満ち潮に。
20年ほど前に手習した水墨画。
ほとんどは宋元水墨を臨模した。
母の入所準備やら何やら、慌ただしい日だった。
今、施設入所間近の母は幸せそうには見えない。不平不満をこぼすことが多い。圧迫骨折の痛みで、ほぼ寝たきり、楽しみも少なく、運動しないから、食事も細い。
それでも介護施設に入ればケアは万全で、日常の苦痛はずっと少なくて済む。リハビリもしてもらえる。
教師として、定年まで真面目に働き抜いた母の人生の対価が、この安全な最晩年と思う。娘の私は彼女を喜ばせることは、あまり出来なかったが、老母を保護するという責任は果たせた。
そう考えるようにしている。
神に感謝。