Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Wolfsburg Meistershale !!!

2009-05-30 | EURO Football

5月23日ブルガリアのソフィアを後にし一路ドイツに戻る。
Munchen を経由し北の大都市 Hamburg に。空港から一直線に向かった先はいつもここでお世話になっている G さんが当地で7年に渡って経営されているの寿司ティクアウェィ店。 

“お疲れでしょう。 食事まだでは無いですか?食べてください。どうぞ。” 

昼食時の忙しい時間にも関わらずおいしいお寿司とうどんのセットを御馳走になってしまう。 私はパンも大好きだけどやっぱり毎日では…..ワールドカップの時もそうだったけど G さんのところのお寿司を食べるとこれまでの疲れなんて本当にすっ飛んでしまう。 

“今日は HSV はアウェーでここでは試合は無いんだけどよろしかったんですか?”

Football 狂の私を気遣ってくれる。 日本での出来事や最近のハンブルグ事情
(これが結構役に立つ。)の話を10分程度して荷物をお店の倉庫におかして頂き、営業に出掛ける事に。 荷物まで預かって貰うなんて本当に厚かましいんだなぁ…..俺は…….

この日は Bundesliga 2008-09 の1部リーグの最終節。9試合が全てほぼ同じ時刻にキックオフとなる。前節を終わって首位 Wolfsburg 以下優勝の可能性が残された4チームの星勘定は下記の通りだった。

1. VfL Wolfsburg     20-6-7 75-40 +35 66
2. Bayern München 19-7-7 69-41 +28 64
3. Vfb Stuttgart     19-7-7 62-41 +21  64
4. Herta BSC         19-6-8 48-37 +11 63

ただし Herta Berline は奇跡でも起きない限り優勝は難しく、その可能性が皆無に等しかった。 Wolfsburg の対戦相手、Werder Bremen は3日前にイスタンブールで UEFA Cup の決勝戦を戦っており(しかも敗れており) これまで今シーズンの Bundesliga では10位。優勝も Champions League もUEFA Cup もそして降格の可能性が無く最終戦へのモチベーションが上がるだろうかと思われていた。 

日本でも注目されている長谷部、大久保の所属するVfL Wolfsburg は初めての Meisterschale まで最終節の Bremen と引き分ければそれで充分。悲願達成まで遂にあと勝点1と迫っていた。 しかも最終節は2位の Bayern と3位の Stuttgart は直接対決となっておりこの試合が引き分ければ Wolfsburg が敗れても優勝と言う優位な立場であった。 

今シーズンの Budesliga は序盤2部から昇格したばかりの 1899 Hoffenheim が台風の目となる。11月29日の15節を終えて11勝1分3敗で首位。 このまま最後まで突っ走ってしまうのではないかと思わせた。 しかし第18節で Energie Cottbus を 2-0 で敗った後は第31節の 1FC Köln 戦を 2-0 と勝利するまでの12試合が何と7分5敗。シーズン序盤の快進撃が嘘の様に失速してしまった。
替って首位に立ったのが Herta BSC Belin かつて奥寺が在籍した事もある。第20節でワールドカップで決勝戦の舞台ともなったホームの Olimpiastadion で Bayenr を 2-1 で降し首位に立つ。次節にはアウェーで Wolfsburg に敗れて一旦は3位に落ちるも第22節で Gladbach をホームで 2-1 で降すと再び首位に返り咲いた。
だが第26節で Wolfsburg がホームの Volkswagen Arena で Bayern を 5-1 で粉砕し歴史的勝利を挙げ首位に立つ。そして第33節まで首位をキープし続け初優勝に王手をかけた。 VfL Wolfsburg は今シーズン第17節を終わって首位 Hoffenheim に勝点差9で9位であったが、第22節の HSV Hamburg を 3-1 で破り以降合せて Bayenr 戦の勝利を含め8連勝。 特に今シーズンホームでは16勝1分の圧倒的な強さを見せた。 

そして第33節アウェーの Hanover 96 戦。 この試合は2トップが爆発 Edzin Dzeko が3ゴール、Grafite が2ゴールで 5-0 でホームの Hanover を粉砕し優勝に大きく一歩前進を果たした。 今季躍進の立役者の2トップは得点王争いでもブラジル人の Grafite が26得点で首位。2位はボスニア人 Dzeko の 25得点。 これでは大久保の出番はこの試合の様に途中出場に限られるのも理解できる。 
長谷部は連勝中の Arminia Bielefeld 戦から怪我で欠場するもこの試合は長谷部誠が右サイドバックで出場。 Die Welt am Sonntag の採点は3点。 Bild 紙は2点そしてKicer 誌の採点も2点。 しかも Kicker 誌は初めて長谷部を Elf des Tages に右サイドバックのポジションで選出した。 ( Die Welt 紙は左の2列目であったけど) これには6月のワールドカップ予選3連戦に向けて大いに勇気づけられた。 頼むぞ長谷部。
一方、Budesliga では常勝軍団の Bayern München。今シーズンは Jürgen Klinsman を監督に迎え新体制でシーズンに臨むもシーズン開幕当初はなかなか波に乗れず第7節を終了して11位。 第8節アウェーで Karlsruhe を 1-0 で破り第19節の Dormnund 戦まで引き分け1つ挟んで10試合9連勝で Hoffenheim に勝点差1で2位に浮上。しかし以降は Wolfsburg に大敗を喫したり、 UEFA Champions Leageu で Barcelona に良い処なく敗れ、4月25日の Schalke 04 戦を 0-1 で落とすと2日後監督更迭を発表。 Jupp Heynckesを暫定監督に据え第節から3連勝を飾るも前節 今シーズンの台風の目 Hoffenheim 相手に 2-2 で引分けてしまい、Wolfsburg に王手を掛けられた。そしてついに今シーズンは首位に立つことはなかった..... 
32節まで首位 Wolfsburg に勝点1差で3位に着けていた Herta Berlin は 33節で FC Shalke 04 とスコアレスドローでほぼ優勝圏外に去る事になってしまった。

さて営業回りをしていると時計の針はもう5時を少し回ってしまった。 Gさんの店に戻ろうとするとあるカウンターの前で人だかりが。 カウンターの前の看板には白墨で HSV – Frankfurt 15:30 と書かれている。 20人程度の人々がビールグラスを片手に大型のテレビスクリーンに映し出されている Bundesliga の最終節の中継を見入っている。 その中の人に Woflburg はどうなったかと尋ねたら。 Vier und ein, Wolfsburg Vier と教えてくれた。 すでに Wolfsburg が 4-1 と大きく Bremen をリードしており優勝は秒読み段階となっていた。 

テレビ中継は Bayern 対 Stutgart を映しながら、他球場でゴールシーンがあればそちらを映し出している。 ここにいる人の殆どは Frankfurt で試合をする地元の HSV Hamburg の動向を知りたがっているようだった。 かつて高原が所属した Hamurg は今シーズン首位に立つこともあったが、第33節を終えて勝点58で6位。 最終節の Eintracht Frankfurt に勝つか引き分けて同じ勝ち点58得失点差で上回る5位の Borussia Dortmund が Borusia Mönchn Gladbach に敗れれば順位が入れ替わり UEFA Cup 出場権が手に入る。 今シーズンは UEFA Cup に出場し準決勝で Bremen とのNord Derby に PK戦で敗れた。 そのHSVだがこの試合はここまで 2-0 と Frankfurt をリードしていた。後で知ったが稲本はこの試合にはベンチ入りもしておらず、Friedhelm Funkel 監督が今シーズンで退団する事から来季はチームを離れ J リーグ入りが濃厚となっているらしい。 
テレビから連続して Tore ( ゴール ) の声が響いてきた。 Hanover がチェコ代表のJiri Stajner の今シーズン8ゴール目でArminia Bielefeld に追い付いた。 そして Gladbach がブラジル人DF Dante のゴールで先制した。 上記した様に Dortmund が敗れて HSV が勝つと来季の UEFA Cup 出場権が手に入るので周囲の人達から歓声があがる。 

そしてもう一つのドラマ、降格、残留の天と地の分かれ目も。最終節を残して降格の可能性が残るのは下記の4チーム。

15 Bor. M‘ gladbach   8-6-19    38-61  30
16 Arminia Bielefeld    4-15-14  27-54  27
17 Energen Cottbus   7-6-20     27-57 27
18 Karlsruher SC       7-5-21    26-54  26

下位同士の直接対決は最終節には組まれていなかったがどこのリーグでもこの争いは熾烈だ。最終節を前にどのチームも残留、降格の可能性があった。
M’gladbach は引き分ければ降格から逃れられる。 最下位の Karlsruher は Herta に勝たねばならない。その上で Bielefeld または Cottbus が負けるか引き分けるかしてくれれば自動降格の17位を上回る事が出来る。それだけに 16位 Bielefeld,
17位 Cottbus は負けられない最終戦となっている。

テレビスクリーンでは60分 Bayern が van Bommel のゴールでリードを2点とした。Bayern の追加点に一同残念そう。 しかし Wolfsburg は3点リードしている。この試合経過は選手達に伝えられていたか? 61分、今度は更に大きな溜息が。 Frankfurt で HSV が Alexsander Meier の失点を喫し 2-1とされた。 そしてその直後の62分には見慣れた選手が両手を上げていた。 Socceroos の 長身選手Joshua Kennedy だ。 ヘッドを Hertha Berlin ゴールに叩き込みリードを 3-0 に広げた。 Kennedy はこれがシーズン初ゴールだ。しかし残留争いをする Cottbus はリードしている。 63分Stuttgart の Maro Gomez の今シーズン24ゴール目が決まり 1-2 と1点差に迫る。 だが Stuttgart も Wolffusburg が勝ってしまったら優勝は無くなる。 Gomez の今シーズンの Top Scorere もほぼ不可能に近くなっている。 EURO 2008 では1次リーグ3試合に出場したが結果が残せず準々決勝からは Löwe 監督がシステムを1トップに替えた事からベンチに下がった。 決勝戦では Klose に替って途中出場したがスペインの前にゴールを挙げられなかった。来年のワールドカップではどうだろう....試合後 Bayern München 入りが発表された。 それに伴い? Podolski が古巣の 1FC Köln に戻る事となった。 

Bayern の失点に少し歓声があがったが今度は大きな落胆のため息が。 Frankfurt が Caio のゴールで HSV に追い付いた。 カウンターを叩いて „ scheisse !! „ と叫ぶ人も。 これで HSV は約3分間で連続2失点だ。 さらに1分後今度は UEFA CUP 出場権争いをする Dortmund が Poland 人 MF Jakub Blaszcykowski の今シーズン3ゴールで同点に追い付いた。Blaszczykowski はワールドカップドイツ大会のメンバー。 EURO2008 は怪我で出場出来なかった。この時点で、再び Dortmund が HSV を上回る事に。

そしてテレビから „ Tore Cottbus !! „ の声が聞こえる。 クロアチア人MF Rivic Stivenのシーズン初ゴールが決まりリードを 2-0 と広げた。 この時点で Bielefeld が同点だったのでこの時点では自動降格圏からは脱している。 Cottbus は69分にルーマニア人 FW Jula Emil の今シーズン4ゴール目でリードを3点に広げた。 Cottbus のサポーターの一人が泣きだしたのをテレビは映した。そしてたまに中国人MFの 邵佳一が映し出される。 もし Dortmund に追い付かれた Gladbach が逆転されても得失点差から Cottbus が15位まで上がる事は考えにくい。しかし16位なら自動降格を免れ2部リーグ3位のチームと入れ替え戦だ。 しかしここにいる HSV サポーターは UEFA Cup 争いをするDortmund の勝利は望んでいない。73分またも Kennedy が映し出される。 62分に続いてゴールを決めリードを4点と広げた。だが Cottbus が3点差をつけている。Kennedy は翌日は妻いされた Die Kicker 誌が選ぶ最終節の Elf des Tages に選ばれた。ワールドカップ予選要注意だなぁ.......
それにしても Hertha Berlin はどうしたのだろう? Karlsruher に勝てば UEFA Champions League の可能性も出て来るのだが......

