Mr.コンティのRising JAPAN

マスコミの書かない&書きそうもない!スポーツ界の雑学・裏話を、サッカーを中心にコメントを掲載していきます。

Scotland 3大会連続の......

2009-09-27 | 夏季五輪

9月9日 Scotland Glasgow Hampden Park  オランダは既に予選を突破していたがほぼベストメンバーを組んできた。 スタメンは全て9月5日に行われた日本戦に出場した選手。
一方のScotland は負傷で出られなかった GK Craig Gordon に替って起用された David Marshall と MF の Steven Naismith 以外は全て 9月5日のマケドニア戦に出場した選手。

開始4分にはオランダ Wesley Sneijder のヒールパスを受けた Kuyt が強烈なショットを放つ。怪我で出場できないCraig Gordon に替って出場した David Marshall はファーサードに飛んだ弾道をただ見送るばかりだったが、ボールはクロスバーを叩きそのままゴールラインを割った。  Van Persie はその後 Darren Flercher へのチャージで警告を受けるがこれは11日前の Manchester United 対 Arsenal の延長に思えた。 
11分には Scotland が決定機を迎える。 Alan Hutton のクロスはファーサイドの Scott Brown に向かって飛ぶがジャンプ一番ヘッドで捕えたがポストの左に外れて行った。 オランダは Sneijder, Robben が連続してシュートに持ち込むが Marshall がファインセーブで防ぐ。 15分には Miller が Joris Mathijsen を振り切り上げたクロスに Brown が走り込みボレーを放つがクロスバーを叩いた。その1分後、 Scotland は更に決定機を掴む。 Naismith が弾道の低いライナーのショットを放つと GK Michael Vorm が弾く。そのこぼれ球に Miller が詰めるが4ヤードの位置から放ったシュートは Vorm の手に収まってしまった。 その直後、今度はオランダがビッグチャンスを迎えた。  Sneijder のCK に Kuyt が走り込みフリーでヘッドを放つ。しかし2ヤードの位置から放たれたヘッドはクロスバーを越えてしまった。 前半終了間際には両チームが1回ずつチャンスを迎える。 まずオランダが Sneijder のボールを受けた Robben が Hutton をかわしてシュートに持ち込むが GK Marshall が弾き出す。 そして Scotland は Miller が Naismith のゴール前に通したパスを Vormが掴む前に撃ったシュートが僅かにそれた。
後半に入りこの日何度もチャンスを逸した Miller が10ヤードの位置からフリーで放ったシュートはまたも Vorm に阻まれた。そして82分、51,230人以上集めた Hampten Park が静まり返る時間を迎える。 ゴール前に放り込まれたロビングは Scotland DF David Weir がかぶってしまい、そこに走り込んだ 途中出場の Elia がループ気味に撃ったシュートは Marshall は止められずオランダに均衡を破られた。そしてもう Scotland には追いつく力は無く、ノルウェーがホームでマケドニアを 2-1 で破った為グループ3位が決定。 3大会連続での地区予選敗退が決まってしまった。

試合前から Scotland Football Association の George Peat 会長は“グループ2位以内に入れなければ完全な失敗以外の何物でもない。” と語ったが、 George Burley 監督は続投を志願したとか。

“全ては SFA の決定によるが、私は次の試合が楽しみだ。 ワールドカップに出られない事は受け入れがたい事だが、我々は一定の改善は見いだせた。私自身、監督としてそして選手達も。最後の2~3試合、選手達の予選突破への執念を見た。選手達の態度やコメントからもチームがビルドアップされ前進してきた事が見受けられた。 我々はこの試合から何かを得られたと思う。だから試合終了後観客達は拍手を持って我々を迎えた。そして選手達はプライドを持って退場していった。”

しかしオランダ戦の約1か月前の8月12日、アウェーのオスロ Ullevaal競技場で2位争いの当面のライバルであったノルウェーに 0-4 で完敗した事がこの結果を暗示していたとも思われる。
かつては英国4協会の中で連続して欧州地区予選で敗退した England に替り唯一1974, 1978 年大会は予選突破を果たした Scotland だった。しかも当時は出場枠が今の半分の16 の時代だ。その Scotland が1998年のワールドカップフランス大会以来、欧州選手権を含めて6大会メジャー大会に出場出来ていない。出場枠が広がったにも関わらず。何故 Scotland はこんなに弱体してしまったのだろう…

1974 年から1978 年のワールドカップメンバーの所属先を調べてみた。すると面白い事が解った。

1974年西ドイツ大会
Leeds United : David Harvey, Willy Bremner, Joe Jordan, Peter Lorimer,
Gordon McQueen,
Manchester United : Jimmy Holton, Martine Buchan, Willy Morgan
Liverpool : Peter Cormack Manchester City : Willy Donachie Dennis Law,
Coventry City : Tommy Hutchison Rangers : William Jardine,

Celtic : Daniel McGrain, Jimmy Johnston, Kenny Dalglish , David Hay
Rangers : William Jardine

Coventry City とLeeds United は当時は1部リーグ ( 今の Premiership ) に所属しており Leeds United は 1970-71 から2シーズン連続で2位になり、1973-74 のシーズンでは26試合無敗記録を樹立して優勝し翌シーズンの Europe Champios Cup では決勝まで進出( Bayern Munchen に敗れる ) したほどの強豪であった。

1978年アルゼンチン大会
Coventry City : James Bryth
Manchester United : Martine Buchan, Gordon McQueen, Joe Jordan, Lou Macari, Manchester City : William Donachie, Asa Hartford, Liverpool : Kenny Dalglish , Nottingham Forest : Kenneth Burns, Archie Gemmill, John Robertson,
                            Graeme Souness
Rangers : William Gardine, Thomas Forsyth, Derek Johnston

Nottingham Forest は 1977-78 シーズンの覇者で翌シーズンから2シーズン連続で Europe Champions Cup のタイトルを手にした程の強豪だった。

1982年スペイン大会
Arsenal : George Wood
Aston villa : Alan Evans
Ipswich : Alan Brazil, John Wark, Geroge Burley
Leeds United : Frank Gray
Liverpool : Graeme Souness, Alan Hansen, Kenny Dalglish
Manchester City : Aisa Hartford
Nottingham Forest : John Robertson
Tottenham : Steve Archibald
AC Milan : Joe Jordan
Celtic : Danny McGrain, David Provan

Ipswich Town FC はこの頃 Manchester United や Liverpool と優勝を争うほどの実力があり、1977-78 には FA Cup のタイトルを勝ち取り 1980-81 から2シーズンリーグでは2位であった。そして1980-81 のシーズンには UEFA Cup で優勝している。 Aston Villa は1981-82 のEurope Champions Cup の覇者だった。

上記の様に England の主要クラブに所属する選手が多く、彼らは Dalglish や Souness の様にその所属クラブでも中心選手であった。

今回のワールドカップ予選の最後の3試合 ( Norway, Macedonia, Holland ) でベンチ入りを含めてメンバー入りした選手はのべ26名いた。Scotland Premier League の Celtic と Rangers でプレーする選手達は下記の通りに多数いた。

Celtic , DF Gary Caldwell, Stephen McManus,  MF Scott Brown, Shaun Maloney

Rangers, GK Neil Alexsander DF Steven Whittaker, David Weir, FW Kenny Miller, Steven Naismith

しかしPremiership の主要クラブに所属していたのは DF Alan Hutton ( Tottenham ) と MF で主将の Darren Fletcher ( Manchester United ) の二人だけだった。他には Birmingham City が3人、 Burnley が2人そして Wolverhampton が1人であった。

1970年代と今では色々事情が異なる。当時は今とは異なった外国人枠があり、イタリアなどは外国人枠が再び設けられたのはワールドカップアルゼンチン大会終了からだ。またアフリカや東欧の選手達を経済的や政治的な変化からスカウトし易くなり Scotland からの“需要”が少なくなったことも一因だろう。 
1986年のワールドカップメキシコ大会ではあの Alex Ferguson が指揮を執ったがこれは前年の欧州地区予選の最終戦でアウェーの Wales 戦後に心臓発作で倒れ、そのまま亡くなってしまった Jock Stein 監督の後を継いだものでその後の Australia とのプレーオフから指揮を受け継いだ。

10月10日来日する Scotland 代表はどういう顔ぶれなのだろう…..

1995年キリンカップで来日した Craig Brown 監督率いる Scotland とは 0-0 の引き分けだった。その時のメンバーには DF カルダーウッド ( Tottenham ) FW W.マッキンレー ( Blackburn Rovers ) , J スペンサー ( Chelsea ), MF G. バーリー ( Chelsea ) , D ジャクソン ( ハイバーニアン ) と云った翌年欧州選手権に出場した選手が5人含まれていた。あのウェンブリーで England と歴史的な試合を行う12日前だった。

今や Scotland は欧州の中では完全に“射程距離内”になっている。 中村俊輔の大活躍で日本サッカーの存在を良く知る地元の人達も増えたと思うが、30年間の両国間の接近を地元の人達はどう思っているだろうか…… 

  

( 最上段の写真のシーンは先日の Scotland vs Holland 戦のものではございません。) 


Melbourne での掘り出し物

2009-09-27 | Aussie & Kiwi
約3カ月ぶりで訪れた Melbourne 。ここに来た時は必ず寄るところがある。
街の中心街を走っている Flinders Street を少し歩いて行くとMelbourne Cricket Ground が見えるところに1軒の本屋がある。スポーツ関係の書籍を専門店でここはオーストラリアのマニアの間でちょっと有名らしい。
私が来た時も遠方から来られた馴染みの方がおられ、店長さんと仲良く話し込んでいた。
私も年に数回しか来られないのだが店長さんは覚えていてくれて、6月のワールドカップ予選の前日はここで翌日の試合に就いて1時間近く話し込んでしまった。
彼の話だと A-League 発足後ずいぶんとサッカーファンが増えたらしいが、発足してから数カ月後に32年ぶりのワールドカップ出場を決め、更にワールドカップでは決勝トーナメントに進出するなど今オーストラリアのサッカー人気は追い風が吹きその風は“台風並み”だったそうだ。
前に1974年西ドイツ大会の時に日本の専門誌に掲載された Socceroos の写真をコピーしてあげたりすると
“ I’m almost crying !! “ と大変喜んでくれた。
ここには70年代のオーストラリアサッカーを知る人達も訪れるらしい、一度その人達と私を引き合わせたいと言ってくれた。

今回の話の話題は年末に行われるワールドカップの組み分け抽選。
“この前みたいに日本と同じ組になる事はない。今まだ世界各地では予選が行われているが、アルゼンチン、フランス、ポルトガルが苦戦している。強豪が消えてくれればオーストラリアにもチャンスが生まれてくる。”
こう言っていた。
“前回のオーストラリアは見事に決勝トーナメントに進んだ。しかし日本だって最後の8分間を凌いでいればチャンスだったんだけど…”
まぁ終わった事を言っても仕方がない。今回も話は尽きない。 A-League そして Asia Champions League…..
名古屋に行った Kennedy はどうしている….
店長さんはあらゆるスポーツに精通されており、何とか鈴鹿で開催される F1 に観戦に行ったさいに J-League の試合を観たい、出来れば Kennedy のいるグランパスも一緒に観たいけど鈴鹿と名古屋は近いか….とも訊かれた。
鈴鹿と名古屋は近いけど上手くスケジュールが合えばいいけど、J-League は東京付近にもチームが多いからホームでなくてもスケジュールさえ合えば…….ってな話をした。

そしてここに来る楽しみは何といてもレアーな“文献”を探しだす事。今回は結構な掘り出し物があった。
尊敬する Johnny Warren と Andrew Dettre が監修する Soccer in Australia という写真集だ。
ここには Warren が出場した3大会に渡るワールドカップ予選の模様が写真と Warren のコメント入りで紹介されている。そのコメントの中には試合の様子が詳細に書かれており、ゴールを決めた選手がオーストラリアのみならず対戦国の選手の名前まで詳細に…..
もっとも有難かったのは1965年11月13日と21日にカンボジアのプノンペンが行われたアジア・アフリカ地区予選の唯一(実際には2試合)の試合、朝鮮民主指示人民共和国との試合も写真付きで紹介されていた事だ。
当時の国家主席シアヌーク殿下が試合前に両チームの選手達に挨拶をしている写真もあった。
う~ん、涙が出そうなほどの掘り出し物だった。

そして1996年 Sydney と Brisbane で行われた The International Travellers vs The True Blues という試合のプログラムもあった。
これは当時海外でプレーしいていたオーストラリアの選手達 ( The International Travellers ) が国内リーグ National Soccer League 選抜の選手との“オールスターマッチ”だった。
International Travellers には Aurelio Vidmar ( 現 Adelaide united 監督: 当時 Sion Switzerland 所属 ) Mark Bosnich ( 当時 Aston Villa , 現解説者 ) Zeljko Kalac ( 当時 Leicester City , 現 AC Milan, 2006年ワールドカップメンバー ) らの名前があり、 Lucas Neil, Paul Agostino そして Mark Viduka と云った今でも顔なじみの選手達の名前があった。NSL 選抜となる The True Blues の中にも Paul Wade, Frank Farina と云ったベテラン選手達そして Tony Popovic, Craig Foster, Clint Bolton らの名前がある。あぁこの試合のビデオないかなぁ……

前にも1998年2月に開催された Optus World Series のプログラムを見つけたのもここだった。
1997年11月に MCG の悲劇でイランと引分けワールドカップ出場が叶わなかったオーストラリア協会が“再出発”とシドニー五輪に向けての強化の一環として日本、韓国、チリを招いて国際試合3連戦を組んだ。日本代表の紹介ページには“ King KAZU “ が大きく取り上げられていた。そして12年前の岡田監督….若いなぁ…..
日本代表は2月15日に Adelaide の Hindmarsh Stadium で試合が組まれ 3-0 で勝っている。ただこの時のオーストラリアは若手主体と云うよりも“国内組”主体で Kewell, Viduka と云ったシーズン真っ最中の欧州ベースの選手がいなかった。

代金を支払おうとするも店長さんは受け取ってくれない。 “日本からはるばるやって来てくれた。その上、写真やDVD(オーストラリアがらみの昔の試合)を持って来てくれた…..
私が上げたものは元手がかかっていないから支払いは受けてくれよ……..

