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時悠人chosan流処世術

★「小さな政府」の幻想④

2009-08-25 08:06:59 | 日記・エッセイ・コラム

 高福祉を維持するスェーデンの税金は確かに高い。しかし、国民が、それを受容している現実の方がより重要だ。

 個人に課されるのは、所得税(住民税を兼ねる)30%と消費税25%だけ。日本のように健康保険・介護保険・国民年金等、第二の税金類似の徴収は一切ない。しかも、食品に課される消費税率は11%と低く抑えられている。また、年金支給額は、消費税を十分払うことが出来る水準を確保している。

 一方、企業が支払う税金は、法人税と雇用主税(社会保障税)の二つ。法人税は、純利益に対する賦課で、雇用主税32%は、人件費に対するもの。この32%の中に、年金・保険等の社会保障費がすべて含まれていて、大学就学費用もこの範疇だ。

 その代わり、給与に、「扶養家族手当、育児休職手当」或いは、「交通費手当・住宅手当」等の生活給付に関する手当が一切なく、退職金もない。企業が労働者に支払う賃金は、純粋な労働対価だけなので、日本のように、家族調書を会社に出したりしない。

 年金制度や税体系が単純明快なので、複雑かつ膨大な付随事務は不要。企業側から「雇用主税を軽減して欲しい」との要望が出ても、国に譲歩する考えはない。大企業を優遇する日本政府とは大違いだ。


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