累積警告で出場できなかった Lucas Neil そして昨年 Brisbane でのワールドカップ予選の日本戦以来ほぼ1年振りの選出となった Josh Kennedy, Sasa Ognenovski そして Mitchell Langerak.達も選ばれた。
そして A-Lueague からIvan Franjic (Brisbane Roar), Eugene Galekovic (Adelaide United), Mark Milligan (Melbourne Victory), Jade North (Brisbane Roar), Archie Thompson (Melbourne Victory), Michael Thwaite (Perth Glory) そして Dario Vidosic (Adelaide United) 達7選手が選出された。

GK
Mark SCHWARZER , Fulham FC, ENGLAND - 105 (0)  Eugene GALEKOVIC, Adelaide United FC, AUSTRALIA - 6 (0) Mitchell LANGERAK B.V. Borussia 09 Dortmund, GERMANY,

DF
Robert CORNTHWAITE, 全南 韓国- 7 (3), Ivan FRANJIC, Brisbane Roar FC, AUSTRALIA - 3 (0) Ryan McGOWAN,
山東魯能 中国- 3 (0)  Mark MILLIGAN, Melbourne Victory FC, AUSTRALIA - 19 (2)  Lucas NEILL, uncontracted - 89 (0)  Jade NORTH, Brisbane Roar FC, AUSTRALIA - 39 (0)  Sasa OGNENOVSKI, Umm Salal SC, QATAR - 18 (1)
Michael THWAITE, Perth Glory FC, AUSTRALIA - 11 (0)  Luke WILKSHIRE, FK Dinamo Moscow, RUSSIA - 75 (8)

MF
Mark BRESCIANO, Al Gharafa, QATAR - 66 (12) Alex BROSQUE, Al-Ain Club, UAE - 21 (5) James HOLLAND, FK Austria Vienna, AUSTRIA - 10 (0) Mile JEDINAK, Crystal Palace FC, ENGLAND - 38 (3) Robbie KRUSE, Fortuna Dusseldorf, GERMANY - 23 (2)  Matthew McKAY, 長春亜泰 中国- 35 (1)  Tommy OAR, FC Utrecht, NETHERLANDS - 7 (0)  Tom ROGIC, Celtic FC, SCOTLAND - 4 (0)  Michael ZULLO, FC Utrecht, NETHERLANDS - 10 (0)

FW
Tim CAHILL, New York Red Bulls, USA - 61 (27) Brett HOLMAN, Aston Villa FC, ENGLAND - 59 (9) Josh KENNEDY,
名古屋グランパス 日本- 30 (15)  Archie THOMPSON, Melbourne Victory FC, AUSTRALIA - 47 (28)  Dario VIDOSIC, Adelaide United FC, AUSTRALIA - 14 (1)

Socceroos stick with old guard for qualifiers 24th May
Neil の累積警告出場停止を受けて3月のオマーン戦のCBは Michael Thwaite と Robert Cornthwaite であったが日本戦には 35歳のNeil が復帰しその相方はオマーン戦をけがで欠場した34歳の Sasa Ognenovski となる模様。

“ Lucas と Sasa がまた戻ってくる。 彼らは何試合も一緒にプレーしている。この二人は経験もありチームに貢献する特別な技術を持っている。そして私が期待するところは彼らはこういった試合を何度も経験しているという事だ。 そして彼らは日本の超満員の競技場の試合でどういうことを望まれているかをわかっている。 我々には特にメンタル的な強さが必要とされる。
選手がコンスタントにプレーできないことは案じられることだ。 Neil はおおくを進化させ、今でもチームの主将である。そして彼にチームを活性化させたい。“ この様に Osieck 監督は語っている。 また Kennedy の招集に就いては Cahill との併用は示唆しなかったらしい。

昨年6月の Brisbane でのワールドカップ予選そして2011年1月の Asian Cup 決勝戦は Neil, Ognenovski がCBを組んだ。
Pim Verbeek 時代は全く声が掛からなかった Ognenovski 。2008年はACLで当時所属していた Adelaide United のメンバーとして鹿島アントラーズと対戦。 あのマルキーニョスを完全にストップし試合後地元アナウンサーが“ Historical !! “ と叫んだ勝利に大いに貢献したそのパフォーマンスは忘れられない。 Craig Moore のバックアップとしてなぜワールドカップ南ア大会メンバーに入れなかったのか今でも不思議に思う。
Neil のキャリアーは今さら述べる必要もないが今年の1月から Neil は所属クラブが決まらない“浪人”状態だ。 そちらの方が懸念されると思う。



Holger: We want three points in Japan

地元紙のインタビューで Osieck 監督は日本には旅行に出かけるのではない勝ち点3を狙うと話した。その記事から下記の通りに抜粋した。 
チーム戦術の変更に就いては
我々はいつも強さを前面に出して戦っていた。日本に対してそうやると、日本に対してそうすると彼らに攻撃の機会を与えてしまう。だからそれはセカンドベストにするだろう。 我々は充分に力がある。 それを試合に生かす。 と答えている

失望を味わったオマーン戦はどう見るか?
それは全くハッピーな結果では無かった。 特に前半は選手達は少し惰眠状態であった。 それは私が想像したことではなかった。後半は、もう 0-2 でリードされており遅すぎたと思った。しかし選手達は本当のスピリッツを見せた。 それは前半よりもずっと改善されたことで同点に追いつくことが出来た。もちろん勝つこともできたであろうが前半惨めなパフォーマンスの負債を返すことが出来た。

日本戦で焦点となるパフォーマンスは何かあるか?
まず基本的なミスを犯してはならない。 振り返ってみればそのための理由を探さねばならない。それは普通に好きなことではない。我々のビルドアップは遅すぎた。 我々のパスタイミングはまとまりがなく、何度もボールを失った。そしてほとんど前線に出ることが出来なかった。 我々はまず日本戦では絶対にそれらを改善せねばならない。 より攻撃的に、日本の第3列のDF陣の中でプレーせねばならない。 我々はピッチ上で我々の指示を忠実に守る選手達を誇りに思う。

メンタルの面は? 日本戦ではチームにプレッシャーを与えるのか取り除くのか?
どんなゲームであれ試合に臨むにあたりプレッシャーは感じる。 相手に対してのリスペクトを失う必要はない。 

オマーン戦後選手達にはどう接したのか? 何か期待できたリアクションは?
ハーフタイムでは既に選手達に強い言葉を発した。 選手達は我々が負っていた負債をわかっていた。 試合後は言ってみれば、より積極的なアプローチがあったことが分かった。だから2ゴールを挙げられた。 しかし誰もがハッピーでは無かった。 大体のところ我々は期待していた域に達しなかった我々はその再現を避けなければならない。 我々はファイトを見せる準備をせねばならない。そして私はまだ多くのやるべき事や質の向上があると思っている。

得失点差は?オーストラリアは日本を除くと得失点差で優位に立っている。 失点しないことに重きを置くのか? 
最終順位を決定するときに得失点差は大きな問題となってくる。 それを考えることもあるだろうが、得失点差を計算しながらプレーはしない。 我々は勝ち点を得て心配をしなくてもいいような位置に付きたい。

日本では3年間浦和レッズの監督として日本にいた。 代表チームの監督になってからそれ以来初めての来日となる。電話等で日本チームの情報を収集できたか?
日本にはコンタクト出来得る多くの人がいる。しかし日本戦の為に連絡を取ったことはなかった。 日本チームと選手達はよく知っている。何人かの選手は私が浦和レッズ監督時代に私の下でプレーしていた。 日本代表には本当の秘密は私にはない。 我々は彼らの強さ、質の高さを知っている。 我々は全力を尽くし彼らに対して結果を出さねばならない。

5月30日の日本対ブルガリア戦はスカウティングの為に観戦に行くのか?
普通準備試合は良い指南にはならに。 通常、2軍選手や控え選手が多用される。 今そこに行くのは大きな問題となるのでテレビで観戦する。 豊田は我々の日本でのキャンプ地から遠い。 チームキャンプの最中に更に旅程を付け加える必要はない。

Ryoichi Maeda, Hiroshi Kiyotake, Takashi Inui, Shinji Kagawa, Mike Havenaar, Shinji Okazaki – 日本に才能ある攻撃選手がそろっている。彼らは日本の日本の強さとなっているか?
彼らはホームゲームでは大変攻撃的になる。 彼らは素晴らしい選手達である。特に香川慎二は。他の選手達も Bundesliga ではレギュラーだ。 本当にアタッキングエリアでは彼らは強靭だ。 我々にとっては大きな挑戦となる。

Keisuke Honda のフィットネスには問題があるらしいが、彼はプレーすると思うか?
この日本戦の出場に就いては彼にはクェッションマークが付けられている事は知っている。 しかしそれに焦点を当てすぎるべきではない。 もし本田が出場するなら香川は左サイドで。本田が出なければ香川がトップ下に配置され清武が左に、似たようなタイプの選手が揃っている。

