Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

スタジアムと Culina は良かった...Gold Coast vs Central Coast

2010-09-24 | Aussie & Kiwi
極寒の Melbourne から“亜熱帯”の Cairns に移動。
気温と湿度の差は感じたものの、暑さは今夏の(まだ続いているかも…)日本程では無く、寒い Melbourne よりはずっと過ごしやすかった。 Cairns から南下し Brisbane  に。 そしてGold Coast の Sunshine を大いに期待したのだけど待っていたのは連日の雨。 それも朝から断続的にほぼ終日…. 地元の顧客に尋ねると

“先週までは良い天気だったんですよ… 何か連れて来ましたか?? “

そういえば中学時代は入学式から林間に修学旅行に体育祭、卒業式以外の行事は殆ど全て雨にたたられ、学年を挙げて誰が雨男で雨女かを真剣に探しあった…30年以上も昔の懐かしい思い出だけど、今回の出張は本当に参ったなぁ…

Gold Coast を本拠地にする A-League のチーム、Gold Coast United は昨シーズン加盟したチーム。しかし Debut Year は開幕から快進撃を続け常に首位争いに絡み続け、レギュラーシーズンは3位で日程を終え Final Series に進出。残念ながら Elimination Final で Wellington Phoenix に PK 戦で敗れたが、debut season としては上々の結果だったと思う。
だが今シーズンのスタートは出遅れ気味。開幕3試合2分1敗は11チーム中10位。
Week 6 では首位を行く Perth Glory にアウェーで Jason Culina のゴールで今シーズン初勝利を挙げ7位にまで順位を挙げた。
今シーズンの出遅れの原因ははっきりしている。昨シーズンチームの総得点39の半分以上の19ゴールを挙げた New Zealand All Whites の Shane Smeltz がすったもんだの末にトルコリーグの Genclerbirligi に移籍し、更にチームの second best となる 5得点を挙げた Joel Porter が怪我で離脱。得点源2人が抜けてその穴が埋まっていない。他にも前年レギュラー、 Anderson と Chalie Miller が抜けた。
そこでクラブ側は昨シーズンまでトルコリーグのGenclerbirligi でプレーしていいた、かつて Adelaide United でエース級の活躍をしSocceroos でワールドカップ予選にも出場した経歴のある Bruce Djite と契約し前節の Perth Glory 戦からデビューさせた。( このクラブは Genclerbirligi と特別な関係でもあるのか?) Djite は北京五輪メンバー候補でもあったが、当時移籍の決まっていた Genclerbirligi との合流時期の兼ね合いもあり、当時の Graham Arnold 五輪監督と話し合い北京五輪メンバーには招集しない事になったらしい。 Arnold 氏はけっこう選手の事を思いこういう“便宜”を図る人だ。 2007年の Asian Cup 前も Glasgow Celtic 入りが決まったScot McDonald を同様の理由でメンバーに入れなかった。その“便宜”は全て今年のワールドカップに向けての事だったかもしれないが、2人ともメンバーには残れなかった… その Graham Arnold 氏はこの日の対戦相手 Central Coast Mariners の監督に就任している…

     

更に昨シーズンまで Melbourne Victory のGK だった New Zealand All Whites のワールドカップメンバー GK Glenn Moss もシーズン開幕後に獲得。 Moss は All Whites でも Melbourne Victory でもレギュラーだったけど All Whites ではオセアニア地区予選でレッドカードを受け4試合も出場停止となり、結局ワールドカップでも出番が回ってこなかった。 Victory でも終盤は調子を落とし、 Grand Final では GK は Mitchell Langerak に譲った。Gold Coast で新規巻き返しを図る…

Gold Coast United がホームとする Skilled Park は Robina 駅から歩いてすぐの場所にあるのだが宿泊している場所の関係上車で出掛けた。困ったのは駐車場。はじめて行く場所で周辺の事は皆目解らないので結局競技場から離れた巨大な Shopping Centre の駐車場にとめた。しかし駐車料金も取られないし歩いても10分程度なのでこれでよしとしたけど、競技場のすぐ近くにどうやら駐車するところがあったらしい… Skilled Park は地元 Rugby League の Titans のホームグラウンドでもあるのだが、実に立派な Stadium 。Melbourne の AMMI Stadium と言い今の日本ではちょっと見られない新しいデザインの競技場といった印象を受けた。

    

この日の対戦相手 Central Coast Mariners とは私も雨を通じて縁がある。初めて観戦した A-League の 試合 ( Sydney FC vs Mariners ) 、そして昨年等々力での ACL ( フロンターレ戦 ) そしてこの試合と雨続きだ。特に昨年の ACL の試合は豪雨だったなぁ…..でも 2007-08 の Grand Final は好天だった。 Mariners は毎年けっこう安定した強さを見せており昨シーズンこそ8位に低迷したがこれまでの5シーズンで3度 Final Series に進出しており、優勝はまだないものの2度は Grand Finalist に。
今シーズンは開幕から好調で前節もホームで Melbourne Hearts を 1-0 で降し首位戦線に絡んでいる。これまでの5シーズン、3位、8位、1位、4位、8位とほぼ1年ごとに上位に残っているので今年は上位に留まる順番かもしれない…

Gold Coast のスタメンは前節 Perth 戦でスタメンだったべテラン右 SB の Steve Fitzsimmons に替ってブラジル人の ’99 FIFA U-17 優勝メンバーだったAnders Alaves da Silva を起用。 彼はボランチを務める Robson Alaves da Silva の弟らしい。 そこ以外はすべて Perth 戦と同じスタメン。CB の Michael Thwaite は Carl Valeri, Mile Jedinak, Alex Brosque そしてこの日の対戦相手のCB Alex Wilkinson らと共に’03 FIFA U-20 でベスト16に残ったYoung Socceroos メンバー。
ワントップには前述した Bruce Djite 。 そして何と言っても重鎮は PSV Eindhoven で4シーズンプレーし ’99 FIFA U-20, シドニー五輪、ワールドカップ 2006,2010 でもレギュラーだったJason Culina 。Socceroo ではボランチで起用されていたがここでは攻撃的なポジションだった。彼のプレーを見るのが一番の楽しみでもあった。

一方ビジターの Mariners もタレント揃い。188cm のワントップの Matt Simon は北京五輪メンバー。2列目真ん中のアルゼンチン人 MF Patricio Perez は前節先発の Oliver Bozanic に替って起用された。’01 FIFA U-17, ’03 FIFA U-20 そして北京五輪メンバーの CB Willkinson と組むもう1人の 長身190cm のCB オランダ人Patrick Zwaanswijk はかつて大分トリニータでプレーをした。 Simon, Wilkinson の他に右SBの Peaj Bojic とボランチの John Hutchinson が昨年の ACL 経験者だ。 

                  1 Moss 

   8 Anders da Silva 3 Thwaite  16 Rees  6 Djulbic

       2 Pantelius           5 Robson da Silva 

    7 Caravella       10 Culina    22 Treore

                  11 Djite 

                  19 simon 

    2 McBrean       10 Perez     14 McGlinchey 

       7 Hutchinson           8 Griffith

   3 Rose      6 Zwanswijk   18 Wilkinson  4 Bojic 

                   20 Ryan

試合はキックオフからホームの Gold Coast が Central Coast ゴールに迫る。
9分10秒には右SB Djubic からボールを受けた Robson da Silva が 絶妙のスルーを Djite に送るが ボランチの Griffith と CB Zwanswijk が厳しいマークでシュートを撃たせない。14分25秒には GK から直接ボールを受けた Djite がポストプレーで Treore のシュートを演出するがクロスバーを大きく越えた。
そして何と言ってもトップ下の Culina の動きとプレーはピッチ上のどの選手達よりも1枚も2枚も役者が上と云う感じがした。ワールドカップではボランチのポジション、代表で一緒にボランチを組む Grella は守備的で Culina はどちらかと云うと攻撃的であったが、この日の様にこんなに攻撃に絡む事は少なかった。前線ですばやくサポートに入りボールを受けると、1人、2人に囲まれてもその包囲網を突破したり、味方にボールを出して素早く動き再びボールを受けたりと縦横無尽の動きでチャンスを演出する。18分には連続でボールを繋ぐがその愛で二2度も起点になった。

