千恵子@詠む...................

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中曽根の奸計を忘れてはならぬ

2013年06月03日 | 

クリエイティブ・コモンズの了承を得て、転載。

救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより。

中曽根の奸計を忘れてはならぬ

 
困ったことに「行革でお座敷をきれいにして、床の間に新憲法を安置する」と堂々と言ってのけた八〇年代の中曽根康弘の目論見がちゃくちゃくと進んでいる。
 
日本人には過去のいざこざや暴言を「水に流す」という悪癖がある。橋下らの暴言も過去の戦争の総括をまったくしてこなかったことにも起因していると思う。
 
中曽根康弘(ヤス)、ロナルド・レーガン(ロン)それにマーガレット・サッチャー(マギー)は、今日の新自由主義の礎石を作った。ウォール街オキュパイ(占拠)運動その他の社会運動が、少数者が富を独占する仕組みを非難しているが、元はといえばこの三人の悪企みが元兇だ。
 
マグナカルタで国権の制限に成功したイギリス人は、今回もマギー死亡の直後、マギー批判を繰り広げた。まずその嚆矢となったのは労働者階級映画監督のケン・ローチが「祝祭を」と呼びかけ、労働者の多い街々で連夜のお祭り騒ぎ、逮捕者も出た。次に「ディン・ドン、魔女は死んだ」が、音楽ダウンロードサイトのトップに躍り出る。これは一九三九年にヒットしたファンタジー・ミュージカルの一曲で悪い魔女を退治したときに歌われるポップな祝祭音楽。さらに町中には「鉄の女だって?墓の中でさびにまみれて眠りやがれ」という落書きが見られた。葬儀で、棺桶を運ぶパレードに対し一般の観客に混じって数多くのプラカードや幟旗が林立し、棺桶に向かって、あるいは背を向けてブーイングの声や罵声が乱れ飛ぶ。騒然たるありさまが動画サイトに多数登場した。
 
マギーが炭鉱労働者を筆頭に労働者を自殺に追いやったのは、日本の国鉄つぶしと同じ構図。さらに納税能力に関係なく税金を課す人頭税を導入し、当時激しい暴動が各地で起きた。それら数多くの憎悪が、マギー死亡を契機に噴出したということだ。ちなみにこの一連のイギリスの動きは、外国語ニュースでは詳しく報じられたが、日本ではトピックス記事として小さな扱いにとどまった。
 
さて、日本はどうなのか。一旦退いた自民党が政権党として復活。一度辞めたはずの安倍晋三(岸信介の孫)が再び総理となり、改憲や軍拡を盛んに画策している。この男「美しい国」などと言ったが、逆に読めば「憎いし苦痛」なのだ。
 
このまま安倍が突っ走れば日本は一体どうなるのか。どこまで反動を許すのか。
 
橋下や石原慎太郎の動きもキナ臭い。マスメディアは批判的精神を失い、世論はマスメディアに引きずられている。中曽根は存命だ。これを忘れず、憎悪しよう。
 
 
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