74分 Wolfsburg が優勝を決定づける Edin Dzeko のシーズン26ゴール目が決まり 5-1 となった。大歓声がテレビから聞こえて来る。 Bremen は UEFA Cup の決勝で敗れた Shakhtar Donetsk との激戦の疲れが残っているのだろうか..... エースの Diego は来シーズン Juventus への移籍が決まったらしい。
そしてテレビから „ HASEBEeeeeee ~ !! „ と言う声が聞こえてきた。後で知ったがこの試合の先制ゴールのシーンで長谷部がインターセプトし右サイドを上がって作ったチャンスを Micimovic が決めたシーンが映し出されたのだった。

こうなると注目は残留争い。 84分 Hanover が Sergio Pinto の今シーズン4ゴール目で Bielefeld を 2-1 と突き放す。 席を立つ Bielefeld サポーター達が映し出される。 試合は徐々にタイムアップに近づく。 そして何度も Wolfsburg を映し出す。 89分 Carlos Eduardo のシーズン8ゴール目で今シーズンの台風の目であった Hoffenheim が Schalke 04 を 3-2 と突き放す。 結局今シーズンは7位に終わったがこの結果に満足する地元のサポーターは多いと思う。来シーズンはどうなるだろう? 
ロスタイムに入り大歓声が沸く。 Piootr Trochwski の今シーズン6ゴール目で HSV が 3-2 と Frankfurut に勝ち越した。 これで UEFA Cup の出場権をほぼ手中に。 そして Bielefeld がかつての Poland 代表FW Artur Wichniarek のゴールで同点とした。試合には引き分け Karlsruher と共に降格が決まってしまったが最後に意地を見せた........ 画面は替って優勝に沸くWolfsburg が映し出される。 Maghat 監督のインタビューが映し出される。
かつて HSV Hamburg のメンバーで TOYOTA Cup に来日してもう26年。
来年は Schalke 04 で指揮を執るんだけどチームはどうして引き留めないのか....

                

長谷部は....大久保は.....必死に探すがなかなか映らない...........

           

シーズンは終わったが、5日後の5月28日、初めて入れ替え戦が行われその!st Leg ではホームで1部の Cottbus が何と2部3位の 1FC Nürnberg に 0-3 で完敗してしまう。2nd Leg はワールドカップで日本がクロアチア戦を行った Franken Stadion で5月31日に行われる。 
そして5月30日には Berlin でドイツカップ ( DFB Pokal ) の決勝戦が Bayer Leverkusen と Werder Bremen の間で行われる。 勝てば UEFA Cup だ.... 

そしてドイツ代表はアジア遠征を敢行。5月29日上海で行われた中国代表との試合は Podolski のゴールで 1-1 で引き分けた。入れ替え戦がなければ邵佳一も出場できたか??

中学、高校の時に憧れた Die Budesliga 今こうして地元で視ているんだなぁ...........

そして私はGさんの店に戻った。 翌日はGさん宅で食事を御馳走になり、しかも洗濯機まで使わせて頂いた。 出張中にこうして洗濯できる事はどれほどありがたい事か....

その上、“列車の中で食べてください。”とお弁当まで作ってくれた。
車中で食べたそのお弁当。どれたけおいしかった事か........  

Jリーグでも最終節はこの様に“全試合中継”してくれないかな移動する ICE のなかでおいしいお弁当に舌鼓を打ちながらそう思った。 あぁ憧れの Die Bundesliga ........


          


14年振りのブルガリア  

2009-05-25 | EURO Football

フランクフルト空港からルフトハンザ機で約2時間。 機体は予定通りにブルガリアの首都ソフィア・ヴラジデヴナ国際空港に到着した。
当地を訪れるのは14年ぶり。当時は仕事で隣国ルーマニアの首都ブカレストに駐在しており、ブルガリア市場参入の可能性を探るべく約1週間の日程で同地を訪れたのだった。

“ソフィアは危険だ。充分に注意をしなさい….”

ブカレスト駐在事務所の現地人スタッフらみんなにアドヴァイスを受けた。 
当時のブカレストは独裁者チャウセスク政権が倒されて約4年後、しかし独裁政権の負の遺産はあまりにも大きくルーマニアの復興はあと何年かかるのだろう….とてもこう言う市場に売り込みをかけて成果が上がるのだろうか…. と思いながら駐在員生活を続けていた。 ブルガリアは更に”その上を行く“と想像していた。
しかしそれが杞憂にであった事は街に入ってからすぐに解かった。 当時ルーマニアに無かったマクドナルドこそソフィアにもまだなかったがピザハットやルーマニアに無い“西側の店”がいくつもあり街の様相はブカレストよりもはるかに進んでいた。 
さらに当時の現地通貨事情もルーマニアレイよりはずっと安定しておりドイツ等の西欧諸国はルーマニアをすっと飛ばしてブルガリアに既にかなりの投資を始めていたのだった。当時宿泊したホテルは故黒川紀章がデザインしたビトウシャホテルと言う立派なホテル。中には和食レストランが入っておりほぼ1年ぶりの寿司に涙が出そうになりながら舌鼓を打ったことを覚えている。 そしてホテルにはボーリング場も設置されており、またテレビチャンネルも衛星チャンネルが充実。 トヨタカップの Velez Sarsfield 対 AC Milan の生中継を観たのを覚えている。(ただし衛星チャンネルは当時のブカレストでも視る事は可能で住んでいたアパートでも契約をすれば視聴でき、これが無ければブカレスト生活は1か月も持たなかったと思っている。)

ソフィアを発つ前に今度はブルガリアで知り合った現地の人達が

“ブカレストは危険でしょう。充分に気を付けて。そしてすぐにソフィアに帰って来なさい。” 

と言ってくれた。 そしてブカレストに帰って

“ おかえりなさい!ブカレストにもう安心だ。ソフィアは危険では無かったか…..”

と案じてくれた地元の人達に率直にソフィアの様相を話したが当時は誰も信じてくれなかった………..

ソフィア空港から街中まではタクシーで20分程度。 料金も 15 Lv. ( 約975円) 最近でもまだ観光客に法外な料金を吹っ掛ける運転手もいるらしいが国の面子の為にも何とか統制をはかっているらしい。街に近づく前に既に私が知るソフィアとは大きく変わっている事を幾つも発見した。 
まず乗用車の数が激増している。しかも Audi , OPEL, BMW そして Mercedes Peugeot 更に TOYOYTA と言ったブランドが並ぶ。 14年前でも数少ない乗用車でも見られたのは LADA, Skoda, DACIA 更に旧東ドイツのトラバントでさえも。
“今そんな車種は博物館行きだ。”今回知り合った人がそう言っていた。 
街に入れば更に違いが。 当り前だが MaCdonald のみならず STARBUCKS や Pizza Hut それからまだ完成していなかったが DUNKIN DONUTS と言った店舗が立ち並び人々は当たり前の様にそこに出入りしている。
当時の面影を残すのは街中を走るトラムやトロリーバスそして地下鉄への通用口階段で花や洋服を売っている老婆達……

    


ブルガリア Football は柏レイソルでもプレーしたかつての英雄 Hristo Stoichkov が有名だ。その前のアメリカ大会予選、ご存知の方も多いと思う。 
パリの Parc de Princes 競技場で行われたフランスとの地区予選最後の試合、終了直前に Emil Kostadinov のゴールで勝利を収めたブルガリアは翌年のワールドカップ出場を決め5年後ホスト国に決まっていた地元フランスがまさかの予選敗退となった。 それからしばらくしてフランス人の友人からは “我々は日本と同じ運命を辿った。”と言われた。
ワールドカップでは初戦のナイジェリア戦に 0-3 で完敗した後、Stoichkov の2つのPKを含む 4-0 でギリシャに快勝する。これはブルガリア史上初めてワールドカップで勝った試合であった。 
続く相手はアルゼンチン。誰もが苦戦を予想したがマラドーナが薬物使用に陽性反応が出て大会から追放され、そのアルゼンチンにStoichkov そして Nasko Sirakov のゴールで 2-0で快勝。マラドーナを失ったアルゼンチンは続く決勝トーナメント1回戦ではルーマニアに敗れ3大会連続決勝進出の夢は潰えた。アルゼンチンはブルガリアそしてルーマニアに連敗を喫し帰国した事ととなった。ブルガリア戦の前半で Caludio Canniggia が負傷退場しルーマニア戦も出られなかったのも痛かった。 ブルガリア戦、ルーマニア戦と当時横浜マリノスでプレーする Medina Bello が途中出場した時はうれしかったなぁ……

一方のブルガリアは決勝トーナメントに入って更に調子があがる。1回戦ではメキシコをPK戦の末に破り史上初めてワールドカッフベスト8に進出。 PK戦で殊勲のファインセーブを見せたGK Borislav Mihailov に地元局アナが “ ブラボー!ボブ !”を連発。地元ではしばらくそれが流行語となったらしい。 しかし更なる快進撃は準々決勝。前回王者のドイツを Lothar Mattaeus のPKで先制されるも Stoichkov そして Letchkov のゴールで逆転勝で葬ってしまった。 準決勝ではイタリアに敗れ、続く3位決定戦でもスウェーデンにいい処なく 0-4 で完敗したが、凱旋帰国した彼らを何万人もの地元の人々が出迎えたとの事だった。
大会得点王となった Stoichkov の存在は世界に示される事に。 しかし彼は 1990年から FC Barcelona に所属。1992年5月にUEFA Champions Cup の優勝メンバーでもありこのワールドカップのシーズンもロマーリオ、クーマンらと共にバルセロナに所属。 決してワールドカップでの“出現”が予想されない選手ではなかった。
この3位決定戦を私は当時の赴任先のブカレストで数人の地元の人達とテレビ観戦していた。 隣国ブルガリアを応援するかと思っていたが、ブルガリアが失点する度にテレビを指差して嘲笑をしていた。 自国はその前にスウェーデンにPK戦で敗れていた。 そのスウェーデンに勝たれては……と思ったのかな?
その時口に出しては言わなかったがもしルーマニアが準々決勝でスウェーデンを破っていれば準決勝では恐らくブラジルに敗れていたであろうからこの3位決定戦はブルガリア対ルーマニアの隣国対決となりもっとエキサイトしたものとなったのではなかっただろうか……….

その後のブルガリアは翌年の欧州選手権予選でドイツを破るなど好調を持続、イングランドで開催された本戦に進出するがフランス、スペインに続いて3位となり最下位のルーマニアと共に1次リーグで敗退した。 ワールドカップは続くフランス大会にもロシアを抑えて地区予選を突破し本大会に進出。ストイチコフらを擁したがナイジェリアに敗れ1次リーグを突破できなかった。最後のスペイン戦は 1-6の大敗であった。そしてストイチコフが代表を引退して以降、1998 年ワールドカップフランス大会以来2大会ワールドカップそして欧州選手権には2004年のポルトガル大会に地区予選を突破したが Group League ではスウェーデン、デンマークに連続して 0-5 で大敗するなど見せ場なく帰国した。   

多くの人達はこのアメリカ大会のブルガリアの活躍を記憶しているだろうが、私は中学の時に来日したブルガリア代表の事も忘れられない。 
当時欧州の代表チームが来日する事は非常に珍しかった。 1976年1月モントリオール五輪予選への強化試合としてブルガリア代表を招待し日本代表と当時としては珍しく3試合代表Aマッチが組まれた。 メンバーも2年前のワールドカップ西ドイツ大会の本戦出場した時の中心選手 Hristo Bonev そしてGKRumen Goranov , DF Dimitar Penev, MF Bojil Kolev ら4人のワールドカップメンバーを擁していた。 
試合は1月25日の初戦は釜本のゴールで先制するもその後3連続得点を許しブルガリアが底力を見せる。第二戦は1月28日舞台を大阪に移し Bonev , Kolev らワールドカップメンバーを残すもメンバーを若手に切り替えた。そのせいか日本代表も 1-1 と健闘し引き分けとした。しかし2月1日の国立競技場の最終戦では貫録を見せ日本代表を 0-3 で一蹴した。私は初戦に試合をテレビ観戦していたが例え敗れても欧州代表を相手にしてもゴールを決める釜本は流石だと思った。

宿泊したホテルから走って15分程度のところに National Stadium がある。 共産圏時代に建造された事を象徴する大きな競技場で周囲にはアスリートの銅像がいくつも建てられていた。 照明塔は競技場の外から建てられている。競技場の迎えには “スポーツ省”の建物があった。競技場内にはスポーツ博物館があるのだろうか…….もしあればどういう選手が讃えられているのだろう……
共産圏時代は国威掲揚でスポーツ振興もすごかっただろうなぁ……..

