空前のハンドボールブームがほんの一瞬日本列島を席巻した五輪再予選から2か月以上が過ぎた。男女ともに韓国の軍門に降ってからハンドボール人気はどうなるのだろうかと思った。
2月17日イランで開催された男子アジア選手権では何と7位に終わり2009年の世界選手権の出場権をのがしてしまった。1勝1敗1分で迎えた予選ラウンド最終戦のカタール戦では前半終了時で 17-11 とリードしながら終盤でミスが続き31-32 で敗れグループ4位に終わり決勝ラウンドを逃し最後の順位決定戦で何とか中国を 38-35 で破り何とか7位に入ったがハンドボール人気を繋ぎとめる為にも世界選手権出場権は確保してほしかったが….. それでも3月15,16日に駒沢体育館で開催された日本リーグのプレーオフでは大観衆を集めたらしい。(俺も観戦に行きたかったけど。)
女子に目を転ずると3月6日から3日間の日程で中国国際大会に臨み(vs 中国 24-28, vs 韓国 30-31, vs カザフスタン 28-24 ) 3月15日~25日はオランダで合宿を行い フランスで開催されるIHF 世界最終予選に臨む予定であった。
ところが3月20日のスポーツ仲裁裁判所の決定で女子の再予選が無効とされ急遽五輪最終予選の組み合わせが変更され日本はフランスで開催される第3グループからルーマニアで開催される第2グループにかえられ、3月28日からルーマニアのブカレストで地元ルーマニアとハンガリー、ポーランドと共に出場権を争う事となった。上位2カ国まで出場権が与えられるとは言ってもルーマニアは2007年12月にフランスで開催された女子世界選手権で4位。ハンガリーは8位。ポーランドは11位で日本は19位。相手は全て格上だ。もしグループ2だったなら世界選手権5位のフランスは別格としてコートジボアール、コンゴを相手にする事を考えれば…….
ブカレストはかつて駐在をしていたことがる。今から14年も前の事だ。当時アメリカでワールドカップが開催されハジ、ドミトレスク、ラドチョイ、ベロデヂッチらを擁してベスト8に進出した地元ルーマニア代表が勝利を挙げる度に街中が大騒ぎになった事を思い出す。まだ革命が起こって4年足らずで他の東欧諸国と比較しても遅れたところが多々あった。そんな中サッカーはブルガリアと並んで欧州でも上位に名を連ねていた。ハンドボールの方では恐らくサッカーの UEFA Champions League の様な大会であろう女子の試合を何度かテレビで観た事があった…
最終予選の開催されたブカレストの Polyvalent Hall 。どこにあるのだろう……いつ建てられたのだろう…. てな事を考えてしまう…….
3月28日のルーマニア戦、開始早々藤井、坂元の連続得点でリードし、 Maier に1点を返されたあと坂元、東濱の得点で 4-1 とする上々の滑り出し。しかし20分48秒に Neagu のシュートで同点にされ、続いて Balint のシュートで 11-12と逆転されるその直後早船愛子の同点シュートが決まるが、その後連続6失点を喫し、最後は 20-44 と惨敗を喫した。格上相手に敗れるのは仕方ないにしても24点差は以降の星取りに影響を与えるものであった。しかもこの試合で愛子姫こと早船が負傷。以降2試合欠場を余儀なくされる事になった。
それでも翌日のポーランド戦は見違えるような動きを見せ 29-27 と接戦をものにし最終日のハンガリー戦に望みを繋いだ。開始15分23秒まで小松、藤井、東濱のシュートが決まり 6-1 と主導権を握る。後半には青戸、小松が相次いで退場となり追い上げられるシーンもあったが最後は何とか逃げ切り格上から貴重な白星を挙げた。愛子姫はおらずとも五輪予選4度目の田中美音子の9得点そして小松真理子が7得点でチームの勝利に貢献した。そして翌日のハンガリー戦が非常に楽しみであった。
3月30日深夜。この五輪予選の試合を放映してくれたNHK衛星放送に敬意を払いながらテレビの前に。相手のハンガリーはシドニー五輪では銀メダル、続くアテネ五輪では5位、昨年の世界選手権では8位。その世界選手権のグループリーグ初戦では日本を 35-31 で降している。この五輪最終予選ではポーランドに 39-30 で快勝し日本が大敗を喫したルーマニアには敗れたとは言え接戦を演じ 29-31の惜敗。要注意選手はAnita Görbicz と Timae Toth 。昨年の世界選手権の日本戦ではGörbicz が10得点、Toth が5得点。この最終予選も Poland 戦ではGörbicz12点、Toth14点、ルーマニア戦ではGörbicz 、Toth共に8点ずつ決めており二人ともアテネ五輪メンバーで大会通算でGörbiczが17点、Tothが34点決めている。Görbiczは2005年の世界選手権のMVP選手。 その他 Bernadett Ferling と GK Katalin Palinger がアテネ五輪経験者。Palinger は銀メダルを獲得したシドニー五輪のメンバーでもあった。
一方の日本。世界選手権でハンガリー相手に4得点の早船は負傷でプレー出来ず、5得点の金城晶子はメンバーに入っていなかった。ここはハンガリー戦6得点で1月の韓国戦で7得点のの田中、そして韓国戦で5得点の184cmの谷口に期待したいとところだった。 世界選手権では敗れはしたが接戦を演じたのだから.....
試合は開始からToth、Ferlingの連続得点を喫する立ち上がり。東濱のシュートが止められ、飛田がTothのシュートを左足で止めた後の1分58秒、藤井紫織のパスを受けた坂元智子がポストプレーからシュートを決め、2分31秒にターンオーバーから藤井が遠めからのシュートを決めて 2-2 に。その後ハンガリーのTothのシュートを飛田が止め、攻撃に転じた日本は真ん中から田中がワンバウンドシュートを撃つがGKPalinger の正面をつき逆転のチャンスを逃した。
その後ハンガリーはFerlingが連続シュートを決め 2-4 とされるが、ハンガリーの4点目は日本が攻撃時にハンガリーゴール前でのミスパスを拾われてからの速攻から。格上相手に失点に繋がるミスは最小限にとどめたい。それでも日本はそこから藤井が連続得点を挙げ 4-4 に追い付く。2本とも180cm のFerlingのマークも何のそのとばかりの素晴らしいシュート。ハンガリーの攻撃も谷口がイエローカードを受けるほどの激しい守りでシュートを容易に討たさず、そしてGörbiczのシュートを飛田がブロックした後に同点にするなど良い流れを掴み掛ける。8分21秒にはターンオーバーから東濱がシュートを打つがここもPalinger にセーブされリードのチャンスを逃す。そしてFerlingにまたも連続得点を許し 6-8 に。先に7点目を取ってリードしていれば試合の流れも大きく変わっていただろうに......
Toth、Ferlingは180cm 以上の長身選手。正面からどんどんシュートを決めて来る。日本はポストに田中が入ろうとするが体格に勝るハンガリー選手達が仕事をさせない。それでも 7-9 とされた11分54秒に小松が連続でシュートを決め三度同点に。8点目は谷口のカットから速攻に転じ、9点目は右サイドからGörbiczを振り切っての素晴らしいシュートであった。しかしここからまたもFerlingが連続得点そして Gabriella Szücs に決められどうしてもリードが奪えない。その間日本も藤井、田中がシュートを撃つがPalinger に止められるなど得点が伸びない。17分44秒に藤井が Szücs, Monika Kovacsicz の間からシュートを決めて 10-12 とするがそこから連続5失点を喫し10-17 と差を広げられる。 Orsolya Verten に決められたあと日本はパスミスが続きその上藤井が退場になるなど苦しい展開が続く中GK飛田がVertenのジャンプシュートを防ぐなど必死の防戦をするが長身の Szücs が上町のブロックをものともせずにシュートを決め、Görbiczがサイドハンドでスピードのあるシュートを叩き込む。ここで日本ベンチはたまらずタイムアウトを取るがその後もGörbicz、Vertenに連続ゴールを決められるが共にカウンターを許しての失点。本来なら日本がせねばならない攻撃であったが......
7点差とされた日本は24分19秒に田中からのパスを受けた坂元がポストからのシュートを決め、速攻から東濱が決めると今度はハンガリーベンチがタイムアウトを取る。タイムアウト明けも日本はしつこいマークでハンガリーにシュートを撃たさず、ポストに入った坂元が東濱のパスを受け撃ったシュートはゴール枠を外れるがその後のFerlingのシュートをGK勝田が止め東濱が正面からのシュートを決めて 13-17 の4点差に迫る。 上背のあるハンガリー選手を相手にマークがどうしても甘くなっていたのだがこの時間帯は前に前に出てマークにあたっていたのでハンガリーも容易にシュートが撃てなかった。このディフェンスを続けながら何とか得点を重ねて点差を詰めてほしかったが ポストに入ったZita Szamoransky がFerlingからのパスを受けてシュートを決められ、Tothに連続得点を許し前半は 14-20 で終わった。昨年の世界選手権では前半が終わった時点では 16-19 だった。 Ferlingに6得点、Toth、Vertenに4点ずつ喫した。Görbiczは2得点に何とか抑えたと言うよりもどちらかと言えば得点のお膳立て役に回ったと言った感じだった。そしてマークももっとタイトに行って欲しい気がしたが........
スタンドには在留邦人の方達か日本人方達の応援も数十人はいた様だった。私が駐在している時は大使館そして子供を合わせても在留邦人は150人もいなかった。今は何人いるのだろう。 ルーマニアはハンガリー系(マジャール系)も多くおり特に国境をハンガリーと接する北西部には多い。チャウセスク時代はマジャール系の人々は弾圧されたらしい。この日はハンガリーをサポートする観客が多いかと思っていたがそうでもなかった。
何とか先制点が欲しいかった後半の立ち上がり、田中からポストに入った坂元へのパスがカットされ速攻から Szamoransky に決められ 14-21 に。だがそこから連続得点で 16-21 にする。32分15秒に田中のパスを受けた藤井がこの日6得点目を決め、その後も速攻から小松が決めた。ハンガリーの守備陣形は 5-1 。そこでポストプレーを狙うが、そこは読まれているみたいだったが。16-22 の36分4秒、Kovacsicz が谷口へのファールで2分間退場になり日本に7mスローが与えられる。それを田中が決めて17-22 と5点差に。このチャンスに得点差を詰めかったのだがここもVertenに連続得点を許すなど逆に 18-25 と点差を広げられる。19-26 となった40分6秒には再びKovacsicz が今度は東濱へのチャージで2分間退場そして 7m スローを貰う。これを田中が決めて 20-26 。時間はまだ20分弱あるのでこのチャンスに何とか点差をと思うが、ここから決定的な連続6失点を喫する。41分にはこまつがエリア内ファールを取られGörbiczが 7m スローを決める。その後藤井のシュートがストップされた後左から右に流れた Görbicz に強烈なシュートを叩き込まれ 20-28 。このシュートを見せつけられた時私は“これはもうあかんわ....“と観念してしまった。
日本は谷口が攻撃に入るがマークがきつくてボールが手につかない。ドイツでプレーする184cmの谷口も欧州の選手達の間では体格は生かせないか..... 日本も攻撃に転じはするがハンガリーのプレスが厳しくない場面でもミスパスが目立つようになりそこから失点に結びついてしまう悪循環。そして藤井のシュートがバーに当たり東濱のシュートがセーブされるなど運も尽きて来た.......