またこういった質疑以外に Sasa Ognenovski の招集に就いてはいくつかの組み合わせを試したが、ワールドカップ南ア大会以降 Neil とのコンビネーションを組んでいることを重要視したためと答えており、Socceroos の懸案になっている左サイドバックの人選に就いてはそれを“アキレス腱”と認めおり、 Brisbane Roar の Ivan Franjic のこのポジションの起用を聞かれても明言は避けていた。 Franjic は今年1月、香港で開催された東アジア選手権予選では左サイドバックに起用されていた。 
これまで代表で30試合出場し15ゴールを挙げている Josh Kennedy の1年ぶりの招集に就いては所属先の名古屋グランパスエイトで今シーズンは7試合に出場している事を挙げそれが招集に繋がったと言及。 更にその高さの重要性を唱えながらもハイボールを中心としたゲームプランに変更はしないと語っていた。

そしてHarry Kewell に就いては状態さえ上がればいつでも代表に招集する可能性がある、扉は開かれていると話し、最後にオマーン戦を見て多くの国民が予選突破に向けて悲観的な考えしか持っていないことに就いては


監督として楽観的な考えしか持っていない。そうでなければ誤ったことをしてしまう。 おそらく人々がこの状況を強く意識していることは悪いことではない。 オマーン戦に先駆けて日曜日の午後に散策をしている様な気分であり、総得点だけを語るのであれば( 5試合6得点 )大変危険な状態だ。 それは選手達と代表チームの周囲にインパクトを与える。 私はむしろより現実的な状況にいる。 彼らは全てにファイトしなければならず、それを取って当然と思われないことも起こさねばならないと言っている。 それらはこれまで行われたことよりも良いアプローチであると思われる。

この様に結んでいた。  

Asian Cup 決勝戦よりもこのワールドカップ予選の方が緊張が高くなる。 4年前は日豪ともに予選突破を決めた後のMCG での予選最終戦であった。オーストラリアと真剣勝負が出来る重要な機会。 日本はこの試合で結果をだしてこそワールドカップで対戦する列強と戦えるというもの。 しっかりと結果を出してほしいものだ。



ワールドカップ出場決定はお預け。心配はしていないけれど….. Jordan 2-1 Japan 26th March 2013

2013-04-07 | FIFA World Cup
ヨルダン戦キックオフの数時間前。シドニーで行われたオーストラリア対オマーン戦は何とかオーストラリアが引き分けた。
この試合を見ていて思ったのは最近は便利な WEB SITE があるなぁと言う事と日本のマスコミは既にワールドカップ出場が決まったみたいな雰囲気に溢れていたけど。ヨルダンイレブンが俄然元気になったんじゃないかなという危惧だった。 
この時はまだその不安が的中するとは思えなかったが…….

ヨルダンは弱くない。さいたまスタジアムで 6-0 で勝ったからと言ってそれが額面通りの実力差ではない。アンマンでは Socceroos は敗れているんだ….. 知人友人には言い続けていた。それにアブドゥッラー国王というサッカー好きの国王もいる….( あまり関係ないか )

日本のスタメンは怪我で招集できなかった本田と長友以外は全員昨年6月さいたまスタジアムのスタメンと同じメンバー。長友の替わり左SBには酒井高徳が。そして香川がトップ下に入り清武が2列目左に。そして岡崎が右に配置された。



一方のヨルダンはそして日本でもなじみのGK Amer Shafi をはじめ8選手が6月の日本戦と同じであったが替わったメンバーのうち2人は日本戦の6失点が効いたのか DF 。CB ⑧ Mustafa Hassan Ali , 右SB 23. Oday Zahran 。そしてボランチの ⑮Shadi Abu Hashhash が6月の試合には出てこなかった。 
この日のスタメンは直前のベラルーシとの練習試合と同じスタメン。更に2月に行われた Asian Cup 予選のシンガポール戦
のスタメン10人が日本戦でもスタメン起用されたがCB ⑲ Anas Bani Yaseen, ⑯ Basem Fathi を含めたDF陣は4人ともシンガポール戦、ベラルーシ戦ではスタメン起用された。 日本の真剣勝負は昨年11月のワールドカップ予選のオマーン戦以来で、その間ヨルダンは12月に西アジア選手権2試合 ( 0-1 Iraq, 1-2 Syria ) 、Asian Cup 予選1試合 ( 4-0 Singapore ) と“刺激”が入っており、今から考えればその差も試合結果に少なからず影響したと思う。



コイントスで勝ったヨルダンが陣地をとったので日本のキックオフで始まった試合は日本がヨルダンゴールに迫る。45秒、1分38秒には香川が縦へのドリブルでヨルダンPA内に迫る。 3分には前田と香川で左サイドを崩し中に入れるがここは⑥ Saeed Murjan がクリアー。この試合の日本は⑱前田、⑦遠藤そして⑮今野が開幕したばかりのJリーグ所属。試合勘が気になると思った。しかし前田は左右に流れて攻撃の起点となっていた。 
3分40秒には香川と清武のパス交換で左サイドを突破。最後はPA内に切れ込んだ清武が香川に戻し香川がシュートを放つもGK Amer Shafi の正面に。 ここは清武がそのまま撃ってもよかったか….
5分44秒には岡崎と内田で右サイドを崩しゴール前に上げると清武を通り越したその先に香川が飛び込むがまたも Amer Shafi にパンチでクリアーされた。 立ち上がりの日本はセカンドボールをよく拾っていたのでヨルダンは後方に選手を集めざるを得なくなり前線の選手が孤立気味だった。
10分41秒ようやく左サイドを上がった⑨ Odi Al Saify が中に入れ⑦ Ameed Deeb が⑰長谷部と競りながらシュートを放つが大きく外れた。だがさすがホームのヨルダン。この時は大歓声があがった。 6月の日本戦では⑩ Ahmed Hayell Ibrahim が1トップでたまにトップ下に置かれたThaer Bawab が上がって2トップを組んでいたが後半に Anas Hijah と替わって下げられた。 6月の日本戦では2列目左だった⑦ Ameed Deeb がこの試合ではトップ下に入り2列目左だった Odi Al Saify が右に入り2列目左には日本戦ではSBだった⑬ Khalil Zaid Banuateyah が入っていた。 
14分3秒。日本は決定的なチャンスを逸する。 遠藤からボールを受けた逆サイドの清武がクロスを上げると前田がフリーでヘッドを放つが GK Amer Shafi がナイスセーブでストップしてしまった。 ここは決めてほしいと思ったけど、 Amer Shafi は以降の流れを暗示するかのようにこの試合当たっていると思わされた。



15分を過ぎるとヨルダンの⑨Al Saify がドリブルで左サイドを上がってくるようになってきた。15分49秒には内田をかわしてシュートに持ち込むれGK川島が何とかストップ。 その後のCKから⑦ Ameed Deeb ⑩ Ahmed Hayell につながれるが最後は吉田がクリアー。 24分にはまたも ⑨ Al Saify が中央からドリブルシュートを放ち川島が右に倒れてストップ。 6月の日本戦ではあまり目立った動きはなかったけどこの試合は左サイドに回ったせいかサイドをどんどんドリブルで突いてきていた。
しかしゴール前への運びは日本が1枚上手と思わせられる。 19分41秒、遠藤からボールを受けた岡崎が前田を越えて清武に送る。Oday Zahran と競りながら清武が放ったショットはGK Amed Shafi の正面に。 22分38秒には岡崎からオーバーラップした内田に渡り中の長谷部にもどし前線に浮き球を上げるとオフサイドラインをうまく突破した前田が完全にフリーでヘッドを放つがポストを叩いてしまう。 あぁこれが決まっていれば~と今でも思わされる練習でも来ないような素晴らしいロビングだった。 
23分頃になると長谷部が前に出るようになってきた。 そして香川のドリブルが目立ちだす。 35分香川はドリブルで相手PA内に切れ込み⑲ Bani Yaseen をかわし次はシュートと思った瞬間に Oday Zahran に倒されこぼれ球を拾った長谷部がそのままシュートを放つがクロスバーを大きく越えた。PKを取ってくれてもよかったと思ったんだけど…
劣勢のヨルダンベンチは右SB Oday Zahrem を早々と下げて⑤ Adanan Adous Suleiman を投入する。 Adous Suleiman はシンガポール戦、ベラルーシ戦では後半から途中出場で起用された選手。この試合では前半からの出場となった。
38分岡崎が ⑨ Al Saify を倒してFKを与える。テレビに映し出された川島に緑色のレーザー光線が当たっているのがわかる。未だにまだこんなことをするのか、と思う。こういう行為にFIFAは罰則を与えないのかな?



