Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

開幕早々の北朝鮮旋風 そして私は重量挙げにはまりだした

2012-07-30 | 夏季五輪

開会式に続いて競技二日目が終わった。日本はまだ金メダルを勝ち取った選手はいない。出だしが良くなかった男子体操や5位に終わった北島康介の次の巻き返しに何とか期待したいところだが、男子サッカーがスペインを破るなど2連勝で早くも準々決勝を決めたり女子重量挙げで三宅宏美選手が銀メダルを取ったり女子アーチェリー団体戦で史上初のメダルを獲得するなどこれまであまり話題にならなかった競技でのメダルが続いている。

そして何より目を引くのが北朝鮮が早くも金メダル2個を勝ち取っていることだ。
それは韓国の地元紙にも載せられていた。


'괴력'의 북한, 초반 메달 돌풍 怪力の北 序盤のメダル旋風

ロンドン五輪開幕当初に "北朝鮮旋風"が荒々しく吹いている。

北朝鮮はロンドンオリンピック大会二日目の29日(現地時間)だけで女子柔道の男子重量挙げで金メダル2個を勝ち取り国別のメダル順位6位に跳躍している。

大会初日の金メダル獲得戦線では4番目の韓国(金2、銀1、銅2)と比べると銀メダルと銅メダル各1個を下回っただけである。 せいぜい銀メダル1つだろうと予想した米国のスポーツ専門誌 "スポーツイラストレイテッド"の展望を台無しにする成績である。

偶然にも韓国が二回も珍しい判定翻意の犠牲になったのとは別に、北朝鮮が予想を破った金メダルラッシュでロンドン五輪の序盤関心が "Korea "に集まる雰囲気だ。

1972年のミュンヘンオリンピックから選手団を派遣して以来、北朝鮮が同日に金メダル二つを収穫したのは初めてだ。
北朝鮮は、2008年の北京大会まで計8回の夏季オリンピックで金メダル10個を獲得した。
1992年のバルセロナ大会では男子体操の鞍馬で Pae Gil Su 、レスリングフリースタイル 48kg級 Kim Il , 52kg級で Li Hak Su ボクシング 51kg 級で Choi Chol Su 達四人の金メダリストを輩出するなど、銅メダル5個を加えて最高の成績を出した。
1996年アトランタ大会では女子柔道48kg 級で桂順姫とレスリングフリースタイル48kg級の Kim Il が、北京大会では女子体操競技の鉄棒で洪恩貞 女子重量挙げ 63kg 級で朴賢淑女の2人が金メダルを獲得した。

今回、大会開幕直前になり選手団の出場規模(56人)が明らかになったほどにベールに包まれた北朝鮮は、いざ蓋を開けると期待以上の怪力を発揮している。

この日の女子柔道52㎏級で金メダルを首にかけた安琴愛(アングムエン :32)は比較的メダル圏内にいた、男子重量挙げ56㎏級で世界を驚かせた Om Yun Chol (21)は "初心者"に近い新人だ。
2008年北京五輪で惜しくも銀メダルに終わった安琴愛はこの日の決勝でキューバのヤネト・ベルモイを相手に延長接戦の末に有効勝を納め金メダルを勝ち取った。 北朝鮮の選手としては唯一、柔道に出場した安琴愛はたくましい体格とずば抜けた実力、疲れを知らない体力を誇ってついに悲願を達成した。

世界ジュニア選手権大会優勝者ではあるが、シニアの国際舞台ではあまり知られていない Om Yun Chol ( オムユンチョル )の金メダルはさらに驚くべきだ。
昨年シニアの世界選手権大会に初めて出場して、合計267㎏で6位にとどまった Om Yun Chol は今回の五輪ではジャークオリンピック新記録(168㎏)をマークしトータル293㎏を記録し、余裕を持って祝杯を挙げた。

わずか1年の間に自己記録を26㎏も更新した点が目立つ。
北朝鮮は重量挙げだけで最も多い8人の選手を送り大量のメダルを期待している。
もう1人の金メダル候補選手は62㎏級の金恩国 ( ギムウングク : 24 )である。
彼は昨年のパリで開催された世界選手権大会で合計320㎏の記録で銀メダルを獲得した。
その記録は1位に 1㎏ の差であるほど、彼の技量は世界の頂上に近づいている。

そして世界選手権大会女子58㎏級5位に上がった Jong Chun Mi ジョンチュンミ(27)も異変を準備中だ。

五人の選手が出場するレスリングでも、予期せぬメダルラッシュが起こることも。

北朝鮮の最大の利点は、選手一人一人が世界に出ることがまれで対戦相手が作戦を立てることができないということだ。
そのため、情報が飛び交う現代のスポーツで、北朝鮮の選手だけがその情報戦に漏れる難しい相手になるのだろう。

メダルレースで印象付けられた北朝鮮がどこまで信じられないほど躍進するか注目される。


柔道女子 52kg 級の1回戦では地元期待の Sophie Cox を破り2回戦では中村美里を破りそして金メダルを勝ち取った安琴愛は世界選手権2005カイロ大会で銅メダル。ドーハアジア大会 2006 で金メダル。そして世界選手権2007リオ大会では再び銅メダルを獲得しての北京五輪だった。北京では準決勝で中村美里を破り決勝に進出し銀メダルを獲得した。
その後広州アジア大会 2010 では銅メダルに終わっている。 この時に金メダルを勝ち取ったのが中村美里だった。だけどこの時は直接対決は無かったんじゃないかな…..北朝鮮から男女通じて唯一エントリーした安琴愛が五輪の舞台で金メダルを勝ち取った。



男子重量挙げ 56kg 級金メダルのオムユンチョルの記録 293kg ( ジャーク 168kg スナッチ 125kg ) は昨年世界選手権金メダルの吴景彪 ( Wu Jung Biao ) の優勝記録 を 1kg 上回る記録。 ロンドン五輪では銀メダルに終わった吴景彪 は289kg だった ( スナッチ 133kg ジャーク 156kg ) 。このクラスのエントリーされたもう一人の北朝鮮選手はシン・チョルボムという選手で彼は258kg ( スナッチ115g ジャーク145 kg )で10位に終わった。 このクラス北朝鮮には車金鉄 ( Cha Kum Chol ) という北京五輪で5位に入り、アジア大会 2010 では吴景彪 についで2位には入った選手がいたけど、車金鉄はどうしたのだろう??
若い20歳のオムユンチョルが派遣を決めた協会役員はどんな褒美を国家から貰えるのだろう?
しかしオムユンチョルはBグループに入りながら金メダルなのだから恐れ入る。

またこの種目、4位にベトナムのルクオクトーン・トランが 284kg ( スナッチ 125kg ジャーク 159kg ) に入賞した。銅メダルのワレンチン・リストフ ( アゼルバイジャン ) とはスナッチで 2kg の差がついただけだった。そしてアジア大会 2010で銅メダルだったインドネシアの Jadi Setiadi が 277kg (スナッチ 127kg ジャーク 150kg ) で5位入賞を果たした。
アジア勢頑張っているなぁ....

本日登場する男子重量挙げ 62kg 級の金恩国も北朝鮮のメダルが期待できる選手。ライバルは中国の張杰 ( Zhang Jie ) でアジア大会 2010、昨年の世界選手権で共に張杰が勝って金メダルを勝ち取っているがその差は下記の通りに迫ってきている。



2010アジア大会 張杰321 kg ( スナッチ145kg ジャーク 176kg ) 金恩国 317kg ( スナッチ147kg ジャーク 170kg)
2011世界選手権 張杰321 kg ( スナッチ145kg ジャーク 176kg ) 金恩国 320kg ( スナッチ150kg ジャーク 170kg)



またインドネシアの Eko Yuli Irawan がアジア大会 2010 310kg  , ( スナッチ147 ジャーク 170 ) 世界選手権 2011 310kg ( スナッチ139kg ジャーク 171kg) で共に3位に入っており、アジア勢で表彰台が独占されるかもしれない。 



北朝鮮選手の活躍もさることながらこれまで行われてきた種目のクラスにも由るのだけど重量挙げ種目でのアジア勢の上位独占が目立つ。 ロンドン五輪では女子48kg級で三宅宏美が銀メダルを勝ち取ったけど昨年の世界選手権そして2010年の広州アジア大会の重量挙げ競技で日本勢はなんと誰も表彰台に立っていない。 女子69kg級で谷綾乃が6位に入ったのが最高だった。

もっともっと重量挙げで日本は強いと思ってたんだけどなぁ。 まぁ俺が言うことでもないか? 

昨日の八木かなえは12位に終わったけど可愛かった。その可愛さは少し前から定評があったらしい。
そして目をひいたのはパプアニューギニア代表の Dika Toua 。 シドニー五輪では48kg級に出場。これはパプアニューギニアから初めてオリンピックに出場した選手だった。 4年後のアテネ大会では 53kg 級で出場し177.5kg の記録で何と6位入賞を果たした。 彼女の挑戦は尚も続き北京五輪では184kg で8位。そして4回目の五輪出場となったロンドン五輪では174kg ( スナッチ 79 ジャーク 95 ) で12位だった。

どこの国にもアスリートはいるのだ。 ということを再認識した。 今夜も重量挙げにはまりそうだ。 



スペイン相手に白星発進。これで首位通過の可能性も…

2012-07-29 | 夏季五輪

ロンドン五輪もサッカーに日本が出場をしている。これで5大会連続だ。しかも3大会連続で男女が出場している。
日本の五輪がサッカー競技で始まるのが定番になるなんてバルセロナ五輪前迄考えられなかった。

日本選手団の先陣を切って出場したなでしこジャパンは恐らくいつもよりも多くの日本人が注目したであろうこの試合でカナダを 2-1 で降し白星発進。さすが世界女王と言いたくなる。それでも試合後、佐々木監督へはインタビューの中で“我々は確かにチャンピオンにはなりましたけど、オリンピックではチャンピオンではないので我々はチャレンジャーとして選手一丸となってやっていますので……。” というコメントには泣かせられた。

そして日本は何と何とスペインを破っての白星スタート。まるでサッカーのワールドカップの様な気がして来た。

初戦スペイン戦.....

この言葉を懐かしく思い出す人はかなりベテランのサッカーファンじゃないかな....
1979年 ワールドカップやオリンピックではアジアの壁が高すぎて世界の舞台なんて遠くからしか見られなかった時代、自国開催でないと日本が“サッカーの世界選手権”には参加できないと考えられていたその時代に第2回FIFA ワールドユース大会が日本で開催された。自分が記憶に残る始めて日本が世界レベルの公式大会に出場した大会で1年位前からこの大会を楽しみにしていた。最終的に誰が選ばれるのか、とか対戦相手が決まったらどうやって1次リーグを突破するのだろう...とか。

最終メンバーは後に die Bundesliga でプレーする尾崎和寿夫そして柱谷幸一、水沼貴史、宮内聡(元日本女子代表監督)、当時現役高校生だった風間八宏(当時清水東)名取篤(帝京)鈴木淳(仙台向山 -元大宮監督)ら3選手が選ばれた。名取は出場機会が無かったが翌年始めに行われた全国高校サッカー選手権で帝京を優勝に導くなど活躍し自分も同じ高校生なのにえらい違いだなぁと思った。関西勢も選考の時から気にしていた。GK鈴木康仁(摂津-国士舘)、そして猿沢茂(大阪体育大)らが最終メンバーに残った。監督は松本育夫氏だった。 当然候補に上がりながら最終メンバーに入らなかった選手の方が当然多かった。自分が期待していた佐々木博和(枚方クラブ-松下電器-ヴェルディーセレッソ)や樋口靖洋横浜Fマリノス監督(当時四日市中央)今回の五輪代表の関塚監督もその一人だった。

だから最終メンバーに選ばれた選手達は世界を相手にするのでものすごく上手いんだろうなぁと思った(当たり前か?)。

今は FIFA U-20 と呼ばれているけどそのワールドユース大会、日本の相手は初戦がスペイン、第二戦がアルジェリアそして第三戦がメキシコ戦だった。 どこも強豪だった。何とか初戦のスペイン戦は引き分けて第二戦のアルジェリアに勝って最終戦のメキシコ戦は引き分けて上位2カ国が進出できる準々決勝戦に....と願っていた。そうすれば恐らくマラドーナやラモン=ディアスのいるアルゼンチンとの対戦になると思ったけどとにかく1次リーグ突破だけを願った。

夏休みも終わりかけの8月25日、国立競技場で行われたスペイン戦はテレビで観戦した。もちろん優勢に試合を進めるのはスペインだけど日本選手がボールを持つと大歓声が上がった。だけど今も覚えているけど日本はほとんどシュートまで持ち込めなかったんじゃないかなぁ.... 0-0 で迎えた後半スペインの Zuniga が放ったミドルシュートが日本ゴールに突き刺さりそれが決勝点となった。まだ残り時間は35分以上あったけど、その1点が挽回できるとはテレビを見ていて思えなかった。何とか0-0 のまま試合が終わってくれと思っていた。 そして日本ユース代表は続くアルジェリア戦は押し気味に進めながら 0-0 で引き分け、第3戦のメキシコ戦はついに水沼のゴールが決まり先制をするも同点に追いつかれ引き分けに終わった。

メキシコ戦の前に行われたスペイン対アルジェリア戦でアルジェリアが既に1次リーグ突破を決めていたスペインに 1-0 で勝っていたので日本はメキシコ戦を前にして1次リーグ敗退が決まっていた.....

そしていつの日か日本がアジア地区予選を突破して世界の大会に...と願ったがそれが実現したのはそれから14年後、またも地元開催の FIFA U-17 大会まで待たねばならなかった..... でもその2年前に女子代表が第一回ワールドカップに出場していた。

            

アジアとは異なり欧州では五輪サッカーの位置づけが著しく低く、欧州のサッカーファンの中には“オリンピックにサッカーなんてあるのか?”と思っていた人にも多く出くわした。 “地元”英国開催の五輪で最も注目されるのは64年ぶりに結成された英国代表 Team GB とスペインがワールドカップ、EURO2012 に続いてメジャーな大会で“3連覇”を納めるかどうかということ、というのが地元紙を見ても良くわかった。

David de Gea dreams of more Spanish football success 

Manchester United のGKは更なるスペインの偉業を楽しみにしている。
“我々はフル代表の様にプレーをしている。15歳の時から常にそうしている。それがスペイン人のやり方でそうして勝利を得て来た。”こう語ったのは David de Gea だ。

想像をして見ると良い。表彰台の上に立ち、国家が流れる。金メダルが選手のクビに….それが夢だ。“スペインは世界王者で欧州チャンピオン。昨年夏は欧州U-21 で優勝しこの夏には EURO U-19 で優勝したばかりだ。そして今彼らは五輪のタイトルを欲している。

もしあなたがスペインは成功に満ち足りているのか?と考えた時に、もう一度考えてみよ。もしオリンピック何て関係無いと考えているのであればあなたは間違っている。 南アフリカとウクライナでの成功は彼らの望み、そしてプレッシャーとユニークな世界へと繋がって来る。それはワールドカップ、 EURO そして五輪のタイトルを同時に勝ち取ることだ。

スペインは1992年地元開催のBarcelona五輪で金メダルを勝ち取った。決勝戦の相手はポーランド。前半に Wociech Kowakczyk のゴールでポーランドが先制したがこのゴールはBarcelona五輪でスペインが6試合目にして喫した初失点だった。しかしスペインは Abelardo Fernandez のゴールで追いつく。このゴールはこの試合を観戦に来た Juan Carlos 国王とその家族が着席した4分後に決まったゴールだった。そして同点ゴールから6分後 Kiko こと Francisco Narvadez がゴールを決めて逆転をするも72分ポーランドは Ryszard Stanieck の同点で追いつく。試合は延長戦に入るかと思われた89分、最後は Atlético Madrid のKiko のゴールで 95,000人の観衆を集めた Camp Nou での激闘に終止符を討った。この時のスペイン代表は同年スウェーデンで開催された EURO1992 には何と予選で落ちて本大会に残れなかった。それだけにこの五輪での勝利は少し溜飲を下げられたのでは無かったか?