        

19分にもTerora がCulina とのワンツーで中央を突破しシュートを放つがクロスバーを越えた。21分28秒には Culina が右からクロスをあげボランチの Pantelidis がシュートに持ち込むが GK Ryan がキャッチ。Ryan は18歳で次の五輪代表候補らしい。

25分には Panteldis が右サイドを突破し中央に走り込んだ Culina に送る、Culina はGK Ryan を引きつける様なタイミングで左から走り込んだ Traore に送り、 Trare が放ったグラウンダーのシュートは Ryan を破ったがファーポストの僅かに右に外れて行った。 前半最も沸いたシーンだった。
その直後にはセットプレーからチャンスを掴み Djulbic, Djite が連続してシュートを放つがゴールネットを揺らせない。41分にはまたの Culina のゲームメイクからチャンスを掴むが得点には至らない。 
Central Coast は 長身CB の Zwanswijk, Wilkinson が何度もクロスを跳ね返す等必死の守り。  Gold Coast ゴールに迫ったのは 24分23秒に中央をPerez がドリブル突破した時と31分にセットプレーのチャンス時に攻撃参加をした Wilkinson が飛び込みキーパーチャージを取られた時ぐらいで All Whites GK の Moss を脅かすシーンは殆どなく両者無得点のまま前半を終えた。

     
    


後半に入っても Gold Coast 優勢は続く。 52分56秒、カウンターに転じた Gold Coast はセンターサークル付近から Culina が GK の位置を見て超ロングシュートを試みるがこれは大きく外れた。 55 分には中央から左サイドに切れ込んだ Culina が中に入れるとそこに Djite が走り込むが Wilkinson と Bojic が必死に戻りシュートがジャストミートしなかった。
65分 Central Coast セットプレーから Griffith が惜しいシュートを放ったのが後半最初のチャンスらしいチャンス。セットプレー時には CB の2人が上がりベテラン MF McBrean が最終ラインに入るが、どうも相手を崩して得点が入る様には思えなかった…
攻めているのになかなか得点は決まらない Gold Coast は 68分 ボランチの Robson Da Silva と 右サイドの Treore の2人を下げて かつて Manchester United, Blackburn そして Nottingham Forest でプレーしたベテランJohn Curtis と 188cmの長身 FW Andrew Barisic を入れて Djite と2トップを組ませる。 しかし更に守りを固める Central Coast の最終ラインをなかなか破れない。 73分25秒には FK のチャンスを得て Culina が Caravella に送るがシュートは GK Ryan の正面。76分53秒には Panteldis がドリブルで突破してくるがシュートは打たせて貰えない。
74分には雨脚が強くなってきた。Central Coast は Simon 以外はみんな深く下がり守りを固めていると言う感じだった…. それでも80分には MF Perez を下げて FW Adam Kwansnik を入れて2トップにするが、中盤での Perez のドリブルはけっこう武器になっていたと思ったんだけど…

82分この日の観客数の発表があった… 2,037 人…..私が観た A-League の試合では最低人数。後で知ったけどこれは史上ワースト2位だったらしい…

      

Gold Coast ベンチは 83分、後半半ばから動きの落ちた Djite を下げて 20歳のエリトリア生まれの FW Golgol Mebrahtu を投入する。 Mebrahtu は混乱のエリトリアを家族で逃れてオーストラリアに移民し帰化したらしい。そして彼も次の五輪候補らしい… Gold Coast は右 SB の Djulbic を中盤に上げ3バックにし、最前線を Mebrahtu と Barisic の2トップにする。 87分 Central Coast は2列目左サイドの McBrean を下げて  DF の Brad Porter を入れる。 あぁ守備固めに入ったか…

      

時間は過ぎ、このままこの退屈な試合も終わりか…と思った89分21秒、 Caravella の右からのクロスが中央に走り込んだ Mebrahtu を越えてフリーの Barsic が至近距離からボレーを放った。そのゴール裏に陣取った Gold Coast サポーター達は決勝ゴール !! とだれしも思っただろうが、弾道は大きくクロスバーを越えてしまった…
3分と表示されたロスタイム、91分には Djulbic が Kwansnik へのチャージで Central Coast が良い位置でFKを得る。もうこれが最後のチャンスと身を乗り出してゴール前を凝視するが、直接狙ったFKはポストの左に外れて行った…
92分に Central Coast ベンチは Hatchinson を下げて今シーズン Melbourne Victory から移籍のベテランFW  Nik Mrdja を投入する。この時間帯の交替は時間稼ぎだろう…

そして93分に主審のホイッスルが鳴り、退屈な試合が終わった。最近はスコアレスドローの試合観戦も珍しくなったかなぁ………

後日の専門紙を見ると Gold Coast の Miron Bleiber 監督と Jason Culina が

“ 明らかに Central Coast はここに守りに来ていた。“
と対戦相手は専守に徹したとコメントを残したらしいが、 Arnold 監督は 

”守備重視の戦いではなく、そういう風に見えただけだ。ここには決して守りを固めに来たわけではない。 勝点1には満足しているが、この日の試合内容には満足していない。“ と勝つ為にやって来た事を強調したらしい。

しかし観客数 2,037 人は少な過ぎる。立地は悪くはないと思うのだけど Gold Coast 地区は完全な車社会でもっと駐車場を整備と云うか、自動車で来れる様にしないと観客数は伸びないと思う。
後日の地元紙には Clive Mensinik CEO が今シーズン末までには経営不安が一掃できないのではないかとのコメントを出し、週末にも Gorman Lyall A-League 会長と話しチームとリーグ全体の経営好転の為に合うとの事であった。
今シーズンで契約切れとなる選手が12人もおり、このままでは契約延長も怪しくなってくるとは新聞の見通し、それでも“まだ10人の選手が来シーズン末まで契約が残っている。”と選手の確保には見通しが立っている事を Mensinik CEO は主張。 
だが3日後にホームで行われる New Castle Jets 戦も観客の入りがこんな程度だったらチーム絶滅の危機に瀕するかもしれないとも漏らしていたらしい。

その New Castle 戦は終了直前ベテラン FW Curtis の劇的なゴールで勝利をものにしたが観客数は Central Coast 戦より少し多い 2,091 人だった…….チームは5位に浮上したけど大丈夫かなぁ…

帰りは雨の中運転をして帰った、印象の残ったのは Jason Culina のプレートスタジアムの素晴らしさ.. だけだったかな….
でも機会があればまた観に来たいなぁ…. と思った。 

雨はホテルに近づくほどにだんだんひどくなってきていた…..

寒い中で熱い試合を… Melbourne vs Wellington

2010-09-19 | Aussie & Kiwi

やっぱり専用競技場は良いなぁ… 陸上競技出身者としては陸上トラックをただ見ていても飽きないけど、サッカーは専用競技場で観た方が断然観易い…
今シーズン A – League に新たに Melbourne Hearts が加盟したので Melbourne が最初のフランチャイズを2チーム持つ都市となった。その2チームが今シーズン開幕前に完成した AMMI Stadium をホームスタジアムとして使用する。昨年6月に Melbourne に来た時はまだ工事中だった。完成したスタジアムに来てみると本当に素晴らしいスタジアムだと感じた。 10月2日にはここで最初の Melbourne Derby が10月2日に予定されている。

新生Melbourne Heartsの監督はかつて Serie A Genoa で KAZU と共にプレーをした John Van’t Schip 。2006年ワールドカップ、EURO2008 ではオランダ代表のアシスタントコーチを務めた。
選手では Sydney FC でプレーし ACLでは浦和と戦った GK Clint Bolton, 2006, 2010 ワールドカップメンバーの Michael Beachamp, Newcastle Jets で中心選手だった Matthew Thompson と Jason Hoffman。 北京五輪メンバーの Kristian Sarkies ,シドニー五輪、2006 ワールドカップメンバーのベテラン Josip Skoko そして2006ワールドカップ、2007 Asian Cup の日本戦でゴールを決めた John Aloisi らが入団した。