結局私の支払いは受け取って貰えず、日本に来る時は事前に必ず連絡をくれる事と次回私が Melbourne に来た時は必ず立ち寄る事を約束し店を後にした。

帰国したら神保町を回ってみよう。そしてオーストラリア関連の資料を探そう…次回の訪問までに…..
そして国会図書館にも行こう……..

温暖化が感じられる暖かい Melbourne の夕暮れを歩きながらそう想った…….

試合後 Hindmarsh Stadium …..

2009-09-24 | Aussie & Kiwi

試合終了のホイッスルが鳴った。
周囲の Adelaide サポーター達と二言、三言 言葉をかわして私は通路に向かった。ハーフタイムの間、屋内のバーで知り合った地元サポーター達に紹介してもらった Tony = Vidmar と記念撮影をする為だ。 
Tony = Vidmar と言えば日本ではあまり知られていないようだけど、オーストラリアそして欧州では名の知れた Defender で1991年から15年間オーストラリア代表Socceroos に選ばれ続けた。出身はここ Adelaide。 Adelaide United の Aurelio Vidmar 監督は実兄になる。
欧州では Glasgow Rangers そして Middlesbrough でもプレーした。ワールドカップ予選はアメリカ大会から出場し、2005年11月 Sydney で行われたウルグアイとの死闘にも出場し、4回目の挑戦でついにワールドカップ出場の悲願を達成した。
しかし彼には不幸が襲う。大会開幕約1か月前の5月9日、不整脈の為にチームからの離脱を発表。文字通り目前であったワールドカップ出場が果たせなかった。
この時既に初戦で日本との対戦が決まっていたが、私は彼の長きにわたるワールドカップへの挑戦を知っていたので非常に残念に思った。そして大変不謹慎であるがこれで日本がかなり有利になる、と胸算用までしてしまった。

私が写真撮影を頼むと快く承諾してくれた。撮影している近くを通る人達が何人も彼の存在に気付き驚いていた。

ワールドカップに出られなくて残念だった事、でも日本が負けてしまい自分が大変ショックだった事、A-League の Central Coast Mariners に移籍後、一度試合後にサインを貰った事、そして引退試合となった 2007-08 のGrand Final を観戦した事を話した。彼がどこに住んでいるのか?と尋ねるので、日本から観戦に来た。試合結果は残念だけど….と話すと非常に驚いていた。 握手もしてくれ、丁寧に御礼を言いその場を離れた。

そしてピッチの近くに行った。何人かのサポーター達と共に選手達にサインを貰おうと待っていた。しかしこの日は負け試合だったので試合終了後のクールダウンやストレッチを終えた選手達はみな控室に帰ってしまった。すると1人だけ戻って来た。 かつては Sydney FC でプレーしたサイドバックの Iain Fyfe だった。 
2007年URAWA Reds との ACL の試合はSydney でもさいたまでも観戦したことを話すと喜んでいた様子。来年はAdelaide United はACL出場権があるはずだからまた J-League との対戦もあると思う…

今夜は Vidmar と写真が撮れたし、 Fyfe のサインも貰えたしこれでよしとしようと通路に戻りスタンドを出た。するとハーフタイム中に入った Bar の入り口に球団職員らしき女性が何やら案内してくれている。どうやら選手達がここの来てサイン会を催すようだ。私も促されるまま中に入った。そこには老若男女多くの人達がいた。 
大きなモニターでは Australian Football League の試合が中継されていた…….
そして中には昨年の ACL の時に販売されたであろう赤と青のマフラーをする子供も。青地のところには GAMBA OSAKA と書かれていた。
やがて選手達が出て来た。 そしてみな丁寧にサインや記念撮影に応じる。メンバーと服装から見ておそらくこの日ベンチ入りしなかった選手達だろう。 
20歳の建国大学出身の Inseob Shin の姿も。彼は私の日本代表のレプリカを指し “ Japanese か?” と尋ねて来たので “イルボンサラムニダ !! “ と答えた。

通じたかな?そしてある御婦人が 日本から来たのか?と声を掛けて来た。 
仕事で年に何回かオーストラリアに来ている事や A-League 発足以来ものすごく A-League のチームに興味を持っている事を話した。 こちらの御婦人には男の子がいて “ Korean だ。“と言っていた。だから御主人が韓国人だと思って訊いたら違うとの答え。御主人はすぐ隣に立っておられ、明らかな白人男性。
そして “ Adopt ( 養子 ) “ と言われた。思わず一瞬硬直してしまった。

しかしすぐに “ 日本のチームではどこを応援しているのか?“と訊かれたので、しばらくおいてから ” Gamba Osaka !! “ と言うと大いに受けた。 そしてすぐ横にいた綺麗なおねぇさん二人組に色々私の事を話しだした。どうもガンバサポーターが来ている事になったらしい….. しかし、試合終了後 Tony Vidmar と記念撮影をしたことや日本でのオーストラリアサッカーの事、3年前ワールドカップでショッキングな敗れ方をして以来多くの人がオーストラリアに興味を持っているけど、代表クラスの選手しかあまり知られていない、しかし ACL で Adelaide が活躍し昨年 FIFA Club World Cup に出場したので A-League そして Adelaide United の事を覚えた人も多いと話をし、持参した小道具を出した。 それは昨年の FIFA Club World Cup のプログラムと Melbourne で見つけた掘り出し物のプログラム。Adelaide の監督である Aurelio Vidmar がまだ現役の頃であった1996年に行われたあるサッカーの試合のプログラムでそこに Vidmar 監督のサインを貰いたいと話をした。 
監督は試合後の記者会見に応じているのでここに来れるかは解らない…と言っていた。それでも選手達が次々に会場に現れると1人1人に私のプログラムにサインをしてやってくれと頼んでくれていた。御蔭でほとんどの選手のサインを貰えた。 
おれもミーハーかな…と思ったけどもっとここではもっと年上の人だって“堂々と”サインや写真撮影を頼んでいてそれに応じてもらっていた。 
私が持っていた A-League の Season Guide を見て先ほどの御婦人がこれはどこで入手できるか、私と職員のおねぇさんに訊いていた、ここではなかなか売っていないのかなぁ…私は Sydney の Book Store で買ったけど...と答えるとおねぇさんがここの競技場内で Kiosk で購入できる、と教えていた。

やがておねぇさんの1人が、“どうやら記者会見は終わったけど、監督はここに来そうにない…” と教えてくれた。まぁ仕方ないか…と思っていると、もう1人のおねぇさんが“私がプログラムを持って行って頼んでみましょう。”と云ってくれ、2冊のプログラムを持って行った。 
そして5分もすると、しっかりとサインのされたページを開いて、サインが貰えた事を教えてくれた。 あぁ、日本じゃ考えられないなぁ…… おねぇさん達と御婦人に何度も御礼を言い、そして“サイン会”が終わった事も告げられて帰途に着くこととした。

競技場を出て駐車場を見るとどうやら Vidmar 監督らしき人がいた。
サインの御礼を言おうかともしたけど、追い回すみたいなのでやめた。 
すると偶然駐車場に向かう途中だったさっきの職員のおねぇさんと出くわしたので、もう一度御礼を言った。 そして“来年日本で会いましょう。 Asia Champions League で….” と言うと

“ Definitely ( もちろん) !! “

と答えてくれた。 関東地区のチームと同じ組にならないかぁ… 今の順位は……

帰りは懸念されたけどタクシーがすぐにつかまった。ホテルの周囲はとても賑やかだった。そうか世間は金曜日だったか….でも私はすぐにベッドにもぐりこんだ。 
そして思った。

本当に日本じゃ考えられない事ばかりだったなぁ…

    


蛇に睨まれた蛙 Adelaide United 0-2 Melbourne Victory

2009-09-20 | Aussie & Kiwi

蛇に睨まれた蛙。英語でどういうのだろう?直訳するとFrog stared at by snake 。何か良い英語表現は無いだろうか?この試合が終わってホテルの帰る道中そんな事を考えていた。

A-League 屈指の好カード、Adelaide United vs Melbourne Victory が第7節に行われた。 この対戦は昨シーズンの Grand Final の再現で今シーズンはこれが初めての対戦。
Adelaide United と言えば昨シーズン Asia Champions League で鹿島アントラーズを破り決勝ではガンバ大阪に敗れたもののガンバの“開催国枠”の恩恵で FIFA Club World Cup の出場権が回って来たことで日本でも名のしれた A-League のチームだと思う。ACL での鹿島戦での会心の勝利、Club World Cup でのガンバとの死闘は忘れられない。まだ A-League では優勝経験が無いが Grand Final 進出2回を誇る強豪である事は間違いない。
そしてGrand Final 優勝2回の Melbourne Victory はその Grand Final の相手が2度とも Adelaide United。擁するに Adelaide の前には Melbourne が大きく立ちはだかっているという事。2006/07 の Grand Final は Archie Thompson に5ゴールを決められ 0-6 で大敗している。しかしそれは Grand Final だけではない。レギュラーシーズンと Final シリーズを含めた通算対戦成績では Adelaide の5勝10敗3分け。得点は Adelaide 14 Melbourne はその2倍の28。 2007/08 の第15節で 0-1 で敗れて以来、対 Melbourne Victory 戦6連敗中だ。 
ここまで両チームは Adelaide が5位(勝点8)そしてMelbourne が8位(勝点6)となっておりこの直接対決で Melbourne が勝てば順位がひっくり返る。そして、 Adelaide には少しばかりの有利な材料もあった。 
第6節を終了し Melbourne の勝点6は A-League 創設からの5年間で最低の成績。ただ Melbourne が優勝したのは 2006-07, 2008-09 のシーズンで1シーズンおきに優勝しているので今年は成績が悪い年だと予想していたサポーターもいた。しかしそれでもこの数字は悪すぎる。前節はホームで Wellington Phoenix と引分けまだ浮上の糸口が掴めない…
Adelaide は前節好調の Central Coast Mariners を 1-0 で破り、シーズン前にはスポンサー問題でもめたが徐々に上昇気流に乗りかかっているところらしい。また Adelaide, Melbourne とは地理的に航空機で1時間20分と“比較的近い”ところにあるのでライバル意識も醸し出されるらしい。 したがってこの試合はお互いに負けられない。しかし A-League の Golden Card は Melbourne vs Sydney, Melbourne vs Adelaide と Victory がらみの試合ばかりか…

昼間少し冷たかった風は夜には止み、スポーツ観戦には良い気候となった。 United のホーム Hindmarsh Stadium はシドニー五輪の準々決勝戦で日本五輪代表がアメリカ五輪代表にPK戦で敗れた競技場だ。だからというわけではないがこの日は NAKAMURA のブルーのレプリカを着て観戦した。(あまり関係ないか??) 

      

スタンドはほぼ満員。バックスタンドの一角には Melbourne から遠征してきたのか Victory のサポーター達が。そしてその周囲には警官隊が。 何か起こるかもしれないなぁ…
Melbourne はこの試合からついに Kevin Mascut が復帰。彼のスタメンが伝えられると競技場からは一斉にブーイングが。そして Victory サポーターからは大歓声が沸く。 そして前節CBに入った Adrian Leijer がボランチに入り MF Grand Brebner, FW Ney Fabiano が外れ、 Nick Ward がスタメン入りし 中盤を Carlos Hernadez ( 真ん中 ) Tom Pondeliak ( 左 ) と組むことに。そして Archie Thompson がワントップ。

   

ホームの United は Paul Reid が累積警告で出場できないのが痛い。 昨シーズン ACL 決勝進出の立役者でもあった Paul Agostino はいないが重鎮 Travis Dodd , ブラジル人MF Cassio 北京五輪メンバーのボランチ Kristian Sarkies そして2005 FIFA U-17 のメンバーだった左サイドバックの Scott Jamieson ,Robert Cornthwaite そしてかつて Victory でプレーしたアテネ五輪メンバーの GK Eugene Galekovic らは健在。ただ Cornthwaite は昨年右サイドバックだったがこの試合はCBだった。 DF にはMark Rudan そして Iain Fyfe らかつて Sydney FC でもプレーした選手達が今シーズンから加入した。 

     

Melbourne のキックオフで始まったゲームは大歓声の中開始2分9秒に Sarkies が中央からドリブルシュートを放つ。 これはゴールポストの左側に外れていった。 Muscat が復帰しVictory DFラインはどう対応するのだろう.. 攻撃では立ち上がりは Thompson のボールキープが目立つ。 しかし6分8秒、あっさりと Melbourne に先制ゴールが生まれる。  ボランチの Leijer から逆サイドの Nick Ward にボールが送られるとそのままドリブルで前線に上がり中にセンタリング気味に放り込んだクロスがそのままネァーサイドのゴールネットに突き刺さってしまった。

      

GK Galekovic は全く反応していなかった。ゴール裏に陣取る United サポータ達が静まり返ってしまい、Victory サポータ達の歓声が良く聞こえた。 これが相性というものなのだろうか? Adelaide は対 Melbourne 戦4試合連続無得点中だ。 勝つためには先制点…と思っていたサポーターの多かっただろう。
8分6秒 Sarkies が倒されPAのすぐ外でFKを得る。 Cassio が直接狙うが壁に当たってしまった。 Adelaide は右の Dodd, 左の Cassio が結構ドリブル、ボールキープ良く上がってくるのだがワントップのガーナ人 FW Lloyd Owusu に繋ごうとするのが見え見えなので Muscat の戻った Victory DFラインにパスを読まれてしまう。
Owusu は2006年のワールドカップ候補であったが開幕1ヶ月半前の4月26日の VfB Stuttgart との親善試合で怪我をしてチャンスを逸してしまった。

     

Adelaide はショートパスが繋がらずそしてロングフィードを後方から見せるのだが正確さに欠け、何度もゴールラインを割って行った。観客からは落胆の溜息が。 Melbourne は前線のポジションチェンジが顕著だ。20分を過ぎると Thompson – Pondeliak の2トップにし2列目を Hernandez – Ward – Leija の3枚に増やし中盤からプレスをかける。 24分にはインターセプトから Vargas, Ward と繋ぎ Hernadez から入れられたセンタリングにフリーの Pondeliak が走り込むが空振り。完全な2点目のチャンスだった。
25分12秒。今度は Adelaide がチャンスを迎える。 Owusu が右に流れDFを引き連れたところをDodd がドリブルで右サイドから中に切れ込む。 一斉に観衆が立ち上がるが Dodd は右の Owusu にボールを出し、Owusu がそのまま Melbourne ゴールに蹴り込みゴールネットが揺れるが線審の旗が上がってオフサイド。ここは Dodd がそのまま撃ったほうが良くは無かったか…
これ以降も Melbourne の攻勢が続くが Mark Rudan, Cornthwaite らCB陣が必死の守り。37分には3連続CKのチャンスを掴むが得点に結び付けられない。結局前半地元サポーター達から歓声があがったのは40分29秒に Thompson のシュートが大きく外れた時と 23分に Muscat , 42分に Broxham にイエローカードが出された時。

       
そして44分にDoddo からのクロスに 197cm の Cornthwaite が惜しいヘッドを放った時だけだった。 それから前半途中でサポーター同士で小競り合いがあり警官隊が割って入った時かなぁ.....