それよりもこの時は久々にハイパフォーマンスを見せたポーランドの方が気になった。大会得点王となった Andrzej Juskowiak や Wojciech Kowalczyk ら優秀な選手が出て来て以降のワールドカップや欧州選手権が期待されたけどその後ポーランドがメジャーな大会に進出すしたのは10年後の FIFA ワールドカップ2002 だった。

そしてスペインはバルセロナ五輪前迄に出場した16回のオリンピックで勝ち取った金メダルは意外にわずか4個であった。そしてこのバルセロナ五輪で13個の金メダルを勝ち取りその1つがこの五輪から年齢制限の設けられたサッカーだった。小学校の時に開催された札幌五輪で Fransisco Fernandez Ochoa の男子回転競技で金メダルを勝ち取ったがそれがスペイン史上最初の金メダルと当時報道されたのを憶えているが、夏季五輪はもっと金メダルを取っていると思っていた。
運動神経ある子供はみんなサッカー選手になるのかなぁ~と思った。

          

   

スペインが五輪に掛ける意気込みとして over age に Juan Mata, Jordi Alba そして Javi Martínez ら EURO2012 のメンバーを入れている。 Sergio Busquets も大会参加をほのめかす程であった。“これが全てを物語っている。 彼らはフル代表では全てを手に入れた。しかしまだ我々と共にプレーをする為に五輪にやってこようとしている。”
De Gea の様にMataも UEFA U-21 2011 のメンバーでこの五輪チームのベースとなっている。 その当時のU-21のスタメンの中でDidac Vila と怪我で参加を見送った Thiago だけが五輪メンバー入りせず Didac Vila に替って召集されたのが Jordi Alba であるが彼でさえ23歳である。  

Atlético Madridの Adrián Lopez は昨シーズンの UEFA Europe League の大会得点ランク2位で Athletic Bilban の Iker Munian はEurope League と Copa del Rey のファイナリストだ。 Malaga の創造的 FW Isco は同世代 ( Isco は20歳 ) の中で最も才能があると前のスペイン連盟のスポーツディレクターに言われた逸材。

昨シーズン Premiership のタイトルを逃した Manchester United のメンバーはシーズン終了後おのおのの生活に入ったが Ryan Giggs は De Gea に “ See you in the final “ と云ったそうだ。

21歳のスペイン人選手が8月11日にウェンブリーで試合を行う事を想像すると言う事はまことしやかなことであろう。“決勝戦で英国と対戦したい。しかし大事な事はそこに我々がいるかと云う事だ。 もしそこに Beckham がいれば彼を見に来る人にとっては良かった事だと思う。しかし Giggs がそこにいる。 彼は一流の兵士だ。 彼は素晴らしい人間で偉大な選手だ。率直にいえば質素でつまらない。信じられない事に彼は38歳でプレーしている。彼は才能を持って生まれた。そして本当に自分をケアーしている。我々はまた Old Trafford でプレーをする。(第三戦のモロッコ戦)”それは私にとってはより特別な事で、それだけに我々の方を応援するファンがいると期待させられる。 私はいつも England ではスペインサッカーは人気があるといつも感じている。それがここは第二のホームと思わせられる事だ。“

Spain's Juan Mata wants Olympic gold after Euro 2012 win

“恐らく我々は苦戦する事も無く金メダルを勝ち取らねばならないと思われているだろう。しかしそれは容易ではない。 タイトルを狙う大変強いチームを構成した国が参加している。我々は勝利しかないと予想されている。私達も出来る限りそうありたいがそれは難しい事だ。スペインはここ数年勝ち続けているがその背景には犠牲と多くのハードワークがあったからで、以降に続く良き道であると思う。 個人的には大変ファンタスティックなシーズンだった。そしてもし五輪で勝つ事が出来れば完璧な夏となり、これ以上求める事のない England での最初のシーズンとなるだろう。“

“我々は長い間共にプレーして来た。お互いにどの様にプレーし、どの様に取り組むかをよく若手いる。 だから早く一緒にプレーするのが楽しみだ。我々は代表チームの様にプレーし、そのスタイルはどういう年代レベルでも同じだ。ボールを後方から前に運びポゼッションをキープしチャンスを創る為に協力する。 U-15 レベルからそのスタイルは変わらずそれがスペインのやり方であり、栄誉を創り続けている。
“フル代表の方は我々が望もうと望まないともレベルを高く上げ我々にプレッシャーを与えている。それが我々にもモチベーションになっている。 我々はフル代表と張り合おうとして来た。 それは容易では無かったが我々が良いチームであった事を知っている。 人々は大会の最優秀選手になりたいかと訊ねる。 私はどちらかと言えば攻撃的選手の一人だ。”

こう語ったのは Juan Mata だった。
Juan Mata はロンドン五輪で金メダルを勝ち取り "perfect summer" を成し遂げたいとの事である。

今シーズンの Mata は Chelsea のメンバーとして UEFA Champions League, FA Cup そして EURO 2012 で優勝を納めた。そしてそのタイトルに五輪の栄光を添えたいと思っていた。

しかし Mata が EURO2012 でプレーしたのは決勝戦のイタリア戦の最後の3分だけ。そこでゴールを決めたとはいえ良い思い出は無いと思われる。それだけに五輪のタイトルには並々ならぬ思いを寄せていると思った

英国の報道を見てもスペインの初戦の相手が日本であるとは皆目報道されておらず、スペインの方も真剣に日本をスカウティングするなんてしなかったと思う。それでも勝てると思っていただろうし、キックオフ前はむしろそれを私は望んでいた。
例え1%に満たなくてもそれが勝点に繋がるとおもったからだ。

 こんなメンバーどうやって…

なでしこがカナダを降した翌日 U-23 五輪チームはスペインと対戦する事に。 

7月11日に国立競技場で行われた New Zealand Oly Whites との壮行試合を見たときには“こりゃまた3連敗とちゃうか?”と思わされたけど、以降ベラルーシ戦 2-1 , メキシコ戦 1-0 をテレビで見るとチームの状態は上がっているなぁと思った。

何と言ってもメキシコに“勝った”事が大きいと思った。 それでもスペインに勝てる保証にはならない。 スペイン相手には何とか引分け、負けても1点差負けまでと云うのが願いだった。両チームのスタメンは下記の通りだった。

                         GK 1 De Gea( Manchester United )

       12 M. Montoya   3 A. Dominguez     5 I. Martinez     6 J. Alba
        ( FC Barça )   (Mönchengladbach )  ( R.Sociedad )   ( FC Barça )

                          4 J. Martinez ( A. Bilbao )

               15 Isco                          11 Koke
              ( Malaga )                       ( A. Madrid )

        10 J. Mata                                 9 Rodrigo
        ( Chelsea )                               ( S.L. Benfica )

                           7 Adrian Lopez( A. Madrid )

                            11 永井

          7 大津              10 東                17 清武

                  3 扇原                16 山口

         2 徳永        5 吉田            13 鈴木         4 酒井宏

             
                          GK 1 権田




GK De Gea, DF Montoya, A. Dominguez MF J. Mata そして FW A. Lopez ら5選手が UEFA 2011 U-21 のメンバーだった。CBの Javi Martinez そして Iker Munyain ( 共に Athletic Bilbao ) らはベンチスタートだった。

日本はover age の徳永と吉田以外はアジア地区予選のレギュラーメンバー。 2列目左に大津が宇佐美に替って入っただけであとは21日のメキシコ戦と同じスタメン。個人的にはワールドカップ南アフリカ大会の初戦の様にアンカーを入れてゼロトップにするのではと想像していた。 それはSBは右に酒井宏樹、左に高徳。CBは吉田と徳永の over age でアンカーに鈴木か山村を入れてボランチは扇原と山口蛍。2列目は右に清武、左に東を入れてトップには大津。守備で頑張れる選手を入れて何とか無失点で防いで終盤に永井のスピードと宇佐美のドリブル。または杉本の高さ…と想像していたけど、流石に関塚監督は違った考えというよりも選手の能力を信頼したスタメンとなった。( 当たり前か??)  
                                                                続く…..


ロンドン五輪開幕  メダルラッシュ…となって欲しいなぁ 

2012-07-29 | 夏季五輪
現地時間の7月27日、ついにロンドン五輪が開会式を迎え各競技、種目が順次始まった。
共に白星発進だった男女のサッカー競技が開会式の前から始まったていたので、あの2010年ワールドカップ南アフリカ大会の時の様にものすごく幸せな気分になり、あたかもサッカーのワールドカップがまた始まった様な感覚だったけど、本格的に各競技が始まりそれぞれの結果に一喜一憂する事となるのか~と思った。

三宅宏美3度目の正直で銀メダル
初日の競技結果で最も感動したのは女子重量挙げ48kg級で銀メダルを勝ち取った三宅宏美選手だ。
大会前あまり話題にならなかったけどアテネ五輪で9位、北京五輪で6位に入った後に3度目の五輪挑戦だった。
北京五輪では2年前、サントドミンゴで開催された世界選手権 48kg で銅メダルを勝ち取ったので期待していたけどメダルに届かず試合後のインタビューを見た時はもう引退知るかな~?と勝手に思ってしまった。
北京五輪後出場クラスを 53kg に上げたけど2010年広州でのアジア大会では優勝した中国の Li Ping に40kgの差を付けられて7位。 昨年パリでは6位 ( それでロンドン五輪が内定した。) と表彰台に登れなかった。 どの時点で48kg 級に戻したのかは知らないけど、見事な銀メダルだった。



この種目は中国が強く広州アジア大会2010 では王明娟 ( Wang Ming Juan ) が2位の Pensiri Laosirikul ( タイ ) に18kg ( 192kg ジャーク 83kg スナッチ 109kg ) の大差を付けるアジア大会記録となった210kg ( スナッチ 95kg ジャーク 115kg ) で優勝した。昨年の世界選手権では中国の王明娟ではなく田原( Tian Yuan ) が207kg ( スナッチ90kg ジャーク110kg ) で優勝した。この時の銀メダルもタイの Pensiri Laosirikul ( 187kg スナッチ 80 ジャーク107) だった。ロンドン五輪では王明娟が代表となり205kg ( スナッチ 91kg ジャーク114 kg ) で金メダルを勝ち取った。
そして銀メダルの三宅は197kg ( スナッチ 87kg ジャーク110kg ) 銅メダルは北朝鮮のリャンチュンファ ( 192kg スナッチ 80 ジャーク 112 ) が勝ち取った。 アジア大会、世界選手権で2位だった Pensiri Laosirikul はリャンチュンファのわずか1kg及ばない 191kg ( スナッチ 82kg ジャーク 109kg ) で4位。メダルに届かなかった。



五輪でアジア勢が表彰台を独占するのも見ていて悪くはないと思った。 そしてこの際この競技を世界選手権、アジア大会の戦績を見ながら楽しんでみようかと思った。 
またこの種目に出場したもう1人の日本人選手水落穂南選手が6位 ( 176kg スナッチ 80kg ジャーク 96kg ) で6位入賞した事も下記落としてはならない。

内村大丈夫か?これは協会の責任。

金メダルラッシュが期待された男子体操と云うよりも内村航平だけどミスを連発し本人も“何しに来たんだか….”とのコメントを残したらしい。個人総合では89.764 に留まり9位で決勝進出を決めたけどトップのダネル・レイバ(アメリカ) 91.265 から1.501 差、3位のファビアン・ファンブッケン 90.765 とは 1.001 差。 これをどこまで詰めてくれるか? 普通どおりの演技さえ出来ればと思うけど、
この時点で種目別決勝に進めたのは床運動、平行棒の2種目だけで得意の鉄棒は決勝に残れなかった。
そして団体でも日本は270.503 で5位に留まり1位のアメリカ 275.342 から 4.839, 272.420 で3位のイギリスから1.917 点差を付けられた。 ただ日本の最大のライバルと見られた中国もミスを連発。 団体では日本を下回る 269.985 で6位での予選通過だった。
原因はおそらく器具だと思う。 聞いた話では今大会はフランス製の器具を採用されているとの事であるが内村を始め選手達がその器具を使って練習をしたのは日本チームがロンドンの向けて旅立った五輪直前合宿。 その時の模様がテレビで伝えられ、内村を始め日本選手が器具がしならないと漏らしていたのを見た。 



本当に体操協会は一体何をしているのだろう?どこの器具を使うかと云う事くらい一早く情報をキャッチしそれと同等品を輸入し選手達に早く慣れさせるという事を何故しなかったのだろう?まさか使用する器具が発表されたのは大会直前と云う事はあるまい。
昔あるスポーツ雑誌で日本が五輪5連覇を成し遂げている最中でもある著名ジャーナリストは“ 協会は誰も何もしない。ライバルソ連は役員を世界体操連盟に送り込んだり国家を上げて日本対策を行っている。だけど協会の役員は4年に一度五輪で勝った勝ったと喜ぶだけだ…..”
今、内村航平達のおかげで1990年代初めに停滞した日本体操界はまた体操人気が出て来て世界でもトップを走れる様になった。選手達の血のにじむような努力だけでなく協会の役員達が何をすべきかを考えなければならないと思うであるが….
兎に角選手達の奮起を祈る。



昨日はなでしこが準々決勝進出を決めて、男子 U-23 は今晩モロッコ戦に臨む。
サッカーに就いては改めて解説します。(誰も読まないか?)  
そして今日も滅茶苦茶暑い。 朝10時前からクーラー掛けたら嫁はんに怒られた。でもスイッチは入れたままだったぞ!!

それから開会式の Paul McCartney は恰好良かった。一番恰好良かった。

キックオフは明日。英国紙を賑わすなでしこ

2012-07-25 | 夏季五輪

 いよいよ明日。ロンドン五輪、日本選手団の先陣を切ってなでしこ達がカナダと対戦する。
北京五輪とは大違い。 あの時は地元中国を破って準決勝に進出したなでしこ達を称賛するマスコミはほぼ皆無だった。むしろメダルを1歩手前で逃した事ばかりがクローズアップされた。
ロンドン五輪では他の競技よりもまるでワールドカップの様にサッカーが非常にクローズアップされ過ぎている気がする。
しかし大会前に彼女達がある“使命”を負う様な記事が地元紙に。

Japan's female athletes fly economy while men's team sit in business 男子チームがビジネスクラスに座る一方で日本の女子アスリート達はエコノミークラスで飛び立つ

彼女達は世界女王天災に見まわれた自国に希望を齎した。しかし日本の女子五輪サッカーチームは欧州への疲れるフライトをエコノミークラスでの移動させられその一方であまり祝福されない男子チームはビジネスクラスでリラックスしていた。
ドイツで女子ワールドカップを掲げ挙げたなでしこジャパンを取り巻くこの問題は東京から日航機が到着すると過ぎに明らかになった。

“反対だと思うんですけどね。年齢的にも私達の方がシニアなのに。”チームのスーパースターである澤穂希が日本のメディアに冗談っぽく語った。

こう言う行で始まった記事は澤自身が4度目の五輪挑戦である事、昨年のワールドカップで優勝した後の帰国路はビジネスクラスで帰らせて貰った事も語ったと述べられている。そして彼女達はメダルが期待できると言うおかげで少し脚が伸ばせる Premium Economy クラスが準備されたとも書かれていた。 
ワールドカップでの優勝に就いては“なでしこジャパンは昨夏ドイツから帰国した時は英雄的に出迎えられ、その勝利は3月11日に起こった約20,000人の犠牲者と福島での原子力発電所事故を出した津波を引きずっていた日本人達にめったにない貴重な光であった。”と表現され、ワールドカップ後、日本で最初にチームとして政府からの栄誉(国民栄誉賞)を受けたおかげで澤を始め他の選手達がコマーシャルやテレビへの出演が増えた事も書かれていた。

またロンドンに向けて出発する前に国立競技場で行われた試合で女子チームがオーストラリアを難なく 3-0 で降した一方で男子はニュージーランドと 1-1で引分け好印象を与えられなかった事。そしてなでしこはロンドンで金メダルを期待されているのに対して男子は初戦は難敵スペインと相対し以降モロッコ、ホンジュラスと対戦が続きメダルは期待できないと書かれていた。

日本オリンピック委員会は柔道やレスリングの様な体格の大きな選手以外は殆どがエコノミークラスで開催地に向かっていると語っている事も書かれており最後に澤が “我々がワールドカップで優勝した時、帰りのフライトはビジネスクラスにアップグレードしてくれた。五輪でも良い結果を残して再び同じ様な事が出来る様に希望している。”という彼女のコメントで締めくくっていた。

しかしこれに関連する記事はまだ続いた。

Japan, Australia and organisers face sexism claims  日本、オーストラリアそして主催者側は性差別に直面している。

オリンピック行きの航空機に乗り込むともしあなたが男性ならば左側に案内され女性ならば右側に行かされる。
要するに男性は機内前方のビジネスクラスに。女性は後方のエコノミークラスにと云う事らしい。

記事はなでしこ達がエコノミークラスでのフライトを強いられた事だけでなく、同様の事はオーストラリアの男女バスケットボールチームの事でも起こっていたと書かれている。
オーストラリアバスケット協会も Boomers として知られる男子代表チームはシドニーから比較的リラックス出来るビジネスクラスで出掛けた一方で Opals と言われている女子代表はエコノミークラスで飛び立ったと書かれている。オーストラリアの Sydney Morning Herald 紙には男女それぞれ予算がある為にこの様な事となったとスポークスマンは語っていると書かれていたと報道。

 “まず第一に我々は常に選手達の健康を意識している。代表チームの移動の準備に就いては異なった要因が考慮される。身長や身体のサイズ等が優先して考慮される。男子バスケットの平均身長は 200.2cm で女子は 183cm である。 とスポークスマンは語ったらしいが女子選手のLiz Cambage は203cm で男子のAdam Gibson は 188cm でPatrick Mills は183cm である。と同紙は述べているとの事。

また矛先は LOCOG ロンドン五輪パラリンピック競技委員会にも向けられている。それはスラロームカヌー競技で男子はカナディアンシングル、ペア、カヤックシングルと3種目あるのに女子はカヤックシングル1種目しか採用されていないと言う事だ。今の女子カナディアンシングルの英国チャンピオンであるSamantha Rippington は LOCOG がこの種目を除外した事に就いて
 “私が訊ねたい事はただ LOCOG に二つの単純な質問に答えて欲しいと言う事だ。それは男子にはある5種目のオリンピックカヌー競技が女子には無いのは差別ではないのかと云う事とこう言った事が続くのかと云う事だ。”
12歳からカヌーを始めた27歳の Reading 出身の彼女はロンドン五輪を邪魔する気は全く無いが、彼女は LOCOG の公平な再調査の下での決定が次のリオでの競技委員会にプレッシャーを与える事を希望していると述べている。

戦前、あの人見絹江選手が活躍していた頃は女子だけの五輪があった。多くの女子選手、役員の努力の積み重ねにより多くの女子選手が五輪で活躍出来る場が出来た。世界的にスポーツのプロ化が進む事により五輪種目に採用されているかいないかは競技自身の死活問題になる。

なでしこフランスに完敗でも心配は無用….