9月15日ここ AAMI Stadium に Melbourne Victory は Wellington Phoenix を迎えた。昨シーズン レギュラーシーズンは2位に入り Grand Final に進出するも最大のライバル Sydney FC に PK 戦で敗れた Victory は開幕5試合で1勝2分2敗やや出遅れ気味。エース Archie Thompson が Grand Final で怪我をして今シーズンの復帰時期の目処が立っていない。そして5試合で9失点と云う結果が守備力で定評の高かったVictoryが今一調子に乗れていない原因か… しかし前節はホームで Brisbane Roar を 3-0 で降し勝点を8に伸ばし、この Wellington 戦に勝って上を行く勝点11で並ぶ2位 Perth Glory, 3位 Central Coast Mariners に並びたいところだ。そして Hearts には先輩の意地を見せたいところだろう…
守備の要、ベテランの Kevin Muscat が Brisbane 戦で足首を痛めて Wellington 戦は欠場。替って Diego Ferreira が右SBに入った。そして前節途中交代で得点を挙げたベテラン Tom Pondeljiak と北京五輪メンバーのBilly Celeski がスタメン起用された
一方の Wellington Phoenix は A-League の中では私が最も贔屓にするチーム。
監督は Rickie Herbert , 2007年、チーム創設以来の監督で昨シーズンは遂に Final Series に Phoenix を導いた。 Preliminary Final では Sydney FC に “疑惑のハンドゴール” を決められ2-4 で敗れたがこれまで低迷しえいたのとは別のチームの様な快進撃を見せた。そして2005年から率いる New Zealand All Whites を遂に 28年振りにワールドカップ出場を決めたばかりか、本大会ではイタリアと引き分ける等その存在を世界に示した。(多分日本の“ジャーナリスト”は誰も気が付かなかっただろう。) 今のニュージーランドサッカー振興の立役者だ。メンバーもワールドカップでファインセーブを連発した Mark Paston, ドリブルでイタリアDF陣を悩ませた Leo Bertos をはじめ Tony Lochhead, Ben Sigmund, Tim Brown ら All Whites メンバーそして昨シーズンチーム最多13得点を挙げた Paul Iffilらが今シーズンも健在。 そして驚いた事に昨シーズンまで Victory の中心選手だった Nick Ward がシーズン途中なのに Phoenix に移籍、前節の Sydney 戦では名刺代わりにゴールを決めた。こういった陣容で今シーズンはGrand Final 進出を目指す。前節は Sydney FC を破り勝点7としたが、消化試合は Victory より1試合少ないのでこの試合に勝てば上位争いに割って入れるがアウェーゲームはちょっと苦手だしなぁ……. この日のスタメンには Socceroos にも選ばれ、韓国 K-League でもプレーした Jade North がCBに起用された以外は前節 Sydney 戦と同じメンバーだった。 

            1 Petokovic

 13 Ferreira  23 Leijer  12 Vargas  5 Sukha

     8 Brebner         6 Broxham

16 Hernandez    15 Pondeljak     14 Celeski

             9 Ricardino

             9 Greencre
  8 Ifill                     7 Bertos

      4 Ward           6 Brown

             2 Manny Muscat

 3 Lochhead  15 North   22 Durante  18 Sigmund

             19 Vukovic

楽しみにしていたのは “ GK 対決 “ Victory は Glenn Moss, Phoeix は Mark Paston, 共に All Whites のGKでワールドカップメンバーだったが、 Moss は Gold Coast United に移籍してしまっており Paston は怪我のせいかベンチスタートだった。 Victory のGKはMichael Petkovic 。かつての Socceroos 。
Wellington の GK は Danny Vukovic かつては Grand Final に進出した時のCentral Coast に所属したがその Grand Final の終了直前に主審に手を出して退場、更に数カ月の出場停止処分となり確実視されていた北京五輪のレギュラーの座もフイにしてしまった不運のGK.  今シーズンはトルコリーグの Konyaspor と契約したが出番が難しいと悟りすぐに A-League に戻り Phoenix と1年契約した。昨年のACL では川崎フロンターレ戦に出場した…. この試合はアウェーゾーンで観戦した。 
チケットを買う時2度ほど窓口のおねぇさんに確認されたけど…
Melbourne に住む Kiwi 達だろうか? けっこうな人数のサポーターが陣取る。
しかしここは Melbourne。 Phoenix 側が何かコールを始めるとそれを消す勢いの声援やブーイングがスタジアムの至る所から飛んで来る。その度に警官、警備が出てくる。
だがピッチ上はアウェーの Phoenix が押す展開の立ち上がり。SB の Lochhead と Sigmund の上がりが良い。さすが All Whites ワールドカップメンバー。 8分30秒には Sigmund の素晴らしい右からのクロスに Ifill がヘッドで合わせるが GK Petkovic が倒れ込んでセーブ。さすが Socceroos のGK。11分50秒には中央突破した Greenacre が右サイドを上がった Bertos に送りそこからナイスクロスが上がるが CK に逃れられる。そのCK から Ward がシュートを放つがポストのわずか右に。 
シーズン開幕前に発行されたガイドブックではまだ Victory のページに紹介されていた Ward は19分12秒にも Broxham をかわしてシュートを放つがDFに当たってCKに。古巣 Victory 相手に溌剌とプレーする Ward を見た Victory サポーター達の心中はいかに…
立ち上がり押され気味の地元 Melbourne は18分に左サイドを突破し Hernandez からボールを受けた 右SB Ferreira が放ったシュートがサイド直撃をしたシーンが初めて地元観衆を沸かせたシーンだった。
Wellington DFはラインコントロールも良く11分50秒には Sukha , 22分31秒には Hernandez のスルーパスがオフサイドに引っ掛った。
だが20分を過ぎたころからボランチの Brebner と Broxham の位置が高くなり相手陣内でボールが回る様になる。23分にはそのボランチ2人を経由してボールを受けた Hernandez がドリブルシュートを放つがここは CB Durante に当たった。  Wellington DF 陣はボールを持った時もボールの出しどころを探すシーンが続いた。 この状況に Wellington はアンカーの Manny Muscat が30分頃から前に上がり前線をサポート。この時間帯、中盤でのボールの奪い合いは観ていいてなかなか迫力があった。お互いのサポーター達がそれぞれの贔屓チームがボールを奪ったり相手選手がミスをしたりするとその度に大歓声が上がる。

     
     

Wellington の選手が倒されてファールを貰い、 Victory の選手が主審に抗議をすれば Phoenix 側が“ He is right’n , you always cheating !! “ と“合唱”すればこちらに近いバックスタンドから “ Sit’in , Shout Up, Sit’in Shout Up !! “ と返ってくる。 
このやりとりも観ていて楽しかった…
43分、 Ifill がマークをかわして Greenacre にボールを送り強烈なシュートを放つが GK Petkovic がナイスセーブでCKに逃れる。そのCKから今度は Ifill がシュートに持ち込むが惜しくもゴール枠を外してしまう。そして Wellington 優勢のまま前半が終わり、 Phoenix サポーター達の大歓声を背に選手達は控室に消えて行った。Phoenix がこんな優勢にしかも Victory 相手に試合を進める何て誰も予想しなかったんじゃないかな……… 

   
   


ハーフタイム中にピッチでは子供達がピッチの隅でミニゲームに興じている。これもファンサービスの一つだろう。これには Phoenix サポーター達からも歓声が送られる。 そして女性のチームトレーナーが近くを歩くと更に歓声が送られる。何て言っているんだろう….みんなけっこうビールを飲んでいる。こんなに寒いのに….. 欧州でもそうだけど競技場でのビールの販売量は多分 J-League の試合の2倍は行くんじゃないかなぁ..
ここはPremier ship のホームグラウンドの様に塀が低いのでピッチも本当に近く感じる。やがてハーフタイムも終わりが近づき、塀が空いて子供たちがPhoenix サポーター席の近くのスタンドの階段を上りに戻って来る。1人の Phoenix サポーターがハイタッチをしようと手を出していたので私も掌を出したら子供達はみんな思いっきりタッチをして去って行った。そして“引率”の女性係員までハイタッチをして去って行った…