     

ハーフタイムの間、屋内にあるバーに行ってみた歴代の著名選手達のサインと写真があった。2006年にここで4試合だけ Guest Player としてプレーしたロマーリオの写真は時間が無くて見つけられなかった。そして数人の Adelaide サポーター達と話す機会が。 昨シーズンACL で鹿島、ガンバと対戦したことから J-League の事を良く訊かれた。来年ACL に出場権を得ているのでまた J-League のチームと対戦するのが楽しみだとか。 J-League のサポーター達の応援はよくオーガナイズされて素晴らしいとも語っていた…

        

後半に入ると Vidmar 監督の指示でもあったのか2列目の選手の飛び出しが顕著になった。そして Sarkies, Adam Hughes と云ったボランチの押し上げも早くなった。 46分にはCKからのこぼれ球を Jamieson, Owusu がそれぞれ撃つが最後はGK Moss の正面に。 49分には左から Jamieson のクロスに Owusu がシュートを放つが Leijer がマーク。 54分51秒には左サイドを Cassio から Sarkies に渡り Owusu にスルーが入りドリブルで Melbourne ゴールに迫るところを Rodrigo と Sukha が挟み込むようにマークに入り Owusu が転倒するがホイッスルは鳴らず、スタンドからはブーイングが。
後半は攻勢に出る Adelaide だがリードされているとは言え時間的に必要が無いのに焦っている様に見える。こういうときはカウンターで失点しがちだ。 58分48秒には Hernandez のCK にファーサイドから走り込んだ 完全にフリーのLeijer が飛び込むが空振り。 まだまだツキは残っていると思われた。 
60分過ぎから Melbourne は Nick Ward を左サイドの高い位置に置き Dodd のマークにつける。 67分 Adelaide ベンチはボランチの Sarkies を下げて Cristiano を入れて2トップに。すると71分今度は Melbourne ベンチが動く。 Nick Ward を下げて前節ではスタメンだった守備的MF の Grand Brebner を入れる。73分14秒。スタンドに悲鳴が走る。 Cristiano がPondeliak と競りながら前線の Dodd にボールを送る。 フリーのDodd が放ったシュートはクロスバーを越えてしまった。絶好のチャンスだったのだけど…..
75分19秒、 Adelaide は主将の Lucas Pantelins を下げて 若い攻撃的MF Matthew Leckie を投入する。そして攻撃時には前線に左から Cassio, Owusu Hughes そして Leckie が並ぶ。こうなると本当にカウンターが怖くなるが76分27秒には Brebnaer のスルーパスが Thompson に通りシュートに持ち込まれるがここは Galekovich がファインセーブ。 
79分にはFKのチャンスに Owusu がヘッドで落としたところを Dodd が手でボールを止めてイエローが出される。まだ焦る時間でもないんだけど… 85分にCKのチャンスを掴む。フィールド選手の Cassio と Leckie 以外はすべてPA内に入る。このCKも得点に結び付かなかったが今度はGK Moss が遅延行為でイエローに。
Dodd もそうだけどシーズンはまだ続くのでつまらぬことでカードを貰わない方がいいのにと按じてしまう。 

       

もうロスタイムに入りという88分、 Adelaide ゴール側の右コーナーで Hernadez がボールキープをして時間を稼ぐそこに Adelaide の選手が駆け寄る。一端は Cassio がボールを取り返すが、そこを狙っていた Thompson がボールをかっさらってドリブルで Adelaide ゴールに迫りシュートを放つ。 GK Galekovic に当たったリバウンドが Brerbner の前に転がりそのままゴールに押し込まれ試合を決定付ける追加点が入った。目の前でのゴールに Victory サポーター達が狂喜乱舞する。

      

そして一斉に観客が立ち上がり帰り支度を始める。ロスタイムは3分。でも2ゴールを上げるにはちょっと不充分だ…隣の United サポーターと少し言葉をかわした。
そしてスコアーはそのままで Srebre Delovski 主審のタイムアップの笛が鳴り響いた。

これで Adelaide United は Melbourne Victory 戦7連敗。そして5試合連続の無得点。実力差はそうあるとは思えないのに… 
しかし、 Golden Card の割には大した試合内容でも無い気がした。まぁ勝負なんてそんなもんかもしれない。 来年、この両チームが ACL に出てくる予定であるがそれまでにまたメンバーが替るのだろうか… 


初めての室内競技場観戦…でもなかったか Melbourne 1-1 Wellington

2009-09-20 | Aussie & Kiwi

もう少し暖かくて風が無かったらここに住みたくなるだろうなぁ… 
Melbourne に来る度にそう想っていた。ここにはMelbourne Cricket Grand がありMelbourne Olympic Park もあれば Rod Laver Arena があり Etihad Stadium があれば更に新たな競技場が建設中だ。これらすべての施設は少し無理をすれば全て歩いて回れる範囲にある。
既に欧州シーンからの“引退”を決めた Mark Viduka の次の所属先は彼のホームタウン Melbourne の Victory か新しく創設が予定されている Hearts かと言う地元紙の記事も。街中を流れるヤーラ川沿いは良いジョギングコースになっている。最近は地球温暖化のせいか Melbourne でもそう凍える思いはした事がない。
この6月のワールドカップ予選、昨年、そして今回。しかしこんな街中なんか家賃は高いだろうなぁ… ここ数年は郊外にどんどんショッピングモールが出来ているらしい..

Melbourne Victory の本拠地 Etihad Stadium は街中の Southern Cross Station から陸橋で繋がっており徒歩数分で到着する非常に便利な場所にある。 濃紺の Victory のレプリカを着た多くの人が競技場に向かってる。この日の対戦相手 Wellington Phoenix の黄色いユニフォームを着る人もちらほら。 私は ALL BLACKS のジャケットを着ていたので Phoenix サポーター達の何人かに声を掛けられた。
ここは2階席がピッチレベルの1階席よりも値段が高いが迷った挙句に1階席のチケットを買った。 Aussie Football League の試合も行われるこの競技場は立ち見席を含めると 56,347 人の観客収容能力があるらしい。 そして屋根が開閉式になっており、この日は屋根が占められて屋内競技場状態になっていた。屋内競技場での Football 観戦は初めてになるなぁ…と述懐していたら20年前に一度東京ドームで観戦をした事を思い出した。 

     

昨シーズンの覇者 Melbourne Victory は前節迄の時点で1勝2分2敗で10チーム中7位と出遅れている。北京五輪メンバーで 2005年FIFA U-20 で日本と対戦をしたこともあるチームの中心選手 Billy Celesky も怪我で今季はほぼ絶望。 元 Socceroos で守りの要ベテラン Kevin Mascut は怪我でまだ今季プレーできない。更に追い打ちを掛ける様に中心選手の1人、かつて Manchester City でもプレーした Daniel Allsopp がカタールの Al Rayyan に移籍してしまった。 Allsopp と言えば A-League の Debut Season 以来の Victory 生え抜きの選手。 それだけに Ernie Merrick のみならず地元サポーター達のショックは小さくは無かった様だ。中東からの選手の引き抜きはここオーストラリア大陸にも…ただサラリーキャップがあり球団経営もまだまだ軌道に乗らない A-League からすれば中東からの Oil Dollars は無視できないのかもしれない。
Victory は急遽 Brisbane Roar でプレーしていた Robbie Kruse と契約を交わした。 2007-08 のシーズンに Roar で A-League デビューを飾り17試合に出場したが翌シーズンは怪我などもあり4試合の出場に留まった。そしてその翌シーズンにあたる今シーズンはプレシーズンマッチでMassiom Murdoccca が足を骨折した為 Short Term の契約を交わしたらしい。そしてシーズンに入り5試合に全て出場していた。 Merrick 監督は早速 Kruse をこの Wellington 戦に起用することを示唆するコメントを残したとの事。
一方のWellington Phoenix 、監督は New Zeland 代表 All Whites を率いる Rickie Herbert 監督。そしてメンバーには何人かの All Whites の選手を含むが9月9日にアンマンでヨルダンとの親善試合を行いメルボルン入りしたのが前日だったそうだ。 GK  Mark Paston、右サイドバックの Manny Mascat , 左サイドバックの Tony Lochhead, ボランチの Tom Brown そして FW の Leo Bartos。怪我でこの日ベンチ入りできなかった Ben Sigmund 。更に Victory のGK Glen Moss 。但し Moss は昨年11月のワールドカップ予選フィジー戦で退場になり、バーレーンとのプレーオフには出場できない。
代表と言えば Victory MF の Carlos Hermandez はコスタリカ代表でワールドカップ予選出場の為に Wellington 戦の前日に戻って来た。 アテネ五輪、ワールドカップドイツ大会にも出場経験がある。またこの日のメンバーを見ると Victory のボランチ Leigh Broxham 、ベンチスタートのMF Nick Ward らは北京五輪予選のメンバーで GK Glen Moss は昨シーズまで Wellingotn でプレー。右サイドバックの Surat Sukha はタイ代表。昨年は ACL で Chomburi のメンバーで Victory そしてガンバ大阪と戦った。
Wellington のMF Vince Lia, Michael Ferrante の二人は2007年まで Victory でプレーした選手達。 CBの Jon McKain は2001年FIFA U-20 アテネ五輪にオーストラリア代表メンバー。 両軍結構なタレントぞろいでお互いのチームでのプレー経験のある選手もおり因縁めいた感じもして興味が湧いて来た。スタンドの1階席はピッチレベルで選手達の動きが良く解るが全体のフォーメーションを見るには難があった。2階席の方が値段が高い理由が解った。 

いよいよキックオフと云う時に歌声がだんだん近づいてくる。黄色いユニフォームを着た Phoenix のサポーター軍団だった。私が座ってたのは Phoenix のサポーター席だった。そして座っていたすぐ横の通路を歩いてくる。私が立ち上がって右手を差し出すと各自がハイタッチをする。だんだん手が痛くなり最後の数人とは握手にしてもらった。その様子を見ていた他のサポーター達におおいに受けた。そして私の着ていた ALL BLACKS のジャケットを見て“もっとこっちに来い、一緒に応援しよう…” てなことを言われたがあまり下に降りると試合が良く見えないのでここに留まる事にした。 頭上にはモニターがあり、これと併用して試合観戦をすることにした。

Phoenix サポーター達はここにいる観客の割合からすると 1% にも満たない。それでも Victory サポーター達を煽るようなコールを繰り返すのでそれに呼応する Victory サポーター達の大音量のコールが帰ってくる。多勢に無勢とはこのこと。でもそれだけに Wellington を応援したくなった。今シーズンはこれまで Victory と同じ勝点。こんなことは今まで無かったからなぁ…
試合開始直前に観客席を見ると “ FAREWELL ALL$OPP. AMATE HAS COME – WE’LL KRUSE TO THE TOP “ という横断幕が Allsopp のS が $ となっていると事が移籍の真実を語っているようだった。注目の Robbie Kruse はベンチスタートだった。 

開始2分45秒、Victory FW Ney Fabiano がドリブル突破をはかるところを Phoenix のボランチ Lia が倒してFKを与える。ゴール正面の絶好のポジションだ。 大歓声の中 Hernadez がボールをセットする。そして直接狙ったFKは GK Paston も届かずそのままゴールネットに吸い込まれた。 

    

更なる大歓声が湧きあがる。試合前から気勢の上がっていた Phoenix サポーター達の一気に消沈してしまい、彼らに向かって“それ見た事か”とばかりに Victory サポーター達がこちらに歓声を降り掛ける。
   
    

Melbourne は FW Archien Thompson のボールキープが良く、この日のブラジル人 FW Fabiano とポジションを替えながらドリブルで切れ込んでいく。 出場機会は無かったが2006年ワールドカップのメンバー。 Brown, Lochhead の左サイドを突いていく。彼らはヨルダン遠征から帰ったばかりでまだ Thompson の動きについていけないか….
17分2秒、劣勢だった初めて攻撃に転じる。England 人 FW Chris Greenacre が右サイドを上がり入れたクロスを中には走り込んだ Bertos がボレーを撃つが GK Moss がファインセーブ。またも大歓声が上がる。しかし Wellington の Herbert 監督は代表候補の Glen Moss のパフォーマンスには心中満足しただろう.
20分過ぎから Wellingotn は2列目の Bertos と Paul Ifill のポジションを替え Bertos が左サイドに Ifill が中に入るようになった。そして Bertos がサイド攻撃で起点を作り、Ifill がワントップの Greenacre のサポートに入る。これで Wellington の攻撃機会が増えた。それが功を奏したか30分 Ifill からボールを受けた Greenacre が右サイドに送りブラジル人 MF Daniel がゴールラインぎりぎりのところでクロスを上げる。
そして Ifill が中央から飛び込もうとするが上手くDF陣を二人引き連れスルー。左に流れたところを Tim Brown が 蹴り込んだショットは Moss でも止められず Wellington の同点ゴールが生まれた。 今度は数少ない Phoenix サポーター達が大歓声を上げる。 強豪相手に先制を許すもすぐに追いつくところ、今シーズンはちょっと違うぞと Victory サポーター達に思わせたか? 