7月20日、Paris Charlety 競技場で行われたフランスとの試合で 0-2 で敗れた。  

この試合はオーストラリア戦から少しメンバーを替えたスタメンで臨んだ。大儀見と組む2トップは安藤では無くオーストラリア戦では2列目左だった川澄がFWに上がり、宮間が右から左に回り2列目右には大野がスタメンに入った。 そしてGKはこの試合も福元が先発だった。

対戦相手のフランスは欧州でも1,2を争う強豪。昨年のワールドカップでも準決勝に進出した。スタメンも代表出場数177、18ゴールを数える38歳大ベテランの Sandrine Soubeyrabd こそ出場しなかったが、代表36ゴールの FW Marie-Laure Delie 、代表出場 150 試合のベテラン Sonia Bompastor らがスタメンに起用されスタメン11選手の出場数をトータルすると817試合にもなるほぼベストメンバー。7選手が Lyon 所属の選手だった.



試合は地元の声援を受けるフランスが開始から押す展開。なでしこたちは移動の疲れとこれまでの合宿の練習疲れからか最初の一歩がいまいち。ワントップの Delie ががんがん上がってくる。更にトップしたの Necib もなかなか良い縦パスを Delie に通してくる。なでしこでは大儀見がさすが die Bundesliga 所属といわせるあたりの強さを見せるけど頼みの宮間、大野が厳しいというよりも早いチェックに合いボールをうまく出せない。澤へのマークも当然の様に厳しい。



昨年のワールドカップでは準決勝まで進出しアメリカに敗れている。そのアメリカと五輪では初戦に当たる。 なでしこが1位でグループを通過するとおそらく2位になるかもしれないフランスと当たることも。 最近は男子代表チームではアフリカ系の選手が減ったけど女子には何人かアフリカ系の選手が。さすがに縦のスピードは速い。 Wendie Renard は185cmもあり右サイドの Corine Franco はがんがん上がってきてまた日本の左サイドにボールを放り込むあたり鮫島を上げささないということからかよく研究しているなぁと思った。
なんとか持ちこたえてくれよと思うも24分 Nacib のスルーパスがなでしこDF陣の間に通され Marie Laure Delie が走りこみ福元の守るゴールに蹴りこみフランスが先制をした。ちょっとDF陣がみなボールを目で追っていたか? 前半終了間際に宮間のシュートがゴールポストを叩いたのがGK Bouhaddi を唯一脅かしたシーンで前半は 1-0 で折り返した。

後半開始前に行われた選手交替はGK福元が海堀に替わっただけだった。そしてフランスの方が52分意先に Delie に替わって Eugenie Le Sommer を投入する。これでピッチ上に Lyon 所属の選手は8人となった。 なでしこベンチは67分に川澄を下げて安藤ではなくマラドーナ岩渕をついに投入する。脚は大丈夫か、そしてドリブルで切り裂いてくれ…と思うも大きな選手に体を寄せられて押さえ込まれてしまう。



そして74分右CKにあわせた Wendie Renard のヘッドがなでしこゴールに突き刺さりリードを広げられてしまった。大野が下がって安藤が入った直後だった。 そしてなでしこは時折映ったパリの日本人学校の子供たちを沸かせるシーンは少なく最後までゴールを奪うことが出来ずに完封負けを喫してしまった。彼女たちが完封されるなんて何試合ぶりだろう…



この勝利にフランスは25日のアメリカ戦を前にかなりの自信を持った様でフランス各誌は “アメリカ戦を前に多くの自信を…” てな見出しが見られた。 

MFのGaëtane Thiney はこの試合結果を“明らかに我々に大きな自信を与えた。しかしこれはまだ我々自身のフィジカルや戦術、守備の連携を調整する為の準備試合に過ぎない。我々はもっとゴールに出来るチャンスがあった。自身のゴールはオリンピックに取っておこう。フィジカルは徐々に良くなってきており五輪本番では更に良くなるだろう。” と語り終了直前に投入された DF Laura Boulleau は“DFとしてトッププレーヤーと相対するのは非常に興味があることだ。ワールドカップ以降守備能力は上がってきていると述べた。しかし Catala は”これは重要な試合ではない。他の国同様まだ試合はある。“と語ったらしい。



フランスの初戦はアメリカ戦でどうしてもこちらにピークを持っていかざるを得ない。陸上の長距離をやっていた経験から言わせて貰うと(あまり関係ないか?)試合の4日前から練習量を落として競技に備えるので5~6日前は疲労がピークだ。運動量を必要とする彼女たちにフランス戦でベストコンディションを要求するのは少し酷だ。
夕刊紙等は大げさに“内部崩壊”とかの見出しを付け、スポーツ新聞でも否定的な見出しを付けていた。
日本も初戦は大事であるがこの試合の出来上がりは当然100%ではなくそうである必要も無い。この試合からコンディションを上げて行くことだろうから今夜行われる緒戦のカナダ戦には当然結果は出してくれると信じている。

4年前私達に感動を与えてくれた女子ソフトボール種目は五輪競技から外されいつ再採用されるか解らない。そして日本のマスコミもソフトボールを全く取り上げなくなってしまった。

第13回世界女子ソフトボール選手権の決勝戦に進出した日本は宿敵アメリカを延長10回の末 2-1 で破り42年振りの世界選手権優勝を果たした。 あの上野由岐子がまたアメリカ打線を1失点に抑えたのだ。

こう言う報道をもっとしろよ。そして五輪選手団に伝えろよ!彼女たちの無言のエールじゃないのか…..と思ったよ…..

 

 

 

 

 

 


Matildas 4年前に続いて来日…. なでしこジャパン 3-0 Australia Matildas 11th July

2012-07-21 | 夏季五輪

なでしこのキックオフで始まった試合は、開始早々鮫島のスローインを受けた川澄が左サイドからドリブルでしかけるが Slatyer がマークに入りCKに。宮間が入れたCKに澤がネァーサイドに飛び込みGKBarbieriと競りながら頭に当てたボールは後方の Slatyer の肩にあたり Matildas ゴールに。これを Uzunlar が蹴り出し最後は Barbieri が抑えた。このシーンを見た時に以降はなでしこが主導権をもって試合を進めるだろうなぁ、と思った。

New Zealand Ferns に1勝1分

昨年9月中国で開催されたロンドン五輪女子サッカーアジア地区最終予選で3位となり2大会連続で五輪出場を逃したオーストラリアサッカー女子代表 Matildas は北京五輪前にも神戸でなでしこジャパンと壮行試合を行う為に来日した。この時も男女五輪代表の壮行試合のダブルヘッダーで男子もオーストラリア代表 Olyroos だった。 なんで関東で開催してくれなかったんだろう….と当時悲しく思った。
この試合はなでしこが Matildas を 澤、大儀見(当時は永里)そして丸山佳里奈のゴールで3-0 で降した。当時のなでしこメンバーでロンドン五輪メンバーにも選ばれた選手はGK福元、安藤、近賀、岩清水、澤、宮間、阪口、矢野、大儀見、そして丸山佳里奈、海堀(途中から出場)。当時の試合に出場した Matildas のメンバーで今回は GK Melissa Baribieri, Kathryn Gill, Servet Uzunlar, Brooke Spence, Kyah Simon の5人が遠征メンバーに入っていた。

2011年のワールドカップでは2007年大会に続いてベスト8に進出したが連続して五輪出場を逃した Matildas は今若返りを図っている来しいが監督はワールドカップ、五輪予選と同じ Tom Sermanni 監督。 
来日前に New Zealand Ferns 事ニュージーランド女子代表とキャンベラで2試合行い1勝 ( 2-0 ) 1分( 1-1 )であった。
6月24日に行われた初戦では50分にニュージーランドの Hayley Moorwood に先制ゴールを許し、このまま1994年以来そしてオーストラリアの地では1991年以来、ニュージーランド女子代表が Matilodas を破るのかと思われたロスタイムに Thea Slayter がヘッドで同点ゴールを決め何とか引分けに持ち込んだ。



この試合には GK Barbieri を始め Teigen Allen, Clare Polkinghome, Laura Alleway, Catitlin Foord, Elluse Perry らワールドカップ2011メンバーと Sara Warsh らが出場していた。
終了直前の Slayter のゴールで何とか引き分けたが Sermanni 監督は“ 引分けと云う結果は大変に素晴らしい。これは新たにメンバー入りした選手には多くの自信を齎しただろう。”と肯定的なコメント。 
“多くの代表デビュー選手や代表歴の少ない選手がチームにいたので、その将来は明るいものと思われた。与えられた環境下であまり一緒にトレーニングをする機会が無い中多くのチャンスを創れた事は喜ばしい事だった。五輪前の準備期間にあるニュージーランドのコンディションはピークにあり、大変組織化されていた。これは良いドリル(練習)となった。” とも語った。

3日後の6月27日に行われた New Zealand Ferns との第二戦は Sarah Walsh の2ゴールで Matildas が勝利を収めた。
これで Walsh は代表でのゴール数を31とし Cheryl Salisbury のもつ代表での38得点まであと7と迫った。
Sarah Walsh はアテネ五輪、ワールドカップ2007中国大会そして 2006, 2010 AFC Women’s Asian Cup にも出場している。
昨年のワールドカップは残念ながら怪我で出場出来なかった。 Sarah が出ていれば準々決勝のスウェーデン戦に勝って日本と準決勝戦であたっていたかもしれない。そのほうが面白かったかもしれない。 FIFA World Cup 2006 で日本がオーストラリアに敗れた地、ドイツでなでしこが仇を討つ、と云う事を楽しみにしていたんだけど。

そしてゴールポストやクロスバーに助けられはしたが GK Barbieri の無失点試合数も34に伸ばした試合でもあった。
“あなた達は我々がたやすく勝利を得たとおもっているだろう。確かにいくつかの素晴らしい football を見せて試合が進むにつれてチャンスを多く作った。我々はここにまだ試した事のないコンビネーションで試合に臨みロンドン五輪の為に最終調整をおこなっているチーム相手に1勝1分を納めた。であるからこの結果には大変満足している。数日かけて翌月の日本遠征を選抜する” この様に Sermanni 監督は語った。 
殊勲の Walsh は “元 Matildas選手達からはニュージーランド戦の不敗試合を続けることへのプレッシャーを受けた。18年も負けていないチーム相手に敗戦を喫するメンバーに入りたくないという事には一般の人には理解できないプレッシャーがある。五輪を前にしたニュージーランドの選手達は我々よりもよく準備が出来ていた。だからプレッシャーも大変だった。若い選手達はこの試合が良いステップアップになっただろう。 スコアーシートを見ると最初の Ellyse Perry のクロスが良かった。私は普段はヘディングはあまり得意ではないが上手く合わせられた。前半にはいくつかチャンスをミスしてしまった。だから後半は何とか決めねばと思った。 丁度足元の良い位置にボールが来て中にまさにシュートを撃ちたい位置に切れ込む事が出来た。特にこの様な試合で1試合に2ゴールできると言う事は大変な安堵となった。” 日本遠征を前にこう語った。

    

若手中心の日本戦遠征メンバー

来日メンバー18人中、ワールドカップ2011メンバーだったのは GK Melissa Barbieri , DF Laura Alleway, Teigen Allen, MF Tameka Butt,  Servet Uzunlar  FW Caitlin Foord, Kyah Simon の7選手。 Uzunlar, Butt, Simon はニュージーランド戦には召集されなかった様で反対に Kyah Simon, Clare Polinghome, Ellyse Perry といったニュージーランド戦に出場していたワールドカップ 2011メンバーは来日しなかった。 
“日本の様なそして特に昨年素晴らしい偉業を達成したチームと対戦すると言う事はもし勝つ事が出来れば素晴らしい事だと思うがそれは非常に困難なこととも思う。しかし五輪前に招かれて日本と試合をするという事は大変な名誉である。“ Sermanni 監督はこう語った。 DF Daniel Brogan はニュージーランドとの違いを語る。” ニュージーランドの質の高いチームであるが世界王者の日本との対戦となると全く異なった試合となる。早い展開となるだろうし90分間まさにファイトせねばならない。そして日本をプレーさせてはいけない。我々は自分自身を振り返らねばならない。我々は世界のトップ10に位置しているので自分達の能力を低く見るべきではない。日本をリスペクトしたくなるが自らの墓穴を掘る程には敬意を払わない。“ と話した。

メンバーには Emily Gielnik, Katrina Gorry と云ったまだ代表出場歴の無い選手も帯同している。昨年開催されたAFC U-19 のメンバーが5人選ばれていた。ただ Teigen Allen, Caitlin Foord はワールドカップメンバーであったけども。 Emily Gielik は初戦のベトナム戦でハットトリックを演じ、勝利 ( 4-3 ) に貢献したが以降北朝鮮 ( 0-1 ) 日本 ( 0-1 ) 中国 ( 1-3 ) そして韓国 ( 2-4 ) と4連敗で6チーム中5位に終わり今年日本で開催される FIFA Women’s U-20 大会への出場権を逃してしまった。

Gielnik はその後国内リーグW-League の Brisbane Roar でも頭角を見せ来シーズンは FA Women’s Super League の Liverpool でプレーする事となった。

Walsh ベンチスタートの Matildas . なでしこは大儀見と安藤の2トップ。

両チームのスタメンは下記の通りだった。

                                  GK 1 Barbieri 

     7 Foord       13 Slatyer       19 Catley       19 Cately

                10 Uzunlar                      23 Kenedy 

     16 Butt                      17 Simon               3 Brown 

                                      12 Gill

                        7 安藤                    17 大儀見

       9川澄                                                   8 宮間

                         6 阪口                    10澤

      5 鮫島          4熊谷             3 岩清水          2 近賀

                                    GK 1 福元




競技場のオーストラリオ側に来るとオージーらしき人は誰もおらず、日本人の方が4名ほどおられた。その中でオーストラリア代表のレプリカや黄色の帽子を被った人も。 私も尊敬する Warren のユニフォームに着替えたけど….
しかし多分 Socceroos の試合だったら着なかったと思う。
話しかけると昨年の五輪予選の観戦に出掛けられたそうだ。う~ん、羨ましい。 我々だけというのはちょっと寂しいですねてな話しもした。

なでしこは開始早々のチャンスに続いて2分42秒には大儀見がシュートを放つなど強さを見せる。その後 Matildas が攻撃に転ずるもここは澤がうまくカバーをしてシュートに持ち込ませない。 5分には Brown が左サイドをドリブル突破するシーンが見られた。
8分には川澄が右サイドで Catley を振り切り入れたクロスに宮間が長身の Slatyer とFoord の間に割って入りヘッドを撃つがポストの左に外れて行く。10分には近賀のロングパスに抜け出した大儀見が Slatyer を振り切りシュートを放つが今一ヒットせず GK Barbieri の正面に。だけど Barbieri はちょっとファンブルを。 Barbieri もボールに手が付かない模様。
なでしこは立ち上がりロングボールを多用している様に見えた。そしてフィールドを広く使っていたが結構トラップミスもあった。合宿中で身体にはかなり負荷をあたえられていたのでコンディションはまだ100%には上がっていないのでそれも仕方ないとおもう。



しかし Matildas の方は更に動きに切れがみられない。 寒い南半球からやって来たので暑さ厳しい東京での試合は厳しいか?
13分46秒阪口のミスパスを拾った Simon が左サイドを突破し近賀がタックルに入る前に上げたクロスが熊谷と競り合いながらワントップの Gill に当たるがGK福元の正面に。 絶好のチャンスだったけど以降前半終了まで Matildas がなでしこゴールを襲うシーンは見られなかった。21分には Matildas PA 前でボールを回して澤からボールを受けた大儀見がダイレクトでシュートを放つが Foord の脚に当たってGK Barbieri に。 
そして25分、川澄が Foord と競りながらCKを奪い、ショートコーナーを受けた川澄を後ろから Butt が引っかけてしまい川澄が倒れるとシンガポール人のアバイ・ナ・イドゥ主審はペナルティースポットを指した。 ちょっと厳しい判定だとおもったけど。 
これを宮間が落ち着いて左側に決めてなでしこに先制点を齎した。 




先制を許した Matildas は試合再開後 Brown が左サイドをドリブルで上がり近賀、岩清水の間から中央に突破してくるがここは阪口がクリアー。その直後にも Butt がドリブルで上がりCKを奪うなど気候に慣れたか徐々に動きが良くなって来たように見えた。
しかしシュートシーンはなでしこばかりが見せる。31分には宮間のアーリークロスから澤がフリーでヘッドを放つがクロスバーを越える。
32分30秒には川澄が左から中に切れ込んでドリブルシュートを見せるも GK Barbieri がCKに逃れる。そのCKから岩清水がフリーでヘッドを放つがゴールは捉えられない。 
36分には右サイド宮間が Catley, Brogan をかわして低いクロスを中にいれると安藤を越えて大儀見がシュート体勢に入るが僅かに合わなかった。 Matildas DF陣はやはり暑さが堪えるのか30分を過ぎるとマークに付けなくなって来た。41分には正面遠い位置からゴール前に入れると GK Baribieri が脚にあててしまう中途半端なプレー。失点には結び付かなかったが危ないシーンだった。

しかしロスタイムに入った46分、またも右サイド宮間からオーバーラップした近賀に縦パスが入り、中に入れると中央に走り込ん大儀見が押し込んでなでしこが追加点を挙げた。 何度もチャンスを逃していた大儀見だったがここで4試合連続ゴールをきめたところは流石だと思った。大儀見は五輪でもまた得点を決め続けてくれる事を期待したい。

