気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2005-11-07 22:54:36 | 朝日歌壇
どこだっけああどこだっけなだらかな夢の丘から海を見ている
(相模原市 岩元秀人)

雨止めば「雨止んだよ」と来るメール「雨止んだね」と打ってるときに
(江別市 斎藤明子)

万緑の森背景に群がれば蜻蛉は海の生き物に似る
(高崎市 門倉まさる)

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一首目。上句は日常にふと口をつく言葉。そこから下句の夢の丘というロマンティックな世界に持っていく。
二首目。雨止む・・ということを三種類に発展させている歌。これで内容はよくわかる。しかし携帯メールで人とそんなに繫がっているって煩わしくはないのだろうか。私はケータイなしでよい。
三首目。蜻蛉を見ているうちに、森が海に見えてくる不思議な感覚。その逆に海の映像が森に見えることもある。

歌を読むとき、自分の体験にひきつけて読むところから、感覚を共有できたことを言葉を通じて納得した歌を選ぶ方向に行かなければならないと思う。
読むのも詠むのもむつかしい。