46分これで前半ラストプレーというところでヨルダンがCKを得る。なんだか嫌な予感がするなか⑦ Ameed Deeb が入れたクロスに遠藤と岡崎の間に割って入った⑬ Zaid Baniateyah が放ったヘッドが川島を破って日本ゴールネットに突き刺さってしまった。 





最後のワンプレー。痛い時間の失点であったが後ろから入ってくる Baniateyah には誰もマークが付いていなかった。日本は最終予選で初めて先制ゴールを許した。 しかしこの時はまだそれほど…と思っていた。良いハンディになると思った。

後半、まず日本はどの時間で同点ゴールが決まるか…と思いながら見ていた。56分には内田から香川に渡りその後のこぼれ球を岡崎が放つがGK Amer Shafi がまたもストップ。 57分には内田が⑧ Hasam Ali と競り合いながらクロスを入れるがここも Amer Shafi がキャッチ。 ヨルダンDFは前田にボールが入った時の寄りが早くなっているように思えた。
そして60分、清武から酒井高徳に渡ったところを⑦ Ameed Deeb が当たりに行きボールを奪取。そして粘って⑩ Ahmed Hayell に渡ると Ahmed Hayell は力強いドリブルで右サイドを突破。マークに入った吉田も振り切り必死に戻る高徳がマークに入る前に放ったショットが日本ゴールに決められ追加点を奪われてしまった。





高徳がボールを奪われたのは仕方ないにしてもAhmed Hayell にマークに入るよりも吉田が振り切られた時のカバーを予想して中を埋めに行ってほしかった。
それにしても試合開始から時折見せる Ahmed Hayell, Odai Al Saify の両選手の力強いドリブルは驚異だったけどついに得点に結び付けられてしまった。ワールドカップ予選で2点差を付けられたのは1993年、ドーハでのワールドカップ予選のイラン戦以来だった。 
2点を追う日本ベンチは長身のハーフナーをアップさせる。 前田とツィンタワーを組むのかな?と思ったけど64分に前田を下げてワントップを替えただけだった。 ヨルダンはボランチの2人そしてトップ下の Ameed Deeb も下がり気味になり、攻撃時には2列目の両サイドが一気にフォローにはいるという守備的な位置取りとなる。それでなくても前半からヨルダン選手の球際の強さが目立っていたけど…ただ67分何故ヨルダンベンチは⑨ Al Saify を下げて⑭ Abdallah Deeb Salim を入れたのだろう…
67分には清武と岡崎のポジションを入れ替えた。それが功を奏したか69分、中央を上がった長谷部が右サイドの清武に送りワンタッチで清武は中に浮かし玉を送ると香川がうまくトラップしてBani Yaseen のマークをかわして放ったショットが決まり1点差となった。 この一連の動きは見事。そして香川はトップ下よりもボールを受ける側の方がいいと思った。



そして早い時間に1点差になったので少なくとも勝点1は手に入ったなと思った。
そしてその直後に清武からスルーパスを受けた内田が一気にドリブルでPA内に突破してきたところを振り切られた Abdallah Deeb が後ろから入ったチャージで倒されるとイラン人の Faghani Alireza 主審はすかさずペナルティースポットを指した。
よしこれで同点、そして逆転と胸算用した。 ボールを拾った遠藤に Bani Yaseen が寄ってタッチをする何を話したんだろう?そして遠藤の顔に緑色のレーザーポイントが当たるのが分かる。



GK Amer Shafi はアジアでも屈指のGKで日本のマスコミは2004年の Asian Cup のPK戦で立ちはだかったというけどあの時は俊輔も三都主もぬかるんだピッチに脚を取られただけで Amer Shafi のセーブで止められたわけではなかった。 この試合では素晴らしいセーブを連発していたけど。
しかし遠藤の蹴ったPKを左に飛んで弾き出してしまった。これは1年に1度出来るかどうかのファインセーブだったと思った。大歓声がわき上がる。







そしてCKはハーフナーが落とし今野が放ったショットが左にこぼれフリーの吉田が倒れ込んでボレーを放ったがゴール枠を外れてしまう。吉田はトラップしてもよくはなかったか…..
死の淵から蘇ったヨルダンイレブンはこれで一気に元気になった。 74分にはFKから Ahmed Hayell が吉田と競りながらシュート放ち川島が弾き出しそのこぼれ球を Abdallah Deeb が拾いに走るが先に高徳が蹴りだす。76分50秒には内田と競り合った⑯ Basem Fathi がCKを勝ち取り、観客をあおる。しかしそのCKにPA内に入ったヨルダンの選手は2,3人だった。
78分日本ベンチは高徳を下げて駒野を入れる。 2点目の原因を創ってしまった高徳であったが前半の中盤からは積極的に上がるシーンも見られた。しかしその裏を突かれることもあった。 所属先の Stuttgart ではサイドをこんなにスピーディーに上がったり下がったりしないだろうなぁとも思った。
駒野はよくサイドを突破し効果的なクロスを送っていたけど標的になるハーフナーは落とすばかりでなくゴールを狙ってもよくはなかったか?



85分30秒、3人目の交替選手、乾が清武に替わってピッチに入る。 ドリブルでPA内に切り込んでくれと願うけど、カナダ戦の様に憲剛を入れても…と思った。 
日本はハーフナーに当ててそのこぼれ球を狙ったり、乾、香川がドリブルで突破したりして何度もヨルダンゴールに迫る。89分には波状攻撃を見せるが最後は乾が厳しいマークにシュートが打てない。その直後の岡崎のシュートは長谷部に当たってしまう。91分54秒、駒野のクロスはわずかに香川に合わず、その直後の遠藤の入れたCKに吉田、ハーフナーが飛び込むがシュートに持ち込めない。 そして4分あったロスタイムが終わっても得点は生まれずタイムアップのホイッスルが鳴り日本のワールドカップ出場決定は先送りとなった……

選手達は油断はなかったと思うけどホームでオーストラリアを破る実力は半端じゃなかったということか?もし11月のアウェー戦がオマーン戦でなくヨルダン戦だったら….と思うとぞっとした。

この勝利でワールドカップ出場が現実的となって来たヨルダン選手達は大喜びだった。 何故国王は来ていないのだろう?おそらくここは国王の安全を保障できるVIPルームはないではないかな…. だから警備上の理由で来ていないのか?それとも一般人に変装して紛れ込んでいるのかも。 小泉首相(当時)を自らの運転で出迎えたり市民の生の声を訊くのに一般人に変装してタクシーに乗り込む国王だから…..



試合後ずいぶんザッケローニ監督が興奮していた。後でわかったことだけど香川と無理やりユニフォーム交換をした Odi Al Saify がそのユニフォームを勝利の獲物とばかりに観客に掲げて首切りのポーズまでしたらしい。 この選手良いプレーしていたのになぁ~……



この試合結果、もっともがっかりしたのはオーストラリアだろう。 6月4日さいたまスタジアムでの日本戦は絶対に負けられなくなってきた。 残り2試合で勝点1が必要な日本の断然有利は変わらないけど、もしオーストラリア戦で….と思うと高みの見物….という余裕もないと思う。 次は本田か長友のどちらかは復帰してほしいと思った。

そして6月4日。何とかしてチケット手に入らないかな…  


エースの “一蹴り” 南アに大きく前進

2009-04-05 | FIFA World Cup

日本のキックオフで始まった後半、遠藤からボールを受けた内田が前にフィードする。それを Mohamed Marzooq がヘッドで跳ね返すが落下点には長谷部が、その長谷部が前に出したボールは一旦 Yusuf Salmeen の足もとに入るが、俊輔、長谷部そして達也が一斉に囲み、最後は長谷部が玉田に出す。すると玉田は中にドリブルで切れ込みだす。前には大久保が張り出すが大久保はそのままゴール中央方向にドリブルで切れ込む。そこに Marzooq が後ろからチェックに入り玉田が倒れてホイッスルが鳴る。ゴール正面でのFKを貰った。まだ開始33秒だ。このチャンスを“逃すまいと”観客席の私はデジカメを、隣席の息子は携帯を取り出す。
セットしたボールの後ろには俊輔と遠藤が立つ。そして俊輔が蹴ると見せかけ遠藤に出し位置をずらしボールを止めた所を俊輔が左足を振り抜くとボールはそのままGK Sayed Jaafar のいっぱいに伸ばした左手の先に飛びバーレーンゴールの右上隅に吸い込まれていった。 
周りの観客が一斉に立ち上がり球技場全体に大歓声が沸き起こる。久々に俊輔が直接FKをゴールに蹴り込む所を拝む事が出来た。 “喜びを終えた”俊輔がしきりに唇に手をあてていた。後でテレビを見たら唇を切っていた。 そして私達のシャッターチャンスは…… ピントがずれていた…

