気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

幸福なひざこぞう 

2005-11-19 21:36:13 | つれづれ
日に一度すべてを脱いでいることの幸福な幸福なひざこぞう
(佐藤りえ)

ふるさとの床屋の鏡わが顔と麦の畑をうつせし鏡
(石川啄木)

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今朝のNHK短歌で、佐藤りえさんの歌が紹介されていた。三枝昂之氏が講師で、場面を読みとる例をして石川啄木の歌と並んであげられていた。読者が場面を想像して楽しむ歌。読者によって幾とおりもの読み方ができて、そこが楽しい。
私はやはりお風呂のときのひざこぞうを思う。ありきたりだが、一日を無事に終えた充実感幸福感があふれる。

佐藤りえさんと言えば思い出すのは、題詠マラソン2003の猫の歌。
031:猫  ありえないかたちで眠る猫の足にみなぎっている春の肉球

ネットで検索するとこんな本が出てました。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31174201

りえさん、またお会いしましょう。

題詠マラソン2005(95~97)

2005-11-19 08:08:41 | 題詠マラソン2005
095:翼
暮れいそぐ空より降りて川の洲に器用に翼たたむ五位鷺

096:留守
居留守にもそろそろ飽きて日の残る小庭にしげる猫じやらし引く

097:静
風の野に揺るるコスモス目になじみ静かにわたしの秋が深まる

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題詠マラソンのお題で作ることがなくなって、ほっと一息ついているのか、そのまま出来なくなっているのか。
題詠という方法から抜けて、自分の感動そのものから歌を作る方向に行かんとあかんと思うこのごろ。宝の山のようなみなさんの歌を読めないまま、宿題を残しているような気分だ。
↓この歌の数字が間違っていたら、あとで変更します。

時すぎて読めぬ歌うたわれを待つ題詠マラソン三万六千余首
(近藤かすみ)