Görbicz のロングパスを受けた Verten がこの日9得点目を決め20-32 と12点差がついてから長野を投入した日本が3連続得点を決め最後の意地をみせるが東濱のカットインからのシュートが決まり 23-32 となった時点で既に残り時間は10分を切っていた。
後はTothの連続得点やGörbiczのワールドクラスのアンダースローのシュートが決まる。日本も藤井が気を吐いてこの試合両軍最多の10得点目を決めるが勝敗には影響しなかった。59分57秒にはハンガリーゴール前のこぼれ球をGK に入ったOrsolya Herr がボールを拾わずタイムアップのホイッスルを聞いてからGörbicz と顔を見合わせ勝利と五輪出場権獲得を祝福し始めた。少しは期待したがこれは妥当な結果だろう。
しかし何度かチャンスはあったが結局同点に追いついてもそこから得点を挙げられる1度もリードを奪えなかった。そして相手選手の退場でチャンスをもらってもそれを生かせない、その勝負所を抑えるところはさすがハンガリーであった。
しかし日本はミスが少し多かったか.........
ボディコンタクトの多いハンドボールでは体格差は決定的な差をもたらしてしまう。それだけに機動力をもって対抗してもらいたいのだがハンドボールが欧州でプロ化して来てから欧州の代表チームも動きが速くなっているらしい。 この最終予選をテレビできっと多くの人が観て更にハンドボールに興味を持った人が増えたと思う。私もGörbiczの様なワールドクラスの選手をこの中継で知る事が出来た。Görbiczは身長 177cm だが体重は 55kg とモデル並みのプロポーションだ.........
4年後のロンドン五輪を目指して女子はアジア選手権、世界選手権そしてアジア大会とメジャーな大会をひとつずつこなして行って欲しい。涙にくれる日本選手を見てそう思った。 Poland 戦の勝利をそのスタートとして欲しい。
そしてテレビ局はもっともっと国際試合のスポーツ中継を放映して欲しい。くだらないお笑い番組やアイドル番組が蔓延するテレビ番組は不要だ。
あぁ日本のスポーツ界をもっと根本から........
そして下記のニュースが
聯合ニュースは2日、韓国ハンドボール協会がアジア連盟(AHF)から科された罰金を支払う方針を固めたと伝えた。やり直しとなった北京五輪アジア予選に参加した日本と韓国に対し、AHFは1000ドルの罰金を科し、支払期限を5日としていた。
韓国協会の鄭亨均副会長は「5日までに1000ドルを払う方向だ。韓国は男女が五輪出場という目標を達成したから、これ以上AHFと良くない関係を続ける必要はない」との考えを明らかにした。一方、AHFの東西分離案について、同副会長は「罰金を払うからといって、やめるのではない。6日に熊本で東アジア連盟会議を開き、詳細について論議する」と語った。
おいおい。五輪出場権獲得出来たらそれで終わりかよ.......
ハンドボールの試合観戦も……。ほぼ20年ぶり、日本リーグの試合を観て以来かなぁ…. しかしそれには“言い訳”がある。ソウル五輪以降4回五輪予選が日本で開催されたが関東地区で開催された事は無かった様な…….
関東地区でメジャーな大会が開催されないからそのスポーツがメジャーで無いという判断をされるのなら関西出身の私としては少し腑に落ちないが……..

1月29日。ハンドボールの北京五輪再予選の第一ラウンド。女子の日韓戦。もちろん仕事なんかすっ飛ばして代々木体育館に向かった。しかしゴール裏のアリーナ席に向かう途中で国歌が始まってしまい着席出来たのは試合開始数秒前だった。自分の遅刻グセには我ながら呆れてしまう…. やっと着席するも試合は始まってしまい落ち付く暇なく開始20秒呉成玉 右から洪延昊のパスを受けて中央から先制ゴールを決めた。あぁやっぱり韓国はちゃうわ、この日のメンバーはアテネ五輪メンバー8人を含んでいる。このチームを相手に..と思っているとこのシュートはサイドネットに入ったとの事でノーゴール。ほっと胸をなでおろすも。その後攻撃に転じた日本はゴール前で田中美音子がキャッチミスでシュートが撃てず、1分11秒ポストに入った呉成玉からボールを受けた金且妍のシュートで韓国が先制するがその直後東浜裕子が同点シュートを決める。女子は男子以上にチーム力に差があり、昨年カザフスタンのアルマトィで行われた五輪予選では日本が“歴史的な勝利”を挙げた事になっているがこれはカザフスタンを勝ち抜かせる為に、候補の韓国を追い落とす為に“中東の笛”が結果的に日本に優位に働いたもの。 この日のメンバーでもGKの呉令蘭を始め、金且妍、呉成玉、 李尚恩、文弼姫、明福姫、朴貞姫、そして禹仙姫 がアテネ五輪メンバー。そして6位に終わった昨年末フランスで開催された世界選手権のメンバーがほぼそのままこの試合に臨んでいる。また2006年12月ドーハでのアジア大会金メダルメンバーは9人含まれている。この時は予選リーグで日韓は対戦しエースの呉成玉抜きで 28-21 と日本を降している。
一方の日本は世界選手権19位。五輪には32年間8大会御無沙汰。2006年のアジア大会では禹仙姫、金且妍そして明福姫に4点ずつ決められている。日本は長身185cm の谷口尚代が4得点そして金城晶子が7得点と頑張ったが力の差は歴然だったらしい。この実力差を埋めるには戦術もさることながら、GKが奇跡的なセーブを連発する事、ミスをしないこと。そしてホームの大歓声に乗る事と思った。
同点に追い付き、何とかリードを奪いたいと思うが1分58秒、李尚恩がシュートを撃ちに強引に東浜、谷口の間に割って入ってファールを貰い 7m Throw を得る。これを明福姫が決めて韓国がリードを奪う。3分34秒にもエリア内ファールで7m Throw を献上し連続して明福姫に決められる。韓国はさらに得点を重ね、9分13秒に李尚恩に決められ時はもう 1-7 に点差が開いていた。この間日本もスペインでプレーする早船愛子のシュートがGK 呉令蘭に止められたり、水野恵子のシュートがサイドネットに行ったり、藤井柴諸のシュートがポストを叩くなど得点に結び付けられず、また攻撃時のミスから失点に結びつけられたり。1-4 とされた後の6分12秒にはエース呉成玉が退場になるなどの好機を生かせない。 1-6 とされた7分47秒にたまらずバウアー監督がタイムアウトを取るがその後の日本の速攻で最後は東浜がハンドリングミスをするなどリズムに乗れない。私の座席の左手に陣取る韓国からの大応援団は序盤からリードを広げる自国の攻勢に応援のボルテージは上がりっ放しだ。
李尚恩がチーム7点目を決めた直後に日本のリスタートを邪魔して退場に。その後日本がようやく東浜のシュートが決まり、その後も主将の佐久川ひとみが右から左に流れて決めて3-7 とする。すると韓国のイムヨンジョル監督は4点リードしていながらこの早い時間にタイムアウトを取る。ここで何か感じたのだろうか?タイムアウト明け、呉成玉が右に流れて撃ったシュートが決まり、その後の安貞花の連続シュートも決まり3-10 と日本をまた突き放す。安貞花が得点を決める度に安貞桓が決めた様な錯覚におちいるけど….今韓国では安貞花と安貞桓のどちらの名が通っているのだろう….
日本は攻撃が中に中に入りそこを固められシュートを撃てない。そこで13分を過ぎると長身の谷口が右に流れてシュートを決め、14分27秒には田中がポストに入った東浜とのパス交換からシュートを決め15分54秒には谷口がまた右に流れて放ったシュートが決まり3連続得点。この間も韓国の攻撃をGK勝田洪延昊、呉成玉のシュートをファインセーブを防ぐなどリズムを作るが韓国のGK呉令蘭も谷口のシュートを防ぐなど目の前で繰り広げられるGKのファインプレーも堪能する。
前半の約半分が過ぎ、これからの巻き返しを…と期待するがここからまたも韓国の連続得点が始まる。16分42秒には左サイドから安貞花が決め、17分30秒には呉成玉が決める。ここで日本ベンチはミドル、ロングシュートも撃てる藤井、植垣暁恵を入れるが18分20秒の藤井のシュートはゴール枠を外れる。18分30秒には禹仙姫に決められ、この禹仙姫のシュートにチャージに入った坂元智子がファールを取られて退場に。19分9秒、藤井が明福姫へのチャージで 7m Throw。これを明福姫がそのまま決める。19分55秒、藤井のシュートが外れた後の韓国攻撃から洪延昊が決めて5連続得点で 6-15 と9点差がついた。
タイムアウトは既に使っているので何とか流れを止める術は無いかと思うが、20分20秒に右サイドに流れた谷口が決めて連続失点を5でやっと止めた。21分9秒には東浜のシュートを止めに入った洪延昊がエリア内ファールを取られて 7m Throw を貰う。ここで韓国はGKを呉令蘭から李姫に替えるが田中が 7m Throw を決める。するとGK がまた呉令蘭に戻る。このまま李姫が続けてゴールを守ってくれたら良かったんだけど…….. しかし、日本はその後連続得点が挙げられず前半は 12-18 、6点差で終わった。 25分過ぎから日本もようやく動きが良くなり攻守にわたって韓国と対等にやれるようになったが、韓国の様にもっとサイド攻撃を使えないものか…と思う。そして期待の早船愛子がなかなか得点を挙げられず26分11秒になって決めた1得点のみ。またシュート数も韓国31に対して日本は26。シュート数の半分も得点に出来なかった。

ハーフタイム中に韓国応援席から歓声が上がる、どうやら”私達生涯最高の瞬間”に出演している韓国のモン・スリ、キム・ジュヨン両女優が韓国の報道陣のインタビューに答えている。それから一般のサポーター達と写真も撮っている。俺もあっちで観戦したら良かったかな……. チアガールもいるし…….