    

34分にはCKから CB 182cm の Andrew Durante がヘッドを放つがここは Moss がファインセーブ。 この日の Moss は MVP級のパフォーマンスでこの時点で2失点を防いだ事に。 

    

それにしても Victory DF 陣、やはり Macsut がいないと統率がとれないか。 Wellington はBertos が左右に動いて起点となる。なかなか Wellington ゴール前に迫れない Melbourne は Thompson, Fabiano の2トップの後ろを左に Hernamdez 右にPordeliak を上げ、真ん中の Grant Brehner をもう少し高い 2トップもう少し近い位置に出した。これで少しは挽回できるようになり、40分32秒は Hernadez からのロビングを受けた Fabiano がシュートを放つ。これは Durante がブロックしCKとなりそのCKを再び Fabiano がヘッドで狙うが惜しくもポストの左に外れていった。 前半が終了しベンチに引き揚げる両軍の選手達。 そして歓声を上げる Phoenix サポーター達の歓声が響いた。

メンバーの交代無く後半に入る。 開始直後は Thompson のドリブルを起点に Victory が攻勢に出て49分51秒には Hernadez が右からのセンタリングの Brehner がミドルを放つがクロスバーを越えた。それ以降は Wellington が押す展開が続く。特に右からのサイド攻撃が多かった。51分56秒にはCKから Tim Brown が惜しいシュートを放つ。 
Victory のCB Adrian Leijer, RodrigoVargas らが必死の守りを見せる。CK等のセットプレーでは両チームとも上背のある CB の選手が出てくるので空中戦も見応えがある。  

       

59分Melbourne ベンチは FW Fabiano を下げて遂に大歓声に送られ Robbie Kruse が投入され Thompson と2トップを組む。 Kruse はその直後に Wellington ゴール前でボールを受け右から左にドリブルで流れ Thompson にスルーパスを送る。ここは Wellington のDF陣がマークに入りクリアーするがこのプレーに観衆から拍手が送られる。 しかし Wellington のCB Andrew Durante も Melbourne FW陣には厳しいマークでシュートを撃たせない。 70分過ぎから Victory は Thompson を2列目に下げ、 Kruse と Hernandez が2トップに。そして71分には Pordeliak を下げて Nick Ward を投入する。 Ward の投入で Wellington の攻勢が少し止められるようになった。
そこで Wellington ベンチは 76分に Daniel に替り Marco Rojas を入れ左サイドに置き Ward そして左サイドバックの Surat Sukha と対峙させる。 
Phoenix 相手になかなか2点目が奪えない試合展開にいらいらが募りだした Victory サポーター席からはついに発煙筒が焚かれだした。 

   

そんな中 Wellington は 右サイドバックの Manny Mascat が Vargas をかわしてシュートに持ち込むが Leijer がフォローに入りコーナーに。 89分にはカウンターから最後は Ifill が撃つがGK Moss の正面に。 そしてロスタイムが4分と表示される。 Wellington ベンチは CB の McKain を下げて MF の Michael Ferrante を入れる。もう1点取りに行くサインだ。 Phoenix サポーター達からは歓声があがる。92分には 右サイドから Brown が上げたクロスに Greenacre がヘッドを放つが惜しくもポストの右に外れた。 17,664人集まったスタンドからは安堵と落胆の溜息が上がる。 
そして94分に Craig Zetter 主審のタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。 
選手、サポーター達の様相は対照的。 強豪 Melbourne Victory とアウェーで引き分けた Wellington Phoenix のサポーター達は歓喜に満ちた表情だった。 

  

試合後 Victory の Merrick 監督はピッチの状態に言及していた。二日前に National Rugby League の Melbourne Storm の試合がここで行われた為ピッチコンディションがいまいちとの事だった…

一方の Rickie Herbert 監督は強豪 Adelaide United, Melbourne と連続して引き分けた事に満足しながらも “ここに来たのは昨シーズン迄の様にただ勝点を取る為だけではなかった。”とコメント。
“ゲームプラン通りに進められた事が非常に良かった。数人の選手は遠征の為に疲れていた様だったが良くやってくれた。特に Tim Brown, Vice Lia のボランチがいいコンビネーションを見せた。 またDaniel がトップコンディションに戻って来た事も大きい。 Paul Ifill が守備の面でもよくやってくれた。我々は良くやれたと思うがもう少しチャンスを作れるようにならねばだめだ。” とも語った。
試合終了後クールダンする Phoenix の選手達をサポーター達と見守り続けた。そして Herbert 監督がこちらにやって来て丁寧に各自と握手を交わし、記念写真にも快く応じている。 New Zealand に Football を根付かせようと言う思いが伝わってくる。私も一緒に写真を撮った。

   

“ Good Luck in November 。我々は既に予選を通過した。次は All Whites だ!! “ と彼に言うと回りの KIWI 達に大いに受けた。11月に28年ぶりに本大会出場を決めるニュースが聞ける事を祈っているとも言うと硬い握手をしてくれた。 
日本じゃ代表監督とこんなに話したり出来るなんて考えられないなぁ……

競技場からホテルに戻る途中、来る時にもいた Victory のレプリカを着たバグパイプを吹く女の子がまたいたので楽器ケースにコインを入れて写真を撮らせてもらった。彼女はScotland 出身なのか…. 一生懸命奏でているので声を掛けられなかった……

     

 

 


Beatles...Liverpool...Sydney 0-1 Fowler

2009-09-19 | Aussie & Kiwi
5年目を迎えた HYUNDAI A-LEAGUE は今年も楽しみなシーズンだ。(と言ってもこう感じる日本人は少ないだろうけど…)
何といってもチーム数が2チーム増えて10チームとなり新チーム、 Gold Coast United が好調。現役オーストラリア代表の Jason Culina そして現役ニュージーランド代表の Shane Smeltz らを擁して開幕から3連勝を飾る等、第5節を終わって勝点12で首位を走っている。その一方で昨シーズンの覇者 Melbourne Victory が7位、Grand Finalist だった Adelaide United は9位と出遅れている。 
そして首位 Gold Coast を勝点2差で追って2位につけているのが久々に好調の Sydney FCだ。9月12日には地元 Sydney Football Stadium に North Queensland Fury を迎え“頂上決戦”に臨むことに。この試合に Sydney が勝てば首位が入れ替わるだけに熱戦が大いに期待された。
しかし、他にも“熱戦”への理由があった。新チーム North Queensland には Marquee Player として何とかつて Liverpool を始め, Leeds United, Manchester City でプレーし England 代表26 Caps を誇る Robbie Fowler が入団しており、前節までの5試合で3ゴールを決めている。ただまだ N.Q. は勝星が無いけど…

オーストラリアで最も人気のある League はPremiership でFowler の事は地元の人達にも良く知られており、いよいよ “ Sydney 登場” とあって新聞紙上でもこの試合の事は始まる前から Australian Football League や Rugby Union, Rugby League 並みに取り上げられていた。 そして Sydney FC の中心選手 John Aloisi との ”対戦“ を煽る記事も….. 地元紙によると Liverpool サポーター達がわざわざシドニーまで Fowler を観に来ているとか。バックパッカー達の宿にもこの試合のチラシを貼ったらしい。 そして Fowler 人気に為にチケットの売れ行きが好調だとかも書かれていた…..当日権が買えるか心配になり Sydney FC サポーターの友人に電話で確認までした。彼の話だと大丈夫だ…との事だった。

しかしやはり心配だったので開始30分前に競技場に到着する様にホテルを出た。 道行くサポーター達の中には赤い Liverpool のユニフォームを着る人達もちらほらと、やっぱり Fowler はスーパースターだ。 そして競技場の入り口に到着すると英国を走る2階建てのバスが….

      
そういえば新聞にこの試合のデモンストレーションの為に2階建てバスを走らせるって書いていたなぁ….. そして Beatles Number が聞こえてくる。 Beatles をカバーする生バンドのライブだった。
Liverpool と言えば Beatles 。空港も Liverpool John Lennon 空港と名前が付いているらしい。  Beatles が現役の時から Liverpool に在住していた地元の人と話がしたいなぁ.. Liverpool FC は 1950 年代は低迷しており William Shankly が引き継いだ60年代からチームの再建がはじまり 1963-64 にはリーグ優勝、翌シーズンには初タイトルとなる F.A. Cup を勝ち取る等 Beatles のデビューと共にチームが再構築されていった……
Ticket 売り場の前には長蛇の列が。こんなのは初めて。こりゅあ Sold Out の看板が出るかも….と案じていたが無事にチケットは入手でき、スタンドに着席したが空席はまだまだあった。 そういえば新聞に書いてあったがここまで N.Q. Fury のホームゲームの平均観客動員数は 7528人。これから Australian Football League が9月26日の Grand Final をもってシーズンが終了するので、地元 North Queensland Cowboys に流れていた観客が Fury に来るだろうとの事であったが…
スタンドにはやはり赤い Liverpool のユニフォームを着た人達も目に付いたが、 Fury 側のサポーター席には赤いユニフォームが半数以上を占めていた。 

    

注目の1戦、 Fowler はもちろんスタメン。

   


そしてボランチにはかつてアビスパ福岡でもプレーしこの日の対戦相手 Sydney FC に所属していた Ufuk Talay が。左サイドバックには6月 MCG で行われたワールドカップ予選の日本戦にオーストラリア代表の左サイドバックでスタメン出場を果たした Shane Stefanutto が。しかし昨シーズンまで Adelaide United でプレーし ACL のガンバ大阪戦に出場した Jason Spagunuolo そしてかつてガンバ大阪、城南一和、名古屋、新潟、東京Vでもプレーした海本幸治郎は残念ながらベンチ入りしていなかった。海本、次はピッチにでてくれよ。 

開始30秒、いきなり Stefanutto のスローインを受けた MF Rostyn Griffiths が入れたクロスを Fowler がオーバーヘッドを試みスタンドから歓声が沸く。 観客の注目を集める Fowler だが彼だけでなく左MFの Chris Tadrosse の縦への動きが良い。 Tadrosse は A-League デビューシーズンには Melbourne Victory に所属し8試合に出場。以降はドイツに渡ったが Bundesliga の1部でのデビューはならず今シーズンオーストラリアに帰って来た選手だ。 
11分49秒には Stefanutto から縦パスがベテラン FW Daniel McBreen に入り 中のFowler に送られるミドルを放つが右上に外れていった。 15分3秒には Stefanutto からのスローインを受けた McBreen がクロスを入れ Fowler が飛び込むが僅かに遭わなかった。 前半 Fowler 率いる Fury は Sydney サポーター達の陣取る COVE 側に攻めてくるのでシュートが外れる度に大歓声が上がる。
出だしはおされぎみだった Sydney だがかつて広島でもプレーした元 Socceroos のベテランMF Steve Corica のゲームメークから徐々にチャンスを掴みだす。 そしてCHFの Kanol Kisel のドリブル突破も良い。20分47秒には中央からドリブルシュートを放つが 34歳ベテランGK Paul Henderson が倒れ込んで好セーブ。 徐々にペースを掴みだした Sydney が25分にビッグチャンスを掴む。 ゴール正面やや左で得たFKを Kisel が入れ今季から Sydney に入団した左サイドバックの韓国人DF 卞盛煥 Byun Sung Hwan が落としたところを Alex Brosque が走り込み GK Henderson と交錯し倒れる。Beath 主審はすかさずペナルティースポットをさす。映し出されたREPLAY を観ると Henderson の手が Brosque の足に当たっていた。
このPKを Aloisi がセットする。 Sydney サポーター達の見守る中 Aloisi が右側に撃つがこれを Henderson が見事にストップ。絶好のチャンスを逸した。

    
“4年前はここでウルグアイ相手に決めたのに..” 隣に座る Sydney FC サポーターとこんな会話をした。 翌日の新聞には“ウルグアイのGKが出来なかった事を Henderson は演じた。”と述べていた。
これ以降はやや Fury が優勢な展開。 下記の様に Fowler が1トップで2列目に3人が並ぶ。 びボランチの二人が攻守によくフォローする。 Griffiths が187cm McBeen が186cm と長身の選手が目立つ

               9 Fowler

18 James Robinson   23 R. Griffiths  19 D. McBreen

        3 Chris Tadrosse    6 Ufak Talay

一方の Sydney は Corica のゲームメーク頼りだがボランチの二人が他の選手の動きを良く見ている。そしてPKを失敗した Aloisi が挽回を試みるのかドリブル突破が増えくるがDF,ボランチ陣の網にかかる。 38分に久々相手の右サイドを崩し Brendan Gan が入れたクロスを Corica がヘッドを放つがポストの左に外れていった。
ロスタイムに入り今度は数少ない Fury サポーター達が歓声を上げる。 中央を Ufak Talay がドリブルシュート。これはDFに当たるが跳ね返ったところを James Robinsonが Sydney ゴールに押し込んだ。しかしここは線審がオフサイドの判定。 この線審は Sara Ho と言う Lineswoman 。女性線審で A-League は女性線審を起用することがある。隣の Sydney サポからは “ J-League でも女性審判はいるか?“ 
と訊かれたが記憶にないので
” 女子のリーグなら主審でもいるが、J-League は….と答えた。でも彼にとってこの線審は“女神”に見えただろう……

