気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

perspective 香川ヒサ歌集つづき 

2007-11-07 22:16:34 | つれづれ
黄昏の街となつても遠近法揺るがぬままにセント・ポールは

前方は海、後方に山迫り小さな街のパースペクティヴ

パン、バター、紅茶と卵 同じもの食べ続けつつ私である

できごとを満載したる朝刊はきつちりたためばきれいに片付く

生年と没年は他人が記すこと 墓石掠めて飛ぶ海燕

(香川ヒサ perspective 柊書房)

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ここにはあまり挙げなかったが、香川ヒサさんの歌には、海外の旅行詠が多い。
四首目のような、朝刊を別の見方をすれば、すべて片づくといった物の考え方が面白いし、この人の個性だと思う。発想の転換。才気煥発。
それに脳がゆすぶられる。