気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

銀耳 つづき

2007-11-30 19:26:27 | つれづれ
軽い鬱が突然に来た くれなゐのネクタイにして詩の集りへ

嘘泣きの涙をためてエヴィアンは2番ホームのキオスクに立つ

外を向いて俯いてゐるひとたちが綺麗だ 風の夜のローソン

木雨のやうなひとの言葉に目頭のあたりが熱い無論泣かない

また昏くこころの襞を織りながら容すのだらう神の仕種で

(魚村晋太郎 銀耳 砂子屋書房)

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また、『銀耳』を読んでいる。短歌人12月号と並行して読んでいる。
「銀耳」「空席」は、それぞれ短歌研究新人賞次席、角川短歌賞次席になった連作。そこから、勝手に引用して申し訳ない気がする。優れた歌を読みながら、自分の歌を呼び出そうとしているときが、私にはとても楽しいひとときなので、赦していただきたいのです。
風の夜のローソンの歌は、現代的でとても好きな歌。

いつまでも一緒にをれぬ母と子の暮らし支ふるセブンイレブン
(近藤かすみ)