Matildas は後半からついに Warsh を投入する。後半からは気温も下がって来るので Matildas の身体も切れが出て来るだろうと思った。51分にはなでしこPA内で Simon が粘って Uzular に戻し、なでしこゴール前にハイボールを送ると中央で飛び込んだのは184cmの Kate Gille。しかし近賀が身体を預けて思う様なシュート体勢を取らせずゴール枠を捉えさせない。五輪ではカナダ、スウェーデンという長身選手がそろったチームを相手にせねばならない。 しかし後半の Matildas の挽回を期待するも58分になでしこは3点目を挙げる。CKのこぼれ球を中央から澤が強烈に、というよりも狙いすました様に Matildas ゴールの右下隅に蹴り込んだ。 
澤自身昨年ワールドカップ決勝戦以来の代表でのゴールらしい。それよりも彼女のコンディションが上向いている事が大事だろう。そして御役目御免とばかりに直後に田中明日菜と替ってベンチに下がった。



Matildas ベンチは60分に Emily Gielnik を Kate Gill に替えて、 Katrina Gorry を Alanna Kennedy に替えてそれぞれ投入し2人の Matildas デビューをさせた。 しかしなかなか Matildas はシュートシーンを創れない。 競技場に来ればなでしことの違いは一目瞭然だ。 パスは足元ばかりで3人目の動きが無い。更にパスアンドゴーがなかなか出来ていない。そして Kyah Simon にボールが入った時しか何か起こりそうな気がしない。 後半から入った Walsh も思う様なプレーが出来ない、と云うよりもなでしこ達がそれをさせない。 2006年に Adelaide で行われたAFC Womes’s Asian Cup でなでしこは Matidas に敗れたがその試合では Matildas 選手達のキックのレンジの長さの違いに驚かされた。そしてゴール前や中盤での当たりの強さも。しかし今はなでしこ達もキック一発でサイドチェンジが出来るし、この試合でも Matildas とは互角以上のあたりの強さをみせいていた。



Matildas は71分に Simonが放ったミドルが GK 海堀の正面に飛んだ時くらいしか国立競技場を沸かせられなかった。
なでしこの方は次々に選手を交替させる。71分には大儀見に替って丸山佳里奈を投入した。我が故郷高槻市の市長からも激励を受けた写真を見た…。



76分に宮間が下がって高瀬が投入されたのでこの試合でのマラドーナ岩渕の出番は無くなった。
88分に近賀のクロスを正面で受けた田中明日菜が Matildas ゴールに蹴り込んだけどこれは明らかなオフサイド。そして2分あったロスタイムも過ぎタイムアップとなった。

試合後かつてサンフレッチェ広島でコーチの経験のある Tom Sermanni 監督は “恐らく今日感じた事はボール支配率を上げるのには大変難しいスペイン代表やBarcelonaを相手にした時と同じだろう。我々は大変なプレシャーを受けた。正直レベルの違うチームを相手にした様だった。そしてこの試合の日本は素晴らしかった。我々はただそれに付いていけなかった。 何人かの若い選手にとってはこのレベルの試合を経験した事が良いチャンスであっただろう。(日本、ニュージーランド戦の)3試合で6人の選手が代表デビューを飾った。我々はまさにチーム再建の始まりにあるが、何人かの才能ある選手がやってきた事を今夜示す事が出来た。”この様に語った。

次回日本が Matildas と対戦する時はなでしこのメンバーが大きく変わっている事だろう。


Oly White 戦後.....

2012-07-21 | 夏季五輪

7月11日、国立競技場で開催された壮行試合後、 Kiwi や日本の人たちとの記念撮影写真です。

この試合が終わってU-23, なでしこは欧州で”調整試合”をこなしています。男子U-23 はベラルーシに勝ちましたがなでしこはフランスに 0-2 で敗れました。しかしなでしこの事は心配しておりません。 
またこの試合について、そしてなでしこが出発前に戦った Matildas 戦に就いて順次レポートします。(誰もみないか?)

 

キシ様写真これだけですが良いですか?? 


良いレッスンだった 五輪前で良かった   日本五輪代表 1-1 Oly Whites 11th July

2012-07-16 | 夏季五輪

ロスタイムは4分と表示された。そして Oly Whites  Barbarous が左サイドで酒井と競りながらCKを取った。“これ後半最初で最後のチャンスでしょうね~。” ずっと一緒に New Zealand Area で観戦していた日本人の人と話をする。そのCKは日本DFがヘッドでゴールラインの外にクリアーする。 Smelz が下がっているしなぁ。 191cm の長身FW Chris Wood または186cmのDF  Tommy Smith らは日本遠征に帯同していない。次のCKを Howieson が入れるがGK権田が跳ね返しこぼれ球を Howiseon が拾うけど最後は米本がカットし日本が繋いで斉藤がドリブルシュートに持ち込むが惜しくもボールポストの左に外れる。こう言うシーン、今夜は何度めだろう?そして再会後 Payne と酒井が交錯して倒れるとパラグアイ人のアリアス主審は酒井の反則を取った。

“もう1回こっちまでこれますかねぇ~。”

日本のプレスを何とか掻い潜ってゴール前迄運んでくるが右サイドで Rojas がキープするも徳永と山崎がマークに入りボールを奪う。やはり上手いなぁと思う。



もう48分を過ぎた。あとはボールを繋いでタイムアップまで…と思った。そして山村から村松に繋ぐとそこに Barbarouses がマークに入りあっさりとボールを奪ってしまう。あぁこれは…と思うと Barbarouses は中に入れるとそこに Rojas が走り込む一瞬だけど山村、米本が Rojas にだけ目を奪われたが Rojas が見事にスルーをすると右から走り込んだ Dakota Lucas にフリーで渡る。 Lucas は権田の飛んだ反対側にダイレクトで撃ったNew Zealand 後半最初のシュートが日本ゴールの右隅に転がりこんだ。残り時間はもう15秒程度だった。

10人程度のKiwi と10人程度の私を含めた日本人は狂喜乱舞をする。Kiwi の1人がビールの入った紙コップを放り投げたので警備員に連れて行かれない様に他の Kiwi が同じ事をしない様に制止に行くと数人が私に抱きついて来た。そしてテレビカメラがこちらの様子を映しに来る。  さっきまで大歓声が続いていた国立競技場は物音ひとつしなくなり我々の歓声が競技場に響いているのが解った。 

再開のキックオフ後日本がニュージーランドゴールに迫る。“危ない、危ない、look ! look ! “と Kiwi 達に指さして云うがすぐにタイムアップのホイッスルが吹かれ、更に Kiwi 達が歓声を上げる。 日本人と Kiwi 達でハイタッチをかわし合う。 そしてスタンドに目を向けるともう半分くらい空席が見られた。  Kiwi 達と色々話す。 これはものすごく良いレッスンだった。五輪の試合でなくて良かった。 こう言うと彼らは、日本は殆ど試合を支配していたしパスワークが素晴らしい。我々は五輪で大丈夫だろうか…. こう語った。
試合が終わって数日経った今でもこれは私の正直な感想だ。

7月11日の男女五輪壮行試合、ダブルヘッダーが国立競技場で行われる。なでしこの相手はオーストラリア女子代表 Matildasu 。男子五輪代表の相手は New Zealand Oly Whites 。これは堪えられない。試合だ。自分にとっては El Clasico と Milan Derby を一緒に見られる様なものだった。昨年3月ニュージーランド代表 All Whites が日本代表と国立で親善試合が組まれていたが残念がら震災で中止となった。それ以来この試合の再戦を望んでいたけど、五輪代表同士であるがそれが実現したのだ。 
なでしこの試合が終わり私は“ Australia 応援席” から ”New Zealand 応援席“ に移った。ここも Kiwi らしき人はいなかった。すると係員の人がやって来て。“ここの席に座って頂いても結構ですが、日本サポーターの人にも開放しますので、ニュージーランドを応援するなら前の方の席に移って下さい。”ってな案内を受けた。 まぁ“ニュージーランドを応援しようとする人は10人もいなかったのでそれも仕方ないか。と思った。それに Kiwi らしき人もいないしなぁ。
ニュージーランドの国旗を持った日本の人が一人いたので“下におりますか…” と声を掛けて下のゾーンに降りた。
しばらくするとイタリア代表のユニフォームを着た白人男性がやって来た。声を掛けると Kiwi だった。そして日本人女性と結婚していてお子さんも2人おられて日本で暮らしているらしい。 私もしょっちゅう仕事でニュージーランドに行く事や昨年ラグビーのワールドカップ観戦に行った事、それから All Whites の事なんかを日本語と英語を混ぜて話した。 そして今回の来日メンバーの事も。 だけど息子さんが日本代表のユニフォームを着ているのでこちらのゾーンには来られないと言い残して“戻ってしまった。” 
だけど入れ替わりに白人の男女が8人程やって来た。勿論みな Kiwi だ。そしてもう1人Kiwi 男性が流暢な日本語を話すと思ったらすぐに日本人女性の奥さんがやって来られた。御夫婦らしい。旦那さんは Christchurch 出身。ご家族は震災には巻きこまれなかったとの事であった。昨年ワールドカップの時期に Christchurch に仕事で言った事と“お願いだからもう日本人女性を連れて行かないで下さい。私はもう結婚しているけど息子はまだ17歳。女の子のストックが無くなってしまうから。”と彼を含めた Kiwiの人達に云うと大受けした。 
するとChristchurch の彼が日本語で“うちの奥さんまだ17歳だから大丈夫。”と日本語で答えた。意味は通じないけど結構受けた。 
そして先ほどの Kiwiも子供達を連れて“戻ってきた”息子さんはAC Milan のユニフォームを着ている。そしてちょっと大きめだ。“このユニフォームに着替えさせて連れて来たよ。”と言って我々と合流。さっきのなでしこのしあいと異なり Kiwi の男女、日本人を含めこちらには20人程度の“サポーター”が陣取る様になり俄然、国際試合の雰囲気が沸き上がってきた。Kiwi女性のなかにはおなかの大きな妊婦さんもおられる。大丈夫かな..とおもうけどいざとなったら私が主導権を握って対応すればいいんだと勝手に責任感をもってしまった。Wellington  からやって来た人や東京に数カ月在住している Kiwi カップルらがいた。中には黄色いTシャツを着た女性も。私の宝物 Ricki Herbert との2ショット写真を見せたらみんな驚きと大喜びだった。 Wellington Phoenix 等キックオフ前に色々話せて楽しかった。
観客席を見るとなでしこの試合よりも観客数は増えて、ほぼ満席。一緒に見ていた日本人の方に“これ何とか逆に出来ないですかね?なでしこの方が世界一でしょ?そっちを後の試合にするべきとちゃいますか?”と勝手な持論を述べるも、結局は視聴率とスポンサーとの兼ね合いでしょうね。と言っておられた。まぁそうだなぁ…



日本のスタメンはOAの徳永が左SBに起用された以外はアジア地区予選の主力選手。ベンチ入りした選手もバックアップメンバーが入っており吉田麻也はベンチにいたらしいけど登録はされておらず、宇佐美は合流していなかった。五輪までの日数、残り試合を考えれば1人でも多く1試合でも多く起用した方が良かったのではないか?
ワントップには大津が入った。五輪予選では永井か大迫が入っていたが最終戦のバーレーン戦では大津がワントップだった。

ニュージーランドの方は OA 3人とも起用されていた。 その Oly Whites は北京五輪に次いで2大会連続男女サッカー代表は五輪への出場を果たしているがこれはオーストラリアがAFC に移籍したことが大きい。 オリンピックのサッカーは16カ国しか出場枠が無い中オセアニア地区には1カ国の出場枠が保証されており、オーストラリアが抜けたこの地域ではニュージーランドの独断場と云いたいところであるがオセアニア地区予選も決して圧倒的な強さで勝ち抜いたわけでは無かった。
準決勝戦の Vanuatu 戦はロスタイムにゴールを決められ何とか 3-2 で逃げ切り、決勝戦の Fiji 戦はGreg Draper のPKで 1-0 での辛勝だった。原因はU-23 レベルでも代表クラスの殆どは選手はプロリーグの無いニュージーランド国内ではプレーしておらず欧州またはオーストラリアのA-League ( Wellington Phoenix もふくむ。)でプレーしてけっしてベストメンバーを組めないと言う事情がある。従ってロンドン五輪最終メンバーはオセアニア地区予選に出場したメンバーからは8人しか選ばれておらずPKを決めた G.Draper なんかは選出されなかった。

五輪メンバーには OA 選手3人を含め既にニュージーランド代表としてプレーした選手や FIFA U-20, U-17 に出場した選手が多く含まれており侮れる相手でも無かったと思ったけどワールドカップ地区予選の1部を兼ねたOFC Nation’s Cup では New Caledonia にまさかの 0-2 の敗戦を喫して2013年にブラジルで開催される FIFA Confederations Cup 出場権を逃してしまった。日本との対戦があるかもと楽しみにしていたが残念。代表のレベルもなかなか向上出来ていないのかもしれない。

GK Gleson は日本の木村光佑と共にアメリカMLS Portland Timbers でプレーする。ここ数試合フル代表の試合でもスタメンで起用されている。 All Whites は3バックだったが Oly Whites は4バックで統率するのはニュージーランドの重鎮 Ryan Nelsen ( QPR )。彼のプレーを見られだけで入場料は半額以下になった価値があると言うもの。共に組むCB James Musa ( Team Wellington ) と右SBの Adam Thomas ( Waikato FC ) はFIFA U-20 2011 のレギュラー選手。 右SB Ian Hogg ( Auckland City ) は北京五輪に続いての選出。ボランチの Adam McGeorge と Alex Fenerdis は共に Auckland City に所属し五輪予選のレギュラー。この試合でもそのコンビがスタメンに。 2列目左の Kosta Barbarouses はかつて Brisbane Roar でプレーしチームの優勝に貢献した。そして今シーズンからギリシアの Panathinaikos でプレーするAll Whites でもほぼレギュラー選手。2列目右の Tim Payne はFIFA U-17 2011 の日本戦に出場した経歴がある。所属先はPremiership の Blackburn Rovers 。トップ下の Michael McGlinchy ( Central Coast Mariners ) は OA 選手でワールドカップにも出場した。ワントップの Shane Smeltz (Perth Glory ) はOA 選手でワールドカップではイタリア戦でゴールを決めた選手。日本のDF陣は彼をどうやって止めるか?というよりも彼にボールが入りるかなぁ…とも思った。




                     1 Gleson


    12 Thomas    6 Nelsen    14 Musa     3 Hogg

          13 Fenerdis          17 McGeorge

      2 Payne        8 McGlinchey   7 Barbarouses

                   9 Smeltz

                    7 大津

      11 永井       10 東         17 清武

           3 扇原              16 山口

     2 徳永       8 山村      13 鈴木      4 酒井

                    1 権田



日本のキックオフで始まった試合は立ち上がりから予想通り日本が押す展開。2分36秒にはニュージーランドPA内でボールを回し最後は東が上げたクロスがゴールラインを割るがだれもマークに付けていなかった。 4分10秒には Barbarouses から Hogg に縦パスが通りクロスが入り Smeltz が飛び込むが惜しくも当たらず Payne がシュート体勢に入ろうとするが徳永がクリアーしCKに。このシーンからしばらく試合はこちら側、ニュージーランドゴール前で展開され続ける事に。

8分30秒には清武のスルーが東に通るがニュージーランドDF陣はサイドを走った酒井に完全に注意が引き付けられていた。10分には永井が Thomas をかわしていれたクロスに東がダイレクトで撃つが Musa が何とかクリアー。11分には清武から今度は酒井にスルーパスが入りクロスを入れると中央でMusa がヘッドでクリアーするとそのこぼれ球が大津の手に当たった。得点には繋がらなかったがここで何故こう言うクリアーの仕方をするのかと思った。13分26秒にはまたも清武から酒井に縦パスが入り中央に入れられるがここは Nelsen が大津の前でクリアーそのこぼれ球を扇原がミドルを撃つがゴールを外れた。15分、扇原からボールを受けた永井が中へ折り返し Musa がクリアーするがこぼれ球を拾った東が永井とのワンツーで抜け出すがここも Nelsen がマークに入ってCKに。そのCKからこぼれたところを大津が放ったショットはGK Gleesonがナイスクリアーで再びCKに。そのCKを繋いで扇原が入れたクロスに山村が飛び込んでフリーで放ったヘッドは僅かにゴールを外れた。
19分、清武から今度は大津がボールを受けシュートに持ち込むがまたも Nelsen がクリアーしCKに。 立ち上がりから日本の連動した動きに、2列目の清武、永井が左右のポジションを変えたりするので完全にニュージーランドMF,DFは翻弄されNelsen がいなかったら20分で2失点は喫していただろう。
そして目立ったのが清武。立ち上がりから素晴らしいラストパスを入れていた。 24分には大津、26分には永井がシュートを放つが共に清武のパスを受けてからのシュートだった。

29分36秒には徳永がこの日初めてサイドを上がり Payne を振り切り中へ入れると大津が胸でトラップし Nelsen の前で豪快なオーバーヘッドシュートを放つがGK Gleeson の正面に。目の前で見た大津のシュートにはこちらのKiwi 達も驚きの感嘆の声を上げていた。 前半は目の前がニュージーランドゴールだったので日本の迫力ある攻撃に誰もが日本の先制ゴールは時間の問題とおもっていただろう。34分には東のインターセプトから永井に繋ぎそのまま Hogg, Musa のマークをふりほどきドリブルシュートを放つがGK Gleeson がナイスセーブでストップ。 

