罵倒され自死せし勤め人の記事これは俺ではないと言えるか
(和泉市 長尾幹也)
死の近き息子にかける言葉なく孫をほめればかすかうなづく
(江別市 林英子)
雑兵は花を纏わず討たれけり菊人形の合戦シーン
(神戸市 内藤三男)
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今週は、心に沁みる歌が多かった。
一首目。作者の長尾幹也氏は、朝日歌壇ですっかり有名になった人。サラリーマンの哀愁を歌って巧み。一箇所気になったのは、「これは俺ではないと・・」を「これが」にすればもっと良いのではないかと思った。助詞の「が」は「は」より印象が強いから。どうだろう?
二首目。子供に先立たれる以上の不幸はないというが、それを覚悟している作者の悲しみがまっすぐに伝わる。このような強い題材の前には、肯うしjかない。
三首目。数年前からひらかたの菊人形はなくなったと聞くが、今でもどこかでやっているのだろうか。なるほどと思わせられる。
今日は悲しい歌ばかり選んでしまった。悲しみを耐えて言葉に変えるとき、感動を呼ぶのだろう。私たちが短歌に求めているものは救済か、自己実現か、楽しみか、それぞれの思いが沁みてくる。
右脚をすこし引きずり行く夫のうしろ姿がちひさく見えつ
(近藤かすみ)
(和泉市 長尾幹也)
死の近き息子にかける言葉なく孫をほめればかすかうなづく
(江別市 林英子)
雑兵は花を纏わず討たれけり菊人形の合戦シーン
(神戸市 内藤三男)
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今週は、心に沁みる歌が多かった。
一首目。作者の長尾幹也氏は、朝日歌壇ですっかり有名になった人。サラリーマンの哀愁を歌って巧み。一箇所気になったのは、「これは俺ではないと・・」を「これが」にすればもっと良いのではないかと思った。助詞の「が」は「は」より印象が強いから。どうだろう?
二首目。子供に先立たれる以上の不幸はないというが、それを覚悟している作者の悲しみがまっすぐに伝わる。このような強い題材の前には、肯うしjかない。
三首目。数年前からひらかたの菊人形はなくなったと聞くが、今でもどこかでやっているのだろうか。なるほどと思わせられる。
今日は悲しい歌ばかり選んでしまった。悲しみを耐えて言葉に変えるとき、感動を呼ぶのだろう。私たちが短歌に求めているものは救済か、自己実現か、楽しみか、それぞれの思いが沁みてくる。
右脚をすこし引きずり行く夫のうしろ姿がちひさく見えつ
(近藤かすみ)