明日はいよいよ待ちに待った遠足です。
隣町との境にある金剛山への登山です。
チエちゃん家から遥か遠くに見え、毎日夕陽が沈む山が金剛山です。
そこにはテレビ塔があるということで、前から一度行ってみたいと思っていたのでした。
この日、チエちゃんはお母さんから300円を貰い、学校の帰りに村でたった1軒のスーパーマーケットにより、遠足に持っていくガムやチョコレート、ジュースを買ってきました。
リュックも水筒も、もう準備ができています。
明日は、お母さんがお弁当にのり巻を作ってくれることになっています。
あとは、明日晴れることを祈るのみです。
そうだ、あれをやってみよう!
あ~した 天気に な~あれ!
チエちゃんは、履いていた靴を高く放り投げました。
見事、靴は上向きに着地しました。明日は、晴れだあ。
ねえちゃん、なにやってんの?
うん、明日晴れっか、"明日天気になーれ"やってたんだ
おれも やってみっぺ
明日、同じく八幡神社へ遠足に行くたかひろ君も、靴を蹴り投げました。
ところが、たかひろ君の靴は裏返しに落ちてしまったのです。
ああ~、雨だあ!!!
んじゃ、もういっぺん!
あ~した 天気に な~あれ!
たかひろ君の靴は、今度は上向きに落ちました。
大丈夫、明日は晴れるよ。
そう言い合って、金剛山に沈む真っ赤な夕陽を眺めたのでした。