後半に入って日本は何か現状を打開するだけの方策はあるのだろうか??開始21秒、田中が前半で見せた様なポストとのパス交換から後半最初の得点を決めて 13-18。その後両チームとも速い展開で攻撃に転じるが1分41秒早船のシュートは外れ、1分26秒洪延昊のパスを受けた金且妍のシュートはGK勝田がストップ。すると今後は呉令蘭が坂元のシュートをストップ。3分9秒にはまたも早船のシュートが今度は李尚恩がブロック。先に日本が後半2点目を入れてくれよと思うが4分22秒から安貞花が決めてまたも6点差。それでも5分4秒には田中が金且妍をかわして放ったシュートが決まる。だが5分41秒今度は金且妍を青戸あかねが倒して退場になり 7m Throw を与え、明福姫が決めるとそこから1人少ない日本は禹仙姫に連続得点を許し14-22 と8点差に広げられる。8分5秒にようやく植垣のシュートを止めた韓国DFがラインクロスを取られて7m Throw を貰い田中がこの日6点目を決めて連続失点を3で止めた。 7点差とは言え時間はまだ20分以上ある。ここは1点ずつ詰めてと思うも日本には連続得点が生まれない。攻守の切り替えが遅いのが原因なのだが、攻守の際に選手を一人ずつ入れ替えるのが原因。オフェンスに移る時はそのまま速攻を生かす事を優先させても良くなかったか? その中でも日本はGK勝田が10分24秒明福姫、14分52秒には李尚恩の 7m throw をストップする。

攻撃では長身の谷口が連続得点を決める。18分56秒には早船が”らしさ”を見せて正面からシュートを決め19-26 とするがそこからまた韓国の連続得点が始まる。それも日本のミスから速攻を許しての失点。格上の相手にはミスは禁物なのだが…..

15分を過ぎると韓国ベンチは呉成玉をベンチに下げる余裕を。その呉成玉は21分39秒にベンチに下がった時には李尚恩と談笑する余裕も…….
22分00秒田中がこの日7点目を決め連続失点を止める。33歳ベテランの田中美音子の五輪挑戦はアトランタ大会から始まり4回目。これが最後の挑戦か。何とか晴れの舞台にと願うが…. 24分36秒、22歳のサウスポー藤井が決めて 21-31 とするが残りの5分は韓国の連続得点で試合を締められた。 もう最後は試合よりも韓国サポーターの方ばかり見ていた。

ワールドカップ日韓大会でよく耳にした”テ~ハミングッ!! “ “ オ~ピルスン ( 必勝 ) コレアッ !! “ のリズムに合わせてチアガールの娘達が器用に踊っている。韓国が得点を重ねるに連れてボルテージも上がり、彼女達の踊りも躍動感が上がって来る。そしてタイムアップ。彼女達を含めた韓国の大応援団から一際大きい大歓声が沸き起こる。悔しいなぁ……..こうなる事を予想していたけど負けるのは悔しいなぁ……..
おそらく韓国の選手達は勝って当たり前、嬉しいと言うよりも安堵している事だろう。

日本は序盤から攻撃時のミスが少なくなかった。これは韓国のプレシャーがきつかったからだろう。守備に回っても特に試合開始直後は韓国の力強い攻撃に後手を踏む様だった。呉成玉4点、禹仙姫が7得点、そして安貞花6点、要注意選手達にやられている。

日本は田中が7点、谷口が5点。しかし早船が2点と抑えられたのも痛かった。2年前のアジア大会の韓国戦でも早船は1点に抑えられた。

3月にルーマニアで開催される最終予選では昨年世界選手権 4位ルーマニア、9位クロアチアそして11位ポーランドが相手だ。この3カ国もアテネ五輪は出場出来なかっただけに最終予選での意気込みは想像できる。さらに厳しい予選となるがハンドボールも魅力的なスポーツだ。もっともっとスポットが当たるべきだ。昨年12月に世界選手権に出場しているのだがそのことを知っているマスコミ、”スポーツジャーナリスト”はどれだけいるのだろう??
原宿駅に向かう途中多くの韓国人が嬉しそうに試合を振り返っていた(と言っても私は韓国語を理解できないが…..)体育館を出たら雨が降っていた、雨の中翌日の男子の健闘を願った……….. ハンドボールをブームで終わらせたく……この再予選をきっかけに多くの人が立ち上がる事を願う。
23分26秒韓国、金泰勲監督がたまらずタイムをとる。門山がこの日初得点を決め、これで4連続得点。6点あった点差が2点差に縮まり 21-23 となった。日本の酒巻監督は拍手で選手達を迎える。残り時間から考えても逆転のチャンスはまだまだあった。連続得点後のタイムアウトに流れを切られる気がしたが、ここは切り替えて新たに得点を積んでいこうと勝手に私はテレビに向かって呟いた。
タイムアウトが終わり,試合が再開される。日韓のサポーターの応援がすごい。そこに身を置けなかった事を非常に残念に思う。23分56秒に白元のシュートが決まり
3点差に。しかし直後にベテラン山口のシュートに対してのファールで 7m Throw が与えられ、末松が決めてまた2点差。24分55秒、日本ゴール前で日本DFが反則を取られ韓国ボールに。この判定に酒巻監督は少し不満顔。そこから鄭秀泳を経由して尹京信から左サイドの回った白元に渡り撃たれたシュートが決まり再び3点差。
時間は25分1秒、残り時間5分を切った。その直後の25分21秒、すかさず門山が決めて23-25 の2点差に。しかしその後の韓国の攻撃時、朴重奎のシュートを防ごうとしたディフェンスがラインクロスを取られ 7m Throw が韓国に。5年振りに代表に復帰したベテランGK四方に期待がかかったがこれは止められずまたも3点差に。
時計は26分17秒。時間が無くなっていく中早く攻めたい日本は26分46秒、エース宮崎が高い打点からのジャンプシュートを決め 24-26。その後の韓国の攻撃に対し日本はしつこいマークで尹京信にシュートを撃たせず攻撃に転ずる。ここで決まれば
1点差。しかしポストプレーに入ろうとした山口にボールが入らず、速攻に転じられ、鄭秀泳からボールを受けた白元に決められ 24-27に。白元はタイムアウトから再開後これで3得点目。この得点でほぼ試合が決まったかもしれない。28分15秒、宮崎が今度は右から撃つがGK姜一求に止められる。そして韓国ベンチでは勝利を確信したか金泰勲監督がガッツポーズを見せる。それでも満員の観客からのボルテージは上がる一方だ。29分05秒、白元が豊田を外して左サイドからこの試合9得点目を決め24-28。タイムアウト前に2点差まで詰めた点差は4点差に。29分36秒、古家が意地のシュートを決めて25-28 。しかしリスタートから韓国はゆっくりとボールを回し始める。韓国からのサポーター達はもう喜び始めている。主審がシュートを撃つ意思無しと判断し、日本ボールに。すぐに前に送るが届かずボールはそのままゴールラインを割ってしまう。そして時計の針が….30分00秒を指した…………
2008年の七草明けはハンドボールから始まったと言えるかもしれない。ワイドショーでも取り上げられるようになった中東の笛を因とした五輪再予選。個人的にはやっとハンドボールの五輪予選が関東地区で開催されると言う嬉しさもあった。残念ながらチケットは女子の試合しか入手出来なかったが、それでも試合はテレビで生中継されラジオででも。 この日は勿論仕事なんかすっ飛ばして自宅でテレビ観戦に専念した。しかしテレビの前に到着したのは午後7時18分。スローオフ寸前だった。満員の代々木体育館。観客数は 10,257 人。そこに居られなかったことを残念に思う。当日券も無理すれば買えたかな…..と思った。
日本のスタメンはエース宮崎大輔、怪我から復帰の190cm の富田恭介、主将の中川善雄、190cm の門山、そして富田賢治に GK は34歳ベテランの坪根敏宏。一方の韓国は尹京信の弟、尹京敏、金泰完、190cm の朴重奎は9月の五輪予選の日本戦では9得点、 大ベテラン37歳の趙致考、そして大同特殊鋼でプレーする李才佑と白元。注目の尹京信はベンチスタートだ。
大歓声の中、韓国のスローオフで始まった大一番。先制点をと思うも39秒、白元のシュートが決まり韓国が先制する。早く同点に、と思うが門山のシュートを韓国GK姜一求がストップ。すると日本GK坪根も鄭秀泳、李才佑のシュートを連続して止める。両GK 共に当たりの良い立ち上がり。でも少し時間が掛かりすぎるなぁと思った4分7秒、長身の富田が正面から決めて同点に。5分21秒には中川が金泰完をかわして正面やや右から決めて逆転。もう1点決めて2点差にして主導権をと思う。逆転された韓国はオフェンスファールを取られ日本ボールに。そこから繋いで門山が撃つがクロスバーを叩く。このシュートが決まっていれば試合展開はもう少し日本が優位な展開に変わったかもしれない。
韓国は6分30秒に李才佑、7分00秒に尹京敏の連続得点で 3-2 と逆転するが、3失点目は門山から宮崎へのパスがカットされてそのままシュートに持ち込まれたもの。やはりミスは避けたかった。そしてこの時間帯からお互いのGKがファインセーブを連発する。中川の倒れ込みシュートを姜一求が止めれば坪根が鄭秀泳のシュートをストップ。すると姜は末松の正面からの一撃を顔面で止め、バルセロナ五輪ベスト7メンバー趙致考のシュートを坪根がブロック。このGKのファインプレー合戦を止めたのは左に流れてシュートを放った宮崎。10分17秒、3-3 の同点に追いついた。
ようやく決めたエースの宮崎、この後、鄭秀泳に何か激しく怒鳴っている。宮崎がシュートを放った時後ろから手を出したのだ。このプレーで鄭秀泳は2分間の退場。これは逆転のチャンスと思うが10分40秒右から李才佑に決められ韓国がリードを奪い返す。するとここで韓国ベンチは尹京信を投入するが中川のシュートが止められ、韓国のオフェンスとなるがすぐにベンチに引っ込む。おそらく1人少ない時間帯に尹京信の体格を守備で生かしたかったか?日本は相手が一人少ないチャンスを生かせず12分18秒にはリードされたまま191cmの武田が退場になり今度は日本が一人少ない戦況に。12分44秒に李才佑に決められ 3-5 。この試合初めて2点差とされる。李才佑は前半、大いに日本を苦しめ、この時点で総得点5点中3点を決めた。日本はここから巻き返し13分19秒宮崎から末松にボールが通りそのまま末松のシュートが決まり1点差。ここで再び尹京信が投入され今度は世界レベルの攻撃力を生かそうとするも門山のしつこいマークでシュートを撃たせない。そして白元のシュートを止めると、シュート体勢に入った門山が尹京信、鄭秀泳に挟まれるようにして倒されエリア内ファールを貰い末松の 7m Throw で同点に追い付く。しかしこの後末松が退場になり日本が一人少ないピンチに。6-7 とされ、18分50秒、富田のキャッチミスを拾われ速攻に移った白元に決められ 6-8 に 19分7秒末松から受けた富田がポストからシュートを決めて1点差に戻すも、ここから鄭秀泳、7m Throw を白元に決められ連続失点で 7-10 と3点差に。23分25秒には日本も 7m Throw を貰う。ここで韓国ベンチはGKをアジア大会にも出場したスイス、オマールでプレーする韓景泰に替えるが末松が決めて8-10。韓はすぐにベンチに下がり以降姜一求がゴールを守り通す事に。 23分56秒に尹京信がほぼ正面から決める。このシュートの速い事速い事。しかし尹のシュートが脅威を示したのはこの1本のみ。この試合は結局2得点に終わった。尹京信は抑えたのだが….. 日本も豊田が決め食い下がるが連続得点が生まれない。一方の韓国は朴贊龍、李駄栄の連続得点で 9-13 と4点差をつけられここで酒巻監督はタイムアウトを取る。時計は25分24秒だ。
20分過ぎから韓国が守備体型を 6-0 に替えそれから日本は攻撃のリズムが悪くなる。韓国は強引に日本のDF陣の中に入って来る。24分40秒の朴贊龍の得点はその前に李才佑の強引なドリブルに日本DF3人が寄ってしまい朴贊龍がフリーになってしまった為。また宮崎もマークがきつくシュートに持ち込めない。守備ではGK坪根が相手GK姜一求同様ファインセーブを連発するが、攻撃への切り替えが遅く韓国に余裕で戻られてしまっている。
タイムアウト後、豊田、尹京信がそれぞれ決め、29分20秒に宮崎がこの日の2点目を決め 11-14 とする。そして前半終了間際の韓国のシュートを坪根が止めてそのまま前半を終えた。点差は3点つけられたが、前半終了間際に得点を挙げ最後に失点を防ぎ後半、期待できる終わり方でもあった。しかし出来ればリードしたまま前半を乗り切って欲しかった。
尹京信、趙致考と言った Bundesliga でプレーする二人は抑えた。だが尹京信はコンディションがいま一つなのか出場時間は短かった。問題は李才佑に4点、白元に3点と日本でプレーする選手を抑えられなかった事。彼らの方が相手の特徴をよく知っていたか?日本は末松が前半を終わって5得点と気を吐いたが宮崎はマークが厳しかったせいか2得点に終わった。前半のシュート数は韓国が24, 日本が18。そして退場者数が日本2に対して韓国1。その差が得点差に表れた。そして日韓両GKのファインプレーが目立った。 後半日本はどうやって3点差を埋めていくのだろう…..