“もう Moss, Paston は要らないね。Gleeson で充分だ。”と Kiwi 達に言うとみな頷いていた。 
劣勢続きの Oly Whites はDFラインが防いでも中盤でまったくボールが収まらないので日本ゴール前迄ボールが運べない。38分相手のミスパスを拾った Smeltz がドリブルで日本ゴール前に迫る。こちらが一斉に立ち上がるが山口がファールでストップ。イエローカードが出される。そして絶好の位置でFKを得た。

“千差一偶のチャンスですね。なんとかモノにしたいですね。その方が試合は面白くなるんですけど。”と隣の日本人と話す。
“誰が蹴りますかねぇ。” “そうですね、蹴れる人いますかねぇ~。”

そして McGlinchy が直接狙ったFKは権田が右に倒れ込んで弾き出した。 一斉に天を仰ぐ。 惜しいシュートと思ったけどレプレイを見たら権田はしっかりとコースを読んで弾き出していた。 しかしその前のミスパスは頂けない。五輪本番はこう言うミスはしないでくれよ。と思った。そして前半はスコアレスで終わった。 圧倒的に攻め続けられたニュージーランド。これだけ攻めてゴールに結び付けられなかった日本。どちらの方が問題は深刻なのだろう…

ニュージーランドの五輪での対戦相手は26日ベラルーシ、29日エジプトそして1日ブラジル。(日付は現地時間)確実に日本と対等かそれよりも強い国が相手だ。前回は中国と引分けブラジル ( 0-5 ) ベルギー ( 0-1 )には連敗だった。
今回もこの調子では勝利を上げるのは容易ではない。しかし日本遠征には Chris Wood、Tommy Smith といった既にフル代表でもレギュラーである選手が参加していないのでもう少しチーム力が上積みされるかもしれない。
そういう意味ではスペイン、モロッコ、ホンジュラスを相手にする日本は親善試合とはいえ Wood, Smith 抜きの Oly Whites 相手に前半無得点というのも心配になってくる。

両軍選手交替の無いまま Oly Whites のキックオフで始まった後半は開始25秒に酒井からボールを受けた永井が右サイドから素晴らしいシュートを撃つが左ポストを直撃。ゴール裏の大サポーター達から嘆息が漏れる。

Kiwiの一人に“ ゴールポストの色が White だったから入らなかったんだよ。”と云うと大いに受け、“我々は日本より2人多い選手がいる。”と言われ更に受けた。
そして隣の人には“後半はずっとあちらで展開されるみたいですね~。”と云うと、“そうですね。何回かこっち来ませんかね。”と答えた。 双眼鏡持ってくるべきだったかなぁ、それとも観戦用の眼鏡無いかなぁ~と思った。
そして我々の危惧した通り試合はずっと遠くで展開され続ける。47分には徳永のドリブルシュートが、49分には清武から大津に縦パスが入るも GK Gleeson が何とかコーナーに。そのCKから山村がヘッドを撃つが再び Gleeson がパンチで逃れる。再び得たCKはネアーサイドの永井が囮となってとびぬけて来たところをファーサイドの扇原がシュートに持ち込むがGK Glesson がブロックこぼれたところを鈴木がシュートに入ろうとするが McGlinchy が何とかカット。日本サポーター席から大歓声があがるがコールには至らない。
55分先に交替カードを切ったのは優勢に進めいていた日本。東を下げてサプライズ選出となった杉本を投入しワントップに置き大津をトップ下に下げ、63分には山口蛍を下げてアジア地区予選ではレギュラーで無かった村松を投入した。

Oly Whites も65分ようやく McGeorge を下げて Cameron Howieson が投入された。 Howieson はまだ17歳。昨年のFIFA U-17 2011 の日本戦に出場した経歴がある。2015年にはニュージーランドで FIFA U-20 が開催される。 Howieson はこのまま順調にいけばその大会には主力選手として出場出来る可能性がある。もし欧州のビッグクラブにスカウトされなければ…
65分を過ぎるとニュージーランドの守備もだんだんファールでないと止められなくなってくる。68分にはミスパスを拾った大津に Nelsen が反則覚悟のタックルを入れてストップしイエローが出される。しかし日本のシュートシーンもそうそう続かなくなって来た。サイドからクロスを入れるがこちらは容易に跳ね返される様になる。 69分日本ベンチは永井を下げてバックアップメンバーの山崎亮平(磐田)が投入される。五輪本番は永井のスピードを生かす為にスーパーサブとして起用されるか?しかし今の永井は調子いいから長時間起用しないと勿体ないしな…

70分ようやく日本がゴールを上げる。左サイド投入されたばかりの山崎から縦パスがオーバーラップした扇原に入り折り返す。ここはカットされるが Thomas のクリアーボールが徳永の足元に入り後方から Payne,がマークに入る前に放ったドリブルシュートはNelsenが必死に滑り込むも届かず Glesson が何とか左に倒れ込んで防ぐがボールがこぼれて詰めていた杉本が押し込み待望の先制ゴールが決まった。 やっと決まったゴールに大歓声が沸く。

“あぁぁ~、決まりましたね~。” “これで決まりですか~。”とふたりで声を漏らす。



これで日本ベンチは選手を交替選手を投入できるようになった。76分には扇原を替えて米本を、81分には永井を下げて斉藤を投入するけど投入されたのはまたバックアップメンバーの米本だった。
82分に右サイドの清武から中央に走り込んだ大津にパスが入るがここは Nelsen が強烈なタックルでストップ。しばらく大津は立ち上がれず Nelsen に2枚目のイエローが出るかと心配したけど大津は何とか立ち上がりカードも出なかった。
この正面、絶好の位置で得たFKを清武が直接狙うが惜しくもクロスバーを越えた。この時点でも Oly White の同点ゴールの匂いはこの時点では全く感じられなかった。そして直後に Nelsen がベンチに下がり Dakota Lucas が投入される。 Lucas はメンバーのFW登録選手の中で唯一オセアニア地区予選に出場した選手。 Nelsen が下がった時点で更に失点する事を危惧したけど後にこの交替がドラマを呼ぶとはこの時は想像出来なかった。
ニュージーランドベンチは88分についに Rojas を投入する。 Rojas はまだ20歳だがワールドカップ後は既に All Whites のレギュラー選手だ。Kiwi達から “ Go ! Rojas !! “ と歓声が飛ぶけど私は” too late , too late “ と彼らに話す。しかも下げられたのが同じFWの Smeltz 。もう少し早い時間に投入出来たんじゃないかな?Smelz と Rojas のFWを残した方が….てな話をした。
“後半はシュート打ってないんじゃないですか?”隣の人ともこんな話をした。

ロスタイムが4分と表示される。同点よりも日本の追加ゴールが予想される。Oly Whites  Barbarous が左サイドで酒井と競りながらCKを取った。 “これ後半最初で最後のチャンスでしょうね~。” 私は隣の人にこう声をかけた…….

 
試合が終わって一緒に観戦した Kiwi や日本の人達と何度も写真を撮ったり、色々話をしたり。 Kiwi 達はしぶとく引分けに持ち込むも圧倒的に押しまくっていた日本を称賛していた。そして私も彼らに“これがオリンピックで無くて良かった。”と話した。 そして Wellington から来たカップルには“次は Cake Tin で会おう。”と約束した。すると大いに受けた。
スタンドから競技場の出口まで私達はまるで“勝ったかのように”胸を張って凱旋気分で色々話したり歌声を上げたりして歩いて行った。

私は何度も心の中で“こんな試合展開オリンピック前で良かった。”と思った………

試合後 Niel Emblem 監督は日本の質の高さと自分達の改善点がある事を指摘するコメントを残した。 Emblem 監督は2008年に Waitakere のメンバーとして FIFA Club World Cup でここ国立でプレーした事がある選手だ。Oly Whites では誰よりもここを知っていたか? 

      

日本戦の3日後 Oly Whites はソウルで韓国五輪代表と試合を行った。この試合には Chris Wood が合流しスタメン起用されたが韓国には 1-2 で敗れた。Oly Whites は19日に合宿先のオーストリアで UAE と試合を行い26日 Coventry での初戦 Belarus 戦に臨む。 ニュージーランドはC組。日本はD組。準々決勝で当たる可能性があるが今は両国ともそんな胸算用はしていないと思う。

 もし五輪で当たる様な事があれば今度は100% 日本を応援しようと思っている。

 

 


オセアニア2強とのダブルヘッダー。これはこたえられない。 Australia Matildas

2012-07-11 | 夏季五輪

昨年9月中国でロンドン五輪女子サッカーアジア地区最終予選が行われていた。日本が3連勝で迎えた第4戦の相手は北朝鮮。相手のオウンゴールで日本リードのまま試合が進んでいた。しかし北朝鮮の金朝蘭が終了直前に日本ゴールに押し込みそのまま試合は引き分け、この時点で次の試合を待っていた中国とオーストラリア女子サッカー代表のロンドン五輪出場の可能性が果てしなくゼロに近づいてしまった。そして続く中国対オーストラリア戦はオーストラリアが van Egmond のゴールで中国を破り6カ国中3番目に浮上し、1試合を残して2位北朝鮮に1勝ち点差に迫った。 しかし北朝鮮の最終戦の相手は格下のタイ。ここで北朝鮮が負ける事は考えられず、北朝鮮が日本と引き分けた時点でオーストラリアに五輪の可能性は潰えていたと言えた。

7月11日の日本戦を前に Westfield Matildas ことオーストラリア女子代表の Tom Sermanni 監督は IOCの決定に不満を隠さない。2011年ドイツで開催された FIFA Women’s World Cup で北朝鮮の選手2名がドーピング検査で陽性判定を受け失格処分になった。この結果を受けて FIFA は北朝鮮女子代表チームは2015年のワールドカップには出場停止処分としたが、 IOC と WADA (World Anti-Doping Agency ) は何の処分も下さなかった。ただ FIFA も女子 U-20 チームにも同様の処分は適用せず今年9月に日本で開催される FIFA Women’s U-20 に北朝鮮チームが韓国、日本と共にアジア代表で参加する。



“FIFA は北朝鮮を2015年のワールドカップに出場停止とするという正しい判断を下した。しかし驚いた事に IOC と WADC は北朝鮮に何のアクションもとらず北朝鮮は五輪予選に選手団を送った。我々が予選会に臨んだ時、我々は、恐らく、中国も韓国も3位の国もチャンスがある、なぜならIOCが何らかのアクションをとり北朝鮮を五輪に行くことを許さないのではと思ったからだ。 しかし状況はまったく逆で我々は初めてドーピングテストを受けない大会に参加することとなった。 他のいかなる大会で我々は薬物検査を受けた。 北朝鮮に何の処分が果たされなかっただけでなく、ドーピング検査さえ行わない大会が開催された。“
薬物検査がなされなかったのは恐らく中国の圧力かもしれないけどそれでも中国女子は結果が出なかった。
オーストラリアは2006年に AFC に加盟して以来女子代表はオリンピックアジア予選を突破できていない。
Sermanni 監督の言い分もわかるけど、五輪予選で北朝鮮は主力選手5人が落雷にあったとかで五輪予選には来ていなかった。それでも中国、オーストラリアに勝って2位に入ってくるんだから大したもんだと思った。

Goalkeepers
Melissa Barbieri (c) (unattached) Brianna Davey (Melbourne Victory)
Defenders
Laura Alleway (Brisbane Roar / Lincoln Ladies) Danielle Brogan (Sydney FC) Stephanie Catley (Melbourne Victory)
Thea Slatyer (Sydney FC) Brooke Spence (Brisbane Roar / Colorado Rapids) Servet Uzunlar (Sydney FC / Pali Blues)

Midfielders
Teigen Allen (Sydney FC) Tameka Butt (Brisbane Roar / Boston Breakers) Katrina Gorry (Melbourne Victory / Ottawa Fury) Alanna Kennedy (Newcastle Jets)

Attackers
Ashley Brown (Melbourne Victory) Caitlin Foord (Sydney FC) Emily Gielnik (Brisbane Roar / Liverpool)
Kathryn Gill (Perth Glory) Kyah Simon (Sydney FC / Boston Breakers) Sarah Walsh (Sydney FC)

6月24日、27日 Wollngong で隣国ニュージーランド女子代表 Ferns と2連戦を行い 1-1. 2-0 の1勝1分であったがその際に選出された Steph Catley とAshley Brownの両名が引き続きメンバー入りしまだ代表歴の無い
Emily Gielnik とKatrina Gorryら遠征メンバーに入った。
Westfield Matildas のスター選手 Kyah Simon, Tameka Butt そしてServet Uzunlar といった海外でプレーする2011年ワールドカップメンバーも招集された。ワールドカップメンバーは7人。私のお気に入りの Sally Shipard はメンバー入りしなかった。


オセアニア2強とのダブルヘッダー。これはこたえられない。 New Zealand Oly Whites

2012-07-11 | 夏季五輪

オーストラリア、ニュージーランドと仕事で関わる様になり15年近くが経った。当地を訪問し始めた時はこれだけサッカーで関わり合いが出来るとは思わなかった。2005年オーストラリア大陸で Hyundai A-League が立ち上がり、2009年11月にはニュージーランドがバーレーンを降して28年振りにワールドカップに出場を決め、この国の人達とサッカーに就いて話す機会が激増した。そしてこの両国の代表チームが来日しダブルヘッダーを行う。こんな素晴らしい試合が組まれるなんて想像すら出来なかった。 

ニュージーランド五輪代表 Oly Whites はタレント揃い。
6月21日、北京五輪に続いて五輪出場を決めていた Oly Whites ことニュージーランド五輪代表18名のメンバーが発表された。Neil Emblen 五輪チーム監督は3名の over age 選手に Ryan Nelsen, Shane Smeltz そして Michael McGlinchey 達を選んだ。
Nelsen は前回の北京五輪に続いて2大会連続の over age 選手としての選出。ただ北京五輪では当時の所属先であった Blackburn Rovers との兼ね合いから1次リーグ最終戦はプレーせずに北京を後にした。そして特筆すべきは3人ともワールドカップ南アフリカ大会のメンバー。 Nelsen は守備というよりもチームの要で見事にDFラインを統率。3試合3分2失点と大会で All Whites 旋風を巻き起こした立役者の一人。 McGlinchey は出場機会が無かったが Smeltz は3試合全てにスタメン出場を果たした。メンバー18人の構成は下記の通り。

Goalkeepers
1-Jake GLEESON (Portland Timbers, USA) 18-Michael O'KEEFFE (Fairfield University, USA)

共にアメリカでプレーするGK. オセアニア地区予選では Gleeson が Vanuatu ( 準決勝 ) Fiji ( 決勝 ) とゴールを守った。このチームでも彼がレギュラーであろう。Glesson は昨年6月のオーストラリア戦で後半 Glen Moss に替わって起用されて以来ほぼすべての代表戦でゴールを守っている。 Moss, Paston に替わって代表でもレギュラーGKの座に就くことが出来るか?所属先の Portland Timbers には日本人DF木村光祐が今月からプレーする。がんばれMLSの日本人代表!!

Defenders
3-Ian HOGG (Auckland City), 4-Tim MYERS (Waitakere United), 5-Tommy SMITH (Ipswich Town, ENG)
6-Ryan NELSEN* (Captain, Queen’s Park Rangers, ENG), 12-Adam THOMAS (Waikato FC) ,14-James MUSA (Team Wellington)



Nelsen と Smith 以外は地区予選でレギュラーだったDF陣。 予選は3バックだったけど Nelsen が入った事により3バックとなるだろうか?ワールドカップでは Nelsen が真ん中で Smith が左だった。Ian Hogg は北京五輪に続く2大会連続の五輪メンバー入り。18歳で出場した北京五輪は3試合ともスタメン出場。
今年に入りワールドカップ予選等のフル代表戦7試合に出場している。 21歳の Tim Myer も今年に入りワールドカップ、オセアニア選手権に出場している。 James Musa、Adam Thomas は FIFA U-20 2011 メンバーで3試合フル出場。Thomas は FIFA U-17 2009 にも出場をしいている。 

Midfielders, 8-Michael McGLINCHEY* (Central Coast Mariners, AUS) 13-Alex FENERIDIS (Auckland City), 15-Cameron HOWIESON (Burnley, ENG), 17-Adam McGEORGE (Auckland City) 11-Marco ROJAS (Melbourne Victory, AUS),

Feneridis と McGeorge がオセアニア地区予選経験者。他は海外でプレーする選手。McGeorge は5月のホンジュラス戦で試合終了1分前に投入されて All Whites デビューを飾ると以降代表に召集されベンチ入りはするもなかなかピッチに立てずワールドカップ予選のソロモン諸島戦で途中出場を果たしたのみ。
20 歳のRojas はワールドカップ後ほぼすべての All Whites の試合に出場している。FIFA U-20 2011 ではウルグアイ戦とポルトガル戦にスタメン出場。所属先の Melbourne Victory では23試合に出場した。




Forwards
7-Kosta BARBAROUSES (Alania Vladikavkaz, RUS), 9-Shane SMELTZ* (Perth Glory, AUS) 10-Chris WOOD (West Bromwich Albion, ENG), 16-Dakota LUCAS (Team Wellington ) 2-Tim PAYNE (Blackburn Rovers, ENG)