    


後半開始早々左から Ifill, Brown と繋がったボールが更に右の Bertos に送られミドルを放つ。ここから Victory は右SBの Ferreira を高い位置に上がる様になる。
すると50分から Wellingotn は Bertos はIfill よりかは守備能力があるのでFerreira 対策か、Bertos と Ifill の位置を変える。 そして Bertos は得意のドリブルで左サイドを上がるが Bertos へのフォローが遅く数人に囲まれてしまうシーンも。だが57分36秒には波状攻撃を見せ最後は Ifill が叩きつける様なシュートを放つがこれは大きく外れてしまった。
後半に入っても劣勢続きの Melbourne は 60分に Pondeliak を下げて Mate Dugandzic を入れる。 Dugandzic は投入直後にカウンター攻撃から Hernadez にナイスパスを送りシュートに導くがここは GK Vukovic がナイスセーブで防ぐ。
だがその直後からも Wellington の攻勢が再び展開される。69分には Brown が Ward とのワンツーで抜け出し放ったシュートは惜しくもポストの右に外れる。71分40秒にはBertos がドリブル突破、ナイスクロスを入れるが逆サイドから走り込んだ Ifill には僅かに合わない。この間に Melbourne は Celeski からボールを受けた Ricardinho がドリブルシュートを放つが Vukovic がファインセーブで防いだのが数少ない決定機だった。
70分過ぎからは Victory はRicardino と Dugandzic の2トップにし 2列目右サイドに Hernandez 左サイドに Celeski を置きボランチの Brebner と Broxham を前に出すがシュートに持ち込めない。アンカーの Manny Muscat が効いていた。

      
      

76分には Wellington ベンチは Greenacre を下げて長身の Miljon Pavlovic を入れる。 ポストプレー狙いか?
77分45秒、スルーパスに反応した Ifill が抜け出したところを線審の旗が揚がりオフサイドの判定が出るがそれに気が付かない Ifill はそのまま走り込みシュートに持ち込むが、このプレーに主審はイエローカードを提示する。この主審の判定に怒りだした Phoenix サポーター達は一斉に “ You don’t know what you do !! “ のコールを送る… Victory サポーターの子供達がこっちを見ている....
80分、 Victory は右SB の Ferreirra を下げて Matthew Froschini を投入し、 Wellington は Ifill を下げて ブラジル人FW Daniel を入れて2列目左に置き、65分から Ifill とポジションを再チェンジしたBertos が右サイドに入り、 Brown が最前線に上がり Greenacre と2トップを組ませる。
84分 にはBertos が Sukha をかわしてシュートを放つが僅かにポストの右に外れる。85分には Victory ワントップの Ricardinho が下がり Geodd Kellaway が投入される。 Wellington の交替は1点を取る為、ホームの Victory は1勝点を守る為の交替に思えた…
残り時間は共にカウンター攻撃から相手ゴール前に迫るシーンが続き、その度に両チームのサポーター達から大歓声が上がる。相手ボールを取る度に、相手の選手がミスをする度にそしてGKがファインセーブを見せるたびに…. そしてロスタイム3分を過ぎても得点は生まれずスコアレスドローに試合は終わった。
ホイッスルが吹かれるとピッチ上の選手達はお互いの健闘をたたえ合い、 Phoenix サポーター達から大歓声が上がる。そして “ Oh Wonderful Phoenix “ の“合唱”が始まる。

     

Phoenix の選手達がこちらに両手を挙げながらやって来る。そして Herbert 監督も頭上で拍手をしながらこちらに歩んでくる。 サポーター達から “ Ricki !! “ の声援が飛ぶ。しかしこちらの前まで来ずに踵を還して戻ってしまった。前に Etihad Stadium で観戦した時はサポータ席の直前まで来て私を含めたサポーター達と色々話してくれたんだけど……

        

そして私はホテルまで寒い Melbourne の街を通り抜けて徒歩で帰った……

翌日の地元紙には “ Fatigue takes toll on Victory : 疲労が Victoryに被害をもたらす。“との見出しが。
そして Merrick 監督の “ DF 陣は強固な守備を見せたが MF陣はいつもの様なパフォーマンスでは無かったのでいつもの様にチャンスを創れない五分五分の試合内容だった。 スイッチが入り判断が冴え、そしてボールを前線に送る…こういった一連の事は疲れが影響する。 言わせてもらえばこの試合はDF陣に好印象を見た。” とのコメント。
Kevin Muscat の抜けた4バックは前半だけで3度の Petkovic のファインセーブに救われたと…
Muscat のポジションを埋めた Adrian Leijer は“これが好結果だとは思わない。
今夜は勝点3を期待した。疲れはあったが Phoenix も週末に試合をしている。 だから言い訳には出来ない。今夜の我々はただ不充分であった..” とのコメントを残した。

試合の2日後、私は Melbourne を後にする為に空港に向かった。
すると空港には次の試合の為の遠征に向かう Victory 一行とであった。
そして Guide Book に監督、多くの選手にサインをしてもらった。
Merrick監督には Phoenix 戦を観戦した事、そして半年後の ACL には Thompson は回復するのか?Muscat はいつ頃復帰出来るか?と尋ねると、我々は強いチームだから控えの選手でも戦う事が出来る、と答えた。翌年の ACL を本当に楽しみにしています。日本で会いましょう…というと丁寧に握手をしてくれた。
Sukah には近々バンコックに行く事を告げ、“コップンカ~ップ”と言って両手を合わせた。
Hernandez には“水曜日は Unlucky でしたね…”と云うと、肩をすくめていた….

J-Leaguer 達とはなかなかこういう機会が無い。
だから私は A-League が好きなのだ……

      


6年目の Hyndai A-Leauge  Adelaide vs Newcastle

2010-09-17 | Aussie & Kiwi
2005年にデビューした Hyndai A-League は6年目を迎えた。 
今シーズンから新チーム Melbourne Hearts を加え11チームとなり、各チーム3回戦総当たりの30試合のレギュラーシーズンが始まっている…

8月5日、ワールドカップ終了約3週間後に開幕した今シーズンは9月 Week 5 を終えて昨シーズン最下位だった Adelaide United と5位だった Perth Glory が勝点11で首位に並んでいた。
昨シーズン覇者のSydney FC は勝星なしの2分3敗で最下位。 もう片方の Grand Finalist であった Melbourne Victory も7位と出遅れいていた。また昨シーズンから A-League 入りし3位となった Gold Coast United も勝ち星無しの10位。 
好成績を残したチームが翌シーズンは主力選手が他チームのオファーに引き抜かれて下位に沈むと言う A-League の“悪循環”は今年も“健在”の様だった…
9月10日、Week 6 の最初の試合で Central Coast Mariners は Melbourne Hearts を 1-0 で降し勝点を11と伸ばし、得失点差で後塵を拝しているものの Adelaide, Perth と並んで勝点を11とした。そして私は9月11日に Hindmarsh Stadium で行われた Adelaide United vs Newcastle Jets の観戦の機会を得る事が出来た….