日本の Throw Off で始まった後半、26秒、宮崎のシュートはGK姜一求がストップ。前半同様、後半も最初のシュートが止められる。そして白元が61秒に決めて 11-15 と4点差。これまた前半と同じ後半最初の得点が白元だった。しかしその直後に宮崎が巨漢、尹京信の横を破ってのシュート、富田は門山からのボールを受けてのシュートをそれぞれ連続で決めて 13-15と2点差に詰め寄る。だがここから韓国は3連続得点で 13-18 と引き離す。日本もこの約2分半の間、門山がサイドハンドシュート、宮崎が左サイドからシュートを撃つがGK 姜一求に止められじりじりと点差が開いていく。古家の退場も痛かった。6分36秒にようやく富田が連続失点を止めるシュートを決める。7分00秒鄭秀泳が富田へのチャージで退場になる。そして7分47秒宮崎のパスを受けた古家が決めて 15-18 と3点差に。まだあと1分以上日本は1人多いままプレーできる。この間に点差を詰められればと思うが韓国は遅攻で上手に時間を稼ぎ、8分4秒に22歳の鄭義京にワンバウンドするシュートを撃たれてまた4点差に。ここで日本ベンチは後半当りが止まってきたGK坪根に替わって四方を投入する。 8分36秒に朴贊龍が下川へのチャージで退場となる。今度こそこのチャンスを生かして欲しいと思う。9分6秒古家のシュートはポストを叩いたがそのこぼれ球を拾った山口が決めて 16-19 とする。その後の韓国の攻撃も白元のシュートをGK四方が止めたり、山口がDFで踏ん張るなど失点を許さない。山口は 1997年熊本で開催された世界選手権のメンバー。その時のメンバーでは岩本昌典と共とこの大一番のベンチ入りを果たした。この一人少ないチャンスも点差は飛躍的には縮まらず11分24秒白元に決められ 16-20 の4点差に。この白元のシュートは一度フェイントのジャンプを入れてから放った技ありのシュート。尹京信、趙致考の次に警戒せねばならない選手に要所で決められ得点差が縮められない。
11分50秒に中川が決めて 17-20 とするが、ここから韓国は3連続得点で日本を突き放す。12分22秒には鄭義京から鄭秀泳に繋いだスカイプレーで、12分54秒には鄭秀泳が連続ゴールを決め、15分34秒には李駄栄が決めてあっという間に6点差がついてしまい、酒巻監督はたまらずタイムアウトを取った。この間約3分間、日本も応戦はするがそれに立ちはだかったのがGK姜一求。中川、末松そして宮崎のシュートをことごとくスーパーセーブで防ぐ。
その後の宮崎のシュートがポストに当たるなど運も無かった。また山口のポストプレーも相手DFに読まれているみたいだった。 この連続失点の間でもベテランGK四方が尹京信の 7m Throw をストップするなど大観衆を沸かせたが流れを引き寄せることが出来ない。 6点差になった時点で 残り時間15分弱。北京への路がだんだん遠のいていく。後半から韓国はずっと 6-0 の守備体系を敷いている。そのせいか、後半はこの時間まで日本は6得点しか挙げられない。GKが好守を連発しているだけにもっと攻撃にリズムが出てもいいのだが速攻が見られない。残り時間と得点差を考えれば攻撃に時間は掛けたくない。満員の観衆の為にも今後のハンドボールの興隆の為にも最後の大切な15分弱となった。
タイムアウトの間、酒巻監督はどんなアドバイスを与えたのか、試合再開後の日本の動きが良くなった様な気がした。16分29秒にはエース宮崎が決めて5点差に。会場からは“ダイスケコール”が起こる。韓国が攻撃に転ずるが鄭秀泳のシュートをGK四方が顔面の右側面に当てて止める。少し痛んだか時計が止まるがここは四方の“技あり”の間の取り方かもしれなかった。会場からはサッカーの試合でよく歌われる “ Oh Vamos ニッポン “の応援歌が合唱される。後で聞いたがサッカー関係者から青色の応援グッズが差し入れされたとの事。
18分を過ぎると韓国は攻撃に時間を掛ける様になる。18分41秒に世界選手権熊本大会メンバーだった198cmの岩本が撃つがGK姜一求が止める。しかし19分4秒に古家が決めて3点差。これはメンバーチェンジでコートに入ろうとした豊田がインターセプトを狙ってコートインしそこから生まれたチャンス。
19分26秒下川が相手DFラインに割って入って撃ったシュートが決まって3点差。この試合初めての3連続得点に観衆から大歓声が沸きあがる。ここで韓国ベンチは試合を落ち着かせようとする意図かベテラン趙致考を投入。豊田のシュートが止められた後の22分49秒、門山が決めて 21-23。これで4連続得点。後半2分30秒に富田が決めて 13-15 として以来の2点差となった。それまで9mラインの外側を左右に回すパスばかりが目立ったが6点差を付けられて開き直ったように相手DFラインに向かっていく縦パスが顕著になり連続得点に結びついたか….
その後の韓国の攻撃をうまく止めたところ23分26秒韓国、金泰勲監督がタイムアウトを取った。大歓声に送られ日本の選手もベンチに戻っていく。頼むぞ、逆転できるぞ。いけるぞ。北京だぞ….テレビに向かってそう呟いた…
この試合での五輪権は獲得出来なかった。韓国選手団、そしてサポーター達の喜びが爆発する。これで対韓国戦は18年勝ち星なしの2引分を挟んで16連敗。 男女揃って韓国の軍門に降ったがこれが実力通りの結果だろう。男子は期待したが。 敗因は何だったのだろう?
ここぞと言う時にGK姜一求に止められ、さぁこれからと言うときに白元に決められた印象が拭えない。
尹京信は2得点に終わったが、コンディションがあまり良くなかった様だ。と言うよりもこの試合, 彼は注意を引き付ける役目を担っていたか….1985年、東京での日韓戦の崔淳鍋の様に…….
日本はもっと速攻が出なかったか?そして韓国が時折見せたスカイプレーも見せて欲しかった。白元の他にも 5得点の鄭秀泳、4得点の李駄栄、李才佑。彼らを見ていると70年代から80年代日本を苦しめた韓国サッカー界を思い出す。エース格の車範根、崔淳鍋 (尹京信、趙致考 )よりも李栄武、許丁茂、李泰昊といった“うるさ型”の選手に痛い思いをさせられた記憶が蘇る。だけど日本も尹京信の様な大砲が欲しいなぁ。かつての“世界の” 蒲生晴明の様に。こういう選手がいてこそ宮崎、末松がさらに生きて来ると思う。ロス五輪で蒲生の現役時代のプレーをテレビででも見られたことは幸せなことなのかもしれない。最近の子供が王、長島、そして釜本を知らない様に。
涙に暮れる日本選手団。そこに観客席から“まだ終わってないよ。”と、声が掛かる。 5月には世界最終予選に一縷の望みを託す。対戦相手はロシア、クロアチアそしてアルジェリア。サッカーなら全勝する自信あるんだけどな。(関係ないか??)