       

Half Time 中に Sydney F.C. サポーター達が陣取る COVE に移動する。 
2年前 ACL の浦和戦で知り合った地元サポーター達と会うためだ。 彼らはすぐに見つかり再会を祝う。 今年は Debut Year 以来優勝が狙えそうだと言っていた。 前半の戦いぶりを話し合うが、Corica 頼みのGame Make では限界があるので戦術を変えるかテンポを変えねば…と言っていた。
両チームメンバー交代の無いまま始まった後半、今度は Sydney が自軍サポーター側に向かって攻めるので迫力あるシーンを…と期待するのだが、開始早々に Kisel のクロスに Grant がヘッドで合わせ GK Henderson が何とかコーナーに弾き出して以来試合は向こう側での展開が続く。 Talay が前に出て来て中盤の人数を増やしたので Sydney コート内で試合が進む。
そして53分51秒、GK Henderson からのゴールキックを Talay がヘッドで前に送ると Sydney DF の Simon Colosimo と Shannon Cole の間に走り込んだ Fowler が上手くボールをコントロールし GK Clint Bolton が出てこようとするところをボールを Sydney ゴールに放り込んだ。 
大喜びのゴール裏に陣取る Fury サポーター達。勢い余ってそのうちの1人がピッチに入って来た。 

          

こういうところできちっと決めるところはさすが Fowler だ。 Fowler は61分にもTalay からのロングフィードを受けたMcBreen が右サイドから上げたクロスに走り込むがマークに入った Stephan Kelter の為に僅かにポストの左に外れしてしまった。60分に Sydney ベンチは今年 Socceroos の代表合宿に召集されたこともある Shannon Cole を下げて 北京五輪メンバーだったMark Bridge を入れて攻撃力をアップさせるがこうなってくると前半のPK失敗が悔まれる。 そのPKを失敗した Aloisi が65分にドリブルシュートを放つがDFに当たってゴールラインを割った。そしてその直後に Kofi Danning と交代でベンチに下がってしまった。そして Alex Brosque と Mark Bridge が前に出て来て Corica がトップ下に入る。Danning が右サイドの2列目に入りドリブルでサイド攻撃を仕掛ける。しかしFury DF陣の前になかなかシュートが撃てない。 

            
Fury ベンチは67分に Griffiths , 78分には Talay を下げて Chris Grossom ,そしてオランダ人FWの Dyron Daal を投入してくる。 かつて Sydney でプレーしたTaly が下がった時は Sydney サポーター達から大ブーイングだった。そして84分には競技場全体から沸き起こる歓声に送られて Fowler がベンチに下がる。

         


だけど COVE の一部のサポーター達からは “ Go Home Fowler ! GO Home Fowler !! “ とのコールが。隣に座る地元の友人は両手を広げながら“今 on the way だよ。”と呟いた。 Sydney はもう Brosque を1トップに攻撃時は2列目に Dunning , Corica, Bridge, 卞盛煥 を並べるが最後までゴールは生まれることなくN.Q. Fury に今シーズン初勝利を献上することとなった。 1点リードされてから焦りからか攻撃が単調になり無失点を喫した Sydney そしてチャンスをきっちりと得点に結びつけた Fowler 、ワールドクラスの選手の存在感を見せつけた結果となった。

“ キーポイントは PK だった。しかし我々は前後半ともに決定機を作ることが出来なかった。 ” 試合後 Sydney の Vitezlav Lavicka 監督がこう語った。
そしてSteve Corica 主将は “彼( Fowler ) は素晴らしいゴールを決めた。それ以外彼には多くのチャンスがあったとは思えない。しかし Top Striker は得点の為にはただ1度チャンスがあれば良いだけだ。彼はそういうチャンスがありゴールを決めた。彼こそ Top Striker だ。” この様に称賛をした。

試合後、いつもの Bar で地元のサポーター達と色々話した。日豪揃ってワールドカップ出場を決めているのでお互い採集メンバー選択につて話をする。 彼らから言うと Socceroos は選手層が薄いらしい。そして5年後のブラジル大会に向けては予選を勝ち抜く為のアジアの戦いは更に厳しくなるとの予想だ。それは日本も同じか….
オーストラリアは10月にオランダ代表を招いて親善試合を行う。日本が 0-3 で完敗した相手だ、と話した。彼らも日本がどの様に戦ったか興味深く訊いてきた。 
“いつものパターン。最初の30分は相手が様子を見て来たので何度かチャンスがあった。しかし時間が経つにつれて劣勢になり、最後の20分で3連続失点だった。ワールドカップでのオーストラリア戦の様に….”
彼らも私も今度 Socceroos がオランダにどういう試合をするのか楽しみだ、とお互いに語り合った……………

翌日の朝刊は Fowler の写真が大きく紙面を飾っていた。 そして Super A-League Import 6人衆の中に Dwite Yorke ( Manchester United - Sydney FC ) Junihno ( Middlesbrough ) らに交じって Kazuyoshi Miura の写真と名前があった。ロマーリオはなかったけど...

移動続きで疲れる出張だけどここで King KAZU にエネルギーを貰えた。

    


政権は交代。そしてサンガも変わったぞ。 8.30 柏レイソル 0-0 京都サンガ FC

2009-09-15 | 京都サンガ J-League

8月30日、もうこの日のシナリオはずっと前に決まっていたのかもしれない。
麻生政権が発足以来常に“解散”が毎日叫ばれ、解散後は常に“政権交代”の4文字がこの選挙の結果を暗示する既成事実を作り上げていた。
勿論私も国民の義務を果たすべく投票に行った… そして昼から降っていた小雨が止んだ午後、私は柏に向かった。 
夏休み最後の日曜日、もう子供は大きくなり家族よりも友人達と自分たちの世界を見つけていた。でもこの日は“24時間テレビ”の“イモト”の劇走と夏休みの宿題の仕上げに忙しかったようだ…

柏は千葉県だけど、私の住む埼玉からは近い“アウェーの地”であった。柏駅に到着すると少し小雨が。駅の規模は大きく前に来た10年前はこんなだったかなぁ…と駅名を確認したほどだった。 目の前に“総力戦”の文字が。

     

柏はこの時点で勝ち点 21で17位。降格圏内に低迷している。まだ残り試合が11試合あるとは言え降格を何度も経験してきたサンガサポーターはその気持ちは痛いほど解る。でもこの日は勝ち点を分けて欲しいとしか思わなかったなぁ…
駅から競技場に向かうバス停を親切なボランティアの人に教えて貰ったけど、今度はどのバスに乗れば良いのか解らない。そうしているうちに雨が降ってきた。すると同じ紫のレプリカを着た男性二人連れがやって来て同じようにバスを探している。 結局その人達と一緒に黄色いレプリカを着ているバス停にいた人に競技場までの行き方を尋ねた。彼も長い間バスを待っていたらしく、

“歩いても大したことないのでこのまま歩きましょうか?”
と云ってくれみんなで歩いて行く事に。 道中お互いサポートするチーム事情を話し合った。こういう交流は本当にうれしいし貴重だ。特に移籍したばかりの李忠誠の事に話が及ぶと、サンガサポ達と
“本当にあんないい選手を出すだなんて、何でサンガフロントはその情報をキャッチできなかったんやろう?” “そうですね。大剛が今シーズンあかんから、是非欲しい選手だったんですけど…”

柏サポも寝耳に水だったらしく、ショックだったと語っていた。
“我々は彼をチュソン、っていうんですけどどうも監督が替ってから…” “北京五輪予選はハノイまで観に行ったんですけど、あの時の李はすごかったですね。日本代表も近いと思ったんですけど….” “でもあのベトナム戦だけですよ。“ ”北嶋はどうです?高校は市船でしたよね。すごい選手になると思ったんだけどなぁ…” “ 彼の全盛期はそれこそ市船時代でしょう。“ 
確かに李忠誠は21節から3試合出場機会が無かった。それは監督がネルシーニョに替ったからか? でももっとショックだったのはサンガサポから

“知ってはりますか?ヤナギもパウリもこの遠征には参加してないんです。” 
“えぇぇぇぇぇぇ~。FW無しで試合するんかいな?” 
“タケとソンヨンでしょう。”

確かに前節は林丈統と柳澤の2トップで59分にヤナギに替って入った金成勇の逆転ゴールでアウェー初勝利を挙げたのだけど、この二人がいないとなぁ…. どうやらヤナギは体調不良との事だった…
競技場に到着しても小雨は続いていた。ここまで連れて来てくれたレイソルサポの方に御礼を言って別れ際に
“今日はお手柔らかにお願い致します。”と言ったら。“いえいえ、それはこちらがお願いすることです。”と言われてしまった。

サンガサポの二人と競技場に入る。ここのサポーター席は文字通りゴール裏。 手に取るようにゴール前の攻防がよくわかる。 そういえば柏の前身の日立製作所時代はJSLの試合を観戦にここに来た記憶はないなぁ… それは1987年から2シーズン、そして1990-91 のシーズンに2部に落ちていたからかもしれない。観客席は黄色一色。 JSL時代は各チームCheer Girls を繰り出していたが日立の Cheer 達は黄色と黒のコスチューム。当時我々は“蜂の娘ガールズ”と呼ばれていた。 西京極ももっと紫一色ならないかなぁ…

    

小雨が降り続く中両チームの選手が入場し試合が始まった。サンガは林丈統と組む2トップの1人が柳澤でなく金成勇であること以外は前節の新潟戦と同じメンバー。アキレス腱の怪我で今季絶望の渡邉大剛に替り2列目右には安藤。ボランチにはシジクレイが入り佐藤勇介と組む。サイドバックは右に増嶋、左に中谷。 CBは韓国代表の李正秀と水本。岡田監督は水本をCBの代表候補に加えてくれぬか・・・

         11 林丈統    28 金成勇

  10 ディエゴ                16安藤

       3 シジクレイ      7 佐藤勇介 

   8 中谷   14李正秀   4 水本  24 増嶋

             GK 21 水谷

柏は前節のマリノス戦のスタメンから薩川がベンチスタートとなり小林慶行がベンチから外れ、村上が右サイドバックに、粟澤がボランチにそれぞれ入った。栗澤は前節は累積警告で出場停止だったらしい。

開始早々李正秀と栗澤がぶつかり栗澤が立てずに外に運び出され、ピッチの横で治療を受け頭に包帯を巻いて3分後に柏サポーター達の拍手を浴びてピッチに戻って来た。
       

開始から水本が攻撃参加をし、水本があがるとシジクレイが後方を埋める。 柏はポポがほぼ1トップで右に田中左に大津がフォローに入る。 ポポは左右に動いてサンガの天敵フロンターレのジュニーニョを思い出させる動きをする。
また前の対戦ではサイドの選手に結構やられたのでこの辺は要注意オだ。
10分38秒、後方からの浮球をFW田中順也が上手くトラップをしてシュートを放つがここは正秀がすばやくブロック。 その直後にはカウンターからディエゴがドリブルで上がるが戻った村上がスライディングタックルでシュートを撃たせない。
両チームともオフサイドが多いが、サンガはミドルパスを多用し柏DF陣は押し上げが早いのでトラップに引っ掛る。13分ポポのドリブルであがり正秀がマークに入る前に中に入れ、田中が決定的なショットを放つが水谷がファインセーブ。ほっと胸をなでおろすが、ポポのドリブルは脅威だ。 サンガDF陣はこういうタイプの攻撃を苦手にするのかもしれない。しかしこの雨脚でドリブルのスピードも鈍るだろうとも思った。 

15分今度はディエゴがドリブルで上がり金成勇にクロスを送りヘッドでおとしたところを中谷が撃つがここは力なくGK菅野の正面に。18分からは今度は正秀の攻撃参加が目につく様になった。しかし攻勢を見せるのは柏。特にポポのドリブルは脅威で自らもミドルを放つ。 また田中順也も21分40秒には浮球を利用して佐藤と水本をかわして中のフリーのポポに送る。しかしポポのトラップがやや大きくシュートを撃たれる前に正秀がクリアーしてくれた。田中は浮球の処理が上手く24分にも浮球を利用してシュートに持ち込むがここは正秀が身体を寄せてコーナーに逃れた。 
ポポが左右に動くたびに2列目もポジションを替えて前に出てくるのでちょっとマークがずれ気味。 前半はサンガサポーターが陣取るゴール裏を目指して柏が攻めてくるので何度もはらはらさせられた。 
30分過ぎから柏は両サイドバックが積極的に上がってくる。そして雨脚も強くなってきた。33分には小林が増嶋を振り切り左サイドを突破し入れたクロスに田中がヘッドで合わせる。 やられたっ、と一瞬叫びそうになったがここは水谷がまた弾き出してくれた。 村上(右)小林祐三(左)のサイドバックの攻撃に完全に後手に回ってしまっていた。
それでも38分サンガは左サイドを崩しこぼれたところを最後は正面から佐藤勇介がフリーで放つがGKの正面に飛ぶ。あぁ決定機だったのだけど… 
その後も柏は42分に村上が右から上げたクロスにポポと小林祐三がなだれ込むが水谷がストップ。 その直後にも右サイドの菅沼からポポにスルーが入るがここは中谷がクリアー。何度もはらはらするも何とか無失点で前半を終えてくれた。

     

エンドが替って後半、今度はサンガがこちらに攻めてくる45分。何とか得点シーンを..と期待する。開始早々の46分、杉山が右サイドでディエゴの後ろからタックルに入りディエゴが倒れる。松尾主審の笛が鳴りカードが出される。杉山は 34分にもカードを受けておりこれで退場となった。ディエゴは一旦外に運び出されるが次のプレーが始まる前にピッチに戻って来た。

        