Adelaide United は上述した通り昨シーズンは最下位に沈んだが今年は第5節を終わっても負けなしと好調だ。昨シーズンが終わっても一昨シーズン、Grand Final に進出した事から今年2月に始まった Asian Champions League の出場権を獲得しており、 ACLではベスト16に進出した。クラブ経営が一時悪化しA-League 当局の管理下に置かれていた時期もあったが主力選手残留を決めた事から今年は出だしから好調を見せている。A-League 開幕以来 1位、2位、6位、2位 10位 の順位に終わっているので今年は上位に進出のシーズンと思っているファンも多いとか…
一方、対戦相手のビジター、 Newcastle United は今シーズンまだ勝ち星がない。
前節を終えて4試合で僅かに1得点。 生え抜きでチームの重鎮であり昨シーズンチームの得点王だった Matt Thompson そして Jason Hoffman までもが新生 Melbourne Hearts に移籍してしまい、戦力的にも精神的にもその穴が埋まっていない様に思われた。
そして今シーズンは未だメインスポンサーが決まっておらず財政的にも心配されるシーズンインだった。 2007-08 のシーズンは Grand Final で Central Coast Mariners を降し見事に優勝を果たしたのだが…. その時も主力が次々と流出してしまっていた。歴代の在籍選手を見ても Adam & Joel Griffith の兄弟選手, 五輪代表GKだった Ante Covic , Jason Hoffman, James Holland,  Socceroos の Jade North 今 JEF千葉でプレーする Mark Milligan…素晴らしい選手達がプレーしたんだけどなぁ…
サラリーキャップ制度を導入している事もありこういう事実は避けられないのが A-League の現状だ….

                                          GK Ben Kennedy

11 Tarek Elrich   5 Ljubo Milicevic   4 Nikolai Topor-Stanley   3 Adam D’Apuzzo

           7 Kasey Wehrman                                  6 Ben Kantarovski

                                          8 Michael Bridge

          18 Marko Jesic                                              16 Jeremy Brockie 

                                               9 Zhang Shuo

                                               9 Sergio van Djik

      7 lucas Pantelis                 10 Marco Flores                 19 Mathew Leckie

                           12 Paul Reid                          8 Adam Hughes

    6 Cassio           4 Ian Fyfe             5 Daniel Mullen     24 Cameron Waston
 
                                                    1 Eugrn Galekovic

ホームの Adelaide は前節 アウェーでSydney FC を 3-1 で降した試合と同じスタメン。一方の Newcastle は中心選手の Ruben Zadkovich が前節 Brisbane Roar 戦で退場となり出場停止。この日は中国人FW Zhang Shuo がスタメン起用された。

試合は立ち上がりからホームの Adelaide が攻勢に出る展開。特に左サイドバックの Cassio と2列目左のPantelis のドリブル突破が効果的で何度も Newcastle ゴールに迫る。中盤戦は1対1でも圧倒的に Adelaide に分があり、最後は何とか CB の Milicevic と Topor-Staley が身体を張って止める。それでも19分にはCKからこぼれ球を拾った Bridge が右ポストをかすめる強烈なミドルを放ちゴール裏に陣取る Adelaide サポーター達の肝を冷やす。このCKでは長身 189cm の Tipor-Stanley が上がって来た。かつては Sydney FC でプレーし、2007年ACLでは浦和レッズと対戦。マークをしたワシントンを見事に完封したCBだ。その後も北京五輪に出場する等の実績もある選手。ポストワールドカップにはCBで代表も..と思っていたんだけど…まだ Lucas Neil が起用されている。そのうち今浦和でプレーする Spiranovich とCBを組むじゃないかな…とちょっと想像している。
ピッチの上では Adelaideの攻勢が続き先制点も時間の問題と思った22分49秒。またも Cassio のドリブル突破で左サイドを崩し最後は Pantelis の入れたクロス に Leckie が合わせたヘッドが Newcastle ゴールネットに突き刺さった。オーストラリア U-20 代表のLeckie の見事はヘッドだった。
劣勢の Newcastle がゴールを先制許したことでAdelaideのゴールラッシュもあるのではないかと思ったが30分を過ぎると今度は Newcastle が攻勢に出る時間が俄然増えた。左サイドの Brockie 右サイドの Jesic がワイドに開き両サイドにボールが回る様になる。更にトップ下の Bridge も前線に絡みトップの Zhang Shuo と合わせた4人が最前線に入りボールが回る様になる。そしてカウンター時には右サイドバックの生え抜き選手 Elrich が効果的に押し上げてくるので Adelaide が後手に回るシーンが続く。29分には Brockie のシュートが左ポストを叩き、そのこぼれ球を拾った Bridge のシュートは GK Galekovic がナイスセーブで防ぐ。その直後には Jesic がドルブルシュートを放つがこれは Galekovic の正面。更に32分にはCKから Zhang Shuo が押し込もうとするが Galekovich が倒れ込んでキャッチ。 この数分間でも決定機が3度もあったがワールドカップメンバーだった GK Galekovich のセーブもあって同点ゴールは阻止される。
前半終了直前にも Elrich がBridge との素晴らしいワンツーで抜け出すがシュートには持ち込めなかった。 1分あったロスタイムも過ぎ前半は何とか Adelaide リードのまま終えたが、失点後の Newcastle を見ると今度は同点ゴールは時間の問題かと思わされた。 早く同点に追い付けば面白くなるのになぁ…と思いながらハーフタイムにゴール裏に移動した…

   

ハーフタイム中に移動した席の隣に座っていた初老のサポーターに声を掛けられた。私が手にしていたメモ帳を見て。 “ You はスパイか?”と訊かれたので “2年後のACLに向けて調べに日本から来た。”と答えた。今シースンはかつてオランダの Twente でも指揮を執った Rini Coolen 新監督になってまだ負け無しで好調なことを話していた。そして Cassio 位置だけど彼は今シーズンからサイドバックになったのか?と尋ねたら、彼は元々あのポジションだ。と言っていた。ACL での印象は左サイドをドリブルであがる印象があるのでMFかと思っていたと話した。 
3月の広島戦は彼が入って流れが変わった。 Adelaide は ACL では鹿島、ガンバ大阪、広島等と対戦しているので日本でも結構馴染みのあるチームだと言うとけっこう喜んでいた。 ここで最も知られるJ-League のチームはガンバ大阪と浦和 REDS だった…

   

後半に入って立ち上がりこそ Adelaide が攻め込み FK のチャンスから Pantelis がヘッドを放つが(その前にファールを取られた。)1点ビハインドの Newcastle が攻めるシーンが続く。しかし前半の様に顕著にサイドを使うわけではなく, 中盤からスルーパスを狙う様になっていた。だが相手DFラインの裏への飛び出しが少なく、タイミングが合わなかったりこちらから見てのパスの出しどころが解るので前に繋がってもシュートを読まれておりゴールには至らない。 
57分には FW Zhang Shuo が下がって Newcastle のルーニーこと Sean Rooney が投入される。2008-09 のACL の北京国安戦では終了直前奇跡のゴールを決めてチームをベスト 16 に導いた選手だ。62分には強烈なミドルを放った。
後半に入り押される展開が続く Adelaide は 右サイドバックの Waston を下げて 197cm の長身DF Cornthwaite を入れる。 ACL の広島戦では強烈なヘッドを決めた選手だ。だが追加点を上げたのは空中戦ではなく アルゼンチン人MF の Marcos Flores のドリブル。65分中盤で van Dijek からボールを受けると Wehrman, Kantarovski をかわして中央をドリブル突破。最後は Milicevic, Elrich もかわしてそのまま見事なドリブルシュートを決めた。Flores は勢い余ってそのままゴール裏のサポーター達に抱きついてしまった。 さすがアルゼンチンと思わせる素晴らしいドリブルシュートだった。

   