予選経験者は Dakota Lucas のみ。ただワールドカップ経験者の Smeltz, Wood そして今やフル代表でもレギュラーであるBarbarouses らが選ばれている。MFと異なりタレント揃い。長身 Wood のワントップにやや下がり目に2選手が配置されるか?そうなると誰が選ばれる?All Whites でもレギュラーである Barnarouses と Smeltz か?
Barbarouse は2010/11 のシーズンは Brisbane Roar でプレーし12ゴールを挙げて A-League Grand Final 優勝に貢献した。 昨シーズンに移籍した Alania では出場試合は13試合のみ。うち6試合がスタメン出場だったが来シーズンから Panathinaikos でプレーするが彼はギリシア系の Kiwi でギリシアのパスポートも保有している。ただ7月末には Panathinaikos が UEFA Champions の予選があるのでロンドン五輪では途中で離脱するかもしれない。
20歳の Dakota Lucas は FIFA U-20 2011 のメンバーで3試合にスタメンを果たした。まだ代表デビューはない。30歳ベテランの Smeltz は昨シーズンは所属先の Perth Glory で17ゴールを挙げ A-League Final Series 進出の立役者に。 長身191cmの 20歳のChris Wood は18歳で選ばれたワールドカップメンバーでイタリア戦ではカンナバーロのマークを振り切りあわやのシュートを放ったのが今でも忘れられない。
昨シーズンは前半は Birmingham City に、後半はBriston City にローン移籍し合計12ゴールを挙げた( Birmingham 9 Briston 3 ) 来シーズンは West Bromwich Albion に戻ると思うがレギュラーポジションは
確保できるだろうか? 五輪では(代表でもそうだけど)ワントップに入ると思う。
Tim Pyne は19歳。FIFA U-17 2011の日本戦にも出場し、翌月開催された FIFA U-20 にもメンバー入りした。残念ながら出場機会は無かったが今年5月27日のホンジュラス戦では75分から Bertos に替わって投入され All Whites デビューを飾った。以降はワールドカップ予選のソロモン諸島戦でスタメン出場を果たすなど代表定着が期待される若手のホープ。



Standby
Michael EAGAR (Team Wellington) Cameron LINDSAY (Wellington Phoenix) Luke ROWE (Team Wellington)
Scott BASALAJ (Team Wellington)

ニュージーランド五輪委員会の Kereyn Smith 理事長はメンバー決定にあたり
“北京五輪以降、ニュージーランドのサッカーは強化され続けている。この競技の参加者は多い。我々は選手達のパワーを感じる。とりわけ Ryan Nelsen の様なリーダーは勢いを続けさせる。 我々はこのU-23 のチームはタフな五輪の試合を通して自分たちの存在意義を示してくれることを楽しみにしている。 と Smith 女史は語った。
また Emblen 監督は

非常にタフな決定をがあったことを意味する資質をもった大会に向けての小さな選手団である。 オーバーエイジの選手達はチームの背骨に良いバランスと経験をもたらしてくれる。我々は All Whites の最高の守備選手、なくてはならない中盤選手
そして最も得点力の高いFW選手をたとえ所属先のチームが拠出することを打診しなかったが選出をした、

特にRyan の影響は17歳そこそこの年齢の選手を含んだチームには計り知れない。そういった選手がチームに含まれることは通常ワールドカップでのベストな状態が起こりうるチャンスがあることが考えられる。
Smith, Barbarouses, Wood, Rojas そして Gleesonの様な選手がチームの中心となることは信頼の出来ることである。しかし我々は選手独り独りがタフな試合に対してベストであることが必要である。




Oly Whites は9日にアジア経由でロンドンに向かって出発する。11日に日本五輪チームと14日には韓国五輪チームとそれぞれアウェー戦を行い19日には欧州合宿先で UAE との試合が予定されている。
ロンドン五輪は27日 Belarus ( Coventry ) 29日Egypt ( Manchester ) そして8月1日に Glasgow でブラジルと対戦する。 ワールドカップスペイン大会でも All Whites が Zico, ソクラテス、ファルカン、セレーゾ、エデルらのいたセレソンと対決した。本当にブラジルと縁のある国である。
Oly Whites こと五輪代表チームには All Whites のメンバーが多く含まれているが今年6月ソロモン諸島で開催された Oceania Football Championships ではニューカレドニア何と 0-2 で敗れ、続くソロモン諸島戦には勝利を納めるも3ゴールを先行したあとに連続3失点を喫しロスタイムで Smeltz のゴールでようやく勝利を拾うという戦績に終わり FIFA Confederations Cup 出場を逃すという体たらく。 Nelsen は参加していなかったがSmith, Barbarouses, Wood, RojasそしてJeremy Brockie ら中心選手がプレーしており、ちょっと最近の代表のレベルが怪しくなっている。 11日の日本五輪代表との試合で今の代表の実力が測れるかもしれない。 それも楽しみだ。
ロンドン五輪のサッカーで男女共に出場しているのは地元英国とブラジルそして日本とニュージーランドの4カ国のみ。
キックオフが楽しみだ。


ロンドン五輪 日英サッカーメンバー決定…  物議を醸す男子の選考

2012-07-10 | Weblog
7月2日、日本サッカー協会はロンドン五輪に臨む男女18名ずつの代表選手を発表した。
女子はワールドカップ優勝メンバーで構成され、23歳以下という年齢制限のある男子五輪チームは前回に引き続き今回も選手選考結果に物議を醸す事になった。

大迫、原口の落選
発表された男子メンバーは下記の通りであった。 

GK 権田 修一(23)(FC東京) , 安藤 駿介(21)(川崎)      
DF★徳永 悠平(28)(FC東京) ★吉田 麻也(23)(VVVフェンロ) , 山村和也(22)(鹿島)
鈴木 大輔(22)(新潟), 酒井 宏樹(22)(ハノーバー), 酒井 高徳(21)(シュツットガルト)
MF 清武 弘嗣(22)(ニュルンベルク) 村松 大輔(22)(清水) 東慶悟(21)(大宮), 山口 蛍(21)(C大阪)     
    扇原 貴宏(20)(C大阪) 宇佐美貴史(20)(ホッフェンハイム)
FW 永井 謙佑(23)(名古屋), 大津 祐樹(22)(ボルシアMG) 斎藤学(22)(横浜M)杉本健勇(19)(東京V)

北京大会では起用されなかった Over Age が2名、徳永と吉田が選ばれた。 他に村松、宇佐美がアジア地区予選の出場暦がない。村松は2次予選のクウェート戦で1試合途中出場を果たしたが最終予選には出場暦は無かった。 Bayern München に所属していた宇佐美はドイツ滞在の為か召集もされなかった。彼らだけではなく4年前同様にアジア地区予選時にはレギュラーで出場暦の乏しい選手が選抜されるという選考結果が気になる。ポジション別に見ると下記の様になる。

GK
権田の選考は誰が見ても予想できたこと。安藤が五輪予選同様第二GKに選ばれたが、2年前のワールドカップの事もあるので本番直前までまだ誰が五輪でゴールを守るかは確実ではない。 
北京五輪予選では最終予選の開始時は山本海人が起用されていたが第五戦で西川周作が起用され最終戦のサウジアラビア戦でも西川がゴールを守り、五輪でも西川が3試合ともゴールを守った。西川は代表の第二GKにまでなっているが山本海人は今シーズン所属先の清水ではまだJ-League では出番が無い。何とか奮起してほしい。

DF
北京五輪では最終予選フル出場だった青山直晃がメンバーから外れた。青山は2009年9月のヤマザキナビスコ杯で大怪我を負って以来満足に試合に出場出来ていない。今シーズンから完全移籍した横浜FMでもまだ1試合2分間しかJ-League の試合に出場していない。まだ26歳、奮起してほしい。そして北京五輪予選ではレギュラーのCBだった伊野波も北京五輪にはなぜか選出されなかった。しかし伊野波は今や代表のCBのポジションを奪おうかという選手。次のイラク戦には起用されるかもしれない。 
長友、森重直人そして吉田麻也が予選では召集暦すら皆無なのに北京五輪メンバーに選抜された。 そして安田理大も4試合ベンチ入りを果たしたが起用されなかったのに選ばれた。安田、森重は“黄金世代”と呼ばれた FIFA U-20 2007 のメンバー。長友は五輪予選時、まだ明治大学の学生であったが五輪前にはFC東京でぐんぐん頭角を現していた。 その後の長友、吉田の活躍を見れば選考は間違って無かったのかもしれない。
今回は左SB比嘉(横浜FM)濱田(浦和)ら予選ではレギュラーだった選手が外れた。 比嘉はタレントが豊富なサイドバックのポジションで Bundesliga で香川に次ぐ著名日本人選手となった酒井高徳が五輪メンバーに浮上して来るにつれて厳しいかと思われた。
濱田は選ばれると思ったんだけど、吉田麻也、SBもCBも出来る徳永ら over age 選手が選考された為に外されたのかもしれない。そして比嘉、濱田ともに所属先では出場機会が少なかったことも寄与したかもしれない。比嘉は1試合14分のみの出場時間。 山村も鈴木も所属先ではレギュラーだ。 しかしこれから両名は代表を目指してがんばってほしい。

MF
4年前に続いてサプライズ選考結果のあったポジション。ただ日本はこのポジションには候補選手が多すぎるから最後に選手を絞るのはいつも難しいと思う。 北京五輪では青山敏弘(最終予選3試合スタメン)、水野晃樹(6試合スタメン)家永昭弘(2試合スタメン、2試合途中出場)そして柏木陽介(5試合スタメン1試合途中出場)ら4選手がメンバーから漏れた。家永は最終予選最後の2試合には召集されず、五輪前には怪我をしており、水野は Glasgow Celtic に移籍が決まっておりそちらへの合流に気を使われたのかもしれないが青山と柏木の(当時)サンフレッチェコンビの落選は本当に驚きだった。 
北京五輪では本田圭祐、梶山陽平、本田拓也、谷口博之そして香川真司がメンバーに選ばれた。 本田圭祐は五輪予選でも5試合スタメンフル出場という実績があったが、梶山は最終予選最後の3試合には召集されず、本田拓也も第4戦のカタール戦は累積警告で出場停止となりその後の2試合も召集されていなかった。 また谷口、香川も北京五輪予選には召集されていなかった。 香川は予選時はまだ18歳であったが 2007 FIFA U-20 には既に出場しており五輪前は所属先のセレッソではほぼフル出場のレギュラー。その後の活躍を見れば選ばれて当然の選手だった。谷口は2006年アジア大会のメンバーでそのシーズンは所属先の川崎フロンターレでフル出場、ベスト11にも選ばれていた。
ただ3連敗で終わった直後には柏木くらいは入れても良くは無かったかなぁ~と思った。
今回は清武、東、山口、扇原らアジア地区予選のレギュラーは選ばれた。宇佐美はその才能はだれもが認めるとこころ。ただチーム戦術、特にコンビネーションがフィットするか心配。 原口、濱田の落選に多くのレッズサポーター達が失望し怒りを露にするが気持ちは良くわかる。 原口は9月のイラク戦を目指し “ホーム”さいたまスタジアムで胸のすくようなゴールを決めて欲しい。 濱田も競争は厳しいがCBのポジション争いに参戦して欲しい。



FW
永井、大津は予想通り。最終予選2試合98分出場の斎藤、1試合7分間の杉本の選出そして大迫雄也の落選は驚きだった。永井、大津よりも大迫の選出の方が可能性高いと思っていたのに。 確かに斎藤は欧州遠征で結果を残し、杉本は高さという選択肢を与えてくれるが大迫が外れるとしたら香川と宮吉が召集されたときと思っていたのに…
( 但し宮吉は代表は1軍、五輪は2軍と発言したので関塚監督は招集しないと予想したけど。) 
永井はスピードを生かすためかスタメン起用は2試合のみだった。大津も招集は3試合のみだったがそれは所属先の Moenchengladbach が使いもしないのに召集を拒否したため。
北京五輪当時でもFWは人材不足で予選に出場した選手で五輪にも選出されたのは岡崎慎司、李忠誠のみ。李忠成こそ4試合スタメンで2得点(アウェーのベトナム戦だけだけど。)を決めたが岡崎の予選でのスタメン出場は最後の2試合、ベトナム戦とサウジアラビア戦のみだった。そして召集暦のない森本貴幸、豊田陽平が選出された。豊田が五輪ではナイジェリア戦で唯一のゴールを決めた。 李、森本、岡崎、惜しいシュートはあったんだけど…
星陵高校時代は本田圭祐の1年先輩だった豊田は北京五輪の翌シーズン愛するサンガに移籍してきた。得点力が大いに期待されたが出場試合数は21に限られ1得点を決めただけで翌シーズンにはJ2だった鳥栖に移っていった。しかしそこで再びゴールを量産、2011シーズンは23ゴールを決め得点王となりJ1昇格の原動力となる。今シーズンも16試合に出場し5得点。更なる飛躍を期待したい。

北京五輪では18人中実に7人がアジア地区予選には出場しなかった選手。今回は Over Age の2選手と宇佐美の3人。正念場だったアジア地区最終予選の後半には出場しなかった選手が更に4選手(酒井高徳、村松、杉本、斎藤)。

4年前は“厳しいアジアの戦いを勝ち抜いた同じ釜の飯を食った選手の団結”を危惧すると“それは日本の体育会の弊害でサッカーには関係ない。”という人もいた。 体育会の弊害って何だ? どんだけスポーツやったことあんのか?って“ジャーナリスト”達一人ひとりに訊きたくなった。 そして3連敗に終わった。 その時はそれ見たことか?と思ったけど、本田圭祐を筆頭に内田、長友、吉田麻也、香川、岡崎、李といった現在の中心選手達は北京五輪経験者という事実を見ればあの五輪は良かったのかもしれないと思う次第だ。ロンドン五輪では1試合でも多く試合が出来ることを願う。



Stuart Pearce 'sorry' for David Beckham over Team GB snub

日本でも話題になっていた64年ぶりに結成された英国サッカー五輪代表チーム Team GB のメンバーが7月2日発表された。そのメンバーは下記の通りだった。

The Great Britain men's football squad for the London 2012 Olympics:
Jack Butland (Birmingham), Jason Steele (Middlesbrough); Ryan Bertrand (Chelsea), Steven Caulker (Tottenham), Craig Dawson (West Brom), Micah Richards (Manchester City), Neil Taylor (Swansea), James Tomkins (West Ham); Joe Allen (Swansea), Tom Cleverley (Manchester United), Jack Cork (Southampton), Ryan Giggs (Manchester United), Aaron Ramsey (Arsenal), Danny Rose (Tottenham), Scott Sinclair (Swansea); Craig Bellamy (Liverpool), Marvin Sordell (Bolton), Daniel Sturridge (Chelsea).


最も焦点となっていた David Beckham は Stuart Pearce五輪チーム監督が3度 Beckham のプレーを生観戦した上で五輪チームにから外される事となった。
“ 私がこのチームの監督の任務を与えられた時には選手達のフォーム、フィットネスそして利用の可能性を見て来た。その点から言うとこの五輪には最高のチーム編成で臨む事だと思う。私は David に対してそして彼が五輪をこの地にもたらす為に行ったことに就いては大変な敬意を払っている。“こういった後に続けてこう付け加えた。 ”私が決める事は football のグランド内に起こりうる事に対してであり、誰が好みか等という個人的な事は関係がない。 これは選考でき得る最強のメンバーである。チケットの売り上げや商品の販売の観点から言えば私は football に関わる人間だ。自分の意見に忠実でなければならない。 David には気の毒な結果となった。これが彼にどういう意味か良くわかっている。私はそれを充分に理解している“ と語った。



Pearce 監督の選んだ18選手の中には5人のウェールズ選手がいた。そして北アイルランド、スコットランドの選手はいなかった。 Pearce 監督は国籍は選考の対象にはなっていないと語った。

Beckham の選考、Gareth Bale の負傷による離脱を経ての最終メンバー18選手の選考は Pearce 監督にとっては“ not been easy task : 辛くて骨の折れる任務”だったとの事で over age 3選手はRyan Giggs, Craig Bellamy そして Micah Richards とした。そして23歳以下の選手の中で所属クラブでのスタメンレギュラー選手はほとんどいなかった。 

Manchester UnitedのTom Cleverley, Chelsea の左SB Ryan Bertrand, Swansea のMF Joe Allen そしてArsenalのAaron Ramsey らは選考から外された。そしてSwansea から3選手が選ばれChelsea の Josh McEachran は昨シーズンローンで Swansea でプレーしたが五輪メンバーからは除外された。

兄の Martin がパラリンピックに出場するScott Sinclair もメンバー入りし兄弟での五輪出場を決めた。
この大会に自分の選手団を決める事は容易な任務では無かった。そしてこの大会のステータスとユニークさは私が行った全ての選択の重要性を強調させている。“とも語った。
チームは7月8日にメキシコと親善試合を行い7月20日にはブラジルと親善試合を行う。

Ryan Giggs wrecks David Beckham's Olympic dream

発表の4日前既に Stuart Pearce 監督は最後の Over Age 枠を Ryan Giggs か Beckham かの選択の結果David Beckham の Team GB 入りの可能性が無い事を決めていた。最後は Manchester United の元チームメイト同士の争いとなったらしい。
その結果を受けてBritish Olympic Association の私の尊敬する Lord Coe こと Sebastian Coe 会長は早速 Beckham にはフィールドの外で五輪の為に色々役立って貰おうとその機会を探る事にしたとの事。
4月に Pearce 監督はアメリカに赴き Beckham と話し合い彼をチームに入れる事は何の保証も無いと話した。“彼は偉大な親善大使であったがチームに入れると言う保証は何もない、フォームやチームに入れるメリットだけを考える。 David Beckham も他の選手と全く同じ様に over-age か若い選手かと選別される選手の一人だ。”と言われていた。

