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チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第63話 あ~した 天気にな~あれ

2007年04月26日 | チエちゃん
 明日はいよいよ待ちに待った遠足です。
隣町との境にある金剛山への登山です。
チエちゃん家から遥か遠くに見え、毎日夕陽が沈む山が金剛山です。
そこにはテレビ塔があるということで、前から一度行ってみたいと思っていたのでした。

 この日、チエちゃんはお母さんから300円を貰い、学校の帰りに村でたった1軒のスーパーマーケットにより、遠足に持っていくガムやチョコレート、ジュースを買ってきました。

 リュックも水筒も、もう準備ができています。
明日は、お母さんがお弁当にのり巻を作ってくれることになっています。

 あとは、明日晴れることを祈るのみです。

そうだ、あれをやってみよう!

 あ~した 天気に な~あれ!

 チエちゃんは、履いていた靴を高く放り投げました。
見事、靴は上向きに着地しました。明日は、晴れだあ。

 ねえちゃん、なにやってんの?

 うん、明日晴れっか、"明日天気になーれ"やってたんだ

 おれも やってみっぺ

明日、同じく八幡神社へ遠足に行くたかひろ君も、靴を蹴り投げました。
ところが、たかひろ君の靴は裏返しに落ちてしまったのです。

 ああ~、雨だあ!!!

 んじゃ、もういっぺん!

 あ~した 天気に な~あれ!

たかひろ君の靴は、今度は上向きに落ちました。
大丈夫、明日は晴れるよ。
そう言い合って、金剛山に沈む真っ赤な夕陽を眺めたのでした。