     

トルコの英雄、重量挙げのスレイマノグルがソウル五輪前にブルガリアからトルコに亡命した時にトルコ政府はかなりの金を払い亡命を認めさせ、ソウル五輪でトルコ史上初の金メダルを買ったと言われている。 
この国が1398年から約500年もの間オスマントルコの支配下におかれ現在でもトルコ系住民が多くイスラム寺院と教会が並ぶ独特雰囲気がそれを思い出させる。 1878年南下政策を続けるロシアの手助けを得てサンステファノ条約で自治権をブルガリアは得るが当時のロシアの南下、影響の拡大を恐れた欧州列強は干渉をはじめ、1911年にはマケドニアの獲得の為にセルビア・モンテネグロ、ギリシア、とバルカン同盟を組みオスマン朝とバルカン戦争を戦い勝利を収めるが今度は戦勝国同士で領土割譲がこじれ第二次バルカン戦争が勃発した。これに敗れたブルガリアは領土奪還の野心から第一次世界大戦では同盟国側に第二次世界大戦では枢軸国側に着くも共に敗れ戦後はソ連主導の社会主義国建設が推し進められたのだった。街にあふれるキリル文字、そして人々も話す言葉、それはブカレストのそれとはまったく異なるものであった….

今、日本代表がブルガリアとワールドカップで同じ組になったらどういう勝負をするだろう…..今の日本代表が中学時代に来日したあのチームと戦えば…..そしてブカレスト駐在時のワールドカップアメリカ大会のメンバーと戦えばどういう試合をするのだろう…..ソフィアの人が知っている日本人選手はいるかな? 中村俊輔くらいは知っていて欲しいな…..

滞在中は大相撲名古屋場所が行われていた。 琴欧州の報道はあまり見なかったけど…… 5月27日、ローマで行われる UEFA Champions League の決勝戦。 Manchester United の攻撃陣には Ronald , Rooney と並んでブルガリア人FWの Berbatov がいる。 タクシーのラジオから流れて来るニュースでは何やら彼の事を報道していたが日本で見られるような過激な報道は見られなかった。 まだ早かったかも知れないが…..

過激で無く、過熱もなく、 旧共産圏でスポーツ振興に歴史のあるこの国のそれがスポーツ選手に対する最良のマナーなのかもしれない。 

       


日本 4 韓国 3 + Newcastle Jets 超級 0 ACL ベスト16決定

2009-05-22 | Football Asia

商用先の Frankfurt 空港のマクドナルドで私は ACL TV を観ていた。
もちろん蔚山現代と Newcastle Jets のGroup E の大一番だ。 
試合開始前の時点では visitor である Newcastle Jets が勝点1リードしており、この最終節を引き分ければベスト16進出が決まる。
しかし迎え撃つ蔚山現代とて当然勝って次のラウンド進出を決めたいところだった。 
最終節を前に東地区では J League 勢はすべて次のラウンド進出を決めており、残り4つの席をこの組を含めた合計8チームが争う事となっていた。
そして直接対決で決まるのがこの Group E 蔚山対 Jets 戦。 他の3組は最終戦が “消化試合”となるJ League 勢が運命を握っていた。
しかし Group H の川崎フロンターレは1位が確定していなかったので何とか勝ちたいところでは無かったか……
5月19日に Group G と H の試合が行われ水原三星と浦項スティーラーズが次のラウンド進出を決めた。川崎が等々力で浦項に 0-2 で完敗したのはショックだった。

最終節をホームで Jets を迎え撃つ蔚山現代としては当然勝って他の K League 勢に後れを取りたくないところであっただろう。

前節最後の6分間で連続ゴールを挙げて奇跡の逆転勝利を収めた Newcastle Jets は FW Adam Griffiths を累積警告で欠くものの、イタリア人FW Vingroli Fabio が怪我から復帰しスタメンに名を連ねた。 そして前節北京国安戦でスタメン出場した Jobe Wheelhouse がこの試合でもスタメンに。しかしオランダ人FWの De Groot Donny そしてロスタイムで逆転ゴールを挙げた Daniel Rooney の2人はベンチからも外れた。 それは引き分けでも良いこの試合を守備的に逃げ切る為か??

一方前節、瑞穂競技場で名古屋グランパスエイトに 1-4 で大敗した蔚山現代は名古屋戦では途中出場であったかつてFC東京でもプレーした呉章銀がスタメンに入った。他にもマケドニア代表MF のGergierski Slavcho, ボタフォゴでもプレーしたブラジル人 FW Almir Lopez de Luna。そして彼と2トップを組む 2008年東アジア選手権の日本戦に出場歴のある Cho Jin Soo , 2002 年ワールドカップメンバー(出場歴は無い)のMFでありチームの主将である玄泳、 2009年FIFA U-20韓国代表候補の Lim Jong Eun 更にGK 金永光は 2003 FIFA U-20, アテネ五輪、2006年FIFAワールドカップ に選出され6月のワールドカップ予選のメンバー候補に招集されている将来の李雲云に続く代表候補。 こう言ったタンレント揃いのホームチームにどうやって勝点を挙げるのだろうか…と思った。

        

そしてこの競技場は7年前のワールドカップの試合を観戦しに訪れた事がある思い出の競技場だ。またいつか行けるといいなぁ…..

試合は開始からホームの蔚山が押す。14分には Cho Jin Soo が強烈なショットを放つがゴールポストの右に外れる。26分には Slavcho のパスを受けた Cho Jin Soo のシュートはクロスバーをかすめる。 ボールキープの出来るブラジル人の Almir Lopez は脅威であるが最終ラインは韓国人相手でもさすがにフィジカルに優る Jets 。最後の1対1では容易に突破を許さない。       

          

そして36分先制ゴールが生まれる。 左サイドを Vingroli が突破し入れたクロスはぴたりと Jason Hoffman の頭にあいそのまま放たれたヘッドは 金永光を破ってゴールネットを揺らした。       

        

ここには Newcastle からサポーター達は少ししか来なかったのか静寂が訪れる。 勝たねばならない蔚山が先制ゴールを許した。 しかし試合の主導権は蔚山が握っていたので同点ゴールを挙げるには難しいとは思われなかった。 後半に入っても猛攻をかける蔚山。49分には Kim Shin Wook のヘッドがクロスバーに当たり、55分の Almir のヘッドは GK Kennedy がファインセーブ。 68分 Slavcho のヘッドはゴールネットの上に乗る。 
Jets は開始9分に DF Milicevic Lujibo が怪我でベンチに下がるが替って入った元 Adelaide United の Anzelo Constanzo が最終ラインを D’Apozzo Adam とともにしっかりとケアー。 イタリア人FWの Vingroli は足の故障が心配なのか前半でベンチに下がり若い Mooy Brodie Frank がピッチに入る。 時間が経つにつれて FW Sasho Petrovski 以外は全部が下がって守備にまわる。 しかしボールを奪うや Perovski にロングボールを送る方策は効果的で何度か蔚山ゴールにカウンターで迫るシーンも。しかし流石代表GK 金永光、ファインセーブを見せつ追加点を許さない。                   

          

そして88分途中出場の Lee Dong Geun が低い弾道のミドルシュートを放つがまたも GK Kennedy が横っとびで押さえる。 そしてタイムアップのホイッスルを迎えた。 これで昨シーズンの Adelaide United に続いて Newcastle Jets が次のラウンドに進出を決めた。 蔚山現代は K-League 勢の中で唯一ベスト16に残れなかった。

“アウェーゲームはいつも苦戦を強いられる。 我々はカウンター攻撃に頼ったそしてゴールを挙げた。それはやったと思わされたゴールだった。 そして規律良く守備が出来た。 我々の中ではベストゲームの一つでは無かったがもちろんこれは素晴らしいゲームでもあった。“ 試合後 Gary van Egmond 監督はほっとした表情でこう語った。       
           

他の組ではFC ソウルがベスト16進出を決めた。山東魯能はインドネシアの Sriwijaya にアウェーとはいえまさかの敗退 ( 2-4 ) 勝って入ればFCソウルが勝ってもベスト16進出が決まったのだが格下のチームの意地を見せつけられた結果となった。
日中韓豪の直接対決を一つの表にまとめてみた。 
J League 勢は既にベスト16を決めた後の最終節は2分2敗。
中国超級勢は J-League, K-League 勢との直接対決で後れを取った事が Group Stage での結果につながったと思う。 
オーストラリア A-League の3勝は全て Newcastle Jets が上げたもの。

だけどフロンターレよ何故最終節勝ってくれなかったんだろう….

そうすれば Newcastle Jets を等々力で見られたのになぁ…… 

             日本     韓国    中国    豪州    Total     得失点   勝点
J League            4-1-3  4-3-1 3-1-0   11-5-4   36-20    38
K League 3-1-4             4-2-2  1-1-2    8-4-8    23-28    28
中国超級 1-3-4  2-2-4             2-1-1    5-6-9    17-21    21
A League 0-1-3  2-1-1   1-1-2              3-3-6    11-18    12


 


Miracleeeee Jeeeeeets !!!!!!

2009-05-20 | Football Asia

5月5日夜、私はA-League のサイトを凝視していた。 ACL の第5節 Newcastle Jets 対北京国安戦の動向を見る為に。
せっかく AFC TV と契約をしたのに日本では ACL の試合はこれでは見られない。何の為に契約したのだろう…契約料は安かったけど…..

69分均衡が遂に敗れた。 先制したのはアウェーの北京国安。そして先制ゴールを決めたのは何とオーストラリア人ストライカーの Ryan Griffiths 。 中盤からの王珂のスルーパスに抜け出した Ryan Griffiths がLijubo Milicevic のマークを受ける前に放ったショットはGK Kennedy を破って Jets ゴールに突き刺さった。試合内容は圧倒的に Jets が押していた。ボール支配率だけを見てもここまで Jets 69 に北京は31 だった。それが football と言ってしまえばそれまでだけど….. 
 
                   

2008年2月。 Sydney の Aussie Football Stadium で Central Coast Mariners を Mark Bridge のゴールで1-0 で破り見事に A-League 王者に輝いた Newcastle Jets であったが Jets も Mariners も ACL の出場は翌々シーズンから1年以上待たねばならなかった。 2008年8月15日。 A-League の次のシーズンが開幕。 Jets の開幕戦は約半年前の Grand Final と同じ相手 Central Coast Mariners 。 先制を許しロスタイムに Joel Griffiths のゴールで何とか追い付いたがこのシーズンは Mark Bridge ら主力が抜けた事もあり戦力がダウン。 21試合の全日程を終えて4勝6分11敗。連勝が1回も無く最下位に沈んでしまった。 最終戦の Sydney FC 戦のピッチに立った前のシーズンの Grand Final のメンバーは Adam Griffiths , Ante Covic , Matt Thopmson, Jin-Hyung -Sun , Tarek Elrich そして Adam D’Apuzzo の6名のみであった。 Jade North, Joel Griffiths ら主力はシーズン中にチームを去って行った。それは球団経営の為に主力選手を中国や韓国のチームに売却せねばならないという A-League の深刻な問題の縮図でもあった。 

               

最下位に終わったシーズン終了から1ヵ月半後には ACL に臨まねばならなくなった。  Newcastle Jets の初戦は北京国安とのアウェーゲーム。 ここに一つの因縁がある。北京国安にはかつての Jets のエースストライカー Joel Griffiths が所属しているのだ。 Griffiths 3兄弟と言えば3人ともプロのサッカー選手であると言う事でオーストラリアサッカー界では有名である。Joel の2歳年下の Ryan が昨シーズンより北京国安でプレーしており,兄の Joel が追って入団をしたのだ。そして Joel の双子の兄弟である Adam Griffiths は Newcastle Jets 所属の選手だ。  
そして物議を醸しだしていたたのは Joel がこの試合でプレーするかどうかと言う事だった。 現在 Joel Griffiths は “貸出し”の形で Newcastle から北京に移籍しており契約では Newcastle Jets との試合には出場出来ない事になっているらしい。 
しかし3月10日北京で行われたこの試合には背番号29 を付けて背番号23 の弟 Ryan と共に先発出場。 Jets 関係者を驚かせた。 まぁ契約そのものが怪しかっただろうし、中国のチームが契約をきちんと履行するとも思えないが……..