    


3月28日、私が1年で一番好きな月がこの弥生、3月。ぽかぽか陽気で全てを温かい空気で包みだしてくれるあの雰囲気はいくつになってもいいものだが、今年はもう4月がそこまで来ていると言うのにこの寒さ。確かに3月中旬は春の陽気を楽しめたけど…… まぁ気温が低い方が対戦相手のバーレーンに不利になることからこの日ばかりはこの寒さは歓迎せねばならないだろう…..と息子と二人でさいたまスタジアム2002 に出かけた。
今回とれたチケットはカテゴリー3。これまでここでは“常にカテゴリー1”で観戦していただけにピッチが遠く感じる。しかし息子は“選手の全体の動きが見られるから良い。”と言ってくれた。おいおいなかなか玄人的な考えじゃないか…. 確かにオーストラリア戦を観戦した横浜国際はカテゴリー1なのに少し見づらい部分もあった。
ここさいたまスタジアムもゴール裏は両方とも日本のサポーター達で満員だ。しかし試合と共に一斉に立ち上がるから私はそれが好きでは無い。本場欧州だと立見席があって“騒ぎたい”サポーター達はそこに集まり、子供連れなど座って観戦したい人達はゆっくりシートに座れるようになっているのだ。
着席するとすぐに両チームのスタメンが発表になった。サプライズはバーレ-ンのDF Mohamed Marzooq が入っていたこと。 もう招集されないと思っていたのだけど…..

日本代表は前節オーストラリア戦とほぼ同じ。GKには楢崎が“復活”し MFは大久保がスタメンに。選手達が入場し両国の国家が流れる。バーレーンはテープで、そして君が代は地元さいたま市立海老沼小学校の児童達の合唱だが、前節のオーストラリア戦もそうであった。これから芸能人に歌わせないで子供達の合唱で行くべきだと思う。そうでないと日本代表の試合が安っぽく見える。Jリーグ発足前、明石家さんまさん以外、芸能関係者の誰がサッカーに関心をもっただろう???

    

そして選手がピッチに散らばってキックオフを迎えるが、バーレーンがなかなかポジションにつかない。78年のワールドカップで地元アルゼンチンが特に欧州相手に見せた手だ。ようやくバーレーンのキックオフで始まったこの試合のフォーメーションは下記の通りだった。

                 7 Jaycee John

14 Salman Isa         4 Abdulla Fatadi      15 Abdulla Ismaeel Omar

        13 Abdulrahman          10 Yusuf Salmeen

12 Mubarak Asish 3 Mohamed Marzooq 16 Sayed M. Adnan 7 Mohamed Hubail.

                   GK 1 Sayed Jaafar

DFラインは4バック。 Marzooq が入り左サイドバックにモロッコからの帰化人 M. Aaish が入った。それ以外は前節ウズベキスタン戦と同じメンバー。 
ただ3日後にホームでカタール戦を迎えるだけに累積警告等を見ながらの選手起用、試合運びとなると思った。 


          

日本代表は下記の通り。

            ⑪ 玉田

⑯大久保      ⑨達也       ⑩俊輔 

    ⑦遠藤          ⑰長谷部 

⑮長友   ④闘莉王   ②中澤   ⑥内田 

            GK①楢崎

勝点で3位以下に圧倒的に差を付けている日本。そして3位を確保するためには勝点を失いたくないバーレーン。共に引き分けても満足な結果を得られる試合だけにどういう駆け引きをしながら試合を進めるのだろうと思ったが立ち上がり、日本がバーレーンゴールに迫るシーンが続いた。開始58秒に玉田からボールを受けた大久保からの浮き球に達也が走り込む。バウンドを利用して Marzooq をかわしてゴールに迫るがここは Aaishi がマーク。1分35秒には大久保が左サイドをドリブルで抜けてスルーパスを送るがそこから先にはつながらなかった。2分34秒には中央から俊輔がPA内に浮玉を送るが CB M.Adnan がヘッドでクリアー。3分23秒には右サイドから俊輔が中に入れ、真ん中にでき来た大久保がダイレクトで右サイドにいた達也に。Aaish を振り切り M.Adnan がマークに入り前に達也が放ったショットは惜しくもクロスバーの右に外れた。前節同様最初の決定機は日本だった。
序盤から日本攻撃陣の前線の動きが流動的なのでバーレーンのDF陣はマークに付き難かっただろう。俊輔が中に入った時、大久保が上がった時は玉田がそのポジションに入り、達也は左右に動き早い時間から闘莉王が上がって来る。それでもボランチのY. Salmeen , Abdulrahman らが長谷部、遠藤に厳しくマークに入り、2列目両サイドの I. Omar, S. Isa がDFラインに吸収されない位置に張り中盤にプレスをかけようとしていた。
7分54秒、大久保が S. Isa からボールを奪い突破をはかろうとしたところを Y. Salmeen に倒されて得たFKを俊輔が中に入れる。闘莉王と中澤が飛び込むも Marzooq が何とかクリアー。ここも惜しいチャンスであった。闘莉王の額の傷は大丈夫かな……
24分には遠藤のCKから中澤が Marzooq に競り勝ち放ったヘッドがバーレーンゴールに飛ぶが M. Hubail がヘッドでクリアー。親子で思わず天を仰いだシーンだった。

バーレーンはボールを得ると両サイド奥深くに蹴り込み J. John、A. Fatadi が 走り込み何とか日本ゴールの近くでスローインを貰おうとする様に見えた。そしてFKを得るとなかなか蹴らなかったがそれは選手達が日本ゴール前に入るのを待つ為でもあった。14分11秒には達也からボールを奪ったM. Hubail からボールを受けた Fatadi がドリブルシュートを放つ。ボールはポストの左に外れて行ったが身体能力の高さを見せたシーンであった。しかしバーレーンのチャンスは Fatadi, I.Omar そして J. John のアフリカ人帰化選手の個人技頼りか….それでも1対1では日本はほとんど負けておらず、取られたら取り換えすと言う好守の切り替えが早いのでそうそう得点のチャンスはないだろうと予想できた。 そのせいか?25分過ぎからバーレーンは日本ボールになるとボランチの一人、特に Y.Salmeen がDFラインにはいり(左右のサイド)5バックに。そして日本のゴール前へのパスはことごとくその“守備網”にかかりシュートに持ち込めなくなる。こうなるとゴール前に人を集めワンタッチでボールをまわし最後は抜け出したいところだった。28分にそういう攻撃を見せたが最後は達也を Marzooq がブロック。 この時にもう1人、2人 味方が近くにおればと言うシーンであった。 
セットプレー時、特にCKではバーレーンDF陣の高さが目立つようにもなって来た。 42分には闘莉王のインターセプトを受けた俊輔が前線に送り M.Adna を振り切った玉田が走り込むが Marzooq に阻まれる。この様に相手の裏を狙う攻撃をしDFラインを下げさせなるなどの手を打たないと日本も得点チャンスは見えてこなくなるとも思った。 ロスタイムの無かった前半は圧倒的に支配しながら無得点に終わった。
こう言う展開はこの予選でさえ何度もみたパターンでもあった。
“最後のガードが固い” 息子の一言がこの日のバーレーンの印象を集約しているとおもう。

ハーフタイムが終わりに近づき選手達がピッチに出て来るが、バーレーン選手は審判が揃っているのになかなか出てこない。相手の選手交代をこれで先に見てそして自軍選手にアドヴァイスを送った試合運びを決められる。これもアルゼンチンが良くやった作戦だ。 
両チーム共に同じメンバーだった。 バーレーンにしてみれば思った通りの試合展開。それだけに日本は先制点が欲しいところであった。

中村俊輔のFKで先制した日本。帰宅してビデオで確認したが Marzooq の背中に当たってコースが変わって吸い込まれたもの。試合終了後のインタビューでもその事があるのか満足そうな感じではなかった。それとも前半終盤からマークがきつくて上手くプレー出来なかったことを思い出してか…..
日本に先制点が入った事でバーレーンは出てこざるを得なくなる、日本はあと2点失わない限り勝点は確保できる。そう考えれば日本は思い切った攻撃が出来てこの後更に得点チャンスが出て来ると期待した。
しかしその後の最初のチャンスはバーレーン。 52分47秒右サイドを俊輔からボールを奪った Fatadi が粘って長友を振り切り突破し右タッチライン沿いを疾走する Omar に出すと、中に入れられたボールは一旦中澤がクリアーするも Fatadi の正面へ、そのままダイレクトで撃たれたショットはまたも中澤の正面に飛び事なきを得る。そのクリアーを Fatadi が拾い今度は左サイドで繋いで最後は Salmeen が遠藤に倒され FK を献上すると, PA内に長身の M. Adnan, Marzooq が入って来る。M. Aaishi が入れたFKはそのまま楢崎が抑えたがFKは長身選手のいるバーレーンにもチャンス。1月の Asian Cup 予選ではそこから決勝点を奪われた。