昨年の世界選手権ではクロアチアが5位、ロシアが6位、そして予選ラウンドでは韓国がクロアチアに 23-41 で破れ、ロシアとは32-32で引き分けている。韓国はこの大会16位、日本は2006年のアジア選手権(バンコック)で5位に終わり出場できず。
アルジェリアとて Easy な相手ではないだろう。
アテネ五輪ではクロアチアが金メダル、銅メダルはロシアで韓国は8位だった。ここでも予選リーグで韓国はクロアチア、ロシアと同じ組に入りクロアチアに 26-29, ロシアに 35-32 と言う戦績を残している。最終予選は非常に厳しい戦いとなるが案外ロシアと韓国の試合を分析できれば少しは可能性が上るかも?? しかしもっと大切なことはこれからハンドボールをもっともっとメジャー化することだ。多くの人が忘れているかもしれない、サッカーではアジアの壁を破ってワールドカップ出場を決めたのも、五輪に28年ぶりに出場権を獲得したのもJリーグが発足してからでそれまではまだアジアの中でも位置付けはトップクラスではなかった。
この再予選でハンドの魅力が広く紹介された事だろう。 日本リーグもまだシーズン中だし2月17日からイラン、イスファハンで世界選手権予選を兼ねたアジア選手権が開催される。(でも日本は選手団を派遣できるかな….) 2年毎に開催されるアジア選手権そして世界選手権を追っていけば楽しめると思う。これまではテレビ中継はおろか新聞に結果さえ載らなかった大会だ。アジア選手権が日本で開催される時があればは東京でやって欲しいなぁ……….
30日の試合後私は2003年のFIFA U-20 の決勝トーナメント1回戦、日韓戦の試合のビデオをみた。この日の悔しさを紛らわすために…
はっきり言って生まれて初めてだと思う。スポーツ新聞紙のトップ記事にハンドボールの事が載ることが。 1月26日の日刊スポーツの一面に
“ ハンド異常人気。完売40分 ”
と言う見出しと男子日本代表の中心選手宮崎の写真がどアップで紙面を賑わせていた。この報道を見て私は非常に後悔した。
チケット発売日の1月25日の数日前から計画を練っており、当日は午前10時前にファミリーマートの“チケット申し込み機械” の前で待ち伏せをし、10時の時報と共にチケット購入をすべくチケットピアのPコードを入力した。しかし何度入力してもそのPコードは該当なしとの返答。そして10分程度が過ぎて大失策に気が付いた。ファミリーマートやサークルKでのチケットピアの取り扱いは1時間遅れの午前11時からと言うことに気が付かなかった。私は大慌てで近くのローソンに向かった。学生、社会人時代は中距離でならしたこの足、…..しかし現役を退いて20年近くが経過している。急げば急ぐほど足は着いてこない。その上体脂肪率と体重は毎年鰻登りで持久力と筋力はそれに比例して急激に衰えている。結局最後は歩くようにローソンに着いたのは10時17分。
券売機にコードを入力し…..だが1月30日。男子の予選のチケットはすべて完売であった。女子もアリーナS席は完売。A席なら空席有りなのでそのチケットを購入することに。最初にローソンに来ていれば男子の試合分も購入出来ただろうに、この予選は男女共に観戦し様と計画を練っていたのに(それにしても杜撰な計画だけど)と後悔の念が消えない。だがここで自分自身に
“俺は一昨年のサッカーのワールドカップも昨年のアジアカップも五輪予選も現地で観戦出来たのだからここは長年もっと地道にハンドボールを応援してきた人達に譲れと言う神のご指導なのだろう……….”
だが翌日のニッカンスポーツを見てまたも後悔の念が…..“秒殺”と言う文字が….. 男子の試合のアリーナS席が発売後約1分で完売したとか….と言うことは、あの時ファミリーマートでなく、ローソンに行っておればチケットをゲット出来たのかもしれない。その無念さが再浮上してくる。更に新聞には既にそのチケットは“プラチナ化”しており発売翌日にはネットオークションに出回っているとか…地道なハンドボールファンの手に渡るのなら解るが、ネットオークションに回して小銭を稼ぐ道具に使われるとは俺でも腹が立って仕方が無い。俺だってハンドボールは好きなスポーツだ。高校に入学したらハンドボールをやりたいと思っていた。少なくともこの五輪“再予選”に纏わるにわかファンでは決して無いつもりだ。過去の私のブログも見てほしい。
↓↓↓↓
http://blog.goo.ne.jp/conty1ban/e/bc974a00b486fa4e3908daa510877700
この空前の “ハンドボールブーム” それは五輪予選のやり直しと言う出来事が無ければ生まれなかった。なぜ昨年、豊田市で行われた五輪予選の時に起らなかったのだろうとも思った。その前のアテネ五輪予選は確か神戸でそして昨年の北京五輪予選が豊田で行われたとき、なぜ関東でやってくれなかったのだろう、と残念に思った。東国原宮崎県知事は先日テレビで “私は今ハンドボールに世間のスポットライトが当たる瞬間を30年間待っていました。”と語った。今でも覚えているのは知事がまだタレントの“そのまんま東”時代に“J リーグに続け”と言うコピーの元ハンドボールの日本リーグのポスターに一役買っていた。もう10年以上前のことだった。
今の雰囲気は1985年ワールドカップメキシコ大会の東アジア地区予選の決勝戦の日韓対決の前に少し類似している。1984年4月、シンガポールで開催されたロス五輪予選で惨敗し“破産状態”の日本代表が同年10月ソウルで行われた日韓定期戦で勝利し、チームの再建が始まり翌年のワールドカップ予選では北朝鮮や香港を破り最後は韓国との一騎打ちとなったのだった。その当時でも私は韓国には勝てないだろうな、と思ったがこのチームならひょっとして勝ってくれるかもしれないと期待した。前年の日韓定期戦 ( 2-1 ) 、2年前の東京での日韓定期戦 ( 1-1 ) そして3年前のインドでのアジアカップ ( 2-1 ) と3試合続けてと負けが無かったがこれは史上初めての事だったという裏付けもあった。当時数少ないサッカーファンも同じ思いをした人も多かったのだろう10月26日国立競技場は満員となり日本選手の後押しをするはずだった……….
だが、マスコミの騒ぎを見て、ハンドボールファンの方々で日韓の差を知る人はこの “再予選” を何故そんなに楽観視出来るのだろう??と思っていると想像する。
過去の戦績を見ればハンドボールでの日韓関係は男女ともとてもとても“ライバル”等とは見られない事が良くわかる。そのことを知るマスコミの人達は何人いるのだろう??
1月11日。大韓ハンドボール協会(っていうのかなぁ??)はこの最予選のメンバー男女それぞれ15選手を発表した。その詳細は私のブログにブックマークをさせて頂いておりますオイローパさんのブログを御参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/europahf/e/5dd562b051a67f625f3d8e93c922b878
18年振りの勝利を目指す男子……..
最後に男子が韓国に勝ったのは1990年との事。どういう試合、大会だったのだろう?この年は北京でアジア大会が開催されたがそこでは韓国に勝てなかったのは憶えている。しかし18年も空白があるとは…… サッカーでの日韓戦でも最長期間日本が韓国に勝てなかったのは1959年東京後楽園でのローマ五輪予選に 1-0 で勝利してから1974年東京国立競技場の日韓定期戦で 4-1 と勝利するまでの15年間、引分5試合を挟んでの8連敗と言う記録がある。更にその後1979年3月、国立競技場で 2-1 で勝利するまで引分3つを挟んで8連敗を記録するのだが、ハンドボールに関しては70年代頃に日本が韓国に敗れ続けていた以上に実力の差を見せつけられていると言えないか?昨年1月の世界選手権メンバーが10人、2006年12月のアジア大会メンバーが7人そしてアテネ五輪の経験者が8人含まれている。中でも強力なのがアテネ五輪で58得点を挙げ大会得点王になった 203cm 95kg の尹京信 。 Bundesliga の HSV Hamburg でプレーするアジア No.1 の大砲だ。そしてアテネ五輪には出場しなかったがベテラン、192cm の趙致考は昨年の世界選手権では48得点を挙げた。この再予選では190cmの富田恭介(大同特殊鋼)が復帰してくるとは言えこの二人をどうやって“最少失点”に抑えるのだろう?尹京信34歳、趙致考37歳。スタミナ勝負の走り合いになれば勝機は見えて来ると新聞には書かれていたが、得点能力はその二人だけでなくアテネ五輪29得点、世界選手権13得点の李駄栄、大同特殊鋼所属の白元(アテネ五輪28得点、世界選手権16得点) 李才佑 (アテネ五輪32得点、世界選手権25得点)の二人は昨年末正に再予選が開催される代々木体育館でその決勝戦が行われた全日本総合選手権、大同特殊鋼優勝の立役者となっていた。それだけに彼らの事は日本側もよく判っているか?
GKが神懸かり的なナイスセーブを連発してくれれば良いのだけれど。日本期待の宮崎大輔、全日本総合選手権で MVP になった末松誠に期待をしたいが韓国のDFも堅そうだしなぁ……
昨年の世界選手権の韓国代表のメンバーを見ても180cm以下の選手は1人だけで残りはみな180cm 以上で190cm を越える選手が5人もいた。ボディコンタクトの多いハンドボールでこの体格差を埋められるだけのスピード展開が出来れば良いのだけど…….
韓国は地元開催のソウル五輪で決勝に進みソ連に 25-32 で敗れたが銀メダルを勝ち取った。1936年ベルリン五輪とハンドボールが再採用された1972年のミュンヘン五輪以降の10大会で欧州以外の国でメダルを獲得したのは韓国だけ。その韓国に勝つのは可能性は無くは無いがかなり厳しい試合となりそうだ。アテネ五輪予選では 22-22 の引分。この時は得失点差で五輪出場を逃した“惜しい”の一言。この様な試合が出来ればと期待をするのだが…..
更に苦戦を免れそうにない女子
ソウル五輪の決勝戦は当時テレビで見た。名前は忘れたがあのGKのファインセーブを連発していたのが印象的であった。そのソウル五輪ではソ連を21-19で破るなど金メダルを勝ち取り。その次のバルセロナ五輪ではノルウェーを決勝で 28-21で破り2連覇を達成。3連覇を目指したアトランタ五輪は決勝戦でデンマークに敗れたものの銀メダル。続くシドニー五輪では準決勝でデンマークに29-31で敗れ、銅メダルを賭けた3位決定戦もノルウェーに 21-22 と惜敗し4位。だが翌アテネ五輪では決勝戦でまたもデンマークと対戦。22-25 の劣勢から3連続得点で同点に追い付き延長戦に。その1st Overtime では 29-27 とリードしながら連続失点で追い付かれ、2nd Overtime では34-33とリードしながら終了数秒前に Fruelund にこの試合15得点目となる同点シュートを決められPenalty Shoot-Out 戦で は2-4 。3大会連続でデンマークの軍門に降る事になったが世界でも屈指のハンドボール大国である事は間違いない。このアテネ五輪ではアジア地区予選では敗れたものの世界予選で出場権を勝ち取っての五輪出場だった。 1月10日にアテネ五輪の女子ハンドボールチームの事を描いた映画 “私たち生涯最高の瞬間”が1月10日に封切られ観客動員数が1位らしい。
女子の日韓戦の戦績は男子よりさらに厳しいもので通算3勝35敗1分。その3勝のうちの1つが昨年8月カザフスタンで開催された北京五輪アジア予選。しかしこの勝利は “カザフスタンを勝たせる為の中東の笛が日本に有利に働いたもの” と日本協会関係者も認めている。では対韓国戦2勝目はいつだろう??