この試合を 0-2 で落とした Jets はこのACL  Group E では完全なアウトサイダーと思われた。 しかし続く蔚山現代をホームに迎えた第二戦を A-League 終了後に Central Coast Mariners から獲得した Sasho Petrovski の2ゴールで快勝しアウェー、名古屋に乗り込んだグランパス戦をしぶとく 1-1 で引き分け決勝トーナメント進出の可能性が見えてきた。

4月22日、 Newcastle に名古屋グランパスエイトを迎えた 。この日の Jets のメンバーの中で昨シーズンの A-League でレギュラーであったのは Tarel Elrich, Ben Kantarovski, Adam Griffiths そして主将の Matt Thompson の4人。 Adam D’Apuzzo そして Milicevic Ljubo が累積警告で出場停止。 若いFW Broodie Mooy そして A-League 終了後に獲得した元 Adelaide United の主将 Angelo Constanzo 膝の怪我から復帰した Jason Hoffman らを加えたメンバーで臨んだ。 
試合は立ち上がり前節引き分けた事により自信を掴んだ Jets が主導権を握る。 名古屋でのグランパス戦では出場出来なかったイタリア人 FW Vignaroli Fabio が素晴らしいFKを連発するが Constanzo のヘッドはゴールを捉えられない。
名古屋の Magnam と Jets の Fabio がキープレーヤーと思われたが32分には共に怪我の為にピッチから姿を消す。 特にこの ACL から入団したかつて Lazio 等でもプレーをした Fabio は故障を抱えているみたいで前節の名古屋遠征には帯同していなかった。今シーズンの A-League ではどれだけ万全のコンディションで臨めるか首脳陣は心配だろう。 
50分に Davi のクロスをキャッチしようと果敢に飛び出した GK Kennedy であったがバランスを崩しボールに触れなかったが好運にもボールはゴールポストをそれて行った。
そして57分 Thompson のパスが主審の踵に当たりコースが替った所を拾われカウンターを許し、杉本のクロスから小川が Kennedy の左を破るショットを放ちアウェーの名古屋が先制ゴールを挙げた。 
59分に Jets ベンチは Donny De Groot, Hoffma を下げて Sean Rooney, Sasho Petrovski を投入しまず同点を狙う。 そして78分 Petrovski がエリア内の右サイドに侵入。 Bajalica Milos がマークに入ると Petrovski は転倒。すると UAE 人の Ali Hamad Madhad 主審は迷わずペナルティースポットを指した。Milos は右手人差し指を左右に振って抗議するが判定は変わらない。スタンドからは大歓声が沸く。 Petrovski が自らボールをセットしそのPKを蹴るが日本代表GK楢崎が左に倒れこんでセーブ。 8492 人集まった Energy Australia からは失望の声が漏れた。 
それでも引き分ければまだまだ上位2以内に入れる可能性は大いに残されている。 ロングボールを放り込み必死に名古屋ゴールに迫るがそこは J-League で優勝を争うグランパスDFライン。その後ろには更に鉄壁の代表正GK 楢崎が控えている。 結局無得点のまま試合終了のホイッスルを迎える事となった。

                   

しかしまだ彼らに好運はあった。 北京国安がアウェーで蔚山現代に敗れ2位以内の可能性がまだまだ残されたのだ。しかもこの試合で Joel Griffiths が警告を受け累積警告で次戦の Jets 戦には出場が出来なくなったのだ。第4節を終えての勝敗表は下記の通りだった。

名古屋グランパス 4 2 2 0 5 2 +3 8
蔚山現代            4 2 0 2 3 5 -2 6
北京国安            4 1 1 2 2 2 +0 4
Newcastle Jets   4 1 1 2 3 4 -1 4

Joel Grifiths についてはその後の中国超級の山東魯能戦で相手選手に肘を入れ5試合出場停止となってしまったらしい。  Joel は実直なプロ選手だ。 相手選手をわざと傷つける様な選手ではない 北京国安の韓国人 Lee Jong  Soo 監督は彼をかばったのだが.....

" 我々は ACL の数ゲームを戦い相手にプレッシャーを与えプレスをかけピッチ上で優位に立つ事がゲームをコントロールする上で重要だという事を解かっている。 と同時に我々は規律を失わず能力以上の約束事で拘束をせず我々にはまだ次のラウンドに進む可能性があるという確信を持つ事がこのゲームへのアプローチだ。"

Newcastle Jets の Gary van Egmond 監督は次の北京国安戦に向けて攻撃サッカーを示唆した。
“彼ら(北京国安)が容易に主導権を渡すとは考えられない。 しかし先制ゴールがゲームを左右するだろう。そしてファンを沸かせる試合になるだろう。何故ならこのゲームは両チームとも勝利が必要であるからだ。 前にも言ったが多くのアウェーチームがそうである様に忍耐強く守備的に臨んでくるであろう。それを破るのは我々次第だ。 ”

北京戦はイタリア人FWの Fabio Vignoroli が怪我で使えない。 替りに Jobe Wheelhouse が起用されると思われる。
“セットプレーは我々を優位にするところだ。 この条件かでは我々は前に見たとおり重要なプレーとなる。 トレーニングでも Job のFK は良かった。もし彼が起用されたのなら FK を蹴る事となるだろう。 そしてエリアを制圧出来ればサイドの選手が重要となる。 それは左右のMFだけでなく、両サイドバックの選手達も攻撃にからみ、エリア内にクロスを入れ北京に対して優位に立てる空中戦を使う事だ”

このゲームは出場停止だった Ljubo Milcevic そして Adam D’Apuzzo が出場可能となる。
“この二人はフィジカルだけでなく質の高いプレーもする。 そして彼らはリーダーシップも発揮してくれる。名古屋戦の後半はこう言う選手が絶対的に必要であった。 彼ら二人がこのゲームに出場出きる様になり嬉しい。”

また Van Egmond 監督は北京国安の役員達がピッチの状態に着いて公式にクレームした事に就いても言及。
“我々はまさにフラットなピッチの上でプレーしようとしている。問題では無い。雨が降ろうが風が吹こうがピッチがどうであろうが、もし望みの条件でなければそれに合わさねばならない。 しかし現実的にここは勝たねばならない2チームが集う。濡れていようがピッチが荒れていようが共にそれに順応し勝たねばならない。 

                  

この試合のスタメンは北京で行われた試合から Jets が3人、北京国安が5人メンバーが替った。北京はけが人が続出ししかも Joel Griffiths が累積警告で出場できない苦しい台所事情。試合開始からホームの Jets が主導権を握る。 18分には相手DF二人をかわして放ったショットはゴールポスト右にわずかに外れる。 その直後には Jason Hoffman が Jobe Wheelhouse のクロスからヘッドを放つが GK 杨智がクリアー。 すると27分北京国安はカウンターから闫相闯 が低いライナーのシュートを放つがここは GK Kennedy がセーブ。 30分には Petrovski からのクロスを受けた Hoffman が北京国安のDF William Modibo のタックルをかわしてシュートに持ち込むが前に出て来た GK杨智 がブロック。前半を終えてJets のボール支配率は60% を越えていたが先制ゴールは上げられなかった。

後半に入り北京国安はやや攻撃に転じる時間が増えた。50分 MF闫相闯 が郭輝からボールを受け Nikolai Topor Stanley をかわして放ったショットはサイドネットを直撃した。 その後は再び Jets が攻勢に出るがゴールは奪えない。そして69分それまで圧倒的に押されていた北京国安がかつての Jets のエースであった Joel Griffiths の弟 Ryan Griffiths にゴールを決められリードを許した。 

                        

Jets ベン氏は70分に Mooy Broodie をオランダ人 MF De Groot Adrinus に替えてそして76分に Wheelhouse に替えて Kaz Phonek を81分には遂に Mathew Thompson を下げて Rooney Sean をピッチに送り同点そして逆転を狙う。82分には Adam Griffiths がイエローカードを貰いこれで累積警告の為に最終戦の蔚山現代戦は出られなくなった。 

しかしAdam Griffiths は次の試合の事等は考えていなかっただろう。 そして88分遂に Jets が同点に追い付く。  Petorvski が右サイドを突破し更に右サイドを上がった Tarek Elrich にボールを送り自分は中に切れ込む。 そして Elrich から挙げられたクロスをボレーで北京国安ゴールに叩き込んだ。 
大歓声があがる Stadium 。しかし同点ではまだ不十分だ。北京国安も必死の守り。91分には Adam Griffiths が警告を受ける。試合はロスタイム4分を過ぎようとしこのまま終わりかと思われたその瞬間、左からのクロスを中央で受けた Milicevic が右にいた Rooney にボールを出すとそのまま Rooney は左足を振り抜く。アナウンサーが Roooneyyyyy と叫ぶと弾道はゴールネットを直撃し遂に試合をひっくり返した。


                             

狂喜乱舞する観客席と Jets ベンチ。 誰がこう言う筋書きを想像できたであろうか?キックオフの直後にホイッスルが鳴り地獄から生き返った Jets がベスト16入りに前進し、わずか6分前までリードを保っていた北京国安の Group Stage 敗退が決まってしまった。  Unbelievable を連発するアナウンサー。 世界の Football World では Rooney と言えば Manchester United のWayne Rooney を想像するだろうが、 おそらくここしばらくはこのオーストラリア大陸の最大都市シドニーから少し離れた小さな街 Newcastle では Jets の Rooney Sean が語られる事だろう…. 


                        

北京国安 Lee Jong Soo 監督 
この結果には失望している。しかし選手達には満足している。 彼らは全力を尽くした。そしてゲームの間中は最高のパフォーマンスを見せた。前半は何人かの選手達は自信無げにプレーしていた。特にボールコントロールにおいては。 ハーフタイムでは選手達に自信をもてそしてもっと攻撃に専念するようにアドヴァイスをした。 そして彼らはその様にした。しかし ACL と中国超級との掛け持ちは選手達を疲弊させた。

Newcastle Jets  Gray van Egmond 監督
このチームには素晴らしい役者達が何人かいる。 前節の名古屋戦ではこの試合に勝てる、加藤とする選手がいなかった。この日はもっと厳しい状況下にありながら先制を許し逆転勝利を収めた事は有形の財産となった。私はただ本当にハッピーだ。そして彼らが見せた役回りも残った ACL のゲームそして A-League の新シーズンに向けてより改善されるであろ。 まさに地獄からよみがえった Jets その試合は本当にミラクルであった。次節アウェーだが蔚山現代と引き分け以上でグループ2位が決まり決勝トーナメントの1回戦は川崎フロンターレと当たる可能性が出て来た。もしそうなればまた日豪対決が見られる….. と思ったが ACL Group Stage 最終節で川崎フロンターレは浦項スティーラーズに 0-2 で敗れ、 Jets が勝ち抜いた時の相手が川崎だったがこれで等々力競技場での Jets 戦は無くなってしまった。 最終節、 Jets はアウェーでの蔚山現代との対決。引き分け以上で Jets の勝ち抜けが決まるのだが…. 兎に角奇跡が再び起こる事を願う……

名古屋グランパス 5 3 2 0 9 3 +6 11
Newcastle Jets   5 2 1 2 5 5 -0  7
蔚山現代            5 2 0 3 4 9 -5  6
北京国安            5 1 1 3 3 4 -1  4


母の日の親子テレビ観戦 5.10 浦和 2-3 川崎

2009-05-16 | 京都サンガ J-League

“じゃあ行って来るね。留守番よろしくね。”

日曜の昼下がり、家内は実家に出掛けた。母の日の贈り物を届けに。 勿論我が家の母の日もこの日の午前中に盛大に行われた。 満足度はどの程度であっただろう……. 家内の実家への最高の母の日のプレゼントは孫である息子が顔を見せる事でもあったが、彼はこの日は自宅に留まる事を選んだ。 

“替え替え、チャンネルはよ替え。6チャンやぞ、6チャン。”
“解ってるよ。”
“よしよし。副音声やぞ、副音声。”
“解ってるって….”

私に促される前にチャンネルと音声をきっちりとセットする中学2年の息子。  
試合は数分経過していた。 

“お、お、すげぇ~” 

画面いっぱいに広がる赤い波。 そして一部の水色の軍団。 ぬけるような青空。 この日の最高気温は29度。ピッチの上はもっと暑いかっただろうに。

“満員やなぁ…. 4万人は軽く越しとるやろなぁ…….” 公式発表は51,594 人だった。 
画面には両チームのスタメンが紹介される。 私達の注目は、まずレッズの攻撃陣。前節柏戦では原口、山田直輝が途中でベンチに下がった。 2人とも出来は今一だったらしい。 だから今シーズン第3節の磐田戦以来の高原のスタメンがあるかどうか…だったが。 FWは原口とエジミウソン。直輝もスタメン。そしてエスクデロの名前が。

“あぁ…. ポンテがいない….”  息子が嘆く….