だがその後は日本の攻勢が続く。54分6秒には右サイドから遠藤のクロスに内田がフリーで抜け出すがトラップがやや大きくGK S. Jaffar の正面に。54分24秒に玉田が中央をドリブルで突破し前線の大久保にスルーパスを送るがここは M. Adnan に読まれていた。57分50秒にはカウンターに転じたバーレーン MF Salman Isa のドリブルを奪いすぐさま右前方のスペースに入れると走り込んだ達也がそのままドリブルシュート。観客が一斉に立ち上がるが GK S.Jaffar がコーナーに逃れ、場内に溜息が洩れる。 64分4秒にもバーレーンCKのチャンスからカウンターに転じた日本が俊輔からボールを受けた玉田が Omar を振り切りドリブル突破、Aaish, Salman Isa, H. Hubail そして Marzooq をひきつけ右サイドに走り込んだ内田に渡すがフリーの内田の狙い澄ましたショットはクロスバーを強烈に叩いてしまった。昨年6月には同じさいたまスタジアムで同じバーレーン相手に幸運なゴールを決めたがここは運が無かった。

1点のビハインドを追ってもバーレーンは54分以降はあまりリスクを負って出て来る様子やフォーメーションの変更は見られず、70分過ぎになってようやく Fatadi, J.John そして Salma Isa がトップに並ぶ3トップを形成する様になったが、中盤との間があいてしまい帰って日本の中盤がボールを持てるようになった。75分にバーレーンベンチはIsmaeel Omar を下げて Abdulla Abdi Omar Yaser を投入したが Omar Yaesr は前節のウズベキスタン戦がワールドカップ予選初登場であった。 この O. Yaser が比較的 Abdulrahman と共に最前線と近い位置に張る様になったのでボールが回る様になった。もっと早くこうすればよかったと思ったが恐らく3日後のカタール戦の為に戦力を温存したいのと累積警告を心配してのことだろう。既に O. Yaseer は前の試合でイエローを受けている。
終了直前に FW Ismaeel Hasan が投入されたが彼も既に警告を1枚受けた選手で、カタール戦の為に温存されていたのかもしれない。 そしてそのカタール戦では  M. Aaish のゴールで 1-0 で勝利を収めた。 

    

一方の日本は76分に長谷部が下がってガンバ大阪の橋本が最初に投入された。後で知ったが長谷部は膝を痛めたらしいが周りからはやや不満の声が。どうやら REDS サポーター達がガンバの選手の投入に不満らしい。しかも下がったのが元 REDS の長谷部だからだ。 その後玉田、達也が下がり拍手を持って松井、岡崎が投入された。達也が下がる時に何故かイエローが出された。遅延行為と言う事らしいがこれはちょっと….???? 3人目の選手交替が告げられると息子は少し残念そうな様子。彼の好きな阿部がこの日も起用されなかったからだ。大丈夫、いつか必ず必要な試合がくるよ…..

ロスタイム3分を過ぎて、タイムアップのホイッスル。 大歓声と言うよりも安堵の歓声が上がった。 これでワールドカップ進出に向けて大きく前進。 Man of the Match には中村俊輔が選ばれた。 ホームゲームでは3試合連続の選出だがこの試合が最も適切な選出だろう。

    

3月下旬にはWBCの優勝。そして日本のワールドカップ勝利と我々を元気付けるアスリート達の活躍が続いた。これからも我々をもっともっと元気づけるニュースを運んでほしいものだ。

息子よ次は横浜か….. ちょっと遠いけど一緒にくるかい? あぁ学校があるか……

     


日豪戦を前にオーストラリアの報道から

2009-02-11 | FIFA World Cup

1月19日 Neil backs on Socceroos to improve on 2006

Lucas Neil は Australian のベテランたちが ワールドカップ2006年大会の英雄的な結果がフロックで無い事を南アフリカでより良い成績を残す事で証明しようと心に決めている。
Pim Verbeek の Socceroos はアジア予選にて開幕3連勝を収め 2010年大会出場に向けてまっしぐらだ。5カ国のグループの中で上位2カ国が予選突破となるが Neil は既に次のステップを考えている。 3年前ドイツで決勝トーナメント進出を果たした後 Heart Breaking な敗戦を大会覇者となったイタリアに喫し Neil は無残にも相手イタリア人選手にファールを冒したと判定されPKを献上しチームは Football 最大のイベントでの任務を終えた。
West Ham のDF Neil 30歳はオーストラリアがベスト16に肩を並べ準々決勝進出もあり得ると確信している。何故なら多くの選手が次のワールドカップが最後となり好成績を残す事に躍起だからだ。

“我々はその過程にいる。3戦3勝、残り5試合であと2勝すればワールドカップが大きく近づく ”  West Ham の Match Day Program にこう語っている。 
“前回我々は出場国の中で最後に予選突破を決めた。 今回はホスト国の南アフリカとイタリア(報道のまま)を除いて最初の予選突破国となれば前回はフロックで無かったと世界に示す良い証明となる。今回は恐らく2~3人の選手にとって最後のワールドカップとなりそこに行けばそして前回同様の成果を残せばしれは素晴らしい事だ。2006年大会での我々は無名のチームであった。それがはっきりと良いインパクトを与えられた要因だ。 もし同じ事が出来れば、もう1段上に行ければそれは良い事だ。 ”

ウズベキスタン、バーレーンを破るオーストラリアを本大会進出へのポールポジションに導いているがそれを Neil はGK Mark Schwarzer のおかげと認めている。
36歳のフルハムのスターは今大会予選では素晴らしく、 Neil は
“バーレーンとの前のゲームで Mark は我々のヒーローだった。ふたたび数多くのスーパーセーブを見せ、最後に勝利へと我々を導いた。彼はまた前のラウンドの中国戦でも重要なセーブを続け、最後にPKをも止めた。”  そして Neil は続ける。 
”彼はいつもチームを支えている。彼がチームにいる事はラッキーだ。 Mark は Miidlesbrough で長年過ごした後に London に移り住み生活を大変楽しんでいる。 彼は賛美されないオーストラリアサッカーのヒーローで私が大変尊敬するGKだ。 ”

Neil と Schwarzer は何人もの English Premier League 所属の選手が予選の試合に向かう為にLondon から Australia に向かう飛行機の常連客だ。そして WestHam の右バックの選手は1月18日の Hammer’s が Fulham を 3-1 で降した後に自分の友人達と多くに就いて話すだろう。

“我々の多くが London から出発する。オーストラリアのチームメンバーが集まる事は 大変楽しいことだ。 我々の多くが色々な話をする。 我々が共通にある事は故郷を離れキャリアーを作ろうとしている。 その結果我々はほとんどファミリーの様なものでお互いの経験談を聴く事を楽しんでいる。 そこには素晴らしい雰囲気がある。 そこには多大な責任も生まれる。 我々はユニークだとは言わないしかし我々は大変良いティームスピリットをもっておりその上それが全てのオーストラリアスポーツチームが持つ原点である。 ” 

   

2月9日 Shcwarzer has been Australia’s saving race

Mark Schwarzer は過去のワールドカップにはいやにセンチメンタルな思い出があった。しかし不動の Socceroos GK は翌年南アフリカに駒を進めるにあたりずっと一匹狼であり、再びぼんやりと現れた守備面での数字が本当に裏付けされたオーストラリアの信用が本当かどうか水曜日夜の日本戦で試される。
Schwarzer の4回目のワールドカップへの挑戦がベストであった。 - それは彼の忍耐と決心の遺言であった。 多くの人々が長年のライバル Zeliko Kalac とのポジション争いに終わりを告げる鐘が静かになりワールドカップ2006年大会の苦しい試練が終わった後に国際舞台から退くであろうと思った。 Guus Hiddink が自分の長所を信じない事から来るフラストレーションに降参するかわりに36歳の Fullham のGKは 好まれていない背番号1番の Kalac が国際舞台から引退し Michael Petkovis と Ante Covic がポジションを掴めなかった間に Pim Verbeek の元に帰ってきて実に良くやっている。
若い挑戦者 Adam Federiciと Eugene Gelekovic はオーストラリアがワールドカップ出場を決めるまでは経験に乏しく大一番には役者不足だ。 Shcwarzer のポジションは約束されているそしてここ数年では最高の機敏な動きを見せている。彼の中国戦、バーレーン戦、ブリスベンでのイラク戦のパファーマンス、ほとんど片手で Socceroos の戦いを支えてきた。 
Australia の命運を左右しうる横浜での試合の前日、昨年引退しかつては England で14シーズンを過ごした元 Socceroos GK で今は Sydney FC の GK コーチを務めるJohn Filan は かつての自分の控え選手に就いて