Pearce 監督が Beckham 18人で構成されるチームに入れる余地が無かった理由は攻撃と守備のオプションを考えるとManchester City のMicah Richards とLiverpool のCraig Bellamy の2人を over age として選出し最後の over age 枠を Beckham と Giggs で“争う”事となった為だった。
Lord Coe 会長は Beckham をロンドン五輪の number one サポーターと言っていたそして Beckham の代表漏れに何の警告を発しなかったロンドン五輪委員会はすぐに彼を親善任務に含める、 Beckham を7月27日の開会式に出席して貰うと語っている。
Beckham と Coe は2012年の五輪開催地を決める2005年シンガポールで開催されたOlympic Congress そして2018年のワールドカップ開催国を決めた FIFA の総会で共に開催権利を得る為に共に闘った。
“ David は大変なサポーターだ。恐らくナンバーワンのロンドン五輪サポーターだ。まさに開会直後から最後まで熱狂的にサポートをしてくれるだろう。 彼はロンドン東部の出身だ。そして五輪の重要さと若者にどれだけスポーツが重要かを知っている。彼は偉大な任務のモデルで我々は彼の様な支持者を得られて幸運だ。私は彼と出番に就いて話し合うだろう。



Beckham が Pearce からチームに入れない事を知らされた時は大変失望していた事を認めた。
Pearce 監督は充てにしていたDF選手達が怪我や EURO に選ばれた為にDF選手のカバーが急務であった。
Phil Jones, Martin Kelly, Kyle Walker そして Chris Smalling らが候補選手であった。Richards は長い間 Pearce 監督が欲していた選手だった。Richards は EURO2012 の前のオランダ戦を前に代表から外れたので今回の選出の運びとなったらしい。
また Hodgson 代表監督が Daniel Welbeck を EURO2012に選んだのでストライカーの over age 選手が必要となった。そして Pearce 監督の選手のコンディション具合を重要視するという事から Joe Cole, Adam Johnson そしてFrank Lampardらも対象外となった。Manchester United のWelbeck は EURO ではワントップのレギュラー選手だった。
Spurs のGareth Bale, Chelsea のFW Daniel Sturridge そしてBirmingham City のGK Jack Butlandらはチームの中心選手と予想される。
Everton のMF Jack Rodwell は怪我の為に Team GB には選ばれなかった。
英国五輪代表は開会式の前日の7月26日にOld Trafford でセネガルと初戦を行い29日に UAE を聖地 Wembley に迎える。 
“誰もが祖国の為にどれだけ闘うかが常に私にとってどういう意味かと云う事を皆知っている。だからこのユニークな Team GB に選ばれる事は栄誉であった。勿論私はがっかりしているが恐らく私ほどチームをサポート出来る選手はいないだろう。他の誰もが願う様に私もチームが金メダルを勝ち取る事を願っている。
ロンドン出身者としてオリンピックを祖国に持ってくる事に少し従事出来た事を誇りに思う。そして開幕が待ちきれない。“
以上の様に語った。



London 2012: Chelsea put health of Daniel Sturridge first

EURO2012 が終了し発表された Team GB のメンバーを見て UEFA Champions League のタイトルを勝ち取った Chelsea の Roberto Di Matteo 監督は心配がシーズンを終わらせれくれないといった困惑。
EURO2012 に選出されなかった Chelsea でプレーする21歳のFW Daniel Sturridge が五輪代表に選ばれたが Sturridge はその前の週からシーズンの疲労からか床に伏せていたらしい。

“最も重要なことは健康状態だ。 彼が100%健康状態で Sturridge 自身が五輪チームに合流できるのであればわれわれは Stuart Pearce 監督に全面的に協力したい。Daniel も Ryan Bertrand も召集されている。そして五輪チームに選ばれることは選手達にとって偉大な機会である。チームの監督としてはシーズン開幕前には選手達を手元に置いておきたいが、何人かの選手は五輪にいて選手達もそれを望んでいる。スペイン五輪チームには Oriol Romeu とJuan Mata が召集されると言われている。選手達にとっては逸したくない機会だ。多くのクラブが我々と同じ状況下にある。選手達の所属するチームがどこまで勝ち上がるかによるが常に代表チームとの兼ね合いのジレンマに陥る。そして8月には国際親善試合も組まれている。( England は8月15日にイタリアとスイスのベルンで親善試合が組まれている。”
Oriol Romeu とJuan Mata の召集はワールドカップ、欧州選手権に続く五輪金メダルの“3冠”を狙うスペインにとっては必至であると思われるらしい。

Daniel Sturridge may have to withdraw from Team GB

Team GB はLoughborough で7月6日ごろから合宿に入りその後スペイン合宿に入り7月20日にはMiddlesbrough のRiverside Stadium にブラジル五輪代表を迎えて親善試合を行う。
まだ Sturridge の Team GB からの辞退は決まっておらず Pearce 監督はリザーブメンバーとの入れ替えが可能な7月25日まで最終決定を延ばすつもりだ。
最終メンバー発表のあった翌日の7月3日時点では Sturridge はまだ病に伏せており Chelsea のクラブドクターと専門家が様子を見て経過を報告する事となっていた。 彼の状態は24時間後には回復していると信じられていた。



7月3日時点では公になっていなかったが Standby List に入っている4選手はNorwich City のDF Ryan Bennett, Reading のGK Alex McCarthy, the Huddersfield Town FCのストライカー Jordan Rhodes 、Crystal Palace のウィング Wilfried Zaha と思われた。 Rhodes か Zaha が Sturridge と替わって選ばれる候補と考えられている。
Standby List の候補選手だった Tottenham Hotspurの Gareth Bale は背中の負傷で、また Bale のチームメイトであった Kyle Walker とManchester United のDF Chris Smalling も相次いで負傷で離脱して行った。



Ryan Giggs to captain Team GB's Olympic football team



Pearce 監督は Team GB の主将に38歳の Ryan Giggs を任命した。
ウェールズ国籍のGiggs にとって選手キャリアーの中でもロンドン五輪は最高の国際舞台。
“明らかに五輪チームに選ばれたことは偉大な名誉である。 Stuart Pearce は私にキャプテンを任命してくれた。これは更に私にとって良いことで良い事で、非常に楽しみでもある。 それはユニークな経験で私がこのチームの一員になれればと思った時に考えたことだ。五輪が近づくほどにエキサイトして来て、メンバーの発表があった時に本当にチームの一員になれたことに誇りを持った。我々は金メダルを勝ち取ることを臨む。それは他の選手達が望むことでもある。選手達は勝者になり、好成績を残したいと思う。みんな金メダルを願う。それはタフなことだ。なぜなら他の国も優秀な選手を集めて大会に臨むからだ。タフな大会になると思うけど我々にもチャンスはあると思う。 ”
落選した Beckham については“ Devid には残念なこととなった。友人として彼を気の毒に思う。 選手としてはこの得られた経験とやろうとしたことをただ楽しみたい” と語った。



Chelsea's Juan Mata in Spain's preliminary squad

日本の初戦の対戦相手スペインのメンバーはかなり強烈である。
Juan Mata, Jordi Alba そして Javi Martínez といった EURO20120 優勝メンバーが候補に入っている。
Mata はChelsea のMF, フルバックの Albaは来シーズンから Valencia からBarcelona に移籍金€1,400万 ( 約14億円 ) で移籍が決まっている。共にEURO の決勝戦でゴールを決めている。
Athletic Bilbao でプレーするJavi Martínezも EURO2012 の Ireland 戦に出場しており FIFA World Cup 2010でもメンバー入りし1次リーグのチリ戦で Xabi Alonso に替わって投入され20分間プレーした実績を持つ選手。 
“五輪チームを代表チームと同じ潜在能力があると見積もるのはちょっとフェアーではない。チームはフル代表チームと同じ概念と特徴を持っているが、代表とは異なったチームでまた違ったプレッシャーを受けるだろう。 ”と語るのは Luis Milla スペイン五輪チーム監督。 現在候補選手22名を選抜し18名に絞り込むが、候補選手の中にManchester United のGK  David de Gea, Chelsea の MF Oriol Romeu そしてFC Barcelona 所属の Martín Montoya, Thiago Alcãntara そしてCristian Tello らが入っている。 



所属クラブを見ると名前負けしそうであるが、日本五輪チームには是非健闘を期待したい。
1979年日本でワールドユース大会、今の FIFA U-20 が開催された。初めて自分が見る日本が参加するFIFA 主催の大会を非常に楽しみにしていた。その日本の初戦の相手がスペインだった。個人の技術では圧倒的に差があるのは試合を見ていてすぐにわかった。それでも日本はグラウンドを良く走り回りスペインに決定機を作らせなかった。しかし後半にミドルシュートを決められそれが決勝点となった。 日本は決定機を作れず 0-1 という得点差以上の差を見せられた気がした。
丁度日本のワールドカップデビュー戦、フランス大会のアルゼンチン戦を見終わったときにワールドユースのスペイン戦を思い出した。 その後日本はアルジェリア 0-0 メキシコ 1-1 と引き分け目標だった準々決勝進出はならなかった。 準々決勝にでられたらマラドーナ、ラモン=ディアスらのいたアルゼンチンとの対戦が待っていたのだけど。
7月25日、 Glasgow で日本はスペインと対戦する。スペインの最終メンバーはまだ決まっていないけど出来れば日本も中村俊輔を使えないか? 彼なら Glasgow でばんばん直接FKを決めてくれるぞ??


スペイン戴冠 あぁやっぱり…そして終わってしまったぁ  Spain 4-0 Italy 1st July 2012

2012-07-03 | EURO Football

決勝戦はあっけなかった。あんなに点差が付くとは思わなかった。スペインは準決勝のポルトガル戦が山場だったのかもしれない。それでも Cristiana Ronaldo のワントップよりも勢いのあった Baloterri, Cassano の2トップのそして Andrea Pirlo のいるイタリアの方がスペインにとっては難敵だと思った。 

4年前と3週間前に対戦
両国はEURO2008 の準々決勝戦と3週間前の1次リーグで対戦している。 
スペインは今大会の1次リーグと同じスタメン。イタリアは3選手が入れ替わった。 Thiago Motta ( PSG ) Emmanuel Giaccherini ( Juventus ) そしてドイツとの準決勝戦が累積警告で出場停止だったCristian Maggio はこの試合もベンチスタートだった。そして Antonio Cassano  ( AC Milan )  Andrea Barzagli ( Juventus ) そして Ricaardo Montolivo ( Fiorentina ) の3選手がドイツ戦に続いてスタメンで起用され、Ignazio Abate ( AC Milan ) がFederico Balzaretti ( Palermo ) に替わって決勝戦ではスタメンに起用された。
4年前、スペインがイタリアをPK戦の末に破った激戦にはスペインは GK Casillas ( Real Madrid ) , Iniesta, Xabi Hernandez, Sergio Ramos そして Cesc Fabregas が出場していた。4年前はエースだった Ferrnad Torres ( Chelsea ) はこの試合もベンチスタート。 スペインのワントップにはポルトガル戦の Negredo に替わって Sesc Fabrigas が起用された。そしてワントップ以外はイタリアは GK Buffon , DF Chiellini ( 共に Juventus ) Cassano そして De Rossi ( AS Roma ) の4選手が4年前の経験者。 De Rossi, そしてこの日はベンチスタートだった Di Natale ( Udunese ) の2人が4年前はPKを失敗した。

過去の対戦、そして1次リーグではイタリアが Di Natale のゴールで先制し今大会スペインから唯一のゴールを奪っていることそして Balotelli が準決勝戦で爆発していることから今大会の出場国ではスペインに対して最も戦えるチームと考えていた。
ドイツよりもいい勝負をと期待したけど。

両者は1920年のアントワープ五輪で初対戦しておりこの時はスペインがイタリアを 2-0 で降している。

ワールドカップを4度制しているイタリアはともかく、EURO2008 から始まるスペイン王朝以前はReal Madrid ,  FC Barcelona こそサッカーの世界を圧巻していたが代表レベルとなるとフランコ総統下の1964年の欧州選手権での優勝と EURO1984での準優勝そしてバルセロナ五輪での金メダルくらいが目立った戦績。ワールドカップ1970、1974年大会そして EURO1992 は地区予選を突破できなかった。ここ4年の“急速な圧倒的強さ”は数十年間サッカーを見てきた者にとってはサプライズのひとつだ。というよりも EURO2008 以前のスペインの方が意外な見られ方をしているのか?

 

                             GK 1 Buffon ( Juventus )

           7 Abate      15 Barzagli     19 Bonucci     3 Chiellini 
         ( AC Milan )   ( Juventus )   ( Juventus )   ( Juventus )

                 8 Marchisio    21 Pirlo       16 De Rossi 
                ( Juventus )  ( Juventus )  ( AS Roma )

                                   18 Montolivo
                                   ( Fiorentina )

               9 Balotelli                             10 Cassano
           ( Manchester C. )                      ( AC Milan )

                                   10 Cesc ( Barça )

       6 Iniesta ( Barça )                                  21 David Silva
                                                             ( Manchester United )

                     14 Xabi Alonso                   8 Xavi
                       ( R. Madrid )                   ( Barça )

                                   16 Busquets ( Barça )

           18 J. Alba     15 S. Ramos      3 Pique           17 Arbeloa
           ( Valencia )    ( R. Madrid )      ( Barça )        ( R. Madrid )

                                    GK 1 Casillas ( R. Madrid )

 

 

スペイン先制 イタリアは疲れが….

スペインのキックオフで始まった試合は2分に左サイド Cassano からのパスを受けた Pirlo が中央からミドルを放つ。 イタリアが先制すれば面白いと誰もが思うところだろう。 5分には期待の Balotelli にボールが渡るがここは Sergio Ramos がマークに入る。
しかしそんな“期待”はすぐに霧散していく。左サイドを Sergio Ramos が突破しJordi Alba に繋いでクロスが上がる。ここはBonucci がCKに逃れ、そのCKに Ramos がヘッド強烈なヘッドを放つ。9分を過ぎるとスペインのパスが回りだしサポーターたちから“オーレ”に掛け声が上がる。4年前はレギュラー選手ではなかった David Silva そしてXavi 、Alvaro Arbeloa らががんがん攻め込んでくる。11分には Cesc からのクロスに Xavi が放ったショットがクロスバーをかすめる。

いずれもゴールネットには至らなかったがポルトガル戦と異なりスペインの“先制攻撃”を見せられイタリアの先制ゴールよりも“早い時間に失点してくれるなよ。”との願いに替わってくる。
だが14分 Iniesta が前に送るとXavi がやや右サイドからChiellini と競り合いながらも折り返しDavid Silva が放ったヘッドがBuffon の守るゴールにあっさりと突き刺さった。 

イタリアが勝つためには絶対に先制点、と思っていたのでこのゴールでも試合が決まってしまったと思った。
しかし16 分からはイタリアが反撃を再び試みる。Ballotelli がArbeloa に倒されてFK を得る。 Balotelli がまたいで Pirlo が直接狙ったFKは Xavi の背中に当たってCKに。再び Pirlo がゴール前に上げるとCasillas が指先に当たってDe Rossi に当たってゴールラインを割る。 Casillas の指先に当たらなかったらドンピシャで De Rossiのヘッドが決まっていただろう。

その直後にスローインを得ると Abate がゴール前の Balotelli にロングスローを入れるもマークに入った Busquets がヘッドでCKに。 Pirlo が右から入れたCKに Barzagli がヘッドでコースを替えるが Ramos がヘッドでコーナーに。今度は左から Pirlo が入れたCKに Chiellini が飛び込むがわずかに合わずにGK Casillas が弾き出す。この連続CKにイタリア同点ゴールの予感が芽生える。

しかし20分守備に戻った Chiellini が膝を抑えて動けない。スペインは攻撃を続けるが最後は Pirlo が Iniestaからボールを奪って外に蹴り出す。アイルランド戦で膝を痛め途中でベンチに下がり準々決勝のイングランド戦は欠場し準決勝のドイツ戦は出られないんじゃないかと思われていた Chiellini だが決勝戦は20分でベンチに下がり Bonucci が投入されることに。 Chiellini の負傷退場によりイタリアの勝利がかなり遠のいたことだろう。

試合前、最も懸念されたのはイタリア選手のコンディション。 決勝戦はスペインより1日短い中2日のインターバル。それだけでない、スペインは準々決勝、準決勝とドネツクで2試合行い約600kmの移動距離を経て決勝戦の地キエフに、1次リーグを終えてずっとウクライナに居座れたのに対しイタリアは準々決勝のイングランド戦をポズナンからキエフに移動し120分間+PK戦まで行う激戦の後国境を越えて中3日でワルシャワに戻りドイツ戦に臨み再び約770kmの移動を経て再びキエフに。 国境を越えた移動、移動距離そしてインターバル、イタリアにとって最大の懸念であった疲労が大きくのしかかっていたであろう。スペインのパスワークに対抗するためにはポルトガルが見せた様な運動量で早く詰め寄りスペースを与えないことと思っていた。この日のイタリア選手たちのコンディションを考えれば試合前から勝負はほぼ付いていたのかもしれない。もし1次リーグでスペインが2位通過であったなら優勝はどこになっていたかもわからなかったかもしれない。

それでもイタリアは同点ゴールを求めてスペインゴールにシュートを放つ。27分には Balzaretti が左サイドを突破しスペインゴール前に送り Balotello が頭で合わせるが惜しくも外れる。29分には Cassano のシュートは Casillas の正面に。 30分の Pirlo が狙った直接FKは右に外れ、33分 Cassano の 20m のショットはまたも Casillas がセーブ。 
アズーリ達のエネルギーが残っているうちに同点に….と思うが41分スペインはカウンター攻撃から最後は中央やや左の Jordi Albaへ Xavi が送り導き出されたシュートが Buffon の守るゴールの左下隅に突き刺さりスペインがあっさりと追加点を決めた。  Casillas のGKからの見事なカウンター攻撃だった。
この時点でスペインが3失点するとは考え難くイタリアの勝利はPK戦以外にないと思われた。

