気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

特急あずさ

2005-05-21 21:00:45 | つれづれ
泥ふたたび水のおもてに和ぐころを迷うなよわが特急あずさ

飛ぶ雪の碓氷をすぎて昏みゆくいま紛れなき男のこころ

(岡井隆 天河庭園集)

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出かけるとき、大急ぎでバッグに入れた本は、鑑賞現代短歌・岡井隆(著者は小池光)。

この本を何度も読んだような気もするし、読んでないところもあるような気もする。
同じところをおそらく何度も繰り返して読んでいるのだろう。

通俗といえば通俗すれすれ・・と小池光は言う。
岡井隆の言うところの「短歌村の優しい住人に通じる短歌」は、世間では理解されにくいこともある。世間に受ける短歌は、「短歌村」では通俗と言われる。その匙加減がむつかしい。

八月に「しなの」で長野に行く予定立てて詮無く捨つるもの思(も)ふ
(近藤かすみ)