この五輪再予選にはアテネ五輪メンバーが9人入っており、昨年12月にフランスで開催された世界選手権のメンバー13人が入っている。そしてカザフスタンを 29-22 で破りアジア大会で優勝したメンバーが9人選ばれている。韓国女子は7人が欧州のクラブチームに所属する。アテネ五輪で44得点を挙げた李尚恩はスペインの Itxako に所属し彼女のロングシュートは脅威だ。 アテネ五輪37得点のサウスポー禹仙姫はかつて韓国体育大学時代に来日しヒロシマ国際大会に出場し JHL 選抜と試合をした。35歳ベテランの呉成玉はオーストリアのヒポ・ニーダーオーストリッヒでプレーするアテネ五輪メンバー。世界選手権では攻撃の軸となったらしい。 呉の所属するヒポ・ニーダーオーストリッヒは他にも金且妍、明福姫、のアテネ五輪とアジア大会そして世界選手権経験者がプレーし、もう一人この再予選のメンバーには入っていないが韓善煕の4人が所属する。
昨年12月の世界選手権では1次リーグではウクライナを接戦の末 26-25 で降しドイツに次いで2位で2次リーグに進み、1勝3敗で迎えた格上ハンガリーとの最終戦を 31-26 で制し前節で韓国を 28-26 で降したスペインが既に2次リーグ敗退が決まっていたポーランドに 29-30 で敗れたため劇的に準々決勝に進出。ノルウェーに 24-35 で敗れたが5位―8位決定戦でアンゴラを 41-33 で破り、最後は地元フランスに 25-26 で敗れたが6位に入賞した。
一方の日本は1次リーグでハンガリー 31-35 、スペイン 29-36 、コンゴ 28-32 と3連敗で2次リーグには進めず、下位の順位を決めるプレジデントカップに回ったがそこでは奮起し中国 30-22, パラグアイ 36-8 そしてアルゼンチンを 31-20 で破り19位になった。しかし前回は18位であった。韓国選手の体格を見ると 170cm 前後の選手が多く、180cmになると許順栄、明福姫くらいではないか?身長180cm 以上の欧州勢と互角に戦うにはやはりスピードと格上のハンガリーを破ったような強い精神力が備わっていると思われる。日本はそれ以上の機動力を発揮できるだろうか?
世界選手権32得点のエース田中美音子、27得点でスペインのゴヤでプレーする早船愛子のスピードを生かした攻撃がどこまで通用するだろう……..
種目は異なるがアテネ五輪のバスケットボールのアジア予選準決勝戦。絶対に不利と言われていた韓国戦を制して見事五輪出場権を勝ち取った。その再現を祈るが……..
1985年サッカーのワールドカップ予選の最後の日韓戦で敗れワールドカップ出場が成らなかった日本サッカー界はその後また暗黒の時代に入り、1996年ようやくアトランタ五輪出場を経由し、翌年のあのジョホールバルでの歓喜まで実に12年を要した。 この再予選が終わってもハンドボールが人気、実績面で低迷しない事を願う。
しかし日韓戦の過去を見ればこれは苦手と言うよりも格が違うという感じも否めないなぁ.....
しかし、がんばれニッポン。がんばれハンドボール。
ボガットがC.アンソニーと並んで20得点を挙げて意地を見せた。観客は総立ちでコートを後にする両国選手に拍手を送る。(恐らくアメリカ選手達に?)そして“ Australia ! Australia ! “ と “ USA ! USA !! “ の歓声も。
少々の混雑はあったがアリーナを抜け出ると駅まではスムースに歩けた。夏休み最後の日曜日。子供連れも多かったが、こういう世界最高峰の試合こそもっと多くの子供達に楽しめる様に地上波でのテレビ中継が何故無いのかと思う。 駅の周りには Houston Rockets のユニフォームを着る多くの日本人?が。いや中国人だった。そうか、この後中国対フランスの試合があったのか。彼らを羨ましく感じながら電車に乗り込んだ。
会場のあるさいたま新都心駅に向う京浜東北線の車中でもバスケファンと思しき人々が見受けられたが、4年前のワールドカップ時ほどの混雑振りではなかった。駅に到着すると結構外国人が目に付き、世界選手権の雰囲気を醸し出してくれる。さいたまスーパーアリーナまでの通路には地元の小学生が描いた大会の絵が張り出されており歓迎ムードを感じさせる。こういう企画は日本ならではだ。アリーナの入り口でボディチェックと携行品検査を受けるがワールドカップの様にペットボトルや缶類の持込は禁止されていなかった。バスケの試合でも物を投げられる事はあるのかな? 座席は10,000円也のスタンドS席。本当はアリーナ席で観戦したかったが、Sold Out で入手出来ず。アリーナ席は12,000円、 だったが、着席してその 2,000円 の価格差以上の差がある事が解り、“何故もう数日前に、アリーナ席に空席がある事を知った時に買わなかったのだろう”と激しく後悔した。ワールドカップは結構良い席で見れたのだが世界バスケはそうでなかった。これも観戦歴の差が出たか?
お客の入りは7分程度。おそらく第二試合のアメリカ戦前にはもっと観客の入りは増えるだろうなと思っていると第1試合に登場するナイジェリアとドイツの国歌が始まった。“全員御起立の上、御脱帽にご協力お願い申し上げます。”との場内アナウンスに促されて起立をする。ドイツはグループリーグで日本とも戦っているので馴染みがあったが、ナイジェリアは少し“予習”が必要だった。そこで入場前に購入した大会プログラムを開いたのだが、そこには各選手の登録背番号と所属クラブが記載されておらず、有用性は先般購入した“月刊バスケットボール”の方が上を行っていた。これを持参すればよかったなぁ…。
これは後で判ったのだが、ナイジェリアはアイミ=ウドゥカが NBA でプレーする他、3名が NCAA 傘下でプレーする大学生(でいいのかな?) その他選手全員が国外のクラブに所属し200cm のムネオケは韓国の Seoul Knight でプレーする。日本と同じグループだったアンゴラとは対照的だ。 ナイジェリア国内リーグはチーム数等、どの様な機構なのだろう?人口1億人以上のナイジェリアは原油も採掘出来て、もっと豊かでインフラの整備された国になっても良いと思うのだが(と言いながら未だ言った事は無いのです。)登録12人中6人が 200cm 以上。だがドイツのノヴィツキー、ヤグラの様な 7 footer はいない。グループリーグでは強豪アルゼンチン、セルビア=モンテネグロが同居する(ワールドカップでもそうだったけど?) Group Aに所属するがワールドカップと異なりレバノンがフランスを破るなど大混戦。ナイジェリアは最終戦のレバノンを破り、レバノン、フランスと共に2勝3敗で3カ国が並んだ。そして得失点差で台風の目であったレバノンが涙を飲み、ナイジェリアは辛くも決勝トーナメントに進んだ。 一方のドイツはご存知、NBA選手のノヴィツキーがいる。7 Footer は彼を入れて合計3名。こちらも6名の2m 選手を擁する。だがドイツは日本戦でも明らかになった通り“ノヴィツキーの調子次第のチーム”。試合は開始早々はグレーネ、ノヴィツキーの得点で 4-1とリードするが、その後3連続得点を喫っしナイジェリアに 8-4 とリードを許す。しかしその直後にノヴィツキーが長身を生かしたプレーで得点。その後、ロシアでプレーする 203cm のPF オクラヤの Free Throw で 14-16 とリードを奪うと更にターンオーヴァーからノヴィツキーがダンクで18-14 と離しにかかる。しかし、ナイジェリアも特にリバウンドに強さを見せてムネオケのシュートで 21-21と追いつく。終了直前に NCAA でプレーするヘルベルが得点を決めてドイツが 25-22 とリードして第2Qに入った。この Quarter と Quarter の間はハーフタイム以外は2分間のブレイクがあるが、その間やタイムアウトの間にスタイル抜群の外人娘が節度と妖艶度抜群のダンスを踊り会場を盛り上げるが、果たしてベンチの方はこんなにがんがん音楽を鳴らされてコーチのアドヴァイスは耳に入るのだろうか? 第2QはトルコリーグのベシクタシュでプレーするPGデミレルの3ポイントで幕が開け 28-22 とリードを広げる。ここでナイジェリアベンチはアナゴエン、ムエルケを下げる。これが効いたのか?イスラエルでプレーするアウオショビの連続得点で 25-28 と迫る。しかしここでまたもやノヴィツキーが今度はオフェンス、ディフェンスに渡ってリバウンドを拾いまくりデミレルの FT ( フリースロー)、そしてギリシャのパナシナイコス・アテネでプレーする(なんだかサッカー選手みたい??)7 Footer のフェメルリンクの連続得点で 37-27 と点差を10に広げる。 しかしここでズルズルと行かないのがさすが決勝トーナメント(ドイツ語では Achtel Finale : 1/8 決勝戦 ) ポルトガルでプレーするセンターヌワンコの連続3Pで 39-41 とたちまち1ゴール差。 その後はノヴィツキーの得点もあり 48-44 ドイツリードで第2Q、前半を終えた。 後半、第3 Qに入ると両軍選手身体が冷えたのか?最初の2分はスコアが動かない。ようやくPGハマンがシュートを決めた。ハマンはFrankfurt Skylines 所属。高原を知っているかな?