これで相手は一人少なくなった。ここは攻勢に出てくれると期待した。そのFK、丈統が入れ、ディエゴからシジクレーに渡りシュートに持ち込むがGK菅野がポストにぶつかりながらボールを弾き出しゴールはならなかった。 
しかし以降サンガも攻撃が続いた。柏は菅沼に替って大谷が投入された。 柏は後半から田中を下げてフランサを投入していた。何度か危ない目に遭わされた田中が下がってくれた事は吉報でもあった。
一人少なくなったせいか両サイドバックが上がってこなくなった。そして反対に増嶋、中谷のサンガの両サイドバックの攻撃参加が顕著となって来た。 
68分には安藤と増嶋のパス交換から大津、小林をかわして右サイドを突破。そして攻撃参加の佐藤勇介が最後はシュートを放つがポストの左に外れていった。
69分にサンガベンチは成勇を下げて中村充孝を投入。充孝は市立船橋高校の出身だ。柏ベンチにいる大先輩の北嶋秀朗はこの試合出てくるのだろうか? 
これでサンガは充孝とディエゴの2トップとなり2列目が左から安藤、佐藤勇介、丈統とフォーメーションを替える。安藤を左に置いたので対峙する村上が上がれなくなった。 
78分にレイソルベンチは近藤に替えて鎌田を投入する。おそらくこのまま守備固めか… それでも84分右からのクロスを受けたフランサが身体を反転させて惜しいシュートを放つ。 
そして85分、中央から右サイドにボールが出ると小林祐三を振り切った中村充孝がフリーで柏ゴールに迫る。サンガサポーターが一斉に立ち上がり充孝の足元を凝視する。しかしそこから放たれたショットは菅野が信じられない反応でセーブ。一斉に落胆のため息が上がった…… 市船OBの充孝よ、ここで決めていたら大変な“恩返し”になったんだぞ…
こうなると残り時間から勝ち点1を守るのか?勝ち点3を取りに行くのか… と思いながらピッチを見るとシジクレイが攻撃参加している。よしここは勝ち点3だ….と思うとカウンターからあっという間に中央を突破される。そして正面からポポがフリーで放つ。後ろに陣取る柏サポーター達の歓声が聞こえるが水谷がファインセーブでストップ。 今度はこちらがしゃがみ込んでしまった。そういえばサンガは良く試合終了間際に失点していたなぁ… 
ロスタイムが3分。 まだ得点のチャンスがあると必死に声援を送る。でも良く考えたらこの試合観戦は今シーズンは最後になるかもしれない。関東開催のゲームは10月にジェフ戦が残されているがおそらく仕事が入るだろうしなぁ….
今年はサンガの勝ち試合が見られないのかぁ….と思っていると試合終了のホイッスルが鳴った。 あぁ10人の相手にあれだけ攻めていながら……

挨拶にくるサンガの選手達に残り試合も頼むぞ!!と声を掛け雨の中競技場を後にした。 
帰りの電車の中で偶然に来る時競技場まで連れて行って頂いた柏サポの方に再会した。 
“1人少ない中タフに守りましたね。”
“えぇ。鎌田が入った時点でこりゃ引き分け狙いだなと思いました。”
“杉山ちょっとついていませんでしたね。あれはちょっとタイミングが遅れて後ろからのタックルになりましたね。”
“そうなんですよ。杉山はよく退場になるんですよ。”

そのサポーターとも別れ、家に着いた時はまだ“イモト”はゴールインしていなかった。 しばらくして選挙速報が入って来た。民主党が当選確実を増やす。あっという間に100にそして200に…… マスコミの先導通りに政権交代となった。 

遅い夕飯を食べながら家族で選挙の事、イモトの劇走そしてこの日の試合の事を話した。 充孝よあのシュート決めてくれていたらレッズを順位で抜いたのに….. でも次は決めてくれぃ !!

数日後、李正秀が韓国代表の一員として Soccoeroos との試合に臨んでいるのをテレビで観戦した。そしてその数日後サンガはホームでFC東京を破った。政権は交代したがサンガも変わりつつある事が良く解った。

    


シドニーでテレビ観戦 韓豪戦… 韓国 3-1豪州

2009-09-14 | Aussie & Kiwi

先週初めより商用でオーストラリアのシドニーに来ている。ここで開催される見本市に出展参加する為だ。
出発前日、日本がオランダとの“歴史的な”親善試合をテレビ観戦した翌日日本を出発。シドニーに到着した時の気温は摂氏14度。午前9時前とはいえやはり春の初めの南半球を感じさせられる。
いつも宿泊するホテルには今回はなんと FOX Channel が視られる。年々 FOX Channel を導入するホテルが増えているがついにここも導入してくれた。そのおかげで再放送ではあるが観たかった韓国対オーストラリアの親善試合がテレビ観戦出来る事となった。 これは幸先の良い出張だ…… とはいうものの、放映のあった日は見本市も Late Time で午後9時まで、後片付けやらしてホテルに戻ったのは午後10時過ぎ。既に前半を終えていた。 それでも後半だけでも観られる事をよしとした。(結果がわかっているんだから。) 

この試合韓国代表は朴智星を始め李正秀などスタメン5人が海外組。ベンチにも李根鍋や薜鉉ら4人の海外組がいる。 どうやらこの日は国際Aマッチデーに指定されていたにも関わらずK-League の試合も入れていたらしい。 ただ許丁茂監督はこの試合は海外組のテストの機会と考えていたらしく他にも安貞桓や車ドゥリと言った2002年組の招集も考えていたらしい。
一方も Socceroos は Tim Cahill, Lucas Neil, Craig Moore, Harry Kewell, Luke Wilkshire, David Carney らの主力が抜けている。J-League 所属の Joshu Kennedy らアジア、 A-League 所属のメンバーの“テスト”を兼ねているのかもしれない。それとも“生き残れる”選手を見極めたいのか…? ならば“当確”最右翼の GK Shcwarzer を使わず心配されているGK のバックアップを強化する為に Ante Covic あたりを使えばよくは無かったか?? Neil, Moore らの抜けたDFラインと Chipperfield と Carney の抜けた左サイドをどう埋めるのか? Grella と常にボランチを組んでいた Culina がオランダのPSV から A-League に戻りその技量を“確かめる”テストの意味合いもあったのかもしれない…

試合は韓国が 2-1 でリードしていた。(経過もしっていたけど。) 韓国とはいえやはり体格ではオージーの方が一枚上手のせいか、相手が寄って来た時に上手くボールを回している。それでもバイタルエリアに近づきここぞという場面では朴智星や李東國らがドリブルで突っかけて行く。今の日本にはこれが欲しいところ。 Monaco でプレーする朴主永は当たり負けしない。 Grella でも簡単に止められない。そして左サイドバックの金東進が結構上がって来る。

   

この試合の Socceroos はDFラインが左からStefanutto, CB が Mark Milligan と Patrick Kisnorbo そして右サイドバックに CB が得意な”地元”仁川 United でプレーする Jade North が入っている。これは彼の攻撃力を生かす為だろう。
このDFラインはレギュラー選手ではないので少し不安がある。そのせいかボランチの Grella, Culina が前に出て行けない。そして中盤をどんどん侵食されている。 
頼みの194cm の長身FW Kennedy にもボールが出ない。ボールが送られても愛するサンガ所属の李正秀がしっかりとマークをしている。従って Kennedy はボールを求めて左右に動くがこうなると韓国DFの思うつぼ。彼はトップにガンと張られてこそ脅威を感じさせる選手だ。 

    
この日 Verbeek 体制になってからほぼ初めて試された2トップのもう一人 Scott McDonald は劣勢の中かなり位置を下げてボールを受けに来るがそこには韓国選手が二人、三人と囲み前を向けない。 2列目に張る Bresciano, Hollman も前線にボールを配球しようにもそこに選手がいないのだ。  

 

53分には朴智星が起点となり薜鉉を経由して朴主永がフリーで撃つがここは Schwarzer がナイスセーブでCKに。そのCKから今度は金東進がヘッドを放つがここも Schwarzer がブロック。そのこぼれ球に Kennedy と李正秀が詰めるが李が少し遅れて入って Kennedy を押す形になったので Grella が李に詰め寄る。
55分過ぎからオーストラリアはカウンター攻撃から韓国ゴール前に迫るようになり、 久々に代表合流の Mark Milligan が2年前の ACL 浦和戦でも見せたロングスローを韓国ゴール前に放り込むが李正秀を始め韓国DF陣も激しいプレスで応酬。 
60分にオーストラリアベンチは Brett Holman を下げて攻撃的MFの Nick Carl を投入し同点を狙う。 すると韓国ベンチも70分にフェイスガードを付けた神戸所属の金南一を投入する。直後に Carl がミドルを放つもGK李雲在がファインセーブで防ぐ。世代交代がすすむ韓国だけどまだまだ2002年組も存在価値を示す。李雲在は77分にも Bresciano の FK を好セーブでしのいだ。 
80分 Mark Milligan が薜鉉と交錯し倒れて立ち上がれない。そして外に出される。 それでも動けず Spiranovich が替ってピッチに入った。しばらく"浪人生活" が続きようやく上海申花に安住の地を見つけ久しぶりの代表出場の Milligan ...怪我が深刻でない事を祈るよ。

残り10分。しかしまだ交替枠は4人あるベンチにいる攻撃的な選手Nikita Rukavytsya, Mile Jedinak らは起用されるのだろうか? 84分には珍しく中盤でボールを繋いでビルドアップし攻撃参加し、最後は Stefanutto が左サイドからクロスを入れるがゴールネットの上に落下してしまった。
そして86分47秒、カウンターから左サイドを朴智星が素晴らしいドルブルで独走。
Grella が慌てて追うが全く届かない。そして左サイドから上げたクロスを薜鉉が高い打点からヘッドを放つ。 Schwarzer の長い左手と大きな掌で何とか掻きだすが線審の判定はゴールイン。 韓国が試合を決定付ける3点目を挙げた。 
朴智星のドリブルはさすが Manchester United のレギュラーと思わせるものでおそらく彼が今アジア No.1の選手だろう。( かつて京都サンガでプレーしたことをここで書き落としてはならない。) 

                     

薜鉉もうまくマークに入った Stefanutto を外していた。 Milligan がピッチを去っていたことも幸いしたか? それにしても Shcwarzer が3失点も喫するとはそれだけ韓国の攻撃がすごいのか?この日の Socceroos のDFラインが弱いのか…多分両方だろうなぁ…

試合はそのまま終わり World Cup Stadium に集った 40,215 人の観衆を喜ばせられる結果となった……
2年前まで相手チームを指揮していた Verbeek 監督は金南一、趙源煕 らがベンチスタートで2007年 Asian Cup 時にはエースだった曹宰榛、崔成國らがメンバーに入っていないことに韓国代表の層の厚さを感じたらしい。
またDF陣のバックアップの再構築が急務だとも。まず Lukas Neil と組む CB 候補、Craig Moore, Kisnorbo, Jade North, Mark Milligan 。そして左サイドバックはChipperfield が万全でないときは…Brett Emerton の膝の回復が思わしくないときは右サイドバックに Jade North の攻撃力を生かすのか…

勝った方の許丁茂韓国代表監督は「ヨーロッパ・レベルのチーム相手にいい試合ができた。これからヨーロッパのチーム相手にどう準備し対処すべきで、課題は何であるかを把握できたことが収穫。相手が接近してくる前に、早め早めにパスをすること。相手は体格が大きいだけに瞬間的な動作や方向転換の動作がやや遅いので、そういう部分を攻略しろと選手たちに注文した。最初のゴールもそういった狙いから生まれたもの。」と説明したあと、「体格が大きく、制空権がる選手たち相手に、セットプレーで失点し、何度か危険な場面もあった。ヨーロッパチームを相手にしたときの制空権確保が宿題」とも付け加えた。

ただこの日の Socceroos はベストメンバーからは程遠く、体格は欧州レベルだけど技術的にはアジアレベルといえるだろう。日本もこのメンバーが相手だとかなりやれるだろう……

翌日、ここにいる韓国系のお客とこの試合の話をした。彼も同様の意見だった。

Sydney は好天に恵まれた。でもこれからまだまだいくつかの都市を転々とせねばらない…

Korea Republic starting line-up: GK 1. 李雲在 LEE Woon-Jae (水原); DF 4趙容亨CHO Yong-Hyung, (済州)12 李栄杓LEE Young-Pyo ( Al Hilal ) 14 李正秀LEE Jung-Soo ( 京都サンガ) , 15 金東進KIM Dong-Jin ( Zenit St.Petersburg )
MF 7 朴智星 PARK Ji-Sung, ( Manchester United ) 8金正友KIM Jung-Woo (城南), 16寄誠庸KI Sung-Yueng ( ソウル ) , 17李青龍LEE Chung-Yong, (ソウル)
FW 10 朴主永PARK Chu-Young, ( AS Monaco ), 20李東國 LEE Dong-Gook (全北)
Substitution : 46分 16寄誠庸KI Sung-Yueng → 19廉基勳 YEOM Ki-Hun (蔚山)→89分 23李昇 LEE Seung-Hyun (釜山) , 46分 8金正友KIM Jung-Woo → 6趙源煕 CHO Won-Hee ( Wigan Athletics ), 46分 20李東國 LEE Dong-Gook (全北)→
9薜鉉 SEOL Ki-Hyun ( Fulham ) , 71分 17李青龍LEE Chung-Yong, → 5金南一 KIM Nam-Il (神戸), 79分 10朴主永PARK Chu-Young, ( AS Monaco ) → 11李根鎬 LEE Geun-Ho (磐田)

Not in Use : GK 18鄭成龍JUNG Sung-Ryong (城南) , 21金永光 KIM Young-Kwang (蔚山) , DF 2呉範錫 OH Beom-Seok (蔚山) , 3姜敏壽 KANG Min-Soo (済州) , 13金致佑KIM Chi-Woo (ソウル) FW 22 金亨鎰KIM Hyung-Il (浦項)