“ Schwarzer はファンタスティックだ、彼のプレーはいつもと変わらない”  Schwarzer の効果は断固たるものだと言う。
“今の様にワールドカップ予選をうまくやり通すには好調を持続させている良いGKが必要だ。彼は普遍的で頼りになるチームに自信の雰囲気をもたらしている。彼は監督の抱える問題を解消し続けている、なぜなら誰をゴール前に置くのかを考えさせる必要がないからだ。今現在代表チームで彼のポジションを脅かす選手が出てこないがそれはまた別の小さな問題でもある。 もし彼がチームの中で最も重要な選手でなければ、それに最も近い選手だ。” 
そういう意味では Schwarzer は2010年以降はSocceroos のキャリアーを続けないと言う可能性は残らない訳では無い
“私は全てを取り除いたわけでは無いが兎にも角にもその(南アフリカ)に行きたいのである。我々は日本戦と言うタフなゲームがある、なのでまだずっと先は見たくはない。” 

    

Schwarzer は最近のAP通信社の問いにこう答えた。Shcwarzer は日本のYoshihito Okubo, Shinji Okazaki そして Tatsuya Tanaka と言う好調の3人のストライカーと相対せねばならない。そして中村俊輔と言う2006 年 Kaiserslautern でSchwarzer を困惑させた唯一のプレー、セットプレーの卓越した専門家がいる。

前回ワールドカップ一番乗りを決めたのは日本だった。もちろんそこには充分な幸運もあった。今回もそのチャンスはあるのだが.......
今大会の予選で Socceroos の特筆すべきは開幕3連勝とならんでまだ最終予選が無失点なこと。日本が勝ち点3を得る為には相手を無失点に抑える必要がある。
Schwarzer から2点目をとる事は至難の業ではないかな? Premier League でも23試合中9試合が無失点だ。もちろんGK一人の功績ではないが所属チームの得点22は20チーム中19位なのにチームの順位が10位にあるところの GK Schwarzer の存在が想像できる。 

それでなくてもワールドカップ予選の重要な試合で日本は......前回のアウェーでのイラン戦は 1-2 で敗れ、フランス大会予選の国立での韓国戦は痛恨の逆転負け。
アジアからの出場枠が広がらねばこんなにワールドカップを近くに感じ取れただろうか........  

あぁ悲観的になりすぎるか??? キックオフまであと4時間少し、明日の朝素晴らしい目覚めがもたらされることをひたすら祈る。

 


コップンカァ~ップ ダエイ

2007-11-30 | FIFA World Cup

                         11月25日。南アフリカの Durban で行われたワールドカップ予選抽選会。カタール、イラク、中国と揃った Group 1 に入る第一シード国のポットの中からイランの英雄 アリ=ダエイ が引いた国はオーストラリアだった。この模様をバンコックのホテルで FIFA のホームページを通じてみていた私は思わず 

“ありがとうってペルシャ語でなんて言うのだろう..”

と口走った。 1993年ドーハ、そして1997年ジョホールバルでのワールドカップ予選で日本相手にゴールを決めている最も警戒すべきFW が今回は日本の為に良い仕事をしてくれた。その時はバンコックにいたのでタイ語で御礼を申し上げようか….と真剣に思った。
翌日の Bangkok Post 紙には“日本と韓国は微笑んだであろう。しかしオーストラリアと中国は幸せな出来事未満である。”との出だしで記事が始まった。
“最もタフなグループの一つだが同時にこれらの対戦国の情報は充分にあるのでしっかりとした準備が出来るだろう。”と語るのは Socceroos のRob Baan コーチだ。 “イラクが最もタフな相手と予想されるだろうがイラクはホームゲームを自国で出来ない。それが我々にも有利に働く。しかし我々は袖をまくらねばならない。(準備に取り掛からねばならないと言う意味か??)”
昨年のワールドカップで日本戦でゴールを決めた John Aloisi は
“これはアジアの美しい眺めだ。我々はタフな試合に取り組もうとしている。もし我々が自信を持って臨まねばならない予選を通過すればそれはワールドカップに向けての良い準備となる。” 
10月20日にA League の Central Coast Mariners と契約をした Aloisi だけどワールドカップ開催中には34歳になっている。次回のワールドカップにも出場の意思を燃やしているのか?そしてもう一人日本戦に出場し今季から A-League の Queensland Roar でプレーをする Craig Moore は Socceroos のユニフォームに袖を通す野望がまだあるのだろうか?彼も大会期間中には34歳になる。欧州ベースの選手でチームを組むとホームゲームでの試合のコンディション調整が非常に厳しいだろう。欧州から豪州までは少なくとも14時間くらいかかるのではないか?それだけに A- League 選手の底上げが一つのカギとなると思う。しかしその前に早く次期監督を探さないと。
中国の 尉少輝中国協会代表チームマネージャーは 

“中国代表史上最悪の組み分け”

と言いながらも新華社通信を通じて発せられたコメントでは 
“死のグループと言う言葉は受け入れられない。人は中国が多くの困難に面しているとしか言わないだろうが、チームとしてはこれを動機付けとする事を信じている。” アジアカップではベスト8に残れなかった中国だが、地元開催の五輪チームとの融合はどうするのだろう?そんな余裕のあるグループでも無いか….

アジアカップのイラクの英雄 Nashat Akrami はアジアカップの成功は

“何の保証にもならない”

とコメント。 Akram はチームメイトの Youris Mohmoud とサウジアラビアの Yasser Al Qahtani ( 日本戦でもゴールを決めた)と共に今年にのAFC Year of the Player にリストアップされておりその式典に参加する為に Sydney 入りしているらしい。 Neither Akram と Mahmoudはアジアカップ後まだ母国に戻っていないらしい。アジアカップではオーストラリアを1次リーグで 3-1 で破り快進撃が始まった。そしてまたワールドカップ予選で相対する。 Akram は UAE  の Al Ain と年棒約 US$100万(約1億800万円)+出来高払いで契約した。 “アジアカップの優勝でワールドカップの出場が決まった訳では無いがこの優勝により各国が警戒をし始めているので我々を困難にするであろう。 予測については何も言えない。” 翌年のチームスケジュールはまだ決まっていないが国内組をベースにしたチームで臨むのだろうか?
Youris Mohmound はカタールリーグの Al Gharrafain でプレーをしており、
“カタールは最近急成長をしている。ホームでプレーをする彼らは非常にタフな相手でカタールが easy なチームとは決して思えない。”
とコメントしている。このワールドカップ予選も五輪チームの中から何人もA代表に昇格するのだろう。しかしアジアカップでイラクを優勝に導いたポルトガル人の Jorvan Vieria 氏は今はイラクを離れており後任をノルウェー人コーチだった Egil Olsen が引き継ぐものと考えられている。そして Vieria 氏は次の Socceroos の監督候補でもあるらしい。
つい先日まで行われていた五輪予選で Olyroos はイラクを抑えて北京行きを決めた。これで少し“リベンジ”を果たせたかもしれない。11月17日の五輪予選、オーストラリア対イラク戦の後にホテルを抜け出してオーストラリアの亡命を希望している元イラク五輪代表のこの3人の選手Ali Abbas 、Ali Mansur, Ali Khadher そしてSadi Toma アシスタントコーチの心境はどうなのだろう……

対オーストラリア戦の直接対決は下記の通り。

中国 オーストラリアの5勝2敗
今年3月アウェーでオーストラリアが 2-0 で勝利をおさめたがその中国戦は1986年以来21年ぶりの試合であった。

イラク オーストラリアの2勝1敗1分

その1敗が今年のアジアカップの1次リーグでのイラク戦。
参考までに今年の五輪予選では1勝1敗。

カタール A代表の対戦なし
U-20で1回、U-17で3回対戦している。最近では 1999年FIFA U-17 New Zealand 大会の準々決勝でオーストラリアが 1-0 で勝っている。

このグループは全ての4カ国に1位通過も最下位予選落ちも考えられる。もし日本がオーストラリアの替わりにこの組に入っていたらと思うとぞっとする。しかもオシム監督が倒れた後なので。
だが今回のシード国、オーストラリア、日本、韓国、サウジアラビアそしてイラン。代表監督が決まっている国どこだったっけ….. そしてマスコミが言う様に日本の入れられた Group 2 は easy なグループなのだろうか……..


FIFA World Cup 2010 は日本開催?????

