「砂に埋もれる犬」 桐野夏生 朝日新聞出版
うーむ。この前のブレイディみかこ「両手にトカレフ」は百年前の虐待と、貧困英国の少女の交錯に光あった。
これは埋もれ続ける物語。
桐野夏生ってデビュー作から読んでるけど、人物造形が素晴らしい。リアル。
これでもか、これでもかと迫りくる現実。貧困の連鎖。
主人公の少年が里親に巡りあい貧困から抜け出せたと思いきや、小学校も中学校も馴染めずミソジニーに行き着くところは...やりきれない。
つらつら書いたけど、小説としては圧倒的に面白い。二代続いた毒母の生態とか。
桐野夏生は凄いなあと、改めて思った。
レイバーブッククラブとか、読書会するのに最適題材。