雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

雨ひたひた伏せて静かな水の面(おも)恋ふればぬばたま夜のひそけさ

2010-07-09 19:10:02 | Weblog


 今日いちにちのつとめは終えた。








 雨音。水音。軒をつたい、どこかへ、どこまでも流れてゆく循環。



 ひさしぶりに小野小町の歌など思い出したり。


    いとせめて恋しきときはむばたまの夜のころもをかへしてぞ着る


 それから、
    
    ゆく水にかずかくよりもはかなきは思はぬひとを思ふなりけり


 あとの歌は、古今和歌集のよみびとしらずの。



 いろんなことが真夏にかけて密度ふかめてゆく。ここですこし息抜きできてうれしい。


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夏の風こころさしだすきららかな鏡のやうに風鈴鳴れば

2010-07-08 13:59:08 | Weblog


 風鈴を聴きながら。









 まひる、まぶしい夏空がひろがった。風がゆき、雲を呼び、いままた、うっすらと湿ってきた。


 風鈴がよくはたらく。澄んだメゾソプラノ。すきま時間の放心に、鈴の音だけが聞こえたことの。

















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明けのまへ仄花(ほのはな)ゆるくすべりさる夢の体温はぬるき重さ持たず

2010-07-06 08:26:07 | Weblog
 夜明けにふと。




 雨は降らないみたい。風のない大気の湿度が皮膚を覆うよう。



 明日はもう七夕……。











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夏に捺(お)すゆびのさきより忘れゆく触れなば風の匂ひほどやさし

2010-07-01 19:19:57 | Weblog

 くちなしによせて。








 ふと、ゆふぐれ、通りすがりに。今がさかり。


 紫陽花にくらべて目立たないけれど、雨のなか、この花のしっとりした匂い、梅雨の大気をやわらかくしてくれる、気がして。









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アルファポリス