Australia's starting line-up: GK 1. Mark Schwarzer ( Fulham FC ) 3 Shane Stefanutto ( North Queensland Fury ), 16 Mark Milligan ( 上海申花 ), 17 Patrick Kisnorbo ( Leeds United ) 4 Jade North ( 仁川 United ) , MF 5 Jason Culina ( Gold Coast United ), 13 Vince Grella ( Blackburn Rovers ), 14 Brett Holman (AZ Alkmar ), 23 Mark Bresciano ( Palermo ) FW 7 Scott McDonald ( Celtic ) , 9 Josh Kennedy ( 名古屋グランパス8)

Substitution  61分 Brett Holman→ 11 Nick Carle ( Crystal Palace ) , 81分 Mark Milligan→ 20 Matt Spiranovic ( FC Nurnberg )

Not in Use : GK 12 Ante Covic (IF Elfborg , 6 Michael Beauchamp( Aalborg BK ) , 10 Dario Vidosic ( FC Nurnberg ) , Rhys Williams ( Middlesbrough FC ) , Nikita Rukavytsya ( FC Twente ) , Mile Jedinak ( Antalyaspor )


目指せ Top 4 !! Holland 3-0 Japan 後半 05.09.2009

2009-09-13 | 日本代表

後半日本はついに玉田に替えて本田を投入してきた。これで岡崎がワントップに入り、本田は2列目の左サイドに入った。 
オランダはGKを含む2選手を替えて来た。替って入った GK Piet Velthuizen ( Vitesse ) は北京五輪では控えの GK で日本戦を含め出場機会は無かった。この日本戦は代表デビュー試合となった。北京五輪は長友、岡崎、内田(ただし控えでオランダ戦は出場機会無し ) そして本田の4人がメンバーであった。オランダは“北京五輪組”はいなかった。 本田は2005年の FIFA U-20 大会のオランダ戦にも出場しておりけっこうオランダと縁が深い…と思った。 そして Robben も下がり HSV 所属の Eljero Elia が投入された。

後半のオランダは前半の終了前同様に攻勢に出てくる。49分4秒には van Persie から左サイドから走りこんだElia にスルーが通りそうになる。51分に長友がLoovens にスライディングをかけられるも粘ってボールを奪い返し、その直後には本田が van der Wiel をかわして欧州選手並みの身体の強さを見せる。何とか全体のエネルギーが残っている間に…と願う。オランダも高い位置からボールを取りに来る。そして雨も降って来た。それが日本側にどう影響するだろうか…
57分55秒には van Persie からボールを奪った長谷部が憲剛に送り更に俊輔に送られミドルを放つが相手DFに当たり大きく弾みボールはGK正面。59分過ぎから更に雨粒が大きくなる。 60分45秒、内田から憲剛にボールが出て de Jong をかわしたところを後ろから van Brouckhorst が憲剛を倒して笛が鳴る。絶好の位置でFKを得た。俊輔、遠藤、長谷部そして本田がセットされたボールを囲む。この雨粒を考えれば本当にチャンスだった。場内からは本田コールが起こる。俊輔がボールをセットしなおしたので遅延行為とイエローが出される。それでも本田と俊輔がずっと話している。そして蹴ったのは俊輔、ボールは右ポストを目指して飛びGKが何とか横っ跳びではじき出した。本当に惜しいシーンだった。でもマスコミが大げさに取り上げるほどの”問題シーン”でもないと思った。そしてやはり俊輔だった。

               

この直後にオランダベンチは選手を二人替えて来た。 Mendes da Silva に代わって Demy de Zeeuw ( Ajax ) Kuyt が下がって Klaas Jan Huntelaar ( AC Milan ) らがそれぞれ投入される。 Robben, Kuyt の二人がこれでベンチに下がった。
雨脚は更に強まる。67分45秒闘莉王のクリアーボールを拾われ左サイドをVan Broudchorst がドリブルで上がり中の Elia へ。俊輔がマークに入るがうまくかわされ長谷部がマークに入る前にエリア内から放たれたショットは川島が好セーブでコーナーに。しかしこのCKからついに失点を許す。Snejider からのCKは一旦は長谷部がヘッドで跳ね返すがこぼれたところをde Jong に拾われ左サイドの Elia から中の van Persie に。長友がマークに入る前にワントラップした van Persie に左足で日本ゴールに蹴り込まれてしまった。van Persie がトラップするときに手に当たったように見えたが判定は変わらず。ついに均衡を破られてしまった。そしていくらミスをしてもやっぱりゴールを決める van Persie はさすがだと思った。

日本ベンチは興梠を憲剛に替えて投入し岡崎が左に入り本田が真ん中に入った。オランダは後半に入り内田の裏と云うよりも右サイドを突いてきたがこれは交替出場の Elia が起点になっていた。失点後も立て続けに Elia の chance make ピンチを招く。Elia は昨シーズンオランダリーグの最優秀新人賞を受賞した選手。日本も途中出場の本田、興梠に何とか…と思うも72分399秒、Snejider が真ん中から放ったミドルが日本ゴールネットに突き刺さった。右サイドの de Zeeuw から中央の Snejider がボールを受けた時マークに入った中澤がポジションがその前にいた Huntelaar の動きがすこし気になりマークが遅れたのかもしれない。 だが何度も厳しいマークに思うようにプレー出来ずにイエローまで受けていた Snejider もここで決めるところはさすがワールドクラス。この時点で日本の勝利はまず考えられなくなった。


それでもスタンドからはニッポンコールが湧く。それに後押しされる様にオランダエリア内で本田が van Persie と激しく競り合い、俊輔がドリブルシュートを見せる。76分14秒には遠藤からボールを受けた俊輔が岡崎をめがけてボールを入れ歓声があがる。しかし中盤の疲弊が激しくオランダ選手のドリブルが目立つ76分46秒には Sneijider がドリブルシュートを見せマークに入った本田の足が左足を巻き込んでしまい、Sneijider は立ち上がれない。とうとう担架に乗せられピッチから下がってしまった。 

     

そして替って入ったのが Raffael van der Vaart ( Real Madrid ) 。かつて高原と共にHSV Hamburg でプレーした選手だ。van der Vaart が入れたCKから Jan Huntelaar がシュートを放つがボールはポストの左に外れてくれた。69分50秒には
de Zeeuw にドリブルシュートを許し、72分8秒に de Zeeuw からボールを受けたvan Persie が長友を背負いながら走り込んだde Zeeuw にスルーを送りマークに入った岡崎と交錯して倒れるがここはノーホイッスル。中盤が相手選手を捕えきれなくなってきている。交替枠はあと4人、公式戦のルールから見てもあと1人残っているが日本ベンチは動く気配がない。86分23秒中盤でまたも van de Zeeuw から前線の van Persie に繋がれ左サイドの Elia に渡り逆サイドの Huntelaar に振られそのままダイレクトで撃たれたショットは日本ゴールネットを揺らされついに3点差がついてしまった。 Huntelaar はこれが代表初ゴールとなった。

      

マークに付く選手が一歩ずつ遅れを取っていたがこれが実力の差なのだろう。 ピッチの上には日が差してきた。ロスタイムは3分ある何とか一矢を報いてここで日本がオランダと試合をしたのだという証を残してほしかった。闘莉王が上がってくる。長友が必死にカウンターに対応する。本田が何とかしようと試みる。しかし日本に得点は生まれず予想されたとはいえ残念な悔しい結果となってしまった。
失点をするまでの時間帯は評価されるかもしれないがサッカーは90分のスポーツ。オランダに35分から見せたプレーを最初からされていればどうなっていただろう… 。体格、パワーこれはどうしても埋められない。戦術、個人の技術だけでは我々が想像している以上に絶望的に対抗できないのかもしれない。決定的な違いは精神的に優位に立てるということだろう。 オランダから見れば日本はFIFA ランクで35~36位程度格下の相手。反対に日本がそれくらいランクの下がる相手だとどうなのだろう?例えばオランダは欧州でも屈指の野球王国。WBCにも出場するが、WBCで日本がオランダと対戦する事になった時 我々日本国民はどういう試合を予想、想像するかを考えて見れば良い。

10月にシドニーでオーストラリアはオランダ代表を迎えるがどういう試合をするのだろう? オーストラリアは世界ランク14位。ここまでは日本も射程距離だと思う。この試合内容...何とかみたいなぁ.....

それでもワールドカップベスト4という目標は私は悪いとは思わない。NHKのインタビューで岡田監督が語っていて。先人がワールドカップに出られないと思ってサッカーをやっていたわけではない。いつか出られると信じて来た積み重ねの上の今がある。いつの日か世界の4強入りが果たせる日の為に掲げる目標なのだ。この理念、スポーツをした人ならわかるはずだ。 

しかし出来れば私が元気なうちに実現してほしい……いや、きっとできると思う。

でもオランダベンチは....余裕やったなぁ......

                 


歴史的親善試合…だったなぁ…. Holland 3-0 Japan 前半 05.09.2009

2009-09-13 | 日本代表

もう35年前になる。.記憶に残るあれがワールドカップ西ドイツ大会の決勝戦だったのだろう…  NHK で放映されたブラウン管を通して観た試合は素晴らしい緑色の芝生の上を走るオレンジ色のユニフォームがものすごく綺麗に映っていた。 
そこにはベッケンバウアー、ゲルハルト=ミュラー、マイヤー、フォックツ、シュバルツェンベック、ブライトナー、オベラーツ、ボンホフといった西ドイツの選手たちとヨハン=クライフ率いるオレンジ軍団、ニースケンス、レンセンブリング(後半からケルクフォフ)、レップ、らがいた。 だけどその時選手達の詳細どころかこの試合がワールドカップの決勝戦だった事を知っていて見たわけではなかった。そもそもワールドカップなんて言葉自体知らなかった。雑誌か新聞で “世界サッカー選手権”という小さな見出しを見たこともあった。

それから数カ月後 Bayern München が来日しベッケンバウアーの雄姿をテレビで観た。 しかしオランダの英雄 Johan=Cryff はなかなかテレビででも見られなかった、というよりも知ることができたのはワールドカップの決勝戦から2年くらい後のことだった。クラスのサッカー部の連中が数人彼の話をしていて、

“今度のダイヤモンドサッカーでクライフが観れるぞ。” 
“あぁいいなぁ、俺のところそれ映らんから観させてくれるけ?” 
“ええで。”

ってな話だった。映らないというのは関西地区では当時テレビ東京系列の放送局が無くサンテレビと云う UHF局が放映していたので UHF用のアンテナが無いと観られなかったのであった。我が家は親父の方針でそんなアンテナ建ててくれなかった。
まぁ妹か弟が建てて欲しいと言えば建てただろうが......

高校になりNHKがワールドカップアルゼンチン大会を中継または録画放映する様になりオランダ戦を含め何試合か観た。そしてアルゼンチンとの決勝戦も.... 大会前に専門誌の“アルゼンチン大会はクライフもベッケンバウアーも出場しない.。しかしオランダ協会は最後までクライフに説得を続ける。”という記事を読んだので少し残念な思いだった。でも大会で5ゴールを挙げたレンセンブリンクやニースケンス、ケルクホフ兄弟、ブランツ、ハーン、レップ、ホーフェンカップ、ヤンセン彼らを見られたことは良かったと思っている。ニースケンスは翌年 New York Cosmosの一員として来日した。そして20年以上が経ちイタリア戦で40m のロングシュートを見せたハーンは後に中国代表監督を務め、さらにヤンセンが後にサンフレッチェの監督やレッズのコーチを務める等Jリーグに関わるようになった時は本当に驚きだった。

クライフをやっとテレビで見られたのは1980年12月に開催されたチャリティーマッチ FC Barcelona vs Human’s Star という試合の録画放送で Human’s Star と名付けられた世界選抜チームにクライフが出場していた。そしてそのチームには後半から釜本が登場した。 クライフは試合中、主審に激しく抗議しレッドカードを受けてしまった。これには Human’s Star のみならず相手も Barcelona の選手達も総出で 
“チャリティーマッチなんだから....“ と主審にカード撤回を懇願していた。
しかし一度出した判定は覆らず世にも珍しいチャリティー親善試合での退場処分となってしまった。 こんなのクライフ以外にいないんじゃないかなぁ.......
1980年代に入り1974年ワールドカップ組がごっそり抜けオランダはあっという間に弱体してしまう。スペイン大会、メキシコ大会と出場枠が増えたにも関わらず欧州地区予選を突破できなかった。オランダ代表が再び輝きを取り戻したのは1980年代終わりごろになり Ruud Gulit を始め van Bastine, Rijikaart , Koeman らが出て来た頃からでそれ以降のことはここで述べる必要も無いだろう。

欧州の列強であるオランダが親善試合とはいえ、既に予選突破が決まっているワールドカップ予選の前の準備試合とはいえ、日本代表を“相手にしてくれる”と言う事がどれほど日本サッカー界の進歩の表れか、我々の世代は良く分かっている。それだけにまずベストメンバーを日本が揃えられた事が良かったと思う。2005年12月ドイツ代表が来日した時は折角の機会なのに日本側のメンバーが中田英寿がいなかったりとベストで無かったことに失望した。

Twente にオランダ代表がAマッチの試合をするのは初めてとの事らしい。そこに乗り込んだ日本代表は怪我で不参加の楢崎以外はほぼベストメンバー。こんなことを言ったら川崎サポ達に叱られるか?しかし川島も2003年 FIFA U-20 World Cup に出場経験がある選手。でもここで選出されなかった川口は来年どうなるのだろう?

