市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

海裂いて鳴らせ花鞭ボッティチェルリよ春踏む皮膚のどこかがいたい

2008-01-16 21:43:47 | Weblog
 
 今日いちばんうれしかったこと。
 
 友人の沙羅さんことsaramancaさん、彼女のブログで、わたしの紹介を丁寧にしてくださいました。

 彼女もまた、ミクシイで知り合った、女性。まだ直接お会いしたことがない。
 
 いにしへ、「音に聞く恋」という恋愛スタイルがありました。
 見たことのないひとを、噂に聞いて恋をする。そこから文のやりとりがはじまり……という悠長な恋愛。

 現代みたいにすばやくことが運びません。

 でも、男女の仲でなくても、〈音に聞く〉沙羅さんは、才色兼備のキャリア美人。それを〈ネットアップされた情報によると〉なんて書いたら身もフタもない気がする。

 時空を超えて、掲示板の世界でいただいた友愛も、たいせつなもの。

 彼女の紹介文に「ボッティチェルリ云々」とお言いなのがうれしかった。

 いちにち、リナシメントの画工のイメージが心に揺れていました。

 なにか詠えないか、と浮き沈みしながら。

 春はまだ先のことですが、プリマヴェーラの画像の記憶から。

 サンドロ描く、憂いをたたえた美女は、プルーストの『失われた時を求めて』のヒロイン、オデット・ド・クレシーの容貌にたとえられてもいました。

 高級娼婦オデットは白鳥のイメージでもあり、そこからギリシア神話のレダへもつながってゆく。

 イメージは制限されない。逸脱しながら奔放に時空を超える。

 ネットみたいに、ネット以上に。

 歌はヴィーナスの誕生とプリマヴェーラを紡ぎあわせて。

 
 華麗な沙羅さんのブログはhttp://tokifuru.blog.ocn.ne.jp/nitinitikorekoujitsu/
 こちらを御覧ください。

 身内びいきの誉めあひと思ひたまふな、ゆめ。
 うれしきものから、我が身の片帆なる、いと恥づかし




 
 

 


コメント (4)
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紺青に迫(せ)りくる宵よ哀しみもLet it beくちずさむなら海は凪なれ

2008-01-16 18:10:36 | Weblog
 かたちのない哀しみ。

 コバルトブルーはその色。

 なにごとも流れるままに、あるがままに。

 詠えるなら、まだ海はしづかだろう。


 嵐だって、詠いたいけれども。

 
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撓(しな)はせて翼もぎとれ腿長く喰(く)ふべきは女は天人ならず

2008-01-16 15:25:18 | Weblog
 激しい感情。

 整正の日本語文法のきまりごとを逸れて。

 腿長く……上代語。からだをのばして。

 エロスの絡まるとき、避けがたく獰猛な情熱が奔出する。

 飛び去る前に、その翼を捥いでしまえ。

 天人女房の、羽衣をかくした男の伝説は、日本各地に。

 アラビアン・ナイトにも。




 
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水茎のこころさぶしゑ唇(くち)うつす茴香(ういきゃう)きんいろ硬き性愛

2008-01-16 10:49:14 | Weblog

 うつつのむこうがわに視たいもの。

 言葉の連鎖による歌。
 意味のない単語のつらなりから、こころの奥底の「意味ならぬ意味」「不可解で透明な美」を誘い出す歌。幻視、幻影。塚本邦雄さんがお云いだったことなど。

 定型短詩のちいさな世界で、濃い幻影をつむごうとするなら、それは中世ミニアチュールめいた、緻密なコラージュになるのかもしれません。

 言葉を選ぶ。自分のヴィジョンが、なにを表現したがっているのか。

 自分のこころの深みから湧きあがってくるなにかが、なんであるのか。




 
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