どうやら足を捻挫したらしく、この日はベンチにも入っていなかった。 
高原はベンチスタート。 まぁエスクデロは前の柏戦では高原と共に途中出場だったけど決勝ゴールを決めたからな……先に投入されたのは高原だったけれど….そのエスクデロ以外は柏戦と同じスタメンだった。 

"ところで梅崎はどうしたの..... "  " どないしたんやろなぁ...."

 一方のフロンターレは5月5日に天津に遠征しアウェーで天津泰達とACLのグループリーグ戦をこなしている。

“この試合は中村憲剛がどのポジションが注目や。 天津戦では谷口とダブルボランチを組んだ。 中盤右には田坂が起用されたんやけど…..”

      

4月21日の Central Coast Mariners 戦、5月2日の京都サンガ戦と連続で等々力まで足を運んだので少し川崎の事を覚えたので息子に色々と説明をする。

“ACLって何?“
“おととし、さいスタにシドニーFCとの試合を観にいったやろ?あれと同じ大会。”
“じゃぁ、今年のレッズは….あ、そうか、去年だめだったもんな……”

フロンターレは鄭大世とジュニーニョの2トップに2列目は左にヴィルトール。そして中村憲剛が右の2列目に入り、横山と谷口のダブルボランチ。 メンバーを3人替えて来た。 ACLを含めて天津遠征を含むここ6試合を19日間でカバーしている。
こう言う時の選手起用こそ監督の腕前だろう。

画面に“日本代表選手6人を含んだ….” と出て来る。

“6人も誰いたっけ….??”
“ GK 都築、川島、そして闘莉王、阿部、寺田に憲剛…だけだったかな?“ 
” 川島のそうなの?”

2003年 FIFA U-20 で川島がGKだったことそしてその時は大宮にいたことを説明する。

すると画面に両チームの “日本代表メンバー” の詳細が出てくるが田中達也を加えた7名と訂正されて紹介されていた。

“そうか、達也がいたんだ….”
“高原は入っていないんやなぁ…..”
“論外だよ論外。“

随分と厳しいレッズサポーターだなぁ…. でも高原の復活無くして日本代表の得点力アップは….最近とんと誰もこう言わなくなってしまった……

試合は立ち上がり、ホームのレッズ優勢で進む。

“ 鄭大世よりもジュニーニョに要注意やぞ。 ジュニーニョが相手のサイドにドリブルで散々切り込まれてサンガはこれまでジュニーニョには10点も取られとる… “
“サンガとレッズは違うし…..”

    

それは当たっているかもしれない。 しかし試合開始直後からジュニーニョ、ヴィトールらには山田暢、そして坪井らのマークが厳しく容易にドリブル突破を許さない。 それがレッズとサンガの違いかな…..
23分、代表の一人寺田周平が倒れてピッチ外に運び出された。 どうやら足を痛めたらしい。 立ち上がれそうもなくベンチ前では 182cm の井川が既にユニフォーム姿に。 

“ ベテラン寺田好きなのになぁ。….寺田がいないとセットプレー時に攻守はどうするのだろう….”

       

フロンターレサポも心中はそうだったか? それにしても山田直輝、なかなか良いでは無いか? 26分には右からのアーリークロスに森勇介と競りながらヘッドを放ちスタンドを沸かせる。 しかしその直後、今後は森が谷口、鄭大世と繋がれたボールを右サイドからミドルを放つ。 

“森はかつて京都サンガでプレーしたんだぞ。”
“へぇいつ頃?”
“5年前までサンガにいた。 川崎がJ2 から J1 に昇格する時に京都から移籍したんや。”
“へぇ~。もったいないなぁ…..”

       

そうだ。あんないい選手を放出するとは…….
31分レッズに先制ゴールが生まれる。 CK からエジミウソンが頭で合わせて川島守るゴールを破った。一旦は右ポストの内側に当たったがそのまま左ポスト方向に飛び、ゴールラインを割った。  大歓声がテレビ音声からこぼれて来る。息子が軽くガッツポーズをとる。

“ナイスヘッドやったなぁ…”

しかしその後はフロンターレが攻勢を続ける。 ジュニーニョが山田暢をうまくかわして放ったショットはわずかにゴールを外れ、今度はジュニーニョがナイスクロスを入れるが中に人はおらず。 41分には菊池が強烈なミドル。GK都築がはじいた所を鄭大世が狙うがここは都築がキャッチ。 42分には憲剛が絶妙のラストパスを送るがここはクリアー。 テレビからもフロンターレサポの “オ~ フロンタ~レ~ ” が聴こえて来る。 だがここは無失点に抑えて前半を終えることろはさすがレッズであった。 京都もDF力はかなり進歩したんだけど..

TBSの副音声は本当に面白い。加藤浩次の“司会”に 解説が小倉隆史。今日のゲストがTKOの木本武宏 そして Rookies の桧山役、川村陽介。 2人ともかなりサッカーをやっていたらしい。 でも木本がサッカーや相方のネタを面白おかしく話す度に私達も笑いが止まらない。 主音声の解説は金田。 こちらも好きだけど、副音声の方が聴いていて楽しいし、大概の解説者よりは自分の方が詳しいと自負している…..
後半、開始から攻めるのはフロンターレ。 中村が積極的にボールを持つようになった様に見えた。 一方レッズ期待のFW原口はこの日のプレーに焦りがでたか51分にイエローを受けた。 原口もゴルフの石川も同じ埼玉県出身の18歳。 うちの子もあと4年すれば….と期待するのは親ばかだろう。

          

55分フロンターレは村上を下げてレナチーニョを入れる。 こいつにも京都はやられたなぁ 。その直後エスクデロが右サイドを上がるDFを引きつけ村上と競りながら左から走り込んだエジミンにボールを送るがここは森がクリアー。 エスクデロここは強引に打っても良かったか…..

“エスクデロ、覚えとるか?握手したやろ…”
“うん。覚えている。“

6年前、プリンスリーグを観に行った時にエスクデロがユースチームにいた。そして試合後息子と握手をしてくれた..

57分フロンターレが同点に追い付く。森が左サイドから前線に、鄭大世が闘莉王を背負いながらボールをキープ。ジュニーニョが坪井と競りながら走り込んだ所を絶妙のパスを出す。細貝がマークに入る前にジュニーニョが放ったショットがゴールを割った。 フロンターレサポーター達の前に走るジュニーニョ。 

やっぱりこの選手はすごいなぁ…. “あぁ、やられた….” 息子がつぶやく。 

レナチーニョが投入された事でDFラインが森、菊池、横山、井川に並べ替えられ、憲剛と谷口がボランチに入ったらしい。 それが功を奏したか、そしてその前の鄭大世のプレーがシュミレーションととられた事でテセが奮起したか..

ここからゲームは動き出す。57分、原口が下がり高原が投入される。 そして63分には足を痛めたエスクデロが下がって高橋が左サイドに入った。 原口、エスクデロ共に悔しそうにベンチに下がる。高橋は今季初出場らしい。彼も山田直輝とは世代が近いとのこと。 

この直後レッズが勝ち越しゴールを挙げる。 スローインから左サイドで高原がボールキープ。 横山、井川を引き付け中に送る。阿部がワンタッチで横の闘莉王に渡すと正面から放った闘莉王のショットはレッズサポが後ろに陣取るゴールネットに突き刺さった。 高原のボールキープ、阿部のワンタッチパスそして闘莉王のシュート力。素晴らしい流れからのゴールだった。

“やっぱりレッズはサンガとはちゃうなぁ…….”
“当然やろ…..”

しかし試合はこれでは終わらない。 70分右サイドをドリブル突破したレナチーニョが中に折り返したところをジュニーニョが走り込む。そこに闘莉王がマークに入りジュニーニョが倒れる。ホイッスルが鳴る。いい位置でのFKだと思ったが西村主審はペナルティースポットを指す。 レッズの選手達が一斉に西村主審に迫る。この日のテレビ中継はスーパースローのリプレーが出る。 闘莉王のタックルが遅れレイトタックルとなりしかも足がかかったのはエリア内。 ここは主審が良く見ていた….

スタンドからは “ 都築良太ラララララ~ ” のコールが起こる。 

“さぁ日本代表GK、ここは止められるか…..”

しかしここはジュニーニョでなくレナチーニョがボールを置き、ゴールネットを揺らした。  この失点に頭に血がのぼりつめたか、闘莉王が相手ゴール前にガンガン上がって来る。 フロンターレのエリア内で倒され笛が鳴らなかった事に更に血圧が上がったようだ。

“闘莉王上がりすぎじゃないかな…..” 息子の予感が的中するには時間はかからなかった。 

    
   
76分憲剛からのロングボールはレナーチョに坪井を背負いながらボールをキープ。中央にノーマークの鄭大世が走り込みそこに出されたボールをテセが蹴り込みフロンターレがこの試合初めてリードをした。 

“ あぁ、闘莉王戻れてないし…..”
“ 上がりすぎや。 攻撃に気を取られ過ぎだわ。“

フロンターレサポーター達の大歓声がやまない。彼らの目の前で3ゴールも生まれたのだ。しかもアウェーで。 殊勲の鄭大世が北朝鮮代表とテレビで紹介される。

“えっ?北朝鮮なの?”
“そうや。ワールドカップ予選にも出ているんやぞ。”
“北朝鮮はワールドカップどうなの? ”
“今回はチャンスや。日本、オーストラリア、韓国そして北朝鮮が出るんとちゃうかな…..”

イングランド大会の北朝鮮代表。そして在日朝鮮人、韓国人事情を説明する。 中学生ともなると話せる話題も幅広くなるなぁ……

       

“あと一人交替出来るけど誰が出ると思う。”
“三都主が残っている。”

86分に山田直輝に替ってその三都主が出て来た。おぉさすがだ。将来はジャーナリストを目指せ、おれがなりたかったジャーナリストに…..

しかしレッズに3点目は生まれなかった。 闘莉王の攻撃参加も空しく。 何度もフロンターレゴール前に上がって来たが本来は高原がこう言う仕事を担い、また高原に点を取らせるべきと思うのだけど….高原のコンディションよりもチーム内での存在の方が気になる。 

最後に息子にこの試合を総括させた。

“ ポンテがいなきゃだめ。 高原??… もう使われないんじゃねぇの……”

高原に日本代表復帰へのアドヴァイスを送ろう。今すぐ京都サンガに移籍してこい。 6月には柳沢も復帰する予定だ。 2人で2トップを組んでゴールを量産してくれ……

夕食時に家内が“ 今日はスーパーに赤いレッズの服を着た人達がたくさんいたけど試合はどうなったの….”

翌週はさいたまスタジアム2002 でガンバ戦だ。 テレビ中継もあるらしい。 

また親子観戦できるかな?

でもやっぱりこう言う試合こそスタジアムで見ないとなぁ…….


DF陣奮闘 勝点1を死守  5.9 FC東京 0-0 京都サンガ

2009-05-15 | 京都サンガ J-League
2016年。東京には本当にオリンピック、パラリンピックがやって来るのだろうか……

昨秋からにわか雨のごとく降り出した地球規模 ( と言ってもアメリカと欧州の大西洋を隔てた両大陸がほとんどなんだけど… ) の世界不況、金融危機のおかげで TOKYO が7年後の五輪の有力な候補地の一つに浮上して来た。 そして更に2年後か6年後の FIFA World Cup も日本単独開催の話が聞こえて来た。ワールドカップはともかく、東京五輪は少なくともあっけなくソウルに敗れた名古屋五輪そして存在が全く感じられなかった大阪五輪よりかは現実味が非常に濃そうだ。 
その東京五輪ではサッカー競技場で使われそうなのが FC 東京のホーム、味スタこと味の素スタジアム。 飛田給駅から徒歩7 ~8分程度で観客席に着席出来るとは何とも有難いロケーションだ。 もし東京五輪が決まったらサッカーを何試合観にいってやろうかな….いやいやサッカーだけでは無い、バスケットにハンドボール。 野球やソフトボールも公開競技で再採用されているかもしれんぞ…… と京王線の中で “胸算用” していいたら飛田給の駅に到着したのは午後2時10分少し前。 走って競技場に向かい、ようやく着席した時はもう前半15分程度であった。あららまた遅刻じゃ…

スコアーはまだ 0-0 。ホッと胸を撫で下ろす。 昨年もここで観戦したがその時も“遅刻”をしてしまい、FC東京の吉本に先制ゴールを許した後だった…..