オランダ代表は GK Vorum ( Utrecht ) , DF Glen Loovens ( Celtic ) の二人が代表デビュー。35歳のベテランDF Ooijer ( PSV ) そして GK Stekelen burg ( Ajax ) らは選ばれなかったが8月12日の England 戦で起用された選手8人がスタメンに名を連ねた。6人が EURO2008 のメンバーだ。

    

日本のキックオフでいよいよ楽しみだった一戦が始まった。ここまで来るのにどれだけの積み重ねがあった事だろう.. とにかく4日後にワールドカップ予選の Scotland 戦を控えたオランダの本気を少しでも引き出す為に最初に攻勢に出て,そしてできれば先制点を…と思った。
開始早々の日本は積極的でよくボールを追っていたのでオランダはボールを下げるシーンが続いた。それだけ1対1でも日本はかなりやれると思われたのか?それともなるべく動かず日本の運動量が落ちてから前線に上がろうとしているのか?1分36秒には闘莉王から縦パスが憲剛を経由して岡崎に渡りドリブル突破を図るが Loovens がマークに入り Joris Mathijsen ( HSV ) が右からスライディングをかけてPA内に侵入できない。1分56秒には左サイドの長友のクロスに玉田が飛び込むがうまくヒットせず Mathijsen がクリアーしたところを長谷部がダイレクトで撃つがDavid Mendes da Silva ( AZ Alkman ) がブロックそのこぼれ球を繋いで俊輔が前線に素晴らしいロビングを上げ岡崎が走りこむがトラップが僅かに右に逸れてMathijsenに拾われた。そこから前線に繋がれ左サイドを上がったArjen Robben ( Bäyern München ) に闘莉王がチャージに入りファールを取られた。Weslez Snejider ( Internazionale ) がゴール前に放り込んだFKは川島が直接キャッチした。 自軍ゴール前での守備の堅さ、2,3本のパスで相手前線まで持ってくるロングパスの威力は日本の最初の攻勢よりも強く印象付けられた。
それでも日本は特に守備時の連動とボールを持った選手への複数での囲い込みが良くこれが最後まで続けば…と思った。
6分に遠藤からボールを受けた俊輔に Nigel de Jong ( Manchester City ) チャージに入り俊輔が倒れる。ホイッスルが鳴るが俊輔がなかなか立ち上がれない。足首をひねったらしくかなり苦痛の表情だ。本田がアップを始めるが俊輔が万全でないとオランダとは戦えない。俊輔は一旦外に出されるが1分後に日本サポからの拍手を浴びてピッチに戻り一安心を。 その後左サイドバックからのロングフィードが闘莉王の右側にこぼれて来て落下点にDirt Kuyt ( Liverpool ) が走りこむ。川島があわててクリアーに入り事なきを得たが欧州人の身体能力の高さを再認識させられた。
日本はショートパスをダイレクトで繋いでビルドアップしていく。これは効果的でもあるがパスのレンジが短いと受ける選手を読まれてしまう。空いたスペースに走りこんでミドルパス、ロングパスをもらうように出来ればよいのだけれど….
11分35秒、中盤で長谷部、俊輔と繋いですこし戻したところを玉田がミドルを放つ。そのシュートはゴール枠を外れていくがなかなかエリア内に入れないのでこういうレンジからのシュートから得点チャンスが生まれないかと思った。しかしここは憲剛がフリーで中央を走りこんだのでそこにスルーを通しても良かったか…
14分14秒に内田が中央からドリブルシュートを放ち de Jong に当たったところを憲剛が拾って中に入れるがここはコーナーに逃れられる。このCKには中澤と闘莉王が上がってくるが俊輔の入れたCKはGKがキャッチ。大男揃いのオランダ相手ではCK時のチャンスも半減か?15分15秒には俊輔が右サイドを van Bronckhorst ( Feyenoord ) をかわしてクロスを入れるファーサイドの憲剛がシュートに入るがやや態勢に無理がありボールはゴールラインを割る。マークに入ったDFが完全に頭から飛び込んでいたのでここはトラップをして切り返せばと思うのはテレビ観戦者の結果論か…? でもこういうレベルを相手に頼れるのは俊輔だ。
17分には相手のミスパスを拾って岡崎がドリブルシュート。ボールはゴールラインを割ったが Mathijsenに触ったのでCKと思ったがスロベニア人のDamir Skomina主審はGKの判定だった。18分3秒、左サイド長友が Kuyt をかわして入れたクロスに玉田が飛び込むが僅かに届かなかった。しかしこの内田のドリブル突破から始まった攻撃は見事で、俊輔、憲剛を経由して長友に繋がれたボールがクロスが上がった時はエリア内に俊輔、憲剛、長谷部、玉田と4人の選手が侵入していた。 
19分55秒にもエリア内から長谷部のシュートが惜しくも Loovens に当たってサイドネットを揺らすがこの攻撃も見事でエリア内に選手が4人侵入していた。ここまで来てボールを回せれば日本にも得点チャンスがあるのでは、ここまで守備が良いので先制点が入れば…と期待させられた時間帯であった。そのCKでは闘莉王と中澤が上がってきたが右サイドのスナイデルからのロングフィードが長友の後方から走りこんだカイトに渡りそうになったところを川島がエリアの外に飛び出しヘッドでクリアー。
その後のスローインから右サイドを上がったロッペンが受けるがここは俊輔と長友がマーク。 ここまでシュートのないオランダはすこし焦れて来た様に見えた。24分に右サイドの Robben から縦パスが Kuyt に通り中に入れたところを中澤がバウンドを合わせそこね逆サイドの Robin van Persie ( Arsenal ) に流れたがフリーの van Persie がシュートに入るときに長友が左から戻ってきてマークに入ったのでシュートがやや浮いてくれ助かった。これがオランダの最初のシュートだったが、地元サポーター達はこの時点まで得点が無いことを想像できただろうか?
だが既にワールドカップ出場を決めているとはいえ予選で同じグループにいる国がマケドニア、ノルウェー、スコットランド、アイスランド。日本がやってもそこそこやれそうな相手ばかり。ワールドカップ予選ではホームで失点していないオランダから得点が入れば後にオランダ人がこの試合を記憶するだろうと思った。この時間帯までボールキープにしても日本はオランダに引けを取らないそこがここまでの健闘を引き出していた。たまに闘莉王がセットプレー時でなくても上がる場面が出て来た。闘莉王が上がれば長谷部、遠藤のどちらかが下がるがこの二人はもう少し得点シーンにと思った。 ただ遠藤は Snejider に対してのマークも良い。

         


スタンドからはニッポンコールが聞こえる。35分12秒には de Jong 長友へのファールでイエローが出されるがその前に Robben が長友を掴んだりした時に笛が吹かれてもおかしくなかったはずだ。38分に今度は Snejider が長谷部に両足タックルをかけてイエローが出る。この前からオランダが日本ゴールに向かってパスを繋いでビルドアップしてくるがラストパスが通らなかったりと焦燥感が募りだしたのかもしれない。ただ35分過ぎからオランダはDF陣の攻撃参加が目立つようになりシュートに持ち込まれる様になった。41分にはゴール前正面の至近距離にいた van Persie にボールが渡り、43分4秒には再び van Persie にボールが渡りシュートを撃たれるが、FWの選手が下がってボールを受けそこから2列目、3列目の右サイドの選手が上がってきてビルドアップをして来ていた。 44分52秒には Gregory van der Wiel ( Ajax ) が岡崎をかわしてミドルを放つ。ボールはクロスバーを越えてくれたが岡崎はさらに右タッチラン沿いを上がるカイトが気になったのかもしれない。前半はロスタイム1分を過ぎてホイッスルが鳴った。スコアーだけを見ると健闘だけどオランダが本気になったと思われる最後の10分だけを見ると“試合”になる為には絶対に先制点が必要と思った。           
                                                                                            後半に続く

      

 


Socceroos “アジア王者”の称号を懸けて...

2009-09-05 | Aussie & Kiwi

ワールドカップ予選で中国、イラク、日本を破り、先月はアウェーでアイルランドを 3-0 と粉砕したオーストラリア代表が本日ソウルの World Cup Stadium で韓国代表と親善試合を行う。 この試合はオーストラリアのマスコミによると “アジア王者を懸けた試合”となるそうだ……

最近の韓国、オーストラリアのサッカー関係は日本に非常に影響を及ぼしている様に思われる。 2002年日韓共同開催のワールドカップでは Guus Hidink 率いる韓国代表がベスト4に進出し、その時にコーチを務めた Pim Verbeek が後に韓国代表の監督に就任し今はオーストラリア代表監督だ。そして2006年ワールドカップドイツ大会では Hiddink オーストラリア代表監督に就任し、ワールドカップ前に韓国協会が Hiddink が日本を破る為の協力は惜しまないと韓国のマスコミで報道された事は忘れられない。

しかし、70年代はオーストラリアと韓国がワールドカップ出場権を巡って何度も対戦している。 1969年10月ソウルで開催されたメキシコワールドカップ1次予選。この時は日本、韓国、オーストラリアが総当たりで2回ずつ戦った。1974年西ドイツ大会へのアジア、オセアニア地区に与えられた唯一の出場権を掛けてのプレーオフ。 この2大会は共にオーストラリアに軍配が上がった。そして続くアルゼンチン大会のホームアンドアウェーで行われたアジア・オセアニア地区最終予選。ただ一つの出場権を獲得したのはイランで韓国は2位に終わったが5カ国中4位に終わったオーストラリアにはホームで引分けアウェーで敗れた。 70年代、日本が低迷していた時に両国がアジア・オセアニア地区から世界への挑戦権獲得を巡って死闘を演じていいたのだ。

この両国が親善試合とはいえ久々に対戦する事となった。9月1日発表されたメンバーは下記の通り。

GK Ante Covic ( IF Elfsborg Sweden )
     Mark Schwarzer ( Fulham FC England )
     Michael Petkovis ( Sivasspor Turkey )

DF Michael Beachamp ( Aalborg BK Denmark )
     Patrick Kisnorbo ( Leeds United England )
     Jade North ( 仁川 United 韓国)
     Matthew Spiranovic ( FC Nurnberg Germany )
     Rhys Williams ( Middlesbrough FC )
     Mark Milligan ( 上海申花 中国 )
     Shane Stefanutto ( North Queensland Fury Australia )

MF Mark Bresciano ( Palermo Italy ) 
     Nick Carle ( Crystal Palace England )
     Brett Holman ( AZ Alkmar Holland )
     Mile Jedinak ( Antalyaspor Kulubu Turkey )
     Dario Vidosic ( FC Nurnberg Germany )
     Jason Clina ( Gold Coast United Australia )
     Vincenzo Grella ( Blackburn Rovers England )

FW Scott McDonald ( Celtic Scotland )
     Nikita Rukavytsya ( FC Twente )

     Josh Kennedy ( 名古屋グランパスエイト )

赤字は8月12日のアイルランド戦に召集された選手。

20人中13人がアイルランド戦でも選ばれたメンバー。名古屋でもプレーする Kennedy, K-League に所属する North, 中国超級でプレーする Milligan そして A-League でプレーする Clina, Stefanutto らアジア地区でプレーする選手が選出された。
          

Harry Kewellは8月末日のリーグ戦 ( トルコ ) で30分プレーしゴールも上げたが踝を痛めた為召集を見送られた。 そして足にやや不安のある Tim Cahill も韓国には来ない。
Jason Clina, Vincenzo Grella といったボランチが戻ってきた。

    

8月12日のアイルランド戦後でも Verbeek 監督は “ Tim Cahill, Mark Schwarzer, Vince Grella そして Bretto Emerton の4人以外は現在のところワールドカップメンバーの当確者はいない。” と語ったらしい。しかし Emerton は負傷治療中だけど…
この4名は Premiership でレギュラーポジションを獲得しており絶大なる信頼があると言う事か…?
またワールドカップ予選で何試合も主将を務めた Lucas Neil はまだ所属先が決まらないので招集は見送られた。しかし Neil の次の契約先に就いての視界は悪くないらしい。現在のところ Athletico Madrid と Sunderland からオファーを受けていると事。その中で Athletico が有力とみられているがそれはスペインの方が税制が優遇されているかららしい…これまで所属していたのは West Ham だったが英国では税金が50%も課税されるらしい。 Athletico はオランダ人DF Johnny Heitinga を Everton に放出したのでその穴埋めが必要らしい。8月末の Malaga 戦は 0-3 で完敗している。  Sunderland は Scotland 人の右サイドバック Alan Hutton を Tottenham から獲得し損ねたので Neil に白羽の矢が立っているらしい。

この韓国戦。これまで1トップを通してきた Verbeek 監督は McDonald と Kennedy の2トップを試すらしい。 “私のプランは Josh Kennedy と Scott McDonald の2人を起用した2トップシステムを採用するつもりだが普通の2トップとは少し異なる。これまでやって来たフォーメーションはあまり変えたくない。” 
Cahill に就いては “ Timmy は欧州で多くの試合をすることから足に不安を抱えている。これまでの故障とは内容が異なるが今は England に残る方が得策と考える。 まだ他に試したい選手もいるので。そして彼はこれから長いシーズンが待っている。 “ 
Lucas Neil に就いては “彼に就いては心配していない。もし来年4月、5月にプレーしていないのなら心配もするが。アイルランド戦ではプレーしなかったが今は次の所属先にフィットする事を優先させた。

” Kewell は8月26日、所属先の Galatasaray がKayserispor を 4-1 で降した試合に出場したが “彼は踝を激しく蹴られている。金曜日に治療先で見たが状態は良いとは言えない。翌々週の試合でプレー出来る事を祈っている。”

    

また2007年の Asian Cup で代表監督を務めていた韓国代表に就いては “良いチームを選出している。 彼らはホームでは絶対にオーストラリアには負けたくは無いだろう。それだけに面白いゲームになりそうだ。” 
しかしこの韓国戦は勝負よりもテストの意味合いが多く含まれているだろう。アイルランド戦後にこう言うコメントを残している。
“私はこの試合に勝ちたいし、選手達も負けたくはないだろうしかしこのアイルランド戦の様にまず選手達のパフォーマンスに満足している。 そして新しい選手を見る事が出来彼らも私に翌月の試合(韓国戦)に向けて可能性を見せてくれた。これほどコーチの仕事を楽にしてくれることは無い。” 日本は Twente でオランダ代表と歴史的な親善試合を行う。 

私もこの韓国対オーストラリア戦もどこかで観たいなぁ……