このゴールは得点力の乏しい Newcastle には重くのしかかった事だろう。
追加点を機会に Adelaide が勢いを取り戻す。73分には右サイドを崩し Leckie の上げたクロスに中央でフリーの van Djik がヘッドで押し込む。大歓声があがるが線審がオフサイドの判定。 Newcastle は最終ラインのマークが甘い。
CB のTopor Stanley が攻撃参加しその裏を元シドニー五輪メンバーのボランチ Wehrman が下がって埋めるがそこを狙われているみたいだった。
77分に Newcastle ベンチはその Wehrman を下げて Brodie Mooy を投入し左サイドバックに入れ D’Apuzzo を中盤に上げる。 Mooy は オーストラリアU-17, U-20 代表にも選出された20歳の選手だが緊張のせいかプレーが堅かった。投入早々クリアーボールを中に入れてしまいそこから拾われて繋がれ Leckie にシュートを撃たれるがクロスバーを越えた。 Newcastle の Branko Culina 監督が腕組をしてピッチを見つめている…. かつては Sydney FC を率いてさいたまスタジアムで浦和レッズと対戦した監督だ。
78分、2点目を決めた Flores が大歓声を受けてベンチに下がり Iain Ramsay を投入し 84分には Pantelis を下げて Joseph Keenan を入れ守備固めを図る。2点差の余裕か…89分にはスルーパスが Leckie に入りフリーでシュート体勢に入るが今度は Mooy が必死に戻ってブロックでCKに逃れた。
ロスタイムに入り Adelaide の勝利が秒読みか..となった89分、 Cassio が不用意なバックパスを送るとそれを見た Rooney が走り込み、そのままスライディングシュートを放ち Adelaide ゴールに捻じ込んでしまった。スタジアムには歓声が上がらず静寂が支配したので最初はゴールインかどうか解らなかった。 しかし向こう正面の7,8人しかいない Newcastle のサポーター達が狂喜しているのが見えたのと Rooney がボールを拾ってセンターサークルに疾走しはじめたのでゴールインと解った。大活躍の Cassio だったけど、バックパスをする距離では無かったなぁ…
ロスタイムが3分と表示される。試合終了間際になりこれで試合が面白くなると思った。 92分 Newcastle は左サイドで FK を得る。  Miliceiv ,Topor-Stanley といった長身CBががゴール前に入る。そして D’Apuzzo が入れたFKが右ポスト前でジャンプした Topor-Stanley にぴたりと合う…. しかしそこから放たれたヘッドは僅かにゴールポストの右に外れた…
恐らくそちらのゴール裏にいた Adelaide のサポーター達は心臓が凍っただろう…. 練習でもあんなに良いクロスは上がらないんじゃないかな…
そしてタイムアップのホイッスルが吹かれ、ホームチームの勝利に大歓声が上がった。 これで Adelaide は勝点14に伸ばし首位をキープした…

試合後、“恒例の” Stadium Bar に向かう。多くの子供達がサインを貰おうと選手達の登場を待っている…子供だけでは無い、老若男女が….選手達はみな丁寧にサインや写真撮影に応じている…今の J-League ではちょっと不可能なシーンだ、何とか人気獲得を…と云う A-League ならではのシーンだ。
私も数人の選手と話をする機会が…. Cassio には最後のバックパスの事を… van Dijk にはオフサイドゴールの事を…そして Fyfe とはかつて Sydney FC 時代にさいたまスタジアムで浦和レッズと対戦した事を言うと、懐かしそうに色々話してくれた。“ウラワレッズは今も強いのか?またあそこで戦いたい.. “ そして当時レッズの監督だったオジェク氏が今 Socceroos の監督に決まった事には彼も少し驚いたらしい…. こんな会話が出来るのも A-League ならではだ…

翌日、空港で今度は Newcastle の選手達と偶然に出会ったので Season Guide Book にサインをしてもらった。右サイドバックの Elrich は主審がずいぶんホームチームよりだったと少し不機嫌義気…Culina監督は…と尋ねると、おそらく Bath Room で髪を整えているだろう….と髪の毛を櫛でとぐしぐさをしておどけていた

こんな事が出来るのも A-League の醍醐味かもしれないな……. そう想いながら私はメルボルン行きの機内に乗り込んだ....

   

今季初観戦 サンガの勝利が観たかった… 湘南戦

2010-09-06 | 京都サンガ J-League

1-2とリードされていたのはサンガ。1点を追う後半、45分も過ぎロスタイムは4分と表示される。あぁこれで奇跡でも起こらない限り勝ちは無くなった、せめて引分けを… 46分48秒、左サイドからドトゥラが上げたクロスに柳沢がヘッドを放つがクロスバーをわずかに越える。そして49分を過ぎる。もういつホイッスルが吹かれるかとドキドキする。正面やや右から放たれた郭泰輝のシュートがクロスバーを直撃する。 

あぁ…もうあかんわ。やっぱりあかんわ。 

私はしゃがみ込んでしまった。しかし次に私の目に飛んで来た光景はそのこぼれ球を拾っての2次攻撃、そして最後に放たれたシュートがゴール右上隅に吸い込まれ、ゴールネットが揺れるシーンだった。
サンガのゴールが決まった時にいつもやる“オーレ ! サンガ !! “ も忘れた私は飛びあがって狂喜乱舞した。殊勲の同点ゴールは中山からボールを受けた柳沢。さすが元日本代表。地獄の一歩手前で踏みとどまった瞬間だった。
湘南の選手の何人かは倒れ込んでしまった。これでタイムアップと思いきや、湘南のキックオフが始まる。おいおいもう後半50分を過ぎているぞ… だが試合はすぐにそのまま 2-2 ですぐに終わった……

平塚競技場に来たのは….21年振りになる。当時はまだ J-League が創設される前。あの時は日本リーグの日産自動車対古河電工の試合観戦だった。 日産は木村和司、水沼、松永らがいた..そして古河はゴルゴン金子、それから後の日本代表監督岡田武史らがいた…平塚駅から競技場までどのバスに乗れば良いかわからず歩いたなぁ….それにしても平塚は遠かった…… 実業団時代にここで実業団の全国大会や東日本大会あ開催されたけど出場の縁は無かったなぁ…

    

この試合の Match Day Program にはこう書かれていた。今日の相手は京都サンガFC 今季は序盤戦こそ攻守が噛み合い、順調にスタートしたが徐々に失速。指揮官を秋田新監督に代えたが、その後も白星を掴めず現在も6連敗。目下最下位に沈んでいる…

サンガは開幕戦の神戸戦に敗れたが以降は連勝を飾るなど第4節まで2勝1敗1分の好スタート。しかし第5節以降、さっぱり勝てなくなっている。
代表の居ぬ間のナビスコカップでは勝利を重ねたが、決勝トーナメント進出を懸けた引き分けてもよいFC東京戦に敗れてからはまたも失速......湘南との前の対戦は西京極での第13節。試合内容で圧倒していながら 0-1 で敗れた。その試合が連敗街道の始まりだった。6連敗中のサンガは目も覆いたくなる6試合連続無得点。得点が入らねば勝てないのは当然だ。
このままではまた降格してしまう。 湘南戦に勝ってなんとか上昇のきっかけにしたいところだが対戦相手も降格を免れる為にも勝点3を上げた試合だった。
この試合、専門紙では“ザ・ボトム対決”と書かれていたが、湘南からすれば今の最下位サンガは“格下”なのかもしれない….

ただでさえ“得点力不足”のサンガはディエゴが出場停止。 注目のワントップは柳沢でなくて金成勇。2列目は右に中山、左は中村充孝。 ドトゥラはベンチスタート。 ボランチは加藤弘堅と安藤淳、DFは3バックで右から郭泰輝、水本、森下。MFの右サイドに大剛、左に中村太亮。 ベンチのドトゥラ、ヤナギがいつ投入されるか。それに角田、FW宮吉…

   

ベルマーレのキックオフで始まった試合は開始4分に田原豊がヘッドで落としたところを中村裕也が強烈なショットを見舞う。この弾道はゴールポストの右に外れたが、前半はホームの湘南が押す展開が続いた。
7分には右サイドバックの臼井に突破を許し10分17秒にはボランチの永本がミドルを放つ。 15分42秒にはワンツーで抜け出された山口をファールで止めて危ない位置でFKを与えてしまう。 18分51秒には坂本がドルブルシュートを放つ。そのCKからこぼれ球を拾われピンチを招くが最後は水本がクリアー。24分にはパスミスを拾われて田原豊にシュートを打たれる。28分には波状攻撃を受け、郭泰輝、森下が何とか身体を張って失点を防ぐが、バイタルエリアでボールを繋がれ過ぎだ…
ベルマーレは左サイドの阿部がDFラインの裏に飛び出す動きを見せサンガDFラインを下げさせる。 そのせいか中盤との間があいてしまい、サンガは攻撃に移っても最後にはロングパスでしか繋げないので最前線に繋がらない。 そして守勢にまわるとファールで止めるシーンが目立つ。前半だけで弘堅、郭泰輝がイエローを貰ってしまった。そしてかつてサンガでプレーした田原豊、迫力のある攻撃を見せるなぁ…
こんな良い選手をなんで出したんだろう…
31分にはカウンター攻撃から最後は阿部にシュートを打たれるがここはGK水谷の正面。 32分には中村祐也にドリブルシュートを撃たれる。 サンガは 26分にオフサイドになった安藤の飛び出しと44分に加藤から大剛にボールが入ったがこれもオフサイド。このシーンぐらいしか相手サポーターを驚かすシーンは無かった。 
前半は何とか無失点で切り抜けたがベルマーレサポーターには失礼だが、湘南相手にこれだけ押されていては他のチームにどうして戦うのだろう…と悲観的な気持ちになってしまった…

