気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

海雨 吉川宏志歌集 砂子屋書房

2005-11-17 20:43:20 | つれづれ
紙相撲たおれるように冬の日は終わってしまう机の上に

幼な子を寝かせておれば天井は黒い田んぼのように下り来(く)

影の山ひなたの山に隣りつつ左京の町は冬に入りたる

(吉川宏志 海雨)

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近所の図書館にリクエストして買っていただいた「海雨」を読みはじめる。
吉川宏志さんは、同じ左京区の住人。
京都でも左京区の北の方は、河原町あたりよりずっと冷える。
影の山ひなたの山の歌は、加茂大橋あたりの風景だろうか。
きょうはもう冬の気配。

珈琲に重ねてチョコを食(たう)ぶればしみじみ美味し灯火したしむ
(近藤かすみ)