今シーズンの愛するサンガは、開幕戦の勝利 ( 1-0 神戸 ) そしてガンバ、新潟を破り3勝2敗の好調な滑り出し。しかし第6節の磐田戦を逆転で落とすとあっという間に4連敗。順位もかつての定位置、降格圏内に迫るところまで。しかし前節は地元西京極で横浜FMを 2-0 で降しようやく連敗を脱出。さすが今シーズンは一味違う??と感心してしまった?? だがフロンターレに完敗しマリノスに快勝するとは時代の流れを感じさせられる.......

第7節を終わって愛するサンガは勝点12で12位とはゴロがいいか??
しかし勝点12のチームが8チームもあり、1勝利分の勝点3を加えた山形が勝点15で6位。 ちょっとがんばればまだまだACL圏内は遠くない….. と電車内で同様に“胸算用”をしていた。

晴天のスポーツ観戦日和の第11節のFC東京戦。サンガのスタメンは前節のマリノス戦と同様の下記の通り。

                   20 パウリーニョ  
                             10 ディエゴ  
   11林                                           22 渡邉  
          
               16安藤                 7 佐藤  

      26 角田  14李正秀    4 水本  24 増嶋  

                            21 GK 水谷 

4失点を喫したフロンターレ戦から右サイドバックには増嶋が起用され続け、角田が左サイドに。そして染谷が外れている。名古屋、横浜FM戦と守備は結果を出している様だ。そしてトップはこの日もパウリーニョ。 マリノス戦同様切れのあるドリブルを見せてくれることを期待する。

一方前節はアウェーで広島に 0-2 で敗戦を喫したホームのFC東京はカボレが前節に続いて怪我の為欠場。スタメンはほぼ前節と同じメンバーだったがFWに近藤祐介に替って平山相太が第3節山形戦以来、今季2度目のスタメンに抜擢された。対峙する京都の李正秀、水本とどういうバトルを披露するのだろう…. 水本とは同学年。 北京五輪では大きく差がついた……

18分にはブルーノクアドロスの強烈なミドルを浴びたが、22分にディエゴがクリアーボルを拾ってエリアの少し外からそれぞれミドルを放つ。ディエゴは大敗した川崎戦以降はポジションがずるずると下がる事が無くなって来たらしい。(私は観ていないけど。)トップのパウリーニョは左に流れて起点を作ろうとするがこれは恐らく相手の左サイドバック、長友を避けての事だろう。

前節の横浜FM戦同様に何とかパウリに先制ゴールを…と思うがその後からサンガは東京の攻勢を受けて守勢一方。左から羽生、右から石川がサイドを突いてクロスを上げたり、サイドから自ら中に切れ込んだりと京都ゴールに迫る。 23分にはパウリが倒されホイッスルが鳴るかと思えばプレーは続行でカウンターを受ける。それは李正秀が体を張ってクリアーし、今度はパウリのドルブルから攻撃に転ずるがここも倒されたがノーホイッスル。 サンガサポーター達からは一斉にブーイングが飛ぶ。 

その1分後、中に切れ込んだ羽生が落とした所を赤嶺が撃つがこれはGK水谷の正面に転がる。 赤嶺は昨シーズンのJリーグではホーム、アウェー共にサンガ相手に1ゴールずつ決めているので要注意だと試合前から思っていた選手だ。 
選手個々を見るとFC東京は日本代表の左サイドバック長友を筆頭に2007 Asian Cup 代表の今野に羽生。 それに石川。そして平山。本当にタレント揃いだ。 
特に左サイドには長友、羽生が縦に並ぶのでそう簡単に崩せない。 対峙する渡邉大剛、増嶋もセンターラインを越えられない。 また右側には石川がいる。26分には中央やや右から強烈なドリブルシュートを打たれた。 ボランチの安藤、佐藤がとても上がれる戦況では無いので前線にボールが繋がらず、よしんば前にボールが出てもサポートが少ない。 
29分には水本がエリア付近ほぼ正面で羽生を倒してしまいFKを献上する。そのFKから攻撃参加したブルーノがヘッドで折り返すがここは大剛がヘッドでクリアー。 30分にはまたも石川にドルブル突破を今度は正面やや右から許しシュートに持ち込まれるが弾道はクロスバーを越えてくれた。 31分今度は石川が角田を振り切りクロスを上げ長身の平山を狙うがここは李がコーナーに逃げる。 このCKから平山がほぼフリーで打点の非常に高いヘッドを放つ。 “あぁやられた !! “ と思ったがそのショットを大きく外してくれた。
その直後平山が今度は中央からのドリブル突破で作ったチャンスから赤嶺が撃ったシュートはクロスバーを越える。 35分羽生が抜け出て放ったシュートはGK水本の手に当たりそのままゴールポストを直撃。跳ね返りは何とか李がクリアー。 36分には赤嶺が石川の上げたクロスを頭で合わせるがこれもわずかにクロスバーを越える。38分にはまたも石川が角田と李の間に割って入るドリブルシュート。しかしこれはGK水本の正面。 40分にはスルーパスに抜け出た梶山がエリア内でシュート体勢に入るがここは水本が激しいタックルでブロック。 東京の連続攻撃に何度も息を呑ませられた。40分を過ぎると右サイドバックの徳永も上がって来る。 前半は一連の猛攻をしのいで無失点で終えた。ちょっといつ失点をしてもおかしくないぞぉぉ…… と心配にさせられる前半。 サンガが相手ゴール前に迫るシーンは数えるほどであった..

             

ハーフタイム中にピッチで体を動かす選手達の中に久々に平井直人を見つけた。サポーター達が平井に声援を送る。2007年の入れ替え戦ではファインセーブを連発しサンガ昇格の立役者の一人でもあった。 水谷も素晴らしいGKだが平井にも頑張ってほしい。だけどGKのポジションは1つしかないんだよなぁ…. 当り前か… 

            

それにしても向こう正面のホーム側の自由席は東京のユニフォームである赤と青が入り混じって紫に見える。 ここに入るといつもどちらがアウェー側だったっけ....と思ってしまう。

      


エンドが替った後半は両チームとも同じメンバーでキックオフ。 その30秒後、向こう正面に攻め込むFC東京の石川がドリブルシュートを見せる。これは水谷のファインセーブでクリアー。のっけからヒヤリとする場面。  51分、またも攻め込まれたサンガは水本が相手と交錯しながらヘッドでクリアーしこぼれ球を繋いでカウンターに転じるがここで水本へのチャージにホイッスルが吹かれる。おいおいおいここはアドバンテージを取ってくれないのか??と一斉にブーイングが飛ぶ。 
この日の佐藤隆治主審は少し笛を吹くタイミングが遅そう……

後半開始のサンガ前線は林がワントップ気味。左にパウリ、右にディエゴが張り真ん中には佐藤が出て来る。 林の飛び出しに期待したいところだ。左にパウリが入ったのは今野を避ける為か…… しかし相手ゴール前に迫るのはFC東京の方ばかり。 56分には平山が決定的なヘッドを放つがゴールの枠を外してくれた。 
平山は一体どうしたのだろう…..

58分にサンガは久々にカウンター攻撃から相手エリア内に接近する。 スルーに佐藤勇人が抜け出すが倒されてFKを得る。 いい位置のFKに期待が集まるがディエゴが直接狙ったFKはクロスバーを越えてしまった。
60分からサンガはまたパウリの1トップに戻し2列目を左から林、佐藤、ディエゴの3人を配置。渡邉は少し下がり目に。しかしまたも FC東京がサンガのエリア付近でボールを回すようになる。
ただ62分には羽生が67分には赤嶺がそれぞれベンチに下がってくれた。 これは観ていて助かったと思った。 何故この二人を下げたのだろう……

ピッチは相当暑いのか?ちょっとしたインターバルでも選手は水分補給に走る。 
中学の時を思い出す。“暑い時に水を飲んだら余計にばてるから絶対に飲むな….”って先生や先輩は言っていたけど、本当に根拠のない理屈だ、今は誰もこんなこと言わへんぞ…..俺は当時上級生になってもこんな事は言わなかったなぁ…….

69分、FC東京は決定的なチャンスを逃す。 右サイド角田を振り切って石川が上げたクロスに平山が水本のはるか頭上からヘッドを放つ。 一瞬完全に入れられたと思った弾道はクロスバーの上を越えてくれた。 FC東京サポーターの目前でおこったシーンだった。 

平山よ,一体どうしたんだ…..FC 東京サポーターで無くとも心配してしまう。 

サンガベンチは62分に林を下げて中谷勇介、74分にパウリを下げて金成勇を投入する。 

         

これで前線のターゲットをディエゴと金の2枚にし中谷は2列目の左に入った。 
80分には中谷とディエゴが左サイドを崩しゴールに迫るがここは今野がストップ。 FC東京のCBの2人、今野とブルーノの壁がなかなか突破できない。 
そして攻め込まれても長友の様にボールを奪ったらすぐに攻撃の起点となれる選手がいるのでカウンター攻撃も脅威だ。しかし74分に石川を下げてくれたので中谷、角田が少しずつ前に出られる様になった。 
それでも試合は京都ゴール前で展開される。 81分には長友がマークに入った増嶋を突き飛ばしながらタッチライン沿いに疾走。 最後は李と水本が体を張って東京の攻撃を止める。85分には安藤のファールでFKを献上。このピンチも水本が必死のクリアー。 DF陣が体を張り続けているので今度は攻撃陣が相手エリア内で体を張って欲しいところだった。 

            

86分にディェゴが下がり加藤弘堅が入り金成勇のワントップとなり中盤が厚くなる。試合時間が無くなるにつれて”得点力“に不安のあるサンガは勝点1を死守するゲームプランにするのか…. 90分を過ぎてロスタイムを過ぎてもDF陣、そしてボランチの奮闘は続き…..ついにホイッスルが鳴った。

これでアウェーでは初勝ち点。シュート19本を放った東京は勝点2を失ったといえる内容かもしれない。川崎戦で4失点後は3試合で1失点。しかしこの試合は平山相太に助けられた感は否めない。 そして私はFC東京のことはよく解らないのだが、サンガDF陣を悩ませていた石川、羽生そして赤嶺らを揃って替えてくれたベンチワームにも…助けられたか......

後はFW陣だな… 試合終了後挨拶にやって来たサンガ選手達にこの日は温かい拍手が送られた。 おそらくこの拍手はDF陣。特に水本にだろう…
       
        


次は地元西京極で千葉戦だ。 今年は“地元で観戦出来るかな…….”

帰りは新宿経由で伊勢丹のデパ地下に立ち寄った。 ここ数週間の観戦三昧の罪滅ぼしの為に…….そして翌日の母の日の為に…...

ようやく振り返る WBC 神様 仏様 岩隈様 日本 5-0 キューバ

2009-05-11 | World Baseball Classic
ある著名な野球評論家のコラムを思い出す。 
エースとは何か?ただ年間20勝をコンスタントに挙げる投手ではない。重要な試合で、ここ一番と言う試合で必ず好投してくれる“頼れる投手”をエースと言う。 と書かれていた。その評論家は今は楽天ゴールデンイーグルスの監督を務めている人なのでその行には重みを感じた。

3月17日。日本が奉重根義士に再び捻られ準決勝進出の為にはキューバに勝たねばならなくなった時。悲観主義的な私は下記の様な思いが頭上を巡っていた。

キューバは過去40年、世界選手権、五輪と言った主要大会で決勝進出を逃した事がないらしい。 Game 1では 6-0 で完勝しているとはいえ、相手は世界大会を何度も勝ち抜いてきた兵。あぁ今度は…..日本がキューバに負けたら….韓国地元紙の見出しを想像した。“日本野球は終わった。” “韓国の時代”  “やはり野球も韓国が日本を支配……”   あぁ岩隈、頼むぞ岩隈。 こんな時だけ頼るとは本当にいい加減な神頼み…だな…と悔いた。

しかし、彼はやってくれた。正に日本野球界を救ってくれた快投を披露してくれたのだ。 昨シーズン28試合に登板し21勝4敗防御率 1.87 文句なしの沢村賞受賞。そして投球回数は201回 2/3 昨シーズン、12球団最多投球回数はクラシンガーの 206回。他に200回以上投げた投手は岩隈の他にはダルビッシュしかいなかった。この投球回数の評価は分かれるだろうが、参考までにあの江川卓の全盛期 1980 年は 261回 1/3 , 81年 240回 1/3 82年が263回  1/3 年間に投げていた。その当時でさえ彼の事をマスコミはこぞって“週休5日制投手”と表現していた。 