  

後半に入ってサンガは弘堅に替えてドトゥラを投入し、大剛をDFラインに入れて4バックに。そして安藤の1ボランチにしたのか….. 後半のサンガはその選手交替、フォーメーションの変更が功を奏して劇的に良くなった。 46分47秒には充孝のドリブル方太亮に繋ぎ中山がシュートを放つ。 48分31 秒には充孝から金成勇に繋ぎシュートに持ち込むが惜しくも決まらない。 50分20秒森下が左サイドをドリブルで切り裂く。劣勢続きの湘南は53分に右サイドの臼井に替えて村松大輔を投入する。これは相対する森下とドトゥラ対策か? その直後FKのチャンスを得た湘南はそこから島村が強烈なヘッドを放つがゴールには至らなかった。
しかし再びサンガの攻勢が繰り広げられる。55分45秒には安藤がミドルを放つが惜しくも外れる。そして59分、左サイドをドリブルで上がって来た金成勇がそのままシュートを放つとグラウンダーのシュートはGK都築の手を掻い潜りゴールネットを揺らす。 見事なドリブルシュートだった。  6試合ぶりのゴール。そして私が観た久々の“生サンガのゴール”に喜びを爆発させた。

     

更に3分後の62分にはドゥトラが素晴らしいドリブルシュートを見せるが惜しくも決まらない。このドゥトラが入ったことが劇的にサンガを後半蘇生させた。
よし次の1点。2点差にすれば今日は勝てる。何か月ぶりかの勝利が近づく….とこの時思ったがそれは安易な希望的観測でしかなかった。
64分23秒、セットプレーからサンガゴールが割られてしまう。後方に陣取ったベルマーレサポーター達から大歓声が上がるがその前にファールがあったのか主審はノーゴールの判定に今度は数少ないサンガサポーターから安堵の息が漏れる。しかしそれもつかの間、69分エメルソンのロビングを上手く阿部が頭で落としたところを田原豊が強烈な放った強烈なショットがサンガゴールに突き刺さる。向こう正面のベルマーレサポーター達からは大歓声が上がり、田原豊のチャントが始まる。 
“タハラユタカ、タハラユタカ、タハラユタカゴール… Get Goal, Get Goal タハラユタカゴール~” 思わず心の中で歌ってしまった。 田原は今でも好きなんだけど、京都戦以外で決めて欲しかったなぁ~

    

同点にされたサンガベンチはここで柳沢を金成勇にかわって投入し、充孝にかわって角田を入れる。その直後に太亮がミドルを放つが都築がナイスセーブを見せる。 さすが元日本代表GK。彼はワールドカップメンバーに入るのではないのかと思っていたんだけど… 75分にはドゥトラのドリブルから柳沢にナイスパスが入るが惜しくもオフサイド。 ボールを受ける柳沢の動きはさすがだ…
攻勢を続けていたサンガだったが81分、逆転を許してしまった。中央をエメルソンにドリブル突破を許し田原に繋がれGKと1対1になる。水谷が田原の足元に飛び込み田原が倒れると岡部主審はペナルティースポットを指す。 水谷が必死に抗議をするが判定はもちろん覆らない。 このPKをエメルソンが決めてホームの湘南がリードを奪った。 

    

11年ぶりに昇格した湘南の「J1での戦いは厳しく前節神戸戦を引き分けたが4連敗中。ようやくカムバックしたJ1での舞台から簡単に降りたくは無いのは良く理解できる。でもサンガだってもう落ちたくないんだよなぁ….
残り時間あと10分足らず、湘南は61分に投入されたエメルソンのボールキープが効果的だ。彼がボールを持つとなかなか止められない。ファールで止めるとなかなか起き上らない。 88分に湘南ベンチは坂本に替えて寺川を入れるがこれは守備固めか… ロスタイム4分と表示されるが、時間は刻一刻となくなり勝ち星どころか勝点が消えて行くように感じた。ここまで来たのに、折角来たのに… 21年ぶりに来た平塚なのに…..

劇的な柳沢のゴールで何とか勝点1は確保した。しかしこの試合はサンガも湘南もJ1残留の為には絶対に勝たねばならない試合だった。

“勝点1では足らないんですよね~….”

近くにいたサンガサポーターとそんな話をした。 

ポツリポツリと雨が落ちて来た。 
喜んでいいのか複雑な心境でバス乗り場に急いだ。夏休みなのでベルマーレのサポーターの親子連れが多く目に着いた。彼らの方が無念の思いだろうなぁ….. 

自宅に着いた時は日付が替りそうだった….

その後サンガもベルマーレも勝点を伸ばせていない。J1残留圏のチームとは勝点10の差をつけられている。残り試合を10試合以上あるとはいえ….

12月に日程を終えてあの試合で引き分けた事が…と思わない様な結果になっている事を祈るよ…

   


夏休みの親子観戦 REDS 浮上のきっかけは…仙台戦 から

2010-09-01 | 京都サンガ J-League

あぁ REDS が ACL に出ないかなぁ…

ここ数年の息子と J-League の話をする度に彼の口から洩れる言葉がこれだ。 

私に似て??国際派になりつつある(のかなぁ…) 息子は2007年にさいたまスタジアムで観戦した Sydney FC との試合が忘れられないみたいだ。
試合のみならず試合後の遠路はるばるやって来たSydney FCサポーターとの短いながら“国際交流”のひと時…しかしそう思うのは息子だけでは無い。毎年商用で訪れるオーストラリアでは A-League のサポーター達はさいたまスタジアムで4万人の大観衆の前で自分の贔屓チームがプレーする事を夢見ている。
私の親しい何人かの昨シーズン A-League 王者となり来年4年ぶりに ACL 出場を決めた Sydney FC のサポーター達はまた大観衆の中でさいたまスタジアムで観戦する事をものすごく楽しみにしているのだけど……

息子の夏休みの思い出にと…いやどちらかと云うと私の思い出作りかな… 8月17日さいたまスタジアムで行われたベガルタ仙台戦の観戦に出かけた。28日に行われる鹿島アントラーズ戦を観たがるかと思ったけど“勝つ確率の高い試合を観たい”との強い要望で仙台戦になった。 でも今のREDSは仙台相手でもかならず勝てるとは限らないなぁ…とも言っていたが……

第19節の仙台戦を前に浦和は3連敗。その前の第15節は愛する京都が 0-4 で粉砕された….そしてその前の2試合G大阪、広島に連敗。 勝点23で11位。 この時点で3位だった鹿島とは12勝点離されていた。 J-League 創設時の連敗続きのREDS の面影はさっぱりなく、サンガの様にJ2落ちの心配をする程の順位ではないが、
“常勝”REDSのサポーターとしては物足らない成績である事は間違いないだろう。 

さいたまスタジアムに乗り込んだベガルタ仙台はこの時点で16位、サンガ同様降格圏内に低迷していいた。この試合は調子を落としているとはいえ“格上”浦和相手のアウェーゲームでは確実に勝点1を確保したかっただろう。ビジター用のゾーンは黄色いレプリカを着るサポーター達が多く詰めかけている。サンガの時にはなかなかこうはならないんだなぁ…
息子には悪いけど、心中私が応援していたのはベガルタの方だった。 2003年のシーズンには愛する京都と同時にJ2に陥落しその後何度かJ2で対戦した相手だ。 
それにかつて愛するサンガで活躍した斉藤大介がいる。この日斉藤が観られるかも楽しみの一つだった….