2007-05-01 | FIFA World Cup


大型連休の序盤の3連休は穏やかに過ぎようとしている。明日から二日間出勤すればその後は4連休。まぁ会社に居ても仕事もしないスチャラカ社員の私は休んでもいいんだけど、“営業成績トップのお前が真面目にしてくれないと示しがつかない。”なんて営業部長から専務までこちらに勤務態度の模範になって頂戴とお願いしに来る変な会社ですから….. それに四半期の末日が近づく度に“もっと売ってくれないか?”と私の所に拡販詣でに来るのだから、3月中旬には腹が立つから“俺は打ち出の小槌じゃないぞ。給料を上げる権限を持っていない人は黙ってて下さい。”と一喝した。ここ数年私は一般のサラリーマンが夢見ているような会社生活を送っているが、その昔に想像していたみたいに快適でもないなぁ… 仕事量は増えるが給料は上がらないし、故に時間当たりの給料は低下線をたどる一方。会社の独身女性からは不倫の対象には見てくれないし。(俺はそんなにルックスだって悪くないぞ。身長も175cm あるし。でも金がないか?それにルックスを判断するのは女の子達だしなぁ)この奇跡的に持続されている販売成績がひたたび少しでも落ちれば“それ見た事か…”と散々私が見下してきた無能な課長や腰巾着部長どもが逆襲してくるに決まっている。だから今の内にせいぜい横暴に振る舞ってもっと見下してやろうと思う。

しかし、それは会社の中での話。家に帰れば17年連れ添った女房には頭が上がらない。今日はショックな事を言われた。計画していた7月の Asian Cup 遠征を切り出すとたった一言。

“ダメ”

 “昨年のワールトカップは反対しなかったじゃないか”
“毎年毎年いけません。”
“それでは(6年生の)子供と行くよ” するとマザコンの抜け切らない一人息子は

“ママが行かないならテレビで観る。”

“お前去年のワールトカップもそう言っただろう。ホテルもチケットも手配済みだったのに。” すると女房は
“ほら私が入っていなかった。”
“お前のチケットも後で入手しただろう?”
“後で手配したのが気に入らない”
“今それは関係ないやろ??”

夕立が始まる直前の空の様に一気に暗雲が私を覆い始めた3連休目の夜だった。 しかしそんな私に目を疑うニュースが。

2010年W杯振替国に日本も

かつては2.0以上を誇った俺の視力も….. と一瞬思ったが…. だが伏線はあったのだ。 4月12日付の BBC News では2010年 ワールトカップ ホスト国の南アフリカが異例のコメントを発表した。
Mandela and Desmond Tutu with the World Cup trophy 
参加国は大会期間中近隣諸国にベースキャンプを張っても良いのではないか? Danny Jordan Chief Executive は“多くのアフリカ諸国に2010年大会に関わって貰いたい一存だ”とコメントしているが。これは建前に過ぎないだろう。競技場は何とかなっても31カ国も受け入れられるだけの施設が無いのだ。しかし大会が始まる7日前迄に開催国に入らねばならないと言う ワールトカップ の規約違反。その特例を FIFA に求めたのだ。しかしこんなのは最初から判っていたこと、立候補をする時点でいや、少なくとも開催が決まった時に申請すべき事だ。 Jordan 氏は大会当局が FIFA に試合が開催される都市から飛行機で90分以内の所にベースを張って試合日の前日までに試合のある都市に入れる事を認めて貰う様に要請すると語っている。例えばブラジルは旧ポルトガル領だったモザンビークに留まりたいであろうしスワジランドはトレーニングキャンプには適している所だ。ともコメントしている。この Jordan 氏は恐らくスポーツをした事がないのだろう。言葉の問題よりも移動距離を減らす事がどれだけ選手のコンディションにとって重要か??それでも Jordan 氏はFIFAはこの規約変更には同情的であるだろうとコメントしている。更に大会期間中は世界から35万人から40万人の人が訪れると予想しているが、もし自分の国がベースキャンプを張る近隣諸国を根城にしてくれれば開催国、南アフリカのホテル事情が緩和されるとも言っているが、こういう人が Chief Executive を務める国ではワールトカップを開催すべきでは無い。例えば(いや絶対に)日本がアジア予選を突破し大会に参加した場合、1次リーグは中4日から5日の間隔で3試合が行われるが、その間他の試合は見れないってことかぃ??更に Townships ( 都市郊外の黒人居住地区 ) の人々の為に Affordable Ticket ( 安価な購入しやすいチケット ) の準備を要求するつもりだと無茶苦茶なコメント。チケットの価格決定等は開催国ではなく FIFA に権利がある。その上昨年ドイツで各都市に設置された 大型のスクリーンを含めた Fun Zone の設置を FIFA に頼む始末。確かに FIFA ならそれくらいの財力はあるだろうが Jordan 氏は“アフリカ最初のワールトカップは成功せねばならない。我々は失敗をしたくない全ての人々の興味はこのワールトカップが成功する事でその為に全力を尽くさねばならない”とのコメントで結んでいるが最初から立候補などしなければ良かったんとちゃうんか??ともう呆れてしまう。

南アフリカ開催をずっと支持してきたFIFA ブラッター会長も南アフリカでワールトカップ開催が出来なかったと言う予期せぬ時の為のプランがある事を認めた。そして南アフリカの準備状況が常に不安が付きまとっていると言う心配も吐露した。BBC のある番組で“ワールトカップの振替国は準備されている”と暗にそれが必要でないであろうが、言う事も語った。その振替開催地は England 頭一つリードしており、他にもアメリカ、メキシコ、スペインそして日本がリストアップされているとの事。ブラッター会長は“もし何かが起こった時の為に断固として振替開催国を決めておかねばならない。前回のドイツ大会でもそうだったが、天災、体制の変化- 誰もがFootball に否定的になった時など…” 昨年ブラッター氏は試合が予定されている10の会場の建設、改装工事の進行具合に不安を感じている事を語り12月には Thabo Mbeki 南アフリカ大統領は2010年大会が他の国で行われることを断固と拒否した。
しかし F.A. ( 勿論 England ) はまだ2010年の ワールトカップ が England で振替開催される事は何も聞いておらず“FIFA とはまだ何も話し合っていない”とBBC Sport にスポークスマンは語っている。 “確かに我 England には最高級の競技場に世界屈指のインフラを誇っているが振替開催は仮想の話だ。我々は南アフリカが2010年のホスト国に向かっていると信じている

Fifa president Sepp Blatter
” ブラッターは何度も2018年のワールトカップホスト国は欧州- English FA はそれを手に入れようとしているが、よりもアジアであると何度も言っている。 “私は開催国のローテーション、南北アメリカ大陸、欧州、アフリカまたはアジア、は守るべきと考える。従って2014年の次のワールトカップはアジア大陸で行われるべきだ。”とコメントをしている。 しかし2018年大会開催は England は並々ならぬ野心を持っている。公式研究によると England が最も開催に適していると言われている。Gordon Brown 長官は“Football を世界に与えた国”にワールトカップを戻すべきだとも語っていた。そして2012年のロンドン五輪に次いで行われる2018年のワールトカップを England に誘致し2010年代を Britain’s Sporting History とすべきとも言っている。 しかし、現在FIFA の規定する競技場は England には6競技場しかなく 2012年のロンドン五輪に次いでわずか6年後にスポーツイベントの為に莫大な予算をつぎ込むべきか?との論議もある。Hugh Robertson スポーツ相は政府の“大変愚かな宣伝の危険な行為だ”と非難する。“ Gordon Brown は彼が引き起こした五輪の予算取りの収拾に腐心すべきだ、さもなくば既に約束をしながらまだ守られていない公約を本当に遂行すべきだ。”と付け加えている。しかし欧州ではイタリア ( 1938, 1990 ) フランス ( 1934, 1998 ) ドイツ ( 1974,2006 ) の列強が既にワールトカップを2回開催しているのにFootball の母国 England がまだ1回、それもライバルドイツがEngland 開催から8年後に最初にワールトカップを開催しながら既に2回も開催しているのが鼻もちならないらしい。2006年大会も当初は England が有力視されていたがフーリガン問題が足を引っ張り大会を誘致出来なかった。それだけに次に欧州にワールトカップが戻ってくる時は England でと言う雰囲気が漂っている。それがまだ England 内部では反対の声が上がっていたのだ。ただ振替開催となると反対に誘致しやすいのではないか?? そして2018年に日本が単独開催と言うのはまだ早計だ。2018年はオーストラリアが立候補予定だ。それにオランダ、ベルギーの植民地大好きコンビがEURO2000以来の Big Event 開催を目論む。だが一つ言える事は3年後のワールトカップは南アフリカでは開催すべきでないと言う事だ。これは私一人の意見では無い。ここに常駐した商社マンやここを担当市場とする営業マンは皆異口同音に“犯罪ワールトカップになりますよ。”と教えてくれた。ついでに私的な結論で 2010年はオーストラリア、ニュージーランド共同開催(実際にこの話昨年発生し、また今再燃焼を始めている。所属する“大陸”が違うが振替開催と言う事でここは大目に特例で??)2014年はブラジル(これはほぼ決まりだろう)そして2018年に England そして2022年に日本単独開催。これでどうだろう。
そうすればまだ何度かワールトカップ観戦にでかけられるチャンスがありそうだ。

今夏アジアカップ遠征が危なくなって来たので是非に……..