この日のキューバのスタメンは捕手がペスタノ。Game 1 ではスタメンマスクを被り、
3打席目で代打メリーニョが送られ続くメキシコ戦ではそのメリーニョがスタメンであったがこの日本戦ではまたスタメンに。 メキシコ戦では11安打を放ったキューバチームの中でメリーニョは3打数無安打。4打席目にまたペスタノが代打に送られた。
1塁手はアンデルソンがそのまま7番に入る。この前の試合まで .143 だったのが気になるが。 2塁にはGame 1 ではグリエルであったがこの試合はオリベラが1番で出場。オリベラは前のメキシコ戦では2安打1打点。そしてグリエルが3番で3塁に入った。遊撃手はパレが9番。外野はレフトがセペタ。 Game 1 では3番で3安打そしてメキシコ戦では4番に座り3安打4打点。この日本戦では4番に。中堅はセスペデス。Game 1は1番だったが次のメキシコ戦は6番。そしてこの日本戦はグリエル、セペタに次いで5番に。 右翼はGame 1 と同じ6番に入るデスパイネ。 Game 1 では4打席無安打2三振だったせいか続くメキシコ戦では出番が無かった。メキシコ戦の外野陣は左翼セペタ、中堅マーティンそして右翼がセスペデス。 
Game 1 では出番のなかったマーティンがメキシコ戦で1番打者としてスタメンし2安打2得点。しかし日本戦はベンチスタート。メキシコ戦の2安打よりも3三振が響いか? そして指名代打にはエンリケ。 Game 1では3塁に入っていた。 日本戦に向けて守備位置と打順をいじって来た。 

        

一方の日本は1番のイチローは変わらず、2番に中島が風邪から復帰。3番には青木前のキューバ戦、前日の韓国戦に続いて入り、4番には稲葉が抜擢され。そして前の2試合4番だった村田は5番に。小笠原も打順が一つ下がり6番。そして下位打線、福留、城島、岩村がそれに続いた。 

         

キューバの先発はマヤ。 Round 2 では最初のメキシコ戦に4番手として登板し2回を投げて1失点。久々の右投手と対戦する事に。 イチロー、中島を討ち取った後青木がカーブをうまく掬いあげてセンター前に弾き返す。マヤはどちらかと言うと技巧はらしくストレートはボール球以外は140kmが出ない。 攻略のチャンスはあるなぁ..と思うも稲葉のカウント 0-1 から青木を牽制で刺す。またも嫌な立ち上がりとなった。

しかし岩隈はそれに動じない。オリベイラ、エンリケスを変化球で内野ゴロに仕留める。この間わずか投入数は4球。続くグリエルは初球の外角変化球をセンターに打ち返し出塁する。 Game 1でもグリエルは岩隈からヒットを打っている。ここでこれまで20打数12安打3本塁打の4番セペタを迎える。北京五輪では日本戦ダルビッシュからタイムリーを放っている。しかしここは初球外角変化球、2球目インサイドのストレートで 2-0 と追い込み最後は外角低めの変化球でピッチャーゴロに打ち取った。キューバの打者は早打ちが目立つ。初回は打者4人に対して9球。2回も2死までわずか3球。それだけ岩隈のコントロールがいいのか…. しかし次のアンダーソンに 0-1 からインコースのスラーイダーを上手く腕を畳んで右翼線に打ち返され2塁打とされ、ベテラン捕手のペストロを打席に迎える。今大会はこれまで11打数4安打であったが日本戦は2打数内野安打1。北京五輪では4打数1安打であった。ここは岩隈が 1-1 からインコースを詰まらせてショートゴロに討ち取った。 その前のインコースのフォークで空振りを取ったのが大きかった。

        

一方のキューバ先発のマヤも立ち上がりは悪くない。初回は12球、2回は9球で無失点。3回は先頭打者の福留に7球を要したがレフトフライ、続く城島はセカンドゴロに打ち取られ、岩村はピッチャー返しの内野安打で出塁し続くイチローに期待がかかるが外角のボールを当てただけのショートゴロに倒れた。イチローまだまだ調子が出ないか…. と言う印象。でもこの回はマヤに23球を投げさせた。

        

そして岩隈は更にエンジンがかかったか3回は11球で3者凡退に抑える。打順が一巡して上位に回ったがオリベイラ、エンリケを内野ゴロに打ち取った。そして4回に日本が先制する。先頭打者の中島が倒れた後、青木、稲葉の連打で一死二、三塁とする。青木は 2-3 まで粘ってストレートをセンターに弾き返し稲葉は 0-1 からストレートをライト頭上に打ち返した。 マヤはコントロールが良いが変化球ではきわどいストライクが取れない。しかし続く村田は力み過ぎたか初球を打って浅いセンターフライ。 マヤがガッツポーズをとる。これでチャンスが潰えたかと思ったが小笠原が2-2 から6球目の落ちる球を打ち返す。打球はセンターセスペデスの頭上を襲う。セスペデスは一旦は足が止まり捕球態勢にはいるもボールを落とし2者が還った。霧に目測を誤ったか…. マヤも 2-0 から外角に3球続けストライクが入らず変化球を投じたがそこを小笠原に捉えられた。 

         

ここでマヤは降板。63球を投げた。 その直後の4回裏、3番グリエル、4番セペダを3球でそれぞれ内野ゴロに仕留めた後、続くエラーをしたセスペデスをストレートで歩かせてしまう。更にデスパイネに 1-1 からのアウトコースをセンター前に運ばれ、前の打席で2塁打を放ったアンデルソンを迎えた。初球ボール。 2球目をインコースに落として空振り。ここで1塁に牽制を入れ、外角のフォークボールで空振り、顔の前を通過する 143km のストレートでのけぞらせ、外角とインコースのフォークをバットに当てられファールとされた後更にフォークを投じて空振り三振に仕留めた。 この対戦は見ごたえがあった。
こうなると追加点が欲しい。5回表は先頭の岩村が四球で出塁。続くイチローは何と初球をバントを試みる。打球は小フライとなりグリエルがダイビングキャッチ。すかさず1塁に送球されるがここは岩村が何とか戻りゲッツーは免れた。不振をかこうイチロー。送りバントは解かるが2番手 Y ゴンザレスはコントロールが悪かったのでもう少し球を見てもよくは無かったか…. 続く中島は9球投げさせ四球を奪う。 牽制球を3球も投げさせた1塁走者の岩村のリードも効果的だった。 そしてこれまで2安打の青木を迎える。 ここでキューバベンチはY ゴンザレスに替えて右腕のヒメネスをマウンドに送るが青木は 1-1 からのストレートをセンターに打ち返す。セスペデスの守備位置からみてホームはクロスプレーとなるかと思われたが返球がやや右にそれ、岩村のスライディングも良く追加点が入った。

          

この1点は岩隈にとっては大きな追加点だったと思う。5回裏は2死からオリベイラに安打を浴びたが後続を10球で断ちこの回も無失点で終えた。 5回から登板して1点を失ったキューバ3番手のヒメネスは次の回も続投し小笠原、福留そして岩村を3者凡退に切って取ったが日本の3者問題はこの回だけであった。それでもこの回だけで32球を投げさせている。
5回まで57球無失点の岩隈は6回も先頭打者の3番グリエル、4番セペダの2人を8球でそれぞれ内野ゴロに仕留める。ただグリエルには落ちる球を2球見送られ3ボールにまでなった。そして続くセスペデスには 0-1 から外角低めの変化球がやや中に入りライトに流し打ちをされ3塁打を許す。先ほどの痛恨のエラーを取り返したかったのか猛然と2塁を回るセスペデスが印象的だった。そして前の打席でセンターにシングルヒットを打たれたデスパイネを迎える。岩隈が一度構えに入ってから打席を外す駆け引きを見せたデスパイネであったが初球はアウトコースボール球を空振り。
前の打席で安打した外角に手を出したがそれよりボール一つ外に外したバッテリーにまず軍配があがると2球目はインコースに食い込むシュートに中途半端にバットが出て1塁線に緩くボールが転がると落ち着いて岩隈がマウンドを降り自らボールを掴みデスパイネにタッチをしピンチを脱した。 
7回、キューバのマウンドには3番手のヒメネスが引続き上がったが先頭打者の岩村を歩かせイチローを迎える。1塁走者の岩村が気になるか牽制を3度も投げる。そして1-1 から真ん中低めに落ちるボールをイチローが叩くとボールは大きく弾み1塁手アンダーソンの頭上を越えてライト前に転がる。岩村は好走で3塁を陥れる。 1塁にランナーがいた為1塁手のアンダーソンがベースに着いかねばならなかった故のヒットであった。打球の勢いもあまりなかった。ツキがあったがイチローのアメリカラウンド13打席目にしての初ヒットであった。
マウンドにはまだヒメネスが残っているがそれは続く青木が右打者だからだろう。しかし青木は 1-1 からレフト外野まで“運ぶ”フライを打ち上げ岩村が生還。これで4点差になった。 2点を先制後1点ずつ追加点を挙げる展開にこれでキューバはもう日本を追い上げる力は残っていなかった。 

                        

7回から登板した日本の2番手杉内は先頭打者の代打メリーニョを 2-3 から外角ストレートで空振り三振に打ち取ると残りの3イニングを岩隈と並ぶ投球内容を見せる。32球で4三振そしてランナーを一人も出さなかった。 北京五輪の準決勝韓国戦では先発するものの4回に突然連打を浴び 2/3 でマウンドを降りただけにこの大会に賭ける意気込みも強かった事だろう。

          

打線の方も最終回にはイチローが5番手ガルシアからセンター越えの3塁打を放つなど復活の狼煙を上げる。復活したのはイチローだけではなく、前日奉重根義士に抑えられた打線そのものが8安打そしてそつのない繋がりで5点を挙げ、今後も期待される事に。

           
だがこの試合の立役者は先発の岩隈だ。6回を投げて被安打5も無失点。奪三振2ながらアウトカウント18のうち内野ゴロが15。霧にむせぶ大気にボールを飛ばさないピッチングは見事の一言。さすが沢村賞投手だ。

               

だがキューバ打線も早打ちが目立ち過ぎた。岩隈は肘や肩に不安があるので球数は限られている。もう少し待球作戦に出てもよくは無かったか? スポーツの世界にアマチュアリズムがなくなりつつありプロと対決する機会が皆無に近くなることによりアメリカ、日本、韓国とは徐々に水を開けられて来るのだろうか??キューバが野球の世界大会で2位以内に残れなかったのは1951年のワールドカップで3位に終わって以来のこと。1952以降40の国際大会で33回の優勝を誇る、1939年に初めて世界選手権に参加して以来49の大会で38のタイトルを勝ち取ったキューバの落日の始まりか……. キューバのペレス監督は試合後の記者会見に姿を現さなかったとのこと。 そしてカストロ議長は大会後“嘆きのコメント”を出したらしい。

勝ったから言うのではないが、キューバには弱くなって欲しくない。もっともっと強いキューバでいて欲しい。さもなくば野球の世界選手権がなりたたなくなる......少なくとも野球選手の世界では “開放” してくれないかな………. そして次は今大会4度目の日韓戦だ。 だが韓国は次は本気で来るかな??…….

         

惨敗 実力の差まざまざ 4.29 川崎4-1 京都

2009-05-02 | 京都サンガ J-League
再び2階のアウェーゾーンに着席する。スコアーは 0-3 残り時間は約15分程度。
階下から響いてくるサンガサポーター達の声援はこう言う状況でも途切れる事は無い。何とか一矢を…。
しかし79分。サンガゴール正面中央やや左よりから中村憲剛のスルーパスが途中出場の黒津に通りそのままシュートを放たれゴールネットを揺らされた。ついに4点差がついてしまった。 

         

8日前にACL Central Coast 戦とはまったく対照的な快晴、快適なスポーツ観戦日和だったのになぁ…..