浦和は達也と啓太が怪我で欠場だ。 その替りに原口元気がスタメンかと思ったけど、エジミウソンがワントップで右にポンテ、左に宇賀神を前線に置き平川を右サイドバックに置いた。 そして坪井がスタメンから外れ山田暢久がCBに入り啓太に替って阿部と組むボランチは細貝が起用された。 
仙台は前節のG大阪戦から太田に替えて千葉直樹がボランチに起用された。 それとFC東京から移籍の赤嶺真吾がこの日もスタメンでトップに入った。 赤嶺には2年前京都戦でゴールを決められたなぁ…

浦和のキックオフで始まった試合は開始26秒エジミウソンのシュートで幕が開いた様に浦和が仙台ゴールに迫るシーンが続く。ポンテが前線でタメになるのでボランチ阿部の上がりが良く中盤より前に良くボールが回る。 左サイドの宇賀神そしてサヌがガンガン上がって来るので仙台の左サイド、千葉と菅井がなかなか上がれない。 
5分21秒にはサヌがクロスを上げるが何とか鎌田がコーナーに逃れる。 7分にはサヌのドルブル突破から宇賀神に繋がれ上げたクロスに柏木が飛び込むがポストの左に外れる。
仙台の序盤の攻撃はフェルナンジーニョのドリブル突破からのみ。 それでも15分58秒にはリャンヨンギのドリブル突破からスピラノビッチをかわした赤嶺のシュートを演出する。 仙台が浦和ゴールに迫ると仙台サポーター達から “仙台 !! Let’s Go !! “ のコールが起こる。この仙台サポーター達の為にもまずは先制点を、その方が試合が面白くなると思った。

   

20分を過ぎるとポンテが2列目に下がりゲームメーカーの役割を担い阿部と柏木がガンガン上がる様になる。だが仙台もボランチの千葉、富田がDFラインと連携をとり決定機を作らさない。そして効果的なカウンター攻撃を展開する。30分にはサヌからポンテ、阿部、柏木と繋がれるがそこからボールを奪われ一気にカウンター攻撃を展開。最後はリャンのドリブルからフェルナンジーニョがミドルを放つがGK山岸のファインセーブでCKに逃れる。そのCKは阿部が何とかファーサイドにクリアーするなどこのシーン、前半最も得点の可能性を感じさせたシーンだった。浦和は前線まではよくボールを運ぶが最後にはエジミウソンにばかり集めるので鎌田、富田らのマークの前になかなか決定機が掴めない。 40分を過ぎると長身のCBスピラノビッチを前線に上げる。ロスタイムに入った46分にはサヌのクロスから惜しいシュートを放つが結局両チーム無得点のまま前半が終わった。スピラノビッチ、あのシュートを決めていれば Socceroos でのポジションは確保出来ていたぞ…
8月22日、浦和REDS元監督であったオジェク氏が代表監督に就任した Socceroos 事オーストラリア代表は9月のポーランド戦とスイス戦のメンバーが発表されたがそこにはスピラノビッチの名前もあった。

   

 後半に入り、浦和は立ち上がり平川の右サイド突破から46分37秒と50分58秒にチャンスを掴むが、それ以外は仙台が押し込むシーンが続く。
エンドが替って両チームともサポーター側に攻めてくるのでその度に更なる歓声が上がる。 フェルナンジーニョのドリブルに手を焼いていいた浦和はポンテがマークに入る事も。 58分に浦和は右サイドを平井が山田とのパス交換から抜け出し入れたクロスにエジミウソンが走り込むが惜しくも合わない。しかしここも最前線に走り込むのはエジミウソンだったか…
この攻撃で浦和が主導権を握るのかと思われたが、ここから攻勢に出たのは仙台だった。60分にはスピラノヴィッチのドリブルを奪いカウンター攻撃からリャンが放った正面からのミドルはクロスバーを直撃する。62分6秒には左サイドバックの田村がミドルを放つがこれもクロスバーを越える。その直後には富田がシュートを放つが山岸がナイスセーブを見せる。 
67分、浦和ベンチはボランチの細貝に替えてFW原口元気を投入する。 だがその直後に仙台に先制を許す。 フェルナンジーニョに長躯ドリブル突破を許しPA内に侵入を許し更に左サイドから中に切れ込み山田をかわして中に入れるとそこに赤嶺が何人かの浦和の選手ともつれ込むように走り込む。そしてついに浦和ゴールネットを揺らした。 “あぁ !! 入った~っっ。” 思わず叫んでしまった。 
あぁ、やられたぁ….息子が天を仰ぐ。 あれだけゴール前でボールをもたれたらあかんわぁ….と云った。周囲のレッズサポーター達も肩を落とす。 最初は赤嶺が押し込んだと思ったが後で最後は阿倍の足に当たってゴールを割った自殺点と解った。 

仙台先制。これで試合は面白くなると思った。だが浦和の劣勢はまだ続いた。 
73分17秒には関口からフェルナンジーニョにスルーパスが入り放たれたショットはポストの右に僅かに外れる。 77分浦和は宇賀神を左サイドバックに下げてサヌに替えてエスクデロを投入し、トップはエジミウソンのままで、2列目左にポンテ、右にエスクデロが入り トップ下のポジションに原口が入った。これで前線を厚くするがその前に仙台は富田を下げて斉藤大介を投入しており斉藤が効いておりなかなか決定機が作れない。 さすが元京都サンガ。 

“あの31番は京都にいたんだぞ。” 隣の息子に教えるが彼は興味なさそうだ。(当たり前か…)

79分には阿部が下がって堀之内が入り柏木とボランチを組む。 息子のお気に入り阿部が下がってしまったか….“もっと単純に前のエジミウソンに繋げば良いのに…” 息子が何度も嘆く。確かに前線でボールが回る時間は長くなったが最後にエジミウソンに繋げようとしすぎて仙台DF陣の網にすぐにかかってしまう。 
このまま仙台の思惑通りに試合が進むのかと思われた83分、エスクデロのドリブルからチャンスを掴み宇賀神の入れたクロスにエジミウソンが仙台DFと飛び込みそのままREDSサポーターの陣取る前の仙台ゴールネットを揺らした。 待ちに待った同点ゴールに大歓声が沸き上がる。息子も大喜びと云うより安堵の表情だ。
まだ逆転するだけの時間は残っている。しかし仙台もフェルナンジーニョに替えて高橋、田村に替えて一柳を入れ勝点1を死守する構えか…
原口、エスクデロがもっとドリブルで切れ込んでもよさそうな気がしたんだけど...

結局4分あったロスタイムを経ても得点は生まれず両者1勝点を分け合うホイッスルが鳴った。 

    

浦和はやや悔いが残る試合内容だったか…仙台にしては会心とまではいかないが貴重な勝点1を積み重ねた試合であった。 
京都がここで浦和相手にこういう試合が出来るかなぁ…..

仙台サポーター達の歓声を背にスタジアムを後にし自転車で帰途に着いた。 
おいおいそんなに飛ばさないでくれよ、もっとゆっくりと….それだけ息子が大きくなった証拠だ。8年前さいたまスタジアムに連れて来た時は浦和がゴールを決めるたびに高々と抱き上げる事が出来たんだけどなぁ…..

その後仙台は大宮、湘南相手に連勝を飾り降格圏を脱しつつある。 
浦和は次節湘南戦は圧勝したが続く鹿島戦は終了直前の失点で価値試合を引き分けてしまった。この試合に勝てばまだまだ優勝する力があるってことなんだけどなぁ….. 息子は試合前何度も言っていたんだけど。
8月22日 阿部の移籍が報じられた。 “あぁ最悪だ~”とは息子からのメールだ。

今年も暑かった夏….また親子観戦の機会はあるのだろうか…… そう思いを巡らせるのも楽しみの一つだ。