気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

青井史のうた

2007-11-21 00:47:59 | つれづれ
翔たむとする絵皿の鷹を封じつつ盛りたる葡萄の幾房匂ふ

社会より置き去られしごとひそかにて週日(ウイークデー)のつきみ野妻ばかりの街

我慢とは五十までなり五十すぎては心のままに生きよ花蓼

巣立ちたる子を見送ればそれでよし鳥に老いたる父母あらず

朝ごとに薄くなりゆく手のひらを見てゐる祈り過ぎたる手のひら

(青井史 短歌往来5月号 青井史50首抄 沢口芙美選より)

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たまたまブッ○オフで買った短歌往来のバックナンバーは、青井史の追悼特集だった。青井史のことは、かりうどという結社を閉じて、すぐに亡くなられたということと、与謝野鉄幹の分厚い評論を書かれたということくらいしか知らず、歌を読んだのははじめてだった。
いまの私の気持ちにぴったり来る歌を抜書きしてみた。