その直後にも憲剛(日本代表)から鄭大世(北朝鮮代表)にスルーパスが通りまたサンガゴールにシュートを蹴り込まれた。 代表クラスは流石に違うなぁ…と感心してしまったがここはオフサイド。 でもオフサイドゴールを入れるともう6回もゴールラインを割られた事になる。 あと何点取られるのだろう….ピッチを眺めながら呆然とそう思った。90分を迎えようとした時、中央で相手ボールをカットした加藤が安藤に預け、ディエゴのヘッドで抜け出し菊池がタックルに入る前に放ったシュートがついにGK川島を破りフロンターレゴールに突き刺さる。 

         

ようやく意地を見せてくれたシーンに階下からは大歓声が沸き上がる。私も立ち上がって喜ぶ。今季初ゴールの加藤はそのまま表情を変えずにボールを拾いあげセンターサークルに向かって踵を返した。 このシーンに少し胸が熱くなる。 
ファインセーブを連発しゴールを守り続けた川島は座り込んでしまった。いくら味方がゴールを重ねてもGKは完封を目指すものらしい。 89分間無失点で切り抜けながらの最後の失点だけにその背中は悔しそうであった。
しかし試合結果には影響を及ぼさないゴールは間違いなく、2分間のロスタイムも過ぎ地元川崎フロンターレが快晴のもと快勝を飾った。
私は選手達に最後の声援を送ろうと再び階下に向かった。 フロンターレイレブン、審判団との握手を終えたサンガイレブンそしてベンチの選手達が広告板の間を通ってこちらに向かって歩んでくる。すると今度はサンガサポーター席からブーイングの嵐が起こる。選手達の表情が少し険しくなる。
私はただ、“頼むぞ。今シーズン最後まで頼むぞ !! “ と怒鳴るばかりだった。 一礼を終えた選手達が控室に向かうが1人だけこちらに戻って来た。背番号7番の佐藤勇人だった。 そしてサポーターのリーダーの一人が拡声器を使って何か叫んでいる。佐藤は恐らく彼に何かを訴えるような表情で話しているが声が聞こえない。 やがてサンガの役員の一人が彼を連れに来て控室に戻って行く。 

            

佐藤、役員を含め他のサンガの選手達の背中に向かって ” 京都サンガ!!“ のコールが起こる。私も精一杯のコールを選手達の背中に送った。 そうするしかなかった……..

            


春の暖かな日差しの中、今度は応援旗や垂れ幕を片づけ、帰り支度をするサポーター達を複雑な気持ちで眺めていた。向こう正面のフロンターレサポ達は選手達と歓喜の歓声を上げている。 あぁ幸せそうだなぁ……
さっきのシーン。気持はわかる。サポーターも選手も。 特に京都からわざわざ時間と費用を掛けてやって来たサポーター達が見たかったのはこんなサンガじゃなかったはずだ。勿論私も。 勝負の世界だから負ける事も覚悟はすべきだ。しかし、このスコアーそして試合内容では………

4月29日。昭和世代の私にとっては“昭和”天皇誕生日として馴染みのあった日。 前の週末とは異なり絵にかいたような晴天、スポーツ観戦日和。 私は意気揚揚と最寄りの駅に向かった。 ここから武蔵小杉までは電車で1本。そして武蔵小杉からは競技場まで直行のシャトルバスに乗り込む。 乗車賃は 200円。これがドイツだと無料なのだが試合前から缶ビール片手に “出来上っている” のがわんさといる。秩序良くバスに乗れることを考えれば200円くらい安いものだ。 バスの中は完全アウェー….と思いきや紫色の座布団や小道具を手にする人達もちらほら。 一時期に比べて関東地方のゲームでも競技場に足を運ぶサンガサポーターが随分と増えた様に思う。
この日の対戦相手は川崎フロンターレ。 1998年“博多の森の悲劇”に泣いた時。私はここの競技場から自転車で15分程度のところに住んでいた。その時愛するサンガはもうJ1にいたが横浜フリューゲルスの消滅でこのJ1参入決定戦を免れたのだった。1999年に川崎はJ1昇格を果たすが翌2000年には何とサンガと共にJ2に逆戻り。サンガは1シーズンでJ1復帰を果たすが川崎は以降4シーズンをJ2で過ごす。
ただサンガも天皇杯で優勝を果たした翌2003年は最下位に沈み2004年、3シーズンぶりに川崎と同じリーグに同居する事となった。しかしこのシーズンから両者の立場は逆転。川崎が勝点105、得点104 の圧倒的な強さで優勝し5年振りのJ1復帰を果たしたのに対しサンガは川崎に勝点で36 もあけられ5位に沈み更に1シーズンJ2 で過ごさねばならなかった。 
以降川崎はACLで上位を目指すまでになる一方でサンガは昇格と降格を繰り返し両者の力の差は歴然となっている。 

                   

武蔵小杉に到着する前はもう少し早く家を出れば良かったと思っていたがあのシャトルバスのおかげで無事スタメン発表直前に着席出来た。この日のサンガスタメンは下記の通りだった。

                   9 豊田 

      11林          10 ディエゴ        22 渡邉

            16 安藤            7 佐藤 

        6 染谷   14 李正秀   4 水本   26 角田

                   GK21 水谷

前節磐田戦と同じスタメン。しかし前節は 4-3-3 。この試合は4-2-1-2-1 だった。

一方の川崎は、親切にもメンバー発表の後掲示板に予想フォーメーションまで映し出してくれた。 前節広島戦からメンバーから森、伊藤、横山、鄭大世ら4人を外しメンバーを入れ替えていた。今シーズンはACLに参戦しているので4月8日、アウェー Gosford での Central Coast Mariners 戦から3週間で6試合目となるハードスケジュール。そして3日後にマリノス戦を経てそのまま天津に飛びACLの天津泰達戦更に5月10日にさいたまスタジアム2002 で浦和戦が続く。
サンガとしてはその過密日程に付け込みたいところだったが….. 井川が右サイドバックにはいり CB は菊池が寺田と組み、左サイドバックは村上が。そして中村憲剛が2列目右でなくボランチに起用された。 

          

快晴の中キックオフのホイッスルが鳴る。開始早々川崎ゴールに迫る。 
“鄭大世抜きでサンガとやろうってのかぃ??”… とこの時思った余裕は早々と霧散してしまう事に。 2分にサンガゴールに向けて縦パスが1本通り李正秀と矢島が競る。そして出て来たGK水谷と矢島が交錯し水谷が倒れて起き上がれない。 

          

そんな激しく衝突した様には見えなかったが4分経っても水谷は立ち上がれずとうとう担架で運び出され替って松井謙弥が入った。思えばこのアクシデントがこの試合の未来を物語っていたのかもしれない。 
以降サンガは防戦一方。両サイドにロングボールを放り込まれそこに田坂、ヴィトールそしてジュニーニョらがフォローに入る。特に対サンガ戦通算9得点の“天敵”ジュニーニョには良いようにやられた。9分にはジュニーニョに左サイドを突破され田坂を経由して中に入れられるとそこには矢島がフリーで走り込んだがボールは矢島の後方に入り事なきを得る。 前節磐田の早いサイドチェンジの前に最終ラインが揺さぶられ弱点を露呈したがその不安を思い出させるシーンであった。
そして17分、角田のパスをカットした田坂からジュニーニョにボールが渡るとマークに入った水本を振り切りシュートを放つ。 一旦はGK松井が弾くがこぼれ球をヴィトールに押し込まれ早くも先制ゴールを喫してしまった。

前節でも前半17分に先制ゴールを許したが一旦は逆転したのだ。この試合もきっと….と気を取り直すが攻勢をかけるのは川崎攻撃陣ばかり。両サイドを突かれPA付近で早いボール回しに遭い防戦一方。 この日の Match Day Program に

“CB の水本と李正秀はスピードタイプのFWに苦戦を強いられる傾向にある。前線が自由に動き回り、スピードある川崎攻撃陣とまともに対峙しても抑えるのは困難。佐藤や安藤らがパスの出し手にどれだけ厳しいプレッシャーを掛けられるかがポイントになる。” 

と書かれているがまさにその通りの展開。水本、李のCB 2人は高さそして1対1には強いがボールを速く回されると…この様にプログラムに書かれる様な事はサンガ首脳陣は知ってて当然。前節では試合後監督の指示で前線に3人が残る事になったので相手攻撃時にはMFにかなり負担がかかり、最後は磐田の術中にはまって行った感じがしたが、その試合もこの試合もそれに対する策は無かったのか….

ボールの出してとなる川崎の中村、谷口はサンガボランチの佐藤、安藤と比べると役者が1枚上手…..感は否めない。2列目の田坂、ヴィトールがどんどんサイドを突いてくる。さらに天敵ジュニーニョがドルブルを持ち出すや否やDFラインはパニックに陥る……
また攻撃頼みの綱、ディエゴはボールを受けてもすぐに相手のマークが二人、三人と厳しく取り囲み、ボールが出せない。 ディエゴには彼の足元に向けてしかボールが出ない。従って相手DF陣もマークがし易い。中村をボランチに置いたのはディエゴ対策か? 従ってワントップの豊田にはボールが出ずに孤立気味。19分43秒には焦れてきたディエゴが中村憲剛を後方から蹴とばしてイエローを受ける。こうなると偶発的に前線にボールが出て何とかファールを貰いセットプレーからディエゴ、豊田、水本そして李の高さに頼るしかないか…
33分にはそのCKを得る。水本がエリア内に入り矢島と競りながらもヘッドを放つがゴールには至らず逆にそこからカウンターを食らい反対にCKを献上。そのCKに谷口にあわやのヘッドを放たれるがボールをクロスバーを越えてくれた。
40分19秒にはジュニーニョからのスルーを受けた矢島にシュートを撃たれゴールを割られるがここはオフサイド。線審が女神に見えたよ…..

              

44分には渡邉が散々振り回されたジュニオールへのチャージにイエローが出される。 攻守の中心選手がイエローを貰う悪い流れのまま前半が終わろうとしたが48分にディエゴのスルーに林が飛び込む。そのまま川島にボールは掴まれたが最後のあわやのシーンに後半期待をさせてくれた。

後半は他のサポーター達と共に声援を送ろうと1階の立見席に移動する。何とか連敗ストップを….と願いながら。

             

サンガベンチは後半からシジクレイをボランチに入れ、角田をベンチに下げて渡邉を右サイドバックに入れる。しかし開始早々試合はいきなりCKのピンチを迎えその後も左から危ないクロスを入れられるなど向こう正面のサンガゴール前で展開される。ここは何とか水本、李の高さで跳ね返した。
だが5分を過ぎると2列目から前線へ効果的なパスが通りチャンスを作る。後半は豊田のワントップはそのままで2列目を左からディエゴ、安藤、林に並べ替える。ディエゴを相手のボランチから遠ざけるサイドに移したと言う事か…
そのディエゴ、シジクレイからのスルーに豊田、林が走り込む。 53分にはスルーを受けた豊田がそのままドリブルシュートに持ち込もうとするが菊池にカットされた。 逆サイドにいた安藤がフリーだったのだけど….. 寺田、菊池を中心とした川崎DF陣も容易にシュートを打たしてくれない。 
そして63分カウンター攻撃を見せた川崎にヴィトールのドリブル突破から左サイドを破られ中のジュニーニョを経て最後は矢島の振り抜いた右足からのショットがサンガゴールに突き刺さりあっさりと追加点を奪われてしまった。

私の周囲は信じられないくらい静かになった。そして遠くからフロンターレサポーター達の歓声が響いてくる…..
64分には豊田がイエローを貰ってしまい、67分には加藤弘堅に替ってベンチに下げられてしまった。 流れはどんどん悪くなっていく。 豊田は対峙する寺田に空中戦では結構互角にやっていたが孤立するシーンも長く最後まで川崎DF陣に脅威を与えられなかった。 
これでサンガは林がワントップ気味に。2列目は右からディエゴ、加藤、安藤が並ぶ。 70分には安藤からのスルーに抜け出した林がフリーでシュート体勢に入る。 よし!!と身を乗り出すが林のショットは川島のファインセーブを引き出すに終わった。 さすが元U-20そして現代表候補だ….
さぁここから反撃と思うも、73分ヴィトールのCKを谷口がヘッドで折り返し右サイドにいたジュニーニョに渡り、対サンガ戦10得点目にあたるゴールを決められた。 

            

あぁ相手のセットプレーには強いサンガDF陣ではなかったのか……..
3失点目からのキックオフ直後、ほぼ中央から佐藤が抜け出しフリーでショットを放つがここも川島がストップ。そして私は2階席に再び向かった。 
林、佐藤、どちらかのシュートが決まっておればなぁ….と思いながら…….

勝った川崎は入れ替えて起用された選手達が結果をだす会心の試合内容だっただろう。 それだけ選手層が厚いのか、それともサンガが弱いのか……
これで3連敗。さいたまスタジアム2002 で浦和に敗れた時は “これで首位戦線に残れるかな??”と按じたが、今は“J2落ちしないかな?”と心配の内容が深刻になった。 
試合終了後のブーイングは物議を醸すかも知れない。 チームを愛すればこそブーイングも否定できないと思う。私にはそれが出来ない。それだけ愛情が薄いと言われそうだけど…..

今後のサンガの奮起を期待するしか…… ないんだよなぁぁぁ ……