そしてノヴィツキーが決めて 52-44とまた8点差に広げたところでナイジェリアベンチはタイムアウトを取った。その間、待機していたダンサー達が登場して踊りを披露するが、今度の Music は Nena の 99 Luftballon 思わず私も口ずさむが観客席に陣取るドイツサポーター達からはひときわ大きな歓声が。そしてダンサー達は赤、黄、黒の3色の風船を用いたドイツ国旗の人文字を作ってフィニッシュ。ドイツ人サポーターを中心にやんや、やんやの拍手喝さいが起こる。でもこれはもっとニュートラルな立場で無いといけないのでは? しかし、これに奮起したかナイジェリアが3連続得点であっという間に 49-52 と点差を縮める。ここはNCAAでプレーする 206cm のPFイペケが頑張り全得点に絡んだ。今度はドイツがタイムアウトを取る。その後両チーム得点を同じ様に重ねるが、ノヴィツキーをベンチに下げるやムネオケ、アウショビの両SFの連続得点でナイジェリアは58-58の同点に追いついた。ドイツベンチはたまらずノヴィツキーを戻す。するとノヴィツキーの連続FTで再び突き離し 62-58 で第3Qを終えた。この Quarter だけだと 14-14 、残り10分でナイジェリアは追いつけるのだろうか?第4Qはスペインでプレーする 205cm のPFアナゴンエの得点で 60-62 と2点差に迫るがドイツもノヴィツキーがFTを2本とも決めてまた4点差。そしてオラクヤノの3P、そしてバスケットカウント、ノヴィツキーの好パスを受けての3Pと一気に得点を加算し 73-64 と9点差にする。ナイジェリアもムネオケのダンクで 69-73 と4点差に戻すがノヴィツィーの得点とバスケットカウントで 69-76 と残り時間3分29秒で7点差に。ナイジェリアは第4Qこれまで与えられた4つのFTで挙げた得点は4点。2本とも入れられないのだ。残り2分28秒でドイツはPGデミレルのスティールからノヴィツキーがダンクで 78-71 と7点差にまた拡げた後にナイジェリアに与えられたFTもイペケは1本しか決められず 78-72 だがイペケはその後アナゴンエの素晴らしいパスを受けてシュートを決めて 74-78 そのシュートに観衆から“おぉぉぉ~ ”と歓声と拍手が沸く。そして残り1分2秒、ナイジェリアは与えられたF.T.を今度は NCAA でプレーする 196cm のチェンバレン=オグチがついに2本とも決めて 76-78 と1ゴール差に迫る。これからは文字通り手に汗握る攻防だ。ドイツは焦りからかシュートが入らないそしてリバウンドも取れない。残り35秒、ドイツは痛い5つ目のファールを犯し、ナイジェリアにF.T.が与えられる。しかしアウオショビは1本外し 77-78 とまだナイジェリアは1点ビハインドだ。しかしドイツは攻撃時間を24秒目一杯使ってもまだナイジェリア側に攻撃のチャンスが残されるので、ここはゴールを決めねばならない。残り13秒、ノヴィツィーのシュートが外れてエンドラインを割るが、それはナイジェリア選手に当たっての事で未だドイツボールだ。残り8秒、またもやノヴィツキーのシュートが外れる。そしてそれを拾ったナイジェリア選手が脱兎の如くゴールに迫るが最後のベルギールージュでプレーするエビ・エレのシュートが態勢に入る。それを阻むドイツ選手達の手が何本も出て来る。そしてそのシュートは決らずホイッスルが鳴る。 窮地を脱したドイツ選手達は大喜び。しかし、ナイジェリア選手は“ディフェンスファールがあったのでは。”と抗議を。主審が恐らくその確認に入ったのだろう、審判団と協議をしている。しかし“試合終了でございます。試合結果はご覧の通りに…..”と日本語のアナウンスが流れてドイツの勝利が確認された。 最後の1分半のスリリングな試合展開に私を含めた観衆は惜しみない拍手を送る。
ドイツは本当にノヴィツキーのコンディションというよりも存在が大きく左右するチームだ。一方のナイジェリア。個々の能力はサッカー同様に非常に高いのだろう。だが今大会の代表選手全員が国外でプレーする事に寄与するのかコンビネーションが今一で序盤はパスミスが目立った。そして F.T. がもう少し正確なら違った結果になったかもしれない。
さて次はアメリカ対オーストラリア。恐らく日本中の殆どのバスケファンが日本戦の次に最も見たいであろう、アメリカ戦だ…
この試合に勝てば日本は決勝トーナメント進出に大きく近づく。NBAプレーヤーを擁するナイジェリア、セネガルと言った国々を破ったアフリカチャンピオンのアンゴラは世界ランク17位。日本は開始直後から主導権を握り一時は21-10 とリード。“やはり地元開催は強みだね….” と思うもつかの間、第1Q終盤に連続得点を決められ、何とかリードして第2Qに入るも、ここで身体能力の強さを見せ付けられる。それはアンゴラの攻撃よりもむしろ日本が攻撃する時に顕著に感じた。文字通りゴールが遠く、ようやく中に切り込めてシュート態勢に入ってもアンゴラ選手の長い手が”ミョ~ッ“っと出て来て上からはたかれる。焦りからかロングシュートが入らない。そしてリバウンドを拾われそのまま攻め込まれて得点を重ねられる。 第2Q、日本は9得点しか挙げられなかった。状況は第3Qになっても変わらず、日本は失点を重ねるばかり。サッカーだとアンゴラ代表くらいなら何とかなるのに….. と一緒に看ていた子供と話す。日本も竹内兄弟の公輔がダンク、3ポイントを含む13得点で意地を見せるがアフリカ王者はカルロス・アルメイダが19得点、アブデル・ムサが16得点し、カルロス・モライスも13得点、エドゥアルド・ミンガスも11得点をマーク。87-62で日本に圧勝し、パナマ戦に続いて2連勝。ファイナルラウンド進出をほぼ確実なものにした。そう言えばライプツィヒで観戦したワールドカップの試合のとき隣に座っていたアンゴラ人男性はこの試合を看ているのだろうか…. 試合後、選手の“2点差まけも25点差負けも負けは負け。切り替えて次に臨みたい”とのコメントが救いか? でもこの次からの試合放映時刻は深夜なのだなぁ….
対パナマ戦 日本世界選手権で歴史的勝利
大会の目標だった決勝トーナメント進出の為には負けられない試合、と言うよりも世界ランク32位は日本よりも格下。世界選手権も20年ぶりの出場でいわゆる“絶対に負けられない相手”であった。しかしパナマには205cm の元NBAプレーヤーのベテランパワーフォワード、ルーベン=ガルセス、203cm 121kg のセンター、ジェイム=ジョレーダらがおり、ベッチオ監督はアトランタ五輪でアルゼンチン代表監督だったらしく、その後の史上最強のアルゼンチン代表の礎を作った功績があるらしい。けっしてイージーな相手では無い。立ち上がりの日本はリズムが悪い。それは長身のパナマ選手達のガードがきつくてシュートレンジに入れない。そしてロングシュートも決らない。その上、パナマはオフェンスリバウンドがしつこく、日本は流れに乗れず第1Qを 14-22 とリードを許す。しかし第2Qから投入された桜井が開始から直後から連続得点を挙げる等一気に 20-22 とする。そしてPG を五十嵐から柏木に替えたのがリズムを替えたのか?今年6月からパナマ代表の指揮を取り出したデッチオコーチの選手起用が裏目に出たか?完全に日本のリズムに。この前半残り2分3秒、川村が3ポイントを決めて31-28 とついに逆転。その後残り1分9秒でJレビーに逆転ダンクを許すが、終了4秒前に竹内譲二が3ポイントを決めて 36-33 と日本がリードで前半を終えた。 後半に入ると折茂の3ポイントで幕を開け3分1秒には桜井のFTでついに43-33 と10点差がついた。パナマはゴール前でパスが繋がらず強引なドライブでディフェンスファールを得るのが頼みの綱。そして前半あれほど優位だったオフェンスリバウンドも取れなくなってしまった。フラストレーションがつのるパナマは途中で投入された五十嵐のテクニカルファールを受けた5番の選手がホイッスル後その五十嵐を踏みつけ日本にもFTが与えられる始末。第3Qを終えて57-45 と日本のリードは 12点に拡がった。第4QはPGを五十嵐、柏木の2枚にした事が功を奏し竹内譲二のダンク、五十嵐の連続得点で70-52 。残り3分25秒五十嵐が見事なインターセプト(スティールって言うんだったっけ?)で 78-53 と25点差まで拡がった。これで日本は打ち止め?残り1分でジェリコ監督が“引き締め”のタイムアウトを取る。その後日本の追加点はならなかったが、残り10秒から観衆のカウントダウンが始まり78-61 でタイムアップ。世界選手権での勝利は前回出場した8年前の順位決定戦でのセネガル戦以来。そしてグループリーグでの勝利は史上初めてらしい。 試合後竹内譲二、五十嵐の両選手は“観客の声援”に感謝するコメントをインタビューで残した。そしてジェリコ監督も“ドイツ戦とこの試合の戦いは今後期待できる証と話した。次の Tall Blacks 戦が本当に楽しみだった.......