悪夢の様な Motta の負傷退場。

後半からイタリアベンチは Cassano を下げて1次リーグスペイン戦でゴールを決めた Di Natale を投入するが、何故 Cassano を下げたのだろう。大会最後の試合、攻撃選手を華麗に並べて捨て身で一縷の可能性に掛けるというのは日本のジャーナリスト諸氏が嫌う体育会的と批判を浴びるか?だけどジャーナリスト諸氏達の何人がスポーツに汗を流したのだろう?
Di Natale は後半開始早々に早速ヘッドを放つがわずかにクロスバーを越える。 51分にも Di Natale が Montolivo の左からのセンタリングに合わせて10mの至近距離からシュートに持ち込むが Casillas がはじき出し、こぼれダマが Di Natale の足元に転がり Baloteeli に送りヘッドを放つがここも Casillas がストップ。 なかなか Casillas の牙城を崩せない。
57分イタリアベンチは最後の交代選手 Motta を Montolivo を投入する。しかし4分後 Motta は脚を押さえてうずくまる。ハムストリングを傷めて結局担架に乗せられて運ばれてしまった。 既に交代枠を使い切りしかも最後の交代選手が Motta だった。 プランデリッツ監督の心境は…



59分に先制ゴールを決めた Silva が下がり Pedro Rodriguez ( Barça ) が投入された。試合開始から何度か Iniesta が右サイドに入り事があったけどこれで Pedro が左に入り Iniesta が右に張りつく事になると思った。
64分 Balotelli が倒されてFKを得る。 Pirlo がファーサイドの Bonucci に送るが Busquets のマークがきつくてシュートに持ち込めない。 この日は Pirlo が中盤で厳しくマークされ頼みの Balotelli もボールが渡っても幾重に取り囲まれ思うように動けない。 一人少なくなったイタリア選手達の脚もだんだん止まってくる。中2日の疲れがのしかかっているのだろう。
そして75分ついに Fernando Torres がCesc Fabregas に替って投入されトップに入る。フランス戦以来2試合振りの出場。投入目的もフランス戦同様相手の攻撃を“カウンター攻撃”で抑える為だろう。 それでなくてももう試合はイタリア陣内でしかボールは回っていなかった。 そして85分ついに Xabi のスルーパスを受けた Torress がBuffon の守るゴールに蹴り込み3-0 とした。このゴールを喜んだのは Chelsea の首脳陣だろう。欧州選手権の決勝戦で2大会連続でゴールを決めた選手は過去誰がいただろう?欧州選手権で3点差が付いたのは 1972年の欧州選手権決勝戦の西ドイツ 3-0 ソ連以来。ワールトカップではフランス大会の決勝戦がフランス 3-0 ブラジルだった。

そしてその“記録”が塗り替えられる。 88分に Iniesta が下がり Juan Manuel Mata が投入される。これで Chelsea の選手が2人ピッチに立つ事に。 Mata はUEFA Champions League 決勝戦ではトップ下。準決勝戦と準々決勝戦では2列目右で起用されたけどこの試合は…と思っていたら Arbeloa のスルーパスを受けたTorres がお膳立てしたチャンスからイタリアゴールに押し込んで4点差とした。 欧州クラブ王者の FW でさえ6試合目にして初めて残り3分になって出場機会が回ってくるとはそれはスペインの選手層の厚さか? Torres は得点王を狙ってシュートを撃つという選択肢は持っていなかったか?しかし今大会から?設定された出場時間を考慮するという規定も知っていたのかなぁ?

ロスタイムが3分と表示される。あとはスペインが5点目を入れるかどうか…と思う。その反面、早くイタリアの為に笛を吹いてやってるれと Pedro Proenca 主審に願ってしまう。 そしてようやく終了の笛が吹かれスペインのゴールフィエスタも終わりこの4年間でスペインが3度目のビッグタイトルを手に入れた事となった。 

決勝戦が行われた Olimpiysky National  Sports Complex , もう20年以上前商用でキエフを訪れた時にあこがれのこの競技場に来た事がある。あの時は共産圏の雰囲気いっぱいであったが2008年に大改修され今はどんな雰囲気なのだろう?

4年前はカエサルスペイン国王夫妻が競技場にお見えになっていたけど今回はフェリペ皇太子がキエフに来ておられたとか。
レテシェ皇太子妃も同行したのかな?
今回はテレビ画面を通してみた決勝戦そして試合後のフィエスタを見ながらそんな事を考えていた。

そして思った。 FIFA Confederations Cup で日本はスペインと対戦するのだろうか? そして4年後の2016年、俺はフランスに渡って EURO を楽しめるのだろうか……




EURO2012 Final 数時間前….

2012-07-02 | EURO Football

欧州選手権 UEFA EURO2012 も決勝戦を残すのみ。3位決定戦というのが無いのがこの大会の好きなところの1つ。決勝戦に進出して来たのはスペインとイタリア。 連覇を狙うスペインの決勝進出は多くの人達が予想していたけどイタリアは少なかったんじゃないかな? 決勝戦を前に英国紙から気になる見出しを見つけた。

Spain and Italy suffer new economic setbacks

借入金額は跳ね上がり株式市場は下げ止まり。投資家は安全な避難場所を求めて

スペインとイタリアの財政悪化は6月26日借入金額が跳ねあがり株式市場が下がっている事から泥沼化している。そして政治家達はこの状況の責任に就いて非難しあっている。スペイン政府は銀行破綻を防ぐために€1兆( 100兆円) の財政援助を申請した為に同国の借入金が跳ねあがってしまった。
スペインでは銀行の先行き不安から3カ月と6カ月の短期国債の金利は2倍に跳ね上がった。
Angel Merkel 首相は私が生きている限り欧州は負債をため込まないとの発言を受けて投資家達がより安全な方向に走る様になった。
スペインとイタリアそして他のEUから直接資金を受け得いるアイルランド、ポルトガルそしてギリシアに関心が集中している間にフランスにスポットライトが当たっている。 大統領選挙を先月に終え再び金利が上がり始めている。 

“薄っぺらい、惨めなスペインとイタリアを加えた後、次のターへっとはフランスになるだろう。 私は大変少人数の国際研究所のメンバーがフランス債を買っているのを見ている。人々は大変神経質になっている。”

Hollande 大統領はそれは税収入の激減と公共雇用60,000人を捻出する為に数週間のうちに予算を組み替えると思われる。
フランス銀行の10年国債の金利はEURO 時代に入ってから最低であった6月1日付けの 2.071%から 2.63%に上がると見られている。5月15日の Hollande 大統領が執務に着いた時は 2.902% であった。
欧州の株式市場は Brussels Summit に先駆けて落ち着きを見せている。 スペイン IBEX 35 は1.5% 下がりイタリア MIB は1.1% 下げている。

この2日間の“欧州首脳会議”は欧州を支配している金融危機を解決する為の結論には達さないと見られていた。
この問題はドイツと他の3カ国、フランス、イタリア、スペインとは絶対的に埋まらない温度差があると言われているがそれは当然で金を貸す方と借りる方では立場も言い分も異なりその上借りる側の方の見解は本当に援助して貰うのかいな?と思ってしまう。

銀行破綻が懸念されるスペインやギリシアの銀行は欧州中央銀行からの直接資金注入を欲しているがドイツというよりもメルケル首相はあくまでも政府を通じての資金援助しかするべきでないと主張。ジャーナリスト筋ではドイツが外交的に優位に立つ為と言っているが“金を貸す方”から言えば当然の主張だと思う。

まぁ中国みたいに借りた金で宇宙開発をしたり軍備を強化し貸した国の領土侵犯をはかったり途上国に援助をして貸した国より国際舞台で優位に立ったりするよりかはましか?それにそんな中国にお人好しに国民の税金を簡単に援助してしまう国の外交の方が問題か?

予想以上のポルトガルの健闘。そして勝ったのは連覇を狙うスペイン

Spain 0 ( PK4-2 ) 0Porutgal   26th June Donetsk

大きな炭田がある炭鉱で有名な街 Donetsk 。旧ソ連邦時代からここは同国のエネルギー源となっており“ソ連貿易”を専門に行っていた私が前にいた会社ではキエフに続いてウクライナ共和国では頻繁に出張者が訪れていた。残念ながらロシア語を話せない“東欧担当”だった私はキエフこそ行った事があるがドネツクには行った事は無かった。

ここで準決勝戦が行われた。 

                    GK 12 Patrica ( Sporting )

      21 Pereica      3 Pepe      2 Alves       5 Coentrao  
     ( Sporting )   ( R. Madrid )    ( Zetit )       ( R. Madrid )

                       4 Veloso ( Genoa )

           16 Meikeles               8 Moutinho 
            ( Chelsea )                ( Porto )

   17 Nani ( Manchester United )            7 Ronaldo ( R. Madrid )

                       9 Almeida  ( Besiktas )

                      11 Negredo ( Sevilla )

     6 Iniesta ( Barça )                   21 David Silva
                                     ( Manchester United )

          14 Xabi Alonso              8 Xavi
          ( R. Madrid )               ( Barça )

    18 J. Alba      15 S. Ramos    3 Pique         17 Arbeloa
   ( Valencia )      ( R. Madrid )    ( Barça )       ( R. Madrid )

                    GK 1 Casillas ( R. Madrid )

スペインは4年前の決勝戦でプレーした選手が6人。4年前はギリシア戦しか出場機会が無かった Alvaro Arbeloa が右SBに。
Puyolが大会前に怪我で離脱したDF陣で前回の決勝戦経験者はCB Sergio Ramos のみ。ワントップに起用されたのは Fernando Torres でも Cesc Fabregas でもなく Negredo 。予選でも1試合しか召集されておらず今大会も出場時間は短かった。 決勝戦は誰がトップに入るのだろうか?

ポルトガルはスタメン9人が前回の EURO もメンバー入りしており Cristiano Ronaldo, Joao Moutinho ら6選手が主力選手だった。左SBの Fabio Coentrao はワールドカップ2010で台頭して来た本来はFW選手。EURO2008、ワールドカップ2010 では1ゴールずつに終わった Ronaldo は今大会これまで4試合で3得点。スペイン相手にゴールが奪えるかも楽しみだった。しかしポルトガルはワールドカップ2010では4試合で僅かに1失点。守備の強さが印象的だった。その1失点が決勝トーナメント1回戦のスペイン戦で David Villa の決勝ゴール。今回はその雪辱に燃える。スタメンの中でこの試合の経験者は12人だった。そして Real Madrid でプレーする選手が7人、Barça所属の選手が4人、Manchester United が2人。
特にDF陣は両チームに2人ずつ Real Madrid の選手がおりレアルの守備はスペイン、ポルトガル連合軍か?と思った。

スペインのキックオフで始まった試合。開始早々 Miguel Veroso がミドルを放ち GK Casillas がCKに逃れる。9分27秒にはスペインが左サイドでパスを繋ぎ Arbeloa がシュートをに持ち込む。その直後にも Iniesta が中央からミドルを撃つ。この試合の天候はポルトガルに味方した。30分過ぎまで水分補給する選手が目立たない。それだけ運動量が上がりスペインはパスを繋ぐもポルトガルの選手達がすぐに詰めて来るので相手のバイタルエリアになかなか近付けない。パスは繋がるもシュートに持ち込めず最後は Iniesta, David Silva 頼りであった。こう言う時、 Torres や Cesc のどちらかが好調ならそこに繋いで局面を打開してくれるのだけど。

個人の力と言えば Cristiano Ronald 。この試合でもドリブル突破は健在だった。26分には波状攻撃を見せるがその際は Ronaldo は中に入って攻撃の中心となっていた。31分には Meikeles のインターセプトからSergio Ramos, Pique のマークを掻い潜りシュートに持ち込むが惜しくもポストの左に外れる。そして左SBの Fabio Coentrao の上がりも効果的であった。

しかし後半に入るとスペインの選手のパスアンドゴーが見られるようになりパスも足元ばかりでなくスペースで受けられる様になった。そして54分には Negredo が下がり Cesc ( Barça ) が投入される。そして60分を過ぎるとポルトガル選手の脚が徐々に止り出したせいかスペインがポルトガルPA付近まで何度も迫る。

こうなるとポルトガルは Ronaldo の個人能力。72分に得たFKはクロスバーを越えた。 81分には Xavi のファールでFKを貰い直接狙い壁に入った Arbeloa の手に当たり更に前の26mの位置で再びFKを得るがシュートはクロスバーを越える。

そして終了直前、カウンター攻撃から77分に Alemeida に替って投入された Nelson Oliveira ( Benfica ) が中央をドリブルで上がって行きエリア付近で左に走り込んだ Ronaldo に送る。フリーの Ronaldo が Pique のスライディングタックルの直前にシュートを放つがクロスバーを越えて試合は延長戦に入った。 90分間でボール支配率ではスペインは 53% であったがシュート数はポルトガル10に対してスペインは6だった。

スペインのキックオフで始まった延長前半、左SBの Jordi Alba が良く上がって来ていた。そして103分には Alba の上がりから Iniesta が決定的なシュートを放つがGK Patrica が好セーブでストップ。その後ポルトガルが Meikeles に替って Silvestre Varela ( Porto ) を入れて2列目左に置き、 Nani をトップ下に入れ右にMoutinho を置き前線を Ronaldo と Oliveire の2トップにする。しかし Sergio Ramos らスペインDF陣を最後まで敗れずEURO2008準々決勝戦イタリア戦から続く EURO, World Cup の決勝トーナメントでのスペインの連続無失点記録が9試合となった。

PK戦では先攻のスペインが1番手 Xabi Alonso のPKが Patrica に止められると、 Casillas がポルトガルの先鋒 Joao Moutinho のPKを止める。この試合殆ど仕事が無かった2人が早速存在を見せた。

その後 Iniesta, Pique, Nani ( 順番が変わった?) Sergio Ramos と決めた次のポルトガル4人目 Bruno Alves のショットがクロスバーを直撃。そして Cesc Fabregas が最後に決めてスペインの2大会連続決勝進出を決めた。 蹴る順番が回って来なかった Cristiano Ronaldo の最後の表情が印象的だった。これまで相手チームの決定的なシュートが“ポスト”や“クロスバー”に助けられる事は無かったがこの試合はクロスバーに阻まれた。

Man of the Match はポルトガルの攻撃をそして時には”僚友“ Ronaldo を止め続けた CB Sergio Ramos。 UEFA Champions League 準決勝戦の Bayern München 戦ではPKを失敗したがこの試合ではきっちりと決めた。

地元開催以外ではポルトガルはどうしても準決勝の壁を破れない。 ワールドカップでは1996、2006。EUROでは 1984, 2000 そして今回。 それでもこの試合を見る限り、もう Ronaldo 一人のチームで無い事は良く解った。スタンドに Luis Figo はいたのだろうか。



Paul Bento 監督は試合後 “我々は決勝戦に進出する為にやった。ほぼ90分間我々は素晴らしいパフォーマンスを見せた。しかし延長戦に入りミスに付け込まれスペインに支配を許した。我々は栄誉と誇りを持って偉大なチームに屈した。大会5試合で敗れたのは1試合だけだった。 3連勝の後に我々は欧州、世界王者に対して自滅して敗れた。 我々は2度目の決勝進出に近づいた。ポルトガル国民は代表チームを誇りに思ってくれるだろう。 そして9月にはワールドカップ予選が始まる。” この様に語った。

Cristiano Ronaldo: "We left a little frustrated"

PK戦はいつも同じだ。我々はよく戦ったそして決勝戦に残れるだけのチームだった。単にPK戦で幸運が無かっただけだ。我々は誇りを持てる、しかし勿論フラストレーションを感じながら大会を去る事になった。 私はいつもの様に全力を尽くした。そして自分のプレーには満足している。我々は誇れるはずだ。

“いかなるチームに対してやる様に全力を尽くしたが敗れてしまった。我々よりの幸運であったスペインにはおめでとうと云いたい。” Nani はこう語り Pepe はPK戦に就いてそれは“くじ引きである。試合中の我々は大変良く組織化されよく動いていた。我々は強固なチームだった。不運にも我々は得点出来ず大変な悲しみと共に去らねばならない。” こう語った。

"Balanced game," says del Bosque

Bosque スペイン監督はポルトガルとの準決勝戦を“拮抗したゲームだった。後半は僅かに我々がポルトガルに勝った。おそらく彼らは少し疲れたのだろう。彼らのDF陣を破るのは容易ではない。”この様に語り、イタリアが来てもドイツが来ても決勝戦は拮抗するだろうと語った。




Champions League でPKを失敗したSergio Ramos はこのPKを“大変に望んだ。”と語った。“大変なスリルだった。私は勿論ハッピーだ。スペイン人であることを誇りに思える。そしてまた新たな成功に挑戦できる。”

Casillas は“PK戦はロータリーの様なものだ。我々はキックオフ直後はあまり良く無かったがスペシャリストがいる。  Xavi のPKはセーブされたがこの次は私の番だと思った。我々は歴史を創りまだそれが続いている。”この様に結んだ。

これまでのスペインのPK戦の戦績は下記の通りだった。

 EURO 1984     (準決勝)   : 5-4 デンマーク

ワールドカップ 1986 (準々決勝 ) : 4-5 ベルギー

EURO 1996      (準々決勝)  : 2-4 デンマーク

ワールドカップ 2002 (準々決勝 ) : 3-5 韓国

EURO 2008      (準々決勝)  : 4-2 イタリア

EURO 1984      (準決勝)    : 4-2 ポルトガル

決勝戦はどうなるだろう??