年の瀬にワールドカップを振り返る その2

2006-12-30 | FIFA World Cup
1次リーグの組み合わせ
これは少しタフなグループであったと言えないか?過去の組み合わせは下記の通り。

2006 ブラジル クロアチア オーストラリア
2002 ベルギー ロシア チュニジア
1998 アルゼンチン クロアチア ジャマイカ

組み合わせが決まった時、決勝トーナメント進出は1998年大会より可能性有りと思った。だが他のアジア代表と比較すると少し“不公平な”組み合わせ?とも感じた。

韓国 フランス スイス トーゴ
イラン ポルトガル メキシコ アンゴラ
サウジアラビア スペイン ウクライナ チュニジア

全ての組にアフリカ代表が入り、それぞれから勝ち点を挙げている。今大会のアフリカ代表国はチュニジア以外全て初出場だがその中でも比較的実力が劣るのがアンゴラとトーゴ。オーストラリアの替わりに上記アフリカ3カ国が入っていれば結果はもう少し変わったかもしれない。前回2002年大会は地元開催なのでシード国。これは世界のトップ6と戦わなくて済むアドヴァンテージがあった。それだけ地元開催以外のワールドカップは厳しいものなのだ。だがクロアチアから勝ち点を挙げた事はもう少し評価されても良いと思う。クロアチアでは“日本から勝ち星を挙げられなかった為に1次リーグで敗退した”と言われているからだ。
そして更に“不公平”を感じたのが試合時間だ。ブラジルは全てがナイトゲーム。日本は炎天下で2試合を行った。オーストラリアもクロアチアも日本戦以外の2試合はナイトゲーム(ブラジル対オーストラリア戦は午後6時開始)。これはセレソンを欧州のゴールデンタイムで放映すると言うスポンサー絡みの試合時間決定のわりを日本だけが食った形になったが、競技場もカイザースラウテルン(対オーストラリア)ニュルンベルグ(対クロアチア)とフィールドが屋根で覆われておらずピッチ上に直射日光をもろに受ける会場。フランクフルトやミュンヘン、シュツッツガルトの様に屋根付の競技場であればとも思われる。私が現地入りしたのはオーストラリア戦の後の6月16日。とてもとても暑く、ニュルンベルグでのクロアチア戦をスタンドで観戦したが、2階席のひさしで直射日光は避けられたもがスタンドに居るだけでも暑くてたまらない。ピッチ上の気温など想像もつかぬものだっただろう。そんな事も知らずに“運動量が少なく、覇気が感じられない。気力が感じられない。”と言う人には一度そこに立ってみろ言いたくなる。

大会前のコンディショニング
大きな大会になればなるほど直前の微調整は非常に大切だ。ブラジルが準々決勝で敗退したのもこれがあるのではないか?練習のほとんどを有料で公開していた。これでは選手達は集中して大会前の調整練習に臨めたのだろうか? 日本の大誤算の一つは大会直前のドイツ戦での加地の故障だろう。高原も古傷を悪化させた。 結果論だが2-0 とリードした時点でサブの選手を投入し彼らの試験場としても良かったか。まさか ZICO 監督は“ドイツでドイツ代表を破った日本代表監督”の称号が欲しかったのではあるまい。田中真の離脱も痛かっただろう。それに後で新聞判った事だが、カイザースラウテルン入りした際、試合前日に宿泊したホテルにクーラー設備が付いておらず寝苦しさを訴える選手もいたとの事。この辺りは今後の改善課題だろう。 また中村俊輔、高原らのコンディションも今一だったらしい。中村は初めて欧州で通年のレギュラー出場を果たし疲弊し切ってのワールドカップ、逆に高原は所属先でのHSVでの出場機会が激減しコンディショニングにどうしても影響を与えたのだろう。同じことは稲本、小野そして柳沢にも言えたかもしれない。

監督の戦術そして用兵
全てを決めると言われた緒戦のオーストラリア戦。事実この試合の敗北が1次リーグ敗退を決めたが、試合は序盤から圧倒的に押される展開で川口のセーブが無ければいつ点を取られてもおかしくなかった。だがこのオーストラリアの猛攻もワントップ、ヴィドゥーカのポストプレー等に拠るもの。最初からもう少し対策は無かったか?幸運な先制点を挙げてからも劣勢は続いたが後半はオーストラリアの方がスタミナ切れを起こしていた。キューウェルなどはいつ下げられてもおかしくなかったが、ヒディンク監督がケーヒル、ケネディ、アロイージと攻撃の看板を増やし続けそれが功を奏した。だがその前に坪井が負傷退場し、加地、坪井の最終ラインが離脱したのが痛かった。これでヒディンク監督の攻撃的な交代策を容易にし、日本の交代が後手に回った。後日宮本が語っていたが“1-1 に追いつかれた時点でDF陣は勝ち点1を守ろうとするがFW陣はどうしても勝ちにいってしまう。”と前線と後衛での意思統一が図れなかった。だがオーストラリアも日本も引き分けでは1次リーグを突破出来ない。勝ちに行くのは間違いでも無いと思う。ただ逆転されてから大黒を投入するのならなぜもっと早く?とも思った。
クロアチア戦は“背水の陣”であったが、現地に乗り込んだ私は自然に”クロアチアに勝つんだ”と思った事が日本サッカーの進歩の表れだろう。クロアチアとは8年前も同組になったが、その時本気でクロアチアに勝てると思ったサッカー常識者は何人いただろう?結果は引き分けた。プルソのPKを川口がストップした。多くのシュートチャンスをクロアチアは失敗してくれた。しかし、相手を崩しての最大の決定機を作ったのは日本だった。あの柳沢のシュートミスのシーンだ。そして先にガス欠を起こしたのはクロアチアだった。試合内容はややクロアチアが押していたが、この試合を引き分けれられた事こそ日本サッカーの進歩の証拠だ。だが運動量を誇る日本がどちらかをナイトゲームで行えればと無念に思う。最後のブラジル戦。玉田の先制ゴールはこれまで日本サッカー界の積み重ねの結果だ。

ZICO采配
すっかり“戦犯”扱いされている ZICO 前監督。色々批判を浴びせられているが彼にも言い分があるだろう。

基礎体力の向上
そんなこと最初から判っていただろう?と多くの人が吐き捨てるが、朝日新聞に掲載されていた彼の言い分はこうだ。“私はもう50歳を越えているが、代表戦選手の中で私の体をぶつけてボールを取れた選手が何人いたか?” これはトルシエ前々監督も言っていた。世界のトップクラスが 300m走とクーパー走はどれぐらいの数字を残すのだろう?ちなみに私は現役時代クーパー走は 4200m 近く走った。(サッカー選手じゃなくて陸上選手だったからね。)

意識の違い
これは最も的を得ているのではないか?“セレソンの選手はワールドカップは優勝するものと考えているがまだ日本の選手はアジア地区予選を突破した事で満足をしている。” これは歴史が作るものだと思う。今後、アジア地区予選突破を重ねることによってその意識も替えられると思う。

私は全面的に彼を擁護しているのではない。ZICOはブラジルの様に選手たちの個の能力に試合結果を求めたのだろう。まだ日本はそこまで中田英寿の様にワールドカップを戦うだけの“個の能力”を備えた選手は少なかったのだろう。具体的な自分の戦術を持たない彼にワールドカップを託した協会に責任もあるかもしれない。だが良き指導者の指揮が無ければ世界で勝てないというのも少し寂しい気がするなぁ。

もし私が現地にまでワールドカップを観戦しに行かなければ川口がPKを止めたシーン以外は“なんだこんな大会”と思い出したくも無い大会になっていたのかもしれない。しかし日本がワールドカップを遠くから見ていた時代から、ワールドカップと言えばバレーボールと言われた時代からサッカーのワールドカップを観て来たのでまだ日本がワールドカップに出てくる事に幸せを感じる。今大会で日本が世界サッカー界での位置づけが判った人も多いだろう。そして4年後に向けて今度はイビチャ・オシム新監督が“救世主”として崇められているが私はそれには懐疑的だ。就任後の会見で“今の日本サッカーは故障した車を手押ししている。”例えたが果たしてそうであろうか?1990年ワールドカップのユーゴスラビアを実際に見た人がどれだけいるだろうか?ストイコビッチをはじめサビチェビチ、プロシネツキ、カタネッチ、プロシネツキ。これだけのメンバーがいた。それでベスト8に導いたと言うかベスト8止まりだったと思うかはお任せする。(ボバンがいなかったからと言われそうか?) 平和な限りサッカーはこれからも続く。これからもワールドカップに出続けることを願うよ。