最終戦のスペイン戦は勇猛果敢に挑んだが 55-104 で完敗。実力差がそのまま出てダブルスコアを免れるのがやっとだった。しかしこの試合前にニュージーランドが実力通りパナマを破ったので日本のベスト16入りの夢は潰えていた。
アジア勢では中国がスロベニアに劇的な逆転勝利でベスト16進出を決めた。そしてフランスを破り2勝を挙げたレバノンは最終戦でナイジェリアに破れて惜しくもさいたま行きの切符を逃した。カタールは全敗だった。
これで世界バスケの地上波での放映は決勝戦まで無い。このバスケットボール界最大のイベントをもっと小、中、高校生達に広く見せられないものか?そして私の様な“バスケど素人”でさえ、世界選手権が日本で開催される事にこれだけ興味を持つのに、バスケをずっと応援する人達にもっともっと触れ合える機会が作れないものかな?サッカーのワールドカップなら放映権を取り合うくせに。私は今でもサッカー中継はNHKとテレビ東京以外ですべきではないと思っている。
この大会を通じてバスケの日本代表の試合を観て、またすこしずつ日本バスケットに興味を持つ人が増えた事を祈る。そしてバスケ少年、バスケ少女達はこれからもバスケを続けてくれぃ。 私には自分自身で日本スポーツを強くは出来ない。ただ出来る事は応援する事だけだ。
来年徳島で行われる五輪予選。アジア最強の中国は開催国枠で自動出場。あとレバノン、カタール、韓国と残りの出場枠(あと1カ国だけかな?)を争う。 ジェリコ監督の契約は更新されない事になり、折茂、節政、古田のベテラン選手、今後も日本代表に残るのか?田臥勇太が五輪予選には代表入りをするという噂がある。(五十嵐も柏木も私は好きになったけど) がんばれ日本バスケット。
そして私はサークルKに明日のさいたまアリーナでの決勝トーナメントのチケットを買いに行った。今年はこれでワールドカップに次いで2大会目の世界選手権観戦だ……
8月23日いや日付は24日になっていた。深夜、Tall Blacks ことニュージーランド代表、PF キャメロンが3ポイントシュートを決めて同点ついに最大18ポイントあった点差を埋められてしまった。そして残り時間は1分17秒。 Tall Blacks は押せ押せ、日本選手達はどうだったのだろう?そして残り29秒、SGカーク=ケニーの3ポイントが決まりこの試合初めて Tall Blacks がリードを奪った。でもまだ時間はある。しかし残り2秒、日本PG五十嵐がファールを取られてこれで5ファールで退場。そして Tall Blacks にはフリースローが与えられる。これを二本とも外してくれたが、そのままタイムアップ。日本はまさかの逆転負けを喫して悲願であった決勝トーナメント進出の夢はこの時点で霧散してしまったと言えよう。 この試合はもっと早い午後7時に行なわれていた。この試合の放映開始時刻まで結果を知るまいと全てのスポーツニュースをキャンセルし、愛するジャイアンツと京都パープルサンガの試合経過はIモードでチェックしていた。残念だった。残念で残念で仕方が無かった。サッカーの日本代表がワールドカップの1次予選敗退が決まった瞬間よりもずっと悔しかった。バスケの日本代表の試合を始めて必死で応援した数日間だった。考えてみれば、日本代表の国際試合公式戦試合のテレビ中継なんてモントリオール五輪以来だったのだ。翌日 New Zealand Herald 紙のサイトを見ると、スポーツ欄では Tri Nations に臨む All Blacks の事を大きく報道していた。そして Tall Blacks に記事は… “ NZ keep hopes alive with comeback victory “ と言うヘッドラインがあった。そこには日本代表を “身長で劣る日本は背の高い相手にどう戦うかとのレッスンを施した。”と評価し、立ち上がりの Tall Blacks を“コンクリートのシューズを履いた様に ponderous (重苦しい)” と表現。
また竹内兄弟、譲二のドライブ(Kamikaze Style と表現されていた。)とARIMO ( 網野でしょ?)のロングシュートが効果的と評されていた。第1Q 26-13 前半終わって 38-20 第3Q終了時でも 46-33 だった。そして第4Q開始前にはTall Blacks は5名の選手が既にファールを3つ貰っていた。 それでも日本は逃げ切れなかった。Tall Blacks が24点取ったのに日本は9点しか挙げられなかった。 前回は衝撃の4位に入ったTall Blacks の世界ランクは16位(日本は25位) ショーン=マークス エド=ムックが出場辞退していた。しかしNCAA でプレーするブラッドショーを始めイタリア、ロシア、トルコ、イスラエルでプレーする選手もいる。またマーク=ディッケルがこの試合から薬物使用での出場停止が解禁される。(もう1試合休めよ。) 彼らもアンゴラに敗れて背水の陣でこの試合に臨んでいた事だろう。日本は歴史に名を残すチャンスを逸してしまった。しかし試合後、ニュージーランドのコーチ、タブ・ボールドウィンは日本代表を賞賛し、日本のプレイぶりを「勇ましい奮闘、彼らに同情する。私たちが救われたのは同じぐらいに勇敢だったからにすぎない」と評した。 選手達のショックは直ぐには拭いきれないだろう。しかし、頭を上げてくれ。年末にはアジア大会がカタールで、来年8月には徳島で五輪予選がある。前を向いてくれ。そして協会はバスケを取り巻く環境をもっと改善してくれ。サッカーの様にアジアでもトップクラスになれる世界を築いてくれ。それほどバスケを見続けてきた訳ではない自分がそう思うのだ。バスケファンはもっと願っていることだろう。
対ドイツ 世界選手権ついに開幕 11点差負けは大会の展開を勇気付けた….
いよいよ開幕したバスケットの世界選手権。サッカーで言えばワールドカップ。それが日本で開催されているのに何故か盛り上がりと話題性に欠けるなぁ。 大会が始まる数日前に月間バスケットボール誌を購入した。バスケは“専門外”なので?こういう副読本を読んで予習しないと試合について行けない。だがこの月刊誌が実に簡潔にしかもこちらの知りたい事を載せてくれている。PG五十嵐は“小柄”に見えるが180cmもある。竹内兄弟は京都洛南高校出身。頑張れ同郷の星達。折茂、節政、古田は8年前の世界選手権経験者。2mを越える選手が4名いる。昔日本代表には岡山と言う228cmの選手がいたが、200cm選手が4人も揃うようになったのはいつ頃からだろう? サッカーのワールドカップ前に大会展望号がわんさと出版されたが、参考になるものは3冊も無かった。海外の WEB SITE で収集した情報の方がよっぽど。サッカーに関るマスコミはもう少しバスケを見習うべきだろう。
初戦の相手ドイツは世界ランク13位。欧州選手権は2位。東西ドイツ統一前は共にバスケットは列強ではなかった。五輪では西ドイツが地元開催のミュンヘン五輪で12位になり、東側諸国ボイコットのおかげで繰り上げ出場となったロス五輪で8位になっただけ。東ドイツは上背のある人材をバレーボールに集中させる為にバスケット国家代表は組まなかった。だからドイツがバスケと言ってもぴんと来なかった。しかし欧州でもプロ化が急激に進みバスケの Bundesliga や Champions League が興隆することにより前回大会では銅メダルを。その中心選手ダーク・ノビツキーは身長213cm ( Seven Footer と言うらしい。また勉強になった。)はNBAのDallas Mavericks 所属。日本も五十嵐のスピードで対抗したが、序盤、折茂武彦の3ポイントシュートで11-10まで迫ったが、ノビツキーの3ポイントシュートを皮切りに連続得点を重ね第1クォーター終了時点で34-20とドイツがリード。
ダーク・ノビツキーは第1クォーターにこの日の27得点のうち、20得点をあげた。 そして第2クォーター、アデモラ・オクラヤの2連続ゴールでドイツが38-20と日本を引き離す。残り55秒、46-32とリードしたところで、ノビツキーが交錯してベンチにさがると日本も挽回を始める圧巻は第3クォーターの残り34秒での竹内公輔のドライビング・ダンクで64-56の8点差に迫った瞬間。テレビ放映が始まり中継をするアナウンサーの開口一番 “日本中のバスケファンが広島に集まりました”と言う“名セリフ”を思い出し胸が熱くなる。そして解説者もしきりに“折茂があいています”と連呼し3ポイントを促す。 最終的に70-81 と11点差まで迫ったところで試合終了。第2Q 3Qだけを取れば日本がリードしたんだけどなぁ…強豪相手の11点差は今後に繋がったかもしれない。 続く
また中学校時代の同学年の“マドンナ”もバスケ部だった。女の子の中では身長がすらりと高かったのを憶えている。私も幸運にも?3年の時に彼女と同じクラスになり、友人の多くが羨んだ。何度か彼女と話をした事があったが、今から考えれば彼女は完全に“大人”で私の精神年齢は子供であった。そして中学卒業後、高校や大学の友人に中学時代の卒業アルバムを見せると誰もが彼女を指差し“この娘がいちばん可愛いな”と言った。
もう何年も前になるだろう、10年以上は経っていたか?社会人になり通勤で利用していた京浜東北線沿線にある看板が出ていた。“2001年ヤングメン 2006年男子バスケ世界選手権 埼玉で開催”と書かれていた。 私はこれは楽しみだと興奮したのを覚えている。直ぐに当時建設中(いやまだ着工前だったかな?)のさいたまアリーナで開催される事を調べあてた。 だが驚いた事に昔バスケをしていたと言う人に訊いてもその事を知る人は3人もいなかった。当時からバスケと言えばNBAで、NHK BSで NBA のゲームが放映されていた。そして日本代表に関する情報は専門誌以外では全く皆無に近い状態。それは1976年モントリオール五輪以降、男子はアジアの壁が28年間破れないと言う現状からか? 男子のサッカーがメキシゴ輪で銅メダルを勝ち取って以来次に五輪出場を果たしたのは28年後。その間の苦悩を私はよく憶えているが、日本のバスケファンも同じ思いをしている事だろう。 それでも1997年サウジアラビアで開催されたアジア選手権(Asia Basketball Championships ) ではグループリーグで韓国をそして準決勝ではサウジアラビアを破り、決勝では再び相対した韓国に敗れたものの 1983年香港大会以来の決勝進出で、1998年にアテネで開催された世界選手権に出場した。これは31年ぶりの快挙であった。私はこの大会を楽しみにしていたが知らない間に大会は始まり、知らない間に終わっていた。そして新聞の片隅に“日本31年ぶりの勝利”とセネガル戦での勝利が報道されていた。日本バスケット界のこんな快挙もマスコミは取り上げなかった、いや知らなかったのだ。 そして3年後の2001年さいたまアリーナで開催された22歳以下(ヤングメン)世界選手権。楽しみにしていた大会だがテレビ中継は全くされず。僅かにあるケーブルテレビで中継され、私は日本対韓国の試合を近所の上新電機で看ていた。試合は田臥勇太率いる日本が先行するが韓国もしつこく食い下がり終了直前に韓国が同点に追いついた。するとテレビ中継はそのまま“予定通り”終わり、日本代表の勝利を知ったのは翌日の朝刊であった。夜のスポーツニュースではこの大会自体すら報道しなかった。
女子バスケは低迷する日本の球技界の中で結構頑張っているほうだ。1975年コロンビアで開催された世界選手権では当時ずば抜けた実力を兼ね備えていたソ連に次いで2位に入る快挙を。そして生井けい子が大会得点王に輝き、翌年のモントリオール五輪ではメダルが期待された。アメリカ、カナダを連覇し幸先の良いスタートを切ったが、エース生井が徹底的にマークされ続くブルガリア、チェコスロヴァキアそしてソ連に連敗5位に終わった。その後、世界選手権には出場を続けるものの、五輪出場の壁は厚く世間の関心から全く遠ざかっていたが、1996年のアトランタ五輪では大会出場枠が8カ国から12カ国に増えた事から、アジアでの出場枠が3に増やされた事も手伝い、アトランタ、アテネと出場権を得ている(シドニー大会はアジア枠は1。韓国が出場。)。
今のバスケットボール界を取り巻く環境を見ると、70年代から80年代末にかけての暗黒のサッカー界低迷の時代の様だ。それでも世界選手権や女子が五輪に出場している。なのに何故マスコミは8月19日から開催されている男子世界選手権を取り上げないのだろう? その最たる悪は日本バレーボール協会か?フジテレビか?同じ時期に何故グランドチャンピオン大会をぶつけてくるのか理解に苦しむ。しかも10月にはバレーボールは世界選手権があるんだろう?“グラチャン”で勝てば五輪に出場させてくれるのかい?? それとも球技はテレビ局の視聴率争いの代理戦争か???
TBSもこんな大きな大会の放映権を得たのに第三戦以降は深夜の中継録画だ。夏休み中とは言え、小学生、中学生のバスケ少年、少女達がこの大会をテレビで楽しめないなんて可愛そうだ。この大会はサッカーで言えばワールドカップに相当するのだ。日本バスケットボール界の将来の為に何とか“活用”できないものか?….. そんな環境を改善すべく、今大会日本代表には奮起してもらいたかったのだ…….. 続く